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AN-724 - Analog Devices

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AN-724 - Analog Devices
AN-724
アプリケーション・ノート
ADUC702X シリアル・ダウンロード・プロトコル
Aude Richard 著
はじめに
内蔵ローダはデバイスの UART を設定して、特定のシリアル・ダ
ウンロード・プロトコルを使ってホスト・マシンと交信して、デー
タのフラッシュ/EE メモリ・スペースへのダウンロードを管理しま
す。ダウンロードするプログラム・データのフォーマットでは、リ
トル・エンディアンを使用する必要があります。 シリアル・ダウ
ンロード・モードは、デバイスの標準電源定格内(2.7 V~3.6 V)で
動作させる必要があります。特定のプログラミング用高電圧は、
チップ内で発生するため不要です。図 1 に、評価ボードでシリア
ル・ダウンロード・モードを開始させる方法を示します。
MicroConverter®製品ファミリーの重要な機能は、コードを内蔵の
フラッシュ/EE プログラム・メモリへイン・サーキットでダウン
ロードするデバイスの機能です。イン・サーキットでのコードのダ
ウンロードは、デバイスの UART シリアル・ポートを使用して行
われるため、一般にシリアル・ダウンロードと呼ばれています。シ
リアル・ダウンロード機能を使うと、ターゲット・システムに部品
を直接ハンダ付けした状態で再書込みできるため、外付けのデバイ
ス書込器が不要になります。また、シリアル・ダウンロード機能を
使うと、現場でのシステム・アップグレードも可能になります。必
要なものは、MicroConverter に対するシリアル・ポート・アクセス
だけです。これは、メーカーがデバイスを交換することなく、現場
でシステム・ファームウェアをアップグレードできることを意味し
ます。
また、アナログ・デバイセズは QuickStartTM 開発ツールとして、
Windows®プログラム(C:\ADuC702x\Download\ ARMWSD.exe)も提
供しています。このプログラムを使うと、ユーザーはコードを PC
シリアル・ポート COM1、COM 2、COM 3、または COM 4 から
MicroConverter へダウンロードすることができます。ただし、ホス
ト・マシンがこのアプリケーション・ノートで説明するシリアル・
ダウンロード・プロトコルに準拠する限り、任意のマスター・ホス
ト・マシン(PC、マイクロコントローラ、または DSP)から
MicroConverter へダウンロードできることに注意してください。
すべての MicroConverter デバイスは、パワーオン時または外部リ
セット信号入力時の特定のピン設定を使って、シリアル・ダウン
ロード・モードに設定することができます。ADuC702x ファミリー
の MicroConverter の場合、抵抗(1 kΩ )を介して P0.0 入力ピンをロー
レベルに接続します。パワーオン時またはハード・リセット入力時
にデバイスがこの状態がを検出すると、デバイスはシリアル・ダウ
ンロード・モードになります。このモードで、内蔵の常駐ローダ・
ルーチンが起動されます。
(B) PUSH S2
S3
S2
(RESET = 1) (SERIAL DOWNLOAD = 1)
(C) PUSH S3
S3
S2
(RESET = 1) (SERIAL DOWNLOAD = 0)
(D) RELEASE S3
S3
S2
(RESET = 1) (SERIAL DOWNLOAD = 0)
S3
S2
(RESET = 0) (SERIAL DOWNLOAD = 0)
(E) RELEASE S2
S3
S2
(RESET = 1) (SERIAL DOWNLOAD = 1)
04844-001
(A) S3 AND S2 RELEASED
図 1.MicroConverter のシリアル・ダウンロード・モード設定
Rev. B
本
社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル
電話 03(5402)8200
大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪 MT ビル 2 号
電話 06(6350)6868
AN-724
このアプリケーション・ノートでは、MicroConverter シリアル・ダ
ウンロード・プロトコルについて説明し、エンド・ユーザーがこの
プロトコル(組込み型ホストと組込み型 MicroConverter との間)を理
解して、エンド・ターゲット・システムに実装できるようにします。
紛らわしさを避けるため、
用語「ホスト」は、データを MicroConverter
へダウンロードするホスト・マシン(PC、マイクロコントローラ、
または DSP)を意味するものと定義します。用語「ローダ」は、
MicroConverter に内蔵のシリアル・ダウンロード・ファームウェア
を意味するものと定義します。
MicroConverter ローダの実行
ADuC702x MicroConverter 上のローダは、抵抗 (代表値 1 kΩ のプル
ダウン)を介してシリアル・ダウンロード P0.0 ピンをロー・レベル
に接続してデバイスをリセット (デバイス自体の RESET 入力ピン
をトグル、または電源のオン/オフによりデバイスをリセット)する
ことにより起動されます。
物理インターフェース
ローダは起動されると、ホストから同期用のバック・スペース(BS =
0x08)文字が送信されてくるのを待ちます。ローダはこの文字のタ
イミングを計測して、その結果を使って、MicroConverter の UART
シリアル・ポートを、送信または受信、ホストと同じボー・レート、
8 データ・ビット、パリティなしに設定します。ボー・レートは、
600 bps~115200 bps の範囲である必要があります。ローダはバッ
ク・スペースを受信すると、直ちに次に示す 24 バイト ID データ・
パケットを送信します。
15 バイト = 製品識別マーク
3 バイト = ハードウェアとファームウェアのバージョン番号
次のフィールドは、データ 1 (コマンド機能)を含む合計データ・バ
イト数です。最小データ・バイト数は 5 で、これはコマンド機能と
アドレスに該当します。最大許容データ・バイト数は 255 で、これ
はコマンド機能、4 バイト・アドレス、250 バイトのデータに該当
します。
コマンド機能フィールド(データ 1)
コマンド機能フィールドは、データ・パケットの機能を指定します。
5 個の有効コマンド機能の内の 1 つを指定します。5 個のコマンド
機能は、5 文字の ASCII 文字(E、W、V、P、または R)の内の 1 文
字で指定されます。データ・パケット・コマンド機能の一覧を表 2
に示します。
アドレス・フィールド(データ 2~データ 5)
アドレス・フィールドには、32 ビットのアドレス、h、u、m、l が
含まれ、MSB が h ロケーションに、LSB が l ロケーションに配置さ
れます。
データ・バイト・フィールド(データ 6~データ 255)
ユーザー・コードがバイト単位でダウンロードされ検証されます。
データ・バイト・フィールドには、最大 250 のデータ・バイトが含
まれます。
データは通常 Intel®拡張 16 バイト・レコード・フォーマット(この
アプリケーション・ノートの終わりに記載する(Intel 拡張 16 進
フォーマット・セクションを参照)から分解されて、ホストにより
ローダへ送信する前に、表 2.に説明するデータ・パケットの一部と
して再組立されます。
チェックサム・フィールド
4 バイト = 予約済み
データ・パケットのチェックサムがこのフィールドに書き込まれま
す。バイト数フィールドの 16 進値と、データ 1~データ 255(存在
するだけの数)のフィールドの 16 進値の和から、2 の補数チェック
サムが計算されます。チェックサムは、この和の 2 の補数値になり
ます。したがって、データ・バイト数からチェックサムまでのすべ
てのバイトの和の LSB は 0 である必要があります。これは、数学
的に次のように表されます。
2 バイト = ライン・フィードとキャリッジ・リターン
“ADuC702x” IS
THE PRODUCT ID
データ・バイト数フィールド
“–62” CORRESPONDS
TO THE MEMORY
SIZE MODEL
“ADuC702x<space><space><space>-62<space>I31<space><space><space><space><\n><\r>”
255
CS = 0x00 − (データ・バイト数 +
04844-002
“I31” MEANS A SILICON REV. I AND
A VERSION 3 LOADER. “1” IS THE
LOADER’S VERSION REVISION NUMBER.

データ・バイト N)
N 1
別の表現では、開始 ID を除くすべてのバイトの 8 ビット和は、00h
になります。
図 2.ID データ・パケット
データ・トランスポート・パケット・フォーマットの定義
コマンドの確認
UART の設定が終わると、データ転送が開始できます。一般的な通
信データ・トランスポート・パケット・フォーマットを表 1 に示し
ます。
ローダ・ルーチンは、各データ・パケットに対して BEL (0x07)を否
定応答として、または ACK (0x06)を肯定応答として発行します。
パケット開始 ID フィールド
最初のフィールドはパケット開始 ID フィールドで、2 個の開始文
字(0x07 と 0x0E)が含まれます。これらのバイトは固定で、ローダ
が有効なデータ・パケットの開始を検出する際に使います。
ローダが不正なチェックサムまたは無効なアドレスを受信したと
き、ローダは BEL を送信します。古いデータ(未消去)の重ね書きで
新しいデータをダウンロードしても、ローダは警告を発しません。
PC インタフェース側は、コードがダウンロードされるすべてのロ
ケーションが消去されることに注意する必要があります。
表 1. データ・トランスポート・パケットのフォーマット
Start ID
0x07
Rev. B
0x0E
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Data x (x = 6 to 255)
Checksum
5 to 255
E, W, V, P, or R
h, u, m, l
xx
CS
-2-
AN-724
表 2.データ・パケット・コマンドの機能
Command Functions
Command Byte in Data 1 Field
Loader Positive Acknowledge
Loader Negative Acknowledge
Erase Page
Write
Verify
Protect
Run (Jump to User Code)
E (0x45)
W (0x57)
V (0x56)
P (0x50)
R (0x52)
ACK (0x06)
ACK (0x06)
ACK (0x06)
ACK (0x06)
ACK (0x06)
BEL (0x07)
BEL (0x07)
BEL (0x07)
BEL (0x07)
BEL (0x07)
表 3.フラッシュ/EE メモリ消去コマンド
Start ID
0x07
0x0E
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Data 6 (pages)
Checksum
6
E (0x45)
h, u, m, l
x pages (1 to 124)
CS
表 4.フラッシュ/EE メモリ・プログラム・コマンド
Start ID
0x07
0x0E
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Data x (x = 1 to 250)
Checksum
5+x
(6 to 255)
W (0x57)
h, u, m, l
Data bytes
CS
表 5. 検証コマンド、ビット変更
Original Bits
Transmitted Bits
Restored Bits
7
6
5
4
3
2
1
0
4
3
2
1
0
7
6
5
7
6
5
4
3
2
1
0
消去コマンド
検証コマンド
消去コマンドを使うと、ユーザはデータ 2~データ 5 で指定される
特定のページのフラッシュ/EE を消去することができます。アドレ
スは、ページの開始に丸め処理されます。このコマンドには消去す
るページ数も含まれます。アドレスが 0x00000000 で、かつページ
数が 0x00 の場合、ローダはこのコマンドをマス消去コマンドと解
釈して、ユーザー・コード・スペース全体とフラッシュ/EE 保護を
消去します。消去コマンドのデータ・パケットを表 3 に示します。
検証コマンドは、表 5 に示すようにほとんど書込みコマンドと同じ
です。コマンド・フィールドは V (0x56)ですが、エラー検出のチャ
ンスを増やすために、データ・バイトが変更されています。ローレ
ベルの 5 ビットがハイ側へ 5 ビット・シフトされ、ハイレベルの 3
ビットがロー側へ 3 ビット・シフトされます。
書込みコマンド
書込みコマンドには、データ・バイト数(5 + x)、コマンド、書き込
む先頭データ・バイトのアドレス、書き込むデータ・バイトが含ま
れます。バイトは、フラッシュ/EE に書き込まれます。チェックサ
ムが不正または受信したアドレスが範囲外の場合、ローダは BEL
を送信します。ホストがローダから BEL を受信すると、ダウンロー
ド・プロセスが停止されて、ダウンロード・シーケンス全体が再起
動されます。
Rev. B
ローダが正しいビット・シーケンスに戻した後に、その値をフラッ
シュ内の値と比較します。比較結果が正しく、かつチェックサムが
正しい場合は、ACK (0x06)が返されます。その他の場合には、BEL
(0x07)が返されます。
-3-
AN-724
フラッシュ/EE メモリ保護コマンド
このコマンドを使うとき、次の 3 ステップ・シーケンスに従います。
1.
コマンドを開始します。タイプは 0x00 である必要があり、
「huml」は任意の値にします。
2.
保護対象ページ・グループのアドレスを送信します。各ペー
ジ・グループに対してこのステップを繰り返します。タイプ
を 0x0F にします。
3.
「huml」内でキーを送信し、タイプを 0x01 にします。FEEADR
に値「hu」を、FEEDAT に値「ml」を、それぞれ設定します。
キーが必要ない場合は、「huml」を 0xFFFFFFFF にします。
たとえば、ページ 0~ページ 7 を書込みから保護する場合は、読み
出し保護を設定して、キー0x12345678 を使います。次のコマンド
を送信します。
1.
シーケンス開始:
0x07 0x0E 0x06 0x50 0xXXXXXXXX 0x00 CS
2.
保護:
0x07 0x0E 0x06 0x50 0x00000000 0x0F CS
(ページ 0~ページ 3)
0x07 0x0E 0x06 0x50 0x00000200 0x0F CS
(ページ 4~ページ 7)
0x07 0x0E 0x06 0x50 0x0000F800 0x0F CS
(読み出し保護)
3.
キーおよびシーケンス終了:
0x07 0x0E 0x06 0x50 0x12345678 0x01 CS
保護コマンドはローダのレビジョン 0 以後のバージョンのみで使
用可能なことに注意してください。レビジョン 0 では、FEEADR =
ml かつ FEEDAT = ml です。ローダのそれより後バージョンでは、
FEEADR = hu です。
このプロトコルでは、フラッシュ/EE メモリを非保護にすることは
できません。保護を解除するときは、マス消去コマンドを使います。
リモート実行コマンド
ホストがすべてのデータ・パケットをローダへ送信した後、ホスト
は最後のパケットを送信して、ローダにコードの実行を開始させる
ことができます。
2 種類のリモート実行があります。

ソフトウェア・リセット(h、u、m、l = 0x1)

ユーザー・コードへのジャンプ(h、u、m、l = 0x0)
表 8 に、リモート実行またはリセットの例を示します。ソフトウェ
ア・リセットによりすべてのペリフェラルがリセットされるため、
ソフトウェア・リセットの実行が推奨されます。
表 6.フラッシュ/EE メモリ検証コマンド
Start ID
0x07
0x0E
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Data x (x = 1 to 250)
Checksum
5+x
(6 to 255)
V (0x56)
h, u, m, l
Modified data bytes
CS
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Data 6
Checksum
0x06
P (0x50)
h, u, m, l
Type
CS
表 7.フラッシュ/EE メモリ保護コマンド
Start ID
0x07
0x0E
表 8.リモート実行コマンド
Packet ID
No. of Data Bytes
Data 1 CMD
Data 2 to Data 5 (Address: h, u, m, l)
Checksum
0x07
0x05
R (0x52)
h, u, m, l = 0x1
0xA8
Rev. B
0x0E
-4-
AN-724
Intel 拡張 16 進フォーマット
Intel 拡張 16 進フォーマットは、表示可能 ASCII または印字可能
フォーマットのマシン言語を保存する規格です。Hex 8 フォーマッ
トに似ていますが、Intel 拡張リニア・アドレス・レコードは、デー
タ・アドレスの上位 16 ビットも設定する出力である点が異なりま
す。各データ・レコードはコロンで始まり、その後ろに 8 文字のプ
レフィックスが続き、2 文字のチェックサムで終わります。各レ
コードのフォーマットは次の通りです。
ドの絶対メモリ・アドレスに影響を与えます。拡張セグメント・ア
ドレス・レコードはコロン開始文字 (:)で始まり、その後ろにバイ
ト・カウント (02)、アドレス (0000)、レコード・タイプ (02)、セグ
メント・ベース・アドレスのビット 4~ビット 19 で表した 4 文字
の 16 進値、2 文字のチェックサムが続きます。たとえば、
:02 0000 02 1000 55
開始セグメント・アドレス・レコード
:BBAAAATTHHHH....HHHCC
ここで、
BB は、2 桁の 16 進バイト・カウントで、行に表示されるデータ・
バイト数を表します。
AAAA は、4 桁の 16 進アドレスで、データ・レコードの開始アド
レスを表します。
TT は、次に示す 2 桁のレコード・タイプです。
レコード・タイプ 03 (開始セグメント・アドレス・レコード)は、
オブジェクト・ファイルの実行開始セグメント・ベース・アドレス
のビット 4~ビット 19 を指定します。たとえば、
:02 0000 03 0000 55
拡張リニア・アドレス・レコード
レコード・タイプ 04 (拡張リニア・アドレス・レコード)は、ディ
ステネーション・アドレスのビット 16~ビット 31 です。オブジェ
クト・ファイル内の任意の場所に登場することができ、変更される
まで、ファイル内のすべての後続データ・レコードの絶対メモリ・
アドレスに影響を与えます。拡張リニア・アドレス・レコードはコ
ロン開始文字 (:)で始まり、その後ろにバイト・カウント (02)、ア
ドレス (0000)、レコード・タイプ (04)、ディステネーション・アド
レスのビット 16~ビット 31 で表した 4 文字の 16 進値、2 文字の
チェックサムが続きます。たとえば、
00–データ・レコード
01–End of file レコード
02–拡張セグメント・アドレス・レコード
03–開始セグメント・アドレス・レコード
04–拡張リニア・アドレス・レコード
05–開始リニア・アドレス・レコード
:02 0000 04 FFFF 55
HH は、2 桁の 16 進データ・バイトです。
CC は、2 桁の 16 進チェックサムで、レコード内のすべての先行バ
イト(プレフィックスを含む)の和の 2 の補数です(すべてのバイト
和+チェックサム= 00)。
開始リニア・アドレス・レコード
レコード・タイプ 05 (開始リニア・アドレス・レコード)は、オブ
ジェクト・ファイルの実行開始アドレスのビット 16~ビット 31 を
指定します。たとえば、
:02 0000 05 0000 55
レコード・タイプ
データ・レコード
レコード・タイプ 00 (データ・レコード)は、ファイルのデータを
含むレコードです。データ・レコードはコロンの開始文字(:)で始ま
り、その後ろにバイト・カウント、先頭バイトのアドレス、レコー
ド・タイプ(00)が続きます。データ・バイトは、レコード・タイプ
の後ろに続きます。チェックサムがデータ・バイトの後ろに続き、
レコード内の先行バイト(開始文字を除く)の 2 の補数です。デー
タ・レコードの例を次に示します(スペースは分かり安くするため
に挿入してあるので、実際のオブジェクト・ファイルからは除く必
要があります):
:10 0000 00 FFFEFDFCFBFAF9F8F7F6F5F4F3F2F1F0 FF
:05 0010 00 0102030405 AA
エンド・レコード
レコード・タイプ 01 (エンド・レコード)は、データ・ファイルの
終わりを示します。エンド・レコードはコロン開始文字(:)で始まり、
その後ろにバイト・カウント(00)、アドレス(0000)、レコード・タ
イプ(01)、チェックサム(FF)が続きます。たとえば、
:00 0000 01 FF
拡張セグメント・アドレス・レコード
レコード・タイプ 02 (拡張セグメント・アドレス・レコード)は、
セグメント・ベース・アドレスのビット 4~ビット 19 を指定しま
す。オブジェクト・ファイル内の任意の場所に登場することができ、
それが変更されるまで、ファイル内のすべての後続データ・レコー
Rev. B
-5-
AN-724
簡単な Intel Hex オブジェクト・ファイル
拡張リニア・アドレス、拡張セグメント・アドレス、データ、エン
ドの各レコードを含む Intel Hex オブジェクト・ファイルの例を次
に示します。
制限
:020000040108EA
:0200000212FFBD
レコード・タイプ 02、タイプ 03、タイプ 04、タイプ 05 は実
装されていません。サポートされていないレコードは無視さ
れます。内部フラッシュをアクセスするときは、アドレスの
下位 16 ビットのみを使います。そのため、上位 16 ビットが
変化するレコード・タイプを無視するのが安全です。
:0401000090FFAA5502
1.
データ・レコードの拡張リニア・アドレス・オフセット(この
例では 0108)。
:02 0000 04 0108 EA
2.
データ・レコードの拡張セグメント・アドレスを求めます(こ
の例では 12FF)。
:02 0000 02 12FF BD
3.
データ・レコード内のデータのアドレス・オフセットを求め
ます(この例では 0100)。
:04 0100 00 90FFAA55 02
4.
データ・レコードの先頭バイトの絶対アドレスを計算します。
+ 0108 0000 リニア・アドレス・オフセット、16 ビット左シフト
+ 0001 2FF0 セグメント・アドレス・オフセット、4 ビット左シフト
+ 0000 0100 データ・レコードからのアドレス・オフセット
= 0109 30F0 先頭データ・バイトの 32 ビット・アドレス
5.
計算:
010930F0 90
010930F1 FF
010930F2 AA
010930F3 55
©2006 Analog Devices, Inc. All rights reserved.
Rev. B
商標および登録商標は各社の所有に属します。
-6-
AN04844-0-4/06(B)-J
:00000001FF
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