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住宅の省エネルギー基準 の改正等について

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住宅の省エネルギー基準 の改正等について
住宅の省エネルギー基準
の改正等について
1.住宅・建築物の省エネルギー施策について
2.省エネ基準の改正の概要
3.住宅に係る省エネ基準の改正
4.低炭素建築物認定基準の概要
【参考1】省エネ基準の改正に伴う住宅性能表示制度の見直し
【参考2】省エネ基準改正に伴う省エネ措置の届出様式の扱い
平成25年10月
国土交通省 住宅局
Ministry
MinistryofofLand,
Land,Infrastructure,
Infrastructure,Transport
Transportand
andTourism
Tourism
1.住宅・建築物の省エネルギー施策について
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
住宅・建築物に係るエネルギー消費量及びCO2排出量の推移
●我が国において、住宅・建築物部門は全エネルギー消費量の3割以上を占め、産業、運輸部門に比べて過去20
年の増加が著しいため、省エネ対策の強化が求められている。
●CO2排出量についても、他部門に比べ増加傾向が顕著。
【最終エネルギー消費の推移】
(ペタジュール)
18000
3部門計
16000
+5%
1990-2011
2011…
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
0
工業プロセス分野 62.3 → 41.3 (33.7%減)
廃棄物分野 22.7 → 27.7 (22.1%増)
2000
▲11%
50
エネルギー転換部門(発電所等) 67.9 → 86.1 (26.8%増)
1999
1990-2011
100
1998
2000
住宅部門 127→189(48.1%増)
1997
150
1996
住宅 +25%
建築物+41%
建築物部門(商業・サービス・事業所等)
164→247(50.6%増)
1995
200
1994
+33%
43.0%
0
250
1993
1990-2011
1992
33.8%
運輸部門(自動車・船舶等) 217 → 230 (5.8%増)
1991
産業部門
350
300
6000
4000 50.3%
400
1990
26.5%
住宅・建築物部門
産業部門 482 → 420 (12.8%減)
CO2 排出量(百万トンCO2)
1990-2011
+5%
10000
8000
23.3%
23.2%
500
450
運輸部門
14000
12000
【CO2排出量の推移】
(年度)
(年度)
出典:平成23年度エネルギー需給実績(資源エネルギー庁)
出典:温室効果ガス排出・吸収目録(環境省)
2
住宅・建築物の省エネ化に関するこれまでの経緯
分類
1970~ 1980~
1990~
2000~
2010~
・1979年~ 省エネ法(努力義務)
・2003年~
① 省エネ法に
基づく規制
(届出義務)
{2000㎡以上の非住宅建築物の建築}
・2006年~ (届出義務の拡大)
・1980年~
{2,000㎡以上の住宅の建築}
{2,000㎡以上の住宅・建築物の大規模改修等}
・2009年~ (住宅トップランナー制度の導入)
省エネ基準1980年版
{住宅事業建築主(150戸/年以上)が新築する戸建住宅}
・1992年~ 住宅1992年版(強化)
・2010年~ (届出義務の拡大)
・1993年~ 非住宅1993年版(強化)
・1999年~ 省エネ基準1999年版(強化)
{300㎡以上の住宅・建築物の建築}
・2013年~ 省エネ基準2013年版(一次エネルギー消費量基準)
② 省エネ性能の
表示・情報提供
・2000年~ <住宅の品質確保の促進等に関する法律> 住宅性能表示制度
・2001年~ 建築環境総合性能評価システム( CASBEE)
・2009年~ <省エネ法>住宅省エネラベル
融
資
・2007年~ フラット35S(住宅ローン金利優遇)
予
・2008年~ 住宅・建築物省CO2先導事業
・2008年~ 省エネ改修推進事業
算
③
インセンティブ
の付与
・2010年~ 住宅エコポイント
・2012年~ 住宅のゼロ・エネルギー化推進事業
・2008年~ 省エネリフォーム促進税制
税
制
・2009年~ <長期優良住宅の普及の促進に関する法律>
長期優良住宅認定制度(住宅ローン減税、固定資産税引き下げ等)
・2012年~<都市の低炭素化の促進に関する法律>
低炭素建築物認定制度
(住宅ローン減税、容積率緩和等)
3
低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進に関する工程表
2012年度
現在
2013年度
2014年度
総合的な省エネ性能
評価への見直し
性能
基準
一次エネルギー
消費量
ライフサイクル
カーボン
マイナスレベル
ゼロエネル
ギーレベル
誘導水準
レベル
告
示
改
正
住宅性能表示
基準を改正
2012年度
以降早期施行
法
律
改
正
都市の低炭素化
の促進に関する
法律(案)を通常
国会に提出
ギー消費量で▲
・総合的な環境性能評価(CASBEE)の一層の普及
・ゼロエネルギー住宅への支援
・省CO2のモデル的な住宅・建築物への支援
認定住宅(新築)
への税制上の支援
2030年度
2020年度
2030年
ライフサイクルCO2の評価・
表示の検討
等
省エネ法改正
案を通常国会
に提出
義務化の実現に向けた
課題等
・住宅・建築物からのエネル
ギーの必要削減量など、住
宅・建築物における規制の
必要性と根拠の明示
・他部門及び諸外国におけ
る住宅・建築物の省エネル
ギーに関する規制とのバラ
ンスについて勘案
・中小工務店・大工への十分
な配慮
市場の水準・技術の進展を
勘案して水準を強化。
非住宅・改修についても支援を検討
より高い省
エネ性能の
住宅・建築
物の建築促
進
※義務化の水準は、見直し後の省エネ基準を基本に、義務化導入時点での省エネ基準達成率等を勘案して設定。
届出義務
適合義務(※)
(2,000㎡以上)
(2,000㎡以上)
届出義務
住宅・建築
物の最低
限の省エ
ネ性能の
確保
適合義務(※)
(300~2,000㎡)
(300~2,000㎡)
※伝統的な木造住宅に関し、省エネルギー基準への適合義務化によりこれが建てられなくなるとの
意見や、日本の気候風土に合った住まいづくりにおける工夫も適切に評価すべきとの意見などが
あることから、引き続き、関係する有識者等の参加を得て検討を進める。
努力義務
適合義務(※)
(300㎡未満)
(300㎡未満)
建材・機器トップランナー制度による建材・機器の性能向上の誘導
住宅・建築物のゼロエネルギー化への支援
住宅:
1~2割程度〔2008年度〕
↓ 住宅エコポイント
5~6割程度〔2011年度上半期※〕
公共建築物のゼロエネルギー化の推進
・学校ゼロエネルギー化の推進方策検討委員会(ガイドライン作成)
・官庁施設のゼロエネルギー化モデル事業 等
※簡易推計による
非住宅建築物:
83%(2000㎡以上)〔2008年度〕
↓ 届出対象拡大
87%(2000㎡以上)〔2010年度〕
ストック
の改善
民間住宅・建築物のゼロエネルギー化の促進
・ゼロエネルギー建築推進協議会による取組
・ゼロエネルギー化のモデル的プロジェクトへの支援(被災地から全国へと展開)
等
既存ストックの省エネ改修の促進
・省エネ診断・実エネルギー消費量の見える化、簡易測定手法の開発など既存ストックの省エネ性能の把握の促進
・耐震改修との同時実施など効果的な省エネ改修方法・技術に係る情報提供の実施
・既存ストックも含めた不動産取引時における省エネルギー性能の評価・表示制度の検討
・既存住宅・建築物の省エネ改修への支援
等
引き続き、既存ストック対策
の充実を検討。
技術者・
体制等の整備
中小工務店等への支援
中小工務店・大工の省エネ施工技術修得支援(5カ年計画)
中小工務店等の対策の遅れ
伝統木造住宅等の評価方法の検討
・日射遮蔽/取得、通風利用等の評価方法の検討
・蒸暑地における評価方法の検討 等
建材等の生産体制が脆弱
新技術が必要
評価者等の不足
建材・機器の性能・品質の確保・向上
・建材・機器の性能の担保・表示に関する制度の整備
・省エネ建材・機器の生産・施工体制の強化
・省エネ関連の新技術・サービス・工法等の開発・供給への支援 等
評価・審査体制の整備
・届出・認定・表示制度を通じた省エネ性能の評価・審査技術の普及 等
引き続き、戸建住宅の省エネ基準適合義務化に向けて、
中小工務店・大工への技術・評価方法の普及
引き続き、2,000㎡未満の建築物(戸建住宅等)に係る
建材・機器等の性能の担保・向上のための体制を整備
適合義務化後も、引き続き、住宅・
建築物の省エネ化に係る技術者・
職種の育成、体制整備を
継続
住宅・建築物でゼロ・エネルギー化を実現
小規
模
現行省エネ
基準レベル
現行省エネ基準に対する新築
の適合率
中規
模
見直し後の
省エネ基準
レベル
【非住宅】
2012年度中施行
【住宅】
2012年度
以降早期施行
告
示
改
正
法律改正
省エネ性能の向上
住まい
低炭素社会の実現に向けた住宅・
建築物における取り組み
設備性能
(空調、給湯、
照明等)
(H24年7月10日公表)
2019年度
高い省エネ性能を有する住宅・建築物の認定(改修も含む)
10%程度)
(太陽光等)
外皮性能
2018年度
ゼロエネルギー住宅・建築物、LCCM住宅の評価・表示の促進
大規
模
省エネルギー
基準を改正
(一次エネル
(断熱、日射取
得等)
2017年度
既存住宅の省エネリフォームを現在の2倍程度に増加
(建築物)新築公共建築物等でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現
評価対象
創エネ
性能
2016年度
2020年 (住宅)ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を標準的な新築住宅とする
【エネルギー基本計画】
(見直し中)
目標
2015年度
技術力の
確保・新た
な産業創
生
引き続き、適合義務化の対象となる建築物の増加に対
応出来るよう人材・職種の育成及び体制整備を継続
住まい方の改善
住まい方
住まい方・使い方の「見える化」の促進
ライフスタイルの変化
・省エネ化に伴う快適性・健康性・知的生産性等の間接的便益の「見える化」の促進
・実エネルギー消費量等の「見える化」の促進
・年間のエネルギー消費量のベンチマーク化 等
低炭素行動の促進に資する補助等
・スマートメーターと連携したHEMS・BEMS等の導入に関する支援
・時間帯料金等の柔軟な料金メニューの導入によるインセンティブ付与 等
省CO2に
資する住
まい方・働
き方の推
進
4
日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)
テーマ2:クリーン・経済的なエネルギー需給の実現
(2)個別の社会像と実現に向けた取組
③エネルギーを賢く消費する社会
Ⅱ)解決の方向性と戦略分野(市場・産業)及び当面の主要施策
(略)また、近年エネルギー消費量が著しく増大(石油危機以降2.5倍)している家庭・業務
部門を中心とした省エネの最大限の推進を図る。そのため、燃料電池の導入や住宅・ビルの省
エネ基準の段階的適合義務化、既存住宅・ビルの省エネ改修の促進、トップランナー制度の適
用拡充、ネット・ゼロ・エネルギー化等を図る。また、生活の質を向上させつつエネルギー消
費量を削減するライフスタイルの普及を進める。
○住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化
• 規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物に
ついて段階的に省エネ基準への適合を義務化する。これに向けて、中小工務店・大工の施工
技術向上や伝統的木造住宅の位置付け等に十分配慮しつつ、円滑な実施のための環境整備に
取り組む。
• 具体的には、省エネルギー対策の一層の普及や住宅・建築物や建材・機器等の省エネルギー
化に資する新技術・新サービス・工法の開発支援等を実施する。
5
2.省エネ基準の改正の概要
省エネルギー基準の見直しの必要性
 改正前の省エネ基準は、建物全体の省エネ性能を客観的に比較しにくいこと等から、一次エネルギー消費量を指標と
して建物全体の省エネ性能を評価できる基準に見直す必要。
改正前の省エネルギー基準の課題
 外皮の断熱性や設備の性能を建物全体で一体的に評価できる基準になっておらず、建築主や購入者等が
建物の省エネ性能を客観的に比較しにくい。
 住宅と建築物で省エネ性能を評価する指標や地域区分が異なる。
 省エネ効果以外にも、太陽光発電の設置による自家消費について積極的に評価する必要がある。
<建築物の基準特有の課題>
<住宅の基準特有の課題>
• 外皮の断熱性及び個別設備の性能を別々に評価する基準
となっており、建物全体で省エネ効果の高い取組を適切に評
価できない。
• 外皮の断熱性のみを評価する基準となっており、省エネ効
果の大きい暖冷房、給湯、照明設備等による取組を評価で
きない。
• 基準が「事務所」、「ホテル」など建物用途ごとに設定されて
いるため、複合建築物の省エネ性能を適切に評価できない。
• 一次エネルギー消費量による評価を行う住宅トップランナー
基準でも、120㎡のモデル住宅における省エネ性能しか評
価できない。
省エネルギー基準の見直しの方向性
 住宅と建築物の省エネ基準について、国際的にも使われている一次エネルギー消費量を指標として、同一の考え
方により、断熱性能に加え、設備性能を含め総合的に評価できる基準に一本化。
 その際、室用途や床面積に応じて省エネルギー性能を評価できる計算方法とする。また、太陽光発電の設置によ
る自家消費については積極的に評価する。
7
省エネルギー基準の見直しの全体像
●外皮の断熱性能及び設備性能を総合的に評価する一次エネルギー消費量を導入
(複合用途含め建築物全体の省エネ性能を比較することが可能)
●非住宅建築物の外皮基準をPAL*(パルスター)に見直し(一次エネルギー消費量基準と整合がとれた外皮基準)
●住宅の外皮基準を外皮平均熱貫流率(UA)等に見直し(住宅の規模・形状の影響を受けにくい基準。UA等の簡易計算法も策定。)
●簡易評価法・仕様基準を見直し(非住宅モデル建物法、住宅の外皮・設備の仕様基準等)
【性能基準(計算ルート)】
改正前(平成11年基準)
非
住
宅
建
築
物
PAL
外皮
空調
CEC/AC
空調※1
換気
CEC/V
換気
給湯
CEC/HW
給湯
照明
CEC/L
照明
昇降機
CEC/EV
昇降機
住宅
暖冷房
なし
換気
なし
給湯
照明
改正前
改正後(平成25年基準)
外皮
外皮 年間暖冷房負荷
または
Q値(熱損失係数)
μ値(夏期日射取得率)
【非住宅建築物の簡易評価法】
判断基準
外皮
PAL*(パルスター)
一次エネルギー消費量
ポイント法
モデル建物法
外皮
外皮
PAL*簡易評価法
空調
空調
換気
-
給湯
給湯
照明
照明
昇降機
-
UA値(外皮平均熱貫流率)
ηA値(冷房期の日射熱取得率)
給湯
改正前
なし
外皮の仕様
(共同住宅の共用部分については、昇降機も対象)
なし
(共同住宅の共用部分については、換気、照明、昇降機が対象)
設計施工指針
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
※1
仕様基準
一次エネルギー消費量
照明
一次エネ
簡易評価法
【住宅の仕様基準】
暖冷房※1
換気
改正後
簡易な
ポイント法
暖冷房:なし
改正後
仕様基準
(当分の間※2)
外皮の仕様※3
暖冷房設備の仕様
換気
:なし
換気設備の仕様
外皮 UA、ηA簡易計算法(部位別仕様表)
給湯
:なし
給湯設備の仕様
暖冷房※1等
照明
:なし
照明設備の仕様
外皮性能を考慮。
一次エネルギー消費量
※2 設計施工指針附則に規定。
※3開口部比率に応じて、基準値を見直し。
8
改正省エネ基準の施行スケジュール
H25/4/1
H25/10/1
H26/4/1
H27/4/1
非住宅
CEC
ポイント法・簡易なポイント法
(外皮・設備)
経過措置期間
廃止
経過措置期間
PAL
廃止
一次エネ通常計算法
施行
PAL*
施行
主要室入力法、モデル建物法
適用開始
住宅
経過措置期間
H11判断基準(Q値、μ値)
設計施工指針(仕様基準)
廃止
H25判断基準(U値、η値・一次エネ)
改正設計施工指針(部位別仕様表・H25仕様基準)
施行
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
※下線は、平成25年9月30日公布の改正事項
9
3.省エネ基準の改正(住宅)
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
10
住宅の省エネ基準の見直し【平成25年10月1日施行(経過措置1年6ヶ月)】
見直し後の省エネ基準
○一次エネルギー消費量に関する基準
○外皮の熱性能に関する基準
・ヒートショックや結露の防止など、居住者の健康に配
慮した適切な温熱環境を確保する観点から、現行省
エネ基準(H11基準)レベルの断熱性等を求める。
+
・断熱性能に関する指標を熱損失係数(Q値)から外皮
平均熱貫流率(UA値)へ変更
・日射遮蔽性能に関する指標を夏期日射取得率(μ値)
から冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)へ変更。
・外壁や窓の断熱性
・以下の設備の性能
・暖冷房
・給湯
・換気
・照明
・太陽光発電等による創エネルギーの取組
(参考)現行の省エネ基準
○昭和55年に制定され、平成4年、平成11年に順次強化
○外壁や窓の断熱性を仕様等により評価
●年間暖冷房エネルギー消費量※の試算
(GJ/年・戸)
30
天井断熱
180mm
25
28
20
南窓の軒
ひさし
外壁断熱
100mm
東西窓の
日除け
連続す
る防湿
気密層
床断熱
100mm
総合的に評価
窓は複層
ガラス
(可能なら
断熱サッシ)
Ⅳ 地域仕様
20
17
15
13
10
5
0
S55以前
S55基準
H4基準
H11基準
※国交省において、一定の仮定をおいて試算
11
住宅の省エネルギー基準等の改正(概要)
改正前
(平成11年基準)
Q値(熱損失係数)
μ値(夏期日射取得率)
設
備
-
一次エネルギー消費量
部位毎に仕様を設定
部位毎に仕様を設定
天井 :熱貫流率又は熱抵抗値
壁等 :熱貫流率又は熱抵抗値
開口部:熱貫流率(建物形状によらず一律)
④
天井 :熱貫流率又は熱抵抗値
壁等 :熱貫流率又は熱抵抗値
開口部:熱貫流率(開口部比率に応じた基準値注4)
設備毎に仕様を設定
-
従来の床面積当たりの熱損失量から、外皮表面積当たりの熱損失量(換気による熱損失量を除く)へ変更。
部位別仕様表は、低炭素建築物認定基準にも適用。
仕様基準は、低炭素建築物認定基準には適用せず、従来通り省エネ基準のみ適用。
開口部比率の大きい住宅では開口部の仕様を従来より強化等。
⑤
設
備
③
仕様基準注3
UA値、ηA値の簡易計算法
(部位別仕様表注2)
②
外
皮
外
皮
注1
注2
注3
注4
UA値(外皮平均熱貫流率)
ηA値(冷房期の平均日射熱取得率)注1
①
性能基準
(計算ルート)
改正後
(平成25年基準)
標準的な設備
又はこれと同等以上の設備
12
①-1一次エネルギー消費量による評価に加え外皮が満たすべき熱性能に関する基準
省エネ・低炭素
 外皮の熱性能に関する基準については、ヒートショックや結露の防止など、エネルギー消費量では評価されない適切な室内
温度分布の確保の観点から設け、これまでの熱損失係数(Q値)に基づく基準を外皮平均熱貫流率に基づく基準に見直す。
 住宅の省エネ基準適合率は住宅エコポイントにより、ようやく約5~6割に達したところであること、戸建住宅の約4割を供給
する中小工務店の適合率はその半分にも満たないと推測されることから、水準についてはH11基準程度とする。
改正後の熱性能基準(外皮平均熱貫流率UA値による基準)
従来の熱性能基準(Q値による基準)
 熱負荷(エネルギー負荷)の削減の観点から、Q値
(床面積あたりの熱損失量)による基準を採用。
 Q値を満たす標準的な仕様(設計、施工及び維持保
全の指針)を提示。
Q値 =
 一次エネルギー消費量の算定の過程において、熱負荷
(エネルギー負荷)の削減によるエネルギー消費量の削
減は評価されるため、外皮の熱性能に関する基準として
は、外皮平均熱貫流率による基準を採用。
総熱損失量
床面積
外皮平均
=
熱貫流率
UA値
.
●小規模住宅及び複雑な形状の住宅では、床面積に
対する外皮表面積の割合が大きいため、Q値を満た
すために30㎝超の断熱材の施工が必要となるケー
スもある。(現行基準は小規模住宅用の基準値を導
入)
外皮表面積
.
●外皮の断熱性を評価
する指標
●熱損失により必要となるエ
ネルギー量を評価する指標
課題
総熱損失量※
対応
●規模の大小や住宅の形状にかかわらず同一の基準値
(外皮平均熱貫流率)を適用。
●小規模住宅など、Q値を満たす断熱材の施工が困難な
場合には、設備による省エネで基準の達成が可能。
※ 換気及び漏気によって失われる熱量は含まない。
13
省エネ・低炭素
①-2外皮の熱性能に関する基準の見直し
 断熱性能に関する指標を床面積あたりの熱損失量である熱損失係数(Q値)から外皮表面積あたりの熱
損失量(換気による熱損失量を除く)である外皮平均熱貫流率(UA値)へ変更。
 日射遮蔽性能に関する指標を床面積当たりの日射熱取得量※である夏期日射取得係数(μ値)から外皮
表面積あたりの日射熱取得量※である冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)へ変更。
※ここでの日射熱取得量は単位日射強度あたりの日射熱取得量を示す。
【外皮の断熱等に関する基準の変更点】
暖房・冷房エネルギーの削減を効率的に行うため、地域の気候特性を踏まえ、これまでに蓄積された知見を基に、
外皮の断熱性能及び日射遮蔽性能に関する基準等を合理化する。
<現行の省エネルギー基準>
地域区分
( )内は旧分類
1
(Ⅰa)
2
(Ⅰb)
3
(Ⅱ)
4
(Ⅲ)
5
(Ⅳa)
6
(Ⅳb)
7
(Ⅴ)
8
(Ⅵ)
断熱性能(Q値)
○
○
○
○
○
○
○
○
日射遮蔽性能(μ値)
○
○
○
○
○
○
○
○
地域区分
( )内は旧分類
1
(Ⅰa)
2
(Ⅰb)
3
(Ⅱ)
4
(Ⅲ)
5
(Ⅳa)
6
(Ⅳb)
7
(Ⅴ)
8
(Ⅵ)
断熱性能(UA値)
○
○
○
○
○
○
○
-
日射遮蔽性能(ηA値)
-
-
-
-
○
○
○
○
<改正後の省エネルギー基準>
※1
※2
8(旧Ⅵ)地域においては、日射遮蔽性能の基準を満たすためには屋根面等での断熱は必要となり、一定の断熱性能を担保することができる。
1~4(旧Ⅰ~Ⅲ)地域においては、断熱性能の基準を満たすことで、 夏季における一定の日射遮蔽性能を満たすことができる。
14
②外皮の簡易計算法(部位別仕様表)について
省エネ・低炭素
外皮部位(建材の組み合わせ)について仕様表を定め、簡易計算による外皮性能の評価を可能とする。
①部位別仕様表
②部位面積・窓・ドアの数
図面から壁・天井・床の面積及び窓やドアの数をひろう。
各部位の一覧表から仕様番号をひろう。
U値
部位の層構成と仕様番号
WI-101 窓①
WI-102
WI-103・・・
窓① 南面:3窓
各方位合計 : 6窓
窓② 南面:2窓
各方位合計 : 4窓
4.65
金属サッシ+
複層ガラスタイプA
<面積:2.05㎡>
金属サッシ+
単板+単板
<面積:2.05㎡>
プラスチックサッシ+
Low-EタイプB
<面積:2.05㎡>
:
:
:
:
WI-301
WI-302
金属サッシ+
Low-E複層タイプA
<面積:3.0㎡>
金属サッシ+
複層ガラス
<面積:3.0㎡>
:
:
:
WL-101
WL-102
WL-103・・・
4.07
:
壁
0.53
③簡易計算
壁 南面:39.22㎡
各方位合計 : 151.72㎡
ドア : 1戸
電卓レベルの簡易な計算により外皮の熱性能の評価を行う。
×
×
×
×
×
×
(4.65)
×
-
※ηA値(平均日射熱取得率)についても、上記と同様の方法により計算可能。
(方位別係数を乗じる点が異なる。)
※窓やドアなど、オーダーメイド品を使用している場合は、窓の面積を入力して計算。
309.27
=
=
=
=
=
熱貫流量[W/K]
29.81
80.41
16.30
57.20
48.84
=
(3.24)
=
15.07
=
247.63
・
・
・
×
1戸
・
・
・
DR-220
部位面積[㎡]等
62.10
151.72
67.91
6窓 (12.3)
4窓 (12.0)
・
・
・
仕様番号 (熱貫流率[W/(㎡・K)] )
FL-105 (0.48)
WL-101 (0.53)
CL-110 (0.24)
WI-102 (4.65)
WI-303 (4.07)
・
・
・
合計
金属サッシ+
単板+単板
<面積:3.0㎡>
・
・
・
・
・
・
ドア①
WI-303・・・
・
・
・
・
・
・
部位
床
壁
天井
窓①
窓②
窓②
外皮平均熱貫流率=247.63÷309.27=0.80W/㎡・K < 0.87(東京の基準値)
15
【参考】部位別仕様表(設計施工指針 本則別表1~7)のイメージ
省エネ・低炭素
(例)
軸組の間に住宅用グラスウール24Kを85ミリ充填している場合・・・
熱抵抗値=材料の厚み÷グラスウール24Kの熱伝導率=0.085÷0.038=2.24 >2.2以上
外壁の熱貫流率:0.53の仕様条件を満たす。
→外壁の熱貫流率は計算を要せず0.53とできる。
【告示別表抜粋】
木造住宅 充填断熱工法の仕様例
部位
熱貫流率(単位 W/
㎡・K)(基礎につい
ては単位 W/m・K)
0.35
外壁
0.53
仕様の詳細
軸組の外側にRが1.3以上の断熱材(厚
さ25ミリメートル以上)を張り付け、
かつ、軸組の間にRが2.2以上の断熱材
(厚さ100ミリメートル以上)を充填し
た断熱構造とする場合
軸組の間にRが2.2以上の断熱材(厚さ
85ミリメートル以上)を充填した断熱
構造とする場合
断面構成図
断熱材 通気層
断熱材
内装下地材
通気層
断熱材
内装下地材
0.92
土壁(厚さ50ミリメートル以上)の外
側 で 軸 組 の 間 に R が 0.9 以 上 の 断 熱 材
(厚さ20ミリメートル以上)を充填し
た断熱構造とする場合
通気層
断熱材
土壁
告示に示す仕様例に限らず、様々な仕様について、この考え方を用いることが可能。
16
③-1床面積に応じた基準一次エネルギー消費量の算定方法
省エネ・低炭素
 既に一次エネルギー消費量による考え方が導入されている住宅トップランナー基準と異なり、床面積のばらつきの大きい注
文住宅等も対象とするため、住戸の床面積に応じて一次エネルギー消費量の基準値を設定する。
 基準値は原則として、延床面積または、「主たる居室」、「その他居室」、「非居室」の面積に応じて設定。
①延床面積(D)または、「主たる居室(A)」、「その他居室(B)」、「非居室(C)」の床面積を抽出。
分類
主たる居室
その他居室
非居室
室用途
床面積(㎡)
LDK
SA
寝室・子供室・和室等
SB
浴室・トイレ・洗面所・廊下・玄関等
SC
合計
S
1階平面図
2階平面図
②床面積あたりの基準一次エネルギー消費量に床面積を乗じて、各設備の基準一次エネルギー消費量を算定。
<基準一次エネルギー消費量の算定イメージ>
基準一次エネルギー消費量 = α×SA+β×SB+γ×SC 又は δ×S
α、β、γ、δ:床面積あたりの基準一次エネルギー消費量
SA、SB、SC、S:室ごとの床面積
17
省エネ・低炭素
③-2住宅の一次エネルギー消費量基準の考え方
 評価対象となる住宅において、①共通条件の下、②設計仕様(設計した省エネ手法を加味)で算定した値(設計一次エネル
ギー消費量)が、③基準仕様で算定した建築設備(暖冷房、換気、照明、給湯)に係る一次エネルギー消費量に、家電等に係
る一次エネルギー消費量を足した値(基準一次エネルギー消費量)以下となることを基本とする。
<住宅の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー>
①共通条件(地域区分、床面積等)
暖冷房エネルギー消費量
EsAC
C
+
EsV
EV
③基準仕様
+
照明エネルギー消費量
EsL
EL
換気エネルギー消費量
照明エネルギー消費量
+
EsH
EH
+
家電等エネルギー消費量※1
給湯エネルギー消費量
<負荷の削減>
•外皮の断熱化
•日射の遮蔽・取得
•通風利用
•躯体蓄熱
•熱交換換気の採用
•調光
•照明制御
•節湯型器具の採用
•浴槽の断熱化
•太陽熱温水器の設置
+
EM
EM
家電等エネルギー消費量※1
-
太陽光発電による再生可能エ
ES ネルギー導入量等※2
基準一次エネルギー消費量
<効率化>
+
+
+
給湯エネルギー消費量
②設計仕様 (省エネ手法を加味)
暖冷房エネルギー消費量
設備効率の向上
換気エネルギー消費量
EA
EsT
ET 設計一次エネルギー消費量
•家電等は、省エネ手法を考慮しない。
<エネルギーの創出>
•太陽光発電設備等の設置
EsT ≧ ET
※1 家電及び調理のエネルギー消費量。建築設備に含まれないことから、省エネルギー手法は考慮せず、床面積に応じた同一の標準値を設計一次エネルギー消費量及び基準一次エネルギー消費量の両方に使用する。
18
※2 コージェネレーション設備により発電されたエネルギー量も含まれる。
③-3設計一次エネルギー消費量の算定におけるエネルギー利用効率化設備による発電量の評価
省エネ・低炭素
 住宅・建築物におけるエネルギーの効率的利用に資する取組を評価する観点から、エネルギー利用効率化設備(太陽光
発電等)による発電量のうち自家消費相当分のみを一次エネルギー消費量から差し引くこととする。
<太陽光発電設備による発電量の評価の場合>
①建築設備・家電等の一次エネルギー消費量合計を算定
①太陽光発電を考慮しない場合の一次
エネルギー消費量の合計
建築設備(暖冷房・換気・照明・給湯・昇降
機)に係る一次エネルギー消費量
外皮の断熱性や設備性能を評価して算定
②太陽光発電量
+
その他の機器(家電・OA機器等)に
係る一次エネルギー消費量
床面積や室用途に応じ自
動的に算定
②太陽光発電量を算定
地域ごとの日射量、パネルの角度、発電効率等により発電量を算定
③自家消費分を算定
<非住宅建築物の場合>
売電をする場合は自家消費量を0とし、売電をしない場合は
100%自家消費するものとする。
③自家消費分※
※建築物における創エネ
分としてカウント
売電分
<住宅の場合>
住宅ごとに時間帯別の発電量と消費量を算出し、自家消費
分を算出
太陽光発電量
電力消費量
④一次エネルギー
消費量
④ ①から③を差し引いて一次エネルギー消費量を算定
19
③-2計算支援プログラム(住宅用Webプログラム)について
省エネ・低炭素
入力画面
出力画面
一次エネルギー消費量の表示
20
省エネ
④-1仕様基準の見直し(外皮)の概要
 同じ仕様であっても、建物の形状や規模などにより外皮平均熱貫流率(UA値)は異なる。
 開口部は他の部位に比べ熱貫流率が大きく、開口部比率がUA値に与える影響は大きい。
外皮平均熱貫流率(UA値)と開口部比率の関係について
熱貫流率(W/㎡・K)
5.0
現行仕様基準の仕様
を当てはめた場合
4.0
3.0
<開口部比率が10%の場合>
UA値:0.85W/㎡・K(H25基準達成)
開口部比率が大きくなる
と、UA値も大きくなる。
2.0
1.0
UA基準値:0.87W/㎡・K
<開口部比率が12%の場合>
UA値:0.93W/㎡・K(H25基準未達成)
0.0
天井
床
壁
開口部
【現行の仕様基準における熱貫流率の基準値(6地域)】
<モデルケース>
地域:6地域
延べ面積:120.08㎡
構造:木造住宅
外皮等面積の合計:312.80㎡
天井面積:67.91㎡
床面積:65.42㎡
壁と開口部の合計面積:176.99㎡
土間床の周長(外気):3.185m
土間床の周長(その他):3.185m
<参考>
開口部面積の合計
開口部比率 =
開口部面積の合計+ 躯体部面積の合計 [=外皮等面積の合計]
赤の網掛部:躯体部
青の網掛部:開口部
【立体図】
※屋根断熱の場合
【展開図】
21
省エネ
④-2仕様基準の見直し(外皮)の概要
<見直し後の仕様の考え方>
 現行の仕様基準における仕様をベースに作成。
 開口部比率に応じて、それぞれの仕様を設定。
平成11年仕様基準
適用範囲
見直し後の仕様基準(外皮)
開口部比率大→開口部仕様を強化する
現行の仕様基準と同じ
すべての住宅
開口部比率小→開口部仕様を緩和できる
H11年仕様基準の適用範囲イメージ図
見直し後の仕様基準の適用範囲イメージ図
※一定の開口部比率を超える場合又はRC造等で下階が住戸や
地下ピット以外に面している場合は適用対象外
基準
・各部位の熱貫流率又は断熱材の熱抵抗値
・夏期日射侵入率
・各部位の熱貫流率又は断熱材の熱抵抗値
・冷房期の日射熱取得率
適用条件
・基準値は住宅形状に関わらず一律で設定。
・基準値は、住宅形状のうち開口部比率に応じて
設定
緩和規定
・天井又は屋根、壁、床、開口部等に関する
トレードオフルールあり
・トレードオフルールなし
→トレードオフができる簡易な計算法(部位別仕様表)
を用意。
22
省エネ
④-3見直し後の外皮仕様の概要②
 開口部比率の条件は、地域区分ごとに戸建住宅と共同住宅等でそれぞれ設定。
 開口部比率に応じて、3つの区分(緩和、現行、強化)を設定し、それぞれの区分ごとに開口部の性能を定める。
<仕様の区分と開口部比率の条件について>
住宅の種類
仕様の区分
地域の区分
1、2及び3
戸建住宅
共同住宅等
8
緩和仕様
7%未満
8%未満
8%未満
現行仕様
7%以上9%未満
8%以上11%未満
8%以上11%未満
強化仕様
9%以上11%未満
11%以上13%未満
11%以上13%未満
緩和仕様
5%未満
5%未満
5%未満
現行仕様
5%以上7%未満
5%以上7%未満
5%以上7%未満
強化仕様
7%以上9%未満
7%以上8%未満
7%以上8%未満
<開口部比率に応じた熱貫流率の基準値>
熱貫流率の基準値
分
(単位 1 平方メートル1 度につきワット)
3
5,6及び
○各部位の仕様※
8
天井 :0.24W/㎡・K以下
壁
:0.53W/㎡・K以下
床
:0.48W/㎡・K以下
開口部:4.07W/㎡・K以下
地域の区分
4
【6地域戸建木造住宅の例】
開口部比率: 12% の住宅の場合
仕様の区
1、2及び
4、5、6及び7
7
緩和仕様
2.91
4.07
6.51
-
現行仕様
2.33
3.49
4.65
-
強化仕様
1.90
2.91
4.07
-
開口部比率が大きいため、現行
の仕様基準の基準値より強化
開口部比率によらず
現行の仕様基準の基準値と同じ
<開口部仕様強化の一例>
金属製サッシ+複層ガラス(A6)
↓
金属製サッシ+Low-E複層(A6)
※具体の仕様(断熱材種類と厚さ等)に係る簡易なチェックシートも作成予定。
23
省エネ
⑤仕様基準の見直し(設備)の概要
 暖冷房、換気、照明、給湯でそれぞれ一定以上の省エネルギー性能の機器を採用していること。
 外皮基準(建築主の判断基準又は設計施工指針の見直し後の仕様)を満たしていることを条件とし、さらに、住戸の形状に
よっては、当該機器を採用した場合に基準一次エネルギー消費量を満たさない場合があるため、単位床面積あたりの外皮
等の面積に一定の制限を設ける。
<設備の仕様の概要>
一次エネルギー消費量の基準値を設定した際の標準設備と省エネ性能が同等以上の設備を設置すること。
一次エネルギー消費量の基準値を設定した際に想定した設備仕様※
【冷房】 ルームエアコンディショナーで冷房エネルギー消費効率が以下の式
により算出される数値以上であること
冷房エネルギー消費効率 = -0.504×冷房能力(kW) + 5.88
【暖房】 石油温水式パネルラジエータで、石油温水機器のエネルギー消費
効率が83.0%以上であり、かつ配管に断熱被覆があるもの
【照明】 非居室に白熱灯、又はこれと同等以下の性能の照明設備を採用し
ないこと
【換気】 比消費電力が、0.3 W/㎥・h 以下であること
標準設備と省エネルギー性能が同等以上の設備
(給湯の例)
石油給湯器で、エネルギー消費効率81.3%以上
であるもの
又は
ガス給湯器でエネルギー消費効率が83.5%以上
であるもの
又は
電気ヒートポンプ式給湯器でエネルギー消費効率
が2.9以上であるもの
【給湯】 石油給湯器で、エネルギー消費効率81.3%以上であるもの
※戸建住宅、120㎡、地域区分:1地域、暖房方式:居室連続運転の場合。
24
⑥住宅の省エネルギー基準等に係る評価方法選択フロー
H11
建築主の
判断基準
or
年間暖冷房負荷
夏期日射取得係数μ
熱損失係数Q
or
(外壁等の各部位の断熱性能)
各部位の熱貫流率U
or
各部位の断熱材の熱
抵抗R
設計・施工
指針
(開口部の断熱性能)
(開口部の日射遮蔽性能)
開口部の熱貫流率U
or
断熱性能に係る建具
の種別とガラスの種別
の組み合わせ
全窓の平均夏期日射侵入率η
or
ガラス、付属部材、ひさし、軒の
組み合わせ
H25
建築主の
判断基準
外皮平均熱貫流率UA
一次エネルギー消費量
冷房期の平均日射熱取得率ηA
簡易計算(部位別仕様表)
一次エネルギー消費量
簡易計算法 *低炭素認定基準にも適用可能
or
設計・施工
指針
冷房期の平均日射熱取得率ηA
本則
外皮平均熱貫流率UA
簡易計算(部位別仕様表)
熱貫流量q
自動計算
or
日射熱取得量mC・mH
自動計算
附則(当分の間)
外皮の仕様基準
(外壁等の各部位の断熱性能)
各部位の熱貫流率U
or
各部位の断熱材の熱
抵抗R
設備の仕様基準
(開口部の断熱性能)
(開口部の日射遮蔽性能)
開口部の熱貫流率U
ガラス、付属部材、ひさし、
軒の組み合わせ
各設備の効率
設備毎(暖冷房、換気・照明・給
湯)に標準的な設備効率等
を規定
※開口部の断熱性能等については、開口部比率等に応じた適正化のため、一部見直し
25
緑字がH25.1改正
赤字がH25.9改正
住宅 施行スケジュール
H25/4/1
外皮
H25/10/1
H26/4/1
H27/4/1
廃止
経過措置(新築・改築は1年半)
廃止
経過措置(改修等は当分の間)
経過措置(新築・改築は1年半)
施行
経過措置(改修等は当分の間)
判断基準
(Q値、μ値)
H
1
1
準拠して
定める
設計施工指針
(仕様基準)
判断基準
(U値、η値)
H
2
5
公布
設計施工指針
(部位別仕様表) ※低炭素認定基準
にも活用
準拠して
定める
施行
設計施工指針
(新仕様基準)
設備・一次エネ
施行
公布
施行
完全施行
完全施行
当分の間
完全施行
判断基準
H
2
5
準拠して
定める
設計施工指針
(新仕様基準)
施行
当分の間
26
【参考】 評価手法の一覧(まとめ)
下線は、低炭素認定基準で適用可能な手法
建築主の判断基
(告示の特別な調査・
準(告示)
研究に基づく計算※)
外皮
UA値、ηA値
-
設備
一次エネルギー
消費量計算
-
外皮
PAL*
住
宅
非
住
宅
設備
一次エネルギー
消費量計算
設計・施工指針
(告示の本則)
UA値、ηA値
(部位別仕様表を
用いた簡易計算)
(判断基準同様)
(告示の附則)
部位毎の外皮仕様
設備毎の仕様
モデル建物法(PAL*)
(5,000㎡以下)
主要室入力法
モデル建物法(一次エネ
ルギー消費量)(5,000㎡以下)
BEST
※省エネ判断基準告示及び低炭素認定基準告示に記載の「特別な調査又は研究の結果に基づき、非住宅建築物が外壁、窓等を通しての熱の損失
の防止に関し、1-3に定める方法による計算による場合とおおむね同等以上の性能を有することを確かめることができる計算」、「特別な調査又は
研究の結果に基づき、2-2及び2-3に定める方法による計算と同等以上に当該非住宅建築物がエネルギーの使用上効率的であることを確かめる
ことができる計算」のこと
27
4.低炭素建築物認定基準の概要
都市の低炭素化の促進に関する法律(通称:エコまち法)概要(平成24年12月施行)
背 景
東日本大震災を契機とするエネルギー需給の変化や国民のエネルギー・地球温暖化に関する意識の高揚等を踏まえ、市街化区域等
における民間投資の促進を通じて、都市・交通の低炭素化・エネルギー利用の合理化などの成功事例を蓄積し、その普及を図ると
ともに、住宅市場・地域経済の活性化を図ることが重要
法律の概要
●基本方針の策定(国土交通大臣、環境大臣、経済産業大臣)
●民間等の低炭素建築物の認定
●低炭素まちづくり計画の策定(市町村)
【認定低炭素住宅に係る所得税等の軽減】
居住年
所得税(ローン減税)
最大減税額
引き上げ(10 年間)
所得税
(投資型)
最大減税額
H25年~
H26年3月
300万円
(一般200万円)
-
H26年4月~
H29年
500万円
(一般400万円)
65万円
都市機能の集約化
登録免許税率引下げ
(~H26年3月)
保存登記
移転登記
0.1%
(一般
0.15%)
0.1%
(一般
0.3%)
○病院・福祉施設、共同住宅等の集約整備
民間事業の認定制度の創設
○民間等による集約駐車施設の整備
建築物の新築等時の駐車施設附置義務の特例
○歩いて暮らせるまちづくり
公共交通機関の利用促進等
○バス路線やLRT等の整備、共同輸配送の実施
バス・鉄道等の各事業法の手続特例
○自動車に関するCO2の排出抑制
(歩道・自転車道の整備、バリアフリー化等)
【容積率の不算入】
低炭素化に資する設備(蓄電池、蓄熱槽等)について通常の
建築物の床面積を超える部分
【認定のイメージ】
〈戸建住宅イメージ〉
天井断熱
180mm
暖冷房は
エアコン
外壁断熱
100mm
東西窓
の日除け
床断熱
100mm
緑・エネルギーの面的管理・利用の促進
太陽光発電パネル
南窓の
軒ひさし
建築物の低炭素化
+
○民間等の先導的な低炭素建築物・
住宅の整備
窓は複層ガラス
(可能なら断熱
サッシ)
○NPO等による緑地の保全及び緑化の推進
樹林地等に係る管理協定制度の拡充
○未利用下水熱の活用
民間の下水の取水許可特例
○都市公園・港湾隣接地域での太陽光発電、蓄電池等の設置
占用許可の特例
高効率給湯器
等
29
低炭素建築物認定基準と認定状況
 省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が△10%以上となること。
 その他の低炭素化に資する一定の措置が講じられていること。
選択的項目
定量的評価項目(必須項目)
低炭素化に資する以下の8つの措置のうち、2項目以上を講じて
いること。
○外皮の熱性能に関する基準
・ヒートショックや結露の防止など、居住者の
健康に配慮した適切な温熱環境を確保する
観点から、現行省エネ基準(H11基準)レベル
の断熱性等を求める。
(省エネ法の省エネ基準と同水準)
○一次エネルギー消費量に関する基準
■HEMS等の導入
・HEMS又はBEMSの設置
・再生可能エネルギーと連系した蓄電池の設置
+
■節水対策
・節水に資する機器(便器、水栓など)の設置
・雨水、井戸水又は雑排水の利用のための設備の設置
■躯体の低炭素化
・住宅の劣化の軽減に資する措置
・木造住宅又は木造建築物である
・高炉セメント又はフライアッシュセメントの使用
・省エネ法の省エネ基準に比べ、
一次エネルギー消費量(家電等のエネルギー
消費量を除く)が、△10%以上となること。
■ヒートアイランド対策
・一定のヒートアイランド対策(屋上・壁面緑化等)の実施
10%
認定状況
400
300
224
200
152
100
省エネ法の
省エネ基準
低炭素基準
0
16
1月
29
2月
93
3月
一戸建ての住宅
2
98
4月
共同住宅等の住戸
認定対象
合計
一戸建て
522件
127
159
共同住宅
452件
5月
6月
合計
974件
74
30
低炭素建築物認定基準の施行スケジュール
H24/12/4
H25/10/1
全体
H26/4/1
H27/4/1
非住宅
一次エネ基準
施行
経過措置期間
外皮基準(PAL)
廃止
施行
外皮基準(PAL*)
施行
一次エネ簡易入力法(主要室入力法)
適用開始
住宅
外皮基準(U値、η値)
一次エネ基準
施行
外皮の簡易計算法(部位別仕様表)
施行
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
※下線は、平成25年9月30日公布の改正事項
31
【参考1】 省エネ基準の改正に伴う住宅性能表示制度の見直し
省エネ基準改正に伴う住宅性能表示制度の見直し(案)
■住宅性能表示制度(2000年~)
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、共通のルール・基準により、公正中立な第三者機
関が設計図書の審査や施工現場の検査を経て等級などで評価する制度
2000年10月より運用開始(新築住宅)され、累計 200万戸強が利用
※2012年度実績:20万戸強(全住宅着工の約23%)
●住宅の性能評価項目のイメージ
【温熱環境性能の改正案】 (パブコメ内容)
10分野32項目について
等級等による評価等を行う。
5 温熱環境・エネルギー消費量に関すること
⑤
5-1 断熱等性能等級
5-2 一次エネルギー消費量等級
等級5【低炭素基準相当】
等級4【H25基準相当】
⑧
⑥
⑦
等級4【 H25 基準相当 】
等級3【H4基準相当】
②火災時の安全
等級2【S55基準相当】
その他(等級1)
その他(等級1)
⑩防犯
※H25改正省エネ基準の指標に併せて変更
⑨
①構造の安定
③
④ 維持管理・更新への配慮
等級4のみ数値の併記可
(●W/㎡・K など)
等級5のみ数値の併記可
(●MJ/年・㎡など)
※長期優良住宅については現行の基準(外皮のみ)を維持。
33
【参考2】 省エネ基準改正に伴う省エネ措置の届出様式の扱い
適用する基準に対応する届出様式(平成25年10月1日~)
供非
す住
る宅
部の
分用
途
に
供
す
る
部
分
住
宅
の
用
途
に
PAL + CEC
様式①
H26.3.31まで
PAL + 一次エネ
様式②
H27.3.31まで
PAL*注1 + 一次エネ注2
様式③
H26.4.1~
年間暖冷房負荷/Q値・μ値
/H11仕様基準注3
様式①
H27.3.31まで
様式②
H25.10.1~
H27.3.31まで
様式③
H26.4.1~
様式②’
H25.10.1~
UA値・ηA値 + 一次エネ
H25仕様基準(附則)注4
① H22年 4月1日版
② H25年10月1日版
②’ H25年10月1日版附則様式
[③ H26年 4月1日予定版(PAL*対応版)]
注1:モデル建物法(PAL*)を含む
注2:主要室入力法、モデル建物法(一次エネ)を含む
注3:住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針
(平成18年国土交通省告示第378号)
注4:住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針
(平成25年国土交通省告示第907号)
注:新築・改築以外の届出を行う場合は、上記の経過措置期間に関係なく適用した基準に対応した様式を使用すること
複合建築物において適用する届出様式の組合せ(平成25年10月1日~)
住宅の用途に供する部分
非
住
宅
の
用
途
に
供
す
る
部
分
[~H27.3.31]
年間暖冷房負荷/Q値・
μ値/H11仕様基準注3
[H25.10.1~]
UA値・ηA値+一次エネ
ルギー消費量
[H25.10.1~]
H25仕様基準(附則)注4
[~H26.3.31]
PAL+CEC
[~H26.3.31]
①
[H25.10.1~H26.3.31]
非住宅部分:①
住宅部分:②
[H25.10.1~H26.3.31]
非住宅部分:①
住宅部分:②’
[(H25.4.1)~H27.3.31]
PAL+一次エネルギー
消費量
[H25.10.1~H27.3.31]
非住宅部分:②
住宅部分:①
[H25.10.1~H27.3.31]
②
[H25.10.1~H27.3.31]
非住宅部分:②
住宅部分:②’
[H26.4.1~]
PAL*注1+一次エネル
ギー消費量注2
[H26.4.1~H27.3.31]
非住宅部分:③
住宅部分:①
[H26.4.1~]
③
[H26.4.1~]
非住宅部分:③
住宅部分:②’
① H22年 4月1日版
② H25年10月1日版
②’ H25年10月1日版附則様式
[③ H26年 4月1日予定版(PAL*対応版)]
注1:モデル建物法(PAL*)を含む
注2:主要室入力法、モデル建物法(一次エネ)を含む
注3:住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針
(平成18年国土交通省告示第378号)
注4:住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針
(平成25年国土交通省告示第907号)
注:新築・改築以外の届出を行う場合は、上記の経過措置期間に関係なく適用した基準に対応した様式を使用すること
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