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新世代CMOSセンサ搭載カメラを用いた産業用カメラソリューションのご提案

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新世代CMOSセンサ搭載カメラを用いた産業用カメラソリューションのご提案
TAKEX ソリューションセミナー 2013
新世代CMOSセンサ搭載カメラを用いた
産業用カメラソリューションのご提案
竹中システム機器株式会社
カメラ事業部
カメラ事業部
2013年
25日
金)
2013
年 1月 25
日 (金
1
このプレゼンテーション
このプレゼンテーションでは
プレゼンテーションでは
昨今の産業用カメラとして、CMOSイメージセンサを搭載したカメラが
トレンドとなって来つつあります。
本プレゼンテーションでは産業用カメラの撮像素子として、2大方式で
あるCCDイメージセンサとCMOSイメージセンサについて、それらの
相違点と長所・短所についてまとめ、また新世代のCMOSイメージセ
ンサを搭載したカメラの注目点をご説明致します。
また、弊社のCMOSイメージセンサ搭載型カメラの新製品ラインアッ
プについて説明させて頂きます。
2
CCD方式カメラとCMOS方式カメラの比較
3
CCD方式
CCD方式イメージセンサ
方式イメージセンサと
イメージセンサとCMOS方式
CMOS方式イメージセンサ
方式イメージセンサ
画像データを電気信号として捉える半導体イメージセンサは今やデジタルカメラやビデ
オカメラ、ラインスキャンカメラの目として欠かす事が出来ないものとなっています。
これらイメージセンサの方式には大別して
・CCD (Charge Coupled Device)
・CMOS (Complementary Metal-Oxide Semiconductor )
の2大方式が存在し、これらが現在の主流となっています。
4
CCD イメージセンサの
イメージセンサの動作原理
Charge Coupled Device (電荷結合素子)方式のイメージセンサは画素単位にフォトダイオー
ドで蓄積されたアナログ電荷がバケツリレー方式で次々と伝送されてゆく機構を備えていま
す。
※元来このバケツリレー方式で電荷を順次転送する部分をCCDと称します。 CCDを応用した素子
にはイメージセンサ以外でも、例えばアナログ信号の遅延素子としても利用されて来ました。
CCDイメージセンサはフォトダイオードと露光電荷の蓄積部分を備え、ここで蓄積された電荷
をCCDで転送し順次出力してゆく働きを備えています。
※露光電荷はトランスファゲートと呼ばれる
電子的なスイッチで一斉にCCDに転送さ
れ、1画素クロック毎に出力アンプに転送
される事で信号出力として取り出されます。
5
CCD イメージセンサの
イメージセンサの動作原理
フォトダイオードを1ラインに並べてやはり1ラインのCCDで電荷転送する撮像素子が
ラインセンサで一次元の画像信号を出力する事が出来ます。
また水平方向と垂直方向の二次元に並べ垂直転送CCDと水平転送CCDを設ける事
でエリアセンサとなります。
6
CMOS イメージセンサの
イメージセンサの動作原理
CMOS 方式のイメージセンサは一次元または2次元に配列されたフォトダイオードアイの
電荷をアドレシングにより順次読み出して画像信号を得る方式です。
CCD方式の様に電荷を順次転送してゆく構造は持っていません。
※アドレスに対応したセルのレベルを読み出す。
7
各イメージセンサ方式
イメージセンサ方式の
方式の長所と
長所と短所
CMOS方式のイメージセンサは古くから存在しました。
しかし、ごく最近まで、産業用カメラのセンサとしてはCCD方式のものが圧倒的に多数派で
ありCMOS方式のイメージセンサを用いた製品は希でした。
その理由は何だったのでしょう?
そこで、ここではまず各方式の長所と短所について考えてみましょう。
8
CCDイメージセンサ
CCDイメージセンサの
イメージセンサの長所と
長所と短所
○長所
感 度
… 低照度まで使用する事が出来、高感度である
画 質
… パターンノイズが少ない
露光同時性 … トランスファゲート(露光電荷を転送部に送り込むスイッチ)の開閉が
全ての画素で同時となるので、 全画素の露光タイミングが一致する
※写真右側はパターンノイズ
が多い画像の例です。
●短所
消費電力
動作速度
集積度
スミア
コスト
… アナログシフトレジスタ( CCD )の駆動に15V程度の高い電圧が
必要で、これを高速で駆動する為に消費電力が大きい
… アナログシフトレジスタの高速駆動が難しい
… 独特の製造プロセスが必要であり、サンプルホールド回路やA/D
コンバータを1チップ上に同居させる事が出来ない、また多タップ
化が難しい
… 転送部に光が入り込み縦線などのノイズが発生
… 電源系統や周辺回路部品が多くコスト高
9
CCDイメージセンサ
CCDイメージセンサ特有
イメージセンサ特有の
特有の障害の
障害の例
●スミア現象
電荷転送部(CCD=アナログシフトレジスタ)は通常アルミ蒸着膜などで遮光が施されており、
光の照射による露光電荷の発生は抑えられています。
しかし光の強度が極めて強い場合は遮光膜を透過したり、他の部分から回り込んだりする
ことで露光電荷を発生させてしまいます。特にエリアセンサでは垂直転送部に入光した光の
影響で主に縦筋状の特有な輝線ノイズが発生します。
10
CMOSイメージセンサ
MOSイメージセンサの
イメージセンサの長所と
長所と短所
○長所
消費電力
動作速度
集積度
スミア
コスト
… 3V程度の単一電源で動作、また電荷転送の駆動回路が不要なので
消費電力が少ない
… 高電圧、高負荷の駆動部がなく、またパターンの微細化や多タップ
(=多チャンネル)化で高速動作が可能
… サンプルホールド回路やA/Dコンバータと同一プロセスで製造可能、
これらの機能を1チップ上に同居させる事が出来、多タップ化も容易
… 転送部がないので原理的に発生しない
… 単一電源、周辺部品の削減で低コスト
※左の図は多タップ化の例です。
複数のタップ(取り出し口)から
信号を並列的に取り出す事で
高速に読み出す事が出来ます。
●短所
感 度
… 低照度時の画質が劣る
画 質
… 画素毎のアンプのバラツキによるパターンノイズが多い
露光同時性 … 従来型の露光方式(ローリングシャッタ)では画素間で最大1フレーム
時間の露光タイミングのズレがある為、動体の画像が歪む
11
CMOSイメージセンサ
MOSイメージセンサの
イメージセンサの障害の
障害の例
●ローリングシャッタ歪み
従来のCMOS方式のイメージセンサを搭載したカメラでは、画素間に最大1フレーム時間
の露光タイミングのズレが発生します。
下の右側の写真は回転する扇風機の羽根を捉えていますが左の正常な画像と比較して
羽が変形して捉えられている事がわかります。
← 右側の写真ではローリング
シャッタによる歪みが見られ
ます。
※このローリングシャッタによる歪みの問題を解決する為に導入された読出し方式を グローバルシャッタ
と呼び、この方式では全画素の同時露光が可能となります。
12
今何故CMOSカメラなのか?
13
見えて来
えて来たCCDイメージセンサ
CCDイメージセンサの
イメージセンサの限界
一貫した市場ニーズの方向
・より高解像度
より高解像度の
高解像度のカメラを
カメラを
・より高速動作
より高速動作が
高速動作が出来る
出来るカメラを
カメラを
・よりローコスト
よりローコストで
ローコストで
これらはカメラ製品に求められる一貫した市場ニーズといえます。
CCD方式のイメージセンサメーカーは長年に渡ってこの市場ニーズに応えるデバイスを
供給し続けて来ましたが、近年になってついにその限界点が見え始めて来ました。
14
見えて来
えて来たCCDイメージセンサ
CCDイメージセンサの
イメージセンサの限界
●クロック速度の限界
CCD方式のイメージセンサでは露光して得られた電荷を高速の
クロック信号のタイミングで転送する必要があります。
CCDの負荷容量は大きく、汎用のドライバICを使用して数十MHz
の高速な波形を歪みなく駆動する事は容易ではありません。
また、高速クロック信号でのCCD駆動は回路技術的に大変難しい
だけでなく、大きな電力を消費します。
●多タップ化の限界
読出し速度の高速化にあたって、クロック信
号の上限の問題を解決する一つの手法とし
てイメージセンサの領域を複数に区切り、
複数の出力を同時並行的に読み出す方法
があります。
CCD方式の場合はそもそも素子の多タップ
化が難しい事もありますが、サンプルホー
ルドやA/Dコンバータを同一チップ上に構
成できない為、周辺回路がタップの数だけ
大規模になります。
15
見えて来
えて来たCCDイメージセンサ
CCDイメージセンサの
イメージセンサの限界
●消費電力と発熱の問題
CCDイメージセンサを高速化する上で、高負荷容量の高速駆動、周辺
回路の増大はCCDイメージセンサ本来の複数系統の高い駆動電圧も
相まって消費電力の大幅な増大を加速させます。
消費電力の増大は省エネ上の問題だけではなく
・発熱による熱雑音や暗電流の増加
・機構部品や架台の熱膨張による精度の低下
・カメラ内部部品の 寿命への悪影響
・冷却装置の必要性によるコストアップ
など多くの問題を引き起こします。
16
CMOSイメージセンサ
CMOSイメージセンサの
イメージセンサの進化
近年、高画素・高速動作の両立を目指すカメラを実現する為の新しいソリューションとして
注目され始めたのは急速に進化を遂げつつあるCMOS方式のイメージセンサです。
ここからは高画素・高速動作しかもローコストの市場ニーズを満たす新しいCMOS方式
イメージセンサの特長について説明致します。
17
CMOSイメージセンサ
CMOSイメージセンサの
イメージセンサの進化
○高集積化の恩恵
CMOS構造の集積回路は半導体メモリやCPU、FPGA
などで用いられている半導体製造技術で本来高集積化
に適しています。
CMOS素子は構造を微細化する程、基本構造であるトラ
ンジスタのゲート容量が減少する事で高速動作が可能と
なり、消費電力も同時に低減するという性質があります。
日進月歩のCMOS製造プロセスの微細化の恩恵を受け
て、CMOSイメージセンサの性能は大きく進化しました。
○高速動作
・高速クロック動作 … 3V程度の低電圧で駆動出来る
のでより高速で画像信号を読み出せます。またLVDS
インターフェースを装備する事で後段の処理回路
(FPGAなど) へより高速で画像データを送出すること
が可能となりました。
・多タップ化 … CMOSイメージセンサではCCDの様に
電荷転送路を配置する必要がないので比較的自由に
受光面を分割する多タップ化が可能です。
※上のグラフはCMOSプロセス
の微細化の推移を示します。
※画素クロック80MHz、 8 タップのセンサ
出力でデータレート 640MHzを 実現した
TL-16000CL
18
CMOSイメージセンサ
CMOSイメージセンサの
イメージセンサの進化
○周辺回路の取り込み
A/Dコンバータやサンプルホールド回路、LVDSインターフェースなどの周辺回路機能を
オンチップでイメージセンサに取り込む事が可能となりました。
カメラに搭載した際、周辺回路の部品点数が劇的に低減され、ローコスト化、小型化、
高信頼化に大きく貢献します。
○グローバルシャッタ機能
単位セル内に露光電荷を蓄積する部分と読出し電荷を
保存する部分を別々に持たせ、信号読出し中にも露光
を並行して行える様にします。
そして、全画素に渡って露光部分での電荷蓄積の開始
と終了時刻を一致させる事でCCDイメージセンサと同じ
様に全画素同時露光の画像信号を得る事が出来ます。
これがグローバルシャッタと呼ばれる機能で、従来の画
素間の露光時間にズレがあるシャッタ方式はローリング
シャッタと呼ばれます。
産業用のカメラ用途として動体を撮影したときにも画像
歪みを生じないグローバルシャッタは必須の機能と云え
ます。
19
CMOSイメージセンサ
CMOSイメージセンサの
イメージセンサの進化
○高感度と高画質化
近年の産業用CMOSイメージセンサでは従来短所であった感度の低さや固定パターン
ノイズの問題も克服されつつあります。
画素毎のオンチップレンズの実装やCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプ
リング)の導入などです。また、高集積化が可能なのでメーカー各社でユニットセル内の
トランジスタを追加した高画質化の為の様々な工夫が行われています。
※CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)
CCD撮像素子では従来から用いられて来たパターンノイズを低減する為の回路技術です。
20
そこで再び
今何故CMOSカメラなのか?
21
今何故CMOSカメラなのか?
についての解答
○
○
○
○
○
○
○
高解像度・高速動作の両立
グローバルシャッタによる同時露光
CCD方式に遜色のない感度と画質
スミアレス
低消費電力
小型化
ローコスト
22
竹中システム機器製
CMOSイメージセンサ搭載カメラ のご紹介
23
●16,384画素、スキャンレート35kHz、カメラリンク出力
○ 業界最高レベルの有効画素数
16,384画素
○ 高速動作
スキャンレート
35 kHz
データレート
640MHz
○ グローバルシャッタ機能
○ FFC機能搭載
○アンチブルーミング機能搭載
○ 低消費電力
液晶パネル検査、シート状製品の検査、
プリント基板の検査など
24
FFC機能についての解説
「TL-16000CL」など弊社製のCMOSイメージセンサ搭載型ラインスキャンカメラには、固定
パターンノイズの影響を除去するために、FFC (Flat Field Correction)と呼ばれる機能が
搭載されています。
この機能は初期設定において、実際の光学系を用いた使用状態でカメラに一様な被写体画
像を取り込み、そのデータを元に一様なレベルが出力されるよう各画素ごとの補正パラメー
タを保存しておき、その画素ごとのパラメータを用いて画素単位で補正演算を行い出力する
ものです。
FFC :OFF
FFC :ON
25
●8,192画素、スキャンレート35kHz、カメラリンク出力
○ 高速動作
スキャンレート
35 kHz
データレート
320MHz
○ 7μmスクエアの大型画素サイズ
で高画質
○ グローバルシャッタ機能
○ FFC機能搭載
○アンチブルーミング機能搭載
○ 低消費電力
液晶パネル検査、シート状製品の検査、
プリント基板の検査など
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●8,192画素、スキャンレート43kHz、カメラリンク出力
○ 高速動作
スキャンレート
43 kHz
データレート
400MHz
○ 高解像度
○ レンズのバリエーションが豊富な
Fマウントを採用
○ グローバルシャッタ機能
○ FFC機能搭載
○アンチブルーミング機能搭載
○ 低消費電力
○小型、軽量
液晶パネル検査、シート状製品の検査、
プリント基板の検査など
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●200万画素/400万画素 高速動作
○ 高速動作
340 fps (FCM2MPL/FSM2MPL)
at Camera Link 10TAP
180 fps (FCM4MPL/FSM4MPL)
at Camera Link 10TAP
○ 高解像度
200 万画素 (FCM2MPL/FSM2MPL)
400万画素 (FCM4MPL/FSM4MPL)
○ グローバルシャッタ機能
○ 非給電式 Camera Link/給電式
PoCL の両規格に対応可能
○ 低消費電力
製品の形状検査、ITS用途、ハイエンド監視
用途など
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終わりに
今回は産業用ビデオカメラのトレンドとなっている高性能CMOSセン
サを搭載したカメラについて説明させて頂きました。
進化した産業用カメラ、弊社製CMOSセンサ搭載型カメラ製品の導
入を是非ご検討ください。
※ 今回ご紹介致しました製品は弊社展示ブースで実物を展示致して
おります。この機会に是非お立ち寄りの上、ご覧ください。
29
TAKEX ソリューションセミナー 2013
ご静聴ありがとうございました
30
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