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成熟市場に顧客密着で挑む

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成熟市場に顧客密着で挑む
特集2:新需要創造戦略
成熟市場に顧客密着で挑む
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不織布・吸収体ビジネスに集中し、エリアを拡大
ユニ・チャームは 1963 年に生理用ナプキンの販売を開始しました。生理用品
メーカーとして数々の独創的な技術や商品を開発し、業界をリードする一方、生理
● 選択と集中の歩み
用品分野で培った不織布・吸収体の成型・加工技術を活かし、1980 年代にはベビー
2002
用オムツへと事業を拡大しました。その後も女性の社会進出に合わせた薄型の生
・ 建材事業を売却
理用ナプキン、高齢化社会に対応した大人用オムツ、セルフケア意識の高まりに対
・ 一般家庭用排水クリーナー事業を
売却
応した超立体マスクなど、画期的な製品を次々と、世界各国の市場へ提供してきま
・ 国内メーカーよりタンポン事業
「エルディ」を買収
した。 2004
2009 年 3 月期までにユニ・チャームは 7 期連続の売上成長を記録し、同時に過去
・ 観光レジャー事業から撤退
最高の営業利益を達成しました。2000 年以降、ユニ・チャームの戦略の核となっ
2005
ているのは不織布・吸収体事業を核とした「 選択と集中 」です。2002 年に建材事
・ サウジアラビアオムツメーカーを買収
業を売却したのを皮切りに、一般家庭用排水クリーナー事業を売却。同年、国内メー
2006
カーからタンポン事業「 エルディ」を買収しました。2004 年に観光事業から撤退
・ 国内メーカーより生理用品事業
「センターイン」を買収
すると、翌年にはサウジアラビアのオムツメーカーを買収、さらに翌 2006 年には
国内メーカーより生理用品事業「 センターイン 」を買収、2008 年にはオーストラ
リア 2 位の紙オムツメーカーを買収しました。これらはいずれもユニ・チャームの
「 市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造する 」という社是に基づ
2007 ・ 教育事業から撤退
2008
・ 豪州2位の紙オムツメーカーを
買収
き、不織布・吸収体に事業を集中する一方で、参入エリアを拡大し成長を目指すと
いう戦略に従って実施しました。
世界各国には、ユニ・チャームの不織布・吸収体の技術によって、より豊かな生
活の実現に寄与できる市場、お客様がたくさんいらっしゃいます。今後も今まで以
上にお客様の声の耳を傾け、お客様に密着し、よりよい商品創りとサービスの向上
を目指し、世界中の多くの人々に快適をお届けする事を目指します。
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ケース・スタディ
高齢化社会を見据えた絶え間ない商品開発
寝たきりゼロを目指して
ユニ・チャームでは早くから高齢化社会の到来を見
据えた商品開発を行い、1987 年に大人用紙オムツ
『 ライフリー』を発売して以来、
「 寝たきりゼロを目指
して 」をスローガンに、画期的な商品とサービスを提
供してまいりました。
ライフリー「生きることが、リハビリ。」
リハビリに対する最近の考え方によれば、食事や排
泄、着替えなどの日常生活を自らの力で行うことも重要
なリハビリの一環とされています。トイレで排泄するこ
とが介護を受ける方の足腰の機能を維持回復させるリ
ハビリとなるだけでなく、心の尊厳を守るというコンセ
プトから、ユニ・チャームは『ライフリー ズボンを脱が
ずに交換 リハビリパンツ 』を 2008 年秋に発売しまし
た。
ズボンを全て脱がなくても、ひざまで下ろした状態
で、両脇のテープを取り外しすれば、簡単に紙パンツ交
換ができるこの画期的な商品は、介護をする側、介護を
受ける側双方の精神的・肉体的負担を軽減し、生活の質
を向上させます。
また、
「 生涯リハビリは有効である 」という考え方の
普及を目指し、
「 生きることが、リハビリ。
」を新しいブ
ランドメッセージとしました。ご自身がお母様の介護を
されているジャズシンガーの綾戸智恵さんをメッセン
ジャーとして起用し、テレビCMなどを通じて、厳しい
介護生活に携わる全ての人々にエールを送っています。
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『綾戸智恵さんを起用したテレビCM』
排泄ケア研究所の役割
ユニ・チャームは介護保険制度の導入を控えた 1996
年、排泄ケア研究所を発足させました。当時は、
『 ライ
フリーリハビリパンツ 』の業務用市場への参入が検討
されており、排泄ケア研究所は、施設・病院市場の調査・
分析を担う部門として位置付けられました。
当時の介護施設では布オムツの使用が多かったた
め、紙オムツのメリットを利用者・介護者・コストの各
面から提示しました。排泄ケアのあるべきコンセプト
の訴求とそれを具現化する商品の継続した提案によ
『排泄ケアフォーラム』
り、施設への導入を推進してきました。
現在は自立排泄支援のためのアプローチに注力して
おり、リハビリパンツ、尿とりパッドの進化を軸に、便
座への移乗・トイレ誘導の重要性を提案しています。
在宅ケア推進部の活動
超高齢化社会で求められるニーズとは「 生命を守る
こと 」と「 生活を守ること 」であり、それを実現するた
めには、保健・医療・福祉の連携が必要です。
「生命を守
る医療」と「生活を支援する」福祉の統合が求められて
います。ユニ・チャームでは 2001 年に在宅業務推進部
を発足させ、全国の自治体を訪問し、紙オムツ給付事
業のサービス向上提案を行っています。また、ケアマ
ネージャーへのアドバイスや介護者への「 オムツの選
び方、あて方教室 」など、トップメーカーならではのノ
ウハウを提供しています。
『オムツの選び方、
あて方教室』
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