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序章:ベトナムの 3 地域(北部、中部、南部)の位置付け

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序章:ベトナムの 3 地域(北部、中部、南部)の位置付け
各 論
序章:ベトナムの 3 地域(北部、中部、南部)の位置付け
図表 序-1 ベトナム全図
I.3 地域の概要
南北に長い国土をもつベトナムは、その歴史、地理、
気候風土に起因する発展形態の違いなどにより、
北部、
南部と 2 つの地域に分けて語られることが多い。
北部
歴史的背景からいえば、19 世紀以降でみても、フラ
ンス領インドシナ下での解体(北部、中部、南部と異
なった植民地体制下におかれた)、ジュネーブ協定調印
による南北分割(北緯 17 度線が軍事境界線に設定さ
れた)など、幾度か物理的に分断されてきた。1976
年のベトナム社会主義共和国成立(南北統一)以前に
は、
「北は社会主義体制」、
「南は資本主義体制」と政治
経済体制も異なっており、南の方が市場経済体制導入
基盤が整備されていたため、外資の流入状況について
も、つい最近まで南が圧倒的にリードしてきた。また、
中部
北部の紅河デルタと南部のメコンデルタは、ベトナム
における農業生産高の約 5 割を占める穀倉地帯である
が、それぞれのデルタで培われた農民の特徴が、それ
ぞれの地域の人々の性質に影響を与えているともいわ
れており、
「我慢強く堅実な北部人」
「おおらかでその
南部
日暮しの南部人」といわれる。
こうした歴史的な要因以外にも、地理的には中国に
隣接する北部と、ASEAN(カンボジア)に隣接する
南部、四季のある北部に常夏の南部、と対比して語ら
れることが多い。なお、北部は行政都市ハノイを中心
に発展し、南部は、経済都市ホーチミンを中心に発展しており、両都市の関係を中国の北
京と上海に例えることも出来る。
中部は、ベトナム第 3 の商業都市ダナンを中心に発展している地域であるが、北部と南
部のそれぞれ目覚ましい発展に比べやや開発が遅れている。地理的には、細長い地形に山
脈が走っており、気候にも恵まれないことから、農業生産量の伸び率も低く、工業化の基
盤も脆弱である。しかし、近年、重工業の投資が増加しており、今後の発展が注目されて
いる。
以下、各論では、各地域ごとの投資環境につき紹介するが、その前に、各地域を比較一
覧し、その位置付けについて概観する。
132
ベトナム 3 地域の位置付け
図表 序-2 主要 3 都市の比較表(概要)
ハノイ
ダナン
ホーチミン
基礎事項
人口(千人)
(2009 年)
6,472.2
890.5
7,165.4
面積(km2)
3,344.6
1,283.4
2,095.5
グェン・テ・タオ
Nguyen The Thao
首都。政治の中心地。保
守的といわれる。
グエン・フー・チョン書
記長はハノイの出身。
チャン・バン・ミィン
Tran Van Minh
ベトナムの世界遺産 5 ヶ
所(2011 年 1 月現在)の
内 4 ヶ所が中部に。
性格は南部に似ている。
レ・ホアン・クアン
Le Hoang Quan
商業の中心地。おおらか
で細 かいことを 気にし
ない性格といわれる。
一人あたり GDP
3,180 万 VND
1,706 ドル
2,800 ドル
(名目、2009 年)
(約 1,900 ドル)
(ダナン駐日代表部)
(報道より)
GDP 成長率(2009 年)
6.67%
10.71%
7.96%
輸出
6,328 百万ドル
18,306 百万ドル
輸入
18,951 百万ドル
905 百万ドル
*2008 年
560 百万ドル
*2008 年
223 億ドル
34 億ドル
309 億ドル
1,803
200
3,683
工業団地数
5
5
15
主要港と入船可能な船
の大きさ
ハイフォン港:
4 万トン級
ダナン港:
4 万 5 千トン級
サイゴン港:
5 万トン級
カイラン港:
5 万トン級
クイニョン港:
3 万トン級
40 便
--
政治・行政
人民委員会委員長
特徴
経済指標
15,915 百万ドル
海外直接投資(1998 年∼2009 年累計)
投資流入額
(総登録資本)
投資件数
投資環境
日本直行便数(航空便)
27 便
生活環境
在留邦人(2009 年 10 月) 3,054
日本人学校生徒数
(2010 年 4 月、小・中
学部)
特徴
114
5,385
226 人
--
225 人
市西部に新都心開発中
冬季には稀に気温が 1 桁
台に下がることも。
渋滞あり
風光明媚、道路事情良
日本人学校なし
日本料理 5 店
日本料理店多数、日本の
コンビニエンスストア、
100 円ショップもあり。
渋滞が頻発
(出所)Vietnam Investment Review、GSO Statistical Yearbook 2009、在ハノイ日本大使館ホームペー
ジ、ハノイ市 Annual Report 2009、ホーチミン市 Annual Report 2009、ダナン駐日代表部資料
等より作成
133
ベトナム 3 地域の位置付け
II.3 地域比較(詳細)
1.現地コスト
図表 序-3 主要 3 地域の比較表(現地コスト)
ハノイ
ダナン
ホーチミン
賃金(クラス別月平均目安)
ワーカークラス
エンジニアクラス
(中堅技術者)
中間管理職
(課長クラス)
法定最低賃金
(2011 年 1 月 1 日∼)
賞与支給額
(固定賞与+変動賞与)
104.0 ドル
287.1 ドル
85.6 ドル
179.6 ドル
99.7 ドル
293.3 ドル
822.3 ドル
220.8 ドル
669.3 ドル
155 万 VND
(約 78 ドル)
1.5 ヵ月分
117 万 VND
(約 59 ドル)
1.5 か月分
155 万 VND
(約 78 ドル)
1.4 ヶ月分
社会保険負担率(%)
【雇用者負担】
21%(社会保険 16%、健康保険 3%、失業保険 1%、労組費 1%)
【被雇用者負担】
8.5%
(社会保険 6%、健康保険 1.5%、失業保険 1%)
都市部では最低賃金での雇用は既に不可能(手当を乗せて、最低賃金の
1.5∼2 倍程度)
労働者流出対策に旧正月(テト)ボーナスや福利厚生などに工夫が必要
備考
地価・事務所賃料等(目安)
工業団地借料
(月・㎡あたり)
0.146∼0.190 ドル
0.082 ドル
0.18 ドル
事務所賃料
(月・㎡あたり)
27.5∼56.5 ドル
15 ドル
57 ドル
駐在員用住宅借上料
(月額)
2,100∼4,000 ドル
1,200∼836.07 ドル
2,550 ドル
(居住地域によって
異なる)
(居住地域によって
異なる)
電話架設料
11,148∼22,295 ドル
(工業団地によって
異なる)
(工業団地によって
ことなる)
(地域によって異なる)
電話基本料金
国際通話料金
(日本向け 3 分)
携帯電話加入料
携帯電話基本通話料
インターネット接続料金
(ブロードバンド)
月額基本料:1,226 ドル
1 分当たり通話料:0.012 ドル
0.6622∼0.6858 ドル
(毎月 1,200 秒を境に課金率が異なる)
5.518 ドル
月額基本料:2,731 ドル
1 分当たり通話料:0.055∼0.060 ドル(通話相手の電話会社により異なる)
初期設置料:147.149 ドル
月額基本料:183.936 ドル
ADSL 通信速度:DL 3,072kbps、UL 640kbps)
134
ベトナム 3 地域の位置付け
ハノイ
ダナン
ホーチミン
月額基本料:なし
1m3 あたり料金:
製造業:0.373 ドル
経営・サービス業:0.669
ドル
月額基本料:なし
1m3 あ た り 料 金 :
0.223~0.557 ドル
1kg あたり:0.88 ドル
サイゴン港より
・ 横浜港まで:
750 ドル
・ ロサンゼルス港:
2,190 ドル
・ 横浜港→ダナン港:
850 ドル
公共料金
業務用電気料金
(kWh あたり)
月額基本料:なし
0.028∼0.104 ドル
(時間帯によって異なる)
一般用電気料金
(kWh あたり)
月額基本料:なし
0.037∼0.110 ドル
(使用料によって異なる)
業務用水道料金
(立方メートルあたり)
月額基本料:なし
1m3 あ た り 料 金 :
0.390 ドル
一般水道料金
(立方メートルあたり)
月額基本料:なし
1m3 あ た り 料 金 :
0.223~0.524 ドル
月額基本料:なし
1m3 あたり料金:1.32
ドル
月額基本料:なし
1m3 あたり料金:1.35
ドル
月額基本料:なし
1m3 あたり料金:
工業団地:0.0.259 ドル
サービス業・リゾート業:
0.355 ドル
月額基本料:なし
1m3 あ た り 料 金 :
0.157 ドル
月額基本料:なし
1kg あ た り 料 金 :
1.359 ドル
月額基本料:なし
1kg あ た り 料 金 :
1.421 ドル
ハイフォン港より
・ 横浜港まで:
970 ドル
・ ロサンゼルス港:
3,370 ドル
・ 横浜→ハイフォン:
1,515 ドル
ダナン港より
・ 横浜港まで:
1,570 ドル
・ ロサンゼルス港:
4,450 ドル
・ 横浜→ダナン:
1,815 ドル
業務用ガス料金
(立方メートルあたり)
一般ガス料金
(立方メートルあたり)
1kg あ た り : 1.266 ∼
1.282 ドル
輸送
コンテナ輸送
(40ft コンテナ)
国内旅客
国内線航空運賃(片道)
ビジネスクラス
エコノミークラス
鉄道(片道・エアコン付き)
ソフトシート/寝台
(4 人・下段)
【ハノイ∼ダナン】
【ダナン∼
【ハノイ∼ホーチミン】
ホーチミン】
175 万 VND
285 万 VND
175 万 VND
118 万 1,000VND
181 万 8,000VND
118 万 1,000VND
【ハノイ∼ホーチミン】75 万 8,000VND/114 万 5,000VND
【ハノイ∼ダナン】36 万 8,000VND/59 万 2,000VND
【ハノイ∼ハイフォン】3 万 8,000VND/ −
【ハノイ∼】15 万 6,000VND/30 万 VND
税率
法人所得税率
25%
個人所得税率
5∼35%
付加価値税率
0∼10%(品目によって異なる)
日本への利益送金課税
10%
日本への配当送金課税
0%
日本へのロイヤリティー送金
10%
課税
(出所)JETRO(投資コスト比較、2009 年 5 月)
、ベトナム国鉄、ベトナム航空、他より作成
135
ベトナム 3 地域の位置付け
2.気候
北部は亜熱帯気候で、四季が見られる。1 年を通じた気温変化が大きく、1 月から 4 月は
乾季で肌寒く、気温 10℃前後まで下がることもある。5 月から 10 月の雨季には気温は 30℃
を超え、スコールのような雨が多い。
南部は、熱帯モンスーン気候で、11 月から 4 月の乾期、5 月から 10 月の雨期とに分かれ
ている。年間を通じて気温が高く、3 月から 4 月が最も暑い。雨季にはスコールが見られる。
中部は、北部と南部の中間にあたる気候であるが、8 月、9 月には台風の上陸が多く、8
月から 12 月にかけては降雨量も多い。
図表 序-4 各地域代表都市の月平均気温及び月平均降雨量
平均気温
(℃)
35
平均降雨量
(mm)
1400
1200
30
北部(ハノイ)
中部(ダナン)
南部(ブンタウ)
1000
800
25
600
20
400
北部(ハノイ)
中部(ダナン)
南部(ブンタウ)
200
15
1
2
3
4
5
6
7
(月)
8
9
10
11
12
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
(月)
(注)南部については、ホーチミンの数字の公表がなかったため、公表されている都市の中で最もホーチ
ミンに近いブンタウの数字で比較した。
中部の降雨量が 9 月に極端に多くなっているのは台風の影響と考えられる。
(出所)GSO より作成
3.人口、面積
ベトナム全体の人口は約 8,700 万人で、北部と南部にそれぞれ 3,000 万人強、中部に 2,400
万人弱が分布している。面積は、中部が最も広く、全体(約 33 万 km2)の 45%を占める。
1km2 当たり人口密度の地域平均は、北部 264 人、中部 159 人、南部 488 人、全体では 260
人であるが、とくに人口が集中しているのは北部の紅河デルタ地域(同 932 人)
、南部の南
東地域(同 597 人)とメコンデルタ地域(同 425 人)である。
136
ベトナム 3 地域の位置付け
図表 序-5 各地域の全体に占める人口比率及び面積比率
面積比率
人口比率
南部
3,131万人
36%
南部
19%
北部
3,071万人
36%
北部
35%
中部
2,400万人
28%
中部
46%
(出所)GSO より作成
4.一人当たり所得及び支出(月平均、2009 年)
2008 年の一人あたり所得の全国平均は 99.5 万ドン(61 ドル)であった。地域別では、
ホーチミンが含まれる南東部が月 177 万ドン(109 ドル)で最も高く、次いでハノイ、ハ
イフォンが含まれる紅河デルタ地域が月 107 万ドン(65 ドル)、メコンデルタ地域は月 94
万ドン(58 ドル)である。支出にも同様の傾向が見られ、全国平均の 70.5 万ドン(43 ドル)
に対し、南東部は 124 万ドン(76 ドル)
、紅河デルタ地域 72.5 万ドン(44 ドル)
、メコン
デルタ地域は 62.4 万ドン(38 ドル)であった。
図表 序-6 地域別一人当たり月平均所得及び月平均支出
月平均所得
(千ドン)
2,000
月平均支出
(千ドン)
1,400
1,773
1,800
1,400
1,200
1,000
1,000
995
1,065
800
940
800
657
728
795
705
725
600
600
500
559
624
606
400
400
200
200
メ コンデ ル タ
南東部
中部高原
中北部
北部高原 ・
山 岳 部
紅 河 デ ルタ
0
全体
メ コンデ ル タ
南東部
中部高原
中北部
北部高原 ・
山 岳 部
紅 河 デ ルタ
全体
0
1240
1,200
1,600
(出所)GSO より作成
137
ベトナム 3 地域の位置付け
5.農業生産高
2009 年の農業生産高は 162 兆ドン(前年比 2.2%増)であった。地域別では南部が全体
の 44%を占めて圧倒的に大きく、中でもメコンデルタは南部の農業生産高の 4 分の 3 を担
っている。また、北部・紅河デルタの農業生産高は 17.6%である。北部・南部両デルタの
合計面積は国土の 18.6%であるが、その農業生産は全体の 50.3%を占める。ベトナムの主
要農産品である米についていえば、2009 年の生産量は約 3,900 万トン(前年比横這い)で、
メコンデルタと紅河デルタで国全体の 70%を生産している。
図表 序-7 地域別農業生産高及び全国の米生産高に占める 2 大デルタの比率
(10億ドン)
地域別農業生産高(実質、2009 年)
70,000
デルタ
60,000
その他
50,000
2 大デルタの比率(2009 年)
その他
30%
40,000
紅河デルタ
17%
30,000
20,000
メコンデルタ
53%
10,000
0
北部
中部
南部
(出所)GSO より作成
138
ベトナム 3 地域の位置付け
6.工業生産高
2009 年の工業生産高は前年比 7.6%増の 697 兆ドンであった。農業生産高の過去 5 年間
の年平均増加率が 4.2%であるのに対し、工業生産高は同 13.72%と高水準で増加している。
その約 6 割を南部が占め、以下、北部 3 割、中部 1 割という構成になっている。また、企
業数や売上高を比較しても、南部が他地域を圧倒している。
工業生産高に占める外資の比率をみると、北部は 28.3%、南部では 32.8%と南部が若干
高い。主要都市・省別の工業生産高では、ハノイ 9%、ダナン 1%、ホーチミン 22%となっ
ているほか、ホーチミン以外の南部の省(バリアブンタウ、ドンナイ、ビンズオン)の割
合も高く、南部地域経済の底堅さがうかがえる。
図表 序-8 地域別工業生産高及び地域別企業数・売上高
(10億ドン)
600,000
500,000
地域別工業生産高(実質、2009 年)
外資
内資
(32.8%)
400,000
300,000
(28.3%)
200,000
100,000
(67.2%)
(71.7%)
(16.3%)
(16.3%)
(83.7%)
0
北部
中部
(社)
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
南部
地域別企業数・売上高(2008 年)
企業数(左軸)
売上高(右軸)
(10億ドン)
3,000,000
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
北部
中部
南部
図表 序-9 ベトナム全体の工業生産高に占める主要都市・省の割合(2009 年)
ハノイ
9%
その他
38%
ビンズオン
9%
ダナン
1%
ホーチミン
22%
ドンナイ
11%
バリアブンタウ
10%
(出所)図表 序 8∼9、GSO より作成
139
ベトナム 3 地域の位置付け
7.外国直接投資流入状況
2009 年の対ベトナム外国直接投資は約 1,200 件、約 230 億米ドルで、そのうち、件数で
は、北部 4 割弱、中部 1 割弱、南部 6 割弱で南部への投資案件が多い。投資額では、北部 1
割弱、中部 3 割、北部 6 割強で、やはり南部が最も多い。南部はインフラが整備され、外
資系企業が入居可能な工業団地が多いこともあって、以前から外国直接投資の重要な受入
れ先であった。中部は件数は少ないものの、1 件あたりの平均投資額では最大となっている。
図表 序-10 地域別外国直接投資流入状況
①2005∼2009 年の推移
②1988∼2009 年の累計
(百万米ドル)
200,000
(百万米ドル)
18,000
35,000
180,000
2005
30,000
25,000
16,000
件数(右軸)
2006
160,000
14,000
2007
140,000
2008
20,000
主要都市分(左軸)
2009
15,000
12,000
120,000
(670)
10,000
100,000
8,000
10,000
80,000
(97)
5,000
0
北部
6,000
60,000
(437)
中部
南部
(注1) ①図の棒グラフは総登録資本額、
( )内は件数。
(注2) 地域別統計については、総登録資本額によるデータのみ
発表されている。第 3 章で利用した統計とは定義が異
なるため、合計値が異なる点には注意を要する。
(出所)GSO より作成
40,000
4,000
20,000
2,000
0
0
北部
中部
南部
対中部では、近年、石油精製工場や石油化学プラント、製鉄所など重工業案件が増加し
ている。日系企業でも、神戸製鋼が中部ゲーアン省に製鉄所の建設を発表するなど、注目
度は高い。
1988∼2009 年の累計でも、南部が件数、金額ともに最大であり、次いで中部、北部の順
となっている。1 件あたりの平均額を見ると、北部と南部がほぼ同水準であるのに対し、中
部はその 4∼5 倍となっており、近年、大型投資が増えていることを示している。
140
ベトナム 3 地域の位置付け
8.大学の教員数と生徒数(2009 年)
ベトナムの高等教育機関(大学・短大等)は全国で約 300 校、うち、公立の大学が 150
校程度ある。ベトナム全体の大学の教員数は 7.7 万人、生徒数は約 213 万人であるが、と
もに約 4 割が北部に集中している。都市別ではハノイが教員数の 24%、学生数の 25%を占
めており、高等教育を受ける人材が集まっている。ハノイに続くのはホーチミンであるが、
両市以外の省では教員数・学生数ともに大きな差が見られる。
図表 序-11 地域別大学教員数と学生数
45%
40%
教員数
学生数
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
北部
地域
中部
教員数
南部
(構成比)
学生数
(千人)
(構成比)
ハノイ
18.1
24%
541.7
25%
北 ハイフォン
部 タイグエン
1.9
2%
53.9
3%
3.0
4%
75.4
4%
その他
9.1
12%
171.9
8%
2.1
3%
56.6
3%
0.1
0%
1.2
0%
22.0
29%
622.5
29%
ホーチミン
南
部 カントー
その他
13.3
17%
434.3
20%
1.8
2%
53.8
3%
5.5
7%
120.3
6%
合計
76.8
100%
2,131.5
100%
ダナン
中
部 トゥアティエンフェ
その他
(出所)GSO より作成
141
ベトナム 3 地域の位置付け
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