Comments
Transcript
Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title Author(s) Journal URL 人睾丸間組織の細胞学的研究 田島, 節子; 荒川, 克己 東京女子医科大学雑誌, 29(7):514-515, 1959 http://hdl.handle.net/10470/13183 Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 84 〔学 会〕 東京女子医科大学第95回例会面癖 日時昭和34年2月27日(:金)午後3時9 場所東京女子医大病院臨床講堂 1. 皮膚科領域の諸種皮膚疾患特に膿皮症に 末棺血,並びに骨髄像からも既に著明な赤芽球様細胞 おけるコルトマイシン軟膏治験成績 増殖が認められたが,剖検時骨髄にも骨髄系細胞の腫 (皮膚科)青木良枝 ○桑野朗 子・中 村和代 瘍性増殖と,Erythropoese側の著明な成熟障害の状 態が認められ,白血球,血少板のみならず,正常赤血 コ7レトマイシン軟膏(1g中にFradiornycin sulfate 球の著減を来す原因をなしてぴた。かかる異常は胎生 5 i19とHydrocort量sone acetate 5 mgを含む。)を 時造血臓器たる脾,肝などにも認められ,脾は2509 膿痂疹8例,膿池症2例,爪廓炎4例,接触性皮膚炎 に増量し,骨髄好細胞増殖とReticulummasche内に 3例,膿痂疹性湿疹14例,急性湿疹15例,その他化 捕捉された赤血球,及び細網細胞の可成りの増加によ 膿性皮膚疾患7例の53例に試用し,全治41,5%,著効 るPulpaの増大の他, SinusのUferzelle皿の増殖腫 39・6%,有効13.2%の成績を得た。治療効果はagIC 葡萄菌性膿痂疹,膿痂疹性湿疹,接触性皮膚炎及び爪 大と,その申の赤芽球により,zellreichな紐織概観像 を呈した。肝は1570gに増:課し,その増量はSinusoid 廓炎において顕著であった。副作用もなく,無色無臭 の彌漫性骨髄性異常細胞の存在に帰せられる。しかも であり,膿皮症に対し現在優秀な治療剤の一つと考え 一部のSinusoidは造血能力を示しているので,小葉 る。.(臨床皮膚泌尿器科7月号に原著として掲載の予 内細胞のある%は肝が病的造血の場となったことを示 定。) すと考えられる。かかる傾向は更に淋巴節にまで拡大 2.非定型抗酸性菌の研究 し肉眼的腫大と組織学的腫瘍化が認められ7が,灘巴 主としで穎粒染色とマウスに対する 性組織の広範な骨髄性傾向への転化は認められない。 毒力について (大学細菌)張 以上のごとき諸臓器の変化は,当然造血臓器機能の破 登 川 綻を招き,その結果は諸臓器の酸素欠乏,感染抵抗の 肺結核患者より分離された非定型抗酸性菌12線と牛 低下,出血傾向の出現となって現われ,また急速なる異 乳(殺菌前)から分離された株についてMuchの穎 常細胞増殖に伴う著明な増殖細胞の崩壊は全身Mese・ 粒染色を行い,またこれらの菌株の2週間培養をエム nchymの刺激を促し急性感染と同様な症状経過を取 7レジオンとして1mg(0.1cc)ずつ静脈内に注射して らしめた。かかる事態と相侯って硬脳膜下,蜘蛛膜下 その脚力を検した。導引はすべての菌株に証明され, 出血,脳実質出血など,更:には広範な肺炎が加わり最 マウスに対する毒力は人から分離された12株のうち7 後に急激な右心不金の状態下に死亡したものである。 株,牛乳から分離された2株に著明に認められt。 以上本職のHtimatopoeseの還郷は骨髄に最も徹底 5. エリトレミーの劇剖検例 しており,次で脾肝等が同方向へと捲き込まれ更にリ ンパ節でも,そのところどころから病的骨髄性変動が (病理)武石 言旬 症例は37才の家婦で敗血症様高熱をもつて突然発症 し,急速な貧血進行と,出血傾向,肝,脾の腫脹を主 起り始めているという状態であって,当然臓器の動向 がMyelose型に属することは明らかであっていわゆ 徴とし,心衰弱状態下に死亡するまで,全経過僅か1 るsymptomatische Erythroblastoseとの鑑別は問題 ヵ月半という急激な経過を取ったものである。生前の とならない。 東京女子医科大学学会第94回例会抄録 日時 昭和34年4月300(木)午後2時半 場所東京女i子医大病院臨床講堂 成人の間細胞は核に接する部分にゴルヂー装置,周 1. 人睾丸間組織の細胞学的研究 辺部に糸粒体が認められ,細胞形質内にしばしば認め (第一解剖)○田 島 節 子・荒 川克 己 一514一 S5 また不定であるが私共のみた例のうちでは,17才のも house法およびFiske−Subbarow法,総コレステリ γおよび遊離型コレステリンはSperry−Webb法を用 のから認められ38才nJ・56才の例に最も.多く存在し老 いtこ。結合型コレステリンは総コレステリン値より遊 齢者の例にも認められた。しかし胎児及び10才の例に 離型コレステリン値をひいた,生の臓器を直接分析に は認められなかった。オスミウム酸によく染まる類脂 使用したが別にまた各臓器の水分量を測定した。 られる類結晶は,大きさ不定の桿状体で,存在する数も 質様癌粒も胎児には認められず,10才頃より認めら 実験成績,死’亡時間は第一群は9∼10時間,第二i群 れ,17才38才及び老齢者では二面の量も大きさも増 は第一一geより2∼3時間延長。分析値は対照群に比し 加して行くように思われる。またこの類脂質様願粒は 一,二陣とも脂酸,燐脂質,総コソステリン,結合型 Sudan皿には機赤色に, Smith−Dietlich法には藍黒 コレステリン,遊離型コレステリンの順に減少,臓器 色に,Aschbel−Seligman法によるいわゆるケトステ 別の変化としては,脂酸は第一群は副腎,肝,肺,腎, 財ド菓色には紫藍色に染色される性質を有すること 心と減少。第二群は一群より筐になほ減少,燐脂質は は,支持紬胞における皆野と同様に思われる。また老 第一,二群とも副腎,肝,肺,脳,腎,心の順に減 齢者の閥細胞形質内にはほぼ同一の大きさを有する空 少。総コステ’)レンおよび遊離型コyステリンは副腎 胞が多量に認められる例もある。 が減少したが他の臓器には大差がみられず,結合型コ 次に,間細胞にPAS反応をほどこした結果は,胎 Vステリンは肝,腎,副腎に減少をみた。エステル比 児の例では紬胞形質内にグリコーゲンと思われる微細 は肝,腎では減少,副腎では増加していた。これらの 凹凸が核の一側に偏して存在し,その穎粒の量は胎児 実験結果について考察を加えた。 の月齢にもまた細胞の分裂の時期にも関係ないように 4. 農山村地箒における血圧の研究 第 ,tt・}われる。 成人の例では,胎児のものよりゃや大きな顯粒とし 皿 報 一一女子の血圧(最高血圧および て認められ,この場合もまた年齢,細胞の分裂の時期 最低血圧について)一 に無関係と思われる。 (衛 生) 和 以上類結晶,類脂質様粟粒,グyコーゲン顧粒及び 田 歌 昭和31,32年において,埼玉県入聞郡越生町,埼玉 老齢者における空胞の存在は,いつれも/固人差が甚だ 県川越市福原地区に才5いて,血圧の集団検診を実施し しいようである。 た。対象は30才以上の女子で,四坐位で左右両欝対 2、先天性全色弱の1例 象の65.2%に相当する905名について測定した。そ 眼 科) O新 井 和 子・加 矢i:1節 子 の結果はつぎのごとくであろ。 症例は10オの男子,仮性同色表,アノマuスコー a)最高血圧の国隣分布は,30∼4〔,才ではやや正規 プ,廻転凹板法などの検査により先天性全色弱と思わ 分布に近いが,高年令1轍こなると高圧側にのびた∫}他 れ.た。 い1.llをかたちづくる。最頻値は60∼64オで工50mmHg 同胞中に健常男子,第1色目の男子を確め得て,そ をこ一える。 の遣伝型式は第1色盲の因子に第3色弱の因子が加わ b)最低血圧の度数分布も,30∼44才ではやや正規 分布に近く,高年腸満になると,やや高圧側にのびた ったもののようである。 先天性全色弱の検出にあにり,石原表は,HRR表 形となるが,その傾向はあまりいちぢるしくない。 c)最高血圧の平均値は,30∼34才と35∼39才は ほぼ同じ値であるが,その後64才までは年令の増加 より優れていると老えられた。 3.窒息時における脂質代謝について とともに上昇する。68∼69才19 60・v64才より下降し (法医)伊藤美喜子 ているが,70才以..しでふたたび上昇する。最高血圧の 遷延性窒息時における物質代謝の変動の一端を研究 平均値は55才で150皿mHgをこえる。 するため脂質:代謝を検索したので報告する。 d)最低血圧の平均仙:をみると,64才までは最高血 実験方法,一一定期間飼育した体重4009前後のilg・’. ル.モッ至を使用,5匹を一組として平均値をとつtこ。 圧と同様の傾向をしめしている。65∼69才は60∼64 窒息方法は第一一一・geは単に密閉したガラス容器に入れ, 才より低い。70才以上になっても,65tv69才とほぼ 第二群はガラス容器中に貯溜する炭酸ガスを吸収さぜ 同じ値でほとんど上昇しない。これは最高」血圧とこと る目的でソーダ石灰を入れ死に至らせた。窒息死を確 なっている。最低血圧の平均値は全年令層を通じて90 認した後直ちに脳,肺,心,肝,腎,副腎をとり出し mmHg以下である。 e)以上の調査を福田らが実施した秋田県館合村の 分析に供した。 調査,岩田がおこなった国民栄養調査1こよる全国女子 分析方法,脂酸はKimmelstiel法,燐脂質はOut一 一 515 一一