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第 64 講 地誌:オーストラリア
第 2 章 現代世界の地誌的考察 第 64 講 地誌:オーストラリア 自然環境 ① 地 形 ・大半が安定陸塊 → 東端に古期造山帯(グレートディヴァイディング山脈)。 ※ニュージーランドは新期造山帯。 ※ 主な地形 → グレートディヴァイディング山脈 グレートバリアリーフ マリー川 グレートアーテジアン ウルル(エアーズロック) ② 気 候 ・B 気候がほとんど(面積比率最大)。 ・北部の海岸付近 Aw 北東海岸に Am。 ・南東部に Cfa(Cfb) 南西部に Cs。 産業と生活 ① 農 業 ・牧羊中心(降水量が比較的少ない地域)。 ・掘り抜き井戸による被圧地下水を利用。 463 第 64 講 地誌:オーストラリア ・メリノ種(羊毛)の飼育が多い。 ・北部のサバナで牧牛。 ・大都市周辺では酪農。 ・南西部の Cs ではぶどう生産が盛ん。 ・小麦:南西とマーレーダーリング盆地。 スノーウィーマウンテンズ計画(マーレー川への灌漑)で拡大も塩害発生。 ② 工 業 ・市場が狭く,人件費も高いため輸出も不向き。 →資源輸出に専念。 ※資源分布:鉄(ピルパラ地区) 金(カルグーリー) 石炭(モウラ) ボーキサイト(ウェイパ ゴブ) →鉱山開発の大部分は外国資本による ③ 生 活 ・かつてはイギリスとの貿易が中心(旧イギリス領)。 ・イギリスの EC 加盟を機に日本との交易中心へ。 ・白人以外の移民規制(白豪主義)→現在は多文化主義へ移行。 ・先住民(アボリジニー)が居住。 464 第 2 章 現代世界の地誌的考察 ※イギリスの流刑地として利用。スコーター(牧羊)オーバーランダー(牧牛)の不 法入植占拠によって開発が進んだ。 ・太平洋諸国との連携強化(日本や中国が貿易相手)。 465 第 64 講 地誌:オーストラリア 【ワーク】 地図に、次の主要都市の位置を示そう。 1 シドニー 2 メルボルン 3 ブリズベン 4 パース 5 キャンベラ 6 ダーウィン 466 第 2 章 現代世界の地誌的考察 次の問に答えよ。 (1)オーストラリア北部の気候をケッペンの記号で答えよ。 (2)オーストラリア北東にやってくる熱帯低気圧の名称を答えよ。 (3)オーストラリア東部の古期造山帯の山脈を答えよ。 (4)オーストラリア東部の内陸にみられる大盆地を答えよ。 (5)前問(4)でみられる被圧地下水を利用した井戸を何というか。 (6)オーストラリアの先住民を何というか。 (7)オーストラリア東部の沿岸にみられる珊瑚礁の名称を答えよ。 (8)オーストラリアで広く飼育されている羊の種類を答えよ。 (9)オーストラリア西部の鉄鉱石の産出が盛んな地区の名称を答えよ。 (10)オーストラリア南西の金の産出で有名な都市を答えよ。 467 第 64 講 地誌:オーストラリア 次の各文には誤りがある。誤りを訂正し、正しい文に書き換えよ。 (1)エアーズロックは、メサにあたる。 (2)オーストラリアは、中緯度に位置し、温帯の面積が最も広い。 (3)オーストラリアの北部では、銅鉱の産出が多い。 (4)近年オーストラリアは環太平洋諸国、とりわけ南米諸国との貿易が盛んである。 (5)マリー川周辺では、灌漑による稲作が盛んである。 次の問に答えよ。 (1)多文化主義とは何か、30 字以内で述べよ。 (2)オーストラリアでは工業より資源開発に力を注いでいる。こうした背景を 60 字以内で 述べよ。 オーストラリアで牧畜業が発達した理由について述べた文① ④のうちから、誤っている ものを一つ選べ。(1996 年センター本試) ① ヨーロッパで産業革命が進行しおり、羊毛に対する大きな需要があったため。 ② 冷凍設備を持つ輸送船が普及し、肉類の長距離輸送が可能になったため。 ③ 乾燥した広大な土地をわずかな人手で活用する上では、粗放的な牧畜業が適していた ため。 ④ 元々先住民による牛や羊の遊牧が盛んであり、産業としての牧畜業を可能にする基盤 があったため。 468