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Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を申請、早期再生を企図
2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を申請、早期再生を企図 GM は、バランスシート改善計画とリストラ計画の強化を発表 2009.5.8 No.773 Chrysler が、連邦破産法 Chapter 11/Section 363 を申請 新生 Chrysler の株式は、VEBA(UAW) が 55%、Fiat が最大 35% を取得 米国政府が 80億ドルを追加融資、69億ドルの有担保債務は 20億ドルにカット Fiat は、GM の欧州事業との統合も構想 GM は、バランスシート改善計画と、リストラ計画の強化を発表 要 約 米国政府と Chrysler は、2009年 4月30日、Fiat との正式提携が成立したことを発表し、同時に連邦破産法 Chapter 11 を申請して Chrysler 再生を図ると発表した。また、Chapter 11 を申請する Chrysler に対し、米国政 府が 80億ドルを追加融資することも発表した。 米国政府が Chrysler への支援継続の条件とした、(1) Fiat との正式提携、(2) UAW との合意(労務費策削減と、 退職者医療支援基金 VEBA への拠出金の株式化、等) は成立したが、(3) 債権者の譲歩 (債権の大幅カット) は、 債権者の一部が最後まで同意しなかったため Chapter 11 を申請したとしている。申請後 30~60日間の早期に Chapter 11 状態を脱し、再生を図る計画。 GM も、2009年 4月27日、2月に政府提出した再建計画よりも、ブランド数、モデル数、従業員数、生産能力等を 更に削減するリストラ計画を発表した。併せて、バランスシート改善計画を発表、その一環として、債権者グループが 保有する債権総額 270億ドルを GM の株式 10% に転換するよう要請した。GM は、金額ベースで債権者の 90% 以 上の同意が 5月26日までに得られない場合は、連邦破産法 Chapter 11 を申請せざるを得ないとしている。 Chrysler が、連邦破産法 Chapter 11/Section 363 を申請 Chrysler と米国政府は、2009年 4月30日、Fiat との提携が正式に成立し、利害関係者の大幅譲歩と米国政府の コミットメントにより Chrysler 再生の目処が付いたと発表した。 しかし一部の債権者の同意が得られなかったため、連邦破産法 Chapter 11 と Section 363 の適用を破産裁判 所 (Bankruptcy Court) に申請した。30~60日の短期間に、破産手続きを終える見込みとしている。Chrysler は、 破産手続き中も、現在と変わらず営業活動を継続する。 Bankruptcy Code Chapter 11/Section 363 を適用する、Chrysler 再生の枠組み 米国連邦破産法 Chapter 11 では、裁判所の保護のもとで、債権者の要求に応える前に、事業または Chapter 11 資本構成を再編できる (Chapter 11 手続き中は、債権者は債権を回収できず、担保権も行使できな い)。 Chrysler は業務を遂行しながら再生を目指す。Chapter 11 を申請した企業と債権者が Reorganization Plan を作成し、裁判所が承認すると、Chapter 11 の状態を終了する。 Bankruptcy Code Section 363 を適用すると、裁判所の承認のもと、Chapter 11 を申請した企業は 債権者の権利や意向に拘束されずに資産を売却でき、通常より短期間で破産手続き完了が可能。米国 政府と Chrysler は 30~60日で完了できるとしている。 Section 363 Chrysler は Fiat と共同で新 Chrysler を設立し、新会社は 20億ドルで現 Chrysler のほぼ全ての資 産を購入する (現 Chrysler は、20億ドルを債権者への支払いに充当する)。 新 Chrysler に適当でない資産や負債は現 Chrysler に残し、Chapter 11 の過程で売却または清算 する (Chrysler は、現 Chrysler に残す資産のリストを作成し、裁判所に申請する)。 資料:Whitehouse 広報資料/Chrysler 広報資料 09.4.30, その他 (注) 1.Chrysler の再建計画策定には、Chrysler, Fiat, その他の主な利害関係者に加え、米国政府の Task http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 1/6 2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル Force も参画した。 2.Chrysler の2008年の売上高は 485億ドル超、純損益は 168億ドルの赤字、2008年末のバランスシートは 159億ドルの債務超過であったとされる (Chrysler が破産裁判所に提出した資料から判明)。 3.Chrysler が2009年 2月に米国政府に提出した、連邦破産法 Chapter 11 申請に至る前段階の再建計画に ついては、2009年 5月掲載 MarkLines Report No.765 "GMとChrysler:米国政府が、より徹底したリストラ を要求 http://www.marklines.com/ja/report/rep765_200905" を参照方。 新生 Chrysler の株式は、VEBA(UAW)が 55%、Fiat が最大 35% を取得 新生 Chrysler は、VEBA (UAW が主導する退職者医療保険基金の Voluntary Employee Beneficiary Association) が 55% の筆頭株主となる。Fiat は当初 20% を取得し、Chrysler の米国工場での省燃費車生産等 が実現すれば最大 35% まで持分を増やす権利を有する。新 CEO には、Fiat の CEO、Sergio Marchionne が就 任する。 新生 Chrysler の株主構成と取締役の選任 株主構成 新 Chrysler の取締役構成 当初 20% Fiat で、15% 新会社設立時に、3名の取締役を選任する権利を持つ。Fiat の Sergio Marchionne を追加取得 CEO が、新 Chrysler の CEO に就任する。 できる 米国政 8% 当初 4名の取締役を選任する。それ以後は、経営上の重要な役割は演じない。 2% カナダ政府とオンタリオ州は、当初 1名の取締役を選任する。 55% 1名の取締役を選任できる。それ以上の経営上の権利は有しない。 府 カナダ政 府 VEBA (UAW) 資料:Whitehouse 広報資料/Chrysler 広報資料 09.4.30 (注) 1.Fiat が、15% 株式を追加取得する条件は、(1) 米国の Chrysler 工場での燃費 40mpg の小型車生産、(2) 米国の Chrysler 工場での省燃費エンジン生産、(3) Fiat の世界販売網を通しての Chrysler 車輸出、をす べて実現すること。Fiat の追加取得用の 15% 株式は、当面、米国政府の管理下に置くとされる。 2.Fiat は、Chrysler が政府融資完済後は、Chrysler 株式の過半数を取得できる。 3.VEBA は、Chrysler 株式を順次売却して退職者医療支援を行うため、この株主構成は暫定的なものとされ る。 米国政府が 80億ドルを追加融資、69億ドルの有担保債務は 20億ドルにカット Chrysler の主な利害関係者との調整結果は以下。 米国政府は、総額 80億ドルの運転資金を Chrysler に追加融資し、カナダ政府とオンタリオ州も総額 38億カナダ ドルを Chrysler の現地法人に融資する。 債権者は、大半が担保付債務の 7割カットに同意した。Chrysler と米国政府は、Chapter 11 適用下で、反対して いる債権者にも 7割カットの条件を適用するよう裁判所に申請する。認められれば、有担保債務総額 69億ドルは、 20億ドルにカットされる。 新生 Chrysler の販売店金融と顧客への金融は、GM の販売金融会社 GMAC が提供する。 Chrysler:主な利害関係者との調整 対応計画 Fiat は、小型の省燃費車に関する知的所有権やノウハウを Chrysler に提供する。省燃費型の新型 車 (燃費 40mpg) を 18ヶ月後に市場投入し、2年後にはフルに貢献する計画とされる。 Fiat Fiat は、代償として新 Chrysler 株式 20% を取得し、最大 35% まで拡大する権利を持つ。なお、 Chrysler と Fiat の08年販売台数の合計は 422万台で、世界第 6位の自動車メーカーグループとな る。 http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 2/6 2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル Chapter 11手続き中の現 Chrysler に 33億ドル、新 Chrysler 発足後に 47億ドル、合計 80億ドル 米国政府 の運転資金を追加融資する。 米国政府は、Chrysler の顧客への品質保証制度を支援する。Chrysler のリストラ期間中の保証資 金として、4月29日に 2.8億ドルを拠出した。 カナダ政 カナダ政府とオンタリオ州は、つなぎ融資および中期のリストラ経費として、総額 38億カナダドル (約 府 3,200億円) を融資する。 UAW 4月29日に、Chrysler と労務費を大幅削減する新協約を締結した。 VEBA VEBA への拠出金 100億ドルに対しては、46億ドルの支払い手形を発行し、かつ新 Chrysler 株式 (UAW) の 55% を割り当てる。 Chrysler の債権者の大半は、総額 69億ドルの有担保債権 (社債等) に対して、20億ドルを現金で 債権者 支払う条件に合意した (債権の 7割カットとなる)。Chrysler と米国政府は破産裁判所に、同意していな い債権者にもこの条件を適用するよう申請する。(注1/注2) GMAC が ローンを 提供 Chapter 11 手続き終了後、GM の販売金融会社の GMAC が、新 Chrysler に販売店仕入れロー ンおよび顧客へのローンを提供する。米国政府は、GMAC への支援を継続する。(米国政府は、 GMAC と Chrysler Financial を経営統合する意向とされる) (注3) 現 Chrysler への持分 80.1% と、20億ドルの債権の放棄に合意し、またミシガン州 Auburn Hills に Cerberus ある Chrysler 本部の所有権を新 Chrysler に譲渡することに合意した。現 CEO の Robert Nardelli は、Chapter 11 終了後に退任する。 Daimler 現 Chrysler への持分 19.9% と、20億ドルの債権を放棄し、また 6億ドルを Chrysler 年金ファンド に拠出することで合意した。 資料:Whitehouse広報資料/Chrysler広報資料 09.4.30 (注) 1.69億ドルの債権のうち 7割 (49億ドル) を放棄することに合意した大手金融機関は (J.P. Morgan や Citigroup など)、既に米国政府から金融機関を救済する融資を受けている。7割カットに反対しているヘッジ ファンド等は政府の支援を受けていない。 2.7割カットに反対している債権者グループは、Chrysler の Chapter 11 の裁判で、現 Chrysler の資産の新 Chrysler への売却は、債権者の法律上の権利を侵害するものだとして反対する方針とされる。 3.GMAC は、GM が 49%、Cerberus が 51% 出資している金融会社で、GMAC Financial Services (旧社名 は General Motors Acceptance Corporation)。 ■Chrysler:破産法申請前に納入したサプライヤーに、裁判所への手続きを要請 Chrysler は、破産手続きの最初のヒアリングで (First-day motions)、従業員/サプライヤー/販売店と、従来と変 わらない雇用やビジネスを継続することを裁判所に申請し、承認された。 しかし、破産法申請前に納入された部品代金の支払いには裁判所の承認が必要なため、Chrysler は、該当する サプライヤーに裁判所に支払いの承認を申請するよう要請している。 Chrysler:破産法申請前に納入したサプライヤーに、裁判所への手続きを要請 従 業 員 現 Chrysler の従業員は新会社に移り、給与等は、従来通り支払われる。通常、給与や年金資産は、債権 者の請求から保護される (Chrysler は、他に転用することはできない)。 Chrysler は、破産法申請後の納入に対しては従来通り支払いが可能だが、Chrysler は 5月 4日から Chapter 11 手続きが終了するまで (30~60日の見込み)、リストラの一環としてほぼ全工場の生産を中止 サ プラ イヤ ー し、生産再開後の納入分に対しては従来通りフルに支払う。 破産法申請以前の納入分への支払いには、連邦破産法の定めにより裁判所の承認が必要で、該当するサ プライヤーには、New York 南地区連邦破産裁判所に支払いの承認を求める手続きをとるよう要請する。 米国政府は、Chrysler のリストラ期間中 Supplier Support Program を継続し、Chrysler のサプライヤー はこれを利用できる。 販 販売店は、従来通り営業を継続する (Chrysler は一部の効率の低い販売店との契約を終了し、それらの http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 3/6 2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 売 販売店は順次廃業する)。 店 Chrysler は、裁判所に販売店へのインセンティブ支払いの継続を申請する。 資料:Whitehouse 広報資料/Chrysler 広報資料 09.4.30 (注) 5月 1日に開かれた最初のヒアリングで (First-day motions)、従業員への給与・福利厚生経費の支払い、サプ ライヤー等の請負業者への支払いと、顧客への品質保証制度の継続が承認された。Chrysler は、従来通りの 業務の継続が可能になったとしている。 Fiat は、GM の欧州事業との統合も構想 Fiat は、2009年 5月 4日、GM の欧州事業 (Opel や Saab 等) との経営統合構想も明らかにした。実現すれば、 Chrysler 事業を含めて、年販 620万台規模 (08年実績) のグループとなり、VW と並んで世界第 3位の規模とな る。 Fiat:GM 欧州部門との統合も構想 Fait は、2009年 5月 4日、Opel, Saab など GM の欧州部門を統合する構想を明らかにした。Fiat グループか ら自動車部門を分離し、既に決定したChrysler に加え、GM の欧州部門である Opel、さらに経営破綻した Saab も統合する構想とされる。 統合には、最大 70億Euro の資金が必要とされるが、実現すれば2008年の世界販売規模は 626万台に達し、 VW (2008年の世界販売は623万台) と並んで世界第 3位の規模となる。(2008年の世界販売は、Chrysler が 207 万台、Fiat が 215万台、GM 欧州部門が 204万台) 資料:日本経済新聞 09.5.5, Automotive News Europe 09.5.4, その他 (注) Saab は、2009年 2月に企業再生法適用を裁判所に申請し、事実上経営破綻した。 GM は、バランスシート改善計画と、リストラ計画の強化を発表 GM は、2009年 4月27日、米国政府の Task Force と共同で策定した、バランスシートの改善計画と大幅に強化 したリストラ計画を発表した。ふたつの計画は、2月17日に米国政府に提出した再建計画に対して、米国政府が融資 継続の条件として求めたものである (3月30日発表)。 ■バランスシートの改善:債権者に、270億ドルの債務を GM株式10% に転換要請 GM はバランスシート改善計画に沿って、米国政府と VEBA 債務のそれぞれ 50% を GM 株式に転換するよう要 請した (要請額はそれぞれに約 100億ドル)。米国政府には、116億ドルの追加融資も求めている (4月24日現在の 融資済み残高は 154億ドル)。無担保債権者には、総額 270億ドルの債務を GM 株式の 10% に転換するよう要請 した。 GM は、これらの協議が成立すると、政府と VEBA 関連で 200億ドル、無担保債務を含めると 440億ドルの負債 が減少するとしている。また、新生 GM の株主構成は、米国政府と VEBA が 89% (米国政府が 50% とされる)、債 権者が 10%、既存の GM 株主が 1% になるとしている。 GM は、米国政府と VEBA との協議は近く決着する見込みとしているが、債権者の一部は反発している。GM は 金額ベースで 90% 以上の債権者の同意が得られない場合は、破産法の Chapter 11 を申請せざるを得ないとして いる。 GM:バランスシートの改善計画 無担 GM は 4月27日、総額 270億ドルの社債等の無担保債権者に、債務を GM の株式 10% と交換するよう 保債 要請した (1,000ドルの債務に対してGM 225株)。(GM が 2月に政府提出した計画では 270億ドルの 2/3 務の、 の株式転換を目指すとしていたが、米国政府はより多くの債務の削減を求めている)。 GM 債務の株式化は、GM が競争力ある企業として再生するための重要条件であり、5月26日までに金額で 株式 90% 以上の賛同が得られない場合は、GM の最大の債権者である米国財務省と協議し、裁判所に への Bankruptcy を申請せざるを得ないとしている。またその場合、債権者グループが得るものは現在の GM 転換 の提案より少なくなると警告している。 政府 の追 GM は米国政府に、5月 1日以降に GM が必要とする 116億ドルを追加融資するよう要請している (GM 加融 は 4月24日に政府融資 20億ドルを引き出し、融資残高は 154億ドル)。 http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 4/6 2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 資 と、融 資の GM は、2009年 6月1日現在の政府融資残高の少なくとも 50% を (約 100億ドルの見込み)、GM の株 株式 式に転換するよう求めている。 化 VEBA への 拠出 GM は、将来の VEBA への拠出金の少なくとも 50% を (約100億ドル)、GM 株式に転換するよう求めて 金 いる。 の株 式化 ■GM のバランスシート改善と新しい株主構成 負債 GM は、この提案が受け入れられれば、政府融資と VEBA への負債 200億ドル、無担保債債務を含める の減 と 440億ドルの負債が減少するとしている。 少 新株 また新しい GM の株主構成は、米国政府と VEBA が全体の 89% (米国政府 50%、VEBA 39% とされる)、 主構 無担保債権者が 10%、既存の GM 株主が約 1% となる見込み (この比率は米国財務省と協議して決定し 成 た)。 資料:GM 広報資料 09.4.27 (注) 1.GM は、米国政府の追加融資と、政府融資および VEBA への債務の株式転換は、債権者への株式化要請 の期限である 5月26日以前に最終合意する見込みとしている。 2.VEBA は、退職者医療保険基金を運営するため、GM の株式を順次売却する方針で、この株主構成は暫定 的なものとされる。 3.GM は、バランスシートが改善されれば、2010~2014年の資本投資を、年 53~67億ドルに引き上げて (09 年計画は 54億ドル)、環境対応車開発・生産に注力するとしている。 4.5月 4日、カナダ政府とオンタリオ州は、GM のカナダ法人に 5億カナダドル (約 420億円) の融資を実施す ると発表した (カナダ国内の工場を、合理化を理由に国外に移転することは認めない)。この融資は、カナダ 政府が08年12月に発表した、GM と Chrysler への総額 40億カナダドルの支援計画の一環。 5.GMは、6月 1日に、最終の再建計画を米国政府に提出する。 ■GM:ブランド数、モデル数、ディーラー数、生産能力を更に削減 GM は2009年 4月27日、2月に政府提出した再建計画より強化したリストラ計画を発表した。ブランド数、モデル 数、ディーラー数、従業員数、生産能力の削減等をより徹底し、達成時期も早めている (例えば、2月計画で2010年 に 5,300店としていた販売店数は、同じ2010年末に 3,605店に削減するとしている)。 リストラ計画の修正により、GM の北米事業が EBIT ベースで Breakeven になる米国市場規模は、2月計画の 1,150~1,200万台から 1,000万台に下げることができ、市場が回復すれば収益性も高まり、より多くの資金を環境対 応車開発と生産に向けることができるとしている。 GM:2月計画より徹底したリストラ計画を発表 GM は、Chevrolet/Cadillac/Buick/GMC の 4ブランドに集中し、Pontiac ブランド車販売は2010 ブランドと モデル数 年末までに打ち切ることで、商品開発と販売の効率を高める。モデル数は2008年の 48を、2010年に は 34に削減する。Saab/Saturn/Hummer ブランドの取り扱いは、遅くとも2009年末までに決定する。 削減を加 速 なお、2月17日の計画では、Pontiac をニッチブランドとして残し、2011年までに 4+1 ブランドに集 約し、2012年のモデル数を 36としていた。 販売店数 削減を 加速 販売店数を、2008年の 6,246店から、2010年末には 3,605店に減らし、サービスレベルを向上させ る (2月計画では、2010年に 5,300店、2014年に 4,100店としていた)。 米国シェア ブランド数とモデル数削減の加速や、短期的には GM が Bankruptcy を申請するとの噂の影響も 見込を 考慮し、2009年の米国市場シェアを 19.5% (2月計画では 22.0%)、その後 18.4~18.9% で安定化す http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 5/6 2016/4/5 Chrysler:連邦破産法 Chapter 11 を 申請、早期再生を 企図 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 下方修正 Breakeven となる 米国全体 需要 ると下方修正した (2月計画での2014年シェアは 19.7%)。 固定費削減などで、特別経費を除く EBIT ベースで北米事業が Breakeven となる米国市場規模 を、1,000万台に引き下げた (2月計画では 1,150~1,200万台)。従って市場が回復すれば、GM は より多くの利益と Cash Flow を生み出すことが可能になる。 資料:GM 広報資料 09.4.27 GM の北米事業固定費:2008年の 308億ドルを、2010年は 232億ドルに削減 米国 工場 米国の完成車工場, プレス工場, パワートレイン工場数を、2008年の 47から、2010年に 34、2012年に 数 31に削減する。6工場の閉鎖時期を 2月計画より早め、1工場の閉鎖を追加した (2月計画では、2012年に 削減 33、2014年に 32)。 加速 時間 給社 員数と 労務 費削 米国の時間給社員数を、2008年の 61,000人から、2010年に 40,000人、2011年に 38,000人に削減す る (2月計画では、2012年に 46,300人)。時間給社員労務費を、2008年の 76億ドルから、2010年に 50億 ドルに削減する。 減 ホワイ トカラ ホワイトカラーや管理者層の人員数削減も加速する (詳細は別途発表予定)。 ー数 北米 事業 上記およびその他の施策も含めて、北米事業の固定費を、2008年の 308億ドルから、2010年には 232 固定 億ドルに 25% 削減する (2月計画では、2010年に 250億ドル)。 費 資料:GM 広報資料 09.4.27 ■GM:2009年第 3四半期までの生産を、計画比 19万台削減 GMは2009年 4月23日、2009年第 2~3四半期の生産を、当初計画比 19万台削減すると発表した。ディーラー在 庫は前年比で減少しているが、市場動向をさらに厳しく評価して減産し、2010MY車の生産開始に備えるとしてい る。また、今後も少ない在庫で、効率の高い経営を目指すとしている。 GM:2009年第 2四半期と第 3四半期に、北米で 19万台減産 GM は、2009年第 2四半期と第 3四半期の初めにかけて、北米 13 の完成車工場の生産を、計画比 19万 減 産 台減産する。Chevrolet Camaro (カナダ Oshawa 工場で生産)、Buick LaCrosse (Kansas 州 Fairfax 工場 で生産) 等の新型車は計画通り生産する。 北米生産の第 2四半期当初計画は 55万台だった (08年実績は 83.4万台)。なお、09年第 1四半期生産実 績は 37.2万台 (08年は 88.5万台)。 在 2009年 3月末の販売店在庫は 76.7万台 (08年比で 10.8万台減)。GM は減産により 7月末の在庫を約 庫 52.5万台に圧縮する計画。 資料:GM 広報資料 09.4.23 (注) 生産休止期間は、各工場の生産車種と在庫状況により様々だが、とくに休止期間が長い工場は、フルサイズ SUV を生産する Arlington 工場 (5月11日~6月26日および 7月 6~10日)、フルサイズ Pickup を生産する Ft. Wayne 工場 (5月11日~6月26日および 7月 6~17日)、など。 出典:マークラインズ Copyright(C)MarkLines Co., Ltd. All rights reserved. http://www.marklines.com/ja/report/rep773_200906 6/6