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水田・里山放牧推進協議会情報交換会2013 | ブラウンスイス種の放牧
1.ブラウンスイス種の放牧飼養における特性調査 -暑熱環境下の放牧行動についてホルスタイン種と比較- 真崎 匡 安藤 貞 山之内忠幸 松田秀雄 山口 斉 星 実 木之内喜代寿 鈴木 聡 菊池幹夫 吾妻 優 穴澤清一 佐原利之 鈴木武利 橋谷田豊(家畜改良センター) 1.目的 近年、酪農の多様化が進みつつある国内では、海外にて放牧適性や粗飼料利用性が高い特徴をも つブラウンスイス種は増加傾向であるが、国内で飼養した際の放牧適性や粗飼料利用性に関する情 報が少ない。そこで本研究ではブラウンスイス種育成雌牛を対象とした暑熱環境下における放牧行 動についてホルスタイン種との比較調査を行った。 2.方法 当センターで飼養するブラウンスイス種育成雌牛(10~15 ヶ月齢)3頭、ホルスタイン種育成 雌牛(9~12 ヶ月齢)3頭の計6頭を同一群で飼養し、ルーズバーン牛舎と屋外パドック、および 放牧地(ペレニアルライグラス主体、平坦 30a×2)を24時間自由に行動できる放牧環境とした。 6 月下旬(平均気温 24℃、最高気温 30℃)に直接観察法による行動調査(4:00~19:00/5 分間隔) を行った。 3.結果 1頭あたりの1時間毎における採食時間の推移は、両種とも5時から6時、16 時から 18 時 の比較的涼しい時間帯において採食時間が長い傾向であった。気温が上昇し始める 11 時と 13 時にホルスタイン3頭は、牛舎内で佇立していたが、ブラウンスイス3頭は放牧地で採食が確 認された(図1) 。また、1頭あたりの採食時間は、ブラウンスイスが約 1.5 時間長くなり、そ の差はほとんどが放牧草の採食によるものだった(図2) 。以上のことから、ブラウンスイス種 は、ホルスタイン種と比較して暑熱環境下において旺盛な採食行動により放牧地を有効に利用 し、放牧適性が高いことが示唆された。 0.8±0.4 0.9±0.4 6.0±0.3 4.4±0.5 連絡先:真崎 - 35 - 匡([email protected])