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シェフラーグループインダストリアル工作機械事業部門からお客様へのニュースレター
最新ニュース
2011/2012年号
パフォーマンス向上へ
回転テーブル軸で世界最高のパフォーマンスを実現
シェフラーの主な出来事
3ページ
7/
Hall
e to
34!
th C
Boo
com
Wel
乗る喜び
好調な工作機械
工作機械、特にパワフルな高速
回転テーブル軸にRKIモーター
を導入するメリットを、分かりや
すくご紹介します。
トルク: +30 %
速度: +400 %
出力: 最大5倍増加
トータルコスト: 最大60 %削減
設置スペース: 外径と同じ
コスト: 同一性能、同一価格
運転の効率化
繊維機械の
性能向上を実現
8ページ
Hall 2 / Booth C142
ブレイクのきっかけとなったのは自動
車産業でした。
同分野で電気自動車
やハイブリッドソリューションに利用
されているRKIホイールハブモータ
ーとドライブは、最大400kWの出力
を発揮します。従来のトルクモーター
に比べて速度が400 %以上増加し、
トルクが約30 %向上したことで、工
作機械の分野においてRKIシリーズ
の新たな用途に道が開けてきました。
小型化というオプションは十分に魅力
的で、大きな設計変更を行うことなく
導入可能です。RKIモーターをコンバ
ーターと連動させることで、従来のモ
ーターと同じ出力でコストを削減でき
ます。RKIダイレクトドライブとシェフ
ラーの新しいスラストアンギュラコン
タクト玉軸受ZKLDF..Bの組み合わせ
を採用すれば、
工作機械や関連サブシ
ステムのメーカーは、世界で最もパワ
フルな回転テーブル軸を構築するとい
う選択肢を獲得できます。
RKI ― ダイレクトドライブ技術に革
命を巻き起こす
過去20年間で、
ダイレクトドライブは
特殊モーターから大量生産製品に変
貌を遂げました。技術的にも少しずつ
進化した結果、現在一般に入手可能
なモーターの技術は、
もはや大きな飛
躍を遂げることはほぼ不可能なレベ
ルに達しています。
力
(トルク)
の強度
はすでに、
ほとんどの用途をまかなえ
るまでになりました。唯一言及してお
くべき制約があるとすれば、
モーター
内の渦電流損失により速度上の制限
がある点です。
コイルに沿って磁石が
動いたり、
コイルに電流が流れたりす
ると、磁場により電流が生じて電流発
生源に対して反作用を及ぼします。具
体的に言うと、
モーターの鉄製部品で
熱が生じます。
これは、路面電車の渦
電流ブレーキになぞらえることができ
RKIモーター
ます。運動エネルギーは熱に変換さ
れ、
モーターにはさらなる熱応力がか
かることになります。通常のモーター
ではおおよそ150 Hz、高速システムで
は300 Hzから700 Hz程度の強さに
なると考えられます。
この値は、1秒あ
たりの速度(n)
にモーター内部の極
対数(2p)
をかけて計算したものです
(f=n×2p)。
出力が5倍アップ
発電システムを最適化したこと
で、RKIの出力は標準型RIモーターの
5倍まで増加しています。
Torque (Nm)
電動アシスト自転車用、高
効率性FAGトルクセンサー
内臓ボトムブラケット
3ページ
RKI with Zx winding
RI with WL winding
RKI with WL winding
トルクと速度の比較 ― WL巻線搭載のRI
と、Zx巻線搭載のRKIとの比較
2ページに続く
2011/2012年号 – 2ページ
2011/2012年号 – 3ページ
必要に応じたアシストで、走る喜びを約束する
論説
電動アシスト自転車用、
高効率性FAGトルクセンサー内蔵ボトムブラケット
パフォーマンス向上へ ―
工作機械の競争力を高めるために
ハノーバーで開催される国際工作機械見本市EMO
2011は、工作機械の分野でここ数年積み重ねられてきた
真価が明かされる特別な場となるでしょう。EMO 2009
では経済危機のあおりを受けて、
当社を含め多くの企業が
不参加を決めました。振り返ってみれば、苦労もありました
が当時の混乱に耐えるなかで私たちは十分に力を蓄えることができ、結果的
にいくつかの大胆な技術革新を達成したうえ、製品ラインナップを拡大する
ことが出来ました。
「パフォーマンス向上へ」
というスローガンは、1つには製品の更なる大型化
に於いて、軸受の新たな次元を切り開くという意味を持っています。
当社では
製品レンジの拡大と内部性能向上のための探求も進めて参りました。
その一
方で、
「パフォーマンス向上へ ― 工作機械の競争力を高めるために」
という
スローガンには、膨大な数の革新的メリットをプラスすること、
システム全体
と顧客の用途に添う技術について包括的に理解すること、
という意味も込め
られています。
すべては、成功をおさめるために欠かせないものです。
パフォーマンス向上へ
1ページからの続き
ここで大きな役割を担った、
設計上の
2つの成果をご紹介します。 トルクが最大30 %向上
RIシリーズの標準型モーターで
は、RKIの設計ではもはや採用されて
いない表面磁石がローターに使われ
ています。RKIのローターはマグネット
システム、
つまり磁石を多数埋め込ん
だ積層鋼板で構成されています。
この
パッケージは磁束を集中させます
(B)
。
このローターを使うことで、従来型の
表面磁石に比べ、
モーター(ステータ
ー+ローター)
のトルク発生量が最大
30 %アップします。
さらには、増大した
トルクが逆起電圧に作用することで、
システム全体の速度調整にも影響を
及ぼします。
最大400 %の速度アップ
逆起電圧をできるだけ低減させるた
め、RKIモーターでは特殊な巻線が使
われています。
このZ巻線と層状のロ
ーターを組み合わせることで、大幅な
損失低減が可能となり、最大400 %
の高速化を実現しています。現在で
は、
エアギャップに於けるスピード
50m/sも可能になっています。
強大な性能とコスト効率を実現 ―
動力損失60 %削減、TCOの劇的削
減を可能に
トルク出力にともなう放熱に目を向け
れば、
もう1つの大幅な性能向上にお
気づきいただけることでしょう。
モータ
ー定数Km
(単位:Nm/√W)
をもとに直
接比較をすることができます。
ちなみに
「定数Kmが半分になると損失は4倍
になる」
と言われています。
RIシリーズと
RKIシリーズを直接比較した結果、
同じ
トルク出力での動力損失が最大60 %
低減され、
発熱量が減っていることが
分かります。
その結果、
冷却に対する要
求が低くなり、
トータルコスト
(TCO)
の
点でもプラスの効果をもたらします。
シェフラーグループでは再び、
メイン 詳細な講習テキストは参加者全員に
スピンドル軸受の保守と修理に関す 配布されます。
る講習会をシュヴァインフルトで開
工作機械やスピンドルの製造業者様、
催します。1日がかりで行われる講
修理センター、販売代理店様を対象と
習会は、理論編と実践編の2部構成 したこのメインスピンドル軸受講習会
となっています。理論編では、軸受の は、
お客様のご指定の場所で開催する
種類と性能特性、機械加工公差、潤 こともできます。
滑、超精密ころがり軸受のモニタリ
ングについて基本的知識を学びます。 お問い合わせ先: カリン・モルゲンロ
実践編では、取付けの実習や測定
ート電話: +49(9543)68-403
機器の取扱い、
ころがり軸受の損傷 Eメール: Schulungszentrum.
評価について学びます。
[email protected]
本号を皆様にお届けし、EMO 2011では以下を始め幅広い新製品を発表す
ることができ、大変嬉しく思っております。
- 世界で最もパワフルな回転軸
- 大型機械のための高性能軸受ソリューション
- メインスピンドル用新型軸受 ― 耐熱性に優れ、超高速での動作に最適
- ダイレクトドライブに革命を巻き起こす、新型トルクモーターRKI - 高荷重対応のリニアガイドソリューション
以上はほんの一部です。
皆様の日々の業務に役立つ情報を、数多くご提供できれば幸いです。
敬具
ヘルムート・ボーデ
Welcome to Hall 7 / Booth C34!
生産機械部門責任者
技術革新を加速する ― 技術の牽引
新しい回転テーブル軸受ZKLDF..B
役として、
トレンドセッターとして
により、速度が2倍に向上
工作機械業界にとって、
ダイレクトド
ボルトによる取り付けを想定して設計
ライブ技術と軸受の開発を連動させ
された軸受ユニットYRTSおよび
るということは、技術革新の飛躍的加
ZKLDFは、複合工作機械での旋削・
速と同時にコストの安定をも意味し
ミーリングを組み合わせた用途で真
ます。
それだけではありません。
シェフ
価を発揮しています。一方市場には、
ラーグループ
剛性を損なうことなく、
さらなる高速
がIDAM での動作を求める声もありまし
た。ZKLDF..Bシリーズの新しいスラス (INA
Drives &
トアンギュラコンタクト玉軸受は、従
Mecha来の標準品と同じ価格ながら最大
tronics)
と
100 %の速度向上を可能にするとと
そのブランド
もに、
グリース潤滑への対応も実現し
INA、FAGとともに、100年以上にわ
ています。
この速度性能は、市場に出
たって積み重ねてきたころがり軸受と
回っている製品の性能領域の絶対的
モーターに関する専門知識を提供す
頂点に立つものです。RKIモーターと
グローバルプレーヤ
組み合わせれば、
より小径の加工対象 ることを通じて、
ーが1つの傘のもとに集結して
「競争
において適度な切削速度が可能にな
力を高める
(added competence)
るだけにとどまらず、
メインスピンドル
」
という完璧な例を体現しています。
をボルトで取り付け可能にするとい
それが、
「パフォーマンス向上」
として
う、
いまだかつてない、
よりシンプルな
実を結ぶのです。
軸受設計さえ可能になります。
シュヴァインフルトでのスピンドル
軸受講習会開催予定日は、以下の通
りです。
2011年9月8日
2011年12月15日
2012年2月9日
2012年6月14日
2012年9月20日
!
ヒント
早めに
お
ッシ
録は
ご登 ニングセ 評
トレー 大変ご好
ョンはだいており
いた す。
ま
Training course for attendance
and maintenance of maichine tools
main spindle bearings
業界で初めて、左右のペダル踏力の
合計からトルクを求める仕組みが実
現しました。
運転状況をもとに運転者が必要とす
るモーターアシストを適切に検出し
て、適切な形で出力制御できるかどう
かは、電動自転車の乗り心地を快適
なものにするための決め手となりま
す。回転方向や速度の検知もさること
ながら、運転者に必要なモーターアシ
ストを正しく割り出すには、運転者の
ペダル踏力により生じたトルクを正確
に測定することが必要不可欠です。
こ
のとき制御を司るのが、
ボトムブラケ
ットに内蔵したトルクセンサーシステ
ム。運転者が
「ペダル踏力」
を上げる
必要はありません。
るのが、軸受の適切な配置と、従来モ
デルに比べて摩擦を約30 %軽減す
る、FAGが新たに開発したジェネレー
ションCの深溝玉軸受です。
シャ
フト部分の膨大な数のコンポ
ーネントにも、
シェフラーが開
発した腐食保護剤Corrotect®
がコーティングされています。
FAGトルクセンサー内蔵ボトムブラ
ケットは、
たとえばボッシュ製高性能
ドライブに搭載されています。走行特
性のプログラミングが可能で、
エコ、
ツアー、
スポーツ、
スピードという最大
4種類の電動自転車に対応します。
モ
ードやアシストレベルに応じて、最大
250 %(スピード)
までのアシストが可
能です。
他のFAG製ボトムブラケットユニット
と同様、新型のトルクセンサー内蔵ボ
トムブラケットの持ち味は、極めて滑
らかな走行特性。
これを可能にしてい
新しく開発された電動アシスト自動
車用FAGトルク&速度センサー内蔵
ボトムブラケット
EMOで注目のダイレクトドライブ技術
回転軸で世界最高性能の力を発揮する、
IDAMのRKIモーター
つまり、熱の発生低減、
エネルギー効
率の向上、冷却容量が減ったことによ
る運転コスト大幅削減につながるわ
けです。小型化の面でも遜色はありま
せん。
出力はそのままに、
より小さいモ
ーターが利用可能になり、
コンバータ
ーのコストも削減できます。
高性能ロータリーダイレクトドライブシリーズ「RKI」
ダイレクトドライブ技術で名高いシ
ェフラーグループのINA Drives
& Mechatronics GmbH. &
Co.oHG(IDAM)
が、高性能ロータ
リーダイレクトドライブRKIシリーズ
により、従来型トルクモーターに比べ
30 %以上のトルク向上を実現。速度
は最高4倍、機械的性能は5倍に向上
しています。
同時に、
出力損失は最大
60 %まで低減されています。
制限速度を2倍に高めた新型の
ZKLDF..B回転テーブル軸受と組み合
わせれば、世界最速の回転軸を構築
できます。工作機械に搭載すれば、市
場に大きくアピールできるでしょう。
RKIシリーズは、
ターニングマシニング
センターで特に威力を発揮します。
トルクモーターとセグメント設計
セグメントモーター ― 取付けが簡
単、低コスト
INA Drives & Mechatronics
GmbH. & Co.oHG(IDAM)
の、
セグ
メント設計によるトルクモーターは、
最大限の経済効率を提供します。径
が大きくてもメンテナンスがきわめて
容易であることに、定評のあるモータ
ーです。個々のモーターハウジング用
にコイル巻線システムを設計、取り付
けることで、
セグメントモーター特有
の機能を実現しています。
モーターの
ハウジングと個々のセグメントそれぞ
れにケーブル接続が設けられ、外部
の端子箱で別のセグメントと接続さ
れています。初回の取付けと整備作業
は特に簡単です。
パーツを分割したセ
グメント設計のおかげで、高荷重用吊
上げ装置や特殊工具は必要ありませ
ん。整備を行う場合はセグメントごと
に点検を行い、必要に応じて交換で
きます。
モーターの基本機能は別それ
ぞれのセグメントが維持しています。
つまり、緊急モードでの動作がある程
度可能であることから、装置の可用性
が高まります。
さらに、
パーツの交換に
は標準的な取付け工具をお使いいた
だけます。
2011/2012年号 – 4ページ
EMOで注目の工作機械用軸受
回転テーブル軸受ZKLDF..-B ― スピードが2倍に
れ、機械加工の精度が高まりました。
軸を冷却する場合、摩擦力の低減に
ともない冷却容量を低減できるため、
運転コスト削減というメリットもプラ
スされます。
ZKLDF..-B
シェフラーグループインダストリアル
では、複列スラストアンギュラコンタ
クト玉軸受ZKLDF..-Bで内部設計を
さらに最適化して、摩擦トルクを半分
に削減。
これにより、優れた精度と剛
性を損なうことなく、軸受の限界回転
数を2倍に高めることができました。
特に、速度が向上したIDAMの新型
RKIトルクモーターと組み合わせるこ
とで、旋削やミーリングの世界におい
て、従来の標準的なコンポーネントで
は実現できないような、新たな可能性
を切り開きます。
ジェネレーションBへの移行にともな
い、軸受設計にはさらなる最適化が
施されています。再潤滑を容易にする
ため、
ジェネレーションB軸受では外
輪の潤滑溝に加えて、取付け面上に
軸方向の給油穴を設けています。
これ
によって、取付け方法に左右されずに
潤滑剤を確実に供給できます。
大量生産のためのZKXDF ― テー
ブル径1m超でのミーリング/旋削
YRTC ― 高剛性と高精度、低摩擦
用途のため、高速性とコンパクトさ
力の組み合わせにより、工作機械の
を両立
生産性と効率性のさらなる向上へ
経済的かつ効率性に優れた高速回
シェフラーグループでは内径
転テーブル用小型軸受支持部の設計
580 mmから1,030 mmまでの領域
に、新たなオプションを加えてくれる
で、定評あるYRTとRTCシリーズを組 製品です。
これまでに、
内径580mm
み合わせ、性能をさらに高めたYRTC
のZKXDF580が登場しています。軸
シリーズを新たに送り出しました。同
受輪を備えた背面配列の複列スラス
シリーズは、
同時多軸加工における高 トアンギュラコンタクト玉軸受をベー
速での位置決めやフライス削りに対
スにした革新的設計では、軌道がプ
応する、
きわめて強力な回転軸のベ
ラグで分割されたり遮られたりするこ
ースとなります。短時間の旋削作業な
となく、以下を始め様々なメリットを
ど、使用制限の範囲内における定常
もたらします。
速度での均一動作を可能にしていま
- 軸受輪を1つにしたことで、軸受回
す。
それに加え、標準的なスラスト円
転精度と機械組み立て効率との連動
筒ころ軸受とラジアル円筒ころ軸受
性が向上
に比べて摩擦力は大幅に低減されて
- 軸受輪を1つにしたことで部品点数
います。
が減り、剛性が向上
- より費用効果の高い周辺構造を
摩擦を大きく減らすことで、従来に比
実現 ― 軸受輪は軸方向にオフセッ
べて駆動トルクをかなりの割合で軸
トされるため、平坦な取付け面があ
加速や機械加工に使えるようになり、 れば十分に取付け可能。軸受輪を1
生産性の向上をもたらしただけでな
つにしたことで、要求剛性によって
く、機械構造内部における熱の発生
は、ZKXDF軸受の高さ全体にわたっ
も抑えられています。
その結果、温度
て軸で支持する必要がなくなります。
にともなう機械形状の変化が抑えら
YRTC
Welcome to Hall 7 / Booth C34!
ZKLF..Hybrid ― 短いストローク
でも安定動作
新しいハイブリッド型スラストアンギュ
ラコンタクト玉軸受ZKLF..-HCは、耐
久性を最大限に高めた、信頼性と経
済性を兼ね備えたソリューションを提
供します。
ボールねじ駆動装置で短いストロー
クでの動作を長時間繰り返すような、
きわめて厳しい動作条件にも対応し
ます。標準的な軸受に比べて購入価
格は割高になりますが、重度の疑似ブ
ZKLF..ハイブリッド
リネリング圧痕により軸受が損傷する
ことがないため、差額分の価値をごく
短期間で取り戻すことができます。
ま
たセラミックボールを採用したことで
限界回転数が上がり、
グリース寿命も
3倍に延びることになります。
EMOで注目のメインスピンドル軸受
モータースピンドル設計の新たな選択肢
モータースピンドルの世界でシェフ
ラーグループインダストリアルは、超
高速性能、高負荷容量、更にあらゆる
運転条件の変化に対する適応性を
兼ね備えた新しい高性能スピンドル
軸受RSシリーズと、耐熱性に優れた
円筒ころ軸受TRシリーズを開発い
たしました。従来のソリューションに
比べ、
ダイレクトドライブモータース
ピンドルの軸受支持部について大幅
な設計の簡略化が可能になります。
RS ―「RobustとSpeed」
を兼ね
備えた新しい高性能シリーズ
FAGのRSスピンドル軸受(ロバスト、
高速対応)
は、大径ボールを採用した
高精度のアンギュラコンタクト玉軸受
です。呼び接触角を20度にすると共
に、
内部設計により摩擦
特性を最適化してい
ます。RSスピンドル
軸受ではこれらの
特性により、
ラジア
ル隙間の変化に対
する適応性を持た
せ、更に小径ボール
の特性である高速性能と、大径ボー
ルの特性である高負荷容量を両立さ
せています。
これらの新しいスピンド
ル軸受を使用した軸受支持部は、環
境変化の影響を受けにくいため、高い
加工力を実現する高速スピンドルの
設計に新たな道を切り開きます。標準
仕様には軸受鋼を採用。更にセラミッ
クを採用したハイブリッドバージョン
や開放型、密封型、
およびオイル&エ
ア潤滑のダイレクト潤滑仕様(DLR)
も取り揃えております。
TR ― 耐熱性に優れたモータースピ
ンドル用軸受
耐熱性に優れたFAG円筒ころ軸受
TRシリーズでは、
自由側軸受機能の
安定性と、高速かつ温度変化に対す
る適応性を兼ね備えております。
ラジ
アル方向の弾性に優れた標準規格寸
法の外輪を採用する事で、
ラジアル隙
間の変化を補正します。高速設計に
加え、外輪の片側でガイドされる摩擦
特性を最適化したPEEK(polyether
ether ketone)製保持器を採用する
事で、極めて高い高速性能を実現して
います。更に潤滑剤の分布を最適化す
る事で、運転中の温度上昇を抑え、
自
由側軸受としてより安定した機能を
発揮させる事ができます。
2011/2012年号 – 5ページ
EMOで注目のリニア技術
INAのリニア技術 ― 高剛性・高精度化を実現するリニアガイドシステム
シェフラーグループでは、経済的かつ
高精度加工や重量物搬送を行う機
械に対応する、幅広いリニアガイドシ
ステムならびに付属品をご提供して
います。
フラットケージガイドシステム
INAのM/V型フラットケージガイドシ
ステムは、高荷重と高精度を両立させ
たシステムです。高荷重を支持する針
状ころを多数配置すると同時に、
ケー
ジをより長くして、
ころ数を追加するこ
とにより、高負荷に対応しています。
有限ストローク長のケージガイドシス
テムを組み込むことで、高荷重・高動
特性が求められる機械にも、十分対
応します。高速往復運動時でもケージ
ずれを防止するシステムにより、運転
寿命を延ばしています。
こうしたガイ
ドシステムは、
プレス処理の各プロセ
スにおいて重量部品を高精度かつ高
速で処理することが求められるプレス
機周辺搬送システムに使用されてお
り、使用例では、最大200 kgまでの
部品重量に対応可能。搬送アームの
送りピッチは8,500 mm、走行速度
は8 m/sです。
リニアローラーベアリング
円筒ころをベースにしたRUSおよび
PRシリーズのリニアローラーベアリ
ングは、最大定格荷重840,000 N
で、柔軟性に優れ、
自由な設計を可能
にします。両端面を密閉構造にするこ
とで、
スムーズな低ノイズ走行を実現
します。
エンドピースの隙間とレール
形状を見直したほか、
プロファイルド
レールガイドシステムとの組み合わせ
も可能です。
これにより、最大限の荷
重条件下において、予圧を適度に付
与した状態での走行性能が向上しま
した。RUSシリーズでは、
スペーサー
で転動体間に隙間を設けています。
こ
れに対してPRシリーズでは、
プラスチ
ックを使用しない総ボールタイプの
軸受を採用。
これにより、PRリニアローラーベアリ
ングは高温、高速での用途に使用し
て頂けます。転動体循環タイプのロー
ラーベアリングは従来、極度の負荷が
かかるプレス機器の主なガイド要素
として利用されてきました。適切なア
ダプターを組み合わせることで、
リニ
アローラーベアリングを周辺構造に
直接組み込んで、最小限のスペースで
最大限の性能を発揮させることが可
能になります。
軸構成の選択例
プロファイルドレール リニアガイド
システム
高負荷容量、堅牢性、高剛性、高精
度、
さらには優れたシール性 ― これ
らの最も重要な特徴を備えているの
が、最新の第5世代RUE..Eシリーズで
す。他メーカーではプロファイルドレ
ールガイドシステムに樽形ころを用い
ているのに対し、RUE..Eでは端面クラ
ウニング加工を施した円筒ころを採
用しています。
円筒ころでは接触面積
を広くすることで、
きわめて高い負荷
容量と剛性を実現しながら、
接触面圧
を低減させています。完全な線接触に
より、理想的なころがりを実現してい
ます。RUE 100 E-Lサイズのキャリッ
ジが加わり、1,490,000 Nの動定格
荷重を実現しています。
こうしたガイド
ユニットは、風力タービンに使われる
大型ころがり軸受の軸受リング取付
施設に使用されており、使用例では、
重量が最大4トン、直径が4,500 mm
に及ぶリングの機械加工の際、RUE
100 E-Lは引張方向の最大2メガニ
ュートンの力を支持します。
150、
300、
450 mm)
の減衰キャリッジ
制御およびプログラミング、搬送、機
がご利用いただけます。
通常減衰キャリ
械の最終組み立て、
試運転、
整備、
保守
ッジは、
ガイドレール上の複数あるキャリ (リモートメンテナンスを含む)
など、
ッジの間に配置されます。
ガイドレール
あらゆるサービスをご提供します。
ユ
表面とキャリッジ底面との間に油を充填
ーザーにとって時間とコストの削減に
し、
一定の間隔を設けることで、
スクイー
つながります。
ズフィルム効果により振動を減衰し、
機
械加工品質を向上させます。
特殊な搬送や自動化ソリューション
に対し、最大ストローク長(走行距
静圧プロファイルドレールガイドシステム
離)30 m、最高速度10m/s、最大
INAリニア技術部門ではさらに、
完全静
移動質量500 kgまで対応可能で
圧式リニアガイドシステムHLEをご提供 す。
INAリニア技術の製品とサービス
しています。
即取付け可能な密閉型シス
をご紹介します。
テムに圧力調整装置を組み込むことに
- 様々な用途に応える、多彩なリニア
より、
プロファイルドレールガイドシステ
ガイドシステム
(トラックローラーおよ
ム(転がり案内面)と同じ設計寸法で、
「
びシャフトガイドシステム、
リニアボー
ガイド」
機能と
「減衰」
機能の両立を実
ルガイドシステム)
現しました。
このためプロファイルドレー
- 歯付きベルト、
ボールねじ、台形ね
ルガイドシステムから設計変更なしで置 じ、
リニアモーターなどの各種ドライ
き換え可能で、
HLEの高い減衰性能が、 ブシステム
機械加工の性能向上に役立ちます。
- 伸縮式リニアアクチュエーターやク
ランピングアクチュエーターなど、特
殊機能を備えたリニアアクチュエー
ター
- モーター、
ギアボックス、
センサー、
コントローラーなどのリニアアクチュ
エーター用各種オプション
- ファスナーやコネクター、
クラッチ、
ク
ラッチハウジングなど、多軸システム
を運転条件に適合させるための、多彩
な付属品
リニアガイドシステム
再循環ころ軸受「RUE」
振動減衰機能
シェフラーグループでは、
大型・高負荷
容量向けに、
振動減衰用付属品のライ
ンナップを拡張しました。
たとえば、
RUE
100 EシリーズではRUDS100
(長さ
シェフラーのフィールドサービスエン
ジニアによる個別相談のほか、
コンサ
多軸位置決めシステムのための、
INA
ルティング、設計、
プロジェクト立案
のリニア技術INAのガントリー型多
のためのデータをオンラインフォー
軸搬送用ロボットシステムにより、時
ムからも簡単に入力していただけます
間とコスト削減を実現
(www.ina.com/positioning_sysINAリニア技術部門ではこのほか、
ガ
tems)。
ントリー型多軸搬送ロボットシステム
を即使用可能な完全ソリューションと
してご提案しています。要求に合わせ
て構築された多軸位置決めシステム
は、
モジュラー型システム採用により
各要素を完璧に適合させることで、安
定した機能を発揮します。
お客様の要
望に応じて、
プロジェクト立案、
全体お
よび詳細の設計、各要素の仮組みか
ら最終組み立て、安全稼動システム、
2011/2012年号 – 6ページ
垂直ターレット旋盤の回転テーブル
を支える、
大型機械のための軸受ソリューション
シェフラーグループでは、大型複合
工作機械の様々な用途をサポート。
製造やサービスの専門知識と、用
途に合わせた幅広い製品をご提供し
ています。軸受1つを用いるソリュ
ーションは多くの用途において、性
能や設計上の手間、価格の面でバラ
ンスが取れています。一方、工作機
械の特別なご要望に対する最適設
計を可能にするため、軸受を2つま
たは3つ使用するソリューションも
よく使われています。詳細をまと
めたカタログ(TPI 205)のドイ
ツ語版、英語版、中国語版はwww.
schaeffler.comからご注文いただ
けます。直接ダウンロードすること
も可能です。
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hinery
mascchine
GeroSßize Marlösuntigoenns
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One-b2-Laarigneg so
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LrianggerSoluti
ösu
lution
o-be gerlso
Bea
Tw 3-Laaring
-be
Three
軸受1つを使用する、経済的なソリュ
ーション
機械的側面から見れば、軸受1つだけ
を使用するソリューションは最もシ
ンプルな軸受配置です。あらゆる方
向からの力とモーメントを支持する
ことができ、再潤滑も容易です。こ
の場合、ボルト固定型のYRTSおよび
ZKLDFシリーズ軸受ユニットを使い
Welcome to Hall 7 / Booth C34!
垂直ターレット旋盤の回転テーブルのための、
クロスローラー軸受1つを用いたソリューショ
ン。標準的な用途の多くで採用されている、経済
的なソリューションです。性能と設計難易度、価
格の面でバランスが取れています。
最高速度に関する要件に応えるため、垂直タ
ーレット旋盤の回転テーブルにおける価格性
能比を最適化した、玉軸受2つを用いたソリュ
ーション。
最高の剛性と負荷容量を実現する、
ころ軸受3
つを用いたソリューション。
ます。YRTSは最大460 mm、ZKLDF
は最大725 mmの内径に対応してい
ます。これより大きい軸径の場合、
シェフラーでは大型機械向けに開発
したクロスローラー軸受をご用意し
ています。こちらは内径457.2 mmか
ら2,100 mmまでに対応しています。
すいころ軸受)1つを組み合わせま
す。アキシャル振れはスラスト軸
受によって、ラジアル振れはアン
ギュラコンタクト軸受によって決
まります。原則として、限界回転
数はスラスト軸受により制限され
ます。想定されるあらゆる負荷条
件のもとで、ころがり接触部が所
定の運動学的条件を満たすよう、
アンギュラコンタクト軸受により
予圧を加えます。
の270,000 mm•min-1に対し、最
高460,000 mm•min-1まで到達し
ます。内径最大3,830 mmまでに対
応するスラスト円筒ころ軸受では、
定格荷重が最も高くなります。内径
の大きな軸受でも、極めて高い精度
を実現できます。シェフラーグルー
プインダストリアルでは、お客様に
高い付加価値をご提供できるよう、
幅広い製品と総合的なサービスを組
み合わせています。お客様の現場
でのエンジニアリングサービスを始
め、シェフラーの軸受計算ソフトウ
ェアBearinx®を使った正確な軸受設
計をサポートします。同プログラム
では、システム全体から個々のころ
がり接触部まで、あらゆる負荷状況
の計算が可能。取付けと初回運転に
あたっては、インダストリアルアフ
ターマーケット部門のサービスチー
ムがお客様をサポートします。この
ほか運転や潤滑、メンテナンスにつ
いて熟知した技術アドバイスサービ
スを通じて、動作コストの削減や、
軸受寿命を延ばすためのお手伝いも
いたします。当部門ではご要望に応
じて、軸受の再調整にも対応し、ダ
ウンタイムを最小限に抑えます。
軸受を複数使用したソリューション
で性能を最適化
軸受を複数使って回転テーブルを支
持する場合、用途に合わせた組み合
わせが可能です。原則として、それ
ぞれに必要とされる負荷容量、剛
性、速度をもとに軸受を選びます。
メイン軸受であるスラスト軸受は、
軸受を複数使用したソリューション
の要です。メイン軸受の特性は、機
械の性能を大きく左右することにな
ります。以下で紹介する2つのパタ
ーンが、特に有効であることが証明
されています。
軸受2つを使ったソリューションでは、
スラスト軸受(スラスト深溝玉軸受
またはスラスト円筒ころ軸受)1つ
と、アンギュラコンタクト軸受(ア
ンギュラコンタクト玉軸受または円
軸受3つを使ったソリューションでは、
スラスト軸受2つとラジアル軸受1
つを組み合わせます。大径のスラス
ト軸受がテーブルプレートと工具の
主な負荷を支持し、カウンター軸受
である小径スラスト軸受により、ア
キシャル方向に予圧をかけ、傾きモ
ーメントの支持にも使われます。ラ
ジアルガイドは、超精密ラジアル円
筒ころ軸受により行います。
原則として、設計にあたって玉軸受
を用いると速度が上がり、円筒こ
ろ軸受を用いると剛性と負荷容量が
高まります。スラスト深溝玉軸受で
は、速度パラメータが円筒ころ軸受
安全監視システムーFAG SmartCheck
FAG SmartCheck ― 小さなパッケージで最
高の性能を発揮。
コンパクトで操作も簡単。
FAG SmartCheckは機器やプラント
監視用の、新しい革新的な
「シングル
チャンネルオンラインシステム」
です。
たとえばバランスの不具合やミスアラ
イメント、
ころがり軸受や歯車の監視
に対応できるよう、20以上のパラメー
タがあらかじめ設定されています。価
格性能比に優れており、非常に高効率
なオンライン監視システムを低予算で
導入可能です。FAG SmartCheckは
信頼性向上による安定稼働に加え、
ラ
イフサイクルコスト
(LCC)
および総所
有コスト
(TCO)
の削減に貢献します。
同システムでは振動や温度などの標
準的パラメータに加え、圧力や荷重と
いった運転に関するパラメータを記
録します。
こうして得られた幅広いデ
ータに基づき、専門家により機械の状
態を精度良く評価することが可能とな
ります。
センサー数やシステム統合レベルに
ついては、使用環境に応じて調整可
能です。
2011/2012年号 – 7ページ
「頼れる計算力」
計算ツールの機能拡張で、
シェフラーグループの高度な専門知識を実証ーEasy Solution
ころがり軸受の設計は、設計サポート
における重要な役割の1つです。
シェ
フラーグループはこれまで30年以上
にわたり、軸受の選定や計算プログラ
ムを使用し成果を収めてきました。軸
受解析計算ソフトウェア
「Bearinx®
」
や電子製品カタログ
「medias®」
は、
その一例です。EMO 2011参加
に合わせ、
このたび新たな機能を追
加しました。
Linear Easy Solution ― リニア
ガイドシステムのための強力な計算
ソフトウェア
シェフラーグループのINAリニア技術
部門では、
ころがり要素で支持された
リニアガイドシステムの新しいオンラ
イン計算モジュールをインターネット
計算ツール
「Linear Easy Solution」
のスタート画面
経由で無料かつ24時間年中無休でご
提供します。
シェフラーが開発した軸
受解析計算ソフトウェアBearinx®を
ベースにしたLinear Easy Solution
では、
ころがり要素で支持されたリニ
ア軸の基本定格寿命を計算すること
ができます。使いやすく分かりやすい
インターフェースとスムーズなメニュ
ー構成で、必要なデータを漏れなく入
力できます。最も一般的なドライブ、
ガ
イドレール、
キャリッジを組み合わせ
たリニア軸の設定をあらかじめ用意し
ています。
また、最大でガイドレール数
4本、
キャリッジ数16個まで自由に選
定することが可能です。Linear Easy
Solutionでは、
リニアガイドに実際に
かかる荷重を付加した際の、接触角
の変位や転動体接触部の非線形変
形挙動解析が可能で、
さらにガイドレ
ールおよびキャリッジの弾性変形を
考慮してモデル化しています。計算に
は、
リニアガイドをシミュレーションす
るための最新アルゴリズムが使われて
います。軸の構成や荷重、荷重条件な
ど、計算のために入力したデータをす
べて保存し、
さらなるプロセスや最適
化に利用できます。
顧客サポートに力を注ぐシェフラー
が世界各地で展開するエンジニア
リングサービスをさらに補完する形
で、INAリニア技術部門では個々のお
客様に即した充実かつ迅速なサポー
トを提供いたします。
損傷解析の基礎パート1
新連載
「損傷解析の基本」― 今回は
「損傷モード」
の分類についてご紹介します。
軸受の損傷は一般に、
コンタミネーションや過大負荷など動作条件に起因す
るもの、
そして、故障メカニズムによるもの、
という2つの異なる観点から分類
できます。後者の分類方法についてはISO 15243で標準化されています。
「added competence」
の今号からスタートした当連載では、標準化された
分類に焦点をあてながら、故障分析について解説していきます。
第1章では、標準化された故障メカニズムで第一に挙げられる
「ころがり接触
疲労」
の問題を取り上げます。
これは、基本動定格荷重の計算の拠りどころと
なっているものです。
これに対応するDIN ISO 281規格では、
「寿命」
という用
語を次のように定義しています。
疲労
疲労は、
軸受軌道と転動体上における材料剥離、
「フレーキング」
とも呼ばれ
る徴候から見て取ることができます
(図を参照)
。
疲労破壊の初期原因は、
鋼鉄においては避けられな
い
「不純物の混合」
にあり、
これは主として合金成分
によるものです。
鋼鉄の格子型構造を途切れさせるこ
とで構造を局部的に変位させ、
結果として再硬化さ
せます。
顕微鏡で見ると、
こうしてできた再硬化部分
(
バタフライフォーメーション)
を起点に、
顕微鏡でし
か認められないような割れ(マイクロクラック)が生じ
ています。
使用を続けるうちにこのマイクロクラックは
表面に向かって伸び、
ころがり方向に向けて疲労破壊に至ります。
破壊が表
面に到達すると、
材料が局所的に剥離します。
損傷の原因は、
材料にかかる局所的面圧によるものです。
損傷は、
軸受の寿命
が
「自然に尽きた」
ためとも考えられますが、
ねじりや応力などにより局部的に
過負荷がかかっている可能性もあります。
対策:現在かかっている負荷と動作
時間を確認し、
必要に応じて面圧上昇の原因を特定して原因を取り除きます。
GERMAN INDUSTRIAL STANDARD
October 2010
3.1
Life:
For an individual rolling bearing, the number of revolutions which one of the bearing rings
(or washers) makes in relation to the other ring (or washer) before the first evidence of fatigue
develops in the material of one of the rings (or washers) or rolling elements.
The influence of wear, corrosion and electro-erosion on the bearing life is not dealt with in the
International Standard:
損傷メカニズムの構造:
疲労
磨耗
腐食
電食
塑性変形
表面下疲労
表面疲労
こすり摩耗
スミアリング
湿気による腐食
摩擦腐食
沿面電流
フォールスブリネリング
通電
過負荷
圧痕
重荷重破壊
破壊
フレッチングコロージョン
耐久破壊
再熱割れ
粒子圧痕
取り扱い不良による圧痕
2011/2012年号 – 8ページ
シェフラーのパートナー、
ヴァルトリッヒ・コーブルク社
運転の効率化 ― 繊維機械の性能向上を実現
ヴァルトリッヒ・コーブルク社工作機械の歯切り加工技術
シェフラーグループ、
ITMA
(バルセロナ)
に出展
Hall 2 / Booth C142
Lubtect®
An
anwendungsorientierte
application-oriented Alternative
alternative
to grease
zu fettgeschmierten
lubrication of bearings
Lagern
繊維機械用ころがり軸受
Lubtect®
シンプルな要素部品から一体化した
ハイテクソリューションに対応する、
高精度かつ即取り付け可能、
メンテ
ナンスが容易なころがり軸受製品を
幅広く取り揃えております。信頼性と
効率性を兼ね備えた我々の軸受製品
は、繊維産業の全工程にわたって使
用されるあらゆる種類の機械に対応
できます。
その一部をここでご紹介い
たします。
- 仮撚加工用ガイドローラ ― 耐磨
耗・耐腐食コーティング、摩擦特性を
最適化
- テープテンションプーリ ― 低摩擦
で耐久性に優れ、 アンバランスを
低減
- 紡績前処理用機械や加工糸用機械
向け、取り付けが容易な ラ
ジアルインサート玉軸受とハウジング
ユニット
- 紡績機向け、
スピンドルネック用軸
受、
ロータ用軸受、
テープテンションプ
ーリ、
ガイドローラー
- 加工糸用機械向け、摩擦ダンパー搭
載スピンドルとピボットジョイントを
組み込んだ高精度な圧縮ローラー
- 製織機械のギアボックス向け、耐衝
撃性を備えたヨーク形、
スタッド形ト
ラックローラー
- Lubtect ― 固形潤滑により潤滑寿
命向上
- 編み機および製織機械の揺動運動
に合わせてクリアランスを最適化し
た、総ころタイプの針状ころ軸受
- ドビー織機での高荷重にも対応可
能な、針状ころ軸受および玉軸受
- Triondurコーティングを施したニー
ドルフェルト機用ケージ
- 刺繍機、裁断機、
ハンドリング装置、
染色機、
その他繊維機械のためのリニ
アガイドシステム
紡績や糸仕上から既製服の製造とい
った幅広い工程において、弊社の革
新的なシステムソリューションだけで
なく、
日々改善が行われている標準的
繊維機械用軸受サポート
INA繊維ガイドころ
減されています。
さらに、新しい高品
摩擦を低減したX-lifeツイン
質の円すいころ軸受では、
きわめて高 (TWin)
ケージ搭載の機械加工針
いエネルギー効率を実現。
ダウンサイ 状ころ軸受
ジングの可能性が広がり、取り付けス プラスチック製のツイン
(TWin)
ケー
ペースや重量、
エネルギーコスト削減
ジを搭載した新しい機械加工針状こ
といったメリットも提供します。FAG
ろ軸受は、摩擦低減により高効率化
X-life円すいころ軸受は、
総所有コスト を実現しました。
INA仮撚加工用ガイドローラ ― 軽
(TCO)
の点で経費削減に大いに役
量ながら機械の生産性を向上
立つほか、
メンテナンスや修理にとも
新しくなったINA仮撚加工用ガイドロ
通常は長い針状ころ1本を使うところ
ーラは、超軽量であらゆる加工糸機械 なう費用も削減します。FAG X-life円 ですが、
この軸受では短い針状ころ2
すいころ軸受は、織機のギアボックス
の動特性向上を実現します。外輪の
本をケージポケットに並べて挿入し
など繊維機械産業での用途に特に適
厚みを大幅に減らしたことにより、
こ
ています。
このように、
ケージと転動
しています。
ろがり速度がさらに速くなりました。
体をまったく新しい形で組み合わせ
従来のソリューションに比べ、機械要
針状ころ軸受:小型化と摩擦低減に
素の慣性モーメントは30 %も低減さ
より、紡績前処理における効率性向
れています。
クロムコーティング採用
上へ
により、外輪表面の耐腐食性と耐磨
今年初め、
シェフラーグループインダ
耗性が向上。表面粗さは、繊維の損傷
ストリアルは新たに、
コーマーや編み
を防ぎながら外輪を駆動させるよう
機、2目ゴム編み用の織機における、
調整されています。
針状ころ軸受の通常用途向けに2種
X-lifeソリッド形針状ころ軸受
「-D」
(小型化)
類の針状ころ軸受を発売しました。
な製品においても、
コスト削減と機械
性能の向上が可能です。繊維機械を
テーマにした出版物BTMおよびTMB
は、www.schaeffler.comから直接
ダウンロードしていただけます。
機械の収益性の向上
摩擦低減と高性能により、織機の作
業効率を高めるFAG X-life円すい
ころ軸受
FAG X-life円すいころ軸受は、標準
的な製品に比べ摩擦トルクを最大
75 %低減。動定格荷重が20 %向
上したことで、基本定格寿命が最高
70 %まで延びています。形状や表面、
材料に加えて寸法や振れ精度を最適
化したことにより、
こうした性能向上
が可能になりました。
その結果、軸受
の運転温度上昇が抑えられ、
たとえば
潤滑剤にかかる負担が大幅に減り、
保守作業の周期の延長を可能にしま
した。
また、運転時の騒音もかなり低
小型化して性能を高めたX-life一体
型針状ころ軸受「-D」
新たに開発された形状のスチールケ
ージを採用。成形方法を最適化する
ことで、軸受サイズはそのままに定格
荷重を最大25 %向上させました。従
来と同じスペースに軸受を取り付け
れば、従来より高い荷重に耐えられま
す。新しく設計する場合は、
ダウンサ
イジングの可能性が広がります。
2011/2012年号 – 9ページ
ることで、従来の針状ころ軸受に比べ
て摩擦を最大25 %も低減していま
す。軸受内の熱の発生を抑えることで
グリース寿命が延び、
グリースの再潤
滑期間が延長できるだけでなく、機
械精度も高まります。耐久試験によ
り、TWinケージを搭載した針状ころ
軸受では運転寿命が大幅に延長され
ることが証明されています。
X-lifeソリッド形針状ころ軸受 – ツイン
(TWin)
ケージ搭載
長い伝統を誇る工作機械メーカー、
ヴァルトリッヒ・コーブルク社とシェ
フラーグループはこれまで数十年間
にわたり、密接で実り多いパートナー
関係を培ってきました。
スピンドル軸
受や超高精度の大型軸受、
リニアガ
イド製品など、
ヴァルトリッヒ社の様
々な機械製品がシェフラーに採用さ
れています。
1920年に創立された工作機械メー
カー、
ヴァルトリッヒ・コーブルク社
は、創立以来一貫して製品ラインナッ
プの拡大と充実に取り組み続けてい
ます。同社では現在、
ガントリーフライ
ス盤や垂直タレット旋盤に加え、研削
盤や中ぐり盤といった製品を製造して
います。大型部品の機械加工で世界
を牽引する同社は、工作機械の幅広
いラインナップに歯切り加工技術をプ
ラスして、未知の技術分野へと一歩を
踏み出しました。
の歯車リングの機械加工に対応しま
す。径が6.5 mを超える歯車リングの
場合は、固定装置を支える星型の道
具を使って固定します。2台目のガン
トリー形機械はさらに大型です。
クリ
アランス幅を13 m、回転テーブル径
を8 mにして、直径17.5 mまでの歯
車リングの機械加工に対応します。固
定プレートのサイズは10 m×20 mに
なります。2台はそれぞれ標準的なミ
ーリング用ヘッドに加え、今回のため
に開発された歯切りヘッドを装備し
ています。
ガントリー形機械は歯車リングの製
造に、大きなメリットをもたらします。
- 完全機械加工が可能に
(旋削、穴加
工、
ミーリング、歯切り加工)
- 加工対象の直径を無制限に小さく
できる
- あらゆるタイプの加工対象で機械
加工が可能
- きわめて大きな歯車リングにも、最
新の標準的CNC機械装置が適用可
能に
- ヴァルトリッヒ・コーブルク社標準の
生産性と自動化を実現
その一例が、高度に自動化されなが
ら柔軟性もあわせ持ち、主に風力タ
ービンの遊星減速機で使われている
内歯車を完全機械加工するための製
造システムです。加工対象に合わせ
どの機械でも、歯切りヘッドは自動的
て最適化されたこのシステムは、2台
にピックアップされます。歯切り工程
のMultiTurn複合工作機械を組み合
全体を通じて、Z軸は同じ位置に保た
わせることで、
きわめて高度な生産性
れます。
このとき、垂直方向の動きは
を実現しています。工作機械はパレッ
機械内部のクロスレールを使って行
ト搬送システムに連結されているほ
われます。
クロスレールは、
システム全
か、
それぞれ旋削やフライス加工を行
体の剛性を保っている機械の両方の
うための回転テーブルを装備してお
り、2台とも旋削、穴加工、
ミーリング、 コラムに沿って、静圧案内されます。
歯切り機能を備えています。
クランプ
高精度の歯車を製造するにあたって
工程の回数を減らして非加工時間を
最小限に抑えることで、部品製造のス は、回転テーブルの性能がとりわけ重
要です。特に大型機械については、
ヴ
ピード化および精度と費用効果を高
ァルトリッヒ・コーブルク社では大型
めることができます。品質と生産性を
最大限にすることが最大の目標です。 工作機械における機械システムと制
御工学の分野で培った専門知識を注
歯車状の切削工具を使って平内歯車
ぎ込んで、歯車リングと駆動装置から
やはすば内歯車を機械加工ができる
なる駆動ユニットの最適化を行って
よう、
ヴァルトリッヒ・コーブルク社で
これが、制御システム内部に
は特殊な歯切りヘッドを開発。最大出 います。
生じる膨大な慣性モーメントを安全
力は75 kW、
トルクは7,000 Nmで、
に制御する唯一の方法だからです。
歯車のねじれ角に合わせて正しい位
置へ自動的に旋回します。
設計にあたっては計算ソフトウェア
を使い、
シェフラーグ
鉄鉱石粉砕機などで使われている大 「Bearinx®」
ループと協力して回転テーブル駆動
型歯車リングには、直径15メートル
部にきわめて高い機械的剛性を持た
を超えるものもあります。
ヴァルトリッ
せました。
シェフラーグループからは
ヒ・コーブルク社では現在、
こうした
他にも、INA、FAG、IDAMブランドの
部品を完全機械加工するための機械
軸受コンセプトと製品が供給されて
2台の注文に対応しています。2台の
います。
PowerTec Gantriesは、回転テーブ
ルを装備しています。1台目の機械で
はクリアランス幅を7.5m、回転テー
ブル径を6.5 mにして、直径12mまで
ヴァルトリッヒ・コーブルク本社
ギアフライスヘッド
スピンドル軸受
を学ぶ
学生と設計エンジニアのためのノウハウ集
シェフラーグループインダストリアル
知りたい情報が見つかります
技術者が教える活用術
- 学生と設計エンジニアのために集められた、
ス
ピンドル軸受の活用術について包括的に説明
- 設計エンジニア向け、
スピンドル軸受支持
部の選択や設計に関するガイドライン
- 100年を超えるころがり軸受の歴史にもと
づく、
スピンドル軸受に関する専門知識
- 単なるカタログにとどまらない情報量
- 工作機械の軸受にかかる応力の詳細
- スピンドルまわりの設計に関する手引き
- 軸受配置や潤滑、取付けに関する詳細
情報
- メインスピンドル部における軸受損傷の
防止と解析
- その他
Welcome to Hall 7 / Booth C34!
Spindle Bearings
Theory, Design and Application
2011/2012年号 – 10ページ
「世界で最も知られた転動体」
アディダスとシェフラーグループが、
ドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハで技術ミーティングを開催
工作機械用の支持軸受とダイレクト
ドライブ技術の分野で今年最も注目
を集めたのが、文字通り世界規模の
一イベントでした。
アディダスグルー
プがボールを熟知し、
トップクラスの
「転動体」
を製造していることは周知
の事実です。
アディダス・イベントセ
ンターで開催されたシェフラーグル
ープの第8回技術ミーティング、
夕刻
のプログラムではその事実が、実に
ユニークな形で紹介されました。一
方で、
アディダスグループからの招待
講演者ニュルンベルク工学博士によ
る、
ワールドカップ公式球「ジャブラ
ニ」
の説明では、
その技術的側面にも
大いに注目が集まりました。
最高クラスのサッカーボールに加え、
ヘルツォーゲンアウラッハからはあら
ゆる種類のボールが世に送り出され
ています。同市は、
フィールドは違えど
も同じく最高クラスの転動体を生産
する、
「ボールに関する」
もう1つの世
界的プレーヤーが拠点を置いている
ことでも知られています。
こうした関
係で、最近開催された最先端のころが
り軸受フォーラムでは、
メインスピン
ドルや送り軸、回転テーブル、
リニア
軸、
ダイレクトドライブ技術といった、
いずれも
「軸受の効率性」
に関連する
製品にまつわる分野から、技術につい
て幅広く発表が行われました。
製造機械部門責任者ヘルムート・ボ
ーデはアディダス製サッカーボール
の素晴らしい精度を引き合いに出し
ながら
「カウンター攻撃」
を繰り出し、
シェフラーのころがり軸受球の類い
稀な特性について説明しました。精巧
なジャブラニをドリブルしながら、話
題は最新の市況と社の業績に移りま
した。IDAMで販売責任者をつとめる
マルコ・プファイファー工学博士は
「
RKIシリーズモーター ― 高速、高ト
ルク」
と題した講演で、今年度のEMO
の目玉は
「世界最高性能の回転軸」
に
なるとの内部見解を示しました。小型
化を可能にする選択肢ができたこと
で、同じ出力をより小さい設計スペー
スで実現したり、
モーターのサイズ調
整やコンバーターをなくして大幅なコ
スト削減が可能になるということで、
参加者の驚きと関心を集めました。
アプリケーションエンジニアリング・
工作機械用ベアリング部門のロバー
ト・ユング工学博士が「高精度軸用
ベアリングの性能向上」
で、
まさに倍
速を実現した新世代の回転テーブル
軸受「ZKLDF..B」
を紹介した際も、会
場は再び沸きました。
アプリケーショ
ンエンジニアリング・リニア技術部門
責任者のミヒャエル・ハイド工学博士
は、
リニア軸受支持部の寸法決定や
設計において定評を得ているシェフ
ラーグループの新しいサポートサー
ビスについて見解を示しました。機械
「回転エレメント」
のトレーニング – 玉の感触をつかむ
構造やリニア軸受のタイプと設置位
置、減衰効果に関する動力学的計算
が、
「工作機械のシミュレーション」
と
題するこの発表のハイライトとなりま
した。
アプリケーションエンジニアリ
ング・スピンドルベアリング部門責任
者のマーティン・フォル工学博士の講
演でも
「減衰」、厳密には
「メインスピ
ンドルの振動減衰」
が話題の中心と
なりました。
スピンドルの動的挙動の
最適化や振動減衰設計の手法につい
ては、多くの質問が寄せられました。
アプリケーションエンジニアリング・
スピンドルベアリング部門のクリスト
フ・フォン・クレス工学博士も、基調講
演「スピンドルと軸受のマッチングと
は」
のなかでこのテーマを取り上げま
した。特殊軸受と軸受支持部の主な
活用分野について、現場を基準に概
要を示したあと、
「RSが切り開く新た
な可能性」
をスローガンに掲げ、新し
いスピンドル軸受RSシリーズ(ロバス
ト性とスピードを両立)
の特長を紹介
しました。
ミーティングを締めくくった
のは、
イェルク‐オリヴァー・ヘスター
マン工学博士の講演「キングピン軸
受支持部がさらなる価値をもたらす」
です。既存の軸受ソリューション、特に
大型回転テーブルを例にあげて、工
作機械への垂直回転軸の導入につい
て詳細な報告が行われました。
ミーティングの前日、参加者のほぼ全
員がヘルツォーゲンアウラッハのシェ
フラー工場で舞台裏を見学していま
す。今回のワークショップでは、例外
的に
「ハンド」
が認められました。
1. 製造ツアー(テーマ:精密成形)
2. 故障解析(工作機械のころがり軸
受およびリニア軸受)
3. 検証(見積要求から納入まで:回
転テーブル軸受を用いた試験および解
析の実演)
4. 新設の
「シェフラー表面技術センタ
ー」
(設計要素としてのコーティングの
付加価値)
見学ツアーは非公式な交流の場とな
り、
フォーラムでは情報や日々の業務な
どに役立つ意見が活発に交換されまし
た。
ミーティングは2部構成で行われ、
いずれも早くに定員が埋まりました。
い
2011/2012年号 – 11ページ
再生可能エネルギー用途での試行錯誤を経て
太陽光、
風力、
水力発電所のための軸受ソリューション
シェフラーグループインダストリアル
では、再生可能エネルギーの分野で
着実に成長を遂げてきました。
シェフ
ラーグループでは30年以上にわた
り、風力発電部門で安定した地位を
保ち、開発パートナーとして世界各国
のあらゆる風力タービンや風力ター
ビン用ギアボックスメーカーのサポ
ートをしております。最近設立された
発電(Power Generation)部門で
は、太陽光、波力、潮力発電所に関連
したあらゆる業務を手がけています。
古くからある水力
(ダムなど)
や従来
型の火力発電所に加え、発電用エネ
ルギー変換装置などの用途にも携わ
っております。
アンダソル太陽光発電所では、
シェフラーグルー
プインダストリアルの油圧ロッドエンドを数千本
使用。
油圧調整が可能な数百のパラボラ・トラフ
を支え、
ミリ単位の精度での角度調整を可能に
することで、
太陽の動きを追跡。
テクニカルミーティング2011
ずれの技術ミーティングでも、
個人個
人が経験を交換しあうチャンスを提供
し、
討論の場としての独自色を活かすた
め、
参加者数が制限されました。
次回の
ミーティングは2012年末の開催を予
定しています。
それまで、
ヘルツォーゲン
アウラッハ発の世界で最も名を馳せた
転動体が、
ゲームのキープレーヤーとし
て幾度となく輝きを放つことでしょう。
アディダス・ワールドカップ公式球「ジャブラニ
(JABULANI)」
の製造
太陽エネルギー:高い効率性を実現、
太陽を精確に追跡するための軸受
スペインのアンダソル太陽光発電所
に設置されたシェフラーのすべり軸受
は、集光用パラボラ・トラフの正確な
揺動を可能にし、発電所の効率性向
上に大いに貢献しています。
同発電所
では、合計1,248本の油圧ロッドエン
ドが使われています。
これらは油圧調
整が可能な数百のパラボラ・トラフを
支え、
ミリ単位の精度で位置調整する
ことで、太陽の動きを追跡しています。
すべり軸受は低速かつ精度の高い揺
動運動に理想的な軸受です。高い負
荷にも耐えられるほか、単一方向の
荷重や、風向の変化などによる変動
荷重の両方に適しています。
これによ
り、150メートルにわたって連結され
た集光装置を、太陽の移動位置に合
わせ、東から西へと10分の1ミリ単位
の精度で調整することが可能になり
ました。
再生可能エネルギー源として役立てられている波。
シェフラーグループインダストリアルでは、
ペラミ
ス社による波力発電装置の開発に協力。
個々のセグメントは、
絶えず変動しながら最大数百トンにも
のぼる負荷にさらされる軸受装置で連結されている。
動装置に使われているころがり軸受
支持部は、方位角と仰角軸の調整を
可能にします。
ここでは高負荷容量と
高剛性であることに加え、高いガイダ
ンス精度もきわめて重要です。
ソーラ
ーミラーを確実かつスムーズに、振動
を抑えながら支えるには、
こうした特
性が必要不可欠です。軸受は、
たとえ
ば突風による強い力やトルクにも耐え
られる強度が必要です。
このため軸受
支持部は、発電所の信頼性と経済的
な実行可能性において決定的な役割
を担っています。
水力発電 ― 波力発電所で使われる
軸受
将来のエネルギー供給においては、
太陽エネルギーのほかにも、波力や
潮力発電所など新しい形の水力発電
が大きな割合を占めることになりま
す。波力が持つ将来性だけを見ても、
現在の全世界のエネルギー需要を数
倍上回っています。世界エネルギー
会議の試算によれば、現在の全エネ
ルギー需要の約15 %は、実際に波力
発電所によってまかなえると言われて
います。
シェフラーグループインダストリアル
では、
そのうち最も有望なプロジェ
クトである、
イギリスのペラミス・ウ
ェーブ・パワー社(Pelamis Wave
Power)
の波力発電システムにおい
て、開始当初から戦略パートナーを
務め、大成功を収めるサポートをして
います。
クリーンエネルギーを後世に
残したいと考えていた両社が提携し、
太陽熱発電所のソーラータワーやソ
従来の軸受やシール技術の枠を超え、
ーラースターリング発電装置といっ
「既成概念にとらわれない」考え方に
た2軸追尾型システムなどでは、
たと
より、今回の進歩を実現へと導きまし
えばAXSアンギュラコンタクトころ軸
た。2004年、
ペラミス・ウェーブ・パワ
受などのころがり軸受が使われていま ー社は世界初の沖合波力発電装置を
す。
こうした施設では、軸受はおもにミ 建設しました。
その経験をもとに、両
ラー調整に利用されています。2軸駆
社は初代よりも効率性に優れ費用効
果の高い
「P2」
の設計を進めました。
海蛇に似た姿をしたペラミスの波力
発電装置は、海底にアンカーを固定し
た状態で海面を漂います。巨大な鋼
鉄製チューブはヒンジで連結されて
おり、波頭に対して直角に向けられま
す。波の上下運動は油圧シリンダーと
オイルアキュムレータを介して、発電
機につながれた油圧モーターを駆動
させます。個々のセグメントは、
シェフ
ラー製軸受数種類を組み合わせた軸
受装置で連結されています。
これら連
結部分にかかる作用力は最大数百ト
ンにものぼり、
そのすべてを軸受が支
えることになります。
ダムではラジアルゲート開閉に、
すべり軸受や
球面ころ軸受が使われている。写真はニュージ
ーランドのベンモア ダム。
従来型水力発電所 ― タービンから
ウォータースクリューまで
シェフラーグループインダストリアル
ではこれまで長年にわたり、従来型の
水力発電所の分野でも業界をリード
してきました。
たとえば、
ダムではラジ
アルゲートの開閉を中心に、
すべり軸
受や球面ころ軸受が使われています。
こうした現場で使われる軸受は、水圧
とこれをせき止める水門の重量が一
方向にかかるため、
きわめて高い負荷
がかかります。
そのうえ、長期の無使
用期間を経た後でもゲートを確実に、
アンダソル発電所では、
ヨーロッパで初めて太陽
熱発電技術を実用化。
Andasol 1はパラボラ・ト
ラフ式発電所としては世界最大。
気候にやさしい
出力50メガワットの発電所は、
約20万人分の電
力需要をまかない、
約15万トンの二酸化炭素削
減に貢献。
(提供:独ソーラーミレニアム社)
かつ低摩擦で開くことが要求されま
す。軸受はアクセスが難しい場所に配
置されており、
メンテナンス間隔を可
能な限り長くとるためにも、完全にメ
ンテナンスフリーのすべり軸受ところ
がり軸受が使用されます。
たとえばカ
プランタービンやフランシスタービン
など、水力発電所で使われるタービン
軸受に関する専門知識も必要になり
ます。
タービン回転部の支持部、
たと
えば小型モーターに使われるころが
り軸受などで、
その専門知識が活かさ
れています。
さらに、
ランナー羽根車へ
の水量を制御するタービンの案内羽
根を支持するため、特殊なすべり軸受
が使われています。一方、水力発電に
使われる水車やウォータースクリュー
などの単純な用途にも、適切な軸受ソ
リューションを提案しています。
こうし
た用途に使われる軸受は、特殊な需
要に応えるためシェフラーグループが
開発した、耐腐食性を備えた高窒素
特殊鋼(Cronidur 30)
で製造されて
います。
これにより、水を
「潤滑剤」
とし
て利用して、
シール材なしでも使用可
能になりました。
ドイツのザール川水力発電所で使われているア
ルキメデス ポンプ。
セミロケーティング軸受のリ
ングところがり軸受には、
高窒素で耐腐食性を
備えたCronidur 30軸受用特殊鋼を採用。
2011/2012年号 – 12ページ
応募で当たる!
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記入してください。
工作機械の競争力を高めるために
会社名:_________________________________________________________
番地: ___________________________________________________________
Tel.: ____________________________________________________________
Fax: _____________________________________________________________
E-Mail: __________________________________________________________
Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG
Production Machines division
IEBSWE-SM
Georg-Schäfer-Straße 30
D-97421 Schweinfurt
以下の質問にお答えいただければ幸いです。
住所は正しく記入されていましたか。変更が必要な場合はお知らせください。 (活字体でお書きください。)
Fax:+49 (0) 97 21/91 14 35
締め切り:2012年5月31日
法律関連の資料はありません。
「added competence」
の送付先はどなたにしたらよいでしょうか。
シェフラーおよびパートナー各社の
従業員は応募できません
2012年号予告
1. EMOの主な見どころ
2. 印刷機械の技術革新
3. AMB(シュトゥットガルト)
工作機械部門の向上・改善についてお知りになりたい点はどのようなことでしょうか。
2010年1月号の懸賞当選者
人気の新型情報端末 iPad2 を手に
したのはヒュッケスヴァーゲンにあ
る、
クリンゲルンベルグ社のエンジニ
アリング部門ディートマー・ローさん。
去る5月、
ヴッパタールにあるシェフラ
ーのエンジニアリングオフィス、
フィー
ルドサービス部門代表ユルゲン・ドナ
ートから贈呈されました。
+++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER
シェフラーグループインダストリアルで
は、ITMAバルセロナ国際繊維機械展
(2011年9月22~29日、第2ホール
C142ブース)、IMTSシカゴ工作機械展
(2012年9月10~15日)、
ドイツでの
AMBシュトゥットガルト国際金属加工展
(2012年9月18~22日)
に出展します。
+++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER +++ NEWSTICKER
日本の販売代理店
データマトリクスコードがスピンド
ル軸受のさらなる安全性を保証する
氏名: ___________________________________________________________
都市/郵便番号: _________________________________________________
応募用紙に正しい回答を
記入してください。必要事項を記入後、
以下まで返送してください。
最後に
本物の製品を巧みにまねて、
ひと目
では見分けがつかないような模造
品が出回っています。
本物の市場価
格を
(不当に)
手に入れるため、
これ
ら模造品が作られています。
こうし
た詐欺行為に加え、
特定メーカー
のイメージを損なうことを目的とし
たケースも珍しくありません。
こうし
た策略からハイグレードのシェフラ
ー製品とユーザーを守るため、
今後
はFAGスピンドル軸受にデータマト
リクスコードを表示して、
超精密軸
受1個1個を即座に識別できるよう
にいたします。
軸受とパッケージ外
装の両方に表示された2次元バー
コードをスキャンして、
その軸受が
FAG製軸受の詳細データと一致し
ているか一瞬で判別します。
一致し
なかった場合、
製品に2つ目のバー
ジョンが
「存在する」
、
つまり模造品
であることを示します。
シェフラーグ
ループではSTOP
(シェフラーグル
ープのオリジナル製品を守るセキュ
リティ技術)
プロジェクトの一環と
して、
データマトリクスコード表示
製品の製造に取り組んでいます。
シ
ェフラーのビジネスパートナーにと
っても、
安全とセキュリティの大幅
な向上につながります。
インプリント
発行者:
Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG
Production Machinery division
編集長:
Claudia Kaufhold
住所:
Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG
IEBSWE-SM
Georg-Schäfer-Straße 30
D-97421 Schweinfurt
Tel.: +49 (0)9721/91 19 11
Fax: +49 (0)9721/91 63 16
シェフラーグループのメンバー
編集部:
Helmut Bode
Rainer Eidloth
Clemens Hesse
Claudia Kaufhold
Norfried Köhler
Martin Schreiber
製作者:
Buena la Vista AG, Würzburg
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