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栄養組成と可変性 - Biofuels Co-Products in Animal Feeds

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栄養組成と可変性 - Biofuels Co-Products in Animal Feeds
家 禽 類 の 飼 料 に お け る DDGS—そ の 意 義
Sally Noll 博 士
1364、 エ ク ル ス ・ ア ベ ニ ュ ー
ミネソタ大学
セ ン ト ポ ー ル 、 ミ ネ ソ タ MN 55108
電 話 ( 大 学 ) : 612 -624-4928
FAX:612- 625-5789
[email protected]
ジ ス チ ラ ー ズ ・ グ レ イ ン ・ ソ リ ュ ブ ル ( 以 下 DDGs) は 特 に 目 新 し い 飼 料 成 分 で は な
い。しかしながら、ジスチラーズ・ドライ・グレイン・ソリュブルの供給量はエタノ
ール生産の増加の結果として米国全体を通じて増え続けることが期待されており、こ
のことでこのトウモロコシ副産物の飼料としての有効利用が再び注目を浴びるように
な っ て き た 。 DDGs は 飼 料 原 料 と し て は 適 度 の タ ン パ ク 質 含 有 量 が あ る 。 米 国 中 西 部
では、他の穀物も加工可能ではあるが、トウモロコシが主要原料である。エタノール
のドライミル生産では、液状のソリュブルと穀物残渣の 2 種が生産される。これらは
それぞれ別々に乾燥できるが、混合して乾燥させることにより、乾燥飼料原料として
の DDGs が 生 成 さ れ る 。 液 体 ソ リ ュ ブ ル の 中 に は 実 験 的 に 飼 料 と し て 与 え ら れ て 、 ま
ず ま ず の 結 果 が 得 ら れ た も の も あ る ( Hunt 他 、 199 7 ) 。 し か し 通 常 は 乾 燥 し て か ら
供せられる。より新しい生産方法(“新世代プラント”)が高品質の飼料原料を生産
すると考えられている。
この製品の用途、あるいはその代替物の使用についての考察は他の飼料原料について
のものとかなり似通っている。即ち、その栄養組成、可変性、アミノ酸消化率、アミ
ノ酸バランス、エネルギー、ミネラル有効性、最大含有レベル、そして他の原料に置
き換えた相対コストに関する情報が必要であろう。しかし残念なことに、現在の家禽
系統についてのこの原料に関する最近の研究は限られたものしかない。
栄養組成と可変性
“新世代”加工プラントからの物質組成を評価するために、ミネソタ州にある 4 つの
エ タ ノ ー ル 加 工 業 者 か ら 20 02 年 春 期 に 、DDGs サ ン プ ル を 採 取 し た( Noll 他 、2003)。
各 エ タ ノ ー ル 加 工 プ ラ ン ト か ら 4 種 の 代 表 的 サ ン プ ル を 入 手 し た 。各 サ ン プ ル を 化 学
分析し、一般組成(タンパク質、繊維、脂肪、灰分、水分)、アミノ酸、ミネラルの
量 を 求 め た 。 更 に こ れ ら サ ン プ ル を イ リ ノ イ 大 学 の Pa rson 博 士 研 究 室 に て 、 盲 腸 切
除を施した雄鶏を用いてアミノ酸の消化率の生体内測定を行なった。サンプルは又
Sibba ld が 開 発 し た 「 真 の 代 謝 可 能 エ ネ ル ギ ー 」 ( TME) 分 析 法 を 用 い て 七 面 鳥 で の
エネルギー測定を行った。
予 備 段 階 の 結 果 で は 、 DDGs の 栄 養 含 量 は DDGs の 生 産 場 所 間 で 変 動 す る が 、 加 工 プ
ラント内では比較的一定を示した。出所によって一般組成、特にタンパク質と脂肪含
量は変動することがわかった。ミネラル含量も出所で変化する。マグネシウム、ナト
リウム、カリウム、リンがこの飼料原料の無機成分の大半を占める。
諸 DDGs 間 の 栄 養 の プ ロ フ ァ イ ル と 分 析 値 の 範 囲 、 NRC と の 比 較
含有栄養成分
NRC, 1994
%
タンパク質
25.5 – 30.7
27.4
脂肪
8.9 – 11.4
9
繊維
5.4 – 6.5
9.1
カルシウム
0.017 - 0.45
0.17
リン
0.62 - 0.7 8
0.72
ナトリウム
0.05 - 0.1 7
0.48
塩素
0.13 - 0.1 9
0.17
カリウム
0.79 – 1.0 5
0.65
ア ミ ノ 酸 類 ( 選 択 EAA)
全アミノ酸中%
メチオニン
0.44 - 0.5 6
0.6
シスチン
0.45 - 0.6 0
0.4
リジン
0.64 - 0.8 3
0.75
アルギニン
1.02 – 1.2 3
0.98
トリプトファン
0.19 - 0.2 3
0.19
スレオニン
0.94 – 1.0 5
0.92
Cro mwe ll ら (1993)の 報 告 で は 、D DGs の 9 種 の サ ン プ ル を 分 析 し て 、雛 の 飼 料 で 試 験
し た 。リ ジ ン 含 量 値 の 幅 が 大 き い こ と に 気 づ い た (0.4 3 ~0.89 %)。同 位 の 窒 素 と エ ネ ル
ギ ー 飼 料 に 上 記 と 同 じ サ ン プ ル ( 20 % ) を 、 ト ウ モ ロ コ シ ・ 大 豆 ・ 澱 粉 よ り な る 対 照
品 に 63 か ら 84% 含 ま せ た も の に 対 し て 雛 は 反 応 し た 。 リ ジ ン 含 量 の 高 い サ ン プ ル で
は更に成績が良化したがこの型にはまらぬものもあった。
ジ ス チ ラ ー ズ グ レ イ ン は 乾 燥 製 品 に す る た め に 加 熱 処 理 を 施 す が 、ア ミ ノ 酸 の 消 化 率 、
特にリジンを糖類の存在下で加熱する場合に懸念がある。実際、以前の文献の引用は
限 ら れ た も の で は あ る が 、リ ジ ン が あ ま り 利 用 で き な い こ と を 示 し て い る 。Co mb s と
Bossard ( 1969 )に よ る と 、雛 の 成 長 解 析 法 で は リ ジ ン の 利 用 率 は 71 か ら 93 % の 範
囲 で あ っ た 。Pa rso ns ら( 19 83)に よ る と 、同 じ 分 析 法 で 66 % と い う 少 し 低 い 利 用 率
が 得 ら れ た 。 雄 鶏 で の リ ジ ン 消 化 率 は 82 % で あ っ た 。 他 の 文 献 等 の も の に つ い て も
DDGs の 低 い 消 化 率 が 認 め ら れ る 。
この調査の結果では、幾つかの必須アミノ酸の消化率が特にリジン、スレオニン、シ
スチンの影響を受けている。可消化リジンは、4 つの出所中 3 つについて、以前発表
された値よりも一般に大きく改良された。データが示すように、出所間で製品に差は
あるが、各出所毎では比較的一定であった。
DDGs 内 可 消 化 ア ミ ノ 酸 含 量 お よ び 範 囲
ア ミ ノ 酸 ( 選 択 EAA)
可消化アミノ酸%
消化率係数(%)
メチオニン
0.35 - 0.5 3
85.6 - 90
シスチン
0.28 - 0.5 7
66.3 - 85
リジン
0.37 - 0.7 4
59.1 - 83
アルギニン
0.73 - 1.1 8
80.5 - 90
トリプトファン
0.14 - 0.2 1
76.4 – 87.4
スレオニン
0.61 - 0.9 2
66.8 – 80.7
消化率は生体内法で測定すると経費が極めて高いうえに時間もかかる。リジンレベル
法 や 、 発 色 法 あ る い は Novus の “ IDEA” シ ス テ ム の よ う な 生 体 外 法 を 用 い る と よ り
迅 速 な 品 質 測 定 が 可 能 で あ る 。 消 化 率 の 高 い DD Gs サ ン プ ル は 、 ア ミ ノ 酸 消 化 率 の 低
い サ ン プ ル よ り 比 較 的 リ ジ ン 含 量 が 高 い 傾 向 が あ っ た 。 Ergul ら ( 2003 ) は 、 明 度 や
黄 色 味 に 関 す る サ ン プ ル の 色 味 が リ ジ ン 消 化 率 と 相 関 す る( 各 r
2
=0.71 お よ び 0.74 )
こ と を 発 見 し た 。 固 定 化 消 化 酵 素 検 定 法 ( IDEA) シ ス テ ム を 用 い る と 、 リ ジ ン 消 化 率
と IDEA 値 の 間 で 高 い 相 関 関 係( r
2
=0.88)が 見 ら れ た( C. Schasteen, 私 信 、2004)。
リジンの真の消化率(%)
DDGS の IDE A 値 と 生 体 内 真 の リ ジ ン 消 化 率 の 相 関 ( P a r s o n s )
I DE A 値
い く つ か の 出 所 か ら の DDGs は 高 い リ ジ ン 消 化 率 を 示 し 、そ の 付 加 価 値 を 確 実 に 上 げ
て い る 。リ ジ ン 消 化 率 の 高 低 の 幅 を 有 す る( 6 0% 対 78 % )DDGs を 含 有 す る 七 面 鳥 飼
料 を 経 済 的 に 分 析 し た 結 果 、 高 消 化 率 DDGs の 方 が 機 会 原 価 ( オ ポ チ ュ ニ テ ィ ・ コ ス
ト )が 5 0 セ ン ト 高 か っ た 。ト ウ モ ロ コ シ と SBM 価 格 に つ い て 別 々 の シ ナ リ オ が 用 い
られた。
可 消 化 リ ジ ン 含 量 の DDGs に 及 ぼ す 影 響 ($/cwt)
原 料 と 価 格 ( $ /cwt)
DDGs—低 可 消 化 リ ジ ン
DDGs—高 可 消 化 リ ジ ン
ト ウ モ ロ コ シ 、 3.1 0
4.28
4.78
ト ウ モ ロ コ シ 、 3.5 0
4.54
5.00
ト ウ モ ロ コ シ 、 5.3 0
5.70
6.02
SBM、 8.2 5
4.54
5.00
SBM、 8.7 0
4.72
5.21
最近の給餌試験
七面鳥:
ミ ネ ソ タ 大 学 で 3 つ の 試 験 が 実 施 さ れ 、 市 場 で 雄 飼 育 仕 上 げ 飼 料 に DD Gs
を導入した。下表にその結果をまとめて示す:
市 場 試 験 —雄 飼 育 / 仕 上 げ 飼 料
(ミネソタ大学)
試験*
Trt
DDGs、 %
BW, lb
F/G
1
対照
0
41.7
2.44
DDGs
12 - 8
41.9
2.48
対照
0
42.3
2.64
DDGs
11 - 8
42.3
2.65
対照
0
40.6
2.67
DDGs
10
40.4
2.63
2
3
*
Noll、 ミ ネ ソ タ 大 学 に よ る : 試 験 し た 週 齢 : 1 =5-1 9 週 、 2 =8-1 9 週 、 3 =11- 19 週
3 つ 全 て の 研 究 事 項 に お い て 、 ト ウ モ ロ コ シ -大 豆 -肉 を 基 本 と す る 飼 料 を 対 照 圧 と し
て可消化アミノ酸を用いて進められ、体重と飼料変換に関して互いに類似の成績が得
ら れ た 。 反 対 に 、 Roberson( 2003) が 見 出 し た よ う に 、 DDGs の 高 い レ ベ ル の も の の
中 に は 、含 有 レ ベ ル が 27 % へ 上 が る と 市 場 の 雌 七 面 鳥 に つ い て 成 長 が 抑 制 さ れ る 場 合
が あ っ た 。し か し 、含 有 レ ベ ル が 10 % 未 満 の 場 合 は 、対 照 実 験 に 匹 敵 す る 成 績 が 得 ら
れた。
ブ ロ イ ラ ー : Wa ldroup ら ( 1 981) は 、 ブ ロ イ ラ ー の 飼 料 の 25 % ま で D DGs を 含 有 さ
せて、脂肪を補助的に加えてエネルギー含量を調整した影響の検討を進めた。リジン
とエネルギーレベルを調整した場合、成績に変化は見られなかった。エネルギー量を
調整しなかった場合は、成育には差は無かったが、飼料要求率は減少した。増体重単
位 の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 は 全 て の 処 置 に つ い て 同 様 で あ っ た 。 Dale と Bata l( 2003 ) に
よ る さ ら に 最 近 の 研 究 に よ る と 、 ブ ロ イ ラ ー の 幼 雛 飼 料 に 6% 含 有 し た も の と 成 長 済
み 向 け の 飼 料 に 最 大 12 % 添 加 し た も の は 、生 体 成 績 に 影 響 す る こ と な く 用 い る こ と が
可能であることを示している。
産卵期の雌鳥
Dale と Batal( 2003 ) は 、 産 卵 期 の 雌 鳥 の 飼 料 に 15% の DDGs を
含 有 さ せ て そ の 影 響 を 調 べ た 。 3 4 週 齢 の 雌 鳥 で 、 DDGs15% 含 有 下 で 育 成 さ れ た も の
は、産卵数の減少が認められたが、この原因は夏期に産卵期に入った若雌鳥は体重が
少 な い た め と 想 定 さ れ た 。そ の 後 の 対 照 実 験 と DDGs 処 理 実 験 と の 間 で 産 卵 数 の 差 異
は認められなかったからである。
要 約 す る と 、 DDGs は 家 禽 用 飼 料 に 適 量 含 有 し た 場 合 、 条 件 を 満 た し た タ ン パ ク 質 源
となることが判った。飼料は、アミノ酸消化率、適切な代謝可能カロリー値、および
利 用 可 能 の リ ン の 寄 与 を 考 慮 に 入 れ て 、 処 方 す べ き で あ る 。 DDGs に つ い て の よ り 詳
し い 情 報 は 、 下 記 の ミ ネ ソ タ 大 学 ホ ー ム ペ ー ジ か ら 入 手 で き る :
http://www.ddg s.u mn.edu/。
謝辞
MTGA の 栄 養 小 委 員 会 メ ン バ ー か ら 得 ら れ た 示 唆 と 専 門 知 識 、さ ら に ロ ー ズ マ ウ ン ト
農 業 実 験 所( Rose mount Agricu ltura l Experiment Station ) の ス タ ッ フ の 援 助 と 家 禽 の
世話に感謝の意を捧げる。本プロジェクトは、ミネソタ七面鳥研究・奨励委員会
( Minne sota Turke y Rese arch and Promotion Council ) 、 ハ ー ト ラ ン ド リ ジ ン
( Heartla nd Lysine ) 、 MN エ タ ノ ー ル ・ ジ ス チ ラ ー ズ ( MN Eth anol Distillers) 、 お
よ び ミ ネ ソ タ と う も ろ こ し 生 産 者 協 会 ( Minne sota Corn Gro wers Asso ciatio n) か ら
の 出 資 に 支 え ら れ た 。 又 、 セ ン ト ラ ル ・ バ イ ・ プ ロ ダ ク ト ( Central Bi-Products) 、
FMC 、 フ ァ イ ザ ー ( Pfizer) 、 エ ラ ン コ ( Elan co) か ら も 供 給 品 の 寄 贈 を 受 け た 。
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