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独立行政法人日本芸術文化振興会 2/3

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独立行政法人日本芸術文化振興会 2/3
【(細目)1-2-1-②】
連携協力・地方における上演等[伝統芸能の公開]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(4) 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演の実施に際しての留意事項等 [伝統芸能の公開]
ア より幅広く多くの人が鑑賞することを目指して、分野ごとに前中期目標期間の実績を超えるよう、主催公演の実施に当の鑑賞者
数の状況等を踏まえた適切な鑑賞者数の目標を設定し,その達成に努める。
イ 外部専門家等の意見を聴取するとともに、アンケート調査を適宜実施し、公演事業に反映させる。
ウ 国、地方公共団体、芸術団体、企業等と連携協力し、共催、受託などによる公演等の実施に努める。
エ 全国各地において広く伝統芸能及び現代舞台芸術を鑑賞できる機会を確保するため、国、地方公共団体、教育委員会等と連携
協力を図り、各地の文化施設等において実施する。
オ 我が国の伝統芸能及び現代舞台芸術の海外における理解の促進と活性化等に寄与するため、国等との連携協力を図り、舞台
芸術等の国際交流に資する公演等の実施に努める。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
66
68
67
42
従事人員数(人)
47
46
46
46
B
H20
H21
H22
B
B
B
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 75 頁~79 頁
1)決算額は、
・振興会:外部公演入場料(公演事業)、共催公演等収入、公演受託事業収入
・おきなわ財団:国受託事業収入(文化庁芸術祭・財団自己財源)
を計上している。
2)従事人員数は、各館の制作担当常勤職員及び国立劇場おきなわ業務管理職員の人数を計上している。
・歌舞伎(第 1 制作課)
・文楽(第 2 制作課、文楽劇場企画制作課企画制作係)
・舞踊・邦楽ほか(第 2 制作課、文楽劇場企画制作係)
・大衆芸能(演芸課、文楽劇場企画制作課企画制作係)
・能楽(能楽堂企画制作課企画制作係)
・組踊等沖縄伝統芸能(総務課おきなわ係)
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸 2-(1)―⑨ 伝統芸能の公開に際しての留意事項等
術の公演
1. 外部専門家等の意見聴取、アンケート調査の実施
(4) 伝統芸能の公開及び現代舞台
① 外部専門家等の意見聴取は、専門委員による公演ごとのレポート提出及び年 2 回の公演専
芸術の公演の実施に際しての留
門委員会の開催により行った。国立劇場おきなわでは、国立劇場おきなわ公演事業委員によ
意事項等
る鑑賞後のレポート(公演鑑賞報告書)提出及び年 1 回の公演事業委員会の開催により行っ
ア 外部専門家等の意見を聴取
た。
するとともに、アンケート調査を
②アンケート調査の実施
適宜実施し、公演事業に反映さ
分野
実施回数
回答数
回収率(配布数)
概ね満足との回答(回答数)
せたか。
項目別-61
分析・評価
○平成 23 年度は東日本大震災の影
響もあり、連携協力や地方での上演
は大変厳しい時であったと推察され
るが、今後は地方上演の充実も視
野に入れて検討してもらいたい。
○アンケート調査結果では「概ね満
イ 国、地方公共団体、芸術団
体、企業等と連携協力し、国立
劇場、新国立劇場等において
共催、受託などによる公演等を
実施したか(平成 23 年度年度
計画[別表 4-1]を参照)。
ウ 国、地方公共団体、教育委員
会等と連携協力を図り、全国各
地の文化施設等において公演
を実施したか(平成 23 年度年度
計画[別表 4-2]を参照)。
エ 国等との連携協力を図り、舞
台芸術等の国際交流に資する
公演等を実施したか(平成 23 年
度 年 度 計 画 [ 別 表 4-3 ] を 参
照)。
歌舞伎
7 公演 7 回
3,972 人
65.1% ( 6,105 人)
85.6% ( 3,399 人)
文楽(本館小劇場)
1 公演 1 回
308 人
65.1% (
473 人)
80.2% (
247 人)
文楽(文楽劇場)
3 公演 3 回
969 人
67.2% ( 1,443 人)
92.8% (
899 人)
短期公演
9 公演 9 回
2,983 人
57.6% ( 5,183 人)
82.3% ( 2,456 人)
大衆芸能
12 公演 12 回
1,357 人
43.0% ( 3,155 人)
92.6% ( 1,257 人)
69.1% (
85.6% (
大衆芸能(文楽劇場)
2 公演 2 回
181 人
能楽
7 公演 7 回
1,960 人
50.8% ( 3,857 人)
83.1% ( 1,629 人)
41 公演 41 回
11,730 人
57.3% (20,478 人)
85.6% (10,042 人)
28 公演 30 回
5,343 人
64.3% ( 8,312 人)
75.3% ( 4,024 人)
69 公演 71 回
17,073 人
59.3% (28,790 人)
82.4% (14,066 人)
小 計
組踊等沖縄伝統芸能
合 計
155 人)
主催公演
協賛公演
年度の 88.0%には回復していない。
また、回収率についても 59.3%と低
迷しており、調査結果の詳細分析と
ともに、回収率を上げる対策が必要
である。
○地方との連携に関していくつかの点
で努力が認められるが、より多くの
国民に、国立の芸術活動に接しても
らえるよう、更に積極的な展開が望
2.国、地方公共団体、芸術団体、企業等との連携協力
(1) 平成 23 年度(第 66 回)文化庁芸術祭
区分
[平成 23 年度年度計画別表 4-1 の概
要]
国、芸術団体等との連携協力に関
する計画
・連携協力 3 公演
・共催 4 公演
・受託 1 公演
[平成 23 年度年度計画別表 4-2 の概
要]
全国各地における上演に関する計
画
・共催 3 公演
[平成 23 年度年度計画別表 4-3 の概
要]
国際交流公演等
・1 公演
262 人)
足」の回答が合計で昨年度の 80.3%
から 82.4%となっているが、平成 20
公演名
本館大小劇場:10 月歌舞伎公演
能楽堂:11 月特別公演
文楽劇場:10 月舞踊公演、11 月文楽公演
国立劇場おきなわ:11 月企画公演
本館大小劇場:11 月歌舞伎公演、10 月邦楽公演(2 公演)、11 月特
別企画公演、11 月舞踊公演 (5 公演)
演芸場:10 月・11 月定席公演、特別企画公演、国立名人会 (8 公演)
能楽堂:10 月・11 月定例公演、普及公演、特別公演、企画公演、狂言
の会 (8 公演)
文楽劇場:11 月大衆芸能公演
(2) 国・地方公共団体等との後援・協力
ア 鑑賞教室等における地方自治体、教育委員会、専修学校各種学校協会、旅行社等の後援・協力
・歌舞伎・能楽・文楽(国立劇場)鑑賞教室における後援・協力等
後援:文化庁、東京都、千葉県、神奈川県教育委員会、埼玉県教育委員会、全国都道府
県教育委員会連合会、(財)日本修学旅行協会
協力:(社)東京都専修学校各種学校協会、(社)神奈川県専修学校各種学校協会、関東高
等学校演劇協議会、東京都高等学校演劇研究会、(株)ジェイティービー、(株)日本
旅行、近畿日本ツーリスト(株)、(文楽のみ)(財)文楽協会
・7 月歌舞伎鑑賞教室期間中に実施する「親子で楽しむ歌舞伎教室」における共催・後援
等
共催:東京都教育委員会
後援:文化庁、千葉県、埼玉県教育委員会、神奈川県教育委員会、(社)東京都小学校
PTA 協議会、東京都公立中学校 PTA 協議会、東京私立初等学校協会、一般財団
項目別-62
まれる。
法人東京私立中学高等学校協会
・文楽劇場での文楽鑑賞教室における後援・協力等
後援:文化庁・大阪府教育委員会・大阪市教育委員会・京都府教育委員会・兵庫県教育委
員会・奈良県教育委員会・滋賀県教育委員会・和歌山県教育委員会・NHK 大阪放
送局
協力:(財)文楽協会
・組踊鑑賞教室における後援・協力等
後援:沖縄県、沖縄県教育委員会
イ 鑑賞教室地方公演における共催・後援等
・歌舞伎鑑賞教室静岡公演
共催:財団法人静岡県文化財団、静岡県
後援:文化庁、静岡県教育委員会、静岡市教育委員会
・歌舞伎鑑賞教室神奈川公演
共催:かながわ伝統芸能祭実行委員会(神奈川県立青少年センター内)
後援:文化庁、神奈川県教育委員会、神奈川県 PTA 協議会、神奈川県立高等学校 PTA
連合会
・「国立劇場 日本舞踊鑑賞教室」
共催:学校法人桐蔭学園
協力:(社)日本舞踊協会
ウ 社会人のための鑑賞教室公演における後援・協力等
後援:(社)日本経済団体連合会、公益社団法人経済同友会、東京商工会議所、(社)東京青年
会議所
エ 関西元気文化圏共催事業
文楽劇場の全公演
オ 関西学院大学との連携協力に関する協定の締結
関西学院大学との連携協力協定に基づく、大学の授業での文楽技芸員による実演や、
学生団体鑑賞実施等の相互協力
カ 九州・沖縄から文化力プロジェクト参加
国立劇場おきなわの全公演
キ その他の自主公演等における後援・協力等
・ 本館 9 月特別企画公演「十牛図と秋庭歌一具-新たなる伝統の創造-」及び「日本の太鼓
-受けつぎ、伝えるひびき-」の 2 公演における東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財
団法人東京都歴史文化財団)、東京発・伝統 WA 感動実行委員会との共催。この公演は、東
京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団が実施する「東京文化発信プロジェクト」におけ
る伝統芸能を広く公開する事業「東京発・伝統 WA 感動」の一環として、同プロジェクトの主催 3
団体と共催したもので、チラシ等の配布や新聞広告への掲載など、宣伝、広報面で協力を得
た。
・ 本館 3 月琉球芸能公演「組踊と創作舞踊-おきなわ芸能の今、そしてこれからⅣ-」におけ
る沖縄県酒造協同組合、オリオンビール(株)の特別協賛
・ 本館 9 月特別企画公演「日本の太鼓 受けつぎ、伝えるひびき」における株式会社宮本卯
項目別-63
之助商店の協賛、株式会社浅野太鼓楽器店、株式会社三浦太鼓店の協力
・ 能楽堂 11 月企画公演における、古典の日推進委員会の後援
・ 能楽堂企画公演「世阿弥自筆本による能」シリーズ(12 月復曲能「布留」、1 月「難波梅」、2
月「松浦佐用姫」)及び関連展示「企画展/観世文庫展」、関連講座「特別公開講座/世阿弥自
筆本と復曲能「阿古屋松」」における財団法人観世文庫の協力
・ 文楽劇場公演(5・6 月開催)における大阪府・大阪市・財団法人大阪 21 世紀協会が主催す
る大阪文化祭への参加
・ 大阪の近隣で活動する小劇場、公共ホール、劇団等との活動連携(5 月~10 月むりやり堺
筋線演劇祭)
・ 国立劇場おきなわ 11 月企画公演「アジア・太平洋地域の芸能」における在日本大韓民国民
団沖縄県地方本部、沖縄県日韓親善協会の協力
・ 国立劇場おきなわ 2 月企画公演「文楽公演」において、(財)海洋博覧会記念公園管理財団
首里城公園管理センターの協力
・ 国立劇場おきなわ 10 月企画公演「我らが住むは五大州」において、世界のうちなーんちゅ
大会実行委員会事務局の協力
ク 外部の公演等への後援・協力等
・ 東京発・伝統 WA 感動実行委員会主催の邦楽入門ワークショップ「邦楽ワンダーBOX!」(5
月 5 日、芸能花伝舎)及び「邦楽ウィークエンド」(8 月 20~21 日、江戸東京博物館)に対して制
作協力を実施
・ 江戸文化歴史検定協会主催の「第 6 回江戸文化歴史検定」への協力
・ よこすか市民会議(YCC)主催の「よこすか市民会議まちづくり文化フェア」のうち、「よこす
か芸術文化フェア」の一環として開催された「伝統文化学習鑑賞会(文楽学習鑑賞会)」(12 月
7 日、伝統芸能情報館レクチャー室)への協力
・ 社団法人伝統歌舞伎保存会主催の「小学生のための歌舞伎体験教室」への協賛及び協力
・ 文化庁・社団法人全国高等学校文化連盟・東京都教育委員会・東京都高等学校文化連盟
主催の「第 22 回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演」(8 月 27 日~28 日、国立劇場大
劇場)への協賛
・ 東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)・東京発伝統W
A感動実行委員会主催の「東京発・伝統 WA 感動」事業の一環として実施された「キッズ伝統芸
能体験」への協賛
・ 株式会社湘南リビング新聞社主催の『東日本大震災復興支援芸能公演 国指定重要無形
民俗文化財 宮城県石巻市「雄勝法印神楽」in 鎌倉宮』への協力(10 月 9 日、鎌倉宮)
・ 遠野市遠野文化研究センター・文化庁主催の『「文化による復興支援」シンポジウム』(9 月
24 日、国立劇場小劇場)への協賛
・ 社団法人伝統歌舞伎保存会主催の「第 8 回伝統歌舞伎保存会研修発表会」(1 月 21 日、
国立劇場大劇場)への協賛
・社団法人日本俳優協会主催の「第 36 回俳優祭」(1 月 28 日、国立劇場大劇場)への協賛
・ 社団法人伝統歌舞伎保存会主催の「第 9 回伝統歌舞伎保存会研修発表会」(3 月 23 日、
国立劇場大劇場)への協賛
・ 社団法人日本俳優協会・松竹株式会社・社団法人伝統歌舞伎保存会編集・発行の『ポケッ
項目別-64
ト版「かぶき手帖」2012 年版』への協力
・ 文楽協会が行う文楽地方公演等に対する、小道具・首(かしら)・床山・衣裳の技術職員の派
遣
・ 沖縄県伝統芸能公演実行委員会(会長 沖縄県文化観光スポーツ部長) に実行委員として
参加し、国立劇場おきなわ大劇場及び小劇場において「沖縄県伝統芸能公演」の開催に協力
(主催:同実行委員会、共催:沖縄県・(財)国立劇場おきなわ運営財団)
3.全国各地の文化施設等における公演
・ 歌舞伎鑑賞教室静岡公演(共催: 財団法人静岡県文化財団、6 月 2 日、静岡県コンベンシ
ョンアーツセンター グランシップ)
・ 歌舞伎鑑賞教室神奈川公演(共催:かながわ伝統芸能祭実行委員会、7 月 26 日~27 日、
神奈川県立青少年センター)
・ 「国立劇場 日本舞踊鑑賞教室」(共催:学校法人桐蔭学園、10 月 14 日、桐蔭学園鵜川メモ
リアルホール)
・ 国立能楽堂委嘱作品・7 月初演の新作能「影媛」の再演(主催:財団法人新潟市芸術文化
振興財団、制作協力:国立能楽堂、1 月 21 日、新潟・りゅーとぴあ能楽堂)
4.舞台芸術等の国際交流
(1) 23 年度日独青少年指導者セミナー(芸術分野)の実施(中止)
17 年度から継続して実施している文部科学省の国際交流事業「日独青少年指導者セミナー」
(芸術分野)について、23 年度も委託事業として文部科学省と契約を行った。受入事業及び派遣事
業の調整を行っていたが、ドイツ側実施団体である連邦青少年文化教育連合会(BKJ)から 23 年
度の事業中止の申し入れがあり、委託者である文部科学省スポーツ・青少年局とドイツ連邦共和
国家庭・高齢者・女性・青少年省が協議した結果、受入・派遣事業ともに中止することとなった。
(2) 海外の芸能関係者等の来場、見学等
・国立劇場 3 件 29 人
主な来場者:台湾行政院職員、大韓民国国立国楽院職員、訪日マレーシア上院議長一行
・能楽堂 1 件 2 人
主な来場者:メキシコの舞台美術家
(3)国立劇場おきなわ 11 月企画公演「韓国の伝統音楽と舞踊」(11 月 13 日)の実施
在日本大韓民国民団沖縄県地方本部、沖縄県日韓親善協会の協力
(4)海外における公演等
韓国(ソウル)の日本大使館公報文化院、国際交流基金日本文化センターとの共催で「能楽ワ
ークショップ」及び「能楽公演 伝統の力」を実施した。
・ワークショップ「本物の五人囃子体験!」
3 月 2 日 15:30~(参加者数 108 人)、19:00~(参加者数 97 人)会場:在韓国日本大使館広報
文化院
3 月 3 日 11:00~(参加者数 48 人) 会場:国際交流基金日本文化センター
・能楽公演「伝統の力」
3 月 3 日 15:00~(参加者数 150 人)会場:在韓国日本大使館広報文化院
実演及び韓国国学専攻の学生との比較演奏を行った。
項目別-65
【(細目)1-2-1-③】
快適な観劇環境の形成 [伝統芸能の公開]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(5) 快適な観劇環境の形成 [伝統芸能の公開]
観客本位の快適な環境の形成のため、以下のとおりサービスの向上に努め、来場者等の満足度の向上を図る。
ア 高齢者、身体障害者、外国人等の利用にも配慮した快適な観劇環境を提供するため、動線や施設設備の工夫、表示類の整
備、英語等主要外国語による案内・解説等の充実、売店やレストラン等におけるサービスの向上を図る。
イ インターネットによる入場券販売の充実等により、観客の利用形態に応じた利便性の高い多様な販売方法を提供する。
ウ 公演内容等の理解を促進するため、公演内容に応じて解説書を作成するとともに、音声同時解説や字幕表示などのサービス
を積極的に提供する。また、鑑賞団体等に対し、観劇にあわせた事前の公演内容の説明会や施設の見学会を適宜実施する。
エ 観客等の要望、利用実態等を把握するため、劇場モニター制度の導入を検討する。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
583
1,548
1,059
768
従事人員数(人)
58
57
57
55
A
H20
H21
H22
A
A
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 104 頁~117 頁
1)決算額は、
・振興会:解説書作成費、観客勧誘事務費、鑑賞会事務費、施設整備費(交付金)、施設整備費(補助金)※おきなわ土地購入費を除く。
・おきなわ財団:解説書作成費(財団自己財源)、観客勧誘事務費(財団自己財源)、鑑賞会事務費(財団自己財源)、施設整備費(交付金)
を計上している。
2)従事人員数は、各館の施設整備・営業担当常勤職員及び国立劇場おきなわ業務管理職員の人数を計上している。
・施設整備(本館施設課、本館舞台技術部、演芸場演芸課舞台技術係、能楽堂事業推進課施設係、能楽堂事業推進課舞台技術係、文楽劇
場事業推進課施設係、文楽劇場舞台技術課、総務課おきなわ係)
・営業(本館営業部宣伝課・営業課・チケットセンター・劇場課(施設利用室を除く)、演芸場営業課、能楽堂営業課(劇場利用係を除く)、文楽
劇場営業課(劇場利用係を除く)、総務課おきなわ係)
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸 2-(3) 快適な観劇環境の形成
術の公演
<1>観劇環境整備、外国人利用者への対応
(5) 快適な観劇環境の形成
1.設備等の環境整備
ア 利用者の意見等を踏まえ、本
(本館)
館大・小劇場ロビーのソファー
・ 老朽化した大・小劇場ロビー内のソファー・床机・テーブルの一斉更新を行い、利用者の快
類の更新等劇場内の設備や、
適性を向上させた。赤を基調とした重厚感のあるデザインとし、座面をやや硬めにして高齢
能楽堂前庭広場の改修など動
者や身障者が立ち上がり易いよう配慮した。小劇場では、地震等緊急時の避難導線スペー
線の工夫、売店・レストラン等に
スが十分に確保されるよう配置した。
おけるメニュー・販売物の充実
・
国立劇場開場 45 周年記念として、劇場外観には、45 周年ロゴマーク入りの懸垂幕・提灯・
及びホームページ等での広報
壁面装飾などを施し、大劇場ロビーと食堂には
45 周年の垂れ幕を飾り、45 周年という大切
による利用者の増加等、サービ
な節目の年であることを来場者等へアピールした。
スの充実に努めて来場者等の
・ 大劇場 1 階喫茶室の窓ガラスを二重ガラスとすることで、窓際席の劣悪な温熱環境(寒さ、
項目別-66
分析・評価
○アンケート調査の結果や要望、苦
情等に関して全職員への周知等、
適切な対応がなされていると評価す
る。
○レストランなど付属の施設サービス
については改善すべき点もあり、業
者の再選定も視野に入れ、更なる
サービスの向上に努めることが必
要である。
満足度の向上を図るとともに、
高齢者や身体障害者の利用も
考慮した快適な観劇環境を提
供したか。
また、外国人利用者につい
ては、英語等を併記した案内表
示の整備、パンフレットの配布
等により利用環境の整備を進
めたか。
イ インターネット・チケット販売の
活用を促進するとともに、電話
予約など観客の利用形態に応
じた多様な販売方法を提供し、
販売の促進を図ったか。また、
インターネット・チケット販売に
おいて、利用者の要望の多い
座席選択・ブロック選択機能を
追加して、利便性の向上を図っ
たか。
ウ 公演内容等の理解を促進す
るため、以下のサービス等を提
供したか。
・ 解説書を作成するとともに、
内容の充実を図ったか。
・ 音声同時解説とともに、能楽
堂の座席字幕装置をはじめと
する字幕表示を積極的に活用
したか。
・ 鑑賞団体の求めに応じて公
演内容の事前説明を適宜行
うとともに、積極的に学生等
の施設見学を受け入れたか。
エ ホームページ、ご意見箱等を
通じて寄せられた観客等の意
見・要望について迅速な対応を
図 る と と も に 、 対 応状 況の 把
握・管理、職員への周知を行
い、サービスの向上への活用
に努めたか。
また、観客等の要望、利用
実態等を把握するため、あぜく
ら会会員サービスについてのモ
ニターを実施したか。
暑さ)を改善し、喫茶室の快適性を向上させた。
・ 暗くて使いにくかった屋外トイレの整備に着手した。あわせて、露天に灰皿のみを設置して
いた喫煙所についても整備を行う。
・ 大・小劇場の客席については、安全性に留意し、汚れの改善や破損部の補修・交換等、随
時保守を行った。
・ 大・小劇場ロビー内の案内表示類については、22 年度に統一性のある分かりやすいデザイ
ン・表現に留意したものに改め大幅に更新したところではあるが、更に検証をすすめ、観客
への注意事項の表示の更新をはじめ、新たに、客席内の 2 階から 3 階に上がる各階段脇に
該当する席番を表示するなどの工夫をした。また、2 階と 3 階を繋ぐ階段の段差が一定でなく
危険であることから、客席内の上手・下手壁面に注意表示を掲出した。
(演芸場)
・ 観客の要望に応え、トイレの増築に着手した。
・ 特別企画公演「親子で楽しむ演芸会」(7 月 23 日)において、ロビーを風船やバルーン人形
などで装飾、子供たちが演芸に親しめるよう工夫した。また親子連れのお客様には簡易型の
扇風機をお土産とした。
(能楽堂)
・ 平成 25 年度に開場 30 周年を控え、施設の美観向上と維持保全のため、建物外壁塗装補
修、前庭敷石舗装改修、外構生垣植栽、中庭の苔張替え・高木剪定等を実施した。
・ 能楽堂の建物は能楽の幽玄な世界にふさわしい建築であり、観能の興趣をさらに醸成する
よう、引き続き夜間のガーデンライトアップや庭園管理に努めて景観を保持した。
(文楽劇場)
・ 1、2 階観客用女性トイレを洋式化、シャワー付き便器を導入し快適性を高めた。
・ 文楽劇場では、引き続き 1 階ロビー内のモニターを利用し、NHK が制作した文楽の DVD の
ダイジェスト映像の上映を行い、ロビーにおける顧客サービスや文楽 DVD の販売促進につ
なげることができた。また、演芸公演では寄席の雰囲気を作るために、1 階ロビー外で寄席
囃子を流し演芸公演を盛上げた。
(国立劇場おきなわ)
・ 観客の要望に応え、和式トイレの一部を洋式トイレへ改修した。
2.観客サービスの充実
①売店、レストランにおけるサービスの向上
(本館)
・ 毎月の連絡会議において売店・食堂と意見を交わしながら営業方法の工夫を行った。
・ 開場 45 周年を記念して、売店・食堂では特別メニューや商品を開発・提供した。
45 周年特別メニュー:45 周年記念あぜくら弁当(月替わり)、江戸料理弁当(月替わ
り)、10 月「馬琴弁当」、11 月「出雲割子蕎麦」等
45 周年記念商品: 45 周年記念あぜくらまんじゅう、くろごちゃん饅頭、えび煎餅等
・ マスコットキャラクター「くろごちゃん」のエコバッグを国立劇場オリジナルグッズとして作
成した。
・ 公演によって、各地の観光協会等の協力により、劇場ロビー内に特設会場を設けて演
目に因んだ物産品等を販売した。
項目別-67
○劇場モニターの早期の有効活用が
望まれる。
島根物産展 11/3~11/26(11 月歌舞伎「日本振袖始」にちなんで)
忠臣蔵物産展 12/3~12/26(12 月歌舞伎「元禄忠臣蔵」にちなんで)
江戸土産物産展 1/3~1/27(1 月歌舞伎「三人吉三巴白波」「奴凧廓春風」にちなん
で)
熊谷市物産展 3/3~3/27(3 月歌舞伎「一谷嫩軍記」にちなんで)
・ 大劇場 2 階食堂では、23 年 9 月より開場 45 周年記念の垂れ幕を飾ると共に、「45 年間
時を紡いできた劇場の『実り』、次代への『礎』、そして未来へ『繋ぐ』」をテーマにしたフラ
ワーアートを月替わりで展示し、華やかな祝祭的雰囲気の創出に努めた。
・ 特別メニュー・商品類の販売、物産展の開催、フラワーアートの掲出については、場内看
板や HP で周知し、利用者の関心が得られるよう工夫した。
・ 小劇場 8 月舞踊公演では前庭に打ち水をし入口では浴衣姿でお迎えする等涼感を演出
した。またロビーでは屋台を設置して朝顔や風鈴を施し、冷たいラムネやフルーツポンチ
等、昔懐かしい商品を販売するなど公演内容にふさわしい雰囲気作りに努めた。
・ 9 月文楽公演では節電のため第一部の終演から第二部の開場まで入替え時間が長くな
ったが、引き続き観劇する観客のため、2 階・3 階の食堂・喫茶を継続して営業し対応し
た。
・ 文楽公演時には、2 階の無料お休み処の利用者が多いことから席数を通常より多くして
対応した。
(能楽堂)
・ レストラン、売店に関するアンケート調査を 9 月と 3 月に実施して利用者の要望等を収集
し、調査結果について関係部署、レストラン・売店業者間で意見交換を行って、一層のサ
ービス向上に努めるよう指導した。
・ 国立能楽堂収蔵の能面・能装束等をデザイン化したオリジナルグッズ(絵はがき、クリア
ファイル、一筆箋、筆ぺん等)の販売を能楽堂内売店及び国立劇場売店・新国立劇場シ
アターショップで継続した。
・ レストランは公演状況に応じ終演後も営業を行い、また売店は、公演中は一般の来場者
でも買物ができるようにして、利用者の利便を図った。
(文楽劇場)
・ 文楽人形の代表的衣裳や床本等をデザインに使用したブックカバーをオリジナルグッズ
として企画し、文楽劇場売店及び国立劇場売店で販売した。
・ 食堂と意見を交わしながら一層のサービス向上に努めるよう指導した。
・ ホームページにおいて、食堂のお勧め商品を掲載して、利用者の利便性向上を図った。
(国立劇場おきなわ)
・ 自主公演や貸劇場に関する集客情報等を楽屋食堂及びカフェ・ビュッフェを運営している
業者に提供し、サービス向上に努めるよう指導した。
②その他の観客サービスの向上
(本館)
・ 国立劇場託児室で託児サービスを行い、観客の利便を図った。また声明・邦楽等静寂を
必要とする短期公演でも実施した。(195 回開室、利用者数 332 名)。
・ 観客相互が気持ちよく観劇できるよう観劇マナーの向上について協議・検討し、チラシ
項目別-68
(和・英)・解説書・あぜくら会報・劇場ニュース等の印刷物や、教室公演の字幕・アナウン
ス・イヤホンガイド・ホームページ等、様々な媒体を通じて周知に努めた。
・ 7 月の親子のための歌舞伎教室時に、国立劇場オリジナルキャラクターの着ぐるみ「くろ
ごちゃん」を舞台上に登場させ、マナー向上呼びかけの一助とした。以後、歌舞伎公演・
特別イベント時を中心に、初日や中日等にロビーにて公演案内等のチラシの配布や土産
品等の紹介をしたほか、一緒に記念写真の被写体になる等観客を和ませ好評を得た。
・ 大・小劇場の出入り口の軒下に可動式ボードを複数台設置し、次回の歌舞伎・文楽のポ
スターを掲出し、ロビーにおいては、国立劇場自主公演をお薦めするためのチラシラック
を 6 台増設した。
・ ロビーに設置したご意見箱を回収し、担当部署への迅速な報告によって観客サービスの
向上に努めた。
・ 休憩時にトイレが混み合うことが多いため、状況に応じて大・小劇場のトイレを相互に融
通し、混雑を軽減させる対策をとった。
・ 歌舞伎公演休憩時に、大劇場ロビーからもチケットを購入できるよう、チケット売り場との
仕切りのドアを開放し利用者の利便性向上とチケット販売促進を図った。
・ 一年の幕開けを寿ぎ、各館で正月のイベントを実施した。
国立劇場:鏡開き(1 月 3 日)、曲芸・囃子(1 月 3 日)獅子舞、(1 月 3 日~7 日)、お茶席(1
月 13 日~15 日、手拭いまき(1 月 3 日~27 日)。また、ロビーには繭玉をあしらった口上
看板や大凧、劇場正面には積樽を飾り、初春の晴れやかな雰囲気を演出した。
国立演芸場:鏡開き(1 月 2 日)、寿獅子(1 月 2 日~7 日)、手拭いまき(1 月 2 日~7 日)
国立能楽堂:1 月 28 日(土)まで舞台に注連をはり、お正月の雰囲気をお楽しみいただい
た。
国立文楽劇場:鏡開き(1 月 3 日)、手拭いまき(1 月 3 日~10 日)、十日戎(1 月 10 日)
・ 国立劇場により親しんでもらうため、「国立劇場さくらまつり」を開催した(平成 24 年 3 月
30 日~4 月 8 日)。
(国立劇場おきなわ)
・ 楽屋食堂口エレベータ付近に掲示板を設置し、劇場内の業務に関する情報及び、劇場
関係の新聞記事などを掲示して広報に努めた。
3.安全で快適な環境の整備
(本館)
・ 大小劇場ロビーの非常口を改修し、避難時の安全性の向上を図った。改修前は非常
時の避難扉を南京錠によって施錠していたため、非常時は係員が解錠しなければなら
なかったものを、非常扉用の鍵に改修したことで避難時の安全性が大幅に向上した。
・ 場内案内担当業者は継続して定期的なスキルアップ研修を行っているが、大震災を想
定した訓練を売店・食堂業者も含めて複数回実施した。
・ 本館では、18 年度におけるセキュリティ強化の検討結果を踏まえ、監視カメラによる遠
隔監視システム及び入退管理システムの拡充を図り、23 年度はICカード読取り式の電
子錠付扉を 1 カ所増設し、劇場施設エリアにおける安全確保をより一層強化した。
・ 職員、委託業者職員、委託業者など全職域が参加する自衛消防訓練(地震火災総合訓
練)を年 2 回(10 月、2 月)実施した
項目別-69
・ 職員、委託関係者などが参加して、舞台上の安全・火災・地震等の緊急時の対応につい
て確認・検討する国立劇場舞台安全会議を年 1 回(7 月)実施した。
(能楽堂)
・ 場内案内担当業者が避難訓練を含む研修を随時行い、緊急時の誘導等についてスキ
ルアップに努めた。
・ 職員、委託業者職員、委託業者など全職域が参加する自衛消防訓練を年 2 回実施し
て、避難誘導、消火器の取扱い等について実地訓練(10 月)及び渋谷消防署原宿出張
所長による訓話(2 月)を行った。
・ 職員、委託業者など全職域が参加して、火災・地震等の緊急時の対応について確認・検
討する能楽堂運営安全会議を 5 月に実施した。
(文楽劇場)
・ 文楽劇場では、6 月と 3 月に消防訓練を行った。6 月には観劇団体の高校生の協力によ
り避難誘導訓練を実施し、職員、委託業者社員ら 452 名が参加した(高校生含む)。ま
た、3 月は職員及び委託業者社員 35 名が消防本部制作のビデオを鑑賞し、ビル火災に
ついて学んだあと、避難誘導訓練を実施した。
(国立劇場おきなわ)
・ 職員、委託業者職員、委託業者など全職域が参加する自衛消防訓練を年 2 回(6 月、12
月)実施して、避難誘導、消火器の取扱い等についての実地訓練を行った。
4.外国人利用者への対応
ホームページにおいて、英語での施設案内・公演案内・劇場周辺地図等を掲出し、外国人利用
者の利便の向上を図っている。
(本館)
・ 英語のイヤホンガイドを継続して実施した。
・ 英語版の観客マナー及び緊急時の避難経路・チケットの購入方法等を記載したちらしを
作成し、ロビー等に設置した。
場内放送において英語アナウンスを実施した。
・ 外国人観光客への情報発信・公演周知活動をさらに強化するため、都内及び近郊のホ
テルのコンシェルジュ及び営業企画担当者を対象に下見見学会を行い、提携・協力を依
頼した。
・ 歌舞伎公演・文楽公演では、公演解説書に英文の演目解説を併載した。
・ 歌舞伎鑑賞教室・文楽鑑賞教室・短期公演では、演目解説の英文リーフレットを作成、配
布した。
・ 昨年度の歌舞伎に続き、文楽の概要、チケットの購入方法等について解説した文楽の英
語版コンパクトガイドを作成した。
(能楽堂)
・ 施設紹介の英語版パンフレット、演目解説の英語版パンフレットの作成・配布、英語によ
る案内表示、場内アナウンスなどのサービスを提供した。
・ 座席字幕装置を活用して、5 月企画公演(蝋燭能)を除く 50 公演で日本語・英語 2 チャン
ネル方式で字幕表示を実施した。
・ 座席字幕装置完備を明記した英文チラシを作成し、ホテル・観光情報センター・空港等に
項目別-70
配布して外国人客への周知・集客に努めた。
(文楽劇場)
・ 外国人利用者に対応した案内表示の整備をすすめ、また、引き続き英語による場内アナ
ウンスを実施した。
・ 文楽公演・文楽鑑賞教室では英文解説リーフレットを作成・配布した。文楽公演では、英
文に加え韓国語、中国語の解説リーフレットを作成・配布するとともに、英語版イヤホンガ
イドなどのサービスを提供した。
・ 英語での対応ができる劇場案内スタッフを配置して、サービスの向上を図った。
・ 文楽を紹介するリーフレットを英語・中国語・韓国語で配布し、外国からの観客に文楽の
理解を深めてもらうために活用した。
・ 短い時間で文楽を楽しめる「幕見席」について、ホームページに利用案内を掲載し、近隣
ホテルのコンシェルジュ等へ説明を行うなど、外国人観光客の勧誘とサービス向上に努
めた。
(国立劇場おきなわ)
・ 「平成 23 年度自主公演年間予定表(英語版)」を作成した。
・ 世界のウチナーンチュ大会共催公演「我らが住むは五大州」(10 月 15・16 日)において、
観客向けに 4 カ国語版チラシ(日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語)を作成し、配布し
た。
【特記事項】
・ 各館に募金箱を設置し、東日本大震災被災地への義援金を募り、本館・演芸場・能楽堂・文楽劇
場では合計 7,322,821 円を日本赤十字社へ寄付した(実演家団体等との共同での寄付金を含む。
金額は設置期間 H23/3/13~H24/3/31 集計分、うち 23 年度分は 6,006,203 円)。国立劇場おきな
わでは 448,205 円を日本赤十字社へ寄付した。
・ 東日本大震災の影響による電力供給不足に鑑み、公演開催に当たっては、提灯・ロビーシャンデ
リア等の消灯、ロビー照明の減灯、エレベーター・エスカレーターの一部停止,外灯の減灯等、最
大限の節電に努めた。政府の方針による夏季の電力使用制限期間(7/1~9/9)には、政府通知に
よる制限値 85%を大きく下回る 75%の実績を達成した。
<2>インターネット・チケット販売の活用
・ インターネット・チケット販売システムにおいて、利用者の利便性向上のため、利用者が直接希望
の座席を選択できる機能を導入した。これより、購入者は、①自動選択、②ブロック内自動選択、③
座席任意選択のいずれかの方法を選んで購入できるようになった。10/10 販売開始の 11 月舞踊公
演及び 12 邦楽公演より開始し、順次サービスを拡大している。
・ 購入時のセキュリティを強化するために、クレジットカード決裁時のセキュリティコード入力対応、
及び NTJ メンバー登録の必須化対応のための整備を 24 年度の導入に向けて実施した。
・ 親子を対象とする公演のインターネット・チケット販売は、本館・演芸場・能楽堂の各公演は、会員
及び一般発売に先行して発売した。文楽劇場の公演は会員発売日と同日で一般発売に先行して
発売した。
チケットセンターホームページに各館の親子企画を紹介するサイトを設置し、さらに、振興会トッ
項目別-71
プページのバナーから誘導した。
1)「親子で楽しむ歌舞伎教室」(7 月 17 日(日)・18 日(月)・20 日(水)~24 日(日))
インターネット販売は 5 月 26 日(木)に開始、電話予約は翌 27 日(金)に開始
予約結果:インターネット予約 1,682 件(5,453 枚)、電話予約 1,076 件(3,355 枚)
2) 「親子で楽しむ演芸会」(7 月 23 日(土))
インターネット販売は 5 月 28 日(土)に開始、電話予約は翌 29 日(日)に開始
予約結果 :インターネット予約 50 件(146 枚)、電話予約 38 件(118 枚)
3) 「夏休み親子のための能の会」(8 月 13 日(土))及び「夏休み親子のための狂言の会」(8 月
27 日(土))
インターネット販売は 5 月 30 日(月)に開始、電話予約は翌 31 日(火)に開始
予約結果:「夏休み親子のための能の会」インターネット予約 88 件(240 枚)、電話予約
30 件(90 枚)、「夏休み親子のための狂言の会」インターネット予約 133 件
(384 枚)、電話予約 54 件(158 枚)
4)「文楽親子劇場」(7 月 23 日(土)~8 月 8 日(月))
インターネット販売は 6 月 2 日(木)に開始、電話予約は翌 3 日(金)に開始
予約結果 :インターネット予約 14 件(34 枚)、電話予約 22 件(73 枚)
・ 国立劇場おきなわにおいて、2 月 8 日より自主公演チケットのインターネット・チケット販売サー
ビスを開始し、遠方のチケット購入希望者へのサービスの向上を図った。また、チケット購入の
利便性向上のため、コンビニエンスストア等でチケット代金の支払いができるサービスを開始し
た。
<3>解説書の作成、字幕表示・音声同時解説の活用、公演説明会・施設見学等の実施
1.解説書の作成
・ 本館大劇場及び小劇場でのすべての自主公演について公演解説書(プログラム)を作成した。
・ 演芸場では、毎月「国立演芸場ガイド」を作成し、全自主公演の出演者・演目情報を掲載した。
・ 能楽堂では、公演内容等の理解を促進するため解説書「国立能楽堂」(月刊・年 12 回)を作成し、
全自主公演の解説を施した。また、公演内容に応じて、「能楽鑑賞教室」「夏休み親子で楽しむ能
の会」「夏休み親子で楽しむ狂言の会」ではイラスト入りの親しみやすい解説書を作成し無料配布
した。7 月特別企画公演・新作能「影媛」では、直木賞作家の桜庭一樹、山本一力らの装丁を手が
けたイラストレーターさやかの斬新な表紙画による特別パンフレットを作成・販売した。
・ 文楽劇場では、上方演芸特選会を除くすべての自主公演について公演解説書(プログラム)を作
成した。掲載写真のアングルや画質の向上、文字組やフォントの整理をすることにより、見やすさ
の向上を図った。6 月鑑賞教室では、演目の解説や登場人物紹介等をイラスト化し、親しみやすさ
を図った。
・ 国立劇場おきなわでは、ステージガイド「華風」(月刊・年 12 回)を作成し、全自主公演に解説を
施した。
2.字幕表示・音声同時解説の活用
(1) 字幕表示の実施
ジャンル
歌舞伎公演(鑑賞教室含む)
実施公演数
2 公演
内
6 月鑑賞教室、7 月鑑賞教室
項目別-72
訳
文楽公演(鑑賞教室含む)
10 公演
全公演
5 月舞踊公演、8 月舞踊公演、11 月舞踊公演、3 月舞踊公演
舞踊・邦楽・声明・民俗芸能・
特別企画公演
10 月邦楽公演、12 月邦楽公演、1 月邦楽公演
15 公演
6 月声明公演
6 月民俗芸能公演、1 月民俗芸能公演、3 月琉球芸能公演
4 月舞踊・邦楽公演、9 月特別企画公演、11 月特別企画公演
9 月特別企画公演(文楽劇場)
能楽公演(鑑賞教室含む)
50 公演
5 月企画公演(蝋燭能)を除く全公演
組踊等沖縄伝統芸能公演
29 公演
国立劇場寄席及び小劇場公演を除く全公演
(2) イヤホンガイドサービスの実施
歌舞伎・文楽の全公演で、日本語と英語によるイヤホンガイドサービスを実施した(文楽鑑
賞教室は日本語版のみ)。
・6 月歌舞伎鑑賞教室において、聴覚障害者向けに小型モニターを利用した字幕表示の使用
を試験的に行った。
・イヤホンガイドの放送では、次回公演の案内を加えて宣伝に努めた。
【特記事項】
能楽堂では、座席字幕装置を活用して、5 月企画公演(蝋燭能)を除く 50 公演で日本語(詞章)・
英語の 2 チャンネル方式で字幕表示を実施した。
なお、貸劇場公演においても座席字幕装置の利用が能楽協会など 3 件あった。
3.公演説明会・施設見学等の実施
各館において、鑑賞団体等に対する公演説明会、施設見学の受入れ、バックステージツアーを
実施し、上演演目への理解や劇場施設への親近感の醸成に努めた。
(1) 公演説明会の実施
区 分
本館・演芸場
能楽堂
文楽劇場
合 計
件 数
参加人数
133 件
5,642 人
9件
359 人
82 件
3,816 人
224 件
9,817 人
(2) 施設見学の実施
区 分
本館・演芸場
能楽堂
文楽劇場
国立劇場おきなわ
件 数
参加人数
3件
75 人
10 件
433 人
4件
64 人
62 件
1,363 人
項目別-73
合 計
79 件
1,935 人
(3)バックステージツアーの実施
区 分
本館・演芸場
件 数
参加人数
67 件
3,159 人
2件
62 人
文楽劇場
45 件
821 人
国立劇場おきなわ
10 件
207 人
124 件
4,249 人
能楽堂
合 計
【特記事項】
・ ホテルコンシェルジュ、旅行代理店営業担当者向けに施設見学・公演鑑賞会を実施した。
・ 学校の視聴覚教育担当者向けに施設見学・公演鑑賞会を実施した。
・ 文楽劇場では引き続き大阪市と連携し、6 月文楽鑑賞教室期間中の「文楽デー」(6 月 19 日、2
回)において、文楽技芸員の協力を得ながら、バックステージツアー、人形とのふれ合い、大夫・
三味線体験等を参加者に提供し好評を得た。
(4) 劇場外での伝統芸能講座の実施
① 22 年度に社会人向けに行った「丸の内カフェ」での連続講座「国立劇場 in 丸の内」のうち、
震災のため中止となった第 6 回歌舞伎講座を 8 月に実施した。(講師:大和田文雄(国立劇
場芸能部長)、片岡孝太郎(歌舞伎役者)参加者数 57 名)
② 渋谷区立上原社会教育館からの依頼により、渋谷区内在住、在勤、在学の高校生以上
を対象とした同館主催の連続講座「初心者のための能・狂言入門」(全 7 回/定員 50 名/受
講者 50 名)の実施に協力した。
・第 1 回『能の魅力』10 月 6 日(木)18:30~20:30 会場: 渋谷区立上原社会教育館
講師:猪又宏治(国立能楽堂企画制作課長)
・第 2 回『公演鑑賞の前に』10 月 13 日(木)18:30~20:30 会場: 渋谷区立上原社会教育
館 講師:吉成大四郎(国立能楽堂企画制作課)
・第 3 回『公演鑑賞』10 月 21 日(金)18:30~21:00 会場: 国立能楽堂
国立能楽堂定例公演 狂言「菊の花」能「松風」
・第 4 回『狂言の魅力』10 月 27 日(木)18:30~20:30 会場: 渋谷区立上原社会教育館
講師:大貫誠之(国立能楽堂企画制作課)
・第 5 回『体験 狂言の所作』11 月 10 日(木)18:30~20:30 会場:国立能楽堂研修能舞
台 講師:奥津健太郎(狂言方和泉流)、野口隆行(狂言方和泉流)
・第 6 回『体験 面と装束』11 月 17 日(木)18:30~20:30 会場:国立能楽堂研修能舞台
講師:坂井音雅(シテ方観世流)、坂井音晴(シテ方観世流)
・第 7 回『体験 能の謡』11 月 24 日(木)18:30~20:30 会場:国立能楽堂研修能舞台
講師:坂井音雅(シテ方観世流)、坂井音晴(シテ方観世流)
③ 雑司が谷地域文化創造館からの依頼により、豊島区内在住、在勤者を対象とした同館
項目別-74
主催の平成 23 年度「ちとせ橋コミュニティ塾・日本の伝統芸能」講座(全 2 回/定員 50 名/
受講者 50 名)の実施に協力した。
・第 1 回『能の魅力』6 月 15 日(水)14:00~16:00 会場: 雑司が谷地域文化創造館
講師:吉成大四郎(国立能楽堂企画制作課)
・第 2 回『公演鑑賞』6 月 21 日(火)11:00~13:00 会場: 国立能楽堂
国立能楽堂能楽鑑賞教室 解説「能楽のたのしみ」狂言「蝸牛」能「小鍛冶」
④
国立劇場おきなわでは、2 月公演「文楽公演」に関連して、ホームページ上で関連記事を
掲載、また、大型商業施設及び当劇場で「やさしい文楽入門講座」を実施した。
(5) ボランティアの活用
文楽劇場資料展示室において、平成 13 年発足のボランティア団体「文楽応援団」(23 年度
団員数 61 人)が、文楽公演期間中、文楽全般についての解説を行った。平成 23 年度は、1 日
平均 12 人の解説員が、370 人の観客に対し解説を行った。
<4>意見・要望等の把握と対応
1.意見・要望等への対応体制
・ 各劇場ロビーに「ご意見箱」を設置
ご意見箱 272 件(本館 108 件、演芸場 16 件、能楽堂 35 件、文楽劇場 81 件、国立劇場おきな
わ 32 件)
・ ホームページに「ご意見欄」を設置
ホームページの「ご意見欄」 振興会ホームページ 78 件
・ 電話等による要望・苦情等の受付
2.意見・要望等への対応状況
・ 公演等において適宜アンケートを実施した。アンケート実施の際は、用紙を手渡しして全入場
者に行き渡るよう努め、また、回答者には粗品を進呈して回収率の向上を図った。
・ 自主公演で実施しているアンケート調査の結果について、全職員へ館内 LAN による周知を行
い、関係部署が要望・苦情等に応じて、その対応策を以後の公演に反映させるよう努めた。
・ ホームページや劇場内ご意見箱に寄せられた要望・苦情に対しては、構築した連絡体制に添っ
て関係部署間で事実関係の調査検討を行い、迅速に対応し、可能な限り回答を行うとともに感
謝のメール・手紙を発送等して利用者とのコミュニケーションの促進を図った。また、回答内容に
ついて役員へ報告の上、全職員へ館内 LAN による周知を行い、問題意識の共有を図るととも
に、事業等への反映とサービスの向上に努めた。
・ あぜくら会事務局に電話や手紙で寄せられる意見・要望について、意見・要望は毎日の業務日
報に記録し、さらに月例の定期報告会の際にその集計をもとに改善策を検討・協議して、業務内
容の改善や受託者の業務レベルの向上に努めた。
3.劇場モニター
・ 23 年度に予定していたあぜくら会員による劇場モニターについては、実施方法の検討に時間
を要し、年度内の実施にいたらなかったが、会報「あぜくら」3 月号において、モニター募集の告
知を行った。
項目別-75
【(細目)1-2-1-④】
広報・営業活動の充実[伝統芸能の公開]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(6) 広報・営業活動の充実 [伝統芸能の公開]
より多くの人が幅広い分野の公演を鑑賞することを目標として、以下の取組みにより一層効果的な広報・営業活動を展開する。
ア 公演内容に応じた効果的な宣伝活動を実施する。また、伝統芸能、現代舞台芸術についての国民の理解促進、情報入手等
に寄与し、振興会の事業について周知を図るため、広報誌を定期的に発行するとともに、英語を含むホームページ・メールマガ
ジン等による情報提供を充実する。ホームページについては中期目標期間のアクセス件数を前中期目標期間の実績以上とす
る。
イ 年間の公演を通して購入できるシーズンシート、セット券等の拡充など鑑賞者の需要を的確にとらえた営業活動を展開する。
ウ 会員組織において、会報による定期的な情報提供、入場券販売サービス、会員向け催事の開催等により観劇機会の増加を
図る。また、会員に対しアンケート調査を適宜実施し、サービスの向上を図る。なお、会員数については、前中期目標期間の実
績以上とする。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
328
316
360
362
従事人員数(人)
64
61
62
63
A
H20
H21
H22
A
A
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 118 頁~129 頁
1)決算額は、
・振興会:各館の公演費のうち宣伝費、宣伝諸費、鑑賞会事務費
・おきなわ財団:公演費のうち宣伝費(財団自己財源)、宣伝諸費(財団自己財源)、鑑賞会事務費(財団
自己財源)
を計上している。
2)従事人員数は、各館の広報担当・営業担当常勤職員及び国立劇場おきなわ業務管理職員の人数を計
上
・広報(本館総務課普及渉外係、情報推進課、総務課おきなわ係)
・営業(本館営業部(劇場課を除く)、演芸場営業課、能楽堂営業課(劇場利用係を除く)、文楽劇場営業
課(劇場利用係を除く)、総務課おきなわ係)
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術 <1>効果的な広報・営業活動の展開
の公演
1.ホームページにおける情報の内容の充実、メールマガジンの配信、携帯電話での情報発信
(6) 広報・営業活動の充実
(1) アクセス件数
ア 効果的な広報・営業活動の展
日本芸術文化振興会ホームページの年間アクセス件数:2,000,464 件/目標 1,950,000 件(達成度
開
102.6%) (内、20,823 件が携帯電話からのアクセス)
a. 平成 22 年度に整備・更新を
国立劇場おきなわホームページの年間アクセス件数:213,906 件/目標 174,000 件(達成度
行ったホームページにおける
122.9%)
公演情報、行事情報等の早期
・ 毎月 1 回、限られたサイトの統計のみを集計していたが、平成 24 年 4 月より振興会サイト全
掲載及び内容の充実に努めた
ての各ページを随時、状況に合わせて分析できるソフトを導入した。
項目別-76
分析・評価
○開場 45 周年にあたり、ポスターの
積極的な掲示など、様々な媒体で
の広報・営業活動を評価する。
○あぜくら会の会員数は、前年度比で
344 人増加しているが、振興会ホー
ムページへのアクセス件数は昨年
か。またアクセス動向等を分析
して利用状況を把握し、よりア
クセス数を増加させる方策に
ついて検討を行ったか。メール
マガジンの記事内容等を見直
し、読者数増や集客効果の向
上を図ったか。
・ 日本芸術文化振興会ホー
ムページの年間アクセス目
標:1,950,000 件
・ 国立劇場おきなわホーム
ペ ー ジ の 年間 ア ク セ ス目
標:174,000 件
b. 次のとおり広報誌を定期的に
発行したか。
・ 日本芸術文化振興会ニュ
ース(毎月発行)
・ 国立劇場おきなわ情報誌
「華風」(毎月発行)
c. 公演内容に応じた効果的な
宣伝活動を実施するとともに、
45 周年記念事業としてシンボ
ルロゴの作成、国立劇場敷地
内や大・小劇場ロビーの空間
装飾などで祝祭感を盛り上げ
たか。また、全職員が個々に
知人や関連コミュニティー等に
対して積極的に観劇を勧誘す
るキャンペーンを行ったか。
文楽劇場では上演演目に関
連した地域、イベントと連携し
集客に努めたか。
d. シーズンシートやセット券等
による販売を推進したか。
e. 学校関係者向けに劇場見学
会等を実施して、団体鑑賞の
促進を図るとともに、旅行代理
店等との連携を強化して、外
国からの旅行者を含めた鑑賞
者の増加を図ったか。
イ 会員組織の会員に対し、会報
による情報提供、会員先行発売
及び割引発売、催し物を実施す
(2) ホームページの内容の充実、使いやすさの向上
・ 平成 23 年 4 月にホームページのリニューアルを実施した。チラシ画像を掲載するプロモーショ
ンエリア導入などレイアウトの変更を行い、利用者にとって見やすく、目的の情報を探しやすい
表示へと改善を図った。
・ 国立劇場開場 45 周年にあたり、記念公演の特設サイトを作成し、公演概要が分かりやすく魅
力が十分伝わるように、随時更新した。
・ 振興会ホームページについては、引き続きホームページの更新作業を内部で処理し、公演情
報をはじめとする、より広範な情報の追加・更新等について柔軟かつ迅速に実施した。
・ イベントごとにトピックスを掲載し、更新回数を増やすことにより、新鮮な情報を多数提供し、飽
きのこないホームページとした。これによりリピーターによるアクセス数を増大させると共に、検
索サイトの検索結果でより上位に表示させる効果の向上を図った。
・ 能楽堂の公演情報として、早期(23 年 1 月)に 23 年度の全主催公演の番組を掲載し、団体観
劇の受付を開始して、集客を図った。
(国立劇場おきなわ)
・ ホームページにおいて、公演終了後に実施している観劇者アンケートの一部を掲載し、次回
の類似公演の宣伝に利用した。また、稽古場レポートを掲載し、公演の PR を行った。さらに、
組踊及び当劇場についてのマンガが掲載されたホームページにリンクするなどインターネット
上での宣伝を徐々に広げた。
(3) メールマガジンの配信
・ 国立劇場のメールマガジンの配信(月 2 回、必要に応じて臨時配信)を行い、公演情報、公演
に関するイベント、その他事業等の広範な情報を掲載するなど内容の充実に努め、タイムリー
な広報を行った。特に 45 周年記念については特設サイトとの連携や関連イベントの情報を随
時配信した。メールマガジン会員数は、前年度から 2,848 人増加し 3 月末で 26,931 人となった。
・ 国立劇場おきなわメールマガジン会員数は、549 人(24 年 3 月末)
(4)携帯電話での情報発信
・ 携帯電話で閲覧可能なホームページ構築システムの開発を行い、平成 23 年 10 月に運用を
開始した。
・ 携帯電話の閲覧に加え、急速に普及しているスマートフォンを含むモバイル機器からチケット
が購入できるシステムの開発の検討を開始した。
2.広報誌の発行
一般向け広報誌として、日本芸術文化振興会ニュース、新国立劇場情報誌「ジ・アトレ」、国立劇場お
きなわ情報誌「華風」を毎月発行したほか、会員組織の会員に対し会報による情報提供を行った。
また、以下の概要等を作成した。
・ 「日本芸術文化振興会ニュース」(毎月発行)
・ 「独立行政法人日本芸術文化振興会概要(日本語)」(23 年 5 月作成)
・ 「独立行政法人日本芸術文化振興会要覧」(23 年 8 月作成)
・ 「独立行政法人日本芸術文化振興会年報 平成 22 年度」(23 年 12 月作成)
・ 「芸術文化振興会基金 NO.26」(23 年 6 月作成)
・ 「財団法人国立劇場おきなわ運営財団要覧」(23 年 6 月作成)
3.公演内容に応じた効果的な宣伝、営業活動
項目別-77
度に比べて減少している。国内への
発信だけでなく、海外からの観光客
に向けて積極的に広報活動を行う
ことを期待する。
るとともに、引き続き会員を募集
し、観劇機会の一層の増加を図
ったか。また、アンケート調査を
適宜実施し、回答内容について
検討の上、会員サービスの一層
の充実を図ったか。
文楽劇場友の会では、従来か
らの公演情報に加え、他機関実
施の文楽催事などの情報を提
供することにより文楽の普及に
努めたか。
a. あぜくら会(本館・演芸場・能
楽堂)
・ 会 報「あ ぜ く ら 」 (毎 月発
行)
・ 会員向け催事:年 6 回程度
・ 目標会員数:17,400 人
b. 文楽劇場友の会
・ 「文楽劇 場友の会会報 」
(年 6 回発行)
・ 会員向け催事:年 6 回程度
・ 目標会員数:7,500 人
c. 国立劇場おきなわ友の会
・ 「国立劇場おきなわ友の会
会報」(年 4 回発行)
・ 会員向け催事:年 3 回程度
・ 目標会員数:1,350 人
(本館)
・ 国立劇場開場 45 周年記念にあたり、記念公演ラインアップチラシ及びポスター、記念公演カレン
ダー、歌舞伎公演“歌舞伎を彩る作者たち”シリーズのチラシなどを作成した。
・ 記念公演ラインアップ広告を各紙(朝日 15 段カラー、毎日 15 段カラー、読売 10 段カラー、日経
半 5 段、産経 半 5 段、東京 半 5 段)に出稿した。特に 10 月歌舞伎公演の広告と合わせて出稿し
たものは、第 68 回読売映画・演劇広告賞最優秀賞を受賞した。
・ “歌舞伎を彩る作者たち”の大型ポスター(B1×4 枚分)を東京メトロ主要駅(銀座・表参道・上野・
日本橋・新橋・赤坂見附・渋谷・池袋・大手町・東京・新宿・茅場町・六本木)に掲出し、記念公演が
行われることを告知した。
・ ホームページに 45 周年特設サイトをアップした。
・ 劇場外観の懸垂幕・提灯・壁面の特別装飾を実施し、大劇場ロビーと食堂には 45 周年のバナー
を飾って祝祭的気分を盛り上げた。
・ 昨年に引き続き、銀座三愛ビルに設置された銀座ホットビジョンでの動画広告を行い、銀座の歩
行者の注目を集めた。
・ 1 月・3 月の歌舞伎公演では、新聞社とタイアップし、1 ページ全 15 段広告(企画記事 8 段+広告
7 段)を出稿した(1 月毎日、3 月朝日)。
・ 初春歌舞伎公演の大型のポスター掲出を表参道駅で行った(12/26~1/8)。表参道駅は明治神
宮の表玄関として初詣客が多く利用する駅である。この乗降客を狙い表参道駅に大型ポスターを
掲出し、大いに注目を集めることに成功した。
・ 東京メトロ永田町駅構内で「メトロ文楽」(人形解説と上演演目の一部実演)を実施(9 月)、来場
者にチラシ配布及びメトロ全駅でポスター掲示した。
・ 読売新聞(9/9)に 9 月雅楽公演・特別企画公演・10 月邦楽公演・11 月特別企画公演の広告を半
5 段で出稿した。
・ 12 月 14 日に、文楽 DVD「通し狂言妹背山婦女庭訓」の発売を記念したイベントを、制作販売元の
㈱NHK エンタープライズとの共催で開催し、文楽の普及と 12 月文楽公演販売促進の一助とした。
・ 全役職員が個々に知人や関連コミュニティー等に対して積極的に観劇を勧誘する「おすすめキャ
ンペーン」を行い、212 件 1,165 人の観劇があった。
(能楽堂)
・ チラシ、ポスター、ホームページ、広報誌等による通常の広報とともに、公演によっては企画性を
周知するため、特別チラシや特別パンフレットを作成するほか、ホームページにトピックス等を掲
載した。
・ 7 月特別企画公演・新作能「影媛」では、以下の宣伝・広報に努めた結果、公演前の掲載・放送
等は、新聞記事は主要 6 紙すべてを含む 11 件、雑誌記事 2 件であった。公演評等の公演後の掲
載・放送等は、新聞記事 1 件、業界誌 1 件であった。
特別ポスター100 枚、特別チラシ 20,000 枚を作成・配布。
5 月 31 日(火)研修能舞台において新作能「影媛」試演会及び制作発表を開催。
出席者:馬場あき子、村上湛、大槻文藏、塩津哲生ほか
参加者:マスコミ関係 14 社 20 名
ホームページにトピックス等を掲載。
新作能「影媛」試演会及び制作発表レポートを掲載(HP トピックス 6/7)
項目別-78
新作能「影媛」稽古レポートを掲載(HP トピックス 7/13)
(文楽劇場)
・ 文楽公演では演目・配役等詳細が決定次第記者会見を開催した
6 月 28 日 夏休み文楽特別公演「絵本太功記」 報道 12 社参加
9 月 22 日
錦秋文楽公演「鬼一法眼三略巻」 報道 10 社参加
1 月 24 日 24 年度 4 月文楽公演「加賀見山旧錦絵」他 報道 16 社参加
・ 文楽劇場では、引き続き公演キャンペーンを積極的に行い、マスコミへの情報提供等多様な広報
活動を展開した。
6 月 28 日 夏休み文楽特別公演「絵本太功記」(京都 妙心寺) 報道 12 社参加
9 月 22 日
錦秋文楽公演「鬼一法眼三略巻」(姫路 書写山圓教寺) 報道 10 社参加
(国立劇場おきなわ)
・ 新聞、雑誌等における広告及び県内自治体、学校等へのチラシ配布を継続的に行いながら、沖
縄県庁や那覇市内デパートでのポスター展(12 月 5~9 日、12 月 26 日~1 月 7 日)により幅広
い広報宣伝を行った。
・ 2 月公演「文楽公演」の宣伝として、大型商業施設及び劇場内で「やさしい文楽入門講座」を実施
したほか、公演前日には出演者が沖縄県副知事表敬訪問や NHK 沖縄の情報番組に生出演を
行うなど、広報宣伝活動に務めた。
・ 21 年 5 月から行っているラジオ番組の生コマーシャルを継続して行い、自主公演出演者の協力
による公演の宣伝に取り組んだ。
・ 修学旅行で沖縄に来る県外の学校に組踊観劇を計画に組み込んでもらうよう、沖縄コンベンショ
ンビューローを経由して組踊鑑賞教室を宣伝するために作成した DVD を配布、また、沖縄県内
の学校等にも配布した。
・ ホームページによる公演の見どころ紹介や、公演内容に合わせた稽古場レポートなど公演トピッ
クスを昨年度に続き実施した。
・ 10 月企画公演「我らが住むは五大州」では、沖縄県(ウチナーンチュ大会)と連携して PR を行っ
た。
・ 1 月琉球舞踊公演「新春琉舞名人選」の新春公演では、公演 2 日間計 250 名に呈茶を実施し、
幕間に抽選による観客へのお年玉プレゼント(2 日で 10 名、カレンダー、劇場グッズなどの詰め
合わせ)を行い、初春公演の雰囲気を盛り上げた。
4.シーズンシートやセット券等の拡充
・ あぜくら会会員向けに、10 月から 1 月の歌舞伎公演の各三日目の入場券(座席位置は 4 公演同
一)をセットにした「三日目の会」の販売を行っている。4 公演の入場券を一度に購入できる利便性
を一般にも適用するため、22 年度に引続き 23 年度も「三日目の会」の販売をあぜくら会会員に加
え一般向けにも行った。加えて、3 月・4 月歌舞伎公演においても「三日目の会」に準じた販売方法
を行い、あぜくら会員のチケット確保の一助とした。
・ 昼夜セット割引や通し割引を公演形態に合わせて実施した。短期公演でも内容の異なる 2 回公
演の場合は、同時に購入すると割引となるセット割引を行った。
・ 親子を対象とする公演において、親子セットの割引料金を設定して好評を得た。
5.団体鑑賞の促進、外国からの旅行者を含めた鑑賞者の増加
・ 外部の旅行代理店(JTB)が発信する外国人旅行者向けのホームページにて、国立劇場歌舞
項目別-79
伎公演の告知及び、チケットの申込受付をし、合計 21 枚の販売実績となった。
<2>会員組織による観劇機会の増加
1.あぜくら会
(1) 会員向けサービスの充実
・ 振興会ホームページにあぜくら会のページを掲載し、インターネットでの情報提供を行った。
・ 「国立劇場開場 45 周年記念特別座談会」に関する情報を会報に掲載し(当初あぜくらの集
いとして企画)、また、45 周年記念ラインナップチラシを先行して会員に送付する等、45 周年
記念事業を盛り上げ、チケットの購買意欲を高めた。
・ あぜくら会員の永きにわたる利用に感謝するとともに、開場 45 周年を記念して、記念品(特
製チケットケース)を 9 月号の会報に同封し、会員の特別意識を高めた。
・ あぜくら会会員募集のポスター・チラシを、観客の目を引くようなデザインにして会員数の増
加を図った。
(2) 会報の発行(計画:毎月発行)
「あぜくら」を毎月 25 日に発行した(計 12 回)。
(3) 会員向け催事(計画:6 回程度実施)
「あぜくらの集い」を 5 回実施し、参加者数は 867 人となった。
1.「新・鶴澤藤蔵を迎えて」
5 月 11 日(水)16:00、レクチャー室、参加者数 130 人(応募者 212 人、当選者 191 人)
アンケートの実施:回答数 55 人(配布数 130 人、回答率 42.3%)
2.「国立劇場 45 年の歩みと文楽」
9 月 12 日(月)16:30、国立演芸場、参加者数 270 人(応募者 692 人、当選者 300 人)
出演=竹本住大夫・山川静夫
アンケートの実施:回答数 125 人(配布数 300 人、回答率 46.3%)
3.「10 月歌舞伎公演 舞台稽古へのご招待」
10 月 2 日(日)12:00、国立大劇場、参加者数 140 人(応募者 1,093 人、当選者 160 人)
内容:国立劇場初の「両宙乗り」を含む舞台稽古を周年事業の特別企画として公開した。
※舞台稽古の進行の妨げとならないように、2 階席の一部のみでの見学。
アンケートの実施:回答数 117 人(配布数 140 人、回答率 83.6%)
4.「落語家、師匠と弟子」
3 月 5 日(月)18:00、国立演芸場、参加者数 233 人(応募者 318 人、当選者 310 人)
出演=桂平治、春風亭一之輔、太田博
アンケートの実施:回答数 88 人(配布数 233 人、回答率 38%)
5.「復曲素浄瑠璃を聞く会」-復曲の現場に立ち会うー
3 月 23 日(金)14:00、レクチャー室、参加者数 94 人(応募者 273 人、当選者 110 人)
アンケートの実施:回答数 52 人(配布数 94 人、回答率 55%)
(4) アンケート調査
・ 「あぜくらの集い」について毎回アンケート調査を行った。(配布数 897 枚、回答数 437 枚)
・ アンケート結果として、「あぜくらの集い」は好評で継続を望む声が多く、開催数・開催内
容・多人数が参加できる会場での開催を希望する意見もあった。
項目別-80
(5) 会員数
在籍者数(対前年度)
目標会員数
利用枚数
17,437 人(+344 人)
17,400 人
99,228 枚
2.文楽劇場友の会(文楽劇場)
(1) 会員向けサービスの充実
・ 会員に対し、チケット発売日等広報のメールを毎月発信し購買数拡大に努めた。
・ 好評の観劇ラリーを本年も実施し、年間 5 回の文楽公演(6 月鑑賞教室を含む)の入場券
を購入した会員に記念品を進呈した(470 名)。
・ 本年も夏休み文楽公演において会員が引率する子供料金、学生料金を設定、販売した。
・ 大阪市主催の「文楽デー」公演を会員に対して募集した。
・ 会員数増のための対策について、申込書のリニューアルや申込書設置場所の増設、会員
特典の告知のほかに、申込時のプレゼント見本(解説書 1 冊・お食事割引券 1 枚進呈)の
掲示をし、入会促進を行った。また、「文楽のつどい」の模様やバスツアーのスナップ写真を
場内やホームページに掲出し、友の会の魅力を強調した。
(2) 会報の発行(計画:年 6 回発行)
「文楽劇場友の会会報」を 4、5、7、9、11、2 月に発行した(計 6 回)。
(3) 会員向け催事(計画:4 回程度実施)
「文楽のつどい」を 4 回開催し、参加者は 406 人となった。
1.「夏休み文楽公演にちなんで」
7 月 7 日(木)18:30、国立文楽劇場小ホール、参加者数 82 人(応募者 108 人、当選者
108 人)
内容:夏休み文楽特別公演「絵本太功記」にちなみ「明智光秀の謎に迫る」と題し、三
重大学藤田達生教授の講演及び大阪城北川央主管との対談を実施。
2.「11 月文楽公演にちなんで」
10 月 26 日(金)18:30、国立文楽劇場小ホール、参加者数 159 人(応募者 198 人、当選
者 198 人)
内容:お話「能楽に見る弁慶牛若丸伝説」 講師:川村晴久氏(観世流シテ方)
演奏「文楽のメリヤスとお囃子」 出演:文楽技芸員、望月社中
3.「文楽ゆかりの地見学バスツアー」
12 月 15 日(木)、壷阪寺(奈良)、参加者数 41 人(応募者 84 人、当選者 45 人)
4.「4 月文楽公演にちなんで」
3 月 27 日(火)18:30、国立文楽劇場小ホール、参加者数 124 人(応募者 165 人、当選者
165 人)
内容:4 月文楽公演「祇園祭礼信仰記」の魅力について、お話と大型の碁盤を使っての
囲碁解説を行い観劇の促進を図った。
出演:荻田清氏(梅花女子大学教授)、吉田和生、水戸夕香里(囲碁プロ三段)
(4) 文楽劇場友の会では、引続き従来からの公演情報に加え、他機関実施の文楽催事などの
情報を提供し、文楽の普及に努めた。
(5) 会員数
項目別-81
在籍者数(対前年度)
目標会員数
利用枚数
7,422 人(△24 人)
7,500 人
20,123 枚
3.国立劇場おきなわ友の会
(1) 会員向けサービスの充実
・ 前年度に引き続き、チケット購入時に押されるスタンプをためて割引券などがもらえるポイ
ントカード制度や、会員対象の講演会・バスツアーを実施した。
・ 組踊のユネスコ登録を記念して、昨年に引き続き「組踊公演」限定の「友の会ポイント 2 倍
キャンペーン」を実施した。
(2) 会報の発行(計画:年 4 回発行)
「国立劇場おきなわ友の会会報」を 6、9、1、3 月に発行した(計 4 回)。
(3) 会員向け催事(計画:3 回程度実施)
年 3 回実施し、参加者数は 112 人となった。
1.「友の会バスツアー北部歌碑めぐり」(10 月 8 日 参加者数 39 人)
垣花武信氏を講師に、貸切バスにて沖縄北部の名護周辺の歌碑(浦々の深さの碑、石
くびりの碑、ふるさとの碑、汀間当の碑、二見情話の碑)を回った。
2.「友の会半日バスツアー&公演鑑賞」(11 月 26 日、参加者 14 人)
NPO 法人うらおそい歴史ガイドの仲間孝藏氏をガイドに、首里城公園と浦添ようどれ館
を見学後、劇場に戻り自主公演「創作舞踊」を鑑賞した。
3.「友の会新春講演会」(於国立劇場おきなわ小劇場、2 月 11 日、参加者 59 名)
(財)国立劇場おきなわ運営財団常務理事の宜保榮治郎が講師を努め、組踊の楽しみ方
等を解説した。また若手実演家の玉城和樹氏と岸本隼人氏が助手(実演)を努めた。
(4) アンケート調査
・ 「友の会バスツアー北部歌碑めぐり」(配布数 39 枚、回答数 30 枚)30 人の参加者が概
ね満足と回答した。
・ 「友の会半日バスツアー&公演鑑賞」(配布数 14 枚、回答数 10 枚)10 人の参加者が概
ね満足と回答した。
・ 「友の会新春講演会」(配布数 59 枚、回答数 46 枚)46 人の参加者が概ね満足と回答し
た。
(5) 会員数
在籍者数(対前年度)
目標会員数
利用枚数
1,657 人(+212 人)
1,350 人
3,398 枚
※利用枚数には公演中止による払い戻し分を含む。
項目別-82
現代舞台芸術の公演
【評定】
A
【(中項目)1-2-2】
現代舞台芸術の公演
H20
H21
H22
A
A
A
【評定】
A
【(細目)1-2-2-①】
【法人の達成すべき計画】
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演 [現代舞台芸術の公演]
国際的に比肩し得る高い水準の現代舞台芸術 を自主制作により公演するものとし、中期目標の期間中以下のとおり現代舞台芸
術の公演を行う。
ア オペラ公演
名作と呼ばれる代表的な作品を上演するとともに、上演機会の少ない優れた作品や日本の作曲家の作品の上演にも努め、そ
れらをレパートリーとして蓄積し、繰り返し上演することにより、オペラの振興と普及を図る。年間 13 公演程度実施する。
イ バレエ公演
スタンダードな演目を多彩なキャストで上演し、観客層の拡大に努めるとともに、国内外の振付家による質の高い新国立劇場の
オリジナル作品の企画・上演にも努め、それらをレパートリーとして蓄積し、繰り返し上演することにより、バレエの振興と普及を図
る。年間 6 公演程度実施する。
ウ 現代舞踊公演
特徴あるスタイルを持つ振付家による斬新な企画や内外で高い評価を得ている公演等を実施し、現代舞踊の振興と普及を図
る。年間 4 公演程度実施する。
エ 演劇公演
新作上演を企画・発信するとともに、我が国で創作された作品の再評価や海外の優れた作品の紹介、地域で活躍する劇団等と
の交流に努め、現代演劇の振興と普及を図る。年間 9 公演程度実施する。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
オペラ
決算額(百万円)
収入 934
支出 1,323
収入 1,031
支出 1,524
収入 891
支出 1,381
収入 843
支出 1,275
オペラ
従事人員数(人)
7
7
7
6
収入 339
収入 345
収入 258
収入 352
バレエ
項目別-83
H20
H21
H22
A
A
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 80 頁~97 頁
H20
H21
H22
H23
オペラ
A
A
A
A
バレエ
A
A
A
A
現代舞
A
B
B
A
A
A
A
A
踊
演劇
決算額(百万円)
支出 568
支出 565
支出 471
支出 578
7
7
7
6
現代舞踊
決算額(百万円)
収入 23
支出 60
収入 25
支出 56
収入 19
支出 56
収入 28
支出 57
現代舞踊
従事人員数(人)
7
7
7
6
演劇
決算額(百万円)
収入 249
支出 362
収入 244
支出 353
収入 218
支出 330
収入 287
支出 350
バレエ
従事人員数(人)
演劇
7
7
7
従事人員数(人)
1)決算額は、各ジャンルの入場料収入及び公演費を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点)
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術
の公演
(2) 現代舞台芸術の公演
現代舞台芸術の振興普及を図る
ため、中期計画の方針に従い、平
成 23 年度年度計画[別表 2]のとお
り主催公演を実施したか。
[平成 23 年度年度計画別表 2 の概要]
(2)現代舞台芸術の公演
①オペラ 13 公演
②バレエ 6 公演
③現代舞踊 4 公演
④演劇 8 公演
6
実績
1.公演実績
分析・評価
○新国立劇場らしいラインナップで、
それぞれ充実した成果をあげてい
分野名
劇場
区分
回数
日数
入場者数
入場率
総席数
13 公演
実績
64 回
61 日
79,199 人
(76.6%)
103,341 人
オペラ劇場、中劇場
計画
65 回
62 日
84,790 人
(80.7%)
105,076 人
6 公演
実績
36 回
35 日
42,506 人
(70.7%)
60,082 人
○オペラとバレエの入場率が未達で
オペラ劇場、中劇場
計画
36 回
36 日
47,290 人
(78.7%)
60,082 人
ある。減少、未達の要因が真に東
日本大震災の影響であるかを分析
4 公演
実績
17 回
17 日
5,873 人
(78.0%)
7,532 人
し、対策を講じることが必要である。
中劇場、小劇場
計画
17 回
17 日
5,600 人
(75.0%)
7,468 人
オペラ
バレエ
ると評価できる。
新国立劇場が世界の注目を集める
芸術スポットになるよう、更なる努
力、躍進を期待する。
現代舞踊
8 公演
実績
150 回
135 日
57,133 人
(80.4%)
71,061 人
中劇場、小劇場
計画
150 回
137 日
53,800 人
(76.6%)
70,222 人
実績
267 回
248 日
184,711 人
(76.3%)
242,016 人
計画
268 回
252 日
191,480 人
(78.8%)
242,848 人
演劇
【現代舞台芸術 合計】
31 公演
項目別-84
○アンケートは入場者の観劇満足度
を測る上で有効であるが、アンケー
トの回収率が極めて低いので、回
収率を上げるための対策が必要で
ある。
※ オペラ「ばらの騎士」は、東日本大震災の影響による出演者等の大幅な変更のため、4 月 7 日(1
回)の公演を中止とした。
【オペラ】
○新制作 4 本を含め、充実した演目を
並べ成果をあげたと評価できる。
2-(2)-① オペラ
1.公演実績
○高校生のた めのオペ ラ鑑賞教室
公演名
劇場
「ばらの騎士」
「コジ・ファン・トゥッテ」
期間
区分
回数
日数
入場者数
入場率
総席数
4 月 7 日(木)
実績
5回
5日
6,597 人
(73.6%)
8,960 人
~22 日(金)
計画
6回
6日
8,300 人
(77.2%)
10,752 人
○東日本大震災の影響で予定されて
5 月 29 日(日)
実績
5回
5日
6,533 人
(72.9%)
8,960 人
いたキャストが次々と変更になった
が、短期間のうちに代役を立て、公
(土)
計画
5回
5日
7,400 人
(82.6%)
8,960 人
演が実施できたのは評価できる。
6 月 6 日(月)
実績
5回
5日
6,221 人
(69.4%)
8,960 人
~18 日(土)
計画
5回
5日
6,900 人
(77.0%)
8,960 人
10 月 2 日(日)
実績
6回
6日
7,711 人
(73.3%)
10,523 人
~17 日(月)
計画
6回
6日
8,400 人
(80.4%)
10,452 人
10 月 9 日(日)
実績
5回
5日
5,691 人
(65.1%)
8,746 人
~22 日(土)
計画
5回
5日
7,000 人
(79.9%)
8,760 人
11 月 23 日
実績
5回
5日
7,345 人
(82.0%)
8,960 人
月 6 日(火)
計画
5回
5日
7,400 人
(82.6%)
8,960 人
12 月 1 日(木)
実績
5回
5日
7,550 人
(84.3%)
8,960 人
~11 日(日)
計画
5回
5日
7,100 人
(79.2%)
8,960 人
1 月 19 日(木)
実績
5回
5日
6,737 人
(75.2%)
8,960 人
~29 日(日)
計画
5回
5日
7,200 人
(80.4%)
8,960 人
2 月 15 日(水)
実績
5回
5日
3,823 人
(84.4%)
4,530 人
~19 日(日)
計画
5回
5日
3,600 人
(79.5%)
4,530 人
え、新国立劇場バレエ団固有のレ
パートリーが構成しつつあることは
3 月 8 日(木)
実績
5回
5日
6,684 人
(74.6%)
8,960 人
評価できる。
~20 日(火)
計画
5回
5日
7,300 人
(81.5%)
8,960 人
~6 月 11 日
〈新制作〉
「蝶々夫人」
「イル・トロヴァトーレ」
〈新制作〉
は、6 日間で 9,803 人を集客、入場
率も 92.3%と高く評価できる。
○新国立劇場は海外でも高い評価を
受けつつあり、さらに国際的評価を
高めるために、演出家の選定に配
慮して欲しい。
オペラ劇場
「サロメ」
「ルサルカ」〈新制作〉
(水・祝)~12
「こうもり」
「ラ・ボエーム」
「沈黙」〈新制作〉
「さまよえるオランダ人」
中劇場
オペラ劇場
項目別-85
○しかし、入場率は前年度比 7.4%減
の 76.6%であり計画に未達である。
オペラ劇場での9公演のうち、計画
達成は1公演のみであった。要因に
ついて分析し、対策が必要である。
【バレエ】
○ビントレー振付の新制作「パゴダの
王子」は日本発の新作として、開場
以来最も高い水準に達した。再演さ
れた 「ビントレ ーのア ラジ ン」に 加
○公演数では昨年度に比べて1公演
「コジ・ファン・トゥッテ」<
演奏会形式>
【小
計】
中劇場
鑑賞教室「蝶々夫人」
オペラ劇場
こどものためのオペラ劇
場「パルジファルとふしぎ
中劇場
な聖杯」
【小
計】
【オペラ 合
1回
1日
691 人
(78.0%)
886 人
計画
1回
1日
670 人
(75.6%)
886 人
実績
52 回
52 日
65,583 人
(75.0%)
87,405 人
兆しが見える。しかし、計画未達と
なっており、引き続き改善の取り組
計画
53 回
53 日
71,270 人
(80.0%)
89,140 人
みが求められる。
7 月 11 日(月)
実績
6回
6日
9,803 人
(92.3%)
10,620 人
~16 日(土)
計画
6回
6日
9,000 人
(84.7%)
10,620 人
実績
6回
3日
3,813 人
(71.7%)
5,316 人
~24 日(日)
Shakespeare THE SONNETS」など
極めて優れた作品を企画・上演した
計画
6回
3日
4,520 人
(85.0%)
5,316 人
ことは高く評価できる。
( 計画: 2 公
実績
12 回
9日
13,616 人
(85.4%)
15,936 人
演)
計画
12 回
9日
13,520 人
(84.8%)
15,936 人
実績
64 回
61 日
79,199 人
(76.6%)
103,341 人
計画
65 回
62 日
84,790 人
(80.7%)
105,076 人
11 公演(計画:11 公演)
高校生のためのオペラ
2 公演
計】
少 な い が 、入 場 率 は 昨 年度 比 で
3.6%増、2,733 人増えており、改善の
実績
5 月 15 日(日)
7 月 22 日(金)
13 公演(計画:13 公演)
※ 「ばらの騎士」は、東日本大震災の影響による出演者等の大幅な変更のため、4 月 7 日(1 回)
の公演を中止とした。
2.営業・広報
・ セット券購入のお客様はオペラ、バレエの最重要顧客である。平成 23 年度中には 2012/2013
シーズンのセット券販売について、1 月下旬から 3 月末日まで先行受付を行った。
・ 公演内容に応じた宣伝・周知を行い、「ばらの騎士」では新日本フィルハーモニー交響楽団とク
リスティアン・アルミンクの指揮、「コジ・ファン・トゥッテ」ではミキエレット演出による新制作、
「蝶々夫人」では「ルサルカ」でも主役を務めるオルガ・グリャコヴァ、「コジ・ファン・トゥッテ〈演
奏会形式〉」では芸術監督企画による初めての試みなどを前面に押し出した。また、オペラトー
クや国際連携プロジェクトなど各種イベントとの連携を図ったほか、インターネットを活用した特
設サイトの開設や動画掲載、他劇場での告知活動などを通じて、公演に対する注目度を向上
させるとともに、期待感を高めることに努めた。
・ 「蝶々夫人」や「ラ・ボエーム」などポピュラーな再演演目では、一般顧客や団体顧客に重点的
に営業を行うことによってオペラの観客層を広げることができた。
3.外部専門家等の意見
(1)公演全体について
平成 23 年度前期の新国立劇場オペラ公演において最も高く評価する公演は、新プロダクシ
ョンの「コジ・ファン・トゥッテ」である。場所を野外に設定しなおし、時代も現代に変えたという視
覚的な変化とは別に、フィオルディリージとグリエルモ、ドラベッラとフェランドという元々のカップ
ル二組の別離の場において、これまで評者が観劇した十数組のプロダクションの全てを超え
項目別-86
【現代舞踊】
○ 「 中 村 恩 恵 × 首 藤 康 之
○集客が難しい現代舞踊で平均 78%
の入場率は評価できる。
○しかし、入場率は公演によってバラ
つきが見られるので、要因の分析
が必要である。
【演劇】
○古典を新翻訳で上演するシリーズ
も昨年に引き続き成果をあげるな
ど、充実した公演を行ったことは評
価できる。
○入場率は計画を達成している。目
標入場者数の達成度も 106.2%と評
価できる。
○一つのテーマのもと、セットで組み
合わせてリーズナブルに販売して、
観客動員につなげた取り組みを評
価する。
て、「愛情の真の繋がり」を体感させてくれたことを高く評価したい。この場の精度あってこそ、
本プロダクションの辛口の幕切れに信憑性が滲み出るのである。震災の影響でキャストの半分
がキャンセルという状況にありながら、後から加わった歌手たちも含めて、全員が演出家ミキエ
レットの世界に共感を寄せたからこその成果と思われる。オペラの舞台が「真実」を表現し得た
好例として、改めて賛辞を寄せたいと思う。また、同じく「コジ」の演奏会形式上演も、集客と演
奏の両面において大きな成功をもたらしたものと思う。弦とピアノによる小編成のオーケストレ
ーションも、モーツァルトの音楽の骨格を伝えるには十分機能していたと思われるので、今後も
是非ともこの種の企画を続けてもらいたい。そして、再演及び高校生鑑賞教室の「蝶々夫人」に
おいて、名指揮者イヴ・アベルの初登壇が成功したのみならず、甲斐栄次郎と岡崎他加子、そ
してマエストロ菊地彦典という邦人アーティストの実力を再確認し得た点も、今年度前期のハイ
ライトの一つとしたい。このほか、「ばらの騎士」のアンナ=カタリーナ・ベーンケ(元帥夫人)、
「コジ」のマリア・ルイジア・ボルシ(フィオルディリージ)など、急遽来日したソリストたちの優れた
技量にも改めて言及しておきたい。新国立劇場がこれまで積み上げてきた海外マネージメント
との協力関係を象徴する成果と思われた。
後期において最も高く評価する公演は、新プロダクションの「イル・トロヴァトーレ」と「ルサルカ」
である。前者では、最も熱気溢れる情景(第 2 幕冒頭)を、鈍色の冷たい美感のもと、群集の動き
が生み出す張り詰めた空気で昂揚感を表出した辺りに魅せられた。音楽の蛮性も活かし切る最
上の一瞬として賛辞を呈しておきたい。また、後者では、照明と美術&衣裳の卓抜した美的セン
スのもと、音楽の透明感(第 1 幕)と重厚さ(第 2 幕)の対比が視覚的にも補強された点と、バレエ
場面を合唱団の動きに置き換えることで、個人的な悲劇に対する世間の無関心ぶりを強く滲出さ
せた辺りに強い印象を受けた。このほか、「サロメ」では、指揮者ヴァイケルトと主演者ズンネガル
ドの起用により、再演舞台ならではの「比較の楽しみ」にも改めて浸ることが出来た。一方、改善
を期す点としては、《さまよえるオランダ人》におけるタクトの弛緩した感及び一部のオーケストラ
団員の実力の低さを挙げさせて頂く。歌い手の集中力も殺がれたようで、それがひたすら残念に
思われた。
(2)創作面について
創作面で特筆すべきは「コジ・ファン・トッテ」の上演であろう。演出の斬新さ、これを際立たせた
演奏面での充実、円滑な舞台転換などこの劇場の力が惜しみなく発揮された。この演出は、オペ
ラの本質に肉薄するものであり、多くの観客にもういちど「コジ」の持つオペラとしての意味、魅力
の再考をせまるものであった。古色蒼然としたオペラ、抽象的なオペラが提供し得ない新たなイン
パクトを若い人々に与えてくれた。その意味で強く再演が望まれるプロダクションとして挙げてお
きたい。
創作面で新国立劇場の真骨頂が発揮されたのが、11 月から 12 月にかけて上演された「ルサ
ルカ」だった。たんに国内機関とのコラボだけでなく、海外の歌劇場とのコラボは今後もいっそう必
要性が高まっていくことになるだろう。その際に共同演出をする演出家、劇場、スタッフの紹介を
単発的に行うのではなく、長いスパンの中で何度も言及し、その創作活動の歩みが追えるような
体制づくりが必要であろう。とりわけカランのコンセプトが独特なものであり、独自な世界を形作っ
ているだけに日常的に彼の演出に触れることのできる機会が必要である。今回はノルウェーの国
立劇場との連携であったので、「ルサルカ」という作品のもつインパクト、直接性がやや緩和され
た感がある。しかしこの作品のようにローカル性が強い場合、チェコやその他の東欧の劇場との
項目別-87
共同作業も必要になってくるのではなかろうか。
「沈黙」の新制作で、宮田慶子演出の強い訴えかけと、気鋭の歌手勢による日本語歌唱の精
度の高さが体感できたこと、この 2 点を特筆すべき成果として挙げておきたい。まさに、新国立劇
場ならばこその充実した舞台づくりであったと思う。宮田演出は、合唱団の必要最小限の動きを
代表格に、抑制の美学を貫くステージングで著しい緊張感の持続に成功しており、その点でも刮
目に値するプロダクションになっていた。また、この舞台では、楽器の一部が別室に配置されると
いう困難な状況のもと、最後まで緻密に音楽を作り上げ、かつ、情景ごとの「間」をも重んじた下
野竜也の指揮にも敬意を表しておきたい。
(3)営業、広報面について
震災による変更が多く、調整が大変だったと思うが、広報はうまくできていたのではないか。状
況が状況だからだろうが、お客さんも納得してくれているように、客席でも感じた。今後は、営業面
でも制作面でも震災の影響があらためて出てくると思うが、これまで同様に誠実な仕事を続けて
ほしい。こうした「危機管理」がどこよりもしっかりできる団体だ、ということを世に示すことが、新国
立劇場にとって大切なことのように思う。
劇場のホームページが最近とても充実している。作品ごとの特設サイトは情報量が多く、
「ONLINE TOUR」は、劇場への期待が膨らむ内容で、中でも「オペラのつくりかた/舞台ができる
まで」は、劇場の裏側と制作のプロセスを丁寧に追っていて興味深かった。以前、鑑賞教室の事
前学習用のビデオが配布されたが、内容的にこの舞台作りの方が高校生は喜ぶと思う。高校生
の鑑賞教室やこどものためのオペラは関西公演を行っているが、本公演も 1 年にあるいは数年
に 1 本でも、地方の劇場で上演することはできないだろうか。地方から観客を呼び込むためにも、
劇場の活動や役割をもっと知ってもらい、誰もが行きたいと思う、憧れの劇場になるように努める
ことも長期的に考えていったらどうだろうか。2 年前位からロビー内のショップやカフェ(デザート
も)が充実したことで、劇場全体が賑やかになり、とても良いと思っている。休憩時、これまでのカ
ウンターやベンチ席では見知らぬ人と会話をすることはなかったが、ロビーに並べられたテーブ
ルと椅子に座っていると他の観客と自然に声をかけ合うことが多くなった。この適度な距離感と穏
やかな雰囲気は、新国立劇場にしかないものだと思う。
何よりもまず、「沈黙」初日の賑わいぶりに、評する側としても大きな喜びを抱いたことを挙げて
おきたい。また、「ラ・ボエーム」の演出家、粟國淳にプログラム上で改めて抱負を語る場を与えた
ことも、客席の観劇意欲をそそる一助となったものと想像する。また、今後の展開に関しては、出
演歌手、指揮者、演出家たちのコメントないしはインタヴュー記事が、報道各媒体でさらに掲載さ
れるべく希望する。分量よりも回数の増加を図ることが望ましく、劇場の「賑わい」をそのままに伝
える手段としてより有効に活用して貰いたい。
震災後の初めてのシーズンゆえ、震災前にくらべて場内には若干空席がふえたような印象が
ある。その意味でも今後の方向性は、特定のオペラファンを対象にするのではなく、より多くの初
心者を対象にして劇場へ足を運んでもらう努力をすることではなかろうか。なるほど「さまよえるオ
ランダ人」の公演は印象深く、背景幕の使用方法や可動式の「舞台」など斬新なアイデアが満載
であった。けれどもオペラの初心者がこの単純で簡素を追求したような演出を見て、得心がいくと
は思えない。そうしたひとつひとつのコンセプトを丁寧に説明し、開示していくことが今後の広報に
は求められる。基本的にはオペラの初心者に向かいながら、奥の深いプログラムを作成していく
ことが求められる。すでにインターネット配信に見られるように、多くのすぐれたコンテンツが開放
項目別-88
されつつある。新国立劇場には沢山の情報とすぐれた知識と経験が集まっている。焦眉の急は、
このように充実した情報をどうやって新参者、若い観客に手渡していくのか、ということであろう。
4.アンケート調査
13 公演で 27 回実施した。
有効回答数 5,167 人(配布 32,654 人、回収率 15.8%)。回答者の 92.4%が概ね満足と答えた(4,773
人)。
【特記事項】
震災の影響により、「ばらの騎士」の 4 月 7 日公演を中止した。同公演の他、「コジ・ファン・トゥッ
テ」「イル・トロヴァトーレ」「こうもり」「ラ・ボエーム」において、日本滞在への不安を理由とする外
国人出演者のキャスト変更が行われた。
3 月 23 日に、新国立劇場運営財団と東京藝術大学との間で連携・協力に関する協定を締結
し、藝大教員のオペラ公演出演について協力が得られることとなった。
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
本公演 実績65,594人/目標71,270人(達成度92.0%)
鑑賞教室 実績13,616人/目標13,520人 (達成度100.7%)
合計
実績79,210人/目標84,790人 (達成度93.4%)
2-(2)-② バレエ
1.公演実績
公演名
劇場
期間
区分
5 月 2 日(月)~8
実績
7回
7日
日(日)
計画
7回
6 月 25 日(土)
実績
~7 月 3 日(日)
オペラ
劇場
「ビントレーのアラジン」
「ロメオとジュリエット」
「パゴダの王子」〈新制
作〉
「くるみ割り人形」
「こうもり」
回数
入場率
総席数
7,131 人
(56.8%)
12,544 人
7日
9,873 人
(78.7%)
12,544 人
6回
6日
8,523 人
(79.3%)
10,752 人
計画
6回
6日
8,463 人
(78.7%)
10,752 人
10 月 30 日(日)
実績
6回
6日
6,809 人
(63.3%)
10,752 人
~11 月 6 日(日)
計画
6回
6日
8,463 人
(78.7%)
10,752 人
12 月 17 日(土)
実績
7回
7日
11,416 人
(91.0%)
12,544 人
~25 日(日)
計画
7回
7日
9,873 人
(78.7%)
12,544 人
2 月 4 日(土)~
実績
5回
5日
5,439 人
(60.7%)
8,960 人
12 日(日)
計画
5回
5日
7,053 人
(78.7%)
8,960 人
項目別-89
日数
入場者数
「アンナ・カレーニナ」
【バレエ 合
計】
中劇場
6 公演
3 月 16 日(金)
実績
5回
4日
3,188 人
(70.4%)
4,530 人
~20 日(火)
計画
5回
5日
3,565 人
(78.7%)
4,530 人
実績
36 回
35 日
42,506 人
(70.7%)
60,082 人
計画
36 回
36 日
47,290 人
(78.7%)
60,082 人
(計画:6 公演)
2.営業・広報
集客が困難なゴールデンウィーク中に開催された「アラジン」では団体営業を重点的に行った。ま
た、その他の公演においても、アカデミックプランや、バレエ教室への営業、トークイベントでの販売
促進活動等、状況に応じて臨機応変に対応した。
3.外部専門家等の意見
(1)公演全体について
前半の三公演は、出演ダンサーのみなさんのレベルが高く、又、何より大きな成長をうかがわ
せるダンサーの方が多く、見ごたえがあった。初日のキャストだけでなく、二日目、三日目の主演
者にそれぞれ個性と魅力があり、頼もしく感じる一方、バレエ・ファン以外にも名前の知られる(た
とえば森下洋子、熊川哲也級の)スターが早く出てきてほしいと、切実に感じた。後半の三公演
も、2011/2012 シーズン初めからレベルの高い公演が続き、満足度は高い。小野絢子、長田佳世
は特に目ざましい成長ぶりを示しており、期待が高まった。
震災後の自粛ムードの中で、国立の劇場としてバレエ公演を再開するというのは、関係者にと
っても想像以上に大変なことであったと思う。5 月はじめの「ビントレーのアラジン」は、夢のある舞
台創りと、コミカルで華やかなバレエで、震災の傷みからなかなか立ち直れない人々の心を、ず
いぶん明るく照らしてくれたのではないか。優れた舞台芸術作品のもつ「生命力」が、作品鑑賞を
通して、人々の心を勇気づけてくれたのだと思う。多くの外国人芸術家がさまざまな理由をつけて
キャンセルを重ねるなか、芸術監督のビントレーがいつものような自然体の姿で現れ、ダンサー
やスタッフ、そして観客に接したことは、忘れられない感動だ。
大震災以来の混乱を引きずりながらも、2011/2012 のシーズンは力強くスタートしたと思う。我
が国の芸術文化世界において、新国立劇場が示した揺るがぬ姿勢は大きな意味があったと確信
した。「新国立バレエ団によるバレエオープニングガラ」は、皇太子殿下のご臨席を仰ぎ、その象
徴的イベントになったのではないか。又、「パゴダの王子」「くるみ割り人形」など、ビントレー監督
の存在の重要性を再認識した。
(2)創作面について
「アラジン」は、ビントレー氏が監督就任後、2 作目の振り付け作品となるが、芸術表現の深さ
と、幅広い娯楽性とを両立させ、かつ実験や冒険にも貪欲な姿勢には好感が持てる。観劇したの
は、福岡雄大(アラジン)とさいとう美帆(プリンセス)のペアであったが、息もよく合っており、十分
に振付家の要求を満たす技量を見せていたと思う。
「ロメオとジュリエット」は、小野絢子(ジュリエット)の熱演が印象的。女性としての成長を自然
に演じ、内面の描写にも陰影があった。またプロコフィエフによる音楽も素晴らしく、大井剛史+
東京フィルハーモニーの実力を再認識した。
項目別-90
「パゴダの王子」「くるみ割り人形」「こうもり」「アンナ・カレーニナ」では、新国立劇場バレエ団の
テクニックを再認識させられた。ビントレー監督はじめ、ローラン・プティやボリス・エイフマンの、そ
れぞれ個性的で、かつ要求水準の高い振付をしっかりとこなして見事である。ソリスト級の踊り手
が順調に育っていると感じられる。
(3)営業、広報面について
ホームページや劇場に「訪問してきた顧客」への情報提供が質量ともに十分である一方で、外
部への情報発信に関してはまだ工夫の余地があるのではないか。特に ①コアな客層 ②舞台
芸術に対する一定の顕在的関心を持った客層 ③潜在的な関心をもった客層 ④無関心層 と
分別した場合、③の客層の掘り起こしは、営業面でも効果が期待でき、かつナショナルシアター
のミッションにも沿うものだ。もう既に試みられている部分もあると思うが、既成のメディアや営業
チャネル以外での一層積極的な取り組みを期待したい。
かつてはやや十分でない点のあった新しいメディアへの対応も、ツイッターを活用した広報や、
ユーストリームを使っての制作会見の中継など、意欲的に取り組まれるようになってきている。ウ
ェブサイトも徐々に充実しつつあり、評価できる。ビントレー監督が、観客に直接語りかける姿勢
を積極的に打ち出している点もよい。
4.アンケート調査
6 公演で 8 回実施した。
有効回答数 2,381 人(配布数 9,161 人、回収率 26.0%)。回答者の 94.1%が概ね満足と答えた
(2,241 人)。
【特記事項】
「パゴダの王子」において以下の賞を受賞した。
平成 23 年度(第 62 回)芸術選奨文部科学大臣新人賞
(湯川麻美子:「パゴダの王子」における女王エピーヌの演技に対して)
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
実績42,506人/目標47,290人(達成度89.9%)
2-(2)-③ 現代舞踊
1.公演実績
公演名
劇場
「DANCE to the Future
2011」
「中村恩恵×首藤康之
Shakespeare THE
SONNETS」
中劇場
期間
区分
回数
日数
入場者数
入場率
総席数
5 月 28 日(土)
実績
2回
2日
1,062 人
(67.4%)
1,576 人
~29 日(日)
計画
2回
2日
1,182 人
(75.0%)
1,576 人
9 月 30 日(金)
実績
2回
2日
1,397 人
(88.6%)
1,576 人
計画
2回
2日
1,182 人
(75.0%)
1,576 人
~10 月 1 日
(土)
項目別-91
11 月 17 日
「近松 DANCE 弐題」
「小野寺修二 カンパ
ニーデラシネラ
小劇場
計】
8回
8日
1,962 人
(73.2%)
2,680 人
計画
8回
8日
1,992 人
(75.0%)
2,656 人
実績
5回
5日
1,452 人
(85.4%)
1,700 人
~12 日(日)
計画
5回
5日
1,244 人
(74.9%)
1,660 人
(計画:4 公
実績
17 回
17 日
5,873 人
(78.0%)
7,532 人
演)
計画
17 回
17 日
5,600 人
(75.0%)
7,468 人
(日)
2 月 8 日(水)
カラ
マーゾフの兄弟」
【現代舞踊 合
実績
(木)~27 日
4 公演
2.営業・広報
マスコミ各社への取材依頼、ポスター、チラシ、インターネット、ジ・アトレ会報等により、公演の周
知を図り、集客に努めた。
3.外部専門家等の意見
(1)公演全体及び創作面について
「DANCE to the Future 2011」はエネルギー溢れるプログラムだった。1 作品 25 分程度の短編
映画を三本立てで観るような感覚で、大いに楽しんだ。芸術は、過去を大切に、現在を革新的
に、そして未来にどう繋いでいくかを常に考えていなくてはならない。そうした意味からも、有意義
な公演だったと思う。
ダンステアトロン No.21 で上演された中村恩恵×首藤康之の「Shakespeare THE SONNETS」の
優れた舞台成果は、新国立劇場舞踊部門の歴史に残るものとなった。これは首藤の芸術選奨文
部科学大臣賞受賞につながった。
「Shakespeare THE SONNETS」をはじめ、近松 DANCE 弐題の加賀谷香の「エゴイズム」、小野
寺修二の「カラマーゾフの兄弟」と、佳作が相次いだ。加賀谷作品は、近藤良平、篠井英介、佐藤
洋介、柳本雅寛という異色の男性キャストをそろえて、作品の奥行きを倍加させた。小野寺作品
は、ドストエフスキーの描いた世界を、独自の動きを複雑に絡み合わせて作りあげたもので、彼
がこれまで続けてきた文芸作品舞踊化の頂点に位置する仕上がりを示した。
振付やダンスのみならず、ハウブリッヒの音楽(シェークスピア・ソネット)、ヨウジヤマモトの衣
装(同)、杉山至の美術(カラマーゾフ)など、スタッフの仕事にも印象に残ったものが多く、各々個
性的な舞台だった。
(2)営業面について
かつてはやや十分でない点のあった新しいメディアへの対応も、意欲的に取り組まれるように
なってきている。ウエブサイトも徐々に充実しつつあり、評価できる。
4.アンケート調査
4 公演で 17 回実施した。
有効回答数 208 人(配布数 5,873 人、回収率 3.5%)。回答者の 95.7%が概ね満足と答えた(199
人)。
【特記事項】
項目別-92
「Shakespeare THE SONNETS」において以下の賞を受賞した。
平成 23 年度(第 62 回)芸術選奨文部科学大臣賞
(首藤康之:「Shakespeare THE SONNETS」の成果に対して)
「近松 DANCE 弐題」において以下の賞を受賞した。
第6回日本ダンスフォーラム賞
(加賀谷香:「近松DANCE弐題」『エゴイズム』の成果に対して)
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
実績5,873人/目標5,600人(達成度104.9%)
2-(2)-④ 演劇
1.公演実績
公演名
劇場
「ゴドーを待ちながら」
期間
区分
回数
日数
4 月 15 日(金)
実績
17 回
15 日
~5 月 1 日(日)
計画
17 回
5 月 10 日(火)
実績
~22 日(日)
入場者数
入場率
総席数
5,152 人
(90.2%)
5,712 人
15 日
4,000 人
(73.5%)
5,440 人
14 回
12 日
3,191 人
(70.3%)
4,536 人
計画
14 回
12 日
3,400 人
(74.5%)
4,564 人
6 月 9 日(木)~
実績
25 回
19 日
20,170 人
(89.0%)
22,656 人
29 日(水)
計画
25 回
19 日
18,800 人
(83.0%)
22,650 人
6 月 27 日(日)
実績
20 回
20 日
4,973 人
(76.7%)
6,484 人
祝)
計画
20 回
20 日
4,800 人
(75.0%)
6,400 人
9 月 20 日(火)
実績
20 回
19 日
5,019 人
(74.0%)
6,780 人
(月・祝)
計画
20 回
19 日
4,800 人
(75.0%)
6,400 人
10 月 18 日(火)
実績
18 回
17 日
3,812 人
(65.7%)
5,800 人
~11 月 5 日(土)
計画
18 回
17 日
4,200 人
(72.9%)
5,760 人
11 月 5 日(土)
実績
16 回
14 日
8,805 人
(69.8%)
12,608 人
~20 日(日)
計画
16 回
14 日
9,000 人
(71.4%)
12,608 人
3 月 5 日(月) ~
実績
20 回
19 日
6,011 人
(92.7%)
6,485 人
25 日(日)
計画
20 回
19 日
4,800 人
(75.0%)
6,400 人
小劇場
「鳥瞰図 ─ちょうかんず
─」
「雨」
中劇場
「おどくみ」
「朱雀家の滅亡」
~7 月 18 日(日・
小劇場
「イロアセル」
「天守物語」
「パーマ屋スミレ」
中劇場
小劇場
~10 月 10 日
項目別-93
【演劇 合
計】
8 公演
実績
150 回
135 日
57,133 人
(80.4%)
71,061 人
計画
150 回
135 日
53,800 人
(76.6%)
70,222 人
(計画:8 公演)
2. 営業・広報
・ 「日本の戯曲 春から夏へ」(「鳥瞰図-ちょうかんず-」、「雨」、「おどくみ」の三作品)、「【美×
劇】―滅びゆくものに託した美意識―」(「朱雀家の滅亡」、「イロアセル」、「天守物語」の三作
品)と題して、特別割引通し券を発売した。芸術監督が企画するテーマに沿った演目をセットで
組み合わせ、特別割引通し券として販売することで、作品へのより深い興味と理解を観客に提
案し、販売促進に資することができ、売上向上につなげることができた。
・ 演劇鑑賞団体やカード会社、生活協同組合など再販組織に対しての団体販売を行うととも
に、出演者・作家・演出家のファンクラブや常連客等に対しても積極的に営業活動を行った。
・ 公演会場にて公演関連書籍・物品・飲食物等の販売や、公演関連情報の掲示を行い、会場の
にぎわいを演出するとともに公演に対する理解を深め、顧客満足度の向上を図った。
・ 各種イベントとの連携により、顧客満足度を向上させるとともに公演に対する期待感を高め、
集客に努めた。
3.外部専門家等の意見
(1)公演全体について
前半の公演をふりかえって、特記すべきは、再演の成果である。22 年度の「焼肉ドラゴン」
もそうだったが、今期の「鳥瞰図」「雨」ともに初演を上回る成果をあげた。もっとも「雨」は、こ
の劇場の初演ではないが、そういうタイプの上演も含めて、上演を育てることが劇作家を育て
ることになるのだということを証明した。「ゴドーを待ちながら」の成果は、原作の読み直しの成
果であり、それは新しく翻訳をおこすという宮田監督の方針が生んだ成果であり、前シーズン
に引き続いて、その面での成果があったと言うべきだろう。
前年度から続く「ゴドーを待ちながら」までの、新訳による「現代劇の系譜をひもとく」シリー
ズの明確なコンセプトと舞台成果をあらためて評価したい。「雨」は、「現代演劇」を上演する公
共(国立)劇場としての一つの方向性を示唆する舞台になった。演劇のエンタテイメントと実
験、国家と国民など。(時代を江戸におきながら世界の演劇に通じていた。)新国再演と新作
は、市民の生活のそれぞれのワンシーンを伝えて興を惹くものになった。
「【美×劇】―滅びゆくものに託した美意識―」というタイトルでの公演形態は日本の近代劇
の代表作と書き下ろし作品とその再演と云うラインアップ。図らずも日本の創作劇の永続性を
問うには絶好の取り組みだった。観る側にとっても比較対照出来る絶好の機会になった。2 本
の完成された戯曲「朱雀家の滅亡」「天守物語」は演出作業により如何様にも見せ方、そして
深みも変わってくる。しかし安易には取り組めない大きさを秘めている。【美×劇】という観点
から見れば近代古典が持っている美意識は日本人全体に深くしみ込んでいるものと思うが、
その認識が変化してきたのか、新作書き下ろし戯曲の多く、又演劇上演全体を通して雑然とし
ている感がある。戯曲に流れる美意識が影を潜めている。
(2)創作面について
「鳥瞰図」の再演を高く評価したい。松本祐子の丁寧な演出と渡辺美佐子や品川徹らの味
項目別-94
のある演技が観客の心をしみじみとさせる逸品となった。「戯曲が悪い(何も起こらない)」と
か、「渡辺美佐子の見せ場がない」などの批判も耳にしたが、この作品は何も起こらない世界
を描く新しいタイプの演劇と考えるべきであろう。
再演に足る新作はなかなか出てこないものであり、今回の青木豪の新作「おどくみ」が果た
して再演にふさわしい戯曲であるかは疑問だ。ただし、公演としては、高橋惠子と小野武彦の
すばらしい演技、宮田慶子の緻密な演出、リアリズムの極致を極めたセット(美術・伊藤雅子)
による贅沢な仕上がりになって、見ごたえ充分の作品となった。特に高橋惠子の印象的な演
技が秀逸だ。
新国立劇場主催公演に積極的に研修所修了生を起用すべし。(「雨」にはその成果があら
われていた。)新人(中堅をふくむ)新作をどのように発掘、育成するかも、今後大きな課題に
なるだろう。新国立劇場が育てた新人作家、演出家が誕生してもいい。
創作作業としての劇場の取り組みは開場以来全体としてバランス良く取り組まれている。芸
術監督(故渡邊氏から栗山・鵜山・宮田各氏)を中心として精力的である。特に栗山氏以降シ
ーズン毎にサブタイトル的なテーマを持って上演されるのは良い。観る側もそのテーマに沿っ
ているかどうかの判断基準になるし、内容の力不足も見える。その上演本数と次年度以降の
企画を含めて、極めて少数のスタッフでの作業だと感ずる。もう少し余裕のある創作活動にし
て更なる上質の演劇の提供を目指してほしい。
(3)営業、広報面について
長期的に考えれば、学生たちに気軽に足を運んでもらえる劇場にしておくべきではないか。
観客を育てるという意味で、若い層を引き付ける努力をもっとしていただきたい。もっと親しみ
やすい劇場となるべきであろう。
この数年新聞広告を始めメディアでの宣伝活動はかなりの数量で露出しており、以前から
比してその反響は大きいのではないか。以前は目にすると一寸違和感もあった(少なすぎた
からだろう。)ものだが、今は凄く身近に感じて良い。なんと言っても集客は最重要課題であ
る。また地元(初台)の住民との交流・優遇等の接点はどうか?恒常的な結びつきを進めた方
が良いのでは。
公演のたびにロビーでおこなわれている展示は、今後も続けて欲しい。資料の収集(協力
者は少なくないはず)、準備をふくめ、ハードな仕事であることは十分理解している。
4.アンケート調査
8 公演で 80 回実施した。
有効回答数 706 人(配布数 35,040 人、回収率 2.0%)。回答者の 93.1%が概ね満足と答えた(657
人)。
【特記事項】
・「ゴドーを待ちながら」において以下の賞を受賞した。
第 46 回紀伊國屋演劇賞 個人賞
(橋爪 功:本作及び演劇集団円「ウエアハウス-circle-」の演技に対して)
・「雨」において以下の賞を受賞した。
第 19 回読売演劇大賞 最優秀スタッフ賞
(松井るみ:本作、シス・カンパニー「トップ・ガールズ」、東宝「GOLD ~カミーユとロダン~」の
項目別-95
美術に対して)
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
実績57,135人/目標53,800人(達成度106.2%)
項目別-96
【(細目)1-2-2-②】
連携協力・地方における上演等[現代舞台芸術の公演]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(4) 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演の実施に際しての留意事項等 [現代舞台芸術の公演]
ア より幅広く多くの人が鑑賞することを目指して、分野ごとに前中期目標期間の実績を超えるよう、主催公演の実施に当の鑑賞
者数の状況等を踏まえた適切な鑑賞者数の目標を設定し、その達成に努める。
イ 外部専門家等の意見を聴取するとともに、アンケート調査を適宜実施し、公演事業に反映させる。
ウ 国、地方公共団体、芸術団体、企業等と連携協力し、共催、受託などによる公演等の実施に努める。
エ 全国各地において広く伝統芸能及び現代舞台芸術を鑑賞できる機会を確保するため、国、地方公共団体、教育委員会等と連
携協力を図り、各地の文化施設等において実施する。
オ 我が国の伝統芸能及び現代舞台芸術の海外における理解の促進と活性化等に寄与するため、国等との連携協力を図り、舞
台芸術等の国際交流に資する公演等の実施に努める。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
126
207
116
106
従事人員数(人)
7
7
7
6
1)決算額は、外部公演収入及び外部公演費を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸 2-(2)―⑥ 現代舞台芸術の公開に際しての留意事項等
術の公演
1. 外部専門家等の意見聴取、アンケート調査の実施
(4) 伝統芸能の公開及び現代舞台
① 外部専門家等の意見聴取
芸術の公演の実施に際しての留
各部門の専門委員に各公演についてのレポートを送り、意見の聴取を行った。
意事項等
② アンケート調査の実施
ア 外部専門家等の意見を聴取
分野
有効回答数
概ね満足との回答(回答数)
するとともに、アンケート調査を
オペラ
5,167 人
92.4%( 4,773 人)
適宜実施し、公演事業に反映し
たか。
バレエ
2,381 人
94.1%( 2,241 人)
イ 国、地方公共団体、芸術団
現代舞踊
208 人
95.7%( 199 人)
体、企業等と連携協力し、国立
演劇
706 人
93.1%( 657 人)
劇場、新国立劇場等において
合 計
8,462 人
93.0%( 7,870 人)
共催、受託などによる公演等を
2.
国・地方公共団体等との後援・協力
実施したか(平成 23 年度年度
(1)平成 23 年度(第 66 回)文化庁芸術祭
計画[別表 4-1]を参照)。
ウ 国、地方公共団体、教育委員
区分
公演名
会等と連携協力を図り、全国各
主催
オペラ劇場: オペラ「イル・トロヴァトーレ」、バレエ「バレエ・オープニング・ガラ」「パゴダの王子」
地の文化施設等において公演
公演
中劇場:演劇「天守物語」
項目別-97
B
H20
H21
H22
B
B
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 98 頁~103 頁
分析・評価
○オペラ、演劇については国際連携
や地方における上演に一定の成果
は見られる。
○計画どおりに実施されていると判断
できるが、新国立劇場の存在意義
を示すことができる連携協力・地方
上演を期待する。
○アンケート調査結果で「概ね満足」
の回答が、合計で 93.0%ではあ る
が、回収率が低く、活用できない。
回収率のアップが急務である。
を実施したか(平成 23 年度年度
計画[別表 4-2]を参照)。
エ 国等との連携協力を図り、舞
台芸術等の国際交流に資する
公演等を実施したか(平成 23 年
度 年 度 計 画 [ 別 表 4-3 ] を 参
照)。
[平成 23 年度年度計画別表 4-1 の概
要]
国、芸術団体等との連携協力に関
する計画
・受託 1 公演
・外部出演 5 公演
[平成 23 年度年度計画別表 4-2 の概
要]
全国各地における上演に関する計
画
・共催 1 公演
・受託 9 公演
[平成 23 年度年度計画別表 4-3 の概
要]
国際交流公演等
・1 公演
協賛
公演
オペラ劇場:オペラ「サロメ」、「ルサルカ」
中劇場:現代舞踊「近松 DANCE 弐題」
小劇場:演劇「朱雀家の滅亡」
・平成 23 年度(第 66 回)文化庁芸術祭オープニング国際音楽の日記念
新国立劇場バレエ団による「バレエ・オープニング・ガラ」(受託公演)
日時:10 月 1 日(土) 14:00 1 回
主催:文化庁芸術祭執行委員会
制作:財団法人新国立劇場運営財団
入場者数:1,299 名(入場率 72.5%)
(2) 国・地方公共団体等との後援・協力
(オペラ)
地域招聘公演「鳴砂」
新国立劇場中劇場、7月 30(土)/31 日(日) 15:00 2 回公演
入場者数:1,436 名(入場率 79.2%)
主催:仙台オペラ協会、新国立劇場(共催)
(3)大学との連携・協力
新国立劇場運営財団と東京藝術大学との間で、連携・協力に関する協定を締結した。
3.全国各地の文化施設等における公演
(オペラ)
「こどものためのオペラ劇場『パルジファルとふしぎな聖杯』」全国公演
台本・編曲=三澤洋史(リヒャルト・ワーグナー 舞台神聖祝典劇「パルジファル」、楽劇
「ラインの黄金」より)
指揮=三澤洋史
演出=三浦安浩
出演=秋谷直之、峰 茂樹、國光ともこ、星野 淳、久保田真澄
合唱=新国立劇場こどもオペラ・ヴォーカルアンサンブル
管弦楽=新国立劇場こどもオペラ・アンサンブル(東京フィルハーモニー交響楽団メンバー
による)
1)日時:7 月 31 日(日)18:00 1 回公演
会場:サンポートホール高松大ホール
入場者数:492 人(入場率 56.5%)主催:財団法人高松市文化芸術財団、高松市
2)日時:8 月 6 日(土)11:30 / 15:00 2 回公演
会場:兵庫県立芸術文化センターKOBELCO 大ホール
入場者数:2,054 名(入場率 51.5%)
主催:公益財団法人朝日新聞文化財団、大阪国際フェスティバル協会、朝日新聞社、
兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
共催:ダイキン工業株式会社、大和ハウス工業株式会社
「高校生のためのオペラ鑑賞教室・関西公演『愛の妙薬』」
項目別-98
作曲=ガエターノ・ドニゼッティ
芸術監督=尾高忠明
指揮=石坂 宏
演出=チェーザレ・リエヴィ
出演=臼木あい、小原啓楼、成田博之、鹿野由之、九嶋香奈枝
合唱=新国立劇場合唱団
管弦楽=大阪フィルハーモニー交響楽団
日時:10 月 26 日(水)14:00・28 日(金)13:00 開演 2 回公演
会場:尼崎市総合文化センター アルカイックホール
入場者数:3,232 名(入場率 94.9%)
助成:公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション
協賛:ローム株式会社
「国立新美術館開館 5 周年 オペラコンサート」
出演=中村真紀、堀万里絵、城 宏憲、能勢健司(オペラ研修所修了生)
ピアノ=谷池重紬子
日時:1 月 20 日(金) 18:30 開演 1 回公演
会場:国立新美術館1階エントランス
入場者数:253 名
主催:国立新美術館
協賛:JXホールディングス
「浜離宮ランチタイムコンサート vol.97 木村俊光と巡るオペラの旅Ⅰ」
出演=上田真野子、後藤春馬、高橋洋介、西村圭一、山田大智(オペラ研修所研修生)
ピアノ=高田絢子
日時:2 月 10 日(金)11:30 1 回公演
会場:浜離宮朝日ホール
入場者数:552 名(入場率 100.0%)
主催:朝日新聞社
(現代舞踊)
「中村恩恵×首藤康之 『Shakespeare THE SONNETS』兵庫県公演」
構成・演出・出演=中村恩恵、首藤康之
振付=中村恩恵
日時:10 月 15 日(土) 14:00 開演 1 回公演
会場:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
入場者数:556 名(入場率 72.6%)
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
「小野寺修二 カンパニーデラシネラ 『カラマーゾフの兄弟』兵庫県公演」
項目別-99
演出・振付=小野寺修二
振付・演出補佐=藤田桃子
出演=浅野和之、森川弘和、河内大和、大庭裕介、川合ロン、江角由加、小野寺修二
日時:2 月 18 日(土) 17:00 開演 1 回公演
会場:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
入場者数:267 名(入場率 35.0%)
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
(演劇)
「『焼肉ドラゴン』全国公演」
芸術監督=宮田慶子
作・演出=鄭義信
翻訳=川原賢柱
出演=千葉哲也、粟田 麗、占部房子、若松 力、笑福亭銀瓶、佐藤 誓、水野あや、山
田貴之、朴 勝哲、申 哲振、朴 帥泳、金 文植、高 秀喜、朱 仁英
1)日時:4 月 9 日(土)18:00 / 10 日(日)13:00 開演、2 回公演
会場:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
入場者数:1,494 名(入場率 95.4%)
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター 協力:芸術の殿堂
2)日時:4 月 16 日(土)16:00 /17 日(日) 13:00 開演、2 回公演
会場:北九州芸術劇場中劇場
入場者数:958 名(入場率 78.5%)
主催:財団法人北九州市芸術文化振興財団 共催:北九州市
「『鳥瞰図』全国公演」
芸術監督=宮田慶子
作=早船 聡
演出=松本祐子
出演=渡辺美佐子、入江雅人、野村佑香、八十田勇一、弘中麻紀、浅野雅博、
佐藤銀平、品川 徹
1)日時:5 月 28 日(土)13:00 1 回公演
会場:兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
入場者数:374 名(入場率 53.8%)
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
2)日時:6 月 3 日(金)19:00 /4 日(土) 13:30 開演、2 回公演
会場:可児市文化創造センター小劇場
入場者数:391 名(入場率 77.8%)
主催:財団法人可児市文化芸術振興財団
(新国立劇場バレエ団外部出演公演)
項目別-100
「NHK バレエの饗宴 2012」『「アラジン」から「財宝の洞窟」』
振付=デヴィッド・ビントレー
音楽=カール・デイヴィス
出演=新国立劇場バレエ団
日時:3 月 30 日(金)19:00 1 回公演
会場:NHK ホール
主催:NHK、NHK プロモーション
(新国立劇場合唱団外部出演公演)
<1>
読売日本交響楽団 演奏会 「モーツァルト/レクイエム ニ短調」他
指揮=パオロ・カリニャーニ
合唱指揮=冨平恭平
管弦楽=読売日本交響楽団
合唱=新国立劇場合唱団(60 名出演)
出演=セレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)、ダニエラ・ピーニ(アルト)、
ステファノ・フェラーリ(テノール)、アンドレア・コンチェッティ(バス)
日時/会場:6 月 16 日(木)19:00 / サントリーホール
6 月 17 日(金)19:00 / 東京オペラシティコンサートホール
主催:読売日本交響楽団
<2>
読売日本交響楽団 第 507 回定期演奏会
「ベルリオーズ/劇的交響曲(ロミオとジュリエット)作品 17」
指揮=シルヴァン・カンブルラン
合唱指揮=三澤洋史
管弦楽=読売日本交響楽団
合唱=新国立劇場合唱団(112 名出演)
出演=メゾ・ソプラノ:カタリーナ・カルネウス(当初予定のベアトリス・ユリア=
モンゾンから変更)、テノール:ジャン=ポール・フシェクール 、バス:ローラン・
ナウリ
日時:9 月 12 日(月)19:00
会場:サントリーホール
主催:読売日本交響楽団
<3>
スーパー・コーラス・トーキョー 「モーツァルト/レクィエム」他
指揮:ヘルムート・ヴィンシャーマン
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(12 名出演) *二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部と合同
日時/会場: 10 月 6 日(木)19:00 / 東京オペラシティ
10 日(月)15:00 / 新国立劇場オペラ劇場
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団、ミュージック・ウィークス・トーキョー実行委員
項目別-101
会
<4>
東京交響楽団定期演奏会 「ラベル/ダフニスとクロエ」他
指揮:ジョナサン・ノット
管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(40 名出演)
日時/会場:2011 年 10 月 7 日(金)19:00 / サントリーホール
10 日(月)14:00 / テアトロ・ジーリオ
主催:東京交響楽団
<5>
東京文化会館 50 周年記念フェスティバルオープニングコンサート
「ベートーヴェン/交響曲第九番」
指揮:大友直人
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(39 名出演) *日本オペラ協会合唱団と合同
日時:11 月 1 日(火)19:00
会場:東京文化会館
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団、東京文化会館
<6>
東京文化会館 50 周年記念フェスティバル 記念オペラ 「黛敏郎/古事記」
指揮:大友直人
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(38 名出演) *日本オペラ協会合唱団と合同
日時:11 月 20 日(日)14:00 / 23 日(水)14:00 2 回公演
会場:東京文化会館
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団、東京文化会館
<7>
文化庁「次世代の子どものための舞台芸術体験事業」
指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団(4 名出演)
ピアノ:三澤志保
日程/会場: 11 月 28 日(月) / 京丹後市立大宮第三小学校
29 日(日) / 京都市立洛央小学校
30 日(水) / 京田辺市立普賢寺小学校
12 月 1 日(木) / 京田辺市立三山木小学校
5 日(月) / 長岡市立上組小学校
6 日(火) / 富山市立奥田中学校
7 日(水) / 小松市立月津小学校
8 日(木) / サンサンホール
項目別-102
<8>
明星学園「音楽鑑賞会」
指揮:冨平恭平
合唱:新国立劇場合唱団(30 名出演)
ピアノ:三澤志保
日時:12 月 2 日(金) 11:00
会場:明星学園
主催:明星学園
<9>
読売日本交響楽団演奏会「ベートーヴェン/交響曲第九番」
指揮:下野竜也
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(80 名出演)
日時/会場:12 月 19 日(月) 19:00 / サントリーホール
20 日(火) 19:00 / 東京オペラシティ
21 日(水) 19:00 / サントリーホール
23 日(木) 19:00 / 東京オペラシティ
24 日(土) 14:00 / 東京オペラシティ
25 日(火) 14:00 / 横浜みなとみらい
26 日(月) 19:00 / 東京オペラシティ
主催:読売日本交響楽団
<10> NHK ニューイヤーオペラコンサート
指揮:下野竜也
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団(26 名出演)*二期会合唱団、藤原歌劇団合唱団と合同
日時/会場:1 月 3 日(火) 19:00 / NHK ホール
主催:NHK,NHK プロモーション
4. 舞台芸術等の国際交流
・ 平成 23 年 10 月 12 日~15 日にワルシャワ(ポーランド)国立ヴィエルキ劇場で開催されたオペラ・
ヨーロッパの年次総会に出席し、各国の劇場関係者と情報交換に努めた。また、同事務局より加
盟機関の 2010 年度(平成 22 年度)の運営状況に関する統計資料の提供依頼があったため、必要
資料を提出した。
・ 平成 23 年 10 月 19 日~21 日にメルボルン・アーツ・センター(オーストラリア)で開催されたアジ
ア太平洋パフォーミングアーツ・センター連盟の年次総会に出席し、各国の劇場関係者と情報交
換に努めた。また、連盟事務局より加盟機関の 2010 年度(平成 22 年度)の運営状況について、各
機関共通の項目の統計資料を作成するにあたり、新国立劇場にも協力要請があったため、必要
資料を提出した。
・ 平成 23 年 10 月 14 日~15 日まで、ワルシャワ(ポーランド)国立ナロードヴィ劇場(演劇)で開催
された「国立劇場会議 2011」に出席し、各国の劇場関係者と情報交換に努めた。
項目別-103
・ 平成 23 年 10 月 17 日にフェニーチェ劇場(イタリア)を表敬訪問し、国際協力の可能性について
ディスカッションを行った。
・ 新国立劇場のオペラやバレエ作品制作における海外の芸術家や劇場との連携協力を広く紹介
するために、オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」「ルサルカ」「さまよえるオランダ人」、バレエ「パゴダの
王子」の各公演で『国際連携プロジェクト』として、作品制作に携わる海外の演出家や美術家等を
招いてトーク・ショーを開催、また関連の展示会を開催した。
・ 文化庁「外国人芸術家・文化財専門家招へい事業」により来日した芸術家 4 名の受け入れを行
い、研修所での特別講義や研修生への指導、公開講座の開催、情報交換などを実施した。
・ 大和日英基金からの申請により、大和スコラー(特別奨学生)1 名を受け入れ、オペラ公演やオ
ペラ研修所公演の制作現場にて実習を実施した。
・ 平成 22 年度に引き続き、日本舞台美術家協会の依頼によりメキシコ政府奨学生の舞台美術家
をインターン生として受け入れた。また、研修期間満了時には研修修了発表会及び研修生作品
展示を行った。(平成 24 年 2 月 25 日・26 日)
・ 海外から劇場関係者など全 6 ヶ国 9 団体 41 名の訪問受け入れを行った。主な来訪者は以下の
とおり。
①クイーンズランド舞台芸術劇場長の訪問受け入れを行い、共同制作の可能性について懇
談を行った。(平成 24 年 1 月 30 日)
②上海大劇院より総務部長をはじめ 6 名の訪問受け入れを行い、劇場を案内したほか、劇
場の運営や顧客サービスなどについて説明した。(平成 24 年 3 月 1 日)
項目別-104
【(細目)1-2-2-③】
快適な観劇環境の形成 [現代舞台芸術の公演]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(5) 快適な観劇環境の形成 [現代舞台芸術の公演]
観客本位の快適な環境の形成のため、以下のとおりサービスの向上に努め、来場者等の満足度の向上を図る。
ア 高齢者、身体障害者、外国人等の利用にも配慮した快適な観劇環境を提供するため、動線や施設設備の工夫、表示類の整
備、英語等主要外国語による案内・解説等の充実、売店やレストラン等におけるサービスの向上を図る。
イ インターネットによる入場券販売の充実等により、観客の利用形態に応じた利便性の高い多様な販売方法を提供する
ウ 公演内容等の理解を促進するため、公演内容に応じて解説書を作成するとともに、音声同時解説や字幕表示などのサービス
を積極的に提供する。また、鑑賞団体等に対し、観劇にあわせた事前の公演内容の説明会や施設の見学会を適宜実施する。
エ 観客等の要望、利用実態等を把握するため、劇場モニター制度の導入を検討する。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
2,100
2,409
3,787
1,219
従事人員数(人)
7
7
7
6
A
H20
H21
H22
A
A
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 104 頁~117 頁
1)決算額は、公演附帯費(プログラム作成費、友の会事務費、観客勧誘事務費、劇場関係費)、新国立劇場維持管理費、情報
センター維持管理費、共同利用施設維持管理費、舞台美術センター維持管理費、施設整備費(交付金)、施設整備費(補助
金)を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術 2-(3) 快適な観劇環境の形成
の公演
<1>観劇環境整備、外国人利用者への対応
(5) 快適な観劇環境の形成
1.設備等の環境整備
ア 利用者の意見等を踏まえ、本
・ オペラ劇場ホワイエ他の木製ベンチ及び共通ロビーの木壁は、長年の利用による塗装の
館大・小劇場ロビーのソファー
剥がれや傷が多く発生し美観を損ねる状況となっていたため、計画的に補修を行い、昨年
類の更新等劇場内の設備や、
度に引き続き木製ベンチ等の塗装補修を実施した。
能楽堂前庭広場の改修など動
・ 2011 /2012 シーズンのオープニングに際し、オペラ劇場クローク前より 2 階プロムナードま
線の工夫、売店・レストラン等に
でレッドカーペットを敷設した。オペラ劇場ホワイエには、簡易組立式の小型のバナーをオペ
おけるメニュー・販売物の充実
ラ劇場もぎり等、状況に応じて各所に設置し、オープニングらしい豪華で華やかな雰囲気を
及びホームページ等での広報に
醸し出した。
よる利用者の増加等、サービス
・
オペラ劇場のオペラ、バレエ公演に合わせ、来場者のアメニティ向上を目的として、劇場共
の充実に努めて来場者等の満
通ロビーに演目をイメージした大型の装飾花「ウエルカム・フラワー」を昨年度に引き続き飾
足度の向上を図るとともに、高
齢者や身体障害者の利用も考
り、池の上部のテラス部分にテーブルとベンチを仮設し、テラス・カフェとしての利用に供し、
慮した快適な観劇環境を提供し
好評を博した。2011/2012 シーズンのオープニングには草月流家元勅使河原茜氏の協力も
たか。
得、その他の装飾とも相俟って豪華で華やかなウエルカム・フラワーとなった。
また、外国人利用者について
2.観客サービスの充実
項目別-105
分析・評価
○ロビー空間は大変賑やかになり活
況を呈していることを評価する。
○託児サービスの充実や、インターネ
ットでのチケット確保等お客様の利
便性が図られたことを評価する。
は、英語等を併記した案内表示
の整備、パンフレットの配布等
により利用環境の整備を進めた
か。
イ インターネット・チケット販売の
活用を促進するとともに、電話
予約など観客の利用形態に応じ
た多様な販売方法を提供し、販
売の促進を図ったか。また、イン
ターネット・チケット販売におい
て、利用者の要望の多い座席
選択・ブロック選択機能を追加し
て、利便性の向上を図ったか。
ウ 公演内容等の理解を促進する
ため、以下のサービス等を提供
したか。
・ 解説書を作成するとともに、
内容の充実を図ったか。
・ 音声同時解説とともに、能楽
堂の座席字幕装置をはじめと
する字幕表示を積極的に活用
したか。
・ 鑑賞団体の求めに応じて公
演内容の事前説明を適宜行う
とともに、積極的に学生等の
施設見学を受け入れたか。
エ ホームページ、ご意見箱等を
通じて寄せら れた観客等の意
見・要望について迅速な対応を
図るとともに、対応状況の把握・
管理、職員への周知を行い、サ
ービスの向上への活用に努め
たか。
①売店、レストランにおけるサービスの向上
・ 売店について、オペラ、バレエ、演劇の公演ごとに異なる品揃えとし、主力商品を中心に広い
客層に訴えることができるよう心がけた。また、オペラ「沈黙」、演劇「雨」の公演では、演目に
関連したグッズを販売することにより、観客から好評を得た。
・ ホワイエでのメニューは、毎公演、彩の異なるプレートメニュー、スイーツ類も多種にわたる展
開で、昨年より更に大幅なメニュー変更を行った。2011/2012 シーズンからは、オペラやバレ
エの夜公演の際、オペラ劇場 2 階上手側ホワイエで休憩時間に飲み物と軽食をバイキング
形式で楽しめる「パレスサロン」というサービスを開始した。
②その他の観客サービスの向上
・ キッズルーム「ドレミ」において、0 歳から 12 歳までの児童を対象に、主催公演のうち指定日
に、託児サービスを実施した。(実施:112 公演 71 日、利用者数 387 人)
3.安全で快適な環境の整備
・ 大規模災害時における公共施設としての社会的責任を果たすため、観劇者を含め、相当数
の帰宅困難者をカバーできる飲料水や食料の他、アルミブランケットや簡易トイレ等を備蓄す
ることにした。
・ 火災時等において、大規模で高層の防火対象物の避難は長時間を要するため、消防法令の
改正により、20分間タイプの避難誘導灯を60分間タイプの避難誘導灯に取り替えることとされ、
該当する劇場内の避難誘導灯をすべて取り替えた。
4.外国人利用者への対応
・ ホームページに英語での施設案内、公演案内、劇場周辺地図等を掲出した。
・ 公演プログラムに英文による物語解説を掲載した(一部除く)。
・ 館内の劇場等への行き先を示す案内表示に、英文を併記した。
・ 英語での対応ができる劇場案内スタッフを配置した。
・ 劇場案内パンフレットの英語版を作成し、劇場の活動に対する理解を深めてもらうために活
用した。
・ シーズンガイドの英語版を作成し、広く公演概要を周知した。
・ 火災等の非常放送は、英語放送を入れるようにしており、秋の自衛消防総合訓練でも英語放
送を入れて訓練を実施し、非常時の対応に備えた。
【特記事項】
・ 各館に募金箱を設置し、東日本大震災被災地への義援金を募り、新国立劇場では
356,803 円を日本赤十字社へ寄付した。
<2>インターネット・チケット販売の活用
・ インターネット・チケット販売において、利用者の利便性向上のため、オペラ劇場での公演
について、利用者が直接希望の座席を選択できる機能を導入した。これより、購入者は、①
自動選択、②ブロック内自動選択、③座席任意選択のいずれかの方法を選んで購入できる
ようになった。
<3>解説書の作成、字幕表示・音声同時解説の活用、公演説明会・施設見学等の実施
項目別-106
1.解説書の作成
・ 新国立劇場では、すべての自主公演について公演解説書(プログラム)を作成した。
2.字幕表示・音声同時解説の活用
(1) 字幕表示の実施
ジャンル
実施公演数
オペラ公演
13 公演
内
訳
オペラ 11 公演、高校生のためのオペラ鑑賞教室 2 公演
3.公演説明会・施設見学等の実施
各館において、鑑賞団体等に対する公演説明会、施設見学の受入れ、バックステージツアー
を実施し、上演演目への理解や劇場施設への親近感の醸成に努めた。
(1) 公演説明会の実施
区 分
新国立劇場
件 数
18 件
参加人数
4,409 人
(2) 施設見学の実施
区 分
新国立劇場
件 数
13 件
参加人数
75 人
(3)バックステージツアーの実施
区 分
新国立劇場
件 数
20 件
参加人数
565 人
<4>意見・要望等の把握と対応
1.意見・要望等への対応体制
・ ホームページに「ご意見欄」を設置
新国立劇場ホームページ 234 件
・ 電話等による要望・苦情等の受付
2.意見・要望等への対応状況
・ ほぼ全演目でアンケート調査日を設定し、入場時にキャスト表と共にアンケート用紙を希望者
に配布、終演後に粗品と引換に回収する形で実施した。アンケート調査日以外においても、劇
場各所にアンケート用紙を設置し、自由にご意見を発言していただける態勢を整えている。
・ アンケート結果については、公演制作の参考にすべく関係部署間で内容を共有した。また、来
場者アンケートに記載されたお客様の声のうち、掲載を許可されたコメントについて、ホームペ
ージにアップした。
・ 頂いた意見・要望については必要な対応を行い、提供するサービスの質の向上に努めた。具
体的には、劇場とボックスオフィスにて聴取したご意見については、委託業者と共に行う月例
のミーティングにて、対応を行った。アンケートやホームページのご意見箱等を通じて寄せられ
たご意見については、即応を要するご意見に優先的に対応する一方、それ以外については傾
向別にとりまとめて検証の上、対応した。
項目別-107
【(細目)1-2-2-④】
広報・営業活動の充実[現代舞台芸術の公演]
【評定】
【法人の達成すべき計画】
(6) 広報・営業活動の充実 [現代舞台芸術の公演]
より多くの人が幅広い分野の公演を鑑賞することを目標として、以下の取組みにより一層効果的な広報・営業活動を展開する。
ア 公演内容に応じた効果的な宣伝活動を実施する。また、伝統芸能、現代舞台芸術についての国民の理解促進、情報入手等に
寄与し、振興会の事業について周知を図るため、広報誌を定期的に発行するとともに、英語を含むホームページ・メールマガジ
ン等による情報提供を充実する。ホームページについては中期目標期間のアクセス件数を前中期目標期間の実績以上とする。
イ 年間の公演を通して購入できるシーズンシート、セット券等の拡充など鑑賞者の需要を的確にとらえた営業活動を展開する。
ウ 会員組織において、会報による定期的な情報提供、入場券販売サービス、会員向け催事の開催等により観劇機会の増加を図
る。また、会員に対しアンケート調査を適宜実施し、サービスの向上を図る。なお、会員数については、前中期目標期間の実績以
上とする。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
決算額(百万円)
152
132
159
121
従事人員数(人)
7
7
7
6
A
H20
H21
H22
A
A
B
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 118 頁~129 頁
1)決算額は、公演附帯費(友の会事務費、宣伝諸費、特別宣伝費)を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術 <1>効果的な広報・営業活動の展開
の公演
1.ホームページにおける情報の内容の充実、メールマガジンの配信、携帯電話での情報発信
(6) 広報・営業活動の充実
(1) アクセス件数
ア 効果的な広報・営業活動の展
新国立劇場ホームページの年間アクセス件数:3,048,659 件/目標 1,800,000 件(達成度
開
169.4%)
a. 平成 22 年度に整備・更新を
・ 新国立劇場ホームページのアクセス数をより増加させる方策として、公演情報の充実(特
行ったホームページにおける
設サイト開設・動画の配信)を図り、目標を大きく上回ることができた。
公演情報、行事情報等の早期
(2) ホームページの内容の充実、使いやすさの向上
掲載及び内容の充実に努めた
・ 新国立劇場ホームページ及び 20 年度に開設したジ・アトレ会員向けホームページについ
か。またアクセス動向等を分析
て、内容の充実を行った。
して利用状況を把握し、よりア
・
ホームページの利便性を高めるために、情報項目の整理を行い、内容の一層の充実を図
クセス数を増加させる方策に
り、また、より多くの最新情報を迅速に公開して新国立劇場の活動に対する理解向上を図
ついて検討を行ったか。メール
マガジンの記事内容等を見直
った。
し、読者数増や集客効果の向
・ トップページの写真を、公演やイベントに関係あるものに適宜変更するとともに、Flash の使
上を図ったか。
用や再演演目の紹介に過去の公演記録映像を活用する等、より視聴覚に訴えるデザイン
・ 新国立劇場ホームページ
とした。
の年間アクセス目標:
・ 新国立劇場バレエ団ブログを開設し、稽古の様子や公演準備の様子を発信し、公演への
項目別-108
分析・評価
○ホームページの更新により、アクセ
ス件数の計画を大幅に上回り、達
成度 169.4%となっ たことを評価す
る。
○様々な媒体での積極的な広報・営
業活動は評価できるが、更なる努力
と工夫の余地がある。
1,800,000 件
b. 次のとおり広報誌を定期的に
発行したか。
・ 「新国立劇場 highlights」を
情報 誌ジ ・ア トレ (毎 月発
行)に掲載するとともに、ホ
ームペ ージで も公開した
か。
d. シーズンシートやセット券等
による販売を推進したか。
e. 学校関係者向けに劇場見学
会等を実施して、団体鑑賞の
促進を図るとともに、旅行代理
店等との連携を強化して、外
国からの旅行者を含めた鑑賞
者の増加を図ったか。
イ 会員組織の会員に対し、会報
による情報提供、会員先行発売
及び割引発売、催し物を実施す
るとともに、引き続き会員を募集
し、観劇機会の一層の増加を図
ったか。また、アンケート調査を
適宜実施し、回答内容について
検討の上、会員サービスの一層
の充実を図ったか。
d. クラブ・ジ・アトレ(新国立劇
場)
・ 会報「クラブ・ジ・アトレ」(毎
月発行)
・ 会員向け催事:年 1 回程度
・ 目標会員数:9,000 人
より一層の関心を喚起するとともに、バレエ団への親近感とブランドイメージの構築を図っ
た。
・ 動画中継システム(USTREAM)を用いて、オペラトーク等の一般観客向けのトークイベント
や報道関係者への公演制作発表をインターネット上で生中継し、新国立劇場の活動への
より一層の周知を図った。
・ ニュースリリースをホームページに掲載し、より一層の情報開示に努めた。
・ 「新国立劇場 highlights」を情報誌「ジ・アトレ」に掲載するとともに、ホームページでも公開し
た。
(3) メールマガジンの配信
・ 新国立劇場ではe-メールクラブ会員(8,219 名)を対象に月 3~4 回の頻度で公演情報等
を発信・配信した。
(4) 携帯電話での情報発信
携帯電話サイトは既に公開しているが、昨今スマートフォンが急速に普及しており、状況
によりアプリケーションソフトを構築するなどして、時勢に乗り遅れずに対応したい。
2.広報誌の発行
・ 新国立劇場情報誌「ジ・アトレ」(毎月発行)
・ 「新国立劇場 平成 22 年度年報」(23 年 9 月作成)
3.公演内容に応じた効果的な宣伝、営業活動
・ チラシ・ポスター、ホームページ等による通常の広報・営業活動に加え、公演内容に応じ特
設サイトの設置や国立劇場でのチケット販促キャンペーン等を行った。
・ インターネットで現代舞台芸術に関するキーワードを入力すると新国立劇場の広告が自動
的に表示される「検索キーワード連動型広告」という新しいアプローチを行い、より精密な
営業活動を行った。
・ 空席のある場合に限り事前に 5,000 円(オペラ以外のジャンルは半額)で予約できる 25 歳
以下の若年層を対象とした「アカデミックプラン」を引き続き実施した。登録者数が前年度よ
り 456 人増え 8,760 人となった。新規顧客層の拡大に対して大変有効な手法となった。
4.シーズンシートやセット券等の拡充
・ 新国立劇場では、シーズンセット券の購入者はオペラ・バレエにおいての最重要顧客であ
るという位置づけのもとに、会員に対し、会報誌「ジ・アトレ」、パンフレット及びジ・アトレ会
員向けホームページ等を通じてセット券の販売を行った。
<2>会員組織による観劇機会の増加
4.新国立劇場クラブ・ジ・アトレ
(1) 会員向けサービスの充実
・ 先行予約として郵送申込と会員優先販売期間を設け、10%割引を行った。一般発売期間では
5%を実施した。また、インターネットで会員優先販売期間に会員割引でチケットを購入できる
サービスを実施し、発売日に窓口や電話での混雑緩和に寄与することができた。
・ 会員がクラブ・ジ・アトレのサービスや手続きについて、詳細を容易に把握するための総合的
な情報提供の場として「チケットとクラブ・ジ・アトレ Web サイト」を運営した。
項目別-109
・ 三井住友カードとアトレカード利用促進キャンペーン(9~1 月実施、抽選で 30 名を公演に招
待)をはじめとし、三井住友カード会報誌「VISA」(発行部数 100 万部)に新国立劇場紹介(4 月
号)や演劇出演者インタビュー記事(6 月号)などを掲載し、新たなマーケットに対して着実に情
報露出を図ることができた。
・ 昨年度、会員カードの提携先の切り替えを行ったが、経営上の命題(①年会費の値上げ、②
友の会収支の維持、③クレジットカード会社との提携スタイルの維持)の枠組みを守りつつ、カ
ード移行作業を無事終え、23 年度は新たな仕組みのもと細かい点を修正しながら、会員サー
ビスを新規展開した。
・ 会員数を増やすための施策として、過去購買履歴のある未移行者へのダイレクトメール、旧
会員のセット券申込者再入会の優遇、5 月の段階では未移行者にチケット抽選プレゼント付き
「再入会のお誘い」ダイレクトメールを送付するなど、連続して移行促進を行った結果、会員数
は 9,183 名(3 月末現在)に達した。また、三井住友カードとの共同実施による新規入会キャン
ペーン(9~10 月実施、抽選で 150 名をゲネプロに招待)でも新規会員を 125 名増やすことがで
きた。
(2) 会報の発行(計画:毎月発行)
新国立劇場月刊会報誌「ジ・アトレ」を毎月発行した。(計 12 回)
(3) 会員向け催事(計画:1 回程度実施)
新制作オペラとレパートリー作品のバレエについて、会員から希望を募り抽選でゲネプロ見学
会を実施した。会員に好評であった他、当日の感想をホームページにアップすることにより公演
の紹介をすることができ相乗効果を得ることができた。(オペラ 4 演目 参加者 120 名、バレエ 5
演目 参加者 115 名)
(4) アンケート調査
会員の興味・関心やその消費者特性を把握するべく、アンケート調査を実施している。その分
析結果は今後の営業施策に役立てていく。
(5) 会員数
在籍者数(対前年度)
9,183 人(+311 人)
目標会員数
9,000 人
利用枚数
87,768 枚
《数値目標の達成状況》
【ホームページへのアクセス状況】
新国立劇場ホームページの年間アクセス件数:3,048,659 件/目標 1,800,000 件(達成度
169.4%)
【会員数】
クラブ・ジ・アトレ:9,183 人/目標 9,000 人(達成度 102.0%)
項目別-110
青少年等を対象とした公演
【評定】
A
【(小項目)1-2-3】
【法人の達成すべき計画】
(3) 青少年等を対象とした公演
ア 伝統芸能を次世代に伝え、新たな観客層の育成を図るため、上記(1)の伝統芸能の公開の中で青少年等を対象とした鑑賞教室
等を年間 8 公演程度実施する。
イ 青少年等が現代舞台芸術に触れる機会を確保し、新たな観客層の育成と現代舞台芸術の普及を図るため、上記(2)の現代舞台
芸術の公演の中で青少年等を対象とした鑑賞教室等を年間 3 公演程度実施する。
ウ 実施に際しては、日頃伝統芸能及び現代舞台芸術に触れる機会の少ない社会人などに配慮した企画等の実施に努めるととも
に、各鑑賞事業の連携協力を強化するなど、その充実を図る。
H20
H21
H22
A
A
A
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 71 頁~79 頁, 96 頁~97 頁
伝統芸
台芸術
分野
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
伝統芸能分野
決算額(百万円)
収入 239
支出 174
収入 261
支出 202
収入 262
支出 180
収入 242
支出 218
伝統芸能分野
従事人員数(人)
24
24
24
25
収入 36
支出 111
収入 46
支出 146
収入 43
支出 111
収入 38
支出 172
現代舞台芸術分野
決算額(百万円)
現代舞台芸術分野
7
7
7
6
従事人員数(人)
○伝統芸能分野
1)決算額は、
・振興会:入場料収入及び公演費
・おきなわ財団:入場料収入(財団自己財源)及び公演費(財団自己財源)を計上している。
2)従事人員数は、各館の制作担当常勤職員及び国立劇場おきなわ業務管理職員の人数を計上している。
・歌舞伎(第 1 制作課)
・文楽(第 2 制作課、文楽劇場企画制作課企画制作係)
・能楽(能楽堂企画制作課企画制作係)
・組踊等沖縄伝統芸能(総務課おきなわ係)
項目別-111
H21
H22
H23
A
A
A
A
A
A
A
A
能分野
現代舞
【インプット指標】
H20
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
○現代舞台芸術分野
1)決算額は、入場料収入及び普及公演費を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術 伝統芸能分野
の公演
1.公演実績
(3) 青少年等を対象とした公演
(1)青少年を対象とした鑑賞教室等の公演
ア 伝統芸能を次世代に伝え、新
たな観客層の育成を図るため、
公演名
劇場
期間
青少年を対象とした鑑賞教室等
の公演を平成 23 年度年度計画
[別表 1]のとおり実施したか。
6 月歌舞伎鑑賞教室
イ 青少年等が現代舞台芸術に触
解説「歌舞伎のみかた」、
6/4(土)~
れる機会を確保し、新たな観客
「義経千本桜 河連法眼館
26(日)
層の育成と現代舞台芸術の普
の場」
本館
及を図るため、青少年を対象とし
歌舞伎
大劇場
7
月歌舞伎鑑賞教室
た鑑賞教室等の公演を平成 23
解説「歌舞伎のみかた」、
7/3(日)~
年度年度計画[別表 2]のとおり
実施したか。
「義経千本桜 渡海屋の
24(日)
ウ 新たな観客層の育成を図るた
場・大物浦の場」
め、主催公演のなかで平成 23
12 月文楽鑑賞教室公演
年度年度計画[別表 3]のとおり
本館
12/1(木)
「解説 文楽の魅力」「曽根
社会人や親子を対象とした企画
小劇場
~13(火)
崎心中」
等を実施したか。
文楽
6 月文楽鑑賞教室「五条
エ 実施に当たっては、各鑑賞事
文楽
6/10(金)
業の連携協力を強化するなど充
橋」「解説 文楽へようこ
劇場
~23(木)
実に努めたか。
そ」「仮名手本忠臣蔵」
[平成 23 年度年度計画別表 1 の概要]
青少年を対象とした鑑賞教室等の公
演(8 公演)
(歌舞伎 2 公演、文楽 2 公演、能楽 1
公演、組踊等沖縄伝統芸能 3 公演)
[平成 23 年度年度計画別表 2 の概要]
青少年等を対象とした鑑賞教室等の
公演(2 公演)
(オペラ 2 公演)
[平成 23 年度年度計画別表 3 の概要]
社会人や親子を対象とした 企画等
(15 公演)
能楽
6 月能楽鑑賞教室 解説、
狂言「蝸牛」、能「小鍛冶」
能楽堂
10 月普及公演 「生徒のた
い』」(高校生対象)
11 月普及公演 「生徒のた
組踊
めの組踊鑑賞教室『雪払
い』」(小・中校生対象)
11 月普及公演 「生徒のた
めの組踊鑑賞教室『雪払
い』」(学生等対象)
国立劇
区分
回数
日数
入場者数
入場率
総席数
にも、青少年を対象とした公演は充
実している。
○国立劇場、新国立劇場などで開催
46 回
23 日
45,883 人
(65.6%)
69,920 人
する公演のほか、学校など現地や
地方に出向いての公演に、一層力
計画
46 回
23 日
55,000 人
(78.7%)
69,920 人
を入れる必要がある。
実績
44 回
22 日
60,663 人
(90.7%)
66,880 人
計画
44 回
22 日
56,000 人
(83.7%)
66,880 人
実績
24 回
13 日
13,155 人
(99.1%)
13,272 人
計画
24 回
13 日
12,610 人
(95.0%)
13,272 人
実績
28 回
14 日
19,945 人
(97.4%)
20,468 人
計画
28 回
14 日
18,500 人
(90.4%)
20,468 人
6/20(月)
実績
10 回
5日
6,240 人
(99.5%)
6,270 人
~24(金)
計画
10 回
5日
5,900 人
(94.1%)
6,270 人
実績
3回
2日
1,370 人
(79.0%)
1,734 人
計画
3回
2日
1,301 人
(75.0%)
1,734 人
実績
2回
1日
1,010 人
(87.4%)
1,156 人
計画
2回
1日
867 人
(75.0%)
1,156 人
実績
2回
1日
1,060 人
(91.7%)
1,156 人
計画
2回
1日
867 人
(75.0%)
1,156 人
~28(金)
場
おきな
○未来の観客を育てるためや、日本
の芸術文化を保護発展させるため
実績
10/27(木)
めの組踊鑑賞教室『雪払
分析・評価
11/17(木)
わ大劇
場
11/18(金)
項目別-112
○現代舞台芸術では目標を達成して
いるが、入場率が昨年度比 10.5%の
大幅な減少、伝統芸能に関しても例
年は計画を達成していたことから、
東日本大震災の影響等要因分析が
必要である。
【伝統芸能分野】
○歌舞伎、文楽、能、組踊、大衆芸能
で、青少年や親子を対象とした企画
公演や、鑑賞教室に力を入れてい
ることを評価する。公演の更なる充
実を期待する。
【現代舞台芸術分野】
○目標入場者数は、高校生のための
オペラ鑑賞教室では達成している
が、こどものためのオペラ劇場では
未達である。しかし、全体として達成
(歌舞伎 3 公演、文楽 3 公演、舞踊・
邦楽等 2 公演、大衆芸能 1 公演、能楽
3 公演、組踊等沖縄伝統芸能 2 公演、
オペラ 1 公演)
合計
実績
159 回
81 日
149,326 人
(82.6%)
180,856 人
計画
159 回
81 日
151,045 人
(83.5%)
180,856 人
8 公演
(2)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
(3)
・
社会人や親子を対象とした企画等
6 月歌舞伎鑑賞教室「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」(6 月 10 日・17 日、計 2 回)
7 月歌舞伎鑑賞教室「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」(7 月 20 日・22 日、計 2 回)
7 月歌舞伎鑑賞教室「親子で楽しむ歌舞伎教室」(7 月 17 日、18 日、20 日~24 日、計 12 回)。
12 月文楽鑑賞教室「社会人のための文楽鑑賞教室」(12 月 2 日・9 日、計 2 回)。
演芸場 7 月特別企画公演「親子で楽しむ演芸会」(7 月 23 日、1 回)。
能楽堂 8 月企画公演「働く貴方に贈る」(8 月 5 日、1 回)。
能楽堂 8 月企画公演「夏休み親子で楽しむ能の会」(8 月 13 日、1 回)。
能楽堂 8 月企画公演「夏休み親子で楽しむ狂言の会」(8 月 27 日、1 回)。
文楽劇場 6 月文楽鑑賞教室「社会人のための文楽鑑賞教室」(6 月 13 日・22 日、計 2 回)。
文楽劇場夏休み文楽特別公演、第 1 部を親子劇場として実施(7 月 23 日~8 月 8 日、計 17 回)。
国立劇場おきなわ 4 月普及公演「社会人のための組踊鑑賞教室」(4 月 16 日、1 回)。
国立劇場おきなわ 8 月普及公演「親子のための組踊鑑賞教室」(8 月 6 日、1 回)。
各鑑賞事業の連携協力の強化等
鑑賞教室公演及び親子対象公演について、各館連携の上、ホームページに各館の親子企画を
紹介するページを設置し、あわせて振興会トップページのバナーから誘導することにより対象者に
狙いを絞った広報を行った。
なお、24 年度は 7 月邦楽公演も親子対象公演となるため、他の公演と同様の取扱いができるよう
調整している。
・ 親子対象公演のインターネット・チケット販売については、本館・演芸場・能楽堂は会員及び一般
発売に先行発売するとともに、文楽劇場はインターネット発売日を会員発売日と同日として一般
発売に先行して発売した。
2.営業・広報
・ 6 月歌舞伎鑑賞教室は壱太郎丈・翫雀丈の個別インタビュー取材を行った。朝日、読売新聞読者
招待を行い周知に努めた。7 月歌舞伎鑑賞教室は 5 月 24 日に松緑丈・魁春丈・團蔵丈の記者会
見を行い周知に努めた。
・ 学校団体向けの鑑賞教室の公演案内を新しく作成し、内容を分かり易くして充実を図った。また、
担当教員を対象に下見見学会を行うなど関係者の理解を深め、参加校から受注を受ける等、一定
の成果が得られた。
・ 中学・高校等の学校へ案内を送付して団体鑑賞を募るとともに、チラシ等により一般の観客にも
周知し、学生以外の団体鑑賞も促した。
・ 文楽劇場では、とくにこれまで利用のなかった学校の先生方にも関心を持ってもらえるよう、鑑賞
教室見学の機会を設けて教室の内容説明を行ったり、中学・高校へ送る案内に工夫をこらすなど、
さまざまな取り組みを行った。また大阪市との連携・協力関係を強化し、市が主催する「文楽デー」
に関し、広報・販売から当日の運営に至るまで幅広く協力して、文楽の普及に努めた。
・ 国立劇場おきなわでは、沖縄県内の小・中・高等学校へ案内を送付し、団体鑑賞を募るとともに、
沖縄県、沖縄県教育委員会の後援により各学校への周知を行い、鑑賞教室の宣伝を行った。
項目別-113
度が 100.7%となったことは評価でき
る。
3.外部専門家等の意見
・ 6 月歌舞伎鑑賞教室について、「歌舞伎のみかた」は次に登場する「義経千本桜」を主題にとって
の展開がよかった。揚幕からの生徒登場に意外性があって結構、立ち回りにも活気があった。「河
連法眼館」は丸本時代物でありながら初心者にもとっつきやすく、歌舞伎らしいイメージや特徴に
富んでいるので、好適な演目といえる。翫雀の忠信はやや意外な器用だったものの新しい役柄へ
懸命に取り組み、真摯さに好感が持てた。
・ 7 月歌舞伎鑑賞教室について、「歌舞伎のみかた」は高校生代表を舞台に登場させる形式をとら
ず、義太夫狂言の構造と演技の在り方を、竹本・下座との関わりを通じて示そうと松也がよくその
趣旨と勘所を呑み込んで好感度よく見せた。「渡海屋・大物」は世話のやつしから時代・王朝物へ
の変化、「魚尽くし」や「三悪道」の台詞、復讐譚、立ち回り、背ギバの碇知盛など波乱と盛り沢山の
趣向が凝らされ、高校生や初心者が歌舞伎の醍醐味を味わえる屈指の名作の一つだろう。
・ 文楽劇場 6 月文楽鑑賞教室は、文楽入門の場であると同時に、中堅・若手の技芸員が競い合
い、力を尽くして技芸向上を目指す貴重な場であると思う。ただ、今回の勘平は和生・勘十郎・玉
女・清十郎であり、まさに本公演の役割である。大夫は多少若手が増えてきたのであろうか、人形
遣いは小割を見ても一杯一杯で、中堅が伸び悩んでいるように見える。よい役も付くが、純粋に切
磋琢磨ということにならないのであろうか。鑑賞教室はぜひその場であってほしい。
・ 国立劇場おきなわで 20 年度から始まった鑑賞教室は、県内の小中高等学校等へ広く鑑賞案内
を実施したところ認知度が上がり、集客が安定してきている。
4.アンケート調査
・6 月歌舞伎鑑賞教室で実施(6 月 22 日 14:30 開演)
回答数 593 人(配布数 913 人、回収率 65.0%)。回答者の 88.4%が概ね満足と答えた( 524 人)。
・7 月社会人のための歌舞伎鑑賞教室で実施(7 月 22 日 18:30 開演)
回答数 796 人(配布数 1,265 人、回収率 62.9%)。回答者の 86.6%が概ね満足と答えた(689 人)。
・「親子で楽しむ演芸会」で実施(7 月 23 日)。
回答数 54 人(配布数 113 人、回収率 47.8%)。回答者の 96.3%が概ね満足と答えた(52 人)。
・「夏休み親子で楽しむ能の会」で実施(8 月 13 日)。
回答数 209 人(配布数 371 人、回収率 56.3%)。回答者の 89.0%が概ね満足と答えた(186 人)。
・「夏休み親子で楽しむ狂言の会」で実施(8 月 25 日)。
回答数 300 人(配布数 576 人、回収率 52.1%)。回答者の 82.7%が概ね満足と答えた(248 人)。
・6 月社会人のための文楽入門で実施(6 月 22 日 18:30 開演)
回答数 372 人(配布数 530 人、回収率 70.2%)。回答者の 89.5%が概ね満足と答えた(333 人)。
・社会人のための組踊鑑賞教室で実施(4 月 16 日)。
回答数 244 人(配布数 390 人、回収率 62.6%)。回答者の 71.3%が概ね満足と答えた(174 人)。
・親子のための組踊鑑賞教室で実施(8 月 6 日)。
回答数 214 人(配布数 315 人、回収率 67.9%)。回答者の 83.2%が概ね満足と答えた(178 人)。
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
実績 149,326 人/目標 151,045 人(達成度 98.9%)
現代舞台芸術分野
項目別-114
1.公演実績
青少年を対象とした鑑賞教室等の公演(再掲)
公演名
劇場
期間
区分
回数
日数
入場者数
入場率
総席数
高校生のためのオペラ鑑賞教
オペラ
7 月 11 日(月)
実績
6回
6日
9,803 人
(92.3%)
10,620 人
劇場
~16 日(土)
計画
6回
6日
9,000 人
(84.7%)
10,620 人
7 月 22 日(金)
実績
6回
3日
3,813 人
(71.7%)
5,316 人
~24 日(日)
計画
6回
3日
4,520 人
(85.0%)
5,316 人
実績
12 回
9日
13,616 人
(85.4%)
15,936 人
計画
12 回
9日
13,520 人
(84.8%)
15,936 人
室「蝶々夫人」
こどものためのオペラ劇場「パ
ルジファルとふしぎな聖杯」
【鑑賞教室 合
計】
中劇場
2 公演
(計画:2 公演)
2.営業・広報
・ 高校生のためのオペラ鑑賞教室については、前年度の 9 月に首都圏全域(東京、神奈川、埼
玉、千葉の高等学校、茨城、群馬、山梨の一部の高等学校、および特別支援学校)約 1,300 校
に募集要項を送付し、学校単位の受付を行った。
・ こどものためのオペラ劇場については、近隣教育委員会等の後援協力等による小学校での告
知や、こども向け公演告知の為に収集した DM リスト(ジュニア・アカデミック会員)への先行発売
を行った。また、協賛企業により 1 回が貸切となった。
3.外部専門家等の意見
・ 鑑賞教室については、どの学校の生徒も開演前の好奇心に満ちた表情や終演後の満足げな様
子を見ると、未来への投資だけでなく心の教育として意義ある企画だと感じている。
・ 出演者たちの熱演により、大変高い水準のステージが観られた今回、満座の高校生たちも場面
が進むに連れて静まり返り、男女&東西の価値観の違いからくる悲劇の残酷さに、相当なるシン
パシーを覚えていたものと思う。
・ こどものためのオペラ劇場は、演目としての統一感よりも、場面ごとの個性で客席を惹きつけるス
テージになっていたと思う。制作側の細やかな工夫がはっきり読み取れる点も多かったので、そ
れらについては高く評価しておきたい。聖杯伝説に基づく台本ながら細部をかなり変更したこのプ
ロダクションでは、内容があまりに盛りだくさんだった。
4.アンケート調査
全 12 公演で実施した。
有効回答数 2,043 人(配布数 13,616 人、回収率 15.0%)。回答者の 96.6%が概ね満足と答えた
(1,973 人)。
《数値目標の達成状況》
【目標入場者数の達成状況】
実績13,616人/目標13,520人(達成度100.7%)
項目別-115
劇場施設の使用効率の向上等
【評定】
A
【(小項目)1-2-4】
【法人の達成すべき計画】
(7) 劇場施設の使用効率の向上等
ア 振興会が行う伝統芸能の公開、現代舞台芸術の公演等各種事業の実施に支障のない範囲で、伝統芸能の保存振興、現代舞
台芸術の振興普及、その他の目的のための事業に対し、劇場施設を積極的に貸与する。その際、主催公演の利用計画の早期決
定に努め、利用者に対する利便性の向上を図るとともに、各種事業について効率良く日程を組むなど、劇場の使用効率の向上を
図り、来場者の増加を図る観点から貸与日数を増やし、劇場全体の公演回数の増加を図る。 なお、中期目標期間における主催
公演日数と貸し劇場日数を合計した数を使用可能日数で除した率については、前中期目標期間の実績以上とする。
イ 利用者の利便性を高めるため、各施設及び設備等の概要、利用方法、空き日等の情報をホームページ等により提供する。ま
た、施設等の利用料金については、定期的に他の施設の実態等を調査し、適正な価格となるよう努めるとともに、利用者に対しア
ンケート調査を適宜実施し、その調査結果を踏まえ、貸与手続きの簡素化・効率化の推進等利用の一層の充実を図る。
【インプット指標】
(中期目標期間)
H20
H21
H22
H23
伝統芸能分野
決算額(百万円)
494
498
471
458
伝統芸能分野
19
19
19
19
129
128
107
160
7
7
7
6
従事人員数(人)
現代舞台芸術分野
決算額(百万円)
現代舞台芸術分野
従事人員数(人)
○伝統芸能分野
1)決算額は、
・振興会:劇場使用料収入、稽古室等使用料
・おきなわ財団:劇場使用料収入(財団自己財源)、附属施設使用料(財団自己財源)を計上している。
2)従事人員数は、各館の貸し劇場担当常勤職員及び国立劇場おきなわ業務管理職員の人数を計上してい
る。
(本館営業部劇場課施設利用室、能楽堂営業課劇場利用係、文楽劇場営業課劇場利用係、総務課おき
なわ係)
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
○現代舞台芸術分野
項目別-116
H20
H21
H22
A
B
B
実績報告書等 参照箇所
業務実績報告書 130 頁~133 頁
伝統芸
H20
H21
H22
H23
A
A
A
A
B
B
B
A
能分野
現代舞
台芸術
分野
1)決算額は、貸劇場収入を計上している。
2)従事人員数は、新国立劇場部の常勤職員の人数を計上している。
その際、役員及びその他の職員は勘案していない。
評価基準(年度計画及び評価の視点) 実績
2 伝統芸能の公開及び現代舞台芸術 1.貸与実績
の公演
(7) 劇場施設の使用効率の向上等
劇 場
ア 中期計画に従い、伝統芸能
の保存振興、現代舞台芸術の
本館大劇場
振興普及、その他の目的のた
本館小劇場
めの事業に対し、劇場施設を
演芸場
次のとおり貸与するとともに、
劇場の使用効率の向上を図っ
能楽堂
たか。
文楽劇場
分析・評価
貸与日数
実 績
使用効率
目 標
実 績
○おおむね使用効率は順調であると評
価する。
(参考)
目 標
劇場稼働率
91 日
82 日
83.4%
80%
95.9%
148 日
149 日
75.2%
75%
89.8%
116 日
112 日
91.7%
91%
96.7%
197 日
174 日
72.2%
66%
89.4%
114 日
114 日
68.1%
69%
78.2%
106 日
102 日
54.7%
53%
71.9%
772 日
733 日
75.3%
73%
87.4%
○ここ数年、懸案だった、新国立劇場オ
ペラ劇場の貸出しについては改善さ
れつつあり評価する。
貸与
使用
日数
効率
本館大劇場
82 日
80%
本館小劇場
149 日
75%
国立劇場おきなわ大劇場
81 日
81 日
45.1%
44%
86.4%
演芸場
112 日
91%
国立劇場おきなわ小劇場
101 日
65 日
54.8%
37%
70.1%
用効率の目標を達成。その他の劇場
でも、文楽劇場を除いて使用効率の
能楽堂本舞台
172 日
66%
182 日
146 日
49.1%
41%
79.6%
目標を達成しており評価する。
文楽劇場
114 日
69%
文楽劇場小ホール
102 日
53%
33 日
30 日
37.6%
37%
98.4%
国立劇場おきなわ大劇場
81 日
44%
新国立劇場中劇場
118 日
119 日
56.4%
57%
87.6%
国立劇場おきなわ小劇場
65 日
37%
新国立劇場小劇場
120 日
106 日
72.1%
69%
98.8%
新国立劇場オペラ劇場
30 日
37%
小 計
271 日
255 日
55.9%
55%
95.1%
新国立劇場中劇場
119 日
57%
合 計
1,225 日
1,134 日
66.3%
64%
88.5%
106 日
69%
1,134 日
64%
区分
新国立劇場小劇場
(合計)
※ 使用効率は、使用可能日数のう
ちの主催公演日数と貸与日数を
合計した数の割合。ただし、一日
に重複して貸与することの多い演
芸場及び能楽堂本舞台について
は、それぞれ一ヵ月につき 6 日・3
日を使用可能日数に加算してい
る。
イ 利用者の利便性の向上等
① 各施設の設備等の概要、貸与
手続き及び空き日等の情報をホ
ームページへ掲載するとともに、
劇場ロビー等に設置したパンフ
レットや、利用実績のある団体
等へのダイレクトメールを活用し
文楽劇場小ホール
小 計
小 計
新国立劇場オペラ劇場
※ 東日本大震災の影響により、本館大劇場 7 日、小劇場 6 日、新国立劇場小劇場の 14 日
間の使用申込が取消となった。
2.利用者の利便性の向上等
① ホームページ、パンフレット等による広報、説明会等の実施
・ 施設、設備等の概要及び貸与手続き方法、空き日情報、貸劇場公演情報等を振興会ホー
ムページに掲載した。
・ 施設申込受付期間の案内を、過去 5 年間の劇場利用者へのダイレクトメールによる案内
や、舞踊・邦楽関係の冊子にも掲載して広報を行う。
・ 劇場利用パンフレットを作成して過去の利用者・利用団体・関係団体等に配布・送付した。
・ 簡易版劇場利用案内のリーフレットを作成し、広報用チラシとしてロビー等場内に配置し
た。
・ 施設申込受付期間や申込受付方法を、楽屋等に掲示して周知を図った。
・ 劇場利用希望者に対して申込受付開始前に、申込手続きについての説明及び小劇場施
設・設備の見学会を開催し、劇場利用者の増加に努めた。
項目別-117
【伝統芸能分野】
○国立劇場、演芸場、能楽堂では、使
○なお、国立劇場おきなわの大・小劇
場と文楽劇場小ホールが 5 割前後と
低迷している。その要因分析と対策
が求められる。
【現代舞台芸術】
○新国立劇場オペラ劇場で貸与日数の
計画を3倍(10→30 日)とするも目標
を達成、貸与日数が大幅増(12→33
日)となった。また、使用効率も前年
度比 4.7%増となっていることを評価す
る。更なる改善を望みたい。
た広報を行ったか。
② 利用希望者に対しては、適宜
手続き方法の説明及び、劇場施
設・設備の見学等の機会 を設
け、芸場利用者の増加に取り組
んだか。
③ 利用者との事前の打ち合わせ
を通じて、入場券の点検、劇場
内の案内、舞台機構操作等スタ
ッフ、舞台備品等の提供を適切
に行うとともに、利用者の求めに
応じて、舞台進行、照明デザイ
ン、音響デザイン等について職
員の技術協力を行ったか。
④ 利用者に対しアンケート調査
を実施し、その調査結果を踏ま
え、サービスの充実を図ったか。
⑤ 他の劇場施設等の調査を引き
続き行い、利用方法、利用料金
等の検討を行ったか。
・ 保守点検日や整備期間の設定について、関係部署と調整しながら貸与希望者の使用希
望日に沿うように調整した。
・ 国立劇場おきなわでは、ホームページやパンフレットによる広報に加えて、主催公演チラ
シ、国立劇場おきなわ友の会報誌等に貸劇場利用に関する情報を掲載し、一般・会員等へ
の広報宣伝を行った。また、24 年度の貸劇場募集の際、説明会を開催し、舞台機構をはじ
めとした施設案内等を実施した。
・ 新国立劇場では、劇場施設の使用の方法及び手続きについて分りやすくホームページに
掲載し、平成 23 年度を対象とする予約申込については、関係団体(約 200 団体)に郵送に
より通知し、上半期分は平成 22 年 3 月 23 日~3 月 31 日の間に、下半期分は同年 8 月 30
日~9 月 10 日の間に応募受け付けを行った。
② 利用者への適切なサービスの提供、職員の技術協力
・ 本館について、楽屋を一部改修し、明るく快適で使い勝手のよい楽屋とした。
・ 能楽堂楽屋食堂の壁・床を改修して利用環境を整備した。
・ 入場券の作成及び販売、場内のアナウンス及び案内業務、備品の貸出、稽古場施設の
貸出を行った。
・ 舞台機構操作、照明操作、音響操作等、舞台関係の技術協力を行った。
(本館)照明 2 件、音響 2 件、美術 2 件、舞台監督等 1 件、その他(つけ打ち等)12 件
(文楽劇場)照明 13 件、音響 2 件、舞台 9 件
(国立劇場おきなわ)舞台監督 11 件
・ 能楽堂の座席字幕装置の利用が能楽協会など 3 件あった。
・ 新国立劇場では、全ての公演において、入場券の点検、劇場内の案内、クロークなどの
サービスを行った。また、オペラ劇場・中劇場・小劇場ともに、舞台進行・照明操作・音響操
作等について補助を行った。
③ 利用方法、利用料金等の検討
・ 他劇場の施設見学方法・貸館事務手続き、東日本大震災時の対応などの聞き取り調査を
行い、舞台設備使用料(音響機材料金)などの料金改定について検討をした。
・ 新国立劇場の劇場施設の使用料金については、他の劇場施設においても特段の変更が
なかったため改定しなかった。
④ アンケート調査の実施
施設利用者への一層のサービス向上を図るため、各館の貸劇場利用者に対しアンケー
ト調査を実施した。
(本館・演芸場)配布数 184 件、回答数 75 件(回収率 40.8%)
施設利用者の感想として全体的に、良い 82%・普通 17%・悪い 0%であった。全般に概ね
好評の回答を得た。その他の意見として、舞台・ロビー受付・客席案内・施設利用係の対応
等について、親切に対応してもらい良い雰囲気で舞台を務められた等、好評の回答を得
た。
(能楽堂)配布数 64 件、回答数 27(回収率 42.2%)
全体の満足度は 77.8%で概ね好評の回答を得た。主な意見としては、使用日内定時期
についての早期化希望 2 件、使用日決定基準について継続利用実績の尊重希望等 2 件で
あった。
項目別-118
(文楽劇場)配布数 138 件、回答数 41 件(回収率 30%)
全体の評価は、良い 93%、普通 7%、悪い 0%であった。小ホールの楽屋について、もう少し
部屋数が欲しいとの意見が複数あった。
(国立劇場おきなわ)配布数 47 件、回答数 14 件(回収率 30%)
全体の満足度は 94%であった。
満足度内訳:①舞台設備について 92% ②楽屋について 93% ③ロビー・客席について
93% ④劇場職員の対応について 100% ⑤使用申込みについて 93% ⑥受付期間に
ついて 100% ⑦内定時期について 100% ⑧使用料金について 79%
(新国立劇場)
施設利用者への一層のサービス向上を図るため、施設利用についての口頭によるア
ンケート調査を実施したが、受付時期の早期化以外に特段の意見はなかった。
【特記事項】
・ 東日本大震災による貸劇場公演中止等の情報を、振興会ホームページのトピックス欄及
び、新聞の遊覧案内にて告知した。
《数値目標の達成状況》
【劇場施設の貸与状況】実績66.3%/目標64%(達成度103.6%)
項目別-119
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