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石油ターミナル基地としてのUAEフジャ イラのインフラ発展状況
2014/10/24 石油ターミナル基地としてのUAEフジャ イラのインフラ発展状況 2014年10月23日 調査部 濱田 秀明 1 本日の概要 ●フジャイラについて ・戦略的位置 ●ホルムズ海峡 ●港湾および石油基地の発展 ・貯蔵所(タンク)増設 ・アブダビからのパイプライン、製油所増設など ●フジャイラ首長国の国土・人口動態 ●首長家の政策 ●今後の展望 2 1 2014/10/24 フジャイラの位置 UAEの中で唯 一、インド洋側 に面した首長 国。 1980年代より、 補油地として成 長を開始。 シンガポール、 ロッテルダムと 共に世界3大 バンカリング地 に成長 3 ホルムズ海峡 世界的なタンカー航路 の要衝 世界の原油取引の 40%が通過 右側通行 片側航路の幅は約2マ イル(約3.7km) である。 Traffic Separation Scheme (TSS):衝突を避けるために海峡中央部に分 離通行帯 2012年には、イランを巡る緊張から海峡封鎖の懸念が生じた。 4 2 2014/10/24 ホルムズ海峡依存度 アラビア(ペルシャ)湾内に位置する産油国からの輸入割合 日本:82.86% 中国:51.07% 韓国:83.66% イラク 1.11% オマーン 1.48% イラン 4.32% 日本への国別 原油輸入量 100%(2014年1 月から6月) 極東3か国の国別原油輸入割合 単位:千b/d 日本(2014年1~6月) 中国(2013年1~12月) サウジアラビア UAE カタール クウェート イラン オマーン イラク ロシア アンゴラ 他アフリカ ベネズエラ カザフスタン アジア環太平洋 その他 1,159 811 433 270 152 52 39 280 7 77 合 計 韓国(2014年1~6月) 合 計 197 42 32.93% 23.04% 12.31% 7.67% 4.32% 1.48% 1.11% 7.96% 0.20% 2.19% 0.00% 0.00% 5.61% 1.20% 1,078 206 3 187 429 510 470 489 800 485 315 240 129 304 19.10% 3.64% 0.05% 3.31% 7.60% 9.03% 8.33% 8.66% 14.18% 8.59% 5.58% 4.25% 2.28% 5.39% 816 264 210 386 125 11 191 104 0 58 0 5 108 116 34.09% 11.02% 8.78% 16.14% 5.21% 0.45% 7.97% 4.35% 0.00% 2.42% 0.00% 0.22% 4.50% 4.85% 3,053 1,281 646 843 705 573 700 873 807 619 315 245 434 462 26.42% 11.08% 5.59% 7.29% 6.10% 4.95% 6.06% 7.56% 6.99% 5.36% 2.73% 2.12% 3.75% 4.00% 3,520 100.00% 5,643 100.00% 2,393 100.00% 11,557 100.00% 出典:中国:OGP、日本:通関データ、韓国:税関 5 フジャイラ港 6 3 2014/10/24 フジャイラ港給油事業者 会 社 名 3 Aegean (Fujairah) Bunkering S.A Akron Trade & Transport APSCO for Petroleum Services 4 BP Middle East 5 Fairdeal Marine Services 6 Fujairah National Bunkering Co.(LLC) 7 11 Gulf Petrol Supplies International Supply Oil Marketing & Trading Intl. L.L.C. Pearl Marine Logistics U.A.E FZE Royal Bunkering & Trading Co. L.L.C 12 VTTI Fujairah Terminals Ltd (VTTI FTL) FZC 1 2 8 9 10 電話 Fax (+971-9- ) (+971-9- ) 2281600 2228840 2230533 +971-43079252 2228145 2228209 2238854 2238864 2282444 2228253 2281201 223 9858 2234471 2228692 2281588 2228841 2230532 +971-43318890 2228147 メールアドレス [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 2228702 [email protected] 2282424 2228331 2281202 223 9868 2234472 [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] [email protected] 2228693 [email protected] 出典:フジャイラ首長国港湾庁 その他:Bominflot Fujairah LLC. (Fujairah)、Caltex Alkhalij (Dubai)、Dubai Fuel Supply (Dubai) 、 FAL Energy Co. Ltd. (Sharjah)、Shell Markets (Middle East) Ltd. (Dubai) 、Zad Fuel (Dubai)など。 7 石油製品貯蔵・配送・トレーダー Vopak Horizon Fujairah Limited (VHFL):貯蔵容量213万㎥。 ホライズン・ターミナル・リミテッド(Horizon Terminal Limited :HTL):貯蔵容量24万㎥ VTTIフジャイラ・ターミナル(VTTI Fujairah Terminals Ltd):貯蔵容量118万㎥ フジャイラ石油ターミナルFZC(FOT):貯蔵容量115.5万㎥(予定) 中国石油化工集団公司(Sinopec)とシンガポールのConcord Energy Pte Ltd SOCAR AURORAフジャイラ・ターミナルFZC(フリーゾーンカンパニー):(SAFT) 貯蔵容量 31.5万n㎥。81.5万㎥(予定) GPS Chemoil LLC FZC:貯蔵容量69.9万㎥ ガルフ・ペトロリアム(Gulf Petrochem):貯蔵容量63.2万㎥(予定) Prime Star Energy FZE:貯蔵容量60万㎥(予定) ●外資トレーダーの貯蔵容量は745.1万㎥(約4,690万バレル相当)に増加見込み。 出資元:オランダ、中国、スイスなど。 融資元:アブダビ、ドバイ、シンガポールなど。 8 4 2014/10/24 ハブシャン・フジャイラ・パイプライン(ADCOP) ホルムズ海峡を迂回する原油パイ プライン 竣工:2012年7月(中国石油工程建设公司) 口径:48インチ(日本・欧州製) ルート:アブダビのハブシャンからフ ジャイラまで 全長:約370km 権益保有者:International Petroleum Investment Company (IPIC) 操業者: Abu Dhabi Company for Onshore Oil Operations (ADCO) 通油容量:150万b/d(最大180万b/dまで引上可能) 。 現状は数十万バレルか ら上昇中。 原油:マーバン原油(性状:39.6°API、動粘度:CST(50℃)35 ) 貯蔵容量:800万バレル(100万バレルタンク X 8基:127.2万㎥) 9 フジャイラ石油産業地区(FOZ) <製油所> • Fujairah Refinery Company Limited(FRCL):オランダのVitolグループが権益の大半を取得。原油処 理容量:約9万b/d。但し現在、財務上の理由から停止中。 • IPICによる新規製油所:投資規模30億ドル。原油処理能力20万b/d。PMC契約をShaw Stone & Websterと締結。陸上マーバン原油に加えてザクム原油、ドバイ原油を対象。2016年央の 竣工を目標。 • Petrixo Oil & Gas (ドバイ)によるバイオ燃料製油所:投資規模8億ドル。製造能力100万トン/ 年。2014年3月に計画が発表されたが完成年などは未定。 <FLNG> 「Emirates LNG」プロジェクト:IPICとアブダビのムバダラ開発の折半に よって浮体式のLNG受入再ガス化施設を洋上に設置。 目的:国内発電用にLNGを輸入する。 遂行主体:Emirates Liquefied Natural Gas (LNG) LLC 第1フェーズ:年間450万トン(600mmscf/d)の受入容量。現在FEED中。 (2015年前半目途) 第2フェーズ:年間450万トン(600mmcf/d)の受入容量(計画) 10 5 2014/10/24 フジャイラの国土 フジャイラの国土の大半 は、土漠、岩山。 UAE国内の中でも、首長 国同士で飛び地が複数 存在し、領域が複雑な地 域。 フジャイラ首長国も領域 が大きく3つに分かれて いる。 オアシスなどの拠点に首 長が主権を主張し、認め られた。あるいは、住民 側が離れた首長に忠誠 を示して受入られたなど による。 11 UAEの面積・人口割合 フジャイラは7つの首長国の中で面積、人口で第5位。 首 長 国 面積(㎢) 面積(平 方㏕) 割合 国 民 人 口 割 合 国 民 人 口 割 合 (%) (1975年) (%) (2005年) (%) アブダビ ドバイ シャルジャ ラッスルヘイマ ウンムルカイワイン 67,340 3,885 2,590 1,684 777 26,000 1,500 1,000 650 300 86.7 5.0 3.3 2.2 0.9 54,886 50,816 41,227 29,613 4,458 27.2 25.2 20.5 4.0 2.2 350,277 137,573 138,272 87,847 15,873 42.4 16.7 16.8 10.6 1.9 アジュマン フジャイラ 合 計 259 1,165 77,700 100 450 30,000 0.3 1.5 100.0 7,442 13,102 201,544 1.5 6.5 100.0 39,231 56,421 825,495 4.8 6.8 100.0 注:国土面積に島嶼部は除く。 出典:Ministry of Economiy and Plannning, UAE 12 6 2014/10/24 フジャイラ首長国(人口規模・推移) 単位:人 200,000 国民数 フジャイラ首長国人口推移 外国人数 全体居住者数 180,000 160,000 140,000 UAEにおける外国人を含めた全人口の中では、 近年、相対的に割合を低迷させた。 120,000 100,000 80,000 フジャイラ 単位:人 60,000 UAE全体 UAEとフジャイラの人口推移 10,000,000 40,000 9,000,000 20,000 8,000,000 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 国民層は高い自然増を示す。さらにそ れを超える伸びで外国人労働者は1990 年代末に国民数を上回った。 7,000,000 6,000,000 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 13 フジャイラ首長家 現首長:Sh ハマド ビン・ムハンマド アッ・ シャルギー殿下 皇太子:Sh ムハンマド ビン・ハマド ビン・ム ハンマド アッ・シャルギー殿下 • アブダビ首長と1990年代末に協力関係構築。ドバイ 首長家と姻戚関係を強化。 • UAE全体開発の一環としてのインフラ整備。 • 石油基地としての開発について、首長家は積極的な 支援姿勢を示す。 14 7 2014/10/24 フジャイラ首長家 家系図 15 今後の展望 ・世界3大バンカーリング拠点の一つ ・アブダビ陸上マーバン原油の出荷ターミナル ・製油所設置 (取扱い石油製品の種類拡大) ・世界的トレーダーの進出による発展(貯蔵容量増、信用取引) ・イランの雪解けによるさらなる発展 ・付加価値ある陸上インフラ開発(海岸部数十kmのリゾート開発、 ドバイとの幹線道路、アラビア半島縦断鉄道との連結構想) ・国内の治安、政治的安定度は高い水準 ・将来的には海洋自然環境との共存も求められる。 16 8 2014/10/24 ご清聴ありがとうございました。 UAEで最初に建てられたアル・ビディヤ(ビダーヤ)モスク 17 9