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アニュアルレポート 2003 2003年3月期
アニュアルレポート 2003 2003年3月期 プロフィール akebonoは、1929年にドラムブレーキのウーブンライニング、 およびクラッチフェー シングの製造を開始して以来、一貫してブレーキ摩擦材とその関連製品の開発を推 進し、現在、国内のほとんどの自動車メーカーを顧客に、OEM製品を供給。国内にお ける圧倒的なシェアを有するほか、自動車だけでなく、二輪、鉄道、 フォークリフトや農 耕用機器用の製品にまでフィールドを広げています。さらに、近年は、 ブレーキ・エキ スパートとして培った「摩擦と振動、その制御と解析」をコア技術に、 日本、北米、欧州 における摩擦材のグローバルサプライヤーとしての体制づくりに注力。世界的な自動 車メーカーの要求にスピーディかつ高品質な製品供給で応えるとともに、 より良い地 球環境を残すための環境保全技術の開発などを通じ、 “ 世界のakebono”としてのプ レゼンスを発揮しています。 会社方針 ●お客様第一 ●技術の再構築 ●三極体制の確立 企業理念 私達は「摩擦と振動、その制御と解析」により、 ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。 akebono 21世紀宣言 私達は21世紀へ向かう曙グループの指向する姿、方向性を明確にするための ガイドとして「akebono 21世紀宣言」を策定しております。 contents akebonoは曙の理念の基に21世紀を通して価値の創造を続けます。 ■連結財務ハイライト 02 ■株主・投資家の皆様へ 03 ■トップインタビュー 05 ■地域別の営業概況 09 1. 私達の提供する『価値』を正しく認識します。 ■環境保全活動 13 2. 新しい『価値』を創造し、不可欠な存在となります。 私達は; ■財務セクション 5年間の主要財務データ 14 3. 拙速を恐れずスピードとこだわりをもってやり遂げます。 業績・財務の状況 15 4. ひとりひとりが誇りを持って『夢』を実現します。 連結貸借対照表 19 連結損益計算書 21 連結キャッシュ・フロー計算書 22 連結株主持分計算書 23 連結財務諸表注記 24 独立監査人の監査報告書 29 ■役員 30 ■投資家向け情報 31 見通しに関する注意事項 このアニュアルレポートに記載されている、現在の計画や見 通し、戦略、業績などのうち、歴史的事実でないものは、現在 入手可能な情報から当社が判断した仮定および所信に基づ く見込みです。これらの記述は、当社の事業領域を取り巻く経 済情勢、市場競争の動向、為替レート、税制や諸制度などに かかわるリスクや不確定な要素を含んでいます。また、 リスクや 不確定な要素はこれらに限定されるものではありません。従って、 実際の業績は、 さまざまな要因によって、当社の見込みとは大 きく異なる可能性があることをご承知おきください。 以上宣言する。 連結財務ハイライト 曙ブレーキ株式会社工業および連結子会社 2003年および2002年3月31日終了会計年度 百万円 千米ドル 2003 2002 2003 ¥126,595 8,453 (6,318) 8,035 ¥126,655 5,560 99 12,276 $1,054,958 70,442 (52,650) 66,958 141,230 21,111 71,977 1,193,550 120,850 532,125 会計年度 売上高 営業利益 当期純利益(損失) 営業キャッシュ・フロー 会計年度末 143,226 14,502 63,855 総資産 株主資本 有利子負債 円 米ドル 一株当たりデータ ¥(67.25) 1.00 純利益(損失) 配当金 $(0.56) 0.01 ¥1.05 1.00 注)米ドルの金額は単なる参考として、2003年3月31日現在の円相場に近い1米ドル=120円で換算しています。 売上高/売上高営業利益率 1999 120,679 1.0 2000 3.6 2001 4.6 売上高営業利益率(%) 当期純利益(損失)/一株当たり当期純利益(損失) 1999 2000 2001 2002 総資産(百万円) 株主資本(百万円) 2003 (924) (9.84) (1,367) (14.54) 1.05 (67.25) 99 (6,318) 総資産/株主資本 1999 (5,713) (60.98) 2002 2003 126,595 6.7 2001 当期純利益(百万円) 126,655 2003 2000 一株当たり当期純利益(円) 126,450 4.4 2002 売上高(百万円) 121,080 137,542 16,999 133,728 15,495 129,536 14,490 141,230 21,111 143,226 14,502 アニュアルレポート 2003 株主・投資家の皆様へ 3カ年経営計画「Forward 30」の初年度として、 順調なスタートを切りました。 アニュアルレポート 2003 事業の合理化効果などにより、 過去最高の営業利益を達成いたしました。 “負の遺産”の処理を断行し、 将来に向けた財務体質の改善に努めます。 現在、akebonoはOEMディスクブレーキパッドの世界におけるシェ 過去最高の営業利益を達成する一方で、当期は63億18百万円 ア30%の獲得をめざす長期的な目標「Global 30」を掲げ、その の連結純損失となりました。これは、不動産事業に関する大きな 達成に向け、2002年4月から3カ年の中期経営計画「Forward 30」 含み損の処理に伴う特別損失を計上したことによるものです。 を推進しております。 この不動産事業は、1969年の子会社設立以来、従業員に対す その初年度にあたる当期(2003年3月期)のわが国経済は、企 る福利厚生の便宜を図ってきましたが、その後、いわゆるバブル 業収益に一部改善がみられるものの、デフレの浸透、株価の下落、 経済によって膨らんだ不良資産への対処が遅れ、大きな含み損 雇用不安や所得減少などの影響から個人消費は低調に推移し、 を抱えるに至りました。当初の計画では、先に述べた中期経営 全般的には厳しい状況にありました。 計画「Forward 30」の達成後に、この問題への対処を行う予 自動車業界においては、比較的好調に推移した北米、アジア向 定でした。しかしながら、長期的な視点に立ち、グローバルな事 け完成車輸出の増加と小型車の販売増により、国内生産台数 業 展 開に向けた資 金 調 達を実 行するためには、該 当 事 業が は前期比5.3%増の1,032万台となり、2年ぶりに1,000万台の akebonoの格付けや株価に与える影響、配当原資の確保など 大台を超えましたが、地球環境対応への技術革新を背景にグルー も考慮せねばなりません。そこで、当期業績(営業利益)は一過 プを越えた企業再編が加速するなど、事業環境は大きく変化し 性のものではないという判断を背景に、2年後に予定されている ております。 減損会計の義務化を待たず、自らの力で今期(2004年3月期) 部品業界においても、自動車業界と同様に、 グローバル化、ボー に清算することを決断いたしました。こうした、いわば“負の遺産” ダレス化、低価格化が進み、大きな基盤変化のなかで生き残りを の処理を行うことによる財務体質の改善は、今後、akebonoが かけた熾烈な競争が続いております。 グローバルな事業展開を推進するにあたって大きな力になるも このような情勢下において、akebonoの当期売上高は、単体で のと確信しております。 は982億77百万円と、前期比で34億51百万円の増収となりまし 今後も、中期3カ年経営計画「Forward 30」を着実に実行して たが、連結売上高は北米連結子会社「Akebono Corporation いくことで、 グローバルレベルでの競争力を向上して参ります。 (North America)」の決算期間調整により9ヶ月間の連結取り 株主の皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。 込みとなったため、前期とほぼ同額の1,265億95百万円になりま した。 代表取締役 会長兼社長 アニュアルレポート 2003 トップインタビュー 具体的な取り組みについて 教えてください 抜本的な業務プロセス革新を伴う 「コスト革命」を推進 「Forward 30」には多くの施策が盛り込 中期経営計画「Forward 30」の 位置づけについて教えてください “世界のakebono”への基盤づくり 現在akebonoでは、世界におけるOEMディ 思考形態や行動様式では、短期的に収 まれていますが、 そのなかでも、世界で闘う 益をあげたとしても、長期的な成長・飛躍 上での生命線とも言えるのが「コスト革命」 は望めません。換言すれば、世界市場に です。 おける“akebonoブランド”のプレゼンス これは、従来の改善活動による原価低減 を確立してはじめて30%という数字が具 というレベルではなく、新しい視点による 現化するということです。 設計図面の総見直しまでを含んだ“抜本 こうした認識に立ち、2002年4月からスター 的な業務プロセス革新”を伴うプランです。 トした3カ年の中期経営計画が「Forward たとえば、設計部門では、 トラック業界をは スクブレーキパッドのシェア30%の獲得を 30」です。この計画では、 「コスト革命」 じめとしたメーカー間におけるブレーキ部 めざした「Global 30」という中長期の目 や「人材のプロ化」をはじめとするさまざ 品の共通化ニーズが高まっていることを 標を掲げています。30%という数値は、言 まな施策が盛り込まれていますが、その うまでもなくシェアを高めることで売上や利 いずれもが「Global 30」の実現に不可 益を拡大することが目的ですが、 “世界市 欠なものです。従って、2005年3月まで 場で闘う”という社員の意識改革を図っ の3年間は、akebonoが世界市場で確 ていくことも大きな目的の一つです。今後 固たる地位を築くための、 いわば助走期間、 ますますグローバルな企業間競争が激化 足場固めの期間であると位置づけてい するなか、 これまでのようにドメスティックな ます。 経営改革のロードマップ 2000 2001 当期 2002 2003 経営基盤を盤石化するための 抜本的な業務改革 「曙再創21」 2004 「Global 30」を実現するための 3カ年計画 「Forward 30」 企業戦略 「曙再創21」の成果を受け継いだ行動指針 「akebono 21世紀宣言」のもと、 OEMディスクブレーキパッドの世界シェア30%の獲得をめざす 「Global 30」という目標を策定 2005 事業戦略 これらの相乗効果によって 「企業体質強化」をめざす 財務戦略 アニュアルレポート 2003 「Global 30」 背景に、摩擦材の材質や摩擦面形状の の目標へと落とし込み、 より付加価値の 新本社をインフラに改革を加速 “標準化”、加えてディスクブレーキその 高い成果をあげた社員に、より大きな報 2001年11月末に本社である埼玉県羽生 ものの“共通化”にまで取り組み、大幅 酬で報いる制度です。こうした成果主義 市のAi-City内に完成した新社屋「ACW なコスト削減を実現しつつあります。また、 型の報酬体系は、 ともすれば目先の数字 (Akebono Crystal Wing)」は、 これら業 製造部門では工程の見直し、部品の削減、 ばかりを追求した結果、全社的な合理性 務プロセス改革、社員の意識改革を推進 物流の簡素化など各種のテーマを追求し を欠くケースもあるようですが、 そうした事 する上で大変好ましい“インフラ”となり つつ、全体的なプロセス改革を推進して 態を避けるべく、 チームで協力する仕事は つつあります。従来、別々の地域に機能 います。ちなみに、 これら一連のコスト革 チームの目標数値を、逆に個人の創造力 を置いていた営業・開発・調達や、人事・ 命は、2001年4月から始めた国内製造品 が問われる業務では、既成概念を打破す 総務などの支援機能が集合したことで、 目の“選択と集中”と、 それに基づく生産 るアイディアほど高く評価するなど、個々 迅速かつ密接なコミュニケーション環境 拠点の戦略的再配置――これまでに4生 がプロとしての意識をもちつつ、 その行動 が整いました。今後は、ITの活用により効 産拠点を分社化し、経営責任の明確化と が全体として「Forward 30」の着実な実 率性を追求したACWの良さを意識的に 従業員のコスト意識の向上を図ってきた 行につながっていくよう工夫を凝らしてい 活用し、 より創造的な業務の仕組みを構 ことなどが土台となっています。 ます。具体的な成果が現れるのはこれか 築し、 “akebonoブランド”を一層磨いて らですが、一般職にまでその対象を広げた いきたいと考えています。 「新賃金制度」と「人材のプロ化」を 両輪に ことにより社員の士気も上がってきており ます。 一方、 こうした活動を真に実のあるものとし、 世界での競争力へとつなげていくために、 業績連動型の「新賃金制度の導入」も 進めています。 これは、同じ「Forward 30」の施策の一 つである「人材のプロフェッショナル化」 と表裏の関係にあるもので、世界的なプ レゼンスの獲得という大きな目標を、 それ ぞれの部門へ、そして一人ひとりの社員 アニュアルレポート 2003 トップインタビュー 国内・海外の市場に対する事業 の方向性を聞かせてください 国・地域に応じた収益向上策を実施 まず、国内についてですが、akebonoでは、 日本の総市場は今後も大幅な伸びは見 “akebonoブランド”の価値とは 具体的にどのようなことですか? 「コア技術」と「品質」をベースに “新たな価値”を を提供していくことも新しい価値創造とい 込めないと考えており、 「高付加価値製品」 えるでしょう。 と「日用品」など、製品の位置づけを明確 一方、普遍的な価値とは、やはり「品質」 にしつつ、 それに伴う最適なコスト構造を が中心となります。メーカー、 とりわけ自動 実現し、着実な収益を確保していく計画 車の安全性に密接に関わるブレーキメーカー です。 である以上、品質は何よりも最優先される 北米・欧州を中心とする海外市場につい こだわりであるべき、 というのが私の信念 ては、 コスト革命などを通じて国内で培っ です。実際、akebonoでは欧州の現地法 た業務プロセスや各種のノウハウを海外 大きく二つあると考えています。一つは、 「摩 人が日系企業で初めて「ISO/TS16949」 擦と振動、 その制御と解析」というコア技 を取得するなど (→p11)、世界トップクラ 術をベースに、常に新しい価値を開発・提 スの品質を誇っています。また、現在は自 供し続ける企業であることです。そしてもう 動車メーカー間で温度差がありますが、新 一つは、普遍的な価値を提供し続ける企 しい価値として提案している環境対応製 業であることです。 品なども、近い将来は普遍的な価値とし 新しい価値を開発・提供し続ける企業とは、 て認められていくものと思われます。 たとえば地球環境保全に貢献するブレー いずれにしても、 こうしたチャレンジングな キ摩擦材の材料開発や振動解析技術を 姿勢を、顧客や社会に対する“約束”と 活かしたセンサー事業など新規事業があ して実行していくことがakebonoブランド げられます。また、時期は未定ですが、中 の価値であると考えています。 国など成長市場に対して製品やサービス アニュアルレポート 2003 の事業拠点に展開していくことで、 ビジネ 物の外壁に使用されるタイルの剥離を正 スの強化・拡大を図っていきます。また、 そ 確に検知する『剥離タイル検知器』など、 の際には、国内におけるコスト削減によっ て得たキャッシュを、海外市場の開拓に必 新規事業であるセンサー事業 の動向について教えてください 土木・建築分野向け製品の開発・販売な どにも取り組んでいます。 このように、 センサー事業は、akebonoの 要な事業投資資金としても投入していく 売上に占める割合はまだまだわずかですが、 計画です。 将来のビジネスの柱として 着実に成長しており、当期は16億17百万 「Forward 30」の施策の一つである「補 センサー事業は、 コア技術である「摩擦と 円と、前期比66.2%の大幅増収を記録 修品事業のグローバル化」に注力してい 振動、 その制御と解析」のなかの振動解 するなど、 その用途や市場の広さも相まっ く方針です。これについては、当期より 析技術から生まれた事業です。 て、将来のビジネスの柱となる大きな可能 「NAPA(National Auto Parts Association) 」 最近は、車両間隔制御機能をもつクルマ 性を秘めています。 との取引がスタートし(→p10)、新たな生 が登場していますが、 ここにもakebonoの 産拠点である「Amtec Brake L.L.C.」の 技術が貢献しています。また加速度センサー 本格稼働もすでに始まっています。 と角速度センサーを組み合わせたコンバ 欧州では、OPEL社向けの新たなビジネス インセンサーは、 クルマのインテリジェント 北 米 においては、O E M 事 業 に加え、 (→p11)が、 いよいよ今期中にスタートし 化を支えるシステムなどに不可欠な製品 ます。欧州でのビジネスはこれまで大きな としても注目されています。 成果はありませんでしたが、OPEL社が また、自動車業界向け以外にも、地表や akebono製品を選定した理由の一つでも 孔内の地滑りのわずかなズレを前兆とし あった“環境に優しいグリーン材”を武器 て計測する『地滑り検知システム』や、建 に、 一層の市場開拓に取り組んでいきます。 また、アジア・中近東においては、新しい 販売拠点「Akebono Corporation Asia PTE.LTD.」をシンガポールに新設し(→ p12)、補修品事業を中心にさらなる拡大 を図っていく予定です。 アニュアルレポート 2003 地域別の営業概況 akebonoは、1980年の北米進出以来、 グローバル化が進む自動車産業の要請に積極的に対応し、 現在では、北米・欧州・アジアの世界三極にそれぞれ開発から生産・販売機能を有しています。 akebonoは、 これまで培った世界各地におけるマーケティングや製品開発の経験をもとに 中期経営計画「Forward 30」で掲げる「グローバルプレイヤーへの意識改革」を推進することで、 世界市場において、 より一層のプレゼンスを確立していきます。 アニュアルレポート 2003 Akebono Corporation(North America) Ambrake Corporation Amtec Brake L.L.C. ARC Brake L.L.C. Amak Brake L.L.C. 北米市場での事業概要 1980年、販売およびマーケティング機能をもつ「Akebono America INC. 」の設立を皮切りに世界一のモータリゼーション大国に進出した akebonoは、1986年には、 ゼネラルモーターズ社との合弁によって現在 の北米市場の中核的な生産拠点である「Ambrake Corporation」を設 立。さらに、第二の生産拠点として、1994年に伊藤忠商事との合弁会 社「Amak Brake L.L.C.」を設立しました。 また、研究開発拠点として、1989年に「Akebono Brake System Engineering Center INC.」を設立し、北米地域における開発から生産、販 売までの一貫した供給体制を整えました。以来、akebonoは、 ゼネラルモー ターズ社、 フォード社や現地日系メーカーへの販売を足掛かりに着実に 市場シェアを伸ばし、1998年には、北米地域におけるグループ統括会社 として「Akebono Corporation(North America)」を設立。経営基盤 Akebono Corporation(North America) の一層の強化に取り組んでいます。 Amak Brake L.L.C. Ambrake Corporation ダイムラークライスラー社との取引スタート 「NAPA」への供給を通じて、補修品事業を拡大 akebonoは、 ゼネラルモーターズ社、 フォード社に続いて、2002年よりダイムラー 「NAPA(National Auto Parts Association)」は、全米で上位5位に入る自動 クライスラー社との取引を開始しました。対象製品は、 ジープグランドチェロキー向 車用品流通小売企業グループ、GPC社(Genuine Parts Company)の一部門と けのフロントディスクブレーキで、 ジャダー現象(ブレーキの際にペダルに不快な振 して、自動車部品を扱っており、 アメリカ、 カナダ、 メキシコにおいて大規模流通セン 動が伝わる現象)の改良を行い、 ブレーキ性能の向上を実現したことや、9ヶ月とい ターを82拠点、販売店舗「NAPA Shop」約12,000店を所有し、その売上高は う短期間で開発から供給までを実現したことなどが高く評価されています。 GPC社全体の52%、 北米自動車部品市販市場でのシェアは4.5%に達しています。 akebonoのブレーキがフラッグシップカーとして米国で高い人気を保つSUV車に akebonoは、6グレードあるディスクブレーキパッド製品のうち最高級グレードであ 採用されたことで、米国におけるさらなる売上拡大が期待されています。 る『Ceramix』を「NAPA」の巨大な流通ルートを通じて販売。今後は、北米第四 の工場である「Amtec Brake L.L.C.」を通じて、現在、月産10万個レベルの納入 体制から、 さらにグレードを広げてビジネスを拡大していく計画です。 アニュアルレポート 2003 OPEL社との取引が今期中にスタート 欧州市場での事業概要 akebonoは、 これまで北米・日本市場向けのアウディやフォルクスワーゲン向けの 1985年、akebonoはパリ郊外に「Akebono Europe S.A.」 を設立 し、欧州での活動を開始しました。1995年には、本格的な事業展開を めざして同拠点内に研究開発センター、 「Centre de Recherche ブレーキを供給しており、 ブレーキに関する品質向上が高く評価されています。こ うしたなか、akebonoは今期から初の欧州現地市場向けOEMビジネスとなる OPEL社向けの摩擦材供給を開始します。その背景には、 これまでの実績に加え、 “環境に配慮したグリーン材”への高い評価があります。今後、欧州市場においては Europeen Akebono(CREA)」を開設。欧州各国のニーズに即した 環境規制などの強化に伴って、 グリーン材の需要はますます増大するものと予想さ ブレーキ用摩擦材の開発をスタートさせました。 れます。akebonoでは、今後も環境負荷のさらなる軽減を進め、欧州ビジネスの一 1998年には、 フランス北部アラス市に摩擦材の生産拠点、 「Akebono 層の拡大をめざしていきます。 Arras S.A.」 を設立。高度な技術と品質が認められ、翌1999年から は欧州を代表するアウディ社、 フォルクスワーゲン社の日米市場向け 車両へのOEM供給を開始しました。 業界に先駆けて、 「ISO/TS16949」認証を取得 akebonoは、自動車の安全性に密接に関わるブレーキメーカーとして、ISO認証の 取得など、品質向上には全社をあげて取り組んでいます。こうしたなか、 「Akebono また、2003年度中にはOPEL社とのビジネスもスタートすることが計画 Europe S.A.」、並びに「Akebono Arras S.A.」では、 「ISO/TS16949」の認 証を、日系自動車部品企業の欧州現地法人として初めて取得しました。同認証は、 されており、欧州でのグローバルサプライヤー・akebonoへの評価はま すます高まっています。 北米の「QS-9000」を発展させ、ISOの規格として新たに策定されたもので、 akebonoの高い品質管理能力を証明するものといえます。 Akebono Arras S.A. Akebono Europe S.A. Akebono Arras S.A. Akebono Europe S.A. アニュアルレポート 2003 1 ●曙ブレーキ工業 (株)Ai-City【本社】 2 ●曙ブレーキ工業 (株) 【本店】 3 ●曙ブレーキ山形製造 (株) 4 ●曙ブレーキいわき製造 (株) 5 ●曙ブレーキ福島製造 (株) 6 ●曙ブレーキ三春製造 (株) 7 ●曙ブレーキ岩槻製造 (株) 8 ●曙ブレーキ館林製造 (株) 9(株) ● アロックス 10 ●曙エンジニアリ ング(株) 11(株) ● 曙ブレーキ中央技術研究所 12 ●山陽ハイ ドリック工業(株) 13 ●山陽ブレーキ工業 (株) 14 ●アケボノテッ ク(株) 15(株) ● 曙マネジメントサービス 16(株) ● ネオストリート 3 4 5 6 14 8 Akebono Corporation Asia PTE.LTD. 1 7 9 10 11 2 15 16 PT. Tri Dharma Wisesa 12 13 日本・アジア市場での事業概要 世界有数の自動車先進国・日本において、akebonoはOEMディスクブ レーキパッドで圧倒的なシェアを誇っています。また、国内における技術 やノウハウなどの知的財産は、北米、欧州、 アジアの各地で共有化され、 現地の自動車産業の発展に貢献しています。 シンガポールに販売拠点 「Akebono Corporation Asia PTE.LTD.」を新設 当 社 は2 0 0 3 年 4 月、シンガポー ル に新 た な 販 売 拠 点として 、 「Akebono Corporation Asia」を設立しました。同社では、需要が高まる補修品市場向け製 品のアジア市場における中核拠点として、ASEAN地域をはじめ、 インド、中近東諸 国へと活動エリアを拡大しています。 akebonoの中核とも言える日本の生産拠点は、摩擦材の主力工場で ある「曙ブレーキ山形製造(株)」をはじめ、国内に9拠点。ASEAN地 域では、 インドネシアの関連会社を中心に、 マレーシア、 フィリピン、台湾、 オーストラリア、 インドに技術供与するなど、大きな成長が見込めるアジ ア各国でも地域に密着した活動を行っています。 曙ブレーキ工業(株) Ai-City【本社】 曙ブレーキ山形製造(株) 曙ブレーキ福島製造(株) 曙ブレーキ三春製造(株) 曙ブレーキ岩槻製造(株) 曙ブレーキ館林製造(株) アニュアルレポート 2003 環境保全活動 21世紀の社会と環境に貢献する “新しい価値” を提供し続けます。 akebonoは、 ひとつひとつのいのちを守ること、 即ち“ 地球環境の保全 ”を経営の最重要課題の一つと位置づけ、 グループ全体で環境経営を積極的に推進しています。 また、 自動車業界を中心とするさまざまな分野の人々と協力し合いながら、 環境負荷の削減に役立つ技術や製品の開発に取り組み、 より良い地球環境の継承をめざしています。 環境基本理念 環境基本方針 私達は、曙の理念とakebono 21世紀宣言に基づき、 21世紀の社会と環境に貢献する新しい『価値』を提 供し続けます。また、地球の一員として地球規模の環 境保全に努め、環境と調和した安全で豊かな社会の 発展に自主的・継続的に取り組みます。 1) 製品の開発・設計段階から安全と環境保全に配慮した取り組みを積極的に行い、 環境負荷の少ない技術開発・商品開発を推進します。 2) 省エネルギー、省資源、廃棄物の削減およびリサイクルの推進等、循環型社会 構築のための継続的な環境負荷低減に向けて、全社員一人ひとりが努力します。 3) 国内、海外を問わず、環境に係わる法律・規制・協定などは当然のこととして遵 守し、 さらに自主管理基準を制定して環境管理レベルの向上に努力します。 4) 私達の環境保全に関する取り組みがより広く理解されるよう、積極的な情報公 開を行い、地域社会との協調を図り、 より良い生活環境を実現するために努力し ます。 これまでの主な 取り組 み 当期の主な成果 akebonoはこれまで、製品が環境に与える影響に配慮し、 わずかであって 国内の岩槻・三春の2工場で、最終処分廃棄物の全廃を達成 も有害との疑いをもたれる材料の使用を廃止していくとともに、代替とな 廃棄物埋め立て処分場の残有スペース不足などを背景に、近年は廃棄 る原材料を使用した新製品を開発してきました。たとえば、1979年10月 物の削減とリサイクルが企業の環境保全における重要テーマの一つと には、 ノン・アスベスト摩擦材であるセミメタリック摩擦材の製品化に国内 産業廃棄物埋め立て量 6.3 (千トン/年) で初めて成功し、1987年までにクラッチフェーシング、 ディスクブレーキパッ ド、 ドラムブレーキライニングなど、akebonoが手掛ける摩擦材すべてにお 4.9 生産をゼロとし、翌2001年3月には国内販売もゼロを達成しました。製品 においても「ゼロエミッション」 の実現に向けた取り組みを 3.7 いてノン・アスベスト化を実現。2000年3月には、 アスベスト製品の国内 認識されています。akebono 3.7 2.6 推進しており、当期は岩槻と 2.3 三春の国内2工場において、 1.7 1.1 に 対する環 境 配 慮 の 一 方で、 2000年末には、製品の脱脂や洗 0.6 0.0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 産業廃棄物の埋め立てゼロ を達成しています。 浄に使用していたジクロロメタンを 国内6工場において全廃。生産段 国内全生産工場において「ISO14001」の認証を取得 階における環境への配慮も進め akebonoは、1999年3月に三春工場で「ISO14001」の認証を取得して ています。さらに、従来から禁止し 以来、2001年度末までに国内7工場(三春、福島、山形、館林、山陽ブレー ていた水銀・鉛・カドミウムに加え、 キ、 日本機材、岩槻) で認証を取得しました。これらに加えて、当期は羽生 今後は欧州および国内における 製造所を含む「Ai-City」、 「曙エンジニアリング㈱」、 「曙ブレー 使用済み自動車関連の法規制に キいわき製造㈱」、 「山陽ハイドリック工業㈱」が 対応すべく、六価クロムなどの環 新たに認証を取得したことで、国内の全生産 境負荷物質の使用削減計画を推 進しています。 工場の認証取得が完了しました。今後は、海 外も含めたすべての連結対象企業で認証の取 得に取り組んでいきます。 13 アニュアルレポート 2003 財務セクション 5年間の連結財務データ 曙ブレーキ工業株式会社および連結子会社 3月31日終了会計年度 千米ドル 百万円 売上高 当期純利益(損失) 株主資本 総資産 1999 2000 2001 2002 ¥0120,679 ¥ 121,080 ¥ 126,450 ¥ 126,655 (5,713) (924) (1,367) 99 2003 2003 ¥ 126,595 $ 1,054,958 (6,318) (52,650) 16,999 15,495 14,490 21,111 14,502 120,850 137,542 133,728 129,536 141,230 143,226 1,193,550 米ドル 円 一株当たりデータ 純利益(損失) 配当金 ¥(60.98) − ¥(9.84) 3.00 ¥(14.54) 2.00 ¥1.05 1.00 ¥(67.25) 1.00 $(0.56) 0.01 注)米ドルの金額は単なる参考として、2003年3月31日現在の円相場に近い1米ドル=120円で換算しています。 5年間の単体財務データ 曙ブレーキ工業株式会社 3月31日終了会計年度 千米ドル 百万円 1999 売上高 当期純利益(損失) 株主資本 総資産 2000 ¥ 93,779 2001 2002 ¥ 95,443 ¥ 98,418 ¥ 94,826 474 227 384 19,447 19,983 19,833 100,059 105,930 106,543 (4,386) 2003 2003 ¥ 98,277 $ 818,975 (7,413) (61,775) 24,903 17,838 148,650 123,723 127,534 1,062,783 米ドル 円 一株当たりデータ 純利益(損失) 配当金 ¥(46.81) − ¥5.05 ¥2.41 ¥4.08 3.00 2.00 1.00 ¥(78.83) 1.00 $(0.66) 0.01 注)米ドルの金額は単なる参考として、2003年3月31日現在の円相場に近い1米ドル=120円で換算しています。 アニュアルレポート 2003 14 業績・財務の状況 ビジネス環境と営業概況 当期(2003年3月期)のわが国経済は、企業収益に改善がみられるものの、デフレの浸透、株 価の下落、雇用不安や所得減少から個人消費も低調に推移し、全般的には厳しい状況にあり 国内自動車生産台数の推移 1999 990 2000 993 2001 1,004 ました。 自動車業界においては、比較的好調に推移した北米、アジア向け輸出の増加と小型車の販 売増により、国内生産台数は前期比5.3%増の1,032万台となり、2年ぶりに1,000万台の大 台を超えましたが、環境対応への技術革新を背景に、 グループを越えた企業再編が加速するな ど、事業環境は大きく変化しています。 2002 981 部品業界においても、 自動車業界と同様に、 グローバル化、ボーダレス化、低価格化が進み、大 きな基盤変化のなかで生き残りをかけた熾烈な競争が続いています。 2003 1,032 このような情勢のなか、akebonoは中期経営計画「Forward 30」の初年度として、OEMディス (万台) クブレーキパッドの世界における販売シェア30%の獲得という目標「Global 30」の実現に向け た体制づくりを推進しました。具体的には、国内生産拠点の完全分社化や生産統合などを展 開しつつ、報酬体系の見直しやコスト削減を推進し、事業競争力の強化に努めました。 業績の概況 売上高 売上高 連結売上高は、北米「Akebono Corporation(North America)」の決算期間の調整により 1999 120,679 2000 121,080 9ヶ月間の連結取り込みとなったため、前期とほぼ同額の1,265億95百万円になりました。参考 ではありますが、北米における売上高を12ヶ月として計算した場合は、1,380億円となり、実質的 には増収となっています。 売上原価、販売費および一般管理費 2001 126,450 2002 126,655 2003 126,595 売上原価は、前期比で30億74百万円減少し、1,016億41百万円となりました。これは、前述の 北米決算期間調整による影響に加え、 「Forward 30」の一環として、国内生産拠点の完全分 (百万円) 社化や生産統合、報酬体系の見直し、 コスト削減活動などの成果によるものです。この結果、 売上総利益は30億14百万円増の249億54百万円となりました。 販売費および一般管理費は、 ほぼ前期並みの165億1百万円となりましたが、売上原価の大幅 な削減によって、営業利益は前期比28億93百万円増の84億53百万円となり、過去最高益を 営業利益/売上高営業利益率 1999 1.0 1,172 達成しました。それに伴って、売上高営業利益率は、前期の4.4%から6.7%へと上昇しました。 2000 4,403 3.6 その他の収益および費用 退職給付会計の導入3期目となる当期も、制度変更に伴う会計基準変更時差異127億32百 万円を5年で償却するという方針に基づき、25億46百万円を損失として計上しました。また当 2001 4.6 2002 4.4 5,850 5,560 期は、不動産事業に関する大きな含み損の処理に伴う損失を計上しました。 具体的には、 「連結子会社清算損失」104億67百万円、 「固定資産売廃却損」16億55百万 円、 「投資有価証券売却損および評価損」19億36百万円を計上しました(※注記12参照)。 akebonoの不動産事業は、1969年に子会社である「曙興産」の設立以来、従業員に対する 福利厚生の便宜を図ってきましたがその後、いわゆる“バブル経済”によって膨らんだ不良資 産への対処が遅れ、大きな含み損を抱えるに至りました。当初計画では、中期経営計画「Forward 30」の達成後に、 この問題への対処を行う予定でした。しかしながら、2年後に予定されている 減損会計の義務化を待たず、今期に清算することを決断しました。これは、長期的な視点に立 ち、 グローバルな事業展開に向けた資金調達を実行するためにも、当該事業がakebonoの格 15 アニュアルレポート 2003 2003 6.7 営業利益(百万円)/ 8,453 売上高営業利益率(%) 付けや株価に与える影響、配当原資の確保なども考慮した上で、当期業績(営業利益)は 当期純利益(損失) 一過性のものではないという判断を背景としたものです。 1999 当期純利益 2000 これらの結果、当期は63億18百万円の連結純損失となりました。 前述した“負の遺産”処理による財務体質の改善は、今後akebonoがグローバルな事業展 開を推進するにあたっての強固な基盤になるものと考えています。今後も、中期3カ年経営計 (5,713) 2001 2002 (924) (1,367) 99 画「Forward 30」を推進し、 グローバルな事業競争を勝ち抜くための競争力を高めていく考え 2003 (6,318) です。 (百万円) セグメント別の営業概況 製品別の状況 主力製品の一つであるディスクブレーキについては、北米向けの輸出および現地での需要が 堅調に推移したことで、前期比で24億58百万円増の346億54百万円となりました。 ディスクブレーキパッドについては、前期より25億4百万円減の381億7百万円となりました。こ の要因は、主にアフターマーケット向け製品の価格下落が挙げられます。アフターマーケット向 け製品のなかには、 「メーカー純正」、 「第二純正ブランド」 「市販」と大きく3つのカテゴリーが ありますが、 メーカー純正から第二純正へのシフトが見受けられ、販売単価の下落影響を受けま した。 また、車両制御などに使用されるコンバインセンサーの受注増に伴って、 センサーが大幅に伸 長しました。 製品別売上高(百万円) 2002 2003 増減額 +2,458 ディスクブレーキ 32,196 34,654 ドラムブレーキ 17,057 17,956 +899 ディスクブレーキパッド 40,611 38,107 -2,504 その他の自動車部品 21,931 18,358 -3,573 産業機械 5,104 5,643 +539 鉄道車両 3,430 3,489 +59 973 1,617 +644 5,353 6,771 +1,418 126,655 126,595 -60 センサー その他 合計 所在地別の状況 まず、 日本においては、OEM向け製品の好調によって売上を伸ばしたことに加え、 「コスト革命」、 「新賃金制度の導入」をはじめとする「Forward 30」の成果もあり、営業利益については前期 より36億53百万円の増益となりました。 北米については「Akebono Corporation(North America)」の決算期間調整により、4月から 12月までの9ヶ月間を連結決算業績に反映したため、前期に対し売上減となりましたが、12ヶ月 ベースで換算すると増収となっています。営業利益ベースでは「Amtec Brake L.L.C.」の開業 時負担、および決算期間調整により、前期より11億15百万円の減益となりました。 アニュアルレポート 2003 16 業績・財務の状況 同地域では、 ダイムラークライスラー社との取引が開始されたことで、北米ビッグ3すべてとビジ 自動車事業における納入形態別の売上構成 (百万円) ネス関係を結びました。技術・品質両面において高い評価を得ており、今後も継続してOEM事 業の拡充を図っていく予定です。さらに、補修品事業に関しても、新たに「NAPA (National Auto Parts Association)」への製品供給が今期より開始されるなど、当事業のグローバル化 補修品向け に向けて大きな足掛かりを得ることができました。 33,005 欧州については、未だ赤字ではあるものの、OEM向け製品の受注増加、 グループ全体での支 OEM向け 援による補修品市場向けブレーキパッドの増加などにより、増収増益となりました。また「Akebono 82,248 Arras S.A.」の財務基盤強化とOPEL社向けブレーキパッドの設備資金を目的に2003年2月 に3000万Euroの増資を実施しました。 また、 2003年4月には、 シンガポールに新たな販売拠点として「Akebono Corporation Asia PTE.LTD.」 2002 を設立しました。同社は日本を除くアジアにおける補修品事業の拡大を担う中核拠点として位 置づけており、今期以降の収益貢献が期待されています。 地域別 売上高・営業利益(百万円) 日本 北米 96,051 30,054 550 2,513 1,477 956 (4,946) − 売上高 計 98,564 31,531 1,506 (4,946) 126,655 営業利益 3,418 3,019 (632) (245) 5,560 99,186 26,652 757 2,085 616 2,078 (4,779) − 101,271 27,268 2,835 (4,779) 126,595 7,071 1,904 (12) 8,453 外部顧客に対する売上高 2002 セグメント間の内部売上または振替高 外部顧客に対する売上高 2003 セグメント間の内部売上または振替高 売上高 計 営業利益 欧州 (510) 消去 連結 計 補修品向け 126,655 30,632 OEM向け 83,616 126,595 2003 財政状態 当期末における総資産は、前期より19億96百万円増加し、1,432億26百万円となりました。 総資産/総資産回転率 資産については、流動資産が前期より70億69百万円増加し、500億28百万円となりました。こ 1999 0.90 2000 0.89 137,542 の要因は、主に現金・預金および現金同等物の増加や割引手形の減少による受取手形、売 掛金の増加、 および不動産事業撤退に伴う繰延税金資産の増加によるものです。また、生産・ 販売工程における合理化努力によって、 たな卸資産の圧縮を図りました。 有形固定資産は、国内生産拠点の分社化や製品の統廃合などによる機械装置類の減少、お 133,728 2001 0.96 2002 129,536 141,230 0.94 よび建設仮勘定の減少などにより、44億36百万円減少し、739億円となりました。 投資その他の資産は、投資有価証券の評価損による減少がある一方、繰延税金資産の増加 2003 143,226 0.89 などにより、 ほぼ前期並みの192億98百万円となりました。 総資産(百万円)/ 総資産回転率(回) 棚卸資産回転期間/売上債権回転期間 1999 1.78 2000 2001 1.33 2.61 1.46 1.00 棚卸資産回転期間(月)/ 17 アニュアルレポート 2003 2.82 1.15 2002 2003 2.65 2.37 2.31 売上債権回転期間(月) 負債については、流動負債が、前期より57億44百万円減少し、646億7百万円となりました。こ 流動比率 の減少要因は、主に短期借入金の返済によるもので、当期末の短期借入金残高は前期より 1999 116億21百万円減少し、190億29百万円となりました。 固定負債は、前期より143億15百万円増加し、624億28百万円となりました。この要因は、主 に長期借入債務の増加によるもので、当期は新たに無担保普通社債を発行し、66億68百万 円を調達しました。 94.9 2000 82.6 2001 68.1 2002 61.1 このように、短期借入金の大幅な削減を中心に流動負債を圧縮したことで、流動比率は前期 末の61.1%から77.4%へ改善しました。 2003 77.4 当期の有利子負債残高については、前期末の719億77百万円から81億22百万円減少し、 (%) 638億55百万円となりました。akebonoでは、有利子負債の削減を中心に、今後も資金の流 動性確保について継続的に取り組む予定です。 資本については、当期純損失の計上により連結剰余金が大幅に減少したことで、前期比で66 有利子負債残高/D/Eレシオ 1999 495 2000 504 2001 480 84,229 億9百万円減少し、145億2百万円となりました。 この結果、当期末の株主資本比率は、14.9%から10.1%となりました。 2002 78,075 69,573 71,977 341 2003 63,855 440 有利子負債残高(百万円)/ D/Eレシオ(%) キャッシュ・フロー 当期は、在庫圧縮はもとより、大幅な設備投資の圧縮、投資有価証券の売却などによる資金創 キャッシュ・フロー 出に取り組んできました。その結果、当期における現金・預金および現金同等物の期末残高は、 1999 (9,253) (429) 13,522 前期比で11億51百万円増加し、63億93百万円となりました。また、当期におけるフリーキャッシュ・ フローは、40億3百万円となり、前期より27億15百万円増加しました。こうしたキャッシュは、有 利子負債の返済に充当するとともに、投資余力の増大、バランスシートの強化に寄与しています。 営業活動によるキャッシュ・フロー 当期純損失63億18百万円を計上しましたが、 キャッシュ・フローの影響のない子会社清算損 2000 2001 失104億67百万円や減価償却費および償却費70億77百万円などの影響により、営業活動 9,229 (4,568) (7,118) 2002(10,988) 2003 12,319 (8,642) (7,790) 12,276 (669) 8,035 (4,032) (2,756) 営業キャッシュ・フロー(百万円) 投資キャッシュ・フロー(百万円) 財務キャッシュ・フロー(百万円) から得た現金・預金は合計80億35百万円となりました。 投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産の取得による支出64億47百万円、情報化投資による無形固定資産の取得に 設備投資額/減価償却費 よる支出11億60百万円、資産の売却処理による収入30億24百万円などにより、投資活動に 1999 使用した現金・預金は40億32百万円となりました。 2000 財務活動によるキャッシュ・フロー 長期借入債務の借入として180億19百万円が収入となりましたが、長期借入債務の返済とし て106億22百万円、および短期借入金として115億49百万円の減少により、財務活動に使用 した現金・預金は27億56百万円となりました。 2001 2002 2003 10,672 7,015 9,770 8,059 7,849 7,916 14,004 7,565 6,447 7,077 設備投資額(百万円)/ 減価償却費(百万円) アニュアルレポート 2003 18 連結貸借対照表 曙ブレーキ工業株式会社および連結子会社 2003年および2002年3月31日現在 百万円 2003 2002 流動資産: 現金・預金および現金同等物 定期預金 ¥ ¥ 6,393 27 5,242 18 2003 $ 53,275 225 受取手形および売掛金 関連会社未収入金 未収入金 25,016 2,103 1,776 28,895 23,625 1,402 1,481 26,508 208,467 17,525 14,800 240,792 貸倒引当金 (9) 28,886 (5) 26,503 (75) 240,717 たな卸資産(注3) 繰延税金資産(注7) その他 8,372 4,545 1,805 50,028 8,611 964 1,621 42,959 69,767 37,875 15,041 416,900 23,473 44,294 100,510 3,283 171,560 23,589 44,303 108,716 6,546 183,154 195,608 369,117 837,583 27,358 1,429,666 (97,660) 73,900 (104,818) 78,336 (813,833) 615,833 4,244 4,951 140 6,958 3,005 19,298 5,662 5,091 241 5,134 3,807 19,935 35,367 41,258 1,167 57,983 25,042 160,817 ¥143,226 ¥141,230 $1,193,550 有形固定資産(注5) : 土地 建物および構築物 機械装置・器具備品および車両 建設仮勘定 減価償却累計額 投資その他の資産: 投資有価証券(注4) 関連会社への投資 開発費 繰延税金資産(注7) その他 資産合計 ・注記参照 19 千米ドル(注1) 資産 アニュアルレポート 2003 百万円 千米ドル(注1) 負債および資本 2003 2002 流動負債: 短期借入金(注5) 一年内返済予定の長期借入債務(注5) ¥ 19,029 7,486 ¥ 30,650 9,505 $ 158,575 62,383 支払手形および買掛金 設備購入支払手形 関連会社未払金 未払金 17,086 66 1,717 317 19,186 17,910 1,174 1,869 1,163 22,116 142,384 550 14,308 2,642 159,884 未払費用 未払法人税等(注7) 子会社清算損失引当金 その他 5,287 1,300 10,717 1,602 64,607 5,888 763 − 1,429 70,351 44,059 10,833 89,308 13,350 538,392 37,340 15,022 5,667 4,399 62,428 27,686 11,859 5,600 2,968 48,113 311,167 125,183 47,225 36,658 520,233 1,689 1,655 14,075 9,038 7,612 (8,924) 6,799 14,525 9,038 7,612 (2,424) 6,887 21,113 75,317 63,433 (74,367) 56,659 121,042 (23) 14,502 (2) 21,111 (192) 120,850 固定負債: 長期借入債務(注5) 退職給付引当金(注6) 繰延税金負債(注7) その他 少数株主持分 資本(注8および9) 普通株式: 授権株式数−320,000,000株 発行済株式数:94,019,118株 資本準備金 連結剰余金 その他の包括利益累計額 自己株式 負債および資本合計 ¥143,226 ¥141,230 2003 $1,193,550 アニュアルレポート 2003 20 連結損益計算書 曙ブレーキ工業株式会社および連結子会社 2003年および2002年3月31日終了会計年度 百万円 売上高 売上原価および販売費・一般管理費: 売上原価 販売費および一般管理費 営業利益 持分法による投資利益 その他の(収益)費用: 受取利息および配当金 支払利息 その他費用(純額) (注12) 税金等調整前当期純利益(損失) 法人税等(注7) : 当年度分 法人税等調整額 少数株主利益控除前利益(損失) 少数株主利益 当期純利益(損失) 千米ドル(注1) 2003 2002 ¥126,595 ¥126,655 $1,054,958 101,641 16,501 118,142 104,715 16,380 121,095 847,008 137,508 984,516 8,453 5,560 70,442 2003 (1,217) (993) (10,141) (134) 1,385 17,440 18,691 (76) 1,371 4,296 5,591 (1,117) 11,542 145,333 155,758 (9,021) 962 (75,175) 1,771 (5,133) (3,362) 1,514 (1,295) 219 (5,659) 743 659 644 ¥0(6,318) ¥ 99 14,758 (42,775) (28,017) (47,158) 5,492 $ (52,650) 一株当たりデータ 円 純利益(損失) 配当金 ・注記参照 21 アニュアルレポート 2003 ¥(67.25) 1.00 米ドル(注1) ¥1.05 1.00 $(0.56) 0.01 連結キャッシュ・フロー計算書 曙ブレーキ工業株式会社および連結子会社 2003年および2002年3月31日終了会計年度 百万円 2003 営業活動によるキャッシュ・フロー: 当期純利益(損失) 営業活動から得た現金・預金への当期純利益(損失)の調整(純額) : 減価償却費および償却費 有形固定資産売廃却損 貸倒引当金の増減額 投資有価証券売却損および評価損 たな卸資産廃却損 退職給付引当金増加額 持分法による投資利益 少数株主持分の増減額 繰延税金資産の増減額 子会社清算損失 資産および負債の増減 売上債権 たな卸資産 仕入債務 未払費用 未払法人税等 その他 営業活動から得た現金・預金 ¥ (6,318) 千米ドル(注1) 2002 ¥ 2003 99 $ (52,650) 7,077 1,646 (91) 1,885 412 3,162 (1,217) 34 (5,228) 10,467 7,565 162 (2) 390 103 2,842 (993) (1,074) (1,295) − 58,975 13,717 (758) 15,708 3,433 26,350 (10,142) 283 (43,567) 87,225 (2,543) (439) (433) 253 (557) (75) 8,035 3,685 1,146 (1,352) 764 72 164 12,276 (21,192) (3,658) (3,608) 2,109 (4,642) (625) 66,958 投資活動によるキャッシュ・フロー: 有形固定資産の購入支出 有形固定資産の売却収入 無形固定資産の購入支出 投資有価証券の購入支出 投資有価証券の売却収入 その他 投資活動に使用した現金・預金 (6,447) 3,024 (1,160) (79) 469 161 (4,032) (14,004) 4,731 (1,445) (315) 10 35 (10,988) (53,725) 25,200 (9,667) (658) 3,908 1,342 (33,600) 財務活動によるキャッシュ・フロー: 長期借入債務の借入 長期借入債務の返済 短期借入金の増加(減少) リース契約発生による収入 リース債務の返済による支出 その他 配当金の支払 財務活動に使用した現金・預金 18,019 (10,622) (11,549) 2,761 (1,204) 30 (191) (2,756) 9,040 (12,805) 3,644 1,164 (1,997) 380 (95) (669) 150,158 (88,516) (96,241) 23,008 (10,033) 250 (1,592) (22,966) 現金・預金および現金同等物の換算差額 現金・預金および現金同等物の増加額 現金・預金および現金同等物の期首残高 新規連結子会社増加による増加額 現金・預金および現金同等物の期末残高 キャッシュ・フローの補足的情報: 現金支払額: 支払利息 法人税等 ¥ ¥ (96) 1,151 5,242 − 6,393 1,417 1,400 ¥ ¥ 22 641 4,574 27 5,242 1,343 1,759 $ $ (800) 9,592 43,683 − 53,275 11,808 11,667 ・注記参照 アニュアルレポート 2003 22 連結株主持分計算書 曙ブレーキ工業株式会社および連結子会社 2003年および2002年3月31日終了会計年度 百万円 発行済株式数 94,010,069 2001年3月31日残高 包括利益 当期純利益 その他の包括利益(税効果考慮後) 土地再評価差額金 その他有価証券評価差額金 為替換算調整勘定 包括利益合計 連結子会社増加による減少額 配当金 自己株式の取得 9,049 新株引受権の行使による増加 94,019,118 2002年3月31日残高 包括利益 当期純損失 その他の包括利益(税効果考慮後) 土地再評価差額金 その他有価証券評価差額金 為替換算調整勘定 包括利益合計 配当金 自己株式の取得 94,019,118 2003年3月31日残高 資本金 ¥9,037 資本準備金 ¥7,611 連結剰余金 その他の包括利益 ¥(2,423) 自己株式 ¥ 265 ¥ 株主持分合計 0 ¥14,490 99 99 7,144 (956) 434 (6) (94) (2) 1 ¥9,038 1 ¥7,612 ¥(2,424) ¥6,887 ¥ (2) (6,318) 6 (6,318) 98 492 (678) (188) ¥9,038 ¥7,612 ¥(8,924) 7,144 (956) 434 6,721 (6) (94) (2) 2 ¥21,111 ¥6,799 (21) ¥(23) 104 492 (678) (6,400) (188) (21) ¥14,502 千米ドル(注1) 発行済株式数 94,010,069 2001年3月31日残高 包括利益 当期純利益 その他の包括利益(税効果考慮後) 土地再評価差額金 その他有価証券評価差額金 為替換算調整勘定 包括利益合計 連結子会社増加による減少額 配当金 自己株式の取得 9,049 新株引受権の行使による増加 94,019,118 2002年3月31日残高 包括利益 当期純損失 その他の包括利益(税効果考慮後) 土地再評価差額金 その他有価証券評価差額金 為替換算調整勘定 包括利益合計 配当金 自己株式の取得 94,019,118 2003年3月31日残高 ・注記参照 23 アニュアルレポート 2003 資本金 $75,308 資本準備金 $63,425 連結剰余金 その他の包括利益 $(20,192) $ 2,209 825 (50) (783) 8 $63,433 $(20,200) $57,392 (52,650) 50 $63,433 $(74,367) 0 $120,750 59,533 (7,967) 3,617 56,008 (50) (783) (17) (17) 17 $ (17) $175,925 (52,650) 817 4,100 (5,650) (1,567) $75,317 $ 株主持分合計 825 59,533 (7,967) 3,617 9 $75,317 自己株式 $56,659 867 4,100 (5,650) (53,333) (1,567) (175) (175) $(192) $120,850 連結財務諸表注記 1. 連結財務諸表の表示 添付の連結財務諸表は日本の証券取引法の規定およびそれに関する 会計規則に基づき作成されており、 また一般に公正妥当と認められる会 計原則および会計慣行に従って作成されている。連結財務諸表の作成 において、国外の読者にとって、 より一般的な形式で表現するため、 日本 で開示された財務諸表に若干の組替えが行われている。それに加えて、 注記には日本において一般に公正妥当と認められる会計原則および会 計慣行のもとで要求されていない事項も含まれている。米ドルの金額は 2003年3月31日における交換レートに近い、1米ドル=120円で、単なる 参考として、算術的計算結果として表示されている。米ドルの金額は、円 金額が現在若しくは将来において米ドルに換算される金額ではない。 2. 重要な会計方針の要約 (a)連結範囲 添付の連結財務諸表は曙ブレーキ工業株式会社(提出会社)およびそ の過半数を所有する子会社を含んでいる(連結会社)。全ての連結会 社間の内部取引および債権債務は相殺、消去されている。20%から50 %の持分を所有する関連会社に対する投資は、重要性の乏しいものを 除き、原則として持分法を適用している。 (f)有形固定資産 提出会社および国内連結子会社の減価償却費は、1998年4月以降取 得した建物について定額法が適用されている以外、主として、使用見込 み期間にわたる定率法により計算されている。 海外連結子会社の減価償却費は、使用見込み期間に基づき、主として 定額法により計算されている。 (b)外貨換算 海外子会社および関連会社の財務諸表項目の換算において、資産お よび負債は、決算日の為替相場によって換算され、収益および費用は期 中平均為替相場によって円貨に換算されている。その結果発生した為 替換算調整勘定は、 その他の包括利益累計額として資本の部に表示さ れている。 外貨建金銭債権および債務は、決算日の為替相場によって換算され、 そ の結果発生した為替差損益は、 その年度の損益に計上されている。 (g)研究開発費 研究開発費は、発生年度の費用に計上されている。 (c)現金・預金および現金同等物 キャッシュ・フロー計算書において、現金・預金および3ヶ月以内に満期が 到来する定期預金を現金・預金および現金同等物としている。このよう な定期預金は元金の毀損がなく必要に応じて引き出すことが可能である。 (d)たな卸資産 製品は平均法、仕掛品は先入先出法による原価法により評価されている。 原材料および貯蔵品は最終仕入原価法で評価されている。開発用・販 売用不動産は取得原価で評価されている。 (h)退職給付債務 退職給付債務は、2001年3月期における日本の会計基準の変更により、 連結会社の全ての従業員の退職時に支払われる退職金に係わる予定 給付額により計上されている。しかしながら、退職給付に係わる会計基 準変更時差異については、連結会社は2001年3月期より5年間で償却を 行っている。 (i)法人税等 法人税等は毎期その期間に負担すべき金額が計上されている。連結会 社は法人税等について資産・負債法を適用し、一時差異に係わる税効 果を認識している。 (j)金利スワップ契約 提出会社は長期借入金の一部について金利上昇リスクを回避するため、 金利スワップ契約を実施している。この金利スワップ契約による受取金 利と支払金利の差額は毎期認識されている。 (e)投資等 時価のある投資信託や株式およびその他の投資は2002年3月期におけ る会計基準の変更により、原価による評価から時価による評価に変更さ れている。投資有価証券の未実現損益は税効果会計を適用し、資本の 部に表示されている。 個々の有価証券に対する強制評価損は毎期認識され、損益に反映され ている。 3. たな卸資産 2003年3月31日現在および2002年3月31日現在のたな卸資産は下記のとおりである。 百万円 2003 製品 仕掛品 原材料および貯蔵品 開発用・販売用不動産 千米ドル 2002 ¥5,030 587 1,270 1,485 ¥8,372 ¥4,844 672 1,610 1,485 ¥8,611 2003 $41,917 4,892 10,583 12,375 $69,767 4. 投資有価証券 2003年3月31日現在および2002年3月31日現在の投資有価証券に含まれる上場有価証券の取得価額と時価の合計額は下記のとおりである。 百万円 2003 上場有価証券 取得価額 評価差益 評価差損 時価 ¥4,784 344 (987) ¥4,141 千米ドル 2002 ¥ 7,059 195 (1,696) ¥ 5,558 2003 $39,867 2,866 (8,225) $34,508 アニュアルレポート 2003 24 連結財務諸表注記 5. 短期借入金および長期借入債務 2003年3月31日現在および2002年3月31日現在の短期借入金に対する加重平均利率は、 それぞれ1.3%および1.4%である。 2003年3月31日現在の長期借入債務の内訳は下記のとおりである。 百万円 2003 千米ドル 2002 2003 2005年満期 無担保転換社債 転換価格605.60円 利率1.00% 2003年満期 無担保普通社債 利率2.52% 2002年満期 無担保転換社債 転換価格249円 利率0.00% 2004年満期 無担保普通社債 利率1.80% 2005年満期 無担保普通社債 利率0.25%−0.59% 2006年満期 無担保普通社債 利率0.38%−0.40% 2007年満期 無担保普通社債 利率0.46%−0.75% 2008年満期 無担保普通社債 利率0.49% 銀行借入等 最終返済期限2009年 利率0.52%−7.75% 信託会社に対する長期未払金 返済期限2013年 利率2.70% ¥ 8,631 1,000 − 6,000 2,468 2,000 1,200 1,000 21,627 900 44,826 ¥ 8,631 1,000 3,881 6,000 − − − − 16,689 990 37,191 $ 71,925 8,333 − 50,000 20,567 16,667 10,000 8,333 180,225 7,500 373,550 一年内返済予定額(控除) 7,486 ¥37,340 9,505 ¥27,686 62,383 $311,167 2003年3月31日現在および2002年3月31日現在、有形固定資産のうち、 それぞれ25,542百万円(212,850千米ドル)および26,466百万円が 短期借入金および長期借入債務に対する担保に差入れられている。 6. 退職金制度 通常の場合、退職する従業員は退職時の給与水準、勤続年数等に基づき退職一時金の受給資格を有している。 また、殆どの従業員は適格年金を受け取る。 2003年3月31日および2002年3月31日における退職給付債務の内容は下記のとおりである。 百万円 退職給付債務 年金資産 未積立退職給付債務 会計基準変更時差異の未処理額 未認識数理計算上の差異 未認識過去勤務債務 連結貸借対照表計上額 2003 ¥ 56,730 (16,580) 40,150 (5,092) (20,094) 58 ¥ 15,022 千米ドル 2002 ¥ 45,590 (19,311) 26,279 (7,638) (6,859) 77 ¥ 11,859 2003 $ 472,750 (138,167) 334,583 (42,433) (167,450) 483 $ 125,183 2003年3月期および2002年3月期の退職給付費用の内容は下記のとおりである。 百万円 2003 勤務費用 利息費用 期待運用収益 会計基準変更時差異の費用処理額 数理計算上の差異の費用処理額 過去勤務債務の費用処理額 ¥1,581 1,834 (894) 2,546 481 (19) ¥5,529 千米ドル 2002 ¥ 1,725 1,689 (1,003) 2,546 287 (19) ¥ 5,225 2003 $13,175 15,283 (7,450) 21,217 4,008 (158) $46,075 2003年3月期および2002年3月期の計算に用いられた基礎的数値は下記のとおりである。 2003 割引率 期待運用収益率 数理計算上の差異の処理年数 会計基準変更時差異の処理年数 過去勤務債務の処理年数 25 アニュアルレポート 2003 2.50% 3.50%−4.95% 15年 5年 5年 2002 4.00% 4.00%−5.45% 15年 5年 5年 7. 法人税等 連結会社に適用される所得に対する法人税等の法定実効税率は、 2003年3月期および2002年3月期とも約40.9%である。 繰延税金資産および負債は会計上の資産・負債と税務上の資産・負債 との間の全ての一時差異、繰越欠損金、繰延外国税額に対して認識さ れている。繰延税金資産および負債はこれら一時差異が回収されるか 解消される年度において適用されると見込まれる法定実効税率により計 上されている。 将来において繰延税金資産を回収するに足る充分な課税所得が発生 するとする経営者の判断により、繰延税金資産に対する評価引当金は 設定されていない。 2003年3月31日および2002年3月31日における法定実効税率と実際税負担率との差異は下記のとおり分析される。 2003 法定実効税率 増減内容: 連結消去された内部利益および配当金 税効果不適用の連結子会社の欠損金 外国税額控除額 交際費等の永久差異 実行税率変更差異 海外子会社の実効税率差異 過年度法人税還付額 子会社の繰越欠損金に係わる繰延税金資産の計上 その他 法人税等負担率 2002 40.9% 40.9% (1.7) (0.7) (1.2) (1.0) (1.4) 1.8 2.0 − (1.4) 37.3% 55.5 24.2 (69.6) 9.3 − (10.8) − (35.8) 9.0 22.7% 2003年3月31日および2002年3月31日における繰延税金資産および負債の主な内容は下記のとおりである。 百万円 2003 繰延税金資産: たな卸資産 未払費用 繰越欠損金 繰延外国税額 退職給付引当金 その他有価証券評価差額金 子会社清算損失引当金 その他 繰延税金負債: 貸倒引当金 資産化した支払利息 土地再評価差額金 その他 繰延税金資産の純額 千米ドル 2002 2003 78 744 413 − 4,974 259 4,150 885 11,503 ¥ 102 488 339 328 3,746 613 − 482 6,098 $ − 509 4,828 330 5,667 ¥ 5,836 39 521 4,938 102 5,600 ¥ 498 − 4,242 40,233 2,750 47,225 $48,633 ¥ 650 6,200 3,442 − 41,450 2,158 34,583 7,375 95,858 (注)2003年3月31日および2002年3月31日現在の連結貸借対照表に含まれる上記繰延税金資産および負債は下記のとおりである。 百万円 2003 流動資産 繰延税金資産 投資その他の資産 繰延税金資産 固定負債 繰延税金負債 繰延税金資産の純額 千米ドル 2002 2003 964 $ 37,875 6,958 5,134 57,983 (5,667) ¥ 5,836 (5,600) ¥ 498 (47,225) $ 48,633 ¥ 4,545 ¥ アニュアルレポート 2003 26 連結財務諸表注記 8. 普通株式 日本の商法は株式の発行金額の全額を資本金とすることを要求しているが、取締役会の決議により 新株の発行価額の2分の1を超えない金額を資本準備金として処理する事が出来る。 資本準備金のうち、資本金の25%を超える部分は株主総会の決議により株主に払い戻すことが出来る。 9. 株主持分 日本の商法は、各年度における現金での配当金および取締役と監査役 に対する賞与支払額の10%以上を、資本準備金と利益準備金の合計 額が資本金の25%に達するまで、利益準備金として積立てることを規定 している。 配当金は事業年度に係わる株主総会で決議される。加えて、中間配当 は日本の商法における制限規定に従い、取締役会の決議により実施す ることが出来る。一株当たり純利益(損失)は各年度の加重平均された 発行済株式数により算出されている。 10. リース契約 連結会社は機械装置およびその他の設備について解約不能のリース契約により使用している。 将来のリース支払額は下記のとおりである。 百万円 千米ドル $36,358 35,833 35,158 27,416 18,125 ¥4,363 4,300 4,219 3,290 2,175 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度以降 2003年3月期および2002年3月期において費用計上したリース料はそれぞれ4,092百万円(34,100千米ドル)および4,004百万円であった。 11. 研究開発費 2003年3月期および2002年3月期において、現在の製品の改良に係わるものを含めた研究開発費計上額は、 それぞれ8,691百万円(72,425千米ドル)および9,570百万円であった。 12. その他費用(純額) 2003年3月期および2002年3月期における、 その他費用(純額)の内容は下記のとおりである。 百万円 2003 固定資産売却益 固定資産廃却損 たな卸資産廃却損 投資有価証券売却損および評価損 関係会社設備売却益 役員退職慰労金 退職給付会計基準変更時差異償却額 貸与資産償却費 繰延資産償却費 製品補償費 貸倒引当金繰入額 為替差益 連結子会社清算損失 その他(純額) ¥ (9) 1,655 412 1,936 (134) 102 2,546 5 136 501 140 (77) 10,467 (240) ¥17,440 千米ドル 2002 ¥ (37) 199 104 390 (150) 282 2,546 126 152 378 6 (63) − 363 ¥4,296 13. 契約債務および偶発債務 2003年3月31日現在における銀行借入金およびリース債務に対する債務保証の金額は、9,773百万円(81,442千米ドル) である。 2003年3月31日現在における資本的支出に対する契約債務は約51百万円(425千米ドル) である。 27 アニュアルレポート 2003 2003 $ (75) 13,792 3,433 16,133 (1,117) 850 21,217 42 1,133 4,175 1,167 (642) 87,225 (2,000) $145,333 14. セグメント情報 2003年3月期および2002年3月期における所在地別セグメント情報は下記のとおりである。 百万円 日本 北米 消去または全社 連結 2003年度 売上高: 外部顧客に対する売上高 セグメント間の内部売上高または振替高 計 営業利益 資産 ¥ 99,943 4,163 104,106 6,561 ¥115,182 ¥26,652 616 27,268 1,904 ¥23,558 ¥ − (4,779) (4,779) (12) ¥ 4,486 ¥126,595 − 126,595 8,453 ¥143,226 2002年度 売上高: 外部顧客に対する売上高 セグメント間の内部売上高または振替高 計 営業利益 資産 ¥ 96,601 3,469 100,070 2,786 ¥115,471 ¥30,054 1,477 31,531 3,019 ¥21,500 ¥ − (4,946) (4,946) (245) ¥ 4,259 ¥126,655 − 126,655 5,560 ¥141,230 千米ドル 日本 北米 消去または全社 連結 2003年度 売上高: 外部顧客に対する売上高 セグメント間の内部売上高または振替高 計 営業利益 資産 $832,858 34,692 867,550 54,675 $959,850 $222,100 5,133 227,233 15,867 $196,317 $ − (39,825) (39,825) (100) $ 37,383 $1,054,958 − 1,054,958 70,442 $1,193,550 2002年度 売上高: 外部顧客に対する売上高 セグメント間の内部売上高または振替高 計 営業利益 資産 $805,008 28,909 833,917 23,217 $962,258 $250,450 12,308 262,758 25,158 $179,167 $ − (41,217) (41,217) (2,042) $ 35,492 $1,055,458 − 1,055,458 46,333 $1,176,917 アニュアルレポート 2003 28 独立監査人の監査報告書 曙ブレーキ工業株式会社の取締役会へ 私どもは、曙ブレーキ工業株式会社およびその連結子会社の日本円で表示された2002年および2003年3月31日現在の連結貸借対照表ならび に関連する同日に終了した2年間の各事業年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書および連結キャッシュ・フロー計算書の監査を行った。 これらの連結財務諸表は会社の経営者の責任のもとに作成されたものである。私たちの責任は、監査に基づいてこれらの連結財務諸表につい ての意見を表明することにある。 私どもの監査は、 日本国において一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠し、私どもが適宜状況に応じて必要と認めた取引記録の監査手 続やその他の監査手続を含むものである。 私どもの意見によれば、上記の連結財務諸表は日本国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠し、曙ブレーキ工業株式会社およ びその連結子会社の2002年および2003年3月31日の財政状態並びに同日に終了する2年間の各事業年度の経営成績およびキャッシュ・フロー を適正に表示している。 2003年3月31日に終了する事業年度について、連結財務諸表に表示した米ドルの金額は便宜的に算出したものにすぎない。私どもの監査は日 本円で表示された連結財務諸表の金額の米ドル額への換算も含んでおり、 この換算方法は連結財務諸表の注記1の記載に基づいている。 海南監査法人 2003年6月20日 日本、東京 (注)上記監査報告書は海外向け年次報告書に含まれる英文財務諸表に対する英文監査報告書を翻訳したものである。 29 アニュアルレポート 2003 役 員 桑野 秀光 藤岡 俊一 代表取締役 会長兼社長 代表取締役 代表取締役 柏木 剛 横尾 俊治 佐藤 宏毅 久保田 正 取締役 上席副社長 取締役 上席副社長 取締役 副社長 取締役 副社長 執行役員 監査役 専務待遇執行役員 石垣 吉広 常勤監査役 山本 芳彦 専務待遇執行役員 石毛 三知之 常勤監査役 宮沢 雅次 専務執行役員 後藤 和彦 常勤監査役 富永 博隆 専務執行役員 西垣 順充 監査役 松本 英範 専務執行役員 野口 登 専務執行役員 岩田 幸雄 常務執行役員 岩田 陽一 顧問 常務執行役員 宇津木 聡 最高顧問 JAY W. CHAI 常務執行役員 斉藤 剛 技術顧問 木村 俊彦 常務執行役員 石田 明世 執行役員 門田 晋吉 執行役員 瀬尾 年三 執行役員 小野田 誠二 執行役員 佐藤 光夫 執行役員 宮本 雅弘 執行役員 相沢 義春 執行役員 出嶋 清 2003年6月20日現在 アニュアルレポート 2003 30 投資家向け情報 商号 曙ブレーキ工業株式会社 住所 本店 〒103-8534 東京都中央区日本橋小網町19番5号 TEL : 03-3668-5171 FAX: 03-5695-7391 Ai-City(本社) 〒348-8508 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 TEL : 048-560-1500(大代表) FAX: 048-560-2880 設立 1929年1月27日 資本金 9,038百万円 上場証券取引所 東京証券取引所 市場第一部 株式 授権株式数 320,000,000 株 発行済株式数 94,019,118 株 従業員数(連結) 4,554名 名義書換代理人(事務取扱所) UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 〒137-8081 東京都江東区東砂7-10-11 定期株主総会 定期株主総会は、通常毎年6月に開催されます。 主要株主 トヨタ自動車㈱ ロバートボッシュコーポレーション デルファイ・オートモーティブ・システムズ いすゞ自動車㈱ ㈱みずほコーポレート銀行 アイシン精機㈱ ㈱ブリヂストン カヤバ工業㈱ 従業員持株会 安田生命保険相互会社 お問い合わせ先 [email protected] 2003年3月31日現在 31 アニュアルレポート 2003 http://www.akebono-brake.co.jp/