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情報理工学科 2016年度研究室配属説明会資料
情報理工学科 2016年度研究室配属説明会資料 笠原博徳研究室(55N号館505/507, GCS: Green Computing Systems R&D Center) ① 研究室名(場所) 内線:75-2385, [email protected], 問合せ: [email protected] 研究室決定後の集合場所及び日時: 配属決定後すぐ: 55N 号館1階第2会議室 ② 研究分野:低消費電力マルチコア&メニーコア・プロセッサ, 並列化コンパイラ, スーパーコンピュータ, グリーン(太陽光電力駆動)コンピューティング,API,並列処理応用(IoT,マルチメディア,画像認識,医療画像処理 (カプセル内視鏡),自動車(自動走行・ADAS・エンジン制御等),Deep Learning,地震波伝搬解析,ビッグデータ等) ③研究テーマ 本研究室では、環境に優しい次世代IT機器の開発を目指して、高性能・低消費電力マルチコアプロセッサとそ のソフトウェア(並列化コンパイラ、API等)の研究開発を産官学連携で行っています(下左図)。マルチコアはIoT, スマートフォン、ウェアラブルデバイスから、自動車、ロボット、医療機器、スパコン等ほとんど全ての情報機器に導 入されます。現在までに国家プロジェクト(経産省)にて世界初のコンパイラ制御低消費電力マルチコアプロセッサ とコンパイラ・API(並列処理用の言語)の開発に成功し、半導体世界最高の学会であるISSCCでの発表、担当学生 の最優秀学生研究賞、総合科学技術会議での総理大臣、文部科学大臣、経済産業大臣等への紹介、IEEE Computer Society歴代会長からの世界最高峰の研究との賛辞等を戴いています。2011年に経済産業省の支援で 建設された「グリーンコンピューティングシステム研究開発センター」(東西線早稲田駅すぐ横)を産官学連携研究 開発の拠点として、従来より日立・富士通・三菱・ルネサス・NEC・NTTデータ・デンソー・トヨタ・オリンパス・オスカ ーテクノロジー等の国内主要企業のトップの研究者の皆さんと産官学連携研究を行っています。具体的には、 ExaFLOPS(1秒回に100京回の演算)超低消費電力スパコン、太陽電池駆動メニーコア、それを用いた医療画像処 理(カプセル内視鏡)・スマホ・タブレット・8K放送・無線基地局・自動車制御(自動走行,高度安全制御等)・防災サ ーバ(電源喪失時でも太陽電力で避難誘導できるスパコン)等への応用の研究を行っています。 (1) マルチコア・メニーコアアーキテクチャ技術(ハード) 各種情報家電から自動車、スパコン等で使用される次世代マルチコア技術の研究開発を行います。特に、自動並 列化コンパイラと協調し、高性能、優れた価格性能比、低消費電力(グリーンIT)、短ハード・ソフト開発期間、高ソフ トウェア生産性を実現する国際競争力の強いプロセッサの実用化を目指します。現在電力ワット当たりの性能を100 倍以上向上させるアクセラレータ付きマルチコアプロセッサの設計を産官学連携で行っています。 (2)自動並列化コンパイラ技術(ソフト) 自動並列化コンパイラは、通常のプログラムを複数のプロセッサコア用に並列化するソフトで、今後の国際競争力 確保のために中心的な技術です。国家プロジェクトにより世界最高性能と、世界初の電力制御機能を持つコンパイ ラ技術の開発に成功しました(下右図)。この世界唯一の自動電力削減技術によりマルチメディア処理・顔認識等 の電力を従来の1/3に削減可能になりました。この技術は自動車・医療分野・IoT分野等への実用化が間近です。 (3)マルチプロセッサ・スケジューリング・アルゴリズム(理論) マルチプロセッサスケジューリング・アルゴリズムは、コンパイラ,OS,アーキテクチャ開発の基礎理論で、計算のプ ロセッサへの割当を決定する技術です。本問題は強NP困難と呼ばれる最適解を得るのが非常に困難な問題であ り、本研究室では従来技術を2桁上回る大規模問題を解くことを可能にしています。 (4)マルチコア・メニーコア・プロセッサアプリケーション(応用) 病気や災害から命を守る、ウエアラブル,IoT,スマホ等マルチメディア処理の高速化・低消費電力化による利便性向 上・産業競争力強化、自動車制御(自動走行・高度安全制御)等安全安心・省エネ等を目指した研究を行っています。 例えばガン重粒子線治療計算で64コアで55倍、地震波伝搬解析で128コアで110倍の高速化に成功しています。 ④ 人員構成: 教授:笠原博徳,助手:見神広紀・島岡護・梅田弾,博士課程4名,修士2年6名,修士1年6名,研究員: 日立・富士通・NEC・ルネサス・オリンパス・デンソー・NTTドコモ・OSCARテクノロジー等企業より40名以上,Dr.白子 準&Dr.林明宏(Rice大),海外客員教授(米国・スペイン等) ⑤ ゼミ: 全体ゼミ(週1回),グループゼミ(週1回程度),国内外研究者講演会随時 ⑥ 研究室の行事: 卒論グループ分け,歓迎会,軽井沢ゼミ7月~8月,OB会12月(旧成田研,木村研と合同)等 ⑦ オープンハウスの日程:場所:55N507A(24日除く10:00-17:00),GCS見学:3/23 2:00PM 1F集合, 3:30説明会(1F) ⑧ その他 <教員紹介:笠原博徳>1980年早大理工電気工学科卒,1985年同博士課程了(工博), 1983年早大理工助 手,1985年日本学術振興会第1回特別研究員,1985年カリフォルニア大学バークレーEECS客員研究員. 1986年早 大理工電気専任講師,1988年助教授,1989年-1990年イリノイ大学 Center for Supercomputing R & D客員研究員, 1997年早大理工教授,現在情報理工学科。 1987IFAC World Congress第1回Young Author Prize, 1997情処学会坂 井記念特別研究賞, 2004STARC共同研究賞,LSI オブザイヤー準グランプリ, 2010 IEEE Computer Society Golden Core Member, 2014文部科学大臣表彰,2015情処フェロー。査読付論文 207件, シンポジウム論文31件, 研究会 論文158件, 招待講演130件, 新聞・メディア掲載496件,特許公開53件(既取得27件), 研究室学生受賞20件。 学会活動:IEEE:Computer Society理事・Multicore特別技術委員長,情報処理学会:計算機アーキテクチャ研究会 主査, 論文誌編集委HG主査,会誌編集委HWG主査, JSPPプログラム委員長),ACM :1996ENIAC50周年記念 International Conference on Supercomputing (ICS) プログラム副委員長等多くの国際会議プログラム委員歴任。 各種委員等:文科省:情報科学技術委員,次世代スパコン(京)評価委員,地球シミュレータ評価委員,HPCI推進委 員, 経産省/NEDOリアルタイム情報家電用マルチコア・プロジェクトリーダ, アドバンスト並列化コンパイラ・プロジェ クトリーダ,経産省情報政策フォーラムアーキテクチャ/HPC WG主査, NEDOコンピュータ戦略WG委員長, 内閣府: 総合科学技術会議分野別推進戦略(情報通信)ソフトウェア・セキュリティWG,研究開発基盤WG委員等225件歴任。 研究設備:日立HPCサーバ(Power7ベース128コアSMP, BS2000 64コアSMPブレードサーバ), 富士通HPCサー バ(SPARC 256コア世界最大SMP), IBM Power8サーバ,64コアHPCサーバP6-595& SGI 64コアALTIX450(63号 館3F), 40台以上のIBM P550最先端4~8プロセッサデスクサイドサーバ,16コアデスクサイドスパコンSGI Altix450 7台,AMD 48コアSMP, Intel 32コアSMP,ARMベース各種Android端末の他,スマホ用NVIDIA, QUALCOM, RENESAS等各種組込マルチコア等,研究室として世界最高レベルの計算機環境(下写真)を用意しています。 学外連携:本研究室では、IEEE Computer Societyマルチコア技術委員長として、国際会議発表のみならず、海外 の大学及び企業の超一流研究者と協力した種々の研究・教育企画、議論を通して、最先端技術の研究開発を世 界的視野で行っています。国内産業界への就職のみならず,海外での研究も可能です。(関係研究機関例:スタン フォード大, MIT, イリノイ大, パデュー大, カリフォルニア大, ライス大,デラウェア大,マドリッド工科大 フランスLETI, INRIA, IMEC, D-SPACE, MathWorks, IBM, HP, NVIDIA, Google, RAMBUS, Qualcomm, ARM, Intel等) 研究に関連した科目: コンピュータアーキテクチャ,言語処理系 先生からのコメント: 高性能・グリーン・生命をテーマに世界に役立つ最先端研究開発を一緒に行いましょう。 IEEE Computer Socirty 会長 早稲田大学グリーンコンピューティングシステム研究開発センター Dr. Dejan Milojicic (世界から多くの来客)