...

子供達に海と船を語って15年

by user

on
Category: Documents
142

views

Report

Comments

Transcript

子供達に海と船を語って15年
﹁ 船 長 、 母 校 へ 帰 る ﹂ ∼ 子 供 達 に 海 と 船 を 語 っ て
「船長、母校 へ 帰 る」
∼ 子 供 達 に 海 と 船 を 語 って 15 年∼
年 ∼
15
一般社団法人 日本船長協会
Japan Captains’
Association
© Copyrights 2014
一 般 社 団 法 人 日 本 船 長 協 会
All right reserved.
一般社団法人
日本船長協会
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
目 次
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
─船長、母校へ帰る─
「子供達に海と船を語る」事業のレビュー
「船長母港へ帰る」
はじまりのエピソード
日本船長協会 会長 小島 茂 ��� 2
日本船長協会 名誉会員 柳原良平 ��� 4
子どもたちに夢をはぐくむ
「子どもたちに海と船を語る」事業
札幌市立北光小学校校長 貴戸紀彦 ��� 6
講演実施履歴 ����������������������������� 9
講演した学校・児童生徒数 �����������������������14
感想文の解析 �����������������������������16
練習船・実習生へのアンケート ���������������������24
“Tell your Childrenʼs School”
「船長、母校(港)へ帰る」の15年
日本船長協会 副会長 赤塚宏一 ���25
日本船長協会 常務理事 山本丈司 ���30
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
─船長、母校へ帰る─
「子供達に海と船を語る」事業のレビュー
日本船長協会 会長 小島 茂
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
「子供達に海と船を語る」事業は2000年の日本船長協会50周年を機会に始めました。当協会の名
誉会員である、柳原良平画伯が子供達にもっと「海と船」について知ってもらおう、世界に視野を
持つきっかけになればと発案されました。
また当時日本財団の会長をされておられた曽野綾子氏のご賛同も得ることができました。
2014年 1 月、富山県高岡市立国吉小学校で127回目の講演会を実施、これで北海道から沖縄県ま
での各都道府県すべてで開催することができました。いままで御協力をいただいた各学校の先生方、
日本船主協会、日本海事センター、日本中小型造船工業会、航海訓練所、海洋会、全日本船舶職員
協会、日本海事広報協会等、応援していただいたことに深く感謝申し上げます。
第 1 回目は2000年10月、当時日本船長協会会長であった菊池剛船長の母校、横浜市立磯子小学校
にて行われ、柳原氏も制服で出席していただきました。第 2 回目、専務理事(のち会長)澤山惠一
船長、及び柳原氏の母校である京都教育大学付属小学校にて講演をしていただきました。その後、
毎年10校を目途に実施してきました。当初は学校へのアプローチ、事前打ち合わせ等いろいろ苦労
もあったようです。
― 2 ―
今年は当事業開始15年目にあたります。話を聞いてくれた児童、生徒数は21,000名を越えました。
各講演のあと沢山の質問が出ます。また彼らからの感想文が届き、一人一人よく聞いてくれている
なと驚き、都度感心します。
このたび、感想文、先生のアドバイス等を整理し、今後の講演内容、事業活動の参考にしようと
いうことになりました。
結果、今まで主に小学校高学年から中学生を講演対象にしてきましたが、高校生にも広げていこ
うと考えます。ただし、高校の場合はカリキュラムがきつく、時間の都合がなかなか難しいのが現
実です。内容も現在話している、地球の成り立ち、世界の物の流れ、船の役割・重要さ、船員の海
上・陸上での仕事、海洋汚染等に加え、地球温暖化、資源の節約等についても加えていきます。
一人でも多く子供達に聞いてもらい、知識を増やす一助とし、また海と船に興味を持ってもらうこ
とを期待します。
引き続き皆様のご理解とご協力を宜しくおねがい申し上げます。
― 3 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
「船長母港へ帰る」
はじまりのエピソード
日本船長協会 名誉会員 柳原良平
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
2000年、日本船長協会が創立五十周年を迎えることに
なって、ある時その機関紙の対談の依頼を受けました。船
長協会の事務所で当時の会長、日本郵船の船長菊地剛さん
と対談を致しました。私は小学校の頃から船が好きで写真
集などで世界にどんな商船が活躍しているか知り、絵に描
いたり、模型を作ったりしていたのです。
中学二年生の時に日本が敗れて多くのなじみだった商船
たちもほとんど沈められてしまったことを知りました。各船会社に手紙を出してどんな船が生き
残ったか教えてもらいましたが、それが縁で大阪商船(現商船三井)の造船技師と親しくなり船好
きが本格的になったのです。
その後、ウイスキー会社の宣伝部に勤めてテレビのコマーシャルのキャラクターを制作したりし
てこれが私の代表作になりましたが船はずっと頭から離れなくて、みんなに船に興味をもってもら
いたいと船の本を出版して船も仕事の一つになったのです。
少し前おきが長くなりましたが、菊地船長との対談もどうすれば多くの人々に船のことや船乗り
のことを知ってもらえるだろうかといった内容だったと思います。
対談のあと専務理事の商船三井船長澤山惠一さんを交えて、五十周年の記念事業になにが良いか
相談することになりました。実は澤山船長とは横浜の海務監督をされていた頃から親しくて、しか
も気が付いたら私が卒業した京都の小学校の六年後輩だったのです。テレビで「ようこそ先輩」と
いう番組があって有名人の母校で後輩になる児童に話をするのを憶えていましたが、そんなことが
頭にあって「船長母校へ帰る」と題して船長の出身小学校で船の話をするのはどうだろうかと提案
しました。これが実現したのです。
第一回は菊地会長の母校からということになりました。横浜の磯子小学校です。カリキュラム一
杯ですので学校側は時間をつくるのに苦労したようでしたがなんとか実現しました。菊地会長は本
当の船長ですから当然ですが私も一応商船三井の名誉船長ですので二人とも船長の制服を着て登場
しました。児童たちは始めて間近かで見る金筋四本の船長服姿には目を見はったようでした。前座
として私がパネルに菊池船長の日本郵船に因んでクルーズ客船「飛鳥」が横浜港を出るシーンの絵
を描きました。絵を描くところをじかに見ることは滅多にないので児童たちは喜びました。
次はいよいよ船長のお話です。日本人にとって輸出入に欠かせない船の働きの話。日本人にとっ
て船が生活を支えているのだと伝えます。又、船長の日常航海の様子など児童たちは身じろぎもせ
ず静かに聴いていました。その後は児童からの質問ぜめです。マスコミなどで報道する学級崩壊な
ど全くウソのようにみんな立派な態度でした。
― 4 ―
二回目は澤山船長と私で京都教育大附属小学校の母校で話をしました。これまた大盛況です。そ
の後、群馬、山形、神戸、福岡、清水、葉山、白州などへ出かけました。どこの学校でも真剣に静
かに聴いてくれたのには驚きました。話をして良かったと思いました。
こうして船長さんが魅力的に船の大切さ、乗組員の仕事ぶりを話され児童たちも普段学校の先生
との話と違うふんいきで理解が深まったのではないでしょうか。願わくばもっと日本国籍の船、日
の丸を掲げた船が増えて子供たちに身近かな存在になってほしいものです。
― 5 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
子どもたちに夢をはぐくむ
「子どもたちに海と船を語る」事業
札幌市立北光小学校校長 貴戸紀彦
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
レビューと言うことなので、どのようにして知り合い、どのような意図をもって依頼しご講演を
いただくことができたのか。札幌市の小学校教育における「海運」の位置づけと合わせ、述べさせ
ていただく。
○乗船
私の10年来の友人に、元外国航路の機関長だった池田則幸氏がいる。平成21年 4 月話題の中で、
「外国航路で経験を積んだ船長が、直に、子どもたちに海運について語る事業がある。そろそろ
札幌でも呼んでみたいと思うのだが…。」とのお話をいただいた。
学校現場では、教科書や机上論ではない、プロの経験に基づいた話から学び場を欲しており、
ぜひお願いしたいと懇願した。
○出航
学校教育は、文部科学省の学習指導要領にのっとって指導することになっており、小学校教育
の中では、小学 5 年生「社会科」に、食糧や工業生産との絡みで登場する。
(※ 添付資料「札幌市小学校教育編成の手引き」下線部分参照)年間を通して、 2 時間取れる
かどうかの短い時間であるが故、実感を伴う効果的な学習を構成したいと誰もが願っている。
過去の歴史の中で、北海道にての講演もあったが、ずいぶん時間が空き、協会との連絡も疎遠
となっていた。新しく航路を開く意味での懇願が、平成21年11月 5 日には、第71回講演を札幌市
立栄東小学校で。11月 6 日、第72回は隣接の札幌市立栄南小学校で、松田洋和船長、福田身延船
長によって実現した。
○航海
・講演のすばらしさや児童の感想を、貴戸の知人の富良野市立西中小学校、田中和幸校長に紹介し
た。海のない富良野に是非ということになり、平成22年 4 月26日には第79回富良野市立富良野小
学校。27日に西中小学校で福田身延船長にご講演をいただくことができた。
・貴戸は平成22年 3 月末で、市内の南郷小学校長へ転任。着任校でも児童に講演を聞かせたく、船
長協会に依頼した。ご好意により、平成22年11月、また、ご来札いただくことになった。札幌市
立南郷小学校での講演はどの子にも好評であった。
・平成23年、同一校での講演は難しいと伺っていたが、貴戸の兄が校長をする札幌市立伏見小学校
を紹介。また、やはり初めての市立東山小学校での講演も実現する。そこから足を伸ばし、平成
23年11月30日に、札幌市立南郷小学校で長谷川船長・池上船長にご講演をいただく。この講演が
― 6 ―
ちょうど100回記念講演となり、これまでのご縁を強く感じる。
・平成24年に貴戸は札幌市立北光小学校長として転任。今度は新しい学校なので、 4 月より船長協
会に打診。市内他校もご講演いただくことも含め快諾いただく。
平成24年11月14日小島茂船長にご来校いただき第111回目のご講演をいただく。また、その午後
には、同市内西野第二小学校でもご講演をいただく。
・平成21年から 4 年間。自身の学校で 4 回。自身の学校や平成25年度の札幌市立西岡中学校も含め
ると、北海道内の小中学校10校を紹介させていただいた。
この 4 年間の小学校でのご講演から、中学校に発展し、ますます広がりを見せている。
○水先案内
前述のように、貿易や輸出入の学習としても重要であるが、キャリア教育の一環として、世界
の海で働く船長としての仕事を聞き、想像することは児童生徒にとって労働への憧れを育む一助
となる。
児童の感想は、次の五つに大別される。
・船の大きさや働きに関するもの…甲板を自転車で走ることの驚きや用途によって多様な船がある
こと、その積載量など。
・船内での生活に関するもの…海上にいるのに肉料理が多いなどの生活に関すること、乗船員が少
なく多国籍な人々が混在することなど。
・海賊が実際にいることの驚き…アニメの世界ではない海賊との攻防への驚きと苦労への共感。
・これからの産業の担い手となる新展開…レアアース採取船・LNG 船など、今後の産業を担う新
戦略と新造船への期待。
・運河と日本のかかわり…パナマ運河と日本人の技術開発など人間の知恵に関するもの
どれを取り上げても、児童の日常や机上では学ぶことのできないものばかりで、未知なるもの
への興味や関心を持たせることになっていった。
○更に深淵へ
レビューということなので、ご講演から学ぶ児童を一番たくさん見ることができた立場から更
に効果的な講演を考えた。
DVD を交えた講演内容はとても興味深い。しかし、受身で聞くことが多くなるので、更に積
極的な学習にしていくとするなら、体験や実感をもっと持たせたい。
・船上での講演…修学旅行や見学旅行とタイアップして、船上で海風を浴びながら講演を受けるこ
とができたならもっと効果的だと考える。
・ロールプレイ…疑似体験を取り入れ、船長の目線で画面を見、自分で対処するような場面を設け
る。
(選択肢があり挙手でもよい。)
・シミュレーション…上記の発展系。一人一人が実際に操作して操舵感覚を楽しむと憧れも膨らむ。
※ レビューということで、お礼の言葉ではなく、経緯と児童の反応、私が考えるこれからの新
― 7 ―
たな展開を書きました。私の北光小学校は、昨年度 5 ・ 6 年生 2 学年がご講演をいただいたの
で、今年度は対象となる学年がいません。そこで中学校を紹介させていただきました。この反
応により、北海道での新しい展開も生まれてくるかもしれません。
児童の感想の中には、家庭で、いただいた DVD を家族とともに見ながら、船の働きを話し合っ
たとの感想もありました。
学ぶとは、まだ見ぬ自分に会いに行くこと。新しい世界への目を開いていただいた船長協会の
活動に敬意を表し、心より感謝申し上げます。
― 8 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
講演実施履歴
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
通算
実施年月日
実施学校名
対象者・人数
講演者
講演者所属等
菊地 剛(母校)元日本郵船 船長
柳原 良平
商船三井 名誉船長
澤山 惠一(母校)元商船三井 船長
第 2 回 H.
12.
10.
25(水)京都府京都教育大学付属京都小学校 5・6年生/240名
柳原 良平(母校)商船三井 名誉船長
第 1 回 H.
12.
10.
20(金)神奈川県横浜市立磯子小学校
4−6年生/250名
第 3 回 H.
12.
12.
16(土)群馬県群馬大学教育学部付属小学校
全校/892名
大平 徹是(母校)商船三井 船長
第 4 回 H.
12.
12.
16(土)福井県鯖江市立鯖江東小学校
6年生/60名
福岡 眞(母校)商船三井 船長
第 5 回 H.
13.
01.
26(金)静岡県南伊豆町立南崎小学校
全校/59名
菊池善次郎(母校)元日本郵船 船長
第 6 回 H.
13.
01.
30(火)岡山県上房郡賀陽町立上竹荘小学校 4−6年生/51名 早川 克巳(母校)元川崎汽船 船長
第 7 回 H.
13.
03.
05(月)東京都渋谷区立富谷小学校
5年生/44名
第 8 回 H.
13.
05.
01(火)岐阜県高山市立山王小学校
110名
池田 宗雄(母校)元商船三井 船長
盛一 勝隆(母校)太洋日本汽船 船長
第 9 回 H.
13.
06.
30(土)福岡県福岡市立高宮小学校
4−6年生/160名 金子 靖治(母校)元商船三井 船長
第10回 H.
13.
11.
09(金)山形県飽海郡遊佐町立遊佐小学校
4−6年生/170名
第11回 H.
13.
11.
21(水)静岡県清水市立飯田小学校
5・6年生/227名 久保山金雄(母校)東京タンカー 船長
第12回 H.
13.
11.
29(木)北海道札幌市立藻岩小学校
5・6年生/172名 安斉 勲(母校)元川崎汽船 航海士
第13回 H.
13.
12.
04(火)石川県羽咋郡富来町立富来中学校
第14回 H.
13.
12.
05(水)滋賀県坂田郡伊吹町立伊吹小学校
第15回 H.
14.
01.
19(土)神奈川県三浦郡葉山町立葉山小学校
全校/277名
菊地 剛
澤山 惠一
元日本郵船 船長
元商船三井 船長
町居 孝義(母校)元川崎汽船 船長
5・6年生/56名 荒木 直行(母校)東海大学 船長
6年生/85名
矢嶋 三策(母校)元商船三井 船長
第16回 H.
14.
01.
29(火)福岡県福岡教育大学付属小倉小学校 5・6年生/160名 緒方 羊二(母校)元新和海運 船長
第17回 H.
14.
06.
21(金)山梨県北巨摩郡白州町立白州小学校 4−6年生/137名
第18回 H.
14.
10.
29(火)埼玉県大里郡寄居町立鉢形小学校
澤山 惠一
柳原 良平
元商船三井 船長
商船三井 名誉船長
5・6年生/150名 戸澤 明雄(母校)元商船三井 船長
第19回 H.
14.
11.
10(日)香川県大川郡白鳥町立本町小学校
全校/329名
橋本 進(母校)元航海訓練所 船長
第20回 H.
14.
11.
22(金)兵庫県神戸市立魚崎小学校
6年生/165名
黒羽 芳輔(母校)元川崎汽船 船長
第21回 H.
15.
01.
14(火)熊本県宇土郡三角町立三角小学校
第22回 H.
15.
02.
28(金)千葉県館山市立館山小学校
4−6年生/106名 高濱 洋嘉(母校)国際エネルギー輸送 船長
6年生/102名
大野 幹雄(母校)元三光汽船 船長
第23回 H.
15.
06.
23(月)神奈川県横浜市立緑園東小学校
4−6年生/360名 東海林 明
第24回 H.
15.
07.
16(水)静岡県静岡県立下田北高等学校
1-3年生/700名 菊池善次郎(母校)元日本郵船 船長
第25回 H.
15.
11.
07(金)福井県福井市立宝永小学校
5・6年生/99名 北條 直史(母校)元日本郵船 船長
第26回 H.
15.
11.
17(月)兵庫県神戸市立桜が丘中学校
第27回
H.
16.
02.
05(木)
京都府長岡京市立長岡第四小学校
H.
16.
02.
12(木)
第28回 H.
16.
04.
27(火)福井県大野市立尚徳中学校
元川崎汽船 船長
1-3年生/447名 磯田 昭三
元川崎汽船 船長
5・6年生/103名 村井 五郎
元商船三井 船長
2年生/73名
― 9 ―
松原 貞夫(母校)元川崎汽船 船長
第29回 H.
16.
05.
07(金)大分県別府市立北部中学校
全校/564名
澤山 惠一
元商船三井 船長
神奈川県藤沢市立高砂小学校・
第30回 H.
16.
06.
18(金)
浜見小学校
5・6年生/267名 池上 武男
元商船三井 船長
第31回 H.
16.
10.
07(木)三重県亀山市立亀山西小学校
4−6年生/179名 小林 司(母校)日本郵船 船長
第32回 H.
16.
11.
09(火)神奈川県藤沢市立高浜中学校
1・2年生/217名 池上 武男
第33回 H.
17.
09.
06(火)岡山県岡山市立光南台中学校
2年生/56名
元商船三井 船長
伊丹 一郎(母校)八馬汽船 船長
工藤隼五郎(母校)元山下新日本汽船 船長
池上 武男
元商船三井 船長
田川 泰洋(母校)元商船三井 船長
第35回 H.
18.
01.
13(金)長崎県大村市立西大村中学校
全校/659名
池上 武男
元商船三井 船長
濱田 俊秀(母校)商船三井 船長
鹿児島県熊毛郡南種子町立南種子中
全校/249名
第36回 H.
18.
02.
03(金)
池上 武男
元商船三井 船長
学校
宮瀬 昭夫(母校)元ジャパンライン 船長
第37回 H.
18.
02.
15(水)愛媛県西予市立三瓶小学校
4−6年生/112名
池上 武男
元商船三井 船長
第34回 H.
17.
11.
28(月)秋田県鹿角市立花輪小学校
4−6年生/302名
第38回 H.
18.
03.
08(水)埼玉県熊谷市立中条中学校
全校/161名
第39回 H.
18.
06.
20(火)山形県山形市立金井小学校
池上 武男
元商船三井 船長
4−6年生/399名 田中 善治(母校)元新和海運 船長
第40回 H.
18.
07.
15(土)秋田県鹿角市立花輪第一中学校
全校/332名
工藤隼五郎(母校)元山下新日本汽船 船長
池上 武男
元商船三井 船長
第41回 H.
18.
10.
22(日)奈良県宇陀市立野依小学校
全校/100名
池上 武男
元商船三井 船長
第42回 H.
18.
11.
08(水)愛知県一宮市立小信中島小学校
4−6年生/283名 赤塚 宏一(母校)元商船三井 船長
第43回 H.
18.
11.
13(月)秋田県男鹿市立脇本第一小学校
5・6年生/67名 松野 重春(母校)元東朋海運 船長
第44回 H.
18.
11.
14(火)秋田県男鹿市立男鹿東中学校
全校/315名
第45回 H.
18.
11.
22(水)京都府京都市立山科中学校
松野 重春(母校)元東朋海運 船長
2・3年生/326名 池上 武男
元商船三井 船長
第46回 H.
18.
12.
07(木)岩手県久慈市立三崎中学校
全校/69名
池上 武男
元商船三井 船長
第47回 H.
18.
12.
19(火)福井県丹生郡越前町立糸生中学校
全校/57名
渡辺 茂(母校)元日本郵船 船長
第48回 H.
19.
02.
06(火)宮崎県東臼杵郡諸塚村立諸塚中学校
全校/83名
池上 武男
元商船三井 船長
第49回 H.
19.
05.
25(金)鹿児島県薩摩川内市立浦内小学校
3-6年生/34名 町 裕次(母校)商船三井 船長
第50回 H.
19.
06.
15(金)長野県下諏訪町立下諏訪中学校
2・3年生/230名 津金 正典(母校)元日本郵船 船長
全校1-3年生/
281名
全校1-6年生/
第52回 H.
19.
10.
05(金)茨城県利根町立太子堂小学校
135名
小中高生町民/
第53回 H.
19.
10.
20(土)長崎県新上五島町青少年健全育成会
200名
全校1-3年生/
第54回 H.
19.
11.
01(木)埼玉県神川町立神泉中学校
32名
全校1-3年生/
第55回 H.
19.
11.
07(水)香川県高松市立光洋中学校
236名
第51回 H.
19.
06.
29(金)京都府立海洋高等学校
第56回 H.
20.
01.
25(金)神奈川県横浜市立瀬谷中学校
1年生/28名
第57回 H.
20.
02.
07(木)沖縄県糸満市立糸満小学校
森本 靖之
元日本郵船 船長
池上 武男
元商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
桑原 和栄
航海訓練所 船長
大野 竹一(母校)元日本郵船 船長
池上 武男
元商船三井 船長
4-6年生/152名 池上 武男
元商船三井 船長
第58回 H.
20.
03.
06(木)大阪府東大阪市立枚岡東小学校
6年生/103名
第59回 H.
20.
04.
18(金)徳島県阿南市立今津小学校
5・6年生/77名 福田 身延(母校)商船三井 船長
第60回 H.
20.
06.
12(木)熊本県上天草市立大矢野中学校
第61回 H.
20.
06.
12(木)熊本県上天草市立阿村中学校
第62回 H.
20.
09.
26(金)山口県周防大島町立油田中学校
池上 武男
森本 靖之
池上 武男
森本 靖之
1-3年生/94名
池上 武男
1-3年生/464名
元商船三井 船長
元日本郵船
元商船三井
元日本郵船
元商船三井
船長
船長
船長
船長
1-3年生/17名 矢野 高徳(母校)日本郵船 船長
― 10 ―
第63回 H.
20.
10.
11(土)長崎県新上五島町立上五島高等学校 1・2年生/320名 八田 一郎
航海訓練所 船長
第64回 H.
20.
10.
23(木)和歌山県和歌山市立明和中学校
1-3年生/684名 花田 兵六(母校)元日本郵船 船長
第65回 H.
20.
11.
28(金)香川県坂出市立坂出中学校
1・2年生/320名 角田 稔(母校)元ジャパンライン 船長
第66回 H.
20.
12.
05(金)千葉県船橋市立旭中学校
1-3年生/437名 池上 武男
元商船三井 船長
第67回 H.
20.
12.
16(金)東京都東大和市立第二小学校
5・6年生/203名 池上 武男
元商船三井 船長
第68回 H.
21.
07.
17(金)新潟県柏崎市立第一中学校
1・2年生/156名 池上 武男
元商船三井 船長
第69回 H.
21.
09.
24(木)岡山県倉敷市立玉島南小学校
5年生/87名
池上 武男
元商船三井 船長
第70回 H.
21.
10.
28(水)岡山県倉敷市立庄小学校
5年生/131名
池上 武男
元商船三井 船長
第71回 H21.
11.
05(木)北海道札幌市立栄東小学校
5・6年生/177名 松田 洋和
川崎汽船 船長
第72回 H21.
11.
06(金)北海道札幌市立栄南小学校
5・6年生/163名 松田 洋和
川崎汽船 船長
第73回 H21.
11.
25(水)北海道札幌市立福住小学校
6年生/131名
松田 洋和
川崎汽船 船長
第74回 H21.
11.
25(水)北海道札幌市立羊丘小学校
4・5年生/209名 松田 洋和
川崎汽船 船長
第75回 H.
21.
12.
11(金)愛媛県今治市立朝倉中学校
1-3年生/139名 長井 次男
元太平洋海運 船長
第76回 H.
22.
02.
04(木)国立弓削商船高等専門学校
1-3年生/106名 福田 身延(母校)商船三井 船長
第77回 H.
22.
02.
18(木)岡山県倉敷市立西小学校
5年生/51名
池上 武男
元商船三井 船長
第78回 H.
22.
02.
18(木)岡山県倉敷市立柏島小学校
5年生/56名
池上 武男
元商船三井 船長
松田 洋和
福田 身延
低中高学年生/ 松田 洋和
24名
福田 身延
川崎汽船
商船三井
川崎汽船
商船三井
第81回 H.
22.
05.
17(月)長崎県長崎市立蚊焼小学校
3-6年生/70名 長谷川弘一
商船三井 船長
第82回 H.
22.
06.
04(金)京都府京丹後市立久美浜中学校
1-3年生/171名
第79回 H.
22.
04.
26(月)北海道富良野市立富良野小学校
第80回 H.
22.
04.
27(火)北海道中富良野町立西中小学校
第83回 H.
22.
09.
16(木)宮城県石巻市立蛇田小学校
第84回 H.
22.
09.
17(金)宮城県石巻市立湊小学校
第85回 H.
22.
10.
05(火)佐賀県武雄市立山内西小学校
4-6年生/253名
船長
船長
船長
船長
安達 直(母校)元商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
5学年生/112名
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
5学年生/33名
長谷川弘一
商船三井 船長
5学年生/46名 森本 靖之
元日本郵船 船長
松野 重春(母校)元東朋海運 船長
森本 靖之
元日本郵船 船長
松田 洋和
川崎汽船 船長
6年生/146名
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
1-3年生/213名
長谷川弘一
商船三井 船長
松田 洋和
川崎汽船 船長
6年生/106名
長谷川弘一
商船三井 船長
松田 洋和
川崎汽船 船長
5年生/92名
長谷川弘一
商船三井 船長
第86回 H22.
10.
16(土)秋田県立男鹿海洋高等学校
1-3年生/406名
第87回 H22.
11.
10(水)北海道札幌市立福住小学校
第88回 H22.
11.
16(火)愛媛県今治市立大西中学校
第89回 H22.
11.
25(木)北海道札幌市立南月寒小学校
第90回 H22.
11.
26(金)北海道札幌市立南郷小学校
第91回 H22.
12.
08(水)広島県呉市立早瀬小学校
1-6年生/16名 長谷川 弘一
第92回 H22.
12.
16(木)大分県佐伯市立蒲江小学校
3-4年生/36名
第93回 H.
23.
06.
17(金)熊本県上天草市立阿村中学校
1-3年生/86名
第94回 H.
23.
06.
17(金)熊本県上天草市立大矢野中学校
1-3年生/378名
第95回 H.
23.
07.
15(金)栃木県佐野市立閑馬小学校
4-6年生/35名
第96回 H.
23.
08.
20(土)東京都練馬区立豊玉リサイクルセンター 練馬区民/40名
― 11 ―
池上 武男
長谷川弘一
池上 武男
長谷川弘一
池上 武男
長谷川弘一
小島 茂
長谷川弘一
小島 茂
長谷川弘一
商船三井 船長
元商船三井 船長
商船三井 船長
元商船三井 船長
商船三井 船長
元商船三井 船長
商船三井 船長
元川崎汽船 船長
商船三井 船長
元川崎汽船 船長
商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
藤澤 昌弘
川崎汽船 船長
池上 武男
元商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
長谷川弘一
商船三井 船長
長谷川弘一(母校)商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
長谷川弘一(母校)商船三井 船長
池上 武男
元商船三井 船長
森脇 喜一
元飯野海運 船長
山本 丈司
商船三井 船長
第97回 H.
23.
09.
16(金)千葉県市川市立妙典中学校
1-3年生/37名
第98回 H23.
11.
29(火)北海道札幌市立伏見小学校
6年生/146名
第99回 H23.
11.
29(火)北海道札幌市立東山小学校
4年生/71名
第100回 H23.
11.
30(水)北海道札幌市立南郷小学校
5年生/85名
第101回 H.
24.
02.
27(月)栃木県佐野市立常盤小学校
5-6年生/38名
第102回 H.
24.
02.
27(月)栃木県佐野市立氷室小学校
4-6年生/19名
第103回 H.
24.
02.
27(月)栃木県佐野市立常盤中学校
1-3年生/78名
第104回 H.
24.
06.
21(木)鳥取県境港市立上道小学校
5-6年生/91名
第105回 H.
24.
07.
15(日)広島県広島市ボートパーク広島
広島市民/37名 山本 丈司
第106回 H.
24.
07.
21(土)広島県尾道市海フェスタおのみち
尾道市民/55名
第107回 H.
24.
08.
31(金)青森県青森市立橋本小学校
3-6年生/48名 山本 丈司
小島 茂
山本 丈司
商船三井 船長
元川崎汽船 船長
商船三井 船長
商船三井 船長
第108回 H.
24.
09.
25(木)新潟県聖籠町立聖籠中学校
1年生/143名
佐藤 昭平(母校)日本郵船 船長
第109回 H.
24.
10.
19(金)高知県高知市立春野西小学校
5年生/42名
近森 茂雄(母校)日本郵船 船長
山本 丈司
商船三井 船長
第110回 H.
24.
10.
22(月)福岡県福岡市立博多小学校
5年生/125名
山本 丈司
第111回 H.
24.
11.
14(水)北海道札幌市立北光小学校
5-6年生/130名 小島 茂
商船三井 船長
元川崎汽船 船長
第112回 H.
24.
11.
14(水)北海道札幌市立西野第二小学校
5年生/132名
小島 茂
元川崎汽船 船長
第113回 H.
24.
11.
30(金)大分県佐伯市立佐伯東小学校
5年生/27名
山本 丈司
商船三井 船長
第114回 H.
24.
11.
30(金)大分県佐伯市立蒲江小学校
4-5年生/29名 山本 丈司
商船三井 船長
第115回 H.
24.
12.
06(木)広島県福山市立川口小学校
4-5年生/216名 山本 丈司
商船三井 船長
第116回 H.
25.
01.
17(木)大分県佐伯市立本匠中学校
1-3年生/25名 山本 丈司
商船三井 船長
第117回 H.
25.
02.
28(木)島根県松江市立美保関中学校
3年生/46名
森脇 喜一(母校)元飯野海運 船長
山本 丈司
商船三井 船長
第118回 H.
25.
05.
28(火)山口県下関市立川中中学校
1年生/202名
山本 丈司
商船三井 船長
第119回 H.
25.
06.
14(金)大分県豊後大野市立三重第一小学校 5-6年生/128名 赤嶺 正治(母校)元日本郵船 船長
第120回 H.
25.
06.
14(金)北海道札幌市立西岡中学校
1-3年生/344名 山本 丈司
商船三井 船長
第121回 H.
25.
07.
14(日)広島県広島市ボートパーク広島
2-6年生/33名 山本 丈司
商船三井 船長
第122回 H.
25.
10.
05(土)東京都葛飾区立青戸小学校
4-6年生/128名
近森 茂雄
山本 丈司
日本郵船 船長
商船三井 船長
山本 丈司
商船三井 船長
山本 丈司
商船三井 船長
第123回 H.
25.
10.
29(火)福島県立いわき海星高校
1-3年生/
専攻科37名
第124回 H.
25.
11.
07(木)大分県佐伯市立佐伯南中学校
1年生/87名
第125回 H.
25.
11.
11(月)大分県由布市立阿南小学校
5-6年生/32名 小島 茂
元川崎汽船 船長
第126回 H.
25.
11.
28(木)熊本県宇城市立三角中学校
1-3年生/180名 高濱 洋嘉
元国際エネルギー輸送 船長
第127回 H.
26.
01.
27(月)富山県高岡市立国吉小学校
5-6年生/68名 山本 丈司
商船三井 船長
第128回 H.
26.
01.
27(月)国立富山高等専門学校
商船学科
山本 丈司
2・3年生/79名
商船三井 船長
第129回 H.
26.
02.
12(水)福井県小浜市立宮川小学校
1-6年生/49名 重田 茂夫
元日本郵船 船長
第130回 H.
26.
02.
14(金)香川県高松市立牟礼南小学校
5年生/47名
― 12 ―
山本 丈司
商船三井 船長
「子供達に海と船を語る事業」は下記団体の協賛を得て実施されています。
2000年10月(事業開始)
協会創立50周年記念の自主事業として立ち上げ
2001年度~2006年度
日本財団
2007年度~2008年度
日本船主協会
2009年度~2010年度
海事センター
2011年度~2012年度
日本船主協会
2012年度~(現在)
海事センター
一方 2010年より、中小型造船工業会からの依頼で進水式の見学と併せて学校からのリクエスト
があれば、
「船長、海と船を語る」講演を実施しています。
日本経済新聞夕刊 2002年3月26日
― 13 ―
000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
講演した学校・児童生徒数
000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
学校数
北海道
16
京都府
5
青森県
1
大阪府
1
秋田県
5
三重県
1
山形県
2
奈良県
1
岩手県
1
和歌山県
1
宮城県
2
兵庫県
2
新潟県
2
岡山県
6
群馬県
1
広島県
5
栃木県
4
鳥取県
1
福島県
1
島根県
1
茨城県
1
山口県
2
埼玉県
3
高知県
1
東京都
4
香川県
4
千葉県
3
徳島県
1
神奈川県
6
愛媛県
4
山梨県
1
福岡県
3
静岡県
3
大分県
8
長野県
1
佐賀県
1
石川県
1
宮崎県
1
福井県
5
長崎県
4
富山県
2
熊本県
6
岐阜県
1
鹿児島県
2
愛知県
1
沖縄県
1
滋賀県
1
47都道府県 130校で講演
児童・生徒数:21,331名
⑯
(平成26年3月1日現在)
①
⑤
①
②
②
②
①
①
②
④
①
⑥
②
⑤
③
⑧
①
④
①
⑥
⑤
②
④
①
⑤
①
①
①
①
①
①
①
①
②
①
①
①
①
③
④
③
⑥
①
④
③
沖縄
①
― 14 ―
― 15 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
感想文の解析
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
講演終了後、聴講した生徒に講演の印象などを記載した感想文の提出をお願いしていますが、そ
の感想文は子供達の気持ちや印象が素直に表現されているため、これを解析することによって、講
演内容の過不足や理解の度合いが測れます。
1.講演内容の分析
講演で使用しているパワーポイント(以下 PP)および DVD「海と船」の内容は以下の要素
に分類される。
大項目
要素
1 .海の事を知る
2 .船の事を知る
3 .職業意識
PP で説明
DVD で説明
① 海の起源
○
×
② 世界の海
○
×
③ 日本と日本の海
○
×
④ 海洋環境保護
○
×
① 貿易
○
○
② 船の種類
○
○
③ 船の大きさと操縦性
×
○
④ 海賊
○
×
⑤ 船員
○
×
⑥ 航海
○
○
① 将来に夢
○
×
DVD では主に船の事を説明、特に「船の大きさと操縦性」については映像を多用し解りや
すく説明しているため、PP では説明していないが要素としては十分インパクトがあるので取
り上げることとした。
上記の検討から、講演の要素項目を以下の通り抽出した。
1
要素
内容
2
要素
内容
「海の起源」
原始の海で最初の命が生まれた。また、“海” という漢字に “母” の字が入っ
ているように海は全ての命の源、と説明するもの。
「世界の海」
地球表面積の70% は海、深さはエベレストより深い、と広さと深さを説明。
また、七つの海及び海の全体像を説明するもの。
― 16 ―
3
要素
内容
4
要素
内容
5
要素
内容
6
要素
内容
7
要素
内容
8
要素
内容
9
要素
内容
10
要素
内容
11
要素
内容
「日本と日本の海」
日本の国の面積は世界で62番目であるにも関わらず、EEZ は世界で 6 番目
と日本の管理する海の広さを説明。日本は海洋国家であることをその管理す
る海域の広さを通して説明するもの。
「海洋環境保護」
家庭の汚水、工場からの排水が適切に処理されず海に流されると海の生物や
人体に悪影響を及ぼす “海洋汚染” が発生すると説明し、海洋環境の保護を
訴えるもの。
「貿易」
日本で消費される小麦のほとんどは輸入で賄っていることや、船で運ばれる
貨物量を通して、日本の輸出入の運送はほとんど船(海上輸送)でなされて
いるということを説明するもの。
「船の種類」
輸送する貨物による船の違いを PP と DVD で説明するもの。
「船の大きさと操縦性」
映像でドックに入渠している本船を写し、船がどれほど大きいかを説明。船
はなかなか止まらないこと、旋回径が大きいことを通して、船が如何に巨大
で動かし難いかを説明するもの。
「海賊」
映画やアニメの中の海賊とは違い、現在でも凶暴な海賊が世界にいることを
説明し、日本国としての対処を説明するもの。
「船員」
乗組員の職制を通して、どのような人がどのような仕事をしているのかを説
明。航海士にあっては航海当直を組んで24時間船は動いていることを説明す
るもの。
「航海」
PP では、昼夜を通して24時間走り続ける本船の航海灯について説明し、夜
間の見え方について説明している。
DVD では日本から各国への航路を示し、スエズ運河、パナマ運河について
説明している。
「将来に夢」
夢は必ず叶えられるものであるから、夢を持って努力をしてもらいたいと激
励するもの。
― 17 ―
2.解析結果
これまでの講演の内容を、上記11の要素に切り分け1,100通(小学校628通、中学校472通)
の感想文を一枚一枚確認し反応した要素を基に解析した結果、次のような属性と傾向がみられ
た。
① アニメ等の影響もあってか、特に小学校 4 年生以下で「海賊」に対する反応が顕著。
② 「将来に夢」に対する反応は、女子は 4 年生から、男子では 5 年生から現われる。
③ 制服・制帽を着用しての講演は、インパクトが大きく、特に海に縁遠い地域では「船員」
に対する興味を引くのに効果がある。
④ 「船の大きさと操縦性」に対する興味は、学年が上がると薄れる傾向にある。
⑤ “船長、母校へ帰る” 講演では、先輩に対する尊敬の念からも「将来に夢」に反応する
子供達が多い。
⑥ 一方“船長、海と船を語る” 講演では、「船の種類」や「船員」に対する反応が目立つ
と言った様な、夫々の講演内容に素直に反応したものになる。
⑦ 本事業のメインターゲットである小 4 ~中 3 では、「船の種類」「船員」「航海」「貿易」
に良く反応し、外航商船船長経験者の講演として、「海と船」の知識普及という当初の目
的は十分に果たしている。
― 18 ―
小学生男子(比率)
小学生女子(比率)
小学生(合計)
― 19 ―
中学生男子(比率)
中学生女子(比率)
中学生(合計)
― 20 ―
3.講演使用資材の改善・充実
本レビューの目的のひとつである講演用資材の見直し/内容改善としては、前出の解析結
果を踏まえ以下の様に対応していく。
① これまで以上に、実施校の担当者等と講演内容を詳細に打ち合わせることにより学校の
要望にフレキシブルに対応する。
例えば、卒業を控えた子供達の母校では、先輩として「夢」の実現に向けた助言、また「立
志式」や「二分の一成人式」に際しては、キャリア教育の一環として学校側の意向を講演に
反映させていく。
② 「海賊」の説明の際、子供達の注意を引こうと今までアニメ/写真を併用していたが、
よりリアリティを持たせるため、写真のみに切り替える。
③ 反応が顕著な「船の種類」の項では、船がその運ぶ貨物に応じて専用船化(進化)して
きたことがより具体的にイメージしやすいよう工夫して説明する。
④ 2012年夏より始めた航海訓練所・練習船船上での講演は、実際の船に乗り込みブリッジ
では双眼鏡を覗き/エンジンルームの音や臭いに触れ/甲板を椰子擦りしてより参加者の
記憶に残るものとなっている。
今後も航海訓練所と一層の連携を図り、「体験型学習」の要素を盛り込んでいく。
⑤ 近年、船の大型化が進み内容が現実とかけ離れてきている DVD「海と船」を関係団体
の協力を仰ぎつつ、内容のアップデートを計る。
例えば、船に乗っている様な感覚が味わえる映像を取り入れる、又、海運の重要性や日本
人船員が安全保障の面でも必要な事をより一層アピールできるものとする。
⑥ 「海洋環境保護」の項目に、地球温暖化関連の内容を加え、より一層グローバルな視点
から環境問題を訴えていく。
― 21 ―
4.校長先生からのお礼の手紙と聴講生からの感想文
感想文解析の最後に、松江市立美保関中学校で開催した「船長、母校へ帰る」講演に対するあた
たかいお礼の手紙と感想文を紹介します。
― 22 ―
― 23 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
練習船・実習生へのアンケート
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
感想文の解析と並行して航海訓練所協力の下、現役実習生にアンケート調査を実施しました。
400通を超える回答結果の中から、過去にこの講演を聴講したことがある実習生が 3 名おり、その
内の一人は講演後の感想文の中で「私も(先輩である)松野船長のような立派な船長になることが
目標なのでこれから勉強を頑張ります。」としっかりとした文字でしたためていました。
数年から十数年前の卒業生の消息を追跡することは、個人情報保護等の法的規制もあり容易では
ありませんが、講演を聴いてくれた児童・生徒の心の中にはなにかが残り、将来の進路決定の際に
は甦ってくるものと、今回の感想文の解析とアンケート調査を通して確信しました。
― 24 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
“Tell your Children’s School”
日本船長協会 副会長 赤塚
宏一
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
左のポスターは、英国の Merchant Navy
Training Board(商船訓練委員会)が海事関係
の新聞や雑誌に掲載しているもので、キャッチ
フレーズは “Tell your children’s school about
the Merchant Navy” である。日本船長協会の
「船長、海と船を語る」の英国版といえよう。
この Merchant Navy Training Board(MNTB)
は、英国の産学官三者の船員教育・訓練・技能
取得に関する推進、開発、振興を図る組織であ
る。Merchant Navy という呼び方は、第一次
世界大戦にあたって英国商船隊の功績きわめて
大であるとして、時の英国国王のジョージ五世
が授けた称号である。アメリカでは Merchant
Marine と呼んでいる。
英国では青少年に対する海事思想の普及には多大な努力が払われ、多くの海事関連組織(ざっと
数えても35団体ある)が単独であるいは連携して運動を進めている。英国も先進国の御多分に漏れ
ず若い世代の海離れは進んでいる。英国の場合、第二次世界大戦後もしばらく船腹量、船員数とも
に世界一であっただけに現状に対する危機感は強いものがあるのであろう。
200年以上にわたって英国の生命線であり続けた海運、現在でも輸出の75%、輸入の95%を海上
輸送が担っており、全国で海運・海事関係が733, 800人の雇用を生み出し、文字通り英国経済/社
会の要であるのに英国民の多くは海について無関心であり、海についての知識に欠ける、そして船
員という職業は今や忘れ去られた職業(a forgotten profession)と嘆く。ある調査では子供の四分
の一が、いちばん有名な英国の船乗りはハリウッド映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャッ
ク・スパロウ船長だと思っているそうだ。質問者はネルソン提督かクック船長あるいはドレーク船
長の名前が挙がるのを期待したのであろう。
英国ではこれまでも多くの海事思想普及のためのキャンペーン、“Sea Vision”(これは11歳から
12歳の子供達を対象に行われる)とか “School-Ship Link”、“Fight against sea blindness”、“Seafarers
Awareness Week などが行われ、現在もそれらのキャンペーンは継続されているものもある。
そ れ ら の 中 で 日 本 船 長 協 会 の キ ャ ン ペ ー ン に よ く 似 た こ の MNTB の Careers at Sea
Ambassadors を取り上げて紹介してみたい。
このプロジェクトは Nautilus International と Marine Society & Sea Cadets が全面的に協力し
― 25 ―
ている。Nautilus International とは英国及びオランダの船舶職員組合である。また Marine
Society は今から257年前の1756年に設立された世界最初の船員の為の慈善団体である。欧州大陸諸
国との差し迫った戦争を控え海上輸送路の確保の為、貧しい家庭の子弟を商船船員にあるいは海軍
軍人に教育養成するための支援を行うことを目的として創設された。そしてその時代・時代の要請
に応じつつも一貫して船員及び海軍軍人の養成のための支援を行ってきた。現在でも船員に対する
最も有力な慈善団体として、船員の教育、職業的キャリアの開発、財政的支援、図書・DVD 及び
その他のメディアの配布や貸出、学生に対する助言やガイダンスそしてカウンセリングなどを行っ
ている。その後英海軍を対象とする慈善事業団体である Sea Cadets と統合して今日に至っている。
さて、このプロジェクトは船員を始めとする海事関連職業に従事した OB もしくは現役が
Ambassador として登録する。登録した Ambassador の予備軍は半日の研修を受ける。研修はパ
ワーポイントの使い方、商船教育・訓練機関の情報、また Ambassador の住む地域の学校や青少
年のグループ、団体などの情報が与えられる。このプロジェクトに登録して Ambassador になる
とプレゼン用の機材、ビデオソフトやスライドなどの教材が支給される。船社や商船教育訓練機関
のパンフレット、ロゴ入りのペン、ポスターなども用意される。これらの資料や教材はその内容が
時々見直される。この研修の後、各 Ambassador は地域の学校や青少年のグループ・団体などを
訪問し、海運業界に関わる職種について語るのである。
このプロジェクトが子供たちに伝えるべきメッセージとして重視しているのは、
➢ 英国海運は英国の経済と日常の社会生活に重要な役割を果たしていること
➢ 英国には国際的にも最も水準の高い航海士、機関士そして電気技士になるための教育・訓練
施設があり、学費はもちろん手当や訓練費用も支給されて資格を取得することが可能である
こと。
➢ 若くして重要な責任を果たす地位に就く機会が得られること、また魅力的な給与も見込める
こと
➢ 船上での業務は変化にとみ興味深く、近代的な各種のハイテク船舶で最新のテクノロジーを
駆使する仕事であること
➢ 一般の旅行では訪れる機会の無いような所も含め、世界中を会社の費用で業務の一環として
旅行出来ること
➢ 船上での経験・知識と海技資格があれば、陸上で海運や海事関連の幅広い職種に就く機会が
多くあること、職種の中には船舶検査官、船舶管理者、ブローカー、テクニカル・スーパー
インテンデント、海事弁護士なども含まれる。
このプロジェクトでは直接的に船員への勧誘を行うものであり、日本船長協会の講演会が「海と
船を語る」と称して海事思想の普及を第一とし海と船とに関わる基礎的なテーマを解かりやすく解
説し、必ずしも職業としての船員を紹介/勧誘をしないこととの違いがある。
陸上への転職やその職種について、具体的な例を挙げて述べているのは、英国において国際的に
も最も重要な陸上の海事産業、特にロンドンのシティにおける海事クラスターを支える中核的な人
材を伝統的に船員経験者に求めてきたからである。
それでは教材として使用されているスライドを少し見てみよう。
― 26 ―
左図は表紙で Ambassador の名前を記入す
るようになっている。またスライドのガイダン
ス・ノートにはプレゼンの際のナレーションも
記載されている。
船の大きさを子供達も良く知っている建物の
大きさと比較している。ロンドンにあるビッグ
ベン(現在はエリザベス女王の在位60周年を記
念してエリザベス・タワーと呼ばれる)やエッ
フェル塔と対比している。
船内での 1 日で船橋や機関室、居室などの写
真である。
陸上の職種の一例として造船所やコンテナ・
ターミナル、オフィスワークなどの写真が載っ
ている。
また研修では “Do’s and Don’ts” というリストを渡される。これはプレゼンにあたっての心構え
を列挙したもので、おそらく一般の講演にあたっても適用できるものであろう。
― 27 ―
いわく、自分に正直であれ、答えの解からない時は解からないと語り、後日調べてしかるべく回
答せよ、とか、自分自身の言葉で語れ、ガイダンス・ノートのナレーションはあくまで参考に過ぎ
ないなどとしている。機会均等及び差別禁止法(Equality and discrimination Act)には十分に注
意して人種や宗教、あるいは男女の性別にかかわる問題には細心の注意を払うように要請している。
このリストは日本船長協会が講演をするときも参考になるだろう。
少し古いが Nautilus International の機関誌 “telegraph” の2011年 2 月号に実際に Ambassador
として孫の在籍する小学校で講演をしたウィルソン船長のレポートが載っているので要約して紹介
する。
『コンウォール地方(英国南西部)の中心部にある小学校の 5 年生( 9 〜10歳)に対してプレゼ
ンを行った。最初に商船で働くとはどんなことかを説明し、船乗りになるための教育・訓練の機会
は男の子にも女の子にも開かれていること、君達はコンウォールの中心部に住んでいるのだが、コ
ンウォールだけが世界ではないし、農業や牧畜、あるいは工場で働く事だけが人生ではない。広い
世界が君達を待っているし、給与も高い、と話した。
これはとりわけ女の子達をびっくりさせたようだ。女性であってもどんなタイプの船の船長にも
機関長にもなることが可能だとは思ってもみなかったようだ。
スライドを見せ、ビデオソフトを見せると嬉しいことに驚くほど多くの子供達が質問をした。一
人の子供は海賊について質問をした。これをきっかけに子供達の議論が活発になった。ある子は「な
ぜタンカーが狙われるの?」(低い乾舷と遅いスピードの為)、他の子は「海賊は客船も襲うの?」、
また「商船には安全を守る方法はないの?」等々発言した。船上での生活振りや陸とのコミュニ
ケーション方法について説明して、現在では多くの船が衛星放送受信装置やブロードバンド設備が
あると教えると、子供達は船に乗って家を遠く離れていても家族や友人たちと簡単に連絡を取るこ
とが出来ると知って安心したようだ。
また子供たちは船社がスポンサーとなって、教育・訓練費用を出してくれ資格も取れるので、多
額の学費を払って大学に行かなくても、それ相当の教育を受けることが出来ることを知って喜んで
いるようだった。
うぬぼれかも知れないが、子供達はこのプレゼンを大変喜んでくれたようだ。何といっても商船
の話を聞くのは全く初めてなのである(私の孫を除いて)。
盛大な拍手で終わったプレゼンのあと、先生が子供たちに「商船に乗りたいと思う人は手を挙げ
て」というとなんと 1 人を除いて全員が手を挙げた。その手を挙げなかった子は「僕は商船ではな
く海軍に入って海賊を捕まえるのだ」と宣言した。講演は大成功だったと言わせてもらおう、と思
う』
。
他の欧米諸国における子供達への海洋教育、とりわけ商船や船員に対する教育(普及活動)につ
いても調査を依頼されたが、体系的な資料を収集する時間もなく、これは今後の課題とするとして、
ここでは主として英国における活動の例を紹介することとした次第である。
なお IFSMA(国際船長協会連盟)の理事会において立ち話程度であるが、欧州各国から選出さ
れている副会長から、聴取した各国の状況を簡単に述べてみたい。
― 28 ―
オランダ
船主協会及びパイロット協会と共同で Nautilus International のオランダ支部が Seafarers
Ambassador を指名して12歳の子供を対象として商船/船員について講演を行っており、年間400
人から500人の子供達が参加している。教材として DVD の作成などを行っている。
ノルウェー
2005年から本格的に子供への海事思想普及活動に乗り出した。船主協会など関係団体から寄付を
集め基金を創設した。小学校から高校までを対象として、ボランティアが学校を訪問し講演会を開
催している。
ドイツ
船長協会として組織的な活動は行ってはいないが、それぞれ地域ごとにボランティアが小学校な
どを訪れて子供達に海や商船の話をする機会がある。2006/2007年から交通省、労働社会省、教育・
学術・研究・技術省など海運や海洋に関わる管庁が合同で青少年への海事思想普及活動に乗り出し
ており、Open Day と称して船舶を含めた海運/海事職場の見学などを行っている。
スウェーデン
高校生を対象として、夏季に海事体験プログラムと称して 1 週間を陸上の職場で、 1 週間を船上
で実際の業務を体験するプログラムなどがある。総じて「体験型」、「参加型」の活動が多い。
米国
船長協会は広大な地域を12の支部にわけ、それぞれの支部が地域活動の一環として、青少年への
海事思想普及活動に取り組んでいる。
北太平洋地区シアトル支部の例をみ
ると、現役の船長が地元の大学で講
演し、好評だったところから “Sea
Captain’s Lecture Series” として大
学の講座として継続するか検討中と
の こ と で あ る。 ま た こ の 支 部 は
Youth Maritime Training Association(YMTA)とパートーナーシッ
プ協定を結んでおり、財政面も含め
て支援している。この YMTA の活
動はワシントン州の小・中・高校及
び関連団体の青少年に海事思想普
及・教育・訓練及び海上経験の機会
提供を推進することを目的としてい
るとのことである。
(米国船長協会
会誌 “Sidelights” December 2012)
以上
― 29 ―
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
「船長、母校
(港)へ帰る」の15年
日本船長協会 常務理事 山本丈司
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
我が国外航商船隊の現場指揮者として、あるいは無官の外交官といわれて、世界の海で活躍して
きた船長の集団として、誇りを持って我が国海運の発展の為に尽くしてきた日本船長協会は、2000
年に創立50周年を迎え、その節目に当る記念事業の一つとして「船長、母校(母港)へ帰る」が企
画されました。
この企画は、当協会会員の現役船長または船長経験者が学校に赴き、主として小学校高学年と中
学生を対象に海と船の話をするもので、船長が自らの母校を訪れ行う場合を『船長、母校へ帰る』
講演会とし、卒業生に船長がいない学校で行う場合を『船長、海と船を語る』講演会として実施し
て来ました。
これまで(2014年 3 月 1 日現在)
、小学校79校、中学校40校、高校他11校で開催し、日本全国47
都道府県にまたがっており、聴講児童・生徒数も 2 万 2 千人に迫る状況で、一部地域で反復開催要
望が出るほど好評を得ています。
(P14〜15 講演した学校・児童生徒数 ご参照)
このように順調に実施している当事業ですが、開始から十余年経過したことを機に、これまでの
実績を取りまとめた報告書を作成すると共に、変化する時代背景に対応するための必要な見直し(レ
ビュー)を実施しました。
⑴ 関係者への謝意
当事業は、10年以上の歴史、130校の実績がありますが、これは多くの方々のご協力のもと
に成り立ったものです。
そこで、これまでの実績の取りまとめを行い、報告書としてまとめ発表することによって、
ご協力いただいた方々への謝意を表すことと致します。
⑵ 時代背景の変化への対応
昨今、脱ゆとり、子供達の「海離れ」の加速等、開始当時と時代背景が変化していることか
ら、協会として講演方法の見直しや、講演対象者の拡大等、事業見直しの必要性を感じており
ました。
一方、日本国政府は2007年 7 月20日に、
「海洋に関する国民の理解と人材育成」を施策の一
つとして掲げた海洋基本法を施行し、さらに、それを果たすための海洋基本計画も施行されま
した。
海洋基本計画は、おおむね 5 年毎に見直しが行われますが、2012年 3 月28日に開催された『第
90回海洋フォーラム』で海洋政策財団から、「海洋基本計画をレビューした結果、海洋に関す
る学校教育は十分なされていない」と発表されました。
― 30 ―
当協会の事業は、これら海洋基本法、海洋基本計画の施策の目的と方向性が合致しているこ
とから、
「国民の海洋への理解度を深める為の努力が必要」との指摘を真摯に受け止め、また、
かねてから事業の見直しの必要性も考えていたことも考慮し、事業のレビューを行い、講演内
容の再編や対象者の拡大を図ることします。
「子供達に海と船を語る」事業は、歴史も長く、好評なため、当協会では極めて重要な事業と
して位置付けており、今回のレビューを通して、関係者への深い感謝の意を示し、また、さらに
好評を得られる講演が実施できるよう入念に準備し内容を改善・充実させていきたいと思います。
我が国では、世界で唯一といわれる「海の日」という国民の祝日が設定されているにも関わらず、
小中学校の教育課程に「海」が無く、しいては国民の海洋に関する理解度が低いことが憂慮されま
す。
一方、周囲の海事関係団体で各々実施されている「海事思想普及活動」を見渡しても連携感に欠
け、その効果・実態も疑問の余地があります。
今後は、各関係団体が連絡を密にし、ベクトルを揃えてより一層「海洋に関する国民の理解の拡
大と人材育成」に邁進することが、海運業界の後継者対策として有益であると思量します。
最後に、当事業をご提案戴き今回のレビューにもご寄稿戴いた柳原良平画伯、数年来ご自身の小
学校ばかりでなく北海道内の小・中学校を紹介戴いている貴戸紀彦校長先生はじめ関係各位に深く
御礼申し上げます。
「大成丸」最後の航海、船上での講演を終えて
― 31 ―
「船長、母校へ帰る」
〜子供達に海と船を語って15年〜
発行日 2014年 3 月 1 日
編 集 一般社団法人 日本船長協会
責任者 常務理事 山本 丈司
発 行 一般社団法人 日本船長協会
〒102-0083 東京都千代田区麹町 4 丁目 5 番地
海事センタービル 5 階
TEL 03
(3265)
6641
印 刷 船舶印刷株式会社
※ 本書内容の無断複写・転載を禁じます。
Fly UP