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裏霧島周回縦走 ∼「裏」も魅力あります!
裏霧島周回縦走 ∼「裏」も魅力あります!∼ 【報 告 者】T橋 【日 時】2010 年 4 月 17 日 【参 加 者】T橋 ≪コースタイム≫ 【天 候】快晴 矢岳登山口 8:40−矢岳−龍王岳−炭火木−殿様まぶし−大幡山−(大幡池ピストン) −大幡前山−膳棚−古ノ宇都温泉跡−夷守登山口−矢岳登山口 14:30 ≪ 報 告 ≫ 霧島まで出かけるというのに、高千穂峰や韓国岳どころか主稜線も眼中になく、と にかく歩いたことのないルートを歩きたい!そのためだけに今回もひとり自己満度 100%のマイナー山行(ⒸI田さん)に行ってしまいました・・・あぁ。 この静かな裏エリアを大きく周回ルートが取れないか、というのが昨年からの個人 的な宿題で、そのカギになるルートを探して何回か足を運んでいた。 地図の尾根筋を読みながら、もし誰かが登路をつけるとしたらここあたりかー?、 と林道からうっすらとした踏みあとを入り込んだ先に、色あせたテープとボロボロに 崩れた木の道標にかろうじて読める「矢岳」の文字を見つけた時は嬉しかった。次は いつ来ようとワクワクしながら帰ったのが去年の10月。それ以来の霧島だ。 今回は、その大幡沢入口近くから矢岳への登山道、そして大幡前山から膳棚を経由 しての下降ルートが初物。そのうち核心と考えていたのは下降のルート。去年来たと きは、霧が深くてルートの確認もできずじまい。ネットでもここはあまりルートらし いルートじゃないなど悪路を思わせる情報がチラホラしかなかった。 改めて大幡前山のピークからテープに沿 って下降を始めると、ザレの急斜面をわず かで、切り立った幅広の岩場に無数の水が 流れ落ちる景色が飛び込んでくる。これが 冬場になると凍りつき、スケールの大きい 氷柱を作り上げるという膳棚だ。 そこからが核心。膳棚からの水を集めた 沢沿いに下っていくのだけれど、このルー トの先の予想がつかず、めっきり減ったテー 【凍ってないとなんちゃない膳棚】 プに、沢沿いに下るのか、尾根に上がりこむのか迷わされた。現在地だけは失わない ように慎重に下ると、1050mの左からの合流でテープは尾根に上がりだす。ちな みにその左からの流れの先は、100mはあるかという岩壁に挟まれた細い空間へ吸 い込まれていた。これもすごいスケール。あの中はどうなっているのか。次回は…。 さらに上がり込んだ小尾根では、テープが2つに分かれていた。ひとつはこの尾根 沿いに、もうひとつは尾根を越えてまた隣の沢に下りていく。どっちか迷う。前者の テープは青いスダレ状で古∼い感じ。後者はこれまでも数ヶ所でお世話になっている ショッキングピンクのビニール。家で古新聞をまとめるなら前者だけど、山では眩し さに惹かれてピンクを信用する。テープの状態からルートを推理するなんて、なんか 邪道な気がするが、でも結構あるこういうの。 5分進んでルートの方向が明らかに違えば戻るつもりで行くと、ルートは緩やかに 東へ方向を変えて、小さい流れの左岸を辿りだす。どうやらOKのようだ。足元に鉄 パイプの残骸が現れ、やがて無数の配管の残骸がころがる沢の合流点。さらに下ると ようやくハッキリとした目印、大幡山岳会の「古ノ宇都温泉跡」に出会う。さっきの 残骸はおそらくこの温泉への給水管だったんだろう。歩いてしか辿り着けない山中の 秘湯・・・。今は温泉の気配も残らず、ただひっそりと朽ちた空間のみ。しんとした空気 に、静かにアドレナリンも引いて、後は林道を辿れば周回ルートの完成だ。 【大幡前山から、矢岳の向こうに高千穂峰!】