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②「B 量と測定」
②「B 量と測定」 □ 1 H26 全国学力・学習状況調査【小学校 算数】 現状 異種の二つの量の割合 「算数A4(1)」は、「二つの数量の関係につい ◆ 算数A4(1) 率 て、単位量当たりの大きさを調べる場面と図とを H26 県 早期対応の正答率 82.0 関連付けることができるかどうかをみる問題」で H25 類似問題 50.2 ある。 「算数A4(2))」は、 「単位量当たりの大きさ 標準通過率(SPEC) の求め方を理解しているかどうかをみる問題」であ ◆ 全国正答率 算数A4(2) 80.0 率 る。H25 の類似問題よりも、(1) (2)ともに問い方 H26 県 早期対応の正答率 62.3 が平易であり、難度は低いと思われるが、(1)では、 H25 類似問題 50.2 問題場面と図を関連付けて考えられないことによ 標準通過率(SPEC) 全国正答率 60.0 る誤答、(2)では、1m2当たりの人数を、「面積÷人数」と捉え、人数を単位量として一人当たりの面 積を求める式を記述してしまう誤答が予想される。 4 2 【H25 類似問題】 判断の根拠の説明 算数B3(3)は、「示された情報を基に必要な量 ◆ 算数B3(3) 率 と残りの量の大小を判断し、その理由を言葉と数 H26 県 早期対応の正答率 38.0 を用いて記述できるかどうかをみる問題」である。 類似問題等 なし 30 人または 40 人に必要なスープの量と 10 人 標準通過率(SPEC) 40.0 に分けた後または分ける前のスープの量の大小を判断し、その理由を記述することが求められている。 算数の記述式の問題は、 「事実」 「方法」 「理由」の 3 つに大別されるが、本問題は、 「理由」を記述す る問題である。県早期対応の正答率は、40%を下回り、 「理由」の記述について、課題がある。正答3 を選んだ解答は少なくないが、30 人に必要なスープの量のみを書き、10 人に分けた後のスープの量 と比較していないなど説明不足の誤答が多いことが予想される。 51 3 □ 1 【正答の条件】 対策 2つの量の割合を調べるために、問題の状況を理解できるようにする。また、単位量にする量を明 確にして、立式することができるようにする 「算数A4」では、1m2当たりの人数を調べるために、示された人数と面積の関係を正しく読み取 り、問題の状況を示した図と適切に対応付けることを求めている。指導に当たっては、読み取った人数 と面積の関係を図に表す活動を取り入れることが考えられる。 また、単位量当たりの大きさを用いて異種の2つの量の割合を表すためには、問題場面に応じて、2 つの量のどちらを単位量とするかについて的確に判断して立式することが大切である。指導に当たって は、例えば、「算数A4」の問題場面を、下のような図に表し、単位量を判断して立式することが考え られる。図に表すことで、二つの量のうち、どちらを 単位量にするのかが明らかになる。このように、「面 積を単位量にして1m2当たりの人数を求めるのか」、 または「人数を単位量にして一人当たりの面積を求め るのか」を捉えた上で立式することが大切である。 2 比較する対象を明確にして説明することができるようにする 「算数B3(3)」では、30 人に必要なスープの量と 10 人に分けた後のスープの量を比較して、スー プが残ることを説明する必要がある。そのためには、30 人に必要なスープの量6Lと、10 人に分け た後のスープの量7Lとを比較し、1L残ることを記述することが必要である。指導に当たっては、例 えば、 「算数B3(3)」を用いて、 「10 人分のスープの量は2Lで、30 人に必要なスープの量は6Lだ から、分けることはできるが、残る」のような、不充分な説明を基に、説明として何が不足しているの かについて個々が考え、記述した上で他者との関わりの中で課題に応じた説明へと洗練する活動を取り 入れることが考えられる。 根拠として必要な要素を全て入れて説明するためには、話合い活動で終わってしまう指導から脱却し、 「書く」場面を適切に設け、他者との関わりや自己の振り返りによって、記述したことを洗練させてい く活動が大切である。 52