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ICOLC: InternationalCoalitionofLibraryConsortia
国際図書館コンソーシアム連合 (ICOLC :I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fL i b r a r yC o n s o r t i a ) 2 0 0 8年春季会合参加報告 赤 崎 久 美,吉 田 幸 苗 抄録 :本会合への参加は,わが国の大学図書館界としては,北米会合の第 1 2回 ( ナッシュピル大会),1 4回 5回 ( ニューオリンズ大会), 1 6回 ( ボストン大会), 1 7回 (フイ ラデルフイア大会),1 8 (ラホ ーヤ大会), 1 回 ( モントリオール大会),欧州会合の第 6回(バルセロナ大会), 7回(ポズナニ大会), 8回(ロ ーマ大 n s会 ) , 9回(ス トックホルム大会)に続くものである 。今回は,電子ブック, 小 出版社, SCOAP3,Tra , 次世代 図書館システムをテ ーマと した発表 ・討議が行われた 。 また, f e rプロジェク ト,資料デジタル化 Ingram杜や Wi l eyB lackwel杜などとは ,グリルと呼ばれる,出版社 との直接討議のセッションが行われた。 キーワード:図書館コンソーシアム,国際図書館コンソーシアム連合, ICOLC,電子ジ ャーナル,電子ブ ッ ク,次世代図書館システム 1 . はじめに 国公私立大学図書館協力委員会による派遣事業の 一環として, 2008年 4月 1 4日から 1 6日まで,サン フランシスコにて開催された国際図書館コンソーシ アム連合(ICOLC I nternationalCoali t i o no f L i b r a r yConsor t i a)1) の 2008年春季会合に参加した。 本会合は年 2回,春季は北米,秋季は欧州、│で開催さ れており,北米会合の第 ロ 1 2回(ナツシユピル大会λ ), 1 4回(ラホ一ヤ大会λ ),日 1 5回 ( ニユ一オリンズ大会) 入, 1 凶6回(ボボ、ストン大会λ ),1 η 7回 (フイ ラデデ、ルフイア大 開催日程: 2008 年 4 月 14 日 ~ 1 6 日 開催場所:シェラトン・フイ ツシャ ーマンズ ・ ワーフホテル(米国サンフランシスコ ) 1 4名(内訳は,アメリカ合衆国 88名 , 参加者: 1 カナダ 1 2名,オーストラリア,フラン ス , 日本各 3名 , ドイツ,ノルウェー, 南アフリカ,スウェーデン, トルコ各 l 名) 3 . アジェンダ ( 議題一覧) 会 ) 入 , 1 8回 (モントリオ一ル大会λ ),欧州 汁 ナ j H 1 、 1 会合の第 6 以下に議題と発表者を示す。括弧内は発表者の所 回(パルセロナ大会 )λ7回(ポズナニ大会 )λ8回 属コンソーシアム等を示す。 なお,所属等は発表当 (ロ一マ大会 )λ9回(ストツクホルム大会)に続く ものでで、ある 2)ト-1 川 υ l ) 時のものである 。進行役については割愛した 。 刊 十 │ ト 3日間のアジェンダは以下に示すとおりである が 1日目は電子ブックに関して重点的に発表 ・討 2日日は出版社の発表 ・討議,いわゆる グリル ( G r i l l e :“厳しく 尋問"するという意味で使 用しており,出版社とのセッションをこのように称 議があり している)が中 心 であり (但し Ingramネ土について は電子ブックのアグリゲータであるためか 1日目で あった), 3日目は図 書館シス テムに関する発表・ 討議がなされた。以下に電子ブ ック と次世代図 書館 システムに絞り,いくつかの発表をピックアップし て報告する 。 2 . 開催状況 会議名 :国際図書館 コンソーシアム連合 ・ 2008年春季会合(ICOLCSpr i ng 2008 Meet i n g ) 4月 1 4日(月) (1)全体討議 1 電子ブック ① eBook e volution/G i l l i a n Harrison ( BCR12)) ② Ri c kBur k e( S t a t e w i d eCa i l f o r n i aE l e c 1 3 t r o n i cLi b r a r yC o n s o r t i u m)) ③ Ebook RFP s coring matrix/Faye Abrams/Warren Holder (Ontario C o u n c i lo fU n i v e r s i t yL i b r a r i e s14)) ④ E-books i nt h e CIC/Kim Armstrong (Committeeon I n s t i t u t i o n alC o o p e r a 1 5 t i o n)) ⑤ Cal me Ol dFashioned/Tom Sanvi l l e ( 0h i oL INK16)) ⑤ Whi t h e ro r Whether e-Book Reade r s ?/ Arno l dH i r s h o n (NELINET17)) 85 国際図書館コンソーシアム連合 2 0 0 8年春季会合参加報告 (2)グリル 1 I ngram社 1 81 (7)運営会議 ① COUNTER Update/KathyPerry LindaVendreys,Ri chRosy (3)分科会 ② KnowledgeExchangelHildegard 分科会は 2回に分けて行われ,前半と後 半で違うテーマのものに参加できる 。 テー マは 4つあり,以下のとおりである 。 ・コンソーシアムの課題 9 ト .LOCKSS,CLOCKS,P o r t i c ol 2 1 1 4月 1 6日(水) (1)全体討議 6 次世代図書館 シ ス テ ム : 概 観 ① Next Generation Systems Overviewl 4 1 JohnHel mer( O r b i sCascadeA l l i a n c e3 ) (2)全体討議 7 次 世 代 図書館システム ・利用統計とデータ分析プロジェクト coveryLayer .アクセシピリティ ① Vivisimo Velocity a t Norwegian El e c t r o n i c Health LibraryI K j e l lTjensvoll (NorwegianEl e c t r o n i cH e a l t hL i br 3 5 1 ) a r y (4)全体討議 2 SCOAP321 ① MakingSCOAP3Happen/Ivy Anderson ( C a l i f o r n i aD i g i t a lLibrary2 31 ) 4月 1 5日(火) (1)全体討議 3 小出版社 ② Bibliocommons a t C a l i f a/Roberto Esteves ( C a l i f aLibraryGroup3 6 1 ) ③ Primoa tCCLA/RichardMadaus.Lucy ① Ann Okerson (NorthEast Research 41 L i b r a r i e sConsortium2 ) Harrison ( C o l l e g e Centerf o r Library 7 1) Automation3 ② ThePerspectiveo faSmallSTMPub- ④ Local development a t Orbis Cascade l i s h e ront h eC o n s o r t i a lE l e c t r o n i cCon- A l l i a n c e/KyleBanerjee ( O r b i sCascade tent Market/Jackie Zanghi-LaPlaca 2 5 1 ) ( I G IGlobaj A l l i a n c e ) ③ A University Press Perspective/Kim 6 1 S t e i n l e (DukeU n i v e r s i t yPress2 ) ④ SomeThoughtsonWorkingwithSmall Publishers/Kathy Perry (The V i r t u a l 2 7 1 Libraryo fV i r g i n i a) (2)全体討議 4 Transferプロジェクト 2 81 ① Diane C o s t e l l o( C o u n c i lo fAustralian 2 9 1 U n i v e r s i t yL i b r a r i a n s) ② Joan Emmet (NorthEast Research ③ Transfer Update/Elizabeth Winters (Project Transfer Working Group, GeorgiaI n s t i t u t eo fTechnology) 3 0 1 (3)グリル 2 Wiley-Blackwel 1 ReedE l f e n b e i n .C h r i s t o p h e rMcKenzie (4)全体討議 5 資 料 デ ジ タ ル 化 ⑤ VUFind a t Villanova/Dan Iddings (Pennsylvania Academic Library ConS 叩o r 此t i 山 山 u 1 江d I 町T 王 ⑥ Th 児e TRLN E ndeca P r o ω J e 目c t/Derek Rodriquez ( T r i a n g l eResearchL i b r a r i e s Network 訓) ⑦ Opens o u r c ea tNELLCO/TracyThompson ( New England Law Library Cons o r t i u m ) ⑧ Library Thing a tSFS t a t el John Wen z l e r (SanF r a n c i s c oS t a t eUn i v e r s i t y ) L i b r a r i e sConsortium) Googleと (3) 全 体 討 議 8 次世代図書館システム: ResourceSharing ① Article Reach i n Michigan/Randy Dykhuis (Michigan Library Consor0 I tium4 ) ② OrbisCascadeA l l i a n c eandOCLCc o n - 31 OpenContentA l l i a n c e1 s o r t i a lborrowings o l u t i o n/ JohnHelmer ① Barbara Preece (Boston Library Con21 sortium3 ) ( O r b i sCascadeA l l i a n c e ) ② CIC-GooglePartnership :ICOLC Update/Mark Sandl e r (Committee on I n s t i t u t i o n a lC o o p e r a t i o n ) (5)グリル 3 DukeU n i v e r s i t yPress DonnaB lagdan,KimS t e i n l e (6)グリル 4 Universityo fC a l i f o r n i aPress31 LynneWithey,RebekahDarksmith ③ ResourceSharinga tPALCIIDanI d d i n g s ( Pennsylvania Academic Library Consortium) ④ WorldCat Local as Next Generation MelvylC a t a l o g / TerryRyan (UCLA) (4) 全 体 討 議 9 次世代図書館システム: I n t e g r a t e dLibrarySystems ① Evergreeni nMichigan/RandyDykhuis (MichiganLibraryConsortium) 86 D i s - 大学図書館研究 LXXXV ( 20 0 9 . 3) ② Kohae l F L IArnoldHi r s h o n(NELINET) ており,検討課題である 。 ③ Up d a t e :DFLI LS Task Force/Mona Couts (Tr i a n g l e Research L i b r a r i e s Network) 0 次世代図書館システム:討議 (5)全体討議 1 4 . 2 . 次世代図書館システム 冒頭で ,今回の各プレゼンに関して,コンソーシ アムの立場から,各々の活動について発表をしても i s らうことにしたという説明があり,全体を“ D 説明がなされた 。今のところそれは多種多様といっ c o v e r yL a y e r ", “R esourceS h a r i n g ", “I n t e g r a t e d L i b r a r ySystems" の 3部に分けて発表が行われた 。 D i s c o v e r y " では,情報を発見するツール(例え “ ば OPACやサーチエンジン等)の導入・開発例につ てよい 。デバイス(例えば Amazonの K i n d l e ) かコ いて 4 . 議事 4 . 1 . 電子ブック 最初に電子ブックに関係するキーワードについて ンテンツそのものか,オンラインかオフラインなの 8つの発表があった 。 l e c t r o n i cH e a l t hL ibraryで 例 え ば NorwegianE か,本全体か章などのより細分化した単位か, 買取 は,医学 ・ 薬 学 情 報 を ユ ー ザ ・フレンドリーな形で かそうでないか,また,電子ジャーナル同様,提供 「発見」してもらうには,シングル・サーチ・イン がフリーのものもあれば出版社,アグリゲータ提供 ターフェースといった条件が必要で、あろうという結 のものもある。フォーマットも様々 (PDF,HTML, 論に達し LIT,Mobipocket) 。通常の図書の貸出のように 1 ユーザ 1冊の制限を設けている場合もあれば無制限 また,コンテンツの中身の検索といったことが考え の場合もあり,個別タイトルの契約かパッケージ契 られると話していた 。 約か, MARCがついてくるのか等々 。 引き続いて 5つの発表があ った 。 CommitteeonI n s t i t u t i o n a lC o o p e r a t i o n( CIC) はU n i v e r s i t yo fChicago等の 1 2大学が参加してい るコンソーシアムだが,この 1月に Ingram社 ( プ ラットフォームは MyiLib r a r y) と Spri n g e r杜の 電 Vivisim0411 を 導 入 し た こ と , 今 後 は ( W e b 2 . 0と呼んでいたが )Wikiや検索結果の共有化, 8の高等教育機関によるコンソーシ フロリダの 2 Col l e g e Centerf o r Library アムである CCLA ( Automation) は,学生の情報発見のツールとして, ExL i b r i s社の Primoを改良した LINCCWebv . 2 . 0ω を今秋を目指して開発している 。開発コンセプトは, ユーザ中心のデザインということである 。 子ブック導入をアナウンスした 。特に前者について 他の発表もそうであ ったが,これらの共通点とし は,その潜在的な可能性を高く評価しており, て,ユーザ志向であり,様々なフォーマットの情報 Ingram社もポータブル・デバイスの提供や Google コンテンツ ( CICは G o o g l eの図書館パー トナーでも 更に付加価値(ユーザのコメント等)や検索に便利 あり 6年間のスキャニング計画がある)のインデ クシング等で応えている 。 とはいえ,タイトル単位 (図書,雑誌,論文,データ)を統合的に検索でき , な機能を設ける(プロファイル化等)方向に向かっ ていることが挙げられる 。 での選書の困難さ,既に購入したものとの調整,仲 esource Sharing" では,文字通りリソース・ “R 介業者との関係等問題も存在 している 。 いずれにし シェアリングのシステムについて当初のタイムテー てもこのようなビッグ・デイール型の契約にはまだ ブルには記載されていなかった lつを含む 4つの発 改良の余地があるしそうすることでより低コスト 表があった 。 になり選書権の喪失とのバランスがとれると考えら れる 。 OhioLINKは , 電子ジャ ーナルにおける交渉・契 U n i v e r s i t yo fC a l i f o r n i a (UC) は 1 0のキャンノ T スを持ち,更に各々のキャンパスで複数の図書館を 持つが,これらの図書館の所蔵資料をシェアしたり, Oxford D i g i t a lR e f e r e n c eS h e l f,Sage R e f e r e n c e, S p r i n g e r) を導入しているし,今後も導入パッケ ー a l i f o r 総合的なプランニングを行う組織として, C 9 9 7年に設立された 。 n i aD i g s i t a lL i b r a ryにDL)が 1 2005年 に 立 ち 上 げ た タ ス ク フ ォ ー ス で 検 討 し た 結 r l d C a tL o c a lプロジェクトに参加す 果 , OCLCの Wo elvylの新た ることになった 。 UCの OPACである M 431 orldCatL o c a l を導入 なプラットフォームとして W ジを増やしていく予定である 。 しかし,出版社の中 することで,よりトラブルの少ない,優れたリソー にはコピー・アンド ・ペーストや印刷におけるいく ス・シェアリングを実現したいと語っていた 。 つかの制限条項(例えばコンテンツの 5%以上をコ 2008年 4月 14日 に ニ ュ ー ス ・ リ リ ー ス さ れ た OCLCと O r b i sCascadeA l l i a n c e( OCA)の合意に 約の経験から,電子ブックにおいても包括的なコレ クションであること,過去の年間費用に基づいたプ ライシング,といった条件をもって交渉した結果, O x f o r dS c h o l a r s h i pO n l i n e, いくつかの電子ブック ( ピー・アンド ・ペーストしてはならない等)を設け 8 7 国際図書館コンソーシアム連合 2 0 0 8年春季会合参加報告 よる OCLCc o n s o r t i a lborrowings o l u t i o nについて, 前述のようにタイムテーブルに記載されていなかっ 会であったように思う 。 大規模合併ということで招かれたのであろう,グ たが,タイムリーな話として紹介された 州 。 OCA リルにおける W i l e y -B lackwellの発表では当然,ラ は,オレゴン州やワシントン州の 3 5の高等教育機 イセンスの話が中心であった 。基本的には Core Cole c t i o n (購読しているタイトルへのオンライン アクセス)をベースに入社系タイトルの集合なり STM系タイトルの集合なり医学・看護学系タイト ルの集合なり,もしくはその全てを組み合わせるこ とができるというものである 。 また,データの移行 スケジュール等についても説明されていたが,本報 告を執筆している 2 0 0 8年 1 2月時点の状況から省み ると,データの移行等にあの時どうしてあれだけ楽 観的でいられたのか不思議でならない。 全体討議 2では,高 エネルギー物理学分野の学術 奈 佐E 志のオープンアクセスイヒを目的としたコンソーシ アムである SCOAp3について ,U n i v e r s i t yo fC a l i f o r n i aが参加することを決めた ( 2 0 0 8年 2月)が, その経緯等について報告された 。参加理由として著 者の不利益にはならず,研究活動を支援することが できるといったことが挙げられていた。 また,欧州、│ 0 0 7年 関が参加しているコンソーシアムであるが, 2 1 1月より OCLCの c o n s o r t i a lborrowings o l u t i o nの 導入を検討し,それが決まったということである 。 この c o n s o r t i a lborrowings o l u t i o nは,情報発見 ツール (WorldCatがベース)とデリパリーツール (VDX等,但し開発中を含む)を統合したシステム であり,予定では 9月以降に新システムに切り替え るそうである 。 “I n t e g r a t e dL i b r a r ySystems" では 3つの発表 が行われた。 Koha451 は,元々ニュージーランドで開発された オープンソースだが,発展途上国の図書館を支援し ている e IFL .nee61 では,この KohaとEvergreen471 の導入や維持を Freeand Open S ource Software ( FOSS) プログラムと称して行 っている 。今回は前 者を中心に発表が行われた。現在,発展途上国向け のパイロットプロジェクトには, 1 2カ国(例えばア ルメニア,グルジア,マリ,ネパール)から参加が や北米からの参加が増えており,そのことに伴い ナーの様子も映し出された 。 なぜ Kohaなのかとい SCOAP3全体の資金も多くなっており,目標に着実 に近づいていることも強調していた。 ちなみに,日 本については, CERN所長より文部科学省と高エネ ルギー加速器研究機構にコンタクトがあり,日本物 理学会等で検討をしているとのことである 481。 う点については, Wiki等によるコミュニティが利 4 91 その他, UKSG のT r a n s f e rプロジェクトの進捗 用者や開発者によって構築されており,サポートが fP r a c t i c eV e r s i o nl .Oを発 状況 (4月時点で Codeo 容易であること,多国語対応も可能であること, 表しており,この時はそれについての意見招請の段 I n t e g r a t e dL i b r a r ySystemsとして完成されている こと,が理由として挙げられていた。 階であった則)について発表があった。 あり,うち志願機関の 78%が Kohaを希望したそう である 。具体的には,導入や維持管理,人材 育成等 を支援しており,発表ではマラウィにおけるセミ なお,春季会合については, 2 0 0 9年はパージニア 州の Ch a r l o t t e svi l l eで開催,その 翌年はシカゴを予 4 . 3 . その他 i l e y B l a c k w e l l以外は中小出版社 グリルでは, W の発表であり,また中小出版社については 2日目の 朝にも時間をとってコンソーシアムとの関わりにつ いて発表があった。 中小出版社が,いろいろとサー ビス ( 例えば MARCレコードをつけたり)するか ら導入してくださいと懸命の発表であったのに対し て,これまた中小のコンソーシアムが「先立つもの がなくて・ ・ ・」 という 雰囲気であったのが印象的で あった 。実は 1日目の午後にはいくつかのグルー プに分かれての分科会があったが,中に「コンソー シアムの課題」について語り合い,参加者で共有し ましようというものがあり,そこでは中小コンソー シアムの予算や人員についての苦労が口々に述べら れていた 。 こうして見ると,出版社においてもコ ン ソーシアムにおいても「中小 j について語られた大 8 8 0 0 8 定しているそうである 。秋季会合については, 2 年はミュンヘンで開催, 2 0 0 9年はパリを予定してい る。 5 おわりに ここ数年の傾向と思われるが,電子ジャーナルか ら電子ブックへ,そして電子資料を取り巻く環境・ 体制について焦点が移っているようである 。そのよ うな意味では,全体討議のテーマなど,非常に幅広 く目配りがきいているように感じられた 。その一方 で,例えば電子ブックについて英語以外の言語によ るテキストの不足が話題にならないなど,偏りがあ ることも確かであり,米国会合は北米地域の会合だ という印象を受けた。本報告では詳述しなかったが, 小出版社のグリルや小コンソーシアムの運営問題な ど,日本への導入を考えたり日本の実情に照らし合 大学図書館研究 LXXXV ( 2 0 0 9 . 3 ) わせることが困難なものがあったことも確かであ る。 米 国 会 合 を ど の よ う に 受 け 止 め る の か , ま た 逆 に日本のコンソーシアムから世界のコンソーシアム に対して何を発信するのか,いまだに,そして恐ら くはこれからも続く課題であろう 。 謝辞 最 後 に な り ま し た が,参 加 の 機 会 を 与 え て い た だ いた国公私立大学図書館協力委員会,国立大学図書 館協会,公立大学協会図書館協議会を始めとする関 係 者 の 皆 様 に 感 謝 し ま す。 注・参考文献 1 ) Internati o n a lC o a l i t i o no fLibrary Consortia ICOLC (オンライン ), 入 手 先 ( URL ht t p: // w w w . l i b r a r y . y a l巴. edu/c o n s o r t i a/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 2 )尾 城 孝 一 . 国 際 図 書 館 コ ン ソ ー シ ア ム 連 合 ( ICOLC :I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fL i b r a r yCon s o r t i a)第 1 2回会合報告.大学図書館研究 .N o . 6 7, 2 0 0 3,p . 2 8 3 6 . 3) 尾 城 孝 一 , 松 本 和 子 , 井 上 修 . 国 際 図 書 館 コ ン ICOLC I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o n ソーシアム連合 ( 4回会合報告.大学 図書 o fL i b r a r yC o n s o r t i a )第1 館初f 究. N o . 7 1,2 0 0 4,p . 4 9 5 5 . 4)前田弘子, 青 木 堅 司 , 井 上 修 . 国 際 図 書 館 コ ン n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o n ソーシアム連合(ICOLC I 5回会合参加報告.大学 o fL i b r a r yC o n s o r t i a)第 1 図書館研究. NO . 7 2,2 0 0 4,p . 5 8 6 8. 5)藤 田 儒 聖 , 庄 ゆ か り , 井 上 修 . 国 際 図 書 館コン n t 巴r n a t i o n a lC o a l i t i o n ソーシアム連合(ICOLC:I o fL i b r a r yC o n s o r t i a) ボストン大会参加報告.大 学図書館研究. N o . 7 5,2 0 0 5,p. 8 1 9 3. 6)平吹佳世子,井上修.国際図 書館コンソー シアム n t e r n a t i o n a lCoa l i t i o no fL i b r a r y 連合(ICOLC:I C o n s o r t i a )2 0 0 6年春季会合参加報告.大学 図書館 初f 究. N o . 7 8,2 0 0 6,p. l2 4 1 3 3 . 7)長内尚子,庄司雅之,加藤晃一.国際図書館コンソー ICOLC:I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no f シアム連合 ( L i b r a r yC o n s o r t i a)2 0 0 7年春季会合参加報告 .大 o . 8 4,2 0 0 8,p . 5 6 6 4 学図書館研究. N 8) 山本和雄,市古みどり,井上修.国際図 書館コン ICOLC I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o n ソーシアム連合 ( o fL i b r a r yC o n s o r t i a)第 6回欧州 会合参加報告.大 学図書館研究. N O . 7 4,2 0 0 5,p . 7 4 8 0 . 9)荘司雅之, 1 1 1本和雄,藤田儒聖 . 国際図 書館コン n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o n ソーシアム連合(ICOLC:I o fL i b r a r yC o n s o r t i a)2 0 0 5年秋季 会合参加報告 . 大学図書館研究. No . 7 6,2 0 0 6,p . 8 2 9 6. 1 0 ) 赤l 崎久美,山本和雄.国際図書館コンソーシアム連 合 ( ICOLC I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fL i b r a r y C o n s o r t i a)2 0 0 6年秋季会合参加報告.大学図書館研 究. N o . 7 9,2 0 0 7,p. 6 8 7 7. l l)平吹佳代子,菅野朋子 . 国際図 書館コンソーシア n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no f ム 連 合 ( ICOLC I Library Consortia)2007年 秋 季 会 合 参 加 報 告 . N o . 8 4,2 0 0 8,p . 6 5 7 0 1 2 ) BCR (オンライン),入手先 (URL h t t p: //www b c r . o r g /i n d e x. htmJ ) , ( 参照 2 0 0 8 1 21 3) 1 3 ) SCELC S t a t e w i d eC a l i f o r n i aE l e c t r o n i cL i b r a r y URL h t t p: // Consortium (オンライン ),入手先 ( 0 0 8 1 2 1 3 ) s c e l c. o r g /), (参照 2 1 4)OCULO n t a r i oC o u n c i lo fU n i v e r s i t yL i b r a r i e s( オ ンライン ),入手先 ( URL h t t p: / /www.ocu. lo n . 参照 2 0 0 8 ・1 2 1 3) c a/), ( 1 5 ) CICCommi t t e巴 onI n s t i t u t i o n a lC o o p e r a t i o n( オン ライン ), 入 手 先 ( URL h t t p・ // www.cic.netl 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) Home.aspx),( t t p: / / 1 6)OhioLINK (オンライン ), 入 手 先 ( URL h 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) w w w . o h i o l i n k . e d u/), ( オンライン),入手先 (URL h t t p: // 1 7 ) NELINET ( tn et l ), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) www3.neline. 1 8)Ingram D i g i t a l Group (オンライン ), 入 手 先 ( URL h t t p: / /wwwi . ngramdigita . l com/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) t t p: // 1 9)LOCKSS (オンライン), 入 手 先 ( URL h l . o c k s s . o r g/l o c k s/ Home), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) www t t p: / / 2 0)CLOCKS (オンライン ), 入 手 先 ( URL h 1o c k s . o r g /c 1o c k s/Home ), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) www.c )P ortico (オンライン ), 入 手 先 ( URL h t t p: // 21 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) w w w . p o r t i c o . o r g/), ( t p: // 2 2)SCOAP3 (オンライン ), 入 手 先 ( URL ht www.scoap3 .o r g /),( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) オンライン ),入 2 3)CDLC a l i f o r n i aD i g i t a lL i b r a r y( 手先 ( URL h t t p: //w w w . c d l i b . o r g/), (参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 2 4)NERLNorthEastResearchL i b r a r i e sc o n s o r t i u m (オ ン ラ イ ン ), 入 手 先 ( URL http: //www i Ib r a r y . y a l e . e d u/ NERLpublic/),(参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 2 5)I G IG l o b a l (オンライン),入手先 ( URL h t t p: // www i . g i g l o b a . l com/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 2 6)Duk巴 UniversityPress (オンライン ),入手先 ( URL h t t p: //www.dukeupress.edu/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3 ) 2 7)VIVA TheV i r t u a lL i b r a r yo fV i r g i n i a( オンライ ン),入手先(URL h t t p・ // www.vi v a . o r g/ ), ( 参 照2 0 0 8 1 2 1 3) 2 8)Transfer (オンライン ),入手先 ( URL ht t p: // 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) u k s g . o r g /t r a n s f e r), ( 2 9)CAULC o u n c i lo fA u s t r a l i a nU n i v e r s i t yL i b r a r i a n s (オンライン ), 入 手 先 ( URL h t t p: //www.cau. l edu. au/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 3 0 ) Wiley (オンライン ), 入 手 先 ( URL h t t p: //a s . /), ( 参 w i l e y . c o m/W i leyCDA/S e c t i o n/i n d e x . h t ml 照2 0 0 8 1 2 1 3) 89 国際図書館コンソーシアム迎合 2 0 0 8年春季会合参加報告 B l a c k w e l l (オンライン ),入手先 CURL h t t p: / / w w w . b l a c k w e l l p u b l i s h i n g . c o m /) ,(参照 2 0 0 81 2 1 3) ワ イ リ ー ジ ャ パ ン ( オ ン ラ イ ン ), 入 手 先 CURL h t t p: //www. wil e y . c o . j p/), (参照 2 0 0 8 1 2 1 3 ) ) OCAOpenC o n t e n tA l l i a n c e (オンライン),入手 31 先 (URLh t t p: / /w w w . o p e n c o n t e n t a l l i a n c e . o r g / ), (参照 2 0 0 8 1 2 1 3 ) 3 2 ) BLCB o s t o nL i b r a r yConsortium (オンライン ), 入手先 (URL h t t p: / /www.blc.org/), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 3 3)U n i v e r s i t yo fC a l i f o r n i aP r e s s (オンライン ),入手 先 CURL h t t p: / / w w w . u c p r e s s . e d u / ), ( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3 ) 3 4 )O r b i s Cascade A l l i a n c e (オンライン), 入 手 先 CURL h t t p: //www. o r b i s c a s c a d e . o r g/), (参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 3 5)NorwegianE l e c t r o n i cH e a l t hL i b r a r y(オンライン ), 入手先 ( URL h t t p: / /h e l s eb i b l i o t e k e. tn o /) ,( 参照 2 0 0 8 1 2 1 3) 3 6)C a l i f aL i b r a r yGroup (オンライン ),入手先 ( URL h t t p: / /c a l i f a . 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