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IFRS適用に関する我が国の最近の動向

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IFRS適用に関する我が国の最近の動向
www.pwc.com/jp
IFRS適用に関する我が国の最近の動向
2014年12月
あらた監査法人
目次
1. IFRS最新動向
2. 各国のIFRS適用状況
3. IFRSの導入理由及びその課題
4. 修正国際基準(JMIS)
PwC
2
1. IFRS最新動向
PwC
3
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 (降り返り ~2012年)
日本
2002年
―
2005年

欧州
―
CESRによる同等性評価を受け
始める
米国


EU域内の上場企業にIFRS強制適用

CESRが日本に対する同等性評価を
開始

―

IASBとFASBの間でコンバージェンス
に合意(ノーウォーク合意)
―
2006年
―
2007年

IASBとASBJ間でコンバージェンスの
加速化に合意(東京合意)

IASC財団のガバナンス向上提案
公表(EU、SEC、金融庁)
―
2008年

CESRによる同等性評価を得る

CESRが同等性評価を日本に付与

IASBとFASBがMoU見直し

SECがロードマップ案を公表
2009年

金融庁企業会計審議会が「我が国
における国際会計基準の取扱いに
ついて(中間報告)」を公表

IFRS財団モニタリング・ボード設置
2010年

IFRSの任意適用が開始(3月期)
―

SECが単一の高品質なグローバル
会計基準を支持する声明を公表
2011年

金融担当大臣がIFRS適用に関する
声明を発表
―

SECスタッフがスタッフ・ペーパーで
コンドースメント・アプローチを説明
2012年

金融庁が「国際会計基準への対応
のあり方についてのこれまでの議論
(中間的論点整理)」を公表

IFRS財団モニタリング・ボードが
「ガバナンス改革」最終報告書を
公表→メンバー要件としての
「IFRSの使用」

SECスタッフが最終報告書を公表
(意思決定には追加の時間がかかる
旨)

IFRS財団がアジア・オセアニア・
オフィスを東京に開設

SECスタッフ最終報告書へのコメント
公表
PwC
IASBとFASBがMoU締結
―
4
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 (降り返り 2013年~)
日本
2013年
2014年

ASBJがASAFの初代メンバーに 選出

自民党が「国際会計基準への対応
についての提言」を公表

金融庁が「国際会計基準(IFRS)への
対応のあり方に関する当面の方針」
を公表

1月:東証他による新指数「JPX日経
インデックス400」がスタート

5月:自民党が「日本再生ビジョン」を
公表

6月:政府が「日本再興戦略」改訂
2014を閣議決定

7月:ASBJが修正版IFRS(JMIS)公表

8月:金融庁が内閣府令を改正
(非上場IFRS適用会社が初めて
提出する有価証券届出書の
連結財務諸表の年数を短縮)

10月:金融庁が企業会計審議会
総会を開催

11月:東証が会計基準の選択に
関する基本的な考え方についての
開示を要請
2015年
-
2016年

PwC
2016年末までに、IFRS任意適用
企業300社程度をめざす
欧州/IASB

IFRS財団がIASBに対する技術的
諮問機関として会計基準アドバイザ
リー・フォーラム(ASAF)を創設

IFRS財団モニタリング・ボード(MB)
がメンバー要件である「IFRSの使用」
の定義を明確化

5月:IASBが収益認識(IFRS第15号)
会計基準公表

7月:IASBが金融商品(IFRS第9号)
の改訂公表(分類及び測定、減損含
む)
米国

FASBがASAFの初代メンバーに選出
される

3月:FASB および非公開会社
評議会(PCC) が非公開企業のため
の最終基準(のれんの償却、簡素化
された減損テスト適用可能)を公表

5月:FASBが収益認識基準を公表

11月:佐藤隆文元金融庁長官が
IFRS財団の評議員に就任
(評議員会副議長の藤沼亜起氏の
後継)

ASAFメンバー見直し予定(2年毎)
-

MBメンバー見直し予定(3年毎)
-
5
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 - IFRSの任意適用の積上げを図る主な取組み
2013年6月に金融庁の企業会計審議会より「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する
当面の方針」(以後「当面の方針」)が公表され、その後各提案に対して対応が取られました。
~2012
金融庁関連の動向
2010/3期~
IFRS任意適用
開始
H1
2013
H1
連結
財規
改正
内閣
府令
改正
上場企業・国際的な財務・
事業活動の要件は撤廃
大臣発言
2012年
中間的
論点整理
2015
H2
任意適用が可能な企業数が大幅に増加
任意適用要件の緩和
2011年
2014
IFRSの任意適用の積上げを図る取組み
2013年「当面の方針」
2009年
中間
報告
財規
改正
単体開示の簡素化
IFRSを使用し
たIPOの増加
開示負担の軽減
会社法の要求水準に
統一することを基本
IFRSの適用の方法
エンドースメント
されたIFRS
PwC
H2
ASBJ内の「作業部会」にてJMISを開発
作業部会は、IFRSと日本
基準に精通した作成者
他により構成
公開
草案
JMISの公表
6
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 -日本再興戦略
政府は2014年6月24日に、新成長戦略「「日本再興戦略」改訂2014-未来への
挑戦」を閣議決定
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度~
IFRSの任意適用企業の拡大促進
IFRS適用レポート(仮称)公表
金融・資本市場の活性化
IFRSの任意適用企業の拡大促進
・2008年のG20首脳宣言において示された、会計における「単一で高品質な国際基準を策定
する」との目標の実現に向け、IFRSの任意適用企業の拡大促進に努めるものとする。
・また、従来進めてきた施策に加え、IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り
越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、実態調査・
ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、「IFRS適用レポート
(仮称)」として公表するなどの対応を進める。
・上場企業に対し、会計基準の選択に関する基本的な考え方(例えば、IFRSの適用を検討して
いるかなど)について、投資家に説明するよう東京証券取引所から促すこととする。
短信にて、2015年3月期決算から「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の記載が
要請される(2014年11月12日公表)
例えば、IFRSの適用を検討しているか(その検討状況、適用予定時期)などを記載
PwC
7
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 - JPX日経インデックス400
日本取引所グループと東京証券取引所(JPXグループ)及び日本経済
新聞社は、2013年11月6日に、「JPX 日経インデックス400」を共同開発
定量的指標
 3年平均ROE:40%
 3年累積営業利益:40%
 選定基準日時点における時価総額:20%
2013年11月6日公表(第1回目銘柄:IFRS適用、
適用予定32社が含まれる)
エムスリー、DeNA、双日、JT、三菱ケミカル
ホールディングス、花王、武田薬品、
アステラス製薬、田辺三菱製薬、中外製薬、
エーザイ、小野薬品、参天製薬、第一三共、
ヤフー、伊藤忠テクノソリューションズ、楽天、
コニカミノルタ、旭硝子、LIXIL、富士通、
アンリツ、日東電工、HOYA、伊藤忠、丸紅、
三井物産、住友商事、三菱商事、日本
取引所、ファーストリテイリング、ソフトバンク
PwC
定性的指標
 独立した社外取締役の選任(2人以上)
 IFRS採用(ピュアIFRSを想定)または採用
を決定
 決算情報英文資料のTDnet(英文資料
配信サービス)を通じた開示
2014年8月7日公表(第2回目銘柄:IFRS適用、
適用予定2社追加)
第1回目選定銘柄(左記)に加えて、以下の
IFRS適用、適用予定企業が追加された
セイコーエプソン、リコー
8
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 -日本のIFRS適用状況
12月1日現在、IFRSを適用又は適用を公表している企業は50社
業種
会社数
医薬品
9
卸売業
7
電気機器
6
情報・通信業
6
サービス
6
化学
4
ガラス・土石製品
2
証券、商品先物取引業
小売業
その他金融業、輸送用機器、
金属製品、精密機器、
食料品、不動産業
PwC
2
2
6
2014年12月1日の状況
IFRS適用企業の数(50社)は、
東証全体の会社数(3,430社)の
約1%
数は1%であるが、時価総
額で換算すると
IFRS適用企業の時価総額合計
(約71兆円)は、東証全体の
時価総額(約529兆円)の
約13%
(各業種1社)
9
1.IFRS 最新動向
IFRS 最新動向 -IFRS適用及び適用公表企業
1社
2社
2010年度
2011年度
日本電波工業
2社
2012年度
11社
13社
15社
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
LIXIL
三菱ケミカル
ホールディングス
花王
日本合成化学
ネクスト
田辺三菱製薬
HOYA
日本板硝子
DeNA
ソフトバンク
ヤフー
住友商事
日本たばこ産業
SBI
ホールディングズ
丸紅
日東電工
アンリツ
トーセイ
楽天
【凡例】
武田薬品
小野薬品工業
ネクソン
マネックスG
IFRS適用を正式に公表
ケーヒン
富士通
三井物産
セイコーエプソン
伊藤忠商事
伊藤忠
テクノソリューションズ
三菱商事
第一三共
3社 (社数)
エーザイ
エムスリー
中外製薬
IFRS適用
PwC
アステラス製薬
2社
電通
コニカミノルタ
300社
達成
か?
日本取引所G
双日
リコー
旭硝子
そーせいG
すかいらーく
伊藤忠エネクス
コナミ
ファーストリテイリング
ホットリンク
クックパッド
参天製薬
出典 : 東京証券取引所ホームページ 10
1.IFRS 最新動向
IFRS適用の兆候
兆
候
項
目
会社数
IFRS適用に向けた取り組みを開示 (*1)
105社
会計監査人とのIFRSにかかるアドバイザリー契約を開示 (*2)
444社
決算期変更を実施(予定) (*3)
24社
減価償却方法を変更(定率法⇒定額法) (*4)
182社
*1: 有価証券報告書(決算日は2013年1月1日~2013年12月31日)の「経理の状況」の“連結財務諸表等の
適正性を確保するための取組み”において、指定国際会計基準適用に向けた取組みに関する記述を
行っている会社数
*2: 有価証券報告書の「コーポレートガバナンスの状況等」において、会計監査人に対する非監査業務の
報酬を開示し、当該業務の内容としてIFRSにかかるアドバイザリー契約など(セミナーの委託なども
含む)を開示している会社数(出典:経営財務:3105号、3106号)
*3: 2009年1月1日から2014年6月11日までに「決算期の変更」・「定款の一部変更」等のタイトルで適時
開示を行い、「IFRS対応」を理由に決算期変更を発表した会社数(連結子会社のみの変更は除く)
(出典:経営財務:3167号)
*4: 調査対象は、2011年3月期~2014年1月期の会社
PwC
11
1.IFRS 最新動向
時価総額から見た東証一部市場におけるIFRSの状況
(10月31日現在)
東証一部(4,640,455億円)
時価総額割合
上位300社との比較
その他
1532社
19%
上位
300社
81%
東証一部(4,640,455億円)
時価総額割合
IFRS適用企業との比較
その他
1786社
86%
PwC
IFRS適
用46社
14%
各母集団の平均時価総額
 東証一部企業(1832社)
2,533億円
 東証一部上位(300社)
12,454億円
 東証一部のIFRS適用企業(46社)
14,130億円
 時価総額上位800社の中でIFRS
に関する非監査報酬を記載して
いる企業(83社)
9,546億円
12
1.IFRS 最新動向
売上高から見た東証一部市場におけるIFRSの状況
(直近の有価証券報告書情報より)
東証一部(7,196,862億円)
売上高割合
上位300社との比較建設業9社
その他
1527社
21%
各母集団の平均売上高
 東証一部企業(1827社)
3,939億円
 東証一部上位(300社)
18,994億円
上位300社
79%
東証一部(7,196,862億円)
売上高割合
IFRS適用企業との比較
IFRS適用
46社
16%
 東証一部のIFRS適用企業(46社)
24,992億円
 時価総額上位800社の中でIFRS
に関する非監査報酬を記載して
いる企業(83社)
14,320億円
その他
1781社
84%
PwC
13
1.IFRS 最新動向
海外売上比率の状況
(直近の有価証券報告書情報より)
IFRS適用企業(46社)
海外売上比率割合
海外売上比率
22%
17%
開示なし
1%~20%
17%
24%
20%
21%~40%
41%~60%
61%~78%
IFRS適用に向けた取り組みを開示している企業(95社)
海外売上比率割合
海外売上比率
開示なし
14%
34%
20%
10%
PwC
0%~20%
21%~40%
41%~60%
22%
61%~90%
14
1.IFRS 最新動向
(参考)IFRS財団とモニタリング・ボードの関係
IFRS財団(民間)
モニタリング・ボード
(公的監視機関)
評議員会(Trustees)
22人(うち日本人2人)
・佐藤隆文氏
(日本取引所理事長、元金融庁長官)
監視、評議員
の選任の承認
・岡田譲治氏
・細溝清史氏
(金融庁長官)
IASBメンバーの指名、
資金調達等
基準設定上の論点
に関する助言、
見解の提供
14人(うち日本人1人)
・鶯地隆継氏(元住友商事(株))
・湯浅一生氏(富士通(株))
PwC
会計基準アドバイザリー・
フォーラム(ASAF)
メンバー12 日本他
IFRS諮問会議
IFRS解釈指針委員会
14人(うち日本人1人)
・河野正道氏<議長>
(金融庁金融国際審議官)
(三井物産(株))
IASB(IFRS作成)
(金融庁、SEC,IOSCO,EC
新興市場枠:ブラジル、韓国)
助言
・熊谷五郎氏
(日本証券アナリスト協会)
・村岡富美雄氏(日本経団連)
(2015年1月1日より石原秀威氏
15
に交代)
2. 各国のIFRS適用状況
PwC
16
2.各国のIFRS適用状況
IFRS財団が約 130カ国を調査
IFRS
強制適用
105カ国
IFRS
任意適用
14カ国
日本、インド、
韓国、台湾、ミャンマー、 シンガポールを
含む
マレーシア、香港を含む
自国基準
7カ国
金融機関
のみ適用
3カ国
米国と中国を
含む
準備中
2カ国
インドネシア、
タイ
日本本社より、海外子会社等の方が
既にIFRSを適用している場合が多い
PwC
Analysis of the IFRS jurisdictional profiles
(出典 IASB HP: last updated 14 April 2014)
17
2.各国のIFRS適用状況
(参考)G20各国の現在の上場会社のIFRS適用状況
上場会社のほとんどにIFRSを強制適用している国は、14か国
国
国
状況
状況
任意適用
積上げ中
アルゼンチン
2012年から強制適用
イタリア
2005年から強制適用
オーストラリア
2005年から強制適用
日本
2010年から任意適用
ブラジル
2010年から強制適用
メキシコ
2012年から強制適用
(銀行、保険会社除く)
カナダ
2011年から強制適用
韓国
2011年から強制適用
中国
実質的に自国基準をIFRSへ
コンバージェンス
ロシア
2012年から強制適用
EU
2005年から強制適用
サウジアラビア
銀行、保険会社は強制適用
フランス
2005年から強制適用
南アフリカ
2005年から強制適用
ドイツ
2005年から強制適用
トルコ
2005年から強制適用
インド
任意適用
イギリス
2005年から強制適用
インドネシア
フルアドプションに向けて
タイムテーブルを作成中
米国
2007年から外国登録企業に任意適用
PwC
500社超が適用
「ANNUAL REPORT 2013」(IFRS財団)を参考に作成
18
2.各国のIFRS適用状況
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (1/3)
ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
国名
公開企業の
IFRSの
適用の可否
非公開企業の
IFRSの
適用の可否
韓国
K-IFRSs
原則K-GAAP
(自国基準)、
K-IFRSsは容認
アドプション済
(K-IFRSs)
・K-GAAPは、旧企業会計基準を修正補完して
簡素化
・長期的に中小企業向けIFRSに合わせる方針
(主な差異:のれんの償却、LIFO許容など)
台湾会計基準
(自国基準)
アドプション済
(但し一部金融
機関等は2015年
までに適用)
台湾会計基準は、米国基準およびIFRSを参考
として規定
(主な差異:退職給付会計の任意適用、数理
差異等の遅延認識など)
MFRSs
(自国基準=IFRS)/
MFRS for SMEs
(自国基準=
中小企業向けIFRS)
アドプション済
(2011年以降の
IFRSの追加・修正
アップデートを
計画)
ミャンマー会計基準(MFRSs)はIFRSを
アドプション
(MFRSsは、2010年版のIFRSsをベース)
アドプション済
(MFRS)
・マレーシア会計基準(PERS)は2006年以前の
IASをベース(主な差異:のれん、金融商品、
機能通貨等)
・2016年からMPERS(≒中小企業向けIFRS)19
適用予定(早期適用可)
台湾
FSC(*1)によって
エンドースメント
されたIFRS/IFRS
/US-GAAP(*2)
*1:Financial
Supervisory
Commission
*2:外国会社のみ
MFRSs
ミャンマー
マレーシア
PwC
(店頭市場のみ
存在)
MFRS
PERS(*3)(自国基準)
/MFRS(=IFRS)
*3:Private Entity
Reporting Standards
IFRS適用方針
自国基準とIFRSの関係等
2.各国のIFRS適用状況
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (2/3)
ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
国名
公開企業の
IFRSの
適用の可否
非公開企業の
IFRSの
適用の可否
香港
IFRS/HKFRS
(自国基準≒IFRS)
HKFRS
(自国基準=IFRS)
(外国設立企業は
IFRS可)
コンバージェンス
済(HKFRS)
香港会計基準(HKFRS)はIFRSと
コンバージェンスされている
(特定の基準に関する発効日や経過措置の
相違を除く)
SFRS(自国
基準)
/SFRS for small
entities
・ほぼ全てアドプ
ション済
・コンバージェンス
予定
シンガポール会計基準(SFRS)はIFRSと非常に
類似(IFRS 9は未適用 他)
企業会計準則
(自国基準≒IFRS)
企業会計準則
(自国基準≒IFRS)
(中小を除く)
・実質的にコン
バージェンス済
(企業会計準則)
・継続的なコン
バージェンスを
目指す
企業会計準則は実質的にコンバージェンス済
と主張
(主な差異:有形固定資産、無形資産等の
非流動資産の減損損失戻入の禁止など)
TAS
(自国基準)(*1)
TAS for NPAEs(*2)
(自国基準≒IFRS)
*1:Thai Financial
Accounting Standards
*2:TAS for Non-Publicly
Accountable Entities
段階的にアップ
デート・追加設定
を予定
(2014~2016年)
・主に上場企業を対象としたTASは2009年版の
IFRSをベース
・主に非上場会社を対象としたTAS for NPAEs
はTFRSを簡便化した基準。税効果会計や
退職給付の数理計算等は任意適用。
SGX上場の場合
シンガポー
ル
中国
タイ
PwC
SFRS(自国基準)/
IFRS/US-GAAP
IFRS適用方針
自国基準とIFRSの関係等
20
2.各国のIFRS適用状況
アジアにおけるIFRS適用の可否 / 今後のIFRS適用方針 (3/3)
ご注意 : 以下の情報は、IASBの調査報告等を基に記載しておりますが、直近の各国の状況につきましては、現地の会計事務所に
ご確認いただきますよう、お願いいたします
国名
公開企業の
IFRSの
適用の可否
非公開企業の
IFRSの
適用の可否
IFRS適用方針
自国基準とIFRSの関係等
SAK
(自国基準)
・2009年時点の
IFRSにコンバー
ジェンス済
・2009年以降の
IFRS改訂につい
て順次コンバー
ジェンス予定
・インドネシア会計基準(SAK)は2009年1月1日
時点で有効なIFRSと実質的に同等
・土地の会計処理に関する会計基準等、一部
インドネシア独自の会計基準あり
VAS(自国
基準≒IFRS)
IFRSをベースとし
たVASを整備する
方針
ベトナム会計基準(VAS)はIFRS関連基準に
基づき、部分的な差異を残して作成
(主な差異:減損、金融商品、退職給付等に
係る基準なし)
Ind ASs
(自国基準)
・アドプションして
いない
・コンバージェンス
については企業
規模別に段階的
に適用予定
・インド会計基準(Ind ASs)はIFRSをベース
・法的枠組み又は現行の会計実務から生じる
課題などに基づき、修正しており、いくつか
差異あり
(外国為替レート変動の影響、のれんの償却、
金融商品(表示、認識と測定)、初度適用など)
SAK(*1)
(自国基準)
インドネシア
*1:Indonesian Financial
Accounting Standards
(Standar Akuntansi
Keuangan)
ベトナム
VAS(自国
基準≒IFRS)
(銀行はIFRS強制/
容認)
インド
Ind ASs
(自国基準)
/IFRS
PwC
21
3.IFRSの導入理由及びその課題
PwC
22
3.IFRSの導入理由及びその課題
IFRS 任意適用によるメリット・デメリット
メリット
 グローバル展開のための経営基盤
の強化
・海外M&Aの取り組み容易化
経営戦略
・海外での資金調達の容易化
・業績管理の一元化による国内外の
グループ各社に対するグリップ力の
強化
デメリット?
 IFRS導入時のコスト負担
⇒グローバル展開、経営管理効率化等を
見据えた先行投資と捉える
 決算に見積り要素が増えるため、業
績のボラティリティ―が高まる可能性
⇒経営者の判断を明確にすることで、
納得感を与える
 会社法や金商法の単体決算では
日本基準での開示継続
 連結財務諸表の国際比較性の向上
ディスクロー
ジャー
 外国人投資家の投資意欲向上
 開示項目の充実による投資家に
対する透明性向上
PwC
⇒コンバージェンスにより差異は縮小傾向
 有価証券報告書上の開示項目の
増加により決算業務負担増加の
可能性
⇒子会社の経営実態を把握するよう適切な
情報を適時に入手することで、グループ
経営強化につながる
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3.IFRSの導入理由及びその課題
IFRS への対応に関するアンケート結果
-任意適用の理由-
60%
50%
回答社数(63社)に対する割合
40%
30%
20%
10%
0%
PwC
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
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3.IFRSの導入理由及びその課題
IFRS への対応に関するアンケート結果
-任意適用によるメリット-
45%
回答社数
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
PwC
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3.IFRSの導入理由及びその課題
IFRS への対応に関するアンケート結果
-任意適用によるデメリット-
80%
70%
回答社数(190社)に対する割合
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
PwC
(出典:経営財務:10月27日/3185号)
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3.IFRSの導入理由及びその課題
IFRS 関連業務に対するコスト(ご参考)
対象企業
IFRS関連の非
監査報酬の
平均金額
IFRS関連
業務の記
載がある企
業数(a)
母集団
企業数
(b)
割合
(a/b)
東証一部上場企業の
時価総額上位800社
36百万円
83
800
10%
IFRS適用済企業
40百万円
13
35
37%
112百万円
6
10
60%
45百万円
12
132
9%
IFRS適用正式
表明企業
化学(業種)企業
(注)外部アドバイザリー会社を併用しているケースもあるため、あくまで参考数値。
また、非監査報酬にはIFRS関連業務以外の非監査報酬も含むことに留意。
直近の有価証券報書よりデータ入手。
PwC
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4. 修正国際基準(JMIS)
PwC
28
4.修正国際基準(JMIS)
修正国際基準(JMIS)とは
2014年7月31日、企業会計基準委員会(ASBJ)が、修正国際基準(JMIS)の公開草案を公表し、コメント期限
の2014年10月31日までに19件のコメントが提出されています。修正国際基準の正式名称は、以下のとおりです。
修正国際基準 (国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって
構成される会計基準)
Japan’s Modified International Standards (JMIS) : Accounting Standards Comprising IFRSs and
the ASBJ Modifications
修正国際基準(JMIS)
以下の3つから構成されます。
「修正国際基準の適用」
ASBJによる修正会計基準
IASBにより公表された会計基準等 *
でASBJが採択したもの
• のれんの会計処理
• その他の包括利益の会計処理
* 本公開草案では、2012年12月31日現在で国際会計基準審議会(IASB)
により公表されている会計基準等(会計基準及び解釈指針)
日本の資本市場
IASBが公表するIFRS
JMIS
指定国際
会計基準
US
GAAP
• 現行の指定国際会計基準は任意適用のまま維持される
• JMISによって日本の資本市場で四つの基準が併存する見込み
• 金融庁がJMISを制度化する段階で、適用時期等が定められる
見込み
日本
基準
PwC
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4.修正国際基準(JMIS)
(参考)IFRSのエンドースメントに関する作業部会 参加メンバー
【オブザーバー】
氏名
作 業 部 会 ( 名 簿 : 18 名 ) は 、 IFRS と
日本基準に精通した作成者、利用者、
監査人、学識経験者で構成
(敬称略)
氏名
肩書
肩書
小野 行雄
ASBJ委員長(常勤)
関根 愛子
ASBJ委員(常勤) あらた監査法人 公認会計士
日本公認会計士協会 副会長
東証
―
金融庁
―
氏名
肩書
小賀坂 敦
(部会長)
企業会計基準委員会 副委員長(常勤)
秋葉 賢一
早稲田大学商学学術院教授
関口 智和
ASBJ委員(常勤)
万代 勝信
一橋大学大学院教授
今給黎 真一
株式会社日立製作所 財務統括本部財務
一部 担当部長
小倉 加奈子
有限責任あずさ監査法人 公認会計士
岸上 恵子
新日本有限責任監査法人 公認会計士
加藤 治永
住友商事株式会社 総合経理部 部長代理
アカウンティングリサーチチームリーダー
古内 和明
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士
髙畑 修一
三菱重工業株式会社 経営・財務企画部
企画グループ 主席部員
紙谷 孝雄
企業会計基準委員会 ディレクター(総括担当)
香川
株式会社東芝 財務部主計担当グループ長
板橋 淳志
企業会計基準委員会 ディレクター(金融担当)
川西 安喜
企業会計基準委員会 ディレクター(国際担当)
荻原 正佳
企業会計基準委員会
トランスレーション・プロジェクト・マネージャー
勉
山床 眞一
新日鐵住金株式会社 財務部 決算室主幹
貝増
日本証券アナリスト協会 教育第1企画部長
眞
熊谷 五郎
PwC
みずほ証券株式会社 経営調査部
上級研究員
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4.修正国際基準(JMIS)
修正国際基準(JMIS)の開発
時期未定
ASBJでは「当面の方針」を受けて「作業部会」による検討を2013年8月
からスタート、2014年7月にJMISの公開草案のドラフトを作成しました。
同月24日のASBJの公表議決を経て、31日に公開草案を公表しました。
今後は、コメント募集を経て、日本基準の場合と同様のDue Processに
よって基準の開発が進められると想定されています。
5.
(予定)
最終基準
JMISの登場により、4基準併存と
なるが大きな収斂の流れの中の
1ステップと位置付ける
2014年7月、ASBJの
議決により公表
4.
公開草案
2013年8月~
作業部会による
検討
JMIS
ガイダンス
等
公開草案公表後に検討予定
10月末まで
コメント募集
「削除又は修正」は国際的
にも合理的に説明できる範
囲に限定
エンドースメントする際の判断基準
は、会計基準に係る基本的な考え
方、実務上の困難さなど
2.
詳細な
検討
3.
絞込み
JMISの公開草案
検討が
必要な項目
の候補
● 修正国際基準の公開草案の公表にあたって
● 修正国際基準の適用(案)
● ASBJによる修正会計基準公開草案
第1号「のれんの会計処理(案)」
● ASBJによる修正会計基準公開草案
約30個の論点に絞
込み、次ページに
一覧あり
第2号「その他の包括利益の会計処理(案)」
1.
論点の
洗出し
PwC
現在は初度エンドースメント手続(2012年12月31日現在でIASBにより公表されて
いる66の会計基準等を対象)として、その中から約180個の論点を抽出
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4.修正国際基準(JMIS)
公開草案での「削除又は修正」項目の概要
修正国際基準(JMIS)の公開草案では、ASBJによる修正会計基準案として以下の2つを示しています。
修正会計基準1号
「のれんの会計処理」(案)
修正会計基準2号
「その他の包括利益(OCI)の会計処理」(案)
【IFRS】のれんは非償却
【IFRS】OCIを純利益に組替ない(リサイクリングしない)
【修正】のれんを償却(20年以内の効果の及ぶ期間)
【修正】OCIを純利益に組替える(リサイクリングする)
• のれんの毎年の減損テストについてはIFRSを修正
しない
• 企業結合で取得した無形資産の識別の取扱いに
ついてもIFRSを修正しない
• 関連会社・共同支配企業に対する投資に係る
のれん相当額についても償却
• 関連会社・共同支配企業に対する投資に係る
のれん相当額について配分した減損損失は戻入
しない
• 資本性金融商品の OCI オプション
➔ 認識の中止時および減損損失の認識時に
リサイクリング
• 退職給付に関する再測定部分
➔ 平均残存勤務期間で按分した額をリサイクリング
• 公正価値オプションに指定された金融負債の自己
の信用リスク
➔ 認識の中止時にリサイクリング
コメント期限の2014年10月31日までに19件のコメントが提出されています。
適用時期等は、金融庁により修正国際基準が制度化された段階で検討することとされ、JMISのガイダンスや
教育文書の取扱についての検討も予定されています。
PwC
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4.修正国際基準(JMIS)
「修正国際基準」公表の意義と今後の課題
-金融庁 池田総務企画局長の掲載記事
今最も大事なこと
「修正国際基準」を重要な拠りどころにし、我が国の
ポジションを国際的にこれまで以上に明確に示す
IASB等との間で我が国としての意見発信を積極的に行う
IASBで、IFRSの所要の改訂に向けた議論の場が設け
られていくよう、関係者が一致団結して、働きかける
上記の取組みが功を奏して
 両者(リサイクリングとのれんの償却)について日本の主張が受け
入れられ、「修正国際基準」は晴れてピュアな「IFRS」となる
PwC
(出典:経営財務:9月29日/3181号)
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