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活動事例・活動報告 - 吹田市社会福祉協議会

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活動事例・活動報告 - 吹田市社会福祉協議会
平成 20 年度
CSW(コミュニティ・ソーシャルワーカー)
活動事例・活動報告
― 目 次 ―
・はじめに
(P 1 )
・CSW(コミュニティ ・ ソーシャルワーカー)とは
(P 2 )
・平成 20 年度 CSW 活動事例
(P 3 )
事例1 精神障がい者の生活支援
事例2 自閉症の中学生のクラブ活動を支援
事例3 ホームレスから安定した生活に向けての支援
事例4 外国人女性の通院支援
事例5 子育てに不安を抱えた母親への支援
事例6 食事づくりに困っている高齢者への支援
その他 ・経済的な不安がある高齢者世帯への支援
・民生・児童委員宅へ避難してきた高齢者への支援
・入院を控えた子育て中の家族への支援
・親子で精神疾患があり生活保護を受給している世帯への支援
・立ち退き要求されている一人暮らし高齢者への支援
・「ゴミ屋敷」状態の一人暮らし高齢者への支援
・CSW と連携した専門機関一覧
(P18)
・平成 20 年度 CSW 活動報告 ― 資料編 ―
(P19)
・平成 20 年度の CSW 活動を振り返って
(P24)
吹田市社会福祉協議会
社会福祉
法 人
は
じ
め
に
吹田市社会福祉協議会 会長 影 山 義 紘 近年、少子高齢化や核家族化、また地域住民同士の支え合いの脆弱化が進む中で、地域社
会ではひきこもりや自殺、虐待、ホームレス、孤立死など深刻な問題が山積みされていま
す。それらの中には、公的な福祉サービスだけでは対応が難しいケースや、サービス情報の
理解・活用が困難なために自ら問題解決に向かうことができずに潜在化してしまっている
ケースも数多くあります。
これらの地域における複雑多様化した問題の解決を目的として、吹田市社会福祉協議会
では平成18年度からCSW(コミュニティ・ソーシャルワーカー)を市内に配置いたしまし
た。CSWは既存の制度・サービスをつなぎ合わせて複合的な福祉問題を解決したり、地域
住民とさまざまな関係機関とのネットワークづくりを促すなどして問題解決に尽くします。
また、従来から当会が推進してきた地区福祉委員会による「小地域ネットワーク活動」を支
援することで、潜在化した個別の福祉課題の掘り起こしにつなげています。
当会ではこの3年間で計画的にCSWを増員し、平成20年度は市内に13名の配置をいた
しました。より多くの困難ケースに対応し、またそれぞれのケースに対してさらにきめ細
かな対応ができるよう、地域住民や福祉関係機関とのネットワークを広げながら日々奮闘
しております。
このようなCSWの活動を少しでも多くの地域住民に知っていただき、活用していただ
くことを願って、この「CSW活動事例・活動報告」を作成しました。これからも、地域
のみなさま方とともに「誰もが安心して暮らせる住みよいまちづくり」を目指し、活動の
さらなる発展を図ってまいりますので、今後ともご支援、ご協力の程よろしくお願い申し
上げます。
平成21年5月 1
2
平成 20 年度
CSW活動事例集
事例1 精神障がい者の生活支援
事例2 自閉症の中学生のクラブ活動を支援
事例3 ホームレスから安定した生活に向けての支援
事例4 外国人女性の通院支援
事例5 子育てに不安を抱えた母親への支援
事例6 食事づくりに困っている高齢者への支援
その他 ・経済的な不安がある高齢者世帯への支援
・民生・児童委員宅へ避難してきた高齢者への支援
・入院を控えた子育て中の家族への支援
・親子で精神疾患があり生活保護を受給している世帯への支援
・立ち退き要求されている一人暮らし高齢者への支援
・「ゴミ屋敷」状態の一人暮らし高齢者への支援
3
事例1 精神障がい者の生活支援 関係機関: 府社協・社会貢献支援員 精神障がい者事業所 市・生活福祉課 市・障がい者くらし支援室
日常生活自立支援事業
相
談
精神疾患があり、仕事が長続きしないため、生活費に困っている。継続的に就業し、自立
した生活をしたい。
対 象 者
精神障がいを持つ無職の30代男性。多額の借金を抱えている。同居の兄も精神疾
患があり、生活面・経済面共に対象者への援助は望めない。
依 頼 者
府社協・社会貢献支援員より相談。府社協「社会貢献事業」で食料の支援を行っ
ているが、生活基盤を安定させ、自立した生活ができるよう支援体制を作りた
い。
概
相談内容
要
相談時に
関わっていた
関 係 者
-
-
-
-
<府社協・社会貢献支援員による支援>
食料の支援。障害者年金の受給に向けた援助を行なう。
【府社協・社会貢献支援員に対するCSWの支援】
CSW は生活状況を把握し、必要時に食料支援につなげる。
対 象 者 に 対 す る 支 援 内 容
<精神障がい者事業所による支援>
就労と生活の安定のために必要な情報とサービスを提供。
【精神障がい者事業所に対するCSWの支援】
対象者と面談を繰り返し、意思を確認しながらサービスの利
用につなげる。
<市・生活福祉課、市・障がい者くらし支援室に
よる支援>
生活保護費と障害者年金の支給。精神障害者手
帳の交付。
【市・生活福祉課、市・障がい者くらし支援室に
対するCSWの支援】
制度の利用につながるように支援
<日常生活自立支援事業による支援>
日常の金銭管理。
【日常生活自立支援事業に対するCSWの支援】
日常生活自立支援事業のサービス利用につなげる。
支 援 結 果
生活保護や障害者年金を受給できることになり、安
定した収入を得ることができた。
借金もあり、自力では生活費の管理が困難だったた
め、金銭管理サービスの利用につなげた。
自立するための就労訓練や、自炊などの生活支援を
精神障がい者事業所から受けることになった。
4
精神疾患があり、仕事が長続きしないため生活費に困っている対象者に、食料支援をしている。
継続的に就業し、安定した生活をするための支援をしてほしい。 府社協・社会貢献支援員、精神障がい者事業所職員、CSW が訪問し、対象者の状況を確認する。
今後の支援方法について整理する。
事例2
② 本人宅を訪問。
事例1
① 府社協・社会貢献支援員から CSW に相談が入る。
③ 生活保護の申請を支援。
④ 精神障がい者事業所の見学に同行し、サービス利用を支援。
⑤ 日常生活自立支援事業のサービス利用開始。
金銭の管理が難しく、多額の借金の返済と生活費の管理をしてもらうため、日常生活自立支援事
業につなげる。
事例4
⑥ 障害者年金の受給開始。
CSW が障害者年金の申請に同行する。後日、支給が開始される。
⑦ 転居の支援をする。
生活保護費で支払える家賃で、作業所や日常生活自立支援事業所に近い物件への転居を支援する。
精神状態が不安定な時は、定期的な受診ができない、作業所に通えない、生活費の範囲内での生
活ができないなどの課題が出てきた。対象者宅に訪問し、CSW、精神障がい者事業所職員、日常
生活自立支援事業担当職員と支援方法を検討する。
検討の結果、安定した生活をするために、CSW が主治医と連絡を取り定期的に受診できるよう
支援する。また、障害者自立支援サービスの申請をし、ヘルパー利用につなげる。精神障がい者
事業所が就労支援に加え、生活支援のサービスも提供するように調整する。
事例の振り返り・担当者が感じたこと
対象者は精神疾患があり、人との関わりが苦手なため仕事が長続きしない。しかし「就労して自立した生
活を送りたい」という意志があったため、それぞれの条件を整理していくことで比較的スムーズに支援のネッ
トワークを広げていくことができた。
・市・生活福祉課による生活保護費の給付
・市・障がい者くらし支援室による障害者年金の給付と自立支援サービスの認定
・精神障がい者事業所による就労に向けた訓練と生活支援
・吹田市社協の日常生活自立支援事業による借金返済と生活費などの金銭管理
・府社協・社会貢献支援員による緊急時の食料の支援
CSW は、このネットワークの中心で対象者と課題を整理しながら、総合的なコーディネートと新たな課題
についても再整理するという支援を行うことができた。 5
その他
⑨ 主治医による受診や障害者自立支援サービスの利用を支援する。
事例6
⑧ 支援内容の見直し。
事例5
事 例 概 要
就労支援を行う事業所(作業所)を数か所見学し、サービス利用につなげる。
事例3
CSW が生活保護の申請手続きに同行する。後日、支給が開始される。
事例2 自閉症の中学生のクラブ活動を支援 関係機関: 学校 福祉委員 地域ボランティア
相
市・障がい者担当ケースワーカーより相談。支援学級に在籍している中学生が、文科系ク
相 談 内 容 ラブへの入部を希望している。クラブ活動をするには支援(付き添い)が必要だが、学校
による個人支援はできないため、ボランティアで支援ができないか。
談
公立中学校に通う中学生(知的障がいを伴う自閉症がある)と、その家族。
依 頼 者
市・障がい者担当ケースワーカーが対象者の家族から相談を受けCSWに依頼。
概
対 象 者
要
相談時に
関わっていた
関 係 者
-
-
-
-
中学校
対 象 者 に 対 す る 支 援 内 容
<中学校による支援>
校長・クラブ顧問・支援学級担任
がボランティアによる付き添いの
必要性を理解。また、他の部員に
もボランティア活動を説明。
【中学校に対する CSW の支援】
付き添いボランティアの目的を伝
え、理解を求める。
<家族による支援>
活動日・活動内容を学校側と調整
し、毎月 CSW に連絡する。
家族(対象者)
【対象者に対する CSW の支援】
ボランティアを探すため、福祉委
員に相談する。
ボランティア
<ボランティアによる支援>
クラブ活動の付き添い。
【家族に対する CSW の支援】
活動日を確認。福祉委員へボラン
ティアの日程調整を依頼。
CSWの支援
<福祉委員による支援>
ボランティアの日程調整を行う。
【ボランティアに対する CSW の支援】
母親との中継役として支援する。
【福祉委員に対する CSW の支援】
家族からの日程を伝える。家族・
福祉委員・ボランティアの情報共
有を行う。
福祉委員
支 援 結 果
対象者にボランティアが付き添うことに対して学校・ク
ラブの部員は協力してくれている。
また CSW が関わることにより関係機関との連絡なども
スムーズに行え、現在も引き続き支援中。
6
市・障がい者担当ケースワーカーより「障害者自立支援法のサービスを利用中の中学生(自閉症
事例1
① CSW に相談が入る。
があり支援学級に在籍中)の家族から『クラブ活動(文化系)をしたい』との相談を受けたが、
付き添いができないか」と相談があった。
② 対象者宅を訪問。
事例2
自立支援法のサービスや、学校によるクラブ活動への支援はできないため、ボランティアによる
対象者の希望を確認する。母親は小学校の支援学級に在籍している弟の登下校の送り迎えがある
いて説明し、理解を得る。
③ ボランティアを募集。
対象者居住地近くの福祉委員に相談。福祉委員は付き添いボランティアを快諾し、
「他にもボラン
ティア活動をできる人がいるか探してみる」と協力してくれることになった。
事例4
④ 対象者(本人と両親)・学校・ボランティアで顔合わせ。
両親・学校側に複数の付き添いボランティアが関わることを説明し、了承を得る。また、両親か
ら本人の紹介や付き添いボランティアへの要望を聞き、今後の調整方法などの打ち合わせを行う。
双方の希望により CSW が対象者家族とボランティアとの中継役となる。
事例5
事 例 概 要
事例3
ため付き添えない。クラブ活動に付き添えるボランティアの派遣を希望。ボランティア活動につ
⑤ CSW は、ボランティアと対象者との中継役として支援。
整を依頼する。また、福祉委員より調整された予定を母親へ伝えるなど、対象者とボランティア
との中継役として支援。
事例6
CSW は次月のクラブ活動の日程を母親から連絡してもらい、福祉委員にボランティアの日程調
⑥ ボランティア活動を開始する。
活の教室まで付き添い、クラブの活動内容に沿って本人に説明や補助を行う。クラブ活動終了後、
母親もしくはガイドヘルパーに引き継ぎ、ボランティア活動を終える。
事例の振り返り・担当者が感じたこと
クラブ活動を支援することで本人が得意な部分を活かして楽しみながら取り組む時間ができたこと、また
地域とのつながりが作れたことは、本人がこれから生活していく上で重要な意味を持つと思われる。
CSW が学校側にボランティア活動の内容や支援について説明し、理解を得られたことで、ボランティア
がスムーズに受け入れられた。
また、CSW が対象者家族と福祉委員・ボランティアとの「中継役」を担うことで、双方が意見や希望を
CSW に伝えるなどコーディネートを行った。
7
その他
毎回 1 ~ 2 名のボランティアで付き添いを行う。ボランティアは、本人と一緒に支援学級から部
事例3 ホームレスから安定した生活に向けての支援 関係機関: 市・地域包括支援センター 府社協・社会貢献推進室 市・生活福祉課 吹田保健所
民生・児童委員 在宅介護支援センター
相
民生・児童委員から「ホームレス状態の高齢女性がいる」と相談。12 月で寒い日が続く中、
相 談 内 容 雨風が全くしのげない場所で座り込んでいる。市役所などはこの状況を知っているのか不
安に思っている。
談
一人暮らしの 70 代女性。以前から精神的に不安定になることがある。雨に濡れ
ることは不快だが、現在の状況(ホームレス状態)に不便は感じていないため、
場所の移動は拒否している。
依 頼 者
民生・児童委員。対象者の健康状態が心配で何度か様子を見に行っているが、ど
の様に関わっていけばよいのか、誰か関わりを持ってくれている人がいるのか不
安に思っている。
概
対 象 者
要
相談時に
関わっていた
関 係 者
-
-
-
-
<民生・児童委員による支援>
見守り声かけを行う。
【民生・児童委員に対する CSW の支援】
一緒に訪問。関係機関による見守り体制がある旨、伝える。
対 象 者 に 対 す る 支 援 内 容
<市・地域包括支援センターによる支援>
家族と連絡を取り、精神疾患が大きく影響していると思わ
れるため、保健所へ相談するように助言。
【市・地域包括支援センターに対する CSW の支援】
巡回訪問時の情報を提供する。
<府社協・社会貢献推進室による支援>
巡回訪問し毛布の差し入れ等を行う。家族と連絡を取り、
受診までのフォローと生活していた場所の掃除・片付けを
する。
【府社協・社会貢献推進室に対する CSW の支援】
巡回訪問時の情報提供。掃除・片付け協力。
<家族による支援>
食事や金銭を渡すために訪問。体調を心配し受診を勧める。
【家族に対する CSW の支援】
巡回訪問時の情報提供。生活場所の物品整理・保管に協力。
支 援 結 果
対象者は入院を強く拒否していたが、以前統合失調症を患っ
ていたことがあり、医師の巡回訪問で治療が必要と判断され
る。家族、吹田保健所、府社協・社会貢献推進室で、対象者
に精神科受診を勧める。受診の結果、保護入院となった。
8
それぞれの機関で見守りの巡回訪問を継続したことにより、体調面や生活環境を共に立て直す機会となった。
CSW は、それぞれの機関が持っている情報を把握することで、ホームレス対策支援と精神疾患での医療
面の支援をつなげる役割を担い、これからの対象者の生活の方向性も共通確認できた。
全体での情報交換の場は持てなかったが、分野ごとに得意とする支援を活かしたネットワーク作りを
CSW として支援できた。
9
その他
事例の振り返り・担当者が感じたこと
事例6
⑦ 病院に入院。
受診の結果、保護入院となる。野宿していた周辺の片付けや荷物は家族と府社協・社会貢献推進室、
CSW が分別し、処理業者に連絡する。対象者の使用していた物品を一時的に吹田市社協で保管し、
後日家族が取りに来る。
事例5
⑥ 病院の受診を勧める。
ホームレス状態となってから約 1 ヶ月が過ぎ、精神面での悪化も考えられるため、精神科の受診
を勧める。吹田保健所の支援により、医師の巡回訪問が可能となるが、対象者は受診を拒否する。
家族は受診に関して対象者の意思を尊重している。 受診の結果次第では入院治療も考えられるが、家族が精神病院への入院に不安をもっているため、
一度病院の見学に行ってもらう。家族の不安を取り除いた上で対象者へ受診の声かけをする。
事例4
⑤ CSW による継続した訪問を開始。
本人は、天候(雨)以外は現在の生活に満足しているようで、移動する気は全く無い様子。近隣
住民も季節がら対象者の体調やタバコのボヤ(拾ってきたタバコを吸っている)の不安があり、
しばしば様子を見に来て声をかけている。
食事に関しては、家族が対象者の様子を見に来た際に、お金か食品のどちらかを置いて帰っている。
CSW 訪問後は、体調面等の様子を関係機関と情報共有する。
事例3
事 例 概 要
③ 民生・児童委員に連絡。
対象者については、市・地域包括支援センター、在宅介護支援センター、吹田保健所が把握し、関わっ
ていることを民生・児童委員に伝える。また、
状況を把握するため、
民生・児童委員と一緒に訪問する。
対象者は毛布やテントを持っているが、
「使わない」と言いビニールにしまい込んでいる。12 月
ということもあり極寒の日が続き、体調面も不調。つじつまの合わない話をするなど、見守り・
声かけが必要な様子。
④ 情報収集を行う。
訪問後、ホームレス対策担当の府社協・社会貢献推進室に今までの経緯を伝え、対応策を尋ねるが、
すでに関わりがあるとのこと。市・生活福祉課も訪問していることが分かる。
また、市・地域包括支援センターによると、家族(別世帯)は、週に 2 ~ 3 回対象者の様子を見
に来ているが、同居は困難なことがわかる。
事例2
② 市・福祉総務課より CSW に相談が入る。
CSW は「対象者が高齢者」ということもあり、市・地域包括支援センターに情報把握している
か確認すると、以前から関わりがあることが判明し、情報を共有する。
事例1
① 民生・児童委員より、市・福祉総務課に相談が入る。
雨風が全くしのげない場所で野宿している高齢の女性がいる。以前、住んでいた家を立ち退きに
なったようだが、この事を自分(民生・児童委員)以外の誰か(特に行政)が把握し、関わって
いるか不安に思い、市・福祉総務課へ連絡する。
事例4 外国人女性の通院支援 関係機関: ケアプランセンター 総合病院・医療相談室
相
ケアマネジャーより利用者の妻(外国人)のことで相談。
以前より体調不良を訴えているが、日本語での意思疎通が難しいため、医師に詳しい症状
相談内容
を伝えたり、医師の話を正確に理解することができず病院に行くことをためらっている。
通訳できる人を探して欲しい。
談
50 代のアジア系外国人女性。簡単な日本語はできる。夫(70 代)の介護をしている。
依 頼 者
対象者の夫を担当するケアマネジャー。介護保険制度の対象外だが、妻の体調を
心配している。
概
対 象 者
要
相 談 時 に 総合病院・ 病院受診がスムーズに進むように、院内にて支援
医療相談
関わっていた
-
-
関 係 者
対 象 者 に 対 す る 支 援 内 容
<ケアマネジャーによる支援>
対象者の支援は介護保険の制度外だが、関
係機関との窓口として連絡・調整。
【ケアマネジャーに対するCSWの支援】
通訳ボランティアを探し、紹介。また、通
訳ボランティアから得た対象者の情報をケ
アマネジャーに伝え、情報共有。
<通訳ボランティアによる支援>
通院時に同行し通訳。また対象者の話し相手となり、
CSW・ ケアマネジャーと適宜情報交換し、本人を支援。
【通訳ボランティアに対するCSWの支援】
対象者に関する情報提供、初回の顔合わせ、ケアマネ
ジャーとの連絡調整。
<総合病院・医療相談室による支援>
診察の際は、通訳ボランティアも一緒に診察室に入れ
るよう配慮をする。また病院内での困りごとに対して
支援を行う。
支 援 結 果
通訳ボランティアが確保され、定期的に通院に同行する。
医療面以外の話もすることにより、対象者の精神的負担
も軽減することができた。
10
対象者は、今まで一人で開業医に行っていたが、腹部の痛みが日々強くなってきており総合病院
への受診を勧められる。しかし言葉が通じるかどうかの不安があるため、受診をためらっている。
対象者を心配したケアマネジャーが、通訳できるボランティアがいないか、CSW に相談する。
国際交流協会、大学の留学生担当課、当事者団体等に通訳ができるボランティアがいないか相談
するが、対象者の母国語の通訳者が見つからない。また、有償の医療通訳を利用することは金銭
的な事情で難しい。
④ 対象者宅に訪問する。
CSW とケアマネジャーが対象者と夫と面談。対象者の体調や通院日などについて情報を得る。
通訳ボランティアが見つかったことを伝え、初回の通院日を確認する。
事例4
⑤ 対象者の体調不良のため緊急通院。
ケアマネジャーより「初回の通院日の前に体調が悪くなったため、対象者が一人で受診したが意
思疎通がうまくいかず帰宅。翌日、再度受診する予定になっている」と、連絡を受ける。
CSW が対象者宅を訪問し、急遽通訳ボランティアとともに受診に付き添う。
事例5
事 例 概 要
外国人支援団体関係者に紹介してもらえないか相談する。総合病院の近隣に在住の通訳ボランティ
アを紹介してもらう。
事例3
③ 通訳ボランティアが見つかる。
事例2
② 各機関 ・ 諸団体に相談する。
事例1
① ケアマネジャーより相談。
⑥ 通訳ボランティアによる支援。
事例6
その後、数回にわたる受診時に通訳ボランティアが支援する。受診時の通訳以外にも、夫の介護や、
異国で生活することへの不安など、対象者の話し相手となる。
⑦ ケマネジャーとの連携。
通訳ボランティアから聞いた対象者の悩みなどをケアマネジャーに伝え、情報を共有する。
対象者の体調が良くなり、通院することはなくなったため、通訳ボランティアの活動を終了。
日常生活で不自由なことがあればいつでも CSW に相談するよう対象者にアドバイスする。
事例の振り返り・担当者が感じたこと
今回は支援してくれるボランティアが見つかり、通院時の通訳だけでなく、日常生活での悩みなども傾聴
することにより、対象者のストレスがかなり軽減されよい結果になった。
ただ、外国人に対する支援については、当事者・支援者とも、相談する窓口・利用できるサービスが不十
分と感じることが多かった。
外国人も「同じ地域の住民」として支えあう地域づくりを CSW は支援していく必要がある。
11
その他
⑧ 通訳ボランティアによる支援を終了。
事例5 子育てに不安を抱えた母親への支援 関係機関: 福祉委員会 民生・児童委員 市・地域包括支援センター 子ども家庭センター
市・障がい者くらし支援室 市・こども政策室 市・生活福祉課
相
談
子育て中の女性(対象者Ⓐ)から相談。同じマンションに住む女性(対象者Ⓑ)の家から「殺
す」「死ね」などの暴言が聞こえるため、対象者Ⓑの子どもが虐待されているのではないか、
相談内容
と心配している。このマンションで子育てをしていく事に不安を感じている。どこに相談
すればよいのか?
乳児を子育て中の女性。「子ども見守り家庭訪問事業」で知った福祉委員会の「子
育てサロン」に参加している。最近引っ越してきた。
対象者Ⓑ
外国人女性。日本語がうまく話せず、コミュニケーションが取りにくい。夫(日
本人)は病弱で入退院を繰り返している。子どもは二人(小学生)。
概
対象者Ⓐ
要
相 談 時 に 民生・児童 「子ども見守り家庭訪問事業」で対象者Ⓐ宅へ訪問し「子育てサロン」を紹介する。
委
員
関わっていた
関 係 者 福祉委員会 「子育てサロン」を開催し、子育ての悩みを聞いたり交流をしている。対象者Ⓐも参加している。
対 象 者Ⓐ に 対 す る 支 援
<民生・児童委員による支援>
「子ども見守り家庭訪問事業」で訪問し、
子育てサロンを紹介する。
【民生・児童委員に対するCSWの支援】
対象者Ⓐの状況について情報を共有する。
<民生・児童委員による支援>
生活保護受給世帯のため対象者Ⓑを把握し
ている。
対 象 者 Ⓑに 対 す る 支 援
【民生・児童委員に対するCSWの支援】
状況を確認し民生・児童委員と情報を共有。
<市の各担当課による支援>
市・地域包括支援センターが夫の介護保険
の申請などで、市・障がい者くらし支援室
が対象者Ⓑの精神的な相談で、市・生活福
祉課が生活保護受給の関係で支援。
【市の各担当課に対するCSWの支援】
市の各担当課に状況を確認。また、児童虐
待の可能性があるため、子ども家庭セン
ターと市・子ども政策室へ相談する。
支 援 結 果
<対象者Ⓐに対して>
民生・児童委員と協力して、不安な気持ちを聞くなど見守り
活動を継続。
対象者Ⓑに対しては、すでに市の各担当課が支援しているた
め CSW の関わりはない。しかし、地域住民(対象者Ⓐ)が
不安に感じていることを市の各担当課へ連絡する。
12
事例の振り返り・担当者が感じたこと
相談を受けた当初は「対象者Ⓐの不安を和らげること」と考えた。不安を和らげる方法として、対象者Ⓑ
の家庭内についての解決が必要である、と思い対応したが児童虐待というデリケートな問題を含んでいる可
能性があるため、いつもより慎重に関わるように気をつけた。また、1つの問題点を解決しようとすると、
それに関連して複数の問題点が見えてくるなど、複合した生活課題を抱えていることがわかった。
対象者Ⓑについては、すでにいろいろな機関が関わっていたにも関わらず、情報が共有されていなかった
ため分かりにくかった。今後、関係機関同士はもちろん、地域とも情報が共有できる体制になるよう CSW
として支援していかなければならない。
13
その他
④ 対象者Ⓑへの対応について市の各担当課(子ども政策室、生活福祉課など)に依頼。
対象者Ⓐが不安に思っている状況を伝え、引き続き対象者Ⓑに対して支援を依頼する。
事例6
③ 市・高齢者担当ワーカーに相談。
対象者Ⓑの夫の介護保険サービス利用について関わりがあった。しかし、対象者Ⓑは夫に対して
執着心が強くホームヘルパーの利用も拒否傾向である。現在もホームヘルパーを受け入れてもら
えるように話を進めている。対象者Ⓑは精神障がいがありコミュニケーションが取りにくく、病
弱な夫の療養食を作れない。そのため、夫は入退院を繰り返している。
対象者Ⓑについては、市・高齢者担当ワーカーが精神障がい者支援の関係で訪問を重ねている。
事例5
事 例 概 要 (対象者Ⓑ)
② 対象者Ⓑについて民生・児童委員へ相談。
担当の民生・児童委員を確認し、対象者Ⓑについての具体的な状況を聞く。
民生・児童委員は、対象者Ⓑが生活保護受給世帯とのことで訪問もしていた。
2 人の子どもは毎日元気に登校している。暴言は病弱な夫へ向けられていることが多いようで、
児童虐待には至っていない様子。対象者Ⓑの精神的状態が著しく悪いときは、夫が警察に通報し
ていることが分かる。
対象者Ⓐについても「子ども見守り家庭訪問事業」で子育てサロンを紹介し、参加していること
を把握。
事例4
① 市・子ども政策室へ相談する。
対象者Ⓑの件は把握していた。しかし「通報されても『児童虐待』というデリケートな問題のた
め経過を伝えることは難しい。でも近隣住民からの情報は欲しい。」とのこと。
事例3
③ 対象者Ⓐへの対応について民生・児童委員に相談。
対象者Ⓐが同じマンションで子育てすることへの不安を少しでも和らげることができないか、民
生・児童委員に相談する。同じ地域で安心して暮らせるよう、近所で見守り、声かけをしていく
ことになる。
事例2
② 子ども家庭センターへ相談する。
対象者Ⓐからの相談について、どのように対応すれば良いのか助言を求める。
「児童虐待についてはとてもデリケートな問題なため、地域住民から子ども家庭センターへ直接連
絡がないと動きにくい。まず市・子ども政策室に相談してほしい」とのこと。
事例1
事 例 概 要 (対象者Ⓐ)
① 対象者Ⓐより福祉委員会の「子育てサロン」で相談を受ける。
対象者Ⓐから「同じマンションの階下の女性(対象者Ⓑ)の暴言(「殺す」
「死ね」など)が気になる。
階下の子どもが虐待されているのではないか。また、自分も乳児を子育て中のため、今後同じマ
ンションで子育てをしていくことに不安を感じる。「どこに相談すればいいのか」と CSW に相談。
CSW は、対象者Ⓐの住所などを確認し、改めて連絡することに。
事例6 食事づくりに困っている高齢者への支援 関係機関: 福祉委員会 民生・児童委員 市・地域包括支援センター 相
談
掃除・洗濯は自分でできているが、食事作りに困っている。配食サービスの利用を希望し
ている。
対 象 者
60代の男性。1年前に妻が亡くなり、うつ状態で自宅に閉じこもりがちである。
現在は一人暮らし。要介護認定は受けていない。
依 頼 者
対象者と同じ棟に住む高齢者。日頃から挨拶を交わしたり、福祉委員会の「ふれ
あい昼食会」に誘うなど、気にかけている。
概
相談内容
要
相 談 時 に 福祉委員会 対象者・依頼者とも福祉委員会の「ふれあい昼食会」に参加している。
関わっていた
-
-
関 係 者
<福祉委員会による支援>
一人暮らし高齢者の「ふれあい昼食会」に継続して参
加してもらう。
対 象 者 に 対 す る 支 援 内 容
【福祉委員会に対するCSWの支援】
CSW が福祉委員会活動に参加し、参加者・福祉委員
からの相談を受ける事で、福祉委員会を支援している。
<対象者に対する CSW の支援>
配食サービスや介護保険制度を紹介
し、利用申請の手続きを支援する。
<民生・児童委員による支援>
日常の見守り支援を行う。
【民生・児童委員に対するCSWの支援】
CSW が対象者の情報を提供し、見守り活動
を支援する。
支 援 結 果
配食サービスの利用を開始する。また、要介護認定
の申請支援を行う。
介護認定を受け、今後のサービス利用に向けた支援
を継続中。
14
対象者は、依頼者や福祉委員に勧められ、「ふれあい昼食会」へ初めて参加する。
事例1
① 福祉委員会の「ふれあい昼食会」に参加。
② 「ふれあい昼食会」の会場で依頼者が CSW に相談。
③ 対象者宅を訪問。
CSW が配食サービスと要介護認定の申請について相談し、手続きを依頼する。
事例4
⑤ 配食サービスの利用開始。
⑥ CSW が対象者宅を再度訪問。
うつ状態により他者との関わりが少ないため、福祉委員会の「いきいきサロン」への参加を促す。
他者と関わる機会が作れないか、また地域で見守りができないか検討する。
⑦ 福祉委員会、民生・児童委員による見守り活動を開始。
CSW が対象者の状況を福祉委員会や民生・児童委員に伝え、見守りを依頼する。CSW は情報提
供やアドバイスをするなど支援する。
要介護認定の結果、要支援となるが、サービスは利用していない。
CSW は「いきいきサロン」への参加を促すなど引き続き支援中。
事例6
⑧ 支援を継続。
事例5
事 例 概 要
④ 市・地域包括支援センターへ相談。
事例3
対象者は、1 年前に妻を亡くしてからうつ状態になり、自宅に閉じこもりがち。掃除・洗濯など
はできているが、調理ができないので配食サービスの利用を希望している。また、要介護認定を
受けていなかったため、申請を勧める。
事例2
依頼者は、対象者と日頃から挨拶を交わしたり、福祉委員会の「ふれあい昼食会」に誘うなど、
気にかけていた。「一度話を聞いたって!」と相談を受ける。
その他
事例の振り返り・担当者が感じたこと
対象者は福祉委員会の「ふれあい昼食会」に参加することで CSW と接点を持つことができ、市・地域包
括支援センターにつながった。その結果、配食サービスの利用や介護保険の申請に至った。
そして、福祉委員会の活動として、
「ふれあい昼食会」以外にも「いきいきサロン」の紹介や地域での見守
り活動の依頼をしたことで地域と一層の関わりを持てた。
今後もこのような困りごとを福祉委員会の活動の中から掘り起こし、他の専門機関とともに支援していき
たい。
15
の 他 そ
◉ 経済的な不安がある高齢者世帯への支援
生活保護を受給している 90 代の母(全盲)と 70 代の息子(知的障がい)の 2 人世帯。民生・
相談内容
児童委員が、母から生活に漠然とした不安があることを聞き CSW に相談。母は視覚障がいが
あるが障害者手帳は申請していない。
支援経過
支援結果
主訴として経済的な不安があった。障害者手帳を申請することで保護費が加算されることを市・
生活福祉課に確認。市・障がい者担当ワーカーと共に障害者手帳申請の支援を行う。
市・障がい者担当ワーカーと共に通院支援などを行い、障害者手帳を取得する。生活保護費が
加算され経済的な不安は解消する。
◉ 民生・児童委員宅へ避難してきた高齢者への支援
娘と二人暮らしをしている高齢者が「娘に突き飛ばされ、頭を打った」と夜間に民生・児童委
相談内容
員宅へ避難する。民生・児童委員から CSW に連絡。本人(高齢者)は認知症があり、話の内
容があやふや。
支援経過
支援結果
緊急を要する様態ではなかったが、本人の持病や服薬中であることなどを考慮し救急外来を受
診。担当民生・児童委員と連携して家族への連絡、付き添いなどの支援を行う。
高齢者虐待が疑われるため市・地域包括支援センターに通報。後日、養護老人ホームに入所と
なる。
◉ 入院を控えた子育て中の家族への支援
相談内容
入院を控えた子育て中の母親から、
「入院中、幼稚園への送り迎えの協力者を探して欲しい」
と相談。祖父母は遠方に在住、夫も仕事が不規則で家族の協力は得られない、とのこと。
ファミリーサポートセンターやシルバー人材センターによる送迎支援などの情報を提供。また
支援経過
民生・児童委員にも相談。幼稚園のお母さん友達の協力も得られそうだが、夫が他人に迷惑は
かけたくないと拒否。
支援結果
家族間で方向性を話し合うよう助言するとともに、民生・児童委員による見守りを行う。
◉ 親子で精神疾患があり生活保護を受給している世帯への支援
精神疾患のある親子(別世帯)のことで近隣住民から相談。親子共に生活保護を受給している。
相談内容
息子(30 代・無職)がギャンブル等によりお金を浪費している。そのため母親(60 代)にお
金を強要し、母親も生活に困窮している。
支援経過
支援結果
CSW と市・生活福祉課の担当ワーカーが訪問したところ、現金・食料がなかったため府社協・
社会貢献事業にて食料支援を行う。関係機関と親子で今後の生活について話し合いの場をもった。
日常生活自立支援事業(金銭管理)や配食サービスを利用し、生活の安定を図った。
16
支援経過
市・地域包括支援センター、民生・児童委員と連携して配食サービスの利用につなげる。また
特別養護老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅等の情報を提供。今後について親族、民生・児童委員、
CSW とで面談を行い支援。
支援結果
本人が緊急入院をしたため、家主より改めて早期立ち退きを要求される。退院後、高齢者専用
賃貸住宅へ入居する。
一人暮らし高齢者のことで民生・児童委員より相談。自宅が「ゴミ屋敷」となっている。食事
も不十分なため体調が悪化。以前(半年前)よりも判断能力が低下し、会話も成立しない状態。
支援経過
民生・児童委員と CSW で本人宅を訪問し、本人の状況を確認後、市・地域包括支援センター
に相談。病院を受診するにも経済的に困窮していたため、市・生活福祉課に相談する。直後に
救急搬送し入院となる。
支援結果
入院した病院で死亡。しかし関係機関と連携して入院したことで孤独死を防ぐことができた。
事例5
相談内容
事例4
◉「ゴミ屋敷」状態の一人暮らし高齢者への支援
事例3
一人暮らし高齢者(90 代女性)のことで民生・児童委員より相談。家賃滞納や保証人の死亡な
どが重なったことで不動産会社から立ち退きを要求されている。また体調が悪いときは買い物
が困難で食事もできない様子。
事例2
相談内容
事例1
◉ 立ち退き要求されている一人暮らし高齢者への支援
事例6
その他
17
C SW と 連 携 し た 専 門 機 関 一 覧
福祉委員会(福祉委員)
市内 33 地区で組織。
「いきいきサロン」「子育てサロン」「ふれあい昼食会」などの各活動をとおして「誰も
が安心して暮らせるまちづくり」を目指して活動しています。
市・生活福祉課
生活保護の相談・受付などを行っています。
市・障がい者くらし支援室
障がいのある人が地域で生活し、社会参加できるよう、さまざまな事業を行っています。
市・子ども政策室
児童虐待や子どもに関する相談などを行っています。
市・福祉総務課
地域福祉活動の支援や吹田市民生・児童委員協議会の事務局などを担っています。
市・地域包括支援センター
介護予防事業や市の在宅福祉サービスなどの介護・福祉・健康などに関する総合相談、高齢者虐待防止などの
権利擁護事業、地域のさまざまな機関とのネットワークづくりなどを行っています。
在宅介護支援センター
介護保険制度や市の保健福祉サービスについての問い合わせなど、介護についてのさまざまな相談に応じ、必
要な情報を提供します。
府社協・社会貢献支援員
府内の老人福祉施設の相談員と連携して、各種制度の狭間で生活の困難をきたしている方など要援護者等の発
見に努め、そうした方々の相談支援を行います。
府社協・社会貢献推進室
大阪府社協・老人施設部会が取り組む社会貢献事業に関する諸事業と、ホームレス自立支援事業の2つの事業
に取り組んでいます。
日常生活自立支援事業(吹田市社協)
認知症の高齢者、精神障がい者、知的障がい者など、判断能力が不十分な人に対し、福祉サービスの利用援助
や日常的な金銭管理などを援助しています。
民生・児童委員
21 の地区委員会を組織し、福祉事務所やその他の関係行政機関の業務に協力しながら、援助を必要とする人
の相談に応じたり、情報の提供を行ったりするなど、住民の福祉の増進を図るための活動をしています。
吹田保健所
母子保健事業、感染症、難病、環境衛生、精神保健福祉の各種相談・事業を行っています。
ケアプランセンター
介護保険の各サービスを利用する際に、ケマネジャーによるケアプランを作成する事業所です。
子ども家庭センター
児童虐待ケースへの支援や発達に関する相談を受けています。
※本事例集で連携した主な専門機関を掲載
18
平 成 20 年 度
CSW活動報告
― 資 料 編 ―
19
相談内容
件 数
高齢者に関すること
249
(うち)1 人暮らし高齢者
(196)
(うち)高齢者のみの世帯
(53)
障がい者に関すること
80
(うち)身体障がい者
(16)
(うち)知的障がい者
(12)
(うち)精神障がい者
(52)
子育て・子どもの教育に関すること
割 合
29.5%
9.5%
48
5.7%
母子家庭に関すること
9
1.1%
DV被害者に関すること
1
0.1%
ホームレスに関すること
7
0.8%
外国人(中国帰国者を含む)に関すること
1
0.1%
125
14.8%
生活費に関すること
59
7.0%
住宅に関すること
37
4.4%
地域福祉活動・ボランティア活動に関すること
97
11.5%
130
15.4%
843
100.0%
福祉制度に関すること
その他
小 計
個別支援以外の CSW の活動件数
活 動 内 容
件 数
福祉委員会活動への参加
847
(うち)子育てサロン
(209)
(うち)いきいきサロン
(206)
(うち)世代間交流
(25)
(うち)ふれあい昼食会
(123)
(うち)障がい者交流
(22)
(うち)会議(役員会など)
(262)
吹田市社協が事務局を担う各団体・グループの会議
吹田市社協が取り組む各活動
49
111
小・中学校での福祉教育の企画・開催
86
ボランティアセンター主催講座の企画・開催
45
ボランティアセンターの会議
22
福祉施設やグループなどの会議に参加
26
吹田地区募金会の各活動
40
大阪府社協の会議・研修
49
市の各会議に参加
132
20
CSW が参加・参画した会議及び研修
◉ 地域福祉担当者会議(年 12 回開催)
・CSW、ボランティアセンター、日常生活自立支援事業の活動や相談ケースについて話し合い、情報を共有。
・行政や専門機関との連携をさらに深め、地域住民が抱える課題を解決するための新たな取り組みについて意
見交換。
参加機関 市・福祉総務課、市・地域包括支援センター
◉ 地域ケア会議(各ブロックにおいて年 5 回開催)
・ケアマネジャーから提供されるケース事例をテーマに行政・専門機関・地域住民がそれぞれの立場から解決
方法の検討。
・介護が必要な高齢者を支援するネットワークの構築。
参加機関 医師会、歯科医師会、薬剤師会、吹田保健所、民生・児童委員協議会、福祉委員会、居宅介護支
援事業所、サービス事業者、その他
◉ 在宅介護支援センターとの懇談会(各ブロックにおいて地域ケア会議後開催)
・相互の業務についての情報の交換と今後の連携。
参加機関 在宅介護支援センター
◉ 吹田市地域福祉計画推進委員会
・吹田市の地域福祉計画の推進と進行管理に参画。
参加機関 学識経験者、自治会連合協議会、民生・児童委員協議会、吹田市ボランティア連絡会、在宅介護
支援センター、障害者等居宅介護等事業所連絡会、市民公募委員、吹田子ども家庭センター
◉ 吹田市地域福祉計画推進委員会作業部会
・推進委員会での進行管理が円滑に行われるための検討。
参加機関 学識経験者、福祉委員会、吹田市ボランティア連絡会、在宅介護支援センター、市民公募委員
◉ 社会的ひきこもり実務担当者会議
・問題解決のための関係機関とのネットワーク作りや支援機関の担当者のスキルアップのための講演会の開催。
参加機関 医師会、民生・児童委員協議会、吹田市、吹田子ども家庭センター、こころの健康総合センター、
吹田保健所、その他
◉ 吹田市精神障害者自立支援促進実務担当者会議
・入院中の精神障がい者の退院に向けた支援や退院後在宅生活を継続できるような支援を検討。
参加機関 医療機関、精神障がい者関連施設、㈶精神障害者社会復帰促進協会、市・生活福祉課、市・障が
い者くらし支援室、吹田保健所、こころの健康総合センター
◉ ブルーリボン交流会(年6回)
・精神障がい者事業所の活動報告と地域との協働により、精神障がいに対する理解の促進。
参加機関 佐竹台地区連合自治会、佐竹台地区福祉委員会、精神障がい者事業者、吹田保健所
◉ グループホーム運営委員会(各グループホームで開催。担当地区の CSW が参加)
・グループホームの運営に関して意見交換し、サービスの向上と地域とのつながりについて話し合い。
参加機関 各グループホーム関係者
21
◉ 精神障害者支援事業所連絡会「なごみの会」
・精神障がい者の支援者が集い、交流。
参加機関 精神障がい者事業所
◉ 子ども政策室との懇談
・児童虐待に関する相談が増えているため、互いの役割を理解し、課題解決のために連携。
参加機関 市・こども政策室
◉ スクールソーシャルワーカーとの懇談
・学校からの相談が増えているため、互いの役割を理解し、課題解決のために連携。
参加機関 市教育委員会・指導課、スクールソーシャルワーカー
◉ 府社協・社会貢献支援員との交流会
・緊急の支援(数日間の食料支援など)を必要とする場合に活用される府社協の社会貢献支援員の活動と
CSW の連携。
参加機関 府社協・社会貢献推進室、施設CSW
◉ 子育て支援関係機関連絡会
・地域で子育てを支え合う関係作りを目指して、関係機関が交流や学習を通して連携。
参加機関 公立保育園、私立保育園、公立幼稚園、児童会館・児童センター、市・保健センター、民生・児
童委員協議会、福祉委員会、子育て広場運営団体
◉ CSW 連絡協議会
・ CSW 同士の交流や学習、情報交換。
参加機関 府内CSW配置機関・団体
◉ 地域の人と協働できる職員育成のための地域福祉活動体験実習
・吹田市の職員が実際に地域福祉活動に参加し、地域福祉計画や地域福祉活動について理解を深め、公民が協
働して進めていくために市の職員研修に協力。
参加機関 吹田市
◉ 公営集合住宅における要援護者見守りシステム構築事業検討会議
・厚生労働省からのモデル事業で、公営集合住宅での孤立・孤独死を防ぐための要援護者を見守る仕組みづく
りを目的に実態調査(住民アンケート)を実施し、対策を検討。
参加機関 府社協、大阪府、吹田市、佐竹台地区福祉委員会、佐竹台地区連合自治会、佐竹台地区高齢クラブ、
学識経験者
◉ 各種研修会への参加
・ソーシャルインクルージョン研修会、触法虞犯知的障がい者に関する研修、認知症に関する研修、成年後見
制度について 他多数
22
≪地域福祉市民フォーラム≫
みんなでつくろう、未来(あす)のすいた ~地域で子育て、みんなで子育て~
・民生・児童委員が取り組む「子ども見守り家庭訪問事業」について
・福祉委員会が取り組む「子育てサロン」活動について
・ CSW の活動・役割、個別の相談事例について
・「子育て広場」の活動について
・保育園が取り組む子育て支援、地域との連携について
・まとめ 「地域で子育て、みんなで子育て-地域福祉としてー」
井岡勉氏(同志社大学名誉教授/市地域福祉計画推進委員会委員長)
<南会場>
パネラー:豊一小学校担当主任児童委員、千新小学校担当主任児童委員、吹二地区福祉委員、
吹田市子育て広場・陽だまりルーム代表、千里山・佐井寺ブロック担当 CSW、
南ヶ丘保育園園長
※事例発表順に記載
コーディネーター:藤井伸生氏(華頂短期大学教授/市地域福祉計画推進委員会作業部会長)
<北会場>
パネラー:山二地区福祉委員、山二小学校担当主任児童委員、山五小学校担当主任児童委員、
吹田市子育て広場「こすもすの家」代表、山田・千里丘ブロック担当 CSW、
山田保育園地域子育て支援センター地域担当保育士
※事例発表順に記載
コーディネーター:藤井伸生氏
※両会場にて子育てサロン・子育て広場のパネル展示、子育てサークルのチラシを配布。
23
平成 20 年度のCSW活動を振り返って
吹田市社協が CSW の役割を担うようになって、3 年が経過しました。平成 20 年度は、
13 人の CSW が 6 ブロックに配置されました。吹田市の地域福祉計画の最初に掲げられた
目標が達成されたことになります。(大阪府の配置目標は中学校区に各 1 人)
今年度は、1 年目、2 年目よりさらに多くの福祉関係機関とのネットワーク作りに努めま
した。なかでも、児童虐待の相談員、スクールソーシャルワーカー、府社協の社会貢献支援
員とは懇談会を行うことで、互いの役割を知ることができ、多くのケースで協力して課題に
取り組むことができました。また、CSW が 13 人の配置になったことで、地域に出向き、
福祉委員会や民生・児童委員協議会、連合自治会などと連携して課題を掘り起こす活動がさ
らに増えました。CSW のスキルアップという点では、精神障がい、知的障がい、認知症、
各種制度など多岐にわたる分野の研修に参加しました。
CSW が受ける相談も「高齢者の課題」「障がい者の課題」「生活に関する課題」「経済的
な課題」
「子育ての課題」など多岐にわたっています。また、これらの課題が複合した解決
困難な相談が増えてきているため、今まで以上に多くの福祉関係機関とのネットワーク作り
が必要不可欠となってきています。
今後、解決困難な相談に対してより有効的な対応ができるように、すでにあるネットワー
クに関してはさらに強化し、新しいネットワークに関しても積極的に構築していきます。
また、地域で支え合い活動を実践し、住民の生活に密着した地区福祉委員会や民生・児童委
員協議会、自治会などの地域の諸団体、NPO、ボランティアグループなどとの連携をより
充実させ、個別支援につながるような活動を展開していきます。このなかで把握した個人の
課題が解決できるよう、研修などをとおして CSW の相談援助技術の向上を目指します。
24
平 成2 1年 5 月
平成 20 年度
CSW(コミュニティ ・ ソーシャルワーカー)
活動事例・活動報告
編集・発行 社会福祉法人 吹田市社会福祉協議会
〒564-0072 吹田市出口町19-2
TEL (06) 6339-1205(代表) FAX (06) 6339-1202
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