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平成26年2月8日~2月9日 【PDF:752KB】
(様 式 (政 務活動費用 ) 出 張 報 告 書 平成 黒木 01路 市 議 会 議 長 満 1) 26年 2り 114日 様 会 派 名 自民 クラブ 代表者名 続木 敏博 次 の とお り、政務活動費 に よる出張 を終 えま したので報告 します。 受 命 者 菅野 猛、 続木 敏博 出 張 先 東京 間 平成 26年 2月 8日 務 自治体議会政策学会主催 の 第 16期 自治政策特別講座 地域再生 のための予算審議 ヘ ー 自治体の2014年 度予算は 受講のため 期 用 調 査 (研 修 ) 結果等 の概 要 備 注)1 飯 田橋 レイ ンボー ビル ∼ 平成 26年 2月 9日 ( 2日 間) 第 1講 義 地域経済 の再生 ―地方財政指針 と自治 体 神野 直彦氏 東京大学名誉教授・地方財政審議会会長 ― の予 した予算審議を 算編成改革 決算情報を有効に活用 第2講 義 自治体 稲沢 克祐氏 関西学院大学教授 -2014年 の歳入 。歳出チ ェ ックポイ ン ト 3講 度 自治体予算審議 第 義 星野 泉氏 明治大学教授 第4講 義 新公会計制度 の導入 ―財務書類 の読み方 。つ くり方 と活用 の 明治大学大学院教授 兼村 高文氏 課題 自治体議会政策学会会長 竹下 譲氏 第5講 義 予算審議 と議会 考 資料等がある場合、添付すること.資 料 は、事務局経由で会派 へ返去,す るので、本出 張報告書 (原 本)と ともに会派 で保管すること. 2 調査結果等の概要 は、別紙による記載も認める。 -1- 第16期」自治政策講座 「地域再生のための予算審議へ-自治体の2014年度予算は」 日時:2014年2月8日~9日 場所:飯田橋レインボービル7階大会議室 2月8日(土) 第1講義-地域経済の再生-地方財政方針と自治体 神野 昌彦(東京大学名誉教授-地方財政審議会会長) 日本経済の現状と国の財政状況についての報告や分析を伺った上で、地域が目指すべき姿 がどういったことなのか。また、持続可能な自治体財政の基盤をどのようにつくるのか、 来年度の地方財政計画と自治体予算への影響、そして、取り組むべき課題についての話を 聞くことができた。 内容としては、日本の予算は歳出から決めて歳入を決めるのではなく、歳入見積もりを元 に歳出を決めていることから、歳入は、あくまでも見積もりであり地方も含めて自分たち で決められていないことになっているとの見解を基に 予算:財政を被統治者が支配する手段 「拘束力」のある文書に発生主義はそぐわない(減価償却はおかしい) 自治体予算は総計予算でありコントロールが目的 企業は純計予算でパフォーマンスの追及が目的 予算の仕組みとして、財政を被統治者が支配する手段であり、財政現象はすべて予算に 盛り込まれるバジェットとしての考え方。そして、それを拘束力のある文書にするため権 限許可要求書として議会に提出し、議決するとその権限を付与することや予算の原則、そ して日本では外国と違い予算が法律となっていないこと、そして予算の内実としてその説 明を受けた。 政府間財政関係の理論では、財政調整の方法として大きく分けて2項目4種類が考えられ、 日本では、水平的財政調整のうえ、水平的効果をもった垂直的財政調整を行っている。そ れは、日本の財政が集権的分散システムとなっているため、その多くは地方が担っている とのことであった。 未来への使命としては、日本は他国に比べ高齢者の現金である年金医療が重厚だが、高 齢者サービスや積極的労働政策などが弱く、そういった対策を講じていかなければ経済成 長が見込めない。そのためには社会的インフラストラクチェアの張替えとして、公共工事 のウエイトを重化学工業から研究などの人的なものを重視するようシフトし、生活機能に よる生産機能の向上をさせる必要がある。 また、平成25年に閣議決定された脱デフレ・経済再生などを踏まえ、自治体予算の影響 として、地方税収が減少し一般財源も減ることになる。また、基礎的財政収支の見直しに より総額としては確保されるものの不足分を地方債と地方財政対策債で補うことになると のはなしであった。 第2講義-自治体の予算編成改革-これまでとこれから 稲澤 克祐(関西学院大学院経営戦略研究科教授) 厳しい自治体財政を克服する「予算編成改革」について説明を受け、これまでのありかた の問題点と、これからの首長部局や議会の予算編成手法の見直し、地域自立に向けた政策 実現への財政コントロール手法を予算議決権と決算認定権を持つ議会が、決算情報を有効 に活用した予算審議をする重要性について、決算審議を行うのが9月議会であるので、決算 情報である決算カードや重要政策効果報告書などから、行政は成果をあげたのか効率的に 仕事をしたのかといった視点をもち、行政評価シートなどを活用して行政評価をして、予 算作成段階に提案すれば、3月議会の予算に反映させ審議することができるとして以下の内 容について講義された。 最初に自治体の環境変化、決算情報と予算審議では、ヒト、モノ、カネのストックサイ クルをある基礎的自治体を事例に人口減少や高齢化、公共施設の老朽化や一人あたりの延 べ床面積が増加し維持管理費の増えること、また、合併算定替えによる一般財源の減少や 自治体債権・投資・出資金の劣化について説明していただいた。 財政健全化法と予算審議の項では、旧法の財政再建法との比較や健全団体、健全化団体、 再生団体の意義、そして健全化判断4指標の関係から資金繰り指標と債務償還能力指標、 会計の総合の話をされたうえで「早期健全化団体の議員になったつもりで、予算審議に臨 む」という心構えも教わった。 新地方公会計改革と予算審議のところでは、基準モデル、総務省方式改訂モデル、東京都 モデルの3つの会計モデルの説明、前年度財務書類の活用方法や将来バランスシート・行政 コスト計算書の作成、そして公的部門における貸借対照表の考え方などを教わった。 行政評価と予算審議では、格付け順位ではなく課題を見つけるポイントとしての行政評価 や、名古屋を事例にその分析視点から予算事務事業の分析の説明を受けた。 最後の予算編成改革の理論と実践では、予算編成の問題点、予算編成改革の方向性、中期 財政計画、総合計画・財政計画・行財政改革計画の連動を、自治体別の特色のある予算編 成の方法を個別に説明していただいた。 第3講義-自治体予算審議-2014年度の歳入・歳出チェックポイント 星野 泉(明治大学政治経済学部教授) 政府予算や政策を鑑み、自治体予算審議の際に注目すべき事項を歳入と歳出のテックポイ ントとして教えていただき、政府方針の中で事業予算増と自治体負担、義務的事業と財政 措置など、注意すべき点が多い来年度予算のポイントについての話を聞くことができた。 最初の国の財政のところでは、2011年度の予算から一般会計歳出から国債などを除いた ものをプライマリーバランス確保のための「基礎的財政収支対策経費」として合算される こととなったという国の予算制度の変化や国債依存の傾向、税制改革、そして2014年度の 地方税制改正による偏在是正の効果が2015年以降なることなどを説明されていた。 また、地方の予算として普通会計の概念や一般会計、特別会計の説明、そして、完全性、 単一性、明瞭性、厳密性、事前性、限定性、公開性の7つの予算原則についても教わった。 予算審議に向けては、増分主義である前年度までの予算を前提に、上乗せ調整をしてい く予算配分する方式は長い間大きな問題として意識されてきたが、未だ十分な解決方法を 見いだせない課題としている。それに対し予算の限度額を決める「シーリング方式」、予 算を一から見直す「ゼロベース予算」、予算の有効期限を切る「サンセット方式」、中長 期の目標、代替的方策を明らかにしたうえで費用、便益を分析する「PPBS」、首長も含め た各部局の責任者がいわば取締役会のように議論を戦わせ、予算獲得努力をするという方 法などを示したうえで、中期的総合計画が必ずしも各年度の予算に十分反映されていない ことを指摘し、絶えざる再評価を、自治体内部、議会、外部監査、さらに住民参加を求め ていくことの必要性の話をされていた。 最後に、財政分析を進めて予算に反映させるためには、過去から現在までの歴史的比較、 類似団体と比べる比較の観点、財政分析手法、財政健全化の基準、財源確保のためにすべ きこと、2014年度に特に見るべき視点などをポイントとして挙げていた。 2月9日(日) 第4講義-新公会計制度の導入-財政書類の読み方・つくり方と活用の課題 兼村 高文(明治大学大学院ガバナンス研究科教授) 兼村先生の 2 時間の講義の前半半分は、先生が書かれた「自治体財政がよくわかる本」 (イマジン出版)(受講生全員に配られた)の解説から始まった。私たち議員のように、そ の時点その時点で財政諸表等や予算書、決算書に接する者にとって、このように地方財政 の入門編から、基礎知識編、財務分析編、事例分析編と系統立てた解説は非常に有効で、 それぞれの現場で活用できる資料であった。 さて、講義内容として 1 .公会計改革の必要性と改革の経緯として なぜ公会計改革が必要であったのかということに対し 官庁会計(現金主義、単式簿記)の限界が示された つまり①現金収支のフロー情報のみ ②ストック情報が欠如 ③インフラ等の適切な資金管理ができない ④PDCA に役立つ会計情報が提供できない などから官庁会計を企業会計方式への改革が要請されてきた。 対して企業会計(発生主義、複式簿記)の特徴として ①減価償却費と退職金引当金が計上され、行政と企業のコスト比較が可能となる ②ストック情報が計上され資産の財政状況を把握できる ③マネジメントに有効な会計情報が提供される ④よって PDCA でマネジメントがより有効に機能する等のメリットが示された 次に公会計改革の動向として ①平成 12 年に普通会計バランスシートの作成モデルが公表され ②平成 18 年に「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」が提案された ③平成 21 年までに財務書類 4 表の公表が要請され ④平成 26 年 3 月に報告書の公表予定 このような改革の中「改訂モデル」と「基準モデル」の特徴の違いが説明された。 それぞれに良い点悪い点はあるが、このモデルが統一されないことが大きな問題である。 それぞれのモデルに対して説明された後、今後の展開として 「財務書類の活用の仕方」 「財政状況資料集の活用の仕方」が説明された。 最後に「財務書類と決算統計をどう活用するか」ということに関して ① 決算統計は現金主義で会計情報の信頼性が高く、基本的には決算は「財政状況 資料集」を活用することで多くのことが分かる ② 財務書類は PDCA の予算マネジメントで決算統計の補完的資料として活用でき る との説明を受けた。 しかし、決算カードが発表されるのは 7 月以降で、次年度の予算には間に合わないため 中長期的計画に使われる資料としては大変に有効であるとの説明を受けた。 第5講義-予算審議と議会 -自治の確立に向けて- 竹下 譲(自治体議会政策学会会長) まず冒頭 1、地方議会とは如何なるものか?という項目に関して、 ①憲法上の位置づけは? ②憲法の英文での規定での議会の位置づけは? ③地方議会の歴史的な位置づけは? ④ヨーロッパでの議会の伝統的な位置づけは? ⑤日本の現在の地方議会も・・・? という順番で説明され、この中で、議会の位置づけの問題と、特に議会の役割として ①“討議(討論)” 、②“公開” 、③“住民の意向の反映”の 3 つが最重要であるとした。 次に 2、予算審議の仕方は? 3、予算審議の実態は? 4、いかなる審議をすべきか? の項目の中で、具体例を示しながら、本来、議会が行わなければならない議員間での討論 のあり方であるとか、住民の意向を反映させるために何が必要かという話をされた。 また、予算案ができてからの議会での議論ではなく、前年の 7、8 月から始まる来年度予 算の詰み上げ時点からの議会としての関わりを重要視すべきとの持論を展開された。 最終的には、各施策が住民に役立つか否かの検討をするのが議会の役割であり、議会の “公開”とはこうした審議を住民に見てもらうためであり、このような審議をするために、 議員は現場を見て回ったり、各地の情報を新聞やマスコミから仕入れたりアンテナを張り 巡らしていることが重要であると結論づけられた。 会議規則にも触れ、これまで当たり前のルールのように考えてきた既存の方式にとらわ れることなく、住民の意向を市政に反映させるために奮起されるようエールを送られ、講 義を終了した。