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日本の未来のために
平成 26 年度京都市IR説明会議事録 京都市IR説明会 「日本の未来のために」 ~日本の精神文化の拠点都市 京都から挑戦~人口減少社会を超えて 京都市長 門川大作 (平成 26 年 10 月 28 日 大手町ファーストスクエア) (ご挨拶) 京都市長の門川大作です。お疲れのところ,ようこそお集まり頂きましてありがとうご ざいます。お一人お一人に心から御礼申し上げます。ありがとうございます。 さて,市長に就任して 6 年 9 か月になりますが,当初はリーマンショック・財政健全化 法などによる大変な財政危機を迎えており,またその現状を徹底してオープンにしなけれ ばならないという状況でした。自慢ではありませんが政令指定都市で唯一,赤字でした。 そのなかで,すべての事実を明らかにしたうえで,未来の展望として改革のビジョンを御 説明させて頂きました。その後,本市債の評価は非常に高く,近隣の都市よりも,また京 都市より財政がよい団体よりも高く評価いただいたということで,多くの関係者にご理解 頂いたのだという喜びを感じております。 さて,資料を御用意しましたので,これに基づいて日本の精神文化の拠点都市,京都か らどのような挑戦をしていくかということについて,財政状況を踏まえながら御説明申し 上げたいと思います。 (1 ページ:はじめに) はじめにということですが,今年の夏以降のことをまとめています。嬉しいニュース, あるいは様々な課題が山積しているなかで,市民ぐるみでどう挑戦してきたかについてま とめております。 7 月には,ニューヨークから嬉しいニュースがありました。世界で最も影響力があるとさ れるニューヨークで発行されている旅行雑誌 Travel+Leisure 誌で,19 年間行われているワ ールドベストシティ読者投票で,京都が世界一位の人気都市に選ばれました。後ほど申し 上げたいと思います。 8 月には,インドのモディ首相の側近の方から直接電話があり,首脳会談を 9 月 1 日に東 京で行う予定だか,モディ首相の御意向で首脳会談前に政府専用機を関西空港に着け,政 治については東京中心に交流を行うが,文化,芸術,宗教,そして伝統,そうした交流に ついては京都を中心に行いたく,安倍総理にも京都にお越して頂いて,左京区の哲学の道 を散策しながらインドと日本の未来を語りたい,と要請がありました。 準備に 1 週間しかありませんでしたが,あらゆる努力をしてお膳立てしましょうという ことで,安倍総理には大変お忙しい内閣改造の直前でしたが,京都迎賓館にお越し頂きま した。安倍総理は,京都迎賓館は初めていらしたとのことで,歴代の総理大臣では 3 人目 でありました。東京にも迎賓館がありますから,専ら京都の迎賓館は市長,知事,商工会 議所会頭等がお迎えする場として使うことが多くなっています。 安倍総理には「京都迎賓館は本当に素晴らしい。もっともっと活かすべきだ」とおっし ゃって頂きました。ただ, 「京都迎賓館は徹底して和の様式なのに,スタッフがスーツを着 用しているのに違和感を感じた」とおっしゃったので,内閣府に京都迎賓館のスタッフの 方に和服を着ていただくよう要請しています。 少し話が飛びましたが,モディ首相がプレゼンテーションをしてほしいということでし たので,いくつか話をさせて頂きました。 そのなかで特に,まちの個性,国の個性を大事にするということを申し上げました。世 界の国や都市がこの百年近代化を急いできましたが,近代化が実現したとき個性を失って しまいました。日本は様々な失敗を繰り返してきたが,京都では,今一度,個性を大事に しようという取組みを徹底して進めています。今年 8 月 31 日を期限として屋上の看板は全 部撤去することとし,京都の風景や風土に相応しくない看板も全部撤去して頂くこととし ました。7 年かかりましたけどほぼ実現しています。モディ首相は,州首相のときに同じこ とを実現しようとしたが,中途半端で終わってしまったそうで,どうしてそういうことが できるのだと驚かれていました。 近代化と個性,伝統,これを両立させることが重要であります。インドは日本をモデル の一つとして近代化を急がれておりますが,そのときに個性を失わないことが大切ですと 申し上げました。 2 点目は,環境保護の問題です。近代化とともにごみが溢れます。日本も京都もそうでし た。それに合わせて清掃工場も増やしてきましたが,京都は覚悟を決めてごみを減らす取 組を行い,ピーク時の平成 12 年度から平成 25 年度までに 42%ごみが減少しました。その ことで 5 つの清掃工場のうち 2 つを閉鎖することができました。1 つの清掃工場の建替えに はおよそ 400 億円かかります。更にごみ収集コストを平成 18 年度の 94 億円から平成 25 年度は 54 億円と,40 億円減らすことができました。近代化するとごみが増えるのではなく, 近代化してもごみを減らし,更にごみをエネルギーにする。京都では,都市油田というこ とで,ごみ 1 トンからガソリン並みに使える 99.5%のエタノールを 60 リットル作るプロジ ェクトが始まっています。 また,近代化すればまちに自動車が溢れる,これも世界の流れですが,京都市は後ほど 申し上げますけども,この 10 年間で人が移動するために使う手段として自動車を使う率, これを自動車分担率と言いますが,国が 10 年ごとに公表しておりますけれども,28%から 24%に減っています。これを更に 20%まで減らそうとしています。一方で,鉄道とバスの 分担率が 3.3%増えています。都市の近代化とともに,車を増やさない,あるいは環境に負 荷をかけないという取組みを両立させることに挑戦しています。 3 つ目は人間性であります。近代化すれば家族の絆,地域の絆が薄れていき,信仰心が薄 れていく,若い人が結婚しない,子供も生まれない,こんな問題に直面しています。これ は日本も京都もそうであります。我々はこの問題をインドから学びたい。 こういった問題を意見交換することで,インドと京都,日本が更に学び合いたい,こう いう話をさせて頂きました。このような様々な取り組みをしたいと申し上げると,モディ 首相に「素晴らしいモデルである」とおっしゃって頂きました。 9 月には,第 14 回の世界歴史都市会議を中国・揚州市で,一番関係が厳しい時期の中国 でありましたが,立派に開催しました。世界歴史都市会議及び世界歴史都市連盟の総会は 2 年ごとに開催され,連盟の会長の選出は 4 年ごとの選挙で行われますが,私が会長を続け させていただいております。現在,世界 103 都市の加盟があり大規模になってきました。 今回は初めて環境問題を真正面から取り上げました。中国で環境問題を真正面から取り上 げることは,非常に意味のあることだと思ってやらせて頂きました。 杭州市という西湖のある素晴らしい世界遺産のまちがあります。日本の茶道,華道,香 道,香り,これらを大変愛している富裕層がたくさんいらっしゃって,禅宗が非常に盛ん であるそうです。新しい中国の息吹を感じました。そうした経済力を持たれた方々は,歴 史や文化に関心を持たれる。だから京都に行こうとなるようにということで,京都にたく さんお越し頂けるよう杭州にも京都の拠点を作って頂くことが決まりました。 9 月にはニューヨークで対日投資セミナーがありました。これは,安倍首相が国連総会に 出席される前に対日投資セミナーを開催することが決まりましたので,国の要請を受けて, 私も日本・京都の魅力についてプレゼンテーションをさせて頂きました。 10 月には STS フォーラムがありました。第 11 回目になります。国内ではあまり知られ ておりませんが,Science・Technology・Society の略で科学技術のダボス会議とも言われ, 尾身先生らが続けてこられています。去年と今年は安倍総理にもお越し頂き,今年は皇太 子殿下にもお越し頂きました。1,000 人の参加者のなかには,各国の科学担当大臣,ノーベ ル賞クラスの学者がたくさんお越しになりました。非常に素晴らしい会議に発展していま す。 この資料に書かれていませんが,夏に自民党の二階先生が会長されております国土強靭 化調査会があり,その前に,二階先生とお話しする機会がありました。二階先生に,国土 強靭化は大事であり,台風・地震・局地的豪雨,様々な災害列島を強靭化することが大事 でありますが,同時に,いや,場合によってはそれ以上に,文化の強靭化が大事です。更 には,精神の強靭化,人間の強靭化が大事だと思いますと,このように申し上げましたら, 「その通りだ,自民党の国土強靭化部会でそのことを話してくれ」とおっしゃってくださ いました。 そのなかでは,例えば,プリンス・プリンセスの婚姻の衣装が装束・十二単,これが 1000 年を超えて変わらない国は,世界で日本だけであります。あらゆる伝統が脈々と繋がって いるのは日本だけであります。この伝統がこれからの日本の宝であります。このことを京 都で実感しております。また,現役の御所は東京と京都だけにあります。関東大震災の時 に三名の宮家が落命されておりますので,これからの日本を考えて大きな日本の宝である 皇室のどなたかに京都にもお住まい頂くことで,東京と京都が両方で都としての役割を果 たすことが重要である,こういうことを申し上げました。 そして,そのためにもリニア中央新幹線を京都駅に,ということをあわせて話をさせて 頂きました。全国新幹線鉄道整備法,同法施行令において,新しい鉄道を引く場合には, 経済効果を検証しなければならないということが定められております。にもかかわらず, 現在の名古屋・大阪のルートは,41 年前に第二東海道新幹線として決められたものをその ままを踏襲したもので,時速 250 キロを前提として決められているものです。超伝導リニ アの技術の導入を前提としたルートの検証を行わず,新幹線の代替ルートの位置づけのま まとして,京都を外して整備を行ってもよいのでしょうか。これが 100 年後 1000 年後,ど ういう影響を与えるか,このことについても議論して頂きたい,このように申し上げまし た。 時間がありませんので,次行きたいと思います。 (2 ページ:19 年間継続実施の読者投票 Travel+Leisure ワールドベストシティで京都市 が訪ねたい都市世界 1 位に!) 先ほど申し上げましたが,2 年前に日本の都市として初めて京都市がベストテン入りしま した。昨年は 5 位でした。そして今年 1 位になりました。これまで,観光都市としての質 を高めようと 116 の事業に取り組んでまいりました。これから 1 位を目指して取り組もう としていた矢先に1位になりました。今後はこれをどう維持していくか,これからの大き なテーマであります。同時にこれは日本の評価であり,徹底して京都に伝わる日本の文化 を大事にしていこうと,このように考えております。 次に行きます。 (3 ページ:19 年間継続実施の読者投票 Travel+Leisure ワールドベストシティで京都市 が訪ねたい都市世界 1 位に!(続き)) どのような読者の声が寄せられているかというものを書いています。例えば,古きと新 しきが絶妙に溶け合っているまちであるという評価です。授賞式の様子の写真を載せてお りますけれども,授賞式に行きたかったのですが,私は 49 年ぶりに復活した祇園祭,後祭 の奉行を務める日だったので,どうしても参加することはできませんでしたので,糟谷観 光政策監,真ん中にいる女性です。それから,三重野担当部長,京都市がニューヨークの JNTO へ派遣している職員に出席してもらいました。 意図的に女性を配置したわけではありません。全員たまたま女性です。ちなみに京都市 では,私が市長に就任した 6 年あまり前,女性の管理職は 6.8%でした。現在 16%になり ました。間もなく 30%になります。女性が輝く市役所です。どうぞ女性の方,京都市に来 てください。 次に行きます。 (4 ページ:我が国の課題と京都の果たす役割) 我が国の課題と京都の果たす役割についてです。経済力,軍事力これも大事であります が,ソフトパワー,文化力が大事ではないかと。文化力を経済力に結び付けていく,これ が大事ではないでしょうか。そして失われた 20 年からの脱却は大事でありますけれども, 京都に生まれ日本で発展した文化は,クールジャパンに象徴される,あるいは和食がユネ スコの無形遺産に認定された,日本酒の輸出額が増加しているように,評価が高まった 20 年であった,このことに誇りを持ちましょうと申し上げております。そして,「日本に京都 があって良かった」これを「世界に日本があって良かった」に, 「そうだ,京都へ行こう」 これを,「そうだ,日本へ行こう」となるように京都が役割を果たしていきたい,このよう に思います。 次に行きます。 (5 ページ:「日本に京都があってよかった」~世界でも類を見ない多様性と奥深さ~) 京都の魅力を書いております。また読んでおいてください。 次にいきます。 (6 ページ:京都の「得意わざ」) 京都の得意わざを掲げております。また読んでおいてほしいと思いますが,「めきき・た くみ・きわめ・こころみ・もてなし・しまつ」こういうものが 1000 年を超えて伝わってき ています。これは日本の得意わざと言っても過言でないと思います。こうしたものを大事 にすることが,日本が再び産業も含めて世界に影響力を与えていけると,このように思い ます。 次に行きます。 (7 ページ:人口減少社会への挑戦) さて,いよいよ大事な問題である人口減少社会についてです。この問題と向き合ってい くため京都市は,平成 22 年に基本計画を定め,議会の議決をいただきました。徹底して市 民参加で作りました。そのときに人口減少についてあらゆる推計のもとに見込みました。 田んぼや畑を埋めて,山を削ってまちを広げる必要がないスマートシティ,コンパクトシ ティにしていくと同時に,人口減少に挑戦していくといった内容であります。平成 22 年以 降は 1 年単位で,平成 32 年以降は 5 年単位となっていますので,急激に落ちているように 見えますが,平成 25 年度人口については,計画策定当時では 2.2%減る想定でしたが,実 際は 146 万 9 千人を維持して 0.4%減で収まっています。 しかし,深刻な問題があります。出生率が東京に次いで低く,大学進学率が京都では全 国と比べて 15%高いため,晩婚化の一因となっています。女性は 71.2%大学に進学されて おり素晴らしいことです。大学進学して結婚される,仕事をする,子供も産む,そういう 社会にしていかなければならない。こういったことも京都が先頭を走っていくべきだと思 います,そのうえで,人口を維持していく,緩やかな減少に留めるということが大事であ ると思っています。 人口をどうして維持できているかということですが,転出より転入が増えてきているか らです。例えば,今日も朝から夏木マリさんが来て頂きました。3 年前から京都市民です。 清水寺等で秋に様々なパフォーマンスをされています。あるいは,アートアクアリウム, 金魚の様々なイベントを開催されておられる木村英智さんもこの 6 月から京都市民になっ て頂いております。 「そうだ,京都へ行こう」から, 「そうだ,京都に住もう」という流れと同時に,出生率 の向上に向けて取り組まなければなりません。 次にいきます。 (8 ページ:人は魅力を感じるまちに集まる!? 人は仕事のある場所に行かざるを得な い!) 人は魅力を感じるまちに集まるということですが,まさにこの通りであります。同時に 人は仕事のある場所に行かざるを得ない,これもまた真実であります。世界の先進国で, 首都圏に行かなければ仕事がない,これは日本だけです,そのために首都圏にどんどん人 が集まることになり,このようなことでは日本の未来が危ない,そのために我々も挑戦し なければならないこととして主に 6 つ,人口減少問題をどうしていくのだということも踏 まえた計画を既に立てて取り組んでいます。 子育て環境日本一を目指す,保育所の「質」・「量」共の拡充あるいは,学校教育など教 育環境の抜本拡充これらをしっかりと取り組んでいく,あるいは,京都の強みを活かした, 経済の活性化,安定した雇用の創出が大事であります。 また,交流人口も見据えた「観光」あるいは国際会議等「MICE」戦略,あるいは大学の まち京都,学生のまち京都として, 平成 4 年の 18 歳人口は 200 万人を超えていましたが, 現在は 123 万人です。一方,平成 4 年の京都の大学生は 13 万人でした。現在は 15 万人で す。大学政策という面では,京都は全国でも進学率が高いということもあり善戦しており ます。その大学生が,卒業して東京等に行かれたとしても世界に羽ばたくわけですからそ れでいいのですが,京都の企業に就職,あるいは京都でアントレプレナーとして起業,ソ ーシャルビジネスも行えるような取組みをしていきます。それから,既存のインフラを最 大限活用した活力あるまちづくり,更に都市の品格と魅力を高める取組み,こうした一つ 一つを更に今一度,深堀りして,深化させ,スピード感を持って取り組んで参りたい,こ のように考えております。 次にいきます。 (9 ページ:市民のいのちと暮らしを守るまちづくり) 子育て環境日本一の実現として待機児童ゼロを達成しました。質的には全国のトップ水 準にきております。小学校入学までの子供に対する保育所入所率は 43.5%,京都市は私立 の幼稚園も含めて非常に幼児教育が充実しております。横浜がいち早く待機児童ゼロとし ましたが,保育所入所率は 26.8%です。横浜など大企業が多く育児休業等が取れる環境に 恵まれる一方で,京都市は 99%が中小企業です。様々な条件もあるかと思いますが,圧倒 的に多くの方が保育所に入所していただけるようになっています。保育士配置基準は,国 の基準に基づくと,例えば 4 歳児では 30 人に 1 人の保育士でよいところを,京都市では条 例を定め,独自の補助を行うことで 20 人に 1 人の割合としています。民間保育士の給与水 準は人材不足と言われながら全国で 302 万円です。この平均給料や年収では人材が集まっ ていないのが現状です。一方で京都市は 426 万円であり,京都市には独自の民間保育園に 対する補助制度があるため,しっかりとした質を確保しておりますので,これからも子育 てするなら京都という取組みをしっかりやっていきます。ただ,こういった取組みをあま り知られておりませんので,しっかりとアピールしていく,更に充実させていく,こうい うことに取り組んでいきます。 次にいきます。 (10 ページ:災害に強い安心安全のまちづくり-ソフト,ハード両面の対策を推進- 災害に強いまちづくりについてですが,割愛して次に行きます。 次は生活保護の推進についてです。徹底して取り組んできました。働ける人は働いても らい,不正は絶対に許さない取組みと同時に,必要な人には必要な生活保護をということ で,全国で初めて京都府警察と協定を結び連携を強化,また専用ダイヤルを作り,匿名で 結構ですので不正受給についてお知らせください,しっかり調査して是正しますというこ とを徹底しています。告発もどんどん行っております。リーマンショック以後 6 年間には 京都市は増加率 20.2%となり全国の政令指定都市平均が 41.1%という結果になりました。 そして 16 年ぶりに,生活保護が減少に転じました。こうした取組みをしっかりと,もちろ ん,大事な制度ですから必要な人には提供しつつ,不正は許さず働ける人は働いてもらう ためにいろんな取組みとしてカウンセラー等導入した結果,就職された方が 1,000 人と去 年一年間で達しております。 次に行きます。 (11 ページ:京都の強みを最大限に生かした成長戦略の推進 産業戦略監の設置) 京都の強みを生かした様々な成長戦略として,例えば国家戦略特区制度の活用,あるい は,コンテンツ産業,漫画・アニメの積極的な推進などの取組みをしております。また京 都市内への企業立地の支援といった,京都市での投資を促進するという取組みを進めてお ります。 次にいきます。 (12 ページ:産学公連携による新産業・新事業の創出 ~新たに創設した組織,施設等~) この 5 年間に,商工会議所・大学・あらゆる経済界と連携して,知恵産業融合センター, 知恵の輪をはじめ,医工薬産学公連携支援オフィス,これは京都市がオフィスを京都大学 医学部に置きましてニーズをしっかりと捉えて支援するといった取組みを進めている施設, そのほか,去年 11 月には京都市成長産業創造センター,これは一つ屋根の下で大学の最先 端の技術を京都の企業に技術移転する拠点をオープンしました。 次に行きます。 (13 ページ:伝統産業の振興) 伝統産業は厳しい状況でありますが,なんとか需要を開拓していく,そんな取組みをし ております。 清酒の普及に関する条例を京都市で制定しました。その後,全国の 80 都市(10 月 28 日 現在)で同趣旨の条例が制定されました。今年 11 月には日本酒条例サミット in 京都を行い ます。 来年のバレンタインではチョコを,御猪口のことです。西陣織あるいは京友禅で作った 入れ物と一緒に贈る。ホワイトデーには彼氏が日本酒で乾杯,それをほろ酔い婚活に繋ぐ, 幅広い伝統産業の振興に繋いでいく,こういうことを伝統産業に従事する若者たちと共に, 遊び心を活かしながら進めております。 次に行きます。 (14 ページ: 「世界のあこがれる観光都市」を目指して) 観光についてですけれども,冒頭で申し上げました 116 の事業を進めております。例え ばウェブサイトは 13 言語に対応しています。海外情報発信拠点は 10 か所,京都は勝手に 観光客が訪れるなあとおっしゃいますけど,決してそうではありません。外国からのお客 さんのなかで一番不満が多いのは,wi-fi が自由に使えないということでしたので,約 650 か所の市バスの停留所や駅等々に付けました。年度内に 1,400 か所まで増やしていきます。 どなたでも無料でご利用いただけます。そうしたことを着実にやっていく,あるいは旅館 等につきましても,24 時間多言語対応のコールセンターを京都市が設置することで,外国 人の通訳がいるのと同じ役割が果たせる。これを免税店にも広げていく,こんな取組みも 進めております。訪れる外国人の人数も宿泊者も過去最高になっております。観光消費額 は 7,000 億円を初めて超えました。 次に行きます。 (15 ページ: 「京都観光振興計画 2020」「京都 MICE 戦略 2020」を新たに策定) 次期観光振興計画を立てました。191 の事業をやろうと非常に欲張りなことになりました。 しかし,確実にやっていきたいと思っています。例えば,外国人宿泊客を年間 300 万人と する。これは 2 泊・3 泊の延べ人数ではありません,300 万人の人に泊まってもらおうとし ています。現在 113 万人ですから,200 万人近くを増やすことになります。この 10 年間で 45 万人から 113 万人に,2.5 倍になりましたので,あと 6 年間で 300 万人にしようとして います。そうしたことによって,年間観光消費額を1兆円にする。このことによって,伝 統産業の人も一般市民も含めて観光で生活が楽になってきたなと,こういうことが実感で きるようになると思っています。 次に行きます。 (16 ページ:京都のさらなる魅力向上を図るプロジェクトの推進(例)) 京都駅周辺地域の活性化として,京都鉄道博物館ができます。大宮の鉄道博物館も素晴 らしいですが,質的に違っていくものと思います。動態保存された SL が 8 両あるなど,充 実度は世界トップ水準となる予定です。第一市場等の整備,動物園の再整備,ロームシア ターの整備を進めていきます。そして,オリンピック,パラリンピックへ向けた取り組み も着実に進めております。京都市交響楽団は全国唯一,自治体直営の交響楽団ですが,こ こ 1・2 年大変な人気です。来年は世界 5 都市で 18 年ぶりの海外公演をしたいと思ってお ります。 次に行きます。 (17 ページ:全国に類を見ない「新景観政策」の推進 ~京都が誇る山紫水明の自然風景・ 風情豊かな町並み景観を保全・継承~) 景観政策に全力を挙げております。日本中が規制緩和のときに,非常に厳しい規制をす ることで小さな東京にならないでおこう京都の素晴らしさを維持していこうとした取組み が,観光世界一になったことの要因でもあろうかとおります。市民の皆様に大変なご尽力 を賜りました。 次に行きます。 (18 ページ:屋外広告物適正化の推進) 今はスキッと全部なくなりました。これだけのことを行って頂いている,有難いことで す。 次に行きます。 (19 ページ:人と公共交通優先の「歩くまち・京都」) 先ほど説明しましたので,割愛して次に行きます。 (20 ページ: 「リニアを 京都へ」~東京一極集中の打破,国土の均等ある発展を目指して) リニアについてです。先ほど触れましたので割愛して次に行きます。 (21 ページ:市民ぐるみで環境にやさしい循環型社会の構築) ごみの減量についてです。先ほど触れましたので割愛して次に行きます。 (22 ページ:地方分権時代をリードする自治の構築) 地方分権時代をリードする区役所の区長の権限を強化して,区民と一緒にあらゆる取組 みを進めていくこととしています。同時に,京都府と徹底して協調し,二重行政を打破す るため,例えば日本一の動物愛護センターが来年4月に京都府と京都市の共同の設置とい うこと完成します。このような一体化しようという取組みを次々と進めています。 次に行きます。 (23 ページ:平成 25 年度決算の状況) 決算状況についてですけれども,先ほど説明しましたとおり,私が市長就任時には大変 な赤字でしたけど,なんとか連結も一般会計も黒字を維持しております。 次に行きます。 (24 ページ:徹底した行財政改革の断行・財政の健全化) 市役所の職員をこの 6 年あまりで,16,000 人あまりから,13,370 人と大幅削減し,単年 度人件費を 190 億円程度削減しました。そして財政有識者会議で議論して頂いた結果,生 産年齢人口1人当たり実質市債残高を増やさない,そんな取組みを着実に進めています。 次に行きます。 (25 ページ:市バスの利便性向上と経営の健全化) 市バスは 10 年前には 50 億円の赤字でしたけども,27 億円の黒字となり,現在積極的な 経営に打って出ております。 次に行きます。 (26 ページ:地下鉄経営の健全化) 地下鉄は依然として経常収支は赤字ですが,平成 18 年度と比べて赤字金額は 75%減とな りました。一日当たりの乗客数が着実に増えております。10 年間で 5 万人増やす,4 年間 で 2 万 2 千人まで来ました。 資料の説明は以上です,ありがとうございます。 厳しい財政状況というのは事実でございますが,世界の京都として,役割を果たしなが ら,財政の健全化と,都市の魅力の向上,また,生活者の幸せにつながる政策をしっかり と進めて参りたいと思います。本日はありがとうございました。