Comments
Description
Transcript
8.フロントエンドプロセス
8.フロントエンドプロセス 8-1 スコープ FEP(フロントエンドプロセス)のロードマップは、メモリ及 びロジック製 品 のどちらにも適 した、高 性 能 トランジスタと DRAM キャパシタの構 造 に焦 点 を絞 って作 成 した。このロードマップで意 図 しているの は、集 積 回 路 のウェーハ製 造 工 程 のうち、FEOL(front end of line)の鍵 となる技 術 領 域 の広 範 囲 な要 求 項 目 と 、その解 決 可 能 候 補 技 術 を定 義 する ことである。その ため、このロードマップは装 置 、 材 料 、プロセスに関 し、最 初 のシリコンウェーハからシリサイド化 工 程 までを含 んでいる。具 体 的 には 次 の技 術 領 域 を取 り扱 った。すなわち、「スターティングマテリアル」、「表 面 処 理 」、「 熱 処 理 /薄 膜 プ ロセス」および「ドーピング」、それに「プラズマエッチング」である。 微 細 化 していく上 で必 要 な技 術 と解 決 可 能 候 補 技 術 については、それぞれの技 術 領 域 に提 示 し てある。また、必 要 な技 術 の表 の目 標 及 び技 術 動 向 は、特 に記 されていない限 りモデルを基 にしたも のである。なお、解 決 案 はあくまで知 られている可 能 性 のある解 決 策 の例 であって、必 ずしも唯 一 の アプローチではない。革 新 的 で新 規 な解 決 策 が求 められる。 FEP に関 連 した話 題 は、国 際 半 導 体 技 術 ロードマップ(ITRS)の他 の部 分 にも取 り上 げられてい る。プラズマエッチング装 置 関 連 とトレンチ分 離 用 化 学 機 械 的 研 磨 (CMP)装 置 関 連 の懸 案 事 項 は、 BEOL(back end of line)の装 置 のものと重 複 するため、FEP よりもむしろ配 線 の章 に記 述 がある。 FEP のロードマップは、FEOL のデバイス形 成 に関 連 したプラズマエッチングと CMP 工 程 の将 来 の 要 求 事 項 のみならず、製 造 工 程 の懸 案 事 項 も含 んでいる。FEP で他 の分 野 と関 連 する要 求 事 項 は、 「 欠 陥 の 低 減 ( Defect Reduction ) 」 、 「 測 定 技 術 ( Metrology ) 」 、 「 環 境 、 安 全 、 及 び 健 康 ( Environment, Safety, & Health ) 」 、 そ れ に 「 モ デ ル 化 お よ び シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ( Modeling & Simulation)」の部 分 で言 及 されている。 A:ゲートスタ ック B:ソース/ ドレイン―エクステンション C:素 子 分 離 D:チャネル E:ウェル F:キャパシタ( 積 層 /トレンチ) G:スターティングマテリアル H:コンタクト 図 16 CMOS トランジスタ、コンタクト、及 び DRAM の構 造 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 8-2 大 チャレンジ 8-2-1 大 いなる挑 戦 ― シリコン酸 化 膜 の時 代 を越 えて 半 導 体 産 業 は、素 子 を微 細 化 することを主 要 な手 段 として、ムーア(Moore)の法 則 で数 値 が示 さ れている通 りに、前 例 のないほど生 産 量 が増 大 し、デバイス特 性 が向 上 してきた。歴 史 を振 り返 ると、 これは新 しい光 リソグラフィ技 術 やマスク、フォトレジスト材 料 の開 発 により進 められてきたと言 える。と ころが今 ここに、克 服 するためには極 めて多 くの人 材 や 財 源 の投 入 を要 する、「新 たな課 題 」が水 平 線 から顔 を覗 かせてきた。もし解 決 されなければ、これまでの歴 史 的 な進 展 が止 まってしまうかもしれ ない。その課 題 とは、CMOS デバイスの生 産 の初 期 からずっと大 黒 柱 であった、従 来 のシリコン酸 化 膜 /デュアルドープポリシリコンのゲートスタックプロセスを別 のものに置 き換 えることである。新 しい CMOS ゲートスタックプロセスには、コストが安 く、厚 さがナノメートルのオーダーの高 誘 電 率 ( highk)ゲート絶 縁 膜 とデュアルメタルゲート電 極 を低 温 プロセスで統 合 することが求 められるであろう。この 新 しいプロセスの生 産 展 開 が必 要 となるのは今 から 5 年 以 内 と予 想 される。もっとも、この規 模 のプロ セス変 更 を生 産 に導 入 するには、これまでの例 から見 て 10 年 以 上 かかるというのが相 場 であるが。 現 時 点 では、この新 しいプロセス開 発 は何 とかなりそうだと考 え られており、それには少 なからず 根 拠 がある。研 究 者 側 もこの課 題 に対 し成 果 を出 している。すなわち、high-k 絶 縁 膜 とメタルゲート電 極 の有 望 な材 料 が多 く示 され、電 界 効 果 トランジスタの試 作 もいくつか見 られている。しかしながら、 生 産 に実 際 に応 用 するとなると話 は別 である。生 産 適 用 レベルにするまでには、多 くの大 チャレンジ を良 く理 解 し、解 決 することが不 可 欠 で、それには極 めて多 くの人 的 ・経 済 的 資 源 の投 入 が必 要 で ある。 それらの課 題 とは、 a) ゲート絶 縁 膜 材 料 の選 択 肢 を絞 り、最 終 候 補 を決 めること。 b) ゲート電 極 材 料 の選 択 肢 を絞 り、最 終 候 補 を決 めること。 c) プロセスの特 性 を明 確 にする測 定 技 術 を開 発 すること。 d) ゲート絶 縁 膜 自 体 と 、シリコン基 板 との界 面 及 びゲート 電 極 との界 面 の、電 気 的 特 性 及 び信 頼 性 特 性 を明 確 にするテスト装 置 と手 法 を開 発 すること。 e) ゲート絶 縁 膜 の積 層 構 造 と 、シリコン基 板 側 と 電 極 側 それぞれの良 好 な界 面 形 成 のためには1 原 子 単 位 の制 御 が必 須 と さているが、それを信 頼 性 と再 現 性 が高 く、かつ低 価 格 で実 現 するの に必 要 な超 高 レベルの雰 囲 気 制 御 ができる製 造 装 置 を開 発 すること。 f) トランジスタの特 性 や信 頼 性 に及 ぼす、起 こり得 る問 題 をはっきりさせ、解 明 し、解 決 すること。 および、 g) 前 述 の異 質 な材 料 とプロセスをコストが安 く、信 頼 性 の高 い CMOS の製 造 プロセスにまとめ上 げ ること。 等 である。 なお、ゲート構 造 を変 えるという大 いなる挑 戦 は、これらの大 チャレンジに対 する最 終 的 な解 ではな 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 く、ITRS のスケジュール達 成 に必 要 な産 業 界 と大 学 の適 切 な人 的 ・経 済 的 資 源 を結 集 する役 目 を 果 たすものである。 素 子 の微 細 化 を続 けて行 くことにより、もう一 つ重 要 な結 果 がもたらされる。それはドーパント濃 度 が 平 衡 状 態 で許 される限 界 を越 えており、かつ急 峻 にドープされた超 浅 接 合 を形 成 するのに関 連 した 大 チャレンジが生 ずることである。この課 題 を解 決 するには新 しい技 術 や装 置 の開 発 が必 要 である。 その新 技 術 と前 述 のゲートスタックを一 つにまとめ上 げるのは、とりわけ困 難 なことである。というのも、 high-k ゲートスタックプロセスの温 度 には制 限 があると予 想 されているためである。付 け加 えると、さら に接 合 を浅 くして行 くと恐 らくコンタクト構 造 は何 らかのエレベーテッド構 造 に移 行 していくが、その場 合 も high-k デュアルメタルゲートスタックと統 合 される必 要 がある。 今 回 のロードマップで取 り上 げた期 間 の終 わりまでに、現 在 実 現 している MOSFET の構 造 では、 ITRS で述 べられているトランジスタ特 性 をもはや実 現 できないという事 態 に直 面 することになるかもし れない。従 来 の CMOS のスケーリングが成 り立 たなくなった場 合 は、当 然 新 しい素 子 構 造 が必 要 と なるであろう。だがその構 造 では、電 荷 が漏 れないようにし、かつ損 失 なく電 流 を流 すために、high-k 絶 縁 膜 と 導 電 材 料 に対 し、従 来 と 同 じか、あるいはもっと厳 しい 要 求 があると思 われる。これ らロード マップ終 了 時 期 の要 求 に答 えるためには、創 意 工 夫 のある新 しい素 子 の構 造 と概 念 が求 められてい る。 DRAM の使 用 量 が急 増 したのは、ビット単 価 の急 激 な低 下 によるもので、その一 因 はセルの大 きさ を DRAM ハーフピッチの2乗 の縮 小 率 より、もっと大 きな割 合 で小 さく出 来 たことである。その結 果 、 これまで1チップに乗 っているビット数 は2年 毎 に倍 となってきた。このような積 極 的 なスケーリングが出 来 たのは、チップ面 積 を効 率 的 に使 ったセルのキャパシタ配 置 の工 夫 によるものである。この期 間 を 通 して、キャパ シタの絶 縁 膜 はずっとシリコン酸 化 膜 あるいは窒 化 膜 の派 生 膜 であった 。しかし、さら にこの積 極 的 なスケーリングを進 めるとなると、今 までの絶 縁 膜 で得 られる比 誘 電 率 では限 界 があり、 もっと大 きな比 誘 電 率 の材 料 を替 わりに採 用 することが必 要 である。この変 更 を実 現 するには、合 わ せてキャパシタ電 極 の変 更 も必 要 になる。この目 的 のための high-k 膜 と電 極 材 料 に、MOSFET の ゲート用 と同 じものが選 ばれるとは考 えにくい。なぜなら、高 い比 誘 電 率 が必 要 という共 通 項 は別 とし て、他 の要 求 事 項 は異 なっているからである。従 って、現 行 のスタックキャパシタかトレンチキャパシタ 構 造 を実 現 する新 しい製 造 プロセスが必 要 になると思 われる。その新 プロセスでは、将 来 の CMOS ゲートスタックの検 討 で出 てくるのと同 様 な複 雑 さで、同 様 な範 囲 の問 題 点 が生 じ、また生 産 に応 用 するためのスケジュールも極 めて似 通 っている。それ故 、この変 更 に対 応 するためには、キャパシタと ゲートでは同 じ分 野 の産 業 界 の人 的 ・経 済 的 資 源 が必 要 であろうと考 えられる。 以 上 述 べた課 題 の特 性 は表 31に詳 細 に示 してある。また、本 章 のこの後 の文 中 、図 表 にも同 様 に 示 してある。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 31 フロントエンドプロセスの大 チャレンジ 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 31 フロントエンドプロセスの大 チャレンジ(続 き) 8-3 技 術 的 要 求 と解 決 策 候 補 Materials ) 8-3-1 スターティングマテリアル(Starting 8-3-1 スターティングマテリアル( 現 在 スターティングマテリアルとしては一 般 には、チョコラルスキー(CZ)法 によるポリッシュウェーハ かエピタキシャルウェーハのどちらかが選 択 され使 われている。130nm 以 下 の世 代 では silicon-oninsulator( SOI) ウェーハがニッチな技 術 以 上 に注 目 され始 めるかも知 れない。他 のスターティング マテリアル候 補 としては表 面 近 傍 の特 性 を改 善 した水 素 処 理 ポリッシュウェーハや特 殊 な成 長 条 件 でグローイン欠 陥 を低 減 したウェーハが挙 げられる。メモリ製 品 は一 般 的 にコストの安 い CZ ポリッシュ ウェーハで製 造 される。一 方 ロジックICは一 般 により値 段 の高 いエピタキシャルウェーハで製 造 される。 これはIC製 造 の工 程 での安 定 性 (例 えばゲート耐 圧 の安 定 性 )や、ラッチアップ低 減 効 果 が期 待 さ れるためである。しかし後 者 の理 由 はシャロートレンチ分 離 (STI)の採 用 によりそれほど問 題 にならな くなるかも知 れない。エピタキシャルウェーハとポリッシュウェーハの価 格 比 の減 少 は、ロジック対 応 の エピタキシャルウェーハの使 用 が継 続 されるのには好 ましい方 向 である。SOI も含 め、可 能 性 のある スターティングマテリアルが色 々ある状 態 が当 分 続 くように思 われる。そしてこれらについては図 17に、 解 決 策 の候 補 技 術 として示 してある。 表 32a と 32b はシッピングボックスから出 した直 後 のウェーハの、重 要 な特 性 についての目 標 値 をリ ストアップしてある。これらの特 性 は、一 般 的 なウェーハの特 性 と、ポリッシュウェーハ 、エピタキシャル ウェーハ、SOI ウェーハに対 応 した固 有 のパラメータからなっている。これらの値 は、各 々のパラメータ が、チップの歩 留 低 下 に対 し、1%以 上 は寄 与 しないと考 えて選 ばれている。表 中 の値 は、モデルベ 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 ースの解 析 から求 められている。これらの値 は例 えばチップ当 たりのビット数 、あるいはトランジスタ 数 やウェーハサイズに対 し、クリティカルディメンジョン(CD)を考 慮 して求 めた。これらの値 は基 本 として いるモデルが信 頼 できるとした値 であるが、モデルに関 してはまだまだ問 題 がある。 ここで決 められた要 求 値 は、ウェーハ製 造 でのバラツキによる分 布 は考 慮 していない。ウェーハ技 術 のバラツキは 2 種 類 の分 布 がよく見 られる。一 つは平 均 値 を中 心 にして対 称 に分 布 する正 規 分 布 で、 例 えばウェーハの厚 さ分 布 はこちらである。もう一 つは、値 がゼロを下 回 らない(zero-bounded)パラ メータが従 う分 布 である。例 えば 、フラットネ ス、パーティクル密 度 、表 面 金 属 濃 度 がこちらに属 し、こ れらの分 布 は一 般 に対 数 正 規 分 布 で表 される。対 数 正 規 分 布 は非 対 称 性 が高 く、値 の大 きい方 で 長 い裾 を引 く。 表 32a スターティングマテリアルの技 術 的 要 求 ―近 い将 来 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 32a スターティングマテリアルの技 術 的 要 求 ―近 い将 来 (続 き) *パラメータは限 界 値 を定 義 している 。歩 留 については、独 立 であるとしての予 測 値 であり、数 学 的 にあるいは実 験 的 に 99%の限 界 値 としてモデル化 してある。一 つ以 上 のパラメータが同 時 に重 なるこ とは希 であるとしている。ある与 えられた ウェーハは、一 般 的 には、同 時 に一 つ以 上 の限 界 値 を示 さ ないであろう。他 のパラメータは大 抵 は中 央 値 の近 傍 の値 をとるだろう。それ故 にすべてのパラメータ に対 する総 合 歩 留 は少 なくとも 99%と言 える。 **計 測 法 とウェーハ製 造 への要 求 の大 きなギャップは 200mm について完 了 しておくべきである。 特 に 180nm と 130nm 世 代 は 300mm が遅 れそうなので、200mm はなお 130nm 代 では主 流 であ るであろうから。 ***200mm が主 たるウェーハ径 であるが、数 値 は 300mm に対 するものである 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 32b スターティングマテリアルの技 術 的 要 求 ―遠 い将 来 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 32b スターティングマテリアルの技 術 的 要 求 ―遠 い将 来 (続 き) *パラメータは限 界 値 を定 義 している 。歩 留 については、独 立 であるとしての予 測 値 であり、数 学 的 にあるいは実 験 的 に 99%の限 界 値 としてモデル化 してある。一 つ以 上 のパラメータが同 時 に重 なるこ とは希 であるとしている。ある与 えられたウェーハは一 般 的 には同 時 に一 つ以 上 の限 界 値 を示 さない であろう。他 のパラメータは大 抵 は中 央 値 の近 傍 の値 をとるだろう。それ故 にすべてのパラメータに対 する総 合 歩 留 は少 なくとも 99%と言 える。 表 32a、32b のスターティングマテリアルに対 する要 求 の注 釈 [A] 機 物 /ポリマーは 1 分 子 層 のおおよそ 0.1 と想 定 、< 1×10 1 4 C at/cm 2 [B] 表 面 ラフネスは全 ての CD 世 代 に対 して<0.12nm(RMS)である。;装 置 の選 択 と目 標 値 と空 間 周 波 数 領 域 (スキャンサイズ)は適 用 目 的 を基 に選 ばれる。パワースペクトル(密 度 )解 析 は 装 置 で可 能 な全 ての領 域 で行 うことを推 奨 する。 [C] 表 面 パーティクルあるいは結 晶 起 因 ピット(COP)のサイズは=K 1 (CD)で示 され K 1 =0.5 であ る。 [D] 表 面 パーティクルは Y=exp[-DpRpTA(CD)2](6)の式 で歩 留 99%で示 されており、Rp=0.2、 T はテクノロジー世 代 での1チップ当 たりのトランジスタ数 あるいはビット数 、A は DRAM のセル エリアファクターであり技 術 世 代 の関 数 である。表 面 処 理 ではパーティクルは 50%のゲート 前 洗 浄 効 率 を仮 定 しており、パーティクル数 はこれに従 って 2 倍 の値 に増 やしてある。この結 果 と して、表 33a において、表 面 処 理 で示 された値 の 2 倍 の数 値 となっている。MPU に対 しては 類 似 したような A の値 は利 用 できないので MPU に対 するパーティクルは DRAM に対 しての 値 と等 しいとした。 [E] 金 属 は、実 験 をもとにして Y=exp[-DMRMTA(CD)2](6)の式 で歩 留 99%になるように示 さ れており、RM=0.2、T はテクノロジー世 代 での1チップ当 たりのトランジスタ数 あるいはビット数 、 A は DRAM の セ ル エ リ ア フ ァ ク タ ー で あ り 技 術 世 代 の 関 数 で あ る 。 DM=K2(M)3exp [ 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 To/0.7]であり K2=1.854×10-29cm4、To は量 子 効 果 とポリ電 極 の空 乏 効 果 で補 正 した等 価 酸 化 膜 厚 であり、MIS DRAM 構 造 を基 本 にした技 術 世 代 毎 にnm単 位 で示 されている。こ のモデルに組 込 まれている実 験 データは、以 前 に出 版 されたものをベースにし拡 張 した。(7) 表 面 処 理 において、金 属 についてはゲート前 洗 浄 での 50%の洗 浄 効 率 を仮 定 しているので、 従 って金 属 値 は 2 倍 の値 に増 やされている。この結 果 として、表 33 において、面 処 理 での値 と 示 された値 の 2 倍 の数 値 となっている。表 に示 してある値 は次 の金 属 の各 々に対 する限 界 値 である。(Ca, Co, Cu, Cr, Fe, K, Mo, Mn, Na, Ni) [F] サイトフラットネスの測 定 は、最 先 端 を適 用 する時 に使 用 される露 光 装 置 の方 式 に合 致 してい るべきである。180nm の技 術 に対 しては、正 方 形 のフィールド(通 常 は 22×22mm)のフルフィ ールドのステッパーが使 われるだろう。そして SFQR が適 切 な計 測 基 準 である。130nm 技 術 世 代 に対 しては、光 学 的 な露 光 技 術 の終 焉 まで、長 方 形 のフィールド(通 常 は 25mm×32mm) を持 ったスキャンタイプが用 いられるだろう。そして SFSR が適 切 な計 測 基 準 である。いずれの ケースにおいても、計 測 基 準 値 は緻 密 なライン(DRAM の 1/2 ピッチ)に対 して、CD の値 にほ ぼ等 しいだろう。パー シャルサ イトは含 まれているべきである。フラットネスの測 定 法 は、各 々の 技 術 世 代 に対 して関 連 の ある幾 何 学 的 な形 状 を把 握 する ために 十 分 な空 間 分 解 能 を要 求 するということを明 記 しておく 。ワープは全 ての技 術 世 代 に対 して 50μm以 下 であるべきであ る。 [G] IC に対 する要 求 を基 にした中 央 値 のレンジすなわち±許 容 誤 差 は、中 央 値 の周 りの最 大 値 と最 小 値 の範 囲 である。バルク微 小 欠 陥 (BMD)は IC 工 程 を経 た後 、内 部 ゲッタリングがある ポリ ッシュ ウェ ー ハで > 1× 108/cm3 で あ りゲ ッ タリ ン グの ない も ので < 1× 107/cm3 であ る 。 IOC’88 酸 素 濃 度 値 は ASTM 値 に 0.65 を乗 じることによって得 られた値 である。 [H] COP は Y=exp[-DCRCTA(CD)2] ( 6 ) の 式 で 99% の 歩 留 に な る よ う に 決 め た 。 こ の 式 で RC=0.1、T はテクノ ロジー世 代 で の 1 チップ当 た りのトランジスタ数 あるいはビット数 、 A は DRAM のセルエリアファクターであり技 術 世 代 の関 数 である。MPU に対 しては類 似 したような A の値 は利 用 できないので MPU に対 する COP の値 は DRAM に対 しての値 と等 しいとした。 [I] サイズ D の裏 面 パーティクルによる表 面 の高 さの上 昇 は、厚 さ T の裏 面 の膜 がついておりウェ ーハの厚 さが W の時 、[(xD+xT+W)-(T+W)]で表 される。この式 は[(xD)-(1-x)T ]となる。こ こで x=0.6 はウェーハのチャッキング圧 力 によりパーティクルと裏 面 膜 の圧 縮 (率 )である。表 面 の上 昇 が 2(CD)になると 100%リソグラフとして焼 き付 け不 良 になると仮 定 して、裏 面 パーティク ルサイズは次 のように表 される。D=[(2/0.6)(CD)+(0.4/0.6)(T)]、CD と T は nm で表 示 されて いる。この表 では、T は 100nm に固 定 してある。 [J] 裏 面 パ ー テ ィ ク ル は Y=exp[-DpRpAEFE] ( 1 ) の 式 で 99% の 歩 留 に な る よ う に 決 め た 。 Rp=1.0、AEFE=ACHIP×0.03×0.8 であり、チャックに接 触 しているチップ面 積 はたったの 3%であることに対 応 した 0.03 と有 効 チップ面 積 の 80%に対 応 した 0.8 が裏 面 パーティクルに よる表 面 のデフォーカス効 果 によって劣 化 する。表 面 処 理 ではパーティクルは 50%のゲート前 洗 浄 効 率 を仮 定 しており、パーティクル数 はこれに従 って 2 倍 の値 に増 やされている。 [K] Fe はτ r と関 係 が深 い( [M]参 照 )。他 のバルク中 の金 属 もまた重 要 である。バルク Fe 濃 度 (at/cm 3 )はウェーハの厚 さで換 算 して表 面 濃 度 (at/cm 2 )に変 換 することは出 来 ない。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 [L] OSF 密 度 は実 験 に基 づいて K3(CD)1.42 で表 される。CD は nm 単 位 で示 され、K3=2.75 ×10-3 (8) である。1100℃ 1時 間 スチーム酸 化 し酸 化 膜 を除 去 しエッチングして調 べた。n 型 のシリコンは OSF を制 御 するのがより困 難 である。 [M] 再 結 合 ライフタイムはτr>2(L2)/Dn で示 される。ここで L はマイノリティキャリアの拡 散 長 であ り Dn は 27℃でのマイノリティキャリアの拡 散 係 数 である(9)。拡 散 長 はウェーハ厚 に等 しいとし、 安 全 係 数 2 が使 われている。SPV、PCD のような技 術 では、表 面 効 果 を制 御 、安 定 化 、そし て保 護 するための適 当 な技 術 が要 求 される。サンプルでは酸 素 析 出 は無 く、抵 抗 率 は 5-20Ω -cm を推 奨 する。 [N] 発 生 ライフタイムはτg=ni/G、(10) で表 され、ni は真 性 キャリア濃 度 (11,12)、G は単 位 体 積 当 た り 、 単 位 時 間 当 た り の 発 生 速 度 で あ る 。 τ g=(niqW)(Ilimit/ACRI)-1>50 μ s は DRAM の ACRI=2.5 μ m 2 ( 1 3 ) に 対 し 27 ℃ で 、 Ilimit<10-16A/bit ( 100 ℃ で <1013A/bit)の接 合 リーク電 流 を保 証 している。W=0.5μm、Ilimit は CD の世 代 と共 に小 さくな る。サブスレショールドデバイスリーク電 流 、ゲート絶 縁 膜 リーク電 流 、拡 散 電 流 は 100℃で接 合 リーク電 流 よりも小 さいと仮 定 している。 [O] ヒロック、マウンドといった他 のエピタキシャル欠 陥 は同 様 に考 慮 されるべきである。しか し適 当 な歩 留 モデルは利 用 できない。 [P] 目 標 値 の 範 囲 は中 央 測 定 値 対 して ウェ ー ハ 内 で 中 央 値 か らの 最 大 の プ ラス ま た はマ イナ ス の%偏 差 で示 した許 容 値 を付 けて表 示 されている。データは p/p-、p/p+、p/p++について 適 用 できる。フラットゾーンは 0.8 エピ厚 としている。 [Q] 大 面 積 エ ピ タ キ シ ャ ル 欠 陥 は 99% 歩 留 で モ デ ル 化 さ れ て お り 、 式 は Y=exp[DLADRLADACHIP](1)である。RLAD=1、ACHP は DRAM、MPU に対 して適 切 な値 が 適 用 される。 [R] エピタキシャル積 層 欠 陥 は 99%歩 留 でモデル化 されており、式 は Y=exp[=DSFRSFACHP] (1)である。RSF=0.5、ACHP は DRAM、MPU に対 して適 切 な値 が適 用 される。 [S] 目 標 値 の範 囲 は、中 央 測 定 値 に対 して、ウェーハ内 で中 央 値 からの最 大 のプラスまたはマイ ナスの%偏 差 で示 した許 容 値 を付 けて表 示 されている。最 終 的 なシリコンの厚 さはデバ イス製 造 工 程 で消 費 されるために投 入 した材 料 よりも薄 い。現 在 示 されている値 は部 分 空 乏 型 と 完 全 空 乏 型 の両 方 に使 われるもので、現 時 点 で最 も良 いと 考 えられるデータである。完 全 空 乏 型 の基 板 に対 しては、シリコン層 と埋 込 酸 化 膜 (BOX)の厚 さは、ほぼ同 じ値 に分 割 されるだろ う。 [T] 目 標 値 の範 囲 は中 央 測 定 値 に対 してウェーハ内 で中 央 値 からの最 大 のプラスまたはマイナス の%偏 差 で示 した許 容 値 を付 けて表 示 されている。現 在 示 されている値 は部 分 空 乏 型 と完 全 空 乏 型 の両 方 に使 われるもので、現 時 点 で最 も良 いと考 え られるデータである。トップシリコン 層 と BOX の界 面 電 荷 は<1011/cm2 である。完 全 空 乏 型 の基 板 に対 しては、シリコン層 と埋 込 酸 化 膜 (BOX)の厚 さはほぼ同 じ値 に分 割 されるだろう。 [U] 99%歩 留 の BOX 欠 陥 は Y=exp[-DBOXRBOXTβ(CD)2δ] (1)で表 され、DBOX は BOX 欠 陥 密 度 (主 としてピンホール)、RBOX=0.2(現 在 の最 良 の見 積 もり値 )、βは DRAM では1, 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 MPU では 10、δ=6 単 位 (ゲート、ソース、ドレイン(LDD 領 域 を含 む))である。 [V] 99%歩 留 の Inclusion 欠 陥 は、Y=exp[-DINCRINCTβ(CD)2δ](1)で表 され、DINC は Inclusion 欠 陥 密 度 、RINC=1(現 在 の最 良 の見 積 もり値 )、βは DRAM では 1,MPU では 10, δ=1 単 位 (ゲート)である。評 価 は欠 陥 をデコレートするために,HFエッチング液 (14,15, 16)を用 いてエッチングし光 学 的 に計 数 を行 った。Inclusion の原 因 は,COP、金 属 シリサイド、 トップシリコン層 の局 在 する酸 化 膜 島 などを含 んでいる。これらの含 有 物 はまた局 在 化 した光 散 乱 体 (LLS)計 測 に拠 っても検 出 されるかも知 れない。(15,16,17) [W] バルクデバイスとほぼ等 しい歩 留 が貫 通 転 位 (DTD) 2×106/cm2 に於 いて達 成 された。キラ ー率 は、信 頼 できる計 算 では十 分 に求 められていない。このためには実 験 的 な歩 留 と DTD の 関 係 が得 られなければならない。これからの技 術 によって DTD は少 なくなる方 向 へ推 移 する 事 が期 待 できる。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 図 17 スターティングマテリアルの解 決 策 候 補 理 想 的 な方 法 としては、スターティングマテリアル起 因 の歩 留 低 下 が、全 体 で1%を越 えないように、 欠 陥 の種 類 別 に歩 留 低 下 を割 り当 てるべきである。特 定 の欠 陥 による歩 留 損 失 は、(1)与 えられた パラメータ値 (適 切 な歩 留 モデルで確 証 )で決 まる不 良 率 に (2)そのパラメータを持 つウェーハの割 合 (対 数 正 規 分 布 関 数 で確 証 )を掛 けたものを積 分 すると得 られる 。この近 似 法 を用 いて決 めた受 け入 れ可 能 な製 品 の分 布 は、材 料 の受 け入 れ基 準 としても使 うことが出 来 る。この方 法 は許 容 できる パラメータの表 を与 えるのではなく、個 々のウェーハメーカの製 品 が持 つパラメータ値 の分 布 に収 まる ように仕 様 を合 わせ込 むものである。 そのようなアプローチをするためには、次 の三 つの進 展 が必 要 である。第 1は現 在 の歩 留 モデルが 大 部 分 のパラメータについて確 認 されなければならない。第 2 はパラメータに対 する生 産 者 側 の分 布 を明 確 にしなければならない。第 3 は材 料 の受 け入 れは、IC メーカによる少 量 のサンプルテストよりは むしろこれら生 産 者 の製 品 分 布 を基 にした受 け入 れ基 準 に修 正 しなければならない。これ らの課 題 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 はまた、図 17の解 決 策 の候 補 技 術 に示 されている。それまでの間 は、最 も役 に立 つ情 報 を基 にした 歩 留 モデルが使 われている。そして要 求 値 は、そのパラメータに対 して 99%歩 留 が確 保 されるという 事 を基 本 に、限 界 値 が決 められている。どの各 々のウェーハも、考 慮 しなければならない特 定 のパラ メータを除 いて、他 のどのパラメータも歩 留 低 下 には大 きく寄 与 しないという事 を、更 に仮 定 している。 この実 験 的 な近 似 は、モデル化 されたパラメータの分 布 を持 っているとしての理 想 的 な方 法 論 から得 られた限 界 値 と、結 果 的 にはほぼ等 しい値 であることが示 されている。 将 来 、多 くのパラメータに対 して受 け入 れ可 能 な値 が、検 出 限 界 あるいは分 解 能 の限 界 に近 づく ので、ウェーハ製 造 メーカとIC製 造 メーカのますますの共 同 作 業 が、受 け入 れ可 能 な製 品 分 布 を確 立 し、維 持 するために重 要 となるであろう。材 料 特 性 と関 係 において、IC歩 留 モデルの更 なる開 発 が 要 求 されている。そこで上 に示 された理 想 的 な方 法 論 は、受 け入 れ可 能 な製 品 の分 布 を確 立 するた めに道 具 となることが出 来 る。作 りうる最 高 品 質 のウェーハと、COO の観 点 から、検 出 限 界 までシリコ ンに対 する要 求 を厳 しくしてゆくのではなく、高 IC 歩 留 達 成 に問 題 のない範 囲 で、いくらかゆるめの 値 とするというバランスが基 本 的 に重 要 である。 それ故 にスターティングウェーハの表 面 金 属 とパー ティクルの推 移 (トレンド)は表 面 処 理 で 挙 げてあるゲート前 洗 浄 の値 よ りも、厳 しくないものになって いる(表 33a、33b 参 照 )。これは初 期 のIC製 造 工 程 で、最 低 洗 浄 効 率 50%で除 去 できると仮 定 し ているからである。ウェーハ製 造 メーカで作 られた表 面 の化 学 的 性 質 (親 水 性 vs. 疎 水 性 )と出 荷 に 使 うウェーハキャリアの相 互 作 用 は、伴 に、ウェーハ表 面 の不 純 物 やパーティクルのその後 の吸 着 の 制 御 において重 要 である。 ウェーハ表 面 の物 理 的 構 造 は重 要 な関 心 事 として浮 かび上 がってきた。ポリッシュウェーハとエピタ キシャルウェーハは、高 IC歩 留 を達 成 するために制 御 しなければならない欠 陥 を、有 している。ポリッ シュウェーハの重 要 な欠 陥 としては、有 機 物 のような表 面 の化 学 的 な残 留 物 、パーティクルと結 晶 起 因 ピット(COPs)のようなグローイン 微 小 欠 陥 の両 方 を含 んでいる。エピタキシャル積 層 欠 陥 や 他 の 大 面 積 欠 陥 のような構 造 欠 陥 はエピタキシャルウェーハにおいては制 御 されなければならない。材 料 に対 する要 求 は、表 面 欠 陥 の特 別 なタイプ毎 に示 されている。表 面 欠 陥 の除 去 と抑 制 は、シリコンウ ェーハ技 術 での、現 在 最 大 の挑 戦 課 題 である。これらの欠 陥 を計 数 したりサイズを測 定 したり成 分 や 形 状 を測 定 するレーザスキャニング技 術 や他 の装 置 の開 発 は重 要 な計 測 上 の挑 戦 事 項 である。全 欠 陥 数 は色 々な要 素 欠 陥 の合 計 である事 を明 記 しておくことは重 要 である。例 えば、パーティクルと COP の両 方 がポリシュウェーハの全 表 面 欠 陥 密 度 を考 える時 には考 慮 されなければならない。 この 章 は、これらの欠 陥 をモニターするあるいは区 別 する方 法 の有 用 性 あるいは有 効 性 については考 慮 していない。 付 け加 えて、ウェーハの裏 面 については、パーティクル汚 染 の低 減 、ウェーハの平 坦 度 の改 善 、あ るいはウェーハ強 度 の増 進 のためより光 沢 度 が高 くなる 。ポリッシュされた裏 面 はミクロな汚 染 や取 り 扱 いによるスクラッチが、より見 え易 く なる。皮 肉 なことに、よりクリーンな表 面 が、実 際 にはより汚 れ て いるように見 えるかも知 れない。もっと厳 密 なロ ボットハンドラー基 準 が 暗 黙 のうちに、裏 面 のクリーン ネスの要 求 を満 たすために必 要 とされているのかも知 れない。これまでは、裏 面 のラフネスが大 きくて 見 えていなかったが、裏 面 のパーティクルによるフラットネスの劣 化 も、考 慮 されなければならない。多 くの外 部 ゲッタリング技 術 は、またポリッシュした裏 面 の品 質 を劣 化 させるかも知 れない 。そして積 層 膜 を利 用 した外 部 ゲッタリッングでの厚 さの不 均 一 性 は、ウェーハのフラットネスを劣 化 させるかも知 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 れない。そのような外 部 ゲッタリング技 術 は適 切 ではないのかも知 れない。 ポリッシュウェーハ ― デバイス 形 状 の縮 小 化 が継 続 するにつれ、非 常 に低 密 度 の欠 陥 と微 小 な 表 面 特 性 が重 要 になってくる。制 御 されない SiOx 析 出 物 の形 成 は、デバイスのリーク電 流 の増 大 を 引 き起 こすことがあるので、ポリッシュウェーハでの内 部 ゲッタリングには、より大 きな注 意 が必 要 である。 析 出 量 と 均 一 性 に対 する要 求 に対 処 するためには、均 質 な内 部 ゲッタリングを行 う事 が必 要 で、厳 密 なバルク欠 陥 制 御 を必 要 とする。 結 晶 成 長 パラメータとそれに関 係 した点 欠 陥 及 びその集 合 体 と、ゲート絶 縁 膜 の完 全 性 (結 果 とし ての D0)への関 連 性 については、非 常 に多 くの出 版 物 が出 された。このパラメータ(D0)は、いくつか のデバイス世 代 に対 する材 料 品 質 の物 差 しとして、非 常 に有 効 であった。しかしながら 表 34a、と 34b に示 されている等 価 酸 化 膜 厚 を持 ったデバイス構 造 に対 しては、デバイスの歩 留 や性 能 と関 係 しているようには見 えない。 それ故 に D 0 は目 標 パラメータとして表 32a と 32b から削 除 した。しかし ながら、SiO 2 より十 分 大 きな誘 電 率 をもったゲ-ト絶 縁 材 料 の使 用 開 始 に際 しては、これらの材 料 は 異 なったゲート前 およびゲート後 の表 面 清 浄 化 を必 要 とするかも知 れない事 に注 意 しておくべきであ る。 エピタキシャルウェーハ ― エピタキシャル材 料 において、ゲート絶 縁 膜 の完 全 性 が改 善 されるの は、残 留 研 磨 マ イクロダメー ジとグローイン微 小 欠 陥 (COP)がなくなるためである。この両 者 はポリッ シュウェーハに見 られる。しかしながら大 面 積 欠 陥 とエピタキシャル積 層 欠 陥 の存 在 はまた、ゲート酸 化 膜 の完 全 性 を劣 化 させるので、欠 陥 は注 意 深 く制 御 しなければならない。現 在 の応 用 に対 して、 p/p + と p/p + + は引 き続 きエピタキシャル構 造 の主 流 である。2-3Ω-cm より高 いエピタキシャル層 の抵 抗 率 に対 して、裏 面 シールが p/p + + 構 造 に対 しては必 要 とされるかも知 れない。ポリッシュウェーハで は COP 制 御 という問 題 がある。それにも関 わらず、p/p + エピタキシャルウェーハの代 替 えとしてポリッ シュウェーハに、高 ドーズ組 込 層 を形 成 してラッチアップ対 策 とゲッタリングの機 能 を持 たせる可 能 性 が注 目 されている。P/p - の利 用 はまた先 端 的 なIC応 用 において、この材 料 の形 態 は、高 濃 度 にボロ ンをドープした基 板 の、固 溶 度 増 大 による鉄 ゲッタリング能 力 を示 さないにも関 わらず、注 目 を引 いて いる。これは、このゲッタリング不 足 な点 は高 濃 度 にドープした基 板 と比 較 して、システム容 量 が低 減 されるというの効 果 で相 殺 されるかも知 れないからである。 固 溶 度 増 強 ゲッタリングの欠 如 については、酸 素 の役 割 が、再 評 価 されるかもしれない。酸 素 は p + や p + + に比 較 して p-ではよりゆっくりと析 出 することは良 く知 られている。適 切 な酸 素 濃 度 は、使 用 されるIC熱 プロセスに大 きく依 存 しているので、多 くの要 素 が最 適 な酸 素 濃 度 の選 択 において、特 に シャロートレンチ分 離 (STI)がエピ層 厚 より大 きい場 合 においては重 要 である。 SOI ウェーハ ― SOI は、高 速 、低 消 費 電 力 の応 用 や、ソフトエラー耐 性 の向 上 、より少 ないプロ セス工 程 数 、より小 さなチップサイズ、そしてウェーハ当 た りに要 求 されるチップ数 を達 成 するために 一 つ前 の世 代 の工 場 設 備 の利 用 といった可 能 性 を提 示 してお り、更 に、ラッチアップに対 する心 配 を不 要 にする。異 なった IC 応 用 に使 用 するためには、異 なった SOI のアプローチが必 要 であるかも 知 れない。材 料 (SOI 基 板 )評 価 による色 々な SOI ウェーハ製 造 技 術 の評 価 と、ゲッタリングによる欠 陥 制 御 とそれを用 いたデバイス特 性 (電 導 度 、組 込 酸 化 膜 ブレークダウン電 圧 、リーク電 流 )への欠 陥 の影 響 といった欠 陥 と SOI 特 性 の関 係 を明 確 にすることが基 本 的 に重 要 である。あるバルク IC の 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 デザインはそのまま SOI 基 板 に移 行 することができる。しかし、プロセスとマスクの再 設 計 により、更 な る性 能 改 善 とチップサイズを縮 小 化 が出 来 る可 能 性 がある。そのためユニークなデバイスの形 態 が多 くの場 合 必 要 とされるかも知 れない。どのケースにおいてもたとえ SOI が通 常 のシリコン材 料 と比 較 し て、IC工 業 のデバイススケーリングトレンドを越 えなくても、高 速 、低 消 費 電 力 、ソフトエラーの低 減 と いった恩 恵 (メリット)があるので、どの技 術 世 代 においても、特 定 のある応 用 分 野 で SOI が使 用 され る動 機 づけとなるかも知 れない。 大 口 径 ウェーハ ― 直 径 300mmmmウェーハへの転 換 は、IC 量 産 に対 する要 求 コストを達 成 す るために必 要 となり、1999 年 にゆっくりと転 換 が始 まり、2002 から 2003 年 にピークを迎 えると予 測 さ れる。ウェーハ、キャリア及 びファクトリープロトコルの国 際 協 力 及 び標 準 化 が、この転 換 を、費 用 効 果 があり、タイムリーに達 成 するためには依 然 として重 要 である。 費 用 効 果 のある結 晶 成 長 技 術 とウェーハの重 力 スト レスに関 連 した技 術 的 な課 題 と同 様 に、ビジ ネス上 の課 題 が最 も大 きい 移 行 への関 心 事 である。 300mm を越 える ウェーハ直 径 の 予 想 と して 、 450mm が次 世 代 のサイズとしては適 当 であろうと考 えられている。しかしながら、技 術 世 代 交 代 の加 速 化 とそれに関 連 した経 済 的 な要 素 は、450mm ウェーハの導 入 を現 在 予 測 されているよりも遅 くす るといった事 態 を引 き起 こすかもしれない。現 在 のウェーハ直 径 トレンドの連 続 性 からは、ほぼ 2020 年 675mm ウェーハの導 入 となり、このためには、2011 年 には研 究 の実 施 を完 了 させることが必 要 と なる。これらのウェーハは、ほぼ 1mm の厚 さになると予 測 される。しかし、重 要 な重 力 ストレスと関 連 す る装 置 のプラットフォームの課 題 がこれらのウェーハについて問 題 になると思 われる。 過 去 のウェーハ直 径 のトレンドの延 長 が図 17 の解 決 策 の候 補 技 術 に表 示 されている。それにもか かわらず、450mm あるいは 675mm の直 径 のウェーハが経 済 的 に実 現 可 能 なのかは、明 確 とは言 い難 い。これらの直 径 に関 連 する技 術 的 な課 題 はまた膨 大 に有 ると思 われる。従 来 のシリコン基 板 材 料 における、エスカレートするコストを軽 減 し、費 用 効 果 のあるシリコン基 板 の製 造 を行 うためには パラダイムシフトが必 要 とされるかもしれない。ひとつの可 能 なアプローチは費 用 効 果 のある SOI ウェ ーハの導 入 である。他 のアプローチは、IC パッケージ寸 法 に適 合 させるために、ウェーハ体 積 の 50% あるいはそれ以 上 を切 削 する必 要 のない、適 当 な基 板 上 にシリコン材 料 を製 造 することである。 8-3-2 表 面 処 理 他 の半 導 体 プロセス技 術 と比 べ表 面 処 理 技 術 は長 い間 同 様 な技 術 で使 い続 けられてきている。こ の分 野 に於 ける研 究 と開 発 の主 眼 はゲート絶 縁 膜 の高 品 質 化 に置 かれてきた。例 えばパーティクル 除 去 能 の改 善 、表 面 ラフネスの改 善 、乾 燥 時 に発 生 するウォーターマークの防 止 などへの挑 戦 が行 われてきた。絶 縁 膜 の材 料 がシリコン酸 化 膜 であり続 ける以 上 、front end of line(FEOL)のプロセ スで用 いる洗 浄 用 化 学 薬 品 の変 更 は不 必 要 であ った。配 線 にア ルミを層 間 絶 縁 膜 にシリコン酸 化 膜 を長 年 に渡 り用 いている為 に、back end of line(BEOL)のプロセスにおいても FEOL と同 様 、 基 本 的 な変 更 は必 要 無 かった。しかしながら近 い将 来 、FEOL、BEOL 双 方 ともに、材 料 の変 更 が 行 われるであろう。そのため表 面 処 理 プロセスは、抜 本 的 な変 更 が必 要 となるであろう。 FEOL では、新 しいゲート絶 縁 膜 が採 用 され始 めている。当 初 採 用 されるシリコンナイトライド膜 や 窒 化 酸 化 膜 などの材 料 では、現 在 用 いている表 面 処 理 プロセスがそのまま適 用 できるであろう。続 い 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 て、もっと高 誘 電 率 の材 料 が採 用 されるであろうが、いまだに何 になるか確 定 していない。しかしいず れの場 合 においても界 面 制 御 の必 要 性 がますます重 要 になるであろう。いくつかの材 料 では新 しい 洗 浄 薬 品 が 必 要 に なってき てい る 。新 しい 絶 縁 膜 に 伴 い 新 しい ゲート 電 極 が 採 用 される で あ ろ う。 FEOL で 主 に 用 い ら れ て い る 水 溶 性 薬 品 は 、 メ タ ル ゲ ー ト 電 極 に は 使 用 で き な い か も し れ な い 。 BEOL で一 般 的 な溶 剤 を主 と した 化 学 薬 品 が用 いられ るかもしれ ないが、Environment Safety and Health (ESH)の観 点 からは代 替 薬 品 の開 発 が強 く要 望 されるであろう。 BEOL の表 面 処 理 プロセスは、Cu 配 線 と低 誘 電 率 絶 縁 膜 (Low-k絶 縁 膜 )に対 応 したものでなけ ればならない。 例 えば 効 果 的 な CMP 後 の洗 浄 やレジスト除 去 プロセスなどが、Cu 配 線 や Low-k絶 縁 膜 材 料 に 対 しても必 要 となる。将 来 裏 面 洗 浄 の追 加 などで裏 面 の Cu 汚 染 を最 小 限 に抑 える必 要 も出 てくる であろう。配 線 層 数 の増 大 に伴 いこれらのプロセスはますます重 要 になる。BEOL における洗 浄 工 程 数 は、しばしば FEOL を上 回 る事 になるであろう。表 33a と 33b に表 面 処 理 技 術 に求 められる技 術 的 要 求 をまとめた。 表 面 処 理 に関 する大 チャレンジと解 決 策 候 補 技 を、図 18 に示 す。薬 液 の持 つ高 い金 属 溶 解 能 に よる金 属 汚 染 の除 去 、ゼータポテンシャルの制 御 やメガソニックを用 いた力 学 的 なエネルギーの効 率 的 な伝 達 など、水 溶 液 が本 来 持 っている多 くの特 質 を利 用 できると言 う理 由 で、ウエットケミカル洗 浄 技 術 は多 くの支 持 を得 ており、将 来 に渡 って広 く応 用 され使 い続 けられるであろう。気 相 洗 浄 技 術 は 現 在 のところ技 術 的 な必 要 性 が無 いゆえ COO(コストオブオーナーシップ)の観 点 からの部 分 的 な利 用 に止 まっている。しかしながら先 端 のゲート絶 縁 膜 とその配 線 層 に良 好 な界 面 を形 成 する為 に、気 相 洗 浄 技 術 の必 要 性 が急 激 に増 すであろう。ビアやトレンチキャパシタの様 な高 アスペクト比 の構 造 に対 しても気 相 化 学 反 応 は適 用 が容 易 である。しかし効 果 的 でダ メージの無 いパーティクル除 去 プ ロセスは依 然 必 要 とされるであろう。 表 面 処 理 技 術 は今 後 急 速 に確 立 すべき他 の要 素 技 術 の課 題 との関 連 が深 い。化 学 薬 品 の使 用 量 削 減 、水 資 源 の再 利 用 、代 替 プロセス技 術 などは ESH と COO の観 点 からその実 用 化 が強 く望 まれている。近 い将 来 、希 釈 薬 品 はより一 般 的 になり、その傾 向 はますます広 まるであろう。オゾン水 プロセスは硫 酸 を基 本 としたレジスト除 去 及 び洗 浄 に取 って代 わるであろう。 純 水 の使 用 量 削 減 とリ サイクル化 の努 力 は今 後 も継 続 せねばならない。加 えて装 置 の占 有 面 積 の縮 小 、シミュレーションと モデリングによる薬 液 流 量 の最 適 化 と削 減 、センサー技 術 を用 いたプロセスチ ャンバ内 の最 適 制 御 技 術 などの実 現 により COO は更 に改 善 される様 になるであろう。300mm ウェーハ世 代 ではモニタウ ェーハコストの削 減 と製 造 品 質 の維 持 向 上 の為 に in-situ(インシチュ:その場 )のプロセスモニタの積 極 的 な活 用 が求 められるであろう。 表 面 処 理 と欠 陥 低 減 は互 いに密 接 に関 わり合 う技 術 である。表 面 処 理 後 に要 求 されるウェーハ表 面 の高 度 な清 浄 度 は、洗 浄 薬 品 や純 水 の純 度 に大 きく依 存 している。COO の低 減 を果 たす必 要 は 無 論 であるが、それゆえ技 術 的 な妥 当 性 を背 景 とした 革 新 的 な純 度 目 標 値 を設 定 する事 も 必 要 と なる。表 面 処 理 のすべての分 野 において、プロセスと欠 陥 低 減 、コスト、環 境 問 題 の両 立 ができる様 配 慮 して行 かねばならない。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 以 下 処 理 への技 術 的 要 求 の脚 注 訳 [A] ウェーハプロセスの最 初 から配 線 金 属 膜 成 膜 前 の絶 縁 膜 成 膜 まで。 [B] Table33a 33b Bit/Chip(チップ当 たりのビット数 )に最 小 寸 法 の2乗 を乗 じた。 [C] Transistor/Chip(チップ当 たりのトランジスタ数 )に最 小 寸 法 の2乗 の 10 倍 を乗 じた。 [D] 99%歩 留 を想 定 し A(クリティカルエリア)は DRAM と Logic のノードから算 出 。Y=1/(1+AD) の歩 留 モデルを用 い、D 0 の電 気 計 測 は ASTM F1771-97 を、サンプル数 とキャパシタ面 積 は 改 版 版 EIAJ/JEDEC Standard 35-1,に準 じた。 [E] パーティクルのモデルとして、99%歩 留 を想 定 し Y=exp(-DpRpTb(CD)^2d),Rp=0.2,T=# Transistor or bits/ chip per technology generation,(各 世 代 毎 のチップ当 たりのトラ ンジスタ数 或 いはビット数 ) a= bd,ここで”a”は DRAM の cell area factor(セルエリアファクタ 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 ー)を指 し、各 世 代 で数 値 が異 なる。アナログ MPU のモデルは入 手 できなかったので、MPU に ついては DRAM の値 を用 いた。 [F] Kill Ratio(キルレシオ)が 0.2 である事 を除 き Table32 のモデルに基 づく。したがって値 は st arting materials(スターティングマテリアルズ)の場 合 の数 値 の半 分 となっている。 [G] 金 属 の算 出 モデル式 は 99%歩 留 を仮 定 し Y=exp(-DMRMTA(CD)^2),RM=0.2,T=# (t ransistor bits/chip per technology generation) A は DRAM の cell area factor で技 術 世 代 の関 数 である。DM=K2(M)^3exp(-T0/0.7),K2=1.854X10-29cm-4.T 0 の単 位 は n m(ナノメートル)で MIS DRAM デバイス構 造 での酸 化 膜 換 算 の膜 厚 である。(量 子 力 学 上 の 補 正 とポリシリコン空 乏 化 の補 正 を行 っている)。このモデルでは実 験 データから得 られた結 論 に基 づき更 にそれを拡 張 している。ゲート前 洗 浄 の効 果 は金 属 に対 し 50%と仮 定 し、金 属 汚 染 量 はファクター 2 により増 大 している。従 ってこの結 果 は Table33 に記 載 されている表 面 処 理 の数 値 の 2 倍 となる。この数 値 は以 下 に示 す各 々の金 属 の許 容 限 界 値 である。:Ca,Co,Cu,Cr, Fe,K,Mo,Mn,Na,Ni, [H] Nm=1/q×Cgate×DV、ここで Cgate は実 効 的 な最 大 ゲート絶 縁 膜 厚 から算 出 。DV はこの世 代 における許 容 閾 値 電 圧 バラツキ。10%のシフトを許 容 すると仮 定 している。 [I] ゲート絶 縁 膜 成 膜 前 、ポリシリコン成 膜 前 、メタル成 膜 前 、シリサイド形 成 前 、コンタクト前 、トレン チ組 込 膜 形 成 前 を含 むクリティカルな洗 浄 工 程 後 の測 定 値 。 [J] タングステンシリサイド層 を介 しポリシリコン層 の深 さプロファイルを SIMS にて測 定 。 [L] 表 面 粗 さは AFM(原 子 間 力 顕 微 鏡 )によりタッピングモードにて測 定 。スキャンモードは 2μm ×2μm。エピ基 板 上 を酸 化 する前 の状 態 で測 定 した。目 標 値 はゲート酸 化 形 成 前 を想 定 した 値 である。 [M] ウォーターマークの影 響 度 は次 の歩 留 モデル式 にて算 出 した。Y=1/(1+AD) ここで Y は歩 留 。 A はチップ面 積 。そして D は欠 陥 密 度 。1 個 のウォーターマークはチップ 1 個 を不 良 にすると仮 定 している。歩 留 は 99%と仮 定 している。 [N] ポリシリコン金 属 シリサイド絶 縁 膜 成 膜 からパッシベーション膜 形 成 まで。 [O] BEOL の目 標 値 は FEOL と同 等 の欠 陥 密 度 とする。しかしながらパーティクルの許 容 限 界 大 き さは最 小 寸 法 に等 しいとする。(FEOL の場 合 最 小 寸 法 の 1/2。) [P] 加 速 試 験 は相 対 湿 度 100%の環 境 下 で実 施 。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 8-3-3 熱 処 理 / 薄 膜 プロセスとドーピング技 術 FEP(Front End Process)では高 品 質 で均 一 性 の高 い無 欠 陥 な膜 の成 長 や堆 積 が必 要 となる。 これらは、絶 縁 体 、シリコン、もしくは導 電 体 の膜 である。下 地 基 板 や堆 積 膜 への精 密 ドーピングも必 須 事 項 である。フロントエンドプロセスの分 野 には、デバイスのスケーリングにともなうサーマルバジェッ トの低 減 に加 えて、いくつかの大 チャレンジがある。それらには、信 頼 性 の高 い極 薄 ゲート 絶 縁 膜 の 成 長 ・堆 積 などに関 わる代 替 高 誘 電 率 材 料 の見 極 めと膜 開 発 、そしてこれら代 替 膜 とゲートや DRAM キャパシタに対 する界 面 層 の選 択 ;極 浅 接 合 デバイスへのコンタクト形 成 ;空 乏 層 が無 い低 抵 抗 な代 替 ゲート電 極 材 料 の開 発 がある。その他 の重 要 な挑 戦 事 項 として、急 峻 なチャネルドーピ ングプロファイルの形 成 、サーマルバジェットが小 さな環 境 下 でイオン注 入 後 のリークを最 小 にするた めの欠 陥 制 御 やサイドウォールスペーサ形 成 がある。これら諸 事 項 全 てに CMOS プロセスに置 き換 え(適 用 )可 能 な革 新 的 な解 が求 められている。これら諸 事 項 の要 求 の底 流 にあるのは、スレッシュホ ールド電 圧 のスケーリングやゲート絶 縁 膜 膜 中 のトンネル効 果 、接 合 リークに関 連 した 、回 避 でき な いゲートリーク電 流 の増 大 である。 熱 処 理 / 薄 膜 プロセス 将 来 のデバイススケーリングに対 する最 も大 チャレンジの一 つとしてゲート絶 縁 膜 は、緊 急 の課 題 で ある。表 34a と 34b に要 約 された要 求 事 項 は、事 実 上 ゲート絶 縁 膜 厚 が酸 化 膜 換 算 膜 厚 にして 1nm 以 下 に突 入 しようとしている事 を示 している。トンネルリークの見 地 から 1A/cm2 以 上 のトンネル 電 流 が流 れると考 えられる約 1.5nm 以 下 の SiO2 は使 えなくなる。トンネル電 流 は酸 化 膜 厚 の減 少 に対 して指 数 関 数 的 にスケーリングするので、酸 化 膜 は 100nm ノードからは使 われなくなる。ゲート 絶 縁 膜 として機 能 する界 面 特 性 や安 定 性 を満 たす代 替 高 誘 電 率 材 料 や界 面 層 はまだ見 出 されて いない。最 適 な代 替 材 料 を見 出 し、特 定 するために数 年 の研 究 開 発 が必 要 である。DRAM の蓄 積 キャパシタ用 絶 縁 膜 開 発 の初 期 段 階 にもこれと良 く似 た問 題 が発 生 すると予 想 される。ゲート 絶 縁 膜 の短 期 的 技 術 解 と しては、極 薄 酸 化 膜 、酸 窒 化 膜 あるいはシリコン窒 化 膜 の 製 造 と適 用 が必 要 である。中 でも、シリコン窒 化 膜 は高 いボロン拡 散 抑 止 能 と7と言 う比 較 的 高 い誘 電 率 が魅 力 的 であ る。ゲート絶 縁 膜 の短 期 的 技 術 解 は、表 面 制 御 や形 成 前 後 の雰 囲 気 の制 御 、シリコンと互 換 性 の ある材 料 の開 発 (ゲート電 極 とコンタクトなど)そして、形 成 後 のプロセスによるサーマルバジェットにつ いて厳 しい拘 束 条 件 が課 せられる。 ゲート絶 縁 膜 厚 の制 御 性 や均 一 性 の向 上 は、大 口 径 ウェーハに対 して Vt 制 御 を達 成 するために 必 須 となる。イオン注 入 やプラズマエッチングに関 連 したポストゲートプロセス誘 起 ダメージによる影 響 は、それがゲート周 辺 長 に依 存 するため特 に重 要 になると予 想 される。中 期 もしくは長 期 的 技 術 解 で は、他 の電 気 特 性 (安 定 性 や界 面 準 位 密 度 など)と高 品 質 ゲート SiO2 に匹 敵 する信 頼 性 に加 えて、 より高 い誘 電 率 (中 期 用 として>10、長 期 用 として>20 が望 ましい)を有 する材 料 を必 要 とする。SiO2 以 外 の材 料 で最 大 の問 題 点 は、良 好 な界 面 準 位 特 性 やチャネル移 動 度 特 性 を維 持 するためにチ ャネル部 やゲート電 極 界 面 部 に極 薄 の酸 化 膜 がまだ採 用 し続 けられる可 能 性 があるということである。 この事 によって高 誘 電 率 材 料 の採 用 によってもたらされるメリットが大 幅 にかき消 されてしまう。シリコ ン基 板 と高 誘 電 率 材 料 とをつなぐ一 層 の Si-O 結 合 は、SiO2 換 算 実 効 膜 厚 が 0.3nm 以 下 のゲー 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 ト絶 縁 膜 のスケーリングに物 理 的 限 界 を与 える。 他 の課 題 は、許 容 されうる電 流 リークを達 成 することである。この要 求 を満 たすために高 誘 電 率 材 料 は、熱 電 子 流 放 出 と Fowler-Nordheim トンネルを押 さえるために障 壁 高 さが 1eV 以 上 、バンド 幅 が 4-5eV であることが必 須 となる。加 えて、候 補 となる絶 縁 膜 材 料 は、Frenkel-Pool トンネルを抑 制 すべく、無 視 できるほど小 さなトラップ準 位 密 度 でなくてはならない。最 後 に、その材 料 は、ゲー ト 電 極 材 料 やゲ ート電 極 ドーパントの 侵 入 を抑 制 できる優 れた 拡 散 防 止 機 能 を持 ち合 わせていなけ ればならない。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 [A] この値 は、基 板 や電 極 形 成 にともなう影 響 がなく 、最 大 動 作 周 波 数 における誘 電 体 単 体 の実 効 膜 厚 を示 すもので、基 板 や電 極 の影 響 を鑑 みた電 気 的 な容 量 測 定 によって決 められる。 [B] 100℃におけるゲートリーク電 流 は、その温 度 でトランジスタのオフリーク電 流 の 1%以 下 になるよ うに設 定 。このリーク量 は、プロセスインテグレーションの章 (表 28)にある室 温 でのトランジスタの 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 オフリーク電 流 (ゲートリーク成 分 以 外 )と同 じである。この理 由 は、デバイス温 度 が室 温 から 100℃になるとデバイスのサブスレッシュホールドリーク成 分 と接 合 リーク成 分 が 100 倍 に増 加 す ると予 想 されるためである。このゲートリークは、通 常 の最 小 デバイスで測 定 されるもので、そのス ペックは全 てのトランジスタのバイアス条 件 、すなわち Vs=Vd~0 で Vg =Vdd の時 や Vg = Vs = 0 で Vd=Vdd の時 に適 用 される。 [C] 参 考 文 献 18 参 照 。 [D] エッチングに関 する技 術 的 挑 戦 は、それがデバイス構 造 に依 存 するということである。ここでは、 通 常 的 な MOS 構 造 を仮 定 している。もし、replacement gate のように他 の集 積 化 案 が有 望 に なってきた場 合 、本 表 で記 述 する詳 細 は更 新 されねばならない。 [E] CD の 10%という値 は、リソグラフィ、エッチング、及 び計 測 からの影 響 を統 合 したものである。エ ッチングだけの寄 与 を区 別 することは行 っていない。CD 制 御 の目 標 値 を達 成 するために、リソ グラフィとエッチングの両 面 から改 善 することが求 められている。 [F] ゲートエッチクリーンの後 にいくらかのゲート絶 縁 膜 が残 っている事 が必 要 である。絶 縁 体 材 料 がテクノロジーノードを経 るごとに実 効 的 に薄 くなって行 くので、その絶 縁 体 材 料 上 で停 止 させ るエッチングシステムの能 力 を達 成 するのがますます困 難 になる。加 えて、極 めて薄 いゲート 絶 縁 膜 材 料 の残 り膜 厚 を計 測 もしくは検 出 できる手 段 が必 要 となる。 [G] 0.94x(MPU の物 理 的 なゲート長 )であるコンタクト接 合 部 に対 して、サイドウォールスペーサ厚 =0.94x(MPU の物 理 的 なゲート長 )である。(±33%程 度 の範 囲 ) 妥 当 性 は、A.Srivastava and C.M.Osburn の「極 薄 ゲート絶 縁 膜 を有 する 0.1umPMOSFET の最 適 化 に基 づく応 答 曲 面 」19 にある応 答 曲 面 法 によって確 認 された。 [H] サイドウォールスペーサ厚 =サイドウォールスペーサ厚 =0.94x(MPU の物 理 的 なゲート長 ) 。 (±33%程 度 の範 囲 ) [I] サイドウォールスペーサ厚 =平 均 エクステンション接 合 深 さの 1/2。(±33%程 度 の範 囲 );スペ ーサの下 のエクステンション接 合 の横 方 向 拡 散 が許 せるように選 ばれる。 [J] 歴 史 的 動 向 にもとづく。 [K] アスペクト比 を考 慮 して MPU の物 理 的 なゲート長 とした。 [L] シート抵 抗 値 と膜 厚 要 求 値 (平 均 値 )から;ここで、100nm ノード以 降 ではメタルゲートが使 われ ると仮 定 した。 [M] 電 源 電 圧 とゲート絶 縁 膜 の要 求 に基 づくひろがり抵 抗 モデルによるポリシリコンゲート活 性 化 の 計算値。 [N] シリコン消 費 によるコンタクト抵 抗 率 の上 昇 を避 けるために、シリサイド膜 厚 はコンタクト Xj の 1/2 以 下 にする。 [O] シリサイドのシート抵 抗 :抵 抗 率 を 15 μΩ-cm とした。TiSi2 または CoSi2 に相 当 。 [P] シリコン/シリサイド界 面 の最 大 コンタクト 抵 抗 率 。トータル寄 生 抵 抗 <デバイス抵 抗 (Vdd/Isat) を条 件 とした。寄 生 抵 抗 要 素 を計 算 するためにスプレッドシートを用 いている。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 [Q] シリコン消 費 量 は、CoSi2 生 成 の場 合 の、コバルトシリサイド膜 厚 /シリコン消 費 量 比 0.97 を用 い た。 [R] コンタクト Xj = 0.8×孤 立 ライン幅 (±33%)とした。 歴 史 的 トレンドに基 づく。すべての接 合 深 さはゲート絶 縁 膜 /シリコン界 面 を x=0 として定 義 する。 [S] チャネル側 の Xj = 0.4×孤 立 ライン幅 (±25%)。 [T] スプレッドシートに示 した、総 直 列 抵 抗 へのスプレディング抵 抗 の影 響 から導 いたソース/ドレイン 接 合 の急 峻 さ要 求 。 [U] チ ャネ ル側 不 純 物 分 布 の 急 峻 さ。 nm/decade 単 位 で 、 ドー ピン グ 濃 度 =0.1* 孤 立 ラ イ ン 幅 (nm)の条 件 。短 チャネル効 果 からの要 求 に基 づく。 [V] 空 乏 層 幅 <1/4×ロジックハーフピッチ(式 5-57)を与 えるドレインエクステンション濃 度 。 [W] Vt=0.4 を与 える 均 一 基 板 濃 度 。量 子 力 学 的 効 果 及 び 短 チャネル効 果 によるポテンシャル増 大 は計 算 には考 慮 していないが、これらの効 果 は互 いに相 殺 する傾 向 にある。Vt=0.4 の仮 定 はリーク電 流 の境 界 条 件 と両 立 しない可 能 性 がある。リーク電 流 の境 界 条 件 が、低 下 した電 源 電 圧 に対 して許 容 できない高 いしきい値 を要 求 する場 合 は、大 きな性 能 劣 化 を引 き 起 こす。さ らに、高 濃 度 チャネル不 純 物 による散 乱 によるドレイン電 流 への影 響 も大 きい。 [X] 短 チャネル効 果 の改 善 のために、レトログレードウェルプロファイルは 0.5×(ドレインエクステンシ ョン深 さ)以 下 でなければならない。 ゲート電 極 もまた将 来 のスケーリングに対 して主 要 な挑 戦 である。ボロンの外 方 拡 散 によるチャネル のオートドーピングやポリシリコンの空 乏 化 によってついにデュアルドープポリシリコンゲート電 極 材 料 は使 われなくなる。低 抵 抗 ゲート電 極 材 料 に見 られるように長 期 的 技 術 解 というものは、現 在 のところ 見 出 されておらず、代 替 材 料 を見 出 し見 極 めるためにはまだ数 年 の研 究 期 間 を要 する。 仕 事 関 数 、抵 抗 率 、そして CMOS プロセスとの互 換 性 が、新 しい材 料 の候 補 に対 するキーパラメ ータとなる。CMOS プロセ スとの 互 換 性 で要 求 されるの は、許 容 可 能 なしき い値 電 圧 を得 るため に PMOS と NMOS それぞれのトランジスタのゲート電 極 に使 用 される、異 なったゲート電 極 材 料 である。 すなわち、PMOS トランジスタはシリコンの価 電 子 帯 付 近 にフェルミレベルがあり、NMOS トランジスタ はシリコ ンの伝 導 帯 付 近 に フェルミ レベルが ある材 料 である。シート抵 抗 を検 討 すると、究 極 的 に は cladded gate 電 極 が必 要 となる。つまり、ゲート電 極 の所 望 の仕 事 関 数 を得 るために誘 電 体 の界 面 層 が用 いられ、その上 の層 はゲート電 極 全 体 のシート抵 抗 を下 げるために用 いられる構 造 である。代 替 案 としては SOI または基 板 バイアスやウェルバイアスと共 に用 いられるであろうミッドギャップフェルミ レベルが用 いられるようなデュ アルジャンクションアイソレートト ランジスタが挙 げられる。ゲート 電 極 の 問 題 に対 する短 期 的 解 決 可 能 候 補 技 術 は、ドープポリサイドゲートスタックまたは Si-Ge ゲートが挙 げられる。(シリコン窒 化 膜 などで見 られる)ゲート絶 縁 膜 のボロン染 み出 し抑 制 は、仕 事 関 数 制 御 を より強 固 にするためには、ドープポリシリコンの活 性 化 を高 める必 要 があるので、ゲート絶 縁 膜 のボロ ン染 み出 し抑 制 はきわめて重 要 である。 CMOS 構 造 に対 する代 替 界 面 層 と高 誘 電 率 材 料 そして新 しいゲート電 極 材 料 の一 体 化 は、集 積 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 化 の挑 戦 において極 めて重 要 な意 味 を持 つ。候 補 となる 大 半 の材 料 系 の熱 安 定 性 は、ゲート形 成 後 に用 いられる典 型 的 な接 合 形 成 用 熱 処 理 に対 して十 分 ではない。これらの新 しい材 料 を導 入 す ることにより接 合 形 成 用 熱 処 理 温 度 を劇 的 に下 げるか replacement gate のようにゲートスタック工 程 と接 合 形 成 工 程 の順 序 を入 れ替 える事 を余 儀 なくされる。これらのことは、製 造 工 程 と複 雑 さを増 し、接 合 部 とゲート 部 との重 なりが変 わることによるデバイス性 能 や 信 頼 性 に強 い影 響 を及 ぼすであ ろう。2つのゲート電 極 金 属 の集 積 化 に対 する見 込 みある解 決 可 能 候 補 技 術 は、W と WN のように 金 属 とそれと同 じ金 属 の化 合 物 とを用 い ることである。そうする ことによって、単 純 な反 応 によ り局 所 的 に金 属 がその化 合 物 となる。これを用 いなければ、NMOS や PMOS デバイスの両 方 を作 製 するた めに複 雑 で何 度 ものプロセスを使 わねばならなくなる。 サイドウォールスペーサは、セルフアライン、ドレイン部 ドーパント構 造 形 成 を容 易 にするためだけで なく、今 ではゲートとソース/ドレイン領 域 を分 離 するためにも用 いられている。サイドウォールスペーサ の耐 久 性 がゲートとソース/ドレイン部 のコンタクト構 造 とそのプロセスを限 定 する。サ イドウォールスペ ーサは、伝 統 的 に堆 積 した酸 化 膜 、ポリシリコンの熱 酸 化 、堆 積 シリコン窒 化 膜 そして、これらの組 み 合 わせとして用 いられてきた。これらのプロセスは、少 なくとも今 後 、エレベートソース/ドレイン 構 造 が 使 われる限 り引 き続 き使 われるであろう。シングルドレインエレベート構 造 では、寄 生 直 列 抵 抗 を制 御 するためにサイドウォール膜 厚 が 5-10nm であることのほかに、ゲート絶 縁 膜 並 みの信 頼 性 や安 定 性 が必 要 となる。約 20nm 以 下 であると最 良 の熱 酸 化 膜 でさえもシリコンの選 択 エピタキシャル成 長 や シリサイドプロセスに晒 された時 に欠 陥 を誘 発 しやすくなる。シリコン窒 化 膜 や酸 窒 化 膜 は、酸 化 膜 よ りは良 い代 替 材 料 である。しかしながら、より良 いサイドウォールスペーサを見 出 すために更 なる検 討 が必 要 である。 熱 処 理 /ドーピング技 術 の鍵 は、浅 接 合 プロファ イルを維 持 すること 、ドーパントの高 活 性 化 、材 料 間 の熱 プロセスに対 する互 換 性 、そしてこれ らが如 何 にデバイス性 能 に影 響 するかをコントロールす ることである。FEOL の熱 処 理 /薄 膜 プロセスに対 する解 決 可 能 候 補 技 術 を図 19 に示 す。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 ドーピング技 術 ドーピング技 術 において、近 い世 代 で直 面 する 大 チャレンジは、極 浅 接 合 形 成 の従 来 手 法 をディ ープサブミクロン領 域 にまで拡 大 させることである。チャレンジの本 質 は、エクステンシヨン接 合 深 さの 縮 小 と必 要 な横 方 向 の急 峻 さを同 時 に達 成 することにある。急 峻 さの要 求 は、チャネル抵 抗 の 10% の低 寄 生 抵 抗 を得 るための要 求 でもある。高 濃 度 でありながら、より浅 いソース/ドレイン及 びエクステ ンション接 合 を形 成 し、低 抵 抗 のコンタクト材 を形 成 するという要 求 は、サリサイドプロセスに対 するチ ャレンジにもなる。極 浅 の接 合 にコンタクトを形 成 するための大 チャレンジが他 にも幾 つか指 摘 されて いる。30nm 以 下 の接 合 で 300Ω/□のシート抵 抗 を得 るための活 性 化 の技 術 、ゲート酸 化 膜 を通 し たボロン突 き抜 けの抑 止 、低 抵 抗 シリサイドコンタクトの形 成 、極 浅 接 合 の 2 次 元 不 純 物 分 布 計 測 、 接 合 の大 きさに対 し有 意 な大 きさのパーティクルの削 減 、縮 小 したデバイスに必 要 な精 度 でドーピン グ層 (特 にハロー)を配 置 すること、などである。 70nm 以 下 のノードでは、チャレンジはより明 解 に「トランジスタ構 造 」となる。その中 には、現 在 はま だわかっていない、固 溶 限 以 上 の活 性 化 を熱 処 理 の制 約 の中 で実 現 する方 法 が含 まれる。新 しいト ランジスタ構 造 が性 能 目 標 の達 成 のために必 要 になる可 能 性 もあり、量 産 の時 期 までに開 発 され検 証 される必 要 がある。新 構 造 には、高 誘 電 率 ゲートスタックとの、温 度 などのプロセス互 換 性 が要 求 さ れる。70nm 以 下 の技 術 にも同 様 な課 題 がある。すなわち、高 誘 電 率 絶 縁 膜 と互 換 性 のある活 性 化 の熱 プロセス、低 抵 抗 のコンタクト形 成 、高 電 導 度 のエクステンション(20nm 以 下 で 200Ω/□)、チャ ネル端 でのエクステンションの急 峻 さ、メタス テイブルな不 純 物 の活 性 化 の解 明 、などである。これ ら 課 題 の基 底 に、しきい値 スケーリング、ゲート絶 縁 膜 及 び接 合 でのトンネリングに伴 って不 可 避 となる リーク電 流 の増 大 の懸 念 がある。 エクステンション スケーリングは、ドレインエクステンション、チ ャネルおよびチャネル端 部 形 成 のプロセスに大 きな影 響 を与 える。接 合 深 さと寄 生 抵 抗 をともに低 減 する要 求 からエクステンションのドーピングレベルは増 大 が予 測 される。前 の世 代 ではホットキャリア劣 化 を抑 制 するため、緩 やかなプロファイルが要 求 され たのに対 して、低 電 圧 での動 作 のためにむしろ急 峻 な横 方 向 のプロファイルが求 められるようになる。 エクステンション部 の、縦 方 向 、横 方 向 不 純 物 プロファイルの位 置 及 び形 状 をモニターするためには、 サブナノメータの空 間 分 解 能 の2次 元 計 測 手 法 が必 要 になる。 これらの極 浅 接 合 形 成 の課 題 に対 する技 術 候 補 には、plasma immersion ion implantation (PIII), projection gas immersion laser doping (PGILD)がある。長 期 的 には、ドーピング層 の 直 接 堆 積 が候 補 である(例 えば ALE)。 コンタクト コンタクト領 域 をシリサイドによって接 続 する技 術 では、ソース/ドレイン領 域 でのシリコン消 費 を最 小 にし、同 時 にゲート領 域 では低 い抵 抗 率 を実 現 する必 要 がある。加 えて、コンタクト面 積 の縮 小 に応 じたシリコン/シリサイド界 面 抵 抗 の低 減 が無 いと、許 容 しがたい寄 生 抵 抗 の増 大 を引 き起 こす。求 め 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 られる抵 抗 率 を得 るには、シリコン中 の活 性 不 純 物 濃 度 をシリサイドとの界 面 において最 大 とすること と、金 属 /シリコンのバリアハイト低 減 が必 要 とされる。近 い 世 代 において、ドーピングとコンタクト裏 打 ちのプロセスは、ますます相 互 依 存 が強 まり、材 料 科 学 を組 み合 わせた、CMOS 互 換 の革 新 的 な解 が必 要 となるだろう。当 面 は、既 存 のサリサイド技 術 を用 いてドープしたコンタクト領 域 を形 成 するプロ セスへの、適 用 範 囲 拡 大 と実 用 性 改 善 が課 題 である。 コンタクト裏 打 ちの技 術 候 補 には、既 存 のサリサイド技 術 の継 続 的 スケーリング、チタンシリサイド膜 の選 択 的 堆 積 、犠 牲 シリコン膜 を用 いたシリサイド化 、他 の低 抵 抗 金 属 膜 の選 択 堆 積 がある。究 極 には、革 新 的 な新 しいデバイス構 造 の導 入 が必 要 となり、安 定 なコンタクトのためには、チャネル面 よ りも 、ソ ース / ド レイ ン コ ン タ ク ト 面 を 高 く 持 ち 上 げ る 新 構 造 が 必 要 に なろ う。 しか し な が ら 現 在 の 所 、 100nm 以 下 のノードに対 応 する検 討 は、未 だ研 究 段 階 にあって製 造 に使 える検 証 には至 っていな い。 ポリドーピング ポリシリコンゲート電 極 にも近 い世 代 のスケーリングに大 きな課 題 がある。空 乏 化 によるゲート絶 縁 膜 厚 の実 効 厚 さの増 大 やP+ポリシリコンゲート電 極 からチャネル部 へのボロンのオートドーピングの 問 題 から、現 在 用 いられているデュアルドープポリシリコンゲートは 70nm ノード以 降 、次 第 に使 われ なくなるだろう。技 術 候 補 は図 20に示 した。近 い世 代 の候 補 には、ドープしたポリサイドスタックの改 良 も含 まれる。ゲート絶 縁 膜 のボロン突 き抜 け拡 散 耐 性 は極 めて重 要 であり、この面 から絶 縁 膜 の候 補 にシリコン窒 化 膜 があがる。仕 事 関 数 の精 密 な制 御 のために、ゲートポリシリコン電 極 の活 性 化 率 の向 上 も重 要 であり、ゲルマニウム 添 加 によるボロンの活 性 化 率 向 上 のような材 料 技 術 も解 になりう る。 チャネル 継 続 的 なゲート長 の縮 小 において、オフ状 態 のリークを許 容 値 以 下 に保 つ必 要 か ら、極 小 デバイ スのチャネルドーピングレベル増 大 が必 要 になる。横 方 向 、縦 方 向 双 方 のプロファイル制 御 がこれら の劣 化 防 止 に使 用 しうるが、ゲート絶 縁 膜 薄 膜 化 を行 ってもなお、しきい値 のスケーリングに伴 うオフ 電 流 の大 幅 な増 大 は避 けられない。しかしながら、しきい値 のスケーリングがなされないと、低 電 圧 動 作 でのデバイス性 能 は、ゲートドライブ の減 少 によって著 しく損 なわれる 。この 問 題 には消 費 電 力 の 制 約 も関 係 し、単 純 な解 答 は存 在 しない。 レトログレードチャネルドー ピングは縦 方 向 のプロファイル制 御 技 術 である。短 チャネル効 果 を改 善 しつつ、チャネル表 面 の不 純 物 濃 度 を低 減 して表 面 移 動 度 の向 上 をはかる。やや深 い領 域 の高 不 純 物 濃 度 層 がパ ンチスルーに対 するバリ アとして作 用 す る一 方 、表 面 で は不 純 物 散 乱 を 最 小 化 し 移 動 度 向 上 をもたらす。効 果 的 に作 用 させるためには、レトログレード深 さはソース/ドレインエクステン ション(SDE)深 さよりも小 さい必 要 があり、低 濃 度 から高 濃 度 への急 峻 な変 化 が必 要 である。ソース/ ドレインのスケーリングに伴 って、レトログレードウェルの深 さ、急 峻 さもスケーリングされなければならな い。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 デバイス特 性 の改 善 をはかるために、横 方 向 のプロ ファイル制 御 も広 く 行 われる。典 型 的 には、ゲ ート電 極 形 成 後 のチャネル領 域 への斜 めイオン注 入 によって行 われる。横 方 向 注 入 は SDE 端 部 で の不 純 物 濃 度 を高 める。結 果 的 に、得 られるチャネルプロファイルはデバイスのサイズに依 存 するよう になる。小 さなデバイスではよ り高 い平 均 のドーピングレベルとなり、これは小 サ イズデバイスのしきい 値 低 下 を補 正 して、デバイス性 能 向 上 につながる。横 方 向 のプロファイル制 御 を効 果 的 に作 用 させ るには、チャネル全 域 に渡 ってプロファイルを変 化 させる必 要 があり、50nm 以 下 への継 続 的 なスケ ーリングにおいて、極 めて大 チャレンジとなる。 拡 散 によりプロファイルの急 峻 さが損 なわれるために、横 方 向 、縦 方 向 双 方 のチャネルプロファイル のスケーリングは極 めて難 しくなって来 ている。デバイス性 能 向 上 を最 大 化 させるには、これらのプロ フ ァ イ ル を 極 め て 局 在 化 さ せ る 必 要 が あ る 。 transient enhanced diffusion (TED) や 、 boron enhanced diffusion (BED)のような高 濃 度 拡 散 効 果 、その他 熱 拡 散 は、すべて所 望 のチャネルプ ロファイル形 成 に対 応 するよう管 理 される必 要 がある。急 峻 かつ良 く制 御 されたチャネルプロファイル 形 成 には、極 低 温 プロセスに対 応 したエピタキシャル成 膜 を必 要 とする可 能 性 がある。これらの付 加 技 術 を用 いたとしても、回 路 設 計 者 は大 きなオフ電 流 と大 幅 なドライブ電 流 劣 化 のトレードオフを勘 案 する必 要 に迫 られるかもしれない。 素 子 分 離 / ウェル トランジスタ密 度 増 大 は n+/p+間 隔 の縮 小 を伴 い、ウェル間 の分 離 、寄 生 素 子 の制 御 の改 善 を必 要 と す る 。 加 え て 、 p-,n- チ ャ ネ ル デ バ イ ス の チ ャ ネ ル ポ テ ン シ ャ ル の 動 的 な 制 御 や 、 system-onchip(SoC)設 計 のためにメモリアレイ組 み込 みの重 要 性 が増 すことにより、新 たな素 子 分 離 構 造 を採 用 す る 必 要 性 が 高 ま る と 考 え ら れ る 。 点 欠 陥 の 動 力 学 の 理 解 と TCAD(technology computer aided design)モデリングの進 展 が伴 えば、高 エネルギーイオン注 入 技 術 がこれらの素 子 分 離 技 術 的 要 求 に対 する技 術 候 補 になる。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 8-3-4 エッチングプロセス エッチングプロセスの将 来 的 な課 題 は、CD(クリティカルディメンジョン)の縮 小 、及 びメタルゲートや 高 誘 電 率 の絶 縁 膜 などの新 材 料 によって、大 部 分 が決 定 される 。フロントエンドのエッチングにおい て、最 も挑 戦 的 な技 術 的 要 求 は、継 続 的 に大 口 径 化 するウェーハに対 して均 一 性 の高 いエッチング を維 持 すること 、及 び 新 材 料 に対 して要 求 されるエッチング選 択 性 とエッチング形 状 を確 保 すること である。メタルゲートが使 われる技 術 レベルの時 点 では、エッチング耐 性 のない新 規 の薄 いフォトレジ スト材 料 が導 入 されることになる。新 しい積 層 ゲート材 料 、ウェーハ大 口 径 化 、及 び新 規 フォトレジスト が同 時 期 に導 入 されることによって、微 細 化 そのものに関 係 している困 難 さが一 層 度 合 いを増 したも のとなっている。リソグラフィとエッチングの相 互 で整 合 性 をとることが、CD 制 御 の目 標 値 を達 成 する ための鍵 となる。ゲートCD制 御 に関 する要 求 値 を表 34a と 34b に示 す。 エッチングマスクの CD を確 保 するために、マスク材 料 と一 つまたは複 数 の被 エッチング下 層 材 料 と の間 で、高 いエッチング選 択 性 が要 求 される。もし、フォトレジストに対 して充 分 な選 択 性 が得 られな いのであれば、ハードマスク(これは反 射 防 止 膜 として使 用 することが可 能 )を使 う必 要 性 が生 じる。こ こでは、CD をハードマスクに一 旦 転 写 した後 、ハードマスクを使 って、下 層 材 料 へパターンを転 写 す る。このようにプロセスの複 雑 さが増 加 するが、この方 法 は、焦 点 深 度 の低 下 に対 応 してフォトレジスト 膜 厚 が減 少 している先 端 リソグラフィの状 況 において、必 要 なものとなっていく。マスクから下 層 材 料 に高 精 度 に転 写 を行 うとともに、特 にゲートやサイドウォールスペーサエッチングにおいては、垂 直 に 近 い側 壁 構 造 を形 成 するために、極 めて異 方 性 の高 いエッチングプロセスが求 められる。さらに、孤 立 部 分 と 高 アスペクト比 の 密 集 した部 分 の両 方 に対 して、エッチレートと形 状 が揃 うようにマイクロ ロ ーディングを極 力 低 減 しなければならない。 線 幅 の縮 小 にともなって、ライン端 の荒 さ(LER : line edge roughness)が、CD 制 御 や CD 自 体 の定 義 に対 して、ますます重 要 な影 響 を持 つようになっている。LER の原 因 は、リソグラフィとエッチ ングの両 方 にある。ゲート材 料 、フォトレジストの構 成 物 、及 びエッチングケミストリのすべてが、線 幅 の 不 確 定 性 に関 係 する。この量 について制 御 すべき目 標 値 を設 定 するために、デバイス性 能 への LER の影 響 を理 解 する必 要 がある。これに関 係 する測 定 方 法 や装 置 をも開 発 していかなければなら ない。 新 規 のゲート絶 縁 膜 材 料 を用 いた上 で、微 細 化 が進 行 することは、欠 陥 密 度 とプラズマダメージの 点 で、エッチングプロセスに対 して厳 しい要 求 を課 すことになる。将 来 の欠 陥 密 度 に対 する要 求 を満 たすためには、プラズマプロセスやエッチング装 置 から発 生 するパーティクルを極 力 少 なく、かつ小 さ くしなければならない 。エッチングケミストリ、エッチングチャンバ内 の堆 積 物 の制 御 、及 びエッチング チャンバのクリーニング手 法 などについて改 善 が求 められている。プラズマエッチング装 置 の設 計 、及 びプラズマプロセス条 件 は、チャージングダメージを引 き起 こさないように開 発 されなければならない。 フロントエンドのエッチングプロセスでは、連 続 した複 数 の被 エッチング膜 間 に、極 めて高 い選 択 性 が要 求 されている。このため、新 材 料 の導 入 により、新 たな課 題 が発 生 することになる 。例 えば 、ポリ シリコンゲートエッチングでは、シリコン基 板 までエッチングすることなく、ポリシリコンの適 切 なオーバー エッチが可 能 となるように、ポリシリコンゲート電 極 とゲート絶 縁 膜 との間 に高 い選 択 比 が求 められる。 ゲートエッチングと洗 浄 プロセスを経 た後 、薄 く残 る酸 化 膜 の膜 厚 測 定 は、これからの開 発 が求 めら 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 れる分 野 の一 つである。将 来 的 には、新 しい低 抵 抗 率 のメタ ルゲート電 極 と高 誘 電 率 のゲート絶 縁 膜 との間 に、高 いエッチング選 択 比 が求 められる。要 求 されるエッチング選 択 性 とエッチング形 状 を 満 足 した上 で、これらの新 規 材 料 をエッチングするために、新 たなエッチングケミストリやプロセス条 件 の開 発 が必 要 となるだろう。 ゲート絶 縁 膜 の変 更 により、メインエッチステップでバルク材 料 の大 部 分 を除 去 し、その後 のオーバ ーエッチステップで完 了 するマルチステップエッチングプロセスの開 発 が必 要 とされるであろう。事 前 に終 点 が決 定 できるように、インターフェロメトリィや同 様 の検 知 手 法 を用 いることによって、メインエッ チが終 了 す る前 に被 エッチング 材 料 の残 りの量 を測 定 することが強 く 望 まれる。このエッ チングを完 成 させるためには、高 選 択 比 、かつダメージのないプロセスが必 要 とされる。 サイドウォールスペーサ幅 の制 御 は、プラズマエッチにおいてもう一 つの課 題 となる。スペーサ幅 や そのオーバーエッチ依 存 性 は、スペーサエッチの異 方 性 度 だけでなく、ゲート電 極 の形 状 、スペーサ 絶 縁 膜 堆 積 時 の膜 厚 制 御 や 堆 積 状 態 に支 配 される。限 られたプロセス制 御 性 データを用 いて、サ イドウォールスペーサの正 確 な評 価 をすることは難 しい。非 破 壊 のスペーサ幅 測 定 手 法 の開 発 が必 要 である。スペーサ絶 縁 膜 堆 積 やエッチングの終 点 検 出 のような、スペーサ幅 に影 響 を及 ぼすすべ ての項 目 の制 御 性 を改 善 することが、プロセスの再 現 性 を保 証 するために求 められている。 ゲート絶 縁 膜 の薄 膜 化 や大 口 径 ウェーハ処 理 の要 求 に応 じるため、高 密 度 プロセス用 の反 応 室 が 設 計 されている状 況 において、プラズマダメージは引 き続 き大 きな関 心 事 である。さらに、70 nm 技 術 ノードに対 応 するゲート絶 縁 膜 がまだ決 定 していないため、そのノードでプラズマチ ャージングダメ ージを回 避 できるかどうか未 知 である。もし、プラズマエッチング装 置 において、プラズマチャージング ダメージが回 避 できないのであれば、ケミカルダウンストリームエッチング(CDE)やニュートラルストリー ムエッチングを選 択 肢 として、追 求 しなければならない。しかしながら、将 来 的 な異 方 性 エッチングの 要 求 を満 たすために、充 分 に方 向 性 が整 い、かつ中 性 の運 動 エネルギーを有 する大 面 積 ケミカルダ ウンストリームエッチング装 置 を作 製 する必 要 があり、このために、多 大 な研 究 、開 発 を要 する。ゲート エッチングに解 決 可 能 候 補 技 術 を図 21 にまとめた。CDE がダメージを極 小 にするために選 択 された 方 法 となれば、このプラズマ源 技 術 がクラスタプラットホームに統 合 され、分 離 したエッチングチャンバ、 もしくは in-situ の形 で使 用 されるだろう。 エッチングにおける DRAM 特 有 の課 題 は、電 荷 蓄 積 キャパシタ、特 に、先 端 の大 容 量 積 層 キャパ シタ構 造 の形 成 に関 するものである。これらの構 造 では、新 規 の高 誘 電 率 膜 (Ta2O5、BST など)と 新 規 金 属 電 極 (Pt、Ru、RuO2 など)が使 用 されている。先 端 のゲートスタックの場 合 には、新 しいエ ッチングケミストリを発 展 させることが望 まれる。形 状 制 御 は、トランジスタゲート構 造 の場 合 ほど厳 しく ないが、3 次 元 キャパシタ構 造 や非 常 に厚 い電 極 膜 厚 により、高 密 度 充 填 に対 する欠 陥 制 御 が課 題 となってくる。積 層 キャパシタに関 して、別 の重 要 な技 術 項 目 は、高 アスペクト比 コンタクトの形 成 で ある。高 集 積 密 度 を達 成 するために、期 待 されるコンタクトのサイズは 0.1 um で、アスペクト比 は 10 以 上 となる 。セルフアラインの高 アスペクト比 コンタクトエッチングプロセスとエッチング後 の充 分 なクリ ーニング手 法 の開 発 が重 要 なものとなる。エッチストップと浅 い接 合 へのダメージを抑 制 して、CD と 選 択 性 を維 持 することが重 要 な技 術 的 挑 戦 となるだろう。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 DRAM スタックキャパシタ DRAM キャパシタ技 術 は、ギガビット世 代 に入 りキャパシタ膜 並 びにキャパシタ電 極 への新 材 料 導 入 の局 面 を迎 えている。表 35 に DRAM のスタックキャパシタに対 する技 術 的 要 求 を示 す。DRAM のセルサイズは設 計 ルール以 上 の速 度 で微 細 化 が進 められており、180nm 世 代 では折 り返 しビット ラインセル構 造 の最 小 面 積 である 8F^2 (F : 最 小 加 工 寸 法 〈minimum feature size〉)に達 すると 考 えられる。これに対 して DRAM の安 定 動 作 の確 保 とソフトエラー耐 性 を一 定 に保 つために、キャパ シタの容 量 値 は 25fF/cell(セル) と一 定 に保 ち続 けられると仮 定 して各 数 値 は計 算 されている。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 35 DRAM スタックキャパシタ技 術 に対 する技 術 的 要 求 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 表 35 DRAM スタックキャパシタ技 術 に対 する技 術 的 要 求 (続 き) 表 35 DRAM のスタックトキャパシタに対 する要 求 の注 釈 [A] DRAM chip size model (PIDS) [B] a = (Cell size)/F^2 [C] Cell size = a*F^2 (F : 最 小 形 状 寸 法 ) (セル短 辺 =2F) [D] SN size =(a/2 -1)*F^2 (蓄 積 電 極 短 辺 = F) [E] シリンダ構 造 を取 った場 合 、キャパシタ面 積 を 1.5 倍 にする. [F] SC = (total Capa area) / (Cell size) SC:構 造 係 数 [G] teq=3.9*E0*(total Capa area)/25fF [H] t phy. = teq*Er/3.9 t phy. =(teq-1)*Er/3.9 [I] 蓄 積 電 極 にポリシリコンを用 いた場 合 . A/R of SN (OUT) = (SN height) / (F - 2* t phy.) 蓄 積 電 極 の外 側 のアスペクト比 [J] HAC diameter =1.2*F (HAC : High Aspect Contact) [K] 層 間 膜 の膜 厚 を 180nm 世 代 で 1.05μm とおき各 世 代 で 10%薄 膜 化 する. [L] HAC 深 さ = SN 高 さ + 層 間 膜 と配 線 膜 厚 [M] PIDS Table 14 Min. Logic Vdd (V) (desktop) [N] DRAM Retention time (PIDS) [O] (Sense Limit*C*Vdd/2) / (Retention Time * MARGIN) (センスアンプの限 界 を電 荷 が 30%リークしたときとしマージンを 100 倍 とる.) [P] FEP Table 22A Equivalent oxide thickness Tox(nm) DRAM [Q] Gate Area =F^2 [R] ワード線 の Rs を 180nm 世 代 で 10ohm/sq. と仮 定 し、 (Word Line R)*(Cgate)が各 世 代 同 じワード線 長 さで一 定 とする. [S] ビット線 容 量 は F^2/3 に比 例 する. ; A.Nitayama et al., IEDM Technical Digest, pp. 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 355-358, 1998. [T] ビット線 Rs を 180nm 世 代 で 10ohm/sq. と仮 定 し、 (Bit Line R)*(Cbitline)がビット線 につ くセルが各 世 代 1.4 倍 になっても一 定 とする [U] Koichi Kishiro et al. Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 37 (1998) pp. 1336-1339 これまでメガビット世 代 ではキャパシタの容 量 絶 縁 膜 材 料 は SiO2/Si3N4 複 合 膜 を用 い、蓄 積 容 量 電 極 構 造 を 3 次 元 化 することでこの容 量 を維 持 してきた。しかしながら、180nm 世 代 ではこれらの方 法 では上 記 容 量 値 を確 保 することが困 難 となる 。このために容 量 絶 縁 膜 として、新 たな高 誘 電 体 材 料 が導 入 され始 める。まず比 誘 電 率 が 50 程 度 の Ta2O5 が採 用 される。蓄 積 電 極 として従 来 通 りの ポリシリコンが用 いられた場 合 、電 極 構 造 を三 次 元 化 する自 由 度 は大 きいものの Ta2O5 の後 酸 化 処 理 時 に界 面 にシリコン酸 化 膜 が成 長 することにより実 効 的 な比 誘 電 率 は 22 程 度 に減 少 する。一 方 、 蓄 積 電 極 に Ru や Pt などの金 属 が用 いられた場 合 、この界 面 酸 化 膜 の介 在 がなくなることと Ta2O5 の結 晶 配 向 性 が向 上 することにより 50 以 上 の比 誘 電 率 を得 ることができる。このため、130nm 世 代 で は MIM(金 属 ・絶 縁 膜 ・金 属 )構 造 が採 用 され始 める。図 22 参 照 。 130nm 世 代 では、耐 酸 化 性 の問 題 と誘 電 体 膜 構 造 を良 くするために膜 蓄 積 電 に Pt、Ru、RuO2、 IrO2 な ど の 金 属 又 は 金 属 酸 化 物 が 採 用 さ れ 始 め る 。 プ ロ セ ス 中 の サ ー マ ル バ ジ ェ ッ ト (thermal budget)の観 点 からは、キャパシタ膜 を含 めこれらの膜 は CVD 法 を基 本 とする 500℃程 度 の低 温 で 堆 積 される 。しか しながら後 酸 化 処 理 温 度 はこれ より高 温 であるため、ビット線 材 料 に金 属 が用 いら れる場 合 はこの温 度 を 650℃程 度 まで下 げる必 要 がある。 世 代 ごとに厳 しくなるキャパシタ膜 のリーク電 流 の要 求 を満 たすために、このような低 い温 度 で高 品 質 な膜 を形 成 するプロセスを開 発 することが大 チャレンジとなる。また、バックエンドプロセスのプラズマ ダメージや還 元 雰 囲 気 プロセスが高 誘 電 体 膜 を劣 化 させないプロセス構 築 が要 求 される。 100nm 世 代 では、蓄 積 電 極 や HAC (high aspect contact hole)のアスペクト比 増 大 を抑 えるた めに、誘 電 率 が 250 程 度 と高 い BST 等 の高 誘 電 体 材 料 が必 要 となる。 また、100nm 以 降 の世 代 では、適 切 な DRAM チップサイズを得 ようとすると、セルサイズは 5F^2 以 下 にする必 要 がある。このためオープンビットラインセル、クロスポイントセルレイアウトをはじめ多 値 回 路 までもが必 要 となるであろう。 70nm の世 代 では、さらに誘 電 率 の高 い BST エピタキシャル膜 等 の新 しい材 料 の研 究 開 発 が必 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 要 と考 えられる。しかしながら、上 記 のような高 誘 電 体 膜 材 料 の開 発 に成 功 しても誘 電 体 膜 形 成 後 の蓄 積 電 極 のアスペクト比 が上 部 電 極 形 成 プロセスの限 界 を超 え、キャパシタを形 成 できなくなる可 能 性 が指 摘 されている。そこで、材 料 、プロセス的 なアプローチ以 外 に、蓄 積 される電 荷 量 によらない ゲインセルのような新 しいデバイス構 造 が試 される必 要 がある 50nm 世 代 でキャパシタ膜 に必 要 な比 誘 電 率 は 1500 程 度 と予 想 される。現 在 、DRAM に適 応 で きる薄 膜 の高 誘 電 率 の材 料 は開 発 されていない。“super high k”を持 つ革 新 的 な高 誘 電 体 材 料 の探 索 または、強 誘 電 体 を用 いた DRAM が試 みられる必 要 がある。 70nm 世 代 以 降 、セルのリーク電 流 がほぼ変 わらないのにリテンション時 間 が“赤 ”となっている。こ の世 代 では接 合 リーク電 流 がリテンション時 間 を支 配 するようになると考 えられ、SOI 基 板 を用 いた DRAM を考 えなければならないかもしれない。 一 方 、DRAM を混 載 した SoC に要 求 されるプロセス仕 様 は、メモリ/ロジックの構 成 比 により異 なっ てくる。キャパシタ容 量 への要 求 は汎 用 DRAM ほどには厳 しくないと考 えられる。SoC における大 チ ャレンジの一 つは、コンタクトホール形 成 である。一 般 に、DRAM のコンタクトホール深 さは、同 世 代 のロジックと比 べて著 しく深 く、極 端 なアスペクト比 増 大 を避 けるためホール径 を拡 大 せざるを得 ない。 これにより、同 世 代 ロジックと同 じ配 線 ピッチを実 現 することが困 難 となる。したがって、ロジックを優 先 させた SoC では、コンタクトのアスペクト比 を低 減 させるため、セル面 積 の拡 大 によりキャパシタ高 さを 抑 えるなどの工 夫 が必 要 になってくる。一 方 、DRAM を優 先 させた SoC では、DRAM のホール径 に 応 じたロジックの配 線 ピッチ を設 定 し なければ ならない 。このト レードオ フを脱 却 するため には、汎 用 DRAM 以 上 に材 料 やデバイス構 造 からのブレークスルー(breakthrough)が求 められる。 図 22 DRAM ス タ ッ ク キ ャ パ シ タ 膜 の 解 決 策 候 補 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 DRAM トレンチキャパシタ 表 36 に DRAM のトレンチキャパシタ技 術 に対 する要 求 を示 す。各 数 値 はキャパシタの容 量 値 が 35fF/cell(セル) と一 定 に保 ち続 けられると仮 定 して計 算 されている。100nm を含 む世 代 までは、ト レンチキャパシタ技 術 は従 来 通 りの NO 誘 電 体 膜 のスケーリングとボトル形 状 等 の表 面 積 の拡 大 によ って達 成 できる。グランドルールの縮 小 に伴 い 100nm 世 代 ではトレンチ幅 に対 するトレンチ深 さのア スペクト比 は~60 程 度 に増 大 すると考 えられる。新 たな high-k 材 料 は 70nm 世 代 までは必 要 無 い と予 想 されている。 SoC に対 してはキャパシタが基 板 中 に埋 め込 まれるトレンチキャパシタ技 術 では、DRAM セルアレ イとロジック回 路 の遷 移 領 域 の段 差 が生 じない。このため多 層 配 線 のメタル線 幅 の細 りやリソグラフィ の解 像 度 低 下 の問 題 を防 ぐことができる。また、深 いハイアスペクトコンタクトホールへの要 求 も避 ける ことができる。加 えてキャパシタ形 成 プロセスがトランジスタ形 成 に先 立 って行 われるため、キャパシタ 形 成 の熱 サイクルによるデバイス性 能 の劣 化 が起 こることはない。 新 しいチップサイズモデルによるセルサイズファクタのスケーリングは、レイアウトと各 DRAM セルエ レメント面 積 のより一 層 の最 適 化 を要 求 する 。これは、従 来 からのプレーナ構 造 のトランジスタから縦 方 向 トラン ジスタへの置 き換 えや 、キャパ シタ構 造 の更 なる高 アスペクト比 化 による蓄 積 電 極 の縮 小 等 の検 討 を意 味 する。最 終 的 にリソグラフィによるビットラインとワードラインピッチを持 つ全 ての DRAM 技 術 は、それぞれのメタルピッチの2F で規 定 される理 論 的 な限 界 セルサイズ 4F^2 に達 する。 より小 さなセルサイズファクタは多 値 回 路 や多 層 DRAM などの新 しいコンセプトが必 要 である。このよ うな根 本 的 な挑 戦 に対 して現 在 解 は知 られていない。 表 36 DRAM トレンチキャパシタ 技 術 的 要 求 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 8-3-5 環 境 ・安 全 ・健 康 ( Environment, Safety, and Health: ESH) ESH ) FEOL(Front End of Line)プロセスにおける ESH 関 連 の重 点 項 目 は、ゲート絶 縁 膜 /電 極 のた めの新 材 料 開 発 、天 然 資 源 の消 費 (特 に水 )の抑 制 、作 業 者 への物 理 的 ・化 学 的 危 険 性 の管 理 と 安 全 確 保 、そしてプロセスを最 適 化 して化 学 薬 品 の消 費 量 や削 減 が必 要 な排 出 物 発 生 を抑 えるこ とである。100nm 技 術 そしてそれ以 降 の技 術 にむけた新 材 料 (そのための CVD 原 料 、洗 浄 方 法 、 エッチングガスも含 む)は ESH の観 点 から見 直 す必 要 がある。 世 界 的 な ESH 問 題 は FEOL プロセスのすべての分 野 に影 響 するものである。化 学 物 質 管 理 方 針 の第 一 は、化 学 物 質 の使 用 効 率 を最 大 限 にするようにプロセスを最 適 化 することである。化 学 物 質 使 用 効 率 の改 善 にあたっては、化 学 物 質 の使 用 量 、廃 棄 物 の生 成 量 、有 害 物 質 の除 害 、そして化 学 物 質 を使 用 する装 置 の使 用 効 率 も含 めて考 えなくてはならない。必 要 なときにその場 で化 学 物 質 を生 産 する方 法 は使 用 効 率 向 上 につながる。新 しい技 術 の導 入 に際 しては、装 置 と設 備 に必 要 な エネルギーを見 積 もることが必 要 である。熱 プロセス、ウェーハ洗 浄 、そして排 気 設 備 は、エネルギー 消 費 抑 制 の観 点 か ら重 要 な領 域 である。既 設 の熱 プロセス装 置 ではエネルギー消 費 量 を測 定 する ことができるので、特 にウェーハ処 理 を行 なっていないアイドリング状 態 において測 定 結 果 を利 用 して エネルギー 消 費 を抑 制 するよ うにプロセ スを最 適 化 すること が可 能 で あろう。測 定 された エネルギー 消 費 データは、装 置 と 設 備 の設 計 改 善 に役 立 つだろう。エネルギー効 率 をさらに向 上 させるには新 規 な加 熱 方 法 が必 要 となるかも しれ ない。ウェーハ洗 浄 では加 熱 された化 学 薬 品 や 超 純 水 を使 用 する。新 しいエネルギー効 率 のよい加 熱 技 術 も将 来 の生 産 装 置 では必 要 となるだろう。プロセス機 器 の排 気 も クリー ンルー ムでの エネルギー消 費 の大 きな部 分 を占 めてい る。現 状 の排 気 シス テムの 改 良 そして 将 来 の設 備 と 装 置 の排 気 ・換 気 システム 設 計 の改 善 によ りエネルギー 消 費 を抑 え ること が 可 能 となるだ ろう。作 業 者 保 護 基 準 には可 能 性 のある物 理 的 危 険 性 (例 えば 、熱 災 害 、非 電 離 放 射 線 災 害 (物 質 を電 離 しない程 度 の比 較 的 低 エネルギーの電 磁 波 や粒 子 線 による災 害 )、レーザ災 害 、ロボット災 害 )と化 学 的 災 害 について規 定 が必 要 である。特 に装 置 メンテナンスに際 しては規 定 がいる。工 場 計 画 では、ウェーハ作 業 (特 に 300/450mm ウェーハについて)、装 置 、工 場 レイアウト についてエルゴノミック(人 間 工 学 的 )な設 計 基 準 が満 足 されているか確 認 する必 要 がある。ESH の COO とリスクアセスメントのツールを利 用 して、プロセス改 善 の評 価 を行 ない、また新 材 料 が引 き起 こ す可 能 性 のある危 険 性 を確 認 することが必 要 である。 表 面 処 理 に関 して、ESH としては特 に新 しい洗 浄 技 術 、化 学 薬 品 の使 用 効 率 、水 とエネルギーの 消 費 に注 意 する必 要 がある。2005 年 以 降 に使 用 される可 能 性 がある新 しいゲート絶 縁 膜 /電 極 に 対 応 して、新 しい洗 浄 方 法 が用 いられるだろう。表 面 /界 面 科 学 の理 解 を深 めて化 学 薬 品 と水 の消 費 を抑 えなければならない。FEOL プロセスは工 場 の超 純 水 の 45-75%(CMP 工 程 の数 による)を消 費 している。この超 純 水 のほとんどすべてがリンス用 である。したがって、水 資 源 保 護 のためには、より 効 率 的 で低 水 量 のリンス工 程 を開 発 すべきである。しかし、リンス水 の削 減 とリンス 排 水 の再 利 用 は 関 連 しており、総 合 的 に最 適 化 する必 要 がある。超 純 水 製 造 効 率 の向 上 、装 置 で消 費 される水 の 削 減 そして効 率 的 なリンス方 法 を採 用 した持 続 的 な最 適 化 した水 利 用 法 が開 発 されつつある。しか し、まったく別 な洗 浄 法 や 超 純 水 製 造 法 でエネルギー消 費 を格 段 にさげることも考 えるべきである。 低 レベルの有 機 物 を検 知 するセンサーの開 発 も超 純 水 リサイクルによるプロセス汚 染 の危 険 性 を低 減 化 するために必 要 である。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 SOI ウェーハの採 用 は工 程 数 削 減 、薬 品 ・水 ・エネルギーの削 減 により ESH 的 利 点 があるかもし れない。大 口 径 ウェーハへの移 行 (200→300mm、300→450mm)は、薬 品 ・水 ・エネルギーの消 費 を増 大 させないような産 業 界 の努 力 がなされているが、やはりこれらの消 費 増 大 をもたらすだろう。 新 しい 高 誘 電 率 材 料 については材 料 自 体 とそれを堆 積 する工 程 の両 者 に対 してプロセス 危 険 性 を評 価 する必 要 がある。新 しいシリサイド(Co, Ni, 他 )は危 険 である可 能 性 があり、工 学 的 な管 理 や 適 当 な安 全 保 護 具 が必 要 である。化 学 物 質 の使 用 効 率 は、供 給 系 や装 置 設 計 の変 更 (ミニバッチ 炉 や枚 葉 装 置 )で改 善 することが できる。拡 散 、イオン注 入 およ び付 帯 設 備 のエネルギー 消 費 も 評 価 し節 減 する必 要 がある。新 しいドーピング技 術 の物 理 的 ・化 学 的 危 険 性 も評 価 して安 全 に実 施 す る必 要 がある。プロセス危 険 物 分 析 手 段 を利 用 して水 素 化 物 、アルキル金 属 、レーザ源 の管 理 を行 なうとよいだろう。 プラズマ エッチ におい てパー フロロ カーボ ン(PFC )を使 いつづ けるならプロ セス 最 適 化 と ガス 使 用 効 率 向 上 (例 えばプロセ ス 中 のエッチング種 への 転 換 効 率 の向 上 ) を短 期 的 に 行 なう必 要 がある 。 長 期 的 には PFC に替 わるエッチングガス(副 生 物 としても PFC を発 生 させないもの)を開 発 する必 要 がある。新 しいゲート絶 縁 膜 材 料 には新 しいエッチングガスが必 要 であり、それ自 身 や副 生 成 物 につ いての ESH への影 響 も考 慮 しなくてはならない。 分野 ESH 要 望 事 項 新 しい高 誘 電 率 ・ 新 材 料 と堆 積 プロセスの ESH 評 ゲート絶 縁 膜 材 料 と ゲート電 極 材 料 価 ・ Pb 等 の毒 性 ・生 体 蓄 積 性 のある 金 属 の除 外 ・ 化 学 物 質 使 用 効 率 の向 上 解決策候補 ・ ESH 的 観 点 で優 れたプロセスの採 用 ・ プロセス危 険 性 の明 確 化 と低 減 化 ・ 開 発 初 期 における新 材 料 の迅 速 ESH 評 価 ・ CVD 等 の堆 積 法 の原 料 についての ESH 問 題 の明 確 化 ・ 水 素 化 物 ,ハロゲン化 物 の使 用 ドーピング 量削減 ・ 化 学 物 質 使 用 効 率 の向 上 ・ SDS (Sub-atmospheric/Safety Delivery System,ボンベ内 の多 孔 質 材 料 に吸 着 させたガスを大 気 圧 以 下 で安 全 に供 給 するシステム)の利 用 拡 大 ・ in-situ 水 素 化 物 生 成 によるガス量 節 減 ・ 装 置 内 隔 離 による装 置 メンテナンス時 の 暴露防止 表面処理法 ・ 表 面 /界 面 プロセス科 学 の基 本 的 な理 解 ・ 最 適 化 と管 理 による薬 液 使 用 量 の節 減 ・ 水 利 用 効 率 の向 上 ・ エネルギー消 費 の節 減 ・ ク ラ イ オジ ェ ニ ッ ク 洗 浄 , 超 臨 界 液 体 洗 浄 , オゾ ン洗 浄 , 希 釈 薬 液 洗 浄 等 の 洗 浄 法 最 適 化 による化 学 薬 品 使 用 量 節 減 ・ リン ス 効 率 の 向 上 と リ ン ス 手 順 最 適 化 に よ る水 使 用 量 節 減 ・ 有 機 物 低 レ ベ ル 検 知 高 速 セン サ ー に よ る 超 純 水 再 利 用 のプロセス危 険 性 の低 減 化 ・ プロ セス 部 の 封 入 ,エ ル ゴノミ ッ ク な 設 計 , ロ ボット安 全 性 による作 業 者 の安 全 確 保 表 37 フロントエンドプロセスにおける ESH 要 望 事 項 と解 決 策 候 補 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 分野 ESH 要 望 事 項 解決策候補 エッチング/クリーニング ・ CVD チ ャン バ ーク リー ニ ング お よ ・ チャンバーク リーニ ング と エッ チング 工 程 の びエッチング時 における地 球 温 暖 化 の影 響 が高 いガス(PFC 等 )の 放出量削減 ・ ESH 的 観 点 か ら 好 ま し い エ ッ チ ングガスの選 択 ・ エネルギー消 費 の削 減 最 適 化 による PFC 利 用 効 率 の向 上 ・ 低 COO の PFC 削 減 ・再 利 用 システムの 開発 ・ PFC のような地 球 温 暖 化 効 果 の大 きい副 生 成 物 を出 さず ESH 的 観 点 から好 ましい エ ッ チ ン グ ガ ス と チ ャ ン バ ー ク リー ニ ン グ 法 の開 発 ・ 予 測 性 の高 いプラズマ放 射 モデルの開 発 ・ 新 しいエッチングガスの ESH 問 題 の明 確 化 ・ PFC のような地 球 温 暖 化 効 果 の大 きい副 生 成 物 を出 さず ESH 的 観 点 から好 ましい HDP ( 高 密 度 プ ラ ズ マ ) エ ッ チ ン グ 法 の 開 発 ・ HDP エッチャーのエネルギー消 費 の削 減 ・ 装 置 における エネルギー消 費 の測 定 と 最 適化 ・ すべての減 圧 工 程 における真 空 ポンプの エネルギー消 費 削 減 スターティングマテリアル ・ SOI ウ ェ ー ハ の 採 用 に よ る 工 程 ・ 化 学 物 質 使 用 量 削 減 の定 量 化 数 削 減 効 果 の解 析 熱 プロセス ・ ウェーハ熱 処 理 連 続 化 の必 要 性 ・ 既 存 の熱 プロセスの最 適 化 ・ 高 精 度 で均 一 なウェーハ加 熱 の ・ エネルギー効 率 の良 い新 加 熱 技 術 必要性 加 熱 ウェーハ洗 浄 ・ 加 熱 薬 液 洗 浄 と熱 超 純 水 リンス ・エネルギー効 率 の良 い新 加 熱 技 術 の必 要 性 換 気 /排 気 の必 要 性 ・ 作 業 者 安 全 と プ ロ セス 中 ウェー ハ 保 護 のための換 気 /排 気 ・ 換 気 /排 気 の測 定 と最 適 化 ・ 設 計 の改 善 による換 気 /排 気 必 要 性 の低 減化 ウェーハ洗 浄 /リンス ・ 水 使 用 量 の少 ないリンスプロセス ・ 新 しいリンス装 置 とリンス技 術 ・ リンス手 順 と時 間 の最 適 化 表 37 フロントエンドプロセスにおける ESH 要 望 事 項 と解 決 策 候 補 (続 き) 8-4 まとめ この国 際 ロードマップは、新 しい材 料 とデバイス構 造 を積 極 的 に取 り入 れなくては従 来 の CMOS ス ケーリングが終 焉 を迎 えることを明 確 にした。 2005 年 までに積 層 ゲート形 成 に用 いられる高 誘 電 率 ゲート絶 縁 膜 /電 極 用 に従 来 のシリコンプロセスに適 合 する材 料 を選 定 し導 入 することが、FEOL プ ロセス、特 に熱 処 理 /薄 膜 プロセスにおける緊 急 の課 題 である。これらの新 材 料 によってもこのロード マップで述 べられた時 間 軸 内 のスケーリングが保 証 されるものではないが、結 局 のところ新 しいデバイ 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 ス構 造 の採 用 と合 わせて2つのテクノロジーノードの実 現 が可 能 となるだろう。さらに、このような新 しい シリコンプロセスに適 合 する材 料 を導 入 することにより、新 材 料 を使 いこなすことが容 易 となり、将 来 の スケーリングに必 要 な新 しい概 念 のデバイスで用 いられる新 材 料 も導 入 可 能 となるだろう。 新 しい高 誘 電 率 膜 とそれに対 応 する電 極 は DRAM のストレージキャパシタでも必 要 である。これら なしでは DRAM のストレージノード面 積 をスケーリングしていくことができない。長 期 的 にメモリのスケ ーリングを続 けていくには、現 在 用 いられている従 来 型 の積 層 キャパシタやトレンチキ ャパシタを置 き 換 える新 しいストレージキャパシタが必 要 となるだろう。 ドーピングにおいて、2005 年 までの短 期 ロードマップで、極 めて浅 く急 峻 な不 純 物 接 合 の形 成 が 必 要 とされている。また、コンタクト接 合 部 やデュアルドープのポリシリコンゲート電 極 において熱 平 衡 不 純 物 濃 度 より非 常 に高 い濃 度 の不 純 物 活 性 化 を達 成 することも必 要 である。これらの目 標 が達 成 されれば、SiON 膜 をゲート絶 縁 膜 として採 用 することにより短 期 的 なデバイススケーリングの継 続 が 可 能 となる。長 期 的 ロードマップでは、デュアルメタルゲート電 極 を含 む高 誘 電 率 積 層 ゲートの CMOS-LSI に対 応 する低 サーマルバジェットプロセスで、高 濃 度 不 純 物 活 性 化 を達 成 したエレベー トコンタクト構 造 の実 現 が重 要 なチャレンジ項 目 である。 エッチングにおいて、将 来 のチャレンジ項 目 は CD(クリティ カルディメン ション)の縮 小 化 と新 材 料 (メタルゲートと高 誘 電 率 材 料 )によって大 きく影 響 される。FEOL エッチング技 術 の最 も重 要 なチャ レンジ項 目 は、ウェーハが大 口 径 化 しても CD の変 動 や均 一 性 悪 化 を引 き起 こさないようにすることと、 新 材 料 においても必 要 な選 択 性 と加 工 形 状 を得 ることである。加 えて、ラインエッジラフネスの抑 制 も 総 合 的 なトランジスタ性 能 を実 現 する上 で重 要 になっていくだろう。 表 面 処 理 において、短 期 的 なチャレンジは洗 浄 後 のパーティクル汚 染 ,元 素 汚 染 ,構 造 欠 陥 を低 コ ストで低 減 化 していくことである。長 期 的 には、将 来 必 要 とされる新 しい高 誘 電 率 ゲートやエレベート コンタクトを含 むデバイスの CMOS 工 程 で採 用 される新 プロセスアーキテクチャに適 合 するようなウェ ットとドライを統 合 化 した洗 浄 法 の開 発 がチャレンジに含 まれる。 スターティングマテリアル(starting materials)におけるチャレンジ項 目 は、将 来 の大 口 径 ウェーハ で低 コスト化 を実 現 することである。加 えて、これまで Moore 則 にそって向 上 してきた性 能 と生 産 性 を 引 き続 き改 善 するために必 要 となるかもしれない SOI ウェーハのような新 しいスターティングマテリアル もチャレンジ項 目 である。 以 上 のような材 料 やプロセスへの要 求 事 項 が本 節 で明 確 に述 べられている。必 要 とされるプロセス 開 発 や製 造 工 程 からの要 望 事 項 を実 現 するには、大 学 /国 立 研 究 所 /半 導 体 デバイス産 業 /半 導 体 製 造 装 置 産 業 の努 力 を融 合 させることが必 要 である。これは特 に SoC において重 要 なチャレンジ項 目 である。SoC においてはロジック/エンベティッドメモリ(DRAM, FeRAM, フラッ シュ等 )/アナロ グ /RF/その他 のデバイス技 術 を統 合 化 しなければならず 、非 常 に複 雑 なチャレンジとなる。新 しく開 発 される材 料 やプロセスは SoC に適 合 するものでなくてはならない。 2008 年 以 降 の長 期 ロードマップにおいて本 節 で述 べられた予 測 によると、MOS トランジスタのスケ ーリングはまだ可 能 であろうが、それによって製 造 されるデバイスは期 待 される低 電 圧 高 速 IC チップ の要 求 項 目 を満 足 するものではなくなるだろう。スケーリング則 は基 本 的 物 理 的 限 界 により終 焉 を迎 えるだろう。基 本 的 物 理 的 限 界 までチップレベルのスケーリングを継 続 するためには革 新 的 な概 念 の 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版 デバイスを開 発 する必 要 があるだろう。近 い将 来 に開 発 される材 料 の知 識 基 盤 により、新 しい概 念 の デバイスが発 明 される領 域 が大 きく広 がることも予 測 されている。 結 論 として、新 しい材 料 やプロセスは未 来 への完 全 な解 決 策 ではないが、いずれにせよ必 要 とされ るものであろう。産 業 界 は 20 世 紀 に発 展 した知 識 基 盤 から最 適 解 を絞 り出 してきた。しかし、20 世 紀 の知 識 基 盤 には限 りがあり、新 しい知 識 基 盤 が必 要 とされる 時 期 が来 ている。新 しい解 決 策 を開 発 し、使 いこなさねばならない時 期 が来 ている。FEOL プロセスの領 域 において、来 るべきチャレンジ に適 合 する積 極 的 な時 間 軸 で新 しい方 策 が必 要 とされるだろう。本 節 で述 べ られたチャレンジ項 目 は実 際 チャレンジングなものである。現 在 用 いられている材 料 やデバイスには基 本 的 限 界 が近 づいて いるが、新 しい材 料 やデバイスはそれから逃 れられるかもしれない。 このチャレンジに対 応 するよう、従 来 からの開 発 方 法 や新 しい知 識 基 盤 の開 発 に加 えてリスクの高 いアプローチも必 要 とされる 。このためには産 業 界 /大 学 /研 究 機 関 の国 際 的 協 力 が必 要 とされるだ ろう。 国際半導体技術ロードマップ 1999 年版