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第1班の報告資料

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第1班の報告資料
ヘドニック・アプローチの歴史①
ヘドニック・アプローチ
作成者:大竹、内藤、長尾、仲、中田、根本、
山崎
 1928年 ハーバード大学で農業経済学を教
えていたウォー(Waugh)によってはじめて
研究がなされた
 ウォーの研究
1927年5月6日∼7月2日までの取引に基ず
く200のデータを用いて、ボストンの卸売り市
場で野菜の価格と品質の関係を明らかにしよ
うとした
ヘドニック・アプローチの歴史②
ヘドニック・アプローチの歴史③
 1939年 自動車工業会のコート(Court)が
発表した論文の中で初めてヘドニックという言
葉が用いられた
 コートは財の様々な特性がヘドニック・プレ
ジャー(Hedonic Pleasure)をもたらすことか
ら、このアプローチをヘドニックアプローチと命
名した
 コートの研究
自動車の価格が1925年∼1935年にかけて
上昇しているものの品質として、重さ、馬力、
長さなどを考慮すると、現実には低下している
ことを示した
1
ヘドニック・アプローチの歴史④
 その後、この研究は下火となったが1960年
代から再び注目され、様々な耐久財へのヘド
ニック・アプローチが展開された
 1986年からはアメリカのコンピュータ価格の
公式な物価指数もヘドニック・アプローチによ
り作成されている
 現在では住宅、環境、労働の分野にも幅広く
用いられている
ヘドニック・アプローチの経済理論
(1)ローゼン(Rosen)のアプローチ
(2)太田のアプローチ
ローゼン(Rosen)のアプローチ
 これまでの研究の多くは経験的
×経済理論
⇒ex.土地市場
・どのような地価関数か
・いかに推定するか
 Rosen:市場は、ある財の消費者と供給者に
より構成され、その自由な取引から多様な特
性Zを有する財の価格が決定される
*特性⇒ex.日当たり、利便性、etc.
土地Zは(Z1,Z2,.......,Z n)というベクトルで表す。
土地の需要者と供給者を明示し市場の価格の意
味を明らかに
2
消費者の行動①
消費者の行動②
 定義
①多様な特性(Z1、Z2、・・・、Zn)を持つ財 Z
②Z以外の全ての財を代表する合成財 X
max
この二財を「所得制約のもとで」購入!!!!
U(X,Z)
X,Z
subject to I=X+p(Z)
I:所得 X:合成財
その効用 U(X、Z) を最大化するよう行動
Z:ある財の「特性(Z1,Z2,・・・,Zn)」の消費量
p(Z):財Zの市場価格関数
消費者の行動③
ラグランジュの未定乗数法①
条件付の状態で、極値を求める方法!
ラグランジュの未定乗数法を導入
L=U(X,Z)+λ(I‐X‐p(Z))
今回は
I=X+p(X) → I‐X‐p(X)=0
が得られる。
という条件の下で、U(X,Z)を最大化!!!
ということで・・・、
3
ラグランジュの未定乗数法②
ラグランジュの未定乗数法③
max U(X,Z) かつ I‐X‐p(X)=0
 ※1 Lx =
を満たすX,Zの式
L=U(X,Z)+λ(IーXーp(Z)) を設定
→ " =
 ※2 Lzi =
この式において
Lx=0 ・・・※1 Lzi=0 ・・・※2
IーX‐p(Z)=0 ・・・※3
"=
"U
!# = 0
"X
!U
!X
!U
!p
"#
=0
!Zi
!Zi
!U
を※2に代入すると
!X
ラグランジュの未定乗数法④
結局消費者の行動は・・・。
!U
!U !#
#
"
="
!Zi !X !Zi
!U
!U !p
!!!!! =
"
!Zi
!X !Zi
!U
!U
!p
!!
=
!Zi
!X
!Zi
Uzi
!p
!!!!!! =
Ux
!
Z
が得られる。
max
U(X,Z)
X,Z
subject to I=X+p(Z) の結果が
Uzi
!p
=
Ux
!Zi
I = X + p( Z )
X !, Z!
これを満たす が消費者の購入量!!!
4
付け値関数γ(z)
付け値関数γ(z)を微分する
 効用最大化するときの消費量 x*、z* より、
 付け値関数をある特性 zi で微分すると?
(ある財ziの量が変化したとき、付け値の限界的な増加は何に関係する?)
間接効用関数 u(I-p(z*), z*)=u*
常にこれを満たすのに必要な
(u*という効用水準を維持したままzの量が変化する)
γ i= uzi/ux
(u zi=∂u/∂zi ,
ux=∂u/∂x)
付け値の限界的な増加
=ある財ziの効用と財xの効用の限界代替率
付け値関数γ(z)を考える
u(I-γ(z), z )=u
付け値価格=市場価格
もしも①付け値>市場価格
ⅹ=Iーγ(z) より、
P、γ
付け値価格と市場価格は一致する!
→γ(z)が減る分、ⅹを増やすことがで
きる
→zの量はそのままで、ⅹの量が増え
る
→効用u*が増える
→効用水準が変わってしまう
あまる
市場価格P(Z)
付け値関数
γ(Z)
Z
これは、γ(z)という関数を考える上での
仮定(効用水準u*を保つ)に矛盾する
5
もしも②付け値<市場価格
付け値関数と市場価格関数の関係
①付け値価格>市場価格
②付け値価格<市場価格
P,γ
市場価格P(Z)
買えない、買わない
付け値関数γ
(Z)
Z
ケース①同質的な消費者
同質的な消費者(=同じ効用水準をもったグルー
プA)しかいないとき
P,γ
市場価格P(Z)
グループAの
付け値関数γ
(Z)
がなりたたないことから、
付け値関数と市場価格関数は
必ず接する
ケース②異質な消費者
異質な消費者(=別々の効用水準をもったグ
ループA,B,C・・・)が存在するとき
P,γ
市場価格P(Z)
グループC
グループB
グループA
Z
…でも、みんな同じ効用水準ではない
Z
市場価格P(z)は付け値関数γ(z)の
包絡線になる
6
供給者の行動
消費者と供給者
 オファー関数 : zの価格で表す供給曲線
 市場価格関数 p(z)
消費者:付け値関数 γ
供給者:オファー関数 o
ある技術的条件(β)のもとで与えられた利潤
(π)を得るために最低限必要な z の価格
それぞれの包絡線 → 一致!!
を表す関数
消費者にとっての
z (特性)とα(所得やその
他の消費者の特性;効用
水準uも含まれる)で表さ
れた限界付け値関数
市場価格関数p z
付け値関数γz
市場均衡(1)
市場均衡(2)
その財を購入した価格、およびzで同
一の値をとる(共通点を通る)
かつ
 付け値関数の推定
接線を共有する
[Rosenの示した手順]
①p,γをziでそれぞれ微分する。⇒ pz =γz
②市場価格関数p(z)を推定する。
→ pをzで微分した関数の値をデータごとに求める。
③限界付け値関数を推定する。
→②をz,αへ回帰させ、付け値関数を微分した関数
pをzへ回帰させる考え方を
(限界付け値関数)を推定する。
i
i
z1, z2, z3・・・に対応する
価値も消費者タイプ別に
明確にわかる!!
付け値関数では・・・
z,αへ回帰させる
∂p(z)/ ∂zi = ∂γ/ ∂zi = γi(z,α)
市場価格関数p(z)をziで微分
付け値関数γをziで微分
オファー関数でも同じように・・・
∂p(z)/ ∂z = ∂o/ ∂z = oi(z,β,π)
オファー関数oをzで微分
上の2式を同時に推定していく。
ヘドニックアプローチという。
7
支払意思額と市場価格差
財の特性zの水準がa→bへ上昇したとき、
同じ予算制下で、
zに対し消費者が払ってもよいと思う額は高くなると考えられる。
支払意思額=γ(zb,u* )‐γ(za,u*)とおく。
市場価格関数P(z)は付け根関数γの上側に位置するため、
支払意思額≧市場価格差
a→bに上昇したとき、市場価格差≧支払意思額となる。
太田のアプローチ(1)
 Rosenと太田の比較
Rosen:完全競争下の市場を仮定。
太田:市場において企業が価格支配力を有している、
つまり市場が完全でない場合を仮定。
 太田のアプローチ
市場が完全でないとき・・・
市場価格関数は企業の費用関数に依存する!
費用関数C(y):ある生産物をyだけ作るのに必要な最小限のコスト
太田のアプローチ(2)
費用関数は様々な前提によって多様な形態をとって
しまうので、考えにくい。
 価格の定義の設定
利潤
実際かかる費用
太田のアプローチ(3)
価
格
支配力のある企業の付ける価格
=実際かかる費用に利潤を上乗
せしたもの。
 この価格の定義のもとで費用関数を表すと・・・
P=(1+γt)・C(z,q,t,X)
γt :時点tにおける利潤率 z:特性 q:投入物の価格ベクトル t:時点
X:生産量 C(・):平均費用関数
もし、z、q、t、Xの相互に関係がなく分離可能であれば、
C(z,q,t,X)=C1(z,t)・C2(q,t)・C2(X,t) となる。
P=(1+γt)・C(z,q,t,X)と表すことで
特定化することができた!
逆に言えば・・・
特定化した費用関数に対応する様々な市場価格関
費用関数①
市場価格関数①
数を仮定した上で、推定しなければならない!!
費用関数②
費用関数③
費用関数④
P=(1+γt)・
C(z,q,t,X)
市場価格関数②
市場価格関数③
市場価格関数④
8
Rosenアプローチに対する批判
土地を例に考えると
下図から一見、
市場価格関数は多くの異なる均衡点の集合に見える
しかし
消費者の移動が自由な場合、
地点ごとに均衡条件に差はない
実はすべて同一の均衡条件が表されたにすぎない
消費者と供給者による1つの均衡点をもつ
1つの点から付け値関数やオファー関数は推定
できない
他の問題点
 支払意思額と便益の関係が明確でない
負担するべきコストが便益に含まれていない
 価格や効用水準が大幅に変化する状況が考えら
れていない ←立地者は土地面積Hと環境質Zとを無
関係に選択することはできないため実際のデータでは組
み合わせが限られてしまう
Rosenのアプローチでは便益計測の問題を解決できない
価格体系や所得が大幅に変化する一般均衡分析の
枠組みのもとで検討する必要がある。
まとめ
例えば・・・
例えば・・・
土地面積(z1)が環境質(z2)
 ヘドニックアプローチの基本と歴史的展開
環境質改善プロジェクトを
に依存して決まっていると
 Rosenのアプローチ
き 実施するために必要なコス
 考えられる問題点
トを負担にしたうえでの便
益
1.市場価格関数から付け値関数が推定できるか?
2.財の特性間(z1, z2, z3・・・)相互依存性があるときすべ
ての特性に対応した付け値関数は推定できるか?
3.支払い意思額とプロジェクト評価に際しての純便益と
の関係が不明。
→これらの解決方法は次からの班がわかりやす∼く解説し
てくれるようなので・・・(^-^)☆
9
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