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ー. 縫製自動化の経緯

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ー. 縫製自動化の経緯
章
アパ レル産 業 における自動化 ――間
1.縫 製 自動化 の経緯
て い る。その対 策 として,NIES諸 国 の コス ト安 に対
して商 品 の 高感 度化 の方 策 と,脱 労働 集約 を 目指 し
1.1ア パ レル 産 業 と縫 製 自動 化 の
現状
国民の衣食住に密着する生活産業の中で,ア パ レ
ル産業 (衣料産業のこと)は ,昭 和60年工業統計 に
て縫 製 の 自動化 の 方策 が 展 開 されてい る現状 で あ る。
特 に縫 製 自動化 に関 してアパ レル CIM・ FAへ のア
プ ロー チ も進 め られてお り,通 産省 の大型 プ ロ ジェ
ク トの 自動縫 製 シス テ ム の技術 開発 も行 われ てい る。
おいて14兆 4千 億円の市場規模 を持 って巨大な産 業
アパ レル CIMを 目指 す シス テム として,写 真 1に
示 す シス テ ム が 導入 され るよ うに な って きて い る。
となってい る。国内縫製工場 の出荷額 は 3兆 8千 億
円強で,こ れは国内約 5万 事業所,従 業員70万人 に
よる生産 の結果 で ある。 そ してアパ レル生産 を行 う
縫製業界 は 1工 場 当 り平均12名,従 業員 1人 当 り有
形固定 資産80万円 とい う低装備率 で,強 度 の労働集
約的作業 となってい る。国民生活 は成熟社会 を迎 え,
情報化時代 に入 って,そ の水準 は高度 とな り,衣 生
活 ではフ ァッシ ョン化が強 まり,そ れ と共 に生産 は
1 . 2 テ クノ ロジ ー の源 は繊維技術
お よそ300万年前 に始 まった と考 え られ る化石人
類 の生活形態 は,採 集,狩 猟文化 とされてい る。採
集 の生活形態 は草食の鳥や小獣のように果実,穀 類
な ど自然 の与 えるものによって生 きて いたのであ り,
多品種少量短サイクル生産 へ移行 するに至 ってい る。 原始の人が採集 した ものが貝類や小動物 を含 んでい
その ような中で歴史 最高 の円高 とな り,労 働集約的
て,硬 い木 の実 を割 った り,貝 殻 を割 った りするた
作業 で あっただけに労務費の割高が経営 を困難 とし
め,手 頃な石が使われた。 この よ うな石の使 い方は
てお り,こ れ をどう打開 して行 くかが厳 しく問われ
ラ ッコが有名 で あ り,人 でなければで きない とい う
写真 l C I M を 指向す るアパ レルC A D
(ア メ リカ ・マ イクロダイナ ミクス社広 riよリリ││ll)
8イイ
1.縫 製 白助化の経紳
JISL0120よ
り
丁字かず らの巻 きつけ
図 2 結 び 目の血 を引 く縫 い 目( 本縫 い)
結び目
1 回 巻 きつ け
( 一重 結 び)
2回
(留
巻 きつ け
結 び)
中公新 書 額 田厳 著 「結 び 目の 謎 」
よ り引用
図 1 葛 の巻き付けと結び目
を取 る よ う に な っ た 。 き び し い 経 験 に 教 え られ て ,
洞窟 を隠 れ処 とし,冬 のた めに食 べ物 を蓄 えた 。火
をお こす こ とを覚 え,手 仕事 も覚 えた 。 クモ は機 織
を教 え,ツ バ メは家 を建 て る こ とを教 え,ウ グイス
は歌 う こ とを教 えた。 ……… (人間 の歴史 ,イ リン・
村 川隆訳 ,角 川文庫 )
もので はな い。 しか し,こ うした手 ごろの石 が石器
の原型 とな って石器 時代 が始 まったが,石 器 は破壊
それ で は,今 日の言葉 で この時代 の技術 を表現 し
てみ よ う。文字 どお り,ハ ー ドは石器 で ,ソ フ トは
の働 きのた めの道 具 で あ つた 。この石器 の使 用 は300
万年前 か ら 1万 年前 まで続 き,そ して採 集 か ら狩猟
繊維 の紐 とい う こ とにな る。 システム は協 同作業 の
へ の移行 に ともな って ,破 壊 の技術 に生産 の技 術 が
加 わ る こ とにな った 。狩猟 で は投石 な ど石器 に よる
破壊 の技 術 と共 に,ク モが ア ミを張 って小昆虫 を補
食 す る ように,本 の皮 な どか ら作 った繊 維 の ひ もを
「
結 んだ 「ワナ」 や ア ミ」 な どが 使 われた と想定 さ
れて い る。紐 を結 んだ りす る仕事 はモ ノを作 り出す
上 に成 り立 つので あ る。
(1)生 産 型 技 術 と して の 繊 維 技 術
ここで 石器 が 破壊技術 を成立 させ ,繊 維 が 結 び 目
を生 み 出 して,生 産 技術 を構築 した と見 られ る。破
壊 技術 の 方 は狩猟 に用 い られ るに とどまらず ,狩 猟
にお いて共 同体 以 外 の人 々が 現 れ て,分 け前 を要求
こ とで ,こ れ は葛 の巻 付 けな どか ら図 1の よ うに結
した りすれ ば,争 い や戦 闘 が起 こる こ とにな る。農
び 目を生 み 出 した と考 え られ る。 そ して結 び 目を起
源 として織物 を生 み ,ニ ッ トを生 む に至 り,更 に こ
の結 び 目 をル ー ツ として,図 2の よ うに縫 い 目が生
耕 文化 の 時代 とな る と,土 地 の奪 い合 い とな り,き
わ めて深刻 な争 い を引 き起 こす こ ととな った 。 この
み 出 された もの と筆 者 は考 えて い る。特 に結 び 目 は
住 み家 を作 った り,船 を作 った りに欠 かせ な い技術
これ に よって生 命 ,財 産 が ま もられ る役割 とみ られ
よ うな場合 に,破 壊 技術 が もの をい う こ ととな り,
とな ったか ら,生 産 の 為 の技術 とい つて もよい もの
て,こ の よ うな技術 の上 に文明社会 が 築 かれ て きた 。
一 方,生 産 技術 で は家 を建築 し,船 を建 造 した り,
で あ る。
衣服 を仕立 てた りして,人 間 生活 の生産 的働 きに使
この よ うに結 び 目が 繊維技術 の源 とな り,建 築技
術 の 源 とな り,生 産 の 技術 の源 とな った 。 そ して シ
わ れ て きた。 これが 繊維技術 を含 めて,ま ぎれ もな
ステムの 源 で は,ラ イオ ンや虎 な どが狩 をす る とき
く,人 間 の 文化 を築 き上 げて きたので あ る。 この よ
文化型 技術 」 とで
うに技術 には,「文 明型技術 」 と 「
の協 力作業 に教 え られ た とい う。 ハ チや ア リの よ う
な 団体行 動 に つ いて も,よ く統 括 された行動 とな っ
もい う二 面性 の あ る こ とを知 らされ る。
てい る。 すで に古代 ギ リシ ャの哲 学者 デ モ ク リ トス
(21 結 び 目 が 技 術 の 母 胎
次 に技術 の話 源 に つ いて調 べ てみ る と,結 び 目が
テ クノ ロ ジー の母 胎 で あ る とみ られ る。 ギ リシ ャで
teknC〉と
の 「
技術 」に相 当す る語 として,テ クネ く
は,約 2,350年 も前 ,次 の よ うに説明 した。
……… は じめ ヒ トは獣 の よ うに裸 で,着 物 も着 ず,
家 も火 もな く,絶 えず食 べ物 を捜 し求 めて いた 。 野
獣 の攻撃 か ら身 を守 るた めに,ヒ トビ トは団体 行 動
い うの が あ り,こ れ は今 日の 「テ クノ ロ ジー 」 の 語
8 イ5
1 0 ア パ レル産業 における山助化
源 とい われ て い る。 テ クネの意味 は 「
家 を造 る」 と
い う こ とで あ るが ,そ のために 「つ なげ る」 とい う
― タ ー の発 明 で ミシン
はモ ー ター駆 動 となった。 こ
原義 を持 つ と考 え られ てい る。 テ クネに相 当す るラ
の動 力革命 が縫 製 工 場 の端緒 とな り,そ して本格 的
な既 製服 生産 の 出発 点 ともなっ た。
テ ン語 はア ル ス く
ars〉で,英 語 の く
art〉技 の語源 で
「
〉 には 紫合 わす 」 とい う元 の意味 が
あ るが ,〈ar―
縫 製 の型紙 が 生 み 出 され たの は, ミ シン出現 の10
年後 で あ った。 ミシンの 開発 で は19世紀末 まで勢力
あ る といわれ る。 これ は紐 の結 び 目の技術 に よる も
的 に縫 目の発 明 とその縫 目を実現 す る ミシンの 開発
が 競 って行 われ た。欧米 で は新 しい縫 目 に対 しての
のだ と思われ ,従 って,繊 維製 品であ るテキスタイ
ル もテ クネの 派生語 で ,繊 維 の技 は まさに 当時 の テ
クノ ロ ジー で あ った と考 え られ る。 そ して繊維産 業,
アパ レル産 業 の技術 は この 系統 に連 な って発展 して
きたの であ る。 このテ クネに対 して,プ ラ トン は 日
常 的経験 の積 み重 ねや ,訓 練 の積 み重 ねの結果 得 ら
れた熟 練 や技能 で はな く,ま た物事 を巧 みに処 理 す
る能 力 で もな く,自 然 の 中 に本来 的 に存在 す る因果
的 な関係 を知 的 に把握 した結果,そ こか ら生 まれ ,
ミシンが 当時 の機構 学 や機械 工 学 の粋 を集 めて開発
され た。 そ して この線上 に機構 学 の進歩 が な され ,
リン クや クラ ン ク,レ バ ー そ してカム,ギ ヤ 等 が駆
使 され た。 また ,こ れ らの機構 パ ー ツの精 密加 工 が
向上 して行 くに従 い,自 動縫 い の ミシンが 出現 す る
こ ととな った。 ボ タ ン穴 かが りの ミシンやか ん止 め
ミシンな どで あ るが ,ギ ャや カム を使 って,縫 いサ
イ クル を 自動化 した 。
1940年ごろか ら工業 ミシンは高速イ
ヒの開発 が始 ま
った。工業用 では,本 縫 い ミシンが毎分6000針,縁
しの熟練 や技 能 は,プ ラ トンに よって トリベ 〈
tribO〉 かが リミシンが毎分10,ooO針とい う高速が競われた。
あ るい はそれ に裏付 け られた ものが技 術 で あ り,能
力 であ る と考 えたので あ る。 つ ま り,単 な る繰 り返
と名付 け られ て 区別 された 。
次 に技術 を漢字 について調 べ る と,漢 字 の 「
技」
とい う字 は 「
手」 と 「
支」 の複合 された形 とされ る。
これ は 「
手 で支 える」 また は 「
手 を支 える」 の意 味
で あ り,「手 で支 える」は英語 の く
art〉で ,「手 を支
える」 は手 の働 きを助 ける ことで,こ れ は道 具 で あ
tool〉とな るので あ るが ,漢 字 の語源 か
り,英 語 で く
らす る と,技 術 と道具 (さ らには機械設備 )と は切
り離 せ な い関係 とな るわ けで,そ の昔石 と紐 が道具
で あ つて,特 に紐 によって,技 術 が 生 み 出 された と
考 え られ るのであ る。
1.3ミ シ ンの 出現
1.4 NC技
術 のルーツ
自動制御 にお けるオ ン ・オ フの 2値 による制御 の
発想 は,繊維産業か ら始 まったのである。すでに1700
年代初頭 に Falconとい う人が紋紙,つ ま リパ ンチ
テー プ を使 ったニ ッ ト編立機 を発明 してい る。 1807
年パ リの J.M.Jacquardは これ を改良 して,ジ ャガ
ー ドカー ド機 を生み出 した。 自動 ピアノをパ ンチカ
ー ドで 自動演奏 したのは1863年である
。 1800年後半
に Charles Babbageがデジタル コ ンピュー タを設
計 した。 19oo年代初期 Herman H011erithが
パ ンチ
カー ドシステム を開発 した。 1945年,最 初 の コンピ
衣服 を ヒ ト族 が 身 に着 け始 めたの は,い まか ら 5
万 年以上 も前 ,後 期 旧石器 時代 の原人 ネア ンデル タ
ー ル人 が ,第 4氷 河期 の寒 さに打 ち克 つ た め とされ
て い る。 この ときか ら衣 料 を縫 う とい う作業 も行 わ
れ るよ うにな った。糸 と針 とに よる縫製 は以 来 5万
年以 上 の長 きにわた って続 いて い る。 ミシンの 出現
まで ,手 縫 い に よる手作業 であ った。産 業革命 の後 ,
写真 2の よ うな ミシ ンの発 明 が行 われ ていたが , ミ
シ ン を世 に送 り出 したの は シンガ ー で あ り,1851年
ア メ リカニ ュー ヨー クか らであ った。従 って, ミ シ
ンが 出 てか らまだ百数十年 に過 ぎな い。 この ときか
ら,手 縫 いか ら ミシン縫 い の時代 が始 まった 。 しか
し,動 力 は手廻 しか足 踏 みで あった。 19世紀木 のモ
846
ポビン!;い
よ リリ││││)
写真 2 最 古 に属 す るミシン(アメ リカ・
1維 製自動化の経都
批 []縦
[〕
[二 )[
」
uKl作 成 の 透 視 図
ス ト(ポ ビ ン誌 所 載 )
ア メ リカ UttOn Spedal社 の イ ラ
図 3
よ
工業 ミシ ンの機種 と縫 目( 維H は J I S L 0 1 2 0 り)
8 イア
1 0 . アパ レル 産 業 に お け る 白r l l J 化
ユー タで あ る ENIACが
出現 した。第 2次 世 界 大戦
ノイ マ ン型 コ ンピュー タ
紙型 で あ った りして,意 外 な感 じを受 けた こ とを思
い 出す。
それ で は NCマ シ ン の 開発 は ど うで あ ろ うか。
1912年ニ ュー ヨ ー クの Scheyerが パ ンチ テ ー プ で
この よ うな技術 の 流れで ,1989年 1月 アメ リカの
航 空機 メー カ ー の ボ ー イ ングジ ョー ジ ャ会 社 が ジ ョ
ー ジ ャ プ ラ ン トの先 端 多機 能 ワ ー ク ス テ ー シ
ョン
中 」ohn von Nuemannは
を設計 した 。
制 御 され る裁 断機 の 特 許 を得 て い る。 工 作 機 械 の
NC化 が 始 まったの は1949年,ア メ リカ空 軍 の た め
に MITが 開発 した。この よ うな流れか ら,NC技 術
が繊維技術 か ら発 して い る ことが 分 る。
1.5造 船,航 空機 製造技術 と裁縫技術
CIMネ ッ トワ ー クに必 要 な CAD/CAMソ
フ トゥ
エ アを GGT社 (ガーバ ー衣料 テクノロジー社)か ら
供給 を仰 ぐことになった と発表 されたが,歴 史的に
納得 ので きることである。
1.6縫 製 自動化技術 の進展
実 は NC化 以 前 の 造 船 や 航 空 機 の 製 造 技 術 に縫
製技術 が使 われ ていた。造船 で は原 図 を画 き,航 空
機 で もロ フ ト (図面 をジ ュ ラル ミン板 に焼付 け,原
1915年には製靴 の 自動縫 製装 置 が試作 された。 こ
の試作 は人 類 の縫製 自動化 へ の挑戦 の第 1号 で あ る
とみ られ る。 1960年に入 って世 の 中 は高速 か ら自動
寸大 に切 り出 して加 工 基準 とす る型 板 )を 使 用 して
い た。 この元 は縫 製 の紙型 で あ る。
化 の 時代 に変 わ ったので あ る。 1964年西 ドイ ツで ワ
イ シ ャツの縫製 トラ ンス フ ァー マ シンの試作 が行 わ
1863年アメ リカの エベ ネ ッア パ トリック夫 妻 に
も最初 は布 を張 って作 ったので,縫 製 の紙型 が使 用
され て い たが ,そ の後 もロ フ トの形 で残 って い った
れた 。 これ は縫 製 オ ー トメ ー シ ョンヘ の 挑戦 の第 2
弾 で あ った 。 この オ ー トメ ー シ ョンの制御 は リレー
に よるシー ケ ンス制御 で あ った。 しか し,布 とい う
柔 らか い材料 の ハ ン ドリングの制御 は難 し く,ま だ
の であ る。筆 者 も30数年前 ジェ ッ ト戦 闘機 の生 産 に
歯 が立 たなか ったので あ る。
タ ッチ して い て,NC工
その後 ア メ リカで1967年システム2000とい う ワイ
シ ャツ自動 縫 製 ライ ンの 開発 が 行 われ ,そ の シー ケ
よ り紙型 が市販 され るよ うにな った。飛行機 の機体
作機械 前夜 ともい うべ き時
期 を機体 工 場 にいたが ,そ の 頃 の最高 の 自動 フラ イ
ス盤 はテ ンプ レー トの油圧倣 いの シンシナチの ハ イ
ドロテ ル ミルで あ った。 この テ ンプ レー トは極 めて
ンス制御 はラ ンダ ム ロ ジ ック回路 で あ った。更 に柔
軟 布 の ハ ン ドリ ン グ装 置 と して RINK装 置 の 開発
精度 の 高 い型板 で あ るが ,型 紙 か らの発展 とみ られ
が 行 われ ,こ の 制御 には宇宙 開発 の フ ロイデ ィクス
るので ,最 も先 端 的技術 が駆使 され て い るの に,そ
の 技術 の ル ー ツが 身近 な家庭 での裁縫 であ った り,
(流体 素子 )の ロ ジ ック回路 が採 用 された 。 この種 の
縫 製 自動 ライ ン装置 の例 を写真 3に 示す 。
写真 3 縫 製 自動 ライン装置例 (CIMCORP十 にの カ タログより)
848
2.ア パ レルCAD
ッツエ 科大学 )で 行 われた 。 この NC化
2 . ア メヾレル C A D
2,1ア
メヾレ ル CADの
は次 の よ う
にアパ レル産 業 に適 用 された。
1966年 カ リコ ンプ社 は水 着 の グ レー デ ィ ングに コ
ンピュー タ導入。
発達
1967年 カ リコ ンプ社 は水 着 の マ ー キ ング シス テ ム
を開 発。
現在 の 自動化 を特徴付 けるもの は CAD/CAMの
CADは 最初 はアメ リカで昭和30年代後
発達 である。
ー
半 か ら製図機 メー カーであったカ リコンプ社 や ガ
バ ー社 が NC(数 値制御)の技術 に基 く自動製図 シス
テム として開発 し,わ が 国で も製図機 メー カーの武
藤工 業社 な どが開発 を進 めた。
1968年 ガ ー バ ー社 グ レー デ ィ ング シス テ ム発表。
わが 国 で は1966年 11月 東大生産研丸安研究室 で コ
ン ピュー タに よるオ ー ダ ー紳 士服 の パ ター ン メ ー キ
ン グ,グ レー デ ィ ン グが行 われ ,そ の プ ロ グ ラム は
フ ォー トラ ンで あ った。 その フ ロー チ ャー トを図 1
昭和 40年代 に入 って,型 紙 の製図 に関心 が向 けら
れ始 めた。 そのル ー ツはアメ リカで,1949年 工 作機
械 の NC(数 値制御)化 の開発 が MIT(マ サチ ュセ
に示 す 。
1966年 に は MITの 卒論 にアパ レル 生産 の コ ン ピ
ュ ー タ ・マ ー キ ン グの 研 究 が IBMの 支援 の も とに
ー
ー
表 1背 広 前 身頃 パ タ ー ンメ ー キ ングフ ロ チ ヤ ト
X(94),BY(94)
DiMENSiON AX(32),AY(32),R(7,3),日
後 身頃
前
身頃
10 00NTiNUE
),J=1,3),SiZE,QiTAKE,COLLAR,日 UST,WAiST,HiP,SETAKE
(R(L」
KL=KA+47
QiTAKE<74.0
(30,i30)
Y=A'D′ +B'
東大丸安研 レポー トより引用の フ ローチ ャー ト
8イ9
D050
KA=│.47
1 0 . アパ レル産業 における自動化
行 われ た りして い た。 1967年にカ リコ ンプ社 が マ ー
キ ングの デモ を ロ スア ンゼルス で行 った。 わが 国 で
は昭和44年メル ボ社 に よ り 「メル ボ ・オ ー トマ チ ィ
ック ・プ ロ ッテ ィ ング ・シス テムー MAPS」 の原型
が IBMの 協 力 の も とに開発 され ,型 紙 製 図 の デモ
が 行 われたが ,実 用化 には時期 尚早 で あ った。
アパ レル生産 の デザ イ ンや製 図の作業 に コ ンピュ
ー タに よる 自動製 図 の しい
新
革新 が 及 ぶ対 象 の工 程
として は,ア パ レル デザ イ エ ング,パ ター ンメー キ
ン グ,グ レー デ ィ ング,マ ー キ ングな どが あ る。 こ
こで アパ レル デザ イ エ ン グは商 品企画 に基 づ き,デ
ザ イナ ー が フ ァッ シ ョンイラ ス ト等 で表現 され るデ
ザ イ ン を行 う こ とで あ る。 パ ター ンメー キ ングはア
パ ンル を構成 す るパ ー ツ としての各部分 の平面展 開
図 を作 図す る こ とで ,型 紙 の形 で知 られて い る作業
で あ る。 グ レー デ ィ ングはパ ター ンメ ー キ ン グが標
準 サ イズ ・体型 を想定 して マ ス ター パ ター ンが 作成
され るの に対 して,異 な るサ イズ,体 型 に対 す るパ
タ ー ン を作成 す る作業 の こ とで あ る。
コ ンピュー タの利用 は この先 に対 す る ものが早 く
か ら始 まって い る。昭和 45年,セ ンチ ュ リー エ ー ル
社 は 「コ ンピュー ト ・オ ー ダー ・シス テム ー COS」
イエ ン グの例 をデ ィスプ レイ画 面 として写真 1 に 示
した。
2 . 3 パ ター ンメー キ ング
採寸情報 をイ ンプ ッ トして,パ ター ンを製図で き
るのは生地や構造面で大 きな変化のない紳士服 など
である。婦入服では生地 も変わ り,シ ルエ ッ トも変
わ り,構 造 も変わるとい うデザインの 自由度 によっ
て,採 寸情報 争イ ンプ ッ トしただ けでは充分なパ タ
ー ンを作成 で きない
。
パ ター ンメー キ ングの基礎 となってい るマザーパ
ター ンをベ ー ス として,生 地特性 を盛 り込んで,パ
ター ンメー キ ングが行われ るが,そ の結果 はサンプ
ル メー キ ングしてダ ミー に着せた上で,確 認 し修正
して,作 成 して い る。 コンピュー タではパ ター ン描
画作業 とい う肉体労働 を自動製図に置 き換 えるのが
役割で,写 真 2の ようにディスプ レイされる。
を開発 し,型 紙 設計 か ら服 地裁断の 自動 化 を図 った。
紳 士服 で は昭和50年以 降 アパ レル CADの
導入 が進
み ,昭和 60年か らアパ レル の各服種 ヘ アパ レル CAD
の 導入 がみ られ るよ うにな った。
2 . 2 ア パ レルデザ イエ ング
コンピュー タ技術 によるアパ レル デザイエ ングは,
デザインの創造性や商品の感性 については人が行 い,
描画 とい う肉体労働 を自動製図 によって行 お うとい
写真 2 パ ター ンメーキ ング
`レルC A D カ タログより)
( J U K I アタ
う分業 が行われるものである。現状 のアパ レル デザ
写真 1 ア パ レルデザイエ ングの画面
(」
UKIア パ レル CADの カタロ グより)
写真 3 グ レーデ ィング
レCADカ タログより)
(JUKIア バ レ′
2.ア ノヾレルCAD
イズー 方方向
TESTZ-18 TEST 3サ
YlELD=812% W普
L=1480Ⅲ 3366
PARTS=51
図 2 マ ーキ ングの例 CAMSCOI上
のi比│り
│より
の描画 を自動化す る役割 で あ り,こ のため対話型 シ
ステム となって い るわけで,今 後 は創造力 や感性面
の補完 が行 えるような機含とを持 つ こと力S課題 となっ
2 . 4 グ レーデ ィング
グ レー デ ィ ングは ヨ ンピュー タ処理 に よ く馴 じみ ,
コンピュー タグ レー デ ィ ン グは広 く普及 す るよ うに
て い る。
ー
なって い る。 マ ス タ ー パ ター ン図形 をデ ジタイザ
ー
ー
ル
に基 づ
に よ リイ ンプ ッ トし,グ レ デ ィ ン グル
(2)パ ター ンメ ー キ ング に お け る課題
パ ター ンメー キ ングでは採寸情報 によってパ ター
ンの 自動出力 は,オ ーダー紳士服 には一部行 われて
いて,写 真 3の よ うに 図形処 理 され る。
ー
最近 はマ ス ター パ ター ン図形 をス キ ャナ 入力 し,
ー
ー
ー
イ メ ジデ タ をベ ク トル デ タに 自動変換 す る方
い るが,デ ザイン面 で 自由度 の高 い婦人月
長な どでは
デザイ ンのスタイル情報 の入力 に対す る立体的造形
法 も出現 し,入 力 の 自動化 が 行 われ て い る。
評価や,生 地特性の条件の入力が不十分のため,サ
ンプル メー キ ングを行 って確認 しなければならない。
2 . 5 マ ー キ ング
ここに才
旨摘 され るように,ア パ レル CADと して
はデザイエ ング とパ ター ンメー キ ングの間に システ
ムの一買性 の欠如 が生 じて しまってお り,こ れが支
材料取 りの レイアウ ト作業 は型入れ ともいわれ,
紙型 を並べ て配置 し,マ ー クす るところか ら名付 け
られてい る。 コンピュー タ利用のマー キ ングは,図
2の ように生地幅 の範囲内 にパ ター ンを配置 して行
くもので,対 話式 に行 う方式や モ デル レイアウ トを
障 となって,ア パ ンルの商品企画 の リー ドタイム短
縮 を困難 としている。 これ を解決す るため,コ ンピ
ュー タグラ フ ィックス技術 によ り立体幾何学的 に図
選択 して当てはめて行 く方式 な どがある。 目指 す と
ころは最短の生地長 さで レイアウ トが される ことで
形展開 し,生 地特性 を取 り入れて,サ ンプル メー キ
ングを要 しないパ ター ンメー キ ング技術 の開発 が課
ある。
題 である。 これに対 して,写 真 4の ようなソフ ト開
発 が進 め られてい る。
2 . 6 ア パ レル C A D の 技 術 課 題
(3)マ ー キ ング に お け る課題
マー キ ングにおける課題 は生地 の歩留 まりを最良
( 1 ) デ ザイエングにおける課題
現在のアパ レル CADは デザイエ ングにお いて人
間の創造力や感性 の面で直接 サポー トす るものでな
とす ることであ り,ど の様 に配置 を詰 めて要尺 を最
短 とす ることがで きるか,と い うことで,こ れ を コ
ンピュー タで 自動計算 しようとすると,所 要面積 の
く,フ ァッションスケ ッチなどの肉体的作業 として
35r
1 0 ア パ レル 産 業 に お け る 白I l j 化
3.ア パ レル CAM
3.1裁 断 作 業
アパ レル生産の現場作業の手順 は,生 地 の裁断関
係作業 に始 まり,縫 製 を経 て,製 品の仕上 げプ レス
作業 に終 わ るわけで,ア パ レル CAMは この現場作
業 を対 象 とす る。裁断作業では,図 1の よ うに巻物
状 の生地の原反 を平 に延反 し,マ ー キ ング情報 に基
づ き裁断が行われ る。
この後,裁 断片が取 り出 され,層 布 は除去 される。
取 り出 された裁断片 は仕分 けされて,縫 製工程 の流
れに投入 され る。
3.2裁 断 の CAM
裁断 コン ピュー タ制御 (数値制御)に よって 自動
的 に行 うのが,裁 断の CAMで あるが,裁 断 ヘ ッ ド
をサー ボ制御 して行 うものがほ とん どである。制御
のデー タはマー キ ングの情報 を使 う。裁断の方法 に
は往復 ナイフを用 い るもの,レ ーザ光線 によるもの,
プラズマ ビーム による もの,ウ ォー ター ジェ ッ トに
よる もの,超 音波 による ものな ど各種 あ り,ナ イフ
式ではその駆動 は縦方向,横 方向の他,ナ イ フの向
きを変 える回転方向の 3軸 制御 が必要である。 その
他 の方式は,縦 ,横 の 2軸 制御 で良 い特徴 を持 って
い る。写真 1に ナイフ式 ヨン ピュー タ自動裁断装置
の例 を示す。
3.3縫 製の CAM
1970年
代は情報化社会への移行の時代 といわれた
が ,そ れ と呼応 す るかの よ うに1971年 NCミ シンが
発表 され た。 工 業 ミシン分野 に とって,全 く新 しい
制御 の NCミ シ ンは 日,米 ,伊 3ヵ 国 よ り期 を一 に
ー
写真 4 コ ンピュータ三次元造形アプロ チ
( C D I t t Lカタ
の ログより)
して行 われたので あ った。
元々 ,縫 製品 は寸法 に よって表現 で きる部 分 がか
な りあ る。 そ こで数値情報 に よって制御 され る NC
シ ミュ レー シ ョン計算量 が膨 大 とな って長 時間 とな
り,実 用 的 でない。 そのため,対 話 方式 な ど人 間 が
ミシ ン は縫 製 にな じみが よ く,フ ァッ シ ョン産 業 が
関与 す る こ ととなってい るので ,自 動 出力 が課題 と
な って い る。 コン ピュー タの計 算速度 が飛躍 的 に向
情報産 業 で あ る とい う性格 に も合致 す る ところが あ
上 す る こ とも夢 で はな く,要 尺最短化 自動計算 マ ー
キ ングの 実現 が期待 され る。
るので ,識 者 に強 い関心 を起 こさせ た。
J.W.ベ ー カ ー はテキス タイ ル ・イ ンス チチ ュー
ト&イ ン グ ス トリ誌 に,日 本 の Jukiと ア メ リカの
Gerberが 初 めて NCミ シ ン を出品 した こ とを特 に
352
1
レCAM
3 ア ノヾレタ
図 1延 反 と裁断機
の広告 よ り)
ー
写真 1 コ ンピユ タ自動裁断装置 (GGT杜
853
パレル,セ
10.ア
業における山動化
強調 し, 縫 製 の コンピュー タ時代の到来 を告げた。
当時筆者 はこの N C ミ シンを開発 し, パ リの国際 メ
ッセに出品アテ ン ドしたが, イ タ リアの出品が数 日
3.5 NCプ
ログ ラ ミ ン グ
NCミ シンで布 を自動縫 いす る場合,針 が布 を買
通 している間は自動送 りを停止 し,針 が布 の上 に上
遅れていて, し か しメッセには間 に合 った。N C 技 術
がつた とき送 りが作動するのが望 ましい。 このため
が M I T に よ り生 み出 されてか ら, 2 2 年 後 で あった。
布送 りは針 の運動 と同期 した間欠運動 となる。従 っ
て,針 の 1針 1針 について,位 置 を数値的 に規定す
3.4
N C ミシ ン の 制 御
NCミ シンは数値制御 ミシンの ことをい うが,自
動制御のための縫 い形状の数値情報 を図 2の よ うに
パ ンチテー プゃ,フ ロ ッピーデ ィス クぁるい は P一
ROMに
プログラム し,NCミ
シンは これ らの情報
を読み取 り,処 理 して電気 モー ター に出力 し,自 動
的 に布 あるいは ミシンを動 か して 自動縫 いを行 うミ
さ
\
”留
シン装置である。
フ ロ ッ ピー
ア イス ク
る必要 が生 じ,こ のためのデジタイザーが使用 され
る。
3 . 6 ヨ ー ドと フ ォー マ ッ ト
プログラ ミングに当たって必 要な コー ド (符号)
とフォーマ ッ ト(書式)に ついて,NCミ シンでパ ン
チテー プの場合 ,ISOコ ー ドが用 い られ る。数値 の
表現法 で は JukiNCミ シン は直 角座標 増分 方式 に
よ り,図 3の よ うな フォーマ ッ トとした。
3 . 7 N C ミ シ ンの 制御 回 路
針 の運 動 と同期 が 必要 なので , ミ シ ンの主軸 か ら
の タイ ミングパ ルス に よってテ ー プ な い しメモ リよ
り 2軸 制御 のた めのデ ジ タル情報 を呼 び 出 し,こ れ
を出力 部 の電気 モ ー ター に伝 え,自 動送 りを行 わせ
る。電気 モ ー タ ー として,パ ル スモ ー ター また は DC
サ ー ボモ ー タ ー が 用 い られ る。送 りの デ ジタル情報
の他 ,マ シンコン トロー ル コマ ン ドとして,ミ シ ン
マイ ク ロ
コ ンピュー ター
の低 高速 の切 り替 え,糸 切 りや停止 を指 令 で きる。
シンの制御 の プ ロ ック図 の例 を図 4に 示 す 。
イ ンター フェー ス
NCミ
また制御基盤 を写真 2に 示 す 。
3.8
N C ミ シ ンが使 用 され る
縫 製工程
サ ー ボ機構
︺
可
NCミ シンは各種のパ ター ンの 自動縫 いに用 い ら
れ, ド レスシャッの衿,カ フスの地縫 い,飾 り縫 い
な どを行 うパ ター ンシーマ,補 強縫 いのカン止 め縫
い を行 う電子 カン止 め ミシン,そ して コンピュー タ
刺縮縫 い ミシン等 の機種 に展開 され,自 動 ミシンの
NC化 が広 が っている。 ミシンのメカ トロニ クスの
進展であるが,そ の結果 として縫製の CAMに 対す
る技術的ベ ース となってい る。写真 3に パ ター ンシ
ーマの例 を示す
。
図 2 NCミ シンの制御 フロー
85イ
3.ア ′ヾレルCAM
鍛晩
解
図
テープ フォーマット
テ
主
言 己
Sは スタート(低速 )指令
│
中
U8Y2辛
U8Y2持
U8Y2率
U6Y5*
X2V80ホ
Qは 高速 指 令
中 心 線 よ り右 の
部 分 は ミラ ー イ
メー ジ
桜
Ψ
X8V2S*
“
X"
低速 指令
X8V2来
( 前後方向)
X8V2T
備 考
図 3 NCミ
本は '針 分 の 情 報 の 区 分 記 号 (LF)
変 位 情 報 の 数 字 は X, Y各 方 向 の
変 位 量 (mm)を 0.2で 割 っ た もの と
す る。 最 大 15まで 記 入 で きる。
シ ンの テ ー プ フ ォー マ ッ ト
テ ー プ作 成
図 4 NCミ
Tは 停止お よび
糸切 り指令
シンの制御 ブロック図
1 0 . アパ レル 産 業 に お け る 白I l l l 化
写真 2 NCミ
シンの制御回路 とLSi(イ タリアNECCHI十 1カ クロ グよ り)
B雪⋮雪
巨母
妄
エ ッジ ヨ ン トロー ル シー マ で は,エ ッジの縫 いが
縫 い外 れ な い よ う に制御 す る方法 は,DCモ ー ター
に よるサ ー ボ制御 で ,こ の点 は NCミ シ ンの制御 と
類似 して い る。送 られ る布 に送 り方向 と直 角 に作用
す る上 下 2個 の マ ニ ュピレー タ ー ロー ル の 回転 方 向
の制御 に よる もので ,テ ー プ リー ダ ー の代 わ りにエ
ッジセ ンサ ー の働 きをす る光電 素子 が 2個 設 け られ ,
エ ッジが 常 に このセ ンサ ー の 間 を通 るよ うに 中心位
置制御 され る もので あ る。 エ ッジ ヨン トロー ル シー
マ を写 真 4に 示 す 。
3.10 CAD/CAMミ シン
CADと
CAMの
両 方 の機 能 を持 った ミシ ンが 出
現 した 。 上衣 の組 立縫製 で難作業 とされ る袖付 けの
前作業 の袖 ぐし縫 い の 自動化 に袖 出 の いせ 込 み具合
い を CADに
ー
ー
写真 3 パ タ ンシ マ
よ り設計計算 し,そ の結果 を P一 ROM
に移 す。 ぐし縫 い の作 業 は この P一 ROMを
セット
3 . 9 ノ ー プ ログ ラム 自動縫 い ミシ ン
して,そ の情報 に よ り,自 動 ぐし縫 い ミシ ンが 写真
NCミ シンが プ ログ ラム を要 す るの に対 して,縫
製 品 の布 縁 に沿 って縫 うよ うな箇所 で は,エ ッジ を
ので あ る。左 右 あ る袖 の縫 い を ミラー イ メー ジで処
5の よ うに,い せ 込 み縫 い制御 を自動化 して行 う も
検 出 して これ に倣 って縫 うよ うに制御 す る と,プ ロ
グ ラ ム無 しで 自動縫 いが 可能 とな る。 この 方式 の 自
動縫 い ミシ ン をエ ッジ ヨン トロー ル シー マ と名付 け
てい る。
356
理 で きる。
「
3.ア タ゛レルCAM
エ ッジ ヨ ン トロー ル シ ーマ
写真 5 自 動 そで ぐし縫 い装置
857
アパ レル産業 における自動化
10。
レス装置
写真 6 マ イ コン制御仕 上げ プ
3 . 1 1 仕上 げプ レスの C A M
制御 NC機 械 ,そ して マ シンニ ングセ ン ター の普及
と FMS(柔
軟 生産 システム)の 広 が りに よって もた
らされた。 多品種 少量生産 の 問題 を解決 す るた めに
アパ レルの仕上 げを行 うプ レス機 も自動化 されて
ー
個別装置 の 自動化 か ら群制御の自動化 に進 んで いた。 は,こ の先 完全 な コン ピュ タ統合 生産 システム,
す なわ ち CIMに よ らな けれ ばな らな い と考 え られ
消費 の高度化 に ともなって,デ ザイ ンの感性 を確実
に表現す るプ レス機 とい う要望 が強 まり,二 次元造
形 を人間工学 に基づ いて,立 体的 な コテ と共 にマイ
コン制御 によ り素材特性 に合 わせた最適 なスチー ミ
ング,バ キ ュー ミングの 自動制御 の方向 に移行 し,
仕上 げ作業の CAM化 へ の条件 が整 えられ てきてい
る。写真 6に マ イ コン制御 の 自動 プ レス装置 を示す。
4 . ア パ レル C i M
て い る。
CIMの 意味 はア メ リカで 「
技術 と製造 を結 び付 け
て ,計 画 か ら生産 そ して出荷 に い た る全 機能 を自動
制御 で きる総合 システム」 として い る。
4 . 2 C I M の 要件
ンピュー
このため に力『
工 情報 の流れ は,CAP(コ
タに よる生産計 画 の こと)か らス タ ー トし,CADを
と流 され る。 ここで CAPと い うの は
生産計画 を行 う コン ピュー タ システムの 異 で あ る。
CADの 中 で パ タ ー ンメ ー キ ン グ ソ フ トを CAPと
経 て CAMへ
4.l CIMへ
の潮 流
昭和 60年頃か ら欧米で先端的製造技術 の急速 な発
展 がなされたが,こ れを支 えた ものは情報技術 の爆
発的成長 と各種 コンピュー タに基 づ くシステムの出
名付 けて い る例 が あ るが ,CIMの
現 で あ つ た。 こ の 先 端 的 製 造 技 術 は A M T
(Advanced rnanufacturing technology) と略 され,
ー
製造工場 の NC(数 値制御)工作機械,コ ンピュ タ
って構成 されて い る。
CAPは 異 な る も
ので あ るの で,注 意 を要 す る。 この よ う に CIMは ,
図 1の よ う に CAPと
CADと
CAMの
三要素 に よ
4.ア メヾレルCIM
購 買発 注
管理
コンピュー タ
支 援製 造
CAM
図 2 CiMの 代 表的 なモ デル
図 l CiMの 三要素
図3
C'Mの構成の例
ー タに よ り NC加 工 へ
機 の情 報 を 自
動 作成 し, こ れ を CADか ら CAMヘ
コ ン ピュ ー タ
通信 で伝達 す る こ とで ,ネ ッ トワー クを構 成 して行
く。自動縫 い の NC加 エ デ ー タな ら,ア パ レル CAD
の パ タ ー ンデ ー タに よ り縫 い代 を計 算 して縫 い線 の
デ ー タ を作成 し,こ れ を NCデ ー タに変換 し,コ ン
ピユー タ通信 の ケ ー ブル に よって 自動縫 い ミシ ンの
制御部 へ送 り込 むので あ る。例 えば こ うす る こ とで,
い る。 CADデ
4 . 3 ア パ レル C ! M
受注情 報 は CAPで 計画処理 され,デ ザイ ンの処
理加工 は CADで な され るが,図 形の情報 は ヨ ンピ
ユ ー タ に よ りNC加 工 情 報 に 変換 され,こ れ が
CAMに イ ンプ ッ トされて,自動加工が行われ る。最
近 ヨンピュー タのパ ター ン認識技術 が発達 し,ス キ
ャナーで読 み込 んだ イメー ジ情報 (点の集 まり,ラ
スター デー タ ともい う)を ベ ク トル情報 (図形 は座
標,長 さ,角 度 な どを持 ってい るもので,ス トロー
クデー タ ともい う)に 自動変換することが出来 るよ
うにな り,イ ンプ ッ トのス ピー ドアップが実現 して
859
CIMが 形作 られ て ゆ くわ けであ る。 CIMの 代 表 的
な モ デ ル を図 2に 示 す。
また CIMの 現状 での構成 の例 を図 3に 示 す 。
それ で は この CIMの 狙 い は何 なの で あ ろ うか 。
10.アパ レル産業 における自動化
ふК 、R十
ふ八 半 ∞
︹
.
ふ A ヽゆ側 0
s
.
ト ハ や0 ∞
食ト ート判 騨
鰹
帽 ワ籟
一
ヽ 卜 ヽ 小ヽ ハ 十 1 卜
ふハヽ
一
ト
ふ卜、卜いへ
.
ふК ▼ト ト ハ ヽゅ ”
︱ く ︱ ト ミ 半トト
、
一
ふハ ヽ
卜 ふ 半卜心ヽ
︱ 卜 八 甲妊 ば翌 対
とヽ 甲ヽ 同三 OG騨 H磐球黙鯉 守図
ヽ ヽ い 卜 末
綬 選 ≧ oH ミ讐 難 認 鰹
ー
ー
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t
ユ
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コ 、ロト
.
ふ ハ ヽい ”
ふK ゃR,
軽 ば 赳 ふ卜> 、
=ホ、早ロト 区 赳
ー
一
860
5,アパレルFA
・
多品種 少量短 サ イ クル生産対応 のため, ク イ ッ ク
レスポ ンスの 実現 の ため, 非 熟練 化 を図 るた めで あ
り, 生 産 の トー タ ルの 合理化 を実施 す るため で あ る
とい う。 そ して コンピュー タ技術 の発達 は C I M の 実
現 を可台ヒとす る ところに きて い る とい うの が専門 家
の一 致 した見解 で あ る。
ー
通産省 の 自動縫 製 システムの開発 で は ト タル シ
ステム として C I M の 開発 が 組 み込 まれ て い る とい
ー
えるので あ ろ う。今 後 は ヨ ロ ッパ , ア メ リカ そ し
てわが 国 が C I M 開 発 で しの ぎ を削 る こ とに な る と
思 われ る。C I M 開 発 のオ リンピ ックの様相 を呈 して
きた とい え る。アパ レル産 業 で は1 9 8 8 年開催 の I M B
は , F a b r i c s を 素 材 とす る F A で あ る。
次 にアパ レル は フ ァッション性 の強 い商品 で,頻
繁 にデザイ ンが変 わ ることか ら,そ の生産 は多品種
少量生産 とな り,フ レキ シブルでなければな らない。
これは FMSが 要求 され る とい う ことで ある。 そ し
て工場 オー トメー シ ョンの意味 でのアパ レル生産 の
FA化 の必 要性 は,脱 労働集約 の観点 か ら強 い もの
となってい る。
この ようにアパ レル FAは ,工 場 として Factory
の F,乗 らか い素材 を対象 にす ることか ら Fabrics
の F,そ して Flexible生産 の Fの 三つの意味 を含む
もの となってい る。 そこでアパ レル FA技 術 は,F3
パ
ケ ル ン メ ッセで ア パ レル C I M が 出現 す るに至 った。 A技 術 で あ ると称 してい るわけである。表 1に ア
′
レル FAの 特 性につ いて まとめて い る。
前 ペ ー ジの 図 4 は 縫 製準 備 加 工 段 階 の C I M の 例 を
不 して い る。
5。2ア
5.ア パ レル FA
パ レ ル FMS
は フレキシブル (柔軟)製 造 システムの こ
とで,多 高短少生産すなわち多品種高感度短サイク
ル少量生産 に対す る生産 システムで あるが,こ のた
FMSと
5.1 ア パ レ ル FA l支 御予は F3A守 支術
現在 の FA技 術 は硬 い材料 の製品の組立作業 に対
す るもの として発展 して きて い るとい える。繊維産
業 では対象の材料 が柔 らか い性質 を持 つ点 が特徴 で
あ り,材 料 の位置決 めが難 しい ものであ る。 アパ レ
ルでは繊維製品 としての織物,編 物,そ して不織布
等 の生 地 (Fabrics)を材料 として,裁 断 し,縫 製
し,組 立 し,仕 立 てる作業 であるので,FA化 はきわ
めて困難 となって い た。 この ようにアパ レルの FA
エの多機能性 を持 ち,そ れ らの機能の変換 を
めにカロ
行 うことがで きる自動加工機械,運 搬機能 やス トッ
ク機能 を行 う自動 マ テ リアルハ ン ドリング設備 や自
ー
動倉庫,及 び これ らの装置 を制御す るコン トロ ル
システムにより多品種生産 を行 うように構成 された
システムで ある。特 に各要素 の機器 はフレキ シブ リ
テ ィを持 たせ ることで,多 様 な加工の生産 に対処す
るようになって い る。わが国では自動縫製 システム
のプ ロジェク トにお いて研究開発 が進 め られて い る
Pa‖et storage
intermediate
storage
図 1 代 表 的FMSの
レイア ウ ト (イ ギ リス Applyed Ergonomics誌
の 図 よ り)
10.アパ レル産業 における自動化
表 l FAで のハ ー ト素材 とソフ ト素材 (アパ レル)の特性比較
― ドFA
素
材
団
ソ フ ト FA
体
備
考
柔軟体 (Limp FabHcs)
フアッシ ョン
生
産
内
容
中 品 種 中 量 生 産
多 品 種
製
造
仕
様
客
現
主 観 的 ( 感性 的) 表 現 多 し
寸
法
精
度
度
低
位
置
決
め
容
易
困
工
状
態
加工 対 象平面状 が 多↓
立
面
分
加
生産の場合、
特 に激 しい
ア パ レルの
場合
体 (相 貫体 も)
敏 捷 が 要 求 さ れ る
単
位
以
上
秒
単
多
多
工
変
形
極
品
質
水
準
不
め
位
アパ レルの
場合
アタヾレルの
gr単 位
表 面、 裏 面 の
時
象
速
表 面、側 面、裏 面 の 各 面
経
度
難
低
血ヽ
し
精
的
kgr以 上
ワ ン クラ ンプ 加工工程
裏 返
産
戦
ヽン ド リ ン グ 重 量
工
表
生
一
品
ピッ チ タ イ ム
的
精
作
動
観
少 量
場合
2 面
有
て
大 き い もの が 少 くな し
途中で戻 った
り、曲 った り
がある。
欠点 も差支 えない範囲で使用
地 の 生産 は無
欠点 の な い生
良
不
可
理
準
標
デ
企
ザ
業
整
イ
投
不
充
イングス トリアルデザ
イ ングス トリアルデザ イン
イン
自動化設計
自動化設計
ン
資
備
力 縫 製
に
エ ン ジエ ア リン グ
比
し
分
遅れ
アパ レルの
場合
アパ レルの
場合
大
大
不
充
分
大 学 にア パ レ
ル エ ンジエ ア
リン グカ甘
ない
エ
ン
ジ
エ
ア
グル ープ テ ク ノロ ジー
多
過
用
が,こ こで はイギ リスで示 され る代表的 FMSの
少
効
果
とい うよりも,む しろ里帰 りとい うべ き展開 とい え
るものである。 それだけにアパ レル生産 のオー トメ
ー ション化 は本質的 に
馴染みの よい ものである筈 で
ある。表 2に FA技 術の発達 と,ア パ レル技術 の分
野でのアパ レル FAの 進歩の経過 を示 してい る。
1970年代 に コンピュー タ制御 の本格的時代 に入 り,
以来機電一体,メ カ トロニ クス といわれ る目覚 まし
い発展 とな り,ア パ レル FAの 研究開発 も1982年度
レ
イアウ トを図 1に 示 して参考 とす る。
5。3ア
大
短 サ イ タル で適 用 が 容 易で な
パ レ ル FA
アパ レル FAへ の道 中 は長 くて険 しい。冒頭 にテ
クノロジーのル ー ツが繊維産業 であると述 べ たが,
アパ レル FAと い うハ イテクは新 しい領域 への進 出
862
レFA`
5 ア パ レタ
表 2 FA技 術 とアパ レル技術の発達経盤
造
技
年代
製
1600
パ ンチカー ド織機
産業革命 (機械作業)
中 ぐり盤,金 属加工鹿盤
1801 パ ンチカー ド ・ジャカー ド機構
ミリングマ シン,プ レーナー
1760
組立 ライ ン原理
万能 ミリングマ シン,円 衛研削盤
1 9 1 0 コンペ ア組立 ライン
1915
1903
1967
1970
理
技
(英)モ リンズ社 「システム24」
オムニ コン トロール システム
ア パ レル 技 術
術
機械 式計野機
国富論 (分業の すすめ)
針 (先端 に メ ド)
自動計算の原理
資材管理
パ ンチカー ド作成計算機
科学法管理
ガ ン トチャー ト
自動旋盤
労動報酬 の システム
自動ネジ切 り盤、ホビングマ シン
能率の12原則
多軸 自動旋盤
在庫 モデル
高速度鋼工果
の一般原理
統制
トラ ンスフ ァーマ シン
究 (動作経済原理)
動作研
グル ープテ クノロジー
ホー ソン実験
ー
ー
デ トロイ ド・オ トメ シ ョン
ゲー ム理論
自動車 ビス トン製造 トラ ンスフ
QC
ァオー トメー シ ョン
ワー クサ ンプ リング
プロセス・
オー トメーション(PA)
WF,
HR
プ レーパ ック ・マニ ピュレー タ
リレー計算機
特許
OR
NC言 語APT開 発
自動 シー ケ ンスー制御計算機
マ シンニ ングセ ンタ(MC)
ス トアー ドプ ログラム計算原理
工業用 ロポッ ト,ユ ニ メー ト
MAPI
適応制御 ミリングマ シン
ENIACコ ンピュー タ
炭素抵抗器製造 ヨンピュー タ
LPの シンプ レ ックス法
制御 オー トメー シ ョン
サ イパ ネテ ィッス
ー
サ トラ ン
エ業用 ロポ ッ ト,パ
EDSAC
CAD… コ ンピュー タグラフ ィッ
SPLI場 設計法
クス
ダイナ ミックプ ログラ ミング
・
・
DDA・ P.A.の直接デジタル制御
cPM, PERT
EXAPT… NC言 語
MIS
DNC… NC群 管理
サブ レ, オ ンライン, リアル タ
イム システム
I B M 3 6 0 万能電子 コンピュー タ
自動サ イクル ( 限定的)
製靴 自動化試作
(USMC)
パ ンチカー ド式裁断法特許
単動台 と単独モー タ
維製 シンクロシステム
ミシンの高速化
縫製作業補助果
ステ ッチの体系化
シームの体系化
縫製のパ ン ドル システム
ロー タ リー トラ ンスフアプ レス
トラ ンスフ ァス トリー トマ シン
(シャツ前立維 オー トメ)
芯地接着
縫製 メカナ イゼー シ ョン
ロングシーマ, ダー ツシーマ
シ ョー トシーマ,ポ ケ ッ トセ ッ
タ.エ ッジシーマ,ウ エル トシ
ーマ, 自動糸切 リミシ ン
布 のマテハ ンRINK試 作
シンガー システム2,000研究
パ ー ツスタッカ,ハ ンガー ヨン
ペヤ
グル ープ コン トロール システム
自動車車体熔接 ロポ ッ トライン P I C S 生産管理 システム
OA
I MRP
1971
1981
管
術
自動 ポタン付 システム
NC裁 断機 出現
NCミ シン出現
ミシン用 ロポ ッ ト開発
エ ッジヨン トロール シーマ 発表
中小企業事業団マ テハ ン開発
ア″ヾレルCAD
アパ レルCAM電 子パ ター ン
シーマ
ファナ ックF虹 場
EPROM装
1984
1985
FAブ ーム (機械加工,家 電 自動
車の業界か ら)
1986
1988
備マ イコン ミシ ン
自動縫製 システムの開発開始
トー タル生産性 に関心
1982
FMSの 発展
CAPと CAD/CAMで
CIM指 向
クイック ・レスポンス打出される
アパ レルCIM提 唱,実 器対応型
強 まる
1管勤匙盆 5女 宮 晏の開発終 了
1990
863
10,アパ レル 産 業 に お け る 自動 化
く S 卜 官 ︱ ”ヽ ミ ト 小 や さ ト
ド守
さ
︺
も
X
ガ
輪
ふぐ
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マ/
86イ
6 . アパ レル生産の方向
か ら通産省工 業技術 院 の大型 プ ロ ジ ェ ク トに
「自動
縫 製 システム 」 技術研 究 開発 が採択 され ,大 掛 か り
な研究 が進 め られ てお り,F3A技 術 の確 立 に 向 か っ
一
て い る。 図 2は 自動縫 製 シス テ ムの概 念 図 の 例 で
この よ うな観 点 か ら昭和 63年 11月通産 大 臣 に答 申
された新繊 維 ビジ ョンにお い て も 「
実需対 応型供給
システム」 を目指 す べ きで あ る として い る。 この 実
需対型応供給 シス テ ム はア メ リカで は クイ ック ・レ
あ る。
アパ レル FAへ の 研究 開発 はア メ リカで は (TC)2
われ て い る コンセ プ トで あ る。 これが 実現 のた め に
スポ ンス の理 念 で21世 紀 に向 けて実現 へ の 努 力 が 払
は,ハ イテ クに よる こ とが必 要 で ,そ れ は図 1の よ
《
うに DIA Sence"と して示 す こ とがで きる と考 えて
い る。 は
DIA Sence"の 意味 として は次 の よ うに考 え
研究財 団 が 自動縫 製 システム ライ ンの 開発 に 当 た っ
て お り,ま た ヨー ロ ッパ ECで は BRITE計 画 の技
術 開発 に取 り上 げ られ て 研 究 が 進 め られ て い て,
日 。米 ・欧 の 先進 国 ・圏 で 開発 に しの ぎが 削 られて
る。 す なわ ち,
・
…………Deコnass Productionの こ とで ,脱 量
D・・
い る。 わが国 の研究 開発 が 規模 も大 き く,一 歩先行
産 化 を意味 す る。 多品種 少量短 サ イ クル 生産 のた め
の コンパ ク ト製造装置 としてハ イテ ク小型設 備 (段
して い る こ とは,平 和 国家 の研 究開発 として,わ が
国 に とって好 ま しい こ とで あ る と考 え られ る。
取 り時 間 の短 い 自動装置)が 指 向 され ,こ れ に よっ
て繊維業界 の体 質 が根本 的 に消費 者指 向 とな り,実
6 . ア パ レル生産 の方 向
需対 応型体制 に再構 築 され る。
・
……………・
Information Networkの
I・
業 間 ネ ッ トワ
ー ク としての POS,VANが
該 当 し,繊 維業界 の デ
ー タベ ー ス として繊維 リソー スセ ン ター の設立 が 進
6.1生 産環 境 の変化
わが 国 は成熟 化社会 の 中 で ,消 費性 向 も大 き く変
め られ て い るので ,繊 維業界 の情報 化 へ の貢 献 が 期
化 し,商 品 の物 的価値 よ り情 報価値 が 求 め られ る世
の 中 とな り,欲 し くな い もの は持 とう としな い し,
待 され る。
……・
・
…・
Automated System Hlfの こ とで ,
A・…・
要 らな い もの はタダで もい や だ とい う時代 で あ る。
円高 に よって低 コス ト品 の輸 入 が激 し く,国 内生産
,ア パ レル 産 業 の 縫 製 自動 化 が
該 当 し,縫 製 自動化 は通産省 工 業技術 院 の 大型 プ ロ
ジ ェク トとして縫 製 CIMを 目指 す 自動縫 製 シス テ
繊維 産 業 の FMS化
へ の影響 が 懸念 され て い るが ,国 内市場 は消費者 の
欲 す る商 品 を短 サ イ クル で供 給 す る こ とで ,NIES
製 品 と棲 み分 けで きる と考 え られて い る。
ム の研 究開発 が 行 われ て い る (図2)。
Demass ProducttOn
Sence Link
(脱 マスプ ロダクション)
( 感1 生
伝達 )
卜製
人 間生活 工 学研 究
(小型 ハ イ テ ク装 置 )
今 後 の生産の 実需対
応 型体制 の 実現
自動 縫 製 シ ス テ ム
繊維生産 のFMS化
information Network
こ とで ,企
業 内 ネ ッ トワー ク として の LAN,企
Automated System
この結果 と してアパ レ
ル産業 の年間 3 兆 円 も
の小売業界 にお け る売
れ残 り品 の値 引 き損 の
2 / 3 を セ ー プす ること
も可能 。
図 1 実 需対応型供給 システム実現の要因図
865
10.アパ レル産業 における白動化
/
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、 鈍 リ
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︱K ホ 韓 韓 黙 眠 壇 預 知 二ヽ い や襲 磐 G ヽ 卜
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0国
866
6 . アパ レル生産の方向
… …,Sence Linkの こ とで,消 費者 と生産
Sence・・
者 との 間 の感性伝達 の産 業 リンケ ー ジの構築 が 期待
′
され てい る。 そのた めの基 礎 工 学 として,人 間生 活
産 も夢 で はな くな る と思 って い る。 しか し,人 間 が
工 学 の研究計 画 が 進 め られ る こ とが必 要 とされ て い
時 間 の人 間 の 労働 に機械 も合 わせ て稼動 させ る とい
る。
うので は,今 後 経営 は困難 とな る。 この 打開 も考慮
アパ レル産 業 を先頭 として,繊 維産 業 の今後 の 実
《
需対 応型体 制 に転換 し, ハ イテ ク DIA Sence"に よ
され な けれ ばな らな い。 8時 間 の人 間作業 に対 して,
生 活 す るた めに は働 か な けれ ばな らな いが ,休 日の
多 い労働 時 間 で あ る こ とが 要請 され て い る。1日 8
隣 械 作業 は24時 間 で 経営 が 成 り立 つ よ うにな ろ う。
アパ レル FAの テ クノ ロ ジー はアパ レル 業界 もよ
って新 しい展望 を切 り開 くこ とが で きる と考 え られ
る。特 に 円高 に よ り人件 費 の安 い 国 との競合 に対 し
て は,労 働 集約 的作業 で は完敗 とな るので ,自 動化
生産 に よる こ とにな る。短 サ イ クル に対 して , 1日
24時 間 の作業 となれ ば,生 産期 間 を 3分 の 1と す る
くな り,労 働 者 もよ くな る とい う方 向 が 目指 され る
べ きで ,こ れ を業界 に夢 とロマ ン を もた らす もの と
して,「 テ クノ 。ロマ ン」 と表現 し,FA24時 間作 業
の方 向 で あ り,一 方 ,作 業 を通 じて人 間 のた めに も
マ ン」 とす る心構 え
な る意味 を込 めて,「 テ クノ ロ ・
道 も開 ける。 これ も人 の 作業 で は 1日 8時 間 で ,し
か も労働時 間短縮 の 中 で生産 は 自動化 しか な い わ け
で進 みた い と思 って い る。特 に従業員 の 高齢 化 の進
で あ る。現 に解決 を迫 られ る従 業員 の 高齢化 に,人
行 に対 して,デ ザ イ ンの倉J造性 を補 完 す るアパ レル
間作業 を補 完 す る 自動化技術 の適 用 が期待 され る。
デザ イ ンシス テム,作 業 を補 完 す る縫製 ロ ボ ッ トや
高齢 管理者 を補 完 す るアパ レル 生産 エ キスパ ー トシ
21世 紀 を 目前 に して,生 産 も大 きな改 革 が 必 要 で
あ り,こ れ まで に進 展 して きた CAD,CAM,CAP
が イ ンテ グ レー トされ て CIMを 構 成 し,更 に24時
ステ ム の 開発 が 期待 され る。
間生産 ヘ ロ ボ ッ トに よる 自動化生産 とな る こ とが望
さて,そ の次 に21世紀 で生産上 で テ ー マ とな るの
は何 で あ ろ うか 。私見 として,そ れ を生産 の マル チ ・
まれ る。特 に縫 製 工 場 は強度 の 労働 集約 作業 の 中 に
レス ポ ンス (Multi一Response)で あ る と考 えて い る
あ り,そ の設 備 も低 装備 で あ るだ け に,こ の 方 向 は
大変革 を意 味 す る。 しか し,コ ンピュー タはパ ソ コ
ので あ る。 それ は人 間生活 の 消費 の 多様 化 に本格 的
ン となって家庭 に広 く浸透 す るに至 り,縫 製 工 場 の
導入 に抵抗 が な くな った。
今後 はホ ー ム オ ー トメ ー シ ョンの進展 と共 に,寝
に,か つ文化 的 に生産 面 で対応 す る こ とを意味 す る
もので あ る。 これ は また ,わ が 国 が 国際 的 に生産 の
面 で貢献 す る こ とに もな る道 で あ る。
た き り老人 の 介添 い ロ ボ ッ トや主婦 の家事 を補 完 す
間近 に迫 った21世紀 の生産 の あ り方 を研究 す る こ
る家事 ロ ボ ッ トの 普及 が 進 めば,縫 製 工 場 へ の縫 製
ロ ボ ッ トの 導入 も無 理 が な くな るわ けで ,国 内生産
とが ,CIMの
今後 の方 向 を も浮 か び上 が らせ る こ と
にな る もの と思 って い る。
の生 き残 りの方 向 として ,縫 製 工 場 の FA24時 間生
(河内保 二 )
86/
CIM/FA事
初 版
1 9 9 0 年1 1 月1 1 日
定 価
2 8 , 8 0 0F 可
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編 集
CIM/FA事
発行人
平
発行所
株 式会社産業調査会
典 編 集委員会
野 陽 三
事典出版 セ ンター
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製本所
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⑥ 1990 SANGYO CHOSAK用
典
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