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page801-962 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(2/10)
【評点】 ○:目標を上回る, △:目標を達成, ×:目標を未達成
研究開発
の達成度
成果の
意義
研究発表
・特許等
成果普及
34 超精密人体ロボット -イヴ-
○
○
○
○
○
○
35 マイクロサージャリーロボットシステムMM-1
△
○
○
○
○
○
36 遠隔手術ロボット(マイクロフィンガー&ハイパーフィンガー)
○
○
○
○
○
○
○
37 プレホスピタルケアロボット
○
○
△
○
○
○
○
38 CHRIS
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
40 キタサップ2号
○
○
×
○
○
△
○
○
41 マッスルスーツ
○
○
○
○
○
研究開発
の達成度
成果の
意義
研究発表
・特許等
成果普及
総合評価
1 ライフポッド
○
○
△
○
○
2 エミュー
○
○
○
○
3 スマートパル
○
○
○
○
4 ももっち
○
○
○
5 聞き分けアプリ君
○
○
○
6 お供ロボット
○
○
7 マルチサービスロボット
○
○
8 ハイパーロボット
○
○
9 クーパー
ロボット名
ロボット名
39 セラフィ
○
○
△
○
総合評価
○
○
○
○
○
○
42 ロボットスーツHAL
○
○
○
○
○
10 ピクチャーロボット
○
○
△
○
○
43 食品・健康アドバイザーロボット
○
○
○
○
○
11 テレサフォン
○
○
○
○
○
44 リプリーQ1expo
○
○
○
○
○
12 サイバーアシスト・マイスターロボット
○
○
○
○
○
45 だがね
○
○
○
○
○
13 マンマシンシナジーエフェクタ
○
○
○
○
○
14 みゅーたん
○
○
○
○
○
47 ロボビー&ワカマル
○
○
△
○
○
15 ヒーロ
○
○
○
○
○
48 着せ替えロボット
○
○
○
○
○
16 チャリべえ
○
○
×
○
○
49 PBDR(Partner Ballroom Dance Robot)
○
○
○
○
○
17 UMRS-NBCT
○
○
○
○
○
50 親子ロボビー
○
○
○
○
○
51 ジェイ2(ジャンピング・ジョー)
△
○
18 モイラ2
○
46 インタアニマル
○
○
○
○
○
○
○
○
○
19 ウォールウォーカー
○
○
△
○
○
52 スタディアス
△
○
○
○
○
20 脚車輪型移動ロボット IMR-Type1
○
○
○
○
○
53 合体変形ロボット M-TRAN Ⅲ
○
○
○
○
○
21 ウッディー1 森林作業支援ロボット
△
○
×
○
○
54 移動跳躍ソフトロボットKOHARO
○
○
○
○
○
22 キャンディ-05
△
○
△
○
○
55 ASTERISK
○
○
○
○
○
23 T-52援竜・改
○
○
○
○
○
56 鉄犬
○
○
○
○
○
24 ドクター インパクト
○
○
△
○
○
57 探査型ヒューマノイドロボットHRP-2 No.10
○
○
○
○
○
25 バッティングロボット
○
○
○
○
○
26 アクロバット飛行船ロボット「AAR」
△
○
○
○
○
59 インパクト動作ヒューマノイドロボット HRP-2
○
○
○
○
○
27 奴凧型飛行ロボット
○
○
○
○
○
60 ユーティー・ミュー2
○
○
○
○
○
28 OBK SkyEye 1 & 2
○
○
○
○
○
61 小太郎
△
○
○
○
○
29 自律運行型除雪ロボット「ゆき太郎」
○
○
○
○
○
62 小僧-4
○
○
×
○
○
30 ASKA
○
○
○
○
○
31 次世代車インテリジェント車いす
○
○
○
○
○
64 ワビアン・ツー
○
○
○
○
○
32 金の鯱ロボット
○
○
○
○
○
65 WINDロボットシステム
○
○
○
○
○
33 水陸両用ヘビ型ロボットACM-R5
○
○
△
○
○
58
65
51
65
58 人とインタラクション可能なヒューマノイドロボットHRP-2
63 ながら-3
○
○
合計(○の数)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
65
19/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(3/10)
【基本計画に掲げる達成目標】
A) ロボット関連技術の
高度化
B) ロボットの幅広い普及
のための課題の抽出
「260」のロボット関連
技術を開発
試験運用による検証と
運用
追加研究を実施
目標を達成
目標を達成
20/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(4/10)
目標 A) に対して
①65種類のプロトタイプロボットの開
発により、新しく発掘、高度化された
新しく発掘、高度化
ロボット関連技術は「260」項目
260
表1:新しく発掘、高度化されたロボット関連技術の内訳
要素技術
項目
制御
認識
駆動
通信
シス
テム
ソフト
サービス
アプリ
その他
260
48
29
36
21
57
32
25
12
事業原簿 Ⅲ-8
21/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(5/10)
目標 B) に対して
②万博における試験運用の結果、ロ
ボット技術の高度化のための研究課
題を検証、抽出。
③万博での来場者アンケートや各開発
チームのヒアリング結果を踏まえ、
全プロトタイプロボットについて改良・
追加研究を実施。
事業原簿 Ⅲ.2.6-1~131
22/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(6/10)
事例紹介
-ロボット技術の高度化と課題の抽出、追加研究-
23/51
6.(1)プロトタイプ開発支援事業
プロトタイプ開発支援事業
3.1
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(7/10)
事例紹介
人間を強化するロボットスーツHALの研究開発(1/3)
Prof. Sankai, Univ. of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.
ロボット名
ロボットスーツHAL
開発者
(団体名)
筑波大学
開発責任者
筑波大学大学院
システム情報工学研究科
教授 山海嘉之
24/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(8/10)
事例紹介
人間を強化するロボットスーツHALの研究開発(2/3)
①実証試験の結果と評価
世界で初めて実現された「人間の身体機能を拡張・増幅するロ
ボットスーツ」
¾ 全身型ロボットスーツの開発
これまで開発してきた下半身用ロボットスーツに組み合わ
せる上半身用ロボットスーツの開発
¾ ロボットスーツのコア部位の小型・軽量化
パワーユニット及び計測制御系システムの小型・軽量化
30㎏の重量物を両手で持ち上げながら動作試験を行いロボット
スーツによる両腕及び脚の筋力の増幅を実証 。
25/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(9/10)
事例紹介
人間を強化するロボットスーツHALの研究開発(3/3)
②試験運用における課題抽出
・実用化に向けた検証として、万博試験時の安全基準を超える重量物を持つ試験が
必要。
③改良・追加研究による高度化
¾上半身フレームの改良
・上半身フレームの材質を金属からカーボンに変更し、フレームの剛性を強化。
・また、カーボンフレームを使用することにより、ロボットスーツ全体の重量増を抑制。
¾更なる重量物の持ち上げに成功
・上半身フレームを改良後、片手で40kgの重量物を持ち上げることが可能。
26/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(2)目標の達成度
(10/10)
(2)目標の達成度 まとめ
達成目標
結果
自己評価
• 65種類のプロトタイプロボットの開発によ
り、新しく発掘、高度化されたロボット関連
技術は「260」項目。
達成
• 万博における試験運用の結果、ロボット
技術の高度化のための研究課題を検証、
ロボットの幅広い 抽出。
普及のための課 • 万博での来場者アンケートや各開発チー
題の抽出
ムのヒアリング結果を踏まえ、全プロトタ
イプロボットについて改良・追加研究を実
施。
達成
ロボット関連技
術の高度化
27/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(1)プロトタイプロボット
開発支援事業の概要
(2)目標の達成度
(3)成果の意義
(4)特許等の取得
(5)成果の普及
(6)まとめ
28/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(1/10)
①提案公募方式により、全国から幅広くテーマを募集
日本国内のロボット研究の最新動向を把握でき、意義があった。
②万博での一般公開を前提とした出口志向のプロジェクト推進
研究者の目的意識と競争意識が向上し、意義があった。
③異業種組織・地域連携によるロボット開発
我が国のロボット開発における産学官連携を大きく加速し、かつ、ロボットの
技術水準を大幅に向上でき、意義があった。
④「日本発」のオリジナル技術の発掘
世界初となるロボット技術の創出ができ、意義があった。
⑤ プロトタイプロボット展の波及効果
一般生活者の関心を喚起し、学生、こどもへの教育効果が大きいなど、意義
があった。
29/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(2/10)
①提案公募方式により、全国から幅広くテーマを募集
企業規模や過去の実績等
に拘らず、中堅・中小・ベン
チャー企業や大学等の優
れた提案を積極的に採択
日本国内のロボット
研究の最新動向を
把握
249件応募
65件採択
表2:応募、採択件数及び内訳
応募数
採択数
249件
組織別
企業
地域別
92
内訳
団体
大学・大学院・高専
事業原簿 Ⅲ-8
34
123
北海道
5
東北
10
関東
107
中部
37
近畿
55
中国
16
四国
2
九州
17
65件
(倍率26.1)
30/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(3/10)
②万博での一般公開を前提とした出口志向のプロジェクト推進
• 大勢の一般市民が来場
万博での
一般公開
• 世界中のメディアで報道
• 展示会の期日が決まっている
• 展示会場の条件に制約がある
• 万博の開場時間に合わせなければならない
• 11日間の会期中継続して稼動できる耐久性
• 決められた時間にデモを行う安定性
• こどもやお年寄りにも研究成果が理解できるプレゼンテーション性
• 会期に間に合うためのスケジュール管理
など、研究者の目的意識と競争意識が向上した。
事業原簿 参考資料1
31/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(4/10)
③異業種組織・地域連携によるロボット開発 (1/3)
企業、大学、公設試験
研究機関等の多様な
組織間・地域間連携に
より研究を推進
‹我が国のロボット開発にお
ける産学官連携を大きく加速
‹ロボットの技術水準を大幅
に向上
表3:産学連携等の組み合わせ数
連携形式
組み合わせ数
産学官
産・産
産・学
学・学
2
8
19
2
(注1)社団法人、財団法人、NPO法人は「産」に含む。
(注2)「官」とは、(独)産業技術総合研究所、公設試験研究機関。
事業原簿 Ⅲ-7
32/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(5/10)
③異業種組織・地域連携によるロボット開発 (2/3)
‹ 潜在的ニーズ、シーズの発掘
‹ 新しいロボットコンセプトの創出
異業種組織・地域連
携によるロボット開発
漫才ロボット
ロボット名
ロボビー&ワカマル
三菱重工業(株)←重機メーカー
吉本興業(株) ←エンターテイメント企業
(株)国際電気通信基礎技術研究所 ←産学官連携基礎研究機関
開発者
(団体名)
開発責任者
三菱重工業(株)先端技術研究センター
主席研究員 塘中哲也
¾人間が観察し情報を得ることが可能な、異機種のロボット
同士の会話技術の確立。
¾ロボット同士の会話において、人間にとって自然な発話や
視線動作の「間(タイミング)」や、それを観察する人間(観
客)にわかりやすい「間」の取り方に関する技術の確立。
事業原簿 Ⅲ-8
33/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(6/10)
③異業種組織・地域連携によるロボット開発 (3/3)
似顔絵ロボット
ロボット名
開発者
(団体名)
開発責任者
クーパー
株式会社吉川機械製作所 ←製菓食品加工機械メーカー
中京大学情報科学部輿水研究室 ←顔デジタルメディア創出の研究
東海EC株式会社 ←電気設備工事企業
異業種交流会エントロピ豊明
←愛知県内の中小企業で構成される開発型異業種交流グループ
中京大学 情報科学部長 興水大和
来場者の顔をロボットが認識してデフォルメし、その似顔絵をレーザーペン
シルで海老せんべいに描写
手術ロボット
ロボット名
開発者
(団体名)
開発責任者
マイクロサージャリーロボットシステムMM-1
財団法人NHKエンジニアリングサービス ←ハイビジョン技術
東京大学大学院医学系研究科
←医工連携
東京大学大学院工学系研究科
財団法人NHKエンジニアリングサービス 主幹 望月亮
オフィス・家庭用・医療用ロボット等に用いる三次元視野認識・表示装置の
研究開発及び医療・手術用マイクロハンドの開発
事業原簿 Ⅲ-8
34/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(7/10)
④ 「日本発」のオリジナル技術の発掘 (1/2)
ロボット名
小太郎
開発者(団体名)
東京大学
開発者責任者
東京大学大学院情報理工学系研究科
科学技術振興特任教員
水内郁夫
¾超多自由度、柔軟性可変、多自由度脊椎、多種
多感覚、筋配置変更が容易な(増強可能な)筋、
体内分散処理系、学習・自己組織化などの特徴
を有する我が国オリジナルの全身筋骨格型
ヒューマノイド。
¾2020年というロングタームの実用化を目指した
世界初のプロトタイプロボット。
事業原簿 Ⅲ-8
35/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(8/10)
④ 「日本発」のオリジナル技術の発掘 (2/2)
ロボット名
水陸両用ヘビ型ロボットACM-R5
開発者(団体名)
東京工業大学
開発者責任者
東京工業大学大学院
機械宇宙システム専攻
教授 広瀬茂男
¾高い防塵・防水性と強靱性を備え、あらゆる環
境にも対応する世界初の水陸両用ヘビ型ロボッ
ト。
¾瓦礫内など狭隘な環境でも侵入でき、地震災害
における液状化など動作環境の激変にも対応
可能。地震国日本発の災害救助ロボットとして
世界に貢献することを目指したプロトタイプロ
ボット。
事業原簿 Ⅲ-8
36/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(9/10)
⑤ プロトタイプロボット展の波及効果
11日間の試験運用において、すべてのプロト
タイプロボットがデモンストレーションを完遂。
¾ 万博会場において12万人の来場者にデモ展示するこ
とにより、我が国のロボット技術レベルを世界にアピー
ルするとともに、一般生活者の関心を喚起。
¾ 研究者がロボットの解説をすることにより、こども等へ
の教育効果が大。また、ロボット開発に携わった学生
の研究姿勢、コミュニケーション能力の向上や創造性
教育の観点からの効果も大。
事業原簿 Ⅲ-8
37/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(3)成果の意義
(10/10)
(3)成果の意義 まとめ
達成目標
幅広くロボット
関連技術を有
する大学・企業
等の参画
結果
自己評価
• 日本国内のロボット研究の最新動向を把握。
• 研究者の目的意識と競争意識が向上。
• 我が国のロボット開発における産学官連携
を大きく加速。
• ロボットの技術水準を大幅に向上。
「日本発」のオリ
ジナル技術の
• 世界初のプロトタイプロボットの開発に成功。
発掘
ロボットイベント • 一般生活者の関心を喚起し、学生、こども
への教育効果が大。
の波及効果
達成
達成
波及効果
大
38/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(1)プロトタイプロボット
開発支援事業の概要
(2)目標の達成度
(3)成果の意義
(4)特許等の取得
(5)成果の普及
(6)まとめ
39/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(4)特許等の取得
(1/3)
プロトタイプロボットの研究開発により、
研究発表数「620」件、文献「
162」件、
620
162
(いずれも国内外合計数)
特許は「45」件
45
表4:研究発表、文献等一覧
研究発表
文献
国内
国外
国内
国外
435
185
136
26
620
事業原簿 Ⅲ-10
162
特許
国内
出願
登録
42
1
45
国外
2
雑誌、テレビ等の
メディアへの登場
回数
600回以上
40/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(4)特許等の取得
(2/3)
プロトタイプロボットの研究は、主要な国
際会議および国際学術雑誌にて発表。
表5:主要な国際会議等での発表件数
ICRA
(IEEE International Conference on Robotics
and Automation)
国際会議で
の発表
IROS
(IEEE Intelligent Robots and Systems)
国際学術雑 International Journal of Robotics
誌への投稿 Research
12件
19件
1件
事業原簿 Ⅲ-10
41/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(4)特許等の取得
(3/3)
(4)特許等の取得 まとめ
達成目標
ロボット関連技
術の高度化
結果
自己評価
• プロトタイプロボットの研究開発により、研
究発表数「620」件、文献「162」件、特許
は「45」件。
達成
42/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(1)プロトタイプロボット
開発支援事業の概要
(2)目標の達成度
(3)成果の意義
(4)特許等の取得
(5)成果の普及
(6)まとめ
43/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(5)成果の普及
(1/5)
万博終了後、プロトタイプロボットの今後の
産業化やプロジェクト成果の情報発信のた
め、NEDOが主体となって成果普及活動を
積極的に展開。
表6:主な成果普及活動
年月
展示会等
場所
平成17年11月 2005国際ロボット展
東京ビッグサイト
平成18年 3月
ロボットフェスティバルin銀座
東京・銀座
平成18年 7月
次世代ロボット実用化プロジェクト成果発表会
品川プリンスホテル
平成18年 7月
こども未来博
札幌・月寒
平成18年11月 アキバ・ロボット運動会2006
事業原簿 Ⅲ-10~13
東京・秋葉原
44/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(5)成果の普及
(2/5)
事例1) 2005 国際ロボット展 (1/2)
開催期間:2005年11月30日~12月3 日(会場:東京ビッグサイト)
総入場者数:約10万人(4日間)
NEDOプロトタイプロボットゾーン
プロトタイプロボット18体出展
事業原簿 Ⅲ-10~13
45/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(5)成果の普及
(3/5)
事例1) 2005 国際ロボット展 (2/2)
ブース来場者数 約15,000名
国内外の報道機関50社以上の取材
事業原簿 Ⅲ-10~13
46/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(5)成果の普及
(4/5)
事例2) 札幌こども未来博
開催期間:2006年7月29日~8月20日(会場:月寒グリーンドーム)
総入場者数:約20万人(23日間)
プロトタイプロボット10体出展
夏休み中の子供達に大人気!
事業原簿 Ⅲ-10~13
47/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
〔評価基準〕
(5)成果の普及
(5/5)
(5)成果の普及 まとめ
達成目標
ロボットイベント
の波及効果
結果
自己評価
• 積極的に成果普及活動を行い、一般市民
波及効果
のロボットへの理解を深めるとともに、ロ
大
ボット関連産業の振興に寄与。
48/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(1)プロトタイプロボット
開発支援事業の概要
(2)目標の達成度
(3)成果の意義
(4)特許等の取得
(5)成果の普及
(6)まとめ
49/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(6)まとめ
(1/2)
自己評価 (1/2)
達成目標
結果
自己評価
ロボット関連技術
の高度化
• 65種類のプロトタイプロボットの開発により、
新しく発掘、高度化されたロボット関連技術
は「260」。
• プロトタイプロボットの研究開発により、研究
発表数「620」件、文献「162」件、特許は
「45」件。
達成
ロボットの幅広い
普及のための課
題の抽出
• 万博における試験運用の結果、ロボット技
術の高度化のための研究課題を検証、抽
出。
• 万博での来場者アンケートや各開発チーム
のヒアリング結果を踏まえ、全プロトタイプロ
ボットについて改良・追加研究を実施。
達成
50/51
6.(1) プロトタイプ開発支援事業
(6)まとめ
(2/2)
自己評価 (2/2)
達成目標
結果
自己評価
• 日本国内のロボット研究の最新動向を把握。
幅広くロボット関連 • 研究者の目的意識と競争意識が向上。
技術を有する大
• 我が国のロボット開発における産学官連携
学・企業等の参画
を大きく加速。
• ロボットの技術水準を大幅に向上。
「日本発」のオリジ
• 世界初のプロトタイプロボットの開発に成功。
ナル技術の発掘
ロボットイベントの
波及効果
• 一般生活者の関心を喚起し、学生、こども
への教育効果が大。
• 積極的に成果普及活動を行い、一般市民
のロボットへの理解を深めるとともに、ロ
ボット関連産業の振興に寄与。
達成
達成
波及効果
大
51/51
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-1 スイッピーについて
平成19年1月11日(木)
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
1/30
発表次第
1.研究開発の成果
ー目的・目標・機能
-実証試験結果
-研究開発の技術成果
2.実用化・事業化の見通し
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
2/30
目的・目標・機能
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
目的
3/30
自律移動ロボットの『実用域を広げる』
・当社で実績のある
病院内自律搬送ロボット
屋外用自律走行型掃除ロボット
世界最高レベル
未知環境への
適応能力
(平成17年3月発売)
屋内環境
既知
未知
・直線経路
・壁のある世界
屋外環境
既知
未知
・変形領域
・壁のない変化に富んだ世界
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
4/30
手段
自律移動ロボットの『実用域を広げる』
屋外環境
屋内環境
既知
未知
未知
既知
・直線経路
・壁のある世界
・変形領域
・壁のない変化に富んだ世界
プランニング
移動方針
環境適応型
制御へ
地図を用意
しきれない
Ex.ジグザグに走れ
リアルタイム環境認識
グローバル位置列の再生
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
5/30
目標達成度評価
基本計画
研究課題
清掃作業
遂行能力
研究項目
耐候性
耐久性
信頼性
付加的
機能
目標
成果
達成度
清掃経路
生成
障害物を回避しな
がら,非方形の領
域も自動清掃を可
能とする。
清掃領域を認識し、障害
物を避けながら、指示さ
れた領域を塗り潰すよう
に清掃する。
地図情報と検知した周
囲環境情報によって経
路生成し清掃する技術
を実証。
方形以外の領域の清掃が
可能で、障害物を回避して
清掃を継続することを確認
した。
屋外誘導
自己の位置を認識
しながら移動し、指
示された場所への
移動を可能とする。
指示された清掃場所ま
での移動が可能である
こと。
地図情報に登録した壁
やフェンス、リフレクタの
検出によって位置を認識
する技術を実証。
グローバルループ一周(2.6km)
の自律移動が可能である
ことを確認した。
ゴミを検出して清掃
することを可能とす
る。
ステージデモで,掃除ロ
ボットの前方に置いた模
擬ゴミを検出して清掃を
行う。
清掃床面と色の異なる
模擬ゴミを、画像処理に
よって検出して清掃する
技術を取得。
会期期間の185日間,正
しく模擬ゴミを検出し清掃
を実施した。
走行経路上の障害
物に対する衝突回
避、障害物回避を
可能とする。
障害物があっても衝突
することなく清掃作業を
継続する。
距離画像センサ、超音
波センサ、レーザレーダ
による衝突および障害
物回避技術を取得。
走行面の状態によっては
清掃音が超音波センサで
誤検出される場合があっ
たが,その他は所期の目
標を達成した。
清掃可能な天候に
おいて計画した清
掃作業を実施する。
万博開催期間中,毎週
三日,会場閉場後の深
夜に清掃作業を実施。
清掃可能な天候におい
て,搬入・清掃領域への
移動・清掃・搬出場所へ
の移動・搬出という運用
を実証。
清掃作業予定日75日の
内雨天等で作業中止に
なった日を除き,58日清
掃作業を実施した。
容易な動作検証を
可能とする。
移動軌跡を保存・可視化
できるようにする。
移動中、定期的に位置・
状態を保存し,そのデー
タを可視化するツールを
作成した。
所期の目標を達成した。
汚れ検出
安全性
制御能力
目的
障害物検出
実証運用
清掃動作管理
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-1
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
評
価
◎
◎
○
○
6/30
機能
自動清掃 = 自律移動 + 清掃機能
自律移動ロボット機能
清掃機能
受信アンテナ
汚れ検出センサ
ジャイロ
距離画像センサ
タッチパネルディスプレイ
バキューム+フィルタ
バッテリ
CPU
超音波
3Dセンサ
バンパー
センサ
エンコーダ
レーザ
レーダ
サイドブラシ
駆動輪
ゴミバケット
メインブラシ
キャスター
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-3~4
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
7/30
清掃対象物
細かなホコリ、土埃、砂利、木屑、
金属片、ガラス屑、落ち葉、たばこ吸殻、紙コップ等
ゴミの最大高さ : 最大70mm、小石程度の質量のものを吸引
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-3~4
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
8/30
実証試験結果
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」
9/30
実証試験結果
万博会場清掃作業
掃除ロボット3台で運用
グローバルループ
清掃日数
清掃作業58日間
(会場閉場後の深夜)
北側団体バス
駐車スペース
ロボットステーション
面積:54,600㎡
周長:2600m
道幅:21m
面積:18,000㎡
自律移動距離
総移動距離: 132.7km
清掃移動距離:69.5km
(掃除ロボット3台の合計)
シャトルバス
ターミナル
面積:2,500㎡
歩行者デッキ
面積:3,000㎡
収集したゴミの量
61.5kg
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-5~7
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 10/30
実証試験結果
収集したゴミの例
ゴミの内容は、砂、お菓子の包装紙、紙屑、輪ゴムが代表的なものであった。
一晩の作業で収集したゴミの例を以下に示す。
(a) 2005年6月14日、グローバルループ
(b) 2005年8月8日、歩行者デッキ
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-7
(c) 2005年8月10日、グローバルループ
(d) 2005年9月14日、グローバルループ
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 11/30
実証試験結果
グローバルループでの自律移動清掃
ドロップポイント
1.総移動距離・・・・・・・72.5km
2.清掃中の平均速度・・・0.99km/h
ドロップ
ポイント
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-8
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 12/30
実証試験結果
団体バス駐車スペースでの自律移動清掃
1.総移動距離・・・・・・8.55km
2.清掃中の平均速度・・・1.08km/h
研究開発ポイント5
「清掃動作管理技術」
街灯
街灯
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 13/30
団体バス駐車スペースで障害物回避するSuiPPi
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-10
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 14/30
研究開発の技術成果
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 15/30
研究開発の成果
●清掃経路生成技術
①外周経路沿い移動(領域の形状に合わせて外周1周)
②領域内塗潰し
①外周経路
②領域内塗潰し経路
グローバルループの清掃対象場所
リアルタイムで経路生成します
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-9
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 16/30
研究開発の成果
●清掃経路生成技術 (1)外周経路沿い走行
高度な
障害物検出技術
d
を利用
d
d
d
d
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 17/30
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-9
障害物検出用センサ構成
■障害物検知
障害物検出用センサー構成
○レーザレーダのセンシング範囲
距離画像センサ
超音波3次元センサ
レーザレーダ
8m
○距離画像センサのセンシング範囲
*死角が無いようセンサを多重化
■衝突回避
*障害物までの距離に応じた減速制御
*直近で急に物が飛び出してきた場合でも停止できる速度設定
【速度制御】
速度設定に
考慮する距離
停止領域
2m
○超音波3次元センサのセンシング範囲
障害物
減速領域
ロボット
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-4
移動方向
1m
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 18/30
研究開発の成果
●清掃経路生成技術 (2)領域内塗潰し走行
障害物
壁
領域外周 ノード
塗潰し
清掃経路
清掃経路
ポイント
フェンスの認識法 に成功
の開発
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 19/30
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-9
研究開発の成果
●屋外誘導技術:電波ビーコン
3つの送信機の位置と、電波到来方位推定角より位置を検出
Tx
送信機1
Tx
送信機2
受信アンテナ
送信機
Tx
送信機3
Rx
信号処理回路
I, Q
RF
A/D
A/D
A/D
A/D
受信アンテナ
SG
Processor
(SH-4)
Serial-Ethernet
Converter
(x,y,θ)
Robot
RobotController
Controller
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-9~10
GPSは、
ところどころで不安定
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 20/30
研究開発の成果
●汚れ検出技術
汚れ検出処理の流れ
開始
(a) 入力画像
画像入力
色特徴による
検出処理
形状特徴による
検出処理
どちらかの特徴で
検出有り?
(b) 汚れ候補画像
N
Y
汚れ有り
(c) 汚れ部検出画像
汚れなし
汚れ(ゴミ)検出結果
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 21/30
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-11
研究開発の成果
●清掃動作管理技術
ロボット
清掃領域
ロボット
移動軌跡
(b) 区間6の拡大
壁・障害物
清掃動作管理
(a) グローバルループのロボット用マップ
清掃動作管理例
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-11
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 22/30
研究開発の成果
●安全確保技術
1.リスクアセスメントの徹底
(1)運び込み~撤収までリスク予見
(2)リスク低減のための安全方策
2.安全確認型のシステム
「人と機械の共存システムにおいて、
人の安全が確認されているときだけ、その機械装置やシステムの運転開始または継続を
許可する構成」
距離画像
センサ
(JIS D 6802-1997)
非常停止
スイッチ
・非接触センサ
(レーザレーダ、距離画像センサ、超音波センサ)
・接触センサ(4線式バンパーセンサ)
超音波
センサ
3.監視員による安全確保
レーザレーダ
・非常停止スイッチ
バンパーセンサ
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 23/30
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-2~3
万博会場での運用時に起きたヒヤリハット
場面
ヒヤリハット
機械的要因箇
所
実施中の改善策
トラックでの搬送
トラックの中でブレーキリリースSWを押すと、トラックが
傾斜しており、傾斜の下方向に動きかけた
・自重
・ブレーキ
慎重に操作した
トラックでの搬送
トラック内でアイボルトとベルトを用いてロボットを固定したが,固定がゆるく,搬送後
にトラック内でロボットが移動して壁にぶつかっていることがあった
・ベルト
完全に固定されていることを確認
して搬送した
グローバルループ
操作ハンドルでSuiPPiを操っているとき、
自重が重いため自然に坂の下のほうに動き出すことがあった。
・自重
・ブレーキ
慎重に操作した
グローバルループ
フラワーポットを超音波センサで検出することが困難で
ロボット側面がぶつかりそうになった
・センサ
ステージ
ブースからステージに人手でSuiPPi を移動させる際、
子供がよってくるのでヒヤヒヤした。
・自重
・車体サイズ
ロボットの先導役1名と押し役2名
で作業を分担し万全を期した
ステージ
ステージデモにおいて、旋回中に軽く壁にあたり
バンパーSWで止まるということがあった
・センサ
壁への接近が少なくなるよう
経路を調整した
ステージ
ブースからステージに人手でSuiPPi を移動させる際、多くの人に囲まれて、ロボット
が進行方向に進まず、何度かその場で左右振り向いて、人にぶつかりそうになった
・自重
・車体サイ
ズ
・セン
サ
人にぶつからないように道を大き
く開けて安全を期した
ステージ
ブースからステージへ自律移動中、人だかりの中で移動経路を探して、SuiPPiがウロ
ウロして、人と接触しないかヒヤヒヤした。(実際に、接触することはなかった)
・自重
・車体サイズ
人の混雑時には、手動移動を
行った
ブース
ブース展示中、停止しているロボットの清掃ブラシの下方に子供が手を突っ込んだ
・サイドブラシ
子供たちがロボットの下方に手を
入れないように見張りを行った
ブース
ブース展示中、お客様がロボットいっしょに写真をとろうとした際に子供がロボット上
部に乗ろうとした
・車体形状
子供たちがロボットに乗らないよう
に見張りを行った
ブース
富士重工の展示を見た少年が、スイッピーにも搭乗できると思い込み、車体上部に
駆け上がろうとした
・車体形状
注意して、やめていただいた
・車体サイズ
ロボットの先導役2名と押し役1名
で作業を分担し万全を期した
場所を問わず、手
動で移動させる際
Suippiを押して移動させている際に、本体のサイズが大きいので自分がいる側と反対
側(ロボットの前側)が見えず、観客の子供や設置物に接触しないか注意を払った。
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 24/30
特許の取得
特許の名称
特徴・強み・新規性
清掃ロボット
(特願2005-023671)
ブラシ付清掃ロボットにおいて、ブラシの動作をロボットの動作と関連付けて制
御する。
測位システム
(特願2005-051752)
位置が既知である複数個の電波発信器からの電波の到来方向を用いて自己位置を
決定する際に,自己位置が不定にならないように測位することを可能とした測位
システムを提供する。
移動装置
(特願2005-076045)
距離画像センサ(3次元距離センサ)を利用して、衝突回避・障害物回避を行う。
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 25/30
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-13
成果の普及
〈展示〉
1)「ロボットと未来」展
主催 :
出雲科学館(島根県)
日時 :
2005年10月 8日 ~ 16 日
展示内容 : パネルとDVD動画による、動作原理説明および
万博会場での夜間清掃風景紹介
: 弊社社員による動作デモンストレーション
(a) 展示風景
(b) デモンストレーション
2)
実用化ロボット展示事業
主催 :
財団法人愛知公園協会
日時 :
2006年7月 14日 ~ 11 月
展示内容 : 静展示
30 日
(a) 展示風景
〈講演・論文〉
1) 三谷宏一,“屋外用自律走行型掃除ロボットSuiPPi安全設計に関する考え方”,第2回「愛知万博におけるロボットの安全設計に
関する考え方」愛知万博のロボット安全性ガイドライン調査専門委員会,(2004.11)
2) 三谷宏一,“屋外用自律走行型掃除ロボットSuiPPi”,ロボット課題解決研究会,(2005.3)
3) 酒井龍雄,“屋外用自律清掃ロボットSuiPPi”,日本ロボット学会第30回シンポジウムロボット工学セミナー(2005.4)
4) 小宮山優,北野斉,桑原義彦,“電波到来方位推定法を用いた測位システムの開発”,日本ロボット学会第23回学術講演(2005.9)
5) T. Sakai, ”Environmental Adaptive Navigation of SuiPPi”, 36th International Symposium on Robotics,(2005.12)
6) 福田淳,三谷宏一,酒井龍雄,北野幸彦,土屋 雅功,“掃除ロボットのリスクアセスメントと安全設計”,ロボット,Vol.168,
pp.39-44,(2006.1)
7)酒井龍雄,西村大輔,上松弘幸,村井亮介,三谷宏一,中原智治,北野幸彦,“自律走行型掃除ロボットSuiPPi”,日本機械学会
ロボティクス・メカトロニクス講演会2006,(2006.5)
8) 酒井龍雄,北野幸彦,“自律移動ロボットシステム”,自動車技術,Vol.60,(2006.10)
事業原簿 Ⅲ.2.1.1-14~16
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 26/30
実用化・事業化の見通し
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 27/30
開発成果
必要な技術開発の目標を達成した
●変則域清掃経路生成技術
●屋外誘導技術
●高度障害物検出技術
●汚れ検出技術
●動作管理技術
●安全確保技術
「自律走行清掃」の確かさ実証した
総自律移動距離: 132.7km
清掃移動距離 : 69.5km
今後の実用化の見通し
今回の成果
+
小型化
コストダウン
ユーザ要求・使用環境の徹底調査
屋内・屋外
自律移動作業ロボット市場の
開拓が可能になった
(掃除ロボット3台の合計)
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 28/30
本事業後の実用化例:「血液検体自動搬送ロボット」
無軌道自律移動ロボットが
●群れになって働く
●人と共生して働く
世界初の実用例
BML社様工場にて
10台の群ロボ
06年10月より本稼動
全15台を納入しました。
・自分以外のロボットの様々な様態
・基準になる壁がない
新
群制御技術 max10台
新
ドッキング技術
新
自動充電システム 24h連続稼動
固定/移動体
本事業の成果
無軌道自律移動技術
未知環境への適応制御
精密自己位置計測
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 29/30
事業原簿 Ⅳ.1.1-1
実用化・事業化の見通し
事業化の課題
技術的には
各種空間で移動をともなう
サービスを提供するロボットを
実用化できる目処がついた。
2006
2007
●小型化
●コストダウン
●真の顧客のニーズ・ボリュームの実践的探索
●これに見合った製・販・技術・アフター体制の構築
2008
2009
自律移動機能検証
事業化・企画作成
改良
小型化・安全対策
METI サービスロボット市場創出支援事業
パイロットシステム
導入
コストダウン等
生産・販売
事業原簿 Ⅳ.1.1-1
2010
●大型商業施設
●工場
●空港
●学校
●マンション
●バイオ産業
屋外用自律走行型掃除ロボット「スイッピー」 30/30
CR技06-1117-2
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-2 スバルロボハイターについて
平成19年1月11日(木)
1/51
CR技06-1117-2
目次
1.開発したロボットのPRポイント
2.開発目標(スバルロボハイターRS-1)
3.ロボットの概要(スバルロボハイターRS-1)
4.研究開発成果(スバルロボハイターRS-1)
5.開発目標(スバルロボハイターT-1)
6.ロボットの概要(スバルロボハイターT-1)
7.研究開発成果(スバルロボハイターT-1)
8.実用化の見通し
9.まとめ
2/51
CR技06-1117-2
1.開発したロボットのPRポイント
・これまで弊社の作業用ロボットは、適用フィールドを
屋内清掃作業に絞ることで、シンプルな機能と投資に
見合うコストの清掃ロボットシステムを実現
エレベータ連動屋内型清掃ロボット
3/51
CR技06-1117-2
1.開発したロボットのPRポイント
晴海トリトンスクエア(7台)
中部国際空港 国際線(4台)
六本木ヒルズ 森タワー(3台)
新宿エルタワー(1台)
4/51
CR技06-1117-2
1.開発したロボットのPRポイント
屋外清掃ロボット「スバルロボハイターRS-1」
・3台が連携して清掃することが可能
・清掃エリアの距離・幅を入力することで
走行可能(詳細な地図作成が不要)
・ レーザ三角測量センサとジャイロによる走行により
リフレクタの貼付けのみで走行可能(リフレクタは、約30mおきに設置)
・レーザ三角測量センサのみでも走行可能
(リフレクタは、約10mおきに設置)
・屋外の凹凸、坂道に耐えられる駆動力を有する。
・全天候可能な防水構造
5/51
CR技06-1117-2
1.開発したロボットのPRポイント
ゴミ箱交換ロボット「スバルロボハイターT-1」
・2台が連携してゴミ箱を搬送・交換する
ことが可能
・20kgまでの可搬可能な
垂直多関節アームを有する。
・回収したゴミ箱を自動的に計量・課金・
分析できるシステムを構築
・全天候可能な防水構造
6/51
CR技06-1117-2
2.開発目標
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
基本計
画研究
課題
清掃作
業遂行
能力
研究項目
目的
目標
成果
達成度
複数ロボッ
トの連携に
よる清掃
3台のロボッ
トの協調によ
り広い作業領
域の掃除を過
不足なし実現
広い作業
領域への
対応
マスタースレー
ブ方式の混信の
ない直進方式を
開発した。
愛知万博会場(グロー
バ ル ル ープ・西駐車
場)にて3台が連携し
て 清 掃 することがで
き、目標を達成した
駆動力及び
長時間駆動
広い作業領
域への対応
1充電当
たり3時
間以上稼
動
愛 知 万 博会場での清
掃 運 用 で3時間以上
の 稼 動 が可能である
こ と を 実証でき目標
を達成した。
外部インフ
ラに極力依
存しない自
律走行制御
外部インフ
ラ整備箇所
が少ない条
件下での屋
外作業への
対応を実現
磁気テー
プを必要
としない
3時間以
上の連続
走行
ロボット重量に
合った最適な
バッテリ及び駆
動モータ選定と
計量構造技術
レーザ三角測量
センサ、ジャイ
ロ、GPSを組
み合わせた自律
走行制御技術
屋外清掃ロ
ボ ッ ト の
レーザ三角
測量による
走行法の精
度向上
より正確な
清掃走行の
実現
X、Y方
向とも±
2 0 0 mm
以内の停
止精度
レーザ三角測量
センサとジャイ
ロを組み合わせ
た自律走行技術
の走行精度向上
X方向最大150
mm 、 Y 方 向 最 大 2
0 0 mm の 誤 差 と な
り目標を達成した。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-5
※
評
価
愛知万博会場のグロー
バルループに磁気テー
プは使用せず、リフレ
クタ(反射板)を 約30
mおきに設置。極力イン
フラに依存しない条件
下で3時間以上の連続
走行を行い目標を達成
した。
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
◎
◎
○
◎
7/51
CR技06-1117-2
安 全
性・制
御能力
耐候性、
耐久性、
信頼性
安全性を考
慮した障害
物検知制御
人、又は物
に対する安
全性を高め
る
走行経路
上の障害
物を検知
し自動で
減速又は
停止
非接触センサと接
触センサを組み合
わせた2重系の障
害物検知制御シス
テムを構築
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる実証
試験で障害物や人を
ロボットが自動で検
知し、減速、停止を
行うことを確認した。
昼、夜、雨天時でも
同様に減速、停止を
行うことができ目標
を達成した。
安全性、親
和性を考慮
した外装
作業者、通
行人等に対
する安全性
を高める
事故、ケ
ガのない
清掃運用
を行う
事故、ケガのない
カバー、構造設計、
注意喚起等の安全
技術
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる展示
及び清掃運用(実証
試験)においてケガ、
事故は発生せず目標
を達成できた。
全天候対応
屋外作業へ
の対応を実
現
雨天時の
屋外走行
が可能
防水・防塵構造
愛知万博会場にて雨
天時も清掃運用を
行ったが、問題なく
目標を達成した。
※
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
8/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-5
◎
◎
◎
CR技06-1117-2
3.ロボットの概要
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
9/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-1
3.ロボットの概要
CR技06-1117-2
(屋外清掃ロボット「スバルロボハイターRS-1」)
屋外清掃ロボット
「スバルロボハイターRS-1」透視図
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-1
10/51
CR技06-1117-2
4.研究開発の成果
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
①複数ロボットの連携による清掃
成果:マスタースレーブ方式の混信のない直進方式を
開発した。愛知万博会場(グローバルループ・西駐車場)にて
3台が連携して清掃することができた。
11/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-6
CR技06-1117-2
3.研究開発成果
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
②駆動力及び長時間駆動
成果:ロボット重量に合った最適なバッテリ及び駆動モータ選定と
軽量構造設計を行った。愛知万博会場での清掃運用で改良を
加えながら3時間以上の稼動が可能であることと約15度の登坂能
力を実証できた。
グローバルループでの登坂試験
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-9
最大勾配登坂試験
12/51
4.研究開発の成果
CR技06-1117-2
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
③外部インフラに極力依存しない自律走行制御
成果:レーザ三角測量センサ、ジャイロ、GPSを組み合わせた自律走行
制御技術を開発。愛知万博会場のグローバルループにリフレクタ
(反射板)を 約30mおきに設置。レーザー三角測量センサと
ジャイロを組み合わせた走行法で3時間以上の連続走行を
行った。GPSは屋根などの関係であまり活用できなかった。
ロボット
リフレクタ
ジャイロの補正と位置認識
レーザー三角測量センサ
13/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-11
CR技06-1117-2
4.研究開発成果
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
④全天候対応
成果:防水・防塵構造設計を行った。
愛知万博会場にて雨天時でも清掃運用を行うことができた。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-16
14/51
4.研究開発の成果
CR技06-1117-2
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
⑤安全性を考慮した障害物検知制御
成果:非接触センサと接触センサを組み合わせた2重系の障害物検知
制御システムを構築。愛知万博会場での6ヶ月にわたる実証試験
で障害物や人をロボットが自動で検知し、減速、停止を行うことを
確認した。昼、夜、雨天時でも同様に減速、停止を行うことができた。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-17
15/51
CR技06-1117-2
4.研究開発成果
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
⑥安全性、親和性を考慮した外装
成果:事故、ケガのない丸みをおびたカバー、構造設計、及びLEDなどに
よる注意喚起等の安全性を考慮した設計を行った。愛知万博会場で
の6ヶ月にわたる展示及び清掃運用(実証試験)においてケガ、事故は
発生しなかった。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-19
16/51
CR技06-1117-2
4.研究開発の成果
(屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」)
⑦屋外清掃ロボットのレーザ三角測量による走行法の精度向上
成果:レーザ三角測量センサとジャイロを組み合わせた自律走行技術の
走行精度向上を行った。
X方向最大150mm、Y方向最大200mmの誤差とすることができた。
リフレクタ追加
横シフト方向(X)
清掃終了点
横
清掃幅
縦
縦方向(Y)
シフト
清掃開始点
清掃長さ
リフレクタ追加
17/51
リフレクタ
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-20
CR技06-1117-2
5.開発目標
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
基本計画研
究課題
研究項目
目的
ゴミ箱
回収能力
ゴミ箱回収
能力の確保
人・力に代わ
る手段として
の対応を図る
ゴミ計量管
理
ゴミ箱回収か
らゴミ計量管
理までの自動
化を実現
屋外ゴミ箱
交換ロボッ
ト及びIC
タグを用い
たゴミ計量
管理システ
ムの改良
ゴミ箱回収か
らゴミ計量管
理及び分析、
建物管理サー
バへの連携を
自動化する。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-21
目標
成果
達成度
自動でゴ
ミ箱を設
置・回収
し、搬送
する。
ロボット
が搬送し
たゴミを
自動で計
量、管理。
20kgのゴミ
箱を可搬でき
るアームを開
発
愛知万博会場にて実際
のゴミ箱の回収・設置
を1日7回行うことが
でき、目標を達成した
ICタグを用
いてロボット
が搬送したゴ
ミを自動で計
量、管理する
システムを構
築
愛知万博会場にて
ロボットが搬送し
たゴミを自動で計
量、管理すること
ができ目標を達成
した。
ICタグを
用 い て ロ
ボットが搬
送したゴミ
を自動で計
量、管理、
分析及び自
動で建物管
理サーバへ
の連携を行
う
ICタグに項目
データを追加し
ロボットが搬送
したゴミを自動
で計量、管理、
分析できるシス
テムを構築した。
また建物管理
サーバへの連携
を行える機能を
追加した。
ゴミ計量管理シス
テムを改良し、実
証試験を行い、計
量、管理、分析が
できることを確認
した。また、建物
管理サーバへの連
携機能も確認し、
目標を達成した。
※
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
評
価
◎
◎
◎
18/51
CR技06-1117-2
安全性・制
御能力
耐候性、耐
久性、信頼
性
外 部インフ
ラ に極力依
存 しない自
律走行制御
外部インフ
ラ整備(設
置)箇所が少
ない条件下
での屋外作
業への対応
を実現
磁気テープを
必要としない
3時間以上の
連続走行
G P S 、
ジャイロセ
ンサによる
自律走行法
を開発
愛知万博会場での運用
場所では屋根や建物が
近くにありGPSが正
常に作動しなかったた
め運用ができなかった。
また、自動車の往来も
多く安全のため磁気を
使った走行も併用した。
安 全性を考
慮 した障害
物検知制御
人又は物に
対する安全
性を高める
走行経路上の
障害物を検知
し自動で減速
又は停止
非接触セン
サ7個と接
触センサを
組み合わせ
た2重系の
障害物検知
システムを
構築
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる実証
試験で障害物や人を
ロボットが自動で検
知し、減速、停止を
行うことを確認した。
昼、夜、雨天時でも
同様に減速、停止を
行うことができ目標
を達成した。
ス テレオ画
像 によるロ
ボ ットの走
行 制御と安
全性向上
外部インフ
ラのない条
件下での対
応を実現す
ると共に安
全性の向上
を計る
外部インフラ
を使用しない
走行制御及び
障害物や人を
検知し自動で
減速、停止。
ステレオカメラ
を用いてカベと
の距離を計測し
ながら自律走行
制御技術を開発。
また障害物、人
を検知し減速、
停止する制御技
術を開発。
ステレオカメラをロ
ボットに搭載し、実
証試験を行った。
カベとの距離を計測
し走行することがで
きた。また、障害物、
人を検知し、減速、
停止することを確認
し、目標を達成でき
た。
全天候対応
屋外作業へ
の対応を実
現
雨天時の屋外走
行が可能な防
水・防塵構造
防水・防塵
構造
雨天時も運用を行い
防水性を確認するこ
とができ目標を達成
できた。
○
◎
○
◎
※ ◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-21
19/51
CR技06-1117-2
6.ロボットの概要
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-3
20/51
6.研究開発の成果
CR技06-1117-2
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」透視図
21/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-3
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
①ゴミ箱回収能力の確保
成果:20kgのゴミ箱を可搬できるアームを開発。愛知万博会場にて
実際のゴミ箱の回収・設置を1日7回、6ヶ月に渡って行うことが
できた。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-23
22/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
②ゴミ計量管理
成果:ICタグを用いてロボットが搬送したゴミを自動で計量、管理する
システムを構築した。愛知万博会場にてロボットが搬送した
ゴミを自動で計量、管理することができた。
23/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-24
CR技06-1117-2
日計、月計、生データ
ICタグを利用した
自動計量システム図
上位システム
課金サーバ
ゴミ箱設置場所
ゴミ箱回収場所
ICタグ
計量用パソコン
ゴミ箱
ICタグ
ゴミ箱交換ロボット
読取アンテナ
ゴミ計量器
通信用アンテナ
書込アンテナ
ICタグ
タグ発行・集計用パソコン
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-24
24/51
CR技06-1117-2
7.研究開発の成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
③外部インフラに極力依存しない自律走行制御
成果:GPS、ジャイロセンサによる自律走行法を開発した。しかし、愛知
万博会場での運用場所では屋根や建物が近くにありGPSが正常に
作動しなかったため、運用ができなかった。また、自動車の往来も
多く安全のため磁気を使った走行も併用した。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-25
25/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
④全天候対応
成果:雨天時でも運用可能にするために、アーム部は、ジャケットによる
防水対策を実施した。雨天時でも運用を行い防水性を確保すること
ができた。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-26
26/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
⑤安全性を考慮した障害物検知制御
成果:非接触センサ7個と接触センサを組み合わせた2重系の障害物検知
システムを構築した。愛知万博会場での6ヶ月にわたる実証試験で
障害物や人をロボットが自動で検知し、減速、停止を行うことを確認
した。昼、夜、雨天時でも同様に減速、停止を行うことができた。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-27
27/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
⑥安全性、親和性を考慮した外装
成果:アームの動作範囲に人が入らないカバー構造、人の侵入を検知する
レーザエリアセンサの設置を行い安全性を向上させた。愛知万博
会場での6ヶ月にわたる展示及び清掃運用においてケガ、事故は
発生しなかった。
レーザエリアセンサ
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-27
28/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
⑦屋外ゴミ箱交換ロボット及びICタグを用いたゴミ計量管理システムの改良
成果:ICタグに項目データを追加しロボットが搬送したゴミを自動で計量、
管理、分析できるシステムを構築した。また建物管理サーバへの
連携を行える機能を追加した。ゴミ計量管理システムを改良し、
実証試験を行い、計量、管理、分析ができることを確認した。
また、建物管理サーバへの連携機能も確認した。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-29
29/51
CR技06-1117-2
7.研究開発成果
(ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」)
⑧ステレオ画像によるロボットの走行制御と安全性向上
成果:ステレオカメラを用いてカベとの距離を計測しながら自律走行する
技術を開発した。また障害物、人を検知し減速、停止する技術を
開発した。そして、実機に搭載し実証試験を行い、動作の確認が
できた。
また、屋外清掃ロボット「スバルロボハイターRS-1」にも搭載し、
同様の実証試験を行った。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-29
30/51
CR技06-1117-2
ステレオカメラ
の画像
エッジ検出
障害物検出
障害物検出特化型メニュー
31/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-29
CR技06-1117-2
屋外ゴミ箱搬送ロボットのステレオ画像による走行制御試験
屋外清掃ロボットのステレオ画像による走行制御試験
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-29
32/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
・今後のシェア拡大に向けて、
屋内清掃分野以外への事業領域拡大が必要
・多様な作業分野へ適応できる
作業ロボットシステムの開発が必要
33/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
適応フィールド(
作業面積)
・エレベータ連動
(ロボット対応)
・不整地対応
・対環境性向上
・位置認識(GPS)
・環境認知
・協調制御
・パワーソース
(電池)
準屋外&屋外
地下街通路
遊園地・動物園・公園
工場・プラント
・エレベータ連動
(インフラ改造)
既存大型ビル
空港コンコース
&駅コンコース
1992年
事業原簿 Ⅳ.1.2-3
新築大型ビル
2001年
2003年
2008年
34/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(1)屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」
・H18年10月より、大手不動産会社、ビルの
ディベロッパー、ビルメン会社に営業開始
(ターゲットは、大型遊園地、工場等)
・工場については、昼間は搬送、夜は清掃という
2つの機能をもつロボットとしてプレゼンを行っている。
35/51
事業原簿 Ⅳ.1.2-2
8.実用化の見通し
CR技06-1117-2
(1)屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」
・ユーザーニーズに沿った技術開発・生産・販売・
サービス体制を構築し、2年後の事業化を目指し、
取り組んでいきたい。
経済産業省
「サービスロボット市場創出支援事業」にて
継続的に実用化へ向けて開発を実施中
事業原簿 Ⅳ.1.2-3
36/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(2)ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」
工場向け箱詰め&搬送ロボット等への応用を検討中
37/51
事業原簿 Ⅳ.1.2-2
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(3)成果の応用
・本プロジェクトで開発した
「レーザー三角測量による走行法」を
屋内型清掃ロボットへ応用
・ハードフロア用清掃ロボットとして販売を開始、
導入している。
事業原簿 Ⅳ.1.2-1
38/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(3)成果の応用
①製薬会社向 スクラバ(洗浄式)清掃ロボット
H18年5月 1号機納入
H19年4月 2号機納入予定
事業原簿 Ⅳ.1.2-1
39/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(3)成果の応用
②機械振興会館殿向 スィーパ清掃ロボット
H18年10月 試作機納入
H18年12月 1号機納入
事業原簿 Ⅳ.1.2-1
40/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(3)成果の応用
③新型屋内清掃ロボット
レーザー三角測量センサを搭載
高層ビルのハードフロア部・ロビー、
地下通路、療育園、ハードディスク工場
等へ営業を展開中、納入予定
事業原簿 Ⅳ.1.2-2
8.実用化の見通し
41/51
CR技06-1117-2
(4)安全性設計
・愛知万博に出品したロボットは、愛知万博の
「安全性ガイドライン調査専門委員会」で指導を受けた。
・その指導をもとに前述の屋内型清掃ロボットも
「ISO/IECガイド51」を基本とし、他の規定も考慮して
設計を見直した。
・設計段階及び運用段階におけるリスクアセスメントも
愛知万博のロボットと同様の手段で行った。
現在、NPO安全工学研究所から認証を
受けるため申請中である。
事業原簿 Ⅳ.1.2-3
42/51
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(5)ロボット清掃メンテナンス会社設立
・富士重工業では、大手ビルメンテナンス会社と
業務提携を行い、床面積の大きなビルを専門に
清掃するロボットを使用したビルメンテナンス
会社をH18年5月に設立した。
・最大60台のロボットを使用する。
43/51
事業原簿 Ⅳ.1.2-3
CR技06-1117-2
8.実用化の見通し
(5)ロボット清掃メンテナンス会社設立
H18.5.10 日本経済新聞 掲載記事
事業原簿 Ⅳ.1.2-3
44/51
CR技06-1117-2
9.まとめ
(1)屋外清掃ロボット 「スバルロボハイターRS-1」
基本計
画研究
課題
清掃作
業遂行
能力
研究項目
目的
目標
成果
達成度
複数ロボッ
トの連携に
よる清掃
3台のロボッ
トの協調によ
り広い作業領
域の掃除を過
不足なし実現
広い作業
領域への
対応
マスタースレー
ブ方式の混信の
ない直進方式を
開発した。
愛知万博会場(グロー
バ ル ル ープ・西駐車
場)にて3台が連携し
て 清 掃 することがで
き、目標を達成した
駆動力及び
長時間駆動
広い作業領
域への対応
1充電当
たり3時
間以上稼
動
愛 知 万 博会場での清
掃 運 用 で3時間以上
の 稼 動 が可能である
こ と を 実証でき目標
を達成した。
外部インフ
ラに極力依
存しない自
律走行制御
外部インフ
ラ整備箇所
が少ない条
件下での屋
外作業への
対応を実現
磁気テー
プを必要
としない
3時間以
上の連続
走行
ロボット重量に
合った最適な
バッテリ及び駆
動モータ選定と
計量構造技術
レーザ三角測量
センサ、ジャイ
ロ、GPSを組
み合わせた自律
走行制御技術
屋外清掃ロ
ボ ッ ト の
レーザ三角
測量による
走行法の精
度向上
より正確な
清掃走行の
実現
X、Y方
向とも±
2 0 0 mm
以内の停
止精度
レーザ三角測量
センサとジャイ
ロを組み合わせ
た自律走行技術
の走行精度向上
X方向最大150
mm 、 Y 方 向 最 大 2
0 0 mm の 誤 差 と な
り目標を達成した。
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-5
※
評
価
◎
◎
愛知万博会場のグロー
バルループに磁気テー
プは使用せず、リフレ
クタ(反射板)を 約30
mおきに設置。極力イン
フラに依存しない条件
下で3時間以上の連続
走行を行い目標を達成
した。
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
○
◎
45/51
CR技06-1117-2
安 全
性・制
御能力
耐候性、
耐久性、
信頼性
安全性を考
慮した障害
物検知制御
人、又は物
に対する安
全性を高め
る
走行経路
上の障害
物を検知
し自動で
減速又は
停止
非接触センサと接
触センサを組み合
わせた2重系の障
害物検知制御シス
テムを構築
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる実証
試験で障害物や人を
ロボットが自動で検
知し、減速、停止を
行うことを確認した。
昼、夜、雨天時でも
同様に減速、停止を
行うことができ目標
を達成した。
安全性、親
和性を考慮
した外装
作業者、通
行人等に対
する安全性
を高める
事故、ケ
ガのない
清掃運用
を行う
事故、ケガのない
カバー、構造設計、
注意喚起等の安全
技術
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる展示
及び清掃運用(実証
試験)においてケガ、
事故は発生せず目標
を達成できた。
全天候対応
屋外作業へ
の対応を実
現
雨天時の
屋外走行
が可能
防水・防塵構造
愛知万博会場にて雨
天時も清掃運用を
行ったが、問題なく
目標を達成した。
※
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-5
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
46/51
◎
◎
◎
9.まとめ
CR技06-1117-2
(2)ゴミ箱搬送ロボット「スバルロボハイターT-1」
基本計画研
究課題
研究項目
目的
ゴミ箱
回収能力
ゴミ箱回収
能力の確保
人・力に代わ
る手段として
の対応を図る
ゴミ計量管
理
ゴミ箱回収か
らゴミ計量管
理までの自動
化を実現
屋外ゴミ箱
交換ロボッ
ト及びIC
タグを用い
たゴミ計量
管理システ
ムの改良
ゴミ箱回収か
らゴミ計量管
理及び分析、
建物管理サー
バへの連携を
自動化する。
目標
成果
達成度
自動でゴ
ミ箱を設
置・回収
し、搬送
する。
ロボット
が搬送し
たゴミを
自動で計
量、管理。
20kgのゴミ
箱を可搬でき
るアームを開
発
愛知万博会場にて実際
のゴミ箱の回収・設置
を1日7回行うことが
でき、目標を達成した
ICタグを用
いてロボット
が搬送したゴ
ミを自動で計
量、管理する
システムを構
築
愛知万博会場にて
ロボットが搬送し
たゴミを自動で計
量、管理すること
ができ目標を達成
した。
ICタグを
用 い て ロ
ボットが搬
送したゴミ
を自動で計
量、管理、
分析及び自
動で建物管
理サーバへ
の連携を行
う
ICタグに項目
データを追加し
ロボットが搬送
したゴミを自動
で計量、管理、
分析できるシス
テムを構築した。
また建物管理
サーバへの連携
を行える機能を
追加した。
ゴミ計量管理シス
テムを改良し、実
証試験を行い、計
量、管理、分析が
できることを確認
した。また、建物
管理サーバへの連
携機能も確認し、
目標を達成した。
※
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-21
評
価
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
◎
◎
◎
47/51
CR技06-1117-2
安全性・制
御能力
外部インフ
ラ整備(設
置)箇所が少
ない条件下
での屋外作
業への対応
を実現
人又は物に
対する安全
性を高める
磁気テープを
必要としない
3時間以上の
連続走行
G P S 、
ジャイロセ
ンサによる
自律走行法
を開発
愛知万博会場での運用
場所では屋根や建物が
近くにありGPSが正
常に作動しなかったた
め運用ができなかった。
また、自動車の往来も
多く安全のため磁気を
使った走行も併用した。
走行経路上の
障害物を検知
し自動で減速
又は停止
非接触セン
サ7個と接
触センサを
組み合わせ
た2重系の
障害物検知
システムを
構築
愛知万博会場での
6ヶ月にわたる実証
試験で障害物や人を
ロボットが自動で検
知し、減速、停止を
行うことを確認した。
昼、夜、雨天時でも
同様に減速、停止を
行うことができ目標
を達成した。
ス テレオ画
像 によるロ
ボ ットの走
行 制御と安
全性向上
外部インフ
ラのない条
件下での対
応を実現す
ると共に安
全性の向上
を計る
外部インフラ
を使用しない
走行制御及び
障害物や人を
検知し自動で
減速、停止。
ステレオカメラ
を用いてカベと
の距離を計測し
ながら自律走行
制御技術を開発。
また障害物、人
を検知し減速、
停止する制御技
術を開発。
ステレオカメラをロ
ボットに搭載し、実
証試験を行った。
カベとの距離を計測
し走行することがで
きた。また、障害物、
人を検知し、減速、
停止することを確認
し、目標を達成でき
た。
全天候対応
屋外作業へ
の対応を実
現
雨天時の屋外走
行が可能な防
水・防塵構造
防水・防塵
構造
雨天時も運用を行い
防水性を確認するこ
とができ目標を達成
できた。
外 部インフ
ラ に極力依
存 しない自
律走行制御
安 全性を考
慮 した障害
物検知制御
耐候性、耐
久性、信頼
性
※ ◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-21
48/51
○
◎
○
◎
CR技06-1117-2
8.まとめ
(3)成果の普及
・学会等発表
紙上発表
口頭発表・講演
・新聞掲載
・出版物掲載
・TV取材(万博開催期間含む)
・雑誌等の取材(万博開催期間含む)
・展示会
8件
14件
4件
8件
7件
40件
3件
49/51
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-34
CR技06-1117-2
8.まとめ
(3)成果の普及
2005国際ロボット展
ロボット・関連産業マッチングフェア
(ビックサイト)
(北九州市)
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-34
50/51
CR技06-1117-2
8.まとめ
(4)特許の取得状況
・自律走行台車及びその制御方法
(レーザー三角測量による走行法)
・ICタグによるゴミ計量管理と課金システム
・ステレオ画像による走行法
事業原簿 Ⅲ.2.1.2-33
51/51
1/29
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明(公開)
(2)-3 ALSOK ガードロボi について
平成19年1月11日(木)
綜合警備保障株式会社
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1
発表の概要
・目的、目標、達成度
・研究開発の成果
・成果の意義、成果の普及
・実用化、事業化の見通し
・まとめ
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1
2/29
目的
3/29
世界初の屋外で活動可能な
警備案内ロボットの開発
ガードロボC4
屋内用の警備案内ロボット
2002.4発売
ガードロボ i
屋外での警備や案内
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1
研究目標と達成度
基本計画
研究課題
研究項目
目的
4/29
目標
移動能力 屋外環境に 屋外でも ・登坂能力 ±10度
対応した移 自律走行 ・最高移動速度
動能力
可能なロ 1.0m/sec
ボットを開 ・段差乗越え 5cm
発する。
・位置補正誤差
100mm以下
成果
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-2
評
価
屋外で自律
走行可能な
ロボットの移
動技術を取
得した。
・登坂能力±10度
・最高速度 1.0m/sec
・段差乗越え5cm
・位置補正誤差100mm以下
・屋外において791mの距離
◎
を巡回後、目標位置との誤
差は370mm以下となり自
動充電器進入可能な場所
へ戻ってくることができた。
屋外で使用
可能な警備
機能を取得し
た。
・静止時・移動時の人体検知
が可能
・屋外で10mの火災検知が
可能
・9個(4種類)のカメラを搭載 ○
し、カメラ監視機能が強化
・機械警備システムと連携が
可能。
・屋外を巡回し自動
充電装置へ進入可
能な場所へ戻ってく
ること
警備能力 屋外環境に 屋外で使 ・移動時/静止時の人
対応した警 用可能な 体検知
備機能
警備機能 ・屋外で10mの火災
の開発。 検知
・カメラ監視機能の
強化
・機械警備システム
との連携
達成度
◎:目標を上回る ○:目標達成 △:目標を未達成 -:該当せず
研究目標と達成度
5/29
基本計画
研究課題
研究項
目
案内能力
案内機 屋外で使用
能
可能な案内機
能を開発。
利用者によく
利用されるコン
テンツの開発。
屋外で使用可能
屋外で使用可
な案内機能を開発。 能な案内機能を
タッチパネルコン 開発した。
テンツの実際の利 利用者からよく
用状況を調査する。 利用されるコン
テンツが判明。
万博期間中、屋外でタッ
チパネルディスプレイを
使用し、案内できた。
○
コンテンツの利用状況を
確認することができ目標
を達成した。
安全性
安全性
安全ガイドライン
に基づくリスクアセ
スメントを実施し計
画および運用に反
映する。
万博期間中の事故は0
件であり、緊急停止が必
要な状況も発生せず、目 ◎
標は達成できた。
耐久性
・
信頼性
耐久性・ 屋外での長
万博期間中、毎日 屋外での長期
信頼性 期運用に耐え ロボットの運用を行 運用に耐えうる
うるロボットを う。
ロボットの開発
開発する。
に成功した。
付加的
機能
カメラ伝 ロボットによる 画像蓄積および
ロボットによる
ロボット内に蓄積された
送機能 カメラ監視機 伝送システムを構 画像蓄積および 画像が確認でき、また監
能を強化する。 築する。
伝送システムを 視端末からロボットのカメ ○
構築できた。
ラ画像が確認できた。
目的
目標
安全なロボッ
トを開発するた
めの手法を獲
得する
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1~2
成果
屋外での運用
および長期運用
に耐えうるロボッ
トの開発に成功
した。
達成度
万博期間中大きなハー
ドウェア損傷は発生せず
○
目標は達成できた。
◎:目標を上回る ○:目標達成 △:目標を未達成 -:該当せず
ロボットの概要
6/29
運用イメージ
屋外警備項目
屋外警備ロボット
ガードロボ i (アイ)
監視センター
遠隔監視装置
人体検知
確認・
威嚇
警備情報
火災検知
確認・威嚇指示
監視カメラ画像
不審物検知
情報共有
急行指示
現場へ急行
?
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1
評
価
ロボットの機能
7/29
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1
研究開発の成果(屋外環境に対応した移動能力)
従来のロボットとの走行能力比較
当社の従来
ロボット
ガードロボi
使用場所
屋内
屋内/屋外
最高速度
500[mm/sec]
1000[mm/sec]
登坂能力
±5[度]
±10[度]
段差乗越え能力
1[cm]
5[cm]
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-3
8/29
研究開発の成果(屋外環境に対応した移動能力)
9/29
屋外における位置補正について(RTK-GPS)
<実験方法>
1辺10mの矩形方走行経路の繰り返し走行を実施
<結果>
・オドメトリのみ
走行距離に比例して誤差が拡大
GPSによる補正有り
(位置誤差:100mm以内)
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-3
研究開発の成果(屋外環境に対応した移動能力)
10/29
【位置補正】 RST-JRリニモ館前走行テスト (総距離:791m)
走行機能
往路
GPSが精度良く
受信できるのは
全体の95%
デッドレコニングと
GPSランドマークの
併用により巡回
自動充電器進入
を行うのに十分
な精度を達成。
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-3~4
折返し
スタート
折返し
復路
ゴール
青:精度高
黄:精度中
赤:精度低
研究開発の成果(屋外環境に対応した移動能力)
11/29
会場のRTK-GPS補正情報受信状態
GPS補正データ無線基地局
をわんパク宝島に設置
●・・・RTK-GPS補正情報を受信し、
自己位置修正が可能
●・・・RTK-GPS補正情報受信不可
のため、GPS単独測位
●・・・RTK-GPS補正情報を受信中。
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-4
研究開発の成果(屋外環境に対応した警備機能)
従来のロボットとの警備機能比較
当社の従来
ロボット
ガードロボi
人体検知
静止時
静止時/移動時
火災検知
屋内 10m
屋外 10m
カメラ監視
1個(1種類)
9個(4種類)
警備システム連携
あり
なし
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-4~5
12/29
研究開発の成果(屋外環境に対応した警備機能)
13/29
【警備機能】 RST-JRリニモ館前走行テスト
走行経路:距離791m
警備機能
○夜間会場に残留するスタッフを侵入者見立てて検知
・真報→巡回中の警備員、帰宅中のスタッフ
・誤報→地面の凹凸など
・失報→なし
屋外における警備センサの有効性を確認
誤報対策が必要
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-5
研究開発の成果(案内機能)
14/29
【コンテンツ例】
トップページ
会場案内
デモスケジュール案内
ロボット紹介
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-5
キッコロ探しゲーム
クイズ
研究開発の成果(案内機能)
15/29
万博会場での運用の様子
コンテンツアクセス率
コンテンツ
アクセス率(%)
会場案内
9.0
デモスケジュール案内
1.9
ロボット紹介
7.8
万博クイズ
19.1
キッコロ探しゲーム
64.0
外国語コンテンツ
1.8
→利用されるコンテンツに偏り
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-6
研究開発の成果(安全性)
16/29
1 基本方針
機械の安全性(基本概念、設計の一般原則)に関する国際規格「ISO12100」
に記された方法に基づき、運用中に発生すると思われるリスクを抽出し査定を
行い、最終的なリスクが許容可能となる方策を行った。
2 リスクアセスメント方法
ISO12100に準じ、リスクアセスメントを行った。
○想定環境
使用環境
対象者レベル
ロボットステーション(屋内)で
のデモンストレーション
一般大衆、オペレータ、見習い、初心者
グローバル・コモン(屋外)で
のデモンストレーション
一般大衆、オペレータ、見習い、初心者
メンテナンス
オペレータ、見習い、初心者
夜間警備実験(屋外、屋内)
オペレータ、見習い、初心者
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-6
研究開発の成果(安全性)
17/29
センサによる安全監視・制御
1 多重化
(1)非接触センサ
・超音波距離センサ
・走査型レーザレンジセンサ
(2)接触センサ
・バンパスイッチ(断線検出機能付き)
2 速度制御
非接触センサの検出距離に応じてロボットの減速、停止を行う
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-6
研究開発の成果(安全性)
安全設計についての検証
・安全ガイドラインの中でのリスクアセスメントに基づいた
本体設計、運用を実施。
事故は0件。
緊急停止が必要な状況も発生せず。
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-6
18/29
研究開発の成果(耐久性・信頼性)
19/29
耐久性について
・半年間の運用において大きなハードウェア損傷は発生せず。
・トラックによる輸送時の振動によりコネクタ類の接触不良が発生。
→固定方法の見直しにより改善
・炎天下における運用で、内部温度上昇によりロボットが停止。
→CPU冷却方法の見直しにより改善
稼動記録
1号機
2号機
3号機(※)
4号機
5号機
6号機
運用場所
屋外
屋外
屋内
屋内
屋外
屋外
総稼働時間(時間)
682
441
1,240
2,094
726
451
総走行距離(km)
158
61
21
5
87
78
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-6~7
研究開発の成果(カメラ画像伝送)
20/29
画像蓄積伝送システムの概略図
ロボット
ロボット
カメラ
リアルタイム画像
蓄積画像
画像伝送装置
通信装置
ロボット監視装置
画像記録装置
蓄積画像
夜間実験中のロボットのカメラ画像
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-7
成果の意義
21/29
屋外用警備案内ロボットが開発できた。
→屋外環境で稼動するための基礎的な技術の獲得。
→屋内用の警備ロボットへ技術応用可能。
万博会期中、毎日ロボットステーションおよび各コモンで
稼動し、実際にロボットに触れてもらうことができた。
→案内警備ロボットが身近なものになるということをアピール。
→柵に囲われないデモを行うことで、実用化の高さをアピール。
万博期間中、無事故で運用することができた。
→リスクアセスメントの正当性を確認。
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-7
成果の普及
22/29
講演
●ロボット学会セミナー
「屋外警備ロボット「ガードロボi」の概要と安全対策について」
日付:2005年4月28日(木)
日付:2005年4月28日(木)
場所:東京工業大学
場所:東京工業大学
●JPIセミナー
「万博における実証実験1 警備ロボット:ガードロボi(アイ)」
日付:2005年8月23日(火)
日付:2005年8月23日(火)
場所:日本計画研究所
場所:日本計画研究所
文献
「屋外警備ロボット『ガードロボi』の概要と安全対策について」(社)
日本ロボット工業会機関紙“ロボット”168号 p.28-33 2006.1
「屋外警備ロボットALSOKガードロボi(アイ)の開発と安全方針」
日本ロボット学会誌
日本ロボット学会誌 Vol.24
Vol.24 No.2
No.2 p.10-12
p.10-12 2006.3
2006.3
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-8
成果の普及
23/29
テレビ等での放映
・2005.3.10放送 NHK 「クローズアップ現代」
・2005.3.21放送 中京テレビ 「万博すみからすみまでひと足
お先に見せちゃうぞSP」
・2005.3.27放送 NHK 「NHKのど自慢~イン愛・地球博」
・2005.4.26放送 NHK 「ほっとイブニング」
・2005.5.20放送 NHK 「週間子どもニュース」
・2005.7.15放送 テレビ東京 「ワールドビジネスサテライト」
その他
・当社ホームページ(R&D関連ページ内)での紹介
・採用活動等での紹介
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-8
成果の普及
24/29
展示会出展
危機管理産業展
(2005.10.19~21)
国際ロボット展
( 2005.11.30~12.3)
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-9
HOSPEX2005
(2005.11.9~11)
セキュリティーショー2006
( 2006.3.7~10 )
実用化、事業化の見通し
25/29
成果の実用化可能性
1 半屋外環境における警備案内ロボットに技術を転用。
実用化ができた。
2 完全な屋外環境で活動するための、警備ロボットの基礎的
な技術が獲得できるとともに、課題も明確になった。
課題
・万博会場での実証実験では、テロ対策のためのセキュリティ強化の影
響など各種の制約が存在したため、様々な環境でさらに検証を重ね
る必要がある。
・非接触充電装置はコストや大きさの点で更に改良が必要。
事業原簿 Ⅳ.2.1-1
事業化までのシナリオ
万博以前
26/29
現在
万博中
将来
屋内
警備ロボット実用化
半屋外でも活動可能
改良
改良
技術応用
屋外
事業原簿 Ⅳ.2.1-1
屋外用技術の改良開発
改良
稼動エリア
の拡大
波及効果(事業化)
27/29
本プロジェクトで開発した技術の利用
・屋内向け警備案内ロボットを半屋外環境でも活動可能とした。
・屋内向け警備案内ロボットを半屋外環境でも活動可能とした。
・屋外移動能力が屋内ロボットの移動能力向上に役立った。
・屋外移動能力が屋内ロボットの移動能力向上に役立った。
2006.8より警備案内ロボットとして
半屋外環境で稼動中
2006.11ロボットセキュリティ
システムReborg-Q発表
その他
・当該分野の人材育成等を促進できた。
事業原簿 Ⅳ.2.1-1~2
まとめ
28/29
屋外用警備案内ロボットの開発を行い、
目標を達成することができた。
研究項目
目標
屋外環境に対応し
た移動能力
登坂能力±10度、段差乗越5cm
屋外環境に対応し
た警備機能
自動充電装置へ進入可能な場所へ戻ること
移動時/静止時の人体検知、火災検知10m
カメラ監視機能、警備システムとの連携
達成度
達成!
達成!
案内機能
屋外で使用可能な案内機能
利用状況の調査
達成!
安全性
万博期間中、安全に運用
達成!
耐久性・信頼性
万博期間中、毎日運用を実施
達成!
カメラ伝送機能
画像蓄積および伝送システムの構築
達成!
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1~8
まとめ
29/29
・万博期間中無事故で運用でき、リスクアセス
メントの正当性が確認できた。
・開発した技術を応用し、半屋外環境でも稼動
可能な警備案内ロボットを実用化できた。
・屋外用警備案内ロボットを開発する際には、
更なる実証試験および非接触自動充電装置
の開発が必要である。
事業原簿 Ⅲ.2.2.1-1~8、Ⅳ.2.1-1~2
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-4 ムジロー、リグリオについて
平成19年1月11日(木)
1/33
<目次>
研究開発のポイント(開発技術の特徴、新規性)
研究開発の目標
研究開発概要
研究開発成果
研究開発成果について 成果の意義
研究開発成果について 成果の普及
・・・・・・・ 3
・・・・・・・ 4
・・・・・・・ 7
・・・・・・・ 10
・・・・・・・ 26
・・・・・・・ 27
実用化、事業化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・・・・・・・ 28
実用化、事業化の見通しについて
(2)事業化までのシナリオ
・・・・・・・ 29
実用化、事業化の見通しについて
(3)まとめ
・・・・・・・ 33
2/33
<研究開発のポイント(開発技術の特徴、新規性)>
„
1、屋外環境対応ロボットの開発
Ⅲ.2.2.2-33
„
2、屋外環境対応操縦装置の開発
Ⅲ.2.2.2-15
„
3、安全を考慮したマニピュレータの外装内
収納方式の開発
Ⅲ.2.2.2-31
3/33
<研究開発の目標>
研究項目
目的
1、段差乗り越え能力
の向上
①移動能力
目標
成果
達成度
巡回等の移動において、高さ50mmの 巡回等の移動において、高さ50mmの 屋外駐車場で車道と歩道との実際の段
段差の安定した乗り越え動作を目標とす 段差を乗り越える機構の開発が出来た。 差を乗り越えられ、当初の目標を達成し
る。
た。
目標点より半径50mm以内での停止精 走行時の精度を向上させるため、ジャイ
度を得ること。
ロセンサのインターフェース基板を開発
2.位置きめ精度の向上 *半径50mm以内の停止精度は、不審 した。
物回収時に不審物に対してロボットが位
置決めする場合の目標値である。
屋外対応型ロボットに搭載するための防 炎の検出可能なセンサの選定・搭載を
水型炎センサの選定と炎検出時にセン 行った。移動体通信網及び無線LANに
サの信号を遠隔監視制御システム(警備 より、センサ検知後の遠隔監視制御シス
1.火災検出能力の向上 センター)へ通報を行うシステムの確立。 テムへの信号伝達を行うシステムの開
発を行った。
走行距離70mで,動作終了時に開始位
置と終了位置との差異を計測した結
果、その差異は半径26cm以内に分布
し設定目標以内に収まった。
炎の検出可能範囲はライタの炎(炎高さ
2cm)程度で約13.5mの距離。左右各
約30度まで検知可能であった。また、
移動体通信網及び無線LANの電波受
信圏内ではセンサ検知後の遠隔監視
制御システムへの信号伝達は、問題な
く行えた
遠隔による警備操作時の操作性・再現 直感的な操作が可能なGUIを開発し、長 遠隔操縦時、連続操作時間30分以上
② 警備能 2.遠隔による警備操作 性の向上を可能とする直感的な操作が 時間の遠隔操縦時にも疲労感の少ない を達成し、当初目標の遠隔操縦装置が
力
時の操作性・再現性の 可能となるような各種システムを搭載し ジョイスティック型を採用した遠隔操縦装 開発できた。
連続操作が30分以上行なえること.
置を開発した。
向上
パターンによる制御とオペレータによ
床にある200mmX200mmX200m
3.床にある不審物を腕を m、1kgの不審物を腕を使って回収する る各軸動作プログラムを実装した単腕
7自由度の双腕が開発できた。
使って回収する能力の ことを目標とする。
実現
案内情報(愛・地球博情報、ロボットの情
報)の内容をタッチパネルからの操作に
より表示させ、表示中の案内文を音声に
て読み上げる案内システムの開発を行
う。
ロボットの監視(ロボットの状態)や遠隔
③ 案内機
能
2.多数の外部システ 操作において複数のチャンネルを持って
ムとの接続の実証実験 通信切断を回避する手法の開発を行う。
(移動体通信と無線LA
Nによる通信の研究開
発)
1.タッチパネルパネル
による案内情報提供
タッチパネルからの操作により、案内情
報(愛・地球博情報、ロボットの情報)の
内容を表示させ、表示中の案内文を音
声にて読み上げる案内システムの開発
を行い、ロボットに搭載した。
優先回線とサブ回線の2回線が共存可
能なシステムを開発した。
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
評価
○
○
○
○
実証実験を通して、安定して床にある
不審物を持上げ、移動する回収作業を
行うことができる双腕が開発できた。
○
屋外での案内操作も問題なく行えた。
アンケートを実施し、案内情報の提供は
分かりやすいとの評価を得た。
○
愛・地球博期間中の屋外実証実験486
時間のうち優先回線切断回数19回にお
いてサブ回線切り替え(サブ回線である
PHSの電波状態良好の場合)成功率1
00%を確認した。
○
4/33
<研究開発の目標>
研究項目
目的
目標
成果
達成度
遠隔操作時の警備ロボットの走行軌道 ロボットに搭載するセンサによる物体検 ロボットに搭載したセンサシステムと
上の障害物の検知及び回避動作を可能 知で走行減速・停止を可能とするセンサ フェールセーフ回路としてすべての装置
システムの開発を行い、無線式の非常 が正常でないとロボットが走行動作でき
1.障害物回避動作の実 とする。
停止スイッチとイネーブルスイッチを最終 ないようにした無線式の非常停止スイッ
現
非常停止装置として開発した。
チとイネーブルスイッチは、186日間問
題なく機能し、安全性と有効性が確認さ
れた
屋外対応警備案内ロボットの走行におい 実験用の環境を室内にて用意して走行 万博期間中転倒事故等は発生せず,18
て、耐横転角度15°を目標とした。
実験を行った結果、直線性・旋回性共に 5日間屋外の稼動が実証され、目標は
④ 安全性
安定した走行結果が得られ、耐横転性 達成された。
2.屋外での転倒防止
にすぐれたものを開発することができた。
警備ロボットとして、人に対して親しみや
すく抑止力としての存在感があり、かつ
3.親和性をあわせ持つ 安全を考慮したボディを開発する。
安全なボディデザイン
曲面を持ち、腕部を開閉機構にて収納
するデザインを採用し、外装本体は、
FRP(繊維強化プラスティック)にて弾力
を持たせる構造としたボディが開発でき
た。
長期にわたって運用するロボットの構成 屋外での実験の結果、十分な耐久性・信
部品において防塵・防滴基準を満たすも 頼性のあるロボットが開発できた。また、
のを選択し、基準以下の構成品は、ロ
メンテナンス性についても、十分運用に
ボットの内部構造を分割し保護エリアに 耐えられるものが開発できた。
集約し、ロボットとしてIP21を満たし、屋
⑤ 耐久性・ 1. 耐久性・信頼性の向 外条件に対応可能なこと。
信頼性 上
想定メンテナンスにおいて各事項の作 「愛・地球博」期間中、想定メンテナンス
業を愛・地球博期間中に検証し評価を の中でも大きなものは発生せず耐久性・
行う。
信頼性は十分であった
1.カメラ画像伝送
画像伝送速度向上と画像取得環境の拡
大、画像取得の有効性を向上させるた
め、ロボットに高感度カメラを実装し、照
明装置を搭載する構成にする事で、昼夜
の連続的な画像取得を可能とする。
⑥ 付加的
機能
2.現在位置認識
RTK-GPSを搭載し、自動巡回中
に静止測定することで自己位置補正を
行い、巡回経路を補正するプログラム
を開発を行う。
評価
○
○
アンケートを行い、肯定的な意見が大
多数であり、当初の目標は、達成され
た。
○
万博期間中アクシデントは発生せ
ず,185日間ほぼ半日の屋外稼動運用
が実施できたことにより、目標は達成さ
れた。
○
「愛・地球博」期間中、想定メンテナンス
の中でも大きなものは発生せず耐久
性・信頼性は十分であった
○
遠隔操縦用に検証した高感度カメラと照
明装置を搭載し、画像データを移動体通
信またはLAN回線で伝送可能なシステ
ムを開発した。。
昼夜の遠隔操縦実験を行った結果、実
装した高感度カメラと照明装置の有効
性が検証された。会場内の一部エリア
については、電波状態が安定せず動画
取得が出来ないエリアが存在したが、
その他のエリアについては遠隔操縦時
の移動体通信・LAN回線共に画像伝送
に有効であった
RTK-GPSにて自動巡回中に静止測 実際に移動ロボットにRTK-GPSを搭
定することで自己位置補正を行い、巡回 載し、自動巡回中に静止測定すること
経路を補正するプログラムを開発を行っ で自己位置補正を行い、巡回経路を補
た。
正するプログラムを開発を行う。
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
○
○
5/33
<研究開発の目標>
研究項目
⑥ 付加的
機能
目的
3.発話能力
目標
成果
達成度
評価
遠隔オペレータの音声の発話システム 操作監視装置よりロボットへの音声発
アンケートを実施し、発話については聞
の検討。定型的な会話内容に対応する 話、テキスト発話を行うシステムを開発し き取りやすいとの評価を得たことによ
ため、テキスト文を入力することで、それ た。
り、当初の目標は達成された。
をロボットの音声合成が発話する機能に
ついても開発を行う。
○
◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
6/33
<研究開発概要>
遠隔監視・操縦システム
1、通信の確実性の実現
2、高精度の位置認識精度の実現
GPS
システム
操縦装置
<移動体通信>
発報・各情報
<移動体通信>
操作・指示
ムジロー
7/33
<研究開発概要>
屋外対応警備ロボット
1、防塵・防滴仕様
2、床の上の不審物の回収能力
3、腕部収納方式
高感度マイクロ波
人感センサ
赤外線センサ
炎センサ
腕部格納カバー部
超音波センサ
障害物センサ
レーザーレンジセンサ
ムジロー
8/33
<研究開発概要>
屋外対応遠隔操縦装置
1、直感的な操作が可能な
ユーザーインターフェース
2、屋外対応仕様
(簡易防塵・防滴、電源搭載)
遠隔用画像
表示装置
状態表示用インター
フェースディスプレイ
状態表示画面
操縦用ジョイ
スティック
オペレータ操作風景
オペレータ操作風景
コントローラ,電源
収納スペース
オペレータ操作風景
腕部状態表示画面
9/33
<研究開発成果>
研究項目
当社従来ロボット
ムジロー・リグリオ
①移動能力
屋内の平坦な移動のみ可能
屋外の段差のある面に対応が可能になった。
② 警備能力
炎センサにて直接火災検知が可能になった。新しく格納
ニオイセンサでの火災推測。移動時に単腕にてエレベー 方式の双腕にて対象の不審物を安定して回収、移動が可
ターのボタンを押すことが可能。移動可能な操縦装置。 能になった。屋外対応・簡易に移動可能な操縦装置の開
発が出来た。
③ 案内機能
音声のみの一方向の案内
ディスプレイにて画像を含めた双方向の案内が可能に
なった。
④ 安全性
人と隔離された、又は規制された環境での稼動
一般来場者の存在する環境での稼動が可能になった。
⑤ 耐久性・信頼性
屋内稼動のみ想定
屋外環境に対応して稼動が可能になった。
⑥ 付加的機能 1.カメラ画像伝
日中、及び照明部分の画像伝送
送
日中のみならず、夜間照明のない環境でも画像伝送が可
能になった。
⑥付加的機能 2.現在位置認識 屋内の環境に依存した位置認識
屋外環境での位置認識が可能になった。
⑥ 付加的機能 3.発話能力
音声、内蔵データ、テキスト入力での発話が可能になっ
た。
音声、内蔵データのみの発話
10/33
<研究開発成果>
①移動能力の研究開発、及び技術実証
自動巡回走行時の位置決め精度を高める為の研究開発
技術開発目標
ロボット走行時の外乱による自己位置推定のずれを補正し、軌道修正を行い位置決め精度を
向上させる処理方法の開発を行う。
技術開発内容
オドメトリ( *自己位置推定)とジャイロセンサの融合によるシス
テムの開発を行い、位置決め精度の向上を図った。積分処理の
増加による、演算周期のリアルタイム性の不安定が原因で自己
位置推定の誤差が大きくなることを防ぐため、確実なリアルタイム
演算処理ができるシステムを開発した。また、ジャイロセンサの出
力である角速度を角度に変換し、その値をアナログ値で出力する
インターフェース基板を開発した。
* ロボット内のセンサからの情報(車輪の回転数や操舵角)から自身の位置を推定する
事業原簿 Ⅲ2.2.2-7
11/33
<研究開発成果>
①移動能力の研究開発、及び技術実証
自動巡回走行時の位置決め精度の実証実験
実験内容
実験エリア
実験エリア全景
実験開始場所より30m直進90度
左旋回、5m直進、 90度左旋回、
30m直進、 90度左旋回、5m直進
で実験開始場所に戻るコースを
移動する。
実験結果
„
„
走行距離 30m+5m+30m+5m=70mで目標到達点から
半径25cm以内に収まった。
万博での実証実験にて, タイル、レンガ等の走行面において、
安定して目標地点までの自動移動が可能なことが確認された。
事業原簿 Ⅲ2.2.2-7
12/33
<研究開発成果>
②警備能力の研究開発、及び技術実証
遠隔操作時の操作性・再現性の研究開発
直感的な操作が可能となるような走行操作・マニピュレータ操作用マンマシン
インターフェイスを備えた、屋外型操縦装置(遠隔監視装置)を開発する。
直感的な操作が可能となるように以下の開発を行った。
・走行操作
細かい位置合わせにも対応可能な様に、左右車輪への
速度指令値を別々のジョイスティックにて操作を行う方式を
開発した。
操縦装置全体
・マニピュレータ操作
GUIによるパターン制御、各関節に対応した操作を
マスタースレイブ方式ではなく、ジョイスティックに割り付ける
制御を開発した。
・操縦装置(遠隔監視装置)
操縦装置は、バッテリ内蔵で屋外での使用
が可能な可搬型を開発した。
マスタースレーブ方式
事業原簿 Ⅲ2.2.2-15
13/33
<研究開発成果>
②警備能力の研究開発、及び技術実証
床にある不審物回収能力の研究開発
技術開発目標
ロボットに搭載可能な、床にある不審物の回収を行うためのシステムを開発する。
技術開発内容
不審物をW:200mmXD:200mmXH:200mm、重量:1kgと想定し、対象物は入
手し易いボックス、ゴミ箱等でおこなう。不審物を床面にあるものとし、回収を行う腕
部を7自由度として全体構想を行い機構設計を進めた。
不審物回収の一連の腕部制御についても開発した。
技術開発結果
ロボット前方の不審物の回収が行える7自由度の双腕を開発し、
以下の3制御方式を開発した。
1、パターンによる制御 (自動モード)
2、オペレータによる各軸動作制御 (手動モード)
3、逆運動学を使用した制御(半自動モード)
1,2、3、のパターンを検証した結果、安全性を考慮して、1,2を
実装することとし、1のパターンによる制御を主制御方式とした。
事業原簿 Ⅲ2.2.2-18
シミュレータ図
14/33
<研究開発成果>
②警備能力の研究開発、及び技術実証
床にある不審物回収能力の実証実験
実験内容
夜間にオペレータがロボットに搭載されたデイ・ナイトカメラとレンジセンサから
の不審物の位置・姿勢情報をもとに不審物を回収する実験を行った。
目的場所までは手動の遠隔操作で移動し、不審物発見後の回収動作の位置
合わせを、自動で行った場合と手動で行った場合との回収時間を比較する。
この時、オペレータには不審物の位置は大まかな位置しか知らされていない。
また、不審物回収後は不審物処理エリアという場所を設定し、その場所へ
不審物を置いて元の位置まで戻ってくると言う動作を行う。
実証実験エリア
事業原簿 Ⅲ2.2.2-18
15/33
<研究開発成果>
②警備能力の研究開発、及び技術実証
実験結果
床にある不審物回収能力の実証実験
スタート位置~回収~設置~ゴール位置
(自動回収位置合わせ):平均時間13.2分
(手動回収位置合わせ):平均時間17.6分
自動運転と手動運転を比較した場合、平均4.4分もの
差があり、不審物の回収動作にとって習熟者の
“手動回収位置合わせ“よりも“自動回収位置合わせ“
の方が、有効である実証実験データが得られた。
※ 時限発火装置等の回収時間短縮に、有効と思われる。
事業原簿 Ⅲ2.2.2-18
不審物回収時初期姿勢
オペレータ操作風景
レーザーレンジセンサ
による物体検出画面
16/33
<研究開発成果>
③案内機能の研究開発、及び技術実証
多数の外部システムとの接続の実証実験
(移動体通信と無線LANによる通信の研究開発)
ロボットの監視(ロボットの状態)や遠隔操作においてはワイヤレスによる通信を利用しており、通信
切断は最悪の場合、ロボットの機能が停止してしまう事になりかねず、解決しなければならない問題
であり、複数のチャンネルを持って通信切断を回避する手法を開発する。
万博期間の屋外実証実験エリアにおける実証実験中、今回開発したシステムの
優先選択通信の実証実験を行った。
万博期間の屋外実証実験時間、合計486時間のうち、主回線切断回数19回中、
副回線への切り替え成功率100%を確認した。
以上により、回線接続を維持可能なシステムが構築できたことが実証できた。
無線LAN通信履歴
事業原簿 Ⅲ2.2.2-22
PHS通信履歴
17/33
<研究開発成果>
④安全性の研究開発、及び技術実証
親和性を合わせ持つ安全なボディーデザインの実証実験
警備ロボットとして、人に対して親しみやすく、抑止力としての存在感があり、かつ安全を
考慮した曲面を持ち、腕部を開閉機構にて収納するデザインを採用した。
外装本体は、FRP(繊維強化プラスティック)にて弾力を持たせる構造とした。
アンケートを実施。(対象者は幼児から60歳代の男女112名。)
(コモン5、ロボットステーション内)
ロボットらしい
18%
かわいい
16%
等の肯定的な意見に対し
不細工
2%
2% ロボットのデザインについて
おもしろい
0%
2%
など否定的な意見は全体で
ロボットらしい
0%
5%
かわいい
23%
4%だった。
9%
親しみが沸く
警備に相応しい
10%
このことにより、親和性のある
その他
格好いい
18%
デザインを実現できたと言える。
不細工
15%
16%
事業原簿 Ⅲ2.2.2-31
ロボットらしくない
案内に相応しい
何も思わない
デザイン画
腕部露出時(ムジロー)
18/33
<研究開発成果>
⑤耐久性・信頼性の研究開発、及び技術実証
耐久性・信頼性の向上(防塵・防滴構造、耐久性、メンテナンス)の実証実験
耐久性・信頼性を向上させ、屋外条件に対応可能とする 。
ロボットの構成部品において防塵・防滴基準を満たすものを選択し、基準以下の構成品は、
ロボットの内部構造を分割し保護エリアに集約し、ロボットとしてIP21を満たし、屋外条件応可能
となった。ロボット全体の防水規格は、IP21と設定した。
防滴性能について雨天時の機能確認を行い走行、案内機能が問題なく行えた。
また、直射日光環境下での稼動時間は、万博期間中644時間を記録した。
以上から、耐久性・信頼性を備え、長期運用可能な機構の開発ができた。
(画像当日の降水量は10.5mm)
雨の日数:5日間
小雨:30分程度
夕立:10分程度
事業原簿 Ⅲ2.2.2-33
雨天時案内風景
19/33
<研究開発成果>
⑥カメラ画像伝送、現在位置認識、
発話能力の研究開発、及び技術実証
GPSを併用し±30mm以内での位置認識可能なシステムの研究開発
技術開発目標
屋外での警備ロボットの巡回移動中の自己位置推定値をGPSのデータを利
用して、±30mm以内に補正するシステムを開発する。
技術開発内容
今回使用の測量用RTK-GPSの評価を静止測位と移動測位で行い、静止測位
は計測環境の良い場所・時間帯では±30mm以内の誤差で計測可能な事
がわかった。また追加研究にて、D-GPSを選定し評価した。
技術開発結果
RTK-GPSを搭載し、自動巡回中に静止測定する
ことで自己位置補正を行い、巡回経路を補正する
プログラムを開発し±30mm以内の目標を達成
した。
事業原簿 Ⅲ2.2.2-39
RTK-GPSシステム
20/33
<研究開発成果>
⑥カメラ画像伝送、現在位置認識、
発話能力の研究開発、及び技術実証
GPSを併用し±30mm以内での位置認識可能なシステムの実証実験
実験内容
コモン5(NEDO館)前のグローバルループにて、RTK-GPSを使用した実証実験を
行った。
実証実験開始地点より30m直進、左90度旋回、5m直進、左90度旋回、30m直進、
左90度旋回、5m直進、左90度旋回で実験開始地点に戻るコースを繰り返し(5回)
走行実験を行った。
(実験回数については、万博会期中の許可時間帯についての制限があったため。)
実証実験エリア図
実験結果
5回走行実験を行って、ロボット
の停止位置がスタート、ゴール
地点の比較で半径30mm以内
に収まったことから、位置認識可能
なシステムが、開発できた。
事業原簿 Ⅲ2.2.2-39
GPSによる走行軌跡
21/33
<研究開発成果>
⑥カメラ画像伝送、現在位置認識、
発話能力の研究開発、及び技術実証
発話能力の実証実験
さまざまなシーンに適応できる発話システムの開発を行った。
アンケートを実施。対象者は小学生以下から60歳以上の男女84名
(コモン5、ロボットステーション)
音声認識・音声合成による会話機能
ロボット音声が聞き取りやすい
普通
合計
56%
31%
87%
ロボットの音声について
13%
良く聞き取れた
普通
よく聞き取れなかった
13%
31%
56%
良く聞き取れな
かった
オペレ-タの声質にも左右されない多様な発話が可能になった。
音声発話風景
事業原簿 Ⅲ2.2.2-41
22/33
<研究開発成果(所期の目的達成度>
„
„
本事業により警備ロボットの基本的な要素技術部分である
警備、移動、案内、安全性、耐久性の開発を行い、 「愛・地
球博」における実証運用は185日間、問題なく運用できた。
各実証実験により当初想定した課題は達成された。
万博での実証運用により広く、ロボットの存在をアピールで
き、要素技術、安全性、耐久性の検証が行えた。
23/33
<評価を踏まえた改良研究>
„
改良研究
1、 当初の研究開発では、RTK-GPSを利用したプログラムを
開発したが、移動状態でのデータの取得が不十分であった。
このため、 コストの削減も合わせD-GPSを選定し、自動巡回中
移動状態でもGPSデータを取得、演算処理が可能となるような
プログラムを開発した。
* RTK-GPS
「リアルタイムGIS」
絶対座標(緯度・経度)で測位された位置情報に加え、時間情報も得ることができる。静止状態でのデータ処理が前提。
*
D-GPS 「Differential GPS 」
位置の分かっている基準局が発信するFM放送の電波を利用して、GPSの計測結果の誤差を補正して制度を高める技術。
24/33
<評価を踏まえた改良研究>
„
継続研究
①移動能力の向上
1、パン・チルト・スライド可能な2台のカメラによる移動ロボット用、
物体位置姿勢計測システムによる物体捕獲の研究開発
2、小型・安価なジャイロセンサを用いた移動ロボット姿勢計測シス
テムの追加実装による移動能力性能向上のための研究開発
②警備能力の向上
1、マニピュレータに対するコンパクトかつ操縦しやすいマスタース
レーブシステムの研究開発
„
当該研究開発において開発した警備ロボットを、より操作が簡単、
安価、かつ汎用性の高い、実用的な移動ロボットシステムとするこ
とが可能となる。その結果、広範囲にわたる用途の拡大も期待さ
れる。
25/33
<研究開発成果について 成果の意義>
研究項目
成果の意義
①移動能力
屋外での移動能力を備えたことにより運用範囲が拡大し、屋外ロボットのみならず移動を行
うロボットの実用化に寄与できる。
② 警備能力
新しく火災検出能力、を持ち、安定して床にある不審物を持上げ、移動する回収作業を行うこ
とができる双腕を開発し、移動可能でコンパクトで安易に操縦可能な屋外対応操縦装置が開
発でき、ロボットの活躍のシーンの拡大が期待できる。
③ 案内機能
ロボットに搭載したタッチパネルを一般の来客者に実施に操作し運用を行ったことで、屋外対
応の場合の技術の習得が出来た。また、優先回線とサブ回線の2回線が共存可能なシステ
ムを開発したことにより、ロボット運用の幅が広がる。
④ 安全性
今回“愛”地球博に対応するため、安全に関する手法を習得した。これにより、今後開発時か
らロジスティックに安全を考慮したロボットの開発が可能となり、一般のユーザーにも安心し
て使用可能なロボットの開発につながる。
⑤ 耐久性・信頼性
屋外での実験の結果、十分な耐久性・信頼性のあるロボットが開発できた。また、メンテナン
ス性についても、十分運用に耐えられるものが開発できたことにより屋外環境で活動するロ
ボットの開発用件が確認できたことにより、今後のロボットの信頼性の向上につながる。
昼夜の連続的な画像データ取得を可能とし、画像取得環境を拡大させた。遠隔監視時の画
⑥ 付加的機能 1.カメラ画像伝送 像取得に関して、夜間の画像取得が可能となり運用の幅を広げたことにより実用化に寄与で
きる。
⑥付加的機能 2.現在位置認識
GPSを搭載し、自動巡回中に静止測定することで自己位置補正を行うプログラムを開発した
ことにより、自己位置の推定が可能となった。これにより屋外の移動範囲が拡大できる。
⑥ 付加的機能 3.発話能力
オペレ-タの声質にも左右されない多様な発話が可能になり、ロボットの音声によるコミュニ
ケーションの幅が広がった。
26/33
<研究開発成果について 成果の普及>
2006日中韓産業交流会
東アジア経済連携に向けた取り組みの一環として、日中韓3ヶ国共
同で開催したイベント。展示商談会、シンポジウム、視察ミッション派
遣と言う3つのプログラムを通して、域内の産業交流、ビジネスアラ
イアンスの拡大促進を図った。
Thailand Science-Tech 2006
プミポン国王即位60周年記念に当たり、スペシャル・イベン
トを実施。タイの技術力を示すとともに、科学が人間へイン
パクトを与え、生活向上や文化発展、環境保全、及び経済
発展に如何に寄与するかを示すことを目的とした。
27/33
<実用化、事業化の見通しについて>
(1)成果の実用化可能性
・成果を個別技術として実用化する。
1.成果のすべてを搭載した様々な機能を持つようなロボッ
トではなく、限定的な要求仕様に特化して実用化を図っ
てゆく。
屋外警備のロボット化はニーズは有るが、いきなり警備
員に置き換わることは困難か時間がかかると思われ、
警備員の補助的な役割で実用化を図り、徐々にロボット
の機能の向上を図り、その差を埋めてゆくことが現実的
と思われる。
2.実証実験からの知見を生かした安全に関しての技術研
究と技術開発を行う。
事業原簿 Ⅳ.2.2-1
28/33
<実用化、事業化の見通しについて>
(2)事業化までのシナリオ
・事業化までの期間
1.屋外型警備ロボットシステムの実用化、事業化
項目
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
(2006年)
(2007年)
(2008年)
(2009年)
(2010年)
1,研究開発
2,個別技術
継続開発
3,部分試作
評価・改良
4,製品化設計
5,試作・
評価・改良
6,製品化検討
7,製品生産
事業原簿 Ⅳ.2.2-1
29/33
<実用化、事業化の見通しについて>
(2)事業化までのシナリオ
・コストダウン
1)警備ロボットのプラットホーム的なベースを作り
共有化し、トータルコストを下げて行く。
2)特殊部品等の見直しを行い、汎用品への置き換え
を検討する。
・導入普及
平成18年度実用化取り組みと実績
1.受付・案内ロボットの導入実現
11月に福島県の大型総合病院へ受付・案内ロ
ボットを納入した。
事業原簿 Ⅳ.2.2-1
30/33
・導入された受付・案内ロボットについて
・導入普及
1.受付・案内ロボットの導入実現 (このロボットには以下の成果が反映されている。)
ⅰ) 案内機能
・タッチパネルによる案内情報提供機能
(病室の場所や経路案内、診察科の場所や経路案内・診断医の予定情報などを提供する。)
ⅱ) 安全性
・赤外線光学式、接触式の障害物検知センサにより安全性を担保している。
(限定された領域だが、囲いがなく一般の来客と接触可能な空間で稼動する。)
ⅲ) 親和性のあるデザイン
・成果を考慮し、曲面を使用した飽きの来ない親しみのあるデザインとした。
ⅳ) 発話能力
・聞き取りやすい発話のためのシステム構成
ロボット音声スピーカ
監視カメラ
健康チェッカー
頭部に搭載された小
型カメラにより、病院
内の状況を確認でき
ます。(各ロボットに搭
載)
プロジェクター
発話能力の研究成果が生
かされています。
障害物検知センサ
音声認識用マイク
カメラ画像伝送の研
究成果が生かされて
います。
タッチパネル
障害物等が最終的に接触
した場合に停止し、音声で
注意を促します。
来訪者の目的を伺い、
目的 地ま での 経路を
簡 易地 図 にて 表 示し
ます。画面に触れて操
作ができます。
ロボット音声スピーカー
エレベーターまでの簡
単な経路図をプリント
ア ウ ト し て お 渡し しま
す。 案 内 をし た り 、 挨
拶をしたり。
言葉で分かりやすくナ
ビゲートします。
安全性の研究成果が生か
されています。
障害物センサ
案内機能の研究成果
が生かされています。
走行中に障害物があった
場合 に は 接触前に、すみ
やかに停止し、音声で注意
を促します。
小型プリンター
発話能力の研究成果
が生かされています。
事業原簿 Ⅳ.2.2-1
操作スイッチ
エレベーターに到着したと
きや、障害物を感知したと
きに、ロボットが音声で知ら
せてくれます。
≪受付ロボット≫
≪案内ロボット≫
安全性の研究成果が生か
されています。
31/33
<実用化、事業化の見通しについて>
(2)事業化までのシナリオ
・事業化とそれに伴う経済効果
将来的に駅から自宅までの同行や住宅街の巡回警備など
を視野に入れた、屋外での運用範囲拡大と実用化に向け
た開発を行う。この開発により、屋内のみならず更なる警
備ロボットの活用領域を広げ、警備ロボット市場の形成に
寄与できる。
屋外のエリアセキュリティへの対応を目的とし、福岡市アイランドシティ「照葉のまち」にて
ロボットの基本機能を使って、実証実験を実施しました。
事業原簿 Ⅳ.2.2-2
32/33
<実用化、事業化の見通しについて>
(3)まとめ
今回のプロジェクトで開発した警備ロボットの技術は、
警備ロボット以外にも応用可能であり実際に他用途の
ロボットに搭載し納入した実績もあり、今後実用化され
るロボットの能力向上につながっていくものと思われる。
„ 屋外運用の為の技術開発と実証実験を通して得られた
成果を、屋外での運用範囲拡大と実用化に向けた継続
開発を行うことにより、将来的に駅から自宅までの同行
や住宅街の巡回警備などを視野に入れたエリアセキュ
リティ等への対応を可能にするものと思われる。
„ 屋外警備案内ロボットを開発するに当たってユーザー
ニーズの更なる詳細な検証とニーズに即した対環境能
力の向上を図っていく必要がある。
„
33/33
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-5 PaPeRoについて
平成19年1月11日(木)
1/23
チャイルドケアロボット開発の目的
„子供と接しつつ、見守り、知育、教育などにお
いて、子供や保護者、保育所の保育士、幼稚
園・小学校の先生などをアシストするロボット
を開発
„世界最高水準の雑音抑圧(音声認識)機能
„多人数音声認識機能、等を搭載
事業原簿 III.2.3.1-1ページ
2/23
課題・機能・サービス
研究開発課題
搭載機能
実現するサービス
個人識別能力
子供対応顔識別機能
遊び・教育サービス
コミュニケーション
能力
タグ識別(補助)機能
お話・クイズ
子供対応音声認識機能
タッチインタラクション
雑音抑圧機能
歌う
多人数音声認識機能
ゲーム・学び
ネットワーク機能
その他遊び
音声合成機能
チャイルドケア機能
本助成事業で研究開発
ロボットバーチャルマシン
安全性
衝突回避・保護・安全機能
耐久性・信頼性
ロバストシステム
事業原簿 III.2.3.1-2ページ
見守りサービス
遠隔地の親との
コミュニケーション
3/23
チャイルドケアロボット
インタラクション機能の向上
安全性の向上
タッチセンサ、超音波タグレシーバー
等の新センサを設置
障害物を検出して衝突を
未然に防ぐための超音波
センサや、万一接触しても
即座に動作を停止する
ためのバンパセンサを設置
高さ
385mm
全体
約6.0kg
幅
262mm
頭部
約2.0kg
奥行
250mm
胴体
約4.0kg
事業原簿 III.2.3.1-3ページ
4/23
ソフトウェアモジュール構成
新型PaPeRo
-
事業原簿 III.2.3.1-5ページ
演算性能強化
ネットワーク機能強化
認識性能強化
安全性のさらなる向上
5/23
研究開発内容概要
内容
研究開発項
目
子供対応顔 ・ 複数の表情、方向の子供の顔のデータベース 200人分以上を構築し、
子供の顔、表情変化に対応した顔認識エンジンを構築
認識機能
・ 子供の激しい動きに対応するために、取得された画像ごとにその画像を
照合に利用すべきかどうかを判定する画像信頼度付与技術
タグ識別機
能
位置同定を行うための様々なタグ識別方式の検討、超音波タグ識別の発
信機とレシーバの試作、実証機へのレシーバ実装方法検討と調整、並び
に位置同定の性能評価と改良を行った
雑音抑圧機 2マイク入力型ノイズキャンセラ技術・適応マイクロホンアレイ技術、画像
人物検出結果に基づく雑音抑圧方式選択
能
多人数音声 子供が携帯するワイアレスマイクから入力された音声を音声認識サーバ
で受信し、どの子供が何という言葉を発声したかを認識する
認識機能
ネットワーク ロボットと制御端末および携帯電話の間の通信、外部サーバへの動画
像送信プラットフォームを開発
機能
事業原簿 III.2.3.1-6ページ
6/23
研究開発項目
内容
安全性
・玩具、情報処理技術機器の国際安全規格に乗っ取った設計を実施。
・超音波障害物測距センサ、バンパスイッチ、過負荷検出保護回路、
過電流検出保護回路による多重の衝突回避センサシステム。
・長時間駆動による破損傾向を分析。
・万博終了後、全数分解と堅牢性の分析を実施。破損した機構部品
を補強する改良を実施。
チャイルドケア
機能
・簡単な言葉のやりとりをして遊ぶ。
・歌を唄ったり、触ると反応することで遊ぶ。
・クイズで遊ぶ、ロボットに挨拶を教える。
・ロボットがお話しをする。綱引きの審判をする。
事業原簿 III.2.3.1-7ページ
7/23
目標と達成度
項目
目標
達成度
自己評価
子供対応顔認識機能 子供顔識別性能を大 子供顔画像DB(216名)
に対して、識別率89%を
人と同等の70-80%
達成
とする
◎
タグ識別機能
認識率95%、カバー範 認識率95%以上、カバー
範囲7m、100ms以内で
囲3~4m、100ms以
実行
内で実行
○
雑音抑圧機能
誤認識率を半減する
誤認識率を半減以下に
できた
◎
多人数音声認識機能 最大10名までの子供
の音声を同時に認識
する
最大10名までの子供の
音声を同時に認識でき
る
○
最大10台の端末に出
力する機能、1台の端末
からの入力によってロ
ボットの動作を制御でき
る
○
ネットワークプラット
フォーム機能
事業原簿 III.2.3.1-8ページ
最大10台の端末に
出力する機能、1台
の端末からの入力に
よってロボットの動作
を制御する
8/23
項目
目標
達成度
自己評価
衝突回避・保護・安
全機能、ロバストシ
ステム
ロボットが接触または衝突
しても使用者の身体に危
害を与えないこと、使用者
の身体の一部がロボットに
拘束されないこと、ロボット
が転倒した際に、危険な
破片が飛び散ることがな
いこと、半年間の実証実
験において簡単な補修の
みで動作し続けること
安全設計および万博技
術実証運用により、左記
の目標を達成したことを
確認した。
○
チャイルドケア機能
歌その他の遊びにより、3
0分から1時間子供をひき
つける
万博・託児所における実
証実験の結果から、歌そ
の他の遊びにより、子供
を1時間ひきつけること
ができると考えられる。
○
事業原簿 III.2.3.1-8ページ
9/23
特許の取得状況
研究項目
名称
特徴・強み・新規性
子供対応顔識別
機能
パラメータ学習装置、パ 3D形状に基づいた正確な頭部姿勢画像を
ラメータ学習方法、およ 学習し、正面顔か否かを高い角度精度で
びプログラム
識別。
多人数音声認識
機能
音声認識装置、音声認
識方法、および音声認
識プログラム
周囲話者の発話による悪影響を低減する
ために入力音声に白色雑音を重畳する。
多人数音声認識
機能
対応決定システム、ロ
ボット、イベント出力
サーバ、および対応決
定方法
多人数音声認識と位置検出手段を連動。
音声認識時に得られる音声認識結果と発
話者IDから、発話者の方角を向くなどの話
者位置に応じた応答動作を行う。
チャイルドケア機
能
ストーリー出力システム、 位置を検出することができるタグを埋め込
んだ複数のカードをボード上に貼り、その
ロボット装置およびス
位置に応じた物語を選択し音声等で再生
トーリー出力方法
する。(パペストーリー)
事業原簿 III.2.3.1-19ページ
10/23
愛・地球博 技術実証運用
„ ロボットステーション
「ロボットふれあいルーム」
„ 3歳~12歳対象のふれあい体験
„ 1回15分ロボット3台、1日19回
„ 一般来場者向けデモ
„ 6ヶ月の技術実証運用実施
„ データ収集
„ 性能の検証・改良
スタッフ:
・ディレクター 2名(3名が交代勤務)
・アテンダント 10名(14名が交代勤務)
・技術スタッフ 1~5名
事業原簿 III.2.3.1-20ページ
11/23
入場者数・体験者数
„ロボットふれあいルーム入場者数
のべ77万8000人
„ふれあい体験者数
のべ27,638人
事業原簿 III.2.3.1-20ページ
12/23
ふれあい体験プログラム
名称
内容
期間中更新
パペトーク
話しかけると答えてくれる
認識語彙・反応を追加
パペフェイス
顔を覚えて見分けてくれる
高速化、タッチで名前選択
パペタッチ
触ると反応する
反応を更新
パペタッチ(歌)
歌う。触ると効果音が鳴る。
「かえるの合唱」を追加
パペクイズ
クイズに答える
パペ電話
携帯電話とTV電話。
制御動作を更新
あいさつ作り
パペロにあいさつを教える
内容を一新
パペストーリー
お話を聞かせてくれる
期間中に新規開発
パペ運動会
綱引きの審判をしてくれる
期間中に新規開発
「幸せなら手を叩こう」
事業原簿 III.2.3.1-21ページ
パペストーリー
あいさつ作り
13/23
ふれあい体験者
のべ参加者の年齢・性別
参加回数
年
齢
体験者
数
内訳(男
子)
内訳(女
子)
ふれあい体験参加回数
人数
25回以上
4
3
4096
2037
2059
20-24回
6
4
3335
1758
1577
15-19回
29
5
4443
2310
2133
10-14回
134
6
3633
1786
1847
5-9回
690
7
3365
1521
1844
2-4回
1925
8
3106
1412
1694
合計
2788
9
2452
1086
1366
10
1773
747
1026
11
1025
458
567
12
391
159
232
事業原簿 III.2.3.1-21ページ
のべ参加者数の4割以上がリピータ
14/23
リピータ(5回以上)の年齢分布
年齢
体験者数
内訳(男子)
内訳(女子)
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
事業原簿
145
66
79
108
55
53
161
85
76
133
61
72
92
38
54
90
38
52
68
27
41
37
10
27
20
5
15
3
2
1
幼児(3-6歳)に人気があった。
小学校低学年層(7-8歳)がそれに次ぐ。
III.2.3.1-22ページ
15/23
観察結果:惹きつけ度合い
惹きつけの分布【年齢別】
幼児
小低
小中
小高
年齢不明
0%
20%
40%
A
B
60%
C
D
E
80%
100%
不明
「かなり楽しんでいた」
「楽しんでいた」
「普通」
「楽しそうでなかった」
「不明」
事業原簿 III.2.3.1-23ページ
16/23
万博実証実験のまとめ
„185日間無事故を達成。
„のべ27,638人の子供と遊んだ。
„幼児と小学校低学年に大好評。
„今後の改善
„発話中の話しかけを認識するための
エコーキャンセル機能
„多人数顔認識機能
事業原簿 III.2.3.1-23ページ
17/23
論文発表・成果の普及
論文等紙上発表
(論文誌、学会誌、
国際会議)
口頭発表
特許
報道(新聞、雑誌等)
国内
国外
国内
国外
国内
国外
0
0
5
0
4
0
事業原簿 III.2.3.1-24ページ
記者会見・プレスリ
リース:11件
テレビ・ラジオ:96件
新聞・雑誌ほか:
107件
ビデオ・パンフレット・
広告類・その他プロ
モーション:15件
18/23
成果の実用化可能性
„愛・地球博における実証実験の結果より、
„「一般の託児所における教育プログラムへの活
用」
„「商業施設における子供の一時預かりの販促
ツール」
において実用化可能性があると判断
事業原簿 IV.3.1-1ページ
19/23
実用化・事業化の見通しについて
„2010年の実用化へ向けて、パートナー(事業
者)との密な共同を実施予定
„必要機能・運用方法・コストのすり合わせ
„安全性確保・検証手法の開発
„現場スタッフ(ex.保育士)の教育
„事故時の対応・責任の明確化
„⇒ NEDO資産をお借りして継続研究実施中
事業原簿 IV.3.1-1ページ
20/23
2004
2005
研究開発
万博実証実験
2006
2007
2008
2009
2010
事業者との連携
機能・コストのすり合わせ
開発・実験・改良
教育
製品開発
製品化★
事業原簿 IV.3.1-1ページ
21/23
波及効果
„「チャイルドケアロボットの開発」の成果
„高齢者の話し相手などになることによる癒し効果
や、独居高齢者の生存確認を行う製品への技術
展開が促進され、波及効果が期待できる。
„ハードウェアからアプリケーションソフトウェア
までの幅広い分野にわたる垂直統合型製品
の研究開発を実施することができ、人材育成
の貴重な機会となった。
事業原簿 IV.3.1-2ページ
22/23
まとめ
„託児・育児をアシストするチャイルドケアロ
ボットのための要素技術および実証機を開発。
目標を達成した。
„2010年の事業化へ向けて、事業者との連携
を具体的に進めている。
23/23
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-6 wakamaruについて
平成19年1月11日(木)
1/32
報告内容
• 開発したロボットの特徴
• 目標と達成度
• ロボットの概要
• 研究開発成果
–
–
–
–
–
技術開発
技術実証運用
成果の意義
成果の普及
波及効果
• 実用化状況・計画
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-1 ページ
2/32
開発したロボットの特徴
4ヶ国語 完全対応
・4ヶ国語を同時に認識
・音声認識結果に合わせて,ロボットの
発話と,画面表示の言語がすべて連動
(世界初)
・電話の呼び出し先の職員名簿も,
4ヶ国語に対応(世界初)
顔を認識して自然な対応
自律移動+完全自動運用
・移動を伴う構内案内が可能
・2台交代で自動充電することで,
常時接客対応が可能
(移動型の人型ロボットとして世界初)
・設備工事のいらないガイドレス移動
・センサによる障害物の検知・回避
・全方位カメラ・
前方カメラの双方で
顔を認識し,視線を
合わせて自然な会話
が可能(世界初)
3/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-1 ページ
開発目標と達成度 (1)
当初目標としたとおり,接客能力、多言語認識・案内能力、安全性・耐久性・信頼性
を備えた接客ロボットを開発しました。
○:目標を達成
基本計画研究課題
接客能力
研究項目
状況判断動作技術の開発
目的
自然で違和感のない接客
機能を実現する。
・博覧会会場への来場者
や訪問者に対し、挨拶、
会話等を行う機能を有す
ること。
・訪問者の映像を、ロ
ボットに搭載されたカメ
ラを通じネットワークや
携帯電話を経由して伝送
でき、それを見た人がロ
ボットを介して会話を可
能とする受付能力を有す
ること。
来訪者案内誘導システムの 来訪者を案内する機能を
開発
実現するとともに,容易
な運用を可能とする。
・来客者に対して歓迎の
意を表現できる能力を有
すること。なおロボット
は大人と接する上で、自
然な対応を行うのに適切
な身長があること.
ネット接続機器連動システ ロボットと外部機器を連
ムの開発
動させた高度な機能の提
供
ネット機器連動システムの 多数の外部機器と連動
改良
し,容易な開発が可能な
(追加実施項目)
システムを実現する。
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-2 ページ
目標
成果
達成度
来訪者の状況(ロボットとの
位置関係、対話意思の有無、
取次ぎなどの要求の種別)に
応じて適切なタイミングでの
動作表現や適切な内容の情報
提供を実現する。
前方カメラだけでなく,全方位カメラの画像も使用す
る,顔検出組み合わせによる人物検知の高性能化,お
よび適正露出制御による、物検知の照明変動に対する
ロバスト化により,来訪者の状態(ロボットとの位置
関係,顔の向きなど)を様々な条件において安定的に
認識できるようにした。逆光など劣悪な照明条件を含
む環境での顔認識の性能を10-15%向上し,対話時の違
和感を大きく低減した。またこれを利用して適切なタ
イミングで情報を提供できるようにした。
状況を判断して,適切
な情報を提供できるシ
ステムを実運用で確か
め,目標を達成した。
評価
来訪者不在の際の自動充電を
実現するとともに,待合せス
ペースまでの来訪者のガイド
レス誘導を実現する。
(但し、屋内環境)
自動充電機能,および待ち合わせ場所や施設内を案内
するシステムを開発した。
カメラやセンサの製造時のバラツキを自動的に補正す
る技術の開発,障害物回避のアルゴリズムの改良によ
り,障害物の距離に応じて複数の回避方式を使い分け
るなどにより,狭隘な空間を含むガイドレス移動の成
功率を73%から95%まで向上させることができた。
自動充電,来場者案内
が十分な信頼性で繰り
返し行なえることを実
運用で検証し,目標を
達成した。
ネット接続端末とロボットと タッチパネル端末をロボットと無線ネットワークを介
の連動によるイベント情報提 して連動させる技術を開発し,これを用いて電話の取
供機能の実現
次ぎ,場所案内等の情報を提供できるようにした。ま
た,TV電話つき携帯電話,IP電話の呼び出しにもそれ
ぞれ対応し,高度な接客対応を可能とした。
ネット接続端末とロ
ボットとを連動させ,
情報提供できることを
実運用で検証し,目標
を達成した。
ロボット-タッチパネル の2 3者以上の多数端末から接続し,同期して動作し,ま
者に,遠隔操作端末を加えた た通信リカバリーも可能なシステムに改良した。また
カスタマイズの大幅な簡易化も実現した。
3者で相互に通信し,どの入
力に対しても同期して動作す
るリカバリー機能を有する簡
易カスタマイズシステムを製
作する。
3者以上での接続,リ
カバリー機能,簡易な
カスタマイズを実現
し,目標を達成した。
○
○
○
○
4/32
開発目標と達成度 (2)
基本計画研究課題
研究項目
多言語認識・案内能力
博覧会場の雑音の中で
も、多言語(日、韓、
中、英)を認識し、受付
の取次程度の会話を行う
能力を有するとともに、
会場情報や各種イベント
情報等をそれら言語で来
場者に案内する能力を有
すること。
安全性
音声認識性能の改善
(追加実施項目)
(各研究項目)
本体及びシステム運用に
関して、来場者の安全確
保についての配慮が十分
なされていること。
耐久性、信頼性
(各研究項目)
簡易な移動機能を有し、
博覧会期間中(6ヶ月
間)簡単な補修作業によ
り稼動すること。
付加的機能
撮影機器及び位置情報を
確認できる機器などを搭
載し、所在地近辺の画
像、音声及び位置情報を
伝送する機能と発話能力
を備えること。
目的
目標
成果
達成度
評価
多言語認識システムの開発 各種言語使用者に対応し 4ヶ国語対話(日韓中英,挨 4ヶ国語を同時に認識できる音声認識ソフトウェアを 4ヶ国語の対話を実運
接客できるようにする。 拶、取次ぎ程度の会話)を実 開発した。4ヶ国語で接客を行なうシステムを作成・ 用で実証し,目標を達
現する。
検証し,実運用に供した。4ヶ国語の音声認識・発話に 成した。
加え,画面表示・操作もできる高度かつ実用的な多言
語対応を果たした。
音声認識の利便性を向上 子供の音声を基にした音響モ 子供も音響モデルを導入し,認識率の向上が可能であ
させる。
デルを導入及び反響の多い環 ることを確かめた。また反響の多い環境の影響を定量
境で運用するための改良型音 分析し,音声認識機能をこれに基づいて改良した。
声認識システムの実装を行な
う。
子供の声を基にした音
響モデルを導入し,反
響の多い環境での性能
の向上を実現し,目標
を達成した。
運用期間中の安全を確保 本体及びシステム運用に関し 国際的な機械安全の手順にのっとり,リスクアセスメ
する。
て、来場者の安全確保につい ントを実施し,これに基づいて重大な障害の生じる可
ての配慮が十分なされている 能性が十分低いものとなるようにリスク低減を行っ
こと。
た。
リスクを十分に減少
し,結果としても期間
中事故を生じさせずに
運用することができ
た。
○
○
○
運用期間中の稼働率を高 簡易な移動機能を有し、博覧 移動機構を本体に内蔵したものとしたほか,運用期間 簡単な補修のみで6ヶ
める
会期間中(6ヶ月間)簡単な およびメンテナンス性を考慮した設計とした。
月間稼動させることが
補修作業により稼動するこ
できた。
と。
○
ネット接続機器連動システ 一般来場者が実際の運用 撮影機器及び位置情報を確認 撮影機器を搭載し,所在地周辺の画像・音声・位置情 撮影機器を搭載し,所
ムの開発
の様子を見られるように できる機器などを搭載し、所 報を伝送できるようにした。
在地周辺の画像・音
する。
在地近辺の画像、音声及び位
声・位置情報を伝送で
置情報を伝送する機能と発話
きるようにし,実際に
能力を備えること。
画像を常時提示した。
○
5/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-2 ページ
ベースロボット“wakamaru”と既存技術
無線LAN
(インターネットと接続)
マイク
音声認識
(1万語の単語認識)
全方位カメラ
(自己位置検出、移動体の検出)
会話表現用アーム
(接触センサ付き)
前方カメラ
(顔識別によるユーザ認識・遠隔操作)
スピーカ
(TTS音声合成)
安全性
メカ:ST準拠相当
電気:電安法準拠相当
身長:1000mm×直径500mm
重量:30kg
・障害物検知センサ
(壁・床の段差・机などの検知)
・車輪駆動
(段差乗り越え:10mm以下)
・バッテリ駆動
・自律走行
¾顔や腕の動きを使った豊かな身体表現
¾ガイドレス自律移動・障害物回避
¾カメラ画像を使った人の検知・認識
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-1 ページ
TTS:Text To Speech
(文字の読み上げ)
ST:Safety Toy
(玩具安全規格)
6/32
既存技術と本事業での開発技術の関係
既開発技術
本事業での開発技術
対応者
音声認識・会話機能
4ヶ国語認識
接客機能
統合
顔や腕による豊かな身体表現
カメラ画像による人検知
ガイドレス自律移動
障害物回避
接客ロボット
状況判断
案内誘導システム
ネット機器連携システム
来訪者
来場者
自動充電
7/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-2 ページ
接客システム概要
充電ステーション
TV電話用
カメラ
タッチパネル
IP電話
wakamaru
・来訪者の電話取次ぎ(名前を認識して電話をかける)
・構内の案内(場所名を認識し,移動・身振り交えて案内する)
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-1 ページ
8/32
多言語の同時音声認識処理
日本語、英語、
中国語、韓国語
音響モデル
音声認識エ ンジ ン
“ aisatu “ 語 彙 ネ ッ トワ ー ク
こん に ち は
H ello
ニ イハ オ
“ EUS _n am e “ 語 彙 ネ ッ ト ワ ー ク
Jo hn
sum ith
共通構造
認識対象語 彙の変 更
図 1-1 多 言 語 対 応 音 声 認 識 の 実 装
会話に反映
画面を切り替え
誰に取次ぎますか?
Who do you want me to connect you to?
转接给谁呢?
누구에게 연결할까요?
各国語の名前に対応
画面上でも言語切り替え可能
9/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-5 ページ
状況判断動作技術 - 顔検知の高性能化
正面カメラ顔検出例
全方位カメラ顔検出例
両カメラ併用して周囲360度から人を検知し視線を向ける
適正露出制御(多段階露出)
逆光など様々な条件で安定して顔を検知
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-11 ページ
10/32
来場者案内誘導システム- 自己位置標定の高精度化
Φ(600mm)
1000
500
スイベル
太さd:25mm
長さl:400~
500mm
1500~
1600mm
0
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
-500
Global Y mm
h
背景白布
(プラスチック可)
-1000
-1500
-2000
1000
ステージ
(水準調整機構付)
水準器
-2500
500
-3000
Global X mm
0
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
Global Y mm
-500
-1000
-1500
-2000
-2500
-3000
Global X mm
自己位置の再現性・直線性が
大幅向上(分散<30mm)
首垂直軸の高精度
キャリブレーション
11/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-15 ページ
来場者案内誘導システム- 障害物回避の高信頼化
041124\log\07ソファ\REGIST_AVOID.LOG
超音波センサ
A 地点で、前方障害物により目的地 G
への移動経路が発見できない状況。
スピン動作が機能し、右 90°スピン
により新たな経路を発見した。
750
500
オドメトリ軌跡
ラインモード目
方向250mm先
障害物
r_found
wakamaru 移動軌跡
250
A
Nav
G
S
Y
0
目的地
移動開始点
-250
-500
B
段差検知センサ
-750
地点Bを走行中の移動目標点
-1000
WASセンサ
側方センサ
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-21 ページ
-1250
250
500
750
1000
1250
1500
1750
2000
2250
2500
2750
3000
3250
X
スピン動作併用により,比較的大きな
障害物の回避が可能に
12/32
3
ネット機器連動システム- 連動端末画面
メニュー画面
行き先案内画面
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-31 ページ
取次先認識画面
テレビ電話画面
タッチパネル画面とロボットが連動するため,
初めての人でも簡単にサービス利用できる
13/32
運用成績
ワーキングポイント(西管理棟エントランス)
・実績127日 / 計画132日*(96%)
・総利用者数 1975人(15.5人/日)
・目的達成者 1647人(総利用者の83%)
* 4月末からは平日のみの運用に改めた
ロボットステーション
・実績185日 / 計画185日
・ステージデモ 実績 361回/計画370回(98%)
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-49 ページ
14/32
人数
日
3月 付
28
4月 日
1
4月 日
5
4月 日
4月 9日
1
4月 3 日
1
4月 7 日
2
4月 1 日
27
5月 日
5月 9日
1
5月 3 日
1
5月 9 日
2
5月 5 日
31
6月 日
6月 6日
1
6月 0 日
1
6月 6 日
2
6月 2 日
28
7月 日
4
7月 日
7月 8日
1
7月 4 日
2
7月 1 日
27
8月 日
8月 2日
1
8月 5 日
1
8月 9 日
25
8月 日
31
9月 日
9月 6日
1
9月 2 日
16
日
利用者数の推移(ワーキングポイント)
50
45
40
35
30
25
利用者
認識利用者
目的達成者
20
15
10
5
0
15/32
利用分析
3000
2717人
2500
100%
2000
73%
83%
100%
1500
1000
35%
22%
33%
500
0
3.6%
総数(立ち寄り)
外国人
音声認識をさせた,または
タッチパネルに触れた人数
女性
利用者
認識利用者
目的達成者
取次
利用者中における比率
16/32
トラブルと対応
ソフトウェアトラブル
・無線LANの切断(外来ノイズ等の影響)
通信しない時間帯が続くと(数秒~数分)回線が切断しやすい傾
向があった
→ 1秒1回のKeep-Aliveパケットを送るように改良
ハードウェアトラブル
・首部フレキシブル基板破損
→ 特定の姿勢で負荷がかかるため,寸法変更して対処
・マイク入力回路破損
→ ワイヤレスマイクからの過大入力が原因。
減衰器を追加して対処
17/32
技術実証運用のまとめ
・2台交代での連続運用で,
高い稼働率を達成した。
・利用者の83%が目的を達成しており,
容易な操作性が確かめられた。
・音声認識はそもそもの利用者が少なく,
操作の成功率も低かった。
→ 課題① 音声認識の改良と代替手段強化
・取次ぎ機能は,運用実態にマッチせず,
あまり用いられなかった。
→ 課題② アプリケーションとニーズの整合
18/32
技術実証運用の反響(ニーズ面:参考情報)
認知度
認知時期
80
70
60
50
開催前から知っ
ていた
40
30
20
10
開催中に知った
ィX
セ
キ
ュ
テ
リ
リ
テ
ア
R
番
B
守
型
・留
恐
竜
型
大
小
イ
ン
A
型
A
・人
型
犬
型
・人
wa
ka
m
型
Q
ar
u
0
認知経路
万博会場で見た
万博に関するTV報道で見た
万博に関する新聞記事で見た
万博に関する雑誌記事で見た
万博に関するTV・新聞・雑誌
以外の報道で見た
万博に関係ない紹介物
2005年10月
東京23区内にて
調査
19/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-50 ページ
技術実証運用の反響(ニーズ面:参考情報)
事務所のアイド
ルとして等
その他
受付・案内
研究開発
イベント対応
・ショールームで使いたいという
問い合わせが多い
展示
問い合わせ件数分類(法人)
・比較的 家庭に近い環境(待合室,
商談コーナー)に置いて商品の解説
をさせたり,子供の相手をさせたり
するニーズが強い
・客寄せ効果への期待が高い
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-50 ページ
20/32
追加研究の内容(H18年度)
① 音声認識の分析・改良
・反響の影響定量化
・子供対応 音響モデルの追加
② アプリケーションのニーズ整合
・外部端末利用アプリの開発容易化
ー 商品の説明や,子供むけのエンタテイメント・ニーズ
・多数の端末との連動
ー 操作の補助や画面の切り替えを
裏手の事務所等から行ないたい
21/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-39 ページ
追加研究①-1 残響の影響定量化
500
450
400
認識率(100%×5)
350
300
日付(365)
時刻(288)
場所名(27)
指示(17)
はい・いいえ(2)
250
200
150
100
50
0
部屋1中央(0.33)
部屋1端(0.35)
中央部で認識率が低いという
印象のある部屋
部屋3(0.62)
部屋4(0.64)
部屋5(0.67)
部屋6(1.23)
残響時間
・残響時間と認識率には,相関性が見られる。
・多い待ち受け後,紛らわしい候補(数字等)は残響時間の影響を受けやすい。
・ただし,同じ部屋(ほぼ同じ残響時間)でも場所により認識率に差が出ることもあり,
残響時間以外にも,音声認識に影響するパラメータがあると考えられる。
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-46 ページ
22/32
追加研究①-2 子供対応音響モデルの導入
500
450
400
認識率(100%×5)
350
300
日付(365)
時刻(288)
場所名(27)
指示(17)
はい・いいえ(2)
250
200
150
100
50
0
子供+大人
大人のみ
子供+大人
子供 (6歳)
大人のみ
音響モデル
テスト音声
大人
・子供対応(子供+大人)音響モデルは,日付の認識などで効果があった。
・一方,大人の認識率はわずかながら低下するため,使い分けを行なうと効果的である。
23/32
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-46 ページ
追加研究② 外部端末利用アプリの開発容易化,多端末接続
ロボット内ソフトウェア
・シナリオ制御
転送・表示
・画面制御
・動作制御
・音声認識
・音声発話 画面データ
外部端末
・webブラウザ
・Java実行環境
外部端末2,3...
簡易・低コストなアプリケーション開発を実現
・あたかも,ロボット自体に画面が付いているかのように,
ロボット内ソフトウェアに画面制御の内容を書き加えるだけでよい。
・通信仕様の設計が不要
・簡単な画面定義により,自動的にボタン等をレイアウト
・複数の外部端末を接続して並列に制御可能
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-39 ページ
24/32
追加研究② 画面例
モデルルーム想定
自動車ショールーム想定
紙芝居(子供対応を想定)
容易なアプリケーション試作が
可能であることが確かめられた
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-39 ページ
25/32
成果の意義
• 以下の点で以前に類を見ない実用的な接客ロ
ボットを開発したことで,サービスロボットの
実用性を大きく高めることができた
– 4カ国語に完全対応(認識,発話,表示)
– 利用者の83%が使用目的を達成
– 移動を伴う案内を実現しつつ,完全自律稼動
• 開発した各要素技術は他種サービスロボットへ
も展開可能
– 人と触れ合うロボットの安全性確保手順
– ガイドレス自律移動・自動充電
– 画面と連動した 4カ国語対話
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-49 ページ
26/32
成果の普及
• 愛知万博での公開を通して,多数の人に直接ロ
ボットの開発成果を普及した
• 論文発表,学会発表を通じて技術的成果の普及
を行なった
論文
– 「人間共存型ロボット「wakamaru」のリスク低減」,
ロボット工業会機関紙「ロボット」,
No.168(2006),p45
– 「wakamaruの挑戦」,ロボット学会誌,Vol.24
No.03(2006), p8-11イドレス自律移動・自動充電
発表
– 「接客ロボットwakamaruの開発と実証試験の概要」,
機械学会ロボメカ講演会,2006.5.26
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-49 ページ
27/32
波及効果
• 技術的波及効果
– 安全性の確保手順は,本成果を基準として規格制定の
動きが活発化しており,技術的に大きく波及している
– ロボットの信頼性確保,移動技術等は,家庭用ロボッ
トのテスト販売に資するなど,他用途ロボットに波及
した。
• 社会的・経済的・教育的 波及効果
– サービスロボットへの認知度が高まり,これを受け入
れるための社会的波及効果があった。
– 部品メーカのロボット向けコンポーネンツの提案が増
加する傾向にあり,各種産業のロボット関連投資を活
発化させる経済的波及効果が推察された。
– 先端的要素技術を実使用したことで,画像・音声・制
御な各研究分野の動機付けを強くする教育的波及効果
があったと考えられる。
事業原簿 Ⅲ.2.4.1-49 ページ
28/32
実用化状況
• 技術開発および実証運用で得られたノウハウを活かし,
2005年末に一般家庭向けロボットとしてwakamaruを
発売
• さらに,製品化を目指して受付システムを改良し,
ユーザー社の営業拠点にて実証運用を実施中
– 受付機能は,本事業での経験を踏まえつつ,導入先のニーズに合
わせたシステムとした。
– ロボットと触れ合い,体験したいというニーズに答えるための,
ふれあい機能を受付システムと統合した。
– 全国の6箇所で,ユーザの手による定常運用実施中
• 平成19年度からの事業化(有償リース展開)を計画
– 小規模ながら事業化できる条件は整いつつある
– 用途/機能を随時追加しながら徐々に市場拡大を狙う
事業原簿 Ⅳ.4.1-1 ページ
29/32
実用化状況
事業原簿 Ⅳ.4.1-1 ページ
30/32
実用化・事業化の見通し
• 平成19年度からの事業化(有償リース展開)を計画
企業受付、病院、ショールーム案内、百貨店案内 等
• 用途/機能を徐々に拡大しつつ,市場浸透を狙う(~2010)
• 開発した複数機能を統合し,多機能ロボットとして事業
家庭用ロボット
用・家庭用の双方に展開(2010~)
本格展開
全国の6箇所で,
ユーザの手による
定常運用実施中
事業化
(有償リース展開)
用途/機能を随時
追加しながら徐々に
市場拡大を狙う
接客ロボットの
開発
2006年
2007年
2010年
2015年
事業原簿 Ⅳ.4.1-2 ページ
31/32
まとめ
本事業では,コミュニケーションロボット
「wakamaru」の開発で培ってきた技術をベースとして,
新たに多言語対応や画像認識の高度化・高信頼化技術
などを開発し,目標としていた,実用的な接客ロボッ
トシステムの構築を達成しました。
本成果は,移動を伴いながら自動運転し,4ヶ国語に完
全対応した世界で初めての接客ロボットであり,ロ
ボット技術の実用化推進の面で意義深いものとなりま
した。
現在,本成果を引き継ぎ,平成19年度の事業化を目指
し,より一般的な商業施設への導入を目指した試験運
用・改良を行なっております。
32/32
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-7 アクトロイドについて
平成19年1月11日(木)
1/19
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
研究開発成果のアピール点
研究開発の目標
開発概要
研究開発の成果
成果の意義
実業化の見通し
まとめ
2/19
1.研究開発成果のアピール点
■「アンドロイド」というロボットが、
■「アンドロイド」というロボットが、
SF
ではなく確実に現実社会に登
SFではなく確実に現実社会に登
場しうることを、世界に先がけて
場しうることを、世界に先がけて
実証した。
実証した。
■世界的にもトップレベルの、雑
■世界的にもトップレベルの、雑
音環境下での四ヶ国語(日中韓
音環境下での四ヶ国語(日中韓
英)
英) での自然発話による音声対
での自然発話による音声対
話を実現。
話を実現。
3/19
2.研究開発の目標(1/2)
【接客能力】
●自然なやり取りができる外見に納まり、しなやかな人間らしい
動作を実現する機構の実現
●自然なやり取りができる外見表情の実現
●自然なやり取りができる動作で、会話の進行に応じた適切な
動作モジュールの自然な合成を実現
●訪問者との音声対話の実現
●訪問者の発話意図の理解
【多言語認識・案内技術】
●愛知万博のドメインで接客・案内のタスクに絞った音声認識
●万博会場の入場ゲートでの雑音環境下での音声認識
●4ヶ国語の音声識別と音声認識
●自然で違和感のない4ヶ国語の発話音声出力
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-1ページ
4/19
2.研究開発の目標(2/2)
【安全性】
●来場者の安全確保のためのロボット本体の安全設計と運用
【耐久性・信頼性】
●簡易な移動機能
●6ヶ月間の連続運用
【付加機能】
●ロボット搭載のカメラによる遠隔情報伝送
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-4ページ
5/19
3.開発ロボットの概要
(動作と4ヶ国語の対話)
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-7ページ~8ページ
6/19
4.開発ロボットの概要:処理フロー
人間みたいだね
マイク
[音声]
発話以外の周辺音の除去
ノイズ・エコーキャンセル
[音声]
言語識別(音声認識)
音声認識
音声を文字化
言語を識別
挨拶か?
意味解析
YES
質問内容の理解
[質問意図]
対話管理
「本当?うれしい!」
本当?うれしい!
音声合成
[音声]
回答文を音声化
スピーカ
回答の決定
[動作パターン]
アクトロイド動作生成
[動作]
アクトロイド
7/19
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-54ページ
実証実験概要(各ワーキングポイント)
北案内所
北案内所
東案内所
東案内所
西案内所
西案内所
ロボットステーション
ロボットステーション
8/19
実証実験概要(ロボット運用スケジュール)
実証実験概要(
平成17年3月25日~9月25日
「アクトロイド」インフォメーション運営
デモ体験の全体タイムスケジュール
ロボットステーション
(以下RS)
北インフォメーション
西インフォメーション
東インフォメーション
7:00
8:00
デモ準備
9:00
10:00
セッティング・デモ準備、申し送り事項の確認
11:00
デモ①(30~40分)
12:00
デモ②(30~40分)
13:00
デモ③(30~40分)
14:00
15:00
実際に認識の結果など
を逐次報告
デモ④(30~40分)
RSデモ
デモ⑤(30~40分)
3/25~4/25は9:30~20:30
16:00
デモ⑥(30~40分)
17:00
デモ⑦(30~40分)
18:00
デモ⑧(30~40分)
19:00
デモ⑨(30~40分)
20:00
21:00
全会期中の運営は、3
人のディレクターと12人
のスタッフにより実施
デモ⑩(30~40分)
片付け
デモ⑪(30分)
片付け
※3/25~4/25は11:30~21:00の時間内でデモ
22:00
この結果を基に音声認
識の精度向上に役立て
る。
シナリオの追加も実施
動作にも工夫
9/19
実証実験結果(認識性能向上の推移)
音声認識誤認識率 (正しく聞き取れなかった確率)
1.6
1.4
1.2
1
万博開始時
7月更新時
0.8
0.6
0.4
0.2
0
日本語
英語
中国語 韓国語
*万博開始時の日本語の性能を1.0として算出
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-113ページ
10/19
実証試験での結果(参考データ)
■ロボットの個別評価(NEDO実施)
84%の人が満足した。
満足しなかった:10%
(あまり満足しない10%、まったく満足しない0%)
■イメージ評価
安全面では既に実用化である
デザイン的に十分実用的である
について特に高い評価
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-65ページ
11/19
4.研究開発の成果(1/2)
【接客能力】 達成度:○
●等身大の人間の容姿、動作、表情を実現した。
●シリコン製の柔らかい外皮で顔、手を製作した。
●来訪者の顔検出・追従システム、リップシンク(声と唇の同期)システム、動作の不
連続性を自動補完するシステムを開発した。
●フレーム駆動型対話制御方式の技術を開発した。
●ユーザーの再発話を促す意図確認技術を開発した。
⇒ 結果、接客ロボットとしての役割を果たし、タスク達成率70%以上、アンケート調査で
満足したと回答した人が84%であったので、目標を達成した。
【多言語認識・案内技術】 達成度:○
●万博会場の来客者の質問などの自然発話を認識する、不特定話者の連続音声認
識システムを開発した。
●マイクの設置方法、ノイズキャンセル、雑音環境に適応した音響モデルの開発によ
り、雑音環境下での音声認識を実現した。
●日本語・韓国語・中国語・英語の音声識別・認識技術を開発した。
●自然で違和感のない4ヶ国語の発話音声出力技術を開発した。
●実運用時に収集した音声データ分析による音声認識精度向上を行った。
⇒ 結果、案内ロボットとしての役割を果たし、平均90%の音声認識精度で目標を達成
した。
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-1ページ
12/19
4.研究開発の成果(2/2)
【安全性】 達成度:○
●ロボット本体の安全設計を行い実現した。筐体により残存リスク発生の方
向を絞り、センサーによる動作休止機能追加。アテンダントを常駐させ人によ
る危険回避を実施した。
⇒ 結果、接客・案内ロボットとして無事故の目標を達成した。
【耐久性・信頼性】 達成度:○
●ロボットの接客実施場所を簡単に移動可能とした。
●6ヶ月間、休まず運用を実現した。
⇒ 結果、接客・案内ロボットとして開催期間中休まず運用し、目標を達成した。
【付加機能】 達成度:○
●ロボットの帽子に埋め込んだ小型カメラにより、接客状況の映像をロボット
ステーションに配信した。
⇒ 結果、ロボットステーションで遠隔監視ができ、目標を達成した。
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-4ページ
13/19
5.成果の意義(1/2)
●超多自由度のアンドロイド
アンドロイドというロボットの分野を提示することができたことは意義がある。
●人間に酷似した外見の実現
嫌悪感をいだかれることなく対話を実現できたことは、この外見によるところ
が大きい。
●インタラクティブに反応できる動作システム
人間らしい動作を実現できたことはアンドロイドの実現にとって意義がある。
●訪問者・来客者の質問に対する応答技術
ロボット実機でのタスク達成率が70%以上を実現できたことは、音声対話とし
ては意義がある。
●訪問者・来客者の発話意図確認技術
本技術により、聞き返し後に対話が成立した確率は89.6%の高確率であった
ため、本技術成果には意義がある。
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-5ページ
14/19
5.成果の意義(2/2)
●4ヶ国語の音声認識技術
万博会場の雑音環境下で来客者の自然発話の音声
認識を4カ国語で実現できたことは大きな意義がある。
●4ヶ国語の音声合成技術
人間そっくりなロボットの発話として録音音声に近い品
質の音声合成を実現したことに意義がある。
●実運用でのデータ収集
実環境の音声データを大量に入手するチャンスは少な
いが、今回のような万博での実運用から得られたデー
タは非常に貴重なもので、大きな意義と価値がある。
15/19
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-5ページ
特許取得・成果の普及
●特許取得
事業戦略的に取得はせず
●成果普及
平成17年10月
平成17年11月
平成18年 3月
平成18年 3月
:出雲市科学館
:2006国際ロボット展
:科学技術館NEDOゾーン→常設
:モリコロパーク「国際児童年記念館」→常設
他、国内外の新聞・TVなどの取材対応多数
事業原簿 Ⅲ.2.4.2-130ページ
16/19
6.事業化の見通し(1/2)
• 実証試験においてその実用性は実証できた。
• 接客案内ロボットとしての事業化
– 企業の案内としての方向性
– 博物館などの施設案内として
– その他市場
• 個別技術の事業化
– 会話能力を省いたアンドロイド単独でのアミューズメント市場への投入
– 単独の音声認識技術として市場化
17/19
事業原簿 Ⅳ.4.2- 1ページ
6.事業化の見通し(2/2)
年度
H18年度
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
接客ロボット用開発
接客ロボット販売
受付業務製品開発
受付業務製品販売
受付業務市場拡大
一般業務製品開発
一般業務製品販売
市場成熟・他社参入
事業原簿 Ⅳ.4.2- 2ページ
18/19
7.まとめ
【接客能力】 達成度:○
【多言語認識・案内技術】 達成度:○
【安全性】 達成度:○
【耐久性・信頼性】 達成度:○
【付加機能】 達成度:○
• ■「アンドロイド」というロボットが、SFではなく確実に現実社会に
登場しうることを、世界に先がけて実証した。
• ■世界的にもトップレベルの、雑音環境下での四ヶ国語(日中韓
英) での自然発話による音声対話を実現。
• 個別技術の実用化を既に実現
• 接客・案内ロボットの事業化を20年から予定
19/19
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
第1回事後評価分科会説明資料
議題6 プロジェクトの詳細説明 (公開)
(2)-8 TAO Aicleについて
平成19年1月11日(木)
1/31
インテリジェント車椅子 TAO Aicle
(特徴)
・目的地まで自動走行
・障害物の検出と回避
・信号機など外部機器と連携
愛・地球博内屋外特設コースにて
・185日間連続稼動
・一般のお客様36,578人が体験乗車
・天候以外の原因でのデモ中止なし
・怪我につながるような事故なし
世界でも例のない実証実験に成功
2/31
本プロジェクトの目標
施設(病院、介護施設等)内で利用される手動車いすに自律走行機能を付加することで、
介護者数の低減や介護者負担を軽減することを目標とする技術開発
→ 施設内の省人化、要介護者の自立化促進、介護サービスの向上
車椅子メンテナンスエリアへの自律移動
タグによる位置決め入室の確認
メンテナンス
室
センタでの車椅子位置把握
車椅子の動的な経路生成
シャワー室
目的地設定による自律移動
診察室
リハビリ室
屋内外
シームレス
移動
各車椅子とのコミュニケーション
RFID
管理センタ
食堂
病室
緊急時コール
○○さん。
どうしましたか。
病院、福祉施設等
端末からの情報提供
この先スロープがあり
ます・・・・・
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-1ページ
3/31
技術開発目標-1
基本計画
研究課題
研究項目
目的
目標
成果
達成度
評
価
自動走行
能力
自律走行制御
システムの開
発
自己位置認識
技術及び走行
制御技術を開
発する。
介助者なしで目
的地まで安全に
到達する走行制
御技術を開発す
る。
GPS,RFID等のセン
サ情報を融合し、
高精度位置推定を
行い、それに基づ
いて走行制御を実
現するシステムを
開発した。
目標軌道への追
従や目的地での
位置決めを精度良
く(半径0.5[m]以
内)実現できた。
○
障害物検出・
回避技術の開
発
障害物を確実
に検出し、停
止・回避を行う
技術を開発す
る。
前方にある障害
物を確実に検出
し、未知障害物
に対しては停止
し、既知障害物
に対しては安全
に回避する技術
を確立する。
レーザレンジセン
サ情報の処理ソフ
トウェアを開発し、
未知・既知障害物
の判別を確実に行
うシステムを構築し
た。
前方2[m]、幅1[m] ○
の範囲内の障害
物を確実に検出し、
緊急時以外には
使用者に違和感を
与えることなく停
止・回避できるよう
にした。
測位システム
の開発
自己位置認識
の技術を開発
する。
屋内外でのシー GPS,RFIDの組合
ムレスな高精度
せによる屋内外
測位を実現する。 シームレス測位の
技術を確立した。
※◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-1ページ
位置決定精度<
50cmを実現し、目
標を達成した。
○
4/31
技術開発目標ー2
基本計画
研究課題
研究項目
目的
目標
成果
達成度
評
価
安全性
安全情報
提供シス
テムの開
発
情報提供によ
り安全走行を
サポートする技
術を開発する。
位置に応じて
適切な情報を
提供できるシ
ステムを実現
する。
サーバと端末
の連携により
適切なタイミン
グで情報提供
できるシステ
ムを実現した。
6か月間のデモで有効
性を実証し、目標を達
成した。
○
耐久性、
信頼性
小型・軽
量化に関
する研究
開発
小型・軽量なイ
ンテリジェント
車椅子を開発
する。
現状の簡易型
電動車椅子に
対して制御部
分増分を2kg
重量UPに留
める総重量25
kg及び同じ寸
法サイズを実
現する。
本体重量40k
g、寸法94cm
×64cm×87
cm(GPSアン
テナ部は150
cm)の車椅子
本体を開発し
た。
制御部分は量産では
専用基板化される為、
実質の重量増は1.5
4kgと目標を達成でき
た。また、寸法もGPS
アンテナを除き目標を
達成した。
○
※◎:目標を上回る ○:目標を達成 △:目標を未達成 -:該当せず
5/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-1ページ
開発したロボットシステムの概要
限定エリアでの自律型運行
システム
情報管理
サーバ
GPS衛星
経路指示
障害物回避経路指示
無線LAN-AP
の設置
(屋内)
・車椅子管理
・安全情報データベース
・経路管理
・測位情報データベースなど
ネットワークインフラ
無線LAN
目的地入力情報
各種
情報
安全情報提供装置
各種情報
の提示
目的地
の入力
(屋外)
RFID を 要 所
に配置
目的地B
目的地A
自律走行制御
コントローラ
目的地C
障害物
障害物
位置情報
障害物情報
統合測位装置による高精度位置認識
D-GPS
RFID
磁気方位センサー
目的地・コースがフレキシブルに屋内・
事業原簿 Ⅳ.5.1-1ページ
屋外を問わず選択・変更が可能。
障害物認識
レーザーレンジセンサー
6/31
実証実験概要
目的地(花屋)
信号機
目的地(本屋)
目的地(パン屋)
降車場所
乗車場所
固定障害物
回避
・車いす台数:全7台(走行コース上:3台、待機:1台、予備:3台)
信号機
・通常運行速度:2km/h(最大速度)
・走行時間(1周、全長約50m):約3分(目的地での停止、移動障害物
による緊急停止、信号での停止などにかかる時間を含む)
7/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-1ページ
研究開発成果
1.小型・軽量化に関する研究開発
市販のアイシン精機製の簡易電動車いす
「TAO LIGHT Ⅱ」をベースとして開発
TAO LIGHT II
(アイシン精機(株))
インテリジェント車いす“TAO Aicle”
8/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-9ページ
実証試験用車いすハードウェア
走行速度:2km/h(通常運行速度)
構造
構造
GPSアンテナ
バッテリー
方位センサ
駆動系:90W(30分定格)のDCモータによ
る両輪独立駆動
バッテリ:リチウムイオンバッテリ×2
(24V,3Ah)
スピーカ
PDA
ホイール
カバー
非常停止ボタン
本体寸法:全長94cm×全幅64cm×全高87cm
(ただし、GPSアンテナ部150cm)
本体重量:約40kg
可搬能力:100kg以下(ただし、体験者は
車いすに座れるサイズの方に限定)
※回転しない
連続稼動時間:約3時間
統合測位装置
自律制御コントローラ
無線LANアンテナ
RFIDアンテナ
レーザーレンジセンサ
9/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-9ページ
フレームの設計・評価
設計面
設計面
・強度、耐久性確保の為、号口のフレームをベースに折り畳み
・強度、耐久性確保の為、号口のフレームをベースに折り畳み
方式を固定方式に変更。材質は軽量化の為、市販品と同じアル
方式を固定方式に変更。材質は軽量化の為、市販品と同じアル
ミによって強度を確保できる設計とした。
ミによって強度を確保できる設計とした。
・ホイールカバーの設置
・ホイールカバーの設置
・シートベルトの設置
・シートベルトの設置
(ホイールへの手、指の挟まれ防止)
(ホイールへの手、指の挟まれ防止)
(急停止等での人の落下防止)
(急停止等での人の落下防止)
→
→ 体格に依存しないよう2点式シートベルトを使用
体格に依存しないよう2点式シートベルトを使用
・電磁ブレーキの付加(市販品にも搭載済み、電動時の停止安
・電磁ブレーキの付加(市販品にも搭載済み、電動時の停止安
定性確保)
定性確保)
評価面
評価面
・後方転倒防止機構の付加(市販品にも搭載済み、安全性考慮
・後方転倒防止機構の付加(市販品にも搭載済み、安全性考慮
し形状見直し)
し形状見直し)
通常の社内評価である20万回段差ダブルドラム試験(
通常の社内評価である20万回段差ダブルドラム試験(JIS
JIS T
T 9203)
9203)及び、
及び、
ISO7176-8)に加えて、今回特に乗り降りに
背もたれ衝撃耐久試験
(
背もたれ衝撃耐久試験 (ISO7176-8)に加えて、今回特に乗り降りに
ついての頻度が多いと考え
ついての頻度が多いと考え乗り降りインパクト耐久試験(アイシン独自基準
乗り降りインパクト耐久試験(アイシン独自基準 66600
66600
回、座面950N、背350N)を追加実施。
回、座面950N、背350N)を追加実施。
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-9ページ
10/31
デザイン
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-9ページ
11/31
2.測位システムの開発
統合測位装置
自律走行制御
コントローラ
統合測位装置
12/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-18ページ
統合測位位置の構成
GPSアンテナ
GPS受信機
メーカ :NovAtel
型番 :SuperstarⅡ
受信波:L1 C/Aコード、Carrier Phase
出力周期:1Hz(5Hzまで対応可)
+24V電源と接続
安全情報提供
端末と接続
測位
コントローラ
GPS
受信機
RFID
リーダ
RFIDアンテナ
方位
センサ
無線LAN
モジュール
自動走行制御
コントローラ
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-18ページ と接続
RFIDリーダ
メーカ :富士通
型番 :F3972T121
RFID規格:ISO15693
通信距離:~30cm
方位センサ
メーカ :Point Research
型番
:TruePoint
計測範囲:方位±180°
ロール・ピッチ±90°
分解能 :0.1°
13/31
GPS測位のブロック図
GPS 衛星
無線LAN-AP
GPS基準局
測位サーバ
測位結果(x,y)
観測データ
L1: C/A, Carrier Phase
出力周期:1Hz
・測位計算
(DGPS,RTK)
・ローカル座標変換
(緯度,経度)
→(x,y)
観測データ
L1: C/A, Carrier Phase
L2: C/A, Carrier Phase
出力周期:1Hz
14/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-11ページ
GPS測位結果
横断歩道
目的地停止
スタート
終点
横断歩道
障害物回避
約30m
制御コントローラ出力位置
両者のずれ:最大40cm
GPS測位結果
15/31
RFID位置
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-12ページ
RFIDの設置
20cm
RFIDの仕様
RFID規格:ISO15693
10cm
RFID
周波数
:13.56MHz
サイズ
:85×54mm
エコロック
16/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-13ページ
RFID設置パターン
RFIDあり
RFIDなし
1.8m
車いす進行方向
速度:約50cm/s
40cm
4m
17/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-14ページ
デモコース内RFID設置位置
横断歩道通過
4m
固定障害物
RFID設置位置
横断歩道通過
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-15ページ
終点
スタート
RFID設置枚数:680枚
設置期間:2005年1月28日~9月26日
故障枚数:5枚(0.7%)
約30m
18/31
Number of detected
RFIDs
各タグ地帯におけるRFIDの検出回数
10
8
6
4
2
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15
RFID landmarks
19/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-16ページ
3.安全情報提供システムの開発
走行時画面
安全情報提供端末
画面による
情報提供
タッチパネル
による操作
音声による
情報提供
赤信号停止時画面
富士通製PDA(Pocket LOOX)を
ベースに開発
画面:3.7型半透過型カラーTFT液晶
480×640ドット
タッチパネル付き
20/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-20ページ
安全情報提供サーバシステム構成
信号機
コントローラ
GPS衛星
信号機
無線LAN-AP
各車いすの
位置表示
モニタ画面
安全情報
DB
提供
道路情報
サーバ
地図データ
位置情報
無線LAN
通信
測位サーバ GPS基準局
RFID位置
変換テーブル
各車いすの
状態表示
TAO Aicle本体
RFID
21/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-23ページ
4.障害物検出・回避技術の開発
○障害物検出用センサ:北陽電機社製、URG-X002S
検出範囲
240deg
4m
22/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-5ページ
障害物検出法
○既知障害物(ゴミ箱)検出法
形状が円弧状であること、かつ径
がゴミ箱に近いことの2点で確実
に判別
既知障害物(ゴミ箱)
既知障害物検出
エリア
未知障害物検出
エリア
23/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-7ページ
5.自律走行制御システムの開発
・自由度の高いコースの設定が可能
・屋内、屋外を問わずに移動可能
目的地設定
目的地データ
GPS
統合測位
装置
安全情報
提供装置
VR = V + ΔV
VL = V − ΔV
レーザレンジセンサ
ΔV = kLL + kLDL& + kYφ + kYDφ&
データ処理
RFID
方位
センサ
設定並進速度
V
+
フィルタ
リング
GPS,RFID,
モータ駆動
車輪回転角速度 レーザレンジセンサ
電圧
+
VR
モータ
ωR,ωL デッド
ドライバ
+
レコニング
VL
φ
目標軌道
データ
方位センサ,
レーザレンジセンサ
内界センサに基づく車椅子走行制御系
KL
.
L
(左右)
-
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-2ページ
L
外部センサ系
フィルタ
リング
.
φ
KLD
KY
KYD
上位レベルの自律移動指令系
+ +
+
+
+ +
24/31
軌道追従特性評価実験結果
軌道追従特性評価結果(例)
この結果例の場合、最大約40cmの
軌道からのずれを確認したが、走行
には支障ない程度
測量機器による
計測軌道
目標軌道
車いすによる
推定軌道
25/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-3ページ
26/31
特許の取得、成果の普及
特許、論文発表などの実績
論文等紙上発表(論文
誌、学会誌、国際会議)
口頭発表
特許
報道(新聞、雑誌等)
国内
国外
国内
国外
国内
国外
6
2
6
2
1
0
123
主な学会発表
(国内)
・ロボティクス・メカトロニクス講演会2005(2005.6.10、神戸)
・IARP2005(2005.6.10、名古屋)
・ISR2005(2005.11.30、東京)
・ロボティクス・メカトロニクス講演会2006(2006.5.27、東京)
(国外)
・13th World Congress on Intelligent Transport Systems and Services(2005.10.10,London)
・IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems(2005.10.13,Beijing)
27/31
事業原簿 Ⅲ.2.5.1-27ページ
実用化・事業化に向けた技術課題
・愛・地球博の実証実験にて発生した課題としては、スタッフの誤操作、PD
A部温度上昇による不具合などがあったが、インターフェースの改良(確認ボ
タンの追加)、PDA部排熱設計変更などにより、いずれも期間中に解決した。
・実用化に向けた課題については主に以下の事項があり、継続して研究を実
施していく予定である。
①車椅子本体の制御部小型・軽量化
②RFIDアンテナの最低地上高の制約軽減
③フレキシブルなRFID設置方法
④自律走行の誤差要因となるタイヤ空気圧を一定に保つ機
構の搭載、センサ情報によるタイヤ径誤差推定法の確立
⑤低コスト化に向けた機能の選択
28/31
事業原簿 Ⅳ.5.1-2ページ
実用化・事業化見通し
<個々の技術実用化>
本プロジェクトで得た成果において個々の技術は以下のように実用化を検討している。
① ハードウエアの小型・軽量化技術は次期電動車いすに展開。
② 高精度位置測位技術は電動車いす他、自動搬送車等のナビゲーションに展開。
③ 情報提供技術はPDA等による情報提供システムに展開。
④ 障害物検出・回避技術は車いすのみならず移動体全般の安全技術に展開。
<システム実用化・事業化>
本プロジェクトで自律走行制御技術を核としたシステム実用化としては、施設などの法人ユーザー
にインテリジェント車椅子本体の他、管理サーバー、GPS基地局、RFID設置など本研究開発により
確立した限定エリア自律型運行システム全体を提供する事業を考え、そのパイロットシステムを継
続研究にて検討中である。
(インテリジェント車椅子国内市場規模予測)
平成25年市場:施設、アミューズメントパーク
平成30年市場:施設、アミューズメントパーク
10ケ所
20ケ所
500台
1000台
(価格設定)
現在の簡易型電動車椅子の価格は36万~37万円で、高機能な電動車いすは100万以
上するものもあるが、一般に多く普及させる為に、インテリジェント車椅子本体としては定価60
万円を見込んでおり、仕様面は他社品を凌駕しているものの、投資を回収できる利益確保の
為の原価低減が最大の課題となる。センサー、コンピュータ部が低価格で生産できるか、また
管理サーバー、GPS基地設置、RFID設置等のイニシャル費用も精度ある算出が必要である。 29/31
事業原簿 Ⅳ.5.1-2ページ
システム事業化までのシナリオ
限定エリア自律型運行システムの事業化に当たっては、想定アプリケーションに近い現場(病院、
福祉施設等)の協力を取り付け、実際の現場で技術実証実験と平行してビジネスモデルを構築し、実
現場からの問題点の洗い出し、精度の良い原価算出、改良を実施するための平成22年のパイロット
販売L/Oを検討中で、これが成功すれば事業を拡大していく計画である。
項目
~H18年度
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度~
愛地球博実証実験結果改良
パイロットシステム構築・開発
信頼性評価・改良
原価計算・維持コスト算出
事業企画書作成
パイロット販売可否審議
タイアップ施設探索・交渉
パイロットシステム生産準備
パイロットシステム生産・導
入・施工・販売(L/O)
事業拡大課題検討・推進
事業原簿 Ⅳ.5.1-3ページ
30/31
おわりに
自律走行が可能なインテリジェント車椅子を開発した。愛・地球博における実証
実験を通して、以下の技術、システムの有効性を検証した。
・自律走行制御システム
・障害物検出・回避技術
・測位システム
・安全情報提供システム
・小型・軽量化
本研究開発はRT技術が福祉機器分野へも展開できる可能性を示した一例と
して、非常に意義があった。本研究開発にて確立した限定エリア内でユーザーに
必要な安全情報を提供し自律走行するインテリジェント車椅子システムは急速な
高齢化を向かえている日本において、社会的ニーズにマッチしたものであり、今
後安全を配慮したシステムの研究開発が促進され、実用化され新たな市場を形
成できれば大きな経済効果も期待できる。
31/31
事業原簿 Ⅳ.5.1-3ページ
経済産業省
21世紀ロボットチャレンジプログラム
「次世代ロボット実用化プロジェクト」
事後評価分科会資料
― 実用システム化推進事業成果まとめ―
平成19年1月11日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
機械システム技術開発部
技術目標達成度
• 移動作業ロボット(清掃,警備,車椅子)
– 技術開発目標は全て達成
• 自律移動技術
– 非矩形領域の経路生成,屋外誘導(レーザ三角測量,RTKGPS,RF-ID),障害物回避等安全性確保
• 作業技術
– 汚れ検出,複数ロボット連携,警備機能強化
• 対話ロボット(接客,チャイルドケアロボット)
– 技術開発目標は全て達成
• 対話技術
– 多言語音声認識,顔認識,安全性確保
2/7
成果の意義
• 長期間実証試験は市場の拡大や創造に貢献
–
–
–
–
–
清掃ロボットの総移動距離70km以上
警備ロボット2,000時間以上運用
インテリジェント車椅子に36,000人以上試乗
接客ロボットの音声誤認識率半分以下に向上
チャイルドケアロボット27,000人以上が体験
• 成果は世界最高レベル
– 屋外,非矩形,傾斜地,数kmで自律走行
– 実環境で4ヶ国語による案内サービス
– 安全性の確保
• 新技術領域開拓,成果の汎用性,対予算効果
– 屋内外のシームレスナビゲーション
– 多様な移動作業ロボットへ転用可能
– 十分な対予算効果
3/7
特許等の取得
• 移動作業ロボット(清掃,警備,車椅子)
– 出願件数は5件+2件(出願準備中)
• 清掃ロボット、測位システム、移動装置、自律走行台車及びその
制御方法、タグ座標データ生成装置及びタグ座標テーブル生成
方法
• 対話ロボット(接客,チャイルドケアロボット)
– 出願件数は4件
• 音声認識装置・音声認識方法及び音声認識プログラム、パラメー
タ学習装置・パラメータ学習方法及びプログラム、対応決定シス
テム・ロボット・イベント出力サーバー及び対応決定方法、ストー
リー出力システム・ロボット装置及びストーリー出力方法
4/7
成果の普及
研究発表
国内
国外
国内
23
2
17
25
雑誌、テレビ等の
メディアへの登場
国外 回数
文献
17
0
400回以上
• 国内外の展示会等イベントにも多数参加
5/7
実用化・事業化の見通し
• 移動作業ロボット(清掃,警備,車椅子)
–
–
–
–
製薬会社向スクラバ清掃(富士重工,H18年5月納入)
血液検体自動搬送(松下電工,H18年10月納入)
半屋外環境警備(ALSOK,H18年11月納入)
インテリジェント車椅子事業化検討中(アイシン,富士通)
• 対話ロボット(接客,チャイルドケア)
– アクトロイドと音声認識技術を個別に市場投入(ココロ,ア
ドバンストメディア)
– 託児所教育プログラム等への実用化検討中(NEC)
6/7
成果まとめ
• 技術目標は全て達成
• 成果に十分な意義
• 特許等の適切な取得
• 十分な成果普及
• 一部成果は既に実用化,他も鋭意検討中
7/7
参考資料1
評価の実施方法
本評価は、
「技術評価実施規程」(平成 15 年 10 月制定)に基づいて研究評価を実
施する。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における研究評価の
手順は、以下のように被評価プロジェクト毎に分科会を設置し、同分科会にて研究評
価を行い、評価報告書(案)を策定の上、研究評価委員会において確定している。
z 「NEDO 技術委員・技術委員会等規程」に基づき研究評価委員会を設置
z 研究評価委員会はその下に分科会を設置
国 民
評価結果公開
NEDO
理事長
評価結果の事業等への反映
推進部署
評価書報告
研究評価委員会
評価報告書(案)審議・確定
事務局
分科会A
研究評価部
分科会C
分科会B
分科会D
評価報告書(案)作成
プロジェクトの説明
参考資料 1-1
推進部署
実施者
1.評価の目的
評価の目的は「技術評価実施規程」において、
z 業務の高度化等の自己改革を促進する。
z 社会に対する説明責任を履行するとともに、経済・社会ニーズを取り込
む。
z 評価結果を資源配分に反映させ、資源の重点化及び業務の効率化を促進
する。
としている。
本評価においては、この趣旨を踏まえ、本事業の意義、研究開発目標・計画の妥当
性、計画と比較した達成度、成果の意義、成果の実用化の可能性等について検討・評
価した。
2.評価者
技術評価実施規程に基づき、事業の目的や態様に即した外部の専門家、有識者から
なる委員会方式により評価を行う。分科会委員選定に当たっては以下の事項に配慮し
て行う。
z 科学技術全般に知見のある専門家、有識者
z 当該研究開発の分野の知見を有する専門家
z 研究開発マネジメントの専門家、経済学、環境問題その他社会的ニーズ
関連の専門家、有識者
z 産業界の専門家、有識者
また、評価に対する中立性確保の観点から事業の推進側関係者を選任対象から除外
し、また、事前評価の妥当性を判断するとの側面にかんがみ、事前評価に関与してい
ない者を主体とする。
これらに基づき、分科会委員名簿にある6名を選任した。
なお、本分科会の事務局については、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開
発機構研究評価部が担当した。
3.評価対象
平成16年度に開始された「次世代ロボット実用化プロジェクト」を評価対象とし
た。
なお、分科会においては、当該事業の推進部署から提出された事業原簿、プロジェ
クトの内容、成果に関する資料をもって評価した。
参考資料 1-2
4.評価方法
分科会においては、当該事業の推進部室及び研究実施者からのヒアリングと、それ
を踏まえた分科会委員による評価コメント作成、評点法による評価及び実施者側等と
の議論等により評価作業を進めた。
なお、評価の透明性確保の観点から、知的財産保護の上で支障が生じると認められ
る場合等を除き、原則として分科会は公開とし、研究実施者と意見を交換する形で審
議を行うこととした。
5.評価項目・評価基準
分科会においては、次に掲げる「評価項目・評価基準」で評価を行った。これは、
研究評価委員会による『各分科会における評価項目・評価基準は、被評価プロジェク
トの性格、中間・事後評価の別等に応じて、各分科会において判断すべきものである。』
との考え方に従い、第1回分科会において、事務局が、研究評価委員会により示され
た「標準的評価項目・評価基準」
(参考資料1-7頁参照)をもとに改訂案を提示し、
承認されたものである。
プロジェクト全体に係わる評価においては、主に事業の目的、計画、運営、達成度、
成果の意義や実用化への見通し等について評価した。各個別テーマに係る評価につい
ては、主にその目標に対する達成度等について評価した。
参考資料 1-3
「次世代ロボット実用化プロジェクト」(事後評価)に係る
評価項目・評価基準
1.事業の位置付け・必要性について【実用システム化推進事業】【プロトタイプ支援事業】
(1)NEDOの事業としての妥当性
・21世紀ロボットチャレンジプログラムの目標達成のために寄与しているか。
・民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことにより、N
EDOの関与が必要とされる事業か。
・当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較において
十分であるか。
(2)事業目的の妥当性
・内外の技術開発動向、国際競争力の状況、市場動向、政策動向、国際貢献の可能性
等から見て、事業の目的は妥当か。
2.研究開発マネジメントについて【実用システム化推進事業】【プロトタイプ支援事業】
(1)研究開発目標の妥当性
・内外の技術動向、市場動向等を踏まえて、戦略的な目標が設定されているか。
・具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。
・目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。
(2)研究開発計画の妥当性
・目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分を含む)
となっているか。
・目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。
・研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。
(3)研究開発実施者の事業体制の妥当性
・適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。
・安易な業界横並び体制に陥ることなく、真に技術力と事業化能力を有する企業を実
施者として選定しているか。
・全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環境が整備
されているか。
・実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対して、
成果を普及し関与を求める体制を整えているか。
参考資料 1-4
(4)情勢変化への対応等
・進捗状況を常に把握し、社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機敏かつ適
切に対応しているか。
・計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の揺らぎと
なっていないか)
。計画見直しを適切に実施しているか。
3.研究開発成果について【実用システム化推進事業】【プロトタイプ支援事業】
(1)目標の達成度
・成果は目標値をクリアしているか。
・全体としての目標達成はどの程度か。
・目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確になって
いるか。
(2)成果の意義
・成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。
・成果は、世界初あるいは世界最高水準か。
・成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。
・成果は汎用性があるか。
・投入された予算に見合った成果が得られているか。
(3)特許等の取得
・知的財産権等(特許、著作権等)は事業戦略に沿って適切に出願されているか。
・外国での積極的活用が想定される場合、外国の特許を取得するための国際出願が適
切にされているか。
(4)成果の普及
・論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。
・成果の受取手(活用・実用化の想定者)に対して、適切に成果を普及しているか。
また、普及の見通しは立っているか。
・一般に向けて広く情報発信をしているか。
4.実用化、事業化の見通しについて【実用システム化推進事業】のみ
(1)成果の実用化可能性
・産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。
・実用化に向けて課題が明確になっているか。
課題解決の方針が明確になっているか。
参考資料 1-5
(2)事業化までのシナリオ
・コストダウン、導入普及、事業化までの期間、事業化とそれに伴う経済効果等の見
通しは立っているか。
(3)波及効果
・成果は関連分野への技術的波及効果及び経済的・社会的波及効果を期待できるもの
か。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの波及
効果を生じているか。
参考資料 1-6
標準的評価項目・評価基準
2006.03.30
【標準的評価項目・評価基準の位置付け(基本的考え方)
】
標準的評価項目・評価基準は、第9回研究評価委員会(平成18年3月30
日付)において以下のとおり定められている。
(記載例による1、2、3、4
が標準的評価項目、それぞれの項目中の(1)、(2)、・・・が標準的評価基準、そ
れぞれの基準中の・、
・、・・・が視点)
【記載例】
1.事業の位置付け・必要性
(1)NEDOの事業としての妥当性
・------省略---------(2)事業目的の妥当性
・------省略---------2.研究開発マネジメント
(1) ------省略--------・------省略--------3.研究開発成果
(1) ------省略--------・------省略--------4.実用化、事業化の見通し
(1) ------省略--------・------省略--------ただし、これらの標準的評価項目・評価基準は、研究開発プロジェクトの中
間・事後評価における標準的な評価の視点であり、各分科会における評価項
目・評価基準は、被評価プロジェクトの性格、中間・事後評価の別等に応じて、
各分科会において判断すべきものである。
参考資料 1-7
1.事業の位置付け・必要性について
(1)NEDOの事業としての妥当性
・特定の施策(プログラム)
、制度の下で実施する事業の場合、当該施策・制度の目標
達成のために寄与しているか。
・民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことにより、N
EDOの関与が必要とされる事業か。
・当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較において
十分であるか。
(2)事業目的の妥当性
・内外の技術開発動向、国際競争力の状況、エネルギー需給動向、市場動向、政策動
向、国際貢献の可能性等から見て、事業の目的は妥当か。
2.研究開発マネジメントについて
(1)研究開発目標の妥当性
・内外の技術動向、市場動向等を踏まえて、戦略的な目標が設定されているか。
・具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。
・目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。
(2)研究開発計画の妥当性
・目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分を含む)
となっているか。
・目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。
・研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。
・継続プロジェクトや長期プロジェクトの場合、技術蓄積を、実用化の観点から絞り
込んだうえで活用が図られているか。
(3)研究開発実施者の事業体制の妥当性
・適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。
・安易な業界横並び体制に陥ることなく、真に技術力と事業化能力を有する企業を実
施者として選定しているか。
・研究管理法人を経由する場合、研究管理法人が真に必要な役割を担っているか。
・全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環境が整備
されているか
・目標達成及び効率的実施のために必要な、
実施者間の連携and/or競争が十分に行わ
れる体制となっているか。
・実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対して、
成果を普及し関与を求める体制を整えているか。
参考資料 1-8
(4)情勢変化への対応等
・進捗状況を常に把握し、社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機敏かつ適
切に対応しているか。
・計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の揺らぎと
なっていないか)
。計画見直しを適切に実施しているか。
3.研究開発成果について
(1)目標の達成度
・成果は目標値をクリアしているか。
・全体としての目標達成はどの程度か。
・目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確になって
いるか。
(2)成果の意義
・成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。
・成果は、世界初あるいは世界最高水準か。
・成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。
・成果は汎用性があるか。
・投入された予算に見合った成果が得られているか。
(3)特許等の取得
・知的財産権等(特許、著作権等)は事業戦略に沿って適切に出願されているか。
・外国での積極的活用が想定される場合、外国の特許を取得するための国際出願が適
切にされているか。
・長期プロジェクトでは、権利化への努力がなされているか。
(4)成果の普及
・論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。
・成果の受取手(活用・実用化の想定者)に対して、適切に成果を普及しているか。
また、普及の見通しは立っているか。
・一般に向けて広く情報発信をしているか。
4.実用化、事業化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。
・実用化に向けて課題が明確になっているか。
課題解決の方針が明確になっているか。
参考資料 1-9
(2)事業化までのシナリオ
・コストダウン、導入普及、事業化までの期間、事業化とそれに伴う経済効果等の見
通しは立っているか。
(3)波及効果
・成果は関連分野への技術的波及効果及び経済的・社会的波及効果を期待できるもの
か。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの波及
効果を生じているか。
※ 基礎的・基盤的研究及び知的基盤・標準整備等の研究開発の場合は、以下の項目・
基準による。
*基礎的・基盤的研究開発の場合
4.実用化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・実用化イメージ・出口イメージが明確になっているか。
・実用化イメージ・出口イメージに基づき、開発の各段階でマイルストーンを明確に
しているか。それを踏まえ、引き続き研究開発が行われる見通しは立っているか。
(2)波及効果
・成果は関連分野への技術的波及効果等を期待できるものか。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの波及
効果を生じているか。
*知的基盤・標準整備等の研究開発の場合
4.実用化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・知的基盤、標準整備に対する公共的な需要が実際にあるか、その見込みはあるか。
・公共財として知的基盤を供給、維持するための体制は整備されているか、その見込
みはあるか。JIS化、国際規格化等、標準整備に向けた対応は図られているか、
その見込みはあるのか。一般向け広報は積極的になされているか。
(2)波及効果
・成果は関連分野への経済的・社会的波及効果等を期待できるものか。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの波及
効果を生じているか。
参考資料 1-10
参考資料2
評価に係る実施者意見
研究評価委員会(分科会)は、評価結果を確定するに当たり、あらかじめ当該実施
者に対して評価結果を示し、その内容が、事実関係から正確性を欠くなどの意見があ
る場合に、補足説明、反論などの意見を求めた。研究評価委員会(分科会)では、意
見があったものに対し、必要に応じて評価結果を修正の上、最終的な評価結果を確定
した。
以下に最終的な評価結果と、評価に対する実施者意見及びそれに対する評価委員の
見解を示す。
評価に対する実施者意見
実施者意見に対す
る評価委員の見解
【評価結果(2.個別テーマに関する評価結果)】
【2.2.1 スイッピーについて】
本開発では、通路の定まっていない屋外での清掃を実現し、
長期間の自律移動動作など設定された目標に対して、実績のな
い状態から短期間で達成しており評価できる。
移動技術、自己位置測定などの技術レベルは高く、汎用性の
ある移動ロボットの開発として、様々な成果が盛り込まれてい
る。加えて、群ロボットへの適用は興味深く、実用化への道筋
も明確である。また、安全確保の施策も申し分ない。
今後は、よりゴミの多い状況での清掃能力や、耐環境性に関
する仕様上の問題の確認、異なる条件での実験を行うと共に、
走行スピードの向上、多様な設置物や清掃領域の形状への対応
など、自律走行機能のさらなる高度化が望まれる。
また、この種の作業ロボット導入はコストが最大の課題とな
るので、コスト面の問題をクリアして、実用化して欲しい。
【評価委員見解】
【実施者意見】
実施者意見(補
評価結果内の「走行スピードの向上」について、実施者意見
足説明)の掲載を
(補足説明)の掲載を求めます。
認める。
【補足説明】
清掃器具の機構・手段は実際の市場に長年適用されてきた積
み重ねがあり、一定の清掃品質を確保するために、清掃機構・
手段ごとに推奨されるスピードがあるので、スピードをむやみ
に向上させるのではなく、適切なスピードをロボットで維持す
ることが重要。また、清掃をロボット化した際にも作業の完遂
性、環境物体や人への安全確保がユーザーにおいても最優先さ
れるため、走行スピードの向上の要求度は低いのが現実である。
参考資料 2-1
本研究評価委員会報告は、独立行政法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構(NEDO技術開発機構)研究評価部が委員会
の事務局として編集しています。
平成19年3月
NEDO技術開発機構
研究評価部
部長
笹岡
賢二郎
主幹
高松
秀章
担当
井寄
将博
*研究評価委員会に関する情報はNEDO技術開発機構のホームページ
に掲載しています。
(http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/index.html)
〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地
ミューザ川崎セントラルタワー(20F)
TEL 044-520-5161
FAX 044-520-5162
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