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特集 外国にルーツを持つ 子どもたちの教育権を考える
特集 外国にルーツを持つ 子どもたちの教育権を考える 外国人登録者数は年々増え続け、2007 年末で約 215 万人。非正規滞在者も含めるとさらに多くの外国 人が日本に暮らしています。外国人と日本人のカップルの間に生まれた子どもも含め、外国にルーツ を持つ子どもたちの存在は、日本の教育を考える上で見過ごせません。今号では、日本の公教育およ び外国人学校をめぐる現状と課題を考えるとともに、地域での子どもの居場所づくりの取り組み、また、 マイノリティの教育権をめぐる国際的な議論の動向を紹介します。なお、IMADR-JC では、被差別部落、 アイヌ、沖縄などのマイノリティの子どもたちを取り巻く状況と、今回取り上げる在日コリアンおよ び「ニューカマー」の子どもたちの状況には、日本の歴史・植民地主義に根ざした地続きの課題があ ると認識していますが、今回はあえて後者に絞って取り上げました(編集部)。 外国人・民族的マイノリティの子どもの教育をめぐる今 ――国の政策の現状と課題 金 光敏((特活)コリアNGOセンター事務局長/ 民族学校・外国人学校の制度的保障を実現するネットワーク運営委員) もの公立学校在籍数は東海地方、北関東地方 はじめに 年末年始の大量の派遣切りは、在日外国人 社会にも大きな打撃を与えた。在日ブラジル 2001 年から始まった外国人集住都市会議 人、ペルー人などの多くは派遣労働によって では、外国人の子どもの教育を主要課題に取 家計を支えてきた。失業にともなう家計破綻 り上げ、加配教員の増員、日本語教育の充実 によって、最も大きな影響を受けたのは子ど 化など提言を重ねている。また、行政レベル もたちであろう。日本社会で「不就学」とな で初めてどの学校にも在籍していない、すな り、日本語も、そして出身国の言語も正しく わち不就学の外国人の子どもの問題が取り上 使えない子どもたちの存在を知り、私たちが げられた。これに先立っては、岐阜県可児 できる、すべきことが何なのか真剣に問われ 市が独自で不就学外国人児童生徒の実態調査 ている。私たちがめざす「多文化共生」とは を行ない、文部科学省もようやく 2005 年と どのような社会なのだろうか。追い詰められ 2006 年の 2 カ年に全国 13 都市に委嘱して調 た人びと、放置される子どもの問題を度外視 査した。結果、その時点で少なくとも 「不就学」 した流行語としての「多文化共生」ならばむ しろ必要ない。本稿では、外国人・民族的マ イノリティの子どもの教育に焦点をあてて、 大阪・守口市立錦小学校民族学級 の開講式の様子。 「就学先不明」にあたる外国人児童生徒が全 体の約 19%に上ることがわかった。 それから数年後の今日、不就学問題はさら 公教育と外国人学校の現状と課題に触れてみ に深刻さを増している。公教育における外国 たい。 人の子どもの教育権について日本社会は根本 的な課題を突きつけられている。 放置される外国人の子どもの教育 国内の公教育を語る上で、も はや外国人の子どもの教育課題 を 避 け て 通 る こ と は で き な い。 2 を中心に飛躍的に増加してきた。 IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 文部科学省内検討会が出した 「報告」の成果と課題 文部科学省は省内に「初等中等教育におけ 2008 年の学校基本調査による公 る外国人児童生徒の教育の充実に関する検討 立小中高校に在籍する外国人の 会」を設けた。この検討会が 2008 年 6 月、 子どもの数は 7 万 936 人で、そ 今後 5 年間に取り組むべき在日外国人の教育 のうち 2 万 2,413 人(08 年 9 月現 のあり方について「報告」(提言)を発表した。 在)が日本語指導が必要な外国人 「外国人児童生徒の受け入れ状況と外国人児 児童生徒である。外国人の子ど 童生徒教育の意義」 「外国人の子どもに対す る就学支援」「外国人児童生徒の適応指導や る継承語(母語)・継承文化(母文化)の 日本語指導」「地域の外国人児童生徒の教育 学習支援について言及されることを期 の推進」などの柱からなる。この報告で国と 待していた。 自治体の役割と責任に言及し、外国人の子ど 学校現場では、むしろ第 1 言語であ もの教育環境整備にいくつかの具体的な提案 る出身国の言語、すなわち母語の能力 もなされた。また、不就学外国人児童生徒の を生かして学ぶ日本語学習により効果 調査結果をもとに、就学状況の改善に向けた があがったとする実践事例を積み上げ 学校体制の充実、学校や自治体の先行事例の ている。他にも、学校で母語学習活動 普及、専門担当者の配置などの提案も加わっ を始めると、外国人の子どもの就学状 た。 況が改善できたという事例など、海外 外国人の子どもが急増したことで、最も苦 での先行研究もあわせて、外国人・民 心しているのは自治体と学校現場であろう。 族的マイノリティの固有のアイデンティ 国の対応の遅れを踏まえ、この報告が国の役 ティにかかわる継承語(母語)、継承文 割についても捉えなおそうとした点は評価し 化(母文化)の学習が子どもにもたらす たい。 効果を正当に評価する時期にきている。 一方、この検討会報告が、これまでの文部 ちなみに、2008 年 7 月に閣議決定さ 科学省の政策範疇を大きく超えるものとはな れた「教育振興基本計画」では、 「母語 らず、既存施策の追認、政策の微調整に留まっ の話せる支援員を含む外国人児童生徒 たことは否めない。国際情勢の変化や少子高 等の指導に当たる人材の確保や資質の 齢化の深化など、今後 5 年間の日本社会は大 向上、指導方法の研究および改善を行 きな変動期を迎える。そうした視野に立った なう」と言及した。報告が「母国語を 外国人教育の総合的なビジョンの提示がほし 話せる支援員については、外国人児童 かった。どちらかと言えば、小さくまとまっ 生徒の日本語指導や教科指導の支援、 たという印象だ。 教材や学校便りの翻訳、学校と保護者 今回の報告では日本語教育と適応教育に比 との連絡などにおいて活躍が期待される」と 重が置かれている。外国人の子どもの教育を 記すに留まり、固有のアイデンティティに密 考える上で、日本語教育の重要性は誰もが認 接にかかわる外国人の子どもの出身国や父母 めるところだ。学力向上や進路指導のために の出身国についての学習機会にまったく触れ も日本語教育の充実は不可欠だ。文部科学省 られなかった点に大きな不満が残る。 はこれまで日本語教育の推進にあたって教員 岐阜県可児市で取り組まれている 初期指導の様子。日本語指導が 必要な外国人の子どもたちが市 内の学校に入学してくると、おお む ね3カ月から6カ月の 間、日本 語の基礎を学ぶための抽出指導 が行なわれている。 今回の報告が、「日本語指導が必要か」「必 加配の増員、通訳支援に取り組んできたが、 要でないか」という区分けで、外国人教育の 今回の報告がその枠組みから大きく踏み出し 課題を捉えようとする文部科学省の認識を追 ていない点が物足りない。 認している点が残念でならない。検討会には、 継承語(母語)・継承文化(母文化)学習に詳し 外国人の子どもの何を支えるのか 報告では、JSL カリキュラム(注)のさらなる い研究者も加わっていたので、やはり文部科 学省の意向が強く反映されたということか。 推進を提言し、教育現場での活用を促してい る。ここで確かめておきたいことは、日本語 大阪における先行事例 教育が、外国人の子どもの母語を日本語に変 公教育における継承語(母語)、継承文化(母 えてしまう指導であってはならないという点 文化) の学習支援の先行事例としては、大阪 だ。JSL カリキュラムが前提にしているとお の民族学級がある。民族学級は、在日コリア り、日本語を第 2 言語として学ぶための日本 ン、もしくはコリアにルーツを持つ子どもを 語学習であり、第 1 言語である出身国の母語 対象に取り組まれ、概ね週 1 回から 2 回程度、 能力を縮小させる日本語教育を提唱している 授業の最終校時や課外時間を使って行なわれ (注) JSLカリキュラムとは、日本語を わけではない。そうした観点に立てば、今回 ている。大阪市内の 104 校の公立小中学校に 母語としない外国人の子どもの日 の報告の中で、継承語(母語) の学習機会に 設置され、設置率は全体の約 24%にあたる。 本語および教科学習支援のための ついて触れる必要があったのではないか。総 大阪市教育委員会は、国際理解教育推進事 合学習や教育課程外の時間も活用した外国人 業の中で民族学級(民族クラブ) を位置づけ、 の子どもの固有のアイデンティティにかかわ 国際理解教育コーディネーターである民族講 カリキュラム。文部科学省によっ て小学校版、中学校版が開発され ており、このカリキュラムを推進 するための研究指定校の委嘱や教 職員研修なども行なわれている。 IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 3 師が、朝鮮語、朝鮮 の子どもの教育権保障について議論する「多 半島にかかわる文化 民族共生教育フォーラム」が 2005 年から始 理解、家族史などの まった。2005 年と 2006 年は、全国の外国人 歴史学習、または校 学校関係者らの相互交流を、2007 年と 2008 内発表会に向けた練 年には外国人学校の処遇改善に向けた政策討 習など、学校教育の 議を行なった。 年間計画に基づいて 実施されている。 昨 年11月 の 多 民 族 共 生 教 育 フォーラム(大阪)では、多文化の 子ども交流会もプログラムとして 同 時 に 開 催され た。ブラジ ル、 コリア、中国、ペルー、ロシア、 フィリピン、 日本 の 子どもたち が交流し、閉会式では壇上にあ がった。 2007 年のフォーラム(東京) では、初めて 与野の国会議員がシンポジウムに登壇し、外 民族講師は民族学 国人学校に対する処遇改善問題について議論 級(民族クラブ)の指 した。公明党の山下栄一参議院議員は、 フォー 導のほか、総合学習 ラムの出演を契機に与党議員による「外国人 などの教育課程内に 学校及び外国人子弟の教育を支援する議員の もかかわり、国際理 会」を発足させ、関係大臣に外国人学校の処 解学習の授業支援も担う。また、校内研修計 画や学校と外国人保護者間の連携など、大阪 市の学校現場では根づいた存在だ。 遇改善を提言した。 また、民主党の水岡俊一参議院議員は、党 内に「外国人の子どもの教育の充実をめざす また、大阪府内には中国やブラジルの子ど 研究会」を発足させ、国会質問で取り上げる もにかかわる教育コーディネーターもいて、 など、国政の場で外国人学校の処遇改善が取 中国語やポルトガル語などの指導も行なわ り上げられる機会は増えている。 れ、多くが子どもと同じ民族的・文化的背景 昨年のフォーラム(大阪) では、上述の国 を持つ当事者でもある。こうした試みは大阪 会議員 2 人に、ブラジル学校支援に取り組む 以外にも広がっており、外国人の子どもの学 三井物産株式会社 CSR 推進部の柴崎敏男シニ 力向上、生活指導、進路指導に効果的だとい ア・フィランソロピー・スペシャリスト、そ うのが共通認識である。 して外国人住民と直接向き合う地方行政の立 ただ、民族講師や外国人教育コーディネー 場から京都市の山崎一樹副市長、主催者側の ターの処遇は確立されたものではない。教育 立場を代表して小島祥美・愛知淑徳大学教員、 委員会の非常勤講師制度、有償ボランティア そして私がパネリストとして加わった。大阪 制度、学校の維持運営費の一部を使った謝金 のフォーラムでは、外国人学校の学校保健の 提供など、あげている効果から言えば、“安く 課題についても新しく提起した。 使われている”。外国人教育の今後を議論する 外国人学校は現在全国で約 200 校、その半 上でこうした専門的な現場従事者の処遇改善 分がブラジル学校、3 分の 1 が朝鮮学校、そ が早急に必要だ。 れに欧米系学校、ペルー学校、中華学校など 検討会報告に期待していたのは、まさにこ が続く。外国人学校は、公立学校における外 うした教育環境への言及であり、これまでに 国人の子どもの受け入れ態勢が整わない中 は取り上げられなかった新たな方向性を示し で、1990 年中盤以降に急増した。公立学校 てほしかった。 で適切な支援が受けられずに学習が遅延し、 いじめや差別に遭うなど、外国人の子どもに 外国人学校に対する正当な評価は遠く 昨 年11月 の 多 民 族 共 生 教 育 フォーラム(大阪)でのシンポジウ ムの様子。 とって外国人学校は、公教育から弾き飛ばさ 全国の外国人支援 NGO や法律家、研究者 れた学びのセーフティネットであり、そうし などが一堂に会し、公的支援から除外されて た理解に立った公的支援が検討される必要が いる外国人学校の制度的保障をはじめ外国人 ある。外国人学校の処遇は不安定なままだ。 朝鮮学校や中華学校、インター ナショナルスクールは法律上、自 動車教習所や技能教室と同列の 「各種学校」で共通だが、インター ナショナルスクールは海外からの 投資促進に資するとして指定寄付 金が免税され、朝鮮学校や中華学 校は対象外となっている。 4 IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 また、国立大学への受験資格については、 各種学校の外国人学校の中で朝鮮学校だけを 校を辞めたと推計した。果たしてこの子ども たちの教育はどこが担うのであろうか。 文部科学省は排除し、交通機関の学生割引で 今年に入り、小渕優子 ・ 内閣府特命担当大 は未認可の外国人学校は一切認められていな 臣が所管する「定住外国人施策推進室」が内 い。法制が未確立なために、切り刻まれるよ 閣府に新たに設けられ、去る 1 月 30 日に「定 うに外国人学校間に処遇格差が生じている。 住外国人支援に関する当面の対策について」 国内で未認可扱いを受けているブラジル学 校だが、半分近くが本国政府の卒業資格認定 を受けている。そうした外国人学校でさえも、 日本では「私塾」扱いだ。 を発表した。教育、雇用、住宅、帰国、情報 提供などの当面の取り組みが示された。 教育分野では、 「帰国・外国人児童生徒受 入促進事業」の委嘱地域による教育委員会へ の相談員の配置、初期指導教室の開設、外国 外国人学校は公共機関として処遇すべき 語のわかる支援員の配置などの追加支援、子 処遇の差異は問わず、外国人学校に対する どもたちの居場所づくり、就学支援に対する 学校保健や公衆衛生の情報提供も皆無に近 交付税支援、緊急雇用創出事業の日本語教育 い。健康診断にかかわる公的支援も一部を除 事業の推奨などが掲げられた。 いてはない。これは、 「学校教育法」や「学 取り組まんとする国の姿勢については評価 校保健法」などの教育関連法が外国人学校を したいが、ただ、既存施策の再掲が少なくな 想定していないことによる問題点である。 く、交付税措置や緊急雇用対策費をつかって 政府は新型インフルエンザをはじめ感染症 自治体に対応を促したに過ぎない側面が強 対策に懸命だ。ただ、こうした感染症対策の い。また、存続の危機に処している外国人学 正確な情報が国内の外国人住民に正しく届い 校への緊急支援にはまったく触れなかった。 ているだろうか。特に、日本語が話せない外 外国人の子どもの学びの継続性にこそ緊急支 国人住民への情報提供は、今のところ無策に 援が必要だ。未認可のブラジル学校などは公 近い状態だろう。 的支援の対象から外されているため、授業料 感染症対策にしろ、防災対策にしろ、日常 の備えこそが重要だ。そうした観点に立てば、 が月額 4 万~ 5 万円と高額になっている。こ れに対する軽減措置が急がれる。 外国人コミュニティにおける外国人学校の役 文部科学省は国際教育交流政策懇談会内に 割は相当に大きく、正確な情報提供を外国人 ブラジル学校等について議論するワーキング 学校を通じて行なうことができれば、少なく グループを発足させた。夏ごろまでに何らか とも子どもがいる家庭への周知にかなり効果 の方向性を示すとしている。そこには、日本 がある。 ブラジル学校協議会の代表者や、支援に取り 外国人学校の多くは、全日制の普通教育を 組む自治体の担当者、あるいはブラジル学校 実施している。少なくともこうした初等中等 の支援に取り組む企業の CSR 担当者ら現場を 教育に取り組む外国人学校には、公共機関と 知る人びとも加わっている。外国人学校の処 しての相応の処遇が必要だ。国は 2006 年に 遇改善について一歩踏み込んだ議論が 都道府県に対し、各種学校の認可基準を緩和 交わされることを期待している。 するよう通知し、外国人学校の各種学校認可 一方、より根本的な外国人学校に対 申請を促そうとした。ただ、そもそも各種学 する支援法が急務であり、公教育にお 校制度が外国人学校を処遇するために設けら ける外国人の子どもの教育権保障につ れたものではないため、結局、重要な処遇事 い て も 法 整 備 が 急 務 だ。 さ ま ざ ま な 項は他の法令に基づいて決められている。 NGO や研究者、弁護士らでつくられる そうこうしている間に、大不況が押し寄せ、 ブラジル学校でポルトガル語を学 ぶ子ども(コレジオ・サンタナ)。 外国人の子どもの教育権保障に取り組 ブラジル人やペルー人などが大量解雇に見舞 むネットワークが、 「外国人学校振興法 われた。収入を絶たれたブラジル人家庭で授 案(仮称)」の検討を行なっている。こ 業料負担が不可能となり、ブラジル学校から の提案を国会にも提示し、そもそも外 子どもが減少していった。今年の前半期に果 国人の子どもの教育権がどのような理 たしてブラジル学校、ペルー学校が何校残る 念と社会政策に基づいて保障されるべ であろうか。外国人学校支援 NGO の把握で、 きか、議論を活発化させたいと考えて 約 4 千人のブラジル人の子どもがブラジル学 いる。 (きむ くぁんみん) IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 5 周縁化される外国人とその子どもの環境 ――とよなか国際交流協会「子どもサポート事業」 榎井 縁((財)とよなか国際交流協会事業課長) 財団法人とよな 業」は、“仮” で構わないから、そうした子ど か国際交流協会(以 もたちが “自分たちの場所” と思える時空ら 後「協会」とする)は、 しきものを生み出すことを目的としている。 豊中市の外郭団体 とはいえ漠然とそうしたものが創出できるわ と し て 1993 年 に けでもなく、子どもたち/親たちの自覚症状 設 立 さ れ て 以 来、 (多くは「~ができない」という感覚) に合わせた ダンスで自分を表現する 人権尊重を基底と 日本語・学習支援と母語の 2 つの事業がその した活動をすすめ 入り口となっている。 てきた。特にこの まずは、日本語・学習支援事業「サンプレ 10 年 は 予 算 が 逼 イス(4)」であるが、外国にルーツをもつ子ど 迫、そのあり方が もたちが、日本語や学校の勉強でわからない 問われる中、最重要課題を「周縁化される (1) ところをボランティアと一緒に学ぶ活動で、 外国人のための総合的なしくみづくり」とし、 毎週日曜日の午後 2 時間ほどがあてられてい ①外国人の人権保障と②日本社会の変革、と る。国際交流センターの、主に、部屋でない いう内外に向かう 2 つのベクトルを全事業に 空間=オープンスペースを使って行なってい 据えることとした。現状として対象者は、女 る。ボランティア(後述のピアサポーターを含む) 性と子どもが大半を占める。 は大学生・大学院生で、ボランティアの学生 外国人 し の子どもへの取り組みは、特に 自身に滲みついた日本の学校文化との葛藤も 就学以降(3) から高校までの発達・成長段階 垣間見られる。「私はサンプレで勉強する子 において、かれらが日本人の子どもとは異な どもに対して、まず『いすに座って机に向か る環境、ダブルスタンダードの中に置かれて う』という日本の勉強スタイルをとりがちで いる認識から始められる。たとえば、子ども した。けど、日本の勉強スタイルを知らず知 が生活のほとんどを費やす日本の学校という らずのうちに強要(?) していたのかなと感 空間には、かれらのための余白がない――日 じました」(ボランティアのメーリングリストでの 本語や日本的文脈に沿った学習の強要、排除 発言より)。 (2) か同化が前提となる子ども集団、結果とし 四角い教室のような空間を避けた多くの人 て自己肯定ができなくなるような低い評価、 の目が届く所でも、やはり机と椅子があれば、 等々。また、異国で働く 1 世の親たちには、 学生たちは子どもを「ちゃんと」座らせる(机 (1) 業体系の中では「周縁化される外 日本語学習をはじめとする日本社会での生活 に向かわせる)ところから始めようとする―― 国人」と表現しているが、ここで に余裕がなく、日本人の親のように子どもに が、その発想自体が問われる。そうした中で、 投資できないどころか、日本語ができるよう たとえば、踊り場の空間は、ストリートダン になっていく子どもに支援を求めるという親 スを習う場所になる。 「からだに溜まった力(怒 子の社会的地位の逆転が起こっている。かれ 。 り)を、暴力ではなくダンスで表現するんだ」 らには、家にも学校にも「安全で安心できる 大学生ダンサーの格好良さに子どもたちが夢 場、安定して子どもが自分らしく成長してい 中になる。それが勉強からの逃避であっても ける場(わたしたちは “居場所” と呼んでいるが “拠 いいのだ。 言うところの社会のメインスト リームから弾きだされた「居場所 のない外国人」と解釈してもよい かと思われる。 (2) ここでいう外国人とは外国にルー ツをもつことをさし、国籍を問う ものではない。 (3) 就学前の子どもたちへの取り組み は、 「多文化保育」や「おやこでにほ んご」など外国人親子で行なって いる。 (4)「サンプレイス」は家でも学校で り所” ともいえるだろう)」がない。 寄り添い伴走できる次世代づくり もない第3の場所なのと、毎週日 曜日に開かれていることから、ボ ランティアがつけた事業の名称で ある。 6 子どもたちの居られる時空 現在取り組まれている「子どもサポート事 IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 活動を通じて日常では孤立していた外国人 の子どもたちが仲間をつくり、自分たちのた めの空間と時間を少しずつ形成していく。ボ にあたる学生たちの存在である。かれらは小 ランティアたちのいちばん重要な役割は、子 学生の時、中学生の時、自分の意志と関係な どものつぶやきに耳を傾けることである。 「あ く日本の学校に入り、ことばや文化、友だち んな、学校では大きな声が出ぇへんねん」 「そ や学業面で苦しんだ体験を持つ同国人の先輩 んなの関係ないし」 「オレ、頭悪いから……」 である。「自分の過去を見ているような気持 「高校でしたいことは、特にない」 。漏れ落ち ちで、本当になんかかれらがどういうところ ることばには、実はかれらを「子ども」とい で悩んでいるか、すごくわかるんです。かれ う枠ではなく「日本人ではない」という枠に らにまず必要なのは学力のサポートではな 押し込んでいる社会が映しだされているから く、精神的な面でのケアだと思います。その である。 ために母語の時間があると思っています」。 サンプレイスのボランティアは、つい数年 前まで子どもだった学生たちに限定されてい ピアサポーターの前で初めて閉ざしていた心 を開きはじめる子どもも多い。 る。長い年月、子どもの事業を錯誤してきた 事業は、親子の精神的な温かい根っこを取 中で、子どもを指導したり矯正する立場のお り戻していく役割も果たしている。母語事業 とながボランティア役になると、その空間は から誕生した、ペルーの子どものダンスチー 第 2 の学校になり、再度おちこぼれをつくっ ム「ナスカ」は、自分たちにも伝えられるも てしまうことが実証されてきたからである。 のがあると保護者たちが子どもに民族の踊り 外国人の子どもを護るためには、一番しんど を伝えるために始められた。母語の日は「日 い状況の子どもを弾き飛ばさない空間と時間 本語ができない」保護者たちが「母語が(そ を重ねなければならないことを、協会は痛み れも流暢に!)できる」保護者たちに変わる時 とともに経験してきた。特に学習思考言語を 空でもある。母語には言語や文化といった切 持たない、日本語も母語も習得できなかった り取られた薄っぺらな側面だけでなく、胎内 子どもは、人生の中長期的な見通しや希望を にいるときから生命のリレーのように守り伝 持たない刹那的な生き方をはじめる。かれら えられた “パワー” が宿っていることが示さ に、どうしようもない、ダメな、とレッテル れつつある。 を貼るのは一般社会だけでいい。そうした子 どもたちと寄り添い、伴走できる次世代をつ くること。それがサンプレイスのマジョリ ティ社会側への働きかけである。 権利の主体としての子どもの成長を保障する 以上見てきたように、 「子ども事業」は、 母語(母文化) という歴史を持つ時間軸を取 り戻し、かれらが護られる空間を日本社会に 生命の根っことしての母語 次に、「子ども母語」は、“子どもが母語を 造りだす、子どもとして成長する権利を保障 する視点に立って行なわれている。子どもの 解さなくなる” という切実なかれらの保護者 権利条約が批准されて 20 年経過した今でも、 たちからの願いによって誕生した。豊中のよ こうしたマイノリティの立場におかれた子ど うな少数点在地域では、遠方から車で来るな もの権利の視点は ど、多くの親たちの交通手段の負担を考慮し、 まだまだ弱いとい 隔週の日曜日の午前中に開かれている。こち えよう。今後、権 らは言語別(中国語、ポルトガル語、スペイン語) 利の主体として声 に部屋が確保され、教室型の学習風景が見ら をあげることので れる。外国人の子どもの母語についての研究 きる子どもが巣 は、日本でもすすめられつつあり、そのこと 立っていくような が学力とも関係することも実証されてきた。 事業として定着し しかし、協会では機能的側面としての母語以 ていくことが望ま 上に重視しているものがある。 れている。 それはピアサポーターといわれる母語指導 カルタで日本語の勉強 (えのい ゆかり) IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 7 マイノリティの教育権めぐり各国政府・NGOが議論 ――第1回国連マイノリティ・フォーラムに参加して 師岡 康子(外国人人権法連絡会) 2008 年 12 月 15 ~ 16 日、 ジ ュ ネ ー ブ に 27 条(5)で初めて明記された。同条項を具体 おいて開かれた、第 1 回国連マイノリティ・ 化した、 「民族的、宗教的、言語的マイノリ org/english/bodies/hrcouncil/ フォーラム ティに属する人びとの権利に関する宣言」は minority/forum.htm して参加した。残念ながら、日本ではこの 1992 年国連総会で採択された。1995 年には、 国人と民族的マイノリティの人権 フォーラムのことはまったく報道されておら 同宣言を促進・保護する手段・措置を検討す 基本法と人種差別撤廃法の制定を ず、存在自体、ほとんど知られていない。し る機関として、人権委員会のもとにマイノリ (1) 英 語 の 正 式 名 称 は “Forum on Minority Issues”である。 参照サイト:http://www2.ohchr. (2) 2005年12月 に、 日 本 に お け る 外 求めて結成された全国のNGOの に、外国人人権法連絡会 (2) と かし、このフォーラムは、マイノリティ当事 ティ作業部会が設置され、各国政府のみなら なっている。ウェブサイト: 者および NGO が、国連経済社会理事会との ず世界のマイノリティ当事者や NGO が参加 http://www.g-jinkenho.net/ 協議資格の有無にかかわらず、正式メンバー して議論を深め、2001 年には作業部会長名 する、インド北部から移住してき として、各国政府と同等の立場で参加できる で同宣言の逐条解説が発表された(6)。2005 たとされる民族的マイノリティで 国連唯一の会議であり、その議論の成果を人 年には常設機関としてマイノリティの権利に 権理事会にあげ、勧告という形で国際人権基 関する独立専門家が任命され、2007 年にマ 準を形成・発展させることのできる場であり、 イノリティ作業部会をひきつぎ、同宣言を実 その意義は大きい。 践し発展させるものと位置づけられて、今回 連絡会議。 IMADR-JCもメンバーと (1) (3) ロマはヨーロッパ全域に広く居住 あり、激しい差別を受けてきた。 『「ロマ」を知っていますか~ロマ/ ジ プ シ ー 苦 難 の 歩 み を こ え て』 (IMADRロマプロジェクトチーム編集、 IMADR-JC発行、2003年) 等参照。 (4) 国 連 ウ ェ ブ サ イ ト 参 照。http:// 会議には、世界各地から総勢約 400 人が参 のフォーラムが設置されたのである。2006 www2.ohchr.org/english/issues/ 加し、その過半数がマイノリティ当事者およ 年の人権理事会設置前後の国連人権機構改革 minorities/expert/index.htm びこの問題に取り組む NGO・研究者であった。 にともない、フォーラム創設が危ぶまれたが、 イノリティが存在する国において、 移住労働者権利委員会などの国際人権条約履 IMADR、マイノリティ・ライツ・グループ・ 当該マイノリティに属する人々は、 行監視機関、また、ユニセフ、ユネスコなど (7) インターナショナル(MRG) をはじめとする 自己の文化を享有し、自己の宗教 関係する国際機関、各国の独立人権機関など マイノリティの権利に取り組む NGO の働き を信仰・実践し、自己の言語を使 も参加し、マイノリティの権利にかかわる国 かけの成果として成立させることができたと "minority"を「少数民族」とした日 際的諸組織が一堂に会したことも意味あるこ いう経緯も、忘れてはならないだろう(8)。 本政府の公定訳の問題点について とであった。また、約 40 カ国のこの問題に (5)「民族的、宗教的または言語的マ その集団の他の構成員とともに、 用 す る 権 利 を 否 定 さ れ な い」 。 は、岡本雅享「国際法が定めたマ イノリティの権利と日本〜誰が権 関心ある政府が参加した。アジアからはスリ 日本のマイノリティと勧告案 利の対象で、どんな権利が保障さ ランカやインドネシアなどが参加したが、日 記念すべき第 1 回会議のテーマは「マイノ れるのか」 『 マイノリティの権利 、 本政府は参加しておらず、その姿勢が問われ リティと教育への権利」であった。フォーラ よう。 ムでは、事前に勧告案(9) がウェブサイト上 とは〜日本における多文化共生社 (IMADR-JC編集・ 会の実現に向けて』 。 発行、2004年) (6) 同宣言・逐条解説の日本語訳全文 および経緯・意義は注(5)掲載書を 議長はヴィクトリア・モハシィさん(ハン に発表され、NGO などからの勧告案に対す の女性) で、初代マイ る意見やレポートが歓迎された。当日の議論 ガリー国籍のロマ民族 (3) 参照されたい。本稿における、同 ノリティの権利に関する独立専門家 宣言・逐条解説の日本語訳はすべ イ・マクドゥーガルさん(米国籍のアフリカン・ て同書による。 熱気があふれたフォーラム会場。 (4) のゲ も、この勧告案に沿って、勧告案に対する意 見という形で発表するよう求められた。 アメリカンの女性) の主導で進められた。発言 勧告案は、①教育、②中核となる原則、③ 希望者があまりに多いため、1 人の発言時間 効果的な教育方策のための重要な条件、④マ が当初予定されていた 5 分から 3 分へ、さら イノリティのための良質の教育への平等なア に当日になって 2 分に減らされてしまい、か クセス、⑤学ぶ環境、⑥人種隔離教育を終わ つ、ほとんどの発言者が議長から時 らせる方策と文化的自立性および社会的結合 間オーバーの警告を受けたほどで、 実現に向けた統合(インテグレーション)との関 熱意にあふれた会議だった。 係、という 6 つの部分からなり、①および② は原則で、具体的な勧告は③から⑥において フォーラム設立の経緯 国際人権 法 に お い て、 マ イ ノ リ 8 IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 提案されている。勧告案は 7 ページにわたり、 本稿ではその詳細を紹介することはできない ティの権利は、1966 年、世界人権 が、具体例として、日本の現状と関連づけて、 宣言を条約化した自由権規約の第 マイノリティ自らが設立する学校についての について発言する機会を得た。 勧告案を紹介しよう。 日本においては、政府は外国籍者には教育 たとえば、勧告案は、マイノリ への権利自体を認めず、また、日本国籍の有 ティの自立性尊重よりも社会統合 無を問わず、民族的マイノリティが自らの言 に重きを置いているきらいがあっ 語・文化を学ぶ権利も認めていない 。政府 たので、私たちは、マジョリティ は学校において、マイノリティの母語教育を 社会への統合は、マイノリティに 保障せず、日本国民かつ大和民族のみを対象 対する同化政策となる危険性があ とする教育がおこなわれていることを主要な り、マイノリティの権利の核であ 原因として、日本では他国では見られないほ るアイデンティティを守るためには自立性尊 ど多数の、200 以上の外国人学校・民族学校 重を第一義におくべきとの観点から、外国人 が存在している 。しかし、政府はこれらの 学校・民族学校を国の学校と同等に法的に保 学校に対し、法制度上、正規の学校として認 障することを勧告に盛り込むよう文書で提言 めず、日本の学校への進学・転校も保障され した。また、当日、マジョリティの文化・言 ておらず、寄付金等につき日本の学校に認め 語をマイノリティの学校で教えることを、マ られている免税措置がなく、学校給食・学校 イノリティの学校に義務として強制すること 保健・学校保健等の諸制度から排除されてお は、マイノリティの学校の自立性を損ない、 り、きわめて不利な状況にある。 同化を強要する危険性があるので、これらを (10) (11) この点、マイノリティの権利宣言におい 学ぶことをマイノリティの権利として、国が て、「国家は、可能な場合いつでも、マイノ 必要なサポートをすることを国の義務とする リティに属する人びとが自らの母語を学んだ よう発言した。 奥はフォーラム議長団席。奥の列 左から、マイノリティの権利の独 立専門家、議長。 統合・分離・自立の関係に関する意見は、 り、母語で教育を受ける十分な機会を得られ るよう適切な措置をとる」(第 4 条 3)とあり、 当日他の NGO からも提出された。たとえば、 逐条解説においては「国家は、マイノリティ 「どのような場合でも、マイノリティの子ど 言語の教授を保証できる教育機関の存在を保 もたちがある民族に属するという理由だけ (7) ロンドンに事務所を置く、マイノ 証し、資金を提供することを要請されるであ で、特別なクラスや学校に配置されるべきで リティの権利についての国際人権 ろう」(パラグラフ 63) と述べられている。さ はない」との統合を重視した勧告案の条項に らに、今回のフォーラムの勧告案 4 章第 2 項 対しては、北アイルランドの大学教員から、 目では、一歩進んで、 「国は、マイノリティ マイノリティの子どもたちだけの特別クラス の親または保護者が、国の学校でなく彼らの が必要な場合がある、と指摘がなされた。最 子どもたちのための教育機関を選択する自由 終的に、フォーラム最後のパトリック・ソー ……は認められるべきである。国は、そのよ ンベリー氏(国連人種差別撤廃委員会委員) によ うな教育施設の設立と運営について、不正な る議論のまとめにおいて、先住民族への同化 法的もしくは他の重荷となる条件を課するこ 政策等の歴史から見ての「社会統合」の危険 とによって、この権利の享有を妨害してはな 性が指摘された。 らない」と述べている。この条項は、まさに、 る外国人学校・民族学校への妨害、親の選択 発表されており、この議論を盛り込んだ形で、 権の妨害への排除を求めており、日本のマイ 3 月に、マイノリティの権利に関する独立専 ノリティが役立てることができるだろう。 門家から人権理事会への報告として提出され る予定である。正式な国連文書となる「勧告」 ティにもたらされる機会と脅威」 、 本誌150号(2007年8・9月) (9) http://www2.ohchr.org/english/ bodies/hrcouncil/minority/docs/ A-HRC-FMI-2008-2-E.doc (10) 外国人人権法連絡会編『外国人・民 族的マイノリティ人権白書』明石 書店、 2007年等参照。 東京」資料集45-51頁。同フォーラ ムのウェブサイトは: るだろう。また、すでに今年のフォーラムの 国人人権法連絡会と「外国人学校・民族学校 予定は 11 月 12・13 日と発表されており、こ (12) の制度的保障を実現するネットワーク」 は のような継続した取り組みにより、マイノリ 共同で日本の状況についてのレポートと勧告 ティの権利が促進されることが期待される。 (もろおか やすこ) http://2007tokyo.blog113.fc2. com/ 月刊イオ編集部『日本の中の外国 (明石書店、 2007 年)224-235 人学校』 頁。 (12) 2006年11月結成された、外国人・ 民族的マイノリティの子どもたち は、マイノリティの権利保障の前進に力とな この勧告案をよりよいものにするため、外 ムに事前に提出した 事 会 設 立 か ら1年 ―― マ イ ノ リ 議論の概要は、すでにフォーラムのウェブ サイト上で、議長によるまとめのレポートが 案についての具体的提案を作成し、フォーラ http://www.minorityrights.org/ (8) カスリン・ラムズィー「国連人権理 (11)「多民族共生教育フォーラム2007 日本政府が行なっている不正な法的条件によ 勧告案をめぐる議論と今後 団体。ウェブサイト: の学習権保障、とりわけ外国人学 校・民族学校への差別を撤廃し、 制度的保障を求めるネットワーク である。ウェブサイト: http://www.ksyc.jp/taminzoku-f/ (13) このレポートについては、各団体 のウェブサイト上に掲載する予定 である。 。また、当日、勧告案 (13) 次号の特集: IMADR各地での取り組み(予定) IMADR-JC通信 No.157 / 2009.1-3 9