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参照用デジタル医用画像表示ソリューション FVT200

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参照用デジタル医用画像表示ソリューション FVT200
参照用デジタル医用画像表示ソリューション
FVT200
FVT:ファイン・ビュー・テクノロジー製品
1.
はじめに
㈱リアルビジョンは、デジタル医用画像による診断や参照を目的とした、パソコン用の表示ボー
ドを供給してきました。これらの製品技術をベースとして開発された FVT200 は、参照用に低価
格なデジタル医用画像表示システムを実現するための製品です。
電子カルテシステムが、病院や診療所など医療現場で広範に使用されるようになってきています。
また医用画像のデジタル化に伴い、外来や病棟での患者への説明や、インフォームド・コンセン
トを行うために画像診断の結果をデジタル表示することが一般化しています。しかし現状では、
精度が悪く、調整されていない IT パソコン用モニタが多く使用されています。台数の多いこれら
参照用のシステムに、高価な診断用に使用される医用画像表示用の高解像度モニタを使用するこ
とは現実的ではありません。FVT200 は、既に使用されている IT パソコン用モニタの表示精度を
向上させ、医用グレードの表示を参照用システムでも実現します。また新規導入に際しても、比
較的低価格での医用画像表示システム構築が可能となります。
図 1−1 に FVT200 の筐体写真を示します。
図 1−1.
2.
FVT200 の筐体写真
FVT200 の特徴
FVT200 は、以下の主要機能を持っています。
−多階調化
−キャリブレーション
−ユニフォーミティ補正
−QC テスト
−プリセット可能な 4 種類のガンマ補正
2−1.
FVT200 の使用形態
図 2 は、FVT200 の接続図です。FVT200 は、パソコン本体とデジタル LCD モニタの中間に位置
するボックス製品で、DVI ケーブルで接続されます。また、パソコン本体上で動作するモニタ管
理ソフトや、ビューワーとの通信を行うために、USB インタフェイス(USB2.0)を使用する場
合があります。電源は、AC アダプタあるいは USB ケーブルで供給されます。
図 2−1.
2−2.
FVT200 を使用した場合の構成図
多階調化機能
通常の LCD モニタの表示階調(RGB 各 8 ビット入力)をインタフェイスは 8 ビットのままで 10
ビット相当の表示階調に拡張して表示する機能です。図 2−2 に示されているように、FVT200 で
は、標準の IT モニタ上で多階調化(よりスムースな輝度表示)を実現することにより、医用画像
の参照における識別性を改善します。
図 2−2 多階調化機能の効果
2−3 輝度のキャリブレーション機能
LCD モニタの輝度特性を補正する機能で、FVT200 に内蔵される 10 ビット出力のルックアップ・
テーブルにより行います。
診断用に使うモニタは DICOM (Digital Imaging and Communications in Medicine) で標準化され定
義されている GSDF (グレースケール標準表示機能) といわれる輝度カーブに校正されているのに対し
て、一般的な IT モニタは Gamma2.2 といわれる輝度カーブが標準設定とされています。すなわち通常
の IT モニタを使用した場合には、そもそも輝度カーブの設定がずれているのです。これでは、せっかく病
院内を IT 化して医療画像のオンライン化ができても、結局フィルムにプリントして画像を参照することに
なりかねません。この問題を解決するため、医療画像を表示するモニタは輝度カーブを DICOM GSDF
に合わせる必要があります。
無償ダウンロードが可能な LumiCal Advanced for FVT を使用することで、個々の LCD モニタに
対応したモニタ・キャリブレーションを行うことが可能です。個々の LCD モニタに対応したプリ
セット機能用のキャリブレーション・データを用意し、FVT200 にダウンロードしておくことに
より、容易に DICOM 標準に準拠した医用画像表示が出来ます。図 2−3 に、キャリブレーション
を行った場合と、行わなかった場合で、定められた輝度カーブに対してどの程度の相違が見られ
るかを示します。キャリブレーションを行うことにより、必要とされる輝度カーブへの収束性が
大幅に向上し、正確な参照を行う基礎を作ります。
図 2−3 キャリブレーション機能の効果
2−4.
ユニフォーミティ補正機能
LCD パネルの輝度特性は、中央部と四隅で大きく異なるなど、パネル上の位置によってばらつき
がありますが、このばらつきを低減しパネル上の位置によらず均一な輝度特性を実現するための
機能がユニフォーミティ補正機能で、LumiCal Advanced for FVT を使用して実行されます。特に
最近急速に普及しつつある横長モニタや大型かつ高解像度の LCD モニタでは、LCD パネルの外
周部分(四隅)での輝度低下が発生する場合があり、これを中央部分の輝度と補正する必要があ
ります。図 2−4 にユニフォーミティ補正の効果を示します。
図 2−4 ユニフォーミティ補正機能の効果
2−5.
QC テスト対応
LumiCal Advanced for FVT は、AAPM TG18/DIN/JESRA 標準に基づく QC テストの機能が用意さ
れており、モニタ全体の画質の評価を行うことが出来ます。QC テスト対応については、次の項
においてより詳細に説明します。
2−6.
プリセットされた 4 種類のガンマ補正機能
FVT200 には、医用画像表示に最適化された 3 種類のプリセットされたガンマ補正データを内蔵
しており、ディップスイッチによりこれらを切り替えて使用することが出来ます。3 種類のデー
タは、DICOM/6500 度 K と、DICOM/ブルーベース、DICOM/クリアベースです。さらにプリセッ
トデータとして、あらかじめ計測された、個々の LCD モニタに対応したガンマ補正データを内蔵
することも可能です。プリセットされたデータを使用することにより、最も容易に DICOM 標準
の輝度カーブに近い表示を LCD モニタ上で行うことが可能となります。図 2−5 にプリセットデ
ータによる表示の相違を示します。
図 2−5 プリセットデータによる色温度調整
3.
FVT200 のソフトウエア・サポート
FVT200 は、単なるハードウエア製品ではありません。機能的な拡張が可能なドライバソフトウ
エアや、ミドルウエア、アプリケーションソフトを組合わせた医用表示ソリューションを提供す
る製品です。無償で提供され、必要に応じて使用することが可能な、モニタ管理ソフトや、簡易
DICOM ビューワー、Windows 上のユーティリティソフトとの組合せにより、医用画像表示環境
を一元的にサポートします。
3−1 モニタ管理ソフト(LumiCal Advanced for FVT)
LumiCal Advanced シリーズ は、㈱リアルビジョンが供給する医用画像表示用グラフィックス製
品(VREngine シリーズ、FVT シリーズ)用に開発された、モニタ及びネットワーク管理のため
のソフトウエアです。医療用モニタの分野では同じ画像を違った場所や、違った時間に表示させ
ても、常に最高の品質で診断が行えるよう、表示する画像を常に高い精度で再現することが必要
です。また病院などでは、多くの台数の医療用モニタが同じ品質で表示を行えるとともに、問題
が生じていないかなどを監視することも必要とされます。LumiCal Advanced for FVT は、FVT200
のユーザーが無償で使用できるよう、ネット配布されるソフトウエアで、FVT200 のハードウエ
アに対応して動作します。LumiCal Advanced シリーズ は、以下の機能を有しています。
−グレースケール画像のキャリブレーション(DICOM キャリブレーション)
−ユニフォーミティ試験(均一性試験)
−コンフォーマンス試験(適合性試験)
−QC テスト
−ユーザーの設定による自動キャリブレーション
−ネットワーク管理
ここでは、この中から最近特に注目されている QC テストについて説明します。図 3−1 に LumiCal
Advanced シリーズを使用したモニタ管理環境のイメージを示します。
注)LumiCal Advanced for FVT にはネットワーク管理機能は含まれません。ネットワーク管理機
能を使用するためには、製品版(LumiCal Advanced Server)の購入が必要となります。
図 3−1 モニタ管理環境
3−2 QC テスト
病院や診療所で使用されている LCD モニタが、医用画像を見るのに適しているかを客観的に判断
する必要があります。DICOM では輝度応答特性として GSDF の規定をしていますが適合性に関
する基準は決められていません。そこで各国の各団体でさまざまな規格がまとめられてきました。
日本では JIRA(日本画像医療システム工業会)から JESRA X-0093 として医用画像表示用モニタ
の品質管理に関するガイドラインが発行されています。LumiCal Advanced シリーズには、AAPM
TG18/DIN/JESRA 標準に基づく QC テストの機能が用意されており、モニタ全体の画質の評価を
行うことが出来ます。モニタの品質管理は大きく分けて受け入れ試験と普遍性試験に分けられま
す。JESRA X-0093 の場合、受け入れ試験は、目視検査項目として、全体評価、グレースケール、アー
チファクト、測定検査項目として、輝度均一性、コントラスト応答、最大輝度、輝度比、色度があります。
LumiCal Advanced for FVT は、FVT200 とともに使用される、通常の IT モニタが、医用画像の表示に
適するよう、標準に従い QC テストの機能を提供します。
■受入れ試験(アクセプタンス・テスト)
受け入れ試験は、目視検査項目として、全体評価、グレースケール、アーチファクト、測定検査
項目として、輝度均一性、コントラスト応答、最大輝度、輝度比、色度があります。医用画像表
示用モニタを運用する上でより重要なのは普遍性試験です。LCD モニタは CRT モニタに比較し
て品質が安定して、理論上解像度の劣化がおこることはありません。しかし、バックライトにつ
いては近年長寿命化が図られてはいますが、経年使用によって輝度の低下が発生します。DICOM
GSDF は絶対的な輝度に対してグレースケールの階調を規定しているため、輝度の低下は DICOM
GSDF への適合性の問題を引き起こします。バックライトセンサを搭載して輝度が一定になるよ
うに制御しているモニタの場合、1 年に一度は測定を含む普遍性試験を実施することがガイドラ
インで定められています。バックライトセンサがない場合は 6 ヶ月に一度測定する必要がありま
す。
■普遍性試験
より重要なのは日々の普遍性試験です。JESRA X-0093 では日々の普遍性試験として目視による
全体評価を実施することを定めています。評価実施者はモニタの使用者、つまりお医者自身です。
日々の普遍性試験は基準医用画像を表示して指定された部分が明瞭に判別できるかを判断するだ
けですので、適切なツールがあれば 1 分もあれば実施することができ、またレポートも自動で作
成することができるものもあります。図 3−2 に基準画像を示します。
図 3−2 基準医用画像
3−3 医用画像表示用ヴューワーソフト
㈱リアルビジョンでは、FVT200 をサポートするため、基本的機能を持つ DICOM ビューワーとし
て、RVDCM Viewer を無償で提供します。医用画像の参照システムの導入を始めて行う場合など
にすぐ使用することが可能です。RVDCM Viewer は、㈱リアルビジョンのウエッブサイトから
LumiCal Advanced for FVT と同様にダウンロードが可能です。図 3−3 に RVDCM Viewer を 5M
モノクロ LCD モニタ上で使用した画面を示します。
図 3−3 RVDCM Viewer
まとめ
病院の IT 化に伴い、画像診断や参照などの表示ニーズに対する高信頼化、高精細化が必須となっ
ています。どのような環境においてもより正しい医用画像が参照できることが重要になってきて
います。FVT200 及び LumiCal Advancedfor FVT を導入することにより、高いコストパフォーマ
ンスで、安定した医用画像表示を提供することが可能となります。㈱リアルビジョンでは、今後
もさらに参照用モニタの表示精度を向上させる製品の開発を進めてまいります。
株式会社リアルビジョン
〒222-0033
横浜市港北区新横浜 3-1-4 プラスタリアビル 2F
電話)045-473-7331
ファックス)045-473-7331
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