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四国中央市環境基本計画(詳細版)
四国中央市環境基本計画 未来の子どもたちのために 自然を大切にするまち 四国中央市 ∼永続可能な未来を目指して∼ 平成19年7月 愛媛県四国中央市 -1- は じ め に 本市は、市の将来都市像を「四国のまんなか をつなぎ 人がまんなか 手 明日をひらく元気都市」に掲げ、市民のみなさまのご 理解、ご協力のもと、強固な製紙産業を基盤として「四国一質感 の高いまちづくり」を目指しております。 一方、今日、私たちを取り巻く生活環境は、大量生産、大量消 費、大量廃棄といった経済社会システムや生活様式の変化に伴い、 ごみ問題や地球温暖化など厳しい状況に直面し、循環型社会への 転換が緊急の課題となっており、現在及び将来の市民が、良好な生活環境の中で暮らすことが できる持続可能なまちづくりが求められております。 このような状況を踏まえ本市では、平成 17年 3 月に、市民・事業者・行政がそれぞれの責 任と自覚を持ち、協働連携して、全ての市民が健康で文化的な生活を営むことができる良好な 環境づくりを目的として、「四国中央市環境基本条例」を制定いたしました。 この「四国中央市環境基本計画」は、環境基本条例に基づき本市が実施すべき環境保全及び 創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的方向を示すものです。21世紀 を迎え、本市の環境の望ましい環境像として掲げた「未来の子どもたちのために にするまち 四国中央市 自然を大切 ∼永続可能な未来を目指して∼」を目標に、市民・事業者のみなさ まと一緒に考え一緒に行動し、望ましい環境像の実現に向けて総合的な各種環境施策に取り組 みます。 みなさまのご理解、ご協力をお願い申し上げます。 最後になりましたが、本計画の策定にあたり、貴重なご意見、ご提言をいただいた村上委員 長をはじめとする市民策定委員会のみなさま、並びにご審議いただきました環境審議会のみな さま、そして、アンケート調査にご協力をいただいた市民、事業者のみなさまに心から感謝申 し上げます。 平成19年7月 四国中央市長 井原 巧 四国中央市環境基本計画の策定に当たって 四国中央市には、製紙・紙加工業などを中心とする「産業の活性化」を達成しながら、法皇 の山並みをはじめとする森林資源と河川から燧灘にかけての貴重な水資源・水産資源などの自 然環境を活用する「自然と共生し、環境を守る」施策の実行が求められています。 また、世界的なエネルギー使用量の急増に伴い、地球温暖化など地球規模の環境問題への対 応が求められており、平成17年度には、市として省エネルギーの可能性について検討し、 「四 国中央市地域省エネルギービジョン」をまとめました。その成果を踏まえ、市の環境衛生課が 要となり、市民策定委員会の場で市民・事業者・行政が協働して、この「四国中央市環境基本 計画」をまとめました。 その中では、望ましい環境像として「未来の子どもたちのために 四国中央市 自然を大切にするまち ∼永続可能な未来を目指して∼」が、掲げられています。まさに市民の目線から みた環境像であり、市民・事業者・行政が協力して取り組む5つのプロジェクトと施策の方向 と内容が提案されています。また、市民と企業の参加する「環境市民会議」と「環境サポータ ー倶楽部」が計画の実施や進行管理に重要な役割を担っています。基本計画の策定、計画の実 施、進行管理の全てに渉って市民と企業の積極的な参加と協力が求められています。 このように、「四国中央市環境基本計画」の達成には、市民・事業者の協力が必須となって います。限られた市の予算の中で、市民・事業者のやる気を引き出し、協力を得ながら計画を 実効あるものにするために、市長のリーダーシップの下、部署の縦割りの弊害にとらわれない、 積極的な行政の取り組みをお願いします。 今後の御健闘と、四国中央市の益々の発展を願う次第です。 平成19年7月 市民策定委員長 村上 幸一 (愛媛大学大学院教授:理工学研究科生産環境工学専攻) 四国中央市環境基本計画 目 第1章 次 四国中央市環境基本計画の基本的事項 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 ‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第1節 環境基本計画とは 第2節 環境基本計画策定の背景及び目的 第3節 環境基本計画の位置付け 第4節 環境基本計画の期間 第5節 環境基本計画の実施主体 第6節 環境基本計画で対象とする環境の範囲 第2章 四国中央市の現状 ‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 ‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 ‥‥‥‥‥・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3 ・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 第1節 四国中央市の概要 第2節 四国中央市の自然的状況 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 6 ‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 1 地形・水系 2 気象 第3節 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 四国中央市の社会的状況 ‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 1 人口及び世帯数 2 産業 3 土地利用 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・‥‥・・・・・・ 13 4 水域利用 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・‥‥・・・・・・ 13 5 交通 6 上水道及び下水道 7 ごみ処理施設 8 文化財 9 観光・レクリエーション施設 第3章 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 ‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 ‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 四国中央市の環境の現状 第1節 地球環境の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 21 1 地球温暖化 2 オゾン層の破壊と保護 3 酸性雨 第2節 9 ‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 生活環境の現状 1 大気環境 2 騒音 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 25 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 3 悪臭 4 有害化学物質 第3節 1 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 31 水環境の現状 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・ 32 公共用水域の水質 第4節 ‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 廃棄物の現状 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・ 39 1 廃棄物の排出量 ‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 2 エコタウン構想 ‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 40 第5節 自然環境の現状 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 42 1 自然環境関係の地域指定状況 2 植物及び動物 3 自然とのふれあい ‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 快適環境の現状 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 45 第6節 ・‥‥‥‥‥・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・‥‥・・・・・・ 42 ‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 1 公園・緑地 2 景観・まちの美観 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 第7節 環境と社会経済 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 46 1 企業の環境保全活動 2 環境ビジネス 第4章 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 ‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 市民等の意識と環境の課題の整理 第1節 市民等の意識 ‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 47 1 アンケート調査の目的 2 アンケート調査の対象者と調査内容等 第2節 第5章 環境の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・ 47 ‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 48 望ましい環境像と基本目標 第1節 望ましい環境像 第2節 基本目標 第3節 環境基本計画の体系 第6章 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥・・・・・・・・・・・ 47 ・・・・・・・・・・・‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 ・・・・・・・・・・・‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 ・・・・・・・‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 53 環境施策の展開 ‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 第1節 未来の子どもたちに美しい地球をリレーします(地球環境) ・・・・・・・・・・・・・・ 57 第2節 みんながしあわせに暮らせるエコタウンを築きます(生活環境) 第3節 水を守り水と共に発展する四国中央市を未来に残します(水環境) ・・・・・・・・・・ 60 ・・・・・・・・ 65 第4節 人にもやさしい、物にもやさしいリサイクル都市を目指します (廃棄物・リサイクル) 第5節 自然とふれあい自然を大事にしていく心を育てます(自然環境) ・・・・・・・・ 69 ・・・・・・・・・・ 74 第6節 水と緑を生かした快適なエコライフを送ります(快適環境) 第7節 環境と経済が共に向上するより良い関係を築きます(環境と社会経済) 第7章 リーディングプロジェクト リサイクル都市を築く資源回収運動 プロジェクト2 消費活動を通じたごみ減量運動 プロジェクト3 市民と企業の環境コミュニケーション プロジェクト4 自然環境の保全と市民緑化運動 プロジェクト5 紙のまちエコタウンプランの推進 計画の推進と進行管理 ・・・・ 86 ・・・・・・・・・・・・・‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 プロジェクト1 第8章 ・・・・・・・・・・・・・・ 81 ‥・・・‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 92 ‥‥‥・・・‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 94 ・・・‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・ 96 ‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 ‥‥・・‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・100 ‥・・・・・・・・・・・・・・‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103 第1節 計画の推進体制 ‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥・・・・・・・・・・・・・・・103 第2節 計画の進行管理 ‥‥‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥・・・・・・・・・・・・・・・104 資料編 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥・・・・105 資料−1 計画策定の体制及び経過 ・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥・・・・105 1 計画策定の体制 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105 2 四国中央市環境審議会委員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106 3 環境基本計画市民策定委員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106 4 計画策定の経過 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・107 資料−2 四国中央市環境基本条例 ・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥・・・・108 資料−3 環境基本計画策定に関するアンケート調査結果(概要) 1 市民・保護者及び中学生の集計結果 2 事業所の集計結果 資料−4 ‥‥‥‥・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・112 ‥‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・131 環境基本計画(素案)に関するパブリックコメント 1 パブリックコメントの実施方法 2 パブリックコメントの結果 資料−5 環境基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・・・・‥‥‥・・・・137 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・137 ‥‥・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・137 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141 1 大気汚染に係る環境基準 ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・141 2 水質汚濁に係る環境基準 ‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・142 3 土壌の汚染に係る環境基準 4 騒音に係る環境基準 5 ダイオキシン類に係る環境基準 資料−6 環境用語の説明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・146 ‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・‥‥・・・・・・147 ・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥‥・・・・・・・‥‥・・・・・・148 ‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・149 第1章 四国中央市環境基本計画の基本的事項 第1節 環境基本計画とは 環境基本計画とは、 「環境基本法」第15条の規定に基づいて国が定める「環境の保全に関する基本 的な計画」であり、今後の環境政策の展開の方向、地球温暖化・循環型社会の形成・良好な大気環 境の確保などの具体的な展開、計画の効果的な実施のための方針等を定めています。 環境基本法(抜粋) (地方公共団体の責務) 第7条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他 のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (環境基本計画) 第 15 条 政府は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する 基本的な計画(以下「環境基本計画」という。 )を定めなければならない。 (以下、略) 国の環境基本計画は、第一次計画が平成6年12月に策定されましたが、内外の社会情勢の変化に 対応するため5年程度をめどに見直しを行うこととされており、平成12年12月に第二次計画が、そ して平成18年4月7日に第三次計画が閣議決定されました。 この第三次計画では、今後の環境政策の展開の方向として「環境的側面、経済的側面、社会的側 面の統合的な向上」等を、今後展開する取組として「市場において環境の価値が積極的に評価され る仕組みづくり」 「環境保全の人づくり・地域づくりの推進」等を提示しています。 一方、同じく環境基本法第7条では、地方公共団体の責務として、環境の保全に関し、国の施策 に準じた施策の策定及び実施をあげています。このほど策定する「四国中央市環境基本計画」は、 「四国中央市環境基本条例」第8条の規定に基づいて策定する地域版の環境基本計画であり、まち づくりのあらゆる分野において環境重視の視点を織り込んだ施策や取組を市民・事業者・行政が一 体になって推進し、環境先進都市を確立していくための基本方針となる計画です。 第2節 環境基本計画策定の背景及び目的 大量生産・大量消費・大量廃棄を基調とした今日の社会経済活動は、国民に物質的な豊かさをも たらし生活の利便性を高めた反面、地球温暖化やオゾン層の破壊など地球的な規模の環境問題を引 き起こすに至っています。地域レベルにおいても環境への負荷を低減する取組が重要な課題となっ ていて、大気汚染や水質汚濁といった公害の防止にとどまらず、省資源・省エネルギーやごみの再 - 1 - 資源化・リサイクル、市民一人ひとりの環境にやさしいライフスタイル(生活様式)の確立といっ た幅広い環境への取組が求められています。 このように、環境問題の解決を目指して、社会のあらゆる主体の参加の下で自主的積極的に環境 保全に関する取組を進めていく必要があるため、四国中央市環境基本計画を策定し、計画でうたう 施策や取組を推進することを通じて、環境先進都市の確立とそのレベルアップを図るものです。 第3節 環境基本計画の位置付け 四国中央市環境基本計画は、市の最上位の計画である「第一次四国中央市総合計画」 (以下「総合 計画」と略す。 )を、環境面から総合的・計画的に推進するための計画に位置付けられます。これは、 庁内各部局の共通認識のもと、あらゆる施策・事業・取組に環境重視の視点を織り込んでいくこと により、それら施策等の進捗に応じて、徐々に環境に配慮したまちづくりにつなげていくもので、 市の環境政策の方向性を示す基本的な計画に位置付けられます。 国 愛媛県 環境基本法 愛媛県環境基本条例 環境基本計画 えひめ環境保全指針 四国中央市 四国中央市自治基本条例 第一次四国中央市総合計画 四国中央市環境基本条例 四国中央市 環境基本計画 四国中央市廃棄物の処理 及び清掃に関する条例 ●「四国のまんなか」であるために ①潤いある環境をつくる(環境共生都市):豊かな自然と共生した潤いある地域環境を創造 ②高度な産業構造をつくる(高次産業都市):豊かな自然の恵みを活かした産業の振興ほか ③交流の基盤をつくる(四国交流拠点都市):快適な生活の実現ほか ●「人がまんなか」であるために ①みんなでつくる(協働都市):市民・行政協働のまちづくりの推進ほか ②安心できる暮らしをつくる(健康・福祉都市):健やかな市民生活の実現ほか ③人材と文化をつくる(生涯学習都市):学校・地域・家庭が一体となった教育環境づくりほか 図 1-3-1 四国中央市環境基本計画の位置付け - 2 - 第4節 環境基本計画の期間 四国中央市環境基本計画は、市の最上位の計画である総合計画を、環境面から総合的・計画的に 推進するための計画に位置付けられます。このため、四国中央市環境基本計画の期間は、総合計画 に準じて10年間とします。ただし、今後の社会情勢の変化、新たな環境問題、科学的知見の集積等 に的確に対応するために、必要に応じて計画の見直しを行います。 計画の期間 平成 19 年度 ⇒ 平成 28 年度 (2007 年度) (2016 年度) 第5節 環境基本計画の実施主体 環境基本計画は、その地方公共団体のあらゆる施策・事業・取組に計画の内容を織り込んでいく ことにより、それらの進捗に応じて徐々に環境に配慮したまちづくりにつなげていくために策定す るものであり、環境に配慮したまちづくりの過程においては、その実施主体は行政に限定されるこ となく、市民や事業者の取組が不可欠です。 市民や事業者は、地域づくりの主体として、その行動は大きな意味をもっていることから、計画 の実施に当たっては、市民、事業者及び行政がそれぞれの立場と役割に応じて、計画の推進主体と なって行動することが重要です。 - 3 - 第6節 環境基本計画で対象とする環境の範囲 一般に、環境基本計画で対象とする環境は、生活環境、自然環境、快適環境、地球環境などの各 分野及び「環境と社会経済」など横断的な分野に区分され、四国中央市環境基本計画では、次表の 環境要素を対象とします。 表1-6-1 計画で対象とする環境要素 分野 対象とする環境要素 地球環境 地球温暖化・エネルギーの有効利用、オゾン層破壊、酸性雨等 生活環境 大気環境、騒音、振動、悪臭、土壌環境、有害化学物質 水環境 水質汚濁(河川、海域、ダム、地下水) 、水資源、水の量 廃棄物・リサイクル 廃棄物の減量、廃棄物処理、資源の循環的利用 自然環境 植物・動物・生態系、自然とのふれあい、地形・地質、自然景観 快適環境 公園・緑地・水辺、まちの美観・都市景観、歴史的・文化的環境 環境と社会経済 企業における環境保全の取組、環境ビジネス、環境コミュニケーション、 環境教育、地域における環境保全の取組 - 4 - 第2章 四国中央市の現状 第1節 四国中央市の概要 四国中央市は、平成 16 年(2004 年)4 月 1 日に、川之江市・伊予三島市・宇摩郡土居町・宇摩郡 新宮村の2市1町1村が合併し、誕生しました。 地理的には愛媛県の東端部に位置し、東は香川県に接し、南東は徳島県、南は四国山地を境に高 知県に接しており、愛媛県で唯一四国の他3県すべてに接する市です。また、高速道路網の整備に より、三島川之江・土居・新宮の3つのインターチェンジと川之江・川之江東の2つのジャンクシ ョンを持ち、四国の「エックスハイウェイ」の中心地となっており、四国各県の県庁所在地のいず れにも、ほぼ1時間で結ばれるという好条件にあります。また、海路では四国最大規模の国際貿易 港として、 「四国ロジサイト」の建設が進められていて、海路では海外と直結し、陸路ではエックス ハイウェイの効果を最大限に活用できるとして期待が高まっています。 歴史を見ると、この地域は古くから「宇摩」と呼ばれてきました。現在、四国中央市は全国屈指 の「紙のまち」として知られていますが、宇摩の製紙業は宝暦年間(1751∼1763 年)に小川山村(現 在の金砂町)で始まったとされ、稲作に適した平地が少ないことから、農家の副業として紙漉きが 次第に広まっていき、紙漉きを専業とする業者も増加していきました。明治維新後、製紙工場はさ らに増加し、紙の販路拡大や製紙技術の革新に向けた努力とともに、1954 年には銅山川疎水事業が 完成して工業用水が大量に確保され、今日の製紙産業の隆盛に至っています。 図 2-1-1 四国中央市の位置等 - 5 - 第2節 四国中央市の自然的状況 1 地形・水系 四国中央市の地形を見ると、東西に約25kmの海岸線が連なり、その海岸線に沿って東部には全国 屈指の「製紙・紙加工業」の工業地帯が位置し、その南に比較的幅の狭い市街地が形成されていま す。海岸線の西部には美しい自然海岸が広がり、その南には広大な農地及び急峻な法皇山脈から四 国山地へと続く山間部を擁していて、金砂湖県立自然公園や赤石山系県自然環境保全地域に指定さ れています。 主な河川としては、四国中央市の山間部を、一級河川吉野川(流路延長 194㎞、流域面積3,750 ㎞2)の支流である銅山川が流れています。銅山川の流路延長は55㎞、流域面積は280㎞2で、新居 浜市別子山の冠山に源を発し、四国中央市内を東に流れ、徳島県三好市で吉野川に合流します。銅 山川には富郷ダム、柳瀬ダム及び新宮ダムが設置され、洪水調節、水道水・工業用水・農業用水の 供給、発電など重要な役割を担っています。また、金生川が愛媛・徳島県境付近を源流として、川 之江町で瀬戸内海に注いでいます。 金生川 銅山川 ●新宮ダム 金砂湖 ●柳瀬ダム 金砂湖県立自然公園 ●富郷ダム 赤石山系県自然環境保全地域 法皇湖 銅山川 図 2-2-1 四国中央市の主な河川等 - 6 - 2 気象 四国中央市の気象を見ると、燧灘に面した平野部は瀬戸内海特有の温暖・少雨で、気象庁の三島 地域気象観測所(海抜 27m:下柏町)の平年値(統計期間:1979 年∼2000 年)では、年平均降水 量が 1,321.1mm、年平均気温が 15.9℃となっています。冬季においても積雪を見ることはまれで、 台風や洪水、地震などの天災も少なく、気象条件に恵まれています。一方、同観測所における年平 均気温の推移(図 2-2-2)を見ると、1979 年(昭和 54 年)以降は上昇傾向にあり、1998 年(平成 10 年)以降は 17℃近い年が続いています。なお、直近の 2006 年の年平均気温は 16.5℃です。 一方、法皇山脈と四国山地に囲まれた山間部については、降水量のみ観測されている富郷地域気 象観測所(海抜310m:富郷町寒川山)の平年値を見ると、年間平均降水量は1,910.7mmと多くなり、 冬季には積雪や結氷も見られます。 なお、四国中央市の気候の大きな特色の一つですが、毎年春先から初夏にかけて低気圧や台風が 日本海を通過する時に、日本三大局地風の一つである「やまじ風」が、法皇山脈の北斜面から燧灘 へ吹きおろし、時には人家や農作物に被害を及ぼすことがあります。 年平均気温の推移 (三島) (℃) 年平均気温 20 15 10 5 0 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 図 2-2-2 三島地域気象観測所における年平均気温の推移 - 7 - 2002 2004 2006 第3節 四国中央市の社会的状況 1 人口及び世帯数 四国中央市の人口は、図 2-3-1 に見られるように平成2年以降が減少傾向にあり、平成 17 年 10 月1日現在の人口(国勢調査)は5年前の平成 12 年と比較して 1.6%減少し 92,854 人となってい ます。また、世帯数は、平成 12 年から 17 年の5年間で 32,957 世帯から 34,419 世帯へと 4.4%増 加しており、一世帯当たりの人数は平成 12 年の 2.86 人から平成 17 年には 2.70 人に減少していま す。 一方、図には記載していませんが、14 歳以下の年少人口の割合は、平成7年が 17.2%、平成 12 年が 15.5%、 平成 17 年が 14.2%と減少傾向にあり、 15 歳以上 64 歳以下の生産年齢人口の割合も、 平成7年が 64.6%、平成 12 年が 63.3%、平成 17 年が 62.2%とやはり減少傾向にあります。しか し、65 歳以上の老年人口の割合は、平成7年が 18.2%、平成 12 年が 21.2%、平成 17 年が 23.6% と増加傾向にあり、四国中央市においても少子高齢化の傾向が続いています。 人口 120,000 世帯数 一世帯当たりの人数 3.49 3.5 3.37 95,168 97,005 97,215 95,658 、 人 100,000 口 80,000 3.18 60,000 3.03 ︵ 世 帯 数 戸 20,000 27,287 30,607 31,540 S60 H2 H7 H12 H17 ︶ ︶ 28,744 92,854 ︵ 40,000 、 人 一 3.3 世 帯 当 3.1 た り 2.9 の 34,419 人 2.86 数 32,957 2.7 2.70 人 2.5 94,326 0 S55 各年 10 月1日現在 資料:国勢調査 図 2-3-1 人口及び世帯数の推移 - 8 - 2 産業 (1) 産業分類別就業者数 国勢調査(平成 17 年)による就業者数(15 歳以上)は四国中央市全体で 45,550 人です。四国 中央市は瀬戸内海に面した愛媛県の東端に位置し、全国的にも有数の生産高を誇る紙のまちとし て発展を遂げています。そのため産業大分類別に見ると、製造業が 14,827 人(全体の 32.6%) で最も多く、次いで卸売・小売業の 7,104 人(15.6%) 、サービス業の 4,106 人(9.0%) 、医療 福祉の 3,853 人(8.5%)の順になっています。 就業者数(人) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 川之江地域 計18,448 計17,897 伊予三島地域 計676 (製造業が188人で最多) 新宮地域 計8,529 土居地域 就業者数(人) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000 計45,550 全市 1 2,494 3,533 14,827 農・林・漁業 建設業 3,030 製造業 運輸業 7,104 卸売・小売業 3,853 医療、福祉 4,106 サービス業 6,603 その他 〔注〕就業者数は平成 17 年の値であるが、 「地域」は合併後の表記とした。 図 2-3-2 産業別就業者数(15 歳以上) (2) 農林水産業 ① 農家数及び経営耕地面積 最新の調査結果である平成 17 年2月1日における四国中央市の農家数は 1,786 戸となってお り、その 73.6%が兼業農家です。 経営耕地面積は、田が 1,021ha、畑が 87ha、樹園地が 259ha となっています。 - 9 - ②森林及び林業 四国中央市の森林面積(中国四国農政局:平成 12 年8月1日現在)は 32,624ha(326.24 ㎞ 2) で、市の総面積(420.09km2)の 77.7%であり、人工林率は 66.4%となっています。また、林野 面積(農林センサス:平成 17 年2月1日現在)は 32,658ha、そのうち森林面積は 32,638ha で あり、森林面積は平成 12 年とほとんど変わっていません。 近年は全国的に、木材価格の低下や林業従事者の高齢化・後継者の不足などによって、適正な 管理ができない森林が増加していますが、森林は木材や特産物の生産のほか、国土の保全、水源 かん養、景観形成、保健休養、さらには地球温暖化防止など多様な公益的機能を持っているため、 計画的な造林や保育に努め、森林資源を保護・保全するとともに、市民の自然とのふれあいの場 として活用を図ることが求められています。 表 2-3-1 森林面積(平成 12 年8月1日) 地域 合計 人工林 天然林 単位:ha 人工林率 その他 川之江地域 4,132 2,032 1,949 151 49.2% 伊予三島地域 15,650 11,894 3,312 444 76.0% 新宮地域 6,991 4,448 2,250 293 63.6% 土居地域 5,851 3,301 2,274 276 56.4% 合計 32,624 21,675 9,785 1,164 66.4% 〔注〕平成 12 年の値であるが、 「地域」は合併後の表記とした。 資料:中国四国農政局 表 2-3-2 林野面積(平成 17 年2月1日) 単位:ha 利用土地種類別面積 地域 合計 (林野面積) 森林 所有形態別面積 野草地 民有 国有 緑資源機構 公有 私有 川之江地域 4,112 − − − − − − 伊予三島地域 15,582 − − − − − − 新宮地域 7,176 − − − − − − 土居地域 5,788 − − − − − − 合計 32,658 32,638 20 2,447 1,008 3,904 25,299 資料:農林業センサス - 10 - ③漁業 水産資源は自然環境に左右されるため、近年減少傾向が大きく、漁獲量の減少、魚価の不安定、 漁船機具の経費増、消費者の魚離れ、漁業従事者の高齢化及び後継者不足等の問題を抱えていま す。漁業経営体数及び漁業就業人口の推移は表 2-3-3 のとおりで、昭和 63 年から平成 15 年の 15 年間で、経営体総数は 253 から 185 へと 26.9%減少しています。また、漁業就業者数も 383 人から 271 人へと 29.2%減少しています。 表 2-3-3 漁業経営体数、漁業就業人口 年次 漁業経営体総数 経営体 総 数 会社 漁業個人経営体 共同経営 個人 専 業 漁 業 が 主 漁 業 が 従 漁業就 業者数 (人) 昭和 63 年 253 8 2 243 64 114 65 383 平成5年 233 8 2 223 68 129 26 358 平成10年 208 7 0 201 66 116 19 327 平成15年 185 5 0 180 70 89 21 271 各年 11 月 1 日現在 資料:中国四国農政局 (3) 工業 平成 17 年の工業統計調査によれば、事業所数(従業者4人以上)が 430、従業者数が 13,923 人、製造品出荷額等が 586,650 百万円となっています。 産業中分類別統計では、従業者数が多いのは「パルプ・紙・紙加工品製造業(202 事業所で 8,978 人) 」 「プラスチック製品製造業(30 事業所で 1,525 人) 」等であり、製造品出荷額が多いのは、 「パルプ・紙・紙加工品製造業(479,890 百万円) 」となっています。 従業者数 ︵ 従 業 者 数 ︶、 人 16,000 14,000 599,527 609,531 製造品出荷額等 590,540 700,000 586,650 485,275 500,000 12,000 10,000 8,000 17,096 15,509 400,000 16,523 14,176 6,000 300,000 13,923 200,000 4,000 2,000 600,000 565 565 765 477 430 0 S60 H2 H7 H12 H17 図 2-3-3 工業の推移(従業者4人以上の事業所数) - 11 - 百 万 円 ︶ 0 100,000 製 造 品 出 荷 額 等 ︵ 事 業 所 数 18,000 事業所数 (4) 商業 近年は全国的に、消費者ニーズの多様化・高度化に加え、モータリゼーションの進展により、 商業活動の中心は駐車場の広い大型店やコンビニエンスストアなどとなっていて、四国中央市で も国道 11 号沿道への立地が目立っています。 現地点での最新の、平成 16 年6月に実施された商業統計調査によれば、四国中央市の事業所 数は 1,451 であり、従業者数は 7,870 人、年間商品販売額は 360,791 百万円となっています。 従業者数 事業所数 商品販売額 9,000 274,019 307,168 287,387 343,993 ︵ 従 8,000 業 7,000 者 6,000 数 5,000 360,791 1,723 7,777 8,105 1,644 1,624 8,207 1,529 7,870 1,451 百 100,000 万 円 ︶ 2,000 商 1,000 店 0 数 8,104 商 300,000 品 販 売 200,000 額 ︵ ︶、 人 4,000 3,000 400,000 0 H6 H9 H11 図 2-3-4 商業の推移 - 12 - H14 H16 3 土地利用 四国中央市の土地利用状況は、総面積約 420 ㎞2のうち、林野面積が 326.58 ㎞2(77.7%)を占 め、田が 10.2 ㎞2(2.4%)、畑が 0.9 ㎞2(0.2%)、樹園地が 2.6 ㎞2(0.6%)、その他が 79.8 ㎞2 (19.0%)となっていますが、近年、高速道路網、国道バイパス、港湾の整備などを背景に農地等か ら商工業・宅地等への転換が進んでいます。また、広域幹線道路の整備とともに市街化も進んでお り、限られた土地に住宅や産業施設が混在するなどもみられます。 山間部においては、整備された農林用地を高度利用しつつ優れた自然環境や景観の保護と連携し た森林資源や水資源の保全も重要な課題となっています。 その他 19.0% 樹園地 0.6% 畑 0.2% 田 2.4% 林野 77.7% 資料:統計からみた市町村のすがた(平成 18 年8月) 〔注〕四捨五入の関係で、合計が 100%にならない。 図 2-3-5 土地利用状況 4 水域利用 四国中央市の水資源としては、前述のように、銅山川に富郷ダム、柳瀬ダム及び新宮ダムが設置 され、洪水調節、水道水・工業用水・農業用水の供給、発電など重要な役割を担っています。また、 これらのダムに沿った一帯は、金砂湖県立自然公園に指定され、自然とのふれあいの場として利用 されています。 また、余木崎海水浴場など川之江地区や土居地区の自然海岸は、海水浴や潮干狩りなど海洋性レ クリエーションの場として、三島川之江港は夏期に行われる三島港まつりの会場として、多くの市 民に親しまれています。 - 13 - 5 交通 交通網について見ると、JR予讃線が海岸線近くを走り、川之江、伊予三島、伊予寒川、赤星、 伊予土居及び関川の6駅が設置されています。道路では、四国縦貫・横断自動車道(松山自動車道、 高松自動車道、徳島自動車道、高知自動車道) 、国道 11 号、国道 192 号等を骨格とし、主要地方道、 県道、幹線市道が補完して成り立っています。しかし、国道 11 号、192 号をはじめとした市街地 の幹線道路は慢性的な渋滞状況にあり、通過交通と地域交通の流れを整理、分流する円滑な道路体 系の確立が急務となっています。 四国中央市市境 高松自動車道 国道 11 号 JR 川之江駅 主要地方道大野原川之江線 徳島自動車道 四国中央市市境 JR 伊予三島駅 JR予讃線 国道192 号 JR 伊予土居駅 国道319 号 国道 11 号 松山自動車道 主要地方道高知伊予三島線 主要地方道川之江大豊線 高知自動車道 図 2-3-6 四国中央市の交通網 6 上水道及び下水道 四国中央市の上水道等の状況は表 2-3-4 のとおりであり、水道普及率は平成 18 年度末現在で 97.09%です。 下水道等については、川之江処理区(全体計画 1,122.8ha)と三島処理区(同 1,664.6ha)を対 象に整備中であり、平成 18 年度末の下水道普及率は 53.3%です。 - 14 - 表 2-3-4 水道の状況 施設数 現在給水人口 年間給水量 総数 19 91,777 11,854,511 32,478 上水道 2 75,873 9,854,502 26,999 簡易水道 13 15,626 1,967,832 5,391 専用水道 1 180 20,703 57 その他 3 98 11,474 31 区 分 1日平均給水量 水道普及率 97.09% 平成 19 年 3 月 31 日現在 表 2-3-5 公共下水道の状況 施設数 処理区域面積 (ha) 処理区域人口 (人) 水洗化人口 (人) 公共下水道 普及率 水洗化率 2 1,229.3 50,488 47,818 53.3% 94.7% 平成 19 年 3 月 31 日現在 7 ごみ処理施設 四国中央市の一般廃棄物処理施設は表 2-3-6 のとおりで、ごみ焼却施設として1施設が、し尿処 理施設として3施設が、廃棄物再生利用施設として1施設が稼動しています。このうち、ごみ焼却 施設(クリーンセンター)の排出ガス中のダイオキシン類濃度は、平成 17 年度が 0.0078ng-TEQ/Nm3 (1号炉・2号炉・3号炉の平均値)で、ダイオキシン類対策特別措置法における排出基準の許容 限度(1ng-TEQ/Nm3)を下回っています。 表 2-3-6 四国中央市の一般廃棄物処理施設 区分 事業主体名 施設の名称 ごみ焼却施設 四国中央市 し尿処理施設 廃棄物再生 利用施設 規模 竣工年月 クリーンセンター 150t/日 H12.4 月 全連続燃焼方式 四国中央市 アイ・クリーン 35kℓ/日 H5.11 月 四国中央市 伊予三島清掃センター 40kℓ/日 S59.4 月 四国中央市 エコトピアひうち 33kℓ/日 H12.4 月 四国中央市 リサイクルプラザ 32t/日 H9.3 月 膜分離高負荷脱窒素処 理方式 低希釈二段活性汚泥処 理方式 膜分離高負荷脱窒素処 理方式 選別資源化 - 15 - 施設概要 8 文化財 四国中央市周辺地域は、古くから「宇摩」と呼ばれ、古い歴史を持っており、多くの史跡や文化 財があります。国指定及び県指定の文化財等は表 2-3-7 のとおりであり、このほか、市指定の有形 文化財が 69、無形文化財が2、民俗文化財が9、記念物(史跡)が 31、記念物(名勝)が3、記 念物(天然記念物)が 25 あります。 表 2-3-7 四国中央市の主な文化財等 指定 種別 名称 所在地 国 県 有形文化財 有形文化財 建造物 建造物 真鍋家住宅 興願寺三重塔 金生町 三島宮川 県 県 県 県 有形文化財 有形文化財 有形文化財 有形文化財 工芸品 工芸品 工芸品 工芸品 土居町 三島宮川 三島宮川 三島宮川 県 県 県 県 県 県 県 県 県 国 県 県 県 県 県 県 県 有形文化財 工芸品 有形文化財 彫刻 有形文化財 書跡・典籍・古文書 民俗文化財 無形民俗文化財 民俗文化財 無形民俗文化財 記念物 名勝 記念物 史跡 記念物 史跡 記念物 史跡 陵墓参考地 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 記念物 天然記念物 銅印(伊豫軍印) 短刀(銘備州長船兼光) 短刀(銘井上真改) 短刀(銘備前國長船勝光児嶋 ニテ作) 神鏡 木造十一面観音立像 大般若経 600 巻 鐘踊り 畑野の薦田踊り 金砂湖及び富郷渓谷 向山古墳 大空高原古墳群 朝日山古墳 東宮山 下柏の大柏 イブキ フジ シイ カヤ ツバキ カツラ 赤石山の高山植物群 県 県 県 県 記念物 記念物 記念物 記念物 大川のクスノキ お葉つきイチョウ ツバキ 棹の森 天然記念物 天然記念物 天然記念物 天然記念物 - 16 - 新宮町 金田町 新宮町 新宮町 土居町 金砂町・富郷町 金生町 土居町 金田町 妻鳥町 下柏町 富郷町 富郷町 富郷町 富郷町 富郷町 富郷町 土居町・新居浜市 (別子山) 土居町 新宮町 富郷町 妻鳥町 9 観光・レクリエーション施設 四国中央市は、 「うみ・やま」と、大変自然に恵まれており、広範囲に観光スポットが点在して います。四国中央市の観光・レクリエーション施設等は表 2-3-8 及び表 2-3-9 のとおりです。 表 2-3-8 四国中央市の観光・レクリエーション施設等(1) 名称 概要 川之江城 南北朝動乱の頃(約 650 年前) 、南朝方の河野氏の砦として、土肥義昌が 延元2年(1337 年) 、鷲尾山に川之江城を築きましたが、その後興国3年 (1342 年) 、北朝方の細川頼春に攻められ落城しています。年月を経て城 跡は、本丸付近の石垣にわずかに名残を留めるに過ぎませんでしたが、川 之江市制施行 30 周年記念事業として、市民の浄財を基に城の再建が計画 され、昭和 59 年度より城山公園整備事業として着手し、園路広場の面整 備の完成をもって昭和 63 年3月に完了しました。 真鍋家住宅 平家伝説が残る切山にあります。建築年代は 17 世紀末頃と推定され、民 家としては全国的にも古く、国の重要文化財に指定されています。 かわのえ高原ふるさと 歴史・文化に関する資料の展示などを行っている郷土資料館で、見晴らし 館 のよい高台にある、採光豊かな開放感あふれる施設です。 紙のまち資料館 森と湖畔の公園 あじさいの里 霧の高原 塩塚高原 霧の森 翠波高原 金砂湖 市内で生産される各種紙製品の展示・即売室、紙の生産工程がわかる展示 室、紙をテーマにした企画展示室等があり、紙漉き体験や、水引細工、絵 手紙等のペーパークラフトを楽しむことができます。 オートキャンプ場や中央広場を囲むように、ふれあい橋や原っぱ広場、四 季の森、自然観察の森などがあり、それらを結ぶ散策道が湖畔の周辺や木 立の中へ続いています。一年を通じて釣りを楽しむこともでき、楽しみ方 も広がるキャンプ場です。 約3km にわたり2万株のあじさいが、紫・青・ピンク・白など色とりど りに咲き誇る花の名所です。6 月には「あじさいまつり」が開催されます。 標高 1,000mの高台に広がるなだらかな高原は、登山・ハイキング・キャ ンプ等の他、四国屈指のパラグライダースポットとして、アウトドアレジ ャーを楽しむことができます。設備の整ったオートキャンプやコテージ、 気軽に利用できるテントデッキのほか、グループで楽しめるバーベキュー 施設が整備されています。 なだらかな草原は、春には一面若草色に染まり、秋には一面銀色に輝くす すきの高原に塗り替えられます。風にたなびくすすきは、訪れる人々を幻 想の世界に引き込みます。 新宮町にあり、 「霧の森レストラン」や茶室、特産の新宮茶を販売する「ふ れあい館」 、円形イベント広場などがあります。また、 「霧の森コテージ」 は、大自然の伊吹を満喫できるカジュアルな雰囲気のコテージで、新たに オープンした研修温浴施設「霧の森交湯∼館」では、温泉も楽しめます。 翠波高原は、標高 892mの翠波峰を中心とした約 100ha の高原です。美し い翠(みどり)が波のようになびき、遠く石鎚の尾根へと連なる古代準平 原の名残をとどめた高原は、春には菜の花や桜、夏から秋は高原を覆いつ くすコスモス、秋には萩の花など美しい花々が咲き誇っています。 昭和 29 年に柳瀬ダムの建設によってできた金砂湖は、四国山地と法皇山 脈の間に横たわる延長 7km の広大な人工湖です。標高 290m にある湖面は、 周囲の山々の緑を映し出し、真紅の平野橋と見事なコントラストを描き出 しています。 - 17 - 表 2-3-9 四国中央市の観光・レクリエーション施設等(2) 名称 金砂湖畔公園 富郷キャンプ場 てらの湖畔広場 敬天の滝 機滝 暁雨館 概要 金砂湖に隣接した金砂湖畔公園は、水源地としてふさわしい環境を保全し ながら自然とふれあえる場所となっており、あずまや、船型遊具・水車小 屋・資料館等の施設があります。水と緑に親しみ、豊かな自然とのふれあ いが楽しい公園です。水のさと資料館には、柳瀬ダム建設の歴史やダムの 働き等を紹介する資料、水没地の懐かしい写真等が展示されています。 銅山川の清流と山々の深緑が織りなす素晴らしい景色の中、川遊びやアユ 釣り、木立の中での森林浴などたっぷりと自然体験ができるキャンプ場で す。第1キャンプ場と第2キャンプ場があります。 富郷ダム湖である法皇湖に面して、銅山川や富郷に関する展示施設「てら の水のやかた」 、保存民家細川家、イベント広場などを整備。てらの水の やかた2階では展望レストランが営業。予約で貸しボートも楽しめます。 二ツ獄登山コースの途中にある敬天の滝は、天に向かってそびえる岩肌が 紅葉の季節には黄金色に染まり、その岩間をひと筋の糸のように落ちてい く滝の姿は、訪れる人の心を魅了します。 赤星山の中腹に位置する機滝は、その名の通りまさに機織りの糸を思わせ る繊細な姿の滝です。眺める人に清涼感を与えてくれる優雅な癒しの情景 は、皇子渓谷随一といわれています。 土居地区にあった庄屋の館にちなんで命名した歴史・文化施設で、安藤正 楽や近藤篤山など先人の業績を紹介しています。赤石山系の岩石・鉱物も 展示しており、庭園も楽しめます。 かわのえ高原ふるさと館 ●真鍋家住宅 川之江城● ● 真鍋家住宅 ● 紙のまち資料館 ●森と湖畔の公園 あじさいの里 ● ●暁雨館 ●翠波高原 ●機滝 金砂湖県立自然公園 敬天の滝● ●富郷キャンプ場 ● 赤石山系県自然環境保全地域 てらの湖畔広場 図 2-3-7 四国中央市の観光・レクリエーション施設等 - 18 - 塩塚高原 金砂湖畔公園● 霧の高原 ●● 霧の森● 川之江城 真鍋家住宅 かわのえ高原ふるさと館 紙のまち資料館 森と湖畔の公園 あじさいの里 塩塚高原 霧の高原 - 19 - 翠波高原 霧の森 金砂湖 金砂湖畔公園 富郷キャンプ場 てらの湖畔広場 暁雨館 - 20 - 第3章 四国中央市の環境の現状 第1節 地球環境の現状 1 地球温暖化 地球温暖化は、その影響が単に気温の上昇にとどまらず、気象災害、食料不足、人の健康と命、 自然生態系、産業などほとんどすべての分野に関わることから、最も深刻な環境問題とされていま す。その主な原因は、化石燃料の大量消費等に伴う二酸化炭素をはじめとした大気中の温室効果ガ スの急激な増加であり、温室効果ガスの削減については、国レベルではもちろんのこと、地域レベ ルにおいても事業者、市民及び行政が一体となって、積極的な対策を講じることが不可欠となって います。 地球温暖化のもたらす影響 1.人の健康への影響:暑熱、熱波の増加 ⇒ 健康被害 媒介動物等の生息域拡大 ⇒ 動物媒介性疾病の増加 2.気象災害の頻発:集中豪雨の増加 ⇒ 洪水や土砂災害の増加 干ばつリスクの増加 ⇒ 水不足の頻発 台風の猛烈化 ⇒ 風、雨、波浪、高潮等の被害増加 海面上昇 ⇒ 高潮被害、津波被害のリスク増加 3.農林水産業への影響:地球の平均気温が 2.5℃程度上がる ⇒ 食料の需要に供給が追いつかない → 食料価格が上がる → 日本に大きな影響 ⇒ サケなどの生息域の南限が北上 4.自然生態系への影響:植物や動物への影響、分布域の移動 5.産業等への影響:エネルギー需要の増加 ⇒ さらに地球温暖化を加速 愛媛県では、平成14年3月に、平成8年3月に策定した「愛媛県地球温暖化対策地域推進計画」 を見直し、新たに「愛媛県地球温暖化防止指針」を策定し、平成22年度に県全体の二酸化炭素など 6物質の温室効果ガスを平成2年度排出量比で6%削減することを目標に掲げ、県民・事業者及び 行政が一体となった温暖化対策を推進していくこととしています。 「四国中央市総合計画」においても、6つの「施策の柱」の1番目に「潤いある環境をつくる(環 境共生都市) 」を掲げ、地球温暖化対策を進めることとしていますが、第2章(p.7)で見たように、 - 21 - 三島地域気象観測所で観測された年平均気温は1979年(昭和54年)以降上昇傾向にあり、地球温暖 化が進行しつつあることを示している可能性があります。 ここで、四国中央市地域省エネルギービジョン(平成18年2月、四国中央市)から、四国中央市 におけるエネルギー消費量を見ると、次の傾向にあります。 ●民生家庭部門:1世帯当たりのエネルギー消費量は、全国平均の約1.2倍である。 ●産 業 部 門:工業都市であるため、市民1人当たりのエネルギー消費量は、全国平均の8倍 弱であり、非常に多くなっている。 ●運 輸 部 門:市民1人当たりのエネルギー消費量は、全国平均に比較すると乗用車が少ない 一方で貨物車が多く、運輸部門全体では全国の約1.2倍である。 このように、各部門において1人あるいは1世帯当たりエネルギー消費量が全国平均を超過して いる四国中央市としては、他の自治体以上にエネルギー消費量の削減に取り組んでいく必要があり ます。 2 オゾン層の破壊と保護 地球を取り巻くオゾン層は、太陽光に含まれる有害な紫外線(UV−B)の大部分を吸収し、私 たち生物を守っています。このオゾン層がフロンなどの物質により破壊され、有害紫外線の地上照 射量が増大した場合には、皮膚がんや白内障の増加など人の健康への影響のほか、陸生・水生生態 系への影響などが懸念されています。 オゾン層の破壊は、熱帯域を除き、ほぼ全地球的に進行しており、特に高緯度地域でオゾンの減 少率が高く、日本上空でも那覇を除く国内3地点(札幌、つくば、鹿児島)で減少傾向が見られて います。 オゾン層保護対策については、 「オゾン層の保護のためのウイーン条約」に基づき、国際的な取組 が進められ、我が国においても「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層 保護法) 」を制定し、フロンなどの生産規制等を実施しています。また、冷蔵庫やエアコンなどに冷 媒として使用されているフロンについては、市町、自動車販売店や冷凍空調設備業者などの業界団 体等による回収が進められています。なお、冷蔵庫等の廃家電品については、平成13年4月からは 家電リサイクル法が施行され、メーカーにフロン回収が義務付けられました。また、平成13年6月 には、 カーエアコン及び業務用冷凍空調機器のフロン回収の義務付け、 フロン類回収業者等の登録、 フロン回収破壊費用の負担等を定めた「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に 関する法律(フロン回収破壊法) 」が公布され、平成13年12月から順次施行され、平成14年10月に完 全施行されました。なお、カーエアコンの冷媒フロン類については、平成17年1月1日からは「使 用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法) 」に基づいて回収・破壊されることと - 22 - なりました。 愛媛県においては、フロン回収を促進するための組織として、平成11年6月に、県内の関係団体 により愛媛県フロン回収・処理推進協議会が設立されています。フロン回収破壊法及び自動車リサ イクル法に基づいて県の登録を受けている第一種フロン類回収業者(業務用冷凍空調機関係) 、引取 業者(使用済自動車)及びフロン類回収業者(カーエアコン関係)は、表3-1-1のとおりです。また、 県内でフロン類の破壊事業者は、財団法人愛媛県廃棄物処理センター東予事業所(新居浜市)があ ります。 表 3-1-1 フロン類回収業者等の登録状況(平成 18 年3月 31 日現在) 区分 登録業者数 第一種フロン類回収業者 292 引取業者 995 フロン類回収業者 209 資料:愛媛県環境白書 3 酸性雨 通常の雨は、大気中にある二酸化炭素が溶け込み、やや酸性(pH 5.6∼7.0)となっていますが、 工場や自動車等から排出された硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染物質が雨に取り込まれると pH が 5.6 以下になり、強い酸性を示すようになります。この雨を「酸性雨」と呼んでいます。こう した酸性の雨は、大気汚染物質が気流に乗り遠くに運ばれるため、しばしば国境を越えた広い範囲 にわたって降っています。この酸性雨の原因物質である硫黄酸化物などの大気汚染物質の発生源と なっている工場のばい煙や自動車排出ガスについては、厳しい規制が実施されており、愛媛県でも 工場地帯である四国中央市など東予地域を対象に、硫黄酸化物の排出総量規制が実施されています。 酸性雨の影響については、気候や土壌、樹木の種類などの違いから、我が国においては、現在の ところ欧米のような目立った被害は現れていませんが、今後に備え、東アジア地域の国々と協力し て、広域的な酸性雨モニタリングネットワークづくりが進められています。 県内では、昭和 57 年度から平成元年度まで、松山市と新居浜市で梅雨期と秋雨期に雨を採取し成 分分析を行っていましたが、平成2年度からは、東・中・南予に各調査地点を設け、全国の統一的 採取法である「ろ過式採取法」により、年間を通じて1週間単位で全雨水を採取し、成分分析を行 っています。表 3-1-2 には、県下3地点の測定値を示しますが、その結果はほぼ全国の調査結果と 同レベルとなっていて、経年的にも概ね横ばいの状況が続いています。 - 23 - 表 3-1-2 酸性雨の状況(雨水のpH) 年 度 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 松山市 4.4 4.3 4.4 4.7 4.8 4.5 4.5 4.7 4.8 4.8 5.0 4.8 4.7 4.8 4.9 4.7 新居浜市 4.6 4.4 4.5 4.6 4.6 4.5 4.4 4.6 4.7 4.7 4.9 4.8 4.7 4.6 4.9 4.8 八幡浜市 4.8 4.7 4.7 4.9 5.1 4.5 4.7 5.0 5.1 5.1 5.2 4.9 5.1 4.9 4.4 4.8 資料:愛媛県環境白書 〔注〕1週間降雨分析値の年度平均値 - 24 - 第2節 生活環境の現状 1 大気環境 愛媛県では、県内の6市1町(四国中央市、新居浜市、西条市、今治市、松山市、大洲市、松前 町)に大気汚染常時監視測定局を設置し、毎時間、環境中の濃度等を測定しています。 四国中央市内の測定局は、図 3-2-1 に示す「吉祥院」 「金生」 「川之江」 「工業用水池」 「旧県事務 所」 「寒川」 「伊予三島」及び「土居」の8局があります。 これらの局の測定値を、平成 13 年度から平成 17 年度の5年間について、愛媛県環境白書から、 図 3-2-2∼図 3-2-3 及び表 3-2-1 に示します。 資料:愛媛県環境白書 図3-2-1 四国中央市の大気測定局 二酸化硫黄(日平均値の2%除外値) (ppm) 0.05 吉祥院 金生 川之江 工業用水池 旧県事務所 寒川 土居 環境基準値 0.04 0.03 0.02 0.01 0.00 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 図3-2-2 四国中央市の大気汚染の状況(1) - 25 - 浮遊粒子状物質(日平均値の2%除外値) (㎎/㎥) 0.12 環境基準値 0.10 吉祥院 金生 川之江 工業用水池 旧県事務所 寒川 土居 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 二酸化窒素(日平均値の年間98%値) (ppm) 0.07 0.06 環境基準値(ゾーン) 0.05 川之江 伊予三島 0.04 0.03 0.02 0.01 0.00 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 光化学オキシダント(昼間の1時間値の最高値) (ppm) 0.14 注意報の発令基準値 0.12 0.10 0.08 川之江 伊予三島 環境基準値 0.06 0.04 0.02 0.00 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 ダイオキシン類(年度平均値) (pg-TEQ/㎥) 0.7 環境基準値 0.6 0.5 伊予三島 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 H.13 H.14 H.15 H.16 H.17 図3-2-3 四国中央市の大気汚染の状況(2) - 26 - 表3-2-1 四国中央市の大気汚染の状況 二酸化硫黄:経年変化 場所 測定局 川之江地域 吉祥院 区分 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 金生 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 川之江 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 伊予三島 地域 工業用水池 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 旧県事務所 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 寒川 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 土居地域 土居 1時間値の最高値(ppm) 年平均値(ppm) 日平均値の2%除外値(ppm) 1時間値の最高値(ppm) 浮遊粒子状物質:経年変化 場所 測定局 川之江地域 吉祥院 区分 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 金生 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 川之江 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 伊予三島 地域 工業用水池 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 旧県事務所 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 寒川 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 土居地域 土居 年平均値(㎎/㎥) 日平均値の2%除外値(㎎/㎥) 1時間値の最高値(㎎/㎥) 二酸化窒素:経年変化 場所 測定局 川之江地域 川之江 区分 年平均値(ppm) 日平均値の年間98%値(ppm) 伊予三島 地域 伊予三島 年平均値(ppm) 日平均値の年間98%値(ppm) 光化学オキシダント:経年変化 区分 場所 測定局 昼間の1時間値の最高値(ppm) 川之江地域 川之江 伊予三島 昼間の1時間値の最高値(ppm) 伊予三島 地域 ダイオキシン類:経年変化 場所 伊予三島地域 区分 年平均値(pg-TEQ/㎥) H.13 0.005 0.011 0.029 0.007 0.012 0.047 0.007 0.013 0.037 0.004 0.010 0.039 0.005 0.010 0.027 0.004 0.011 0.050 0.006 0.011 0.030 H.14 0.005 0.010 0.021 0.007 0.011 0.039 0.008 0.014 0.039 0.004 0.007 0.029 0.005 0.010 0.021 0.003 0.008 0.033 0.004 0.008 0.024 H.15 0.005 0.010 0.027 0.008 0.014 0.045 0.009 0.018 0.046 0.004 0.010 0.056 0.005 0.011 0.026 0.002 0.007 0.035 0.004 0.008 0.024 H.16 0.005 0.010 0.031 0.009 0.022 0.061 0.006 0.011 0.059 0.004 0.008 0.030 0.004 0.010 0.023 0.002 0.007 0.035 0.004 0.009 0.036 H.17 0.005 0.010 0.027 0.005 0.013 0.043 0.006 0.012 0.056 0.005 0.010 0.030 0.006 0.011 0.042 0.003 0.009 0.026 0.005 0.009 0.031 環境基準値 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 − 0.04以下 0.1以下 H.13 0.031 0.073 0.426 0.037 0.080 0.566 0.039 0.092 0.339 0.037 0.088 0.351 0.038 0.092 0.439 0.036 0.084 0.311 0.032 0.075 0.281 H.14 0.028 0.068 0.151 0.034 0.076 0.280 0.035 0.085 0.185 0.040 0.091 0.197 0.036 0.079 0.194 0.032 0.077 0.204 0.030 0.071 0.168 H.15 0.027 0.071 0.224 0.037 0.092 0.345 0.032 0.093 0.227 0.041 0.099 0.223 0.038 0.092 0.231 0.034 0.085 0.198 0.031 0.083 0.241 H.16 0.023 0.059 0.137 0.032 0.074 0.188 0.035 0.078 0.184 0.032 0.075 0.177 0.033 0.080 0.178 0.028 0.069 0.343 0.025 0.064 0.196 H.17 0.024 0.058 0.160 0.035 0.062 0.148 0.034 0.072 0.220 0.037 0.076 0.163 0.040 0.077 0.201 0.028 0.067 0.528 0.027 0.062 0.204 環境基準値 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 − 0.10以下 0.20以下 H.13 0.020 0.036 0.016 0.032 H.14 0.020 0.036 0.014 0.028 H.15 0.021 0.040 0.016 0.030 H.16 0.020 0.036 0.015 0.032 H.17 0.022 0.041 0.016 0.035 H.13 0.089 H.14 0.109 H.15 0.086 H.16 0.091 H.17 環境基準値 0.092 0.06以下 0.110 0.116 0.100 0.105 0.090 0.06以下 H.13 0.044 H.14 0.081 H.15 0.047 H.16 0.057 H.17 環境基準値 0.052 0.6以下 〔注〕灰色は環境基準値を超過した値であることを示す。 - 27 - 環境基準値 − 0.04∼0.06以下 − 0.04∼0.06以下 測定局の値を見る限り、光化学オキシダントを除いて、大気質は概ね環境基準値を満足するレベ ルです。光化学オキシダントについては各年度ともに環境基準値を超過していますが、全国的に見 ても、環境基準値を満足する測定局はほとんどないのが現状であり、川之江及び伊予三島測定局の 値も注意報の発令基準を下回っていて、現時点で直ちに健康上問題となる濃度ではないと考えられ ます。しかし、環境基準達成のため、光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物や炭化水素 のさらなる削減に取り組んでいく必要があると考えられます。 2 騒音 四国中央市では、毎年、一般地域や道路に面する地域の騒音を測定しています。平成 18 年度の 調査結果を表 3-2-2 に示します。 一般地域の3地点については、川之江総合支所(金生町下分) 、村松公民館(村松町) 、西寒川集 会所(寒川町)のいずれも昼間は環境基準に適合していますが、川之江総合支所と西寒川集会所で 夜間が基準値を超過しています。しかし超過の程度は1∼2dB であり、測定値も 50dB(静かな事 務所程度の騒音レベル)程度又はそれ以下で、比較的静穏な環境が維持されていると考えられます。 一方、道路に面する地域についてみると、国道 11 号バイパス(妻鳥町) 、国道 11 号(三島宮川) 、 国道 11 号(土居町津根)のうち、国道 11 号沿道の2地点は、昼間及び夜間のいずれも環境基準値 を超過しています。超過の程度は昼間が1∼2dB、夜間が4dB ですが、 「幹線交通を担う道路に近 接する空間」の環境基準値と比較してであるため、騒音レベルは低くはなく、自動車騒音対策が課 題になると考えられます。 なお、騒音に係る環境基準には、 「一般地域」 「道路に面する地域」及び「道路に面する地域にお いて、幹線交通を担う道路に近接する空間」にそれぞれ適用される基準値があり、その場所の用途 地域の指定状況に応じた基準値が適用されます。 「幹線交通を担う道路に近接する空間」とは、高 速自動車国道、一般国道、主要地方道、都道府県道及び4車線以上の市町村道において、2車線以 下の場合は道路端から 15mの範囲、3車線以上の場合は道路端から 20mの範囲を指します。 - 28 - 表 3-2-2 四国中央市内の騒音測定結果(平成 18 年度) (一般地域) 時間 騒音レベル 環境基準 環境基準値 環境基準 区分 Leq(dB) 類型 (dB) 適合状況 川之江総合支所 昼間 59 60 以下 ○ (金生町下分) 夜間 52 50 以下 × 村松公民館 昼間 53 60 以下 ○ (村松町) 夜間 47 50 以下 ○ 西寒川集会所 昼間 50 55 以下 ○ (寒川町) 夜間 45 以下 × 測定場所 C C B 46 (道路に面する地域) 対象道路 国道 11 号バイ パス(妻鳥町) 国道 11 号 測定場所 古井池前 三島神社前 (三島宮川) 時間 騒音レベル 区分 Leq(dB) 昼間 66 夜間 60 昼間 72 夜間 69 国道 11 号 A家電 昼間 71 (土居町津根) 長津店前 夜間 69 環境基準類型 C C B 環境基準値 環境基準 (dB) 適合状況 幹線交通を担 う道路に近接 する空間 70 以下 ○ 65 以下 ○ 同上 70 以下 × 65 以下 × 70 以下 × 65 以下 × 同上 〔注〕いずれも、道路に面する地域のうち、 「幹線交通を担う道路に近接する空間」での測定である。 - 29 - 3 悪臭 悪臭防止法では、①工場や事業場の敷地境界の空気、②気体排出口及び③排出水について悪臭の 規制を行っていますが、これらはあくまで工場や事業場を対象とした規制であり、大気汚染のよう な環境基準値は悪臭では設定されていません。これは、①悪臭については機器分析よりも人の嗅覚 の方が鋭いことが多く、仮に空気中の悪臭物質が機器分析で「定量下限値未満」となっても臭う場 合が多いこと、そうであればわざわざ環境基準値を設定しなくても単に「臭わない」とすればいい こと、②悪臭分析に要する試料(現場の空気)採取時間は最低でも数十秒以上であるが、人が臭い を感じるのは数秒単位であるので、その数秒を捉えて試料を採取することが困難であること、③そ の日の気象条件や操業の状態によって同じ工場や事業場を測定しても測定値が異なること、等によ るものと考えられます。 このように、一般環境下で悪臭を調査しても、その調査結果が四国中央市の悪臭を代表するもの とはいえず、公表されている一般環境の悪臭調査結果も見当たりませんが、環境基本計画策定に当 たって実施した市民アンケート(資料編 資料−3:問2)によると、 「ときどき嫌な臭いがする」 と答えた人が回答した市民の 50%を超えていて、その原因として工場・家畜・ごみの野焼き等が あげられています。 - 30 - 4 有害化学物質 一時期ほどではないですが、ダイオキシン類による環境汚染が社会的な問題であることに変わ りはありません。ダイオキシン類は廃棄物の焼却等の過程で非意図的に生成される有機塩素化合 物であり、環境ホルモン物質の一つです。 また、私たちの生活に多用されている化学物質は、生活に欠かせないものになっている反面、 大気、水、土壌といった環境中に放出され、飲み水や食べ物、空気などを通じて人体に取り込ま れ人の健康を損なう、あるいは生態系に影響を及ぼすことが懸念されています。 四国中央市内では、大気、河川水、地下水、土壌等に含まれる有害化学物質の測定が行われて います。ダイオキシン類測定結果は表 3-2-3 のとおりで、大気、水質、底質及び土壌のそれぞれ について、環境基準値を超過したものはありません。 一方、ダイオキシン類を除く環境ホルモンについては、現時点で環境基準値が設定されていま せんが、平成 10 年以降、新宮ダム、柳瀬ダム、銅山川、金生川等で測定されています。測定結 果は、ほとんどの物質が定量下限値未満という濃度となっています。 表 3-2-3 四国中央市内のダイオキシン類定結果 区分 環境大気 河川 水質 ダム 海域 地下水 河川 底質 ダム 海域 調査場所 伊予三島地域内 金生川 銅山川 柳瀬ダム 伊予三島・川之江海域 川之江地域内 伊予三島地域内 土居地域内 新宮地域内 金生川 銅山川 柳瀬ダム 伊予三島・川之江海域 単位 pg-TEQ/㎥ pg-TEQ/ℓ pg-TEQ/ℓ 伊予三島地域内 土居地域内 新宮地域内 平成15年度 平成16年度 平成17年度 0.081 0.047 0.057 0.052 0.072 0.089 0.15 0.12 − − 0.044 − − 0.079 0.074 − − − 0.056 0.20 0.048 0.060 0.088 0.064 0.065 0.046 0.061 0.065 − 0.065 0.043 0.060 0.065 − 0.065 − − − − − − 0.043 − − 0.98 2.5 1.6 0.8 − − − − − 0.075 − − − − 2.4 3.5 4.9 5.0 0.52∼0.69 − (3地点) 0.18と0.72 0.48 (2地点) − − 6.5 5.5 − 0.13 0.77 pg-TEQ/g 平成14年度 0.044 pg-TEQ/g 川之江地域内 土壌 平成13年度 0.56と0.81 (2地点) 0.28 0.17 − − 0.20 − 0.58 〔注〕pg:1/1,000,000,000,000g。 TEQ:ダイオキシン類はいろいろな化合物の総称で、化合物ごとに毒性が異なるため、最も強い毒性の化合物量に換算してあらわす。 - 31 - 環境基準値 0.6以下 1 以下 1 以下 150 以下 1.7 1,000以下 0.15 − 第3節 水環境の現状 1 公共用水域の水質 四国中央市内では、愛媛県による公共用水域水質測定が、銅山川水系、銅山川水系のダム湖及び 沿岸海域で実施されています。また、四国中央市が中小河川や沿岸海域で水質を測定しています。 (1) 公共用水域水質測定結果 ① 銅山川水系の河川及び湖沼(ダム湖) 銅山川水系では、河川の測定地点として「富郷橋」 「上小川」 「寺尾」 「大古味橋」の4地点、 湖沼の測定地点として「下長瀬」 「翠波橋」 「柳瀬ダム堰堤」 「新宮ダム堰堤」の4地点で公共用 水域水質測定が行われています。 以下、公共用水域水質測定地点の位置を図 3-3-1 に、河川と湖沼の環境基準値を、それぞれの 代表的な汚濁指標とされているBOD(生物化学的酸素要求量:河川に適用)とCOD(化学的 酸素要求量:湖沼に適用)について表 3-3-1 及び表 3-3-2 に示します。また、測定結果を図 3-3-2 及び図 3-3-3 に示します。 河 川 河 川 湖 沼 湖 沼 銅山川水系の公共用水域測定地点 図 3-3-1 銅山川及びダム湖等の公共用水域水質測定地点 - 32 - 地点名 富郷橋 上小川 寺尾 大古味橋 下長瀬 翠波橋 柳瀬ダム堰堤 新宮ダム堰堤 表 3-3-1 水質汚濁に係る環境基準(河川の抜粋) 類型 水域の利用目的等 BODの基準値 AA 水道水源(簡易な浄水操作を行う) 、自然探勝、その他 1㎎/ℓ以下 A 水道水源(通常の浄水操作を行う) 、ヤマメ、イワナ等の水 2㎎/ℓ以下 産生物の生息、水浴、その他 B 水道水源(高度の浄水操作を行う) 、サケ、アユ等の水産生 3㎎/ℓ以下 物の生息、その他 C コイ、フナ等の水産生物の生息、工業用水(通常の浄水操作 5㎎/ℓ以下 を行う) D 工業用水(高度の浄水操作を行う) 、農業用水、その他 8㎎/ℓ以下 E 工業用水(特殊の浄水操作を行う) 、国民の日常生活(沿岸 10 ㎎/ℓ以下 の遊歩等を含む)で不快感を生じない限度 表 3-3-2 水質汚濁に係る環境基準(湖沼の抜粋) 類型 水域の利用目的等 AA 水道水源(簡易な浄水操作を行う) 、ヒメマス等の水産生物 CODの基準値 1㎎/ℓ以下 の生息、自然探勝、その他 A 水道水源(通常の浄水操作又は高度の浄水操作を行う) 、サ 3㎎/ℓ以下 ケ、アユ等の水産生物の生息、水浴、その他 B コイ、フナ等の水産生物の生息、工業用水(通常の浄水操作 5㎎/ℓ以下 を行う) 、農業用水、その他 C 工業用水(高度の浄水操作又は特殊な浄水操作を行う) 、国 民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)で不快感を生じない限 度 - 33 - 8㎎/ℓ以下 BOD(75%値)の推移 (㎎/L) 5.0 4.0 H13 H14 H15 H16 H17 3.0 2.0 河川AA類型の環境基準値 1.0 0.0 富郷橋 上小川 寺尾 大古味橋 図 3-3-2 銅山川の各地点のBOD COD(75%値)の推移 (㎎/L) 6.0 5.0 4.0 H13 H14 H15 H16 H17 湖沼A類型の環境基準値 3.0 2.0 1.0 0.0 下長瀬 翠波橋 柳瀬ダム堰堤 新宮ダム堰堤 図 3-3-3 ダム湖各地点のCOD 各地点のBODとCODは、大古見橋を除く全地点が基準値を満足しています。大古見橋は平 成 16 年度が基準値以下でしたが、平成 17 年度及び平成 15 年度以前が河川AA類型の環境基準 値を超過しています。しかし、基準値を超過していても平成 17 年度のBODは 1.4 ㎎/ℓであり、 他の地点とともに、良好な水質が維持されていると考えられます。 なお、グラフに「75%値」と記載してありますが、これは毎月の日平均値(12 個のデータ)を、 濃度が低い順に並べた9番目の値のことです。BOD(河川に適用)やCOD(化学的酸素要求 量:湖沼や海域に適用)の環境基準への適合状況は、75%値で評価されます。 - 34 - ② 海域 海域の公共用水域水質測定は、 「伊予三島・川之江海域」と「土居海域」に区分して行われて います。 以下、公共用水域水質測定地点の位置を図 3-3-4 に、海域の代表的な汚濁指標とされているC OD(化学的酸素要求量:海域と湖沼に適用)の環境基準値を表 3-3-3 に示します。また、測定 結果を図 3-3-5 及び図 3-3-6 に示します。 凡 例 環境基準 海域A類型: 7 海域B類型: 3 海域の公共用水域測定地点 海域C類型: 1 (伊予三島・川之江海域) NO 地点名 1 伊予三島・川之江海域 ST-6 同 ST-9 2 同 ST-7 3 同 ST-4 4 同 ST-5 5 同 ST-2 6 同 ST-8 7 同 ST-3 8 同 ST-1 9 海域の公共用水域測定地点 (土居海域) 凡 例 環境基準 海域A類型: NO 10 11 12 13 14 15 地点名 土居海域 ST-6 同 ST-3 同 ST-5 同 ST-2 同 ST-4 同 ST-1 図 3-3-4 海域の公共用水域水質測定地点 - 35 - 10 表 3-3-3 水質汚濁に係る環境基準(海域の抜粋) 類型 A 水域の利用目的等 CODの基準値 マダイ、ブリ、ワカメ等の水産生物の生息、水浴、自然探勝、 2㎎/ℓ以下 その他 B ボラ、ノリ等の水産生物の生息、工業用水、その他 3㎎/ℓ以下 C 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)で不快感を生じない 8㎎/ℓ以下 限度 COD(75%値)の推移 (㎎/L) 9.0 海域C類型基準値 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 海域B類型基準値 3.0 海域A類型基準値 2.0 H13 H14 H15 H16 H17 1.0 0.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 図 3-3-5 伊予三島・川之江海域の各地点のCOD COD(75%値)の推移 (㎎/L) 6.0 5.0 H13 H14 H15 H16 H17 4.0 3.0 海域A類型の環境基準値 2.0 1.0 0.0 ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ 図 3-3-6 土居海域の各地点のCOD 各地点のCODは、それぞれの地点の類型に応じて概ね環境基準値を満足する水質を示してい ますが、A類型に指定されている地点でやや超過しています。また、伊予三島・川之江海域、土 居海域ともに、経年的に見てCODが増加する傾向がやや見られますが、平成 17 年度はやや減 少しています。 - 36 - (2) 四国中央市による水質測定結果 四国中央市では、公共用水域水質測定地点以外の中小河川や沿岸海域について、測定地点を密 に設定して水質測定を実施しています。ここでは、市内一円で測定を実施した中で最新の平成 16 年度の測定結果を記載します。 河川では金生川、宮川及び井関川の水質が比較的良好ですが、その他の河川や水路の水質は悪 化しています。海域については三島川之江港の水質が相対的に悪いですが、三島川之江港は海域 C類型となっており、環境基準値を満足する水質を維持しています。 川之江・伊予三島地域 河川水質測定結果 宮川 専用水路 金生川 小山水路 井地水路 契川 通町水路 赤之井川 海岸寺川 井関川 宮川 寺川 ( 樋之尾谷川 図 3-3-7 川之江・伊予三島地域の河川の「COD」 - 37 - 凡 例 COD:年平均 (単位:㎎/ℓ) 2 以下 ◎ 単 2∼5 以下 ○ 5∼10 以下 △ 10∼20 以下 □ 20∼ ● 蕪崎用排水路 千々之木川 関 川 八日市用排水路 檜木川 凡 例 BOD:年平均 (単位:mg/L) 2 以下 大谷用排水路 2 ∼ 5 以下 5 ∼ 10 以下 10 ∼ 20 以下 20 ∼ 図 3-3-8 土居地域の河川の「BOD」 図 3-3-9 海域のCOD - 38 - ● 第4節 廃棄物の現状 1 廃棄物の排出量 平成 17 年度の四国中央市クリーンセンターへのごみ搬入量は、可燃ごみが 35,246t、不燃ごみ が 1,582t、資源ごみが 1,293t、粗大ごみが 1,392tで、合計で 39,513tとなっています。ごみ 搬入量の推移をみると、資源ごみを除いて平成 16 年度まで増加傾向にありましたが、平成 17 年度 はいずれも減少しています。 市民一人一日当たりのごみ排出量も平成 16 年度までは増加傾向にありましたが、平成 17 年度は 1,138gに減少しました。ただし、平成 16 年度で見ると、一人一日当たりのごみ処理量は愛媛県の 平均が 1,116g、全国平均が 1,086gであり、四国中央市民の一人一日当たり排出量は、これらを わずかですが上回っています。 可燃ごみ 不燃ごみ 資源ごみ 44,000 計36,477 36,000 32,000 1,079 1,548 1,616 計 37,273 1,703 1,321 1,697 1,389 1,404 1,666 1,151 1,477 1,579 計 39,513 1,392 1,293 1,582 28,000 24,000 20,000 t 16,000 32,233 35,127 36,275 平成15年度 平成16年度 33,066 35,246 12,000 8,000 4,000 0 平成13年度 平成14年度 平成17年度 ごみの搬入量の推移 人口 排出量原単位 120,000 100,000 1,800 96,398 96,197 96,089 95,742 95,145 1,129 1,173 1,138 1,600 1,400 人 80,000 口 1,037 1,062 出 60,000 800 40,000 600 ) 人 1,200 排 1,000 量 ( ︶ ︵ ご み 搬 入 量 計 40,996 計 39,586 40,000 粗大ごみ 原 単 位 400 (g/人・日) 20,000 200 0 0 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 人口と排出量原単位の推移 図 3-4-1 クリーンセンター搬入量等の推移 - 39 - 2 エコタウン構想 「エコタウン事業」は、 「ゼロ・エミッション構想(ある産業から出る廃棄物を新たに他の分野 の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想) 」を循環型社会形成のため の基本構想として位置付け、併せて、地域振興の基軸として推進することにより、先進的な環境調 和型のまちづくりを推進することを目的として、平成9年度に創設された事業です。 具体的には、①それぞれの地域の特性に応じて、都道府県又は政令指定都市が作成(市町村が作 成する場合は都道府県等と連名)したプランについて環境省と経済産業省が共同で承認し、②当該 プランに基づき実施されるハード事業について、地方公共団体及び民間団体に対して財政支援など の支援を行うもので、平成 17 年度には大阪府、三重県四日市市及び愛媛県が承認されています。 愛媛県の作成した「愛媛エコタウンプラン」による、エコタウン施設整備(ハード事業)とソフ ト事業の概要は次のとおりです。 【ハード事業】 <課題> 基幹産業である製紙産業は、再生パルプの生産が伸び、県民、事業者から回収した 古紙のリサイクルが進む一方、それに伴い発生する「製紙スラッジ」の量が増加して おり、焼却後のスラッジ灰の処理が喫緊の課題となっている。大半が海面処分場に埋 立てされているのが現状であり、スラッジの発生抑制・焼却灰の再資源化について地 域、製紙業界、行政、研究機関等が連携し、宇摩圏域(四国中央市)における環境に やさしい「紙のまちエコタウン」として取り組む必要がある。 <位置付けたエコタウンハード施設> ◆ 再生填料製造施設 ◆ 製紙スラッジ焼却灰の人工ゼオライト化施設 ◆ 製紙スラッジ焼却灰の土木資材製造施設 ◆ 製紙スラッジ焼却灰の土壌改良材製造施設 【ソフト事業】 ◆「愛媛県資源循環優良モデル認定制度」の実施(平成 13 年度∼) ・優良なリサイクル製品、3R(次ページ参照)に積極的に取り組む事業所等を、優良モデ ルとして認定。 ・四国経済産業局のバックアップのもと、四国4県連携による相互推奨(平成 16 年度∼) 。 ◆「エコビジネス支援事業」の実施(平成 17 年度∼) ・上記の優良モデル認定事業所を中心としたリサイクル製品の展示や商談会を開催等。 ◆「瀬戸内エコタウン広域連携構築事業」の実施(平成 16 年度∼) ・リサイクル関連事業やエコタウン事業の推進に当たり、原材料となる廃棄物の安定確保や リサイクル製品の販路確保・需要拡大を図るため、瀬戸内圏域による広域連携を検討する。 ◆「地域新生コンソーシアム研究開発事業」の実施(平成 15∼16 年度) ・社団法人愛媛県パルプ工業会、愛媛大学、民間企業、愛媛県紙産業研究センター、愛媛県 中予水産試験場などが連携し、人工ゼオライト製造技術の確立、人工ゼオライト二次製品 の開発研究プロジェクトを実施する。 - 40 - 3Rとは? ●リデュース(Reduce) :ごみを減らす ●リユース(Reuse) :不要物を、そのままの形で再利用する ●リサイクル(Recycle):不要物の一部又は全部を別の製品の原料や熱エネルギー 等として再生利用する ※3Rに加えてリフューズ(ごみになるものを買わない、もらわない)及び「リタ ーン(ビール瓶のように購入先に戻せるものは戻す)又はリペア(修理して長く 使う) 」を加えて「5R」という呼び方もされつつあります。 図 3-4-2 愛媛エコタウンプランのリサイクル施設 - 41 - 第5節 自然環境の現状 1 自然環境関係の地域指定状況 すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養及 び教化に資することを目的として、自然公園法・愛媛県立自然公園条例により、 「国立公園」 「国定 公園」 「県立自然公園」が指定されています。また、自然環境の適正な保全を総合的に推進し、国 民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的として、自然環境保全法・愛媛県自然環境保 全条例により、 「自然環境保全地域」 「県自然環境保全地域」が指定されています。このほか、愛媛 県自然海岸保全地区条例による「自然海浜保全地区」及びえひめ自然百選が指定されています。 四国中央市におけるこれらの指定状況は以下のとおりです。 表 3-5-1 四国中央市内の自然環境関連の指定状況 指定区分 県立自然公園 自然海浜保全地区 県自然環境保全地域 山岳 名 称 特色 柳瀬ダム建設に伴う人造湖と左岸にそびえる 翠波峰(892.1m)からの瀬戸内海の展望及び富 金砂湖県立自然公園 郷渓谷の蛇紋石、緑泥片岩の奇岩絶壁等の風 景。 海岸は、大部分が護岸に接している半自然海岸 余木崎海岸自然海浜保 である。海浜はなだらかな傾斜をもつ礫交じり の砂浜で、海水はよく澄んでいる。海岸の背後 全地区 には、余木崎神社や小高い松山などがあり、静 かな雰囲気を持つ海水浴場である。 海浜には、ハマエンドウなどの海浜植物も見ら 寒川海岸自然海浜保全 れ、海水はよく澄んでおり、背後を松林に囲ま れた静かな雰囲気を持った、東予地区では数少 地区 ない海水浴場である。 赤石山系や二ツ岳周辺の蛇紋岩、角閃岩による 赤石山系県自然環境保 急峻な岩場とその上に生育する五葉松などの 天然林及び銅山峰周辺に群生するツガザク 全地域 ラ・アカモノなどの高山植物が一体となって、 すぐれた自然環境を形成している。 橡尾山 東赤石山 えひめ 樹木 下柏のイブキ 自然百選 植物群落 棹の森 滝・湖沼 金砂湖 歴史的 自然環境 三角寺奥の院の寺叢 愛媛県指定 - 42 - 余木崎海岸 自然海浜保全地区 寒川海岸 自然海浜保全地区 棹の森 下柏のイブキ 四国中央市役所 三角寺奥の院の寺叢 金砂湖県立自然公園 金砂湖 赤石山系県自然環境保全地域 橡尾山 東赤石山 図 3-5-1 四国中央市内の自然環境関連の指定状況 2 植物及び動物 愛媛県の自然環境の特徴は、海岸地域の暖温帯植生から石鎚山系の亜高山植生まで植物相の多様 性に富んでいること、そのことが豊かな動物相を育んでいることです。 環境庁(現環境省)の自然環境保全基礎調査によれば、四国中央市の植生は、コナラ群落、クリ −ミズナラ群落、スギ・ヒノキ植林、アカシデ−イヌシデ群落、コバノミツバツツジ−アカマツ群 集、オンツツジ−アカマツ群集等で構成されています 動物では、ニホンザル、タヌキ、キツネ、アナグマ、ニホンイノシシ、ニホンジカ等の 1985 年 以降の分布が確認されています。魚類では、銅山川でニジマス、アマゴ、アユ、コイ類、ウグイ、 タカハヤ等の生息が確認されています。 - 43 - 3 自然とのふれあい 自然とのふれあい、心のやすらぎや感動を得ることは、自然に対する理解を深め、環境を大切に する心を育む上でも重要な意義があります。四国中央市は、 「うみ・やま」と、大変自然に恵まれ ており、自然とのふれあいに適した主な場所やイベントを表 3-5-2 に示します。 表 3-5-2 自然とのふれあいの適した主な場所やイベント 名称 概要 余木崎海水浴場 香川県境にあり、波静かな瀬戸内海に面した海水浴場です。シャワー室、 休憩所、トイレ、駐車場が整備されています。 森と湖畔の公園 オートキャンプ場や中央広場を囲むように、ふれあい橋や原っぱ広場、四 季の森、自然観察の森などがあり、それらを結ぶ散策道が湖畔の周辺や木 立の中へ続いています。 約 3km にわたり 2 万株のあじさいが、紫・青・ピンク・白など色とりどり に咲き誇る花の名所です。6 月には「あじさいまつり」が開催されます。 なだらかな草原は、春には一面若草色に染まり、秋には一面銀色に輝くす すきの高原に塗り替えられます。風にたなびくすすきは、訪れる人々を幻 想の世界に引き込みます。 大自然の息吹を満喫できます。木々のささやきや小鳥たちのさえずり、ゆ ったりとした時間が流れるひとときを過ごすことができます。 翠波高原は、標高 892mの翠波峰を中心とした約 100ha の高原です。美し い翠(みどり)が波のようになびき、遠く石鎚の尾根へと連なる古代準平 原の名残をとどめた高原は、春には菜の花や桜、夏から秋は高原を覆いつ くすコスモス、秋には萩の花など美しい花々が咲き誇っています。 標高 290mにある湖面は、周囲の山々の緑を映し出し、真紅の平野橋と見 事なコントラストを描き出しています。水と緑の豊かなアウトドアゾーン として整備が進められ、釣り、ジェットスキー、ウィンドサーフィン、キ ャンプなどを楽しむ人々が訪れています。 富郷渓谷で最も雄大な景観を誇る「戻ヶ嶽」のすぐ上流にあり、銅山川で の水遊びや木立の中での散策を楽しむことができます。 遊具、 ローラー滑り台、 野球やサッカーの試合ができる多目的広場があり、 その周りには一周 750mのジョギングコースなどもあります。公園のシン ボルは「風のホルン」で、風が吹くと自然のメロディが奏でられます。 あじさいの里 塩塚高原 霧の森 翠波高原 金砂湖 富郷キャンプ場 やまじ風公園 〔注〕第2章「観光・レクリエーション施設」と重複するものが多い。 - 44 - 第6節 快適環境の現状 1 公園・緑地 公園や緑地は、憩い・ふれあいの場として、市民にうるおいとやすらぎを与え、美しい都市景観 を提供しています。 四国中央市の都市公園の現況は表 3-6-1 のとおりで、箇所数が 22、面積が 57.56ha です。これ は平成 18 年度末の値ですが、年度が異なるものの国勢調査人口(平成 17 年 10 月1日:92,854 人) により市民1人当たりの都市公園面積を算出すると 6.2 ㎡となります。一方、全国平均値は、最新 値の平成 17 年度末が 9.1 ㎡であり、四国中央市は自然環境に恵まれている一方で、1人当たりの 都市公園面積は全国平均の 70%程度と少なくなっています。 表 3-6-1 都市公園の現況 区分 街区公園 箇所数 面積(ha) 近隣公園 地区公園 総合公園 運動公園 その他 総数 8 3 2 2 1 6 22 1.32 6.82 11.84 20.41 13.45 3.72 57.56 平成 19 年 3 月 31 日現在 2 景観・まちの美観 四国中央市は東西に約 25 ㎞の海岸線が連なり、その海岸線に沿って工業地帯が位置しています。 その南には比較的幅の狭い市街地が東西方向に延び、市街地の南には急峻な法皇山脈が東西に連な っています。 海岸沿いには何本かの高煙突が立ち、それが国道 11 号や住宅地からも間近に見え、四国中央市 が工業都市であることを実感させる景観となっています。環境基本計画策定に当たって実施した市 民アンケート(資料編 資料−3:問7)によると、 「まち並みが整然としていて自然景観も良好」 と答えた市民は、新宮地域で相対的に多かったものの回答者の 20%程度であり、川之江地域や嶺 北では5%程度と少なく、全市でも9%にとどまっていて、市民は四国中央市の景観を良好とは感 じていない結果となっています。また、50%近くの市民が、 「道端、河川敷、海辺のごみや犬のふ んが多い」と回答しており、まちの美観についての課題といえそうです。 - 45 - 第7節 環境と社会経済 1 企業の環境保全活動 今日、企業の社会的責任(CSR)という言葉が盛んにいわれ、企業による環境経営促進、環境 マネジメントシステムの導入、環境報告書、環境会計、製品のライフサイクルアセスメント、グリ ーン購入の推進等、企業経営における環境配慮の取組が進展しています。しかし、益々悪化してい るといわれる地球環境の現状から、さらに一段上の環境取組が企業に期待されています。すなわち、 従来の生産現場における活動、製品、サービス中心の環境取組から、天然資源の基盤の保護・管理、 例えば自然環境、生物多様性の保全といった取組まで期待されるようになっており、自社の事業活 動の資源となる自然環境の保全に取り組む企業も見られるようになっています。 一方、企業の取組において、近年は社会もしくは市民、行政といった各主体の期待に対して、よ り的確に応えていくために、それら主体との新しい関係を構築していこうという動きが見られてい ます。例えば、これまでは消費者は弱い立場にあるので何らかの規制等によって保護されるべきと 考えられてきましたが、今後は消費者が企業を選択できるような情報をきちんと提供し、対等な利 害関係者としてコミュニケーションすべきだという意見が出てきています。また企業とNPOの関 係についても、今では企業とNPOとの「連携」 「協働」の視点を重視すべきだという意見が出て きています。 愛媛県内でも、ビール工場が、原料となる水を育む森林を保全するためのボランティア活動を実 施したり、四国中央市内の工場でも、多くの従業員が市の清掃活動に参加したり、自然とふれあえ る観光地の緑化活動を推進するなどの取組が見られています。 2 環境ビジネス 環境保全の活動を持続的に進めるためには経済的な基盤が充実する必要があります。いわば環境 保全の取組のために地域内あるいは地域間で人が循環し、人の循環と併せて資源・モノが循環し、 それを収益事業として行う「コミュニティ・ビジネス」として事業を展開することを考える必要が あります。 商店街における地域通貨等を用いた3R推進や、環境配慮型商品の販売などを各主体の積極的な 参加を得て行う取組などが考えられ、環境保全という公益に資する事業を行う多様な主体に対して は、様々な主体から適切に関与・支援・協働が行われることが望まれます。 - 46 - 第4章 市民等の意識と環境の課題の整理 第1節 市民等の意識 1 アンケート調査の目的 環境基本計画の策定に当たっては、市民が四国中央市の環境をどのように考え、また、行政に対 してどのような取組を期待するか等を把握することが重要です。また、策定後の環境基本計画の推 進に当たっては、計画の推進主体が策定主体である行政に限定されることなく、市民や事業者の取 組が不可欠です。市民や事業者は地域づくりの主体として、その行動は大きな意味をもっているこ とから、計画策定に当たり市民等の環境意識を把握しておくことが非常に重要です。 アンケート調査は、四国中央市環境基本計画の策定に当たり、以下の目的で実施しました。 ①市民等に今の環境がどう認識され、どう評価されているか、特に市民等の眼から見た「四国中 央市の環境の課題」を把握します。 ②今後の環境保全のための取組を検討していく上で、市民、事業者それぞれの立場でどのような 取組が行われているか、又はどのような取組が考えられるかを検討します。 ③環境行政に対する市民や事業者の要望を把握します。 ④アンケート調査票への記入を通じて、環境問題への関心を高める契機とします。 2 アンケート調査の対象者と調査内容等 アンケート調査の対象者は、市民、中学生(2年)とその保護者及び事業者としました。 調査内容は、生活環境、水環境、自然環境など各環境に対する意識、現在の環境に対する満足度、 過去との比較、環境保全活動への取組状況等としました。なお、集計結果は資料編(資料−3)に 掲載しました。 表 4-1-1 アンケート調査の対象者と調査票の配布数等 対象者 調査票の配布数 市民 1,500 通 保護者 516 通 中学生(2年) 516 通 事業所 100 通 - 47 - 調査票の回収数 487 通 (回収率 32.5%) 392 通 (回収率 76.0%) 471 通 (回収率 91.3%) 40 通 (回収率 40.0%) 第2節 環境の課題 第3章で記載した各環境の現状及びアンケート調査で把握した市民の意識から考えられる環境の 課題は、表 4-2-1∼表 4-2-4のとおりです。 なお、文中で、アンケート調査結果の「%」は、表 4-1-1の「市民」についての集計結果です。 表 4-2-1 四国中央市の環境の現状と課題(1) 区分 地 球 環境の現状と課題 現状 ●四国中央市の市民一人当たりのエネルギー消費量は、民生家庭部門、産業部門、 運輸部門のいずれも全国平均値を上回っています。 環 境 課題 ●市民一人当たりのエネルギー消費量が全国平均値を上回っているのは、 四国中央 市が全国屈指の「紙のまち」という工業都市であることが主な理由と考えられ ますが、地球温暖化対策としてエネルギー消費量の削減は非常に重要であり、 市民一人ひとりが取り組んでいく必要があります。 大 気 現状 ●かつての高度成長時代に問題となった大気中の二酸化硫黄は、 現在では環境基準 値の1/2以下に減少しました。自動車の影響が強い二酸化窒素は、川之江地域で 環 境 環境基準値ぎりぎりの濃度が見られるものの、全国の測定局のほとんどで基準 値を超えている光化学オキシダントを除けば、基準値を超過する濃度は見られ ていません。 ●ダイオキシン類は、環境基準値の1/10程度の濃度が維持されています。 課題 ●市民アンケート(問2)では、 「工場などの煙突の煙が気になる」と回答した市 民が全体の37%にのぼり、特に川之江地域では47%となっています。このこと から、四国中央市では工場を気にする人が多いと考えられますが、大気汚染そ のもの以上に高煙突が間近に見える景観の問題があるのかもしれません。 ●工場に次いで、 「車の排ガスが気になる」と回答した市民の比率も全体では25% となっていました。地域別の違いはあまり見られませんでした。 ●以上のことから、現在の大気質が環境基準値を満足しているという現状や、工場 のばい煙濃度と規制値との関係などについて、市民の理解が十分ではないこと が推察されます。したがって、市民・企業・行政の環境コミュニケーションを 推進することが、環境と社会経済のより良い関係をつくるために必要と考えら れます。また、自動車排ガス対策が課題になると考えられます。 - 48 - 表 4-2-2 四国中央市の環境の現状と課題(2) 区分 騒音 環境の現状と課題 現状 ●道路から離れた「一般環境騒音」及び道路沿道の「自動車交通騒音」が、毎年、 市内数箇所で測定されています。 ●これらの地点の騒音レベルについてみると、一般環境騒音は、夜間の測定値が環 境基準値をわずかに超過している地点があるものの、概ね環境基準値と同等又 はそれ以下となっています。一方、自動車交通騒音をみると、国道11号沿道で は、昼間・夜間ともに環境基準値を超過しています。 課題 ●市民アンケート(問3)では、川之江地域の37%(全市の28%)が「車の騒音が 気になる」と回答しており、幹線道の道路交通騒音対策が課題になると考えら れます。 水質 現状 ●生活排水などによる有機汚濁については、銅山川、新宮ダム、柳瀬ダムの水質は 良好で、概ね環境基準値以下となっています。市民アンケート(問4)でも、 新宮地域では「水がきれい」だという回答が61%で、 「水が汚い」という4%を 大きく上回っています。 ●一方、川之江地域や伊予三島地域の市街地では、有機汚濁が見られる河川も少な くありません。市民アンケートでも、川之江地域や伊予三島地域では、 「水がき れい」が10%程度又はそれ以下である一方、排水の影響を懸念する意見が多く なっていました。 ●海域では、三島川之江港のCOD(化学的酸素要求量)が市内海域では最も高い 値を示していますが、C類型の環境基準値は満足しています。 課題 ●市街地の河川には環境基準値が適用されていませんが、 有機汚濁の指標であるC ODの値は高くなっています。その地先海域である三島川之江港のCODも高 く、工場排水や家庭排水の有機汚濁対策が課題になると考えられます。 ●市民アンケート(問4)では、 「工場や事業所の排水が水質を悪くしている」が 38%で、 「家庭の生活排水が水質を悪くしている」の28%を上回っています。こ れについても、現在の水質が概ね環境基準値を満足しているという現状や、工 場排水の濃度と規制値との関係などについて市民の理解が十分ではないことが 推察されるため、大気環境と同様、市民・企業・行政の環境コミュニケーショ ンを推進することが、環境と社会経済のより良い関係をつくるために必要と考 えられます。また、家庭排水対策等の点から、下水道や合併浄化槽の整備が課 題になると考えられます。 - 49 - 表 4-2-3 四国中央市の環境の現状と課題(3) 区分 廃棄物 環境の現状と課題 現況 ●四国中央市のごみ搬入量は平成16年度まで増加傾向にあり、 平成16年度が40,996 tでしたが、平成17年度は39,513tに減少しました。ごみの種別に見ても、資 源ごみを除いて、平成16年度まで増加し平成17年度に減少しています。 ●市民一人一日当たりのごみ排出量も、平成16年度まで増加傾向にありましたが、 平成17年度は1,138gに減少しました。しかし、公表されている全国の値(平成 16年度:1,086g)と比較すると、四国中央市(平成16年度:1,173g)は全国 の1.08倍となっています。 課題 ●市民一人一日当たりの排出量が多い原因を検討し、全国平均値に近づける、さら にそれ以下にすることが課題と考えられます。 ●市民アンケート(問5)では、 「自分の住んでいる地域では、ごみの分別がきち んとされている」と回答したのは42%にすぎず、27%が「きちんとされていな い」と回答しています。ごみの適切な分別はリサイクルを促し、ごみの減量化 に結びつくため、分別の比率を高めることが課題と考えられます。 ●同じく「問5」では、 「廃家電やタイヤなどの廃棄物が投棄されているのをよく みかける」が全市で17%ですが、新宮地域では26%となっており、既に言われ ていることながら、山間部への不法投棄対策が課題と考えられます。 ●「問7」では、 「道端、河川敷、海辺のごみや犬のふんが多い」が全市で47%に のぼっており、まちの美観維持のためにポイ捨て対策等が課題と考えられます。 自 然 現況 ●市内では、以下のように自然環境関連の地域指定が多くなされています。 ・金砂湖県立自然公園(愛媛県立自然公園条例) ・余木崎海岸自然海浜保全地区(愛媛県自然海浜保全地区条例) ・寒川海岸自然海浜保全地区(同上) ・赤石山系県自然環境保全地域(愛媛県自然環境保全条例) ・えひめ自然百選「橡尾山」 「東赤石山」 「下柏のイブキ」 「棹の森」 「金砂湖」 「三 角寺奥の院の寺叢」 (愛媛県指定) 環 境 課題 ●良好な自然環境を孫子の代まで保全していかなくてはなりません。 ●市民アンケート(問8)で環境に対する満足度を見ると、 「満足+やや満足」が 「緑豊かな山林や水田」では54%と高かったのに対し、 「川や海などの水辺との ふれあい」では19%と低く、水辺環境の保全が課題と考えられます。特に、前 者の満足度がいろいろな環境要素の中で最も高かったのに対し、後者は最も低 くなっており、同じ自然環境でありながら大きな違いがあります。 - 50 - 表 4-2-4 四国中央市の環境の現状と課題(4) 区分 快 適 環境の現状と課題 現況 ●市民1人当たりの都市公園面積は、全国平均の70%程度と少なくなっています。 ●市民アンケート(問7)では、 「まち並みが整然としていて自然景観も良好」と 環 境 答えた人は、回答者の9%にとどまっていて、市民は四国中央市の景観を良好 とは感じていないと考えられます。 ●同じくアンケートでは回答者の47%が「道端、河川敷、海辺のごみや犬のふんが 多い」と回答しています。 課題 ●市民一人当たりの公園面積の少なさを改善していくとともに、 工業都市にとって ある程度やむをえない景観(間近に高煙突が見えるなど)と共に生活していく ために、うるおいある生活環境づくりに努める必要があります。 ●ごみのポイ捨てや犬のふんなどまちの美観についての改善が必要です。 環境と 社 会 経 済 課題 ●企業の環境への取組、 及び市民や行政との連携や協働を推進していくことが求め られます。 ●環境保全の取組を持続的に進めるために、 それが可能となるような環境ビジネス を考えていく必要があります。 市役所 の取組 市民アンケート(問15)では、今後の市役所の取組の重要度は、次の順になっています。 ①工場や事業所等のばい煙対策 ②工場や事業所等の悪臭対策 ③工場排水対策 ④廃棄物の不法投棄対策 ⑤ごみの減量・リサイクル ⑥有害化学物質対策 ⑦生活排水対策 ⑧自動車の排ガス対策 ⑨川や海など身近な水辺の保全・整備 ⑩工場や事業所等の騒音対策 (以下、ごみの散乱防止などが続く。全部で34の取組から上位10位をあげた。 ) - 51 - - 52 - 第5章 望ましい環境像と基本目標 第1節 望ましい環境像 四国中央市環境基本計画策定に当たり、市の環境をどのようなものにすべきかを検討して将来の 「望ましい環境像(計画のキャッチフレーズ) 」を定めるとともに、各環境分野における基本目標を 掲げ、それらを達成していくための施策の方向性を示します。 四国中央市は、全国屈指の「製紙・紙加工業」の工業都市であるとともに、緑豊かな山々や美し い自然海岸など豊かな自然環境にも恵まれた都市で、 「第一次四国中央市総合計画」でも、豊かな自 然と共生した潤いある環境を創造することを「まちづくりの基本方向(施策の柱) 」の一つに掲げて います。また、四国中央市環境基本条例では「環境の保全及び創造は、市民が自然と共生し、健康 で安全かつ快適な生活を営む上で必要とする恵み豊かな環境を確保し、これを将来の世代に引き継 ぐことを目的として行われなければならない」などを基本理念として定めています。 これらを受け、四国中央市環境基本計画における「望ましい環境像」を次のように定めます。 未来の子どもたちのために 自然を大切にするまち 四国中央市 ∼永続可能な未来を目指して∼ 第2節 基本目標 「望ましい環境像」の実現に向けて計画を推進していくための基本目標を、 「地球環境」 「生活環 境」 「水環境」 「廃棄物・リサイクル」 「自然環境」 「快適環境」及び「環境と社会経済」のそれぞれ について定めます。 基 本 目 標 1 未来の子どもたちに美しい地球をリレーします(地球環境) 今日の繁栄を支えてきた事業活動や利便性を追及した生活の営みは、資源やエネルギーを大量に 消費し、私たちの社会を取り巻く環境に多大な負荷を与え、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨 などの地球環境問題を引き起こし、私たちの生活そのものを脅かす要因の一つとなっています。 これらの問題は私たち一人ひとりの日常生活や事業活動に起因していることから、市民一人ひと りの意識改革を促し、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等の推進を図り、地球環境保全に資する 社会を創造するとともに、これを将来の世代に引き継いでいく必要があります。 - 53 - 2 みんながしあわせに暮らせるエコタウンを築きます(生活環境) 四国中央市は生活環境に係る著しい問題こそ抱えてはいませんが、工場の煙・悪臭や自動車の 排ガスを懸念する市民も多く、自動車騒音の改善や有害化学物質対策も課題となっています。 良好な大気質や静穏な環境は、市民が健康で文化的な生活を確保する上で基本的な条件であり、 大気汚染、騒音、振動、悪臭などの少ない良好な生活環境を実現するよう、努めていく必要があ ります。 3 水を守り水と共に発展する四国中央市を未来に残します(水環境) 四国中央市は、法皇山脈から四国山地へと続く山間部を擁し、この豊かな自然により水という 恵みを与えられ、産業や生活が支えられています。一方、海側では余木崎海岸や寒川海岸などの 自然海岸が、海水浴や自然とのふれあいの場として市民に親しまれています。 現在、私たちは、これら水環境の恩恵を受けて生活しています。私たちは、これらの良好な水 環境の下、引き続き健康で文化的な生活を営む権利を有していますが、同時に、これらを保全し、 将来の世代に引き継いでいく義務も有しています。 4 人にもやさしい、物にもやさしいリサイクル都市を目指します(廃棄物・リサイクル) 今日の発展を支えてきた大量生産・大量消費型の経済社会活動は、大量廃棄型の社会を形成し、 廃棄物処理に伴う環境問題、不適正な処理に伴う環境汚染、最終処分場の残余容量のひっ迫、廃 棄物の不法投棄等の問題を引き起こしています。また、こうした活動様式は、化石資源を中心と した天然資源の枯渇への懸念や、地球温暖化問題等の地球規模での環境問題に密接に関係してい ます。 このような状況の中で、四国屈指の工業地帯を抱える四国中央市としては、行政と市民・企業 が一体となり、ごみの減量化、再資源化の取組に努め、リサイクルのまちづくりに努めていく必 要があります。 5 自然とふれあい自然を大事にしていく心を育てます(自然環境) 四国中央市は、工業都市である一方で市域の 78%を林野が占め、市内に県立自然公園、県自然 環境保全地域及び自然海浜保全地区を抱えるなど、自然環境にも恵まれています。 良好な自然環境は、快適な生活、豊かな文化、豊かな心を育む源泉となるものであり、私たち も四国中央市の豊かな自然環境を保全し、将来の世代に引き継いでいく必要があります。そのた めには、森林、農地、水辺、海岸等における多様な自然環境を総合的に保全することにより、人 と自然との豊かなふれあいを確保し、それにより市民が四国中央市の自然環境を誇りとし、ます ます大切にしていくよう、施策を推進する必要があります。 - 54 - 6 水と緑を生かした快適なエコライフを送ります(快適環境) 市民アンケートを見る限り、景観やまち並みの美しさなど、日常生活において市民が美しさと うるおいを感じているとはいいがたい状況です。このため、緑の創出、清らかな水環境の形成、 地域の個性を生かした美しい景観の形成及び歴史的文化的遺産と一体をなす景観の保全を図り、 潤いと安らぎのある快適な環境を創造する必要があります。 7 環境と経済が共に向上するより良い関係を築きます(環境と社会経済) 現代の環境問題を考える上で、持続可能な開発を目指し、環境的側面、経済的側面及び社会的 側面を統合的に向上させることは、21 世紀に取り組むべき重要な課題と認識されています。 企業と市民・行政の協働による取組が、地域の環境保全と企業のメリットの双方に、さらには 環境ビジネスの展開に結び付くことを目指して、必要な取組を推進していくことが重要です。 - 55 - 第3節 環境基本計画の体系 第1節及び第2節で定めた「望ましい環境像」及び「基本目標」を達成していくために、 「施策 の方向」を図 5-3-1 のように体系づけ、その体系に従って、第6章で環境施策を展開します。 各分野の基本目標 望ましい 環境像 施策の方向 ∼永続可能な未来を目指して∼ 未来の子どもたちのために 自然を大切にするまち 四国中央市 1 【地球環境】 未来の子どもたちに 美しい地球をリレー します ■施策1 地球温暖化の防止 ⇒ p.57 ■施策2 オゾン層破壊及び 酸性雨への対策 ⇒ p.59 2 【生活環境】 みんながしあわせに 暮らせるエコタウン を築きます ■施策1 ■施策2 ■施策3 ■施策4 3 【水環境】 水を守り水と共に発 展する四国中央市を 未来に残します ■施策1 水質の保全 ■施策2 水循環の保全 ■施策3 土壌汚染の防止 ⇒ p.65 ⇒ p.67 ⇒ p.68 4 【廃棄物・リサイクル】 人にもやさしい、物 にもやさしいリサイ クル都市を目指しま す ■施策1 ■施策2 ■施策3 ■施策4 ⇒ p.69 ⇒ p.71 ⇒ p.72 大気環境の保全 騒音・振動の防止 悪臭の防止 有害化学物質対策 廃棄物の減量 廃棄物の適正処理 資源の循環的利用 ポイ捨て及び不法 投棄の防止 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ p.60 p.62 p.63 p.64 ⇒ p.73 5 【自然環境】 自然とふれあい自然 を大事にしていく心 を育てます ■施策1 動植物の保護 ■施策2 森林・農地の保全 ■施策3 河川や自然海岸等 の保全 ■施策4 自然とのふれあい ■施策5 防災対策の推進 6 【快適環境】 水と緑を生かした快 適なエコライフを送 ります ■施策1 公園や緑地の整備 及び緑化の推進 ⇒ p.81 ■施策2 景観の保全及びま ちの美観の維持 ⇒ p.83 ■施策3 安心・安全なまち づくりの推進 ⇒ p.85 7 【環境と社会経済】 環境と経済が共に向 上するより良い関係 を築きます ■施策1 企業の環境保全の 取組の推進 ■施策2 環境ビジネスの展開 ■施策3 環境教育の推進及 び指導者の育成 ■施策4 計画推進組織の設置 図 5-3-1 環境施策の体系 - 56 - ⇒ p.74 ⇒ p.75 ⇒ p.77 ⇒ p.78 ⇒ p.80 ⇒ p.86 ⇒ p.87 ⇒ p.88 ⇒ p.90 第6章 環境施策の展開 第1節 未来の子どもたちに美しい地球をリレーします(地球環境) 地球温暖化防止においてエネルギー消費量削減は非常に重要ですが、四国中央市の市民一人当 たりのエネルギー消費量は全国平均値を上回っており、市民一人ひとりがエネルギー消費量削減 に現在以上に取り組んでいく必要があります。また、オゾン層破壊についてはフロン回収の徹底、 酸性雨については大気汚染物質の削減を進めていきます。 施策1 地球温暖化の防止 取り組む項目 1 四国中央市地球温暖化対策実行計画の策定 2 省エネに関わる普及啓発及び公共施設等の省エネ改修 3 新エネルギーの導入 4 ごみの発生抑制及び減量化 5 自動車からの温室効果ガス排出量の削減 6 温室効果ガスの吸収源対策 主体別の取組内容 市民、事業者、行政の、各主体別の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①四国中央市は地球温暖化対策実行計画を策定し、率先して温室効果ガス排出量を削減します。 【環境衛生課】【全庁】 ②学校や家庭に対する省エネルギーの普及啓発や公共施設等の省エネ改修等により、温室効果ガス排 出量を削減します。 【環境衛生課】【各施設の管理者】 ③化石燃料に替えて太陽光などの再生可能な自然エネルギーや、カーボンニュートラルとされるバイ オマスエネルギーなど、新エネルギーの導入を推進し、化石燃料の利用に伴う温室効果ガス排出量 を削減します。 【環境衛生課】【農業振興課】【農林水産課】 ④新エネルギーについては、地球温暖化防止のみならず、災害等の非常電源としての役割も勘案し、 設置に当たっては市民参画の上で設置機器、場所や運営方法等を検討します。 【環境衛生課】【総務課】 ⑤ごみの発生抑制や減量化等の取組を行うことにより、ごみの焼却処理等に伴う温室効果ガス排出量 を削減します。 【生活清掃課】 ⑥公共交通機関の利用を促進して自動車交通量の低減を図るとともに、低公害車(低排出ガス車、ハ イブリッド自動車、天然ガス自動車など環境に配慮した自動車)の普及に努め、自動車に関わる温 室効果ガス排出量を削減します。 【総務課】【環境衛生課】 ⑦事業者には、共同輸配送の活用等による物流の効率化、貨物一単位当たりの環境負荷が小さい交通 手段(海運、鉄道など)の利用を呼びかけます。 【産業支援課】【港湾課】 ⑧森林整備や都市緑化により、温室効果ガスの吸収源対策を推進します。 【農林水産課】【都市計画課】 - 57 - 市 民 ①えひめ環境家計簿を活用して、省エネルギーに取り組みます。 ②家電製品等を購入する場合は、省エネルギー効率の高い製品を選定します。 ③自宅の新築や改築に当たっては、太陽光発電や太陽熱利用などの再生可能な自然エネルギーの導入 を検討します。 ④ごみの発生抑制や減量化等に取り組みます。 ⑤なるべく公共交通機関を利用し、自動車交通量の低減に協力します。 ⑥マイカーの買い換えに当たっては、低排出ガス車やハイブリッド自動車の購入を検討します。 ⑦森林整備に関わるボランティア活動への参加を検討します。 ⑧住宅の敷地内やベランダ等を積極的に緑化します。 事業者 ①省エネルギーに取り組むとともに、積極的に省エネルギー診断を受け、省エネ改修を検討します。 ②家電製品等の販売店は、省エネルギー効率を明示するよう努めます。 ③太陽光や小水力などの自然エネルギーや、カーボンニュートラルとされるバイオマスエネルギーな ど、新エネルギーの導入を検討します。 ④産業廃棄物の減量化、再利用、再生利用に努めます。 ⑤従業員の通勤に当たっては、公共交通機関の利用、マイカー相乗りによる通勤を指導し、自動車交 通量の低減に努めます。 ⑥社用車の買い換えに当たっては、低公害車(低排出ガス車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車 など環境に配慮した自動車)の購入を検討します。 ⑦荷主と物流事業者との協働により、輸送の効率化やトラックから鉄道や海運への転換を図るよう努 めます。 ⑧事業場内やベランダ、屋上の緑化に積極的に取り組みます。 - 58 - 施策2 オゾン層破壊及び酸性雨への対策 取り組む項目 1 フロン回収の徹底 2 オゾン層に関わる情報提供及び普及啓発 3 酸性雨対策 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働してオゾン層破壊への対策及び酸性雨対策を進めるに当たっての、 各主体別の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①愛媛県、フロン類回収業者、フロン類破壊業者等と連携し、オゾン層を破壊するフロン回収を徹底 します。民間企業や市民に対しては情報提供及び普及啓発を行います。 【環境衛生課】【産業支援課】 ②オゾン層・紫外線に関する情報を提供するとともに、特に子どもやその保護者に対して、紫外線対 策の啓発に努めます。 【環境衛生課】【学校教育課】【こども課】 ③酸性雨の原因が化石燃料の燃焼であることから、地球温暖化対策と同様、化石燃料の使用量削減に 向け、省エネルギー対策の推進、新エネルギー導入の推進、ごみの発生抑制及び減量化、自動車か らの温室効果ガス排出量の削減等に努めます。 【環境衛生課】【生活清掃課】 市民・事業者 ①フロン回収・破壊法を遵守し、フロン回収を徹底します。 ②子どもが過剰に紫外線に当たらないよう、服装などに配慮します。 ③酸性雨の原因が化石燃料の燃焼であることから、化石燃料の使用量削減に向け、省エネルギー行動、 ごみの発生抑制や減量化、公共交通機関の利用に取り組むとともに、低排出ガス車やハイブリッド 自動車の購入、新エネルギーの導入を検討します。 - 59 - 第2節 みんながしあわせに暮らせるエコタウンを築きます(生活環境) 四国中央市の大気質は環境基準値以下ですが、環境負荷のさらなる低減に向けた取組を、引き 続き推進していく必要があります。また、自動車の排出ガス対策及び自動車騒音対策は重要な課 題であり、野焼きや生活騒音など生活型公害への対策、有害化学物質対策も進めていく必要があ ります。 施策1 大気環境の保全 取り組む項目 1 大気質の常時監視 2 工場・事業場対策 3 道路沿道環境対策 4 自動車排出ガス対策 5 光化学オキシダント対策 6 アスベスト対策 7 野焼きの禁止の徹底 8 苦情処理体制の整備 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して大気環境の保全対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内 容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①愛媛県と協力して、大気質の常時監視、調査及び監視パトロールを継続して実施します。 【環境衛生課】 ②工場や事業場に対しては、大気汚染防止法等に基づき、ばい煙の排出やふんじんの発生防止に関わ る立入調査や指導を継続して実施します。 【環境衛生課】 ③大気の浄化や都市気候の調整などに資するため、道路の緑化を推進します。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】 ④幹線道路ネットワークの整備、交差点改良等の道路構造の改善、自動車交通需要の調整など、交通 流の円滑化対策を推進します。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】 ⑤バス路線の維持、交通渋滞の緩和、排気ガス低減による環境改善を図るため、公共交通機関の利用 を推進します。また、デマンド型タクシー等の導入について検討します。 【総合政策課】 ⑥自転車通勤を奨励して自動車交通量の低減を図るとともに、必要に応じて駐輪場や自転車道を整備 します。 【環境衛生課】 ⇒次ページに続く - 60 - 行政(続き) 【 】内は主な担当課 ⑦四国中央市が公用車を更新する場合は、低公害車(低排出ガス車、ハイブリッド自動車等)を基本 にするとともに、市民や事業所に対する低公害車の普及に努めます。 【環境衛生課】【総務課】【財政課】【産業支援課】 ⑧事業者には、共同輸配送の活用等による物流の効率化、貨物一単位当たりの環境負荷が小さい交通 手段(海運、鉄道など)の利用を呼びかけます。 【産業支援課】【港湾課】 ⑨光化学オキシダントによる汚染については、原因物質である窒素酸化物や炭化水素の排出抑制対策 を推進します。 【環境衛生課】 ⑩アスベストについては、昭和30年代から50年代にかけて多く建設されたアスベスト使用建築物の解 体件数増加が見込まれていることを踏まえ、市民や事業者を対象とした相談窓口の設置について検 討します。 【保健推進課】 ⑪廃棄物処理法に基づき、野焼きの禁止を徹底します。 【環境衛生課】 ⑫苦情に対し、迅速・的確に対応できる体制を整備します。 【環境衛生課】 市 民 ①なるべく公共交通機関を利用し、自動車交通量の低減に協力します。 ②マイカーの買い換えに当たっては、低排出ガス車やハイブリッド自動車の購入を検討します。 ③不要なアイドリングを止め、急発進・急停車・急加速をしない、制限速度を守るなどエコドライブ を心がけます。 ④家屋の解体や改修に当たっては、アスベスト使用の有無を確認し、対処方法がわからない場合は市 に相談します。 ⑤ごみの野焼きはしません。 事業者 ①大気汚染防止法等を遵守するとともに、環境負荷のさらなる低減に向けた取組を促進し、ばい煙の 汚染物質濃度の削減やふんじんの発生防止に努めます。 ②従業員の通勤に当たっては、公共交通機関の利用、マイカー相乗りによる通勤を指導し、自動車交 通量の低減に努めます。 ③社用車の買い換えに当たっては、低公害車(低排出ガス車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車 など環境に配慮した自動車)の購入を検討します。 ④荷主と物流事業者との協働により、輸送の効率化やトラックから鉄道や海運への転換を図るよう努 めます。 ⑤不要なアイドリングを止め、急発進・急停車・急加速をしない、過積載をしない、制限速度を守る などエコドライブを心がけます。 ⑥光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物や炭化水素の排出抑制に努めます。 ⑦事務所や事業場等の解体や改修に当たっては、アスベスト使用の有無を確認し、対処方法がわから ない場合は市に相談します。 ⑧事業系一般廃棄物や産業廃棄物の野焼きはしません。 - 61 - 施策2 騒音・振動の防止 取り組む項目 1 騒音・振動調査の実施 2 工場・事業場対策 3 自動車騒音・振動対策 4 建設工事に伴う騒音・振動対策 5 生活騒音対策 6 苦情処理体制の整備 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して騒音・振動防止対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内 容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①国道11号沿道の自動車騒音など、定期的に騒音及び振動調査を継続して実施します。 【環境衛生課】 ②工場や事業場に対しては、騒音規制法、振動規制法等に基づき、騒音や振動の発生防止に関わる指 導を継続して実施します。 【環境衛生課】 ③大気環境の保全の項で記載した、交通流の円滑化対策、公共交通機関の利用の推進など、自動車交 通量の低減対策を実施します。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】【環境衛生課】 ④事業者には、共同輸配送の活用等による物流の効率化、貨物一単位当たりの環境負荷が小さい交通 手段(海運、鉄道など)の利用を呼びかけます。 【産業支援課】【港湾課】 ⑤自動車騒音を防止するため、必要に応じて遮音壁、低騒音舗装、植樹帯整備等の対策を推進します。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】 ⑥家庭の生活騒音など日常生活に起因する近隣騒音については、地域社会のルールづくりや環境保全 意識の向上を図るための啓発に努めます。 【環境衛生課】 ⑦苦情に対し、迅速・的確に対応できる体制を整備します。 【環境衛生課】 市 民 ①なるべく公共交通機関を利用し、自動車交通量の低減に協力します。 ②不要なアイドリングを止め、急発進・急停車・急加速をしない、制限速度を守るなど自動車騒音防 止に心がけます。 ③テレビやオーディオの音量に注意して深夜にはヘッドホンを使う、洗濯や掃除の時間帯に配慮す る、自動車やバイクのアイドリングを控え大きな音をたててドアを閉めないなど、不用意な生活騒 音を発生させないように気をつけます。 - 62 - 事業者 ①騒音規制法や振動規制法等を遵守するととともに、自主的な騒音防止・振動防止の取組を促進し、 これらの発生防止に努めます。 ②従業員の通勤に当たっては、公共交通機関の利用、マイカー相乗りによる通勤を指導し、自動車交 通量の低減に努めます。 ③荷主と物流事業者との協働により、輸送の効率化やトラックから鉄道や海運への転換を図るよう努 めます。 ④建設工事に当たっては、低騒音・低振動型建設機械を使用し、作業時間に配慮します。 ⑤不要なアイドリングを止め、急発進・急停車・急加速をしない、過積載をしない、制限速度を守る など自動車騒音防止に心がけます。 施策3 悪臭の防止 取り組む項目 1 工場・事業場対策 2 畜産事業場対策 3 日常生活に起因する悪臭の防止 4 苦情処理体制の整備 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して悪臭防止対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内容は次 のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①工場や事業場に対しては、悪臭防止法等に基づき、悪臭の発生防止に関わる規制や指導を継続して 実施します。また、必要に応じて工場や事業場の敷地境界線などで悪臭を測定します。 【環境衛生課】 ②畜産事業場に対しては、畜舎内での早期の糞尿分離、糞尿の早期の搬出、畜舎の清掃等の悪臭防止 対策を指導します。また、糞尿のバイオマスとしての有効利用法を検討し、必要に応じて処理施設 を整備します。 【農業振興課】 ③ペットの飼育や違法であるごみの焼却など、日常の家庭生活に起因する悪臭の発生を防止するため、 地域生活におけるマナーの向上や地域環境に対する意識啓発を進めます。 【環境衛生課】 ④苦情に対し、迅速・的確に対応できる体制を整備します。 【環境衛生課】 市 民 ①ペットの飼育に当たっては、飼育場所の清掃を適切に行うとともに、犬の散歩時の糞を持ち帰るな ど、地域生活におけるマナーを遵守します。 ②ごみの野焼きはしません。 - 63 - 事業者 ①悪臭防止法等を遵守するとともに、自主的な悪臭防止への取組を促進し、悪臭の発生防止に努めま す。 ②畜産事業場については、畜舎内での早期の糞尿分離、糞尿の早期の搬出、畜舎の清掃等により、悪 臭の発生防止に努めます。 ③事業系一般廃棄物や産業廃棄物の野焼きはしません。 施策4 有害化学物質対策 取り組む項目 1 有害化学物質に関する調査の実施 2 有害化学物質に関する情報の提供 3 ダイオキシン類対策 4 苦情処理体制の整備 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して有害化学物質対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内容 は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①環境中のダイオキシン類や環境ホルモンについては、国や愛媛県と協力して適切な場所を選定し、 大気、河川、海域、土壌における濃度測定を継続して実施します。 【環境衛生課】 ②PRTR(環境汚染物質排出・移動登録)制度の普及に努めるとともに、化学物質の地域別の排出 量等のデータを活用し、必要に応じて市民に情報提供します。 【環境衛生課】 ③ダイオキシン類対策特別措置法に基づく特定施設については、愛媛県と協力して適切な維持管理を 指導するとともに、排ガス、排出水、焼却灰等のダイオキシン類の監視を継続して実施します。 【環境衛生課】 ④苦情に対し、迅速・的確に対応できる体制を整備します。 【環境衛生課】 - 64 - 市 民 ①化学物質を廃棄する場合は、そのまま捨てたり流しに流したりせず、販売店に引き取ってもらうな ど、説明書に従って適切に処分します。 ②ダイオキシン類を発生させないため、ごみの野焼きはしません。 事業者 ①PRTR(環境汚染物質排出・移動登録)制度等を遵守するとともに、環境負荷のさらなる低減に 向けた取組を促進し、化学物質を適切に管理するとともに、廃棄する場合は適切に処分します。 ②ダイオキシン類対策特別措置法を遵守し、ダイオキシン類の発生防止に努めます。 ③ダイオキシン類を発生させないため、廃棄物の野焼きはしません。 第3節 水を守り水と共に発展する四国中央市を未来に残します(水環境) 銅山川、新宮ダム、柳瀬ダムの水質は良好ですが、川之江地域や伊予三島地域の市街地では、有 機汚濁が見られる河川が少なくありません。市街地及び三島川之江港の水質改善のためにも、下水道 や合併浄化槽の整備など、工場排水や家庭排水の有機汚濁対策を進めていく必要があります。また、 近年問題となっている農業・畜産業対策や、地下水のかん養に資する対策を推進します。 施策1 水質の保全 取り組む項目 1 公共用水域及び地下水の水質測定 2 工場・事業場対策 3 生活排水対策 4 農業・畜産業対策 5 水質保全のための普及啓発 6 苦情処理体制の整備 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して水質の保全対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内容は 次ページのとおりです。 - 65 - 行 政 【 】内は主な担当課 ①愛媛県と協力して、公共用水域の水質測定及び地下水の水質測定を継続して実施します。 【環境衛生課】 ②工場や事業場に対しては、水質汚濁防止法等に基づく排水規制及び地下浸透規制を継続して実施し ます。 【環境衛生課】 ③排水規制の対象となっていない規模や業種の工場や事業場については、排水の実態調査及び規制の 必要性について検討します。 【環境衛生課】 ④公共下水道の整備を進めるとともに、整備区域については下水道への早期の接続を推進します。 【下水道課】 ⑤下水処理区域以外の地域においては、合併処理浄化槽の普及を推進します。また、廃食油を回収に 出す、食べ残しを流さない、水切りネットを使用する、風呂の残り湯を洗濯に使用するなど、家庭 でできる生活排水対策を普及させるよう努めます。 【環境衛生課】 ⑥農産物に対する「健康・安全・安心」への関心の高まりを受け、農業協同組合等と協力して、農薬・ 肥料の低減、有機・低農薬栽培など、環境保全型農業を推進します。 【農業振興課】 ⑦畜産事業者には、家畜糞尿の適正処理を指導し、環境負荷の低減を図ります。 【農業振興課】 ⑧地域住民や企業等などの協力のもとに、市民や事業者が一体となった河川及び海岸の美化運動を推 進します。 【環境衛生課】【生活清掃課】【総務課】【産業支援課】【農林水産課】【建設部の各課】 ⑨市民が水辺とふれあい、水環境保全に対する意識が向上するよう、河川、水路、海岸等を自然環境 の保全に配慮した上で整備します。 【農林水産課】【建設部の各課】【環境衛生課】 ⑩苦情に対し、迅速・的確に対応できる体制を整備します。 【環境衛生課】 市 民 ①公共下水道が整備された地区では、速やかに下水道に接続します。 ②下水処理区域以外の地域では合併浄化槽を設置し、適切な処理水質が維持されるよう、定期的に維 持管理します。 ③廃食油は流しに流さず回収に出します。また、食べ残しを流さない、水切りネットを使用する、風 呂の残り湯を洗濯に使用するなど、生活排水対策を励行します。 ④河川や海岸の美化運動に積極的に参加します。 ⑤積極的に水辺とふれあい、水環境を大切にする意識を育てます。 事業者 ①水質汚濁防止法等の排水基準を遵守するとともに、排水処理技術の向上に取り組み、水質への影響 を最小限にします。 ②有害物質が地下に浸透して地下水汚染を生じさせないよう、保管等には十分注意します。 ③法規制対象外の工場や事業場でも、排水をきれいにして放流します。 ④農業においては、農薬・化学肥料を使いすぎないよう、適正量を使用します。また、有機栽培など環 境負荷の少ない農業を推進します。 ⑤畜産業においては、家畜排せつ物法を遵守し、家畜糞尿を適正に処理します。 ⑥河川や海岸の美化運動に積極的に参加します。 - 66 - 施策2 水循環の保全 取り組む項目 1 地下水のかん養 2 水資源の有効利用のための普及啓発 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して水循環の保全を進めるに当たっての、各主体別の取組内容は次 のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①降雨をできるだけ地下に浸透させ地下水をかん養するなど健全な水循環の構築のため、山林の保全 と維持管理、水田の保全を図ります。 【農林水産課】 ②道路工事における透水性舗装の促進、その他駐車場、歩道、公共施設における雨水の地下浸透を促 進し、水循環の適正化を図ります。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】 ③四国中央市が率先して節水に努めるとともに、市民が渇水問題について考え、水を大切に利用して いくよう啓発します。 【環境衛生課】【水道課】【水道局】 市 民 ①山林の維持管理では、ボランティアとしての協力を検討します。 ②自宅の駐車場等はなるべく舗装せず、土のまま残すか、透水性舗装を検討します。 ③家庭用の雨水貯留施設を設置するなど、雨水の有効利用を検討します。 事業者 ①山林の維持管理では、企業ボランティアとしての協力を検討します。 ②敷地内はなるべく舗装せず、土のまま残すか、透水性舗装を検討します。 ③雨水貯留施設を設置するなど、雨水の有効利用を検討します。 - 67 - 施策3 土壌汚染の防止 取り組む項目 1 工場・事業場対策 2 環境保全型農業の推進 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して土壌汚染の防止対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内 容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①工場や事業場に対しては、水質汚濁防止法、大気汚染防止法等に基づき、有害物質の排水規制・地 下浸透規制、ばい煙の排出規制などを継続して実施します。 【環境衛生課】 ②事業者の自主的取組を促進し、土壌汚染及び地下水汚染の早期発見と対策を推進します。 【環境衛生課】 ③農産物に対する「健康・安全・安心」への関心の高まりを受け、農業協同組合等と協力して、農薬・肥 料の低減、有機・低農薬栽培、農薬系廃棄物の適正処理を進めます。 【農業振興課】 市 民 ①有機・低農薬で栽培された農作物を優先して購入します。 事業者 ①水質汚濁防止法、大気汚染防止法、土壌汚染対策法等を遵守するとともに、環境負荷のさらなる低 減に向けた取組を促進し、排水の濃度、ばい煙の濃度等を適切に管理します。 ②自主的に敷地内の土壌汚染の状況や地下水の水質を監視するよう努め、異常があれば、関係機関に 連絡した上で適切な土壌汚染対策を実施します。 ③農業においては、農薬・化学肥料を使いすぎないよう、適正量を使用します。また、有機・低農薬栽 培など環境負荷の少ない農業を推進します。 - 68 - 第4節 人にもやさしい、物にもやさしいリサイクル都市を目指します (廃棄物・リサイクル) 四国中央市民一人一日当たりのごみ排出量は、全国平均値及び愛媛県平均値の両方を上回って いるため、その原因を検討し、全国平均値に近づける、さらにそれ以下にすることが課題と考え られます。そのためには、ごみの発生抑制やリサイクルの推進はもちろんのこと、ごみの適切な 分別がリサイクルを促してごみの減量化に結び付くことから、分別を徹底することが課題と考え られます。 一方、最終処分場の確保のための施策や、従来から問題となっている廃棄物の不法投棄対策、 ごみのポイ捨て対策等を進めていきます。 施策1 廃棄物の減量 取り組む項目 1 ごみの発生抑制による減量 2 ごみの分別・有効利用による減量 3 事業活動における廃棄物の減量 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して廃棄物の減量を進めるに当たっての、各主体別の取組内容は次 ページのとおりです。 マイ箸運動 - 69 - 行 政 【 】内は主な担当課 ①広報などにより、マイバッグ運動、リターナブルびんやリターナブル容器の使用、エコマーク商品 の購入など、ごみを出さない取組や省資源に関わる取組を周知し、これらを推進します。 【生活清掃課】【環境衛生課】 ②減量化のため、ごみの有料化について検討します。 【生活清掃課】 ③幅広い年齢層を対象に、学校や地域等の多様な場において、もったいないという精神を浸透させ、 ごみの減量を図ります。 【環境衛生課】【生活清掃課】【学校教育課】【社会教育課】 ④生ごみを肥料化してごみを減量するため、現在実施している生ごみ処理容器の設置補助を継続し、 より普及させるよう努めます。 【生活清掃課】【環境衛生課】 ⑤わかりやすいごみの分別表の作成や収集システムの検討、分別状況の公表、資源ごみの再生過程の 周知、リサイクルに関する情報のPR等により、分別の必要性を市民に周知するとともに、市民に は、より徹底した分別の協力を依頼します。 【生活清掃課】 ⑥市民が積極的にごみ焼却場等を見学する機会を設け、分別の重要性について啓発します。 【生活清掃課】 ⑦事業者には、グリーン購入の促進、製造・販売過程で発生した廃棄物の分別・再資源化の徹底、ば ら売りの推進、過剰包装の抑制等を指導し、事業活動における廃棄物の減量化を図ります。 【生活清掃課】【産業支援課】 ⑧ごみ減量化の取組を推進するため、環境優良店に対する認定制度や表彰制度を創設します。 【環境衛生課】【生活清掃課】 市 民 ①マイバッグ運動、リターナブルびんやリターナブル容器の使用、エコマーク商品の購入など、ごみ を出さない取組や省資源に関わる取組に、積極的に参加します。 ②食品は、必要なものを必要なだけ購入し、食べ残しや賞味期限が切れた食品を捨てることがないよ うにします。 ③生ごみ処理容器で肥料化するなどで、生ごみの減量を図ります。 ④工業製品等は修理して長く使用するようにします。 ⑤資源ごみが有効に利用されてごみの減量に結び付くよう、定められた分別方法を遵守します。 ⑥買い物をする場合は、できるだけ環境優良店で買うようにします。 事業者 ①マイバッグ運動の推進、リターナブルびんやリターナブル容器での販売、エコマーク商品の積極的 な販売など、ごみの減量化の取組に協力します。 ②グリーン購入の促進、製造・販売過程で発生した廃棄物の分別・再資源化の徹底、ばら売りの推進、 過剰包装の抑制等により、事業活動における廃棄物の減量化を図ります。 ③ごみ減量化の取組を推進し、環境優良店としての認定を目指します。 - 70 - 施策2 廃棄物の適正処理 取り組む項目 1 ごみ処理施設の適正な維持管理 2 一般廃棄物最終処分場の確保 3 環境モニタリングの実施 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して廃棄物の適性処理を進めるに当たっての、各主体別の取組内容 は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①四国中央市クリーンセンターにおいて、引き続き安全で衛生的なごみ処理を進めるとともに、施設 の適正な維持管理に努めます。 【生活清掃課】 ②一般廃棄物最終処分場を建設します。 【生活清掃課】 ③臨海部土地造成事業により、産業廃棄物最終処分場を建設します。 【港湾課】 ④必要に応じて、四国中央市クリーンセンターや埋立処分場周辺の環境モニタリングを行います。 【生活清掃課】【環境衛生課】 市 民 ①ごみを出す日、時間、ごみ出しの方法など、ごみ出しのマナーを遵守します。 ②ごみステーションの清掃と管理に努めます。 ③埋立処分場の延命化のため、ごみの減量に努めます。 事業者 ①廃棄物処理法を遵守し、事業系一般廃棄物や産業廃棄物を適正に処理します。 ②廃棄物の減量やリサイクルに取り組み、最終処分場の延命化に協力します。 - 71 - 施策3 資源の循環的利用 取り組む項目 四国中央市の古紙回収庫 1 古紙回収と再生利用の推進 利用のきまり 2 リサイクルプラザの充実 3 公共事業におけるリサイクル等の推進 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して資源の循環的利用を進めるに当たっての、各主体別の取組内容 は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①日本を代表する紙のまちとして、古紙引取回収処理事業を発展させ、古紙の回収及び再生利用にお いて全国のモデルとなるような取組を、市民・事業者・行政が協働してできるよう検討します。 【生活清掃課】【環境衛生課】【産業支援課】 ②資源ごみ回収奨励補助事業により、資源回収協力団体をはじめ、地域における市民の自主的なリサ イクル運動を育成します。 【生活清掃課】 ③既設のリサイクルプラザについては、資源回収、不燃物処理及びリサイクル品有効利用等のための 設備を充実させ、リサイクルの推進及び市民意識の向上を図ります。 【生活清掃課】 ④公共工事においては、埋め戻し材や骨材として再生品を積極的に利用します。また、下水汚泥等につ いては堆肥化の検討及び建設資材としての活用方法の検討を行うなど、公共事業において積極的に 再生資材を活用します。 【建設部の各課】【都市整備部の各課】【農林水産課】 ⑤三島川之江港のリサイクルポート(広域的なリサイクル施設の立地に対応した港湾)指定を受け、 さらなるリサイクルの推進に努めます。 【港湾課】【産業支援課】【環境衛生課】 市 民 ①古紙の分別を徹底し、古紙などの資源回収及び再生利用の取組に積極的に参加します。 ②不用品をバザーに出したり、リサイクルショップを活用するなど、リサイクルシステムの構築に協 力します。 ③再生利用できる下水汚泥を確保するため、下水道には水処理ができない固形物、廃棄物、有害物質 等を流しません。 事業者 ①事業系一般廃棄物については、古紙の分別を徹底し、古紙の回収及び再生利用の取組に積極的に参 加します。 ②下水処理に支障がないよう、下水道に汚水を放流する場合は、下水排除基準を遵守します。 ③公共工事のみならず、民間の工事においても、埋め戻し材や骨材として再生品を積極的に利用しま す。 - 72 - 施策4 ポイ捨て及び不法投棄の防止 取り組む項目 1 環境美化に関する啓発活動 2 地域住民の環境美化活動の支援 3 不法投棄の防止 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、ポイ捨てや不法投棄を防止するに当たっての、各主体別の取 組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①環境美化意識の高揚を図るための啓発活動を積極的に推進します。 【環境衛生課】【生活清掃課】 ②地域の団体や市民ボランティアが市と協議の上、公共の場所の美化活動を継続して行う里親制度な ど、地域住民の自主的な環境美化活動を支援します。 【環境衛生課】【建設第1課】【建設第2課】【企画課】 ③監視カメラの設置、不法投棄禁止の看板設置、投棄者への罰則強化など、不法投棄の未然防止のた めの措置を講じます。 【生活清掃課】 ④環境基本計画に掲げられた取組を推進する「環境サポーター倶楽部(第8章で記載)」などと協働 して環境監視パトロールを実施し、不法投棄の防止を図ります。 【生活清掃課】 市 民 ①ごみのポイ捨て、廃家電や廃タイヤ等の不法投棄は絶対にしません。 ②里親制度による、自主的な環境美化活動に取り組みます。 ③地域の清掃活動に積極的に参加します。 ④所有地を適正に管理し、不法投棄が行われないようにします。 事業者 ①廃棄物の不法投棄は絶対に行わず、適正に処理します。 ②里親制度による、自主的な環境美化活動に取り組みます。 ③地域の一員として、地域の清掃活動に積極的に参加します。 ④社有地等を適正に管理し、不法投棄が行われないようにします。 - 73 - 第5節 自然とふれあい自然を大事にしていく心を育てます(自然環境) 市内では、県立自然公園、自然海浜保全地区、県自然環境保全地域、えひめ自然百選など自然 環境関連の地域指定が多くなされています。これらの良好な自然環境を孫子の代まで保全してい かなくてはなりません。 このため、土地利用などにおける動植物の生息・生育域の保護・保全、山林の維持管理、河川 や海域の生物や生息・生育域の保護・保全を推進します。また、自然環境の保全のためには自然 に親しみ、自然環境保全に対する意識を高める必要があるため、自然とのふれあいに係る施策を 推進します。さらに近年の山林等の放置が災害の発生につながっていることから、山林の維持管 理と併せて地域で助け合えるコミュニティづくりを進めます。 施策1 動植物の保護 取り組む項目 1 開発事業や土地利用における配慮 2 自然保護意識の啓発 3 希少動植物の保護及びそれらの生息・生育域の保全 4 外来生物対策 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して動植物の保護対策を進めるに当たっての、各主体別の取組内容 は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①四国中央市の貴重な財産である自然環境については、自然と共生した土地利用の推進による保全に 努めます。また、学校教育、生涯教育及び広報等により自然保護意識の啓発を図るとともに、自然 とのふれあいの場としての活用を進めます。 【環境衛生課】【学校教育課】【社会教育課】 ②公共事業における土地の形状の変更、工作物の新設等の事業に当たっては、事業の実施に当たり、 調査・計画、工事の各段階において、環境に対して適切に配慮します。民間事業については、事業 実施に当たって関係課との事前協議を義務付けるなど、環境配慮のための指導を徹底します。 【環境衛生課】【建設部の各課】【農林水産課】【その他】 ③各種調査で確認された希少動植物を保護し、それらの生息・生育域と併せて保全を図ります。 【環境衛生課】【建設部の各課】【農業振興課】【農林水産課】【その他】 ④外来生物による在来生物や生態系への影響を防止・軽減するため、「特定外来生物による生態系等 に係る被害の防止に関する法律」に基づき、特定外来生物の飼養、輸入等に対する規制及び防除事 業を着実に実施します。また、外来生物の適切な取り扱いに関する普及広報活動の強化に努めます。 【農業振興課】【産業支援課】 - 74 - 市 民 ①四国中央市の動植物に関心を持ち、それらの保護・保全に協力します。 ②特定外来生物は飼育しません。 ③既に飼育している外来生物は責任を持って管理し、逃がしたり放流したりしません。 事業者 ①開発事業においては、土地利用計画などの設計や工事の実施に当たって関係課の指導に従い、自然 環境に十分に配慮します。 ②「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」を遵守し、外来生物は自ら責任を 持って管理するとともに、顧客にも捨てたり放したりせず管理を徹底するよう指導します。 施策2 森林・農地の保全 取り組む項目 1 天然林の保護 2 人工林や里山の保全と維持管理 3 農地の保全と環境保全型農業の推進 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、森林・農地の保全対策を進めるに当たっての、各主体別の取 組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①天然林については行為規制や公有地化などにより、貴重な森林生態系や動植物の生息・生育域を保 全します。 【農林水産課】【環境衛生課】 ②人工林については、更新・保育・間伐等、育成林の適切な維持管理を推進して保全に努めるととも に、森林所有者による森林整備を支援します。 【農林水産課】 ③間伐などで里山の適度な手入れを実施し、整備された里山を環境教育の場としても活用します。 【農林水産課】【学校教育課】【社会教育課】 ④森林の維持管理の担い手である山村地域の活性化を図るため、雇用の確保のほか、都市住民からも 担い手や森林管理ボランティアを募集する、森林の里親制度を設置するなど、森林所有者と協議・ 連携して森林の維持管理体制を充実させます。 【農林水産課】 ⑤農地は食料生産の場として、さらに洪水防止、土砂崩壊防止、水質浄化、生物多様性の確保など重 要な役割を果たしていることから、生態系に配慮しながら農地の生産基盤整備に努めるとともに、 農業後継者や新規就農者等の育成と支援を推進します。 【農業振興課】【農林水産課】 ⑥森林や水田を保全することに関連し、農家に対する補助、農作物の地産地消の推進等により、農業 の活性化を図ります。 【農業振興課】【農林水産課】【学校給食課】 ⑦化学肥料や化学合成農薬の使用低減などによる環境保全型農業を推進します。 【農業振興課】 - 75 - 市 民 ①山などに行く場合、草花や昆虫をむやみに採ったり木の枝を折ったりせず、ごみを持ち帰ります。 ②森林や里山管理のためにできることがあれば、ボランティアなどで積極的に協力します。 ③森林や農地の重要さを認識し、林業や農業に関係するイベントに積極的に参加してみます。 ④地元産の農作物や低農薬で栽培された農作物を購入し、地産地消の取組を広げます。 事業者 ①山などの観光に当たっては、動植物を大切にするなど、観光客を指導します。 ②森林管理のボランティア活動に取り組むなど、水を育む森林の保全に積極的に協力します。 ③農地の生産基盤整備に当たっては、生態系に配慮した整備に協力します。 ④環境保全型農業への取組を進めます。 ⑤農業の後継者を育てます。 学校給食米の収穫祭 学校給食米の収穫風景 - 76 - 施策3 河川や自然海岸等の保全 取り組む項目 1 河川及び海域の生態系の保全 2 自然海岸の保全 3 干潟や藻場の保全 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、河川や自然海岸等の保全対策を進めるに当たっての、各主体 別の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①河川に生息する水生生物の生息・生育環境を、周辺の山林と併せて保全します。 【建設第1課】【建設第2課】【農林水産課】 ②河川や用排水路の整備に当たっては、三面張りコンクリートをなるべく避け、市民が生き物とふれ あうことができるような、例えばホタルなどの生息や産卵が可能な形式の護岸を検討します。 【建設第1課】【建設第2課】【農林水産課】 ③生物の重要な生息場である自然海岸を保全します。 【港湾課】【農林水産課】 ④生物の重要な生息場や餌場であることに加えて、水質浄化や水産資源保護の点でも重要な干潟及び 藻場など浅海域を保全します。 【港湾課】【農林水産課】 市 民 ①河川や海岸の清掃活動に積極的に参加します。 ②釣りやレクリエーションの際は、魚介類を必要以上に獲ったりせず、幼魚や稚魚は逃がすなど、水 生生物や水産資源の保護に協力します。また、ごみを持ち帰ります。 ③釣りの際は、釣り糸や釣り針などの後始末を徹底します。 ④地元で水揚げされた水産物を購入し、地産地消の取組を広げます。 事業者 ①資源管理型漁業を推進し、水産資源の保護に努めます。 ②漁網にかかったごみは、適切に処理します。 ③釣りなどの観光に当たっては、幼魚や稚魚は逃がし、海にごみを捨てないなど、釣り客を指導しま す。 ④海岸や河川の清掃など、ボランティア活動に積極的に取り組みます。 ⑤漁業の後継者を育てます。 - 77 - 施策4 自然とのふれあい 取り組む項目 1 自然とのふれあいの確保 2 グリーン・ツーリズム等の推進 3 自然とのふれあいに係る環境整備 4 自然を活用したまちづくり 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、自然とのふれあいに係る施策を進めるに当たっての、各主体 別の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①人と自然とのふれあいを確保するため次のような施策を講じます。 【環境衛生課】 ・必要な施設の整備及び指導者の育成を進めます。 ・自然に親しむ運動や自然観察会など、自然とふれあう機会を提供します。 ・自然とふれあう場合に守るべきマナーや配慮事項についても併せて啓発します。 ②都市住民が農山村地域において滞在型の余暇活動を行うグリーン・ツーリズム(漁村地域ではブル ー・ツーリズム)などを進め、農村や漁村の環境及び農林業や漁業に対する意識を高めます。 【観光交流課】【農業振興課】【農林水産課】【企画課】 ③農山村地域の耕作放棄地は、市民農園としての活用を検討し、農作地及び農作地の生態系の保全に 資することとします。 【農業振興課】【農業委員会】 ④自然的景観資源及び水源かん養林として森林を保全しつつ、キャンプ場や自然体験施設を充実さ せ、市民の憩いの場や自然とのふれあいの空間として活用します。 【農林水産課】【観光交流課】【社会教育課】 ⑤河川や自然海岸を保全しながら、親水性や生態系に配慮した環境護岸や散策路の整備など、市民が 憩い、自然とふれあえる水辺の快適空間の整備を進めます。 【建設部の各課】 ⑥川、里山、海などの活用方法を考え、豊かな自然を資源としたまちづくりを進めます。 【企画課】【農業振興課】【農林水産課】【観光交流課】 市 民 ①自然体験や自然観察会に参加し、森林、農地、河川、自然海岸、干潟、藻場等の自然が環境に果た す役割について学ぶとともに、自然を保護する取組に協力します。 ②ハイキングコースなどの利用や、森林や里山のボランティア活動に参加することを通じて、自然と 積極的にふれあうよう努めます。 ③グリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムに参加し、農村や漁村並びに農業、林業、漁業等への 関心を高めるよう努めます。 ④市民農園の利用を検討します。 ⑤豊かな自然を資源として活用したまちづくりの方法を考え、実践します。 - 78 - 事業者 ①自然体験や自然観察会に社員が参加したり、事業者自らこのような体験学習を主催することにより、 社員や一般市民が、自然が環境に果たす役割について学ぶとともに、自然を保護する取組に協力す るように啓発します。 ②森林や里山のボランティア活動に参加することを通じて、多くの社員が積極的に自然とふれあい、 環境に配慮した行動ができる企業風土を醸成します。 ③社員研修の一環として、グリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムへの参加を検討します。 市民と企業による翠波高原の草引き 西山国有林の植樹 - 79 - 施策5 防災対策の推進 取り組む項目 1 防災対策の推進 2 防災に関する情報の整備と地域コミュニティづくり 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、防災対策を推進するに当たっての、各主体別の取組内容は次 のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①森林や農地の保全による過大な雨水流出の抑制、洪水を安全に流下させるための河道整備(築堤や しゅんせつなど)、治水上支障となる構造物の移転・改築、洪水を一時的に貯めるダムや遊水地の 整備等の治水対策を、自然環境保全に配慮しながら推進します。 【農業振興課】【農林水産課】【建設第1課】【建設第2課】 ②防災に関する情報を市民に提供するとともに、災害発生の際は地域単位で協力して被害を最小限に 抑えることができるよう、地域コミュニティづくりを推進します。 【総務課】【消防本部各課】 市 民 ①森林保全のためにできることがあれば、ボランティアなどで積極的に協力します。 ②地域の防災訓練に積極的に参加します。 ③災害時には地域内で助け合えるようなコミュニティの形成に協力します。 事業者 ①森林保全のためにできることがあれば、企業ボランティアなどで積極的に協力します。 ②地域の防災訓練に、地域の一員として積極的に参加します。 ③災害時には地域内で助け合えるようなコミュニティの形成に協力します。 救急フェア - 80 - 第6節 水と緑を生かした快適なエコライフを送ります(快適環境) 美しい公園や緑地は、うるおいある市民生活を送る上で重要な役割を果たしていますが、市民 1人当たりの公園面積は、全国平均の70%と少なくなっています。また、市民アンケートでは、 市民は四国中央市の景観を良好とは感じておらず、道端、河川敷、海辺のごみや犬の糞が多いと 感じています。このため、公園や緑地の整備、緑化の推進、まちの景観や美観維持のほか、高齢 化社会の到来を踏まえて、安心・安全なまちづくりを推進します。 施策1 公園や緑地の整備及び緑化の推進 取り組む項目 1 公園や緑地の整備 2 緑化の推進及び花と緑のまちづくり 3 公園や緑地の維持管理の促進 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して公園や緑地の整備及び緑化を進めるに当たっての、各主体別の 取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①市民の憩い・ふれあい・交流の場として、既存の総合公園や運動公園等の整備充実を図ります。 【都市計画課】 ②身近な近隣公園や街区公園等の公園について、市民参加により地区の特色を生かした整備充実を図 ります。 【都市計画課】 ③うるおいある環境づくりや防災等、多様な役割を果たす緑地の整備を図ります。 【都市計画課】【港湾課】 ④道路や公共施設の緑化を進め、うるおいある環境の創造を図ります。緑化に当たっては、郷土樹種 を中心として樹種を選定します。 【建設第1課】【建設第2課】【総務課】 ⑤市民の主体的な参加により、花と緑のまちづくり運動を展開するとともに、緑化推進団体の育成や 啓発活動、生け垣化やガーデニングの推奨・指導など、緑豊かな生活環境の形成を図ります。 【都市計画課】 ⑥公園や緑地が美しく快適に利用できるよう、ボランティア活動や里親制度などにより適切な維持管 理を促進するとともに、利用者のモラルの向上を図るための啓発に努めます。 【都市計画課】【企画課】 - 81 - 市 民 ①公園や緑地、道路、学校等の樹木や草花を大切に扱います。 ②家の庭やベランダ等を緑化し、生垣を設置するなど、積極的に緑を増やします。 ③公園や緑地を管理するボランティアに積極的に応募し、地域の人が気持ち良く利用できるようにし ます。 ④緑化運動に積極的に参加・協力します。 事業者 ①事業所の敷地内やベランダ等を緑化し、積極的に緑を増やすよう努めます。 ②開発事業に当たっては、緑の保全や緑化に努めます。 ③公園や緑地を管理するボランティアに積極的に応募し、従業員や地域の人が気持ち良く利用できる ようにします。 ④緑化運動に積極的に参加・協力します。 塗装の日:三島公園での塗装風景 - 82 - 施策2 景観の保全及びまちの美観の維持 取り組む項目 1 景観条例の制定 2 自然景観、市街地の景観、文化的・歴史的景観の保全 3 市民参加による景観づくり 4 まちの美観の維持 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、景観を保全し、まちの美観を維持するに当たっての、各主体 別の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①四国中央市の豊かな自然資源、豊かな自然景観を守るとともに、地域の個性豊かな都市景観の形成 を図るため、景観条例の制定を図ります。 【環境衛生課】【都市計画課】 ②緑豊かな山並み等の景観を保全するため、森林の保全・整備を進めます。 【農林水産課】 ③瀬戸内海の優れた景観を守るため、自然海岸の保全及び景観に配慮した海岸線の整備を図ります。 【港湾課】 ④道路の緑化、街路灯など沿道施設のデザイン化、景観を損なう看板対策など、まち並みの整備を促 進します。 【建設第1課】【建設第2課】【都市計画課】 ⑤文化財や歴史的な建造物の保全に努めます。 【文化振興課】 ⑥鉄道駅前や公共施設などについて、景観に配慮した整備を図るとともに、シンボル的な建造物の設 置等、市の顔としての整備に努めます。 【都市計画課】【建設第1課】【建設第2課】 ⑦景観についての情報提供及び意識啓発に努めるとともに、地域景観賞の設定など、地域景観資源の 普及・保存を図ります。 【環境衛生課】 ⑧地区の特色ある景観づくりを促進するため、市民による花づくりや緑化を進めるとともに、市民参 加による公園整備や景観協定の締結促進を図ります。 【都市計画課】【環境衛生課】【企画課】 ⑨犬のふん害防止のための普及啓発を図ります。 【環境衛生課】 ⑩必要に応じて環境美化条例の制定を検討します。 【環境衛生課】【生活清掃課】 市 民 ①まちの美観の維持のため、ポイ捨てはしません。 ②所有する空き地等は、雑草やごみを除去するなど維持管理に努めます。 ③地域の文化財や歴史的な建造物を大切にし、文化的・歴史的景観を保全します。 ④自転車は駐輪場にとめます。 ⑤地域の清掃活動に積極的に参加します。 ⑥散歩時の犬のふんを放置せず、飼い主が持ち帰って適切に処分します。 ⑦住宅を建てる時は、屋根や壁の色などが周辺の景観と調和するよう配慮します。 - 83 - 事業者 ①店先の商品の陳列、立て看板や自動販売機等の設置に当たっては、通行に支障を及ぼしたり美観を 損ねることがないよう配慮します。 ②通常使用していない社有地等は、雑草やごみを除去するなど維持管理に努めます。 ③地域の文化的・歴史的景観の保全に協力します。 ④地域の一員として、地域の清掃活動に積極的に参加します。 ⑤事務所や建物を建てる時は、屋根や壁の色などが周辺の景観と調和するよう配慮します。 四国中央市紙祭り 300年以上の伝統を誇る鐘踊り - 84 - 施策3 安心・安全なまちづくりの推進 取り組む項目 1 公共施設等のバリアフリー化 2 人にやさしい道路づくり 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、安心・安全なまちづくりを進めるに当たっての、各主体別の 取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①高齢者等が安全で自由に行動し、社会参加できるよう、公共建築物や歩行者空間、公園などのバリ アフリー化やエレベータの設置等を推進するとともに、既存施設についても適時改修に努めます。 【各施設の管理者】 ②一般歩行者はもとより、高齢者や障害者等が安心して生活できる交通環境を確保するため、歩道と 車道の分離、歩道の拡幅、ガードレールやミラーなど交通安全施設の整備、バリアフリー化、点字 ブロックの設置など、人にやさしい道路づくりに努めます。 【建設第1課】【建設第2課】 ③他市に誇れるような遊歩道を整備します。また、必要に応じて駐輪場や自転車道を整備します。 【建設第1課】【建設第2課】 市 民 ①通勤や行楽時はマイカーの使用を自粛し、自転車や公共交通機関の利用に努めます。 ②駐車や駐輪の際には、歩行者や緊急自動車等の邪魔にならないようにします。 事業者 ①通勤ではマイカーの場合の相乗り、自転車や公共交通機関の利用に努めます。 ②駐車や駐輪の際には、歩行者や緊急自動車等の邪魔にならないようにします。 子どもを見守る工事現場学習会 - 85 - 第7節 環境と経済が共に向上するより良い関係を築きます(環境と社会経済) 現代の環境問題を考える上で、持続可能な開発を目指し、環境的側面、経済的側面及び社会的側面 を統合的に向上させることは、21世紀に取り組むべき重要な課題と認識されています。従来の企業、 市民、行政が個々に実施していた取組はもとより、企業と市民・行政の協働による取組が、地域の環 境保全と企業のメリットの双方に、さらには環境ビジネスの展開に結び付くことを目指して、必要な 取組を進めます。また、これらの取組のバックボーンとなる環境教育を推進するとともに、市民や事 業者の意見が環境施策の推進に反映されるような組織を設置します。 施策1 企業の環境保全の取組の推進 取り組む項目 1 環境報告書の作成 2 職場における環境教育の推進 3 環境マネジメントシステムの導入 4 地域の環境保全活動等への参加 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、企業の環境保全の取組を進めるに当たっての、各主体別の取 組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①企業の環境報告書の作成・公表の普及を図ります。 【環境衛生課】【産業支援課】 ②従業員が、事業活動と環境との関わりについて理解することにより、事業活動における環境配慮や 環境マネジメントが促進されるよう、職場における環境教育を推進します。 【環境衛生課】【産業支援課】 ③環境マネジメントシステムの取得など、企業の環境問題への取組を支援します。 【環境衛生課】【産業支援課】 ④より多くの事業所が、市民・市民団体・NPO等と連携を密にして環境保全活動を推進し、市など が企画する環境イベントに積極的に参加するよう呼びかけます。 【環境衛生課】【産業支援課】 市 民 ①企業の環境報告書等に関心を持ち、身近な企業のものなどを読んでみます。 ②事業者・行政と協働し、地域の環境保全活動を推進します。また、イベントに参加します。 - 86 - 事業者 ①環境報告書の作成を検討し、市民や行政との環境コミュニケーションに有効に活用します。 ②従業員が、事業活動と環境との関わりについて理解することにより、事業活動における環境配慮や 環境マネジメントが促進されるよう、職場における環境教育を推進します。 ③環境マネジメントシステムの認証取得を検討します。 ④市民・行政と協働し、地域の一員として環境保全活動を推進します。 ⑤通常の業務活動を通じて環境保全に寄与できる取組がないか、検討します。 ⑥環境イベントには積極的に参加して、市民等とのコミュニケーションを推進します。 施策2 環境ビジネスの展開 取り組む項目 1 環境ビジネスの検討及び企画 2 自然や工場等を観光資源とした環境ビジネスの検討 3 リサイクルポート指定によるリサイクル産業の振興 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、環境ビジネスを展開するに当たっての、各主体別の取組内容 は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①経済的な基盤が充実すると、環境保全の活動をより持続的に進めることができます。このため、地 域コミュニティにとって必要な事業を、その力を使いながら収益事業として行う、いわゆる「コミ ュニティ・ビジネス」のさまざまな運営手法を検討・企画します。 【環境衛生課】【企画課】【総務課】【産業支援課】 ②四国中央市の豊かな自然環境や大規模な工場等を地域観光資源として捉え、これらを結ぶ観光ルー トを検討します。 【環境衛生課】【産業支援課】【観光交流課】【農業振興課】【農林水産課】 ③四国中央市の基幹産業である製紙業と協働した古紙回収の取組、ごみや廃棄物などをバイオマスと して活用する取組、豊かな自然環境を活用する取組などの環境ビジネスを検討します。 【環境衛生課】【産業支援課】【農業振興課】 ④三島川之江港のリサイクルポート指定を受け、古紙のリサイクルや製紙スラッジの活用など、リサ イクル産業の振興及び地域活性化を図ります。 【産業支援課】【港湾課】【環境衛生課】 市 民 ①事業者や行政の企画立案等をもとに、古紙回収、バイオマス、豊かな自然環境の活用などの取組が 環境ビジネスとして開始された場合、積極的に協力して、それらを育てます。 - 87 - 事業者 ①新たな環境ビジネスの創出を目指します。 ②環境保全に関する取組や環境ビジネスについてヒントを得るためにも、工場見学などを通じて市民 や児童等の意見、要望、提案を把握し、環境コミュニケーションを推進します。 ③市民や行政の企画立案等をもとに、古紙回収、バイオマス、豊かな自然環境の活用などの取組が環 境ビジネスとして開始された場合、積極的に協力して、それらを育てます。 施策3 環境教育の推進及び指導者の育成 取り組む項目 1 環境教育の推進 2 環境保全を推進する指導者の育成 主体別の取組内容 市民、事業者、行政が協働して、環境教育及び指導者の育成を進めるに当たっての、各主体別 の取組内容は次のとおりです。 行 政 【 】内は主な担当課 ①環境保全をテーマとする記事の広報誌への掲載や意識啓発用パンフレットの発行、環境市民会議の 設置による市民参加により、市民の環境意識の高揚、環境にやさしいライフスタイルの普及を図り ます。 【環境衛生課】 ②市民の環境意識の高揚のため、環境に関する講演やイベントを企画します。 【環境衛生課】 ③各小中学校にこどもエコクラブへの加入を呼びかけるとともに、水辺の学習、農業体験、林業体験 など自然に学ぶ環境教育の機会をつくります。 【環境衛生課】【学校教育課】【農業振興課】【農林水産課】 ④公民館、自治会、老人会、婦人会などで継続的に環境学習に取り組むためのシステムづくり及び環 境学習の機会の創出に努めます。 【環境衛生課】【社会教育課】【総務課】 ⑤事業者の、職場における環境教育を支援します。 【環境衛生課】【産業支援課】 ⑥各種研修会、講座を開催し、地域における専門知識や技術を有する指導者を育成します。 【環境衛生課】【社会教育課】【学校教育課】 ⑦さまざまな環境分野の指導者やボランティア志願者を登録する人材バンクを設立して、人材の確保 及び活用を図ります。これらの人材発掘のため、一般市民、各種NPO構成員、企業の社員、退職 したシルバー人材など幅広く門戸を開け、登録した人材については定期的に講習を行います。 【環境衛生課】【企画課】 - 88 - 市 民 ①市民一人ひとりの環境意識を高め、地球温暖化防止、身近な公害防止、ごみの減量、自然を大切に するなど、環境にやさしい暮らしをするよう努めます。 ②環境に関する講演会やイベントがあれば積極的に参加します。 ③子どもエコクラブに加入しての環境保全活動や、子どもをリーダーとして一家で省エネ、節水、ご み減量に取り組むKids ISO14000プログラムの実施を検討します。 ④水辺の学習、農業体験、林業体験など自然に学ぶ機会があれば積極的に参加します。 ⑤市民一人ひとりの都市・生活型公害に対する認識を高め、生活騒音や廃棄物の野焼きなど身近な公 害を発生させないよう努めます。 ⑥公民館、自治会、老人会、婦人会などで継続的に環境学習に取り組みます。 ⑦市が公募する環境保全のための指導者に登録し、それぞれの専門や経験を生かして地域の環境教育 や環境保全活動の推進に寄与するよう努めます。 事業者 ①環境リーダー養成講座等があれば、積極的に参加します。 ②環境に関する講演会やイベントがあれば積極的に参加します。 ③従業員が、事業活動と環境との関わりについて理解することにより、事業活動における環境配慮や 環境マネジメントが促進されるよう、職場における環境教育を推進します。 ④従業員のうち適当な人を、市が公募する環境保全のための指導者に登録し、それぞれの専門や経験 を生かして、地域の環境教育や環境保全活動の推進に寄与するよう努めます。 三島川之江港見学会 - 89 - 施策4 計画推進組織の設置 取り組む項目 1 環境基本計画の推進組織の設置 主体別の取組内容 四国中央市環境基本計画を推進していくために、計画推進組織を設置します。設置等に当たっ ての、市民、事業者、行政の取組内容は次のとおりです(第8章でも後述) 。 行 政 【 】内は主な担当課 ①環境基本計画の進行管理を市民等が参画して行っていくため、計画策定に関わった「市民策定委員」 (資料編 資料−1参照)を中心に、計画推進組織「四国中央市環境市民会議」を設置します。 【環境衛生課】 ②環境市民会議は、計画の進行状況を毎年チェックするとともに、四国中央市とともに新年度の取組 方針を検討し、方針を定めます。 【環境衛生課】 ③環境市民会議及び四国中央市が定めた方針に従って具体的な取組内容を検討し、自ら核となって取 組を推進していくために、環境市民会議の関連組織として「(仮称)四国中央市環境サポーター倶 楽部」を設置します。 【環境衛生課】 ④環境サポーター倶楽部のメンバーは、市民策定委員(環境市民会議との重複可能)、公募による市 民、各企業から推薦された社員等とし、活動を始めるに当たっては、市が開催する「環境サポータ ー養成講座」を受けることとします。 【環境衛生課】【農業振興課】【農林水産課】【産業支援課】【その他】 ⑤四国中央市内部の計画推進組織として「(仮称)環境基本計画庁内推進委員会」を設置し、計画推 進に係る庁内調整を行うものとします。 【環境衛生課】【全庁】 市 民 ①「(仮称)四国中央市環境サポーター倶楽部」に応募して環境保全活動に取り組みます。 事業者 ①「(仮称)四国中央市環境サポーター倶楽部」にメンバーを出して、環境保全活動に取り組みます。 - 90 - 第7章 リーディングプロジェクト 環境基本計画は、各環境分野の施策を総合的に整理した計画ですが、それらの施策の中でも、多 くの市民の継続的な参加が見込め、比較的早い時期にスタートでき、かつ、その取組をきっかけに 計画を市民に浸透させていけるような取組を、リーディングプロジェクトとして計画します。 言うまでもなく四国中央市は紙のまちであり、平成18年1月には、製紙業から発生する製紙スラ ッジを有効活用してゼロエミッションを目指す等を目的とした「愛媛県エコタウンプラン」が経済 産業省及び環境省から承認されました。また、四国中央市総合計画では、地球温暖化対策の推進が 施策の柱の一つにあげられています。 一方、四国中央市環境基本計画の策定に当たって設置された「市民策定委員会」 (資料編 資料− 1参照)では、リーディングプロジェクトとして、紙を中心としたリサイクル日本一、エコバッグ の推進、ごみになるものを買わないなど、ごみ減量やリサイクル推進に関する取組があげられまし た。また、大規模工場が居住地域に近いことから環境中の有害物質の排出を懸念する意見、市街地 に緑が少ないという意見、さらに地球環境保全や地域活性化の視点からバイオマスエネルギーの導 入をあげる意見が出されました。 これらを勘案し、次の各取組を四国中央市のリーディングプロジェクトとします。 ①リサイクル都市を築く資源回収運動 ②消費活動を通じたごみ減量運動 ③市民と企業の環境コミュニケーション ④自然環境の保全と市民緑化運動 ⑤紙のまちエコタウンプランの推進 - 91 - プロジェクト1:リサイクル都市を築く資源回収運動 【プロジェクトの提案理由】 平成16年度の四国中央市のごみ処理の状況は次のとおりです。 ◆1人1日当たりの排出量 1,173g/人/日 ◆ごみ処理量(①) 40,996t/年 ◆①のうち鉄など金属類と磁性物の再生利用量(②) 1,188t/年 ◆①のうち紙類(ダンボール)と古紙(新聞・雑誌等)の再生利用量(③) 181t/年 ◆①のうちガラス及びペットボトルの再生利用量(④) 343t/年 ◆集団回収量(⑤) 2,425t/年 ◆市の古紙回収庫「紙ングハウス」に持ち込まれた古紙の量(⑥) 950t/年 ⇒ リサイクル率(②+③+④+⑤+⑥)/(①+⑤+⑥) 11.5% 平成16年度のリサイクル率は、愛媛県が15.6%、全国が17.6%となっています。四国中央市の リサイクル率はこの両方を下回っていて、四国中央市ではリサイクル率をアップできる余地が残っ ていることがうかがえます。このことから、従来からの集団回収はもとより、生活系、事業系とも に資源化されずに処理されているごみ、特に古紙の有効利用をリーディングプロジェクトとして推 進します。 古紙回収庫「紙ングハウス」 リサイクルコーナー(四国中央市内) - 92 - 【プロジェクトの概要】 1 リサイクル率の向上に向け、より良い分別体制を構築します。 2 「混ぜればごみ、分ければ資源」を徹底し、さまざまなタイプの古紙の分別など、古紙リサイ クル率向上に向けた啓発活動を推進します。 3 古紙を自由に持ち込むことのできる回収拠点を、広く設置します。 4 事業系古紙の焼却処理を原則として禁止する一方、無料で古紙を持ち込める古紙回収協力店制 度を設けます。 5 古紙類、古布類、アルミ缶等の資源ごみを地域で集団回収する組織や団体を広げます。 6 機密文書についても、製紙工場等と協力して処理体制を構築するとともに、排出事業者には、 焼却せずに再生紙原料として持ち込むよう働きかけます。 7 割り箸、アルミ缶、スチール缶、リターナブルびん、ペットボトル、牛乳パック、及び廃食油 についても、古紙同様、回収拠点を広く設置するとともに、これらを可燃ごみや不燃ごみに混 入させることがないよう、広く啓発活動を推進します。 8 回収拠点では、一定量の再生資源が安定して回収されるよう検討するとともに、回収した資源 が速やかに再生利用されるよう、製造・販売業者とネットワークを構築します。 9 上記の回収拠点としては、支所や公民館など市の施設のほか、スーパーマーケット、食料・飲 料の販売店、コンビニエンスストアなど広く協力を依頼します。回収拠点として協力していた だける店舗は、市の広報やホームページで紹介します。 市民・行政・事業者の連携 ごみの分別 取 組 古紙・古布・アルミ缶な どの集団回収の推進 古紙回収拠点 の設置 効 果 古紙回収協力店制 度の導入 リサイクルの推進 ごみの減量 - 93 - 缶・びん・ペットボトル などの回収拠点の設置 プロジェクト2:消費活動を通じたごみ減量運動 【プロジェクトの提案理由】 平成16年度の四国中央市民1人1日当たりのごみ排出量は1,173gです。一方で、同じ平成16年 度の全国平均は1,086g,愛媛県平均は1,116gであり、四国中央市民の排出量は、この両方を上 回っています。 また、環境基本計画策定のために実施したアンケート調査によれば、市民が重要と考える市役所 の取組として、「ごみの減量・リサイクル」が、工場や事業場の環境対策や廃棄物の不法投棄対策 に次いで高い順位にあげられており、ごみの減量化は市民が緊急かつ重要と考える環境問題の一つ となっています。 さらに、温室効果ガス排出量の2%がごみの焼却処理で排出されていることから、ごみの減量は 地球温暖化対策上も重要な課題となっています。 これらのことを勘案し、市民一人ひとりが直ちに取り組める「リフューズ(ごみになるものを買 わない、もらわない)」に焦点をあて、市民に身近な消費活動を通じてごみの減量に取り組むリー ディングプロジェクトを推進します。 環境にやさしい買い物キャンペーン (ネットワークグリーンコンシューマーかがわ) - 94 - 【プロジェクトの概要】 1 ごみの減量化やリサイクルに積極的に取り組む小売店をエコショップとして認定します。認定 に当たっては、公募市民、学識者、市民団体代表等から構成されるNPO「グリーンコンシュ ーマー100人委員会(仮称)」を設置して、市と協働で認定を行います。 2 同NPOは、エコショップガイドブック(仮称)を作成します。また、マイバッグやマイ箸、 箸袋などのエコグッズを企画し、エコショップと協働で製品化してエコショップで販売しま す。また、四国中央市はエコショップを市報や市のホームページで紹介して、市民の利用を推 奨します。 3 エコショップでは、買い物客に「マイバッグ運動」を呼びかけます。そして、レジ袋を断った り簡易包装を依頼した買い物客にシールの配布やスタンプの押印を行い、シールやスタンプが 一定枚数に達した場合にその店の割引を受けたり、商店街の懸賞に応募できるような特典を用 意して、レジ袋や過剰包装の削減につながるようにします。 4 エコショップのうち飲食店では「マイバッグ運動」に代わり、「マイ箸運動」を推進します。 「マイ箸」を持ってきた客にはシールの配布やスタンプの押印を行います。なお、エコショッ プでは、割り箸を集めて、前述の「プロジェクト1」で設置する「割り箸回収拠点」に持ち込 むこととします。 協働 行 政 応募 協働 商店・飲食店 NPO グリーンコンシューマー 100人委員会の設置 エコショップの認定 - 95 - エコショップガイドの作成 ごみの減量 エコグッズの開発・販売 マイ箸運動 エコショップの取組の検討 マイバッグ運動 協働 プロジェクト3:市民と企業の環境コミュニケーション 【プロジェクトの提案理由】 環境基本計画策定のために実施したアンケート調査によれば、市民が重要と考える市役所の取組 としては、「工場や事業所等のばい煙対策」「工場や事業所等の悪臭対策」「工場排水対策」など が上位にあげられています。市民策定委員会の公募部会でも、環境中の有害物質濃度を懸念する意 見が出ていて、四国中央市では工場等による環境への影響を懸念する市民が多いことがうかがえま す。 しかし、市内で測定された大気、水、土壌中の汚染物質は環境基準値以下であり、市民に健康被 害をもたらす恐れは小さい濃度となっています。また、各工場は、それぞれに適用される大気汚染 防止法、水質汚濁防止法等の排出基準の遵守はもとよりさらなる環境負荷の低減に向けた取組を推 進していますが、そのことが多くの市民には知られていないようです。 製紙業をはじめとする工場は、多くの市民が生活を営んでいくための重要な存在となっています が、一方で環境への影響が懸念される状態は市民・企業の双方にとって良いとはいえません。 このため、環境保全のためにも、環境と経済の好循環のためにも、市などの行政を交えて、市民 と企業との環境コミュニケーションを推進することが重要であると考えられます。 えひめエコビジネスフェア - 96 - 【プロジェクトの概要】 1 市、市民団体及び事業者団体の共催で、環境シンポジウムを開催します。その中で、環境問題 に見識のある学識者を講師の一人として招き、中立な立場から環境の現状、企業の取組、将来 懸念されることがあればその内容について講演していただきます。また、講演などを聴くだけ ではなく、参加者が自ら水質や騒音を調査・測定したり、地元産農林水産物の加工や伐採木を 用いた工作など、体験できるプログラムを用意します。 2 各企業では、環境問題やその対策について、近隣の住民等から意見を聞く「環境モニター制度 (仮称)」を設けます。そして、工場側からも事業活動や環境改善策について説明するなど、 相互理解を深めます。 3 各企業では、市民を対象とした工場見学会を定期的に開催し、見学時の説明等を通じて、市民 との環境コミュニケーションを推進します。 4 ボランティアから一歩進んだ企業の取組として、企業が環境保全のために山林や土地を購入し て維持管理したり緑化したりする、それらの維持管理のための作業には従業員のみならず市民 も参加するといった環境コミュニケーションを支援します。 5 市のホームページに「環境Q&Aコーナー(仮称)」を設け、代表的な質問を取り上げて回答 したり、質問によっては市が企業にヒアリングするなど、市民・企業・行政の環境コミュニケ ーションを推進します。 市と企業との環境コミュニケーションの推進 環境シンポジウムの開催 環境問題に見識のある学識者を講師として招 き、環境と企業の取組について講演を依頼す る 環境モニター制度(仮称) 環境問題やその対策等について、近隣住民等 から意見を聞き、工場側が説明して相互理解 を深める 工場見学会 市民と企業の環境コミュニケーション推進 一歩進んだ企業の取組 例えば、環境保全のため、山林を購入して維 持管理するなどがあげられる 環境Q&Aコーナー(仮称)の設置 代表的な質問を取り上げて回答したりしなが ら、環境コミュニケーションを推進 - 97 - プロジェクト4:自然環境の保全と市民緑化運動 【プロジェクトの提案理由】 環境基本計画策定のために実施したアンケート調査によれば、市民が重要と考える市役所の取組 としては、「川や海など身近な水辺の保全・整備」「山林の保全」「身近な緑の保全・整備」等も 上位にあげられています。 市民策定委員会でも、四国中央市は山林の面積が広いものの市街地には緑が少ないこと、市民が 「緑はすばらしい」という意識をもっと持たないと緑の少なさが改善されないこと、森林の管理が 重要であること等の意見が出されています。 四国中央市は工業都市ですが、金砂湖県立自然公園、余木崎海岸自然海浜保全地区、寒川海岸自 然海浜保全地区、赤石山系県自然環境保全地域に加え、えひめ自然百選に指定されている山岳や樹 木等もあり、自然環境資源にも恵まれています。しかし一方で市街地の緑が乏しいというのも認識 されているところであり、今一度市民が四国中央市の自然環境を認識し、身近な緑を育て保全して いくことが、市民生活にうるおいをもたらし、自然環境を保全していくことにもつながると考えら れます。 石鎚水源の森くらぶの活動(四国中央支部) - 98 - 【プロジェクトの概要】 1 四国中央市の良好な自然環境を、市報(転入する市民が増える4月号∼5月号)や市のホーム ページで紹介します。 2 市内には、以前から環境美化や緑化活動を続けている企業があります。この規模を広げ、市、 企業、市民、「(仮称)四国中央市環境サポーター倶楽部」(第8章で後述)、学校等が協働 して自然観察会を実施します。 3 石鎚水源の森くらぶ(四国中央支部)と協議しながら、市民や企業が参加する森林ボランティ ア活動の望ましい体制と作業内容について検討し、森林の適切な維持管理を推進します。 4 森林ボランティア活動や自然観察会等の活動を市報等で紹介することにより、自然環境保全に 対する市民の意識を高めることとします。 5 「生垣設置奨励補助金制度」「市民の誕生記念樹配布事業」等を検討し、保育園や幼稚園への 入園者と保護者に記念の花の種を配布するなど、市民の緑化の取組を推進します。 6 企業には、敷地内の積極的な緑化や、可能な範囲で緑地を市民に開放するなど、うるおいある 市民生活への協力を依頼します。 転入者・市民 加入 関心 参加 参加 豊かな自然の紹介 (仮称) 四国中央市環境 サポーター倶楽部 自然観察会の実施 四国中央市 森林ボランティア活動 実施・推進 市民の緑化の取組を推進 生垣設置奨励補助金制度、 市民の誕生記念樹配布事業 など支援制度の検討 参加 企 業 - 99 - 参加 学 校 プロジェクト5:紙のまちエコタウンプランの推進 【プロジェクトの提案理由】 愛媛県の基幹産業である製紙産業では、再生パルプの生産が伸び、古紙リサイクルに伴い発生す る製紙スラッジの量が増加して、焼却後のスラッジ灰の処理が大きな課題となっています。このこ とから、「愛媛県エコタウンプラン」では、四国中央市を中心とする東予地域において、スラッジ の発生抑制と焼却灰の再資源化に取り組むことを主な課題としています。 一方、四国中央市総合計画では、「地球温暖化対策の推進」を主要な施策の一つとしてあげてお り、平成18年度に「四国中央市バイオマスタウン構想」を策定しています。愛媛県エコタウンプラ ンでは、中予地域が想定されているものの間伐材などのバイオマスが対象廃棄物の一つとされてい ることから、林野面積が市域の78%を占める四国中央市でも、地域のバイオマスを資源・エネルギ ー源として、持続可能な循環型経済社会システムを構築することが望ましいと考えられます。 以上のことから、愛媛県エコタウンプランの推進に併せて、バイオマスタウンの構築によりバイ オマスの生産から有効利用までの循環サイクルを創生し、同時に人や情報の循環・交流も促しなが ら、廃棄物の減量、温室効果ガス排出量の削減及び地域活性化の達成を目指すプロジェクトを推進 するものです。 バイオマスタウンの概要 ※プロジェクト5では、これらのうち、家畜糞尿等を堆肥原料として有 効利用する取組を主に行っていきます。 - 100 - 【プロジェクトの概要】 1 愛媛県エコタウンプランを推進し、古紙リサイクルに伴って発生する製紙スラッジ焼却灰の再 資源化と製紙スラッジの減量を図ります。 2 古紙リサイクルの取組をさらに推進し、地球温暖化防止のための吸収源等として重要な役割を 担っている森林資源の保護に寄与させることとします。 3 一方、製紙スラッジと同様、市内で廃棄物として発生するバイオマスの発生状況や利活用の状 況を的確に把握して、四国中央市にふさわしいバイオマスの生産から利活用にわたる総合的な バイオマス計画を策定します。バイオマス利活用の第一段階として、土居地区で実施されてい る、生ごみと畜糞による堆肥製造を軌道に乗せ、製造した堆肥、農作物、稲わらが耕種農家、 畜産農家及び消費者の間で循環する、地域内のバイオマスの循環の取組を推進します。 4 上記の廃棄物等を有効利用することにより、廃棄物の減量及び廃棄物処理に伴う温室効果ガス 排出量の削減を図ります。 再生填料製造施設 製紙スラッジ焼却灰人工ゼオライト施設 製紙スラッジ焼却灰の土木資材製造施設 製紙スラッジ焼却灰の土壌改良材製造施設 ◆廃食油リサイクル施設(中予地域想定) ◆間伐材有効活用施設(中予地域想定) ◆その他 連携しながら推進 四国中央市バイオマスタウン構想 紙のまちエコタウンプラン 愛媛県エコタウンプラン ◆製紙スラッジ有効活用施設(東予地域想定) ◆各種バイオマスの活用 製紙スラッジ、汚泥、紙などの活用 廃棄物系林業バイオマスの活用 廃棄物系農業、畜産バイオマスの活用 堆肥散布組織 堆肥 耕種農家 農 地 堆肥 畜産農家 堆肥 農産物 堆肥センター 牛・豚・鶏糞混合 稲わら 生ごみ 畜糞 一般家庭 廃棄物系水産バイオマスの活用 その他バイオマスの活用 - 101 - 第8章 計画の推進と進行管理 第1節 計画の推進体制 市民・事業者・行政の連携と協働のもと、環境施策や重点的取組を推進するため、以下に記載す る計画推進体制を整備します。進行管理や各会議等の事務作業は、市民環境部環境衛生課が事務局 となって担当します。 新たな組織としては、計画策定に関わった「市民策定委員」(資料編 資料−1参照)を中心に、 市が依頼する有識者(アドバイザー)を含めて構成される「四国中央市環境市民会議」(以下、「環 境市民会議」と略す。)を設置します。そして、この会議において、計画の進行状況を毎年チェッ クし評価するとともに、新年度の取組方針を四国中央市とともに検討し、方針を定めます。計画の 評価に当たっては、環境市民会議のメンバーから適当な委員を選出して、評価のための分科会を市 民会議の内部に設置します。 一方、環境市民会議及び四国中央市が定めた方針に従って具体的な取組内容を検討し、自ら核と なって取組を推進していくために、環境市民会議の関連組織である「(仮称)四国中央市環境サポ ーター倶楽部」(以下、「環境サポーター倶楽部」と略す。)を設置します。環境サポーター倶楽 部のメンバーは、市民策定委員(環境市民会議との重複も可能)、公募による市民、各企業から推 薦された社員等とし、活動を始めるに当たっては、市が開催する「環境サポーター養成講座」を受 けることとします。 四国中央市内部の計画推進組織としては、「(仮称)環境基本計画庁内推進委員会」を設置し、 計画推進に係る庁内調整を行うものとします。 四国中央市 四国中央市長 四国中央市環境審議会 諮問・答申 報告・指示 環境市民会議 環境サポーター 倶 楽 部 意見交換 取組内容の共有 進行状況のチェック (仮称)環境基本計画 庁内推進委員会 庁内各部署 調整 報告・指示 調整 事務局(環境衛生課) 図8-1-1 計画の推進体制 - 103 - 第2節 計画の進行管理 環境基本計画策定後は、計画の推進状況の確認など、計画の実効性を確保していくために、進行 管理を行う必要があります。 このため、環境マネジメントシステムの考え方を採り入れて、PDCAサイクルを回していくこ とにより計画の進行管理を行います。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実施・運用)、Check(点 検・評価)、Action(見直し)のことで、これらを繰り返し行っていくことで計画の進行状況を把 握し、課題を解決しながら継続的な改善を図ります。 Plan(計画) ◆環境基本計画の目標・計画指標 ◆毎年の実施計画 PDCAサイクル Action(見直し) Do(実施・運用) ◆環境基本計画に基づいた施策や ◆施策や事業の見直しと改善 ◆計画の見直し(5年後をめど) 継続的改善 Check(点検・評価) ◆施策等の実施状況の点検と評価 ◆年次報告の実施 図8-2-1 PDCAサイクル - 104 - プロジェクトの実施 資 料 編 資料−1 1 計画策定の体制及び経過 計画策定の体制 四国中央市環境基本計画は、以下の体制で策定しました。 【事務局】 市民環境部環境衛生課(策定時:生活環境部環境課)が事務局となり、計画案の作成や策定作 業全般の進行管理を行いました。 【環境基本計画市民策定委員会】 公募市民6名による「公募部会」及び事業所や団体等の代表者9名による「組織部会」から構 成され、計画策定に当たって市民や事業者の立場から意見を述べ、また、施策を提案しました。 なお、他の章及び下図では、単に「市民策定委員会」と略しています。 【環境基本計画庁内策定委員会】 庁内各部局の担当で構成される庁内策定委員会を設置し、計画策定に当たって全庁的な総合調 整を行いました。 【四国中央市環境審議会】 環境基本法の規定により、市町村の区域の環境保全に関して基本的事項を調査審議する等のた めに、四国中央市環境審議会条例で定めるところにより設置された会議です。市長が環境基本計 画策定について諮問し、環境審議会が審議し答申を行いました。 四国中央市環境審議会 四国中央市 四国中央市長 諮問・答申 市民・事業者等 市民策定 委員会 市 報告・指示 公募部会 組織部会 庁内策定委員会 調整 意見交換 計画内容の共有 報告・指示 民 全中学校の2年生 及びその保護者 庁内各部署 調整 事務局(環境衛生課) アンケート回答 事業者 - 105 - 2 四国中央市環境審議会委員名簿 選 出 母 体 氏 学 識 経 験 者 菰 3 名 職 田 敬 三 長谷川病院長 名 〃 石 川 邦 彦 石川牛乳牧場獣医師 〃 亀 島 啓 喜 愛媛県立三島高等学校校長 関 係 行 政 機 関 河 野 英 明 西条地方局四国中央保健所所長 企 業 関 係 代 表 森 川 隆 (社)愛媛県紙パルプ工業会専務理事 公共的団体代表 石 川 迪 士 うま農業協同組合代表理事組合長 正 則 三島漁業協同組合代表理事組合長 〃 宮 〃 宇 田 征 洋 宇摩森林組合代表理事組合長 〃 藤 枝 俊 之 法皇青年会議所代表 〃 河 村 サダ子 備 考 会 長 副会長 四国中央市連合婦人会会長 環境基本計画市民策定委員名簿 氏 名 所 属 村 上 幸 一 愛媛大学大学院理工学研究科 生産環境工学専攻 大学院教授 藤 原 俊 洋 四国電力(株) 所長 山 下 雅 之 うま農業協同組合 苅 田 耕 一 宇摩森林組合 渋 谷 栄 一 川之江商工会議所 専務理事 石 川 雄 一 (社)愛媛県紙パルプ工業会 業務課長 重 富 正 栄 大王製紙(株) 環境保全部 部長 仙 波 孝 文 丸住製紙(株) 環境安全室 執行役員室長 伊 藤 貴 仁 土居中学校(教育委員会) 第二学年主任 大 西 敦 子 公募委員 合 田 笑 子 公募委員 中 川 りつこ 公募委員 守 谷 和 久 公募委員 宮 崎 邦 宏 公募委員 戸 田 和 典 公募委員 三島営業所 本店 本所 役 職 備 考 委 員 長 総務部総務課 森林整備課長 副委員長 - 106 - 4 計画策定の経過 年 平 成 17 年 月 日 8月18日 8月19日 9月8日 6月7日 8月23日 平 成 18 年 10月6日 11月1日 11月24日 12月6日 1月17日 平 成 19 年 2月23日 5月24日 6月1日 内 容 平成17年度第1回市民策定委員会 1 環境基本計画の概要について 2 環境基本計画策定に係るアンケート調査の実施について 平成17年度第1回庁内策定委員会兼同ワーキング・チーム員会 1 環境基本計画の概要について 2 環境基本計画策定に係るアンケート調査の実施について 環境に関するアンケート調査票の送付(回答期限:9月22日) 平成18年度第1回市民策定委員会 1 環境基本計画とその目的並びに位置付けについて 2 環境基本計画策定に当たって検討する内容について 3 年間スケジュールについて 4 計画策定体制及び市民策定委員会の役割・運営について 5 昨年度実施のアンケート調査結果について 平成18年度第2回市民策定委員会 1 公募部会の検討状況報告について 2 環境の現状と課題について 3 環境基本計画の基本目標について 4 環境施策の検討について 平成18年度第1回公募部会・組織部会の合同部会 1 環境基本計画の流れと計画の体系について 2 市民策定委員会での指摘事項について 3 環境基本計画の基本目標等について 4 リーディングプロジェクトに係る他自治体の取組について 5 リーディングプロジェクト(案)について 平成18年度第3回市民策定委員会 1 基本計画を達成するための施策の検討(案)について 2 リーディングプロジェクト(案)について 3 環境基本計画の進行管理(案)について 4 環境配慮指針について 平成18年度第1回庁内策定委員会 1 四国中央市環境基本計画(素案)について 平成18年度第1回庁内策定委員会(11月24日の欠席課を対象) 1 四国中央市環境基本計画(素案)について 平成18年度第4回市民策定委員会 1 四国中央市環境基本計画(素案)について 四国中央市環境審議会(事前説明) 1 四国中央市環境基本計画(素案)について 四国中央市環境審議会(諮問) 1 四国中央市環境基本計画(素案)について 四国中央市環境審議会(答申) 1 四国中央市環境基本計画(素案)について - 107 - 資料−2 四国中央市環境基本条例 四国中央市環境基本条例 平 成 17 年 3 月 30 日 条 例 第 11 号 人間は、限りない自然の中で生命を育んできた。そして、目覚ましい科学技術 の発展を続け、便利な社会を形成し、私たちの生活を飛躍的に向上させ、活力あ るものにした。 しかし、今日の繁栄を支えてきた事業活動や利便性を追求した生活の営みは、 資源やエネルギーを大量に消費し、私たちの社会を取り巻く環境に多大な負荷を 与え、更には私たちの生活そのものを脅かす要因のひとつとなっている。 私たちは、良好な環境の下に健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、 このかけがえのない環境を健全で恵み豊かなものとして、将来の世代に引き継い でいく責務を担っている。 このような認識の下に、環境への負荷の少ない、人と自然とが共生できる地球 にやさしいまちづくりを実現するため、ここにこの条例を制定する。 (目的) 第1条 この条例は、環境の保全及び創造について基本理念を定め、並びに市、 事 業 者 及 び 市 民 の 責 務 を 明 ら か に す る と と も に 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 の 基 本 と な る 事 項 を 定 め る こ と に よ り 、こ れ に 基 づ く 施 策 を 総 合 的 か つ 計 画 的 に 推 進 し 、も っ て 現 在 及 び 将 来 の 市 民 の 健 康 で 文 化 的 な 生 活 の 確 保 に 寄 与 す る こ とを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定める ところによる。 (1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境 の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。 (2) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴っ て 生 じ る 相 当 範 囲 に わ た る 大 気 の 汚 染 、 水 質 の 汚 濁 (水 質 以 外 の 水 の 状 態 又 は 水 底 の 底 質 が 悪 化 す る こ と を 含 む 。 )、 土 壌 の 汚 染 、 騒 音 、 振 動 、 地 盤 の 沈 下 及 び 悪 臭 に よ っ て 、 人 の 健 康 又 は 生 活 環 境 (人 の 生 活 に 密 接 な 関 係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環 境 を 含 む 。第 7 条 第 1 号 に お い て 同 じ 。)に 係 る 被 害 が 生 じ る こ と を い う 。 (3) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊 の 進 行 、海 洋 の 汚 染 、野 生 生 物 の 種 の 減 少 そ の 他 の 地 球 の 全 体 又 は そ の 広 範 な 部 分 の 環 境 に 影 響 を 及 ぼ す 事 態 に 係 る 環 境 の 保 全 で あ っ て 、人 類 の 福 祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの をいう。 - 108 - (基本理念) 第3条 環境の保全及び創造は、市民が自然と共生し、健康で安全かつ快適な生 活を営む上で必要とする恵み豊かな環境を確保し、これを将来の世代に引き継 ぐことを目的として行われなければならない。 2 環境の保全及び創造は、循環を基調とする環境への負荷の少ない持続的な発 展が可能な社会を構築することを目的とし、すべての者の公平な役割分担の下 に自主的かつ積極的な取組によって行われなければならない。 3 環境の保全は、地域の環境が地球全体の環境と深くかかわっていることにか んがみ、地球環境保全に資するよう積極的に行われなければならない。 (市の責務) 第4条 市 は 、 前 条 に 規 定 す る 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に つ い て の 基 本 理 念 (以 下 「 基 本 理 念 」 と い う 。 )に の っ と り 、 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 し 、 本 市 の 自 然 的 社 会 的条件に応じた基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を 有する。 (事業者の責務) 第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、こ れに伴って生じるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は 自然環境を適正に保全するため、必要な措置を講じなければならない。 2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に 関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら進んで 努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責 務を有する。 (市民の責務) 第6条 市民は、基本理念にのっとり、その日常生活において、環境への負荷の 低減並びに環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保 全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。 (施策の基本方針) 第7条 市 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 を 策 定 し 、 及び実施するに当たっては、次に掲げる基本方針に基づき、総合的かつ計画的 に推進するものとする。 (1) 大気、水、土壌等を良好な状態に保持することにより、市民の健康を 保護し、及び生活環境を保全すること。 (2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の 確 保 を 図 る と と も に 、森 林 、農 地 、水 辺 地 等 に お け る 多 様 で 恵 み 豊 か な 自 然環境の保全を図ること。 (3) 緑の創出、清らかな水環境の形成、地域の個性を活かした美しい景観 の 形 成 及 び 歴 史 的 文 化 的 遺 産 と 一 体 を な す 環 境 の 保 全 を 図 り 、潤 い と や す らぎのある快適な環境を創造すること。 (4) 廃棄物の減量、エネルギーの有効な利用、資源の循環的な利用等の推 進 に よ り 、環 境 へ の 負 荷 の 少 な い 持 続 的 な 発 展 が 可 能 な 社 会 を 構 築 す る こ と。 - 109 - (5) 地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等の推進を図り、地球環境保全 に資する社会を創造すること。 (環境基本計画) 第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進す る た め の 基 本 的 な 計 画 (以 下 「 環 境 基 本 計 画 」 と い う 。 )を 策 定 し な け れ ば な ら ない。 2 環境基本計画は、環境の保全及び創造に関する長期的な目標及び施策の基本 的な事項について定めるものとする。 3 市 長 は 、環 境 基 本 計 画 を 策 定 す る に 当 た っ て は 、そ の 基 本 的 な 事 項 に つ い て 、 あ ら か じ め 四 国 中 央 市 環 境 審 議 会 条 例 (平 成 16 年 四 国 中 央 市 条 例 第 122 号 )に 定 める四国中央市環境審議会の意見を聴かなければならない。 4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければな らない。 5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。 (環境報告書) 第9条 市長は、市民に対し環境の状況並びに市が環境の保全及び創造に関して 講じた施策の実施状況等を明らかにするため、毎年度その報告書を作成し、公 表しなければならない。 (施策の策定等に当たっての配慮) 第 10 条 市 は 、環 境 に 影 響 を 及 ぼ す と 認 め ら れ る 施 策 を 策 定 し 、及 び 実 施 す る に 当たっては、環境の保全について十分配慮しなければならない。 (規 制 の 措 置 ) 第 11 条 市 は 、公 害 の 原 因 と な る 行 為 に 関 し 、公 害 を 防 止 す る た め 必 要 な 規 制 の 措置を講じなければならない。 2 前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要 な措置を講じるよう努めるものとする。 (協定の締結) 第 12 条 市 長 は 、環 境 の 保 全 上 の 支 障 を 防 止 す る た め に 必 要 が あ る と 認 め る と き は、事業者との間に公害の防止及び環境の保全に関する協定を締結することが できる。 (施設の整備その他の事業の推進) 第 13 条 市 は 、緩 衝 地 帯 そ の 他 の 環 境 の 保 全 上 の 支 障 を 防 止 す る た め の 公 共 的 施 設の整備及び汚泥のしゅんせつその他の環境の保全上の支障の防止のための事 業を推進するため、必要な措置を講じるものとする。 2 市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全上の支障の防 止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防 止に資する事業を推進するため、必要な措置を講じるものとする。 3 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備 及 び 健 全 な 利 用 の た め の 事 業 を 推 進 す る た め 、必 要 な 措 置 を 講 じ る も の と す る 。 4 市は、前2項に規定する公共的施設の適切な利用を促進するための措置その 他のこれらの施設に係る環境の保全上の効果が増進されるための必要な措置を 講じるものとする。 - 110 - (教育及び学習の振興等) 第 14 条 市 は 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 教 育 及 び 学 習 の 振 興 並 び に 環 境 の 保 全及び創造に関する広報活動の充実により、事業者及び市民が環境の保全及び 創造についての理解を深め、環境への負荷の低減に自ら努めるとともに、これ らの者の環境の保全及び創造に資する活動を行う意欲が増進されるよう必要な 措置を講じるものとする。 (自発的な活動の支援) 第 15 条 市 は 、 事 業 者 、 市 民 又 は こ れ ら の 者 が 組 織 す る 民 間 団 体 (以 下 「 民 間 団 体 等 」 と い う 。 )の 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 資 す る 自 発 的 な 活 動 が 促 進 さ れ る よ う に、指導、助言その他の必要な支援の措置を講じるものとする。 (情報の提供) 第 16 条 市 は 、 第 14 条 の 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 教 育 及 び 学 習 の 振 興 並 び に前条の民間団体等の自発的な環境の保全及び創造に関する活動の促進に資す るため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の状況その他の環 境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。 (調査の実施等) 第 17 条 市 は 、環 境 の 状 況 を 把 握 し 、並 び に 環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 関 す る 施 策 を 適正に実施するために必要な調査を行うとともに、監視等の体制を整備するも のとする。 (地球環境保全に資する行動指針の策定等) 第 18 条 市 は 、市 及 び 民 間 団 体 等 が そ れ ぞ れ の 役 割 に 応 じ て 地 球 環 境 保 全 に 資 す るよう行動するための指針を定め、その普及及び啓発に努めるとともに、これ に基づく行動を推進するものとする。 (国及び他の地方公共団体との協力等) 第 19 条 市 は 、環 境 の 保 全 及 び 創 造 に 係 る 広 域 的 な 取 組 を 必 要 と す る 施 策 に つ い ては、国及び他の地方公共団体と協力して推進するよう努めるものとする。 2 市は、民間団体等とともに、環境の保全及び創造に関する施策を積極的に推 進するための体制を整備するものとする。 (委任) 第 20 条 附 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。 則 こ の 条 例 は 、 平 成 17 年 4 月 1 日 か ら 施 行 す る 。 - 111 - 資料−3 1 環境基本計画策定に関するアンケート調査結果(概要) 市民・保護者及び中学生の集計結果 以下、ほぼ同じ質問を設定した市民、保護者及び中学生の集計結果を併せて記載します。 問1 あなたご自身及びご家庭についてお聞きします。あてはまるものに○をつけてください。 【市 民】 無回答 2.3% 新宮地域 4.7% 土居地域 17.9% 伊予三島地 域(嶺南) 3.7% 回答者の年齢構成 回答者の地域別比率 川之江 地域 (川滝除く) 38.5% 伊予三島地 域(嶺北) 30.4% 70歳以上 6.8% 60∼69歳 23.6% 30∼39歳 18.3% 40∼49歳 17.9% 50∼59歳 23.6% 川滝地区 2.5% 回答者の男女別割合 無回答 1.2% その他 15.6% 無回答 0.4% 女性 53.4% 20歳未満 1.6% 20∼29歳 8.2% 回答者の職業別割合 農林水産業 3.3% 自営業 9.9% 学生 2.1% 男性 46.2% 会社員 31.0% 家事従事 22.8% パート・アル バイト 9.2% 無回答 0.2% その他 9.0% 3世帯同居 3.5% 2世帯同居 19.5% 公務員 4.9% 四国中央市内での居住年数 回答者の家族構成 1人暮らし 5.3% 夫婦・ 夫婦と子供 62.5% - 112 - 無回答 1.2% 1年未満 1.2% 1年∼5年 4.3% 5年∼10年 3.9% 20年以上 79.3% 10年∼20年 10.1% ○前ページのグラフは、返送された回答に従って単純集計した結果ですが、 「伊予三島地域(嶺 南)」の回答者数が 18 名で、人口比率に基づいて配布した人数の4倍と多くなっています。 この原因は不明であり、 これら 18 人の意見を「嶺南の意見」 として扱うことはできませんが、 四国中央市民の意見であることに代わりはないため、このアンケートでも有効回答として扱 います。 【保護者】 無回答 5.6% 70歳以上 0.3% 60∼69歳 1.0% 回答者の地域別比率 川之江 地域 (川滝除く) 50∼59歳 37.0% 4.8% 新宮地域 2.8% 土居地域 20.2% 伊予三島地 域(嶺南) 6.4% 川滝地区 1.5% 回答者の男女別割合 男性 16.3% 女性 82.7% 30∼39歳 25.3% 無回答 2.3% 3世帯同居 6.4% 農林水産業 0.5% その他 7.4% 自営業 11.5% 学生 0.3% 家事従事 16.8% 会社員 29.8% 公務員 5.4% 四国中央市内での居住年数 回答者の家族構成 その他 7.4% 20∼29歳 0.0% 回答者の職業別割合 パート・ アルバイト 26.0% 無回答 2.0% 無回答 1.3% 20歳未満 0.0% 40∼49歳 67.3% 伊予三島地 域(嶺北) 26.5% 無回答 1.0% 回答者の年齢構成 無回答 1.8% 夫婦・ 夫婦と子供 61.2% 2世帯同居 23.0% - 113 - 1年未満 0.3% 1年∼5年 2.8% 5年∼10年 4.1% 20年以上 59.6% 10年∼20年 31.4% ○前ページのグラフは回答者の内訳です。「市民」に比較すると、次の特徴がみられます。 ①回答者の地域別比率は、「市民」に似通っている。 ②中学生の保護者であることを反映して、年齢区分では「40∼49 歳」が圧倒的に多く、四国 中央市内の居住年数も「市民」より短期間である。 ③回答者の 82.7%が女性であり、主に母親が回答したためと思われる。 ○これらのことから、 「保護者」の回答結果が市民全体の意見を代表するものとはいえませんが、 児童生徒に関わる施策を検討する場合、尊重すべきであると考えられます。 【中学生】 回答者の中学校別比率 無回答 1.1% 新宮中 2.3% 土居中 17.0% 三島南中 8.1% 三島西中 12.1% 回答者の男女別割合 川之江北中 21.7% 川之江南中 23.1% 女子 46.9% 男子 52.0% 三島東中 15.7% ○上のグラフは回答者の内訳であり、中学校の地域別比率は、概ね「市民」や「保護者」の地 域別比率と似通った構成となっています。 - 114 - 問2 空気のきれいさやにおいについて、日頃感じていることを次の中から選び、あてはまる すべての番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 自分が住んでいる地域は、空気がきれいな方だと 思う。 自分が住んでいる地域は、星空がきれいな方だと 思う。 90% 100% 市 民 保護者 中学生 物干しや洗濯物が汚れる。 ほこりっぽい又は遠くがかすんでみえるときが多いと 感じる。 工場などの煙突の煙が気になる。 車の排気ガスが気になる。 自然のいい香りがする。 ときどき嫌な臭いがする。 空気のきれいさやにおいについて、特に感じていることはない。 ○市民と保護者の回答は概ね似通っていましたが、中学生の回答がやや異なる結果となりまし た。 ○「空気、星空がきれいである」と回答した市民は 35%程度、保護者は 30%程度でしたが、地 域別に見ると、川滝地区、土居地域、新宮地域で高く、特に新宮地域の市民は 90%を超えて いました。 ○「工場などの煙突の煙が気になる」と回答した市民は 37%であり、川之江地域では 47%にの ぼっていました。保護者は 41%とやや多くなり、その中でも川之江地域の保護者は 48%、伊 予三島地域(嶺北)の保護者は 64%と高くなっていました。 ○「車の排気ガスが気になる」と回答した市民は 25%、保護者は 22%でした。 ○「ときどき嫌な臭いがする」と回答した比率は、市民、保護者ともに 50%を超え、特に伊予 三島地域では、60%程度又はそれ以上でした。 ○嫌な臭いとしては、市民、保護者ともに、工場や家畜の臭いのほか、ごみの野焼きの臭いを あげていました。 ○中学生では、「工場などの煙突の煙が気になる」比率が市民や保護者より若干低い一方、「車 の排気ガスが気になる」と回答した比率が多くなっていて、歩行者の視点を反映した回答と なっていました。 - 115 - 問3 静かさやまわりの音について、日頃感じていることを次の中から選び、あてはまるすべての 番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 自分が住んでいる地域は、静かな方だと思う。 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 市 民 保護者 車の騒音が気になる。 中学生 鉄道の騒音が気になる。 工場や事業所の騒音が気になる。 放送、音楽、宣伝等による騒音が気になる。 周りの家のステレオ、テレビ、楽器や犬の鳴き声が 気になる。 深夜の騒音が迷惑。 地域で聞こえる音で、好きな音、気に入っている音が ある。 静かさやまわりの音について、特に感じていることは ない。 ○「自分の住んでいる地域は静かである」と回答した市民、保護者、中学生はいずれも 50%程 度でした。 ○「車の騒音が気になる」と回答したのは、市民の 28%、保護者の 25%、中学生の 32%であ り、全体として3割程度の市民は自動車騒音の改善を期待していると考えられます。ただし、 川之江地域の市民では 37%と多くなっていました。 ○深夜の迷惑な騒音としては、市民、保護者、中学生ともに、バイク、車、ダンプトラック等 をあげていました。 ○好きな音、気に入っている音としては、虫の鳴き声、鳥のさえずり、川の音等の自然の音色 があげられていました。 - 116 - 問4 川や海などの水のきれいさや水量について、日頃感じていることを次の中から選び、あては まるすべての番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 自分が住んでいる地域の川や海の水はきれいな方だと思う。 川の水の量が、昔より少なくなったと感じる。 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 市 民 保護者 中学生 渇水に対する不安がある。 川や海の水が汚い。 井戸水を飲用に使用しているが、水質に不安が ある。 飲用ではないが井戸水を使用していて水質に不安が ある。 家庭の生活排水が水質を悪くしている。 工場や事業所の排水が水質を悪くしている。 水のきれいさについて、特に感じていることはない。 ○「自分の住んでいる地域の川や海の水はきれい」と回答した市民は 18%、保護者は 14%、中 学生は 20%と少ない比率でした。 しかし、 地域による差が大きく、 特に新宮地域の市民の 61% が「きれい」 (4%が「汚い」 )と回答した一方、伊予三島地域で「きれい」と回答したのは 市民・保護者ともに 10%程度又はそれ以下でした。 ○市民、保護者ともに 40%以上が、 「川の水の量が昔より少なくなった」と感じていました。 なお、この質問は、ある程度の年齢以上を想定したため、中学生には質問していません。 ○「川や海の水が汚い」と回答したのは、市民、保護者、中学生ともに 50%程度でしたが、地 域による差が大きく、伊予三島地域で「汚い」と回答した比率が高く、新宮地域で低くなっ ていました。 ○川の水の「汚染源」としては、市民、保護者、中学生ともに、工場や事業所の排水をあげた 回答が、家庭の生活排水をあげた回答を上回りました。 - 117 - 問5 ごみや産業廃棄物について、日頃感じていることを次の中から選び、あてはまるすべての番 号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 自分が住んでいる地域では、ごみの分別が きちんとされている。 60% 70% 80% 90% 100% 市 民 保護者 上とは逆に、ごみの分別がきちんとされていないことが 多い。 中学生 ごみを回収場所に出す曜日や時間が守られている。 上とは逆に、ごみを回収場所に出す曜日や時間が 守られていない。 雑誌や容器など資源になるものが、燃えるごみとして 出されていることが多い。 廃家電やタイヤなどの廃棄物が投棄されているのを よくみかける。 市によるごみの収集頻度を多くしてほしい。 学校や地域の資源ごみ収集活動が活発である。 ごみや廃棄物について、特に感じていることはない。 ○「ごみの分別がきちんとされている」という回答は、市民で 42%、保護者で 36%にとどまっ ていました。逆に「ごみの分別がきちんとされていない」という回答は市民の 27%、保護者 の 30%に達していて、まだまだ分別を徹底していく余地があると考えられます。 ○中学生については、分別の代わりに「ごみがきちんと出されているか、散らかって出されて いるか」を質問しました。その結果、「きちんと出されている」が 64%と多くなっていまし たが「散らかって出されている」も 18%ありました。 ○「ごみを回収場所に出す曜日や時間が守られている」という回答は、市民、保護者ともに 54% にとどまり、ごみ出しのマナーを啓発する必要性が感じられます。 ○「廃家電やタイヤなどの廃棄物が投棄されているのをよくみかける」と回答した比率は、市 民全体で 17%でしたが、新宮地区では 26%となっていました。 - 118 - 問6 自然の豊かさについて、日頃感じていることを次の中から選び、あてはまるすべての番号に ○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 自分が住んでいる地域では、緑豊かな自然が近くに ある。 緑豊かな公園が近くにある。 市 民 保護者 中学生 緑豊かな自然も公園も少ない。 野鳥や昆虫を見たり鳴き声を聞いたりすることが多い。 野鳥や昆虫を見たり鳴き声を聞いたりすることは、 あまりない。 散歩などで、川や海などの水辺と触れ合える場所が あり、魚などの生き物を見ることも多い。 川や海などの水辺と触れ合える場所はあるが、魚などの生き物 はあまり見かけない。 川や海などの水辺そのものに乏しい。 自然の豊かさについて、特に感じていることはない。 ○「自分の住んでいる地域では、緑豊かな自然が近くにある」と回答した比率は、中学生が 40% を切ったものの、市民、保護者は共に 50%を超え、特に新宮地域や土居地域で高くなってい ました。 ○「野鳥や昆虫を見たり鳴き声を聞いたりすることが多い」と回答した比率は、市民、保護者、 中学生ともに 50%を超え、新宮地域と川滝地区で特に高くなっていました。 ○一方で、 「散歩などで水辺と触れ合える場所があり、魚などの生き物を見ることも多い」と回 答した比率は、中学生が 20%を超えたものの、市民と保護者は 15%以下でした。また、市民 の 26%、保護者の 25%、中学生の 32%が、「水辺はあるものの生き物はあまり見かけない」 と回答していました。 ○「水辺そのものに乏しい」という回答も市民や中学生では 20%を超えていました。 - 119 - 問7 地域の景観や文化について、日頃感じていることを次の中から選び、あてはまるすべての番 号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% まち並みが整然としていて、自然景観も良好と思う。 市 民 保護者 まちの美観を損ねる広告、ビラ、落書きが多い。 中学生 道端、河川敷、海辺のごみや糞が多い。 夜間照明が明るすぎる建物や施設が多い。 昔からの代表的な建物がよく保存されている。 寺や神社など歴史的な雰囲気が残っている。 町内会や祭りなど住民のつながり(地域のコミュニティ)がある。 地域の景観や文化について、特に感じていることは ない。 ○「まち並みが整然としていて、自然景観も良好と思う」と回答した比率は、市民が9%、保 護者が7%にとどまり、特に川之江地域や伊予三島地域の市民では5%程度でした。一方、 新宮地域の市民は 22%でした。 ○「広告、ビラ、落書きが多い」と回答した市民、保護者、中学生が少ない一方で、 「道端、河 川敷、海辺のごみや犬の糞が多い」と回答した比率が 40%∼60%と高くなっていました。 ○「昔からの代表的な建物がよく保存されている」と回答した市民、保護者はいずれも5%程 度と低い比率でした。中学生については、この質問の代わりに「放置自転車が多く邪魔に思 うか」について尋ねましたが、多いと回答した比率は9%と低いものでした。 ○「寺や神社など歴史的な雰囲気が残っている」 (中学生については、寺や神社の境内で遊んだ り部活動をすることがある)と回答した比率は市民、保護者、中学生ともに 20%程度でした。 ○「町内会(中学生については子ども会)や祭りなど住民のつながり(地域のコミュニティ)」 については、市民、保護者、中学生ともに 30%∼40%が「ある」と回答していました。 - 120 - 問8 今、あなたが住んでいる地域周辺の環境について、次の項目に対しての満足度はどの程度で すか? 次の項目のすべてについて、「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不 満」「不満」のいずれかに○をつけてください。 緑豊かな山林や水田 静かさやまわりの音 ごみの分別・収集 空気のきれいさ 適度な夜間照明 ごみや廃棄物の散乱 地域のコミュニティ におい 水のきれいさ 公共交通の利便性 地域の景観・美観 歴史的・文化的な雰囲気 公園の数や広さ 動植物とのふれあい 川や海などの水辺とのふれあい 総合的な満足度 0% 満足 10% 20% やや満足 30% 40% 50% どちらともいえない 60% やや不満 70% 80% 90% 100% 不満 ○上の図は市民の集計結果ですが、総合的な満足度は、市民の 40%(保護者は 35%)が「満足」 又は「やや満足」と回答しており、 「やや不満」又は「不満」と回答した市民は 22%(保護者 は 21%)でした。 ○市民、保護者ともに「緑豊かな山林や水田」 「静かさやまわりの音」 「ごみの分別・収集」等 についての満足度が、相対的に高いものになっていました。 ○「川や海などの水辺とのふれあい」「動植物とのふれあい」「公園の数や広さ」 「歴史的・文化 的な雰囲気」等についての満足度は、市民、保護者ともに相対的に低くなっていました。 - 121 - 問9 あなたが住んでいる地域又は市の全域で、将来も残したいと思われる自然、大切にしたい歴 史の場所や文化等がありましたら、それらの内容をご自由にご記入ください。 ◎市民、保護者、中学生から多くのものがあげられました。世代を通じて「自然」であげら れたものを次に示します。 ○山関連:翠波高原、富郷渓谷、豊受山、赤星山、浦山、露の森、塩塚山、棹の森、荒神 の森、長谷寺周辺の森、松柏の柏の木など ○川関連:金生川、浦山川、銅山川、馬立川、関川、金砂湖など ○海関連:天満海岸、寒川海水浴場、余木崎海水浴場など ○公 園:森と湖畔の公園、桃山公園など ◎「歴史・文化」であげられたものを次に示します。 ○神 社:八幡神社、三島神社、滝神社、村山神社、千足神社、大西神社(鐘おどり) 、熊 野神社など ○寺 ○史 :三角寺、長谷寺など 跡:川之江城、向山古墳など ○建築物:真鍋家、紙のまち資料館など ○祭関連:地域の秋祭り、夏越祭り(わごし) 、盆踊り、太鼓祭り、紙まつり、港祭り、花 火祭り、天神祭りなど ○街 道:四国遍路道、土佐街道 ○その他:水引細工、カミンバ - 122 - 問10 今の環境を昔の環境と比べると、どう思いますか? 次の項目のすべてについて「昔同様、 今も良好」 「昔より良くなった」「昔より悪くなった」 「昔も今も良くない」「わからない」 のいずれかに○をつけてください。 ごみの分別・収集 適度な夜間照明 公共交通の利便性 ごみや廃棄物の散乱 地域のコミュニティ 公園の数や広さ におい 地域の景観・美観 空気のきれいさ 歴史的・文化的な雰囲気 静かさやまわりの音 緑豊かな山林や水田 水のきれいさ 動植物とのふれあい 川や海などの水辺とのふれあい 総合的な満足度 0% 昔同様、今も良好 10% 20% 昔より良くなった 30% 40% 昔より悪くなった 50% 60% 70% 昔も今も良くない 80% 90% 100% わからない ○上の図は市民の集計結果ですが、総合的な満足度について見ると、市民も保護者も「昔同様、 今も良好」「昔より良くなった」とした回答と、 「昔より悪くなった」 「今も昔も良くない」と した回答がほぼ同じ比率でした。なお、 「わからない」とする回答も市民で 28%、保護者で 41%ほどありました。 ○「ごみの分別・収集」 「適度な夜間照明」「公共交通の利便性」については、市民、保護者と もに「昔より良くなった」が「昔より悪くなった」を上回っており、改善傾向にある項目と 見なされています。 ○「川や海などの水辺とのふれあい」 「動植物とのふれあい」 「水のきれいさ」 「緑豊かな山林や 水田」 「静かさやまわりの音」 「空気のきれいさ」等については、市民、保護者ともに「昔よ り悪くなった」が「昔より良くなった」を上回っており、悪化傾向にある項目と見なされて います。 - 123 - 問11 地域の公害や自然環境の問題について関心がありますか? 次の項目のすべてについて、 「関心がある」「何となく気になる」 「知っている程度である」「知らない」のいずれかに○ をつけてください。 大気汚染 水質汚濁 ごみ・廃棄物問題 悪臭 ダイオキシン類などの有害化学物質 騒音 土壌汚染 景観の保全 生態系の保全 動植物の保護 振動 過度な夜間照明(光害) 地盤沈下 電波障害 日照阻害 0% 関心がある 10% 20% 何となく気になる 30% 40% 50% 60% 知っている程度である 70% 80% 90% 100% 知らない ○上の図は市民の集計結果ですが、 「関心がある」の比率が 50%を超えた項目は、 「大気汚染」 「水質汚濁」 「ダイオキシン類などの有害化学物質」です。保護者についても同様な傾向にあ り、これらに対して「関心がある」と回答した比率が 50%近くになっていました。 ○「関心がある」の比率が低い項目としては、市民、保護者ともに、 「過度な夜間照明(光害)」 「日照阻害」 「振動」となっていましたが、これらの項目を含めた全ての項目について、「関 心がある」と「何となく気になる」を合わせた比率は 50%を超えていました。このことから、 市民及び保護者はあらゆる環境項目に比較的高い関心を持っていると考えられます。 ○一方、中学生については、 「関心がある」の比率が最も高かった項目は「動植物の保護」で、 「ごみ・廃棄物問題」 「ダイオキシン類などの有害化学物質」「生態系の保全」等が続いてい ましたが、市民や保護者に比べ関心の程度が低く、 「動植物の保護」についても「関心がある」 と回答したのは 33%にとどまりました。また、 「関心がある」と「何となく気になる」を合 わせて 50%を超えた項目は、 「動植物の保護」 「ごみ・廃棄物問題」「騒音」「悪臭」 「大気汚 染」でした。 - 124 - 問12 地球環境に係る問題について関心がありますか? 次の項目のすべてについて、 「関心があ る」「何となく気になる」 「知っている程度である」「知らない」のいずれかに○をつけてく ださい。 地球温暖化 異常気象 オゾン層破壊 食料・水資源問題 酸性雨 海洋汚染 熱帯雨林の減少 野生生物種の絶滅 砂漠化 有害廃棄物の越境問題 人口爆発 0% 10% 関心がある 20% 30% 何となく気になる 40% 50% 60% 知っている程度である 70% 80% 90% 100% 知らない ○上の図は市民の集計結果ですが、 「関心がある」の比率が 60%を超えた項目は、 「地球温暖化」 「異常気象」 「オゾン層破壊」であり、「関心がある」と「何となく気になる」を合わせると 90%以上という高い比率となっていました。 ○「人口爆発」「有害廃棄物の越境問題」「砂漠化」「野生生物種の絶滅」 「熱帯雨林の減少」 は、 相対的に関心が低い結果となっていますが、 「関心がある」と「何となく気になる」を合わせ た比率は 60%を超えており、市民はあらゆる地球環境問題に比較的高い関心を持っていると 考えられます。 ○保護者についても、関心のある項目及び関心の強さは、市民と同様な結果となりました。 ○中学生については、 「関心がある」の比率が 50%を超えたのは「地球温暖化」であり、「関心 がある」と「何となく気になる」を合わせると 80%以上で、前問(地域の環境や自然環境) に比較して高い比率となっていました。 「地球温暖化」「異常気象」「オゾン層破壊」 「野生生 物種の絶滅」 「酸性雨」 「食料・水資源問題」については、 「関心がある」と「何となく気にな る」を合わせると 60%を超えていました。 - 125 - 問13 環境保全に向けた行動のうち、あなたがすでに日常生活で心がけていたり、活動している ことを、次の中から選び、あてはまるすべての番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 87.7% 公共の場所で、ごみのポイ捨てをしない。 ごみをきちんと分別して出し、リサイクルにも協力する。 80.7% 廃食油をそのまま流さない。 78.6% 電気をこまめに消すなど節電に努める。 78.4% 77.0% 犬の散歩時の糞はビニル袋等に入れて持ち帰る。 73.3% 行楽地など、訪問地でのごみは持ち帰る。 家電製品を買い替える時は、省エネタイプの製品を選択する。 67.6% 使い捨て商品を買わず、詰め替えできる商品を買う。 66.7% 近隣の迷惑にならないよう、テレビやオーディオ機器の音量を 調整したり、楽器を演奏する時間に配慮している。 冷房温度を高め、暖房温度を低めにし、省エネルギーに 努める。 65.5% 64.7% 庭などで身近な緑を育てる。 63.9% 車をアイドリング状態で放置しない。 62.8% 商品を長く使用し、買い替えに伴うごみや廃棄物を出さないよう にする。 流しには水切りネットを使い、汚れのひどい食器は拭いてから 洗う。 57.5% 57.1% 風呂の残り湯を再利用するなど、節水に努める。 54.4% 洗剤を使いすぎないようにする。 53.2% 廃品回収など地域の資源ごみ回収に参加する。 46.8% エコマークなどのついた環境にやさしい製品を買う。 40.5% 清掃活動などの美化活動へ参加する。 39.6% 空き缶やごみが落ちていたら拾う。 34.1% 車を買い替える時は、排気ガスのクリーンな車かハイブリッド車 を購入する(又は既に購入した)。 33.3% 近距離の移動には、なるべく歩くか自転車を使う。 32.9% 余暇などにはなるべく自然とふれあうようにする。 31.0% 可能な範囲で太陽光発電などの新エネルギー製品を購入する (又は既に購入した)。 26.1% 23.0% 大気汚染や水質汚濁など生活環境について勉強する。 地球環境問題やエネルギー問題について勉強する。 19.1% 住宅地の騒音防止や事故防止のため、住民の生活道路や路地 はなるべく走らない。 18.7% 動物や植物など自然環境について勉強する。 14.8% 長距離の移動には、なるべく公共交通機関を利用する。 14.4% 買い物に行く時は、買い物袋や買い物かごを持っていき、レジ袋 を受け取らない。 13.1% 地域の歴史や文化財、行事などについて勉強する。 12.9% 10.9% 少々高額でも、なるべくリサイクル商品を購入する。 環境に関するイベント(施設見学、自然観察会等)に参加する。 8.0% 植林などの緑化活動へ参加する。 7.0% これらの勉強会や活動、イベントを企画し運営する。 0.8% - 126 - ○前ページの図は市民の取組についてですが、大部分の市民が何らかの取組を行っている結果 となりました。また、保護者についても、大部分の人が何らかの取組を行っていました。 ○市民が実行している比率が 60%を超えた取組は、次のとおりです。 ・公共の場所で、ごみのポイ捨てをしない ・ごみをきちんと分別して出し、リサイクルにも協力する ・廃食油をそのまま流さない ・電気をこまめに消すなど節電に努める ・犬の散歩時の糞はビニル袋等に入れて持ち帰る ・行楽地など、訪問地でのごみは持ち帰る ・家電製品を買い替える時は、省エネタイプの製品を選択する ・使い捨て商品を買わず、詰め替えできる商品を買う ・近隣の迷惑にならないよう、テレビやオーディオ機器の音量を調整したり、楽器を演奏す る時間に配慮している ・冷房温度を高め、暖房温度を低めにし、省エネルギーに努める ・庭などで身近な緑を育てる ・車をアイドリング状態で放置しない ○保護者が実行している比率が 60%を超えた取組は次のとおりで、市民と同じような取組とな っていました。 ・公共の場所で、ごみのポイ捨てをしない ・犬の散歩時の糞はビニル袋等に入れて持ち帰る ・廃食油をそのまま流さない ・ごみをきちんと分別して出し、リサイクルにも協力する ・電気をこまめに消すなど節電に努める ・使い捨て商品を買わず、詰め替えできる商品を買う ・行楽地など、訪問地でのごみは持ち帰る ・近隣の迷惑にならないよう、テレビやオーディオ機器の音量を調整したり、楽器を演奏す る時間に配慮している ・家電製品を買い替える時は、省エネタイプの製品を選択する ○一方、中学生についても多くの生徒が何らかの取組を行っている結果となりました。実行し ている比率が 60%を超えた取組は、次のとおりです。 ・犬の散歩時の糞はビニル袋等に入れて持ち帰る ・公共の場所で、ごみのポイ捨てをしない ・物を大事に長く使うよう心がける ・ごみをきちんと分別して出し、リサイクルにも協力する - 127 - 問14 全問(問13)の行動のうち、あなたが現在は行っていないものの、今後は行っていきたい と思うものを5つまで選び、下にその行動の番号を記入してください。 ○市民で相対的に高い比率を示した取組は、 「洗剤を使いすぎないようにする」 「買物に行く時 は、買物袋や買物かごを持っていき、レジ袋を受け取らない」 「電気をこまめに消すなど節電 に努める」などで、25%∼30%の人が、新たに取り組むと回答していました。 ○保護者でも、「電気をこまめに消すなど節電に努める」 「買物に行く時は、買物袋や買物かご を持っていき、レジ袋を受け取らない」が 32%∼33%で、比較的高い比率となっていました。 ○中学生については、 「冷房温度を高め、暖房温度を低めにし、省エネルギーに努める」「公共 の場所で、ごみのポイ捨てをしない」「電気をこまめに消すなど節電に努める」 「洗剤を使い すぎないようにする」 「物を大事に長く使うよう心がける」が 30%を超え、比較的高い比率 となっていました。 - 128 - 問15 これからより良い環境を目指して活動をしていく中で、市役所の取組としての次の各項 目の重要性についてどう思いますか? これらのうち「緊急の課題」と思うものを5項目、 「重要」と思うものを5項目選び、その項目の欄に○をつけてください。これら以外の項目 については、 「どちらかといえば重要」「どちらともいえない」「あまり重要ではない」のいず れかに○をつけてください。 工場や事業所等のばい煙対策 工場や事業所等の悪臭対策 工場排水対策 廃棄物の不法投棄対策 ごみの減量・リサイクル 有害化学物質対策 生活排水対策 自動車の排ガス対策 川や海など身近な水辺の保全・整備 工場や事業所等の騒音対策 ごみの散乱防止 自動車の騒音対策 山林の保全 省エネルギーや新エネルギーの導入・推進 公園・広場などの整備 公共交通機関の整備による交通公害の改善 身近な緑の保全・整備 学校での環境学習の推進 市民が気軽に利用できる環境相談の窓口の設置 農地の保全 伝統的な行事や祭りの継承 事業者の環境保全活動の推進及び支援 文化財の保護 野生生物や生息地の保護 環境に係る新しい条例の制定や規制による環境保全 市民の環境学習の推進・支援 市民と市役所の環境に関する情報交流の場の設置 伝統的な建築物の保全 インターネットや広報による市役所からの環境情報提供 過度の夜間照明・光害対策 まち並みの保全 環境保全に係る見学会、自然観察会、イベント等の開催 落書き対策 NPO活動の推進及び支援 0% 緊急の課題 重要 10% 20% どちらかといえば重要 30% 40% 50% どちらともいえない 60% 70% 80% 90% 100% あまり重要ではない ○上の図は市民の集計結果ですが、緊急あるいは重要な課題として、 「工場や事業所等のばい煙 対策」 「工場や事業所の悪臭対策」 「工場排水対策」「廃棄物の不法投棄対策」 「ごみの減量・ リサイクル」等の比率が高くなっています。 ○すべての項目について、「緊急の課題」「重要」「どちらかといえば重要」を合わせた割合は 50%を超えており、環境行政に対する市民の関心が高いことがうかがわれます。 ○上の図におけるばい煙対策から自動車の騒音対策までの上位 12 の取組は、保護者でも上位 12 の取組に位置付けられています。 - 129 - 問16 四国中央市の環境保全に関連してのご意見や市役所への要望等がありましたら、ご自由に 記入してください。 ○市民の自由意見は、 「行政機関への全般的な要望」 「大気・水質」「騒音・交通」 「ごみ・リサ イクル」「自然」「快適環境」に区分し整理しました。代表的な意見は、次のとおりです。 【行政機関への全般的な要望】 ・リーダーシップを発揮してほしい(7 件) 【大気・水質】 ・工場の排気ガスが臭い。空気がきれいになってほしい(6 件) ・工場排水による、川、海の汚染対策を強化してほしい(5 件) 【騒音・交通】 ・道路の騒音対策をしてほしい(3 件) ・交通量の割に道幅が狭くあぶないし、排気ガスが気になる場所がある(3 件) ・公共交通機関の充実(3 件) 【ごみ・リサイクル】 ・産業廃棄物(建設廃材・家電)不法投棄物の処理と防止(3 件) ・服、タンス、パソコン等のリユースを進めてほしい(3 件) 【自然】 ・緑化の推進(3 件) 【快適環境】 ・犬の糞の後始末をしていない(7 件) ・ごみ捨てや犬の後始末に関するマナー教育が必要です(7 件) ・川辺が汚い(4 件) ○保護者の代表的な意見は、次のとおりです。 【行政機関への全般的な要望】 ・市民からの相談に十分対応してほしい(4 件) ・環境保全への取組にもっと力を入れてほしい(4 件) 【大気・水質】 ・工場の排気ガスが臭い(3 件) ○中学生の代表的な意見は、次のとおりです。 【行政機関への全般的な要望】 ・市民が参加できる地域をきれいにする活動・行事を増やしてほしい(9 件) 【大気・水質】 ・工場からの排気ガスを浄化し、空気がきれいな市へ(8 件) ・工場からの排水を浄化し、川や海をきれいにしてほしい(17 件) - 130 - 【ごみ・リサイクル】 ・ごみ拾いなどの清掃活動をする(11 件) ・ごみのポイ捨て防止に取り組む(8 件) ・川辺や海辺の清掃・除草に取り組む(7 件) ・ごみの分別、リサイクルに取り組む(6 件) ・ごみ箱、リサイクルボックスを設置してほしい(5 件) ・ごみの減量に取り組む(3 件) 【自然】 ・木や花など、緑や自然を増やしてほしい(54 件) ・自然を壊さないで増やしてほしい(8 件) ・森林の保護、植林をしてほしい(5 件) 【快適環境】 ・できるだけ多くの自然がある公園・施設を作ってほしい(5 件) ・子供が楽しく安全に遊べる公園がほしい(4 件) 【地球環境】 ・無駄な電力・水は使わない(3 件) 2 事業所の集計結果 問1 貴事業所についてお聞きします。あてはまるものの番号に○をつけてください。 その他 5.0% 回答事業所の業種 医療・福祉 7.5% 建設業 12.5% 金融・保険業 7.5% 飲食店・ 宿泊業 5.0% 卸・小売業 7.5% 製造業 42.5% 運輸業 12.5% 回答事業所の業務形態 その他 8.3% 倉庫 8.3% 工場・ 作業所 37.6% 回答事業所の従業員数 店舗・ 飲食店 10.4% 1∼9人 10.0% 100人以上 22.5% 事務所・ 営業所 35.4% 50∼99人 15.0% ○上のグラフは回答事業所の内訳です。 30∼49人 20.0% - 131 - 10∼19人 17.5% 20∼29人 15.0% 問2 貴事業所では、環境関連の業務や作業を取り扱う部署・担当者を設置されていますか? 設 置されている場合、どのような業務をされていますか? 設置を予定 している 0.0% 設置して いる 30.0% 設置して いない 70.0% ○環境関連の業務や作業を取り扱う部署・担当者を設置しているのは、全体の 30%でした。 ○当該部署の業務内容は、以下の通りでした。 ・ISO14001 に関連する業務 ・品質管理に関連する業務 ・公害防止設備の維持管理 ・従業員への環境教育、古紙リサイクル ・環境月間行事の計画及び実施 ・法規制に関する届出、契約及び記録等 問3事業所にとっての、環境対策へ取り組むことの重要性についてどうお考えですか? 経営面、 社会責任面、環境保全上のそれぞれについて、 「非常に重要」「ある程度重要」「どちらとも いえない」 「あまり重要ではない」のいずれかに○をつけてください。 環境対策へ取り組むことの経営面での重要性について 環境対策へ取り組むことの社会責任面での重要性について 環境対策へ取り組むことの環境保全上での重要性について 0% 非常に重要 ある程度重要 10% 20% 30% どちらともいえない 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% あまり重要ではない ○環境対策への取組については、60%を超える事業所が「環境保全上から非常に重要」と回答 しています。また、50%を超える事業所が「社会責任面から非常に重要」と回答しています。 そして、40%の事業所が「経営面から非常に重要」と回答しています。 - 132 - ○環境対策への取組については、 「非常に重要である」「ある程度重要である」を合わせると、 経営面・社会的責任面・環境保全上のいずれについても、90%以上の事業所が「重要」と回 答しています。 問4 貴事業所の事業活動(製品の製造・広告・宣伝・販売・製造した製品の使用・廃棄等)と、 次の環境問題との関連性についてどうお考えですか? 次の項目のすべてについて、 「関連 がある」「少しは関連がある」 「どちらともいえない」 「自社とは関連がない」のいずれかに ○をつけてください。 騒音・振動 大気汚染 産業廃棄物の排出 二酸化炭素の排出による地球温暖化 水質汚濁 道路交通問題 化学物質の排出 日照阻害・電波障害 悪臭 土壌・地下水汚染 地盤沈下 開発による自然環境への影響 夜間照明(光害) 0% 関連がある 10% 少しは関連がある 20% 30% 40% どちらともいえない 50% 60% 70% 80% 90% 100% 自社とは関連がない ○60%を超える事業所が、「騒音・振動」 「大気汚染」 「産業廃棄物の排出」「二酸化炭素の排出 による地球温暖化」と、自社の事業活動が「関連がある」又は「少しは関連がある」と回答 しています。 ○「水質汚濁」「道路交通問題」をあげた事業所の比率も「関連がある」と「少しは関連がある」 を合わせると 50%以上となっています。 ○「夜間照明(光害) 」 「開発による自然環境への影響」 「地盤沈下」 「土壌・地下水汚染」「悪臭」 「日照阻害・電波障害」をあげた事業所の比率は低くなっています。 - 133 - 問5 環境保全に向けた取組に当たり、貴事業所のお考えに最も近いものを次の中から一つ選び、 その番号に○をつけてください。また、 「積極的に取り組んでいきたい」の2つのうちいず れかを回答された事業所は、その理由を記入してください。 法令遵守で十分 であり、積極的な 取り組みまでは 不要と考えてい る。 2.6% 法令遵守で手一杯で あり、積極的な取り組 みまではできないとい うのが実情である。 28.2% 法令遵守のみな らず、積極的に 環境保全に取り 組んでいきたい。 23.1% 積極的に環境保全に 取り組みたいが、単 独での取り組みが困 難であるため、業界 や他の事業所と共に 取り組んでいきたい。 41.0% 積極的に環境保全に 取り組むとともに、業 界や他の事業所とも 連帯したい。可能であ れば市民活動やNPO と協働した取り組みに も関わっていきたい。 5.1% ○「法令遵守で十分」と考えている事業所の比率は少なくなっていますが、 「単独では困難であ る」「法令遵守で手一杯である」と回答した事業所の比率が高くなっています。 ○「法令遵守のみならず積極的に環境保全に取り組んでいきたい」と回答した事業所は、その 理由として次のことをあげています。 ・工場周辺住民との調和を図る。 ・企業として社会的責任である為。 ・企業の社会的責任だから。 ・企業は市民社会の一員であり、環境保全に取り組むのは社会的義務であると考える。 ・社会的義務である。 - 134 - 問6 環境保全に向けた行動のうち、貴事業所がすでに取り組まれていることを、次の中から選び、 あてはまるすべての番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 80.0% 電気をこまめに消すなど、節電に努める。 65.0% 冷房温度を高め、暖房温度を低めにし、省エネルギーに努める。 事業所の設備を替える場合は、省エネタイプの製品を選択 する。 57.5% 産業廃棄物や廃棄紙等をリサイクルや再生利用に回し、産業 廃棄物や事業系一般廃棄物の減量化に努める。 57.5% 50.0% 環境にやさしい商品を購入・生産・販売する。 従業員には、アイドリングストップ、適正速度での走行、急発進 や急停止をしないなどのエコドライブを指導する。 47.5% 32.5% 清掃活動などの美化活動へ参加する。 27.5% トイレ用水や洗車用水などの節水を指導する。 業務用車両の買い替えに当たっては、排気ガスのクリーンな車 やハイブリッド車を購入する。 22.5% 20.0% ISO14001の認証を取得する。 敷地内や、可能であれば屋上を積極的に緑化する。 15.0% 環境に関する地域のイベントに協力・参加する。 15.0% 建設工事に当たっては、建設副産物を有効利用し、最終処分量 を削減する。 12.5% 建設工事に当たっては、低騒音・低振動型の建設機械を使用 する。 12.5% 汚水排水の高度処理を行うなど、法令を上回る水準(除去率が 高い)の水処理設備等の公害防止設備を配置している。 12.5% 建物の増築に当たっては、周辺景観と調和した色彩や高さとす るように配慮する。 12.5% 可能な範囲で太陽光発電などの新エネルギーを導入する。 10.0% 7.5% 環境報告書を作成し、公開する。 通勤には公共交通機関を利用するよう、従業員を指導する。 5.0% 植林などの緑化活動へ参加する。 5.0% エコアクション21の認証を取得する。 0.0% ○節電に 80%の事業所が、省エネルギーにも 60%を超える事業所が取り組んでいます。 ○ISO14001 の認証を取得している事業所は 20%です。 - 135 - 問7 前問(問6)の行動のうち、貴事業所が現在は取り組んでいないものの今後取り組みたいと 考えるものを5つまで選び、下にその行動の番号を記入してください。 ○「環境にやさしい商品を購入・生産・販売する」 「トイレ用水や洗車用水などの節水を指導す る」「電気をこまめに消すなど節電に努める」 「可能な範囲で太陽光発電などの新エネルギー を導入する」 「冷房温度を高め、暖房温度を低めにし、省エネルギーに努める」を、35%∼40% の事業者が回答していました。 問8 環境保全に向けた取組を進める上で問題・課題になることとして、貴事業所のお考えに近い ものを次の中からすべて選び、番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 72.5% 費用的なもの(新たな設備、組織、コンサルティング費等) 47.5% 新たな人手、手間、時間をとられる。 従業員への環境教育方法がわからず、取組が徹底される かどうかも疑問である。 15.0% 12.5% 取組の方法や手順がわからない。 取組に限らず、環境に関する情報や知識全般を 知らない。 2.5% ○取組を進める上での問題・課題としては、費用的なことが最も多く、次に人手や時間に関す ることとなっています。 問9 環境保全に向けた取組を進める上で、市役所など行政に望むことを次の中からすべて選び、 番号に○をつけてください。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 70% 80% 90% 100% 60.0% 環境保全のための助成制度の充実 45.0% 環境関連情報の提供 事業者対象の環境学習会などの開催 25.0% 環境関連の相談窓口の設置 22.5% 環境保全のための技術指導 特にない 60% 17.5% 5.0% ○60%の事業所が、環境保全のための助成制度の充実をあげています。続いて、45%の事業所 が環境関連情報の提供をあげています。 - 136 - 問 10 環境保全に関連してのご意見や市役所への要望等がありましたら、ご自由にお書きくださ い。 ○市役所への要望については、事業者に対する積極的かつ公正な指導、ボランティア活動に対 応するための支援等があげられていました。 資料−4 1 環境基本計画(素案)に関するパブリックコメント パブリックコメントの実施方法 四国中央市環境基本計画の策定に当たり、事前に素案を公表して市民の意見を募集し、提出され た意見を勘案して計画を決定するため、パブリックコメントを実施しました。 【素案の公表の方法】 四国中央市のホームページに全文を掲載するとともに、環境衛生課(本庁)及び各総合支所市 民窓口センター(川之江・土居・新宮)で閲覧できるようにしました。 【意見の募集期間】 平成19年4月10日(火)∼5月9日(水) 【意見の提出方法】 意見書の郵送、電子メール、FAXのいずれかで提出 2 パブリックコメントの結果 環境基本計画(素案)に対して提出された意見の総数は14件でした。これらの意見及びそれに対 する四国中央市の見解は、次ページ以降に掲載したとおりであり、意見を踏まえて施策の一部を追 加修正するなど計画に反映しました。なお、計画策定後は、これらの意見を踏まえて施策や取組を 検討しながら、計画を進めることとします。 - 137 - 【四国中央市環境基本計画(素案)への意見と市の見解】 № 素案への意見 市の見解 1 川の水の色がびっくりするようなときがあ 工場排水の水質は水質汚濁防止法により り、水質が守られているとは思えない、取 規制されていますが、色については規制値 り締まるべきではないか? が定められていません。色に関する規制を している自治体はほとんどありません。理 由として、有害性が特に認められない場合、 中小企業が多い染色事業者等に、色度を除 去するための高度処理施設の設置を課すこ とを慎重にしていることが考えられます。 市民策定委員会においても同様の意見が ありましたが、設備投資の負担や健康被害 等を勘案して、水質汚濁防止法に違反がな い場合の取り締まりには、慎重を期するべ きとの結論に至っております。 2 データでは環境は守られているということ 本市の主要な工場の排ガスや排水は法律 のようだが、どこまで信用できるのか心配。 で定められた方法で測定され、排出基準値 企業を信用できるのか? 以下の濃度が維持されています。また、市 内の大気質や水質などは、愛媛県や四国中 央市などの行政機関が法律で定められた方 法で測定しており、環境基準値以下の濃度 が維持されていることは確認しており、工 場における環境管理が適正に実施されてお り、企業活動が市民の健康や市民の生活環 境に影響を及ぼすおそれも小さいと判断し ています。 しかしながら、このような意見が少なく ないことから、市民と企業との環境コミュ ニケーションを一層推進することが必要と 思われますので、リーディングプロジェク トとして取り組むことにしています。 - 138 - № 3 素案への意見 市の見解 隣の新居浜市に比べて遅れている。 環境基本計画の推進に当たっては、愛媛 県や近隣市との情報交換を積極的に行うと ともに、市民や事業者等から成る計画推進 組織(環境市民会議、(仮称)環境サポー ター倶楽部)と他市の推進組織との交流を 支援し、環境施策や各プロジェクトの推進 に努めます。 既に、策定委員レベルでは、一部の環境 施策を新居浜市・西条市とも情報交換しな がら実施しております。今後は、新居浜市 の市民団体とも連携を取りながら環境施策 を推進することにしております。 4 キャンドルナイト・コンサートは温かくて 良かったので続けてほしい。 環境市民会議や環境サポーターと協働 し、環境基本計画の推進に有効と考えられ る取組を積極的に支援し、今後も継続する ことにしています。 5 商売をしているので「エコショップ」のよ エコショップについてはp95に記載した うな登録制度に関心があるので基準をはっ 「NPOグリーンコンシューマー100人 きりと示してほしい。 委員会(仮称)」と市が協働で認定を行う 予定です。認定に当たっては、先行事例を 参考の上で、明確な認定基準を定めます。 6 p54、p98 両海岸は、瀬戸内海環境保全特別措置法に 余木崎海岸や寒川海岸は、最近、随分他か 基づいて制定された「愛媛県自然海浜保全条 ら砂を入れて人工的に海水浴場として整備 例」により、「自然海浜保全地区」に指定さ しているようです。自然海岸という呼称は れています。自然海浜保全地区には、①水際 不似合いな気がします。 線付近において砂浜、岩礁その他これらに類 する自然の状態が維持されている海浜及び② 海水浴、潮干狩り、その他これらに類する目 的のために、将来にわたって利用されること が適当と認められる海浜が指定されます。 余木崎海岸と寒川海岸は、共に自然海浜 保全地区に指定されていて、本市としても、 将来にわたってこれらの海浜を保全し、適 正な利用を図っていきたいと考えていま す。 - 139 - № 7 素案への意見 市の見解 p57、p67、p75、p78、p99 植林活動の内容については、計画推進組 市民誰もが気軽に参加しやすい植林を提案 織(環境市民会議及び環境サポーター)と、 してほしい。(子ども連れで、30分∼1時 活動に当たって指導的役割を果たすと想定 間程度で出来るといった方法など) される森林組合などとの話し合いを通じ て、検討していきたいと考えています。 8 p59、p88 関係教職員への紫外線対策、教育現場で ・関係教職員への紫外線対策についての研 修を実施してほしい。 の紫外線対策については、普及啓発すべき 内容及び有効な普及啓発の方法を検討し、 ・教育現場での紫外線対策を徹底してほし 各学校に通知・指導します。 い(運動会の練習やプール、体育、部活 など) 9 p67、p75、p99 意見7と同様、講習会の内容については、 間伐のやり方の講習会を実施してほしい。 計画推進組織と森林組合などとの話し合い を通じて検討します。危険度が高い間伐に ついては、ボランティアが関わるかどうか まで含めて検討する必要があると考えてい ます。 10 p77 環境基本計画書では、特定の業種を想定 法律違反やそれとおぼしき採石の取り締ま した規制措置を盛り込むことは想定してお りを強化してほしい(採石により荒れ果て らず、p65(工場・事業場対策)やp74(開 た河川や石の加工による石粉で濁った水な 発事業や土地利用における配慮)の中で対 どは、水質や生物、景観等が損なわれるば 応していきます。 かりか、それによる市民への心理的な悪影 響が大きい(あきらめや嫌気))。 11 p72 計画推進組織として設置する「環境市民 環境資料、環境関連の活動(フリーマーケ 会議」「環境サポーター倶楽部」及びリー ットや地産地消作物の販売など)、リサイ ディングプロジェクトに関連した「NPO クルプラザ、NPOグリーンコンシューマ グリーンコンシューマー100人委員会」 ー100人委員会の事務所といったような 等の活動の具体的な場(施設)については、 様々な場が集約された施設を設置してほし 計画の推進段階で、どのような形態が望ま い。(そこに行けば、いつも気軽に環境に しいかを検討し、必要に応じて施設を設置 関する施策・活動・情報などに触れること します。 ができるもの、気軽に立ち寄れる雰囲気の もの) - 140 - № 12 素案への意見 市の見解 p57、p85 自転車道の整備については、p60の「大気 自転車道及び自転車ゾーンを整備してほし 環境の保全」で記載していますが、p85「安 い(現在の自動車道は排気ガスを浴びるし、 心・安全なまちづくりの推進」の観点から アップダウンが激しかったりで、自転車で も重要と考えられるため、p85に「必要に 移動する気になれない)。 応じて駐輪場や自転車道を整備します」を 追加記載します。 13 p87 p95の「エコショップの認定」において、 環境商品の普及・紹介をしてほしい。 エコショップの条件を定める一環として、 取り扱う環境商品の選定に取り組むことが 適当と考えています。 14 p58 環境家計簿は、環境基本計画書の概要版に えひめ環境家計簿は細かすぎだったり、面 掲載しますが、掲載に当たっては、市民に 白くなさそうだったりで現状ではハードル わかりやすく、気軽に取り組め、効果が大 が高いのでは。 きいものを中心に、内容を再検討します。 資料−5 1 環境基準 大気汚染に係る環境基準 大気汚染に係る環境基準は、以下のとおり定められています。 物 質 環境上の条件 物 質 環境上の条件 二酸化硫黄 一酸化炭素 浮遊粒子状物質 二酸化窒素 1時間値の1日 平均値が0.04 ppm以下であり、 かつ、1時間値が 0.1ppm以下であ ること。 1時間値の1日 平 均 値 が 1 0pp m 以下であり、か つ、1時間値の 8時間平均値が 20ppm以下であ ること。 1時間値の1日 平均値が0.10mg /㎥以下であり、 かつ、1時間値 が0.20mg/㎥以 下であること。 1時間値の1日 平均値が0.04 ppmから0.06ppm までのゾーン内 又はそれ以下で あること。 光化学 オキシダント 1時間値が 0.06ppm以下で あること。 ベンゼン トリクロロエチレン テトラクロロエチレン ジクロロメタン 1年平均値が0.003 mg/㎥以下であるこ と。 1年平均値が0.2mg/ ㎥以下であること。 1年平均値が0.2mg/ ㎥以下であること。 1年平均値が0.15 mg/㎥以下であるこ と。 - 141 - 2 水質汚濁に係る環境基準 水質汚濁に係る環境基準には、「人の健康の保護に関する環境基準」と「生活環境の保全に関す る環境基準」があり、前者はすべての公共用水域に基準値が適用されますが、後者は水域ごとに類 型が指定された上で基準値が適用されます。また、生活環境の保全に関する環境基準は、河川、湖 沼(天然湖沼及び貯水量が1,000万㎥以上であり、かつ、水の滞留時間が4日間以上である人工湖) 及び海域の別に、基準値が設定されています。 なお、地下水については「地下水の水質汚濁に係る環境基準」が設定されていて、基準値は「人 の健康の保護に関する環境基準」と同じです。 1 人の健康の保護に関する環境基準及び地下水の水質汚濁に係る環境基準 項 目 カドミウム 全シアン 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 アルキル水銀 PCB ジクロロメタン 四塩化炭素 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン シス-1,2-ジクロロエチ レン 1,1,1-トリクロロエタ ン 1,1,2-トリクロロエタ ン トリクロロエチレン テトラクロロエチレン 1,3-ジクロロプロペン チウラム シマジン チオベンカルブ ベンゼン セレン 硝酸性窒素及び亜硝酸 性窒素 ふっ素 ほう素 人の健康の保護に関する環境基準値 0.01mg/ℓ 以下 検出されないこと 0.01mg/ℓ 以下 0.05mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.0005mg/ℓ 以下 検出されないこと 検出されないこと 0.02mg/ℓ 以下 0.002mg/ℓ 以下 0.004mg/ℓ 以下 0.02mg/ℓ 以下 地下水の水質汚濁に係る環境基準値 0.01mg/ℓ 以下 検出されないこと 0.01mg/ℓ 以下 0.05mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.0005mg/ℓ 以下 検出されないこと 検出されないこと 0.02mg/ℓ 以下 0.002mg/ℓ 以下 0.004mg/ℓ 以下 0.02mg/ℓ 以下 0.04mg/ℓ 以下 0.04mg/ℓ 以下 1mg/ℓ 以下 1mg/ℓ 以下 0.006mg/ℓ 以下 0.006mg/ℓ 以下 0.03mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.002mg/ℓ 以下 0.006mg/ℓ 以下 0.003mg/ℓ 以下 0.02mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.03mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.002mg/ℓ 以下 0.006mg/ℓ 以下 0.003mg/ℓ 以下 0.02mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 0.01mg/ℓ 以下 10mg/ℓ 以下 10mg/ℓ 以下 0.8mg/ℓ 以下 1mg/ℓ 以下 0.8mg/ℓ 以下 1mg/ℓ 以下 - 142 - 2(1) 生活環境の保全に関する環境基準(河川) ア 項目 基 利用目的の適応性 類型 AA A B C D E 水道1級 自然環境保全及びA 以下の欄に掲げるも の 水道2級 水産1級 水浴及びB以下の欄 に掲げるもの 水道3級 水産2級 及びC以下の欄に掲 げるもの 水産3級 工業用水1級 及びD以下の欄に掲 げるもの 工業用水2級 農業用水 及びEの欄に掲げる もの 工業用水3級 環境保全 準 値 水素イオン 濃度(pH) 生物化学的 酸素要求量 (BOD) 浮遊物質量 (SS) 溶存酸素量 (DO) 大腸菌群数 6.5以上 8.5以下 1mg/ℓ 以下 25mg/ℓ 以下 7.5mg/ℓ 以上 50MPN/ 100mℓ 以下 6.5以上 8.5以下 2mg/ℓ 以下 25mg/ℓ 以下 7.5mg/ℓ 以上 1,000MPN/100 mℓ 以下 6.5以上 8.5以下 3mg/ℓ 以下 25mg/ℓ 以下 5mg/ℓ 以上 5,000MPN/100 mℓ 以下 6.5以上 8.5以下 5mg/ℓ 以下 50mg/ℓ 以下 5mg/ℓ 以上 ― 6.0以上 8.5以下 8mg/ℓ 以下 100mg/ℓ 以下 2mg/ℓ 以上 ― 6.0以上 8.5以下 10mg/ℓ 以下 ごみ等の浮遊 が認められな いこと 2mg/ℓ 以上 ― 〔注〕1 2 自然環境保全:自然探勝等の環境保全 水道1級 :ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの 水道2級 :沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの 水道3級 :前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの 3 水産1級 :ヤマメ、イワナ等貧腐水性水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用 水産2級 :サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用 水産3級 :コイ、フナ等、β−中腐水性水域の水産生物用 4 工業用水1級:沈殿等による通常の浄水操作を行うもの 工業用水2級:薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの 工業用水3級:特殊の浄化操作を行うもの 5 環境保全 :国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度 イ 項目 水生生物の生息状況の適応性 類型 生物A イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及 びこれらの餌生物が生息する水域 生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物 の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に 保全が必要な水域 コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれ らの餌生物が生息する水域 生物B 生物特B 生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物 の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に 保全が必要な水域 - 143 - 基準値 全亜鉛 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 2(2) 生活環境の保全に関する環境基準(湖沼:天然湖沼及び貯水量が1,000万㎥以上であり、かつ、 水の滞留時間が4日間以上である人工湖) ア 項目 基 利用目的の適応性 類型 AA A B C 水道1級 水産1級 自然環境保全及びA 以下の欄に掲げるも の 水道2、3級 水産2級 水浴及びB以下の欄 に掲げるもの 水産3級 工業用水1級 農業用水及びCの欄 に掲げるもの 工業用水2級 環境保全 準 値 水素イオン 濃度(pH) 化 学 的 酸素要求量 (COD) 浮遊物質量 (SS) 溶存酸素量 (DO) 6.5以上 8.5以下 1mg/ℓ 以下 1mg/ℓ 以下 7.5mg/ℓ 以上 50MPN/ 100mℓ 以下 6.5以上 8.5以下 3mg/ℓ 以下 5mg/ℓ 以下 7.5mg/ℓ 以上 1,000MPN/100 mℓ 以下 6.5以上 8.5以下 5mg/ℓ 以下 15mg/ℓ 以下 5mg/ℓ 以上 ― 6.0以上 8.5以下 8mg/ℓ 以下 ごみ等の浮遊 が認められな いこと 2mg/ℓ 以上 ― 大腸菌群数 〔注〕1 2 自然環境保全:自然探勝等の環境の保全 水道1級 :ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの 水道2、3級 :沈殿ろ過等による通常の浄水操作、又は、前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの 3 水産1級 :ヒメマス等貧栄養湖型の水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用 水産2級 :サケ科魚類及びアユ等貧栄養湖型の水域の水産生物用並びに水産3級の水産生物用 水産3級 :コイ、フナ等富栄養湖型の水域の水産生物用 4 工業用水1級:沈殿等による通常の浄水操作を行うもの 工業用水2級:薬品注入等による高度の浄水操作、又は、特殊な浄水操作を行うもの 5 環境保全 :国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度 イ 項目 基 利用目的の適応性 全 類型 窒 素 準 値 全 燐 Ⅰ 自然環境保全及びⅡ以下の欄に掲げるもの 0.1 ㎎/ℓ 以下 0.005㎎/ℓ 以下 Ⅱ 水道1、2、3級(特殊なものを除く。) 水産1種 水浴及びⅢ以下の欄に掲げるもの 0.2 ㎎/ℓ 以下 0.01 ㎎/ℓ 以下 Ⅲ 水道3級(特殊なもの)及びⅣ以下の欄に掲げるもの Ⅳ 水産2種及びⅤの欄に掲げるもの 0.4 ㎎/ℓ 以下 0.6 ㎎/ℓ 以下 0.03 ㎎/ℓ 以下 0.05 ㎎/ℓ 以下 Ⅴ 〔注〕1 2 水産3種 工業用水 農業用水 環境保全 1 ㎎/ℓ 以下 0.1 ㎎/ℓ 以下 自然環境保全:自然探勝等の環境保全 水道1級 :ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの 水道2級 :沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの 水道3級 :前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの(「特殊なもの」とは、臭気物質の除去 が可能な特殊な浄水操作を行うものをいう。) 3 水産1種 :サケ科魚類及びアユ等の水産生物用並びに水産2種及び水産3種の水産生物用 水産2種 :ワカサギ等の水産生物用並びに水産3種の水産生物用 水産3種 :コイ、フナ等の水産生物用 4 環境保全 :国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度 - 144 - ウ 基準値 全亜鉛 項目 水生生物の生息状況の適応性 類型 生物A イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及 びこれらの餌生物が生息する水域 生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物 の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に 保全が必要な水域 コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれ らの餌生物が生息する水域 生物B 生物特B 2(3) 生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物 の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に 保全が必要な水域 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 0.03 mg/ℓ 以下 生活環境の保全に関する環境基準(海域) ア 項目 基 利用目的の適応性 類型 A B C 水産1級 水浴 自然環境保全及びB 以下の欄に掲げるも の 水産2級 工業用水及びCの欄 に掲げるもの 環境保全 準 値 水素イオン 濃度(pH) 化 学 的 酸素要求量 (COD) 溶存酸素量 (DO) 大腸菌群数 n-ヘキサン 抽出物質 (油分等) 7.8以上 8.3以下 2mg/ℓ 以下 7.5mg/ℓ 以上 1,000MPN/100 mℓ 以下 検出されない こと。 7.8以上 8.3以下 3mg/ℓ 以下 5mg/ℓ 以上 ― 検出されない こと。 7.0以上 8.3以下 8mg/ℓ 以下 2mg/ℓ 以上 ― ― 〔注〕1 2 自然環境保全:自然探勝等の環境保全 水産1級 :マダイ、ブリ、ワカメ等の水産生物用及び水産2級の水産生物用 水産2級 :ボラ、ノリ等の水産生物用 3 環境保全 :国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度 イ 項目 基 利用目的の適応性 全 類型 窒 素 準 値 全 燐 Ⅰ 自然環境保全及びⅡ以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) 0.2 ㎎/ℓ 以下 0.02 ㎎/ℓ 以下 Ⅱ 水産1種 水浴及びⅢ以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) 0.3 ㎎/ℓ 以下 0.03 ㎎/ℓ 以下 水産2種及びⅣの欄に掲げるもの 0.6 ㎎/ℓ 以下 0.05 ㎎/ℓ 以下 (水産3種を除く。) Ⅳ 水産3種 工業用水 生物生息環境保全 1 ㎎/ℓ 以下 0.09 ㎎/ℓ 以下 〔注〕1 自然環境保全:自然探勝等の環境保全 2 水産1種 :底生魚介類を含め多様な水産生物がバランス良く、かつ、安定して漁獲される 水産2種 :一部の底生魚介類を除き、魚類を中心とした水産生物が多獲される 水産3種 :汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲される 3 生物生息環境保全:年間を通して底生生物が生息できる限度 Ⅲ - 145 - ウ 項目 水生生物の生息状況の適応性 類型 生物A 水生生物の生息する水域 生物特A 生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場) 又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 3 基準値 全亜鉛 0.02 mg/ℓ 以下 0.01 mg/ℓ 以下 土壌の汚染に係る環境基準 土壌の汚染に係る環境基準は、以下のとおり定められています。 項 目 カドミウム 全シアン 有機燐 鉛 六価クロム 砒素 総水銀 アルキル水銀 PCB 銅 ジクロロメタン 四塩化炭素 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン シス-1,2-ジクロロエチレ ン 1,1,1-トリクロロエタン 1,1,2-トリクロロエタン トリクロロエチレン テトラクロロエチレン 1,3-ジクロロプロペン チウラム シマジン チオベンカルブ ベンゼン セレン ふっ素 ほう素 環 境 上 の 条 件 検液1ℓ につき0.01mg以下であり、かつ、農用地においては、米1kgにつき1mg未 満であること。 検液中に検出されないこと。 検液中に検出されないこと。 検液1ℓ につき0.01mg以下であること。 検液1ℓ につき0.05mg以下であること。 検液1ℓ につき0.01mg以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、 土壌1kgにつき15mg未満であること。 検液1ℓ につき0.0005mg以下であること。 検液中に検出されないこと。 検液中に検出されないこと。 農用地(田に限る。)において、土壌1kgにつき125mg未満であること。 検液1ℓ につき0.02mg以下であること。 検液1ℓ につき0.002mg以下であること。 検液1ℓ につき0.004mg以下であること。 検液1ℓ につき0.02mg以下であること。 検液1ℓ につき0.04mg以下であること。 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ 検液1ℓ につき1mg以下であること。 につき0.006mg以下であること。 につき0.03mg以下であること。 につき0.01mg以下であること。 につき0.002mg以下であること。 につき0.006mg以下であること。 につき0.003mg以下であること。 につき0.02mg以下であること。 につき0.01mg以下であること。 につき0.01mg以下であること。 につき0.8mg以下であること。 につき1mg以下であること。 - 146 - 4 騒音に係る環境基準 騒音に係る環境基準には、「一般地域」「道路に面する地域」及び「幹線交通を担う道路に近接 する空間」にそれぞれ適用される基準値があり、その場所の用途地域の指定状況に応じた基準値が 適用されます。「幹線交通を担う道路に近接する空間」とは、高速自動車国道、一般国道、主要地 方道、都道府県道及び4車線以上の市町村道において、2車線以下の場合は道路端から15mの範囲、 3車線以上の場合は道路端から20mの範囲を指します。 なお、環境基準値は「等価騒音レベル(変動騒音を、ある一定時間のエネルギー的な平均値とし て表した騒音レベル)」としての値で、「デシベル」は「dB」とも表示されます。 ア)一般地域 地域 の 類型 基 準 値 昼 間 夜 間 (午前6時∼午後10時) (午後10時∼午前6時) AA 50デシベル以下 40デシベル以下 A 55デシベル以下 45デシベル以下 B 55デシベル以下 45デシベル以下 C 60デシベル以下 50デシベル以下 イ)道路に面する地域 地域 の 類型 車線 A 2車線以上 B 2車線以上 C 1車線以上 基 昼 準 間 値 夜 間 60デシベル以下 55デシベル以下 65デシベル以下 60デシベル以下 道路に面する地域において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、特例として次表の基準値を 適用する。 昼 備考 間 夜 間 70デシベル以下 65デシベル以下 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められ る時は、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間は45デシベル以下、夜間は40デシベル以下)による ことができる。 - 147 - 5 ダイオキシン類に係る環境基準 ダイオキシン類に係る環境基準は、以下のとおり定められています。 項 目 基準値 大 気 0.6pg-TEQ/㎥以下 水質及び水底の底質 土 壌 水質:1pg-TEQ/ℓ 以下 1,000pg-TEQ/g以下 底質:150pg-TEQ/g以下 備考 1 基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。 2 大気及び水質の基準は、年間平均値とする。 3 土壌にあっては、環境基準が達成されている場合であって、土壌中のダイオキシン類の量が 250pg-TEQ/g以上の場合には、必要な調査を実施することとする。 - 148 - 資料−6 あ 環境用語の説明 行 ISO14001 国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定めた環境マネジメント に関する国際規格で、企業活動、製品及びサービスの環境負荷の低減など継続的な改善を図る仕組み を構築するための要求事項を規定。 悪臭物質 不快な臭いの原因となって生活環境を損なうおそれのある物質のことであり、「悪臭防止法」では、 悪臭の代表的な構成成分であるアンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル等 22 の物質 を「特定悪臭物質」に指定している。 悪臭防止法 典型的な感覚公害である悪臭を防止することを目的として 1971 年に制定され、その後数回にわたり 改正されてきた。 都道府県知事が、市町村長の意見を聴いて規制地域を指定し、また、環境省令が定める範囲内で規 制基準を定めて、悪臭を規制し、指定後は市町村長が規制実務を行い、悪臭公害を防止することを主 な内容としている。 悪臭の原因となる典型的な化学物質を『特定悪臭物質』として規制する方法、及び、種々の悪臭物 質の複合状態が想定されることから物質を特定しないで『臭気指数』を規制する方法の 2 通りの方法 がある。それらが悪臭として環境に支障を与えない程度となるよう事業場の敷地境界、排出口からの 排出量、排出水中の濃度・臭気指数を規制している。違反があれば改善勧告、改善命令を受け、従わ ない場合には罰則が適用される。 アスベスト アスベストは軟らかく、耐熱・対磨耗性にすぐれているため、ボイラー暖房パイプの被覆、自動車 のブレーキ、建築材など広く利用されていた。 しかし、繊維が肺に突き刺さったりすると肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになり、WHO (世界保健機関)ではアスベストを発がん物質と断定。日本でも、大気汚染防止法(1968)により、 1989 年に「特定粉じん」に指定され、使用制限または禁止されるようになり、石綿による健康被害の 救済に関する法律が、2006 年 2 月に制定された。 アンモニア性窒素 アンモニウムイオンをその窒素量で表したもの。有機性窒素の分解により生成する。主な発生源は し尿、生活排水、肥料等である。アンモニア性窒素が多すぎると、稲の生育障害をきたし、また、排 水処理において塩素滅菌の効果が低下するなどの問題が生じる。 硫黄酸化物(SOx) 硫黄と酸素の化合物をいう。主なものは二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫黄(SO3)があり、重油等 硫黄分を含む燃料の燃焼により発生する。二酸化硫黄は、刺激性の強いガスで、臭いを感じ、目に刺 激を与え、呼吸機能に影響を及ぼす。 - 149 - 一般廃棄物 廃棄物処理法(1970)の対象となる廃棄物のうち、産業廃棄物以外のもの。 一般家庭から排出されるいわゆる家庭ごみ(生活系廃棄物)のほか、事業所などから排出される産 業廃棄物以外の不要物(いわゆるオフィスごみなど)も事業系一般廃棄物として含まれる。また、し 尿や家庭雑排水などの液状廃棄物も含まれる。現行の廃棄物処理法の下では、地方自治体が収集・処 理・処分の責任を負う。発生源別に、生活系と事業系の 2 つに区分される。 エコアクション 21 広範な中小企業、学校、公共機関などに対して、「環境への取組を効果的・効率的に行うシステムを 構築・運用・維持し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、報告する」ための 方法として、環境省が策定したエコアクション 21 ガイドラインに基づく、事業者のための認証・登録 制度である。 エコタウン事業 「ゼロ・エミッション構想」(ある産業から出るすべての廃棄物を新たに他の分野の原料として活用 し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想)を地域の環境調和型経済社会形成のための基本 構想として位置づけ、併せて、地域振興の基軸として推進することにより、先進的な環境調和型のま ちづくりを推進することを目的として、平成 9 年度に創設された制度。 具体的には、それぞれの地域の特性に応じて、都道府県又は政令指定都市が作成したプラン(市町 村(一部事務組合を含む。 )が作成する場合は都道府県等と連名で作成)について環境省と経済産業省 の共同承認を受けた場合、当該プランに基づき実施される事業について、地方公共団体及び民間団体 に対して総合的・多面的な支援を行う。 エコツーリズム 自然や人文環境を損なわない範囲で、自然観察や地域の生活や歴史を学ぶ、新しいスタイルの観光 形態。なお、地域住民の働き場が組み込まれていることなど観光収入が地域にもたらされることも必 要条件として概念に含める場合も多い。 エコマーク 環境への負荷が少なく、あるいは環境の改善に役立つ環境に優しい製品を示すマーク。 メーカーや流通業者の申請を受けて、環境省所管の(財)日本環境協会が審査し、認定された商品 にはマークをつけることが許される。環境保全効果だけでなく、製造工程でも公害防止に配慮してい ることが必要。 エコマークの許可された商品は、100%古紙のトイレットペーパーや流しの三角コーナー用の漉紙な ど、2003 年 9 月現在、59 類型で 5,618 製品(認定企業数は 1,902 社)にのぼる。 NGOとNPO NGOは Non-Governmental-Organization(非政府組織)の略、NPOは Non-Profit-Organization (民間非営利組織)の略。その活動内容は、医療、福祉、環境保全、まちづくり、国際交流など多岐 にわたっており、行政、企業と並ぶ地域づくりの主体として期待されている。 オゾン層 地上から 10∼50km の高度で地球をとりまく成層圏に存在するオゾン濃度の濃い大気層。オゾンは生 物に有害な波長を持つ紫外線を吸収する。近年、極地上空でオゾン濃度が急激に減少しているオゾン ホールが観測され、フロンガスなどによるオゾン層破壊が問題となっている。 - 150 - 温室効果 大気中の特殊なガスには、地表面から赤外線の形で宇宙空間に放出される熱を吸収する性質がある ため、地球の気温が上昇し温室のような状態になる現象。熱を吸収する気体には、水蒸気、二酸化炭 素、フロンガスなどがあるが、近年、人工源の二酸化炭素が増加しており、地球温暖化の危険性が指 摘されている。 か 行 化学的酸素要求量(COD) 水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、海水や湖 沼水質の有機物による汚濁状況を測る代表的な指標。 環境基準では、河川には COD 値は設定されず、湖沼及び海域で類型によりあてはめることとなって いる。また、水質汚濁防止法(1970)に基づき排出水の規制のための基準値が定められている。 家畜排せつ物法 正式名称「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」 畜産農家から出る家畜ふん尿の管理基準の設定と利用の促進を図ることにより、有害物質の地下浸 透など生活環境への悪影響を防止するための法律。 「家畜排せつ物」とは牛、豚、鶏その他政令で定め る家畜の排せつ物をいう。 家電リサイクル法 家庭で不要となったテレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫の家電 4 品目について、家電メーカーに回 収とリサイクルを、消費者にその費用負担を義務付けた法律。 簡易水道 給水人口が 101 人以上、5,000 人以下の水道をいう。 環境家計簿 日常の生活で消費するエネルギーや缶、ペットボトルを二酸化炭素の量に置き換えて計算する、環 境負荷の管理表である。 環境基準 環境基本法(1993)の第 16 条に基づいて、政府が定める環境保全行政上の目標。人の健康を保護し、 及び、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準。政府は、公害の防止に関する施策を 総合的かつ有効適切に講ずることにより、環境基準の確保に努めなければならないとされている。こ れに基づき、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音などに関する環境基準が定められている。 また、これら基準は、常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならないと 規定されている。なお、ダイオキシン類に関しては、ダイオキシン類対策特別措置法(1999)を根拠 として、大気汚染、水質汚濁及び土壌汚染の環境基準が定められている。 - 151 - 環境基本計画 環境基本法(1993)の第 15 条に基づく、政府全体の(1)環境保全に関する総合的・長期的な施策 の大綱、(2)環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めるもの であり、内閣総理大臣が中央環境審議会の意見を聴いて、閣議決定により定めることとされている。 1994 年 12 月に策定され、2000 年 12 月の改定を経て、2006 年 4 月から第三次環境基本計画として定 められている。政府が一体となって進める施策とともに、多様な主体に期待する役割についても示し ている。循環、共生、参加、国際的取り組みを長期的目標に据付けて、地球温暖化対策、循環型社会 の形成、交通対策、水循環の確保、化学物質対策、生物多様性の保全、環境教育・環境学習などに重 点をおいて施策を展開していくこととされている。 環境基本法 それまでの公害対策基本法、自然環境保全法では、対応に限界があるとの認識から、地球化時代の 環境政策の新たな枠組を示す基本的な法律として、1993 年に制定された。環境省所管。 基本理念としては、(1)環境の恵沢の享受と継承等、(2)環境への負荷の少ない持続的発展が可能 な社会の構築等、(3)国際的協調による地球環境保全の積極的推進が掲げられている。この他、国、 地方公共団体、事業者、国民の責務を明らかにし、環境保全に関する施策(環境基本計画、環境基準、 公害防止計画、経済的措置など)が順次規定されている。また、6 月 5 日を環境の日とすることも定 められている。 間伐 植林してある程度育ってから主伐されるまでの間に、繰り返し実施される間引き伐採をいう林業用 語。若齢段階の森林は、高木性の樹木が林冠を形成し、林冠が強く閉鎖され、林内の照度は低くなり、 林床植生が消失するなど生物多様性が低下するほか、水土保全の機能も低くなる。また、林冠を形成 する樹木相互間の競争の結果、優劣、不整が生じ、林分全体としても、個々の樹木についても、成長、 形質が低下することとなる。このため、人工林については、間伐により、林冠の閉鎖度を適度に調整 し、生産目標に沿う立木密度を保つこととしている。なお、天然林についても優良材生産等のため間 伐を実施する場合がある。 間伐を行うに当たっては、間伐率と間伐木を定める必要があり、管理目標に応じ、多様な考え方が ある。間伐の主目的は保育であるが、間伐材を利用することによる収入源としての意義も大きい。し かし、立木価格の大幅な低下と経費の高騰の結果、採算のとれる間伐は少なく、間伐木は林地に放置 されるものが多いほか、必要な間伐が実施されないまま放置された森林が多く、 「施業放棄森林」問題 となっている。 環境負荷 人が環境に与える負担のこと。単独では環境への悪影響を及ぼさないが、集積することで悪影響を 及ぼすものも含む。環境基本法では、環境への負荷を「人の活動により、環境に加えられる影響であ って、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。 」としている。 - 152 - 環境報告書 企業等が環境に配慮して行った内容を環境業績としてまとめ公表する報告書のこと。 ISO14001 を取得した企業を中心に環境報告書を作成するようになってきた。その目的は、環境コミ ュニケーションを積極的に図ろうとするものである。 自主的環境保全を講じたことを他者に認めてもらうためには、環境報告書として公表することが不 可欠となる。また、こうした自主的取組が客観性を持つことを証明することを目的に、公表前に監査 法人や NGO にチェックを受ける企業も出てきている。環境省は「環境報告書ガイドライン(2000 年版) 」 を平成 13 年 2 月に公表している。 なお近年は、企業の社会的責任(CSR)への取り組みと連動して、環境分野の対応に限らず労働、安 全・衛生、人権、社会貢献などの社会的側面に至る幅広い取り組みについて情報開示する「持続可能 性報告書(サスティナビリティレポート)」の発行に取り組む企業が増えてきている。 環境保全型農業 一般的には可能な限り環境に負荷を与えない(または少ない)農業、農法のこと。農業の持つ物質 循環機能を生かし、土づくり等を通じて化学肥料や農薬の投入を低減し、環境負荷を軽減するよう配 慮した持続的な農業生産方式の総称。 有機農業や自然農法、代替農業、低投入持続型農業などが含まれるが、化学資材の使用はまったく 認めない無農薬・無化学肥料栽培という最も厳格な立場から、多少の使用は認めるという減農薬・減 化学肥料という立場まで幅がある。 環境ホルモン 正確には「外因性内分泌撹乱物質」と言い、動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体 内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質のこと。 環境省が設置した「外因性内分泌撹乱化学物質問題に関する研究班」の報告では、内分泌撹乱作用 を有すると疑われている物質は、「ダイオキシン」「ビスフェノールA」「ノニルフェノール」など 65 物質あり、今後の調査・研究の過程でさらに増えていくことが予想される。 環境マネジメントシステム(環境管理システム) 環境マネジメントとは、大きくとらえれば企業が事業活動を行う際に環境への影響を自主的に管理 することを指す。1992(平成4)年にブラジル、リオ・デ・ジャネイロで開催された「地球サミット」 を契機に、国際標準化機構本部に環境管理に関する専門委員会が設置され、1996(平成8)年9月に 環境マネジメントの国際規格「ISO14001」等が定められた。 環境マネジメントシステムの内容としては、(1)環境マネジメントに関する方針の作成、(2)環境に 関する目的・計画の作成、(3)実施・運営(体制整備、従業員の訓練、文書管理等)、(4)点検・是正(記 録、環境マネジメントシステムの監査等)、(5)経営者による環境マネジメントシステムの見直しとい った組織内の一定の手続きを規定し、システム自体の改善を直接の目的とするものと考えられている。 企業の社会的責任(CSR) 企業は、経済だけでなく社会や環境などの要素にも責任を持つべきであるという考え。 企業の社会的責任投資(SRI) 企業の環境対策や地域活動等の「社会性」を重視、評価した投資。 - 153 - 規制基準 工場等から排出される汚水、ばい煙及び発生する騒音等についての限度を定めた基準であり、この 数値は、人体に影響を及ぼす限界あるいは農作物などに影響を及ぼす限界等を考慮して定められ、具 体的数値は各法令に定められている。 揮発性有機化合物 常温常圧で空気中に容易に揮発する物質の総称で、主に人工合成されたものを指す。英語表記の頭 文字をとって VOC と略される。比重は水よりも重く、粘性が低くて、難分解性であることが多いため、 地層粒子の間に浸透して土壌・地下水を汚染する。一方、大気中に放出され、光化学反応によってオ キシダントや SPM(浮遊粒子状物質)の発生に関与していると考えられている。炭化水素(系物質) を主とするが、C、H 以外の元素が入っているものも含むため、炭化水素類(HC)より概念的には広い。 グリーン購入 環境への負荷がより少ない商品やサービスを優先的に購入すること。 グリーン・ツーリズム 緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動の総 称。都市住民の自然・ふるさと志向とこれに対応して豊かなむらづくりを進めようとする農山漁村の 動き、特に、都市と農山漁村の交流を求める動きを背景として、農林水産省が主導。 健康項目 公共用水域の水質汚濁に係る環境基準で、人の健康を保護するうえで維持することが望ましい基準 として設定された項目をいう。これには、シアンをはじめ蓄積性のある重金属類のカドミウム、鉛、 クロム(6価)、ヒ素、水銀、アルキル水銀と化学技術の進歩で人工的に作り出されたPCBのほかト リクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの有機塩素系化合物など 26 項目あり、基準値は項目ご とに定められている。 公害 公害とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、 土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるこ とをいう。 (環境基本法第2条第3項) 光化学オキシダント 大気中の窒素酸化物、炭化水素等が太陽の紫外線を受けて光化学反応を起こし生成される二次汚染 物質で、成分は、オゾン、パーオキシアセチルナイトレート等の酸化性物質やアルデヒド等である。 日ざしの強い夏季に高濃度になりやすく、目をチカチカさせたり、胸苦しくさせたりすることがある。 光化学オキシダント注意報 光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.12ppm 以上で、気象条件からみて、汚染の状態が継続する と認められる時発令される。 こどもエコクラブ 地域において環境に関する調査、保全等の活動を行う小・中学生のグループの総称。 - 154 - コミュニティ・プラント 計画処理人口が 101 人以上3万人未満の水洗便所のし尿と生活排水を併せて処理する施設をいう。 さ 行 最終処分場 一般廃棄物及び産業廃棄物を埋立処分するのに必要な場所及び施設・設備の総体をいう。 産業廃棄物最終処分場には、安定型(廃プラスチック等)、管理型(汚泥等)、しゃ断型(有害物質 を含む廃棄物)がある。 産業廃棄物 事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃アルカリなど廃棄物処理法で定め られた 20 種類の廃棄物をいう。これらは、事業者が自ら処理するか、知事の許可を受けた処理業者又 は地方公共団体等に処理を委託しなければならない。 酸性雨 工場等からのばい煙や自動車排出ガスなどに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物が取り込まれること により酸性化した雨。通常pH(水質イオン濃度)5.6 以下の雨をいう。森林被害等をもたらし、地 球規模の環境汚染の一つとして問題となっている。 資源有効利用促進法 資源の有効利用を促進するため、リサイクルの強化や廃棄物の発生抑制、再使用を定めた法律。 同法は、リサイクルしやすい設計を行うべき製品、使用済み製品を回収・リサイクルすべき製品、 生産工程から出る廃棄物を減らしたりリサイクルすべき業種、リサイクル材料を使用したり部品など を再使用すべき業種など 7 項目について、業種や製品を具体的に指定している。 「循環型社会形成推進 基本法」で示された「3R(リデュース・リユース・リサイクル) 」という廃棄物処理の優先順位の考え 方を採用している。 自然海浜保全地区 瀬戸内海に残された自然海浜の保全とその下での海水浴等のレクリエーション利用を図るため、関 係各府県が「瀬戸内海環境保全特別措置法」に基づく自然海浜保全地区条例により指定した海浜の保 全地区。 自然環境保全地域 自然環境がすぐれた状態を維持している海岸、湖沼、植物の自生地、森林等で、一定の広がりをも つ地域について、それらの自然環境を保全することを目的に国及び県が指定している。 自然公園 すぐれた自然の風景地に、その保護と利用を図るため区域を画して設けられる公園をいう。国が指 定する国立公園、国定公園のほか、県が指定する県立自然公園の3種類がある。 - 155 - 自動車排ガス測定局 道路沿線にあって、主として自動車排気ガスによる沿線の大気汚染の状況を把握するために設けら れた測定局。 循環型社会 20 世紀の後半に、地球環境保全、廃棄物リサイクルの気運の高まりの中で、大量生産・大量消費・ 大量廃棄型の社会経済のあり方に代わる資源・エネルギーの循環的な利用がなされる社会をイメージ した言葉として使われるようになった。2000 年に日本は循環型社会をめざす「循環型社会形成推進基 本法」を制定した。同法は、循環型社会を「天然資源の消費量を減らして、環境負荷をできるだけ少 なくした社会」と定義した。同法は、循環型社会を構築する方法として、(1)ごみを出さない、(2) 出たごみはできるだけ利用する、(3)どうしても利用できないごみはきちんと処分する―の 3 つを提 示している。 浄化槽 便所と連結して、し尿を、又はし尿と併せて生活雑排水(厨房排水、洗たく排水等)を微生物の作 用により処理し、それを消毒し、放流する施設をいう。し尿のみを処理する施設を単独処理浄化槽、 し尿及び生活雑排水を併せて処理する施設を合併処理浄化槽という。 上水道 給水人口が 5,001 人以上の水道をいう。 処理人口 下水道に流すことのできる区域に住んでいる人の数。 振動規制法 この法律では、都道府県知事が、工場及び事業場における事業活動や建設工事に伴い発生する振動 を規制する地域を指定し、指定された地域内にあって著しい振動を発生する施設(「特定施設」という) を有する工場・事業場について規制基準を遵守させるための所要の措置を講ずることになる。 一方、指定地域内で著しい振動を発生する作業(「特定建設作業」という)を伴う建設工事について は、あらかじめ市町村長に届出を提出すること等の措置が定められている。また、市町村長は、道路 沿道において道路交通振動が一定の限度(「要請限度」という)を超えて周辺の生活環境が著しく損な われていると認める時には、都道府県公安委員会に対して交通規制を行うよう要請することができ、 道路管理者に対して道路の改善等について要請できることになっている。 振動レベル 人間の振動感覚に合わせた振動感覚補正回路の振動計を使って測定した値をいう。単位は、デジベ ル(dB)を用いる。 水源かん養林 水源地の周辺に位置し、保水や洪水緩和、さらには自然の自浄作用による水質浄化など「緑のダム」 とも呼ばれる重要な役割を果たしており、良質な水源を将来に渡って確保していくために必要な森林。 - 156 - 水質汚濁防止法 水質汚濁防止を図るため、工場及び事業場からの公共用水域への排出および地下水への浸透を規制。 さらに生活排水対策の実施を推進。国民の健康を保護し、生活環境を保全することを目的としている。 また、工場及び事業場から排出される汚水及び廃液により人の健康に係る被害が生じた場合の事業 者の損害賠償の責任を定め、被害者の保護を図ることとしている。なお、同法で規制される「排出水」 は、特定事業場から公共用水域に排出される水。 水洗化人口 実際に下水道に流している人の数。 水洗化率 処理人口に対する水洗化人口の割合 水素イオン濃度(pH) 水質の酸性あるいはアルカリ性の程度を示す指標であり、水素イオン濃度の逆数の通常対数をpH 単位として表すものをいう。 生活環境項目 水質汚濁に係る環境基準で、生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準として設定され た項目をいう。これには、pH、DO、BOD、COD、SS、大腸菌群数、n−ヘキサン抽出物質、 全窒素、全燐、全亜鉛の 10 項目あり、基準値は、河川、湖沼、海域別に、水道、水産、工業用水、農 業用水、水浴などの利用目的に適用した類型によって項目ごとに定められている。 生活排水 台所、洗濯、風呂等からの排水と浄化槽からの排水を合わせて生活排水という。このうち浄化槽排 水を除いた排水を生活雑排水という。 生活雑排水は、下水道や合併処理浄化槽に接続している家庭では、し尿とともに処理されるが、そ の他の家庭では未処理のまま流されており、河川等の公共用水域の大きな汚濁原因となっている。 生物化学的酸素要求量(BOD) 水中の有機物が微生物の働きによって分解される時に消費される酸素の量のことで、河川の有機汚 濁を測る代表的な指標。 環境基準では、河川の利用目的に応じて類型別に定められている。また水質汚濁防止法(1970)に 基づく排水基準が定められている。BOD が高いと DO が欠乏しやすくなり、10mg/ℓ 以上で悪臭の発生 等がみられる。 ゼロエミッション 製造工程から出る中間廃棄物の再利用などにより、最終廃棄物をゼロにする完全循環型生産の仕組 みづくり。 - 157 - 全連続式焼却施設 24 時間連続して焼却処理ができるごみ焼却施設。連続式(連続燃焼式)焼却施設では、ごみの送入、 燃焼、搬出などを連続的に処理でき、操作はほとんど自動化されている。大量のごみを処理できて、 ほぼ完全燃焼できる利点がある。連続式焼却施設のうち、1 日 24 時間連続稼動するものは「全連続式 焼却施設」 、1 日 16 時間稼動など間欠稼動をするものは「准連続式焼却施設」と呼ばれる。 た 行 ダイオキシン ポリ塩化ジベンゾジオキシンの通称であり、ダイオキシン類対策特別措置法では、これにポリ塩化 ジベンゾフラン及びコプラナーPCBを加えてダイオキシン類としている。 ダイオキシン類は、廃棄物焼却等の過程で生成される有機塩素系化合物であり、その毒性は、発が ん性、生殖毒性、催奇形性など多岐にわたる。また、ダイオキシン類は、分解されにくいため、環境 中に広く存在するといわれているが、量は非常にわずかである。 大気汚染防止法 この法律は、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的として、(1)工場及び 事業場における事業活動や建築物の解体に伴う「ばい煙」や「粉じん」の規制、(2)有害大気汚染物 質対策の推進、(3)自動車排出ガスに係る許容限度を定めることなどが盛り込まれている。また、無過 失であっても健康被害が生じた場合における事業者の損害賠償責任(無過失責任)を定めることによ り被害者の保護を図ることも規定している。 大腸菌群数 大腸菌とは、乳糖を分解し、酸とガスを形成する好気性又は嫌気性の菌をいう。大腸菌が水中に存 在するということは、人畜のし尿などで汚染されている可能性を示すものである。 地球温暖化 人間の活動の拡大により二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの濃度が増加し、地表面の 温度が上昇すること。 通常、太陽からの日射は大気を素通りして地表面で吸収され、そして、加熱された地表面から赤外 線の形で放射された熱が温室効果ガスに吸収されることによって、地球の平均気温は約 15℃に保たれ ている。仮にこの温室効果ガスがないと地球の気温は-18℃になってしまうといわれている。 ところが、近年産業の発展による人間活動により、温室効果ガスの濃度が増加し、大気中に吸収さ れる熱が増えたことで、地球規模での気温上昇(温暖化)が進んでいる。海面上昇、干ばつなどの問 題を引き起こし、人間や生態系に大きな影響を与えることが懸念されている。 温室効果ガスの濃度上昇の最大の原因は、石炭、石油等の化石燃料の燃焼であり、さらに大気中の 炭素を吸収貯蔵する森林の減少がそれを助長している。 地産地消 地域で生産された食べ物(農産物)を、地域内または出来る限り近い地域で消費すること。 - 158 - 窒素酸化物 窒素と酸素の化合物の総称。一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)などをいう。主として重油、 ガソリン、石炭などの燃焼によって発生し、発生源は自動車、ボイラー、家庭暖房など広範囲にわた っている。 鳥獣保護区 野生鳥獣の保護増殖を図るための区域で、捕獲行為が禁止されている。 底質 河川・湖沼・海域などの水底を形成する表層土等をいう。底泥、岩石底が代表的な底質である。底 質は、生物の分布を左右する最も重要な環境要因の一つである。 TEQ Toxic Equivalents の略。ダイオキシン類は多くの異性体を持ち、それぞれ毒性の強さが異なる。 異性体の中でも最も毒性の強い 2,3,7,8-TCDD の毒性を1として、各異性体の毒性を毒性等価係数 (TEF)により換算した量。各異性体ごとに濃度と TEF の積を求め、これを総和したものをダイオキシ ン類濃度の TEQ 換算値という。 テレメーターシステム 環境濃度など自動測定器で測定したデータを、無線や専用電話回線を利用して監視室に送信し、得 られたデータを集中管理するシステム。 典型 7 公害 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭の 7 項目。環境基本法(平成 5 年法 律第 91 号)第 2 条第 3 項に規定されている。 透水性舗装 かんげき 道路や歩道を間隙(すきま)の多い素材で舗装して、舗装面上に降った雨水を地中に浸透させる舗 装方法をいう。地下水のかん養や集中豪雨等による都市型洪水を防止する効果があるため、主に、都 市部の歩道に利用されることが多い。また、通常のアスファルト舗装に比べて太陽熱の蓄積をより緩 和できるため、ヒートアイランド現象の抑制の効果もある。舗装の素材として、高炉スラグ、使用済 みガラス等のリサイクル材料を利用する工法も開発されている。 なお、間隙の多い素材は、自動車の走行時の騒音の低減効果を有することから、 「透水性舗装」は「低 騒音舗装」と称されることもある。 - 159 - 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 外来生物(移入種)による生態系等への影響を防止するための法律。一般に、外来生物法と略称さ れる。2004 年 6 月制定、2005 年 6 月より施行。海外からの移入生物による、日本の生態系、人の生命 や健康、農林水産業への被害を防止するために、飼育、栽培、保管又は譲渡、輸入などを禁止すると ともに、国等による防除措置などを定めている。生態系等への被害が認められる生物は、特定外来生 物として指定され、飼育、栽培、譲渡、運搬、輸入、さらに野外への放出などが規制される。これに 違反すると 3 年以下の懲役、または 300 万円以下の罰金(法人の場合には 1 億円以下の罰金)が課せ られる。 特定施設 騒音(振動)規制法では「工場又は事業所に設置される施設のうち、著しい騒音(振動)を発生す る施設」を、水質汚濁防止法では「人の健康及び生活環境に被害を生ずるおそれのある物質を含む汚 水や廃液を排出する施設」を特定施設と定めている。大気汚染防止法では特定施設に相当するものと して、ばい煙発生施設と粉じん発生施設を定めている。 特定植物群落調査 「自然環境保全基礎調査」 (環境省)の一環として、 (1)原生林またはそれに近い自然林、 (2)稀な 植物群落又は個体群など、8 項目の基準によって学術上重要な群落、保護を要する群落等をリストア ップする調査。第 2 回基礎調査(1978)で全国 3,834 の群落が選定・調査された。第 3 回基礎調査(1984 ∼1986)及び第 5 回基礎調査(1997∼1998)では、既選定群落の追跡調査を行ったほか、選定要件に 合致する群落をリストに追加するための調査も行われた。第 5 回基礎調査までに合計 5,295 群落が選 定され、群落構造などが調査されている。 土壌汚染 人の事業活動その他の活動に伴い、土壌中に有害物質が残留、蓄積し、その結果、直接人の健康を 損ない又は人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、若しくは農作物等の生育が阻害され ることを土壌の汚染という。 土壌汚染の原因となる物質は、カドミウム等の重金属やテトラクロロエチレン等の有機塩素系化合 物、ダイオキシン類などであり、28 項目について環境基準が定められている。 土壌汚染対策法 土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定める こと等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする。 同法第 3 条又は第 4 条に基づく土壌汚染状況調査の結果、基準に適合しない区域の土地は都道府県 知事等により指定区域に指定・公示されるとともに、指定区域台帳に記帳して公衆に閲覧される。ま た、当該指定区域の土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると認められる場合には、汚染原因 者、汚染原因者が不明等の場合は土地所有者等に対し、汚染の除去等の措置が命令される。さらに、 当該指定区域においては土地の形質の変更が制限される。 - 160 - な 行 75%値 1年間で得られたすべての日平均値を、測定値の低い方から高い方に順に並べたとき、低い方から 数えて75%目に該当する日平均値。河川における有機物による水質汚濁の指標である生物化学的酸 素要求量(BOD) 、又は湖沼・海域における有機物による水質汚濁の指標である化学的酸素要求量(C OD)の年間測定結果が、環境基準に適合しているどうかを評価する際に用いられる。BOD又はC ODの測定結果が環境基準に適合しているかどうかについては、1年間で得られたすべての日平均値 のうちで、その測定地点に適用される環境基準値を満たしている測定値の割合が75%以上ある場合 に、環境基準に適合していると評価する。 二酸化硫黄(SO2) 不純物として石炭中に最大 2.5%程度、原油中に最大 3%程度含まれる硫黄の酸化によって、石炭や 石油などの燃焼時に発生する。また鉄鉱石、銅鉱石にも硫黄が含まれるため、製鉄、銅精錬工程から も排出する。主要大気汚染物質の一つとして、また窒素酸化物とともに酸性雨の原因物質として知ら れる。 二酸化硫黄による汚染大気は呼吸器を刺激し、せき、ぜんそく、気管支炎などの障害を引き起こす。 代表的な例として、1961 年頃より発生した四日市ぜんそくがあげられる。 二酸化炭素(CO2) 炭素化合物の燃焼により生成する無色無臭の気体で、一酸化炭素よりは毒性が小さい。赤外線を吸 収する温室効果ガスの一つであり、排出量の削減、固定化技術の開発等が検討されている。 二酸化窒素(NO2) 一酸化窒素(NO)と酸素の作用、又は硝酸鉛、硝酸銅の固体を熱すると発生する赤褐色の刺激性 の気体。水に比較的溶解しにくいので肺深部に達し、肺水腫等の原因となる。 日平均値の年間98%値 1年間のうちで大気質の濃度が高かった日の濃度レベルがどの程度であったかを表す統計指標の一 つで、1年間に測定された欠測日を除く全ての日平均値を、1年間での最低値を第1番目として、値 の低い方から高い方に順に並べた時、低い方(最低値)から数えて 98%目に該当する日平均値のこと をいう。対象となる物質は、環境基準の 98%値評価を行う二酸化窒素(NO2)などである。 日平均値の2%除外値 1年間のうちで大気質の濃度が高かった日の濃度レベルがどの程度であったかを表す統計指標の一 つ。1年間に測定された欠測日を除く全ての日平均値を、1年間での最高値を第1番目として、値の 高い方から低い方に順に並べた時、高い方(最高値)から数えて2%の範囲にある日平均値を除外し た中で最も高い日平均値のことである。例えば、365 個の日平均値がある場合は、2%除外値は、高 い方から数えて第8番目の日平均値。 対象となる物質は、環境基準の長期的評価を行う二酸化硫黄(SO2)や浮遊粒子状物質(SPM) などである。 - 161 - 農業集落排水事業 農業集落からのし尿、生活雑排水または雨水を処理する施設を整備する事業。 農地や農業用排水路に汚れた水が流れ込むのを防ぎ、生活環境を向上させるとともに、窒素、りん 等を除去し、公共用水域の水質保全および農業用用排水施設の機能維持または農村の生活環境の改善 を図り、生産性の高い農業の実現と活力ある農村社会の形成に資することを事業目的としている。 は 行 ばい煙 大気汚染防止法では、燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物、燃料その他の物の燃焼又 は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん、物の燃焼、合成、分解その他の処理に伴い発生 する物質のうちカドミウム及びその化合物、塩素及び塩化水素、ふっ素・ふっ化水素及びふっ化珪素、 鉛及びその化合物、窒素酸化物をいう。 バイオマスエネルギー 木材など生物有機体を原料として発生させたエネルギー。 バリアフリー化 障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、もと もと住宅建築用語で登場し、段差等の物理的障壁の除去をいうことが多いが、より広く障害者の社会 参加を困難にしている社会的、制度的、心理的な全ての障壁の除去という意味でも用いられる。 干 潟 沿岸の潮間帯に発達した平坦な砂泥域であり、潮汐の干満により干出と水没のサイクルを繰り返す 地帯。干潟が形成されるのは一般に波浪の影響が少ない場所であり、さらに周辺に河川の流入がある 場合が多い。河口付近の干潟では汽水域が形成され栄養塩類や有機物の供給が豊富となっている。こ のような干潟の地形と立地条件の特性に基づいて、干潟には多様な生物相が形成され、高い生産性、 効率のよい物質循環を維持し干潟特有の機能を生み出している。干潟の機能としては、生物生息機能、 水質浄化機能、生物生産機能及び親水機能等がある。 浮遊物質量(SS) 水中に浮遊する物質の量をいい、数値が大きいほど水質汚濁が著しい。水の濁りの原因となり、S Sが大きくなると魚類に対する影響が現れる。 浮遊粒子状物質 浮遊粉じんのうち粒径が 10μm(10 マイクロメートル=10 万分の 1m)以下の粒子をいう。10μm 以下の粒子は気道、肺胞への沈着率が高くなる。 - 162 - フロン回収・破壊法 正式名称は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」。 モントリオール議定書による国際的な約束に基づき、オゾン層破壊物質の生産量及び消費量の削減 や全廃が進められているが、フロン使用機器の廃棄に伴って使用されていたフロン等が大気中に放出 されないようにすることが必要であり、それを確実に進めていくことを目的とした法律である。 フロンガス 炭化水素の水素原子のいくつかが、塩素原子やふっ素原子で置き変わったものの総称である。熱に 強く冷媒、溶剤としてすぐれた性能をもっており、クーラーや冷蔵庫等のほか、半導体産業での洗浄 剤としても広く利用されている。しかし、成層圏のオゾン層を破壊し、その結果地表の紫外線を増加 させ、人間や生態系に影響を及ぼすおそれがあるとして一部を除いて生産が中止された。 文化財 文化活動の結果として生み出されたもので文化的価値を持つもの。文化財保護法では有形文化財、 無形文化財、民俗文化財、記念物及び伝統的建造物群の5分野が文化財として定義されている。 有形文化財:建造物・絵画・彫刻・古文書・考古資料などの歴史上、芸術上、学術上価値の高い 有形の文化財。 無形文化財:歌舞伎・能楽・文楽等の芸能、陶芸・染色等の工芸技術などの歴史上、芸術上価値 の高い無形の文化財。 民俗文化財:風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋など国民生活の推移 の理解に不可欠なもの。 記 念 物:貝塚・古墳・城跡等の遺跡、庭園・峡谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質・ 鉱物等のうち、歴史上、学術上、芸術上又は鑑賞上価値の高いものの総称。 伝統的建造物群:宿場町・城下町・農漁村等周囲の環境と一体となって歴史的趣きを形成してい る集落や町並みで価値の高いもの。 保安林 森林法(1951)に基づく森林保護制度(法第 25 条∼40 条)。水源かん養、土砂崩壊などの災害の防 備、生活環境の保全などの特定の公共目的のために必要な森林を、農林水産大臣または都道府県知事 が保安林として指定。保安林においては、その保全と適切な施業の実施による保安機能の確保のため、 森林所有者に作為、不作為の義務が課せられている。 ほ場整備 農地の区画整理を中心に、農業用水路、農道など農業生産基盤の面的な改良を一体的に行う事業。 機械化営農への対応などのため、農地排水を良くする必要性から、排水路敷高が事業前より低くなり、 直線化、コンクリート化された。この結果、農業用水路に生息する魚類などの生息環境や、水路から 水田に侵入してきていた魚類のネットワークの劣化を招いた面も否定できない。土地改良法が改正さ れ(2001)、「環境との調和への配慮」が事業の実施原則となったことから、生態系保全型のほ場整備 の取組が各地で始められている。 - 163 - PRTR制度 Pollutant Release and Transfer Register の略。人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物 質について、その環境中への排出量及び廃棄物に含まれて事業所の外に移動する量を事業者が自ら把 握し、県を通じて国に報告を行い、国は事業者からの報告や統計資料等を用いた推計に基づき、対象 化学物質の環境中への排出量や、廃棄物に含まれて移動する量を把握し、集計し公表する制度。 ま 行 藻場 沿岸域の海底でさまざまな海草・海藻が群落を形成している場所を指す。主として種子植物である アマモなどの海草により形成されるアマモ場と、主として藻類に分類されるホンダワラ、コンブ、ワ カメといった海藻により形成されるガラモ場とがある。海草・海藻類は、プランクトンをはじめとし た多くの海棲生物に酸素を供給し、海水中の栄養分を吸収して水を浄化したり、地下茎で海底を安定 させる機能もある。また、藻場は魚類などの餌になり、魚類・甲殻類の産卵・生育場所、隠れ場にも なるなど、沿岸域の多様な生物に生息の場を提供している。 近年は水質汚濁や埋立てなどにより藻場の消失が進んでおり、保全の重要性が増している。 や 行 有害化学物質 有害化学物質は、環境を経由して人又は動植物に有害な作用を及ぼす化学物質を指す一般的な総称 である。具体的には、人の健康又は動植物の生息・生育に被害を生ずるおそれのある物質として大気 汚染防止法、水質汚濁防止法、化学物質審査規制法、ダイオキシン類対策特別措置法などで指定され たものは有害化学物質といえる。 有機塩素系化合物 テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の塩素系の化合物をいう。一部には発がん性もある。 洗浄剤、溶剤等としてすぐれた特性を持つ反面、環境に排出されても安定で、地下水汚染の原因物質 であり、人の健康の保護に関する環境基準項目である。 溶存酸素(DO) 水の自浄作用(有機物を酸化し、安定な形とすること等)や水生生物の生存に必要とされる酸素が 水中に溶けている量である。数値が小さいほど水質汚濁が著しい。 - 164 - ら 行 ライフサイクルアセスメント 商品の環境に与える影響について、資源の採取から、加工・販売・消費を経て廃棄に至るまでの各 過程を評価する方法。 類型指定(類型あてはめ) 水質汚濁及び騒音の環境基準については、国において類型別に基準値が示され、これに基づき都道 府県において水質汚濁に関しては水域の利用目的、現状水質等、騒音に関しては都市計画区域等を勘 案し、具体的な水域や地域を当てはめ、指定することをいう。 レッドデータブック 絶滅のおそれのある野生生物の情報をとりまとめた本で、国際自然保護連合(IUCN)が、1966 年に 初めて発行したもの。IUCN から発行された初期のレッドデータブックはルーズリーフ形式のもので、 もっとも危機的なランク(Endangered)に選ばれた生物の解説は、赤い用紙に印刷されていた。日本 でも、1991 年に『日本の絶滅のおそれのある野生生物』というタイトルで環境庁(現・環境省)がレ ッドデータブックを作成し、2000 年からはその改訂版が、植物や動物の大きなグループごとに順次発 行されている。また、ほとんどの都道府県において、都道府県版のレッドデータブックが作成されて いるかあるいは作成準備中である。英語の頭文字をとって RDB と略称される。また、作成者を表すた め環境省版 RDB、都道府県版 RDB などと言われることが多い。 レッドデータブックカテゴリー 絶滅のおそれのある種のリスト(レッドリスト)あるいはそれを掲載した「レッドデータブック」 を作成する際に、種ごとの危険性のランクづけに採用される基準。絶滅危惧種カテゴリーともいわれ る。環境省では 1997 年、植物版レッドデータブックの作成及び 1991 年に発行した動物版レッドデー タブックの改訂に当たりカテゴリーの検討を行い、 「レッドデータブックカテゴリー(環境省、1997)」 を策定。これは、1994 年に IUCN が公表した IUCN Red List Categories を踏まえたもので、数値基準 による客観的評価のための定量的要件を掲げるとともに、数値データが得られない種も多いことから 従来の定性的要件も併用することとしている。各カテゴリーの名称は、 ・絶滅(Extinct; EX) ・野生絶滅(Extinct in the Wild; EW) ・絶滅危惧 I 類(CR+EN) ・−絶滅危惧 IA 類(Critically Endangered; CR) ・−絶滅危惧 IB 類(Endangered; EN) ・絶滅危惧 II 類(Vulnerable; VU) ・準絶滅危惧(Near Threatened; NT) ・情報不足(Data Deficient; DD) ・附属資料:絶滅のおそれのある地域個体群(Local Population; LP) なお、絶滅危惧 I 類のうち、数値基準によりさらに評価が可能な種については絶滅危惧 IA 類(CR) 及び IB 類(EN)に区分することとしている。また、上記のうち CR、EN、VU を 絶滅のおそれのある 種 としている。 - 165 - 四国中央市環境基本計画 平成19年7月発行 発行・編集 愛媛県四国中央市 市民環境部環境衛生課 〒799−0497 愛媛県四国中央市三島宮川4丁目6番55号 TEL(0896)28−6145 FAX(0896)28−6057 URL https://www.city.shikokuchuo.ehime.jp/ 四国中央市 〒799−0497 愛媛県四国中央市三島宮川4丁目6番55号 TEL(0896)28―6145 FAX(0896)28−6057 URL https://www.city.shikokuchuo.ehime.jp/ 本冊子は、地球にやさしい再生紙および植物性大豆油インキを使用しています。