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地域がん診療連携拠点病院のご案内
地 域が ん診療連 携拠点病院のご案内 地域がん診療連携拠点病院 地域における「がん診療」 長野市民病院は、平成7年の開院当初からがん診療を大きな役割として掲げてお り、平成19年1月に厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けていま す。現在も引き続きがん診療に力を注いでおり、手術はもちろん、鏡視下や内視鏡手術 をはじめとする低侵襲治療、放射線治療、化学療法、緩和ケアを駆使した切れ目のない 集学的治療を実践しています。 今後も、院内横断的な治療体制を強化し、患者さまやご家族にとって心身ともに負担 の少ない治療の一層の充実を図り、地域の拠点病院として、関係医療機関との連携を深 めながら高度かつ安全な医療の提供に努めてまいります。 長野市民病院 病院長 竹前 紀樹 地域がん診療連携拠点病院の役割 Ⅰ 診療体制 1 5大 が ん を は じ め と す る が ん の 集 学 的 治 療 2 緩和ケアの提供 3 病病連携・病診連携 4 セカンドオピニオン機能 5 キャンサーボード Ⅱ 研修体制 1 厚生労働省のプログラムに準拠した 緩和ケアに関する研修会の実施 2 二 次 医 療 圏 に お い て が ん 医 療 に 携 わ る 医師等を対象とした研修の実施 Ⅲ 情報の提供収集体制 1 相談支援センター 2 がん登録 地域がん診療連携拠点病院としての がん診療体制 平成26年2月、当院は、がん診療に対する機能・体制強化と一層の 質向上を図るため、病院長直轄下に「がん治療センター」を設置し、 その傘下に4つのセンターを機能的に集約しました。 病院長 放射線治療センター がん治療センター 外 外来 来化 化学 学療 療法 法セ セン ンタ ター ー セ ン タ ー 長 西 村 秀 紀 呼 吸 器 外科・乳腺外科部長 ● 医師 ●薬剤師 ●看護師 ●臨床検査技師 ●診療放射線技師 ● 管理栄養士 ●臨床工学技師 ● メディカル・ソーシャル・ワーカー ●事務員 で構成 手術センター 診療部 看護部 診療情報管理室 緩和ケアセンター がん相談支援センター 長野市民病院 がん治療センター 4つの治療分野のセンターを機能的に集約し、それぞれの治療法を組み合 わせることで、治療効果をより高めると同時に、患者さまやご家族にとって 心身ともに負担の少ない治療の一層の充実を図ります。 放射線治療センター 放射線治療センター長 橋田 巌 放射線を用いた最先端の治療を広く行います。放射線治療医だけではなく、診 療放射線技師、医学物理士、看護師や他診療科の医師などが参加することによ る、職種や診療科の枠を取り払った、センターとしての特徴を生かした放射線 治療を目指します。 放射線治療科部長 日本医学放射線学会放射線治療 専門医 体制 ●日本医学放射線学会 放射線治療専門医 ●医学物理士 ●放射線治療品質管理士 ●放射線治療専門放射線技師 外来化学療法センター 外来化学療法センター長 関 仁誌 当センターでは、主に抗がん剤を使う治療を入院ではなく外来通院で行いま す。腫瘍内科医を含む医師やコメディカルスタッフが協力し、患者さまにとっ て最適な治療を行います。 消化器外科科長 日本外科学会専門医・認定医、 日本消化器外科学会指導医・専 門医、日本がん治療認定医機構 暫定教育医・認定医、日本医師 体制 ●日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医 ●日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医(歯科口腔外科) ●がん専門薬剤師 ●がん薬物療法認定薬剤師 ●がん化学療法看護認定看護師 会認定産業医、日本静脈経腸栄 養学会認定医、日本肝胆膵外科 学会認定肝胆膵外科高度技術 指導医 緩和ケアセンター 緩和ケアセンター長 大道 雅英 緩和ケアとは、がんによる心身両面の苦痛を軽減させるためのケアです。手術 療法、放射線治療、化学療法など、がん組織を取り除くための積極的な治療を行 う中で、痛みや不安など 患者さまご自身が感じられているさまざまな苦痛 を 和らげるためのケアを重視しています。 緩和ケア内科科長 日本緩和医療学会緩和医療専門医 体制 ●日本緩和医療学会緩和医療専門医 ●日本精神神経学会専門医 ●がん薬物療法認定薬剤師 ●がん看護専門看護師 ●緩和ケア認定看護師 がん相談支援センター がん相談支援センター長 西村 秀紀 「患者さまとご家族がしたい生活を支援する」ことを目的として、がん総合相 談・情報提供、ストレスに対する自立支援、がんに関する地域連携支援、がん患 者さまのサポートボランティアのコーディネートを通して患者さまやご家族 のご要望やご希望に応じ、相談サービスを提供いたします。 体制 ●がん看護専門看護師 ●緩和ケア認定看護師 ●傾聴療法士 ●精神保健福祉士 ●社会福祉士 ●社会保険労務士 呼吸器外科・乳腺外科部長 日本外科学会専門医、日本呼吸器 外科学会専門医、日本乳癌学会専 門医、信州大学医学部臨床教授、 医学博士 手術センター 手術センターは外科系各科の 診療を支える部門であり、安 全で質の高い医療の提供を目 指して、麻酔科医、看護師、臨 床工学技士等が手術担当医と ともにチームとして協力し合 いながら日々手術を行ってい ます。全身麻酔の手術件数が 多く、100床あたりの件数は全 国でもトップクラスです。 現在手術室8室で運用してい ますが、9室目を増室工事中 であり平成26年度中に完成予 定です。 手術センター長 成田 昌広 麻酔科部長 日本麻酔科学会指導医 日本緩和医療学会暫定指導医 体制 ●日本麻酔科学会 指導医・専門医・認定医 ●手術看護認定看護師 内視鏡・超音波センター 内視鏡・超音波センター長 長谷部 修 当センターはプライバシーとアメニティーに配慮した県下屈指の内視鏡セン ターであり、使用機器は最先端のものを常備しています。消化器がんの精密検 査や内視鏡治療に特に力を注いでおり、早期がんの内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)・超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)・内視鏡的逆行性胆管膵管造 影(ERCP)関連治療手技、カプセル内視鏡、バルーン小腸内視鏡などの先進的内 視鏡分野においては県下トップレベルの症例数と治療成績を収めています。 日本内科学会認定内科医、日 本消化器病学会指導医・評議 員、日本消化器内視鏡学会指 導医・評議員、日本がん治療 認定医機構がん治療暫定教 育医・認定医、日本胆道学会 認定指導医、信州大学医学部 臨床教授 治療内容(がんに関するもの) ●早期食道がん、早期胃がんに対する ESD ●早期大腸がんに対する ポリペクトミー、EMR、ESD ●膵胆道がんに対する 内視鏡的胆道ドレナージ術、ステント留置術 ●消化管狭窄に対する ステント留置術 ●肝臓がんに対する ラジオ波焼灼術 副院長・消化器内科部長 他 専 門 外 来 リンパ浮腫外来 ス キ ン ケ ア 外 来(ストーマ等に関する外来) 禁煙外来 治療の対象となるのは、リンパ管系の輸送 障害によるリンパ浮腫、慢性的な静脈不全 による浮腫、がん末期で浮腫による苦痛症 状緩和を目的とする場合等です。国際リン パ学会において標準治療と認められている 「複合的治療」を中心に患者さまのライフス タイルに合わせたセルフケアを、資格を得 た看護師が支援します。 ストーマや褥瘡、失禁ケアが必要な患者さ ま・ご家族を対象に開設しています。 ケア方法や日常生活でお困りのこと、心配 なことなどについて、専門研修を受けた看 護師が一緒に考え、患者さまにとってより 良いケアになるよう取り組んでいます。 禁煙を目指す患者さまに対して、医師と教 育を受けたスタッフが協力し、専門的治療 を行っています。 地域医療連携室 セカンドオピニオン 診療情報管理室 医 療 機 能 別 の 役 割 分 担(「 地 域 完 結 型 医 療」)の時代において、当院は地域医療支援 病院として、かかりつけ医の診療を積極的 に支援しています。紹介センター・患者サ ポートセンター・入退院支援センターの3 つの機能をもつ地域医療連携室では、総勢 20名を超えるスタッフが相互に連携・協力 しながら、スムーズな患者さまの受け入れ や退院の支援等にあたっています。 セカンドオピニオン外来では、患者さまが 当院の医師による第二の意見を参考にし て、ご自身で納得した診療を受けられるよ うサポートしています。 平成28年1月より「がん登録推進法」が施 行され、全国すべての病院にがん患者の罹 患状況や治療内容等を国へ報告すること が義務付けられます。当院では、国立がん 研究センターのがん登録実務研修を修了 した専従診療情報管理士を中心に平成18 年よりがん登録を行っています。登録数は 年々増加しており、当院のがん診療の特徴 が明らかになりつつあります。 臨床研究・治験 政策的公衆衛生的に必要性の高い調査研 究に対し、積極的に協力しています。 【実施した研究の例】 ・大腸がん ・胃がん ・乳がん ・口腔扁平上皮がん ・唾液腺がん ・前立腺がん ・がん性疼痛 等 長野市民病院 TOPICS 当院のがん治療最前線 ●ラルス(RALS:Remote After Loading System、遠隔操作密封小線源治療) ラルスは、主に子宮や胆道などの管腔臓器に発生したがんに対して行う放射線治療(腔内照射)です。管 腔臓器以外にも、舌がんや前立腺がんなどに対して直接腫瘍内に細い管を刺す組織内照射を行うことも できます。 当院では平成25年3月に導入し、子宮頸がんおよび前立腺がんの治療に使用しています。現在ラルスに よる治療が行えるのは、北信地域では当院のみとなっています。 ●手 術 支 援 ロ ボ ッ ト 「 ダ ・ヴ ィ ン チ S i 」 ロボット型内視鏡手術支援システムである「ダ・ヴィンチ」は、平成 24年4月に前立腺がん摘出手術に対して保険適用となりました。 当院では平成25年4月に最新鋭の「ダ・ヴィンチSi」を導入し、前立 腺がんのロボット支援手術を実施しています。また、平成26年3月 には、県内で初めて直腸がんに対するロボット支援手術を実施し ました。 今後は、その他のさまざまな臓器への保険適用拡大も期待されて います。 前立腺がんの治療 ラルス装置、ダ・ヴィンチの新たな導入により、当院では下の図のように局所前立腺がんに対しリスクや患者さまの状態に応じたオー ダーメイドの治療法を行うことができるようになり、さらに質の高い医療を提供することが可能になりました。 <手術> ダ・ヴィンチを用いたロボット支援手術は、平成26年11月現在では週に約2∼3例のペースで実施しています。 <放射線治療> ラルス装置を用いた「HDR(高線量率組織内照射)」は、全国的に見ても限られた施設でのみ提供されており、県内では当院でのみ対応して います。 (平成26年11月現在) 平成16年から実施している「LDR(永久挿入密封小線源治療)」は年間約80∼100例の症例があり、全国的にもトップクラスの症例数を実施 しています。 また、上記治療を受けられない局所の前立腺がんには、リニアック装置を用いて標的臓器のみに集中的に放射線を照射する「IMRT(強度 変調放射線治療)」を実施しています。 経過観察 ●放射線治療 治療法の選択について LDR 低リスク 限局がん 前立腺 (前立腺内にとどまっている) 高リスク 前立腺の周囲に とどまっている 前立腺 転移がある 他の臓器に 転移 (骨、 リンパ節など) 前立腺 がん細胞 高齢の方 ●放射線治療 通常の外照射 中間リスク がん細胞 がん細胞 永久挿入密封小線源療法 + LDR 永久挿入密封小線源療法 手 術 ●放射線治療 IMRT 強度変調放射線治療 または 高線量率組織内照射 HDR (遠隔操作密封小線源治療) ●薬物療法 ホルモン療法 子宮頸がんの治療 ラルス装置の導入により、当院では平成25年3月から子宮頸がんの放射線治療として腔内照射を行えるよ うになりました。リニアックによる外部照射とラルスによる腔内照射を組み合わせて治療することで治療 成績が向上し、手術とほぼ同程度の結果が得られるというデータが報告されています。 ●手 術 ロボット支援手術 ●手 術 切開全摘手術 (開腹手術) 当院 の 院 内がん登 録 について 当院は平成19年1月31日付で地域がん診療連携 拠点病院の指定を受け、現在まで7年間分の情 報を国立がん研究センターに提供しています。 平成19年では1,307件だった登録件数ですが、平 成25年には1,792件の登録となり、485件増加し ました。当院の特徴としては、他施設に比べ、泌 尿器科系の登録が極めて多いことが挙げられま す。また、平成19年登録件数を100%とした場合 の伸び率では卵巣・卵管が227%、子宮・子宮頸部 が167%、乳房が150%など、女性特有のがんにつ 1636 1800 1600 1400 1307 1337 1410 1393 1430 1792 244 その他 泌尿器 428 卵巣・卵管 子宮・子宮頸部 1200 25 140 1000 53 30 45 800 170 600 膵 胆嚢・胆管 食道 乳房 171 気管支・肺 33 肝 400 237 大腸 胃 200 216 0 いて伸び率が高くなっています。 がん診療に携わる有資格者 院内がん登録年別推移(提出件数) 2000 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成 26 年 12 月 1 日現在(名)【重複あり】 ●日本臨床検査医学会 検査専門医 1 ●がん治療認定医機構 がん治療認定医(歯科口腔外科) 1 ●日本臨床検査医学会 臨床検査管理医 1 ●がん治療認定医機構 暫定教育医 6 ●日本臨床細胞学会 認定細胞診専門医 2 ●がん治療認定医機構 暫定教育医(歯科口腔外科) 1 ●肺がん CT 検診認定機構 肺がん CT 検診認定医師 2 ●日本医学放射線学会 放射線治療専門医 1 ●日本看護協会 がん看護専門看護師 1 ●日本臨床腫瘍学会 暫定指導医 1 ●日本看護協会 緩和ケア認定看護師 2 ●日本乳癌学会 乳腺専門医 2 ●日本看護協会 がん化学療法看護認定看護師 2 ●日本緩和医療学会 緩和医療専門医 1 ●日本看護協会 がん性疼痛看護認定看護師 1 ●日本緩和医療学会 暫定指導医 1 ●日本看護協会 乳がん看護認定看護師 1 ●日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医 3 ●日本看護協会 手術看護認定看護師 1 ●日本内視鏡外科学会 消化器・一般外科領域技術認定医 3 ●放射線治療品質管理士 1 ●日本内視鏡外科学会 泌尿器科領域技術認定医 1 ●放射線治療専門放射線技師 2 ●日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定制度認定医 1 ●日本医学放射線学会 認定医学物理士 1 ●日本臨床細胞学会 認定細胞検査士 4 ●国際細胞学会 認定国際細胞検査士 3 ●日本乳腺甲状腺診断会議乳がん検診従事者 A 判定 2 ●日本医療薬学会 がん専門薬剤師 2 ●がん治療認定医機構 がん治療認定医 ●マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 検診マンモグラフィ読影認定臨床放射線医師 A 評価 14 1 ●マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 検診マンモグラフィ読影認定臨床放射線医師 B 評価 1 ●日本形成外科学会皮膚腫瘍外科指導専門医 1 ●日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 1 ●日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医 1 ●日本病理学会 病理専門医 2 ●日本病態栄養学会・日本栄養士会 がん病態栄養専門管理栄養士 1 ●日本病理学会 病理専門医研修指導医 1 ●国立がんセンターがん対策情報センター 院内がん登録実務者研修中級課程修了 1 他 長野市民病院のチーム医療 当院では、さまざまなチームが協力・連携しながら活躍しています。 緩和ケアチーム 口腔ケアチーム 緩和ケアチームは、がん患者さまのお体の症状をコントロー ルする医療者の支援を行っています。また、緩和ケア外来では 患者さまやご家族に直接診察を行っています。そして、院内の がん相談支援センターやがん看護外来などの部署と連携し、 心のケア・仕事と治療の両立や医療費のご相談といったトー タル的な支援を目指しています。 口腔ケアチームは、周術期に出現する口腔内の不快症状を少 しでも和らげ、原疾患の治療に専念して頂けるように活動し ています。最も大切なのは、口腔内の細菌を減らすことですの で、その為に口の中を衛生的に保つサポートをさせて頂きま す。 がん治療サポートチーム がん治療サポートチームは、病院長直轄のがん治療センター の下部チームとして、がん治療に関する有害事象に早期に気 付いて対処し、より総合的で円滑ながん治療を行うために活 動しています。医師、看護師、薬剤師から成るチームでラウン ドを行い、必要に応じて各専門部署へ診療依頼を行います。 N S T:Nutrition Support Team (栄養サポートチーム) NSTは、多職種で構成され、それぞれが専門的な知識を持ち寄 り、患者さまの状態に合わせた質の高い栄養管理を実践する医 療チームです。 栄養管理は治療の根本に関わるものであり、患者さま一人ひと りの栄養状態を適切に判断し改善することで、合併症予防、 QOL(生活の質)向上、さらには在院日数の減少などに貢献して います。 R S T :Respiratory Support Team (呼吸サポートチーム ) RSTは、人工呼吸器を含む酸素療法中の患者さまに対して、自 立した呼吸機能へ回復できるよう手助けすることを目的に活 動しています。VAP(人工呼吸器関連肺炎)予防対策、人工呼吸 器モードの推奨、自発呼吸の評価、患者さまのポジショニング や環境整備などのサポートをしています。様々な専門職から 成るチームとして協働することにより、患者さまが早期に回 復できる可能性を広げます。また、各部署にリンクナースを配 置し、安全で継続した呼吸療法を行えるようにしています。そ の他、院内勉強会や広報の発行を行い、病院全体の呼吸療法の 向上にも寄与しています。 褥瘡対策チーム 褥瘡対策チームは、構成メンバーそれぞれの専門知識を生か し、褥瘡予防、治療にあたっています。褥瘡回診では、患者さま の安楽につながるよう様々な視点から捉え、カンファレンス を行っています。 また、体圧分散マットレス等の整備、チーム内での症例検討や 院内勉強会を開催することにより、病院全体として褥瘡の発 生や保有率を下げるよう活動を行っています。 医療安全チーム 医療安全チームでは、 「医療事故ゼロ」を目指し、患者さまが安心 して安全な医療を受けられる環境を整えるため、多職種が協力 して活動しています。 医療事故の防止に向けて、インシデント事例の詳細な把握・検 討、院内全体での情報共有、5Sラウンド、研修等を行っていま す。 I C T:Infection (感染対策チーム ) Control Team ICTでは、病院として患者さまへ安心・安全な医療を提供するこ とができるよう感染予防対策を推進しています。 抗菌薬の適正使用や院内ラウンドなど感染対策のアドヒアラン ス向上を図るべく、チーム活動を行っています。 CDE チーム :Certified Diabetes Educator (糖尿病療養指導チーム) 専門医の指示のもと、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技 師、理学療法士、歯科衛生士等がひとつのチームとなり、高度で 幅広い専門知識を用いてチーム全体で糖尿病患者さまの療養 を支援しています。チームには糖尿病看護認定看護師や糖尿病 療養指導士等、糖尿病療養のエキスパートが配置されていま す。 クリニカルパス クリニカルパス委員会にて、構成スタッフそれぞれの専門分野 において、科学的根拠に基づいた処置や治療を一定の質を保ち ながら行えるよう、パスの検討、作成、評価、改善を行っていま す。 患者さまやご家族の方にわかりやすい表現でパスを作成するこ とは、病気や診療計画のより円滑なインフォームドコンセント (説明と同意)につながります。 がん専門薬剤師 がん薬物療法認定薬剤師 がん薬物療法等について高度な知識・ 技術と臨床経験を備えた薬剤師が、質 の高いがん薬物療法を提供していま す。 がんに関する認定看護師 各認定分野において熟練した看護技術 や経験・知識を活用し、水準の高い看護 を実践しています。各認定看護師は、院 内の様々ながん治療の現場で、スペシャ リストとして指導的な役割を果たして います。 長野市民病院のがん診療病棟 3階南病棟をがん診療病棟とし、がん診療と緩和ケアを 包括的に行うパラレルケアを行っています。 がん 診 療 病 棟 がん治療と緩和ケアを包括的に行い、患者さまのQOL(生 活の質)を向上させる病棟として平成20年7月に開設し (50床)、がんの化学療法、放射線治療とがんの痛みを中心 とした症状コントロールをパラレルに実践しています。 密封小線源治療やRALS(遠隔操作密封小線源治療)につい ては、県内全域から紹介患者を受け入れています。 ●多職種による合同カンファレンスの実施 緩和ケア専門医師(専従医)や、がん看護専門看護師、緩和ケア認 定看護師、がん専門薬剤師、理学療法士、管理栄養士、MSWなど、多 職種による合同カンファレンスを毎週開催しています。 それぞれの専門的立場で、療養や薬剤、リハビリ、退院後の生活に 関する状況確認や助言を行い、患者さまの意思決定や療養生活の サポートを行っています。 PDCAサイクル Plan 中期計画に基づき各年度の病院の運営方針(目標)を設定 Plan Act 病院の運営方針に基づき各部署における目標を バランスト・スコアカードを用いて設定 Do Do Check 長 野市民病院中期計画を策定 Check 目 標 に 基 づ い た 診 療 、行 動 各部署の目標に対する評価を年2回行う QI(クオリティ・インディケータ)事業への参加、及び評価 〈参加事業〉●日本病院会 QIプロジェクト ●全国自治体病院協議会 医療の質評価・公表推進事業 ●国立がん研究センター 院内がん登録とDPCを使ったQI研究 計画の達成状況や取り組み状況を 病院長から全職員へ報告(四半期に1回) Act よりよい医療へ反映/患者満足度向上 医療関係の みなさまに向けて 当院では、地域がん診療連携拠点病院として、院 内外の医療従事者を対象とした研修会や勉強会を 開催しています。 キャンサーボード 緩和ケアセミナー 複数の診療科の医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師や放射線技師等が 一堂に集まり、個々の症例に対するがん患者さまの状態に応じた適切 な治療法を包括的に議論する検討会を、定期的に開催しています。 がん診療公開講座 がん医療に携る医師を対象とした緩和ケアに関する研修(厚生労 働省が定めるプログラムに準拠)を年1回開催しています。 がん化学療法看護 公開勉強会 地域のかかりつけ医や医療従事者向けの講演会を年2回開催して います。 「抗がん剤のこんな時どうするの?」をテーマに年2回の公開勉強 会を開催しています。勉強会後に外来化学療法センター内の見学 会もあります。 がん治療薬院内勉強会 がん寺子屋勉強会 各種がんの早期診断や治療法、緩和ケアおよび放射線治療・化学療 法と副作用への対応等について、各テーマごとに当院の専門科の 医師や薬剤師等が講義を担当しています。 H26年度 開催実績 がん治療薬について、新薬導入時などにあわせた院内勉強会を開 催しています。 H26年度 開催実績 5/22「化学療法と副作用 (G-CSF製剤の使い方)」 8/21「乳がん」 6/5 「胃がん」 9/18「がん周術期の口腔ケア」 6/19「食道がん」 10/2「肺がん」 7/3 「大腸がん」 10/16「膵臓がん」 7/17「アドバンスケアプランニング」 10/30「肝臓がん」 7/31「放射線療法と副作用」 11/13「泌尿器科がん」 9/4 「口腔がん」 4/23 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出 治療薬「注射用デクスラゾキサン」について 5/28 進行再発結腸・直腸がん治療薬 「トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠」について 6/23 HER2陽性乳がん治療剤「トラスツズマブ エムタンシン (遺伝子組換え)注」について 患 者 さ ま・ご 家 族 、地 域 住 民 へ の 情報提供体制 当院では、地域がん診療連携拠点病院として、患者さま・ご家 族や地域住民を対象とした健康講座や勉強会を開催しています。 市民健康講座 地域がん診療連携拠点病院として、地域の皆さ まが病気や医療について知識を深め、健康増進・ 維持に役立てていただけるよう、定期的に市民 健康講座を開催しています。外部講師の先生、当 院医師・看護師による講演を行っています。 (年 3回) タレント 原千晶 先生 がん教室 がん治療中の副作用による様々な症状 についての対応策や、食事の取り方を中 心に学べる時間です。退院後も安心して 生活していただけるよう、看護師・管理 栄 養 士・薬 剤 師・医 療 ソ ー シ ャ ル ワ ー カーなどを交えて、生活の不安や工夫に ついて話をすることができます。患者さ まご本人だけでなく、ご家族にもご参加 いただいています。 リレー・フォー・ライフ リレー・フォー・ライフとは、がん征圧を 目指し、がん患者さまやご家族、支援者 らが24時間交代で歩き、勇気と希望を 分かち合うチャリティーイベントです。 「がんと24時間闘い続ける患者さまや ご家族に寄り添い、ともに歩んでいきた い。」そうしたメッセージを込めて、長野 市民病院も地域がん診療連携拠点病院 として積極的に協力・参加しています。 すまいるサロン 実 績 H25年度 100 月間来室者数 1回あたり来室者数 80 59 60 40 20 0 40 49 52 58 53 57 35.0 30.0 25.0 51 47 49 47 31 20.0 15.0 12.3 13.0 11.6 13.3 11.4 12.8 11.8 12.3 11.8 10.0 10.0 11.8 10.3 5.0 H25.4 H25.5 H25.6 H25.7 H25.8 H25.9 H25.10 H25.11 H25.12 H26.1 H26.2 H26.3 0.0 開催回数:50回(毎週木曜日 11:00∼15:00) すまいるサロンは、「同じ体験を持つ方々と話をした い」との思いから発足した、がん患者さまやご家族が 笑顔になれるおしゃべり場です。サロンのボラン ティア・スタッフは、がんの体験者やご家族です。毎 週木曜日の11:00から15:00に「がん相談支援セン ター」で開催しています。 延べ来室者数:593人 1回あたり来室者数:11.9人 ひまわりの会 実 績 H25年度 第1回例会 H25.4.26 講演会「心に響く音楽とおしゃべり」 (参加者36名) 第2回例会 H25.7.23 講演会「リンパ浮腫ケアを学ぼう」 「乳がん治療の お薬を知ろう」 (参加者38名) 第3回例会 H25.9.28(土)∼9.29(日) リレー・フォー・ライフ信州長野2013 参加(参加者15名) 乳がん患者さま主体の会です。年に5∼6回の例会 (講演会や医師への質問コーナーや下着の案内など) が開催され、会報が発行されています。悩みを打ち明 けたり、励まし合ったり、勉強したり、趣味を広げた り、有意義な会になっています。病院内にとどまらず、 新年会やリレー・フォー・ライフへの参加、スポーツク ラブや温泉に行くなど活動範囲を広げています。 新年会 H26.1.25(土) ホテルメルパルク長野にて (参加者18名) 第5回例会 H26.2.25 参加型話し合い 「つらい気持ちをどう乗り越えるか」 (参加者17名) オアシスの会 実 績 H25年度 第1回定例会(第31回オアシスの会)H25.6.9 オアシスの会 総会(参加者39人) 活動報告・決算報告・次年度活動予定、交流会 第2回定例会(第32回オアシスの会)H25.9.14 展示会(参加者53人) 業者によるストーマ用品の説明・展示会、スキン ケア用品の即売会 第3回定例会(第33回オアシスの会)H25.12.14 お楽しみ会(参加者44人) クリスマスかくし芸大会、交流会 人工肛門(コロストーマ)や人工膀胱(ウロストーマ) を持つ患者さま(オストメイト)の会です。年4回の 定例会では、日頃の生活の中での様々な悩みや工夫 についての情報交換をしています。仲間に会い、お互 いを励まし、元気をもらう会です。 第4回定例会(第34回オアシスの会)H26.3.8 講演会(参加者45人) 皮膚科医師および皮膚・排泄ケア認定看護師によ る講演会、交流会 診療科目(標榜科目)30科 病床数 一般病床400床 地域がん診療連携拠点病院 地域医療支援病院 臨床研修病院 卒後臨床研修評価認定病院(6年間) 病院機能評価認定病院 人間ドック健診施設機能評価認定病院 TEL.026-295-1199 がん相談ダイヤル FAX.026-295-1148 TEL.026-295-1292(直通) 月∼金 8:30∼17:15 (祝日、国民の休日、年末年始(12/29∼1/3)を除く) http://www.hospital.nagano.nagano.jp/ 長野市民病院