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-1- 第1期第2回静岡市政策・施策外部評価委員会 会議録 1 日 時
第1期第2回静岡市政策・施策外部評価委員会 会議録 1 日 時 平成28年2月10日(水)14:45~17:00 2 場 所 静岡庁舎新館8階 市長公室 3 出 席 者 【委員】 関有一委員長、小櫻義明委員、石田徹委員、井上美千子委員、小谷順子委員 鈴木藤男委員、花井孝委員、牧田晃子委員 【行政】 田辺信宏市長 三宅総務局長、大長総務局次長、池田行政管理課長 山本企画局長、前田企画課長 〔事務局〕 増田行政管理課行革担当課長、窪田副主幹、兵庫主任主事 4 傍 聴 者 なし 5 会議内容 (1)審議の進め方について (2)第3次総合計画の概要について ・第3次総合計画について(市長より) ・分野1 観光・交流 ・分野2 農林水産 ・分野3 商工・物流 ・分野4 文化・スポーツ 関有一委員長:それでは、次第にそっていく。 まず、議事の(1)「審議の進め方について」事務局から説明願いたい。 ≪事務局説明≫ 関有一委員長:次に、次第の(2)「第3次総合計画の概要」について田辺市長からお話しいただく。 ≪市長説明≫ 関有一委員長:ただいまの市長の説明に対し、何かご意見・ご質問があれば伺いたい。 鈴木藤男委員: 魅力ある街づくりとあるが、静岡の一番の魅力を静岡市は自ら潰していると思う。 -1- 七間町と呉服町、御幸通りもあるが、青葉通りが静岡で一番魅力あるところだと思う。そこから まっすぐ行くと本当は富士山が見える。しかし、今は石垣も見えない。石垣や富士山が見えると いうのはとても魅力だと思っている。これだけの魅力のあるところはない。それを30年、40年前に 自ら潰してしまったために、今になって市民が変えるということはしないのではないか。そのた め、ほかのところから来た人に、静岡市がどうであるか魅力を抽出してもらう方がいいと思う。 小櫻義明委員:私の意見は市長に文書で差し上げている。 ポイントは、回廊地帯で通り過ぎるということであり、通り過ぎる人が降りたくなるような魅力は なにかということだ。通り過ぎる人は鳥の目であると思っている。ここに飛び降りたいと思う魅 力という点で富士山が見えるというのは通り過ぎる人にしたらすごい魅力であるが、住んでいる 人にとっては、風呂場や台所の窓を開けたら見えるものである。地元に住んでいる人の視点、虫 の目と鳥の目では評価軸が違う。今までは、外から人を呼び込もうと思わなかった。なぜなら、 人は放っておいても通るからである。日本全国では人が通らないところが圧倒的に多く、何とか 通ってほしいと思っているが、静岡の場合は何もしなくても通ってくれる。静岡の人というのは 地面に這いつくばって安穏に暮らしている。上から来た人には表面的な忠誠を誓っている。やは り、何とか人に来てもらおうという視点が今まで弱かったのではないか。 鈴木藤男委員:市長の再三のご発言は、流動人口を取り込むということでそこは重要なポイントだと 思っている。 また、小櫻先生が提案されたご隠居シティということについてである。昨今、ある意味、資本 主義の限界が来ているため、そこでどういう共生主義が発生していくかということになる。静岡 市は、こんなに住みやすいところはないと胸を張って言える場所だと思っている。退職金を持っ てきたら生産性がないということではなく、居心地が良くて流動人口が増えていくというのは、 まさに時を得ていると思っている。 市長:お二方の問題意識はまさに、この3次総合戦略を作る時の意識であり、最初は尖っていた政策 が徐々に落ち着いた政策になってしまうように見えているかもしれないが、定住人口を意識して 作った。冒頭の会議でも申したが、成果指標、総合戦略でいうとKPIという、いつまでにどの ような目標、成果を達成するかという指標をすべてに定めており、その中で、PDCAを回して いけるような作りこみになっている。そのあたりを着眼点にしていただき、効果があったかどう か、効果がなかったらどう改善をしていったらよいかご意見を伺えれば有り難い。 この行政評価は、まだ、どこの自治体も悪戦苦闘している。事務局ベースですべて追認をする行 政評価でも、マクロとミクロの視点のバランスを欠いて、ミクロの視点からとにかく追及をする ということでも生産的な行政評価にならないため、委員長のリーダーシップのもとオペレーショ ンしていただき生産的な委員会にしていただければ、一つのモデルになるのではないかと期待し ている。 関有一委員長:田辺市長については、公務の都合によりここで退席する。 続いて、第3次総合計画の各分野の説明に移る。 はじめに分野1「観光・交流」について、企画課から説明願いたい。 ≪企画課説明≫ 関有一委員長:ただいまの説明に対し、ご意見、ご質問があれば伺いたい。 -2- 小谷順子委員:仮に、我々の仕事が個別の施策についての妥当性を判断するのであればそれでいいの だが、全体的に判断するのであればピンポイントで駄目だと言いづらい。限られた人間と限られ た予算の中で、これをやることによって何か消えていくものや縮小されていくものがあれば、そ れとの対比を考えていかなければならないと思う。何をポイントに考えていけばいいのか。 事務局:3次総の策定作業の中で、事業の優先や取捨選択がある。 企画課長:今掲載されているのは政策・施策レベルで、その下に事業が並んでいるような作りになっ ている。実際の細かな事業はピンクの実施計画に掲載しており、これが最小単位の事業になる。 その事業以外にもいいものがあれば変えればいいし、毎年、毎年見直しを行う。もっと良い方法 を模索して、目標に対してインパクトがない、狙ったとおりの成果がないということであれば変 えていく。 鈴木藤男委員:大きなことが欠けていると思う。政策1、施策1の「しずまえ」と、政策4、施策3 の「清水港ウォーターフロント」であるが、国道52号の中部横断道路の開通を控えて、山梨と長野 の交流や、山国と海国との交流はとても重要な交流人口の集約だと思う。これは売りになると思 うが、最初から欠けていたがもう遅いのか。 企画課長:中部横断自動車道の大きなインフラ整備については掲載しているが観光の分野に入ってい ない。 鈴木藤男委員:物流より観光の方が重要だと思う。物流はこれから衰退していくものだと思っている。 人が移動するということが重要で、静岡市政としてはそのようなことに目を向けていることが大 切なのではないか。 企画課長:総合計画は議決を受けているため、ご意見としては受け止める。 小櫻義明委員:中央横断自動車道は昔から議論されてきている。国の5省庁連携で、西関東地域連携 軸というものがあり、その時にすでに高速道路を作るというのは難しいということであった。そ の中で、富士・伊豆が入っている。中部横断と言ったらスタートは清水ではないか、なぜ他の地 域を入れたかというと、実は国際観光を睨んで富士と伊豆は欠かせないということである。西関 東地域連携軸で群馬から山梨、長野、静岡と流れてきている。その時は飛び地連携という言葉を 国が使い、道路を単に広げるというのではなく、点と点をどう結んで人を入れていくかという時 代になってきている。観光で見れば富士と伊豆は圧倒的であると思う。 花井孝委員:中部横断自動車道はもともと観光という視点もあったが本来は物流である。つまり、環 日本海構想の中でソ連と上越までを結んでいこうということである。再来年開通するが、当時は、 沿線13市、55町村、68の地方自治体があった。沿線影響住民というのは、450万人で非常に大きな マスマーケットである。当時、清水では清水の客になるであろうと思って進めてきた。しかし、45 年経つと清水の客ではない。リニアが通れば国土軸が変わる。そうすると、静岡県が今の御前崎 のように誰も通らなくなり、五十三次からも外れることになる。しかし、再来年開通するのにも 関わらず、静岡市の対策対応を聞いたことがない。オリンピックは4年先でも騒いでいるが、静 岡市としては中部横断自動車道の対応戦略を打ち上げてもいい頃ではないかと思う。 小櫻義明委員:持論として、観光交流というのをトップに持ってきているが、しかし静岡市は昔から 観光地ではなかった。30年前に青年会議所のOBと静岡市が人の集まる街づくり委員会を立ち上げ、 その時の議論で、人を集める町ではなく人の集まる街にするということになった。観光地は何と か人を集めようとしていて外から客がたくさん来るが、そこに住む人は住みにくい。県で実施し た暮らしの満足度調査でも観光地は一番低い。 -3- 静岡市というのは、そこに住んでいる人が楽しく暮らしていて、外から来た人がそこに座らし てほしいと思う町であり、旅行もそういうツーリズムとして人が来ている。観光交流という時に、 単に観光地で人に集めようとするのではなく、静岡の魅力というのは、そこに住んでいる人の暮 らしが一番幸せであることが大切である。具体的になってくるとほかの観光地と同じように、人 を集めるという事業が並んでくる。そこに違和感がある。 鈴木藤男委員:静岡市と県庁はよくない。県庁は特にいけない。結局、県庁と市役所の職員が一番い い富士山を見ている。住んでいる人が心地よく、そこにお邪魔して素敵だねと思われるような街 づくりが必要だ。 小櫻義明委員:静岡県内では富士山が見えるところはどこにでもある。見る角度によっていろいろ違 う。将来、富士山が噴火した時に、噴火した富士を見ることができるのはこちらである。富士山 噴火が始まった時を見越して、どこで見させるかということまで考えてもいいのではないか。 鈴木藤男委員:昔、弥勒橋を渡るとずっと市内から富士山が見えていた。 小谷順子委員:何が我々に求められているのか確認をしたい。中部横断自動車道の件は、議決された ものであるということになった。個別の事業に関しては、事業なのでここには出てきてないとい われたが、どこにコメントすればいいのか。 事務局:皆様は、政策・施策の外部評価委員ということで、本市の施策について客観的な目で評価し ていただきたい。今やっているのは、すでに本市が紆余曲折を経て策定済みの総合計画の内容を 知っていただくことをメインとしている。策定そのものがどうかということより、策定した計画 を理解していただく。そして、その実行状況を今後、評価いただくということである。 企画課長:今日はオリエンテーションをしている状況である。政策・施策評価というのは10個分野が あるので、そこに至った話はここに書いていないこともあるので、この考えてやっているという 説明を聞いていただく。実際には、来年度になってから中身についての議論をしていただく。 石田徹委員:そうすると来年度になったら事業計画の中身に入っていくというか。 事務局:10分野の中から、来年度、各分野の施策を抽出する。例えば、47、48ページでは、今年度ス タートした総合計画の政策としての成果が1年では出ないので、来年度は施策のみ、この中から 1つを委員の方にピックアップしていただいて、評価をしていただくというイメージである。 石田徹委員:施策を選んで討議するのではなく、事業計画の中身を全て評価するのか。 事務局:その中に主要事業があるので、それを評価していただく。 石田徹委員:その事業を計画した内容を見るのか、実際やったことを見るのか。 事務局:事業そのものは役所で作っているので、実際に効果があったのか見ていただく。 石田徹委員:私たちは市民なので、魅力ある静岡市になってほしいと思う。施策の計画書をきちんと 作成していただきたい。会社を運営していると、会社が良くなるかどうかは計画で決まる。やる ことは当たり前である。やったことについてどうだったかということになる。 事務局:作っても効果がなかったということもあり得るので、委員の皆さまには検証をお願いしてい ただく。それが次に計画を作る時に反映させ、PDCAサイクルを回していきたい。 石田徹委員:Aで修正をかけるとか、関与していいということか。 事務局:その点の意見をいただきたい。 石田徹委員:以前、ローマ法王にコメを食わした男という本を読んだ。これは石川県羽咋市という人 口2万3千人の中の1職員がやったことであるが、考え方や施策が優れていて、人々を豊かにす る。今回は我々はどの役割か疑問に思った。 -4- 小櫻義明委員:私は、施策事業として行革や仕分けもやっているし、個々の事業についてチェックす ることもやってきたが、それだけやっていると全体が見えてこない。はじめに施策と事業の目的 と数値だけでない評価の基軸があるので、そのため事前に大雑把な議論をして、その後、個別の 具体的な事業に入っていって、その中でこの事業は何を目的にしていて合致しているのが議論す ればいい。 花井孝委員:今は大雑把な部分である。 関有一委員長:前回も気になったが、14の施策の中から一つだけ選ぶことは難しい。大雑把な議論 の中で、問題のあるものをピックアップしていくという流れではないか。 ここで暫時、休憩とする。 《休 憩》 関有一委員長:それでは再開する。次に「分野3 農林水産」について、企画課から説明願いたい。 ≪企画課説明≫ 関有一委員長:ただいまの説明に対し、ご意見、ご質問があれば伺いたい。 鈴木藤男委員:総合計画の冊子を読むと、林業について全く理解していないと思う。机の上で実態を 知らないで議論をしているとしか思えない。 実は父親が林業家である。戦後焼け野原になってその後、材木が非常に売れた。それも昭和39年 までで、その後は林業をやっている人は食べていけなかった。しかし、その当時に欲をかいて、 切ることを考えず山の頂上まで全部を植林してしまった。そのおかげで今、山がとても荒れてい る。勿論、間伐もできない。特に静岡の山は急峻であるためだ。そして、獣害が起こっている。 要するに、これからは間伐をして、バイオマスをする。バイオマス発電により産業構造を吸収で きる。後は放っておいて山頂の方は雑木林ができるのを待ち、下の方は、水量が豊富であるから 育つ。そのような認識をしないで林業のことを書いている。また、そばの件は既にやっている。 清水の庵原の方はみかんを再構築している。以前、静岡はみかんを諦めてくれということで、 農家はみかんを伐採した。その時、一本につき30万の補償が出た。その時、みかん農家はとても潤 った。そして、みかんは愛媛と和歌山に移っていった。それをまたここでやろうとしている。地 理的条件から考えるとみかんは海産物である。海から何キロ圏内の場所にしかできない。みかん は清水の場合にはとてもいいと思うが、本当にやる気があるのか気になっている。 石田徹委員:私は工業だが農業部門も持っており、林を4万坪ぐらい持っている。従業者の減少と高 齢化いうことだが、農業や林業でご飯が食べられないのでやめていくのである。最初は、農業に おいて農薬を使用するというのが非常に嫌だった。 自分が小さい時は、トンボやドジョウがたくさんいたが、静岡市内を調べてもめだか一匹いな い。それは、日本の自然を壊しているということだ。そして、我々の子孫が不幸、不健康になっ ていくということであり、何とか変えられないかと参入したが、事業として成功しなければなら ないとしたら、工業と同じで差別化が必要である。 お客さんが買いたいと思うものを作っていく。トマトであれば糖度10度以上、イチゴであれば糖 度13度以上で1年中作れる。無農薬で栽培をするということは、農薬、合成化学肥料や除草剤を使 -5- わず、完全に自然栽培を目指していくということである。それにより付加価値は高くなり、味も よく1.5倍の価格でも売れるだろう。おいしいものを作るには品種改良をしなければならない。今 のままではだめである。県の研究所を誘致とか、DNAの鑑定をできる人を採用して、どうすれ ば自然栽培で早くできるか研究している。付加価値をつけて飯が食えるようにしなければならな い。 林業を変えれば害獣を変えられるというのがある。日本のどこに行ってもスギとヒノキが多い。 山に入ると土が多く草がない。落ち葉が溜まっていくと保水になり利水になり川が豊かになる。 北海道の漁師が山に行き、まず木を植えるというのは、魚を取るためには山を豊かにしなければ ならないからである。植物プランクトンと動物プランクトンが必要になるからだ。 そのため、杉の木を植えたというのは国策ではないのか。 鈴木藤男委員:国策ではなく欲をかいた。 石田徹委員:杉の木を落葉樹に変えたら、動物は椎の実を食べるので人間が住む場所には出てこなく なる。それと川が豊かになり海が豊かになりおいしいものが食べられる。以前、ロサンゼルスに 住んでいたが、そこでサバを釣り日本人の駐在員の人に配ったら、こんなにまずいサバは食べた ことがないと言われた。ロサンゼルスは砂漠だからだ。木がなく植物プランクトンや動物プラン クトンがないため、海が貧しくて魚を食べてもおいしくない。日本は7割森林であるからおいし い魚が絶対食べられる。もし、杉の木を落葉樹に変えたらすごく豊かになる。バイオマスという のはすごい。要するに、洋材でないと安くないから洋材でやっているが、昔は洋材を輸入して加 工していたが、それもやめてアジアやカナダで加工しているからこの辺の鉄鋼メーカーが潰れて いる。杉の木を持ち出したら赤字になるが、今はバイオマスで高く買ってくれるのでいいチャン スである。一千坪やれば一千万損する。今は補助金が出ているから大した負担ではないが、今、 自分の保有しているものを全て落葉樹にしようと森林組合と一緒に行っている。儲かるようにす るようにしてやらなければならない。材木も儲かり農業も儲かるということにならないと誰もや らない。 自然が好きだから、落葉樹があれば、鳥が来て、虫が来る。鳥の声が聞こえるところにしたい。 小谷順子委員:今の話を伺うと、政策2、施策1の「次代を担うビジネス感覚豊かで多様な担い手の 育成と確保」あたりが注目すべきなのか。 石田徹委員:そこは政策のあたりから根本的に考えていかなければならない。損をするから手を出さ ない。 小櫻義明委員:以前、掛川市長が、紅葉のきれいな村は貧しい村だと言っていた。要するに、食べる ために一生懸命植林をした。時代の変化もあり、スギやヒノキを植えることがその当時の最先端 のビジネスであったが、時代が変わりついていけなくなった。実際、原生林を切って未だにスギ やヒノキを植林している人がいる。地元の山を持っている人は地元には非常に少なく、大部分が 町中に住んでおり、時々に山に行くだけである。 林業と森林産業は違い、山を守るのと林業を守るのも違う。山というのは木を植えて育てる以 外にも利用の仕方によって飯が食えるようになる。そういう発想はなくて、ひたすら木を植えて、 昔は枝から全部取っていたが、今は大きな材木だけ持ってくる。昔は、トラック車2台分の材木 を市内で売れば、静岡市内に家が一軒建てられた。そういう時代を経験していたが、今は見る影 もない。 鈴木藤男委員:その後は、持ち主が東京に住んでいて相続した山があるというだけ。静岡市の森林資 -6- 産のかなりの部分が東京保有になってきている。この傾向はさらに進むと思う。 小櫻義明委員:ただ天竜は天竜林業をやっているが、静岡の大井川や安倍川寄りはだめだ。 花井孝委員:だめだというと政策・施策がなくなってしまう。 小櫻義明委員:全般的な静岡市の農林水産に限って言うと、「しずまえ」や「オクシズ」という言葉 を使うことに非常に違和感がある。 花井孝委員:抽象的な言葉であるほど責任回避できる。 小櫻義明委員:静岡のイメージは海産物であり、清水という地名も非常によく知られている。奥にし ても、大井川の奥の井川、安倍川の奥と興津川の奥と全部違う。それを「オクシズ」と一括りにす るのは行政的には便利かもしれないが、それ以前に持っていた静岡の多彩な産地の魅力が全部消え てしまう。 企画課長:提言していただいても構わない。 花井孝委員:「しずまえ」、「オクシズ」はあまりポピュラーではない。 小櫻義明委員:清水のマグロと寿司はおいしそうだが、静岡というと浮かぶイメージは「おでん」く らいである。 花井孝委員:もともと静岡には漁師市場がない。あるのは由比町ぐらいである。「しずまえ」の魚の イメージは、「桜エビ」や「しらす」であるが拠点的である。そう簡単に「しずまえ」で魚が上が っているかというと上がっていない。「マグロ」や「カツオ」は水揚げ量で行くと日本で1番2番 であるが。 小櫻義明委員:静岡というのは地域の中で違う個性があり、全国的に知られているのに、活かそうと せず、まとめてしまおうとしている。 そして、対応が遅い。ホビーに関して、田宮模型が絶頂期の頃に、田宮模型の研究所を掛川に持 っていかれた。サーキット場がありテレビで中継もしていたにも関わらず、それをさらに静岡で売 り出さないのかと聞いても反応がなかった。後になり急にホビーのまちと出てきたが、今頃出てき てもどうなのか。 花井孝委員:バンダイもガンダムができてから、ウェルカムバンダイを始めた。 小櫻義明委員:どうも後手で終わってきている。もう少し発想を転換してほしい。 一番言いたいのはお茶である。静岡というと皆が「お茶」だという。しかし、静岡市の総合計画 で「お茶」がメインになってきたことがない。静岡市が「お茶」を取り組み始めた時、委員会発足 の時に4人のうちの3人が配置転換で外に異動してしまった。「お茶」がテーマになり、シティプ ロモーションとして東京で調査をしたら、静岡は「お茶」という結果になった。そして、議会で 「お茶」条例が可決されて一段落したら、元の同じような計画に戻った。農林水産であっても、静 岡はやはり「お茶」である。「お茶」をメインに人を集めるようにしたらどうか。 鈴木藤男委員:「お茶」には問題がある。昭和30年代か20年代後半に「やぶきた」という「お茶」が 出た。これを、農水省が鹿児島に持って行った。その時に、静岡のお茶屋さんがこんな枝が高く売 れると喜んで大量に出荷した。おそらく生産量は鹿児島に抜かれるだろう。「早い」「広い」「平 ら」という鹿児島の土地に敵わないからだ。 花井孝委員:鹿児島には平成35年には抜かれるだろう。 小櫻義明委員:静岡には「わさび」がある。有東木の「わさび」は東京では高値で売れるから、地元 の民宿で有東木の「わさび」を使った料理を出したらわさび農家に怒られた。地元で使うと値段が 下がると考えているからである。その後、「わさび」の値段が下がり、さらに売らなければならな -7- いという時になって有東木の人の目の色が変わった。当時の伊豆では、「わさび」を擦って焼酎に 入れて、「わさび焼酎」にすれば美味しいし悪酔いしないという飲み方があった。なので、その時 に「わさび」を新しく植えた人に、静岡の飲み屋で「わさび焼酎」をメニューの中に入れてもらい、 小さい生わさびを配っていけばいいとアドバイスしたが、何年か経ち進捗を聞いたが行っていない とのことだった。困ったと言うが何とかしようという努力をしない。 花井孝委員:平成22年まで静岡市の「わさび」の生産量は日本一だったが、長野に抜かれた。 小櫻義明委員:やることがわかっているのに、なぜやらないのかと思う。 井上美千子委員:考え方を教えていただきたいが、分野1と分野2でぶら下がっている事業が重複し ているものがあるがその違いは何か。 企画課長:再掲ということ。同じ事業を見方によって変えている。 井上美千子委員:同じ事業を違う施策で行う可能性もあるが、管轄は同じ部署でやるということか。 企画課長:そのとおり。 関有一委員長:次に「分野3 商工・物流」について、企画課から説明願いたい。 ≪企画課説明≫ 関有一委員長:ただいまの説明に対し、ご意見、ご質問があれば伺いたい。 鈴木藤男委員:静岡は平地が少ないためコストが高いと誰でも言う。そのため、たくさん土地が必要 な産業は誘致し難いため、したがって商業とかサービス業が中心になる。高いからということに疑 問があり、安くするのは無茶な話であるが、高層化することで収容能力を拡大に上げることができ るのではないのか。そのためには特区という市の権限で作るべきであると思う。 小櫻義明委員:静岡地域学というので、静岡県史を読み通すと静岡県の中で静岡市だけがきわめて異 質である。要するに、清水区は工業都市だが、静岡市の特徴は商業を中心としていることである。 戦前、ほかの地域では政友会が圧倒的だったが、静岡では民友党が支配権を握ったため絶えず周辺 と軋轢があった歴史がある。農業の中から工業が出てきてモノづくり県として発展してきたが、静 岡市はあくまでも商業中心である。 全国の地方都市で中心商店外が衰退をしていく中で、静岡だけが政令指定都市の中でも、中心市 街地が活性化しており、逆に清水は衰退化している。静岡市の産業を主に担ってきた商業と、清水 の産業を担ってきたものとはかなり性格が違う。それが全て一つになっているため、外から見ると 特徴がない。もう少し清水という地名を復活させて、清水港周辺など、清水の特性を生かした産業 振興と静岡市の商業中心の特性を生かした産業振興が必要である。 新東名周辺のサービスエリアに、遠くから人を呼び込んで何かできないかと考えNEXCO中日 本の本社に行って話をしてきた。新事業開発部の担当が出てきたが、同じことを考えていた。しか し、静岡市からの働き掛けはほとんどない。一社一村協定を結んできて、今でもNEXCO中日本 の社員500人が水見色に入ってきて色んな事をやっている。しかし、なぜそこから人を出して呼び込 まないのか。上から持ち込まれたものに当惑していて、何をしたらいいのかわからないというのが 地元の考えである。静岡も何かしたいと、コンサルに1,500万円出して報告書を作らせた。しかし、 その報告書は市長にも届いていない。地元の南側の町内会長から、オープンにしないでほしいとい うクレームが来て、1,500万円の報告書が全然日の目を見ないままである。 当時、道路公団に話に行ったら、これは開放型でできるだけ地元の産品を入れて地域の特性を出 -8- したいが静岡市から提案がないと言っていた。市に聞くと地元で揉めているとの回答があった。そ のような静岡市の特性をどう打破するのか、もう少し踏み込んでもらいたい。 石田徹委員:農業に関してもだが普通では商売できない。差別化が必要で、無力あるもの、食べたい と思うものを作っていかなければならない。例えば、清水港は神戸や横浜と比べてどのような差別 化ができているのか。駿河湾の奥にあり、距離的に油を使うのならもったいないと思う。基本的に 何か案があるのか。航路を増やすといっているが。 企画課長:航路は難しいが、客船については実際増えるようになった。寄港後、アンケートを取るの だが、手厚く歓迎するということが意外と好評であった。 花井孝委員:客船誘致もまったく行政がやってきたものではなく、アオキトランスなどが中心になり 民間がやってきたものである。確かに、富士山が観光資源になっているが、清水港に寄港すること はすることになる。入港するよりは、名古屋から早めに横浜に行った方がいいということになる。 旧運輸省時代、清水港は完全に物流の優位性をなくしたという判断をした。それで、時間短縮を図 ろうと、ジェットホイルの水中翼船を県が造った。これから中部横断自動車道ができればかなりの 優位性が出てくる。それは日本海の物流を最短距離で運べるためである。そして清水港との連動が できる。ロシアへ行き、中部横断道自動車道経由がカリフォルニアに一番近い経路だとアピールで きる。視点を変えれば、カリフォルニア、ロサンゼルスへの最短距離だといえる。 石田徹委員:商売をやると経済性を考えなければならない。例えば、経済性があるかどうか、根本的 な戦略ができているのか。清水港の根本はこれでいけるというものがないといけない。それから、 新市場、新製品・新技術開発のために人を呼び込みたいとあるが具体的に何をどうするのか。清水 では、木材産業、造船、缶詰も衰えてきている。日立の清水事業所には、ジョンソンアンドコント ロールズというアメリカの会社の資本が51%も入っていて、実質的に日立ではなくなってきている。 花井孝委員:そこには商店街も加えられる。 石田徹委員:何か新しいものを作り、人が逃げないものを作らないといけない。 小櫻義明委員:清水の特徴は、港と町が繋がっていることである。港の物流機能を拡大しようとして も、今日の物流は巨大化してきているので清水では対応できない。中途半端に埋め立てて港の機能 を拡大すると、港町本来の良さをなくしてしまう。ウォーターフロントということで海辺のあたり に手を加えてきているが、駅を挟んだ港町には人が来ない。物流ということにこだわり続けるのか、 観光客を誘致して港町を楽しんでもらうのか、明確にしなければならない。 鈴木藤男委員:流通についてだが、JRのほかにライバルがないのは東海道では静岡だけである。競 争相手がないため、JR東海は静岡県の意見を聞かない。それらを踏まえて流通を考えなければな らない。 小谷順子委員:民間に委ねられるものも交じっていると思うが、清水港で市の部分であるところはど うなっているのか。 企画課長:港は県である。 花井孝委員:市が管理できるのはウォーターフロントに向かった内陸側であり、水面、岸壁、港湾施 設ではない。都市計画やそれに対応するまちづくりは静岡市が対応している。 小谷順子委員:民間でできそうでも市でやらなければならないのはどうなのか。 花井孝委員:PDCAのDの中で一番欠けている視点が、どこの誰がいつまでにどのように実施する のか言及されていないことであり、その結果、誰がどれほど儲かるのかという想定も必要である。 行政として言及しにくいところかもしれないが。 -9- 石田徹委員:清水港の整備とあるが、整備してどうするのか。現在、船は入っていない。戦略がしっ かりとしていて、何が儲かるか明確であれば魅力的になるが漠然とし過ぎている。 花井孝委員:清水港については具体的な言及が難しい。中部横断道対応型に言及して、もっと活発に するというのが一般論である。 関有一委員長:そのほか、特になければ議事については、これで終了する。次回の日程等について事 務局より説明願いたい。 事務局:評価方法について、質問があったが詳細は年度当初に説明させていただく。基本的には、施 策推進ために、構成している主要事業等の成果があるのか、妥当であるかなどを評価いただき、 それらの意見を総合計画に反映させていただくことになる。 《事務局日程説明》 関有一委員長:そのほか、特になければ、本日の議事はこれで終了する。 署名 静岡市政策・施策外部評価委員会 委員長 関 有 一 -10-