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「KAIUN」(海運)10月号に、「デイブレイクス ベル」
グラビア プリンス海運 28年ぶりの内航新造船 デ イ ブ レ イ ク ス ベ ル 「DAYBREAK'S BELL」で北航路に“夜明けの鐘” ヤマニシで同型の 2 番船を建造中。就航は 2017 年 1 月を予定。 ■ 阪神淡路大震災の恩義に報いる 同社にとって、 この新造船への思い入れは強く、 挨拶をする長手裕輔社長(写真上) 。レセプションには 多くの関係者が参加した(同下) 。 8 KAIUN 2016.10 日産自動車を主要荷主として内航海運事業に 期待もまた大きい。これまで北航路に従事してき 従事するプリンス海運(神戸市、長手裕輔社長) た「ちとせ」は航海速力が遅く、安定したダイヤ は 8 月 31 日、都内ホテルで RORO 式一般貨物船 運航、荒天時の対応には苦慮しており、船も老朽 「DAYBREAK'S BELL」(デイブレイクス ベル) 化が進んだ。この「DAYBREAK'S BELL」は実 の新造船レセプションを関係者を集めて開催し に、同社にとって 28 年ぶりの内航新造船となる。 た。新造船は 9 月 7 日から、同社の北航路(川崎 建造はヤマニシ(宮城県石巻市、長倉清明社長) ~追浜~仙台~苫小牧~八戸)に就航している。 で行った。ヤマニシに発注したのにも理由と “ 想 「DAYBREAK'S BELL」はそれまで北航路で運 い ” がある。神戸市に本社があるプリンス海運は 航してきた「ちとせ」の代替船に位置づけられる。 1995 年 1 月 17 日に発生した阪神・淡路大震災で 7971 総トン、全長 149m、全幅 23.8m、満載喫水 6.8m 被災。ヤマニシは 2011 年 3 月 11 日発生の東日本 長手裕輔社長は「2 隻の船を連続リリースする の大型船だ。 大震災で被害に遭った。設備は壊滅状態にあった のはわれわれにとって大きな挑戦」 としながらも、 6 層のデッキから構成され、内部支柱を取り払 という。そこで長手裕樹・現オーナーが社長時に 「個人的に“変化”という言葉が好きだ。時流に合っ い、収容台数および荷役効率を大幅に増加、向上 「阪神・淡路での恩義に報いる時がきた」と判断、 た技術革新により、変化を続けながら混沌とした させた。満載時には乗用車で 600 台、ヘッドレス 同社への新造船の発注を決めた。 「DAYBREAK'S 物流業界の荒波を乗り切りたい。半世紀にわたっ シャーシで 50 本が積載可能となる。 BELL」(夜明けの鐘)という船名には、「東日本 て車両輸送に従事してきたが、今後はより総合的 また両舷の後部にランプウェイを設置。紙ベー 大震災からの復興や同社の飛躍、お客様の繁栄を な海運事業者になるよう変化を続けていきたい」 スでの海図も一掃し、電子海図にするなど最新の 祈念する想い」が込められている。 と締めくくった。 機器を搭載した。「あらゆる面で能力が向上して 北 航 路 に は「 ち と せ 」の ほ か、「 ぷ り ん す 当日は来賓として、日産自動車 Region Senior いる。より安全でより安定した定期運行を実現し は や て 」も 就 航 し て お り、 現 在、 ヤ マ ニ シ で Vice President の松本昌一氏が祝辞とプリンス海 てお客様に喜んでいただきたい」と同社の長手裕 「DAYBREAK'S BELL」と同型の 2 番船を建造し 運への期待を述べたほか、日本内航海運組合総連 輔社長は力強く語った。 ている。就航は 2017 年 1 月を予定している。 ■ 変化と挑戦を続ける 合会の小比加恒久会長が乾杯の音頭をとった。■ 2016.10 KAIUN 9