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サッポロ製薬株式会社
平成17年4月1日 経 済 産 業 省 特定商取引法違反の通販業者サッポロ製薬㈱に対する 業務停止命令(3ヶ月)について ∼改正特定商取引法第12条の2(合理的な根拠を示す資料の提出)を初めて適用∼ 経済産業省は、平成17年3月31日付けで、「奥様美容で酢BT」と称す る健康食品の通信販売業者であるサッポロ製薬株式会社(本社:北海道札幌市 中央区)に対し、特定商取引法の違反行為(虚偽・誇大広告、広告表示義務違 反)を認定し、同法第15条の規定に基づき、同社の通信販売に関する業務の 一部を3ヶ月間停止するよう命じました。 1. サッポロ製薬㈱は、「奥様美容で酢BT」と称する健康食品について、平 成16年11月に、全国各地で合計約500万部配布した新聞折込チラシ上 に、 • 「食後に飲むだけで健康的に痩せられる」 • 「『痩せる喜び』を、あなたも実感してください!!」 • 「毎日続けて、理想的なダイエットを。リバウンドも防ぎ、毎日き ちんと食べてももう太らない!!」 • 「とにかく痩せます!!」 等と、食事制限を伴わない痩身効果を謳った広告表示を行っていました。 2. これに対し、経済産業省は、特定商取引法第12条の2の規定に基づき、 当該広告で表示された痩身効果の合理的な根拠を示す資料の提出を求めた ところ、サッポロ製薬㈱から提出された資料は合理的な根拠を示すものとは 認められないものでした。 このため、同社の広告表示は、特定商取引法第12条で禁止される虚偽・ 誇大広告に該当するものとみなされ、同条の規定に違反していました。 -1- 3. また、同社は、当該新聞折込チラシ上に、「ご満足していただけなければ、 商品代金を全額返金致します。」等と、消費者が満足しない場合には、ほぼ 無条件で商品代金の返金に応じるかのような表示をしていましたが、実際に は、返金に際し、消費者に対して数々の厳格な条件を課しており、特定商取 引法第11条第 1 項に違反していました(広告表示義務違反)。 【本件に関する問い合わせ先】 経済産業省消費者相談室 電話03−3501−4657 北海道経済産業局消費者相談室 011−709−1785 東北経済産業局消費者相談室 022−261−3011 関東経済産業局消費者相談室 048−601−1239 中部経済産業局消費者相談室 052−951−2836 近畿経済産業局消費者相談室 06−6966−6028 中国経済産業局消費者相談室 082−224−5673 四国経済産業局消費者相談室 087−861−3237 九州経済産業局消費者相談室 092−482−5458 沖縄総合事務局経済産業部消費者相談室 098−862−4373 -2- サッポロ製薬㈱に対する行政処分(業務停止命令)の内容 1.事業者の概要 (1)事業者名: (2)代表者名: (3)所在地: サッポロ製薬株式会社 代表取締役社長 小野 早織 北海道札幌市中央区南二条東三丁目10番地24 サッポロ製薬ビル (4)資本金: 1,000万円 (5)売上高: 約13億円(平成15年12月∼平成16年11月期) (6)購入契約者: 約20万人 (7)設立年月日: 平成15年12月8日 (8)取引類型: 通信販売 (9)取扱商品: 「奥様美容で酢BT」(健康食品)等 (10)販売価格: 奥様美容で酢BT(ドリンクタイプ) 5箱セット 10箱セット 15箱セット 20箱セット (10ml×50本) (10ml×100本) (10ml×150本) (10ml×200本) ¥6,195 ¥11,865 ¥17,483 ¥22,890 2.取引の概要 サッポロ製薬㈱は、「奥様美容で酢BT」と称する健康食品について、新 聞折込広告を全国各地で配布し、当該広告を見た消費者から電話や郵便等に より当該商品に係る売買契約の申込みを受け、当該商品を販売する通信販売 を行っている。 -3- 3.業務停止命令の内容と期間 (1)業務停止命令の内容 3ヶ月の間、以下の業務の停止を命ずることとする。 ①同社の行う通信販売の広告をすること。 ②同社の行う通信販売の契約の申込みを受けること。 ③同社の行う通信販売の契約を締結すること。 (2)業務停止命令の期間 平成17年4月2日から平成17年7月1日まで(3ヶ月間) 4.業務停止命令の原因となる事実 (1)虚偽・誇大広告(特定商取引法第12条) サッポロ製薬㈱は、平成16年11月に、その販売する「奥様美容で酢 BT」の新聞折込チラシ(別添写し)を全国各地で合計約500万部配布 した。 同社は当該広告中において、下記の表の 表示内容 欄にあるような当該 商品の痩身効果を謳った広告表示を行っていた。これに対し、経済産業省 は、特定商取引法第12条の2の規定に基づき合理的な根拠を示す資料の 提出を求めたところ、提出された資料は、当該広告で表示された痩身効果 の合理的な根拠を示す資料とは認められないものであった。 このため、同社の広告表示は、特定商取引法第12条に規定する表示(虚 偽・誇大広告)に該当するものとみなされ、同条の規定に違反している。 また、商品の返品特約に関する事項について、実際よりも著しく有利で あると人を誤認させるような表示を行っていた。 -4- ・「食後に飲むだけで健康的に痩せられる」 ・「毎日続けて、理想的なダイエットを。リバウンドも防ぎ、 毎日きちんと食べてももう太らない!!」 ・「キレイに痩せて、カラダ元気!」 ・「とにかく痩せます!!」 ・「L−カルニチンと4種類のアミノ酸、そして貴重な天然エ キスがカラダのエネルギーサイクルの働きを徹底サポー ト! 理想的なダイエットを応援します。」 等と、食事制限を伴わずに著しい痩身効果が得られるかのよう な表示をしている。 ①痩身効果に係る表示 表示内容 ※著名人のコメントを含む痩身効果に係る表示 「女優/沢田亜矢子さんは1ヶ月で−6㎏も(52㎏→46 ㎏)痩せました!!」、「食欲の増す季節ですが、食べても大丈夫 なんです。1日2本飲むだけで本当に痩せてしまうんです。」等、 食事制限を伴わない著しい痩身効果があったとする内容の沢田 亜矢子の体験談を掲載している。 ※消費者の体験談に係る痩身効果の表示 一般消費者風の4人の女性を登場させ、「3ヶ月で−18㎏も (69㎏→51㎏)痩せました!!」、「3ヶ月で−15㎏も(6 3㎏→48㎏)痩せました!!」、「3ヶ月で−13㎏も(65㎏ →52㎏)痩せました!!」、「4ヶ月で−15㎏も(76㎏→6 1㎏)痩せました!!」、「『痩せる喜び』を、あなたも実感して ください!!」等と表示し、著しい痩身効果があったとする体験談 を載せている。 実際 特定商取引法第12条の2の規定に基づき、サッポロ製薬㈱に 対し上記の表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料の提 出を求めたところ、同社から「臨床実験報告」と題する資料が 提出されたが、検証した結果、当該資料の内容は、上記広告表 示のような痩身効果が得られることを裏付ける合理的な根拠 を示すものとは認められなかった。 -5- 表示内容 実際 ②返品特約に係る表示 ・「ご満足していただけなければ、商品代金を全額返金致しま す。」 等と表示し、当該商品の飲用により期待された痩身効果が得ら れなかった場合、初回注文分についてのみ14日以内であれ ば、無条件で商品代金の返金に応じるかのような表示を行って いる。 実際には、返金に際し、消費者に対して ①運転免許証の写し、健康保険証の写し等の本人を証明する ための書面の提出 ②宅配便送り状の写し等の提出 ③当該商品服用後14日間の詳細なダイエット報告書の提出 ④返金希望の理由(100字以上)を記載した書面の提出 という厳格な条件を課している。 (2)広告表示義務違反(特定商取引法第11条第1項第4号) 上記(1)に関連し、サッポロ製薬㈱は、その販売する「奥様美容で酢 BT」の新聞折込チラシにおいて、当該商品の引渡し後における返品につ いて、「商品のご返品は商品到着後8日以内にてお申し受け致します。ご 返金につきましては、初回ご注文のみの適用となり、期間は商品到着後か ら14日以内とさせて頂いております。」と表示しているのみである。 しかしながら同社は、実際には、商品の返品に伴う返金に際し厳格な条 件があるにもかかわらず、その旨を表示しておらず、返品・返金特約に係 る広告表示義務に違反している。 -6- (別添写し)