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すばるVol.21 - 広島市こども文化科学館
研究紀要 すばる Vol.21 広島市こども文化科学館 「金環日食」と「金星の太陽面通過」が おもな出来事でした! 2012年の出来事は、“金環日食”と“金星の太陽面通過”という大きな天文 現象が起こりましたが、どちらも滞りなく見ることができ、幸せな年でした。こ の紙面に再現してみましょう。 ☆ 2012年5月21日に見られた「金環日食」(高知・室戸岬にて) ☆ 2012年6月6日に見られた「金星の太陽面通過」(広島市内) ☽ 水星の太陽面通過と、金星のそれを比べてみたら 2006年に見られた水星の太陽面通過(右)と今 回の金星です(左)。太陽面の水星は上の点 (矢印)で下に写っているのは太陽黒点です。 地球から水星や金星までの距離の違いはありま すが、多少は惑星の大きさの違いも実感できま す。 「ピョン太の一押し展示でサイエンス」 ハイパースタジアム( virtual reality system ) 1 展示の目的 大画面に向かってゲームに参加できる。自分の画像と,コンピュータが作り出したバー チャル画像を合成(クロマキー)して仮想空間(バーチャルリアリティー)を体験して もらいます。 2 原理 ステージに立つと正面のカメラで プレーヤーを撮影します(右の図① ① ② の画像) 。 その画像をコンピュータに取り込み, プレーヤーの背景の青い部分をコン ピュータが画像処理を行い消し去り ます。 次に,コンピュータで作りだした ③ 仮想空間(右の図②の画像)に①の 画像を張り付けると③の画像になり ます。最後に大型モニタに映し出し ているというわけです。 また,正面のモニタでプレーヤーの動きをモーションキャプチャーでデジタル化し, マウスの代わりに,コンピュータを自分で操作できるようになっています。 体全体を使って,楽しめるゲームなので, 是非,やってみてください。 おうちで創作「スノコで DIY」 おうちで科学工作「CD ホバークラフト」 【準備物】スノコ2枚 まな板3枚 【用具】くぎ8~12本 木工ボンド 金づち 【準備物】 ・CD(使用済み)1枚 ・ペットボトル(飲み口の部分)1個 (フタ)1個 ・ふうせん1個 【用具】ニードル,両面テープ 1 サイズを考えよう。 ホバークラフトは空 気の力を上手に利用 した乗り物です。 空気を下に吹き出す ことで浮上して,すべ るように走ります。 作ったら,平らな床な どですべらせて遊ぼ う! まず,どれくらいの棚(箱)を作るか想像してくださ い。そのサイズに合わせてスノコを選んでいきます。 今回は 100 円ショップで売られている,スノコを利用 して,小物を置ける棚を作ってみたいと思います。 2 1 ペットボトルのフタに両面テープを貼り,穴をあ ける。 組み立ててみよう。 注意 ニードルを使うときはケガをしないよう に気をつけよう!! 2 作ったフタを,CDの中心に貼りつける。CDは キラキラした面を上にする。 スノコと底板となるまな板を,木工ボンドと釘で 2 か 所止めます。続いて天板となるまな板を同じようにく ぎで 2 か所止めます。 3 ペットボトルの飲み口に風船をつける。飲み口の 段差に風船がぬけないように引っかける。 3 完成 後は,反対側をくぎ 2 本づつ使って,止めたら完成。 (三枚目のまな板は棚を取り外しができるように止 めなくても構い ません。 ) 注意 大きいも のを作ったり,重 たいものを載せ る場合には L 型金 具か背板を付け て,必ず補強をし よう。 4 風船をふくらませて,CDに取り付けたフタに ねじ込んだら完成!! おうちでできるサイエンスショー 「アントシアニン水溶液を七色に変えてみよう」 【用意するもの】 ① 果汁 100%のブドウジュースを2倍程度に薄めたもの、またはマローブルーティーや 紫キャベツを弱火で 煮出して作ったアントシアニン水溶液 ② アルカリ性の水溶液(石けん水、ハンドソープ、重曹の水溶液など) ③ 酸性の水溶液(レモン汁、食酢、クエン酸など) ④ 透明のガラスコップ 【実験する手順】 ① ガラスコップにアントシアニン水溶液を約 20 ml 入れます。 ② 石けん水、ハンドソープ、重曹の水溶液、レモン水、食酢、クエン酸などを少しずつ入れて色の変化を観 察します。 ③ アルカリ性の水溶液を入れると青色、酸性の水溶液を入れると赤色に変化することが分かります。 用意するもの 七色に変化した様子 おうちで工作「くねくねヘビ」 用意するもの:牛乳パック(2個)/色紙(赤) はさみ/セロハンテープ/ステープラー/木工用ボンド/油性マジック ① 牛乳パックの上部を開き、底を取りのぞく。 ② 底側から3cm間隔で切り取り用の補助線を入れる【写真1】。 ③ 牛乳パックを補助線に沿って切り、輪切り状のパーツを12個作る 【写真2】。 【写真1】 【写真2】 ④ 目を描き入れるパーツを牛乳パックから切りだす。 ⑤ ③のパーツの一辺が接するように並べてセロテープでとめてつなげる。 【図1】 【図1】。それを12個すべてつなげる【写真3】。 ⑥ ③の片側の端一辺の中心を折って三角形を作り、へびの尾を作る【図2】。 ⑦ ③の反対側の端一辺の中心をギザギザに切り、へびの口を作る。 【写真3】 【図2】 ⑧ ④に目を描き入れ、周りを切り落とす【図3】。 ⑧ 目を⑦の内側からあて、ステープラーでとめる。 ⑨ 口に赤い色紙をはり、舌を作って完成。 《あそびかた》 ヘビのしっぽを持って左右にふってみよう!ヘビがくねくね動くよ♪ ラー/木工用ボンド/油性マジック 【図3】 は じ め に 広島市こども文化科学館の平成 24 年(2012 年)度の事業をまとめた「すばる」 21 号を発刊することができました。この一年間, 当館をご支援いただいた皆様 に心より感謝申し上げます。 昭和 55 年(1980 年)5 月に“おどろき・夢・ロマン”をテーマに開館して以来 34 年, 広島市こども文化科学館は, 広島市民をはじめ, 多くの関係者のご支援 を得て,広島の「こどもの文化と科学」を支えてまいりました。そして,その 歴史の上に新たな一ページを加えることができましたことを, 職員一同, 心よ り喜んでおります。 平成 24 年には旧広島市民球場も解体され, 平成 25 年春には跡地で全国菓子 博覧会が開催されるなど, 館を取り巻く環境も大きく変貌しております。 年間入館者数 47 万人を自負する本館も, 今後の発展のためには, 学校教育と 社会教育という二本の柱が, さらに, 相互に補完しあう状況が必要です。生涯学 習の観点からも, 社会教育施設の更なる充実発展が急務となっており, 諸施設 の老朽化対策も重要です。このような諸課題解決について今後, 職員と協力し, 努力していく所存です。 お世話になった多くの皆さま方へ感謝申し上げるとともに,今後も当館の活 動に,ご支援・ご協力を賜りますよう,心からお願いして, 発刊のご挨拶といた します。 館長 幾田 擁明 も く じ Ⅰ 教室事業 科学教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・01 創作教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・06 ワークショップ「たのしい工作室」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 サイエンスショー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 大人の科学談話室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 Ⅱ プラネタリウム・天文普及事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 Ⅲ クラブ活動 プラネタリウムクラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 アマチュア無線クラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 発明クラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 スーパーサイエンスミュージアム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 Ⅳ ホール事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 Ⅴ 企画展 夏休みこどもスペシャル“時間旅行展 TIME!TIME!TIME!” ・・・・・・・・・・・・・・・・46 青少年のための科学の祭典 第18回広島大会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48 ミニ企画展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 Ⅵ 外部との連携 学校等の連携(貸し出し事業、科学研究相談室・科学なんでも相談室、デリバリー事業)・・・52 共催事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55 市民企画型事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 Ⅶ 人材の育成 博物館実習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 ユース・サイエンスボランティア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58 Ⅷ 研究・報告等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 Ⅸ 平成24年度事業のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 決めてその地域に咲いているタンポポを調べた。穏や かな天候に恵まれ,参加者は快適な様子で活動した。 た だ,今年は寒冬だったためタンポポの咲いている数が 少なかった。 Ⅰ 教室事業 科学教室 矢野宏和・池本和弘 飛行の科学① ~スチレンペーパーグライダー~ スチレンペーパーとヒノキ棒を使って本格的なグラ イダーを作り,調整をし て飛ばした。手作りの風 洞装置を用いた揚力につ いての実験などを通して 主翼,尾翼の役割が科学 的に説明されていた。 海の生き物と友達になろう ~元宇品海岸の生き物調査~ 海岸の動物と海藻の観 察を行った。海岸動植物 に精通した 2 人の講師に 引率されながら,子ども 達は熱心に生き物を採集 し,講師に名前や生態な どを質問していた。資料は「元宇品自然観察マップ(広 島生きた自然博物館編) 」 を使用した。 干潮時間 (16:00) にあわせるために 13:00 からの講座となった。 1 事業の目的 (1) こどもたちの科学に関する興味・関心を高め, 身近な現象について科学的に考えることができる ようにする。 (2) 単に講義を聞くだけではなく,実験やもの作り などを通して,科学の不思議や楽しさを感じられる ようにする。 (3)館内の講座での経験をその場で終わらせるので はなく,日頃の生活の中に活かしたり自由研究など に取り組んだりしようとする意欲を高める。 おっとびっくり音の科学 音は空気の振動によっ て伝わるということを, 糸電話や風船電話,エ コーマイクなどを作り, 音を出しながら体感した。 気づきや疑問を各自が書き込めるようにテキストが工 夫されており,好評であった。 2 募集・参加形態 (1) 対象 広島市及び近郊に住む小学生から中学生。 (小学 1~4 年は,保護者同伴) 往復はがきでの申し込み受付 (2) 人数 原則16人(内容や場所により変更する) 定員を超えた場合には,抽選により決定する。 (3) 実施場所 広島市こども文化科学館 3階 実習室 野外観察の場合は,広島城周辺・元宇品海岸・二葉 山など現地集合・解散 未知との遭遇 ~ミクロ生物の世界~ 一人一台の顕微鏡で,広 島湾の微生物を観察し,歓 声をあげていた。そのほか プラスチック粘土を利用し, 微生物モデルを製作した。 3 実施内容 タンポポ大捜査線 ~広島城周辺のタンポポ マップを作ろう~ 広島城の二の丸表御門に 集合し,在来と外来のタン ポポの見分け方を説明した 後,広島城内でポイントを 湿度って何? 新規題材である。空気中 の水蒸気量や湿度などテー マとし,簡単な実験をやり ながら説明をした。また, 塩化コバルト紙を利用して 簡単な湿度計を製作した。 -1- ロボットカーのプログラミング 新規題材である。内容が盛りだくさんのため,参加 者が理解できるか心配であったが,講師の事前準備が しっかりしていたこともあり,問題はなかった。全員 が思い通りにロボットカーを動かせるようになってい た。 を行った。今回は,アサリ・マテ貝・シジミ・サザエ・ ムール貝・ハマグリ・ツ ブ貝を用意し,それらを 使って身の取り出し方や 標本の仕方などを実習し た。 シャボン玉名人になろう 新規題材である。家庭で簡 単に手に入る材料を利用し, 大きく割れにくいシャボン玉 の作り方を学んだ。 また, シャ ボン玉のできる原理も詳しく 説明した。最後に大きなシャボン玉を屋外で作った。 紫キャベツで色水あそび 卵の空きパックに紫 キャベツの汁を入れ,そ の中にいろいろな水溶液 を入れて色の変化を調べ た。子どもたちは自分で ピペットを操作し上手に 実験していた。水溶液は家庭に身近にあるレモン水・ 酢・重曹水・石けん水・ホウ酸水などを用意した。紫 キャベツの汁などを持ち帰らせることにより,家庭で も,いろいろな水溶液について自主的に調べてみるこ とができるようにした。 化石の世界とレプリカ作り 型取り剤と石膏を使って レプリカ(アンモナイト) を作製した。 工作の前後に, 地球の歴史と化石について の解説をした。多くの化石 を持ち込み,実物を提示し ながらの説明であったため,興味深く話を聞くことが 出来た。 忍者アメンボのヒミツ 生きたアメンボを観察 しながらその生態につい て学習した。アメンボが 水面に浮く様子や尾をす る様子, 飛び立つ瞬間 (V TR)などを間近に見ることができ興味深かった。後 半は,なぜアメンボが水面を歩くことができるかにつ いて,様々な表面張力の実験を行いながら考えた。環 境保全についてアメンボの生態とともに考えて,講座 のまとめとした。 洗濯を科学する 新規題材である。いろいろ な材料を洗剤として利用し, 洗濯を行なった。比較するこ とによって,洗濯の奥深さを 感じることができた。また, 洗濯の歴史を理解することも できた。 電子工作② ~ペットボトルで手作りラジオ~ ゲルマニウムダイオー ドを使用して最もシンプ ルなラジオを作った。電 波や交流と直流の仕組み やラジオで番組を聴くこ とができる仕組みについ ての説明を聞いた後,ラジオを 組み立て,屋上からアンテナを 伸ばして受信した。最初は聞こ えなかった子どもも講師と一緒 に調整をし,全員が放送を受信 することができた。 飛行の科学② ~円盤飛行機~ 飛ぶものを考えるシリーズ の 2 回目である。発泡スチ ロール板とヒノキ棒を組み合 わせてプロペラ飛行機を製作 した。講師があらかじめ製作 の要となる部品をくんでいた こともあり,子どもたちは順調に飛行機を仕上げてい た。 貝の標本作ってみないカイ? 初めに,海岸で貝を採取する 場合の装備や手順,安全面での 注意事項等をわかりやすく説明 し,講座後に参加者が貝採取に行くことへの動機付け 自然の芸術~葉脈標本 初めに植物観察をしながら, キンモクセイ・ヒイラギモクセ -2- 飛行の科学③ ~カラス型飛行器~ 飛ぶものを考えるシ リーズの 3 回目である。 ゴム動力で飛行するカラ ス型飛行器を製作した。 製作しやすいようにパー ツを事前に講師が準備し ていたので,全員が時間内に作ることができた。製作 前には,カラス型飛行器を考案した二宮忠八の功績や 飛行機の開発の歴史などの話を行った。 イ・クスノキの葉を採集した。採集した葉を水酸化ナ トリウム水溶液で溶かし,葉脈を取り出して標本にし た。子ども達は自然が作り出した美しい造形に感心し ていた。フィルムケースとカバーガラスを使った簡単 なルーペを作り観察したことも好評であった。 1台2役!スピーカ&マイク~圧電体のふしぎ~ 圧電体を利用し,マイクと スピーカを製作した。製作だ けでなく,スピーカとマイク の仕組みの説明も行った。 光ファイバーでイルミネーションリース 空中から水中へ,または 水中から空中へと光が進む とき,入射角によって屈折 や全反射という現象をおこ すことを大型実験装置で演 示し,光ファイバーはこの 光の全反射を利用して光の信号を色々な所に送るため に使われていることを説明した。また,底の絵が浮き 上がって見える実験(浮き上がり現象)などし,光の 屈折について理解させた。その後,光ファイバーとL EDで輝くクリスマスリースを作成した。 ドライアイスで遊ぼう ドライアイスを使った様々 な科学実験をおこなった。た だ実験するだけでなく, 予想 をさせながらおこなったため 参加者は興味深く参加してい た。 二葉山シリブカガシの森へ行こう 日本有数のシリブカガシ群 生林のある東区二葉山で自然 観察を行った。講師は山の植 物に関する知識が大変豊富で あり,子どもたちの質問に的 確に答えながら森を散策して いた。テキストとして, 「緑の回廊すぽっと東区(東区 役所区政振興課発行) 」を使用した。 おっとびっくり!音っておもしろい 音の「大きさ」,「高さ」, 「音色」をいろいろな実験を しながら体感し,理解した。 最後に音の振動を利用した科 学おもちゃを製作した。身近 な音について,観察したり, 意外な事実を聞いたりなど,参加者は驚きを持って参 加していた。 手作り豆腐はおいしさふっとう 国産大豆 (広島県世羅郡産) と天然にがり,天然水を使っ て豆腐を作った。具体的には 白大豆を材料して使ったが, にがりも適量で皆おいしい豆 腐を持ち帰ることができた。 手作りこんにゃく こんにゃく芋は広島県世羅町産 のものを手配した。教室自体はこ んにゃく作り(食品加工)が中心 となってしまうが,講師にこん にゃくいもの成長についての話を してもらい,食品を通じて原料で ある植物にも興味を広げることができた。 君も技術者②電子工作 虹色に光るオブジェ LED・発光ロッドなどを材 料として,七色に輝くオブジェ を製作した。ただ製作するだけ でなく,LEDや発光ロッドの 解説をしたこともあり,興味深 い電子工作となった。 お菓子の科学 新規題材である。お菓子づ くり(カルメ焼き・アイスク リーム・チーズ)を通して, 重曹の働き,氷の溶解する温 度,たん白質の凝固などを学習した。身近なテーマで -3- あったため,参加者にはとても好評であった。 水溶液の性質 新規題材である。酢,食塩水,重曹水などで色々な 実験をおこなった。最後に重曹とクエン酸を材料とし て入浴剤を作成した。身近な水溶液の性質を知ること ができた。 1年 2年 3年 4年 5年 6年 科学で遊ぼう 新規題材である。 「1 円玉が水になぜうくの か」をテーマに,その 謎に迫るために「しょ うのう船」 「浮沈子」 「分 光」 の科学工作をした。 工作をするだけでなく,考えさせながら作業をおこ なった。 中1 中2 中3 (2) 説明やプリントは理解できたか? ①よくわかった ②大体わかった 偏光板って何? 新規題材である。 身の回りに使われて いる偏光板を,実物 ( 電 卓 ・ 偏光 めが ね・デジタル時計等) を見せながら説明し た後,偏光板の特性について実験を行った。2 枚重ね て暗くなった偏光板にもう 1 枚入れると光が通ること や,偏光板を使っての3D 画像を観察するなど,子ど も達は驚きを持って実験をしていた。実験以外に,偏 光板を使った簡単な科学工作を製作した。 ③あまりわからなかった ④全然わからなかった (3) 内容や作業は難しかったか? ①大変難しかった ②難しかった ③ふつう ④簡単だった ⑤とても簡単だった (4) 作品や実験はうまくできたか? 天文学習~天体望遠鏡づくりと星空観察~ 新規題材である。 望遠鏡の原理や歴史 を学習した後,天体 望遠鏡を作成した。 その望遠鏡を使用し 天体観望をする予定 であったが曇天のた めできなかった。また,今年おこる天文現象を紹介し た。 参加人数 申し込み 参加者 ①上手にできた ②大体できた ③あまりできなかった ④全然できなかった (5) 何か新しいことがわかったか? 延べ 1,646 人 延べ 626 人 ①はい ②いいえ 4 アンケート集計 (1) 参加者の学年 ③わからない -4- 37.9% (6) 教室は楽しかったか? ①大変楽しかった ②楽しかった ③まあまあだった ④つまらなかった ⑤とてもつまらなかった 5 考察 参加者のはがき申込状況については,やはり夏休み には多くの申込があり, すべての講座で定員を越えた。 一方秋から冬にかけて実施した講座では欠員の出た教 室もあった。ただ最終的には,メールの追加募集で, ほとんどの講座は定員を超えた。 教室の運営については,基本的には半日(2.5 時間) か全日(5時間)で時間設定をしている。ただ, 「海辺の 観察」 「貝の標本作り」は 3 時間でおこなった。そのほ か内容によっては2時間以下の講座もあった。 野外観察系の講座は,街(タンポポ)海(海藻と海 岸動物)山(ブナ林)を実施した。屋外での自然観察 や,施設見学を行う際には万一の事故に備えてリクリ エーション保険に入っているが,今年度は大きな怪我 もなく無事終了した。 参加者は小学 4 年生以下が多く,内容によっては高 学年を対象に行いたいものもあるのだが,5 年生以上 の参加は今年度も少なかった。全体としては男子の割 合が多いが,年々女子の割合が増えてきている。 講座内容の理解度について, 「よくわかった」「大体わ かった」 と回答している人がほとんど(95%)を占めて いることから,講座の内容に対する対象学年を適切に 設定できたと考えられる。また,「何か新しいことがわ かったか」 「何か新しいことが」 という質問については, どちらの項目に対しても 90%以上の参加者が「はい」 と答えていることから,講座の内容が知識や技術の獲 得につながっていると考えられる。 さらに, 参加者のほとんどは, 「大変楽しかった」「楽 しかった」(合計 98.6%)と答えており,講座の内容も 参加者の期待にこたえる内容であったといえる。 今年度の大きな特徴として,新規の講座を 8 種類開 催した。これは,全講座の 1/4 程度にあたり,リピー ターに好評であった。来年度以降も,講師と十分に練 り,よりレベルが高い新規講座を多く開催したい。 -5- 4 今年度の事業展開 (1) 教室の内容 創作教室は前年度の反省に基づいて,教室で行う 題材の内容,対象,講師選定などを検討した。その 結果, A)創作的な内容であること B)単なる組立ではなく,ものづくりとして充実感 のあるもの C)はさみを使うなど学習的な位置づけがなされて いること D)時間内に作品を仕上げることができることなど の要素をふまえ, 後述するように 34 講座を計画 した。内容を担当で決定し,講師と打ち合わせ をしていく中で,上記の要素を満たす講座を組 んでいった。その結果,昨年度とほぼ同じ内容 の講座,改良型の講座,まったく新しい講座が 後述のように決まった。外部講師に依頼する講 座が決まった段階で職員対応の講座において内 容の偏りがないように調整を重ねた。 創作教室 森川公泰・荒川正己 1 事業の目的 小・中学生を対象とした様々な創作活動を通して 創作する喜びを味わうとともに,教室に参加した他 の参加者の作品のよさに気づき,さらに工夫してよ りよいものを作ろうとする意欲と態度を育てる。 5 創作教室(34 講座)の講座内容 今年度の創作教室も,これまでの方針に基づき,で きるだけ新しい内容を設けるため,人気があるもの以 外は原則として新規のものに切りかえた。 以下,すべてについて簡単な内容とその結果につい てまとめ,特記事項のある講座については詳述する。 2 募集形態 (1) 対象 ①広島市および近郊に住む小学1年生から中学3年 生(小学1~4年は,保護者と一緒に参加しても らう。 但し,講師の要望でこどもだけ参加の講座も ある) 。 ②講座の内容と講師との相談により,講座ごとで対 象とする年齢を決定する。 ③対象とする年齢以外であっても, 特に希望があり, 講師も認める場合には受講を認める。 (2) 定員 ①原則 20 人(内容や場所により,変更もある) ②定員を超えた場合には,抽選により決定する。 (3) 実施場所 広島市こども文化科学館 3階 創作室 (4) 実施日時・講座名・参加状況・教材費 教材費は材料の実費分 (1) 自然素材を使った工作 昨年度同様に,講 師はたくさんの種類 の木の実や,種など に加え,アボカドの 革を干したものなど を新たに加え参加者 の創造をかりたてる ように工夫されていた。 本講座は,スキルを問わず,参加者の発想をも とに自由に作品作りができる。価値創造の観点か ら非常に有効な講座である。 (2)とんぼ玉のアクセサリー 作業難易度が高く,個人差が激しく出ることが 予想されたため,サンプルのものを何個か用意を した。残念ながら,フュージングのブローチで一 人溶けだした参 加者がいたが, サンプルを持っ て帰ってもらっ て配慮した。 今回,服装の 注意が足りず, 半袖で参加して 3 参加データ (1) 実施時期 平成 24 年 4 月 16 日~平成 25 年 2 月 17 日 (2) 実施回数 合計 34 講座・53 回 (3) 参加者数のべ人数 843 人 -6- いた参加者が数人いた。次回の開講時には服装の 注意を加えることとする。 (6)竹炭の風鈴 午前の部は 参加者の学年 がバラつきが あり,スムー ズに進むこと ができた。 午後からの 参加者は,7 割が低学年で,説明に苦労する場面もあった。し かし,講師の明るい対応と丁寧な声かけで,参加 者があきらめることなく,また,大きく遅れるこ となく,作業を進めることができた。 前半よりは講師も含めて楽しく工作に取り組め ている様子であった。 竹炭の風鈴は題材的には非常に良いものである が,2 年続けていることもあり,竹炭を使っての 違うクラフトを考案してもらうように依頼した。 (7)夏の陶芸教室 講師は小学低学年にも理解できるように,丁寧 な言葉がけや,作品作りに対して臨機応変な支援 の仕方を心掛けた。そのことで,参加者も安心し て作業に集中でき た。 また,講師が実 演しながら目で しっかり学習させ ることが非常に効 果的であった。 今年度も非常に 多くの応募があり,講座としては非常に魅力的で あるため,今後とも継続していける講座であると 思われる。 (8)スチレンボードの貼り絵 一日,時間を取ってあるため,作業時間は十分 確保されていた。しかし,参加者の学年の差やス キルの差によって作業進度に大きく差がでた。そ こで,早めに終わりのあいさつを行うことで,時 間調整を行った。 その後も 作業にじっ くり時間を かけて最後 まで作品作 りに取り組 んでもらえ るよう講師 も声かけやアドバイスをしていた。 参加者の学年の層によっては,下絵の見本や, 基本パーツの設定も必要になる場合もある。来年 (3)大人の陶芸教室(2回講座) 今年度,初め て大人向けの講 座を平日に開催 をした。予想以 上に広報への反 応がよく,早々 に定員に達した。 講座実施のア ンケートの結果も大変満足している声が多く,大 人向けの(平日の)教室の開催を増やしてほしい という要望が大変多かった。 来年度,陶芸,トールペイントの他にあと一講 座大人向けの講座を開催することも検討の余地が ある。 (4)糸のこで作るパズル 糸のこ作業の未 経験者が半数を超 える中で,まず始 めに糸のこの特徴 や,作業中の注意 を確認し,安全に 作業をできるよう に配慮した。 参加者の技術に 合わせて,下絵のレベルも3段階用意した。参加 者は練習を踏まえて,組木のレベルを選び,中に はピースが20近くある上級作品にチャレンジし ている参加者もいた。 作業中のけがもなく,一様に参加者は満足いく 作品ができた。 (5)大人の創作教室・トールペイント 参加者が少なかったことで,講師の注意や指導 がいきわたり, 参加者が作業に集中して取り組め, 非常に心地よい空間であった。 今回,陶芸教室と共に平日に設定してみたが, 参加者が伸びず,少人数になってしまった。作業 的には少人数の ほうが適当であ るが, 一方, トー ルペントの流行 が過ぎている現 状もあるため, しばらくは参加 者増を見込めな い現状もある。 今後の実施に当たり,日程,内容を含めて再検討 する必要がある。 -7- も十分満足のいく仕上がりになっていた。 毎年,応募が多く,今年も抽選に漏れた応募者 からの講座回数を増やしてほしいとも声も上がっ ていることを踏まえて,今後も継続開催をしてい く。 (13)粘土で作る工作 基本となる木や アサガオの説明を, 各テーブルごとに 行い,参加者に丁 寧な説明をしてい た。 また,参加者が 自由な発想を持ち,のびのびと作品作りができる ように講座が進められていった。 本講座は,小学校低学年には最適な題材で,高 学年になると,講師が高度なテクニックも指導す るため,参加者のレベルに合わせた作品作りが楽 しめた。 夏休みの工作の宿題としても有効であると思わ れる。 (14)トールペイント ティッシュケースにアクリル絵の具を使って, トールペイントを行った。 思い思いの色で下地を塗り,ステンシルの技法 で自分が描いて 絵を施していっ た。参加者は自 分のオリジナル のデザインが描 けることで完成 品を見て満足し ている様子で あった。 (15)恐竜づくり 本講座は,単純ものに見えるが,握る,つかむ, ねじるなどの手の訓練を兼ねており,作業工程に 工夫を加えた構成で進められている。そういう面 からも,保護者が手を出して作業を手伝うのでは なく,参加者自身が作業を経験することで,スキ ルアップを図ることを目的とした工作である。 しかし,小学低学年の参加者の中には,握力が なく,また指先 が思うように動 かせないという ことから,疲れ た顔を見せるも のもいたが,体 形の完成後は自 由に恐竜に工夫 を加える時間をとっているため,参加者が思い思 度の実施に当たり検討課題としたい。 (9)切り絵の灯ろうづくり 講師は参加者のレベルに差があるため,絵柄を 自ら選べるように,たくさんの種類を用意した。 講師は,ケガ をしないよう, 作業前に十分注 意を促し,カッ ターナイフの扱 い方を指導した。 作業中も机間 巡視を行い,丁寧に参加者に声をかけ,あきらめ かけている参加者も最後まで取り組むことができ た。 (10)革で作る工作 今回, 作品的には非常に簡易なものであったが, 革の工作において,一通りの作業をこなすことが できるように配慮された作品であった。 作品の仕上がりもよく,例年に比べて作業時間 もコンパクトで, 講座時間内に作 業も済ませるこ とができた。 革を使っての 工作は身近に体 験できないので, 今後も継続開催 をしていく。 (11)藍染の T シャツ 昨年度より,片付けを手際よく済ませるため, 藍染の作業は科学館裏手の通用口で行っている。 また,熱中症対策で作業場にテントを張り, 日陰でできるように配慮した。 今回は, 準備から片付けまでを, 実習生が手伝っ てくれたことで,大変短時間で作業を終わらせる ことができた。 また,講座の参 加者の援助もし てもらい,ス ムーズな講座運 営をすることが できた。 (12)七宝焼きのブローチ 説明がいきわたるようスタッフ3人で作業援助 にあたっていた。 参加者は作業 に戸惑うことな くスムーズに行 うことができた。 作業内容も単 純で,低学年で -8- け方が過剰にならないように促していきたい。 (19)木の枝のあかり 桜の剪定の枝を再利用して,モダンな照明機器 を作った。 たくさんの 枝の中から気 に入ったもの を選び,電球 を囲むように 枝を組む。そ の後,枝で格 子になった部分に, 色とりどりの和紙を貼り完成。 参加者は,オリジナルの照明を作ることができて 大変満足していた。 (20)石っころアート 画材のアクリル絵の具は,普段学校で使用して いる水彩絵の具とは扱い方が異なるので,メリッ ト,デメリットをしっかり説明したうえで作業に 入った。またホットボンドについても同様にメ リット・デメリットを説明し,作業に入った。 作業時間も 十分取ること ができたので, 参加者は満足 している様子 であった。 作業内容は 単純で,学年 相応の仕上がりになる。参加者の満足度は一様に 大きく,継続開催をしていきたい。しかし,開催 時期は検討課題である。 (21)七宝焼きの壁飾り 事前に用意 した下絵を基 調にデザイン した。講師は参 加者に丁寧に 援助した。 時間的に厳 しい下絵の参 加者にも声かけを十分に行うことで,最後まであ きらめることなく作業をやり通していた。 アンケートに一様に難しさを回答していたが, 講座に関しては全員「楽しかった」また,「来年 も参加したい」など,意欲的な感想であった。 以上のことからも本講座は不動の人気であるの ため,継続的に開催をしていきたい。 (22)鳥の巣箱づくり 杉座板を使用して,鳥の巣箱づくりを行った。 切断線やくぎの下穴あけのしるしなど,けがき 作業をさしがねを使って体験した。また工作機械 いに工作ができ,満足していた。 (16)コツコツ刻字 安達春汀先生の刻字の体験を行った。 字体は「友」の一文字を筆で描き,字の周りを ノミを使って彫りこんでいく。ノミの扱いや,ノ ミを打つ姿に不安を感じたが,スタッフの方が各 テーブルについて指導をしたので,けが人がでな かった。 参加者は, 最後に文字 に気に入っ た色を塗り, 彫刻版から 字が浮き出 ているよう な仕上がりに,満足していた。 (17)木のパズル絵・うさぎ 講師は子供のスキルアップを図るための講座と 位置付けていることもあり,保護者の過剰な手助 けをすることがないよう促し,こどもの主体性を 大事にしていた。 また,こども への言葉かけも, やる気を大事に した言葉かけで あり,保護者と もども気持ちよ く参加すること ができていた。 (18)木で作るパズル 作業の前に, ポリオミノパズ ルの仕組みや, 考え方を参加者 に問いかけなが ら解説し,興味 関心を高めるこ とができていた。 また,ただ,パズルを作るだけでなく,ピースに 折り紙を貼って飾りを施すなどの工夫も考えてい た。 ピースに色とりどりの色紙を貼り付け後,ピー スの切り出し作業にカッターを使用した。 しかし, カッターの扱いに慣れていない参加者が多かった ため,保護者が作業を肩代わりしている姿が多 かった。 参加者自身のスキルアップ図る意味から,今後 の教室運営において,できるだけ保護者の手のか -9- 喚起を行った。また,小学低学年の参加者には, 作業の集中力が持続しないため,保護者と交互に 作業をしてもらいように促し,共同制作のつもり で参加してもらうようにお願いした。 下絵を見たところ,作業時間が足りないような 作品も見られたたが,最後まで,全員やり切って 帰ることができていた。 (26)冬の陶芸教室(2 回講座) 今回の参加者 は低学年が大半 を占めていたこ とで,どうしても 作業が淡白なも のになってし まった。しかし, 講師が空いた時 間を有効に使って,自己紹介や,簡単なゲームな どを行って,参加を楽しませる工夫を行っていた。 講座の参加者がどうしても低学年に偏るため に,作品の完成度を高めることが大変難しくなっ ている。作業の内容を精査し,講座の時間をより 有効的な配分にしていくことを,検討する必要が あると思われる。 (27)たこの凧づくり 講師が導入で, いくつか伝統的 な,からくりお もちゃを紹介し, 凧づくりへの意 欲向上をはかっ た。 小学校低学年 の参加が大半を占めており,カッターを使用する 場面でケガが心配されたが,机間巡視で十分注意 が行き届いた結果,ケガをしなかった。 凧づくりの中でも基礎的な今回の作品は応募 が少なかったことを勘案すると,もう少し高度な 作品で全日実施の方向も考える必要があると思 われる。今後の検討課題としたい。 (28)クリスマスリース 台紙になる輪を,事前に講師が用意しており, 参加者が十分時間をかけて成形作業に取り組める ように配慮し た。また,机 間巡視をしな がら参加者に 声かけを行い, 意欲を持って 作業ができる よう促してい た。 の卓上ボール盤を使用して,穴あけ作業も経験し た。普段, 家では体験 できないこ とを中心に 経験するこ とができた。 作品の出来 栄えよりも, 作業を楽し んだ様子であった。 (23)真鍮のアクセサリー 事前に金 属について の学習を行 い,作業手 順を板書す ることで, 参加者が作 業に戸惑う ことなく取 り組めるよう配慮した。 参加者が少なかったこともあり,職員 3 人で丁 寧に支援ができ,2 個,3 個と作った参加者もお り,楽しんだ。 昨年同様,真鍮板の厚さを 0.5mm にしたこと で,作業がスムーズに進んだ。 (24)オルゴールのプレゼント 基本設計の木 工作業は,作業 しやすいよう, 釘打ちの下穴を あけていた。底 板をはめる溝も 彫ってあり,事 前に準備をして いた。 そのため,ツリーの装飾に時間をじっくりとる ことができた。参加者は時間いっぱい作品づくり に,打ち込むことができて,満足していた。 比較的簡単な作業で小学校低学年からでもた のしく参加できるので,今後も継続開催をしてい きたい。 (25)ゴム版年賀状 作業に集中 しすぎで,ゴム 版を押さえる 手が危険な状 態にならない ように,机間巡 視を行い,注意 - 10 - (32)万華鏡づくり 今年度は募集にあたって数が伸びなかった。来 年度継続を考えるにあたり,日程を含めて検証し ていきたい。 (29)ゆかいなのぼりサンタ 伝承おもちゃの,のぼり人形をサンタ仕立てで つくった。参加者が少なかったこともあり,作業 時間をじっくりとることができた。 糸のこを使ったことのない参加者が多く,ケガ が心配されたが,無事に作業を終えることができ た。参加者が少なかった為,指導援助が行き届い たと思われる。 最後の色塗りが 終わり,組立に 入ると,完成が 待ちきれない様 子で,組みあ がったらすぐに, 動かして喜んで いた。 (30)どんぐりコロコロ BOX 基本的な 箱作り以外 は,参加者の 創意・工夫が 生かせるよ うに,たくさ んの自然素 材を準備し ていた。参加者はその素材に意欲を掻き立てら れるように,すべて持ち帰り作業をする参加者 が多かった。 講師は作業中に机間巡視をして,作品にそれ ぞれポイントを評価して,参加者の意欲の向上 を常に図っていた。 作品的には単純なものではあるが,低学年が 取り組みやすいものであり,想像を膨らませる のに非常に良いと思われるので,今後も継続開 催をしていきたい。 (31)手織りのコースター 木綿のもととな る綿を用意し,そ の綿から糸を紡い でいく様子を師範 した。また,織物 の歴史を交え,学 習的な要素も含め て作業を進めた。 参加者が少なかったこともあり,丁寧に指導 ができた。参加者は大変満足する作品作りがで きた。 ビー玉を使っ た,万華鏡を 作った。 参加者は思っ ていたよりも, 簡単な作業で手 軽にできること に感動していた。 また,中にミラーシートを入れてビー玉越しに景 色やあかりを見るだけで,さまざまな模様に変化 することにさらに感激をしていた。 保護者にも合わせて作ってもらい,大変満足し ていた。 6 本年度の反省と展望 (1) 参加者の反応 本事業では,各講座で参加者にアンケート調査 を実施している。その結果をもとに本年度の創作 教室が参加者の期待に応えるものであったかを検 証することにする。 講座の内容に関しては,以下の質問に対する回 作業は簡単でしたか? とても簡 単だった 3% 大変難し かった 17% 簡単だっ た 5% ふつう 28% 難しかっ た 47% 答を集計して検証した。 この質問の結果, 「大変難しかった」 「難しかった」 と回答した参加者がおよそ 62%となり昨年度(59%) より多少たかくなった。これは,新規の参加者が増 えた結果であり,個々において,ものづくりの基本 スキルの低下が影響していると思われる。 次に達成度に関するアンケートについて,下記の ような結果となった。 - 11 - 上記の通り複数回参加しているケースが6割を超 えており,一度参加して満足して帰る参加者が,2 度,3度と繰り返し応募するケースが大変に多い。 このことからも,満足度の高い講座の開設をする ことが参加率の向上に欠かせないと思われ,新規講 座開設を実施することを進めるとともに,既存の講 座において,講師と協議し,前年の作品に一工夫二 工夫取り入れるよう,推進していく必要がある。 作品は上手にでき ましたか? あまりで きなかっ た 3% 大体で きた 35% 上手にで きた 62% 最期に, 何を情報源に講座を知ったかについては, 何を見て応募され ましたか? 30.4% 25.3% 6割を超える参加者が上手にできたと回答した。 この結果から,今年度も多くの参加者が達成感を 味わって講座を終えたことがうかがえる。どの参加 者に対しても,ある程度作品が完成することを保証 することは重要である。しかし,作業スキルの低下 を踏まえ, 作業支援がいきわたるよう, 定員を絞り, より確実の作業を進められるよう,環境整備を検討 する必要性がある。 本年度は,小学校高学年以上を対象にやや難易度 の高い講座を職員対応で実施した。しかし,参加者 数は少なかった。開催時期も関係するとは思われる が,参加者の中心となる小学校低学年が参加できな いと,どうしても参加者数が伸び悩む傾向がある。 しかし,幅広い年齢層の参加者を募るという観点か ら,今後も小学校高学年から中学生を対象とした講 座の開発に努めたい。 20.1% 7.8% 1.0% 教室リピート率 16回以 上 7% 6~10回 11% 3.3% 5.5% 5.6% 下記のグラフのようになった。 この結果を見ると,例年夏休みに向けて配布してい る『チラシ』によって知った参加者が多かった。これ は,夏休み期間中の課題工作に取り組むにあたり,創 作教室を利用して行おうとする参加者が多いための結 果である。参加者数の半数が夏休み期間に占めている こともあり, 『チラシ』による情報提供が大変有効であ る。今後も夏休み期間の『チラシ』配布の継続と共に, 参加者に満足してもらえる講座の充実を図りたい。 ついで『科学館便り』 『市民と市政』といった紙媒体 を通した情報が大半を占めてた。ここ数年ネット環境 による情報提供を推進しているが,これらの紙媒体を 通しての広報がまだまだ必要不可欠であることがうか がえる。今後,Web ページやメールマガジンといった インターネット関連の広報に頼るのではなく,従来の 広報を軸として, 更なる広報の工夫を進めていきたい。 続いて参加者のリピート率について検証する。 11~15 回 2% 5.5% 初めて 38% 2~5 回 42% - 12 - 前に受付を終了することもある。 ④使用する用具 教室には様々な用具を用意している。できる限り多様 な用具体験をさせる事にしているが,対象児童を考慮し て扱いが難しいもの・危険なものについては事前に切っ ておいたり,保護者を含めた参加者に使用上の注意を呼 び掛けたり,インストラクターの目の届く範囲での使用 にしたりなどを配慮している。 ⑤指導者数 インストラクターは通常 2 人体制とし,参加者が多い と見込まれる夏季休業中は 3 人体制(今年度は 11 日間) を組んだ。いずれの時も 1 人がチーフ,他はサブとして 役割分担し,事前の連絡はインストラクター同士で自主 的に行っている。 ⑥実施内容 工作の内容はインストラクターが主体的に集めた様々 な情報の中から対象年齢を考慮して決定している。動き や仕掛けがあるもの・季節感が出せるもの・科学工作な ど多岐にわたっており,担当者によって使用する材料も 特徴が見られる。また,自由に色や絵をつけたり好きな 形に切ったりなどできるだけ参加者の自由な発想で作れ るように心がけている。 ⑦リピーターの確保 毎回の工作室受付時にお楽しみカードを参加者に配布 している。このカードを 10 枚集めると過去に実践した 工作をまとめた本(現在第1集~第4集発行)をプレゼ ントすることとし,リピーター確保を狙っている。 また,今後の工作室 4 回分の作品見本を教室の入り口に 展示し, 次の工作室の予告をして参加意欲を高めている。 ワークショップ「たのしい工作室」 正連山恵・川橋奈織・高土尚子 1 目的 幼児・児童の自由な発想を重視しながら次代を担うこど もたちの創作活動の場を拡大し,より多くのこどもたちの 豊かな創造性と幅広い興味を育てる。 2 募集・参加形態 (1)対象 主に幼児・小学校低学年とその保護者 (2)定員 通常約 50 人,夏季休業中は約 80 人 (3)実施場所 広島市こども文化科学館 3階 工作室 (4)参加費 30 円 (5)実施日時・工作内容・参加状況 表1のとおり 3 実施状況 (1)教室運営 年間 54 回実施し,のべ 3724 人の参加者であった。 ①実施日 主として土曜日・日曜日・祝日に実施し,多くの参加 者が見込まれる夏季休業中は平日も実施している。 ②実施時間 午後 1 時に受付を開始し,担当職員による当日の工 作・指導者の紹介から始め,空席状況や制作時間を勘案 しながら午後 3 時半まで随時受付を行っている。 ③材料の準備 材料はインストラクター主体で,各回原則 50 人分(夏 季休業中は 80 人分)を事前に用意している。季節や天 候,他の行事による参加者の増減を考慮して加減してい るが,参加希望者が多い場合は可能な限り材料を作り足 して対応している。追加が不可能な場合は,午後 3 時半 (2)インストラクターの活動状況 ①登録人数 前年度からの継続希望者 59 人と,今年度新規登録者 4 人を加え,現在計 63 人登録している。なお,インストラク ターの登録は随時受け付けている。登録者は学生から会社 員,教員,主婦そして仕事をリタイヤされた方等多彩であ り,年齢構成も 20 代から 70 代までと幅広い。 ②担当状況 多い人で, 年間 4~5 回担当する人もいれば1度も担当し なかった人もいる。 ③打ち合わせ会 年間 4 回の打ち合わせ会を実施し,3 ヶ月分の担当者 を決めている。担当者決定後は,インストラクター同士 の情報交換・インストラクターの技術向上を目的とした 技術講習会を実施している。今年度の実施内容は以下の 通りである。 【実施内容】 ・4/8(日) 7~9 月の担当者決定 技術講習会「日食グラス」 お花見 - 13 - ・7/8(日) 10~12 月の担当者決定 技術講習会「アイのトントンぞめ」 ・10/13(土)1~3 月の担当者決定 技術講習会「ビーズでつくる干支のシロヘ ビ」 ・1/20(日) 4~6 月の担当者決定 技術講習会「LED のブローチ」 新年会 ④棚卸し 毎年3月に工作室の整理として、棚卸しを行っている。 今年度は3月2日(土)に実施した。棚卸しは毎回イン ストラクターが集まって行い,使用した材料や用具を整 理すると同時に,工作室の在庫を確認することで,今後 の作品制作のアイディアにつながればと思っている。今 後も,より効率的な棚卸しの方法や,できるだけ多くの インストラクターに集まってもらえる実施日を検討し ていく必要がある。 ⑤親睦会 インストラクター同士のより一層の親睦を深めるた めに,お花見と新年会を実施している。 ⑥インストラクター通信 毎月初めにインストラクター通信を郵送やEメール で送り届けている。内容は,その月の担当者の確認・打 ち合わせ会やその他の活動の予定や報告・必要な材料収 集のお願い・2 ヶ月前に実施した教室の作品を写真やイ ラストを入れて作り方を周知するものである。 ⑦科学の祭典への出展 今年は 10 月 27 日(土) ,28 日(日)の 2 日間に渡っ て実施され,1 ブース,計 5 人のインストラクターに協 力を仰いだ。 4 考察 (1) 参加者の反応 アンケート調査を実施し,以下の結果が得られた。そ の結果を元に検証することにする。 【年齢】 概ね,「たのしい工作室」が対象としている幼児・小学校 低学年が占めている。 - 14 - 【何か新しいことがわかったか】 工作の内容にもよるが,はさみの使い方や色の塗り方ひ とつとっても,子どもたちの発見・技術の習得につながって いると考えられる。 【工作室はどうだったか】 95%以上の参加者が「とても楽しかった」 「楽しかっ た」と回答しており,本事業が概ね参加者の期待に応え る内容であったといえる。また,工作を作る子どもたち だけでなく保護者も一緒に楽しんでいるようである。 以上のことから,参加者にとってほぼ満足のいく内容 であったことが推測される。頭を使い,手を操作して作 品を作り出す活動には大変関心が高く,工作を通して自 らの手で作り出す喜びを大いに体験させたい。昨今の子 ども達の生活実態は既成の玩具やハイテクの電子機器 に心を奪われつつあり,手先の不器用な子どもが増えつ つあるが,子どもたちの工作への関心は昔と変わること なく高いと思われる。今後とも自分で創造する喜びを感 じ,ものづくりの魅力を感じさせることができる教室運 営を目指したい。 (2) インストラクターの活動について 現在の登録人数 63 人に対し今年度のインストラク ター担当枠は 118 人分あり,インストラクターが自主的 に担当に入ってもらえたため,人員不足に悩むことはな かった。だが,年間を通して一度も活動してもらえない 人もいるのが課題である。打ち合わせ会の日時の検討や 興味を持ってもらえそうな講座の開催等,可能な限り登 録者に積極的に活動してもらえるような方法を考えて いかねばならない。また,インストラクター同士の親睦 をさらに深め,情報交換を活発にできる体制を整えてい きたい。 工作の内容については,インストラクター主体で考え てもらっており,工作の企画・指導に役立つ研修の内容 についても検討したい。例えば、材料のおもしろさや感 触を味わえるもの,頭・手を働かせる喜びのあるものと いった内容を考慮しながら題材・指導方法について工夫 していきたい。 5 今後の展望 (1) 参加意欲をかきたてる題材,創造力を高める題材の 研究によって,より多くの子どもに体験の場を広げる。 (2) インストラクターが一人でも多くやりがいをもっ て関わることができるように連絡を密にするなど配 慮し,また打ち合わせ会,技術講習会等の交流の場を 重視する。 (3) より広く工作室の周知を図るため,効果的な広報を 考える。 (4) 毎回円滑に実施できるよう様々な状況に対応でき る受付方法,指導方法等を検討する。 [表1]平成 24 年度「たのしい工作室」実施内容一覧 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 実施日 内容 インストラクター 工作数 4月7日 さくらの国のアリス 釜野靖子,有海啓子 43 4月15日 すくすくぼうや 田島勇,有海啓子 35 4月22日 なきわらいウサちゃん 出口雅祥,小野寛 44 4月30日 ひなちゃんストラップ 小谷妙子,山崎道子 55 88 5月5日 しがいせんブローチ 田中祐美,今田裕子 51 81 5月6日 くねくねリュウ 河野英志,長松菊ノ 34 5月13日 おりてくるトリ 中村誠,妹尾美智子 43 5月19日 みずぶえ 山縣圭子,西村宏子 51 76 5月27日 おはながさいたよ 50 参加者数※ 177 56 69 69 吉井三千子,吉田冨士子 31 ケーキの小物入れ 竹中幸子,石村知江 48 飛べ!!!UFO 村重征城,川本千賀子 47 6月16日 ひまわりゴマ 田辺学,岡村尚子 49 6月24日 たなばた飾り 後藤弘美,新谷洋子 41 62 7月1日 虹色スコープ 田中祐美,吉田冨士子 50 83 7月7日 たなばたのタペストリー 田中祐美,井上泰道 51 76 7月15日 ひきひも紙ゴマ 出口雅祥,川本千賀子 61 7月21日 アイのトントンぞめ① 山縣圭子,中村誠,岡村尚子 45 7月25日 色合わせパズル 河野英志,三光悠子,有海啓子 71 71 73 67 虫ちゃん 田島勇,井上泰道,白井晃子 52 68 吉井三千子,有海啓子,山崎道子 80 104 8月2日 アイのトントンぞめ② 山縣圭子,有海啓子,西村宏子 62 86 8月8日 いきもののれきしカレンダー 釜野靖子,井上泰道,白井晃子 68 95 8月12日 とことこカニさん 新谷洋子,村重征城,祢宜谷淑子 59 8月17日 かいてんもくば 吉井三千子,奥田康子,小谷妙子 79 8月21日 吹き絵のうちわ 横山多賀彦,河野英志,今田裕子 78 8月25日 はばたきどり 中村誠,妹尾美智子,三光悠子 51 71 8月29日 アイのトントンぞめ③ 山縣圭子,岡村尚子,西村宏子 80 104 田島勇,有海啓子 40 長松菊ノ,小野寛 35 9月23日 アイのしぼりぞめ 山縣圭子,妹尾美智子 58 9月30日 紙コプター 村重征城,小川康彦 73 10月6日 ようせいのキラキラストラップ 吉井三千子,由本ちどり 44 10月21日 お食事クマさん 出口雅祥、三谷義之 29 11月4日 マジックボックス 吉井三千子,小川康彦 21 11月11日 おしばを使って自分だけのカードを作ろう! 釜野靖子,吉田冨士子 37 11月18日 まつぼっくりのツリー 長松菊ノ,西村宏子 52 11月24日 ネイチャークラフト 山縣圭子,長松菊ノ 27 12月2日 88 477 102 52 206 46 81 73 66 38 137 51 68 山縣圭子,塩谷多美恵 24 キャンドルホルダー 釜野靖子,有海啓子 48 新谷洋子,後藤弘美 34 12月16日 サンタさんとブーツ 松岡知江,竹中幸子 60 84 12月23日 ミニサンタ 出口雅祥,小野寛 50 71 1月6日 くねくねヘビ 中村誠,岡村尚子 42 1月13日 けんだまあそび 長松菊ノ,西村宏子 43 1月19日 ビーだまアクセサリー 小谷妙子,奥田康子 56 1月27日 ブーブーたこさん 塩谷多美恵,由本ちどり 63 長松菊ノ,岡村尚子 41 山崎道子,吉井三千子 48 2月17日 おはなばたけ 奥田康子,小谷妙子 50 2月23日 おひなまつり 後藤弘美,新谷洋子 48 3月3日 ジュズダマストラップ 吉井三千子,長松菊ノ 48 3月10日 お食事ピーちゃん 出口雅祥,妹尾美智子 35 3月16日 バスカードトンボ 三光正俊,三光悠子 48 3月24日 リングひこうき YSV,吉井三千子 50 組: 186 35 ゆらゆらサンタのドア飾り おひなさま 104 32 ペットの毛で作ろうモコモコ 綿ロープでつくるワンちゃん 274 95 12月9日 2月3日 647 101 12月8日 2月10日 587 92 とびだすはなび カードたて 278 97 410 7月31日 かわいいかさ 327 72 185 7月27日 9月9日 273 51 210 6月3日 9月15日 月計 60 6月10日 計 54 回 - 15 - 月計 36 62 216 44 297 58 204 61 72 283 92 53 146 67 69 203 67 62 181 56 72 265 75 2622 人数: 3724 (2)年間の自然現象・事象に関連づけて企画する。 (3)新規の実験を導入する。 (4)職員対応のタイトルや内容を充実させる。 (5)参加体験型の実験を取り入れる。 (6)マジックショー的な要素を加味した内容を 構成する。 サイエンスショー 江田英俊・池本和弘・加藤一孝・正連山 恵 5 内容及び担当講師 外部講師によるショーを 7 タイトル(23 日 46 回), 科学館職員によるショーを 4 タイトル(7 日 14 回)計 画,実施した。 6 外部講師によるサイエンスショー (1)ためして実験 電波のなぞ [講師:修道高等学校 井山朝之] ・電波の透過実験 ・電子レンジによる実験(温まり方の違い・アルミホ イルの放電・蛍光灯の点灯) ・光通信実験 ・コヒーラ模型による実験 (2)シャボン玉の科学 [講師:安古市高等学校 北川雅直,物理部生徒] ・太さの異なる筒を用いたシャボン玉作り ・異なる形のフレームによる石けん膜の違いを見せ る実験 ・空気砲や水鉄砲でシャボン玉を壊す実験 ・シャボン玉でお手玉遊び ・シャボン玉の中にシャボン玉を入れる実験 ・人間シャボン玉に挑戦 安古市高等学校物理部生徒の支援により,子ども が体験できるよう運営した。 (3)爆発実験カウントダウン [講師:宮島工業高等学校 向井 薫] ・アルコールロケットの打ち上げ実験 ・入浴剤を使ったロケットの打ち上げ実験 ・ドライアイスロケットの打ち上げ実験 ・ウィスキーロケットの打ち上げ実験 ・シャボン玉の爆発実験 ・粉塵爆発 ・火の玉ビニール袋打ち上げ ・水素爆発実験 ダイナミックな実験にするために会場を, 「たんけ んとりで」前とした。 (4)火の科学 [講師:宮島工業高等学校 前本聡宏] ・炎色反応 ・燃える水の実験 ・燃えないハンカチの実験 ・燃える角砂糖 ・ローソクを燃やして水を吸い込む実験 1 事業の目的 (1)科学実験を通して,科学に対する興味・関心を 喚起する。 (2)科学的な体験を通して, 科学的な物の見方や考 え方を育てる。 (3)科学的事象や現象の中で「なぜ,どうして」と いう疑問をもたせ,好奇心を抱かせる。 (4)身のまわりには, いろいろな科学技術が応用さ れていることに気付かせる。 2 募集・参加形態 申し込み不要,自由参加の形態 3 実施場所・回数・参加者数 (1)実施場所:1 階サイエンススタジオ他 (2)実施回数:31 日 1 日 2 回 計 62 回 (3)年間参加者数:4,118 人 1 日(2 回)の平均参 加者数は 133 人 (4)各タイトル参加者 タ イ ト ル 人数 日数(回) 人数/日 ためして実験!~電波のなぞ~ 光の科学 シャボン玉の科学 爆発実験カウントダウン 火の科学 電気のいたずら チームグルービーの実験室 化学のふしぎ 水の色変化 空気・水の力 風船で科学 おもしろ実験アラカルト 391 117 955 899 475 284 350 196 83 221 147 4(8) 2(4) 4(8) 5(10) 4(8) 3(6) 2(4) 2(4) 1(2) 2(4) 2(4) 98 59 239 180 119 97 175 98 83 111 74 4118 31(62) 133(平均) 合 計 4 事業展開の方針 (1)「見て,触れて,確かめる」をショーに位置づけ て展開する。 - 16 - ・あぶり出し ・テルミット反応 (5)電気のいたずら [講師:比治山大学 鹿江宏明] ・手回し発電機で電気を作る実験 ・果物電池の実験 ・電磁調理器で科学実験 ・静電気で遊ぼう(電気クラゲ,ネギの大回転,プラ スチック板にくっつくチョウチョ,流れる水道水 を曲げる,アルミ缶を動かす) ・バンデングラーフで静電気実験 電気や静電気について学ぶための体験型のショー を計画した。 (6)光の科学 [講師:比治山大学 鹿江宏明] ・エジソン電球の実験 ・炎色反応実験 ・生物がつくる光の実験(乾燥ウミホタルを利用) ・ブラックライトで蛍光物質を発光させる実験 (7)熱い世界と冷たい世界 [講師:広島ガス株式会社 チーム・グルービー] ・炎色反応 ・液体窒素による凍結実験(花,バナナ,風船,ゴム ボールの凍結) ・風船の中の空気を冷やすとどうなる。 ・超伝導体を使ったマイスナー効果の実験 ③メチレンブルーが入ったペットボトルは無色か ら青へ,インジコカルミンが入ったペットボトル は(黄色→赤→緑色)に変化する。 ※ 実験開始 10~15 分前に準備する。 時計反応の実験 ◆準備物:ビーカー(300ml)3個,A液:精製水 100ml, ヨウ素酸カリウム 4.3g, 過塩素酸 1.2ml B 液:精製水 100ml,マロン酸 1.6g,硫酸マンガン 0.5g,デンプン 3g C液:精製水 100ml,過酸化 水素水(30~35%)40ml ◆手順:①実験開始前にA液,B液,C液を準備 しておく。 特にB液はデンプンが溶けにくいので, 加温してスターラー等で十分に撹拌する。②A液 にC液を加えて撹拌する。③B液に②でつくった 液を加えて撹拌する。 (2)空気・水の力 空気の存在と変化に気付かせ,空気による様々 な現象を 10 種類の実験を通して紹介した。 ・机上に置いたゴムマットが子どもには持ち上げら れないことにより大気の圧力を実感させる実験 ・真空実験器内の風船を膨らませる実験 ・減圧により 100℃以下で水を沸騰させる実験 (3)風船で科学 体験させる実験を中心に 10 種類の実験を準備 した。身近な素材である風船を使ったので,実験 の方法についての多くの質問があった。 ・風船の串刺し ・風船で静電気遊び(アルミ缶を転がす・水道水を曲 げる・紙をくっつける・電気クラゲを泳がせる) ・風船とコップをくっつける実験 ・フラスコ内の風船を膨らませる実験 ・重曹で風船を膨らませる実験 ・牛乳瓶の中に風船を吸い込む実験 ・水入りの風船をローソクで加熱する実験 (5)おもしろ実験アラカルト 本年度新たに加えたタイトルである。「化学の ふしぎ 水の色変化」 「空気・水の力」 「風船で科学」 で取り上げたメニューや PP 紐・ゴム風船・発泡ス チロール・塩ビパイプに帯電させた静電気を利用 した実験を組み合わせてサイエンスショーを行っ た。 7 科学館職員によるサイエンスショー 職員によるサイエンスショーを,4タイトル, 7日間(14 回)実施した。各ショーにおいては,子 どもが参加できる場面を設けたり,家庭で再現で きる実験を紹介したりして,参加者に身近なショ ーとなるよう工夫した。 (1)化学のふしぎ 水の色変化 ・石灰水の色変化(石灰水,フェノールフタレイン, メチレンブルー,メチルオレンジ,希塩酸,高分 子吸収剤を利用した実験) ・紫キャベツで色変化 ・ヨウ素でんぷん反応(イソジンを使った実験) ・時計反応の実験 ・酸化還元反応の実験 ペットボトルを振ると色が変わる水 (酸化還元反応の実験) ◆準備物:精製水 500ml,水酸化ナトリウム 10g, ブドウ糖 6g,メチレンブルー,インジコカルミン, ペットボトル2本 ◆手順:①水酸化ナトリウム 10g,ブドウ糖 6g を 精製水 500ml に溶かす。②2本のペットボトルに ①の溶液を 250ml ずつ入れ,一方にメチレンブル ー,他方にインジコカルミンをごく少量入れる。 8 アンケート調査の結果 本年度に実施したすべてのショーにおいて,アン ケート調査を実施した。アンケート調査の結果を① ~⑥に示す。 - 17 - ① 年齢層(総回答数:247) 高校 生・ 中学 大人 生 13% 2% ⑤ 新たな発見があったか(総回答数:247) 年齢層 無回 保育 わから ない 6% 答 園・ 1% 幼稚 園 23% 小学4 年生~ 6年生 18% 新たな発見 無回答 4% いいえ 5% 小学 1年 生~3 年生 43% はい 85% ② おもしろさ(総回答数:247) おもしろさ ふつう 3% ⑥ また見たいと思うか(総回答数:247) おもし とても ろくな おもし かった ろくな 無回答 かった 0% 3% 1% おもし ろかっ た 27% 観覧継続希望 思わな い 無回答 4% 1% とても おもし ろかっ た 66% また見 たい 95% ①「年齢層」の結果より,観覧者の年齢層は,保 育園・幼稚園から小学校第3学年までが 66%,小学 校第4~6学年が 18%,中・高校生,大人が 15%を 占めており,ショーの内容は主として幼児や小学生 が理解できる構成にすると良いことがわかる。 ②~⑤の「おもしろさ,不思議さ,わかりやすさ, 新たな発見があったか」については,ほぼ全員から 高い評価を得た。 ⑥の「また見たいと思うか」については「また見たい」 という回答が 95%を占めている一方では、若干では あるが「おもしろくなかった,特に何も感じ なかった,難しかった」などの回答が寄せられている。 今後は,アンケート結果を分析したり,ショー当 日に参加者からいただいた質問や意見を参考にした りして,誰にでも感動を覚えていただける内容のシ ョーを創り上げる必要があろう。 ③ 不思議さ(総回答数:247) 特に何 も感じ なかっ た ふつう 3% 4% 不思議さ 無回答 4% とても 不思議 だと 思った 52% 不思議 だと 思った 37% ④ わかりやすさ(総回答数:247) わかりやすさ とても 難し かった 3% ふつう 9% わかり やす かった 27% 難し かった 2% 無回答 4% 9 次年度への課題と計画 ショーの実施に当たっては講師との綿密な連携や 内容の工夫が求められるとともに実験マニュアルの 整備及びデータベース化が急務となっている。 また, 職員の技能習得や薬品の扱い,実験方法の改善など 専門的知識の向上に向け,研修の在り方も検討しな くてはならない。次年度のショーが参加者にとって 感動的なものになるようショーの内容を工夫したい。 とても わかり やす かった 55% - 18 - (3) 平成 25 年 1 月 27 日(日):参加者 16 名 大人の科学談話室 「広島湾の微小な生き物」 矢野宏和・江田英俊 広島湾を中心として生息している小さな生き物を 紹介した。顕微鏡を使い多くの微生物を観察しなが らの解説だったため,大変わかりやすかった。 講師:末友 靖隆 (岩国市立ミクロ生物館 館長) (4) 平成 25 年 2 月 16 日(土):参加者 18 名 「ぼくの作ったエジソンの白熱電球と蓄音機」 エジソンが発明した「白熱電球や蓄音機」を身 の回りにある材料で再現した開発秘話。実際に開 発した白熱電球や蓄音機で実験をしながらの話で 1 実施要領 (1) 目的 ① 広く大人を対象に,科学の世界に親しむ場を提供 することによって科学技術を啓発普及し,こども を含めた市民全体の科学に対する興味関心を高 める。 ②こどもを主な対象とする当館において,大人の利 用者を開拓し,ひいては市民の科学館に対する意 識の向上を図る。 (2) 実施時間 14 時から 16 時まで (3) 募集・参加形態 当日自由参加 あった。 講師:原田 正治 (元広島文教女子大学 教授) 3 所感 今年度も昨年に引き続き「広島の科学」というテー マで様々な専門家に話していただいた。広島がテーマ なので科学が身近に感じることができるという感想を 多くいただき.好評であった。ただ.今年度は広報不 足が影響し.参加者少なかったことが残念である。 来年度はテーマ選定や広報に力をいれ,参加者が多 2 内容 くなるように努力したい。 (1) 平成 24 年 11 月 11 日(日):参加者 22 名 「広島の岩石~花崗岩~」 広島の大地を支えている「広島花崗岩」について 解説した。岩石標本が数多くあり,参加者は興味深 く観察していた 講師:幾田 擁明(こども文化科学館 館長) (2) 平成 24 年 12 月 16 日(日):参加者 14 名 「海岸地形の地殻変動 ~広島の温泉~ 」 広島近郊にある温泉と地質との関係を科学的に紹 介した。広島と他の地域との温泉の違いなどの説明 があった。 講師:越智 秀二(比治山中高等学校 教諭) - 19 - ア.概要 年間を通してメインとなる全編オート番組。一貫 したストーリーの中で,テーマに応じた内容や季節 の星空を紹介する。3 か月ごとに入れ替え。所要時 間約 40 分。 イ.各番組の概要 a.春の番組(No.128) ・題 名 金環日食 ~金色のわっかのキセキ~ ・期 間 3 月 10 日~6 月 3 日 ・脚本・演出 掛田 智子 ・声の出演 一之瀬蘭,たにたしゅんじ,木村 惟※,甲斐順平※,西川美佐※,う っちー(内田貴之) ※(※=B-LUCKS ♪) ・音 楽 国本 佳宏 ・美 術 ちから ・内 容 金環日食をモチーフとしたファン タジー。冒険物語を軸に,日食の仕 組みに触れた内容。 b.夏の番組(No.129) 名 星上バトル! ・題 ヘラクレス vs アスクレピオス ・期 間 6 月 9 日~9 月 2 日 景山 淳史 ・脚本・演出 ・声の出演 岡田 美絵,本名 正憲, 室積 馨 楽 国本 佳宏 ・音 ・美 術 村上 麻紀 ・内 容 ヘラクレス座と蛇遣い座の位置関 係をモチーフとした,喜劇調の物 語。星座の歴史や歳差にも触れる。 c.秋の番組(No.130) ・題 名 ほほえみの降る星 ・期 間 9 月 8 日~12 月 2 日 ・写 真 長倉 洋海 ・脚 本 井村 馨 ・映像演出 酒井 忠彦 ・音響監督 小川 智史(㈱プラネットスタジオ) ・制作・著作 コニカミノルタプラネタリウム㈱ ・内 容 厳しい環境に暮らす人々をテーマ とする写真家,長倉洋海氏の作品 を主体に,現地の人々の暮らしや その地域の星空を紹介。 d.冬の番組(No.131) ・題 名 夜空はぼくらのおもちゃ箱 ~見えない宇宙をのぞいてみよう~ ・脚本・演出 五十嵐 美佐子 ・声の出演 石津 真季,出口ナオミ, 福田 恵 Ⅱ プラネタリウム・天文普及事業 松本 佳也・加藤一孝・髙土尚子・伴香久子 平成 24 年度観覧実績 総観覧者数 73,625 人 <内訳> 季節番組 春(H24/4/1~6/3) 6,718 人(198 回) 季節番組 夏(6/9~9/2) 13,587 人(221 回) 季節番組 秋(9/8~12/2) 9,336 人(236 回) 季節番組 冬(12/8~H24/3/3 ) 6,412 人(245 回) 季節番組 春(3/9~3/31) 2,683 人( 80 回) 星空投影 2,010 人( 39 回) リフレタリウム 905 人( 41 回) 星空ミニライブ 930 人( 10 回) 学習投影 小学校 4 年 9,423 人( 67 回) 小学校 6 年 259 人( 5 回) その他 694 人( 4 回) 幼児向け投影 9,174 人( 32 回) 夏休みプラネタリウムまつり 10,770 人( 76 回) コスミックコンサート 115 人( 1 回) 天体観望会〜星空解説〜 293 人( 3 回) こどもの日投影 160 人( 1 回) 雑貨団公演 49 人( 1 回) 9/1 講演会 115 人( 1 回) 1 実施事業概要 (1)季節番組 - 20 - ・音 ・美 ・内 楽 術 容 国本 佳宏 上本ちよみ 様々な波長の電磁波による宇宙観 測の概要から,電波天文台 ALMA を紹介する内容。 出演:青木紀子(ピアノ) 5 月「音楽のおもちゃ箱」 出演:井藤雅子(トランペット),国重敦史(サ ックス),坂下小百合(テューバ・ソプ ラノ),竹下吉修(トランペット),的場 恵(ピアノ),山根恭子(パーカッション) 6 月「星空のとろんぼーん♪」 出演:大橋葉子・大平めぐみ・栗林 ひとみ (トロンボーン),児玉利恵(ユーフォ ニアム) 7 月「星のしらべと夏の空」 出演:青木紀子(ピアノ) 8 月「星空Y×2 ミニコンサート ~星空と音楽であそぼう!」 出演:藤原幸来・成宮優子(エレクトーン) 9 月「ぴょん太のハナウタライブ♪ 月めぐり星めぐり」 出演:内藤美保 (シロフォン・メタロフォン) , 桂杏子(ピアノ) ,三浦ひろみ(ナレー ション) 11 月「もういくつねると,クリスマス!?」 出演:青木紀子(ピアノ) 1 月「宮沢賢治・星のおくりもの」 出演:ひろしま音読の会 森岡三恵・大林舞(朗読),伊藤ナオ ミ(ピアノ) 2 月「春は名のみの星めぐり」 出演:青木紀子(ピアノ) 3 月「風の音・竹の声」 出演:浜村敏彦(篠笛) (2)星空投影 ア.開催日 毎週日曜日 16 時から(星空ミニライブ開催時を除く) イ.概要 オーソドクスな職員の生解説による投影。季節の 星座や惑星とあわせて,天文宇宙関係のトピックス などを紹介。 ウ.各月のテーマ 4 月「日食ってなんだろう」 5 月「日食の楽しみかた」 6 月「次は 100 年後!金星の太陽面通過」 7 月「食(しょく)の楽しみ」 8 月※夏休み特別投影のため休止 9 月「秋分の日が動き始めた!?」 10 月「月を見よう!」 11 月「秋の星空神話」 12 月「宇宙は広いな大きいな」 1 月「宇宙の歴史を 1 年にしてみると…」 2 月「宇宙を見る眼~望遠鏡~」 3 月「2013 年は彗星に注目!!」 (3)リフレタリウム ア.開催日 毎週水曜日 12 時 30 分から イ.概要 解説なしにプラネタリウムの星空とBGMをゆ ったりと楽しむ,大人向けのヒーリング投影。唯一 の大人向け定例プログラム。所要時間約 20 分。 ウ.使用CD 2012 年春「ブラームス~世紀末の憂愁」 2012 年夏「オーラ・ルミエール ドラマ&シネマ」 2012 年秋「the Straight Story」 2012 年 12 月「オーラ・クリスマス」 2012-13 年冬 宮本文昭「ブルー・ヴォイス」 (5)夏休みプラネタリウムまつり ア.期間:7 月 21 日(土)~9 月 2 日(日) イ.観覧者数:A)7,072 人 B)1,640 人 C)2,058 人 ウ.概要 魚眼レンズと大型プロジェクター1 台による,大 型映像番組の上映。 ●設置機器:Panasonic DW-10000 1 台 ・解像度:フルHD(1920×1080 pixel) ●上映番組 A)銀河鉄道の夜(KAGAYA Studio:約 40 分) 7 月 21 日(土)~9 月 2 日(日) 各日 13 時 20 分から B)New Horizons(コニカミノルタプラネタリウム:星空生解説約 25 分+本編約 20 分) 7 月 16 日(土)~30 日(土) 各日 16 時から C)星の王子様(さらい:星空生解説約 25 分+本編 約 20 分) 8 月 16 日(火)~31 日(水)※28 日(日)を除く 各日 16 時から (4)星空ミニライブ ア.開催日 毎月最終日曜日 16 時から イ.概要 星空の生解説とあわせて音楽演奏や朗読を実施。 星空解説 20 分程度,ゲスト出演 30 分程度を目安と する。 ウ.各月のテーマ ※10 月,12 月は休止 4 月「花のしらべと春の空」 - 21 - (10)プラネタリウムコスミックコンサート 「Christmas gift ~星たちの贈りもの~」 ア.日時:12 月 24 日(祝・月)18:30〜19:30 イ.観覧者数:115 人 ウ.出演:DёL SoLё(デルソール) Violin:мiho Guitar:森永達哉 Bass:濱治一将 Drums&Percussions:長谷頼晃 エ.概要 関東を中心に活動するアコースティックバンド 「D ёL SoLё(デルソール)」によるプラネタリウムでの コンサート。演奏と星空・映像演出を中心に,簡単 な星座紹介も。 (6)星出宇宙飛行士と交信しよう! ア.実施日:8 月 9 日(木) イ.参加者数:200 人 ウ.概要 日本宇宙少年団主催。国際宇宙ステーションと, 東京 (コニカミノルタプラネタリウム天空) , 大阪 (ソ フィア堺) ,広島(広島市こども文化科学館)をテレ ビ会議で結び,星出宇宙飛行士との交信を実施。事 前募集の子どもたちによる質問など。広島会場ゲス ト:観山正見広島大学特任教授・前国立天文台長。 (7)シアトリカル・プラネタリウム「ほしのうみへと」 ア.実施日:8 月 23 日(木) イ.参加者数:49 人 ウ.出演:雑貨団 エ.概要 プ ラ ネ タリ ウ ムを 活用した演劇の草分け として知られる,雑貨 団による公演。近未来 の宇宙開発を舞台に, ヒトが宇宙に進出する 意義を問う内容。 (11)金環日食への対応 ア.概要 今回の金環日食は国内では 25 年ぶりとなり, 日本 の三大都市圏すべてが金環帯に入ることから有史以 来最大の人口規模による観測とも言われるほどで, 極めて注目度の高い天文現象となることが予想され た。2009 年のトカラ列島皆既日食の際に,広島でも 大きな部分日食となることから観察イベントを実施 したが,予想を大きく上回る来場となり,安全確保 の面で課題を抱えるほどの盛況ぶりであった。この ことを踏まえ,今回は観察会をあえて実施しないこ ととし, 自力でスムーズかつ安全に観測できるよう, 事前の啓発活動に力を入れることにした。 イ.企画内容 a.専用チラシおよびポスターの作成・配布 観察に必要な時刻等の基本情報に加え,安全に 観察するための注意点と具体的な観察方法を掲 載した。広島市内の全小・中学校の児童生徒一人 一人に配布し,あわせて市の公共施設や当館館内 で配布した。十分な数を用意し,まとまった数の 要望にも応えるられるようにした。また印刷用デ ータを,印刷配布可として Web 上で公開した。 (8)こども講演会「宇宙の話をしよう!」 ア.実施日:9 月 1 日(土) イ.参加者数:107 人 ウ.講師:観山正見 (広島大学特任教授・前国立天文台長) エ.概要 パワーポイントと Mitaka によるプレゼンテーシ ョンを交えながら,天文学のトレンドをこども向け にやさしく紹介する内容。 (9)クリスマス×プラネタリウム ア.実施日 12 月 22 日(土)~24 日(祝・月) イ.概要 a.星空投影~サンタクロースが見る星空~ 「サンタクロースがプレゼントを持ってやっ てくるときに見ている星空」をテーマに生解説投 影。(各日 16 時から) b.リフレタリウム~Christmas Ver.~ 水曜午後の癒しのプラネタリウム投影リフレ タリウムを特別投影。(各日 12 時 30 分から) - 22 - b.講座の実施 3 月 27 日に,科学教室の一環で太陽観察の講座 を実施した。日食直前は教室形式ではとても受け きれないほどの参加希望になると予想されるこ とから,チラシ等の情報提供によるマスを対象と した手法をとることとし,より細やかな教室対応 は早い段階で実施し,関心の高い層に対応するこ ととしたものである。それでも定員を超える応募 があり,盛況であった。 c.プラネタリウム投影での解説 毎週日曜日 16 時から開催している「星空投影」 の 4 月 5 月のテーマを日食関連とし,4 月は日食 の仕組み,5 月は具体的な観察方法を中心に解説 した。 (12)金星の太陽面通過への対応 ア.概要 金環日食のわずか半月後に起こるという,まれに 見る第一級天文現象ラッシュではあったが,わかり やすい現象である金環日食の陰に隠れ当初の注目度 はあまり高くなかった。しかしながら,日食と合わ せての紹介がある程度なされたことや,日食により 天文現象そのものへの関心が高まったためか,日食 後は太陽面通過への関心が急速に高まった。当館に とっては,夏のプラネタリウム番組入れ替えの中日 という極めて厳しい日程であったが,事実上生涯ラ ストチャンスとなるこの現象を広く楽しんでいただ くため,いくつかの企画を実施した。 イ.企画内容 a.日食チラシへの掲載 日食チラシの裏面に金星の太陽面通過の紹介 を加えた。大きなスペースは確保できなかったが, 観察の注意点は日食と同様であり,必要最小限の 情報は掲載することができた。 b.Ustream によるインターネットライブ中継 ちょうど梅雨時の天候が不安定な時期である ことから,全国でインターネット中継体制が敷か れることが望まれた。これを受けて当館でも常設 の太陽望遠鏡にビデオカメラを設置し,Ustream によって配信した。全国的に天候のすぐれない中, 広島は数少ない好天地となり,大変多くのアクセ スがあった。最終的には 2 万件余のアクセスに達 し,その模様はメディア等でも紹介された。 c.観察コーナーの開設 8 年前の同現象の際には全く関心が高まらず, 状況が予想しづらかったことや,大規模なイベン ト開催が困難な状況であったことから,通常開館 の傍らで,太陽望遠鏡ブースに機材を増設する形 で観察コーナーを設置した。 - 23 - 具体的には,当館の太陽望遠鏡は構造的に大人 数で観察しづらいことから,天体望遠鏡を屋外に 設置してビデオ撮影し,その映像を太陽望遠鏡ブ ース横に設置した大型モニターで放映した。太陽 望遠鏡による生の太陽光の全球像と,HD カメラに よる拡大像を囲み,多くの来場者で賑わった。 開館から昼すぎまでの長時間に渡る現象であ ったが,熱心な来場者が多く,約 200 人の来場が あった。数少ない好天地かつ交通の便の良い場所 であったためか,東京など遠方からの来館もあっ た。第四接触を迎え,金星が太陽面を離れる際に は拍手と歓声が沸き起こった。 これら機材の設置と合わせて,動画静止画の撮 影も実施し,多くのデータを収集することができ た。 2 所感 平成 24 年度は, 金環日食と金星の太陽面通過に始 まる,まれに見る天文イヤーであった。夏休みは前 年に続き大型映像番組の上映を実施し,この他にも いくつかのオファーを頂くなどして大変企画の充実 した 1 年となった。 具体的な数値には十分に現れていないが,ここ数 年天文宇宙への一般の関心は確実に高まっていると 感じる。金星の太陽面通過をみても,前述のとおり 8 年前はほとんど一般が関心を示すことはなく,一 部の熱心な天文ファンがほんの数名来館した程度で あったが,今回は一般の方々が多く来館し,熱気に あふれていた。加えて単に現象を見るだけでなく, 多くの人達と観察し感動を共有することにより得ら れる来場者の感情的な相乗効果が見て取れ,その場 を提供することが,科学館に大きな存在価値を与え うることを感じた。 同様の効果は,7 月 21 日に館内で簡易に開催した H2B ロケット 3 号機打ち上げのパブリックビューイ ングでも見られ,科学で感動を共有する場となるこ とが,これからの科学施設の重要な役割の一つとな り, 施設の価値を高めるのではないかと考えられる。 博物館が,単にモノとしての展示物を陳列すれば 良かった時代から,情報を伝えることが求められる 時代となり,体験の重視が叫ばれ,近年は単なる情 報や体験にとどまらない,より有機的な意義や価値 の提供へと,その役割も変化してきた。博物館が社 会に欠かせない存在となるために,我々には積極果 敢な取り組みが必要である。プラネタリウム・天文 事業もそのような視点から,単なる過去の繰り返し ではない,時代に見合った価値を提供できる事業を 展開していかなければなるまい。 プラネタリウム来場者の動向をみると,引き続き 大人の来場が増加傾向にあり, 「子供の遊び場,お勉 強の場」のイメージの払拭が急務である。子供を含 め,誰もが科学・天文・宇宙に親しみ,楽しめる場 となれるよう,その先鋒として,プラネタリウム天 文事業を展開していきたい。 (13)天体観望会 ア.4 月 30 日(祝)①星空解説(プラネタリウム)18:30~19:20 ②星空観察 19:30~20:30 参加者数:①41 人 ②曇天中止 イ.7 月 28 日(土)①星空解説(プラネタリウム)18:30~19:20 ②星空案内 19:30~20:30 参加者数:①228 人 ②300 人 ウ.3 月 17(日)①星空解説(プラネタリウム)17:30~18:20 ②星空案内 18:30~19:30 参加者数:①24 人 ②曇天中止 (13)広島大学東広島天文台見学会 ア.日時:11 月 12 日(土)17:30〜19:30 イ.参加者数:72 人 ウ.内容 広島大学宇宙科学センター東広島天文台の一般向 け見学会を,同センターの協力により実施。県内最 大の 1.5m望遠鏡による天体観察や,Mitaka を利用 した宇宙解説など。 - 24 - Ⅲ クラブ活動 11 月 発表会(18 日) プラネタリウムクラブ 3月 天体観望会(広島大学宇宙科学センター附属 1月 反省会(26 日) 東広島天文台) (16 日) 松本佳也・村上 聡 5 番組制作と発表会 (1) 内容 班 タイトル Boys be ambit A ious!? りなとあやとの不思議な月 B の物語 C 星のキャンプ OB2 地球戦隊アースレンジャー オーロラの謎に迫れ! (2) 発表会 1 プラネタリウムクラブとは 発表会は,部員の保護者などを招き,実施してい プラネタリウムクラブはシナリオ,原画作成,ス る。また一般来館者も,自由に観覧することが出来 ライド作成,音声録音編集,プログラミングなど, ほぼすべての作業を小中学生のこども達だけで行い, プラネタリウムのオート番組を制作する,全国でも る。観覧料は無料である。観覧者 74 名 ○日時 平成 24 年 11 月 18 日 17:30~19:00 ○アンケートから 珍しいクラブである。中学校卒業後も,OB・OG ・あの二人がどうなったか気になって今夜は眠れ として活動に参加し,希望者は番組の制作も行って ないかも… いる。 ・ユニークな話の流れで飽きなかった ・星の紹介を多く入れてあって楽しかったです 2 目的 ・竹取物語から話を作る発想がすばらしかった 異年齢の児童生徒が広い地域から学校外の場に集 ・コントを見ているようでとても面白かった。 まり,自らの意思により主体的に活動し,また集団 行動することを通して, 児童生徒の健全育成を図る。 6 所感 プラネタリウム番組の共同制作を通して,天文学に 今年度から OB を講師とした指導を開始した。 プラ 関する学習・研究を深めるとともに,人間関係・コ ネタリウムクラブの番組制作では、経験豊富な OB ミュニケーション・プレゼンテーション・自己実現 の指導が効果的な場面が多く、 新入部員の指導では、 などの能力を高める。 大変大きな効果があった。現役3班いずれもよくで きたシナリオで、2年目以降となる A,B 班の内容は 3 部員の構成 大人でも楽しめる内容であった。素材制作では時間 現役部員(小学校5年~中学校3年) :15 名 が限られることもあり、十分に手を尽くせない部分 ※うち新規加入6名,継続者9名 が散見されるが、このところ年々作品の質が上がっ OB・OG(高校生以上で活動に参加した者) :6名 ている。 番組制作作業にパソコンを要する部分が次第に増 4 活動状況 加しており、追い込みの時期にはパソコンの台数が 4月 進級進学お祝い会(8日) 不足がちになった。台数の増加は容易ではないが、 新入部員募集(~7日) 可能な範囲で台数を確保し、同時に作画作業につい 発足式(15 日) ては、当面パソコンを使用しないことを原則とする 5月 新入部員講習会(12 日) 必要がありそうである。 (プラネタリウムの仕組,番組制作方法など) 7月 番組制作合宿(26・27 日) 10 月 青少年のための科学の祭典(27 日,28 日) - 25 - ⑶ 活動計画 アマチュア無線クラブ 月 日 江田英俊・池本和弘・髙土尚子 1 活動のねらい ⑴ 電子工作や無線機の操作,無線コンテストへの参 加を通して電気や電波に対する興味・関心を高める とともに知識を深める。 ⑵ アマチュア無線にかかわる諸活動を通してクラ ブ員相互の交流を図る。 タイトル 4/15(日) 発足式・オリエンテーション 科学館職員 4/28(土) アマチュア無線の運用1 吉岡 秀明 4/29(日) ALL JA コンテスト参加 中本 5/5(土・祝) 南極との交信 科学館職員 5/20(日) フォックステーリング(ARDF) 藤川 正克 5/27(日) フォックステーリンク実践 藤川 正克 6/10(日) アマチュア無線の運用2 吉岡 秀明 7/15(日) 電子工作1 低周波発振器の製作 佐藤 道雄 7/28(土) ~8/8(水) 国家試験対策講座(1~6) 佐藤 道雄 下居 修 8/4・5(土・日) フィールドデーコンテスト 科学館職員 10/7(日) 全市全郡コンテスト 中本 10/27~28(土・日) 「科学の祭典」 短波帯用4素子アンテナを中心とした各種のアンテナ設備 11/18(日) 1/27(日) 2 募集概要及び募集結果 広島市及び広島市近郊在住の小学校4年生~中学 校3年生の児童生徒(定員 30 名)を対象としてクラブ 員を募集した。 今年度は応募のあった 22 名全員をクラブ員として 登録して様々な活動を行った。募集方法を工夫するこ とにより,さらにクラブ員数を増やすことができると 思われるが,施設・設備や職員の体制を考慮すると, 定員 30 名が適正な人数であろう。 講師名 電子工作2 モールス解読機の製作 電子工作3 デジタル電圧計の製作 稔 稔 佐藤 道雄 厚海 慶太 吉岡 秀明 2/17(日) 修了式・活動のまとめ 科学館職員 2/17(日) 菓子博記念局交信開始 科学館職員 2/24(日) 広島市 WAS コンテスト 中本 稔 年間参加者数(クラブ員・ボランティア):365 人 4 平成24年度の活動概要 ⑴ 発足式・オリエンテーション クラブ員 22 名のうち,12 名が昨年度から継続して 活動している部員,10 名が新規に入部した部員であ った。発足式においては,新規に入部した部員は4 級アマチュア無線技士の免許を,また4級や3級の 免許取得者は更に上級の免許取得に挑戦するよう 願っていることを伝えた。免許取得を目指す子ども には,科学館職員,ボランティアの惜しみない支援 があることを伝えるとともに,保護者の皆様にも協 力していただくようお願いした。 ⑵ 南極昭和基地との交信 日本アマチュア無線連盟と連携し「こどもの日特 別運用」を行う南極昭和基地のアマチュア無線局 (8J1RL)との交信を計画した。交信を予定した5月 5日の 16 時からクラブ員,保護者,ボランティア が多数集まった。電離層のコンディションを把握す るために他局の交信の様子を探るとともに関西地 方のアマチュア無線局と連携をとりながら交信予 定時間を待った。当日は電離層の状態が良かったの で,3級の資格をもつクラブ員2名と4級のクラブ 員3名それぞれが南極と交信することができた。交 3 平成24年度の活動方針 ⑴ 活動内容 ① 電気や電波に関する学習 ② 電子工作を通した電波への理解を深める学習 ③ 無線従事者免許取得のための支援 ④ アマチュア無線局(JH4YIL)の運用 ⑤ 「青少年のための科学の祭典」への参加 ⑵ 活動のねらい ① 電気や電波に関する学習や電子工作を中心と した学習を通して,学ぶことの楽しさを味あわ せる。 ② 無線従事者免許の取得を希望するクラブ員を 対象とした特別講座を夏期休業中に開設し,受 験者の全員合格を目指す。 ③ 無線交信技術の向上を目的として,各種のコン テストや記念局交信に参加させる。 ③ 親子が同じ趣味をもつことにより,親子の語ら いが増え,相手の立場を理解でき,互いを思い やることができる環境をつくる。 - 26 - 信に参加したクラブ員全員が約 14,000km 離れた場 所にある南極昭和基地と交信できたので,クラブ員 のみならず保護者やボランティアにとって思い出 に残る1日となった。 南極昭和基地(8J1RL)との交信 法の部品のはんだ付けに苦労したりしながら,多数 のボランティアの支援のもと,なんとか全員が作品 を完成させることができた。今後は,電子回路のは たらきを理解したり,動作しない時の原因を探った りすることができる力を養いたい。 ⑸ 「フィールドデーコンテスト」参加 広島市三滝少年自然の家で1泊2日の日程で無 線局の移動運用を行った。当日は無線クラブ員 16 名がボランティア7名と大学生(科学館実習生)3 名の支援のもとに日本アマチュア無線連盟が主催 する日本全国の無線局と交信するフィールドデー コンテストに参加して交信を行った。真夏の暑さの 中での屋外活動ではあったが,交信技術を磨くとと もにクラブ員同士やボランティアとの絆を深める ことができた2日間であった。 5/5 ⑶ フォックステーリング 5/20 に行った第1回目のフォックステーリン グは, 科学館北側にある広島市中央公園(広島市中 区基町)で実施した。 FMトランスミッタを持って 移動する2人のFOXを各自が持参したFMラジ オで探し出す競技を行った。 当日は人の往来が非常に多かったことや一般商 業放送の電波が微弱なFOXの電波の受信を妨げ るのでFOXを見つけることに苦労したが,なん とか全員が目標を達成することができた。 5/27 に行った第2回目のフォックステーリン グは,フォックステーリング専用の発信器や受信 機等の機材の準備とクラブ員への指導を日本アマ チュア無線連盟呉支部の協力のもと,前回と同じ 場所で実施した。指向性をもったアンテナと受信 機で発信機から出る電波を探るという本格的なA RDFについて学ぶことができた。 フィールドデーコンテスト 8/4~5 ⑹ 国家試験対策講座 市販の問題集や参考書のほか,手作りの問題カー ドを用いて指導した。その結果,本年度は新たに4 名が4級アマチュア無線技士の資格を取得すると ともに1名が3級に昇級することができた。このよ うな成果を上げることができたのは,クラブ員のモ チベーションが高かったことや日本アマチュア無 線連盟をはじめとして多数のボランティアから多 大な支援をいただいたお陰である。 ⑺ 青少年のための科学の祭典 無線クラブのボランティアとクラブ員がアマチ ュア無線のブース(モールス通信に挑戦!)を担当 した。モールス信号の解説資料,モールス信号練習 機,モールス解読機等を準備して参加者に指導した。 参加者はクラブ員の指導のもとにローマ字で書 いた自分の名前や数字をモールス符号「・」「―」 (トン,ツー)に変換する作業を行った後に,電鍵 を操作してモールス信号練習機を使ってモールス 信号を発信させた。発信した信号はモールス解読機 でローマ字や数字に変換されて画面に表示され,電 健を操作した結果が直ちに分かるので参加者には 好評であった。 フォックステーリング(広島市中央公園) 5/27 ⑷ 電子工作 外部から講師を招いて,①低周波発振器 ②モー ルス解読器 ③デジタル電圧計を製作した。①の電 子工作においては組み立てたプリント基板がケー ス内の部品に干渉しないよう工夫しながら組み立 てたり,また②の電子工作においては 2~3mm の寸 - 27 - 後半は,モーター工作,カムやクランクの原理を使っ た工作を実施した。動力を様々な動きに変換する仕組 みを知り,今後の発明くふう作品の製作等に生かすこ とが狙いである。 発明クラブ 荒川正己・森川公泰 1 目的 科学的興味,関心を追求できる場を提供し,学校を 離れた異年齢の集団で工作活動をすることを通して (1) 作品を自ら完成する喜びを体得させる。 (2) 科学的発想に基づく生活態度を育成する。 (3) 創造性豊かな人間形成を図る。 以上に加え, 「発明くふうへの意識付けやトレーニン グが不足」という昨年度の反省を元に,こども達の自 由な発想を生かす工作と,知財や特許権に関する学習 を組み合わせた 「アイディア開発工作 (鉛筆ホルダー, ボールコースター,模型飛行機を改造したプロペラカ ー) 」を試行した。 (詳細は4(1)参照。 ) また,発明くふうに対する意識の習慣付けを目的に 「アイディアマラソン」を導入した。 (詳細は4(3) を参照。 ) (3)完成コースの日程及び活動内容(表2) 昨年同様,夏の発明くふう展出展作品の製作を中心 に,アイディア開発カリキュラム・実用工作・電子工 作,及び期末の自由工作を実施した。 アイディア開発カリキュラムは,アイディアが浮か ばない,浮かんでも少ない・浅い,クラブ員同志でア イディアを高め合う姿勢に欠けているなどの課題に対 応するもので,導入して 2 年次目である。発想方法に 関する座学,話し合いや協働作業などの演習に加え, 発明くふう展に出品する作品の企画説明を行う「プレ ゼンテーション体験」を追加した。また基礎コース同 様,発明くふうに対する意識の習慣付けを目的に「ア イディアマラソン」を導入した。 2 クラブの概要 (1)主催 広島市こども文化科学館, 一般社団法人広島 県発明協会 社団法人発明協会 (2)会場 主にこども文化科学館 3階創作室 (3)期間 平成 24 年 5 月 13 日~平成 25 年 2 月 16 日 (4)対象と目標 ①基礎コース(定員:32 名) ・小学4~6年生で初めて参加する者 課題工作の製作を通して,工具の使い方や工作の仕 方など,ものづくりの基本を身に付ける。 ②完成コース(定員:32 名) ・小学校 5 年生~中学生で基礎コースを修了した者 自分のアイデアや工夫を実際の作品に仕上げる。 3 今年度の活動状況 (1)クラブ員参加状況 基礎コース:応募 81 名,抽選。29 名修了 出席率 72.5% 完成コース:応募 29 名,全員受け入れ。28 名修了 出席率 73.1% (2)基礎コースの日程及び活動概要(別表) 近年の子ども達の基礎工作力低下に対応するため, 1年間課題工作を製作し,基礎的な工作技術の習得を 目指すカリキュラムに変更して3年次目である。 昨年度同様,年度の前半は木工系の課題製作を通し て基礎的な工具の使い方や,接着や色塗りなど,もの づくりの基礎が徐々に身に付くように設定した。また - 28 - アイディア開発カリキュラムと並行して実施した実 用工作では,完成 1 年目のクラブ員は昨年同様「工具 箱」を,2 年目以降のクラブ員は新たに「踏み台」を 製作した。 広島県大会(8/24) ②活動状況 課題が,車体のスピードに加え,デザインや仕掛け を重視する方向に変更された。このため車体構成は昨 年度のものを基本とし,オリジナリティのあるデザイ ンや仕掛けを製作することに重点をおいた。また,今 年度から広島県大会が実施されるため,大会前に完成 させ, テスト走行と修正をしっかり行うよう指導した。 県大会の結果は3年連続の1位こそ逃したが,全て のチームが特色のある作品を作り上げ,本番でも予定 通り走行させることができた。 電子工作は新たにエレクトロニクスを専門とする専 任講師を依頼し,講師のオリジナルの「距離センサー」 を製作した。 期末の自由工作は,多くのクラブ員が実用工作や電 子工作の未完成品製作の時間にもあてたが,結果的に 半数以上が新しい発明くふう作品を完成させることが できた。 なお,発明くふう展では以下のとおり入賞した。 市くふう展:広島市教育長賞2名(小6男,中3男) , 広島市PTA協議会長賞2名(小6女, 中2男) ,山本正登賞(小6男)竹林清三 賞(小6男) ,努力賞 4名 県くふう展:発明協会会長奨励賞(中3男) ,広島県発 明協会会長賞(小6男) ,ちゅうごく産業 創造センター会長賞(小6女) ,日本弁理 士会中国支部長賞(小6男) ,クマヒラ賞 (小6男) ,努力賞 1 名 4 課題と展望 (1)基礎コース「アイディア開発工作」について 基礎コースにおける「発明くふうへの意識付けやト レーニングが不足」という昨年度の反省を元に,今年 度から導入したプログラムである。発明・工夫とは何 かを体感することを目的に,知財学習と工作を組み合 わせたもので①鉛筆ホルダー②ボールコースター③模 型飛行機を改造したプロペラカーの3種類を設定した。 ①鉛筆ホルダー 短くなった鉛筆が使えるように延長する器具を, 身近な素材で自由に製作するとともに,工夫点をプ レゼンテーションする演習を組み合わせた。活発に 活動していたが,完成作品のバリエーションは限ら れた。 ②ボールコースター (4)その他の活動 ・県内発明クラブ交流会(7/24) ・参観日(7/14) (5)チャレンジ創造コンテスト(チャレコン) 発明協会が主催する大会で,課題は昨年に引き続き 「モーターとゴムで動くハイブリッドカー」である。 当クラブでは正規のカリキュラム外事業として位置付 け,完成コース全員と基礎コースの5・6年生から希 望者をつのり,実施した。 今年度から広島県大会が行われ,2位・3位を獲得 した。 ①実施状況 ・7チーム 21 人参加 ・説明会(6/18),指導会(7/8,7/21,8/6,8/10) - 29 - 木製の土台を全員に配布し, その上に工作用紙で” ゴールするまで出来るだけ時間がかかる”コースタ ーを自由に製作させた。事前に,折り方などを工夫 することで紙でも強度が出ることを実験し,同じよ うな形が身近に使われている(鉄骨など)ことも学 習した。 作品は非常に多彩で,かつゴールまで長時間かか るよう様々な調整を行っていた。 ③プロペラカー※ 市販の安価なゴム動力模型飛行機をもとにプロペ ラカーを製作するとともに,製作時に思いついたア イディアを”特許”として申請・登録し,擬似通貨 で使用料等のやり取りを体験した。 プロペラカーは” できるだけ目標の近くに止まる” ものと” できるだけ速い” ものの2種類を作らせた。 完成した作品はいずれも個性的で,調整・改良も熱 心に行い,競技も非常に盛り上がった。また”特許” 申請に関しては一抹の不安があったが,始まってみ れば窓口役の講師の前に列ができるほど,多くのク ラブ員が積極的に参加していた。 (3)アイディアマラソンについて 今年度基礎・完成両コースに導入した新たな取組み である。日ごろから自分の周囲を観察し,アイディア の種を探す習慣をつけることを目的としたものである。 年度当初にクラブ員全員に付箋を渡し,完成コースは 通年で100以上,基礎コースは50以上のアイディ アをメモすることを目標とした。 メモした数は毎回の活動日に申告させることで,日 常的な習慣となるよう指導するとともに,半期ごとに 集計し,達成者を表彰した。 結果としては,基礎・完成ともに数名の達成者が誕 生したが,多くのクラブ員にとってはハードルの高い 課題だったようである。特に,発明くふう作品を製作 しない基礎コースのクラブ員にとっては,意義を理解 させ,モチベーションを上げるための工夫が必要であ ろう。 一方完成コースでは,発明くふう作品や後半の自由 工作の企画を練る際に活用されることもあり,最終的 には多くのクラブ員にこの取り組みの意義は浸透した と思われる。 働きかけ等を修正しながら,次年度も引き続き継続 する。 (4)チャレンジ創造コンテストについて 全国同一のルールのもと,ものづくりの腕を競い合 うチャレコンでは,当クラブ所属のチームが過去2大 会連続で広島県代表として全国大会に参加し,昨年度 は全国2位を獲得している。今年度はルールとともに 県代表を決める予選方式が大きく変更になった。 これまではクラブごとに行う予選結果をもとに,大 会本部が県代表を決めるステムだったが,今年度から は広島県大会が開催され,優勝者が県代表になる単純 明快な方式に変更された。県内の参加チームが一堂に 会して行う真剣勝負は,クラブ員にとって非常に刺激 的だったようで,日頃の活動では見ることのない真剣 な表情が印象的であった。 結果として総合優勝は逃したが,多くのクラブ員か ら「悔しい」 「来年は頑張る」という言葉が聞かれた。 クラブ員はどの課題も非常に熱心かつ取り組んでい た。従来のカリキュラムに比べ自由度や競技性・ゲー ム性が高かったことが主な要因と思われる。実施効果 の判断はすぐにはできないものの, 「発明やくふう」を 理解してゆく第一歩としては,概ね成功したと考えて よいだろう。 基礎技術の習得とのバランスを勘案しながら,次年 度以降も引き続き実施する。 (2)完成コースについて 市発明くふう展で, クラブ員 29 名中 10 名が入賞し, 最終的に2名が全国展に進んだ。昨年度(市展入賞6 名,全国展に進んだもの0名)に比べても大幅な増加 となった。自分のアイディアや工夫を実際の作品に仕 上げるという目標を,一定程度達成できた現れと評価 できよう。 - 30 - このような感情は強いモチベーションとなり,個々の クラブ員の進歩に重要な役割を果たすと確信している。 次年度も参加継続の予定である。 一方,発明くふう展出品作品の製作時期と重なり, クラブ員・講師ともに負担が大きいことは,今年度も 解消できなかった。次年度は,発明くふう作品の製作 期間と明確にわけて実施し,負担の軽減を図る予定で ある。 (5)まとめ 指導方針・体制を大きく変更して2年目である。指 導講師の熱心な指導の結果,クラブ員個々が自分のア イディアを具体化できる力を順調にのばし,結果とし て発明くふう展等でも,昨年を大きく上回る人数が入 賞できた。 しかし短期的な結果に一喜一憂せず,クラブの目的 (科学的発想に基づく生活態度の育成,創造性豊かな 人間形成)を念頭に,個々のクラブ員に働きかけを行 い,中・長期的スパンでの育成を続けてゆく必要があ る。また,クラブ員の年齢層は幅広く,経験値もスキ ルも異なる。個性や能力も多様な集団のモチベーショ ンやものづくり力を高めるためには,どのような活 動・指導が必要なのか引き続き探っていきたい。 ※プロペラカーに関するカリキュラムは,平成23年 度少年少女発明クラブ中国ブロック研修会で紹介され た,大阪市日本橋少年少女発明クラブで開発されたも のを活用させていただきました。 別表 平成24年度広島少年少女発明クラブ 活動日程 基礎コース 回 日時 完成コース 活動内容 日時 活動内容 1 5/13(日) PM 発足式・オリエンテーション 5/13(日) PM 2 5/19(土) AM 初歩の工作 5/19(土) PM 3 6/ 2(土) AM スライドパズル 6/ 2(土) PM 4 6/17(日) AM ジグソーパズル 6/17(日) PM 5 6/30(土) AM パンタグラフ(拡大器) 6/30(土) PM 6 7/14(土) AM アイディア開発の基礎① 7/14(土) PM 7 7/28(土) AM アイディア開発の基礎② 7/21(土) AM 8 8/ 4(土) AM 前期のまとめ 7/28(土) PM 9 8/22(水) AM 8/ 4(土) PM 10 9/ 9(日) AM モーターを使った工作「手回 8/10(金) AM PM し発電カー」 8/22(水) PM 11 発足式・オリエンテーション アイディア発想トレーニングと 実用工作 発明くふう作品の企画・試作 発明くふう作品の製作 12 9/22(土) AM 9/22(土) PM 13 10/ 7(日) AM 10/ 7(日) PM 14 10/20(土) AM 10/20(土) PM 15 11/10(土) AM 11/10(土) PM 16 11/23(金) AM 広島県発明くふう展の見学 11/23(金) AM 17 12/ 8(土) AM カムやクランクを使った動く工作 12/ 8(土) PM 18 12/22(土) AM 12/22(土) PM 課題工作(テーマに沿ったア 19 1/ 5(土) AM 1/ 5(土) PM イディア工作) 20 1/19(土) AM 1/19(土) PM ※ 2/11(祝) 全日 補習 2/11(祝) 全日 補習 21 2/16(土) PM 修了式・表彰式・反省会 2/16(土) PM 修了式・表彰式・反省会 カムやクランクを使った動く工作 アイディア開発工作 「プロペラカー」 - 31 - 初歩の電子工作 広島県発明くふう展の見学 スーパーサイエンスミュージアム (7)経費 500万円(参加費16万円含む) 池本和弘・矢野宏和・村上聡 1.事業の概要 2.本年度参加者概要 小学5年生 7名(男子3名 女子4名) 6年生 9名(男子7名 女子2名) (広島市内14名 東広島市1名 福山市1名) 応募総数 32 名(昨年度 27 名) 3.事業日程 回 実施日 内容 実施場所 講師 開校式 1 6月2日 広島市こども文化科学館 常任講師 鹿江宏明ほか これからはじまる科学の世界 (1)目 的 子供の科学に対する知的好奇心を高め,未来に向かっ て夢と希望を持ってわくわくしながら探求活動にチャ レンジできる豊かな感性と創造性を育てる。 2 6月16日 生物どうしのつながり 比治山大学 常任講師 鹿江宏明ほか 3 6月30日 解剖学教室へようこそ 比治山大学 東京大学名誉教授 養老孟司 4 7月7日 身近な天気のサイエンス 比治山大学 常任講師 鹿江宏明ほか 5 7月14日 国立江田島青少年交流の家 常任講師 鹿江宏明ほか 海辺の生物観察 (宿泊研修) (2)主催など 主催:スーパーサイエンスミュージアム実行委員会 共催:広島市こども文化科学館 後援:広島市,広島県教育委員会,広島市教育委員会 一般社団法人広島県発明協会 協賛:広島ガス株式会社,多山報恩会 協力:比治山大学,広島大学,産業技術総合研究所関 西センター,宇宙航空研究開発機構(JAXA), 国立江田島青少年交流の家,戸田工業株式会社 7 7月28日 広島ガス工場見学 広島ガス株式会社 廿日市工場 産業技術総合研究所関西センター 8 8月18日 科学捜査 犯人は誰だ! 広島市こども文化科学館 牧原正記 9 9月8日 ジェットコースターモデルの科 学 10 9月15日 地層の観察・実験 11 10月6日 12 比治山大学 常任講師 玉井基宏ほか 広島大学 広島大学教授 山崎博史 エレキテルから236年(1) 広島市こども文化科学館 常任講師 菅野浩司ほか 10月13日 エレキテルから236年(2) 広島市こども文化科学館 常任講師 菅野浩司ほか 10月27日 「青少年のための科学の祭典」 へ参加しよう 広島市こども文化科学館 常任講師 鹿江宏明ほか 10月28日 「青少年のための科学の祭典」 へ参加しよう 広島市こども文化科学館 常任講師 鹿江宏明ほか 11月10日 環境と私たちの生活 13 (4)場 所 広島市こども文化科学館 比治山大学 国立江田島青少年交流の家 広島ガス株式会社(廿日市工場,ガストピアセンター) 広島大学 戸田工業株式会社 広島ガスショールーム 14 広島ガス株式会社 ガストピアセンター 15 11月24日 戸田工業を見学しよう 16 12月8日 ロケット開発の夢 戸田工業株式会社 戸田工業株式会社 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 広島市こども文化科学館 名誉教授 的川泰宣 (5)内 容 小学5・6年生対象,公募・選考で16名固定。 開催回数年間18回:1回通常2.5時間。 体験・実験を中心とした理科。 教育性 7月15日 広島ガス株式会社 (3)期 間 平成24年6月~平成25年2月 (6)事業コンセプト 高度性 継続性 6 17 12月22日 18 2月9日 おいしいお米をDNAで見分ける 修了式 比治山大学 広島大学教授 田中伸和 広島市こども文化科学館 常任講師 鹿江宏明ほか 4.講座実施内容 第1回 これからはじまる科学の世界 開校式に続き,これから始まる講座に備え,科学に 対する考え方を交えて,金属の導電性の実験やアルコ ールの燃焼実験など様々な実験を行った。折り紙の金 色や銀色にも電気が流れることを知り,受講生は驚い ていた。 地域性 - 32 - 第4回 身近な天気のサイエンス 天気についての講座を行った。最初に真空調理器な どを使って実験を行い,気圧について勉強した。一斗 缶を水蒸気で満たした後にフタを閉め,冷却すること で中を真空に近づけてつぶす実験も行い,受講生は大 気圧のパワーを感じていた。最後には,高分子吸収体 を入れてゲル状にした湯と水の振る舞いを観察し,前 線のしくみを学習した。受講生は身近な天気について 科学的に知ることができ, 満足していたようすだった。 この講座を通して,物事に疑問を持ったり,分から ないことを質問する大切さを勉強した。また,これか らの活動への意欲付けになった。 第2回 生物どうしのつながり 生物分野の講座で,食物連鎖に着目し,生物どうし のつながりをテーマに講座を行った。実習では,フク ロウの吐き出したペレット(ペリット)をほぐし,中 にある骨から,何をどのくらい食べていたのかを調べ た。受講生は細かい骨に悪戦苦闘していたが,受講生 同士で骨の交換をすることなどで打ち解けあい,終始 なごやかな雰囲気だった。最後に,取り出した骨を乾 燥させ,ネズミなどの全身骨格を復元した。次回の養 老先生との解剖実習につながる,大変有意義な講座と なった。 第3回 解剖学教室へようこそ 東京大学名誉教授で脳学者の養老孟司氏を特別講師 としてお招きし,受講生を対象としたアフリカツメガ エルの解剖実習と,解剖をテーマとした一般向けの講 演会の2部構成で実施した。 第1部の解剖実習では,受講生のほとんどが解剖す るのが初めての経験であった。そのため,最初は戸惑 っていたが,実習が進むにつれ,心臓や肝臓といった 内臓の位置関係,臓器の大きさや特徴を注意深く観察 できるようになった。養老先生にはこの様子を見てい ただき,適宜指導をいただいた。受講生は真剣に取り 組んでいた。 第2部は, 「養老先生の解剖学教室へようこそ」 と題 して,一般の参加者に交じり養老先生の講演会を拝聴 した。講演会では,骨格標本などを用い,体のしくみ などをユーモアのある言葉で話していただいた。先生 の『解剖は見ることである』という言葉が印象的な講 演会だった。参加者約 200 人のなかで,受講生も熱心 に聞き入り,講演会は盛況のうちに終了した。 養老先生との貴重な時間を過ごし,忘れられない講 座の1つとなった。 第5回6回 海辺の生物観察(宿泊研修) 国立江田島青少年交流の家において,海の生物観察 を中心に2日間の活動を行った。 初日は荒代海岸での磯の観察や,交流の家の海洋研 修館を借りて,ウニの発生を観察した。受講生は興味 津々で,いろいろな海の生物について理解を深めたよ うだった。ウニの発生も順調にいき,卵割もきれいに 観察できた。 二日目はアサリの解剖実習と昨日のウニの観察を行 った。アサリの体のつくりについての説明を受け,海 水を吸い込み呼吸をするようすや,砂に潜るようすな どを観察した後,解剖を行った。ウニの発生も順調に 進んでいた。 2日間の活動を通して,受講生は海に棲む生物の体 のしくみを知り,生命の不思議に触れることができた ように思う。けが人もなく,思い出に残る活動で,成 果の多い宿泊研修となった。 - 33 - 第9回 ジェットコースターモデルの科学 物理分野の講座で,遊園地などにあるジェットコー スターについて取り上げた。ジェットコースターは, 列車自体に基本的に動力はなく,レールの最高到達点 まで引き上げた後は,列車は位置エネルギーを運動エ ネルギーに転換して速度をつけて走っている。また, この2つの力学的エネルギーを変化させることで,ル ープするなどのさまざまなコースが考えられるという ことを学んだ。ジェットコースターは,最初から最後 まで電気を使って走っていると思っていた受講生もお り,最初はかなり驚いたようすであった。実際に金属 球を使い,玉を転がす高さと転がるスピードの関係を 調べる実験などを通して,最終的にはしくみをきちん と理解することができたと思う。最後には,各グルー プごとに独自のコース作りにチャレンジした。それぞ れが工夫してコースを作り,うまく最後まで転がった グループからは歓声が上がっていた。印象に残る楽し い講座となった。 第7回 広島ガス工場見学 広島ガス株式会社の廿日市工場の見学を行った。最 初に工場全体の説明を受け,家庭に届く都市ガスにつ いて勉強した。その後,工場内を歩いて見せてもらい ながら,各施設や機器の説明をしてもらった。工場全 体はマツダスタジアム2個分くらいの大きさがあり, 2つの大きな LNG(液化天然ガス)貯槽がある。その 貯槽の説明や,蓄えられている液化ガスを 60℃のお湯 で温め,気化させる機械,ガスを運んでくるタンカー の着岸場所の見学などを通して,受講生は普段何気な く使っているガスが,家に届けられるしくみについて 勉強できたと思う。最後には,液体窒素を使ったサイ エンスショーやガス器具の説明もあり,親子で楽しめ た見学会となった。 第8回 科学捜査 犯人は誰だ! 産業技術総合研究所関西センターの牧原正記氏を特 別講師として招き,講座を行った。 講座の内容は,シソの葉を使った,酸とアルカリの 色変わり実験や黒インクのマジックと書道半紙を使っ たペーパークロマトグラフィーの実験などで,犯人探 しというゲーム性をうまく利用した化学の講座だった。 講座が進み,犯人が絞られていくとともに,どんどん 先が知りたくなり,引き込まれる内容なので,受講生 も最後まで集中し,楽しみながら取り組めたようだっ た。 講座がちょうど夏休み期間中で,牧原先生には,無 重力の実験など,いろいろな科学研究のアイデアも教 えていただき,受講生は大変満足した講座であった。 - 34 - 第 10 回 地層の観察・実験 広島大学教授の山崎博史氏の指導のもと,広島大学 で地学分野の講座を行った。 最初に屋外で地層の観察を行った。70~50 万年前に 埋もれた地表面で,地層の不整合面を解説してもらい ながら観察することで,受講生はダイナミックな地球 の活動を感じることができたと思う。山崎先生には, 観察する上での心構えや基本まで教わり,大変ために なる観察会だった。 次に講義室に移動して,流水の働きと地層の形成や 流水による粒子の運搬のされ方などの講義を受けた。 クイズなども交えた分かりやすい話で,受講生は熱心 に聞き入っていた。 最後に,粒子の大きさごとに色付けされた砂を使っ て実験を行い,三角州に土砂が堆積するようすなどを 観察した。 大学ならではの雰囲気も味わうことができ,大変有 意義な講座となった。 に受け身で受講するのと違い,かなり苦労している様 子だった。しかし慣れてくると,屋外まで呼び込みに 出かける姿や,受講生同士の連携プレーも見られ,盛 況のうちに終了した。受講生には,人にものを教える ことの大変さを実感できた貴重な体験となり,一回り 成長することができた講座であったように感じた。 第 11 回 12 回 エレキテルから236年 2回にわたって静電気をテーマに講座を行った。講 座では,江戸時代の学者である平賀源内が作った静電 気発生装置「エレキテル」の模型製作も行った。 受講生は風船を使って静電気を起こし,アルミ箔と プラスチックコップを用いたライデン瓶に静電気をた めて実験したり,自分でエレキテル模型を製作するう ちに,楽しく静電気について学べたようだった。エレ キテル模型の製作も,講師が製作上のポイントを押さ えて指導することで,スムーズに製作することができ た。 講座は雷のしくみや電気の直流と交流の話題にも触 れ,受講生は普段何気なく使う身近な電気について理 解を深めた。節電が叫ばれている昨今,子どもたちに とって意義深い講座であった。また,10 月に行われる 「青少年のための科学の祭典」の出展にもつながる大 事な講座となった。 第 14 回 環境と私たちの生活 広島ガスショールーム ガストピアセンターに行き, 環境についての講座を行った。今回は受講生と保護者 に分かれ,別々のプログラムを行った。 受講生は,買い物から片付けまで環境のことを考え て料理をする「エコクッキング」について学んだ。食 材が口に入るまで,順を追って分かりやすく説明して いただき,自分の食生活と環境について考える良いき っかけになったと思う。最後には,実際にハヤシライ スやマカロニサラダを調理し,試食も行った。 保護者は,ガスを使用した床暖房や最新のガスコン ロを使っての実験などを見学し,効率的なエネルギー の使い方について学んだ後,受講生の作った料理をい っしょに試食した。 学校においても食育の指導がすすむなか,サイエン スという切り口から, 「食」 について考えるよい機会と なった。 第 13 回 「青少年のための科学の祭典」へ参加しよう 10 月 27 日と 28 日に広島市こども文化科学館で開催 された「青少年のための科学の祭典 第18回広島大 会」へブースの出展をした。スーパーサイエンスミュ ージアムのブースは, 「電気のはじまりはここから!!」 というタイトルで,前回講座で勉強した静電気をテー マにして,実験を体験してもらうものだった。実験の 内容は,手作りのライデン瓶に静電気をためて火花を 見せたり,静電気でビニールひもを浮かせる実験など を中心に行った。多くの来場者を相手に,受講生が静 電気について解説することになるため,いつものよう 第 15 回 戸田工業を見学しよう 大竹市にある戸田工業株式会社の本社へ行き,磁石 - 35 - をしていただいた。 受講生は,地元出身の著名な科学者との貴重な時間 を過ごすことができ,忘れられない思い出の講座とな った。 についての講義と工場見学を行った。 最初に,戸田工業で取り扱っている酸化鉄の機能と 用途などを説明していただいた。実際には難しい内容 であったが,丁寧に話していただき,受講生も戸田工 業の高い技術力について理解を深められたと思う。ま た,磁石の実験をして,どうすれば磁力を強くできる かなどを学んだ。 次の施設見学では,実際に研究で使用している電子 顕微鏡なども見せてもらい,製品が実際に使用されて いる電気自動車への試乗もさせていただいた。 最後に工場の見学をした。11 月にできたばかりの工 場で,携帯電話で使われている部品を作る工程を見学 した。 磁石はあまり目立たないが,いろいろな製品に組み 込まれている重要なパーツである。それを実際に製造 している場所を見学できたことは,非常に貴重な体験 となった。また,高い技術力で時代のニーズに応える こういった企業を見学することができたことは,受講 生にとっても刺激になったと思う。 第 17 回 おいしいお米を DNA で見分ける 広島大学教授の田中伸和氏の指導の下,DNA につい ての学習と実験を行った。 講義では,お米の種類と品種改良についてや,DNA の実験から分かることなどを学び,食品の偽装防止に も役立っていることなどを知ることができた。 実験では,微量の米粉から,PCR(ポリメラーゼ連鎖 反応)を行い,DNA を増やしてから検出し,電気泳動 によって分析を行った。受講生は,ほんの少しのお米 からでも,コシヒカリやひとめぼれといったお米の品 種の特定ができることを知って驚いていた。 田中先生には,難しい分野の内容を分かりやすく説 明していただき,また,マイクロピペットなどの実験 器具の使用方法までも教えていただき,大変充実した 内容の講座となった。受講生も遺伝子研究の一端を十 分に堪能でき,満足できたと思う。 第 16 回 ロケット開発の夢 特別講師に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉教 授である的川泰宣先生を迎え,受講生を対象としたロ ケットに関する実験教室と,ロケット開発に関する一 般向けの講演会の2部構成で実施した。 最初の実験教室では,ロケットの重さと推進力の関 係を調べるチームと,ロケットをまっすぐ飛ばす条件 を調べるチームに分かれ,それぞれが実験を行った。 フィルムケースと発泡入浴剤を使い,おもりの量を変 えながら水平発射をしたり,傘袋のロケットを何度も 飛ばし,受講生は真剣に取り組んだ。最後にそれぞれ が実験結果から分かったことを発表し,的川先生に講 評していただいた。 「ロケット開発の夢」と題した講演会では,今まで 先生が携わってきたロケット開発の仕事を,ユーモア を交えて話してくださった。先生は広島県の呉市出身 で,幼少のころの思い出から,これからの宇宙開発の ことに関する話まで,時折会場からも笑い声が聞かれ るくらい,最後まで飽きることのないおもしろい講演 第 18 回 修了式 今期は総合発表を行わず,一年間を通じて印象に残 った講座を取り上げて, 1分程度のスピーチを行った。 スピーチでは, 親に感謝の言葉を伝える受講生もおり, この一年で成長した姿が印象的だった。 - 36 - 5.事業のまとめ (1) 選考 参加者の選考は,昨年度と同様に 600 字程度の作文 と 3~5 名ずつのグループ面接によって行った。応募 者全員に対して作文の書類審査と面接を行い,実行委 員会により参加者を決定した。 応募した子どもたちは,みな非常に意欲を持ってお り,この事業に対する期待の高さがうかがえた。16 名 の募集に対して,32 名の応募があり,書類選考・面接 の両審査結果を総合的に判断し 16 名の参加者を決定 した。 (3) 経費 広島ガス株式会社,多山報恩会両者より,協賛金を 出して頂いた。 本年度は 10 周年記念事業の積立金があり,講座の 日に常任講師の仕事が重なることも多く,金銭的には 余裕があった。講師の勤務校の備品を借用して実施す る講座も多く,効果的な経費の使い方について引き続 き考えていくべきであろう。 (2) 講座の日程及び内容 本年度も,大学や企業等と連携し,充実した内容の 講座を実施することができた。また,10 期という節目 を記念して,東京大学名誉教授の養老孟司先生の講演 会と宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の的川 泰宣先生をお招きしての講演会を実施し,どちらも盛 況のうちに終了した。 新規講座として,静電気を扱ったエレキテルの講座 や,環境に注目したエコクッキングの講座などを行っ た。初めての内容で戸惑った点もあったが,新しい分 野の開拓は必要であると考えるので,今後も新しいプ ログラム開発を模索していきたい。 「青少年のための科学の祭典」には,スーパーサイ エンスミュージアムとして久しぶりの参加となったが, 事前学習や準備などで課題が残った。しかし,総合発 表がなくなった代わりの発表の場としての役割となり, 受講生同士の交流も深まったように感じたので,いろ いろな角度から検討し,これからの展開を考えていき たい。 常任講師による講座も,回を重ねることで,ポイン トや失敗しやすい部分などが明確になって来ており, よりスムーズに進行できた。 受講生は,理解が困難で高度な内容であるにもかか わらず,熱心に活動した。子どもたちの知的好奇心を 十分満足させることができたと考える。また,著名な 科学者や科学の専門家,研究科などと直に接すること は,受講生たちの科学に関する興味関心をより強い物 にしたと考える。 保護者が積極的に活動に加わり,受講生をサポート したことも, 講座を進める上で大きく役立った。 また, 講座や宿泊研修に修了生の参加があり,サポート役を 務めた。今後も,保護者,修了生とも連携しながら, 充実した活動,子供の知的好奇心を満足させる活動を 模索していきたい。 また,一昨年度より開始した,大学生や活動に興味 のある先生や研究者を補助講師として招聘することも, より広い分野の講座を実施していく上で有意義と考え るので,今後も補助講師の参加を推進していきたい。 - 37 - (4) 総括 本事業も 10 期目を終え,講座内容も円熟してきた 感がある。このことを今後も活かしていくとともに, 新たな講座内容の開発も必要であると考える。また, 今後 10 年を見据えた取り組みや新しい視点での展開 も期待される。 本事業は,地元企業と大学教授などの科学教育専門 家,博物館の三者の協力で成り立っている。これから も三者の足なみを揃え,より良い事業を目指していき たい。また,他地域の類似事業との連携やさらに多く の研究機関,企業との連携を図っていきたい。 今後も事業をより充実し,子どもたちの知的好奇心 を十分に満足させるものとして実施していく予定であ る。 6.アンケート集計 (1)実施内容 受講生および保護者を対象に,第 1 回講座後(実施 前)と第 17 回講座後(実施後)の2回に分けて実施し た。 実施前のアンケートは,受講生 16 名全員回答(回収 率 100%) ,保護者も 16 名全員回答(回収率 100%) 。 実施後のアンケートは,受講生 16 名中 12 名回答(回 収率 75%) ,保護者は 16 名中 12 名回答(回収率 75%) であった。 (2)集計結果(実施前アンケート) [設問1] スーパーサイエンスミュージアムのことを何で知りま したか。下から1つ選んで記号を解答欄に書いてくだ さい。 ア 科学館に掲示してあったポスターや置いてあっ たリーフレット イ 学校に掲示してあったポスターや置いてあった リーフレット ウ 公民館や図書館などの施設に掲示してあったポ スターや置いてあったリーフレット エ 科学館やスーパーサイエンスミュージアムのホ ームページ オ 知り合い(保護者、兄弟を含む)から聞いた カ その他 昨年度と違い,ポスターやリーフレットではなく, 知り合いから聞いたという意見が多くなる結果となっ た。 その他の意見は,以下の通り(一部要約) ・昨年度も受講したから ・・・・・4 人 ・兄弟が以前受講していたので ・・・・・1 人 (3)集計結果(実施後アンケート) [設問 1] 本年度のスーパーサイエンスミュージアムの講座につ いてどのように感じておられますか。あてはまるもの に○をつけてください。 [設問 2](受講生のみ) スーパーサイエンスミュージアムに応募しようと思っ た理由を下から1つ選んで記号を回答欄に書いてくだ さい。 ア 講座の内容に興味があったから。 イ 科学者の話を聞いたり,質問したりできるから。 ウ 理科の勉強になると思ったから。 エ この活動を通じてたくさんの友達を作ろうと思 ったから。 オ その他 「とてもよかった」を 2 ポイント, 「よかった」を 1 ポイント,以下 0,-1,-2 ポイントとして合計をとっ た。受講生,保護者ともに,講座によって大きく変化 はなかったので,各講座とも一定のレベルを保ってい たと推測できる。 [設問 2] 講座を受けてあなた自身(お子さん)がどのように変 わったと思われますか。以下の質問について,あては まるものに○をつけてください。 受講生はほとんどが講座内容に興味を持って応募し ていることが分かった。これは,実施する内容が受講 生にとって想像しやすかったことが原因とも考えられ る。 [設問 3] 本年度のスーパーサイエンスミュージアムの講座で, 期待されている講座は何ですか。3つ選んで番号を下 の解答欄に書いてください。 養老先生の解剖講座が,受講生と保護者の両方で期 待が高かった。また,江田島への宿泊研修が受講生の 期待が高かったことがうかがえる。 - 38 - 「とてもそう思う」を 2 ポイント, 「そう思う」を 1 ポイント,以下 0,-1,-2 ポイントとして合計をとっ た。受講生は「難しいことにも挑戦しようとがんばる ようになった。 」が最も多く,科学的な内容でなく,人 間的に成長したことを自覚していることがうかがえる 結果となった。また,親子とも「講座を受ける前より も科学に興味を持つようになった。 」 と感じている人が 多く,本事業の科学的興味を持たせるという側面は, 成功したといえる。 もらえてうれしいです。やることによって、科学に 対する興味がさらに強くなりました。さらに、将来 科学の道へ歩んでいくと思います。僕はこの SSM(ス ーパーサイエンスミュージアム)に入って、とても 満足しています。 ●学校の図書館でよく本を借りたりすることが増えま した。いい経験になりました。レポートを書くのも いい経験になったし、前はレポートを書くのに時間 [設問 3] 講座を受けての感想,スーパーサイエンスミュージア ムへの希望など がかかったけど、今は短時間で書けるようになり、 自分でも上達したと思います。自由科学研究でも入 選で、まとめて書けるようになりました。科学に興 受講生(一部要約) 味を持つようになりました。また、こんな講座があ ●今回はプレゼンがなかったので負担は軽かったです ったらいいなと思いました。ありがとうございまし た。 が、プレゼンの機会がなくなるのは少しさみしいの で、ぜひまたプレゼンを復活させた方がいいと思い ●講座で詳しいことが聞けたが、「研究ノート」の D ました。 (自分で調べたこと)で、先生に聞いた話よりも一 歩先に行けてよかったと思いました。 ●どの講座も楽しく参加でき、とても良い経験になり ました。そして、友達もできたし、先生もとっても 優しく丁寧に教えてくださり良く分かりました。た ●一年間様々な講座を通して科学の勉強がたくさんで くさんの講座の中で一番心に残ったのは、「解剖学 きました。その中で印象に残っている実験が2つあ 教室へようこそ」です。人生の中でも特に貴重な命 ります。1つ目は、第7回の「広島ガス工場見学」 をもらっての体験だったので心に残りました。本当 です。その時に行った実験の1つに液体窒素の実験 に楽しかったです。 がありました。生花をつけるとパリパリになり、ビ ニールボールをつけて落とすと粉々になりました。 私がおどろいたのは風船をつけた時です。割れるだ ●二年間お世話になりました。本当にありがとうござ ろうと思っていたら割れず、液体が風船の先にたま いました。 りました。そして、いったんしぼんで、また元に戻 ●できるだけ講座の回数を増やせばもっと科学に興味 りました。とてもおもしろかったです。2つ目は、 を持つようになると思います。講座の1回1回が分 第8回の「科学捜査犯人は誰だ」です。この講座は かりやすく説明してくれたので、きちんと頭に入り、 色々な捜査を行い、犯人を見つけ出すという講座で すごくためになりました。講座の途中、疑問に思っ した。硝酸カリウムやインク、指示薬などを使って たことなどをレポートで調べるようにするシステム おきる科学反応を捜査しながら楽しく学べました。 はいいなと思いました。カエルの解剖の講座の時、 この講座を通して、楽しい科学の世界を知ることが 生き物を大切にしようと改めて考えました。実験に できました。これからも疑問に思ったことや感じた 失敗した時に、予備もあったのでよかったと思いま ことなどを積極的に調べ、科学への興味、知識をも す。 っと深めたいと思いました。 ●楽しかったです。いろんなことを体験させてもらっ ●総合発表はあった方がいいと思う。その方が自分で てありがとうございました。 実験か観察をしようとできるし、達成感があるから。 ●どの講座も非常におもしろく、科学の知識が広がる ●解剖など普通ではできないことをたくさんやらせて - 39 - 身の授業だけでなく、自分から準備して人前で説明 する。科学的な視点が必要。等)是非ともご検討く ださるようお願いいたします。 とても貴重なものばかりでした。特に、カエルの解 剖とエレキテルの製作はとても心に残る楽しく、興 味深いものでした。解剖は初めての経験で、動物の 体の仕組みがよく分かったし、命の大切さについて ●毎回楽しみにしていました。子どもが実験をしてい る姿は真剣に見える時とそうでない時とあるようで した。どうやらそれは、「自分が今何をしているの か」を十分に理解しているかどうかで変わると感じ ました。ただ一見遊んでいるように見えても、実際 には自分なりに色々と試していたようで、それはそ れで良かったのだと思います。講座はどれも面白か ったと思います。時間的なゆとりがあれば、もっと 子どもにゆっくり考えさせたり、じっくりと実験に 取り組んだりできるのになと思いながら、一方で子 どもの頭がオーバーヒート気味な様子もあったりと、 こちらも色々考えさせられました。 全15回の講座、 ありがとうございました。子ども、親とも良い経験 をさせていただきました。 考えさせられる内容でした。エレキテルには幼い頃 から興味があり、電気が起こる理由や、電気の種類 などが分かりやすく学べて、電気について詳しくな れたのではないかと思います。毎回の講座で使う実 験器具や内容は、普段の学校の理科の授業では絶対 にできないだろうというものばかりで、SSM の講座を 受講できることはとても幸せだなとひしひしと感じ ました。5年生、6年生の2年間で積み重ねた様々 な経験を生活に活かせるように、これからも努力し ていきたいです。一年間色々な事を教えてくださっ た先生をはじめとするスタッフの方々、本当にあり がとうございました。 ●本人が楽しく通っていたのでよかったと思います。 保護者の参加はいらないです。今年の受講生は積極 的で素晴らしいと思いました。ありがとうございま した。 ●自然が好きな私にとって、海辺の生物観察がとても 楽しかったです。また、科学捜査犯人は誰だ!、生 物どうしのつながり、解剖学教室へようこそなどが 楽しかったです。解剖学教室へようこそのカエルの ●日頃なにげない物にも科学のたねがあるのだという ことに気付かせていただいた一年間でした。学校で は経験できない高度なことをいろいろ教えていただ き、親子共々楽しませていただきました。今までも 科学が好きでしたが、もっと大好きにさせていただ き、誕生日には顕微鏡がほしいと言い出し買ったほ どです。これからも科学をもっとわかりやすく、楽 しく参加していける SSM であってほしいと思います。 いつもジャマな弟が参加して御迷惑おかけしました が、彼も科学に興味を持ってくれるようになり、と ても喜んでおります。ありがとうございました。 骨格を作ってみたかったです。また、化石の講座を してほしいです。 保護者(一部要約) ●研究発表が今回ありませんでした。人前で自分の意 見、考えを整理して伝えるプレゼンテーションは、 子供はもちろんのこと、親にとっても有意義なもの と思います。負担が重いという意見もありましょう が、研究発表は続けるべきと考えます。 ●いつも楽しく参加させて頂きました。講座を受けて 一番子供が変わったのは、サイエンスの世界をもっ と知りたいと思うようになって、本などに興味を持 つことにより、他方面の勉強にも意欲を示すように なったことです。学校で習ってきた勉強以上に”も っと知りたい”と思うようになったことは、彼女の 一番の変化だと思います。これからもサイエンスの 世界につながる勉強をもっとやりたいと希望してい ます。この講座をきっかけに、自分のやりたいこと を見つけてもらえればとても嬉しく思います。先生 方、一年間本当にありがとうございました。 ●今回初めて1年間講座を受けさせたのですが、これ まで受けてきた他団体の講座とは異なり、一方通行 ではなく自分で取り組み、自分の意見を述べる場を 提供していただいたので、大変良い経験になったよ うに思います。 特に目に見える変化は、 「科学の本に 対する興味」と「文書の書き方の上達」です。科学 の本については、小学校の図書の時間によく借りる ようになったそうです。文書の書き方については、 毎回レポートを書くことによって、他人に分かりや すい方法を理解するようになりました。(最初は1 日以上四苦八苦しながら取り組んでいましたが、数 時間で書き上げることができるようになりました。 ) また、夏休みの自由研究で広島県の入選を果たした のも SSM の成果ではないかと感じています。今回学 ●2年間大変お世話になりました。難しいこととは思 いますが、総合発表のような場は子供の一段上への 成長にはとても良い試みと思っております。(受け - 40 - 文化科学館を始め、関係企業、大学の先生方、心よ り感謝申し上げます。 んだことは、子どもが大人になった時に絶対役立つ と思います。SSM という学びの場を1年間提供して いただき大変ありがとうございました。 ●家庭や学校ではできない内容・レベルの講座ばかり で、親子で毎回驚いたり感動したりでした。雑誌や テレビの写真・映像では知ることができないことを 教えていただきました。子どもが本物の体験で臭い や手触りを実感すること、 ”成功”の裏には周到な準 備や明確な目的があり、失敗することもあるという こと、道具1つ使うにも注意点があることを実感と して持てたことに親としてありがたく思います。ふ くろうのペレットやゼノパスの解剖では、生き物の 「命」を、天気や地層の回では自然の偉大さ(それ を解き明かそうとする人間のすごさ) を感じました。 他の講座でも、実際にやってみたこと、目の前で見 たことは、たとえ何百回本を読んでも絶対に到達で きない境地のことだとしみじみ思いました。息子は 毎回の講座を本当に楽しみにしていました。普段あ まり感情を出さない子ですが、SSM の合格通知が届 いた時にはうれし泣きをしました。そしてたぶん実 際の講座は期待以上の内容だったのだと思います。 先生方には、たぶんお休みのはずの日に、子どもた ちのためにいろんなしかけや準備をして、講座をし てくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。 息子は自分の好きな科学の分野でお仕事をされてい る大人として、先生方にあこがれもしたようです。 科学に関わるたくさんの先生方にお会いできたこと、 そしてその先生方は小学生相手に本気で関わってく ださったことを、 子どもも実感したことと思います。 その体験も含めて、本当にすばらしい時間でした。 広島ガスさんや戸田工業さんにも感謝しております。 ありがとうございました。1点だけ、もう少し子ど もたちだけで議論したり、1つの目的をもって何か を作り上げるみたいなことが深まるといいなと思い ました。最後の方の講座では、そんな方法も取り入 れられていましたが、議論することに慣れていない 子どもたち・・・経験を積んで、自分を出せて、チ ームとしてまとまることができる姿も見てみたいと 思いました。時間の制約があって難しいのかもしれ ませんが・・・本当にお世話になりました。貴重な 体験をありがとうございました。 ●高度な実験や貴重な見学等させて頂きましたこと、 誠にありがとうございました。毎回親子共に楽しく 受講いたしました。いろいろな体験をさせてもらう ことによって、 科学への興味が深まったと感じます。 今後、スーパーサイエンスミュージアムで学んだこ とを生かしていってほしいと思います。こういった 素晴らしい機会を与えてくださった、広島市こども - 41 - ●様々な角度から科学についての勉強をさせていただ き、また、すばらしい講師の先生方のお話を聞く機 会をいただいて、子どもにとってはもちろん、親に とっても貴重な体験となりました。親子で同じこと を体験し、共有できたことはとてもよかったです。 しかし、また数回でもいいので、子どもたちだけの 体験ということもさせていただいてもいいかなと思 いました。いつも親がついているよりも、子どもだ けの方がお互いに頼り合い、協力して1つの結果を 追求することになると思います。宿泊で、子供と親 が部屋が分かれたときのことを楽しそうに話してお りました。このとき1番子ども同士触れ合えたよう です。大学に行ってからでないと学べないようなこ とを、小学高学年でさせていただくことの意味は大 きいと思います。また、大きくなるにつれ、この教 室に参加させていただいたことを子ども自身思い出 し実感すると思います。本当に先生方にはお世話に なりました。ありがとうございました。うちは下に 兄弟があり、ご無理を申したことも多かったのです が、いつも丁寧にあたたかく対応していただき、本 当にありがたかったです。感謝の気持ちでいます。 ありがとうございました。 ●学校や家庭では経験できないことばかりで、参加さ せていただいた講座はどれも興味深く楽しかったで す。お話だけでなく、実際に実験したり、五感をフ ルに使った内容がとても良かったです。また、実験 器具も普段使用できないものが多く、実際にそれを 使用できたことも良い経験となりました。 ●1年間大変お世話になりました。通常、小・中・高 で学ぶことができない高度な内容の講座・実験をさ せていただき、毎回感動いたしました。おかげさま で娘の理科に対する興味が深まり、将来、理系に進 みたいと思っているようです。 自分でも講座の後に、 魚の解剖や煮干の解剖と、その胃の中のプランクト ンの観察、マローブルーを用いての酸・アルカリの 実験など楽しそうにしていました。御指導どうもあ りがとうございました。 Ⅳ ホール事業 内容 川橋奈織・髙土尚子・村上聡 日数 回数 人数 (1)こども劇場 5 10 1,729 (2)こども音楽会 10 17 2,195 (3)科学技術映像祭入選作品上映会 1 1 61 (1) こども劇場 人形劇やミュージカル,手品のほか,南京玉すだ れなど, 日頃目にする機会が少なくなりつつある日 本古来の伝統文化に関するものを紹介した。 手品では来場者にも参加してもらう場面を設け たり,人形劇やミュージカルの劇中で出演者と一 1 事業の目的 緒に行なう手遊びを交えるなど, 来場者が楽しめる アポロホールにおいて,子どもとその保護者を ような工夫を盛り込んで実施できるよう, 出演者と 主な対象として,演劇・人形劇・クラシック音楽・ の連携を図りながら実施した。 手品・伝統芸能・邦楽等,幅広い芸術文化に触れる 機会を提供する。また,様々な年齢層に音楽や舞台 日時 実施内容・出演者 芸術に触れ親しむ機会を通じて,各種芸術,文化活 参加 者数 5月5日 動を支援・育成する場としての役割を果たす。 (祝・土) ①正午~ 2 募集・参加形態 「こどもの日マジックショー」 出演:広島奇術クラブ 395 名 ②14:30~ ・幼児から年齢を問わず 5 月 27 日 ・入場無料 「チロリン村の紙しばい& (日) ①正午~ ・自由参加(原則,予約・整理券配布はしない) 人形げき」 出演:安田女子大学児童研究会 ②14:30~ ・座席 250 席 1 月 20 日 ・原則として開演の 15 分前に開場 (日) ①正午~ 3 実施内容 ②14:30~ 主な事業として, 「こども劇場」 ・ 「こども音楽会」 2 月 24 日 に分けて開催した。また,毎年共催事業として継続 (日) している「科学技術映像祭入選作品発表会」は 8 月 ①正午~ ②14:30~ に実施した。 3 月 10 日 出演者は,ボランティアでの出演が可能な団体を (日) 模索しての依頼と活動の場を求めて出演者から交渉 ①正午~ される場合がある。いずれもホール事業の目的に対 ②14:30~ 154 名 チロリン村 「新春お楽しみ会」 出演:古典芸能 南京玉すだれ 307 名 広島保存会,安芸奇術同好会 「なかよしさんの ワクワク人形げき 」 373 名 出演:人形劇団 なかよし 「わがまま王女の ミラクルチェ~ンジ!! 」 500 名 出演:劇団テアトル広島 する理解,協力を得た上で,実施日時等の具体的内 容について方向づけていった。 (2) こども音楽会 24 年度ホール事業の実施内訳は次のとおりであ 金管・木管を中心とした楽器のコンサートのほ る。 か,ハープやバイオリン,オルゴール,和太鼓, 声楽など,演奏するジャンルもできるだけ幅広く - 42 - 紹介できるよう努めた。 1 月 27 日 内容について,単に演奏を聴くだけでなく,生 (日) 「声楽コンサート vol.2 北風をふっ飛ばすのは子どもたち 声のおとコンサート」 147 名 演奏を聴きながらのシアター形式の紙芝居や子ど ①正午~ もたちが舞台上で楽器演奏や指揮の体験など,参 ②14:30~ 出演:佐々木愉規,下岡寛, 飯島聡志, 篠原恵美 加・体験型で来場者が出演者と一体感を持ちなが (3) 第 53 回科学技術映像祭入選作品発表会 ら楽しめるよう,出演者の可能な限りの協力を得 財団法人日本科学技術振興財団主催の「科学技 ながら運営をするよう留意した。 日時 4 月 22 日 (日) ①正午~ ②14:30~ 6 月 24 日 (日) ①正午~ 実施内容・出演者 (日) ①正午~ ②14:30~ 7月8日 (日) ①正午~ わくわくコンサート」 (日) ①正午~ ②14:30~ 8 月 19 日 (日) 13:00~ 9 月 16 日 (日) 14:30~ 12 月 16 日 (日) ①正午~ (日) 14:30~ 興味を引き付けるものが多い。映像の紹介を通じ た科学技術に関する情報提供に加え,優れた科学 「3 つの楽器のほのぼの 技術を親子で身近に感じ,興味関心の向上や知識 アンサンブルコンサート」 出演:山口里美,木岡祥子, を深めるきっかけとなるよう,科学館としてその 212 名 役割を果たすためにも広報や実施方法などの工夫 山本恭子 を検討したい。 「声楽コンサート vol.1 青空にひびく!声のおとコンサート」 出演:佐々木愉規,下岡寛, 248 名 実施日 飯島聡志,篠原恵美 七夕コンサート」 出演:橋本勇夫,丸子ようこ, ~海からの緊急報告~ 241 名 ・千石先生のいのちはみんな つながっている 宮沢和樹 8 月 11 日 ・遥かなる縄文の記憶 科学の目で見た縄文 (土) ・チンパンジーが教えてくれる 希望の秘密 「なつやすみわくわく コンサート」 245 名 出演: ゾリステン・ドライエック 出演:広島市消防音楽隊 各1 61 名 ・コズミックフロント ダークエネルギー発見! 加速する宇宙 「消防音楽隊がやってくる! ジェリービーンズコンサート」 上映 観覧者 回数 数 作 品 名 ・NHK スペシャル シリーズ原発 危機 知られざる放射能汚染 「賢治の星めぐり 141 名 ジェリービーンズ (4) その他-ホールを使用した共催事業 「金管楽器とあそぼう!」 出演:金管八重奏 アニソンズ 詳細については, 「Ⅶ 共催事業」を参照のこと。 225 名 4 考察 「クリスマスコンサート 2012」 出演:広島シティハーモニー (1) 参加者の年齢層について 500 名 吹奏楽団 ②14:30~ 1 月 13 日 像は,内容が難解なものでも視覚的にも見る者の 131 名 出演:久保こずえ ②14:30~ 8月5日 映像祭入選作品ならではの本格的で高精細な映 「エレクトーン de 春のぽかぽか ②14:30~ 7月1日 術映像祭」入選作品のうち 5 作品を上映した。 参加 者数 「新春和太鼓たたき初め」 出演:文教太鼓 葵 参加者層(子ども)(24年度) 無回答 5% 105 名 0~3歳 18% 10歳以上 9% 7~9歳 31% - 43 - 4~6歳 37% 来場者の 7 割近くを 4~9 歳が占めており, ページ」や「メールマガジン」等を挙げる割合が ホール事業における対象は,幼児から小学校低 高くなっており,今年度は新たに「Facebook」に 学年とその保護者が中心といえる。また 0~3 歳 よる情報入手も見受けられるようになった。印 の来場も約 2 割あり, 乳児期から親子で音楽や演 刷物での事業周知が難しい地域も含めた情報発 劇に親しみ触れることのできる場となっている。 信手段として,今後デジタル媒体の活用を図る ことも必要である。 今後も対象となる年齢層を中心に, 親子で様々 参加者全体の動向として,6 割を超す来場者が な音楽や演劇に触れることのできる場として, 事 各種印刷物やデジタル媒体を情報源とし,実施 業内容の一層の充実に努める。 事業に対する明確な観覧目的を持ってホールへ (2) 来場者の動向と事業周知について 無回 答 参加者住所 1% (24年度) 来場していることを示している。反面,当日「こ こに来て」初めて事業について知る来場者も約 3 参加者住所 市外 14% 安芸区 2% 市外 14% 市内 85% 無回答 1% 割あり, 情報の発信方法については継続的な検討 中区 18% 東区 9% 佐伯区 6% 安佐北 区 3% 安佐南 区 14% 西区 21% 南区 12% が必要である。 従来の情報提供の方法に加えて, デジタル媒体 の効果的な活用とともに, どのような媒体でどの 年齢層を対象にして事業周知を進めるか, 各実施 内容に照らした広報の工夫に努めたい。 催しの周知(24年度) 無回答 2% その他 28% ここに来 て 32% 科学館 だより 13% (3) 満足度について アポロ ホールち らし 15% 市民と市 政 10% 無回答 2% つまらな かった 1% 満足度(24年度) 楽しかっ た 97% 参加者の 85%は市内からの来場で,内訳として は,西区・中区・安佐南区・南区・東区といった 比較的交通アクセスのよい科学館近隣からの来 実施内容については,ジャンルを問わず「楽し 場の割合が多くなっている。一方で, 「市外」か かった」という感想を持つ参加者がほとんどで らの来場も 14%あり,府中町や廿日市市,東広島 ある。その理由について個別にみると, 「一緒に 市,呉市など近隣の県内市外の来場が多い。 歌う」 「手遊びや体を動かす・踊る」 「楽器演奏・ 来場者の事業周知については, 「科学館だより」 指揮体験」など,座って鑑賞するだけでなく, 「アポロホールちらし」 「市民と市政」など,市 来場者が参加・体験できる場面があるものほど 内で紙面配布される媒体によるものが約 3 割と より楽しいと実感を持つ割合が高くなっている。 なっている。これらは市内からの参加者の事業 来場者の満足度は,内容構成や演出の工夫など, 周知における情報基盤となっていると思われる。 各出演団体の来場者に対する配慮によるところ また,これらとともに「その他」のうち市内で無 が大きい。 料配布されている子育て情報誌や地域情報誌を 参加・体験して楽しさを実感することは,次の 挙げる来場者も増えている。市外からの来場者 事業への興味につながると考えられる。子ども の情報源としては, 「その他」の中で「ホーム たちが様々なジャンルの音楽や演劇に触れる機 - 44 - 会となること, 歌や演奏のリズムにあわせ五感を 使って体を動かし表現すること, 楽器演奏や指揮 の体験など,演出や内容の工夫を通じて,親子で 興味関心がさらに拡がるよう, 出演者の理解と協 力を得ながら継続的な実施内容の検討と充実に 努めたい。 (4) 再来性について 来場頻度(24年度) 無回答 3% 前来た ことが ある 53% 初めて 来た 44% ホールへの来場頻度の動向は,この数年ほぼ 同割合で推移している。 今後,事業内容の周知や出演者とより密な連携 を図り,より多くの来場者に足を運んでみたいと 思わせるよう,情報の周知方法と魅力的な事業内 容の工夫に努める。 5 今後の展望と課題 アポロホールは,科学館の中にあって最も文化的 な側面が強い。実施事業も含め,その存在をより多 くの方に知ってもらうことが必要である。 対象の最も核となる幼児から小学校低学年とその 保護者を軸に,幅広い年齢層への実施内容の効果的 な周知方法を検討し,市外からの来館も視野に入れ た広報の工夫と内容のより一層の充実に努める。 また,来場者のニーズの把握とそれを基にした事 業開拓や魅力的な実施内容の検討,企画構成の充実 を出演者と共に検討し,子どもたちが様々なジャン ルの音楽や演劇などの文化的要素に気軽に触れる機 会を通じて興味関心を高められるよう,出演者と連 携しながら事業内容の充実に努めたい。 - 45 - Ⅴ 企画展 夏休みこどもスペシャル 「時間旅行」Time!Time!Time! 森川公泰・矢野宏和・村上聡 会場全体写真 1 目的 常設展示の大幅な更新が見込めない状況のもと, 本事業はその内容を補完する位置づけであり,時 事問題や話題性のある出来事等を積極的に展示内 容に取り入れるよう努めている。 夏の企画展では宇宙・地球・生命・物質的に存 在する「時間」の概念について,参加体験性の強 い展示を通して「時間」について一歩深く学習す るものである。 なお,当展は,科学技術振興機構(JST)が地 域の科学館と連携することにより,日本科学未来 館(東京・お台場)において開発した” 「時間旅行」 展”を巡回することを趣旨とした特別展である。 2 期間 平成 24 年7月21日(土)~9月2日(日) (休館日は除く) 3 会場 広島市こども文化科学館 1階,3 階展示ホール 4 主催 広島市こども文化科学館 5 協力 独立行政法人科学技術振興機構 6 総事業費 2,146 千円 7 期間中の来館者数 109,012 人(41日開催) 8 展示の内容 科学的にとらえた多様な「時間」の世界を「旅」 していくというコンセプトの企画展である。本展で は,普段何気なく触れている「時間」をあらためて 捉え直し,人間の視点,人間が築いた時間を計る技 術(時計)から離れ,宇宙・地球・生命・物質など に存在する「時間」を考える。参加体験型の展示が 多く,子どもから大人まで楽しむことができる展示 である。 9 展示物紹介 ①タイムレコーダー 12 種類のクッショ ンには,木の年輪や 地層,巻き貝など生 物 に 刻 まれ た 時間 の痕跡がプリントされている展示。 ②体内時計 ―24 時間 DNA 人間の脳には時計が あり,体の中に昼と 夜 を 作 り出 し てい る。その時間をつか さどる 4 つの DNA を表すシリン ダ ー の 動き を 視覚 的に,表現した展示。 ③動物時間 等身大のゾウやウマ のバルーンをさ わって,それぞれの 鼓 動 や 命の 時 間を 感 じ る こと が でき る展示。 - 46 - ④光の旅 望遠鏡をのぞくと,はるか遠い過去から届いた星の 光の旅を体感できる展示。 ⑧スローモーション 気がつくか,つかないぐらいのゆっくりした スピードで,会場内を巡るベンチ。 世界一遅い乗り物であるこのベンチに乗って, 普段とは違う時間の流れを感じることができる展示。 ⑤視覚における時間の錯覚 ―見えているのは現実か? 画面に次々現れる画像を見て視覚による錯覚を学べ る展示。 ⑥聴覚による錯時間 ―光ったのは何回 ? フラッシュの光は一定なのに,周りで鳴る音の回数 によって光る回数が変わってみえる展示。 聴覚と視覚による錯覚を学べる展示。 10 まとめ 開催時期の入館者数は,大幅な増加にはならなかっ た。それは展示の内容が「時間」という概念に具体的 な学習効果を狙ったものではあるが,大人も含めてな かなか理解できないものであり,科学的な学習レベル の深いものを要求しているものであったためである。 しかし, 「時間」について改めて考える機会を与える ことができたことは大きな意義があった。 この企画展を通して来館者に,科学への興味・関心 を高め,豊な感性と創造する心を育むことができたこ とが大きな成果である。 また,今回の企画展示は,科学技術振興機構協力の もと開催した。 他の施設との連携をすることによって, 当館でだけではできない充実したものを展示すること ができた。これ来年度以降もこの関係は大切にしてい きたい。 ⑦マシュマロスコープ ― Anoter Time, Another Space フシギな形をしたオブジェのスコープをのぞくと, 見えた映像が遅れたり,ゆがんだり。 現在の映像技術には欠かせないデジタル映像。動画 データをコンピュータで編集し,現実には起こるは ずのない映像を作りだす展示。 - 47 - 1 開催概要 (1) 開催趣旨 最近の科学技術の急速な進展に鑑み,青少年に科 学実験や科学工作などを直接体験できる機会を提供 し,科学に対する興味や関心を高めるとともに,地 域社会における科学教育の一層の振興を図る。 (2) 期間および会場 平成24年10月27日(土),28日(日) 館内とハノーバー庭園 (3) 入場者数 20,329人 青少年のための科学の祭典第 18 回広島大会 矢野宏和・池本和弘・森川公泰 2 実施内容 (1)実験内容 青少年が自然科学や科学技術の楽しさを体験でき る各種の実験や科学工作,サイエンスショーで構成 した。 出展タイトル一覧 出展タイトル 出展タイトル 水は科学の実験宝庫! 命をふきこめ!! 不思議なタマゴ 光でいろいろ?光の色々? 砂で遊ぼう! 片栗粉マジックショー 雪と氷の不思議 ハンドパワー風車・ソーラーパワー風車をつくろう 〈わくわく E-スクール〉放射線を見てみよう レーウェンフックの顕微鏡をつくろう 電子顕微鏡のスゴイ写真 さわってくらべよう いろいろな動物 ~カエルやヘビ~ 天までとどけ!スーパーボール 親子でチャレンジ!!火おこし&どんぐりのおもちゃ 磁石を作ろう!磁石で遊ぼう! 見え方(視覚)の不思議を体験しよう 木の葉の化石を掘り出そう スーパーサイエンスハイスクール 広島国泰寺高校生と遊ぼう!! うきうきわくわく オリジナルプラスチックタグづくりに挑戦! 「科学」を「芸術」してみよう トライサイエンス“ゆかいなクラクション” ねじを作ろう!―おねじとめねじのドッキング― 『みんなのパワーでエコカー日本縦断!, 重さで動く?からくりエコ台車』 プラスチックを鏡にする 風ぐるまをつくろう! ピコピコカプセルで遊ぼう! 瀬戸内うらわざマリンピック!~海浜を調査せよ! 広島学院高校化学部員とヨウソロー!! モバイル日時計をつくろう! ひろしまコンピュータサイエンス塾~「暗号に挑戦」~ 光の不思議 世界に一つだけの MY スーパーボールをつくろう! モールス通信に挑戦! 1 級をめざせ!!スーパー土だんご 「広島の木でオリジナル・マイ・箸(はし)を作ろう」 ストロー笛をつくってあそぼう ロケットを飛ばそう! ようこそ海の世界へ!海藻を使った工作や実験をしよう 電気のはじまりはここから!! 身近な植物の葉のなかをのぞこう 放射線ってなに?~身近な放射線をはかってみよう~ リズムを刻む現象 鶴七変化~15cm 折り紙の可能性~ スーパーコイン君で遊ぼう! 岩石なんでも鑑定相談室 平成24年度中高校生の科学部活動振興プログラム 成果発表会 in 広島 身近な放射線を霧箱(きりばこ)で見てみよう (サイエンスショー)冷たいエネルギーと新しいエネルギー 人工イクラを造ろう (サイエンスショー)音を科楽しよう! - 48 - (2)総出展数 49出展 27日(土) 41ブース(サイエンスショー1含む) 28日(日) 42ブース(サイエンスショー1含む) (2) すんでいる場所 3 アンケート結果 (1) 所属 (3) 今まで,何回くらい来ましたか (4) 何ブース参加しましたか - 49 - ⑥今回も様々の課題を克服しながら,2日間で2万 人を越える多くの方が参加された。青少年の科学 への興味関心を高めるという目的は,充分にはた している。今後も実行委員会を中心に各委員会, 各機関と協力しながら,よりよい科学の祭典を実 施していきたい。 (2) 課題,来年度に向けて ①昨年度に比べ,館内ブースが2日間で10ブース 以上増えたため,手狭な場所があった。館外には ブースを増やすこともできるが,希望される方が 少ない。 (5) 参加してどう感じましたか ②今年度は科学技術振興財団からの補助金がなく なった。来年度以降も補助金はないと考えられ, 経費の削減や企業からの協賛金の開拓に努める などが必要である。 ③引き続き広島市周辺地域への広報を図る必要が ある。 ④バランスを考えると,小中の教員が開催するブー スが増えることが望まれる。 ⑤再来年度には20回記念大会を迎える。この記念 大会への対応を考えていく必要がある。 4 まとめ (1)今年度の特徴と成果 ①科学技術振興財団からの補助金はなくなったが, 広島市未来都市創造財団からの負担金が増えた ため,予算を昨年度並みに維持することができた。 また,事業全体の経費を見直すことによって,経 費を削減し,ブース増の経費や原稿作成謝礼金な どに支出した。 ②ここ数年来,内容が変わらないことが課題であっ たが,今回は半分以上新規題材であった。 (例年 の新規題材は 30%程度) 。内容が大きく変わった ことはリピーターにも好評であった。 ③各ブースのテーマ(伝えたいこと)や対象年齢, 開催場所をチラシにして当日配布した。これに よって,来館者は目的をもってブースに参加する ことができた。 ④中四国地方の科学クラブの発表会(科学技術振興 機構)を開催したが,これまでとは違った形態で 好評であった。 ⑤アンケートを記入した方全員に,ガイドブックを 配布するようにした。大変好評で,多くの方に配 布することができたし,廃棄されることもなかっ た。来年度以降も継続していきたい。 - 50 - 50周年を迎えた。現在では、天文学の中でも非常 に重要な役割を果たしているX線天文学について、 これまでの歩みや成果等を紹介することにより、市 民の天文学に対する興味・関心を高める。 <主な展示内容> ・X線天文学の歴史 ・ブラックホールとX線天文学 ・X線天文学と日本 期間中の入館者数 11,872人 (3)「広島いん石・祝10周年」展 期間:平成 25 年 2 月 2 日(土)~3 月 31 日(日) 内容・目的: 広島いん石は、2003年2月に広島市安佐南区 に落下し発見されたもので、以来当館で常設展示し ている。2013年で10周年を迎えたたことを記 念し、広島いん石を中心に、いん石について紹介・ 解説することにより、市民の天文学について対する 興味・関心を高める。 <主な展示内容> ・広島いん石(常設展示品) ・広島いん石に関する解説パネル 期間中の入館者数 57,912人 ミニ企画展 荒川正己・矢野宏和・森川公泰 1 目的 当館の常設展示は,既に設置後 10 年~20 年を経て いるが, 現在のところ大幅な更新は予定されていない。 ミニ企画展は,陳腐化を免れない常設展示を補完し, 展示全体としての魅力を維持・向上させることを目的 とするものである。時事問題や話題性のある出来事等 を積極的に展示内容に取り入れるよう努めている。 2 内容等 (1)「フューチャー・パス ~きみは未来の新聞記者だ!」展 期間:平成 24 年 4 月 14 日(土)~ 平成 25 年 3 月 31 日(日) 協力:独立行政法人科学技術振興機構 内容・目的: 50 年後の未来都市にタイムスリップし,科学技術 の発展がもたらした生活の変化を取材体験するロー ルプレイング型の展示物。カメラ型の端末で未来都 市のジオラマを覗くと,取材内容に関連して 1 人乗 りヘリコプターや群知能ロボットなどが AR(Augmented Reality:拡張現実)表現で現れる。体 験者は未来の人に話を聞き,写真を撮影する。取材 内容はその場で新聞になり,web サイトにアクセス しても見ることができる。 環境リテラシーの向上を図る為に日本科学未来館 が開発・貸出を行う環境関連巡回展示物である。 期間中の入館者数 485,029 人 3 課題と展望 (1)フューチャー・パス展について 最先端の技術を利用した体験型の展示物である。展 示期間が長期(平成 25 年度末まで)にわたるので,新 規の常設展示の役割も果たしている。来館者の評価も 高く,休日は順番待ちの列ができることが多い。 ただ,システムが複雑で故障することがよくあり, メンテナンスに手が取られる。また,作成した新聞を 閲覧するだけで,印刷できないことを不満に思う来館 者もいた。運用に即した修正・変更が難しいことは、 巡回展示ならではの問題点である。 (2)自作展示について 「X線天文学」展、「広島いん石」展のいずれも職 員自作の解説パネルを中心とした展示である。両者と も企画当時、社会的に注目度が高いとは言えない分野 ではあった。しかし広く様々な科学・技術に関する基 礎情報を提供し、市民の興味関心を喚起することも科 学館の責務であると考え、企画・実施した。 目的にもあるとおり、ミニ企画展において展示テー マの時事性・話題性は重要な要素である。しかし情報 や流行の消費が激しい現代社会においては、実施段階 ではすでに「遅れている」こともままある。時流をと らえ、かつ流されることのない、市民にとって必要性 の高い情報を適切に提供することが肝要であろう。 (2)「X線天文学がはじまって50年」展 期間:平成 24 年 11 月 2 日(金)~11 月 11 日(日) 協力:JAXA/宇宙科学研究所、NASA/GSFC 内容・目的: 1962年に太陽系外の天体から放出されるX線 が発見されて始まったX線天文学は、2012年で - 51 - Ⅵ 外部との連携 学校等の連携 ア 貸出事業について 森川公泰・江田英俊・川橋奈織 1 事業の目的 市内の各地域で,子ども達が科学的・創造的な体験 活動を実施できるよう,学校教育や社会教育の指導者 に器具や資料等を提供する。 2 貸し出しの状況 ⑴ 貸し出し物品・資料 「火起こしセット」 「紙すきセット」 「シャボン玉 枠」 「布作りセット」 「科学なんでもアラカルト」の 用具と取扱いに関する資料を準備している。貸し出 し物品の内訳は次のとおりである。 物品名 火起こしセット 紙すきセット シャボン玉枠 布作りセット 科学なんでも アラカルト 内容・内訳 (舞ぎり式火起こし,火きり 板)30 セット 火きり杵の杵先 スペア,火きり臼の板スペ ア,火きり杵取付用金具,釘 (すき枠,すき網,紙受け編 み,さらし木綿)20 組,郵便 番号枠スタンプ 1 組×4 セット,す き船用コンテナ,吸水器×2 台 シャボン玉用枠小 50 本,中 10 本,台 4 本,シャボン玉液 入れバケツ,コンテナ 2 個 布作り台,経糸はさみ板,横 糸通し棒,クリップ,麻ひも 20 セット 布作りセットと作品例 資料 使用方法 及 び工夫 例 使用方法 シャボン玉液 の 作り方 (基本) 紙すきセットと作品例 イ 科学研究相談室,科学なんでも相談室について 矢野宏和・森川公泰 ペットボトルトルネード,手がスベス ベになる網,人数が変わる 不思議な絵,壁を通り抜け るボール,ハノイの塔,アフリカンボー ル,デュアルロック,パズル etc ⑵ 利用状況 物品・資料 件数 火起こしセット 紙すきセット シャボン玉枠 布作りセット 科学なんでも・・ 合 計 1 3 2 0 2 8 子ども 34 160 350 0 30 574 利用人数 おとな 4 13 51 0 10 78 計 38 173 401 0 40 652 月別貸し出し件数については,7 月~9月の夏場 に多く,例年通り,シャボン玉枠,紙すきセット, 科学なんでもアラカルトの貸し出しがあった。火起 こしセットと布作りセットについては利用がまっ たくなかった。 利用の内容は,学校関係では主として総合的な学 習や生活科,PTC活動などでの利用である。また 児童館やユネスコ協会のイベントでの利用や県警 が主催した大人と子どものふれあい活動で利用さ れた事例があった。 1 事業の目的 夏休み始めに実施する「科学研究相談室」および,夏 休みの終わりに実施する「科学なんでも相談室」は,子 どもたちの科学研究の助けとなることを目的に実施して いる。 「科学研究相談室」では,科学研究の進め方やテーマ の選定についてアドバイスをし, 「科学なんでも相談室」 では,科学研究のまとめ方についてアドバイスをするほ か,子どもたちが収集した標本(植物,昆虫,貝,岩石, - 52 - 化石等)の同定,整理の仕方等を支援している。 2 今年度の事業展開 ・ 「科学研究相談室」は夏休みの最初の土・日曜日, 「科 学なんでも相談室」は夏休みの終盤の土曜日に実施日 を設定した。 ・小・中学校の理科部会に理科教員の派遣を依頼したほ か,当館で講師をお願いしている植物等の専門家や科 学技術市民カウンセラーにも講師をお願いした。 ・会場には,昨年度同様,こども図書館から科学研究関 連図書を借りて,自由に閲覧できるようにしたほか, 過去に子どもたちが取り組んだ自由研究も閲覧でき るようにした。 ・参加者が,相談内容等を書き留められるように,鉛筆, 紙を用意した。 3 実施内容 (1) 日時 科学研究相談室 平成 24 年 7 月 21 日・22 日(土・日) 科学なんでも相談室 平成 24 年 8 月 18 日(土) 各 13:00~16:00 (2)場所 広島市こども文化科学館 2 階会議室・研修室 (3)指導者 7 月 21 日 10 人,22 日 10 人,8 月 18 日 8 人 小学校教諭 7人 中学校教諭 6人 科学研究家 4人 科学技術市民カウンセラー 1人 (4)参加人数 科学研究相談室 61 人 科学なんでも相談室 26 人 4 相談の流れ (1)受付で, 相談票に質問したい事項や学年等を記入して もらう。 (2)当館の職員が相談票に目を通し, 相談内容に最も適し た指導者に案内する。 (3)指導者と相談を行う。 (相談時間に制限はない) (4)相談終了後, 相談票に相談を受けての感想等を記入し, 提出してもらう。 ウ デリバリー事業 池本和弘・矢野宏和 1 事業の目的 小・中学校の生活科や理科,社会科,図画工作科,総 合的な学習の時間及び特別活動の授業や,社会教育施設 及び教育活動に関わる団体の学習の場において,本館が 所有する物的・人的資産を活用してもらうことにより, 児童・生徒に様々な体験の機会を提供し,科学に関す る興味,関心を高めることを目的としている。 2 募集・受付について (1)対象 広島市内及び近郊の小・中学校の理科や生活科,総合 的な時間など,学校教育活動支援として位置づけられ るもの (2)募集について 平成 24 年 4 月から平成 25 年 3 月までとし随時受け付 けた。ただし,休館日及び夏期休業中を除く。また, 各月3回までに回数を限定した (3)受付について 原則として,上記の期間内で職員が対応可能な場合先 着順に受け付けた。 (4)実施場所 職員が学校や施設へ出向き,理科室や体育館,実習室 などの場所で行った。 また,団体が科学館を見学にきたときに実施する「逆 デリバリー」の形でも実施した。 (5)必要経費 無料。ただし,当日使用する材料費等は各学校などで 負担をお願いした。 広島市立牛田小学校 サイエンスショー - 53 - 3 実施内容 (1)学校関係 実施日 出張先 内容 利用 者数 6 月 28 日(木) 広島市立古市小学校(4 年生学年学 習会) サイエンスショー「科学マジックと食 べ物を使った実験」など 175 人 6 月 28 日(木) 広島市立牛田小学校(科学クラブ) サイエンスショー「空気・水の力」と 科学工作「浮沈子づくり」 23 人 (2)それ以外 実施日 出張先 内容 利用 者数 6 月 10 日(日) 電車まつり 「鳴きコップ」 2,000 人 8 月 23 日(木) 広島市消防クラブ 天体観望会 19 人 そごう広島店 CD ホバークラフト&かさぶくロケッ ト 24 人 11 月 17 日(土) 馬木公民館 サイエンスパーク「馬木地域の地 質」 12 月 2 日(日) 広島市三滝少年自然の家 第14 回三滝子どもまつり「ドキドキ サイエンスショー」 47 人 宇品公民館 路面電車について 60 人 8 月 26 日(日) 2 月 23 日(土) 5人 (3)逆デリバリー 実施日 11 月 29 日(木) 出張先 呉市立長迫小学校1 年生と 2 年生 内容 科学工作「ペットボトルを使った浮沈 子づくり」 利用 者数 32 人 4 まとめ 貸出事業について,使い方を貸し出しの際に資料を 配布したが,電話での問い合わせがよくあった。今後, 資料の内容を検討し,さらに分かりやすいものにする 必要がある。 今年度は全体的に貸し出しが低調であった。広報不 足の面が否めないが,来年度は貸し出し事業があるこ とを小・中学校の教科研究会等に出かけ,広報に努め ることで改善を図りたい。 また、布づくりセットは数年,貸出希望が出ておら ず,ニーズに合わせて精査を検討していきたい。 科学研究相談室・科学なんでも相談室について,児 童が減少していることや近年同時期に同様な相談室 を実施する他施設が増え,参加者が年々減少傾向であ る。 しかし,小学校の現状として理科専門の教員が各学 校に配置されていない現状の中,本館で実施している この科学相談室には,ある程度安定した参加者が見込 めるため継続していく価値はある。こどもたちが夏休 み中に実施した科学研究の相談を受ける窓口として, 次年度以降も継続していきたい。 デリバリー事業について,今後はデリバリーのメ ニューをパッケージ化するなどし,職員の負担を軽減し ていくことを進めるとともに,他館の実施状況を参考と しながら運営方法などを探っていきたい。 - 54 - 共催事業 6 月17 日(日) 第 32 回広島県中学校放送コン テスト 広島県中学校教育研究会視聴覚 部会 120 人 6 月30 日(土) SSM 講演会「養老先生の解剖学 教室へようこそ」 スーパーサイエンスミュージアム 実行委員会 232 人 7 月 8 日(日) 宮沢賢治ってどんな人? 広島市こども図書館 7 月15 日(日) 第8回ぴょん太杯アイディアロボ ットコンテスト 広島県中学校教育研究会技術家 庭部会 140 人 7 月22 日(日) 人形劇フェスティバル 2012 人形劇フェスティバル 2012 実行委 員会、財団法人広島市未来都市 創造財団 中央公民館 280 人 7 月29 日(日) おもしろワクワク化学の世界‘12 広島化学展ミニ版 日本化学会中国四国支部 8 月 4 日(土) キッズエネルギーシンポジウム 日本伝熱学会 8 月23 日(木) 消防クラブ観望会 広島市消防クラブ 8 月26 日(日) 中区子どもまつり 広島市中区役所(市民部・児童館・ 厚生部・建設部) 22,000 人 9 月22 日(祝) 第 51 回地図ならびに地理作品 展表彰式 広島県地理作品展運営委員会 200 人 9 月27 日(木) 広島市心身障害者福祉センター 文化教室「天文教室」 広島市心身障害者福祉センター 12 人 10 月 7 日(日) こども向け公開講演会「水の惑 星 地球を知ろう 10」 日本宇宙少年団広島分団 43 人 10 月 8 日(祝) ひろしま紙芝居祭 財団法人広島市未来都市創造財 団(こども図書館・中央図書館・郷 土資料館・二葉公民館・石内公民 館)、まち物語制作委員会 1,200 人 10 月 13 日(土) 広島市児童生徒発明くふう展 (表彰式) 広島市 10 月 14 日(日) 広島市科学賞表彰式 広島市立中学校研究会理科部会 35 人 10 月 20 日(土) 児童文化講演会「いま、伝えた いこと」 広島市こども図書館 94 人 10 月 21 日(日) 第 6 回文化の祭典(中学校の 部)放送コンテストの部予選大会 広島市教育委員会 150 人 10 月 27 日(土) ボランティアフェスティバル 財団法人広島市未来都市創造財 団 文化財課 11 月 3 日(祝) 宮島水族館発!もっと知ろうペ ンギン 広島市こども図書館 146 人 11 月 22 日(木) 学校図書館支援講座② 広島市こども図書館 47 人 池本和弘,森川公泰 第 11 回アート広場マピク作品展ワークショップ [共催:財団法人日本ダウン症協会広島支部えんぜるふぃっしゅ] 1 ねらい 他の機関との協力・連携により,当館へ多くの方が 来館していただける機会を提供する。そして,こども の文化・科学への関心を向上させることをねらいとす る。 2 内容 (1) 展示関係(一部,主催展示事業を含む) 期 間 事 業 名【共催・協力団体】 開催日数 観覧者数 4 月 1 日(日) (主催事業)第 32 回 SSP 展 ~15 日(日) 「自然を楽しむ科学の眼 2011-2012 広島展」 9 月 8 日(土) 第 51 回地図ならびに地理作品展 ~23 日(日) 【広島県地理作品展運営委員会】 9 月 29 日(土) (主催事業)鉄道模型と遊ぼう! ~30 日(日) 【鉄道友の会 中国支部】 10 月 4 日(木) (主催事業)植物画の世界~ボタニカルアートの ~14 日(日) 世界~ 【花も実もある会】 10 月 6 日(土) 広島市児童生徒発明くふう展 ~16 日(火) 【広島市】 11 月 22 日(木) ~25 日(日) 11 月 29 日(木) ~12 月 9 日(日) 広島県児童生徒発明くふう展 【広島県 外 9 団体】 第 17 回海の図画展 【広島海上保安部】 12 月 7 日(金) ~16 日(日) 広島市小・中学校科学研究作品展 【広島市小学校教育研究会理科部会・ 広島市立中学校研究会理科部会】 12 月 13 日(木) (主催事業)ネイチャー写真展 ~1 月 6 日(日) 12 月 13 日(木) (主催事業)菅原博カメラコレクション展(Ⅲ) ~1 月 6 日(日) 1 月 12 日(土) ~2 月 1 日(金) 2 月 1 日(金) ~16 日(土) 第 14 回マルチメディア作品展 【広島市小学校教育研究会視聴覚教育部会】 発明クラブ作品展 【一般社団法人広島県発明協会】 2 月 19 日(火) ~3 月 15 日(金) 第 11 回アート広場マピク作品展 【財団法人日本ダウン症協会広島支部 えんぜるふぃっしゅ】 3 月 23 日(土) (主催事業)第 33 回 SSP 展 ~31 日(日) 「自然を楽しむ科学の眼 2012-2013 広島展」 13 日 17,470 人 12 日 11,705 人 2日 150 人 9 日 19,149 人 事業名 共催・協力団体 84 人 226 人 19 人 106 人 2,700 人 8日 8,364 人 4日 4,652 人 11 月 23 日(祝) 広島県未来の科学の夢絵画展 表彰式 一般社団法人広島県発明協会 126 人 10 日 5,975 人 11 月 23 日(祝) 広島県児童生徒発明くふう展 (表彰式) 広島県 外 9 団体 197 人 9 日 13,514 人 11 月 25 日(日) 第 33 回西区子ども文化祭 西区子ども会連合会 430 人 16 日 21,604 人 11 月 28 日(水) 学校図書館支援講座③ 広島市こども図書館 66 人 16 日 21,604 人 12 月 2 日(日) ロボカップジュニア広島ノード大 会 ロボカップジュニア広島ブロック運 営委員会 42 人 1 月19 日(土) 島根ふるさとフェア講演会 TSS テレビ新広島 86 人 1 月20 日(日) ロボカップジュニア広島ブロック 大会 ロボカップジュニア広島ブロック運 営委員会 54 人 2 月 5 日(火) 平成 24 年度ボランティアネット ワーク事業における講演会 広島市こども図書館 2 月 6~ 7 日 第 3 回全国理工系学芸員展示 研究大会 全国理工系学芸員会議 58 人 2 月20~21 日 全国科学館連携協議会中四国 ブロック会議 全国科学館連携協議会 40 人 17 日 14,081 人 16 日 8,226 人 18 日 0人 8日 0人 (2) ホール等を使用した事業 開催日 43 人 162 人 3 月 2 日(土) アート広場マピク作品展ワーク ショップ (財)日本ダウン症協会広島支部 えんぜるふぃっしゅ 79 人 参加 者数 3 月 9 日(土) 多文化サービス事業「ロシアの ことばとあそびにふれよう」 広島市こども図書館 26 人 天文教育普及研究会中国四国 ブロック会議 天文教育普及研究会中国四 国支部 18 人 3 月14 日(木) 広島市心身障害者福祉センター さとうわきこ氏講演会 192 人 広島市心身障害者福祉センター 文化教室「天文教室」 4 月 29 日(祝) よい本をすすめる母の会、広 島市こども図書館 3 月15 日(金) 5 月 17 日(木) 広島市心身障害者福祉センタ ー 16 人 財団法人広島市未来都市創造財 団 文化財課 250 人 広島市心身障害者福祉センター 文化教室「天文教室」 広島学セミナー講演会「酒~伝 統的なものづくりに学ぶ」 3 月26 日(火) 絞りの現代(いま)を染める 20 人 ロボカップジュニア体験会 ロボカップジュニア広島ブロッ ク運営委員会 240 人 財団法人広島市未来都市創造財 団 広島城 4 月14~15日 6 月 3、10 日 - 55 - 4人 市民企画型事業 第1回 5月12日(土) 「三角のコマはまわるのか?」 第2回 7月22日(日) 「紙に親しもう!」 第3回 10月6日(土) 「折り紙で『ます』づくり」 第4回 12月1日(土) 「クリスマスカードづくり」 森川公泰・加藤一孝 (2) 街角かがく広場 街角かがく広場は,市立中学校教諭が企画・ 運営する講座である。仮説実験授業の手法を取 り入れ,子ども達に身の周りの事象の不思議さ や意外性を体験させ,科学に興味を持たせるこ とを目的とする。 第 1 回 7 月 8 日(日) 「水が出るときでないとき」 第 2 回 9 月 9 日(日) 「もしも原子が見えたなら」 (3) 落語塾 落語愛好家から高座や演目など落語に関す る指導を受け,参加者が最終的に落語の演目を 披露できるようになることを目標とする。講座 を行うことで,落語に親しみ,伝統芸能に対す る理解を深める機会を提供する。 練 習 8 回(リハーサルを含む) 発表会 「子ども落語会」 2 月 17 日(日) 1 事業の目的 本事業は,子どもたちの「科学する心」や「文化 を創造する心」の育成に関心のある市民の力により, 子どもたちの継続的・系統的な体験学習の場や豊か な感動体験の場を新たに創り出そうとするものであ る。また,本事業を契機にできるだけ多くの市民が 科学館の事業に参画し,市民のニーズに応える事業 展開を図ろうとするものである。 2 募集・参加形態事業内容及び実施方法 (1) 市民スタッフ 科学館だより・市民と市政および公民館などの各 施設に企画応募用紙を配付し市民に企画を募集し た。 (2)参加者 広島市及び近郊に住む小学1年生から中学生。 往復はがきでの申し込み受付 (3) 人数 原則20人(内容や場所により変更もある) 定員を超えた場合には,抽選により決定する。 (4) 実施場所 2階会議室・研修室 4 今後の課題 本事業は, 「能力を活かし,自分のできる分野で 地域や社会に貢献したい」 「仕事や趣味とは異なる 活動を通じて仲間を作りたい」といった市民の要 望を実現する場を提供するものである。 科学館に市民の視点からの新しい事業を取り入 れるよい機会となっている。本事業で活動した団 体は非常に意欲的に活動し,企画を実施した側も, 参加した側も大きな喜びを感じる事業となった。 一方,開催にあたり打ち合わせ,開催準備等が 職員の負担になっており,主催者の要望にたいし て十分果たせていない面もある。今後の継続開催 にあたり,各主催者との取り決めを十分協議し, より充実した環境を提供できるよう努めたい。 3 平成24年度の実施内容 (1) 紙ニュケーション講座 紙ニュケーション講座は,市民団体「紙ニュ ケーションnetノキロ」が企画した講座であ る。紙を折ったり切ったり並べたりする作業に 科学的・数学的思考を分かりやすく取り入れる ことで,折り紙を通して科学に興味を持たせる ことをねらいとする。 - 56 - ② 実習内容 実習の内容は,当館の概要説明(沿革・運営方針 などの概説,事業内容の概説,施設見学,プラネタ リウム見学)が中心である。 Ⅶ 人材の育成 博物館実習 池本和弘,村上 聡 (2) 館務実習 原則として,広島市内出身または市内高校出身の, 県外大学に在籍する理科系の学生を受入,大学にお ける博物館実習の単位を取得することを目的とし, 大学と実習希望学生からの実習要請があった場合に 実施する。年間の受入人数は2~3名程度で,夏休 み期間中を中心に受入れている。 ① 受入内訳 平成 24 年度は,立教大学,鹿児島大学,奈良女子 大学の各学生 3 名を 7 月 31 日(火)~8 月 10 日(金) の 10 日間(休館日 1 日を除く)行った。 (館内見学実習の様子) 1 目的 学芸員資格の取得をめざす方のために、博物館法施 行規則第 1 条に定められた博物館実習を行い,科学館 の役割を理解し,生涯学習の手法や,学芸員としての 知識・技能・態度を身につけてもらうことを目的とす る。 2 博物館実習の内容 実習形態は, (1)見学実習 (館内の見学を中心に実施) , (2)館務実習(館内の事業全般に携わりながら実施)の 2つである。 (1) 見学実習 広島市及び近隣市町村所在の大学から,学芸員資 格取得を目的として行われる学内実習に伴う施設見 学の要請があった場合に受入れ実施する。 ① 受入内訳 平成 24 年度の見学実習受け入れは, 表1のとおり である。 表 1 平成 24 年度見学実習受入一覧 学校名等 人数 広島修道大学 7人 安田女子大学 (文学部日本文学科) 37 人 広島文教女子大学 6人 県立広島大学 27 人 安田女子大学 (家政学部生活デザイン学科) 合計 4校 22 人 99 人 ② 実習内容 表 2 平成 24 年度館務実習 主なカリキュラム 項目 内容 オリエンテーション 沿革・運営方針・事業内容 概説 館内見学 企画展・常設展示見学 プラネタリウム 構造説明,投影補助 展示事業 企画展の展示運営補助,常 設展示のメンテナンス補助 教育普及事業 サイエンスショー,科学教室, 創作教室,たのしい工作室, アマチュア無線クラブ の事前準備,実施補助 等 アマチュア無線クラブ クラブ合宿参加(三滝少年 合宿 自然の家)1泊2日 常設展示品の企画発表 自分で考案した展示品の企 画発表会を実施 その他の業務 館内の案内など より多くの事業に携われるように実習カリキュラム (表 2 参照)を作成した。事業のみでなく,館内巡回, 企画展の監視など, 館内でできる実務も含めた。 また, 実習課題として,当館の新しい展示品を企画してもら い,発表会でお互いに意見を交換した。 日時 5 月 20 日(日) 9:30~12:00 5 月 29 日(火) 13:30~16:00 7 月 1 日(日) 10:00~12:00 6 月 9 日(土) 9:00~12:00 7 月 6 日(金) 13:30~16:00 5 日間 3 考察と今後の展望 平成 24 年 4 月から,大学において,学芸員資格取得 のために修得すべき科目が改正されるのに伴い,当館 でも柔軟な対応を心がけた。また,実践的で幅広い技 能を身につけられるよう,様々な博物館の事業を見る だけでなく,実際に考えたり,手を動かすようなプロ グラムを増やした。今後,より効率的に行えるような プログラムの開発をしていきたい。 - 57 - 3 今年度の活動 (1) 概要 総活動日数:17 日(自主活動日を除く) 総登録者数:29 名(うち学生 16 名,社会人 13 人) ユース・サイエンスボランティア(YSV) 川橋奈織・正連山恵・池本和弘 (2) 主な活動 ① 打ち合せ会(計 9 回) 年間の活動内容に応じて,活動に関する提案 や意見交換を基に,展示物の制作・設置,工作 指導の検討等,事業運営に関する話し合いや準 備を行った。 ア 電車まつり出展工作準備(5~6 月) イ 夏の館内装飾制作・設置(6~7 月) ウ そごうデリバリー準備(7~8 月) エ ボランティアフェスティバル出展準備 (7~10 月) オ たのしい工作室準備(12~3 月) 1 目的 ・科学および文化活動を通じて,子どもたちの豊か な体験交流の場と機会の充実を図る ・青年と子どもたちが触れ合う中で,互いに豊かな 人間性を育み成長していくことを目指す。 ② 科学館事業への参画(計 4 回) ア 館内装飾 季節にちなんだ館内装飾物を制作・設置。 □設置期間:7 月 15 日(日)~9 月 2 日(日) □設置場所:1~3 階階段 □参加者数:YSV 13 名 □内容 今年は海をテーマに,海に暮らす様々な 生きもののイラスト画を制作,設置すると ともに,生きものに関するキャプションと ミニクイズ設置した。なお,設置の様子は 「巻末カラー今年の館内装飾」を参照。 2 概要 (1) 活動内容 ① こども文化科学館の実施する各種事業の企画・ 運営及び補助 ② こども文化科学館の事業へ参加する子どもの指 導・助言 ③ ユース・サイエンスボランティア(以下 YSV)と しての資質向上のための研修への参加 ④ その他,こども文化科学館事業推進に関わる活 動への参画 (2) 対象 16 歳から概ね 29 歳の学生・青年 イ ボランティアフェスティバル (3) 報酬 原則無償 (4) 保険 万一事故が発生した場合は, 次の保険で対応する。 ① 公立文化施設賠償責任保険 ② 広島市市民活動保険 広島市未来都市創造財団の所属施設で活動 するボランティアが一同に会し,各館の特徴 を活かしたブースを運営した。 □日時:10 月 27 日(土) 9:30~16:00 □場所:ハノーバー庭園 □参加者数:YSV 13 名,工作参加者 220 名 □内容: 「サイクロンビュンビュンごま」 ぶんぶんゴマにベンハムのコマの原理を 織り交ぜて工作を実施した。コマの組み立 て指導だけでなく,同心円状に色や柄を描 き入れて見た目の変化に着目するとともに, (5) 募集および登録方法 4 月に館内,広島市および近郊の大学,公民館等 社会教育施設にチラシ兼申込用紙を設置するとと もに, ホームページの掲載を通じてメンバー募集の 周知を図った。 登録にあたっては, 応募者から動機の聞き取りや 活動方針について説明を行った後, 所定の申込用紙 を提出する形式で行った。なお,24 年度は新たに 11 名が登録し,活動に参加した。 - 58 - コマを上手に回すヒントを交えながら指導 した。 にも携わった。 イ そごう広島店へのデリバリー ウ 青少年のための科学の祭典運営スタッフ □日時:10 月 28 日(日) 9:30~16:00 □場所:こども文化科学館・ハノーバー庭園 □内容:祭典出展ブース補助 □参加者数:YSV 3 名 エ たのしい工作室 内容から当日指導まで YSV が主体となり決定, 実施。なお,受付時間・材料費・定員等は通常の たのしい工作室に準じて運営。 □日時:8 月 26(日) 13:00~15:15 □場所:そごう広島店屋上 □参加者数:YSV 14 名 イベント総参加者 12 名 □内容: 「作って遊ぼう! CD ホバークラフト& かさぶくロケット」 「エコ・環境」を意識した夏休みの自由研 究・工作のヒントとなるような実験と工作。 空気の力を利用した工作として,CD ホバーク ラフトと傘袋を使ったロケットを作った。ま た,完成工作で遊ぶボウリングとカーリング のコーナーも設けた。 □日時:3 月 24 日(日) 13:00~15:50 □場所:2 階 会議室・研修室 □参加者数:YSV 6 名,イベント総参加者 75 名 □内容: 「リングひこうき」 ストローと PP テープ・画用紙を使った飛 行機工作。メンバーでアイデアを出し合い, 工作だけでなく,飛距離計測やリングの的を 狙って飛ばすなど,作る楽しさと自作した工 作で遊ぶ楽しさを体験できるよう工夫した。 ④ 技術講習会(計 2 回) 工作に親しむとともに,指導に際しての子ども との接し方などについての技術講習会を行なった。 ア 4 月 8 日(日)「日食グラス」 (※たのしい工作室と合同) イ 11 月 18 日(日) 「ぷにょぷにょ」 4 今後の展望 前述(2)②・③を活動の柱とし,月 1 回の定例会 で実施内容や指導方法などを決定した。毎回参加 できるメンバーも人数も異なる中で,活動内容を どのように方向付けるか検討が必要であるが,メ ンバーの活動に対するモチベーションの高さと創 意工夫が活動を支えている。 今年度は社会人からの問い合わせ・登録希望が 多く,ボランティアへの参加形態やニーズが多様 化している。一方,学生については,大学の講義 の一環による学外でのボランティア活動の希望が 増えている。これらの状況も踏まえた活 動 方 針 ・ 運 用 の あ り 方 , 受入体制などを検討する。 YSV の活動は幅広い年齢層のメンバーがコミュ ニケーションを通じて情報や意見交換できる貴重 な機会である。また活動を支え活性化させるのは 一人ひとりの自発性と創造力である。メンバー同 士が横のつながりを通じて自発的に活動に取り組 み,達成感からより充実した活動へと発展させる ことができるよう,継続して活動の充実と支援に 努めたい。 ③館外活動 (計 2 回) ア 路面電車まつりイベントスタッフ・広島市 博物館 PR コーナー工作指導 □日時:6 月 10 日(日) 10:00~16:00 □場所:広島電鉄千田車庫 □参加者数:YSV 11 名 工作参加者数 35 組 □内容: 「鳴きコップ」 第 16 回路面電車まつり内の広島市博物館 群 PR コーナーで紙コップとたこ糸使った工 作ブースを出展,指導にあたった。同時に イベントスタッフとして他ブースの運営補助 - 59 - Ⅷ 研究・報告等 広島学講座「上根峠」報告 広島市こども文化科学館 館長 幾田擁明 はじめに 平成 24 年(2012 年)5 月 26 日に行われた広島学講座「上根峠」においては、 人文・社会学的見地から、上根峠の歴史、特に陰陽の交通の要衝としての歴史 が、参加市民に解説された。その際、自然科学的見地から地形・地質について、 筆者が解説することとなった。その内容の一部は既に芸北高原ミュージアム(芸 北町教育委員会)に短報として投稿(現在未掲載)しているので、本紀要では、 その検証をあわせて報告する。検証する短報(一部を変更)を以下に示す。 広島県上根地域の河川縦断形図が示す河川争奪 広島県安芸高田市上根は、江川水系の簸の川上流部を、太田川水系の根の谷 川が争奪した所として知られている。私はこの簸の川と、根の谷川の縦断形図 を描いてみたところ、明瞭な河川争奪の様子を見ることができた。 下の図は上根地域の簸の川、根の谷川の位置を示したものである。上根にお いては、簸の川が北に向かって流れ、江川に合流して日本海に流入している。 一方、根の谷川は畑集落から潜竜峡を経て南に向かって流れ、瀬戸内海に流入 している。上根および周辺には段丘礫層が分布している。 (国土地理院5万分の一地形図に加筆) - 60 - 上の図は、根の谷川と簸の川の河川縦断形図である。根の谷川上流部の標高 300m 付近に遷急点が現れている。この遷急点から上の畑集落の河川縦断形は簸 の川の縦断形になめらかに連続する。このことは、根の谷川上流域が過去にお いて簸の川につながっていたことを明瞭に物語っている。 上根地域は従来から河川争奪を示す地域としてよく知られていたが、上記の ように、河川縦断形図を描くことによって、より明瞭に河川争奪の様子を見る ことができた。このように争奪した河川の上流部に、争奪された河川の上流部 が残っていることは、河川争奪の確認に有効である。 同様の現象は、上根峠から東に 13kmの向原地域、山口県岩国市錦川上流域 などでも見ることができる。 参考文献 今村外治他(1953):上根・船佐・三良坂・庄原・勝光山等地質巡検旅行案内書。 (広大理学部地学教室) 今村外治他(1963):上根峠(広島県文化財ニュース第 17 号) 小畑 浩(1991):中国地方の河川争奪。『中国地方の地形』125-138、古今書院 鷹村権(1979):上根峠の河川争奪地形とその付近。『広島の地質をめぐって』 66-70, 築地書館 木下是雄(1981): 「理科系の作文技術」中公新書 p101, - 61 - 7 事実と意見 検 証 上根峠の地形は、下村彦一が昭和3年(1928 年地理学評論 4,11)に,河川争奪 地形として初めて発表した所として知られており、その後の研究によっても、 「河川争奪」現象が起こったことには議論の余地が無いように思われる。 しかし筆者は、河川争奪現象の事実関係について論じたのではない。短報で 主張した点は、 「争奪した河川の上流部に、争奪された河川の上流部が残ってい ること」であり、このことの証左として河川縦断形図を示した。しかし、この 主張は、河川争奪現象が事実だということを前提にしている。したがって、 「争 奪した根の谷川の上流部に、争奪された簸川の上流部が残っていること」は、 新旧河床礫の分布などの研究をあわせて、河川争奪が起こったことを証明する 必要がある。上記の短報は今のところ、厳密には判断の範疇に属する主張であ る。 物理学や化学、そして最近では分子生物学などのような科学分野では、追試 験により検証が繰り返されている。それにも関わらず、検証技術の進歩により、 新しい反証が見つかることもある。一方で地質学や地形学などでは追試が不可 能であることが多い。 平成 25 年 1 月現在、地球温暖化問題については、二酸化炭素犯人説が大勢で あるが、根強い反対論もある。また、停止中の原子力発電所の敷地内活断層調 査について、その判断が学者によって様々だという実態がある。その一方で、 ニュートリノ粒子が光速を超えるとか、ヒッグズ粒子の発見については、その 厳密解が留保され、超光速ニュートリノについては測定が誤りであったと報じ られた。このように、物理、化学分野においては、学説の発表から検証まで、 再現性という観点で厳密な追試験がなされているが、地球科学系の報告ではそ の再現性の困難さの故に、事実認定そのものがあいまいなことが多い。このよ うな「あいまいさ」を残すのは、地球科学が対象とする時空スケールが非常に 大きく、過去にわたることが多いため、物理、化学分野と同じ再現性による事 実認定を行うことができないからである。地球科学系の論述においては、事実 認定と判断をわけることが困難であることが多く、判断が事実であるかのよう 「科学的」ということが必ずしも に主張されたり、受け止められたりしている。 正しくないことを示す事例は、我々の周辺に数多くある。物事が「科学的」と いうコトバで強引に推し進められることは、科学的とは言えない。 - 62 - 教室,ホール,天文事業をはじめとし,これらの普 及事業を大きな成果をもって,事故なく終了できたの は,職員の努力だけでなく,館運営を支えていただい ている講師,インストラクター他多数の協力者のおか けである。こうした多くの方々との円満な関係は長年 にわたって構築されたものであり,科学館にとっての 大きな財産といえる。今後ともこの財産を大切にして いきたい。今年度の入館者数は 498,850 名と,この近 年の中では非常に多くの来館者においでいただいた。 高いクオリティを維持しつつ毎年 45 万人以上の来館 者を持つ公立科学館としては,大都市圏の大阪市や名 古屋市に次ぐもので, 全国的・都市規模的に見てもトッ プクラスの数値と自負してよい。これはいかに市民に 愛されている科学館であるかをも示している。今後も 市民のニーズに応える,楽しんでいただける事業を展 開していきたい。 しかし管理面では,館内の老朽化ももちろんである が,常設展示等も故障が多発し,修理不能になった展 示品も数点存在する。入館者数が年々増加している状 況の中,展示が利用できない,さらにはプラネタリウ ムが投影中止になるようなことはできるだけないよう にしてきた。ただ,最後の展示更新からすでに14年 がたち,第1展示ホール「たんけんとりで」は平成2 年オープンだったため,もうそろそろ四半世紀を迎え ようとしている。プラネタリウム設備も,故障が相次 いでおり, 職員の創意工夫で事業は運営できても, ハー ド面が,もうすでに館として限界を迎えつつある。早 急に設備投資をしていかなければ,来館者の満足度等 は大きく低下していくであろう。 平成25年度はさらなる発展を目指し,当館に与え られた社会的使命を果たすべく,ハード,ソフト双方 の充実を図っていきたい。 Ⅸ 平成 24 年度事業のまとめ 小林奈緒美 アマチュア無線クラブの活動風景 「南極交信」 今年度は,指定管理者制度第 2 期目(平成 26 年 3 月 31 日までの 4 年間)の 3 年目にあたる年であった。指 定管理の実績とする最終年度であり,入館者数,予算 執行等すべてにおいて,シビアさが求められる年度で あった。 事業としても,プラネタリウムの画像投影機デジタ ル化改修を見据え,多くの市民の方に,デジタル映像 の素晴らしさを体験していただきたいという思いで平 年 23 度から企画している「夏休みプラネタリウムま つり」をはじめ,企画展「時間旅行」などの展示や教 室事業,ホール事業,サイエンスショー,クラブ活動 など,様々な事業に精力的に取り組み,例年通り多忙 な年度であった。 「夏休みプラネタリウムまつり」では,今年のメイ ン番組に,宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を投影した。 映像もすばらしく,文学的価値の高い番組のため,観 覧者もここ数年の中でもっとも多かった。 例年開催している, 「青少年のための科学の祭典」も 天気がおもわしくなかったが,多くの企業,大学・学 校関係者,ボランティアの方の協力を得ることができ 昨年度までとほぼ変わらない参加者数を維持できた。 平成 26 年度には 20 周年を迎えるため,館としてもそ れを見据えて行きたい。 また社会教育施設としての当館の活動である,教室 事業,ホール事業,サイエンスショー,クラブ活動で も大きな実績をあげることができた。特にクラブの一 つである,スーパーサイエンスミュージアムでは,今 年度 10 周年を記念し,養老孟司さんや,天文工学の 的川奏宣さんを招聘し,オープン講座を実施し,多く の方に,日本の科学者の貴重な体験や,科学に対する 思いを提供することができたことは貴重なことであっ た。 - 63 - 春 こいのぼり 七夕 【期間】平成 24 年 3 月初旬~4 月半ば 【期間】平成 24 年 4 月初旬~5 月初旬 冬 四季折々の 館内装飾 【期間】平成 24 年 6 月初旬~7 月初旬 夏 【期間】平成 24 年 12 月初旬~ 平成 25 年 2 月下旬 来館者のみなさん に、楽しみながら季 節感を感じてもらえ るよう、館内 の飾り つけをしているよ☆ 秋 【期間】平成 24 年 7 月中旬~9 月初旬 【期間】平成 24 年 10 月初旬~11 月下旬 広島市こども文化科学館研究紀要 すばる 平成26(2014)年3月 編集・発行 広島市こども文化科学館 広島市中区基町5番83号 vol.21