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全文ダウンロード[PDF:4.37MB] - 農研機構
畜産草地研究所
平26-7
資 料
平成26年度
飼料用イネ・TMRセンターに関する情報交換会
-国産飼料プロの成果を中心に-
平成26年12月1日~2日
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
畜 産 草 地 研 究 所
一般社団法人
全国農業改良普及支援協会
全国酪農業協同組合連合会
資料の取り扱いについて
本資料をより転写・複製する場合は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
の許可を得て下さい。
開催趣旨
「攻めの農林水産業」を実践していくために、畜産分野では自給率の高い飼料の安
定供給体制のもと、大規模化、流通環境の改善を図り足腰の強い高収益型の畜産経営
づくりが目標となる。そのためには、飼料自給率向上のキーテクである飼料用イネ(イ
ネ WCS および飼料用米)や発酵 TMR 等の生産・流通・利用技術の高度化およびその普
及が必要である。特に本年度は米政策が大きく転換し、飼料用イネ生産について交付
金の数量払いや多収性専用品種の導入に対する追加配分など手厚い助成制度が開始
され、国産飼料増産に向けた意識が醸成されつつあることから、この流れを加速する
ことが重要である。そのため、飼料用イネや、それを活用した発酵 TMR 等の生産・流
通・利用技術について、これまで農林水産省委託プロジェクト研究「低コスト・省力
化、軽労化技術等の開発、国産飼料分科会(国産飼料プロと略す)」等において得られ
た成果を解りやすく生産現場や普及支援組織等に伝達するとともに、飼料用イネの作
付けやコントラクター・TMR センター等の急速な増加で生じる多様なニーズを把握し
今後の研究展開に活かすことを目的とし、本情報交換会を開催する。
主
催
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
一般社団法人 全国農業改良普及支援協会
全国酪農業協同組合連合会
日
畜産草地研究所
時
平成26年12月1日(月)10:30~17:10
平成26年12月2日(火) 9:00~17:00
場
所
発明会館(東京都港区虎ノ門2-9-14)
参集範囲
農林水産省、独立行政法人、都道府県、大学、団体、民間等の関係者
平成26年度 飼料用イネ・TMRセンター関する情報交換会
次
第
12月1日(月)
開
会
10:30
開会の挨拶
10:30~11:00
基調講演
(独)農研機構 畜産草地研究所 所長
土肥 宏志
(一社)全国農業改良普及支援協会 会長
坂野 雅敏
全国酪農業協同組合連合会 購買部長
梅岡 正人
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 草地研究監 大同久明)
飼料用イネの生産・利用の現状と展望
11:00~12:00
山形大学 農学部
行政施策の紹介
教授
吉田 宣夫
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 家畜飼養技術研究領域長 鈴木一好)
国産飼料増産に向けた取組
13:00~13:50
農林水産省 生産局 畜産部 畜産振興課 草地整備推進室
技術紹介
室長
田中 誠也
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 上席研究員 野中和久)
<国産飼料プロで得られた飼料用イネに関する成果>
飼料用イネ品種の現状と展望
13:50~14:30
(独)農研機構 作物研究所
上席研究員
飼料用米の低コスト・多収栽培技術
(独)農研機構 中央農業総合研究センター
石井 卓朗
14:30~15:10
上席研究員
飼料用米の流通・加工技術
吉永 悟志
15:10~15:50
(独)農研機構 畜産草地研究所
上席研究員
乳牛への飼料用米給与技術
浦川 修司
15:50~16:30
(独)農研機構 畜産草地研究所
上席研究員
肥育牛への飼料用米給与技術
永西
修
16:30~17:10
(独)農研機構 畜産草地研究所 主任研究員
樋口 幹人
12月2日(火)
技術紹介
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 上席研究員 野中和久)
<TMRに関連する技術>
飼料用オオムギの調製・利用技術
9:00~ 9:40
群馬県畜産試験場 主任研究員(酪農係長)
自給タンパク質飼料国産ダブルローナタネ粕の利用技術
ソルガムサイレージとエコフィードを活用した交雑種肥育技術
青木 康浩
10:20~11:00
研究員
TMR素材等の迅速水分測定技術
藤森 祐紀
11:00~11:40
(独)農研機構 九州沖縄農業研究センター 主任研究員
現地事例紹介
勉
9:40~10:20
(独)農研機構 北海道農業研究センター 主任研究員
長野県畜産試験場
浅田
服部 育男
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 上席研究員 野中和久)
飼料用米を最大限活用した乳牛飼養技術
13:00~13:45
-魚沼市自給飼料生産組合-
新潟県農業総合研究所 畜産研究センター 専門研究員
飼料用米を混合した配合飼料製造と飼料用イネ利用の取り組み
関
誠
13:45~14:30
-大内山酪農農業協同組合-
三重県畜産研究所 主幹研究員
イネWCSとエコフィードを活用したTMRの供給
山本 泰也
14:30~15:15
-JA鹿児島きもつき農業協同組合-
JA鹿児島きもつき農業協同組合 畜産関連事業部 課長
月精
JA鹿児島きもつき農業協同組合 畜産関連事業部 部長
大村 一朗
鹿児島県大隅地域振興局 農林水産部 畜産技師
パネルディスカッション
森
悟
寛倫
(座長:(独)農研機構 畜産草地研究所 上席研究員 浦川修司)
15:30~17:00
パネラー:発表者
閉
会
17:00
目次
1
基調講演
飼料用イネの生産・利用の現状と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
山形大学 農学部
2
教授
吉田 宣夫
行政施策の紹介
国産飼料増産に向けた取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
農林水産省 生産局 畜産部 畜産振興課 草地整備推進室
3
室長
田中 誠也
技術紹介
<国産飼料プロで得られた飼料用イネに関する成果>
飼料用イネ品種の現状と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
(独)農研機構 作物研究所
上席研究員
石井 卓朗
飼料用米の低コスト・多収栽培技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
(独)農研機構 中央農業総合研究センター
上席研究員
吉永 悟志
飼料用米の流通・加工技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
(独)農研機構 畜産草地研究所
上席研究員
浦川 修司
乳牛への飼料用米給与技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
(独)農研機構 畜産草地研究所
上席研究員
永西
修
肥育牛への飼料用米給与技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
(独)農研機構 畜産草地研究所 主任研究員
樋口 幹人
<TMRに関連する技術>
飼料用オオムギの調製・利用技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
群馬県畜産試験場 主任研究員(酪農係長)
浅田
勉
自給タンパク質飼料国産ダブルローナタネ粕の利用技術・・・・・・・・・・・・・・75
(独)農研機構 北海道農業研究センター 主任研究員
青木 康浩
ソルガムサイレージとエコフィードを活用した交雑種肥育技術・・・・・・・・・・・83
長野県畜産試験場
研究員
藤森 祐紀
TMR素材等の迅速水分測定技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・89
(独)農研機構 九州沖縄農業研究センター 主任研究員
4
服部 育男
現地事例紹介
飼料用米を最大限活用した乳牛飼養技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95
-魚沼市自給飼料生産組合-
新潟県農業総合研究所 畜産研究センター 専門研究員
関
誠
飼料用米を混合した配合飼料製造と飼料用イネ利用の取り組み・・・・・・・・・・・97
-大内山酪農農業協同組合-
三重県畜産研究所 主幹研究員
山本 泰也
イネWCSとエコフィードを活用したTMRの供給・・・・・・・・・・・・・・・103
-JA鹿児島きもつき農業協同組合-
JA鹿児島きもつき農業協同組合 畜産関連事業部 課長
月精
JA鹿児島きもつき農業協同組合 畜産関連事業部 部長
大村 一朗
鹿児島県大隅地域振興局 農林水産部 畜産技師
森
悟
寛倫
飼料用イネの生産・利用の現状と展望
山形大学農学部
吉田宣夫
はじめに
今年度産米の米価低迷は稲作農家にとって深刻なものになっており、その変化は急速である。平
成 26 年度飼料用イネの作付は飼料用米 33,726ha(前年比 155%)
、WCS 用イネ 31,157ha(前年
比 117%)と伸びてはいるが、次年度以降、非主食用米の生産なかでも飼料用イネの拡大に本腰で
取り組むことが求められている。
水田フル活用の意義
水田フル活用の意義は、第1に人口減少・少子高齢化のなかで食用米需要は年々減少し,これま
でどおりの稲作継続は困難であること、第2は新用途として需要が大きいのが飼料用米等である
こと、第3は水田生産力の維持は国土保全と食料安全保障の観点から不可欠であること、第4は飼
料用イネの生産・利用は地方創生の基盤をなすものであることがあげられる。しかし、飼料用米と
食用米の価格差から助成制度なしの政策推進は困難であり、安定多収生産と利用のための技術開
発とともに長期的視点からの生産・利用基盤の整備が必要になっている。これらは一時的な対応策
では決してなく長期の取り組みとなる。
研究動向と現地への応用
飼料用イネに関する研究は 1980 年代から地道に行われ、一定の技術蓄積がされた。これらをベ
ースに農水省は 2000 年代からイネ WCS を中心とした研究プロジェクトを立ち上げ数多くの成果
を生み出した、さらに 2010 年度からは飼料用米等に関する研究開発「自給飼料を基盤とした国産
畜産物の高付加価値化技術の開発」が開始された。このプロジェクトは生産利用の総がかり研究開
発となっている。
飼料用イネの品種育成では多品種が開発され、現場で 900kg/10a を実現できる飼料用米品種が、
WCS 用イネでは牧草並の高糖含量・茎葉型の反すう家畜に適した品種が出てきた。これらの特性
を発揮する栽培技術が提案されており、新たに取り組む稲作農家においては良食味米生産とは異
なり、
「多収」という技術転換が求められている。
調製加工と流通技術では地域産米を地域の畜産経営が活用する地産地消型と飼料工場で配合飼
料化して畜産経営が使う飼料工場ループ型の2つに大別される。いずれも大切な類型だが、地域ブ
ランド創出と地域人材の活用に適しているのが地産地消型である。飼料工場をループした飼料用
米活用においては、
(協)日本飼料工業会が積極的な声明を出されており注目される。
両類型に必要な調製・加工技術として籾米サイレージ(SGS)
、粉砕・圧ぺん・ペレットなどの
加工技術が開発され普及が始まってきた。今後、畜産需要と生産可能量との関係には県内地域間及
び県間でアンバランスが予測され、流通のための技術は不可欠となる。畜産物の高品質化をねらい
とした飼料用米の給与技術が進展した。トウモロコシ主体の配合飼料と比較して畜産物品質が同
等かそれ以上を目指してトリ、ブタ、肉牛、乳牛での検討が加えられている。肥育豚への給与を例
-1-
にすると、2010 年度以前と比較して肥育後期豚の飼料用粉砕玄米配合割合は 30%から 50%台に
高めても良質豚肉生産が可能になっている。
本日はこれらの最新成果が発表されるが、飼料用米生産・給与技術はしっかりした基本技術のう
えに成り立つものである。その先に高品質畜産物の生産が達成されるものであることを忘れては
いけない。
マッチング活動の重要性
飼料用イネの生産利用拡大をなすうえで最重要課題が耕畜経営間のマッチングと体系化技術の
普及活動である。このことは先に述べた加工・流通の2類型とも必要なことである。そこで、大切
なことが地域農畜産業のファクトデータを立体的に捉えることである。2013 年度の畜産経営数は
9 万戸を切り、1戸当たりの飼養頭羽数は拡大している。それに対して稲作経営はどうか、平成 26
年度経営所得安定対策等の申請件数は個人・法人合わせて 104 万経営である。戸数において稲作
経営は畜産経営より圧倒的に多いのであり、畜産は少ない経営数だが高い技術力と企業理念に基
づいた綿密な生産活動が行われている点で異なる事情がある。こうした経営と向き合い情報交換
を綿密に行えるかが問われている。
そのうえで地域の展望を描き、生産利用の支援組織を立ち上げコントラクターの組織化や TMR
センター設立を含めた立体的なマッチングが必要になっている。
地域での普及活動
飼料用イネを使った取り組みは全国で旺盛に行われている。遊休化する水田を再生できる飼料
用米・WCS 用イネの生産と利用は地方創生の核となるもので、ブランド畜産物づくりに結実させ
ている事例は数えきれない。各地の飼料用イネの現地に立つと「畜産的土地利用は地域を救えるか
もしれない」と感じる。明日は新潟県、三重県、鹿児島県から発表されるが、多収に向けた山口県、
山形県の取り組み、黒毛和牛ブランド化を行っている秋田県の取り組みなど挙げきれないが、こう
した沢山の実践例を各県の普及職員が支えておられることに敬意を表したい。
展望を実現するために
飼料用穀物を自国で生産・利用することは畜産業の本来の姿である。農林水産省がこの方向に大
きく舵を切ったことは、困難もあるが明るい展望が拓けたことである。そのためには第1に畜産と
稲作経営双方にメリットが出ること、第2は畜産経営の飼料問題を解決するャンスであること、第
3はそのための支援態勢を取り、地域コンプレックスを構築していくことである。生産者、研究・
普及関係者、行政、業界、団体が一定のスピード感を持って各持ち場で努力をしていきたいもので
ある。
-2-
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21
-13-
-14-
飼料用イネ品種の現状と展望
(独)農研機構 作物研究所
石井卓朗
1.はじめに
日 本 で は 家 畜 に 与 え る 飼 料 の 大 部 分 を 輸 入 に 依 存 し て き た 結 果 、 飼 料 自 給 率 は 26%
(2012 年)と著しく低くなっており(粗飼料自給率:76%、濃厚飼料自給率:12%)、濃
厚飼料はトウモロコシを中心に毎年 1400 万トン程度輸入されている。年間の米生産量が約
800 万 t であることを考えれば莫大な量であるといえよう。
一方、日本人の米の消費量は減少を続けており、現在は年間一人当たり約 56kg(2012
年)とピーク時の半分程度にまで減少している。1960 年代には 300 万 ha 以上あった水稲
の作付面積は、現在は 164 万 ha(2012 年)と半減しており、全国で約 100 万 ha 近くの生
産調整水田が存在する。
海外では中国などの新興国で飼料の輸入が始まっており、肉製品に対する需要の増加に
より輸入量がさらに増大することが予想される。アメリカのバイオエタノール振興政策に
よる飼料価格の急騰も記憶に新しい。このため、わが国の畜産業の安定的な発展を図るに
は、飼料供給の逼迫に常に備えることが重要であり、飼料自給率をできるだけ向上させて
おく必要がある。
このような状況を踏まえると、生産調整を行っている水田で飼料生産を行い、飼料自給
率の向上を図ることが望ましい。しかし、トウモロコシ等の飼料作物を水田転作作物とし
て栽培するには、湿害等の影響のため限界がある。この点、イネは本来湿地の作物である
ことから、イネを飼料作物として水田で作付することは、自給飼料生産の観点からも水田
機能の維持の観点からも、極めて有効である。特に、飼料用米品種に関しては、米の生産
調整の見直しをうけ、本年度から本格的な作付けが政策的に誘導される中で、各地域での
栽培に適した飼料用米品種に注目が集まっている。
(独)農研機構等では、国産飼料プロ等をとおして、日本の各地域での栽培に適した飼
料用イネ品種(飼料用米品種および稲発酵粗飼料用品種)の育成を推進してきた。本稿で
は、これら飼料用イネ品種の育成状況について概説したい。なお、個別の品種の詳細につ
いては、文末の参考資料を参照されたい。
2.育成された飼料用イネ品種の特性
表 1 に、わが国の代表的な飼料用米品種および稲発酵粗飼料用品種の特性を示した。表
2 には、表 1 の品種から飼料用米に適した多収品種を抜き出し、育成地における玄米収量
を示した。表 3 には、表 1 の品種から稲発酵粗飼料に適した品種を抜き出し、同じく育成
地での可消化養分総量(Total digestible nutrients, TDN)収量を示した。
(1) 飼料用イネ品種の耐倒伏性
多肥栽培により多収を目指す場合に重要な耐倒伏性については、食用イネ品種の「コシ
ヒカリ」が“極弱”であるのに対して、北海道向け品種の「きたあおば」を除き“やや強”以
-15-
上の品種が多い。食用イネ品種の場合、窒素施肥量は、地域や場所により異なるが、全国
的には平均で 10a あたり窒素成分 7~8kg 程度である。「コシヒカリ」の場合はこの程度の
施肥量で倒伏が起こるが、飼料用イネ品種では、強い耐倒伏性を持つので、「コシヒカリ」
の 1.5 倍から 2 倍程度の施肥量でも倒伏しにくい茎の太い強稈性の品種が選抜されている。
(2) 飼料用イネ品種の草型
これまで育成されてきた飼料用米品種(表 2 に抜き出した品種)は、特徴的な草型を示
す。草型とは穂数と穂重の割合を示すもので、面積当たりの穂の数が増えたことにより多
収になる穂数型と、穂の数は増えないが、籾が密に着く、一つ一つの籾が大きくなる、穂
が長くなることによる穂重型がある。飼料用米品種は“やや穂重型”~“極穂重型”であり、
食用イネ品種に比べて単位面積当たりの穂数が増えるのではなく、穂の重量が増えること
で穂が重くなり収量が増える“穂重型”が多い。穂重型のうち籾が大きくなる型は、栽培上
注意が必要である。表 1 の玄米千粒重でみると、「コシヒカリ」「日本晴」では 20g 程度で
あるのに対し 35g の品種もある。このような品種では、発芽苗立ち数を確保するため苗箱
への播種では、播種種子の重量を増やす必要がある。
表1 飼料用イネ品種の諸特性
品種名
きたあおば
たちじょうぶ
みなゆたか
耐倒伏性 穂発芽性 脱粒性
やや弱
強
強
不明
不明
やや難
難
難
難
べこごのみ
強
ふくひびき
強
べこあおば
強
いわいだわら
やや強
夢あおば
極強
ゆめさかり
強
タカナリ
極強
ホシアオバ
やや強
もちだわら
極強
北陸193号
極強
モミロマン
極強
クサホナミ
強
クサノホシ
やや強
たちはやて
極強
たちすがた
強
リーフスター
強
たちあやか
極強
たちすずか
極強
まきみずほ
やや強
モグモグあおば
強
ミズホチカラ
極強
ミナミユタカ
強
ルリアオバ
弱
タチアオバ
極強
易
やや易
やや易
やや易
中
やや易
極難
やや易
難
やや難
やや易
やや易
難
やや難
難
やや易
中
難
中
やや易
やや易
易
不明
中
難
難
難
難
難
難
やや難
やや難
やや難
やや難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
難
食用の稲品種 (比較)
日本晴
やや強
コシヒカリ
極弱
難
極難
難
難
葉いもち
縞葉枯 障害型
玄米の形 玄米品質
草型
真性抵抗性 圃場抵抗性 病耐病性 耐冷性
下上
穂重型
+
弱
不明
やや強 やや円
中中
偏穂重型
Pia,Pii
やや強
不明 やや強~強 やや円
Pii
やや強
不明
極強
中
中上
穂重型
中
Pib,Pik
強
罹病性 やや弱
下上
穂重型
Pia,Pib
やや強
罹病性 やや弱 やや円
中中
穂重型
Pita-2 or Pita
やや弱
罹病性
弱
やや細長
下上
穂重型
Pik,Pib
不明
罹病性
弱
中
下上
極穂重型
Pita-2,Pib
中
不明
抵抗性 やや弱
下上
穂重型
Pia
中
やや強
罹病性 やや弱
下上
偏穂重型
不明
弱
抵抗性
弱
やや細長
下上
極穂重型
Pita-2,Pib
不明
抵抗性
不明 やや細長
下上
極穂重型
不明
不明
抵抗性
不明 やや細長
中下
極穂重型
不明
不明
抵抗性
中
やや細長
中下
極穂重型
不明
不明
罹病性
中
やや細長
下中
極穂重型
Pia,Pii,Pik+α
不明
抵抗性
不明
やや円
下上
極穂重型
Pita-2,Pib
不明
抵抗性
不明
やや円
下上
極穂重型
不明
不明
抵抗性
不明 やや細長
中中
茎葉型
Pib
不明
抵抗性
中
やや細長
中上
穂重型
不明
不明
罹病性
不明 やや細長
中中
茎葉型
不明
不明
罹病性
不明
やや長
中下
茎葉型
不明
弱
罹病性
不明
やや円
中中
茎葉型
不明
中
不明
抵抗性
不明
下上
極穂重型
不明
不明
抵抗性
不明 やや細長
下上
極穂重型
不明
不明
罹病性
不明
中
下上
穂重型
不明
不明
抵抗性
不明
極長
中下
穂重型
不明
やや穂数型
不明
抵抗性
不明
長
不明
中
Pia,Pii
中
抵抗性
不明
下中
穂重型
Pia
+
中
弱
罹病性
罹病性
-16-
極弱
強
中
中
上下
中上
やや穂数型
中間型
玄米千 粒重比
粒重g (%)
21.7
105
21.8
106
22.1
107
22.0
107
23.2
113
30.6
149
25.8
125
26.5
129
26.1
127
21.0
102
29.4
143
22.7
110
22.9
111
24.1
117
21.7
105
24.3
118
17.1
83
25.1
122
20.3
99
20.6
100
21.5
104
36.5
177
31.1
151
23.0
112
17.2
83
不明 不明
22.2
108
20.4
20.6
99
100
稲発酵粗飼料用品種(表 3 に抜き出した品種)では穂数型も含まれる。表 2 になく表 3
にのみ記載されている稲発酵粗飼料専用品種の「たちはやて」「 たちすがた」「リーフスター」
「たちあやか」「たちすずか」「ミナミユタカ」
「ルリアオバ」
「タチアオバ」は、穂重に対して
茎葉の割合が高く玄米収量は低いが、全重が大きくなる茎葉多収タイプである。これらの
品種は、玄米収量が低いので飼料用米としては不適である。
表2 飼料用米品種の育成地での移植栽培による玄米収量
品種名
育成地所在地 出穂期 成熟期
稈長 粗玄米重 粗玄米重 精玄米重 精玄米重
比較品種
(月.日) (月.日) (cm) (kg/10a) 比率(%) (kg/10a) 比率(%)
きたあおば
北海道
8.01
9.27
79
825
126
727
122
(きらら397)
札幌市
8.01
9.20
69
653
100
595
100
たちじょうぶ
北海道
8.09
10.10
77
757
135
708
137
(きらら397)
札幌市
8.02
9.21
67
560
100
517
100
みなゆたか
青森県
8.06
9.26
78
663
111
612
111
(むつほまれ) 十和田市
8.06
9.23
73
598
100
553
100
べこごのみ
秋田県
7.25
8.31
79
713
106
686
105
(アキヒカリ)
大仙市
7.29
9.01
75
670
100
652
100
べこあおば
秋田県
8.07
9.24
70
753
107
732
106
ふくひびき
大仙市
8.04
9.12
72
703
100
689
100
いわいだわら 秋田県
7.30
9.17
95
855
100
828
99
ふくひびき
大仙市
8.03
9.16
85
859
100
833
100
夢あおば
新潟県
7.29
9.10
86
725
96
722
98
ふくひびき
上越市
7.27
9.07
78
753
100
739
100
ゆめさかり
新潟県
8.02
9.15
82
781
118
771
119
(ひとめぼれ) 上越市
8.01
9.11
90
662
100
647
100
クサユタカ
新潟県
8.05
9.26
87
735
116
729
116
(キヌヒカリ)
上越市
8.06
9.21
85
633
100
628
100
タカナリ
茨城県
8.13
10.01
74
751
122
732
122
ハバタキ
つくばみらい市 8.09
9.26
80
616
100
598
100
ホシアオバ
広島県
8.14
10.02
90
694
129
(日本晴)
福山市
8.15
9.26
87
538
100
もちだわら
茨城県
8.11
10.05
90
891
115
885
116
(おどろきもち) つくばみらい市 8.08
9.26
77
772
100
765
100
北陸193号
新潟県
8.16
10.04
80
780
118
767
117
(日本晴)
上越市
8.15
9.27
83
663
100
657
100
モミロマン
8.15
10.09
89
823
138
765
132
茨城県
(日本晴)
9.27
90
596
100
581
100
つくばみらい市 8.17
クサホナミ
茨城県
8.24
10.16
93
727
92
699
94
タカナリ
つくばみらい市 8.08
9.26
73
787
100
742
100
クサノホシ
広島県
8.28
10.17
93
670
119
クサホナミ
福山市
8.31
10.18
87
565
100
まきみずほ
福岡県
8.23
10.05
102
678
(日本晴)
筑後市
8.20
10.02
81
モグモグあおば 福岡県
9.05
未達
101
724
134
(ニシホマレ)
筑後市
9.06
10.14
96
542
100
ミズホチカラ
福岡県
9.02
10.31
76
725
120
669
117
(ニシホマレ)
筑後市
9.03
10.22
91
606
100
571
100
新品種決定に関する参考成績書による。
()内は食用の稲品種の比較品種。粗玄米重比率と精玄米重比率は、比較品種を100とした。
-17-
表3 稲発酵粗飼料用品種の育成地での移植栽培による成績
品種名
(比較品種)
出穂期
成熟期
稈長
黄熟期 成熟期 玄米重 推定TDN 推定TDN 推定TDN収
乾物全重 風乾全重
(月.日) (月.日) (cm) (t/10a)
(t/10a) (t/10a) 含量(%)*1 収量(t/10a) 量比率(%)
きたあおば
北海道
8.01
9.27
79
1.42
1.76
0.83
60.9
0.89
122
(きらら397)
札幌市
8.01
9.20
69
1.22
1.45
0.65
59.3
0.73
100
たちじょうぶ 北海道
8.09
10.10
77
1.53
2.11
0.76
59.0
0.91
124
(きらら397)
札幌市
8.02
9.21
67
1.23
1.53
0.56
59.7
0.73
100
べこごのみ
秋田県
7.25
8.31
79
1.17
1.55
0.69
62.1
0.73
106
(アキヒカリ)
大仙市
7.29
9.01
75
1.10
1.49
0.65
62.5
0.69
100
べこあおば
秋田県
8.07
9.24
70
1.37
1.77
0.73
61.9
0.85
110
ふくひびき
大仙市
8.04
9.12
72
1.23
1.54
0.69
62.9
0.77
100
夢あおば
新潟県
7.29
9.10
86
1.52
1.73
0.72
61.2
0.93
105
ふくひびき
上越市
7.27
9.07
78
1.44
1.61
0.74
61.6
0.89
100
ゆめさかり
新潟県
8.02
9.15
82
1.48
2.60
0.78
63.3
0.93
101
(夢あおば)
上越市
7.31
9.12
83
1.46
2.60
0.73
61.9
0.92
100
*3
広島県
8.13
9.31
101
1.52
1.91
0.71
58.6
0.91
103
ホシアオバ
クサホナミ
福山市
8.24
10.13
96
1.50
1.86
0.61
58.3
0.88
100
もちだわら
茨城県
8.11
10.05
90
1.99
2.25
0.89
57.6
1.18
117
(おどろきもち) つくばみらい市 8.08
9.26
77
1.72
1.96
0.77
57.4
1.01
100
北陸193号
新潟県
8.19
84
1.71
65.0
1.12
115
ホシアオバ
上越市
8.10
87
1.44
65.0
0.98
100
モミロマン
8.15
10.09
89
1.80
2.12
0.82
61.0
1.10
108
茨城県
(日本晴)
9.27
90
1.76
1.87
0.60
57.9
1.02
100
つくばみらい市 8.17
*4
茨城県
8.24
10.08
95
1.85
2.08
0.67
59.2
1.10
105
クサホナミ
はまさり
つくばみらい市 8.30
10.07
96
1.67
1.90
0.46
61.1
1.05
100
*3
広島県
8.28
10.18
104
1.63
2.06
0.65
57.1
0.94
107
クサノホシ
(クサホナミ) 福山市
8.24
10.13
96
1.50
1.86
0.61
58.3
0.88
100
たちはやて
茨城県
8.06
9.06
114
1.74
2.10
0.49
53.2
0.93
109
(夢あおば)
つくばみらい市 7.31
9.09
87
1.65
1.91
0.70
51.7
0.86
100
たちすがた
8.11
10.05
109
2.02
2.19
0.60
59.6
1.20
118
茨城県
(日本晴)
9.27
90
1.75
1.85
0.56
58.0
1.01
100
つくばみらい市 8.16
リーフスター 茨城県
8.31
10.16
109
1.92
2.14
0.42
61.0
1.17
111
はまさり
つくばみらい市 8.31
10.08
96
1.73
1.92
0.51
60.7
1.05
100
*2
56.1
0.89
90
たちあやか
8.18
9.15
112
1.62
広島県
0.01
(ホシアオバ) 福山市
8.15
9.17
110
1.73
57.0
0.99
100
0.74*2
*2
たちすずか
9.02
10.12
121
1.87
52.7
0.99
99
広島県
0.02
*2
56.8
1.00
100
(クサノホシ) 福山市
8.29
11.03
110
1.78
0.72
まきみずほ
福岡県
8.04
9.26
103
1.75
56.6
0.99
115
(日本晴)
筑後市
8.07
9.17
83
1.39
58.2
0.86
100
*2
8.17
10.08
104
1.92
2.16
57.3
1.10
121
モグモグあおば福岡県
0.75
*2
56.8
0.91
100
(ニシホマレ) 筑後市
8.18
10.01
93
1.53
1.73
0.60
ミナミユタカ
宮崎県
8.28
10.08
101
1.47
0.31
1.29*5
*5
(ユメヒカリ)
8.30
10.10
71
1.38
0.40
1.21
1.06
110
ルリアオバ
福岡県
8.05
46.5*7
2.28*6
*6
*7
タチアオバ
筑後市
8.12
0.96
100
1.98
48.4
タチアオバ
福岡県
8.29
10.19
106
2.13
2.41
0.66
59.5
1.27
127
(ミナミヒカリ) 筑後市
8.25
10.09
86
1.69
1.95
0.56
59.5
1.00
100
ホシアオバ、クサホナミ、クサンホシ以外は新品種決定に関する参考成績書による。()内は食用の稲品種の比較品種。
*1:畜産草地研究所の推定式による。*2:籾重。*3:育成地におけるH15-19の平均値。なおTDNの測定はH16-H19の平均値。
*4:育成地におけるH11-12、H14-16、H18-19の平均値。なおTDNの測定はH14-16,H19の平均値。
なおTDNの測定はH14-16,H19の平均値。*5:風乾での水分含量を12%とした成熟期の推定値。
*6:2回刈りの合計。*7九州沖縄農業研究センターの推定式。
育成地所在地
(3) 飼料用イネ品種のいもち病抵抗性
いもち病はイネの最も重要な病害である。日本の食用イネ品種の持ついもち病真性抵抗
性遺伝子は新潟県で使われているマルチライン品種を除けば、現状では Pii,Pia に限定され
るとみなすことができる。日本で一般的に存在するいもち病菌は、これら Pii と Pia に対
しては罹病性であり、日本の食用イネ品種は、条件がそろえばいもち病にかかる。一方、
飼料用イネ品種のいもち病真性抵抗性については、食用イネ品種が持つ Pii,Pia 以外の真性
抵抗性を複数持つと推定される品種が多い。どの真性抵抗性遺伝子を持つかは不明の場合
-18-
が多いが、親和性のある菌系が出現するまではいもち病には罹病しない。しかし、飼料用
イネ品種の作付けが拡大したり、長期にわたって栽培されるにつれて、いもち病菌が変異
し、飼料用イネ品種の持つ真性抵抗性を打ち破る親和性菌が出現(抵抗性のブレークダウ
ン)する。飼料用イネ品種のいもち病圃場抵抗性は、真性抵抗性によってマスクされてい
るため評価できずに不明のものが多い。このような品種は育種過程で圃場抵抗性が無選抜
であるため、親和性菌が出現すると、いもち病に弱い場合が多く注意が必要である。
(4)飼料用イネ品種の耐冷性、脱粒性
飼料用イネ品種は耐冷性の弱いものが多い。東北地域向けの「みなゆたか」は耐冷性が
強いが、
「べこごのみ」
「ふくひびき」
「べこあおば」「いわいだわら」の耐冷性は弱く、北海
道向けの「きたあおば」の“やや強”も北海道の食用イネ品種に比べれば冷害に弱い。これ
らの品種を冷害の常発地域に導入する場合には、移植時期をずらす、深水灌漑を実施する
等の対策が必要である。
脱粒性は、“やや難”か“難”であり食用イネと大差はないので、飼料用イネだからといっ
て、こぼれ種子が増えることはないが、脱粒性が“やや難”の品種の場合には、刈り遅れる
と脱粒しやすくなるので、立毛乾燥を目指す場合は脱粒による収量の損失が多くならない
ように注意する。
(5)飼料用イネ品種の玄米品質
飼料用イネ品種の玄米品質は食用イネ品種に比べて劣る場合が多い。例えば、「モミロ
マン」では、ほとんど全ての玄米で腹白、心白、乳白が見られる。家畜の飼料として用い
る場合は品質が低いことは問題にならず、むしろ玄米品質の低さを食用の稲品種との識別
に利用することが可能である。飼料用イネ品種は、品質以外でも長粒性、大粒性などによ
り、食用イネ品種との識別が可能である。
3.地域別推奨品種
①各地域に適した品種の選定
わが国の代表的な飼料用イネ品種の栽培適地を図 1 に示した。表 2 に、飼料用米品種の
出穂日、成熟期、稈長、玄米収量を示した。数値は各品種の育成地での成績を並べたもの
である。表 3 に、稲発酵粗飼料用品種の育成地での出穂日、成熟期、稈長、玄米収量、TDN
収量を示した。表 2 の先頭にある北海道の「きたあおば」は(独)農研機構 北海道農業研
究センターで育成され、同センターの圃場で行った数年間の栽培試験の結果が平均値で示
されている。出穂日は、北海道や東北向けの品種は 7 月下旬から 8 月上旬の時期に集中し
ている。この地域ではこの時期に出穂しないと、秋の低温が早く来るので十分に成熟する
ことができない。関東から九州向けに育成された品種は、9 月初旬までの幅がある。北海
道の品種を東北以南で栽培すると極端な早生となり、十分に生育せず収量は極めて低い。
東北の品種は、関東以南で栽培すると早生になるので利用できる場合もある。ただし、そ
の地域の他の食用の稲品種より極端に早生になると、地域一帯からスズメが集まってきて
-19-
集中的に被害を受けることがあるので注意を要する。
成熟期は 8 割から 9 割の籾が黄化した日のことで、収穫の適期を示している。出穂日か
ら成熟日まで期間は登熟期間と呼ばれ、食用稲品種の「日本晴」や「ニシホマレ」では約
40 日であるが、「モミロマン」や「ミズホチカラ」では 60 日程度と長い特徴を持つ。
収量は、粗玄米収重と精玄米重で示しているが、精玄米重は砕けた屑米や未熟米を篩(ふ
るい)で除いたのもで、食用とする場合はこれを玄米収量とみなしている。飼料用米の場
合は、砕け米や未熟米も利用可能であるので、粗玄米重を玄米収量とみなす。表には、参
考として精玄米重も示している。家畜の飼料として用いる場合は粗玄米収量がより重要で
あるが、食用イネ品種では粗玄米収量と精玄米重の差は通常は 5%以下と小さい。しかし、
「きたあおば」
「モミロマン」
「ミズホチカラ」ではその差が大きく、屑米歩合が 10%程度
と高いので、確実な利用を心がける必要がある。屑米が多いのは、玄米品質が低いため砕
け米が生じやすいことによると考えられる。
きたあおば
たちじょうぶ
みなゆたか
べこごのみ, ふくひびき,
べこあおば, いわいだ
わら
夢あおば,ゆめさかり,タカナリ, ホシ
アオバ, もちだわら,北陸193号, モミロ
マン, クサホナミ, クサノホシ, たちはや
て,たちすがた, リーフスター, たちあ
やか,たちすずか
まきみずほ, モグモグあおば, ミズホチカラ, ミナミユ
タカ,ルリアオバ, タチアオバ
図1
飼料用イネ品種の栽培適地
②北海道地域向け品種:「きたあおば」「たちじょうぶ」
「き た あ お ば 」「た ち じ ょ う ぶ 」と も に 飼 料 用 米 お よ び 稲 発 酵 粗 飼 料 の 両 方 に 向 く 品 種 で
ある。「きたあおば」「たちじょうぶ」の粗玄米収量は、10a あたりそれぞれ、825kg、757kg
-20-
であり、TDN 収量はともに 0.9t 程度である。「きたあおば」の出穂期は「きらら 397」並の“中
生の早”、「たちじょうぶ」の出穂期は「きらら 397」より 6~7 日遅い“晩生の晩”である。
「きたあおば」は、耐倒伏性が“やや弱”であるので通常の 1.5 倍以上の極端な多肥にしな
い。また、耐冷性が十分ではないので、冷害危険期は深水管理等十分な対策を講じる必要
がある。一方、「たちじょうぶ」は、「きたあおば」よりも耐倒伏性に優れ、不稔の発生も少
ないので、栽培しやすいが、晩生種であるため播種期や移植期が遅くなりすぎないように
注意する必要がある。
③東北地域向け品種:
「みなゆたか」
「べこごのみ」
「ふくひびき」
「べこあおば」「いわいだ
わら」
東北地域では、早生の「みなゆたか」「べこごのみ」「いわいだわら」から中晩生の「ふ
くひびき」
「べこあおば」まで熟期の異なる品種がそろっているので、栽培方法(移植栽培、
直播栽培)に合わせてその地域に適した熟期の品種を選定する必要がある。
「みなゆたか」は青森県向きの耐冷性の強い飼料用米専用品種であり、「いわいだわら」
「ふくひびき」は東北中部以南向きの飼料用米専用の粗玄米収量の高い品種である。特に「い
わいだわら」の粗玄米収量は 855kg/10a とかなり高い。
「べこごのみ」
「べこあおば」は飼料
用米・稲発酵粗飼料兼用品種であり、粗玄米収量はともに 700g/10a 以上と高く、TDN 収
量も 0.73~0.85t/10a と高い。
食用イネ品種「あきたこまち」の耐冷性が“やや強”なのに対して、「みなゆたか」を除く
4 品種の耐冷性は“弱”または“やや弱”であり、冷害の発生しやすい北東北(青森・岩手北
部)ややませの常襲地帯、中山間地での作付けには適さない。
「べこあおば」「いわいだわら」は大粒品種であり、箱あたりに播種する種子重量を、表
1 の粒重比に応じて増やすことにより十分な数の発芽苗数を確保する必要がある。
④北陸・関東地域~近畿・中国・四国地域向け品種:「夢あおば」「ゆめさかり」「タカナリ」
「ホシアオバ」「もちだわら」「北陸 193 号」
「モミロマン」
「クサホナミ」
「クサノホシ」「た
ちはやて」「たちすがた」「リーフスター」「たちあやか」「たちすずか」
「たちはやて」「たちすがた」「リーフスター」「たちあやか」「たちすずか」は、稲発酵粗
飼料用の専用品種で、稈が長いことによって全重が多収となるが、消化性のよい茎葉の割
合が高い。特に、「たちあやか」「たちすずか」は籾数が従来の飼料用イネに比べて約 1/3 と
極端に少なく、乳牛で問題となる未消化で排泄される籾の量が少ない。また、糖含量も高
いため乳酸発酵がスムーズに進む。さらに耐倒伏性が“極強”のため、収穫適期を過ぎても
倒れにくく、稲発酵粗飼料専用品種の理想草型の一つと考えられる。「たちはやて」「リー
フスター」は、リグニン含量が低く、このことが消化性の向上に貢献している可能性があ
る。低リグニン性による消化性の向上については今後さらに研究が必要であり、どの程度
消化性の向上が見込めるかについて明らかにする必要がある。
「タカナリ」は飼料用米専用品種、「夢あおば」「ゆめさかり」「ホシアオバ」「もちだわら」
「北陸 193 号」
「モミロマン」
「クサホナミ」
「クサノホシ」は、飼料用米・稲発酵粗飼料兼
-21-
用品種である。10a あたりの粗玄米収量が 885kg の「もちだわら」、823kg の「モミロマン」
をはじめ、この地域向けの全ての飼料用米向け品種は粗玄米重が 700kg/10a を超えている
(「ホシアオバ」「クサノホシ」では、品種育成時に飼料用米としての利用が想定されてい
なかったので粗玄米重のデータがないが、その精玄米重は 700kg/10a 近いので粗玄米重は
700kg/10a を超えていると推定される)。また、これら兼用品種は 0.91~1.2t/10a 程度の TDN
収量が得られており、稲発酵粗飼料向け品種としても十分な収量性がある。早生から晩生
まで多収で熟期の大きく異なる品種がそろっているので、栽培方法(移植栽培、直播栽培)
に合わせてその地域に適した熟期の品種を選定する。
選定にあたっての留意点としては、「タカナリ」「北陸 193 号」は休眠性が強く、育苗箱
の苗数や直播きでの十分な苗立ちを確保するのが難しい場合がある。対策としては、種子
を十分に乾燥した後、50℃で 5 日間の乾熱処理により休眠を打破することが可能である。
大量の種子の加熱処理をする施設がない場合には、前々年度産の種子を貯蔵しておき、休
眠が弱くなってから使用する。本田用の育苗・播種を行う前に少量の種子を用いて発芽試
験することが望ましい。
「タカナリ」
「モミロマン」は、水稲用除草剤成分ベンゾビシクロンに対して感受性で、
白化・枯死を伴う薬害の発生が確認されたことから、これらの品種を作付する場合には、
当該成分を含有する除草剤を使用しないよう注意が必要である。
「タカナリ」「ホシアオバ」「もちだわら」「北陸 193 号」については脱粒性が“やや難”
であり、刈り遅れによる脱粒が起こることがあるので、特に立毛乾燥を行う場合には、イ
ネの状態をよく観察し脱粒による収量の損失を大きくしないようにする。
「モミロマン」の場合には、出穂から登熟まで 55 日かかり、通常の食用の稲品種(比
較の「日本晴」)より 14 日間長いので、灌漑用水をその分長く確保し、早刈りしないで十
分に登熟させてから収穫する必要がある。
⑤九州地域向け品種:「まきみずほ」「モグモグあおば」「ミズホチカラ」「ミナミユタカ」
「ルリアオバ」「タチアオバ」
「ミナミユタカ」「ルリアオバ」「タチアオバ」は稲発酵粗飼料専用品種である。「ミナ
ミユタカ」は宮崎県での栽培面積が大きく、今後熊本県でも栽培面積を増やす予定であり、
九州での栽培面積が大幅に伸びることが予想される。
「 ルリアオバ」は九州の早植で栽培し、
1 回目の刈取を出穂期前後に行い、2 回目の刈取を再生稲が黄熟期に達したころに行う 2
回刈り専用品種である。「タチアオバ」は九州の早植栽培で、TDN 収量 1.27t/10a と多収で
ある。アメリカの品種由来の太根性を有しており、長稈でも倒れにくい。
「ミズホチカラ」は飼料用米専用品種、「まきみずほ」「モグモグあおば」は稲発酵粗飼
料・飼料用米兼用品種であり、粗玄米収量はいずれも 700kg/10a 程度の値を示す。また、
稲発酵粗飼料用としても、「まきみずほ」「モグモグあおば」はともに 1.1t/10a 程度の高い
TDN 収量を示す。
「まきみずほ」「モグモグあおば」「ミズホチカラ」は大粒品種であり、箱あたりの播種
量を増やすことにより十分な数の発芽苗数を確保する必要がある。
-22-
「 ミ ズ ホ チ カ ラ 」 「ル リ ア オ バ 」は 除 草 剤 成 分 ベ ン ゾ ビ シ ク ロ ン に 対 し て 感 受 性 で 、 白
化・枯死を伴う薬害の発生が確認されたことから、作付する場合には、当該成分を含有す
る除草剤を使用しないよう注意が必要である。また、
「ミズホチカラ」は登熟日数が長いの
で、早刈りしないで十分に登熟してから収穫する。
4.飼料用イネ品種の今後の育種方向
飼料用米品種は、穂の数が多くすることではなく穂そのものが大きくすることにより多
収を達成する穂重型の品種が多く、その重い穂を支える強い稈を有する特徴がある。この
穂重型品種の育成は、今後も有効であると考えられ、北海道の初期生育を確保しにくいよ
うな場所を除き、より穂が重く大きく、それを支える強い稈を持たせる育種が有効である
と考えられる。これまでに利用されていない広い遺伝資源を用いて交配し関連遺伝子を集
積することにより、既存品種の稈の強度を大きく超える大幅な稈の強化を図る必要がある。
また、飼料用米品種は、穂の収量だけでなく全重も必然的に大きくなるので、稲発酵粗
飼料用としても利用可能である。しかし、これまで育成されてきた品種の TDN 収量を見
ると、稲発酵飼料専用品種で穂が小さい長稈品種の方が TDN 収量の高い傾向にあると考
えられる。稲発酵粗飼料の専用品種については、さらに長稈化し茎葉の多収化を目指すの
が有望である。その場合に、低リグニン性を組合せることで、消化性の改良も図ることが
有効である。
飼料用イネ品種は、低コストでの栽培が前提となるので、直播適性の他、いもち病圃場
抵抗性、縞葉枯病、トビイロウンカ等の病害虫抵抗性の高度化が必要である。また、北海
道や東北地域では耐冷性の強化が重要である。
立毛乾燥をし易くするために脱粒性を“難”にすることも重用である。また、粒形や粒大、
玄米品質などにより、食用イネとの識別性を明確にすることも求められる。
5.参考資料
1) 飼料用米の生産・給与技術マニュアル〈2013 年版〉
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/ricm2013.pdf
2) 稲発酵粗飼料生産・給与技術マニュアル
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_siryo/ine_manual/index.html
3) 米とワラの多収を目指して 2013
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/kometowara2013.pdf
-23-
-24-
飼料用米の低コスト・多収栽培技術
(独)農研機構 中央農業総合研究センター
吉永悟志
1.飼料用米向け多収品種の特徴
これまでの飼料用米生産では,主食用米への混入に対する懸念や種子の確保の問題から,
主食用米を飼料用米として作付けしている事例が依然として多い.しかしながら,一定の
収量を達成して生産物当たりの生産費を低減させるためには,多収品種の利用が不可欠と
なる.飼料用米の多収達成のために多くの品種が育成されてきており,専用品種として北
海道から九州までを網羅する 20 品種が選定されている.これらの品種の多くは,外国品
種などの多様な遺伝資源を活用して育成されていることから,主食用米品種の特性と大き
く異なる部分がある.このため,安定多収の達成のためには,品種特性に対応した栽培条
件を適用することが重要となる.
1)形態的な特徴
多収品種は,穂重型の草型により茎が太く,耐倒伏性が強化されているものが多く,全
般に多肥栽培でも顕著な倒伏を生じ難い.このため,主食用品種と比較すると穂数が少な
いという特徴がある.また,主食用品種に対して籾数の増加あるいは玄米の大型化といっ
た形質によりシンク容量(籾数×精玄米一粒重)の増大を達成している.図 1 のように,同
一条件で栽培した主食用品種の‘日本晴’のシンク容量が約 800g/㎡ を超える程度であるの
に対し,多収品種のシンク容量は 1100~1200kg/10a 前後と 30%程度高くなる.図中のモ
ミロマン,タカナリ,北陸 193 号(図2)では 1 穂籾数の増加にともなう籾数の増加によ
りシンク容量が増加し,べこあおばやホシアオバなどでは,千粒重が顕著に大きく,30g
を超えることでシンク容量が増加している.このように,多収品種では,1 穂籾数の増加
による籾数の増加,粒重の増大による千粒重の増大が多収の主要因となっている.
シンク容量(kg/10a)
1200
1000
800
600
400
200
0
日本晴
べこあおば
ホシアオバ
モミロマン
ミズホチカラ
タカナリ
北陸193号
図1 シンク容量の品種間差
シンク容量=(10a 当たり籾数)×(精玄米一粒重).多肥条件(18kg 窒素/10a)での値.
作物研究所 2010 年データ.
-25-
2)インド型多収品種
上述のように,多様な品種が交配され
て品種が育成されているため,専用品種
のなかにはインド型品種の特性を示すも
のがある.品種としては,タカナリ,北陸
193 号,もちだわら等がこれに該当する
が,これらの品種は全体の 70%以上のゲ
ノムをインド型品種から引き継いでおり
(Yamamoto 2010),高い光合成能や登熟
能を有するため,全般に多収を達成しや
図2 多収品種の穂の形態
左:日本晴,右:北陸 193 号(インド型多収品種)
すい.しかしながら,同様にインド型品
種特有の特徴である,①種子休眠性,②
脱粒性,③ウンカへの感受性を示すこと
から,これらの品種を利用する場合には,種子休眠の確認と必要に応じて乾熱処理などの
休眠覚醒処理を行うこと,脱粒による減収を避けるために成熟期以降は適正な時期に収穫
作業を行うこと,ウンカの常襲地帯では,基幹的な防除を行うとともに早期確認と早期防
除を徹底すること,等に留意する必要がある.
3)多収品種の窒素利用効率
図3には,同一熟期の主食用米品種と飼料用米向けの多収品種の施肥試験の結果を用い
て窒素施用量,窒素吸収量と玄米収量との関係を示している.いずれの品種も窒素施用や
吸収量に応じて収量が高まるが,多収品種は主食用品種と比較して,窒素施用量や吸収量
に対する玄米収量が相対的に高くなっている.このように,多収品種は施肥窒素当たりや
吸収窒素当たりの生産効率が高く,同様の施肥条件でも多収が得られやすいという特性を
有する.このため,多収品種を利用することで,施肥コストを下げられる可能性がある
が,同条件で多収になることは,土壌中からの養分収奪も増加することにつながる.水稲
での吸収窒素は,多肥条件であっても土壌からの吸収が主体である(樋口・吉野 1986)
ため,多収の達成には地力の維持・向上が重要で,特に,多収品種を連作する場合には,
堆肥の活用等による地力維持や土壌診断をもとにした肥培管理を行う必要がある.
-26-
1000
粗玄米重(kg/10a)
粗玄米重(kg/10a)
1000
800
600
主食用品種
多収品種A
400
800
600
主食用品種
多収品種A
400
多収品種B
多収品種B
200
200
0
5
10
15
20
5
窒素施肥量 (gkg/10a)
図3
10
15
20
25
成熟期窒素吸収量 (kg/10a)
窒素吸収量と籾数および玄米収量との関係における品種間差異の事例.
中央農業総合研究センター北陸研究センターまとめ.
2.安定多収栽培技術
1)肥培管理
堆肥
わら 穂
穂
堆肥 化成肥料
化肥 わら
堆肥
堆肥
化成肥料
わら 穂穂
化肥
わら
多収品種は乾物生産が旺
盛で,子実重のみならず,わ
窒素
窒素
ら重も普通品種と比較して
窒素
大きくなる.これにともな
リン酸
リン酸
い,土壌からの養分吸収量
リン酸
も増大する.このときの粗
カリウム
カリウム
玄米重と地上部乾物重は,
カリウム
主 食 用 品 種 で は 500 ~
35
35 45
45
35 25
25 15
15 55 55 15
15 25
25 35
施肥量 ←
→ 吸収量
(kg/10a)
35
25
25 15 5
5 15 25
施肥量 ←
→ 吸収量
(kg/10a)
600kg/10a お よ び 1300 ~
1600kg/10a,多収品種では
700~900kg/10a の収量で,
北陸 193 号 900kg/10a
ミズホチカラ 800kg/10a
牛糞堆肥 2t/10a 施用
鶏ふんペレット 0.4t/10a 施用
2200kg/10a が想定される.
(中央農業総合研究センター)
(鹿児島県農業開発総合センター)
窒素,リン酸およびカリの
図4 有機物利用による養分収支の事例(○は収支点).
地 上 部 重 は
1800 ~
吸収量は,収量および地上
部乾物重の増加にともなっ
て高くなり,子実やわらの収穫にともなってこれらの多量な養分が圃場から収奪されるこ
とになる.飼料用米生産では,耕畜連携での稲わら利用など,稲わらを搬出利用する場合
が多く,利用形態に対応した肥培管理を行うことが重要となる.飼料用米品種生産による
土壌養分の収奪を耕畜連携で得られる堆肥で補うことが重要となるが,その際には,①畜
種やロットにより堆肥の成分組成や濃度,肥効が異なること,②品種や生産物の利用形態
と利用堆肥に応じた養分収支の解析(図4),③養分バランスをもとにした施肥設計,等が
重要となる.例えば,成分により,穂と茎葉への分配率が大きく異なり,リンは穂の分配
-27-
率が高く,カリウムは茎葉への分配率が高いなど,生産物の利用形態により,収奪される
成分量も大きく異なる.また,収支についても,図4のようにリン酸が過剰になりやすい
ため,利用する化成肥料の成分バランスや堆肥利用量の加減など,土壌診断に基づいた対
応を行うことが重要となる.
2)病害虫防除
水稲の主要病害であるいもち病については,多くの多収品種は真性抵抗性を有するとさ
れている.このため,栽培開始当初は罹病が確認されない場合でも,いもち病菌のレース
の変化によって抵抗性が大きく変化する可能性があるので留意が必要である.常発地では、
主食用米と同様に基幹防除を徹底する必要がある.また,稲こうじ病は出穂期の遅い条件
で発病しやすいため,特に晩生品種を用いる場合には注意を要する.
害虫対策については,前述のようにインド型品種では,ウンカに対する抵抗性が低いた
め注意が必要である.また,ニカメイチュウやコブノメイガは,葉色の濃い圃場に集まり
やすいため,飼料用米生産で多肥条件になる場合に被害が増加する可能性がある.いずれ
の場合でも,極端な多肥を避けることが重要である.また,病害虫防除にあたっては,登
録のある農薬を用いて農薬使用基準を遵守するとともに,籾米の給与もしくは籾殻を含め
て家畜に給与する場合には,出穂期以降の農薬散布は行わないこととする.
成熟期
1200
出穂後30日
穂重(kg/10a)
出穂後20日
1000
出穂後10日
800
600
400
200
0
主食用品種
図5
多収品種A
多収品種B
登熟期の時期別穂重増加の品種間差.
供試3品種の出穂期の差は 2 日以内.
作物研究所 2010 年データ.
3)水管理
飼料用米生産での水管理は,出穂期までは主食用米生産と変える必要は無いが,多収品
種を栽培する場合には,登熟期間に品種間差があることを考慮する必要がある.図5に示
したように,主食用品種では穂重の増加は出穂後約 30 日までで鈍化するのに対し,多収
品種では,出穂後 30 日以降も穂重の増加が認められる.これは,多収品種での籾数増加に
よるもので,多収のポテンシャル発揮のためには,登熟後期まで乾物生産を維持するため
の管理が必要になることを示唆している.このため,落水により土壌乾燥が顕著になると
-28-
乾物生産への影響が懸念されるため,多収品種の多収達成のためには登熟後期の落水時期
を遅くして,登熟後期まで乾物生産を維持する必要がある.現場での用水確保については,
コシヒカリ等の食用品種に対応している場合が多いため,飼料用米の登熟期間と用水の利
用可能期間を考慮して品種選定を行う必要がある.
4)漏生イネ対策
漏生 イネ は 、収 穫時 に 圃場 に
100
発芽能力低下・
死滅種子
割合 (%)
80
60
脱落した種 子が翌年の 水稲作付
け時に発芽 して当該年 の水稲に
混ざって生 育するもの で、飼料
休眠覚醒種子
40
イネを作付 けした翌年 に主食用
20
品種を作付 けした場合 に異品種
休眠種子
として混入 して品質等 級を落と
0
0
5000
10000
15000
-1
シアナミド総処理量 (mg L d)
す要因となる。このため、漏生イ
ネ対策の検 討が進めら れ,防除
体系が確立されてきている.ま
図 6 石 灰 窒 素 に含 まれるシアナミドの処 理 量 が種 子
の生理状態に及ぼす影響 (大平ら 2014 より)
ず,品種に関しては,越冬後の発
シアナミド総 処 理 量:石 灰 窒 素に水 を加 えて攪拌することで得ら
れた溶液 (CS) 中のシアナミド濃度と 15℃条件で種子に CS 処
理 した日 数 を乗 じた値 。多 収 品 種 「タカナリ」を用 いた試 験 に基
づく。
芽力には品種間差があり,漏生
イネの抑制には休眠の浅い品種
を選定することが重要となる.
収穫後の管理に関しては、温暖
地では越冬前の発芽可能な時期に土壌中に混和することや圃場の湛水処理が有効であるこ
とや、寒冷地では不耕起条件で越冬させると、鳥などの摂食により漏生イネの越冬率が低
下すること、などが示されている(大平・佐々木 2008)。また,水稲収穫後の石灰窒素散
布は,肥料に含まれるシアナミドにより,圃場に残留した種子の休眠覚醒や発芽能力の消
失に効果があり(図6),越冬率の低下に有効であることが明らかになっている(大平ら
2014).越冬後の主食用水稲の作付けにおける除草剤利用では,①代かき前の非選択性除
草剤散布、②プレチラクロールやブタクロールを含む初期除草剤散布の代かき後や移植後
の散布、などが有効である(大平ら 2013)。なお、漏生イネは直播栽培で特に残草が懸念
されるため、漏生イネ対策が必要な場合には移植栽培を行うこととする。
3.低コスト栽培技術
1)直播および疎植栽培
直播栽培では,品種特性として耐倒伏性と出芽・苗立ち性が重要となる.このうち,耐
倒伏性については,飼料用米向け多収品種の多くは耐倒伏性が高いため直播栽培で苗立ち
密度や播種様式が変化した条件でも倒伏を生じにくいと考えられる.一方,苗立ち性に関
しては,多収品種の中でも品種間差が大きく,日本型の多収品種では,大粒品種のべこあ
おばの出芽性の変動が大きいこと,インド型品種では土壌の還元条件に対する耐性が低い
-29-
こと,などが明らかとなっており,このような品種特性や早晩性を考慮して品種を選定す
る必要がある.
面積当たり箱苗数が少なくてすむ疎植栽培は省力・低コスト面での効果が大きく,主食
用のイネでは温暖な地域を中心に着実に普及しつつある.飼料用の多収品種は穂数が少な
く 1 穂籾数の多い穂重型の品種が多く,分げつ発生が少ないことを考慮すると,生育期間
が短い極早生~早生品種ならびに分げつ期の気温の低い北陸北部以北では,極端な疎植条
件は避ける必要があると考えられる.
2)施肥コスト
前述のように,多収品種では施肥窒素当たりの玄米収量が高いため,施肥コストの低減
が可能となる.多肥条件での玄米生産効率をもとにコスト試算を行った事例(吉永 2013)
では,主食用品種の日本晴では,施肥窒素 1g-N m -2 の増施により玄米約 13g m -2 ,多収品
種の北陸 193 号では,同 20g m -2 の増収が見込まれる.窒素肥料のコストとして,緩効性
窒素肥料では窒素成分 1 g 当たり約 0.6 円,硫安では窒素成分 1 g 当たり約 0.3 円とした
とき,玄米 1 kg 当たりの窒素肥料コストは,日本晴では,緩効性窒素肥料で 46 円,硫安
で 23 円となるのに対し,北陸 193 号では,緩効性窒素肥料で 30 円,硫安で 15 円となる.
このことから,多収品種では生産物当たりの肥料コストが軽減され,生産物当たりの生産
費の低下が可能となる.
一方,堆肥の利用に関しては,耕畜連携の中での家畜糞堆肥の供給体制や運搬や散布の
コストにより,生産コストへの影響が異なるものの,前述のように土壌養分の還元による
地力維持や養分の地域循環の観点から堆肥利用を進めて,化成肥料の利用と組み合わせた
体系の確立が望まれる.
3)立毛乾燥
飼料用米生産で収穫物の保存性を高
めるためには主食用米品種同様に子実
籾水分(%)
30
の含水率を 15%程度まで低下させる必
要がある。乾燥費は生産費のなかでも
20
大きな割合を占めるため、生産物価格
の低い飼料用米生産での乾燥コストの
y = -0.0189x + 46.1
r = -0.74, p<0.001
(x<1400)
10
低減が重要となる。これに対応して、収
穫時期を遅らせて成熟期以降も圃場内
0
800
1000
1200
1400
1600
出穂後積算気温(℃)
1800
での子実乾燥を進める「立毛乾燥」につ
いて検討が行われている。主食用品種
の成熟期の目安は出穂後の積算気温で
図7
立毛乾燥における出穂後積算気温と籾水
1000~1100℃程度であるが,多収品種
分の関係( 山形県農林総合研究センター).
では籾数が多いことで登熟期間が長く
回帰直線は 1400℃・日未満の範囲を回帰.倒伏し
なり,積算気温としては,約 1200℃の
た試験区の測定値は含めず.n=471.
確保が必要となる.立毛乾燥では,収
-30-
穫時期を成熟期からさらに 1~2 週間遅らせて出穂後の積算気温で 1400~1500℃にする
ことで、成熟期に 21~26%となる籾水分を 16~18%程度にまで低下させることができる
(図7)。このような籾水分の低下は、図7のように出穂後の気温に依存するが、降雨によ
り籾が濡れると一時的に含水率が増加することや降雨が続くとカビの発生の危険性が増す。
このため、成熟期以降の天候悪化が懸念される日本海側などの地域では、出穂期の早い品
種を利用するなど、早めに収穫を行う必要がある。なお、成熟期以降に脱粒や穂の折損が
増加して収穫ロスを生じる場合があるために、立毛乾燥のためには、穂軸が強固で脱粒し
難い品種を利用する。
4)低コスト栽培の体系化
飼料用米生産における低コスト化栽培の体系化事例について,表1に現地試験での調査
結果事例を示した.表中の 3 事例において,多収品種を利用して,直播栽培や乳苗疎植栽
培の条件で,700~800kg/10a の多収を達成しつつ, 10a 当たりで 80,000 円以下の生産
費を達成している.生産費の低減要因としては,大豆後の復元田に作付けすることで乾土
効果を高めて肥料費の節減につなげることや,耕畜連携におけるわらの副産物としての利
用や堆肥の活用,前述の立毛乾燥による乾燥費の節減,直播や疎植による労働時間の短縮
などがあげられる.このような,多収の達成と生産費の節減により,生産物当たりの従量
生産費は 100 円/kg 程度まで下げられている.飼料用米生産における交付金については,
2014 年から「数量払い」や「専用品種加算」などが盛り込まれ,多収品種を用いた多収の
達成を支援する態勢が整ってきており,これに低コスト栽培を組み合わせて収益性を向上
することが望まれる.
表1 現地試験における生産コスト解析事例.
項目
事例A
事例B
事例C
栽培法
湛水直播
湛水直播
乳苗疎植
品種
ふくひびき ふくひびき 北陸193号
粗玄米収量(kg/10a)
736
767
793
生産費(円/10a)
78,220
75,787
78,183
従量生産費(円/kg)
107
99
100
中央農業総合研究センター北陸研究センターまとめ.収量は全刈収量(水分15%換
算)にて表示.3~4年間の平均値.労働単価は1377円/時間,生産費は副産物価
額差し引き後の値.
-31-
-32-
飼料用米の流通・加工技術
(独)農研機構 畜産草地研究所
浦川修司
はじめに
国産の飼料穀類として位置づけられた飼料用米の作付面積は平成 18 年度(104ha)から、わず
か数年間で約 300 倍以上に拡大した。飼料用米の作付面積の急速な拡大の背景には、行政の手
厚い支援策の裏付けによるところは大きいが、その他にも、飼料用米は WCS 用イネとは異なり、栽
培管理から収穫調製までの全ての過程において、耕種農家が保有する作業機械や施設をそのま
ま活用でき、耕種農家が取組み易いこと、全国生産者団体による集荷・流通体制があることも、作
付面積の急激な拡大要因である。その一方、平成 25 年度は収益性が相対的に高い政府備蓄米
や加工用米の栽培が奨励されたこともあって、前年までの飼料用米がこれらに転換され、WCS 用イ
ネは平成 25 年度の作付面積が対前年比で約 103%(26,660ha)に拡大したものの、飼料用米の作
付面積は約 63%(21,802ha)に減少した(ただし、平成 26 年度の作付面積は平成 24 年度と同程
度にまで回復した(計画段階で 33,724ha))。
以上のように、飼料用米は、米政策等によって影響を受けやすいものの、食用米価格の下落が
続く中、飼料用米の推進は、耕種農家にとっても、畜産農家にとっても、経営の安定化を図る上で、
非常に重要な課題である。また、飼料用米については、本年度から交付金の支払い方式に数量払
い(最高 10.5 万円)が導入され、単収向上に向けた取組により、生産拡大が期待されている。
そこで、本稿では平成 22 年度から始まった農林水産省委託プロジェクト研究「低コスト・省力化、
軽 労化 技 術 等の開 発(国 産飼 料 分 科 会)」で得られた成 果 や現地 調 査 等の結 果を中 心に、配 合
飼料工場における加工方法以外の破砕技術やサイレージ調製技術を紹介する。
1.飼料用米 の流通形態
30
飼 料 用 米 の流 通 形 態 は、全 国 流 通 と地 域 内 流
地域内流通
地域の畜 産 農家の飼 養 頭羽数や地 域内に一 定 の
取 引 ができる畜 産 農 家 の存 在 の有 無 等 によっても
異なる(関東農政局管内における平成 25 年度産の
飼料 用米の流通 形態の割合は、全国流 通が約
35%、地域内流通が約 65%)。A県の流通形態別
作付 面積の推移をみると、地域 内流 通は微増では
あるものの、年々、増 加 傾 向 にあるが、全 国 流 通は
年度間の変動が大きい(図 1)。このことは、全国流
通 体 制 は、政 策 等 に影 響 されやすいが、一 方 で、
地 域 内 では耕 種 農 家 と畜 産 農 家 の連 携 が確 実 に
-33-
H20年度を基準とした面積(ha)
通に大 別できる。全 国流 通と地 域 内 流 通の割 合 は、
全国流通
25
20
15
10
5
0
H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
図 1 A 県の飼料用米の流通形態別作付
面積の推移
定着し、拡大しつつあると考えられる。
飼 料 用 米 の全 国 流 通 と地 域 内 流 通 を
含めて、その利用形態と利用畜種を整理
すると図 1 のようになる(図中の配合飼料
飼料用米
玄米ベース
18(万t)
(生)籾米
乾燥(乾燥機)
自然乾燥
(例外)
工場への流れが全国流通)。飼料用米は
WCS 用イネとは異なり、利用畜種や利用
乾籾
調製(籾摺機)
破砕処理
(破砕機)
籾米サイレージ
玄米
(貯蔵)形態は多種多様であるが、牛への
破砕処理(破砕機)
配合飼料工場: 9+38
利用は、まだまだ少なく、今後、合理的な
自家配合
利用形態と、その流通体制の整備が必要
である。
破砕処理(破砕機)
加水処理
牛・豚
県別作付面積では、東北地域から北
MA米: 36
備蓄米: 2
採卵鶏:16 ・ ブロイラー:16
自家配合 :計9
肉牛:2 ・ 乳牛:3 ・ 豚:10
図 2 飼料用米の利用形態と利用畜種
注)図中の数値は数量(万t):農水省資料より
恒川(2014)
関東地域が多く、一方、配合飼料工場
は太平洋側の湾岸地帯に立地している
ことから、全国流通においては、水田地帯と配合飼料工場を結ぶための流通経費が必要にな
る。そのため、地域や県域内で耕種農家と畜産農家(特に大家畜)のマッチングを図るこ
とができれば、流通経費が削減でき、地域内流通の推進が飼料用米の低コスト化につなが
ると考えられる。
2.地域内流通を前提とした飼料用米の加工技術
地域内流通における飼料用米の調製方法には、乾燥調製と生籾をそのままサイレージ調製する
方法がある(以下、飼料用米のサイレージを SGS(ソフトグレインサイレージ)とする)。乾燥調製する
場合、乾燥経費に加えて、屋内で保管するための倉庫等の確保や保管料が必要になる。また、数
量払いによる助成については、農産物検査機関による数量確認を受けることが条件であり、そのた
めの検査費も必要である。一方、サイレージ調製では、乾燥経費の節減とともに、屋外保管ができ
ることから、倉庫保管料等の節減にもつながる。ただし、生籾での取引は、数量払い制度の対象外
となるが、昨年度と同様の定額 8 万円/10a の助成となり、検査費用もかからない。以上のことから、
安定して良質な SGS が調製でき、流通体制が整えば、乾燥調製して保管・流通する形態よりも、収
穫から利用に至る費用を抑えることができる。
3.飼料用米の SGS 調製技術
(1)SGS 調製のポイント
成熟期に収穫した籾米(生籾米:含水率 25%
程 度 )をサイレージ調 製 するためには、サイレー
ジ発 酵 に適 する水 分 域 まで加 水 する必 要 がある
(図 3)。籾米に加水する場合、収穫されたままの
状 態 (以 下 、未 破 砕 籾 米 )では吸 水 されにくく、
加水した水がサイロの底部に貯まり、不良発酵の
要 因 となる。籾 米 を均 一 に吸 水 させるためには、
-34-
図 3 飼料用米(成熟期)の加水の有無と
発酵品質の関係 (井上ら 2012)
8.0
破 砕 した 後 (以 下 、 破 砕 籾 米 )
破砕をしない場合
8.0
無添加
7.0
pH値
に加水する必要がある。
乳酸菌添加
無添加
7.0
6.0
6.0
な発酵の目安は pH で 4.1 以下
5.0
5.0
である。パウチサイロを用 いて、
4.0
サイレージ発酵における良質
破砕をした場合
未 破 砕 籾 米 に加 水 した場 合 、
pHの目標値
3.0
10.0% 20.0% 27.5% 35.0% 42.5% 50.0%
加水によって水分含量は高くな
4.0
pHの目標値
3.0
10.0% 20.0% 27.5% 35.0% 42.5% 50.0%
水分含量
る が 、 乳 酸 菌 を 添 加 し て も pH
乳酸菌添加
水分含量
図 4 籾米の破砕の有無と乳酸菌添加効果(pH)
は 4.1 以下まで低下しない。一
井上ら(2013)
方、破砕籾米においては、未
破砕籾米と同様に、加水によ
3.0
分 含 量 が 27.5%以 上 では、
乳酸含量(% FM)
を添 加 することによって、水
破砕をした場合
3.0
乳酸菌添加
って水 分 含 量 が高 くなると、
pH も低下し、さらに、乳酸菌
破砕をしない場合
2.0
無添加
乳酸菌添加
1.0
2.0
1.0
無添加
pH は目標値である 4.1 まで
低 下する(図 4)。また、良 質
発 酵 サイレージの乳 酸 含 量
の目安は 1.5~2.5%である。
0.0
0.0
10.0% 20.0% 27.5% 35.0% 42.5% 50.0%
水分含量
10.0% 20.0% 27.5% 35.0% 42.5% 50.0%
水分含量
図 5 籾米の破砕の有無と乳酸菌添加効果(乳酸含量)
pH と同様に、未破砕籾米で
井上ら(2013)
は加水によって水分含量を高くするほど乳酸含量も高くなるものの、乳酸菌の添加効果は低いが、
破砕籾米では無添加に比べて、乳酸菌の添加効果は顕著である(図 5)。以上のことから、成熟期
に収穫した飼料用米を SGS に調製するためのポイントは、破砕処理後に加水して、籾の水分含量
を 30%程度まで上げ、乳酸菌を添加することである。
(2)飼料用米の破砕技術
前述のように、飼料用米の SGS を調製するためには、破砕処理が必要である。本稿では、籾米
を破砕する機械のうち、比較的安価で取回しが容易な破砕機を「可搬型破砕機」とする。また、米
麦共同乾燥施設(ライスセンター、カントリーエレベータ)等に籾殻破砕処理用に導入されている装
置は、地域の飼料用米を集荷して処理することができることから、このような施設に設置されている
装置を「施設型破砕機」とする。
1)可搬型破砕機
「可搬型破砕機」として実用化されている主な機種の一つは、V溝型ツインローラによるせん断力
で飼料用米を破砕する構造の破砕機である。本機はローラーの間隙を調整することで破砕粒度を
替えることができる(以下、ツインローラ式破砕機)。その他、インペラ式籾摺り機をベースとした 2 機
種の破砕機が市販化されている。一つはインペラ式籾摺り機の羽根車と壁面等を改良した 2 連の
破砕部を有した破砕機である(以下、インペラ式破砕機)。もう一つは、インペラ式籾摺り機の脱皮
-35-
部と破砕部 を連結した構造で、籾米を投入すると籾摺りをして、玄米が破砕された状態になる(脱
皮破砕機と呼ばれている)。
これらの破砕機の処理能率は、投入する籾米の水分含量や破砕粒度の調整等によって異なる
が、畜産草地研究所での試験や現地での聞取り調査等では、1.0t~2.0t/h 程度であり、乾燥籾や
玄 米(脱 皮 破 砕 機に玄 米を投 入する必要はない)の他に、成 熟 期に収 穫した比 較 的 水 分含 量 が
高い生籾も破砕できることから、ツインローラ式破砕機とインペラ式破砕機は、SGS 調製のための破
砕機として利用できる。
2)施設型破砕機
「施設型破砕機」として位置付けられている主な装置には、籾殻膨軟処理装置(プレスパンダ)と
籾殻膨潤処理装置(ダブルプレス)があり、全国で約 700 ヶ所の米麦共同乾燥施設等に導入され
ている。プレスパンダは、1 軸のウオームスクリュー刃とテーパをつけたケース内から籾殻が押出され
る時に強い圧力がかかり、籾殻の組織を破壊する構造である。一方、ダブルプレスは 2 軸のウオー
ムスクリュー刃とケースの間を籾殻が通過する時に圧力がかり、籾殻の組織を破壊する構造である。
プレスパンダは、そのまま飼料用米の破砕にも利用でき、飼料用米を破砕処理する場合の処理能
力は、1.5~2.0t/h 程度である。一方、ダブルプレスについては、本プロジェクト研究において、最
大処理能力で 2.5t/h程度まで籾米を破砕処理できるようになったが、スクリュー刃とケースの間隙
の微妙な設定の違いによって、破砕粒度や処理能力が異なることがあるため、破砕精度の安定性
を図りながら、2.5t/h 以上の処理能力が得られるように、さらに検討する必要がある。なお、両装置
とも乾燥籾米や玄米を破砕することはできないことから、飼料用米の破砕機として利用する場合に
は、SGS 調製専用機械となる。また、収穫した籾米の水分含量が約 25%以下まで低下した材料を
破砕する場合には、処理部に一時加水を行う必要がある。
「施設型破砕機」と前述の「可搬型破砕機」を用いた籾米の破砕状態の大きな違いは、「可搬型
破砕機」では籾殻は外れるだけで、ほとんど破砕されないが、「施設型破砕機」は籾米の玄米部分
を破砕するだけでなく、籾殻がパウダー状になることである。
4.SGS 調製作業体系
畜産草地試験場では、「施設型破砕機(ダブルプレス)」を基軸機として、当所の施設に図 6 に
示したような装置(バケットエレベータ、ベルトコンベア、加水装置、フレコンバッグ支持枠等)を組合
せて、飼料用米の SGS 調製試験を行った。
先ず、搬入された籾米は、バケットエレベータに一時貯留 し、順次、破砕機へ投入する。破砕機
本体で破砕された籾米は、ベルトコンベアによって内袋を入れたフレコンバッグ(以下、フレコンサイ
ロ)の上部まで搬送される。フレコンサイロに破砕籾米を投入する時に、乳酸菌を溶かした水を用い
て、破砕籾米の含水率が 30%になるように均一に加水して乳酸菌を添加する。加水された破砕籾
米が一定量に達したら、フレコンバッグ支持枠とともに、新しいフレコンサイロと交換する。最後に、
加水された破砕籾米が入ったフレコンサイロを乾湿両用吸引機で内袋から空気を吸引し、内袋上
部を縛って一連の作業が終了する。なお、本試験においては、効率的に内袋を結束するために、
空気圧式クリッパーを利用した。
-36-
フレコン
バッグ
原料生籾
バケット
エレベータ
破砕籾
自動振分け装置
破砕機
本体
破砕部
自動加水・添加装置
(籾水分:約30%)
ベルト
コンバア
移動式
フレコン支持枠
内袋
水+乳酸菌
タンク
処理部
加水用
フレコン
バッグ
図 6 「施設型破砕機(ダブルプレス)」を用いた飼料用米の SGS 調製のための作業フロー
注)畜産草地研究所で行った各装置の配置事例(2014)
平成 26 年度の試験では、図 6 に示した各機械等を設置して、破砕機の処理量を 2500kg/h、フ
レコンサイロの詰込み量を 300kg 程度として、人員配置や作業体系の検討を行った。先ず、一連の
作業の流れの中に、バケットエレベータへの原料 籾の投入とフレコンサイロの入替え作業を含め、
吸引・脱気と密封作業をフレコンサイロが一定数量できあがった後に集中的に行う体系では、2 人
体制でも破砕機を止めることなく、SGS を調製することができた。また、作業人員を 1 名増やした場
合(3 人体制)、吸引・脱気と密封作業までの一連の作業を連続して行うことができた。なお、本試
験においては、破砕籾への均一な加水および乳酸菌の添加とフレコンサイロに均一に破砕籾を投
入するために、自動加水・添加装置(水中ポンプ、添加ノズル(6 個))、流量調整装置(電圧スライ
ダー))と試作中の破砕籾自動振分け装置をベルトコンベア先端に取付けて実施した。
本試験では、「施設型破砕機」を用いて、最大処理量を前提として試験を行ったが、その他、現
地実演会等においては、基軸となる破砕機に、「可搬型破砕機(インペラ式破砕機、ツインローラ式
破砕機)」を活用しても、SGS 調製作業が行えることが実証できた。
5.SGS 調製の留意点
これまでの試験結果や現地実演会等から、飼料用米の SGS 調製にあたり、その留意点を以下の
ように取りまとめた。
1)搬入された生籾米は破砕機のホッパへ直接、投入することもできるが、バケットエレベータやスク
リューオーガを用いることにより、連続処理を行うことができる。
2)収穫した飼料用米は、その当日に処理することを基本とし、地域内で計画的な作付けを行うよう
に事前に十分に調整しておく。ただし、翌日に処理を持ち越さなければならない場合は、籾米の
品質劣化を防ぐために、原料となる生籾米を雨水で濡らさないようにするだけでなく、フレコンバ
ッグ内で蒸れ米にならないように通気等に留意する。
3)破 砕した後の籾 米は、破 砕 機 の排 出 口 から直 接 、フレコンサイロへ投 入することもできるが、排
出口からコンベアを用いて破砕籾米をフレコンサイロに投入することにより、破砕機を高い位置に
設置せずに、しかも、均 一に加 水・乳酸 菌を添 加できる。当 然、破 砕 機 の処理 能力 よりもコンベ
-37-
アの搬送能力が高くないと、破砕籾が停滞する。特にスクリューコンベアでは、搬送部の詰りの原
因になる。なお、破砕籾米の水分が高い条件では、スクリューコンベアよりベルトコンベアを用い
る方が望ましい。
4)吸引・脱気する場合、籾米の先端は硬くて尖っているため、未破砕籾米が多いと、脱気した後に
未破砕籾米の先端が内袋にピンホールを開けることがあるため、未破砕籾米が残らないように破
砕程度を調整する。
5)内袋を結 束する場合 、密封程 度 が不十分な場合、結 束 箇所から空 気が侵入して、カビ発生 の
原因になる。内袋の結束作業には、空気圧式クリッパーを利用すると、効率的に内袋を閉じるこ
とができる。また、籾米の先端による内袋のピンホール防止のために、厚い内袋を用いると、内袋
の結 束 が不 十 分 になり易 い。ピンホール防 止 と内 袋 の結 束 作 業 を考 慮 すると、内 袋 の厚 みは
0.08mm 程度が望ましい。
おわりに
飼料用米の生産拡大を推進するにあたり、地域内流通にける大家畜への供給体制を構築する
ことは、コスト低減の面からも重要な課題である。そのための調製技術の一つが SGS 調製であり、
「施設型破砕機(プレスパンダ)」を用いて、SGS 調製と販売を先駆的に行っている組織もある。特
に、本年度になってから、全国的に SGS 調製に注目が集まりつつある中、飼料用米を SGS として生
産・販売していくためには、個別技術の確立だけでなく、地域内の計画的な作付体制の策定を行う
とともに、誰が、どこで、どのような体制で SGS 調製を行い、販売していくかを地域全体で検討するこ
とが重要である。例えば、畜産農家や耕種農家が組織化して行う体制や第三者機関が行う体制が
考えられるが、その他に、イネ WCS の生産組織の中でも、特に、栽培管理から収穫調製まで、一貫
して作 業を行っている土地 利 用 型 農業 生 産 法 人や集 落 営 農組 織は、作付や収 穫 作業の計 画 が
策定しやすいことから、イネ WCS の生産・販売に加えて、SGS の生産・販売を新たな事業として展
開することに期待したい。
<参考資料>
農研機構(2012)飼料用米の生産・給与技術マニュアル<2012 年度版>.
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/project/jiky-pro/jikyu-d/manual.htm.
山形県農業総合研究センター畜産試験場,独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構,
2012. 既存の穀物用施設を活用した籾米サイレージ調製技術マニュアル第 1 版.
井上秀彦・上垣隆一・遠野雅徳・小林寿美・松尾守展・伊吹俊彦(2012)完熟期収穫の飼料用米
の調製処理がサイレージ発酵特性におよぼす影響.日本草地学会誌,58(3),153-165.
Inoue et al.(2013)Effects of moisture control, addition of glucose, inoculation of lactic acid
bacteria and crushing process on the fermentation quality of rice grain silage. Grassland
Science 59, 63-72
恒川磯雄(2014)飼料用米の流通・利用の実態とコスト低減の可能性.平成 26 年度農業経営学会
研究大会(個別報告),
-38-
乳牛への飼料用米給与技術
(独)農研機構 畜産草地研究所
永西
修
1.はじめに
乳 牛 の 育 種 改 良 や 飼 養 技 術 の 進 展 に よ り 平 成 24 年 度 の 経 産 牛 1 頭 当 た り の 乳 量 は
8,000kg を越えた。生乳生産量の伸びとともに、乳牛への濃厚飼料給与量も増大しており、
乳量増加に伴う栄養要求量を支える一方で、ルーメンアシドーシスなどの代謝障害が問題
となっている。一方、家畜飼料となるトウモロコシのバイオエタノールへの転換、異常気
象による飼料生産の不安定化、新興国の穀物需要の増大など、世界的な飼料の需給バラン
スが崩れ、配合飼料価格の高騰・高止まりが生じている。短期間での飼料の需給バランス
の改善は難しいため、基幹となる飼料自給率向上に向けた取り組みが必要となっている。
そこで、農林水産省プロジェクト研究「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化
技術の開発」では、飼料用米に着目し乳牛への効率的給与技術の開発に取り組んできた。
この中で、生産現場で利用可能な多くの研究成果を得て、飼料用米の生産・給与技術マニ
ュアルで公表してきた。本稿では、これらの研究成果の中から飼料用米の乳牛への給与に
関する知見を紹介する。
2.乳牛における飼料用米の栄養特性
1)トウモロコシの代替となるデンプン質飼料
飼料用米の収穫は食用米と同様に完熟期まで生育させてから収穫する。飼料成分は籾米、
玄米の順に、乾物中の粗タンパク質(CP)含量が 7.5%、8.8%、可溶無窒素物(NFE)が
73.7%、85.6%、粗灰分(CA)が 6.3%、1.6%(日本標準飼料成分表 2009 年版)で、NFE
のほとんどがデンプンで、トウモロコシに近い値を示す。
2)飼料用米の乳牛での給与では加工処理が必要
籾米は外層をケイ酸やリグニンを多く含む籾殻で、玄米は表面を果皮で覆われているた
め、そのまま籾米や玄米を乳牛に給与しても第一胃内微生物による分解を受けにくいため
利用性は低い。そのため、飼料用米の加工形態と乳牛での利用性に関する研究が行われて
いる。浅井らは(2011)は飼料用籾米および玄米を飼料用米破砕装置で処理し、粒度を 2mm
以下にすることで乳牛での利用性が大幅に向上することを示している。また、飼料用籾米
を破砕(2mm)、破砕(1mm)、圧ペン処理、飼料用玄米を破砕(2mm)、破砕(1mm)、
圧ペン処理を行い、これらの加工処理で TDN 含量は未処理に比べて籾米で 16~20 ポイ
ント、玄米で 22~26 ポイント大幅に高まることが明らかにされている(山本、関ら:2010)。
そのため、乳牛に飼料用米を効率的に給与するためには、加工処理が不可欠であり、破
砕粒度としては 2mm 以下となるような処理が有効である。
-39-
3.泌乳牛への飼料用米給与のポイント
乳牛が必要とする栄養要求量は品種、月齢、体重、乳量、乳成分、増体日量で異なるほ
か、環境要因として気温や湿度にも影響を受ける。乳牛の飼料設計に関しては、わが国で
は日本飼養標準・乳牛(2006 年版)や日本標準飼料成分表(2009)が刊行され、わが国の
飼養条件、気象条件に基づく乳牛への飼料給与指標ならびに飼料資源に関するデータが示
されている。また、コーネル大学が提案している CNCPS6.1(Cornell Net Carbohydrate
and Protein System:コーネル正味炭水化物タンパク質システム)があり、これに準拠した
飼 料 設 計 ソ フ ト と し て AMTS(Agricultural Modeling and Training System) や
NDS(Nutrition Dynamic System)が開発されている。
乳牛の飼養管理の基本は第一胃内微生物タンパク質合成量の最大化、第一胃内性状の維
持、家畜排せつ物による環境負荷量の低減などであり、乳牛の栄養要求量を充足させると
ともに、第一胃内微生物の合成量を高め、第一胃内性状に配慮した飼料設計が必要になる。
ここでは、日本飼養標準・乳牛 2006 年版(以下飼養標準)の基づき飼料用米の給与に
ついて説明する。
1)飼料設計で必要な項目
飼養標準に記載されている主な栄養要求量は、エネルギー(TDN、代謝エネルギー:ME)、
CP、ビタミン A、E、リン、カルシウムである。また、給与指標として有効分解性タンパ
ク質、繊維(中性デタージェント繊維:aNDFom)がある。前述したように、飼料用米の
主成分はデンプンで、加工処理により TDN 含量が異なるため、TDN を正確に把握するこ
とが飼料用米を用いた飼料を効率的に給与する上で重要である。
2)飼料用米を飼料中にどれだけ混合できるか
―飼料中に 25%までの混合が適切―
穀類を乳牛に給与する場合、その最大給与量の把握は乳生産性や乳牛の健康にとって重
要である。すなわち、穀類の主成分であるデンプンは第一胃内微生物により速やかに分解
し、揮発性脂肪酸(VFA)を生成する。しかし、過剰な穀類の給与は多量の VFA を生成し、
第一胃内容液 pH の低下で繊維分解菌が死滅し繊維消化率が低下するほか、乳酸の蓄積が
進むことでさらに pH が低下し、アシドーシスの発症やグラム陰性菌の死滅によるエンド
トキシンの産生などが生じる。そのため、トウモロコシの代替として飼料用米を乳牛に効
率的に給与するためには、給与上限の把握が重要である。
宮地ら(2014)は圧ぺん処理したトウモロコシおよび飼料用玄米を泌乳最盛期の乳牛用
飼料に 30 あるいは 40%混合し、乳生産量への影響を調べている。その結果、飼料用米を
飼料中に4割混合した場合、トウモロコシよりも乳生産量が減少することを認め、デンプ
ン多給による繊維の消化性の低下(でんぷん減退)が生じているための推察している。ま
た、関らは粗飼料源としてチモシー乾草やイネ WCS を用い、トウモロコシの代替として
破砕処理した飼料用玄米を乾物比で 25%混合した発酵 TMR を泌乳前期の乳牛に給与し、
乳生産量に違いがなったことを報告している。さらに、粗飼料源としてイネ WCS やイタ
リアンライグラスサイレージを用い、トウモロコシ、大麦の代替として破砕あるいは蒸気
圧ぺん処理した飼料用玄米を泌乳中後期の乳牛用飼料に混合し、乳生産量に違いがなかっ
-40-
たことを報告している。
以上の報告から泌乳期間での乳牛用飼料での飼料用玄米の混合比率は 25%までとする
ことが乳生産性や牛の健康の面から妥当であると考えられる。なお、乳牛用飼料の配合飼
料割合を 60%とした場合、配合飼料中のトウモロコシは一般的に約 42%混合されている
ことから(月報、畜産の情報)、飼料中のトウモロコシの割合は 24%であり、本試験の 25%
の結果からトウモロコシの全量代替が可能であることになる。
なお、飼料用米などの穀類は第一胃内での分解性が高いため、第一胃内 pH が大きく低
下する恐れがある。飼料の繊維は乳牛の採食時や反すう時での咀しゃくを促す作用があり、
その際に分泌される唾液の重炭酸塩が第一胃内 pH の低下を抑制するための緩衝能を有す
る。そのため、飼料用玄米を含め、穀類を給与する時は飼料の繊維含量に留意する必要が
ある。
3)飼料用米を使う時のタンパク質給与の考え方
―第一胃内微生物合成量の最大化を-
第一胃内微生物はタンパク質が第一胃内で分解し生成したアンモニアなどを材料に 、
炭水化物の分解で生じたエネルギーとして揮発性脂肪酸(VFA)を使って増殖を行う。微
生物タンパク質はアミノ酸バランスに優れた良質なタンパク質であるため、その合成量を
高めるためのタンパク質給与が求められる。分解性タンパク質および炭水化物からのエネ
ルギーの給与量が微生物タンパク質合成に影響するため、飼料の分解性タンパク質量を調
整する必要がある。なお、飼料タンパク質の第一胃内分解率は飼料摂取量(通過速度)に
より変化するため、飼料摂取量を考慮した分解性タンパク質を有効分解性タンパク質と呼
ぶ。
表1は穀類の加工処理別の第一胃内分解パラメータを示したものである。飼料用米の有
効分解率は加工処理の有無や処理法で、第一胃内微生物の増殖に必要なアンモニアやエネ
ルギーの供給量が大きく異なる。また、飼料用米の主成分はデンプンであることから、第
一胃内微生物へのエネルギー供給量がアンモニアに比べかなり多いことになる。泌乳牛用
飼料の有効分解性タンパク質の適正含量は日本飼養標準・乳牛 2006 年版の p80 に記載さ
れている。飼養標準ではエネルギー供給量は飼料の TDN 含量を指標にしている。例えば
乳量 30kg/日の場合、給与飼料の CP 要求量は乾物中 14.3%であり、TDN 含量が 75%の
飼料を用いた場合での有効分解性タンパク質の適正含量は 9.8%である。そのため、給与
タンパク質の約 70%(9.8%÷14.3%)が第一胃内で分解するように、飼料用米などの飼料
原料を組み合わせて飼料を設計すれば良い。
図 1 に乳牛への飼料用米給与のポイントを示した。飼料用米は加工法により栄養価や第
一胃内での分解性が大きく異なるため、これらの特性を把握することは効率的な給与を行
う上での基本になる。また、乳牛の成育あるいは生産ステージに応じた栄養要求量に基づ
く飼料設計を行う際に、有効分解性タンパク質含量ならびに繊維含量を適正にすることで、
生産効率の向上や第一胃の恒常性の維持が期待できる。
-41-
表1
各種穀類の第一胃内分解パラメータ
乳量 30kg の場合
乾物
a1)
%
b
%
kd
%時間
ED
%
a
%
粗タンパク質
b
kd
%
%時間
ED
%
a
%
デンプン
b
kd
%
%時間
ED
%
飼料用米A2)
(籾米:無加工)
0
6
3
1
0
1
0
0
0
3
0
0
(籾米:5mm破砕)
5
76
8
48
12
83
7
59
10
90
8
64
(籾米:2mm破砕)
21
62
15
65
33
62
12
75
28
73
15
80
(籾米:蒸気圧ぺん)
44
37
11
68
31
60
8
67
64
35
11
88
飼料用米B2)
(籾米:無加工)
0
8
1
1
0
2
0
0
0
3
0
0
(籾米:発芽処理)
0
60
1
9
12
38
2
23
6
79
1
16
(籾米:2mm破砕)
19
66
10
61
34
62
9
72
26
74
11
76
(玄米:無加工)
0
94
1
10
5
95
1
19
8
92
1
20
32
66
19
84
22
76
15
79
26
72
21
84
飼料用米C(玄米:2mm破砕) 3)
31
65
5
62
21
74
5
58
29
66
8
69
トウモロコシ(蒸気圧ぺん) 3)
35
55
25
81
21
75
13
74
32
66
44
91
大麦(蒸気圧ぺん) 3)
26
63
5
58
11
68
5
46
19
71
5
55
ソルガム(2mm破砕)3)
1) aは第一胃内可溶性画分含有率、bは〃分解可能な不溶性画分含有率、kdはb画分の第一胃内分解速度、EDは第一胃内有効分解率.
2) 飼料用米Aは三重県産の品種「ホシアオバ」を、飼料用米Bは岐阜県産の品種「ホシアオバ」を使用(宮地ら2010).
3) 飼料用米Cは7品種の平均値(永西ら2000).トウモロコシ、大麦、ソルガムは永西ら(2000)より抜粋.
飼料用米の生産・給与技術マニュアル 2013 より引用
図1
4.育成牛への飼料用米の給与
乳牛への飼料用米給与のポイント
―成育時期に応じた飼料用米の給与が重要―
1)哺育期(生後 13 週齢まで)
哺育期とは分娩後から離乳までで、液状飼料を給与する時期である。この時期は第一胃
の発達が不十分のため、第一胃が発達を促すような飼養管理が重要である。飼料用米を配
-42-
合した人工乳の急激な増給は避ける必要がある。哺乳期間については様々な方法があり、
2週間程度の早期離乳から、半年程度かけて離乳する方法がある。ここでは、13 週齢での
離乳について述べる。哺育・育成牛への飼料用米給与を検討した研究グループ(千葉県畜
産総合センター、茨城県畜産センター、神奈川県畜産技術センター、富山県農林技術セン
ター畜産研究所、石川県農林総合研究センター畜産試験場)は、飼料原料として圧ぺんト
ウモロコシの代替に、粉砕籾米あるいは圧ぺん籾米を乾物比で 40%混合した人工乳を調整
した。離乳までは増体日量 400g に必要な代用乳を給与し、生後4日目から人工乳を 100g
給与し、その後は細断チモシーとともに自給採食させた。以下は留意点である。
(1)離乳前は粉砕籾米よりも嗜好性が良い蒸気圧ぺん籾米の給与が望ましい。
(2)哺育期は第一胃の発達が不十分なので(特に生後 3 週まで)飼料用米を配合した人
工乳の給与量の急増は避け、糞の状態を日々観察して消化不良等に注意しながら一
度に 100g 程度の増給にとどめる。
(3)離乳後は急激に乾物摂取量が高まるため、第一胃アシドーシスや消化不良を起こさ
ないように人工乳を数回に分けて給与し、同時に良質乾草を十分量給与する。
(4)籾米には籾殻が 20%程度含まれているため、玄米やトウモロコシに比べ TDN は
やや低い。
(5)粉砕籾米および蒸気圧ぺん籾米は市販品で、人工乳に配合したペレットは人工乳用
ペレットを飼料メーカーから購入した。人工乳は一般的に流通している製品と同等
の粗タンパク質含量になるように大豆粕を用いて調整した。
2)離乳期~育成初期(8~21 週齢)
圧ぺんトウモロコシの代替として、粉砕玄米および圧ぺん玄米を子牛に給与した結果、
同等の発育をし、消化不良などの影響はなかった。なお、粉砕玄米では微粉砕部分に食べ
残しが見られること、変敗し易いことが留意事項である。
3)育成前期(約 29 週齢~38 週齢)
育成前期では体重 200kg 程度(約 7 か月齢)の子牛に、圧ぺんトウモロコシの代替とし
て全粒玄米および粉砕玄米を給与し、蒸気圧ぺんトウモロコシと比較検討した。その結果、
乾物摂取量に有意な差はなかったが、増体日増はトウモロコシ区 0.86 ㎏、全粒玄米区 0.61
㎏、粉砕玄米区 0.84 ㎏となり全粒玄米区が大幅に低下した。留意点としては、全粒玄米区
の糞中に未消化の玄米が多く観察され、デンプン消化率も 50%程度と極めて低いことか
ら、育成牛においても飼料用米給与では加工処理が必要である。なお、育成牛の過肥は初
産時での乳量を低下させることが懸念されるため、増体日量が1kg/日を越えないよう濃厚
飼料の給与量に留意する必要がある。
5.参考文献
浅井英樹ら(2011)飼料用玄米の加工粒度違いが乾乳牛の消化性に及ぼす影響.日草誌 57
(別):77.
宮地慎ら(2010) 品種および加工法の異なる飼料米の第一胃内分解特性 日本草地学会誌
-43-
56(1):13-19.
Miyaji M ら(2014)Effect of substituting brown rice for corn on lactation and digestion
in dairy cows fed diets with a high proportion of grain. J. Dairy Sci. 97:952-960.
National Research Council (2001) Nutrient Requirements of Dairy Cattle, 7 th ed.
National Academy Press. Washington DC.
農業・食品産業技術総合研究機構(2007)日本飼養標準・乳牛.中央畜産会.東京.
農業・食品産業技術総合研究機構(2009)日本標準飼料成分表.中央畜産会.東京.
農畜産業振興機構(2013)月報、畜産の情報(国内)
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2013/jul/jyu-koku-jp.htm
関誠ら(2011)トウモロコシと大麦を飼料用玄米に代替した発酵 TMR の給与が泌乳前期
牛の乳生産に及ぼす影響.日草誌 57(別):78.
山本泰也ら(2011)トウモロコシと大麦を飼料用籾米に代替した発酵 TMR の給与が泌乳
前期牛の乳生産に及ぼす影響.日草誌 57(別):78.
山本宏ら(2014)飼料用籾米の形状の違いが乳用牛哺育期の発育および飼料摂取量に及
ぼす影響.第 118 回日本畜産学会講演要旨 p120.
-44-
肥育牛への飼料用米給与技術
(独)農研機構 畜産草地研究所
樋口幹人
はじめに
農林水産省委託プロジェクト研究「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化技
術の開発(国産飼料プロ:平成 22~24 年度)」およびそれを引き継いだ「国産農産物の革
新的低コスト実現プロジェクト(低コストプロ:平成 25~26 年度)」の 3 系-2「飼料用
米等水田作を活用した肉用牛の飼養管理技術の開発と肉質解明(水田肉牛チーム)」におい
て、飼料用米の肉牛への給与技術開発研究が行われた。
このプロジェクトに先行して実施された農林水産省委託プロジェクト研究「粗飼料多給
による日本型家畜飼養技術の開発プロジェクト(えさプロ:平成 18~21 年度)」」では、
当時おおよその目安とされていた、「飼料用米による濃厚飼料の代替率 25~30%」が合理
的であるかを中心に研究が進められた。
「 えさプロ」により得られた主な成果を以下に示す。
なお、肥育試験成績はいずれも黒毛和種去勢牛を用いて得られたものである。
牛に給与する場合は、籾米・玄米とも粉砕、破砕あるいは蒸気圧ぺん等の加工処理が必須
である(畜草研)

籾米サイレージを調製する際は破砕処理、水分調整、乳酸菌添加が有効である(畜草
研)

肥育用配合飼料原物当たり 25%を粉砕玄米で代替しても慣行肥育と同等の成績が得ら
れる(山形県)

圧ぺん籾米で肥育後期の 6 ヶ月間に配合飼料の原物当たり 24%(TDN 換算 25%)を
代替しても、慣行肥育と同等の成績が得られる(福島県)

濃厚飼料に原物当たり 24%含まれている圧ぺん大麦を全量圧ぺん籾米で代替しても、
慣行肥育と同等の成績が得られる(福島県)

配合飼料原物の 30%を粉砕籾米で代替し、肥育後期 6 ヶ月間給与しても慣行区と同等
の成績が得られる(宮崎県)
これらの結果により、肥育用配合飼料の原物当たり(乾物当たりでも同様、但しサイレ
ージを除く)25~30%を加工処理済み飼料用米(玄米あるいは籾米)で単純に代替しても、
代替しない場合とほぼ同等の肥育成績が得られることが確かめられた。
「えさプロ」の成果を受けて「国産飼料プロ」では、以下の研究目標が掲げられた。
1.
肥育牛向け濃厚飼料中の飼料用米代替率を、トウモロコシの完全代替を超える 40%以
上にまで高める。
2.
地域の食品副産物と飼料用米を組み合わせた TMR 給与技術を開発する。
3.
稲 WCS と麦 WCS の組合せ、またはトウモロコシサイレージと飼料用米の組合せによ
る肥育技術を開発する。
4.
飼料稲中の機能性成分が肉用牛・牛肉に及ぼす影響を解明する。
-45-
本稿では研究目標の 1.および 2.を中心に、「国産飼料プロ」および「低コストプロ」に
よる飼料用米多給肥育に関係する成果を紹介する。最初に籾米給与による成果、次に玄米
給与による成果を取り上げる。なお、特にことわりがない限り、肥育試験成績は黒毛和種
去勢牛を用いて得られたものである。
圧ぺん籾米給与(福島県)
市販配合飼料の TDN 換算で 40%(乾物当たり 39.5%)を圧ぺん籾米で代替し、肥育後
期(20~28 ヶ月齢)に給与する試験を実施したが、圧ぺん籾米混合飼料で恒常的に残食が
見られたため、23 ヶ月齢から代替率を 35%に低減した。また肥育中・後期(15~28 ヶ月
齢)に配合飼料の TDN 換算 40%を圧ぺん籾米で代替した試験では、17 ヶ月齢ごろから籾
米給与区に残食が見られ、23 ヶ月齢以降慣行肥育区よりも飼料摂取量が少なく推移した。
但しこれには東日本大震災により配合飼料入手が困難になり、給与量を制限せざるを得な
かったことも影響している。これら 2 つの試験ではいずれも枝肉成績は慣行区と同等であ
った。
続いて、肥育全期間(13~28 ヶ月齢)、市販配合飼料の TDN 換算 40%または 45%を圧
ぺん籾米で代替する試験を実施したが、40%代替区では 15 ヶ月齢から、45%代替区では
17 ヶ月齢から籾米を食べ残す傾向が見られ、特に 45%区では恒常的に籾米の食べ残しが
見られた。配合飼料を単純に圧ぺん籾米で代替する場合、代替率 40%以上は高すぎること
が示唆された。
さらに離乳直後から出荷まで(3~28 ヶ月齢)、市販配合飼料の 25 ないし 35%を圧ぺん
籾米で代替する試験を実施した。この場合育成期の粗タンパク質が不足するため、育成期
には大豆粕を補助給与した。最終的な増体は慣行区>25%区>35%区の順に大きかったが、
枝肉成績には 3 区間で差は見られず、圧ぺん籾米による 35%代替で十分肥育可能なことが
明らかにされた。
圧ぺん籾米給与(宮城県)
福島県より 4 ヶ月早い 24 ヶ月齢で出荷を行う早期肥育において、配合飼料原物当たり
40%を圧ぺん籾米および大豆粕で補う試験を実施した。圧ぺん籾米と大豆粕との比率は肥
育時期により異なるが、仮に 10kg の配合飼料原物のうち 0.7kg を大豆粕で、3.3kg を圧
ぺん籾米で各々代替した場合、大豆粕も濃厚飼料源と見なせば、圧ぺん籾米による代替率
は 33%となる。24 ヶ月齢時点での増体量は圧ぺん籾米給与区と対照区との間に差は見ら
れず、枝肉成績も同等であった。
また、黒毛和種雌牛および去勢牛を用い、出荷前 5 ヶ月間、配合飼料の 20%(雌)ない
し 40%(去勢)を圧ぺん籾米で代替する現地実証試験を実施した。籾米区では枝肉重量が
対照区よりも小さい傾向であったが、枝肉形質は籾米区で良好な成績であった。
福島県・宮城県の成績からは、配合飼料を単純に圧ぺん籾米で置き換える場合、その上
限は原物当たり 35%程度であることが伺われる。
-46-
粉砕籾米給与(岐阜県)
飼料用米による市販配合飼料の代替ではなく、粉砕籾米(4mm メッシュ)を原物当たり
30%または 50%(TDN 換算で各々26.8%および 46.2%)含む自家配合を設計した。両区と
も試験期間中ルーメンアシドーシス傾向は認められなかったが、両区とも度々食欲不振が
見られた。また、試験期間中尿の pH が低く推移したことから、代謝性アシドーシスを呈
していた可能性が伺われた。枝肉成績は両区とも慣行肥育と同等、脂肪酸組成については
両区間で差は認められなかった。尿の pH については、飼料用米に組み合わされる配合飼
料原料の陽イオン陰イオン電位差(DCAD)値が影響していることが伺われた。さらに試
験牛のヘマトクリット(Ht)値が慣行肥育牛より低く推移し、飼料用米多給で鉄分が不足
し、鉄欠乏性貧血が生じた可能性が考えられた。
続いて、自家配合飼料中の粉砕籾米比率を常に 50%とする区、20 ヶ月齢を境に前半 50%、
後半 60%とする区、ならびに前半 60%、後半 50%とする区の 3 区を設けて肥育試験を実
施した。3 区とも慣行肥育とほぼ同等の増体および枝肉成績を示したが、肥育期間中血中
ビタミン A 濃度の急落がみられ、ビタミン A 欠乏に注意が必要であることが伺われた。一
方、この試験では尿の pH は高値であり、なかには尿石症を発症した個体もあった。配合
飼料の DCAD 値と尿の pH に有意な正の相関があり、配合飼料の DCAD 値が尿の pH に
大きく影響していることが伺われた。本試験でも Ht 値の低下が見られたが、鉄分不足以
外の要因についても検討が必要である。
籾米サイレージ(SGS)給与(秋田県)
籾米 SGS、あるいは籾殻処理用プレスパンダを活用した膨軟籾米 SGS の育成牛および
肥育牛への給与試験が行われた。6 ヶ月齢の黒毛和種去勢育成牛に配合飼料原物当たり
40%を籾米 SGS、あるいは膨軟籾米 SGS で代替して 120 日間給与したところ、籾米 SGS
区、膨軟籾米 SGS 区のいずれの発育も対照区と差が認められず、下痢の発生もなかった。
また、9 ヶ月齢前後の黒毛和種×ホルスタイン種の交雑種雌牛を用い、肥育全期間(540
日)、配合飼料原物当たり 40%あるいは 50%を籾米 SGS で代替して肥育試験を行った。肥
育前期は特に問題がなかった一方、140 日以降 40%区、50%区とも食欲不振を示す個体が
度々認められ、特に 50%区で顕著であった。枝肉重量も 50%給与区が小さくなった。岐阜
県と同様、籾米給与牛では第 1 胃内 pH は正常値であるものの、尿 pH が低下しており、
代謝性アシドーシスを生じている可能性が示唆された。
更に、育成期に SGS 給与試験で用いた黒毛和種去勢牛を引き続き供試し、配合飼料原物
の 40%を籾米 SGS あるいは膨軟籾米 SGS で代替して肥育試験(10~28 ヶ月齢)を行っ
た。その結果、膨軟籾米 SGS 給与区は、籾米 SGS 給与区および対照区と比較して増体が
大きく、ばらが厚く皮下脂肪が薄い傾向にあった。現在は肥育ステージにより籾米 SGS あ
るいは膨軟籾米 SGS による配合飼料代替率を変化させながら肥育試験を実施中である。
なお、一連の試験では「配合飼料原物当たり 40%代替」が行われており、籾米 SGS の
水分約 27%、膨軟籾米 SGS の水分を約 41%、ならびに配合飼料の水分を約 14%と仮定す
ると、乾物当たり代替率は籾米 SGS で 36%程度、膨軟籾米 SGS では 31%程度であるこ
とに留意が必要である。
-47-
圧ぺん玄米給与(福島県)
福島県では圧ぺん籾米に続き圧ぺん玄米の給与試験も実施した。肥育全期間(12~28 ヶ
月齢)、市販配合飼料の TDN 換算で 30%(乾物換算 32%)または 40%(同 41%)を圧ぺ
ん玄米で代替して肥育試験を実施した。その結果、玄米 40%区では 18 ヶ月齢以降飼料摂
取量が低下し、発育が低い傾向にあった。枝肉形質には両区間で差は見られず、筋間脂肪
の脂肪酸組成にも差は認められなかった。
次に、離乳時から出荷まで(3~28 ヶ月齢)、配合飼料の 30%または 40%を圧ぺん玄米
で代替して肥育試験を実施した。玄米給与区で 17 ヶ月齢以降残食がみられ、特に 40%代
替区では残食の多くが圧ぺん玄米であった。最終的な増体や枝肉重量も 40%代替区は慣行
区および 30%代替区より小さくなった。
これらの結果から、市販配合飼料を単純に圧ぺん玄米で置き換える場合、その上限は乾
物当たり 30%程度(原物当たりでも同様)であることが示唆される。
破砕玄米給与(北海道)
トウモロコシサイレージ(以下「CS」)と破砕玄米を組み合わせた肥育試験を実施して
いる。肥育試験に先立ち、CS 飽食時に自家配合濃厚飼料原物当たり玄米割合を 0、20、40
および 60%に設定して消化試験を実施した。その結果、玄米 60%区では乾物摂取量、デン
プン消化率が低下し、また第一胃内容液のプロピオン酸モル比も玄米配合率が高まるのに
伴い低下した。このことから、CS 飽食時における濃厚飼料中の玄米配合率は 40%が上限
であることが示唆され、肥育試験も玄米配合率 40%の飼料で実施された。CS 飽食+玄米
40%濃厚飼料区、CS 飽食+慣行濃厚飼料区および慣行肥育区の 3 区にわけて試験(10~
28 ヶ月齢)を行った。3 区間で増体量に差は見られず、大部分の枝肉形質も差は見られな
かった。CS 飽食により脂肪の黄色化が懸念されたが、牛肉脂肪色評点(BFS)はすべて 3 で
あり脂肪の黄色化は見られなかった。
また、CS と破砕玄米を混合した TMR を給与する肥育試験を計画し、まず最適な CS や
玄米等の混合比を検討するため消化試験が実施された。その結果、CS:濃厚飼料比が 6:
4 の場合、破砕玄米の最適比率は原物あたり 30%であることが明らかになったため、乾物
当たり CS60%、破砕玄米 30%の TMR を給与する肥育試験を実施している。
破砕玄米給与(富山県)
破砕玄米の他、稲わらや米ぬかを活用した肥育試験を実施した。肥育後期(20~26 ヶ月
齢)に乾物当たり 50%(TDN 換算 48%)の破砕玄米や生米ぬか等を混合した自家配合濃
厚飼料に加え、粗飼料として生稲わらサイレージあるいは乾燥稲わらを給与した。その結
果、玄米給与区とトウモロコシ主体の濃厚飼料を給与した対照区との間に増体や枝肉成績
では差は見られず、濃厚飼料乾物中に破砕玄米が 50%含まれていても肥育可能であること
が明らかになった、但し、玄米給与牛はと畜時の肝臓廃棄率や胃炎発生率が高く、玄米多
給により肥育牛に負荷がかかったことが伺われた。
また、乾物当たり破砕玄米 50%、生稲わらを 10%あるいは 20%混合した発酵 TMR を調
製し、肥育後期(20~26 ヶ月齢)に給与した。その結果、10%区と 20%区との間には乾物
-48-
摂取量および枝肉成績に差は見られなかったが、増体は 10%区が上回った。
なお富山県では、破砕玄米 50%混合飼料を給与した肥育牛を用い、無線伝送式 pH メー
タにより出荷 21 日前から経時的に第一胃内 pH を計測した。その結果、潜在的第一胃アシ
ドーシス(SARA)状態の基準となる、pH5.6 以下が 1 日当たり 180 分以上という第一胃内
pH を示す個体が見られず、飼料用米多給で懸念されている SARA 発生リスクは低いこと
が示唆された。但しこれは適切に飼料設計を行った場合であり、市販配合飼料の 50%を単
純に飼料用米で置き換えた場合ではこの限りではないことに注意が必要である。
破砕玄米給与(九州沖縄農研センター)
破砕玄米や九州地域の未利用資源である焼酎粕濃縮液、乾燥豆腐粕などを混合した発酵
TMR を用いた一連の現地実証試験を行った。使用した発酵 TMR は乾物当たり破砕玄米
23%、カンショ焼酎粕濃縮液 25%、豆腐粕 11%、稲わら 14%、等を混合している。この
TMR で慣行肥育用配合飼料の約 6 割を代替して肥育中・後期(概ね 17~29 ヶ月齢)に給
与した。TMR 給与区と対照区との間に飼料摂取量や増体、枝肉成績では差が認められない
一方、TMR 給与区では最長筋中の α-トコフェロール含量が有意に多くなった。
続いて、国産 100%の肥育牛用飼料を給与する試験を実施した。乾物当たり破砕玄米 40%、
コメ焼酎粕濃縮液 8.5%、豆腐粕 5%、稲わら 20%等を含む発酵 TMR を調製した。平均年
齢 9 歳の黒毛和種経産牛を用い、7 ヶ月間発酵 TMR 原物 13.5~16.5kg に加え、乾物当た
り玄米 68.5%、ふすま 30%の混合飼料も併給した。発酵 TMR 給与区は配合飼料給与の対
照区よりやや日増体量が小さくなったが、枝肉重量や枝肉形質に両区間で差は認められな
かった。
更に、黒毛和種去勢牛および雌経産牛を用い、肥育中・後期(14~27 ヶ月齢)に乾物当
たり破砕玄米 40~44%、コメ焼酎粕濃縮液 8.5~10%、豆腐粕 5%、さらに稲わらまたは稲
WCS 等を混合した発酵 TMR を飽食給与し、上述の玄米+ふすま混合飼料も併給した。去
勢、雌とも発酵 TMR 給与区は配合飼料を給与した対照区より飼料摂取量が少なく、枝肉
重量も小さくなった。発酵 TMR 給与区でビタミン A 欠乏症状の牛が観察されており、玄
米多給が影響した可能性が伺われた。
総括
「肥育牛向け濃厚飼料中の飼料用米代替率を、トウモロコシの完全代替を超える 40%以
上にまで高める」という国産飼料プロおよび低コストプロの目標1.の「40%」の根拠に
ついては、肥育用配合飼料には概ね 40%のトウモロコシが配合されていることや、飼料用
米による配合飼料の 30%代替が OK ならば、配合飼料中に飼料用米が 40%以上含まれても
肉牛肥育が可能ではないか、という期待から来た数字であると考えられる。
しかし一口に「代替率」と言っても、市販配合飼料全体の一定割合を単に飼料用米で置
き換えるのか、それとも配合飼料中のトウモロコシや大麦を置き換えるのか、籾米で置き
換えるのか、それとも玄米で置き換えるのか、どのような加工処理した飼料用米で置き換
えるのか、代替率は原物あたりか、乾物当たりか、それとも TDN 当たりか等、その意味
する内容が様々であり、種々の研究を比較する際に注意が必要である。
-49-
本プロジェクトによる試験研究から、飼料用米で市販肥育用濃厚飼料の一部を単純に代
替する場合、その上限は乾物あたり籾米で 35%程度、玄米で 30%程度であることが伺われ
る。これは先行した「えさプロ」で見られた知見とも符合する。これを上回る飼料用米を
濃厚飼料に加えようとする場合は、市販飼料の単純代替では炭水化物と粗タンパク質、繊
維との栄養バランスが崩れてしまうため、自家配合濃厚飼料を適切に設計し、粗飼料も必
要量を給与して第一胃内環境を整える必要がある。
本プロジェクトにより、飼料設計を適切に行うことで、配合飼料中乾物あたり玄米で
50%、籾米で 60%含まれていても肥育牛に給与可能であることも明らかになった。この点
では「40%以上にまで高める」という目標は達成されたと言える。しかしながら、濃厚飼
料の飼料用米割合が乾物当たり 40%前後、あるいはそれ以上になると、籾米の場合は籾殻
の増え過ぎによる飼料嗜好性低下、玄米の場合は SARA 発症リスクの上昇、また籾米・玄
米とも給与による肥育牛の血中ビタミン A の急落への対処など、肥育牛の飼養管理には一
層注意を払わなければならない。
飼料用米給与で生産された牛肉の食味については、慣行肥育牛肉と比べ「脂があっさり
している」「しつこくない」「風味が良い」等、概して評価は高い。一方、官能評価に影響
する牛肉脂肪のオレイン酸等の不飽和脂肪酸比率については、
「高まる傾向にある」という
結果と「ほとんど変わらない」という結果が混在している。飼料用米給与と脂肪酸組成の
関係については本プロジェクトの結果からは明確なことは言えず、今後の課題である。言
うまでもないが、食味に影響する要因は脂肪酸組成以外にも数多く存在し、今後「牛肉の
おいしさ」に関する研究が進展し、飼料用米給与牛肉を特徴づける要因についてより客観
的な知見が得られることに期待したい。
-50-
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-56-
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1.6
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15.0
10.0
10.0
32.0
8.0
3.0
10.0
6.0
4.4
1.6
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-64-
55Ჟғ
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8.0
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6.0
4.4
1.6
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2.8b
3.9a
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31.2b
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42.2
42.2
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66.6
65.7
67.9
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34.7
34.7
709.2
24.6
34.8
35.5
4.07
9.10
3.57
4.56
9.3
4.00
8.98
3.47
4.51
11.0
4.10
9.32
3.62
4.66
9.4
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-65-
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6.2
15.2
6.56
5.5
14.3
6.41
7.1
14.2
59.5
22.2
13.3
2.7
58.1
23.9
12.7
2.5
57.2
23.1
13.7
2.5
Ȣȫൔྙ
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A/Pൔ 1)
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1) ᣖᣠᲩȗȭȔǪȳᣠൔ
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50Ჟғ
55Ჟғ
BUN 1)
mg/dl
11.4
14.5
14.7
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mg/dl
63.2
72.2
68.3
ዮdzȬǹȆȭȸȫ
mg/dl
227.0
269.3
269.3
AST 2)
mEq/l
73.5
84.2
81.8
GGT 3)
IU/l
44.3
46.0
53.0
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mg/dl
Ȫȳ
mg/dl
10.3
5.1
10.0
4.7
9.9
5.5
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2) ǢǹȑȩǮȳᣠǢȟȎؕ᠃ᆆᣞእ
3) Ȗ-ǰȫǿȟȳȈȩȳǹȚȗȁȀȸǼ
-66-
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-67-
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4.0
0.6
2.0
1.7
29.0
Ყ
7.0
18.5
14.5
10.8
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3.8
2.2
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1.7
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-68-
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49.4
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47.5
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15.1
13.0 b
15.0
14.2 a
4.6
3.7 B
5.7
5.9 A
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35.7
33.6 A
32.7
27.9 B
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58.3
44.3
57.2
45.0
ቫᏢᏆ
ͤA,B:p<0.01 a,b:p<0.05
᫫૰અӕ᣽ƓǑƼʐဃငሁ
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4%FCM 1)
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ʐᖨႉྙ
ʐኄྙ
MUN 2)
1) 4%ʐᏢᙀദʐ᣽
ͤA,BᲴp<0.01
kg
kg/ଐ
kg/ଐ
kg/ଐ
‫ݣ‬ༀғ
655.3
22.1
25.4(32.2)
26.6
4.31
8.80
3.57
4.22
6.7
%
%
%
%
mg/dl
2) ʐɶ‫ބ‬እᆷእ (
-69-
A
A
B
B
A
A
B
B
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637.5 B
18.2 B
36.3 A
37.2 A
4.16
8.45
2.99
4.47
8.2
)ϋƸ2᪽࠯‫ר‬Ʒʐ᣽
B
B
A
A
ᘉ෩ဃ҄‫ࣱܖ‬ཞ
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BUN 1)
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GOT/AST 2)
mg/dl
mg/dl
mg/dl
‫ݣ‬ༀғ
ᴍᴍᴩᴏᴶWCSғ
7.3 b
10.2 a
67.5 A
61.2 B
163.3
243.3
IU/᳦
62.7
61.4
GGT 3)
IU/᳦
38.4 a
33.1 b
ǫȫǷǦȠ
mg/dl
10.2
10.2
Ȫȳ
mg/dl
5.4
4.6
NEFA 4)
ȝEq/᳦
173.1
152.6
1) ᘉɶ‫ބ‬እᆷእ 2) ǢǹȑȩǮȳᣠǢȟȎؕ᠃ᆆᣞእ
3) ȖᲧǰȫǿȟȳȈȩȳǹȚȗȁǿȸǼ 4) ᢂᩉᏢᏆᣠ
ͤA,BᲴp<0.01 a,bᲴp<0.05
ᇹɟᏎϋܾ෩ࣱཞ
᪮
Ⴘ
‫ݣ‬ༀғ
6.69
pH
ǢȳȢȋǢ७ᆷእ mg/dl
ዮVFAຜࡇ
2.7 B
ᴍᴍᴩᴏᴶWCSғ
6.75
6.9 A
mmol/dl
13.1
14.1
%
61.4
21.2 b
14.2 A
3.0
60.0
24.0 a
11.2 B
2.5
Ȣȫൔྙ
ᣖᣠ
ȗȭȔǪȳᣠ
ᣚᣠ
A/Pൔ 1)
%
%
1) ᣖᣠᲩȗȭȔǪȳᣠൔ
ͤA,BᲴp<0.01 a,bᲴp<0.05
-70-
LJƱNJ
ǪǪȠǮWCSɼ˳ႆᣞTMRƷᧈ஖ዅɨ
ȷʐ᣽Ƹ࠯‫ר‬35kg/ଐᄩ̬ưƖǔ
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ȁȢǷȸʑᒬɼ˳ƷȕȬȃǷȥTMRƱᢐᑥƕƳƍ
ȷᘉ෩ࣱཞŴᇹɟᏎϋܾ෩ࣱཞƸദࠝ͌Ʒር‫׊‬ϋưŴ
ඣʐЭ஖ཅƷͤࡍǁƷࢨ᪪ƸᛐNJǒǕƳƍ
ȁȢǷȸʑᒬƷ100ᲟˊஆƕӧᏡ
ヨ 㦂 䠑
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-71-
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-72-
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-73-
-74-
自給タンパク質飼料国産ダブルローナタネ粕の利用技術
(独)農研機構 北海道農業研究センター
青木康浩
1.はじめに
飼料中タンパク質含量の調整を目的とするいわゆるタンパク質飼料として、これまで大
豆粕が広く用いられてきた。2013 年度におけるその使用量は、配合飼料原料のうち 11.7%
を占め、とうもろこし(43.6%)に次いで多い。しかしながら、大豆粕の価格は近年高騰、
高止まり傾向にある。2014 年 1 月から 8
年度平均の 170%程度で推移しており(図
1)、畜産農家の経営に大きな影響を及ぼし
ている。
大豆粕の価格は、原料となる大豆の価格
70,000
輸入価格(CIF,円/トン)
月には、過去 5 年間で最安であった 2011
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
に左右される。干ばつなど当該年次の天候
年次または年次.月
による収穫量の減少といった短期的な要因
だけでなく、世界的な人口増加による食料
図 1.大豆粕輸入価格の推移
需要の一層の増加、バイオ燃料原料など非
(独)農畜産業振興機構 HP ( http://lin.alic.go.jp/alic/
statis/dome/data2/nstatis.htm#9) より抜粋して作成.
食用としての需要量の増加に加えて、地球
温暖化の進行、水資源の不足などが見込まれることから、大豆・大豆粕の国際価格は中長
期的に高水準で推移すると予測される。
大豆粕価格の高騰が畜産農家の経営に及ぼす影響を緩和するためには、国際情勢に左右
されずに大豆粕に代わるタンパク質飼料の安定供給を図る必要があろう。そのひとつの候
補として、後述するダブルロー品種ナタネを国内で栽培し、種子の搾油後に得られる搾油
粕(以下、ダブルローナタネ粕)の利用が挙げられる。小規模ながら実用的に利用する事
例が現れており、今後の展開に期待が持たれている。
2.ナタネ種子が含む 2 種類の問題成分
ナタネ種子にはもともと 2 種類の抗栄養因子が含まれるため、ナタネ油の食料としての
利用あるいは搾油粕の飼料利用に際しては、それらの含量を低下させる必要があった。こ
れら問題成分について説明する。以下では、松本(1977)、Rymer と Short(2003)、上
田(2004)、川崎(2013)を参照した。
1)エルシン酸
多くのアブラナ科植物の種子には、エルシン酸またはエルカ酸と呼ばれる一価不飽和脂
肪酸が含まれる。ナタネの多くの従来品種もエルシン酸を含む。エルシン酸の給与は、心
臓疾患の原因になることが実験動物で認められている。エルシン酸を含む人工乳を子豚に
-75-
給与すると、血小板数が減ることも知られている。エルシン酸を含むナタネ油の摂取によ
って、動物実験レベルで認められる健康への影響がヒトでも生じることを示す確証こそ提
示されていないが、1980 年に FAO と WHO がエルシン酸摂取量の低減を勧告したことも
あり、欧米諸国ではエルシン酸摂取の制限に取り組んできた。
ナタネの主産地であるカナダでは、早くからエルシン酸含量の少ないナタネ品種の育成
が進められてきた。1960 年代以降、エルシン酸を含まない品種(無エルシン酸品種。シン
グルロー品種とも呼ばれる)が多く育成され、FAO・WHO の勧告以降、世界的に無エル
シン酸品種が主流になった。カナダはその後もナタネの品種改良において世界的に中心的
な存在となっている。
日本においては、農水省東北農業試験場(農研機構東北農業研究センター)が、「アサ
カノナタネ」、「キザキノナタネ」、「ななしきぶ」、「菜々みどり」といった無エルシン酸品
種を育成している。
2)グルコシノレート
グルコシノレートはアブラナ科などの植物に含まれる含硫配糖体で、120 種類以上が同
定されている。その種類や含量は植物の種・品種や部位によって大きく異なる。ナタネ種
子にはプロゴイトリンなど数種類のグルコシノレートが含まれる。グルコシノレートは水
溶性であるため、搾油中にはほとんど含まれず、搾油粕中に残存する。プロゴイトリンが
加水分解されて生じるゴイトリンは、甲状腺におけるヨウ素の取り込みを阻害する。その
結果、甲状腺ホルモンの合成量が減少し、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が促
され、甲状腺肥大を招く。ナタネ種子に含まれるプロゴイトリン以外のグルコシノレート
も、加水分解されると甲状腺肥大の原因になるチオシアネートに変化するものがある。
1960 年代頃、ナタネ粕を大豆粕の代替としてニワトリの雛の飼料に配合したところ、成
長が遅れ甲状腺の著しい肥大がみられたという報告が多く出された。エネルギーやタンパ
ク質含量を大豆粕給与時と同一水準に揃えることで成長の遅れはなくなるが、甲状腺は肥
大することも確かめられている。また、グルコシノレートの摂取は、鶏卵の異臭の原因に
なるとされる。ブタにおいても、ナタネ粕を配合した飼料の給与によって、肉質や脂肪な
どには影響は認められないものの、甲状腺の重量は有意に増加することが知られている。
反芻家畜については、アブラナ科植物の摂取により仔畜において甲状腺肥大が認められて
いるが、ナタネ粕給与による甲状腺異常を明確に示す報告はない。反芻動物におけるナタ
ネ粕由来グルコシノレートの甲状腺に及ぼす影響は、ニワトリやブタにおけるほど著しく
はないようだが、グルコシノレートに由来する甲状腺肥大原因物質が乳牛へ移行する可能
性は否定されていない。また、グルコシノレートは辛味の原因物質の前駆体であり、その
含量が多いと家畜の嗜好性に負の影響を及ぼす可能性が指摘される。
グルコシノレートは、このようにナタネ粕を飼料利用する場合に問題になる。タンパク
質含量が高いことは広く認識されていたにもかかわらず、グルコシノレートを多く含むこ
とが支障となり、ナタネ粕の飼料としての評価は低かった。しかし反対に、飼料としての
利用が拡大すればナタネの消費量が増えると期待された。そこで、ナタネ油を摂取するヒ
-76-
トへの影響が懸念されるエルシン酸だけでなく、グルコシノレート含量の低減化がナタネ
輸出国を中心に育種目標とされてきた。
3.ナタネのダブルロー品種
エルシン酸とグルコシノレート含量の低いナタネの品種を、一般にダブルロー(double
low)品種と呼ぶ。ダブルゼロ(double zero)と呼ばれることもある。また、カノーラ(canola。
キャノーラ、カノラと表記することもある)が国際的に流通する標準的なダブルロー品種
をさすことが多い。カノーラはもともと、FAO・WHO 勧告後にナタネ油が米国市場から
一旦消失した後、カナダ産無エルシン酸品種由来ナタネ油が再び出回ることになったとき
に、健康に悪い油のイメージを払拭するために Canadian oil, low acid から canola と呼称
したことに由来する。現在のカナダにおける定義では、油分の脂肪酸中エルシン酸含量が
2%未満で、風乾した脱脂粕に含まれる特定のグルコシノレート類が 1g 当たり 30μmol
未満のナタネ種子を canola としている。また EU においては、油分の脂肪酸中エルシン酸
含量が 2%以下で、種子(水分含量 9%)に含まれるグルコシノレート類が 1g 当たり 25μ
mol 以下のナタネ品種をダブルゼロと定義している。
世界的にみると、今日までにダブルロー品種が標準的なナタネ品種になっている。日本
においては、国産ナタネ粕が一般に肥料用として利用されてきたこともあり、グルコシノ
レート含量の低減化に向けた育種は行われていなかった(石田ら 2007)。そのため、国産
ナタネ粕を飼料利用する場合には、その量を一定に抑えて海外産ナタネ粕と混合する必要
があった。しかし、国産ナタネの高度利用を図るために、日本においてもダブルロー品種
が育成され始め、農研機構東北農業研究センターで国産初のダブルローナタネ品種「キラ
リボシ」が育成、2004 年に種苗法に基づく品種登録がなされた(石田ら 2007)。南東北地
方の平坦部での栽培に適し、山形県内などで栽培されている(川崎 2013)。
「キラリボシ」はシングルロー既存品種に比べて耐寒雪性に優れる(石田ら 2007)。そ
のため、既存品種では寒地での越冬性が課題であったが、
「キラリボシ」は寒地でも栽培で
きる可能性が示唆される。北海道内でも栽培面積は小規模ながらキラリボシを栽培し、ナ
タネ油を得た後のナタネ粕を肉用牛に給与する事例がある。搾油は、一般的な溶剤抽出に
よるものではなく、機械的な圧搾法を採用している。肉用牛生産者の感想として、ダブル
ローナタネ粕の飼料利用は充分に期待が持て、ナタネ粕の産出量が現状より増えれば増え
た分使用したいとの意向が聞かれる。
大規模製油工場で恒常的にナタネ油を得る原料として用いるには、栽培面積の大幅な増
加が必要となる。そのため当面は、事例にみられるような小規模な搾油工場でスポット的
に産出されるダブルローナタネ粕の利用が現実的とみられる。
4.国産ダブルローナタネ粕の飼料特性
1)ナタネ粕の一般的な特性
ナタネ粕には、大豆粕の 50%程度より少ないものの、通常 40%程度の粗タンパク質(CP)
が含まれる。CP の消化率はウシ、ブタおよびニワトリでそれぞれ 86、79 および 73%で、
-77-
大豆粕に比べて低い(日本標準飼料成分表(2009 年版)からの引用、以下も同じ)。可消
化養分総量(TDN)含量も、ウシで 74.6%と大豆粕の 87.0%に比べて低い。ブタおよびニ
ワトリにおける TDN 含量は、難消化性成分が多いため、それぞれ 68.8%および 47.8%と
低めである。
CP の反芻胃内分解速度は、大豆粕より大きい。CP 中の可溶性蛋白質の割合は、大豆粕
の 16%に対して 26%と高い。不溶性蛋白質の反芻胃内における分解速度も 1 時間当たり
13%と、大豆粕の 9%より大きい。反芻胃内での微生物体蛋白質の合成効率を考慮すると、
大豆粕に比べて、デンプンの分解速度が速いエネルギー飼料との組み合わせに適するとい
える。アミノ酸組成は、油粕類の中では良好とされる。
単味飼料として用いられることはほとんどないが、ナタネ粕の配合飼料原料としての使
用量は全体の 5.0%(2013 年度)を占めており、上述のとうもろこし、大豆粕以外ではマ
イロ(6.3%)に次いで多い。
2)成分(図 2)
青木ら(2014)は、道内で生産・利用されて
いるダブルローナタネ粕(写真)の飼料成分を
調べたところ、次の結果を得た。
乾物中 CP 含量は大豆粕の 3 分の 2 程度で、
一般的なダブルローナタネ粕(カノーラ粕、溶
剤抽出)に対しても 8 割程度に過ぎなかった。
ただし、圧搾による搾油後のカノーラ粕
(Hristov ら 2011)と比べると同程度の水準で
あった。
粗脂肪(EE)含量は、溶剤抽出によるカノー
ラ粕や大豆粕の 2~3%程度に対して、20%と著
写真.国産ダブルローナタネ粕(左)と
大豆粕(右)
色調は、大豆粕の明るい茶褐色に対して、濃
い緑色を呈する.
しく多かった。この点も圧搾に
80
よ る カ ノ ー ラ 粕 ( Hristov ら
油粕類中の脂肪含量に大きく影
響を及ぼすことが知られており、
機械的な圧搾による場合は、有
機溶剤を用いた抽出時に比べて
搾油粕中に残存する脂肪含量が
多くなる(上田 2004)。このよ
うに搾油法の相違が今回の結果
に反映されたといえる。CP 含
量に関する結果も、EE が高い
乾物中含量(%)
2011)と同等である。搾油法は、
60
40
NDF
20
EE
CP
0
国産DLナタネ粕
(圧搾)
カノーラ粕
(圧搾)
カノーラ粕
(溶剤抽出)
大豆粕
(溶剤抽出)
図 2.国産ダブルロー(DL)ナタネ粕の成分含量
青木ら(2014)より作成.カノーラ粕(圧搾)は Hristov ら(2
011)、カノーラ粕(溶剤抽出)および大豆粕(溶剤抽出)は日
本標準飼料成分表から引用.
-78-
ことにともなう CP 含量の相対的な低下によると考えられる。すなわち、
「キラリボシ」に
固有の特徴というより、おもに搾油が圧搾法によるものであったことに起因すると考えら
れる。
繊維成分についてみると、今回供試した国産ダブルローナタネ粕の NDF om 含量は、溶
剤抽出カノーラ粕より少ない。おそらくこれも EE が高いことによる相対的な低下のため
と思われるが、圧搾カノーラ粕に比べても少ないことから、品種による相違が関与した可
能性がある。
3)栄養価(図 3)
ルローナタネ粕の CP 消化率が
カノーラ粕(溶剤抽出)より高
く、大豆粕と同程度であること
を示した。EE の消化率もきわ
めて高く、TDN 含量は大豆粕と
同程度であった。
溶剤抽出による搾油では、抽
100
消化率または乾物中含量(%)
青木ら(2014)は、国産ダブ
80
60
国産DLナタネ粕
(圧搾)
40
カノーラ粕
(溶剤抽出)
20
大豆粕
(溶剤抽出)
0
CP
EE
TDN
出後の溶剤除去のために加熱処
図 3.国産ダブルロー(DL)ナタネ粕の栄養価
理が施される。ナタネ粕中の CP
青木ら(2014)より作成.カノーラ粕(溶剤抽出)および大豆
粕(溶剤抽出)は日本標準飼料成分表から引用.
は加熱により消化率が低下する
ことが知られている。そのため、加熱処理を経ない圧搾による搾油後のナタネ粕において
消化率が高く、TDN 含量も高くなった可能性がある。
4)ルーメン内分解性
青木ら(2014)は、国産ダブルローナタネ粕中 CP は、大豆粕に比べてルーメン内にお
いて比較的短時間のうちに分解されることを示した。これは一般的なナタネ粕の特徴と一
致する。
タンパク質から生じるアンモニアがなるべく過不足なく利用されるためには、飼料中タ
ンパク質の分解にともなうアンモニアの発生と、ルーメン内微生物がアンモニアを利用す
るために必要なエネルギー源の供給が同期化されることが望ましい。その点で、ここで調
べた国産ダブルローナタネ粕は、圧ぺんとうもろこしのようにルーメン内でのデンプンの
分解が緩慢なものより、デンプンがより速やかに分解するタイプのエネルギー飼料との組
み合わせに適すると考えられる。ムギ類や、近年、北海道で利用され始めているイアコー
ンサイレージのようなものと組み合わせた利用に好適といえる。
5.泌乳牛に対する給与試験事例
国産のシングルローナタネ粕を乳牛に給与した試験(生田ら 2012)では、体重の減少、
乳タンパク質率の低下などの負の影響を認めた。その原因については不明な点が残されて
-79-
いるが、少なくとも、シングルローナタネ粕の乳牛用飼料としての積極的な利用を推奨す
るデータは得られていない。
一方、青木ら(2014)は泌乳牛に対する国産ダブルローナタネ粕の給与試験の結果、乳
量、乳成分、採食量、体重などの飼養成績や代謝プロファイルに負の影響を認めなかった。
その試験では、上述の EE 含量の高い国産ダブルローナタネ粕を供試したため、飼料全体
の EE 含量が過剰にならないよう、大豆粕の半量を国産ダブルローナタネ粕で置換すると
いう飼料設計であった。EE 含量がより少なければ、ダブルローナタネ粕の比率を高める
ことが可能であり、今後、そのような視点での検討が必要と思われる。また、青木ら(2014)
はエネルギー飼料としてイアコーンサイレージを用いており、国産ダブルローナタネ粕と
イアコーンサイレージの組み合わせに特段の問題は認められてない。
6.国産ダブルローナタネ粕利用拡大に向けて
以上のように、国産ダブルローナタネ粕の飼料特性を理解した上で適切な飼料設計を施
すことにより、国産ダブルローナタネ粕が泌乳牛用飼料として充分に利用できることが示
されている。今後、国産ダブルローナタネの栽培とナタネ粕の利用の展開を図る上で、次
の 2 点の課題があると思われる。
(1)ダブルローナタネの栽培に際しては、交雑によるエルシン酸、グルコシノレート
の混入を回避する必要がある。そのため、既存のナタネ品種や、ナタネと交雑可能なアブ
ラナ科植物との混植・隣接栽培を避ける必要がある(石田ら 2007)。
(2)現在利用可能な「キラリボシ」は寒地でも栽培できるものの、その収量は既存シ
ングルロー品種より少ないとされる。「キラリボシ」の他にタキイ種苗会社で育成、2007
年に品種登録された「タヤサオスパン」というダブルロー品種があるが、いずれも中晩生
であり、暖地、温暖地での栽培にはあまり適さない(川崎 2013)。寒地で高収量が得られ
る、あるいは暖地・温暖地での栽培に適する品種の育成が望まれる。
国産ダブルローナタネ粕には、畜産サイドからは、輸入飼料への依存度を下げることへ
寄与するとの期待が持たれる。畑作サイドからは、現状では過作・連作による病気の発生
などが問題になっているところが多く、新たな換金作目の導入に対する要望が高まってい
る。ナタネ粕が従来の肥料だけでなく飼料にも仕向けられるようになれば、収入にも反映
され、生産者にとって魅力につながり、輪作にナタネを採り入れる動きを促進する上で、
大きなインセンティブになることが期待される。
さらに、
「バイオマス・ニッポン総合戦略」
(2002 年閣議決定、2006 年改定)において、
菜の花を栽培して食用油として利用した後、廃食用油を収集してバイオディーゼル燃料の
原料として利活用する取り組みが一つのパターンとして取り上げられており、ナタネのよ
うな資源作物の更なる活用が望まれている。ナタネから食用油を採取する際に、副産物的
に生産されるナタネ粕が飼料としても取り引きされることになれば、その導入に弾みがつ
くといえよう。
ダブルローナタネの栽培、ナタネからの搾油、ナタネ粕の飼料利用といった、新たな耕
畜連携、農商(工)連携を図る事例が小地域、小規模ながら現れている。地域内であれば、
-80-
家畜排泄物の畑作圃場への還元といった資源循環に寄与できる。個々は小規模でも、その
数が増加し、将来的に資源循環型社会の構築につながることが期待される。
<参考文献>
青木康浩・大下友子・根本英子・上田靖子・青木真理(2014)国産ダブルローナタネ( Brassica
napus L.)品種由来搾油粕の飼料特性および泌乳牛に対する給与効果.日草誌 60:178–
185
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canola meal with high-oil traditional canola, high-oleic acid canola, or high-erucic
acid rapeseed meals on rumen fermentation, digestibility, milk production, and milk
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生田健太郎・山口悦司・片岡
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に及ぼす影響.兵庫農技総セ研報(畜産)48: 11–16
石田正彦・山守
誠・加藤晶子・由比真美子(2007)無エルシン酸・低グルコシノレート
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川崎光代(2013)品種改良の現状と課題.国産ナタネの現状と展開方向-生産・搾油から
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700
Rymer C, Short F (2003) The nutritive value for livestock of UK oilseed rape and
rapeseed meal. The HGCA (Home-Grown Cereals Authority) Research Review, No. OS14
上田博史(2004)飼料資源、油粕類.動物の飼料(唐沢豊・編)文永堂出版、東京、p76–
80
-81-
-82-
ソルガムサイレージとエコフィードを活用した交雑種肥育技術
長野県畜産試験場
酪農肉用牛部
藤森祐紀
1.はじめに
購入飼料の高騰が畜産経営を圧迫する中、安心安全な畜産物の供給、資源循環型畜産の
確立を図る観点から、飼料自給率の向上が重要な課題となる。飼料自給率を向上させる方
法の1つとして、自給飼料と食品製造粕類を組み合わせた発酵 TMR が注目されており、
肉用牛の飼料として利用が期待されている。これまでの自給飼料生産は夏の長大型作物と
してトウモロコシが主に栽培されてきた。しかし、中山間地帯を中心に獣害が発生してお
り、この回避策として、ソルガムの栽培への転換が図られている。
近年、ソルガムの中でもリグニン合成阻害作用を有する bmr 遺伝子を持つ品種が登場し
ており、従来のソルガムに比較して、茎葉部の栄養価が高く、例えば子実を含むホールク
ロップサイレージではトウモロコシに近い栄養価を持つ新品種も存在する。
そこで、高消化性ソルガム品種、またはこれらの作物との輪作が可能なムギ類、さらに
ビール粕、トウフ粕等のエコフィードを活用した発酵 TMR を調製し、飼料自給率を 30%
に向上できる交雑種の肥育について検討を行った。
2.飼養試験に用いたソルガムについて
飼養試験にはスーダン型ソルガムの「涼風」、兼用型ソルガムの「華青葉」の2品種を
用いた。
(1)
「涼風」は年2回刈りが可能で、ロールベール・ラッピング体系に最適なソルガムで
ある。高消化性遺伝子 bmr-18 を持ち、消化性・嗜好性にも優れている。また、再生
に優れ、年間の合計乾物収量は 1.5t/10a である。1番草の TDN 含量は止葉期で 62%
DM、2番草は出穂始期で 65%DM である。
(2)
「 華青葉」は、早生の兼用型ソルガム品種で、紫斑点病抵抗性と高消化性遺伝子 bmr-18
をあわせ持つため、病気に強く、消化性や嗜好性に優れている。茎葉の推定 TDN 含
量は 63%DM である。
涼風
華青葉
-83-
3.発酵TMRの調製および夏季・冬季における発酵品質
(1)発酵TMRの調製
発酵TMRの調製はソルガムサイレージを開封して、配合飼料やビール粕、トウフ粕の他、
稲わらなどをTMRミキサーに投入撹拌後、バケットローダにて運搬し、細断型ロールベー
ラで、圧縮、梱包後、ラッピング・貯蔵した。
原料をミキサーで混
細断型ロールベーラで梱包
ラッピング・貯蔵
合
(2)夏季に調製した発酵TMRの品質
夏季に調製した発酵TMRは2週間の貯蔵でpHは4.5程度まで低下し、有機酸含量は2倍
程度まで上昇し、4週間の貯蔵でpHは4.2程度、有機酸含量は2.5倍程度となった(図1)。
90日間貯蔵(調製:平成23年5月11日、開封:平成23年8月9日)すると、pHは3.7程度(開
封日)までに下がり、有機酸含量は2.6倍程度に高まった(図2)。発酵TMR開封後4日
目まではpH、有機酸含量ともに変化は見られず、6日目からはpHの若干の上昇と乳酸の
減少が見られた(図2)。
3.0
6.0
2.5
原
物 2.0
中
有 1.5
機
酸 1.0
%
0.5
5.5
3.0
pH
3.0
0.0
5.0
4.5
酪酸
酢酸
乳酸
4.0
(
)
調製日
14日後
5.0
4.5
)
0.0
pH
5.5
(
3.5
原 2.5
物
中 2.0
有
機 1.5
酸
1.0
%
0.5
6.0 pH
図1 夏季の発酵TMR貯蔵後の有機酸およびpHの推移
(調製:平成23年7月)
酢酸
4.0
乳酸
3.5
pH
3.0
調製日 開封日
28日後
酪酸
2日後
4日後 6日後
図2 夏季におけるの発酵TMRの開封後の有機酸および
pHの推移
(調製:平成23年5月11日、開封:平成23年8月9日)
2.0
(3)冬季に調製した発酵TMRの品質
ても発酵TMR調製直後とほぼ同程度と低い
%
冬季に調製した発酵TMRは、調製直後の
pHが5.7で、90日間貯蔵してもpHは5.7と変
5.5
酪酸
5.0
pHの低下と有機酸の増加が見られた(図3)。
酢酸
乳酸
0.5
4.5
)
値を示した。135日間貯蔵すると、若干の
-84-
6.0 pH
(
化がなく、また有機酸含量も90日間貯蔵し
原
物 1.5
中
有
機 1.0
酸
0.0
4.0
調製日
90日後
110日後
135日後
図3 冬季の発酵TMR貯蔵後の有機酸およびpHの推移
(調製:平成23年12月1日)
pH
4.ソルガムを活用した発酵 TMR の飼養試験
(1)スーダン型ソルガム「涼風」を用いた飼養試験
供試牛は当場で生産した交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)雌7頭で、父牛は本県基
幹種雄牛の「穂里福」とした。供試牛を6ヵ月齢まで育成し、その後1ヵ月かけて飼料馴
致を行い、7ヵ月齢から肥育試験に供試した。発酵 TMR はソルガムサイレージ(涼風)、ビ
ール粕、トウフ粕および配合飼料を主原料として調製した。ソルガムサイレージの混合割
合は原物で前期 TMR32%、中期0%、後期 14%とする設計とした。また、ビール粕およ
びトウフ粕の混合割合をいずれも前期 TMR15%、中期 20%、後期 20%とし、その他に配
合飼料を前期 32%、中期 40%、後期 41%、および稲ワラを混合した(表1)。
試験区分は、発酵 TMR を肥育全期間給与する「試験区」と肥育前期にチモシー乾草、
ルーサンペレットおよび配合飼料、肥育中後期に稲ワラと配合飼料を分離給与する「対照
区」の2区とし、「試験区」に4頭、「対照区」に3頭を配置した(表2)。
表1 ソルガムサイレージとエコフィード主体の「発酵TMR」の原料割合と飼料成分
前期TMR
中期TMR
後期TMR
飼料構成
原物% 乾物%
原物% 乾物%
原物% 乾物%
原料割合
ソルガムサイレージ
32.0
28.4
0.0
0.0
14.0
12.4
稲 ワ ラ
6.0
9.4
10.0
16.5
5.0
7.8
ビール粕
15.0
6.9
20.0
9.7
20.0
9.1
トウフ粕
15.0
5.5
20.0
7.8
20.0
7.3
水
0.0
0.0
10.0
0.0
0.0
0.0
配合飼料
32.0
49.8
40.0
66.0
41.0
63.5
飼料成分
TDN
40.6
72.0
40.1
75.4
43.1
76.1
CP
7.7
13.7
8.0
15.1
8.6
15.1
粗繊維
9.6
17.0
6.1
11.4
7.0
12.4
NDF
21.2
37.6
17.0
31.9
18.3
32.3
水分
43.7
46.9
43.4
ソルガムサイレージには涼風の2番草を使用
表2 肥育ステージにおける給与飼料
肥育前期
区分
(7-12ヵ月齢)
試験区
前期TMR
※
対照区
配合飼料 ・乾草
※間接検定用飼料に準拠
肥育中期
(13-19ヵ月齢)
中期TMR
※
配合飼料 ・ワラ
肥育後期
(20-27ヵ月齢)
後期TMR
※
配合飼料 ・ワラ
供試牛の試験開始時の体重は250kg前後で「試験区」と「対照区」に差はなかったが、
肥育終了時には「試験区」の体重と日増体量が「対照区」を上回る結果となった(表3)。
粗飼料を含めた給与飼料のTDN自給率は「対照区」の3.7%に対し、「試験区」は33.5%
と大幅に向上した(表4)。
-85-
表3 試験期間中における供試牛の発育成績
体重(kg)
区分
肥育開始
中期開始
後期開始
日増体量
(kg/日)
試験終了
( 7ヵ月齢) (13ヵ月齢) (20ヵ月齢) (27ヵ月齢)
試験区
263
437
620
757 a
1.07
対照区
247
441
異符号間で有意差あり(p<0.05)
602
700 b
1.03
表4 給与飼料におけるTDNの原料別比率とTDN自給率(%)
自給飼料
区分
ソルガム
サイレージ
10.3
試験区
輸入飼料
稲ワラ
ビール粕
トウフ粕
乾草
配合飼料
6.4
8.4
8.4
0.0
66.5
TDN自給率
33.5
対照区
0.0
3.7
0.0
0.0
6.3
90.0
3.7
飼料摂取量からTDN自給率を算出した。なおソルガムサイレージ、稲ワラ、ビール粕および
トウフ粕を自給飼料とした。
枝肉成績は「試験区」が肉量・大きさおよび肉質ともに優れる傾向であった。歩留基準
値と肉の締まりの項目では両区に有意差が認められた(表5)。
表5 供試牛の枝肉成績
区分
試験区
枝肉重量 ロース芯面 バラ厚 皮下脂肪 歩留基準 肉質
2
(cm) 厚(cm) 値(%) 等級
(kg)
積(cm )
464.5
48.3
6.8
3.2
69.4a
対照区
445.9
40.7
6.2
4.2
67.3b
BMS No:脂肪交雑基準、BCS No:肉色基準、BFS No:脂肪色基準
3.3
BMS
No.
BCS
No.
4.0
4.3
肉の締 肉の
まり きめ
3.3a
3.3
BFS
No.
3.0
3.0 3.3
4.3
2.3b
3.0
3.0
異符号間で有意差あり(p<0.05)
(2)兼用型ソルガム「華青葉」を用いた飼養試験
供試牛は当場で生産した交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)雌 12 頭で、父牛は本県種
雄牛の「金井屋」とした。供試牛を6ヵ月齢まで育成し、その後 1 ヵ月かけて飼料馴致を
行い、7ヵ月齢から肥育試験に供試した。発酵 TMR はソルガムサイレージ(華青葉)、エン
バクサイレージ、ビール粕およびトウフ粕を主原料として調製した。供試したソルガムサ
イレージの混合割合は原物で前期 TMR35%、中期 30%、後期 30%とする設計とした(表
6)。また、その他にエンバクサイレージ、ビール粕、トウフ粕、濃厚飼料および稲ワラを
混合した。
試験区分は、発酵 TMR を肥育全期間給与する「全期間区」、発酵 TMR を肥育前期お
よび後期に給与し、肥育中期は慣行飼料を給与する「前後期区」、肥育前期にチモシー乾
草、ルーサンペレットおよび配合飼料、肥育中後期に稲わらと配合飼料を分離給与する「対
照区」の3区とし、各々に4頭を配置した(表7)。
-86-
表6 ソルガムサイレージ主体の「発酵TMR」の原料割合と飼料成分
前期TMR
中期TMR
後期TMR
飼料構成
原物% 乾物%
原物% 乾物%
原物% 乾物%
原料割合
ソルガムサイレージ
35.0
19.7
30.0
16.9
30.0
16.5
稲 ワ ラ
6.0
9.9
5.0
8.3
5.0
8.1
ビール粕
6.0
2.9
10.0
4.8
15.0
7.1
トウフ粕
6.0
2.3
10.0
3.9
10.0
3.8
エンバクサイレージ
15.0
12.7
10.0
8.5
0.0
0.0
配合飼料
32.0
52.5
35.0
57.6
40.0
64.5
飼料成分
TDN
38.5
72.1
39.5
74.2
41.6
76.5
CP
6.4
12.0
6.9
13.0
7.5
13.8
粗繊維
6.1
11.3
5.4
10.2
4.3
7.9
NDF
19.9
37.2
18.5
34.8
17.3
31.7
水分
46.6
46.8
45.6
ソルガムサイレージには華青葉を使用
表7 肥育ステージにおける給与飼料
肥育前期
区分
(7-12ヵ月齢)
前期TMR
全期間区
前期TMR
前後期区
肥育中期
(13-19ヵ月齢)
中期TMR
肥育後期
(20-27ヵ月齢)
後期TMR
※
後期TMR
※
配合飼料 ・ワラ
配合飼料 ・ワラ
※
対照区
配合飼料 ・乾草
※間接検定用飼料に準拠
配合飼料 ・ワラ
※
試験開始時の体重は240kg前後で区間に差はなく、肥育終了時の「全期間区」と「前後
期区」の体重と日増体量はいずれも、「対照区」を上回る結果となった(表8)。粗飼料を
含めた給与飼料のTDN自給率は「対照区」の3.7%に対し、「全期間区」は38.5%と大幅
に向上した(表9)。
表8 供試牛の発育成績
体重(kg)
区分
肥育開始
中期開始
後期開始
試験終了
全期間区
前後期区
対照区
(7ヵ月齢)
250
248
239
(13ヵ月齢)
431
411
400
(20ヵ月齢)
645
611
578
(27ヵ月齢)
809
751
700
-87-
日増体量
(kg/日)
0.98
0.88
0.81
表9 給与飼料におけるTDNの原料別比率とTDN自給率(%)
自給飼料
区分
ソルガム
エンバク
稲ワラ ビール粕 トウフ粕
サイレージ サイレージ
輸入飼料
乾草 配合飼料
TDN自給率
全期間区
17.8
5.3
5.5
5.3
4.6
-
61.5
38.5
前後期区
9.8
2.4
5.7
2.9
2.3
-
76.9
23.1
対照区
-
-
3.7
-
-
6.3
90.0
3.7
摂取量よりTDN自給率を算出した。なおソルガムサイレージ、エンバクサイレージ、稲ワラ、
ビール粕およびトウフ粕を自給飼料とした。
枝肉重量は「全期間区」と「前後期区」が「対照区」と比較して重い傾向であった。「全
期間区」と「前後期区」のロース芯面積とバラ厚は「対照区」に比較して大きい傾向であ
った。BMS No.は「前後期区」が「対照区」に比べ優れる傾向であった(表 10)。
表10 供試牛の枝肉成績
枝肉重量 ロース芯 バラ厚 皮下脂肪 歩留基準 肉質 BMS
区分
(kg)
面積(cm2 ) (cm) 厚(cm) 値(%) 等級 No.
BCS 肉の締 肉の
No. まり きめ
BFS
No.
全期間区
492.1
55.0
6.8
3.0
70.2
2.7
2.7
4.0
2.7
2.7
3.0
前後期区
471.9
53.7
6.9
2.6
70.7
2.8
3.3
4.2
2.7
2.8
3.0
対照区
437.3
48.8
6.3
2.9
69.4
2.5
2.5
4.0
2.3
2.3
3.0
BMS No:脂肪交雑基準、BCS No:肉色基準、BFS No:脂肪色基準
5.おわりに
本研究ではソルガムを活用し、自給飼料割合を高めた発酵 TMR メニューを提示した。
今後は、自給飼料の外部委託や TMR の配達など地域のコントラクターや TMR センター
の利用など組織的な取り組みがなされ、飼料作物と地域飼料資源を活用した飼料自給率の
向上と肉用牛経営基盤の安定化に資することが出来ればと考えている。
-88-
TMR素材等の迅速水分測定技術
(独)農研機構 九州沖縄農業研究センター
服部育男
1.はじめに
近年の輸入粗飼料価格の高騰により,飼料自給率の向上を図ることが急務である。また,畜産農家の
飼料生産を支援する組織として,コントラクターは増加傾向にあり,国産飼料は畜産農家の自己完結的
な生産と利用から,売買をともなう流通が始まりつつある。コントラクターの経営安定化にはTMRセン
ターのような大口の安定供給先を確保することが有用である。これらコントラクターとTMRセンターの
取引を公正化するためには数値に基づいた価格決定が重要であり,評価指標の一つである水分含量を現
場で簡易に測定する器機が必要である。また,TMR調製時の原料水分が簡易に測定できればTMR製品
の品質のばらつきが軽減でき,国産飼料利用の一層の促進が期待できる。現在,現場で水分を測定する
機器としては「木材用」,「土壌用」,「米麦用」,「牧草(乾草)用」などがあるが,サイレージ等の
比較的水分が高い材料に適応する水分計は市販されていない。従来,電磁波の伝播速度=光速/(誘電
率)0.5の関係があり,物質中の電磁波の伝播速度がその物質の水分量に大きく依存することが知られて
いる。TDR(Time Domain Reflectometry:時間領域反射測定法)方式の水分計はこの原理を利用した
水分計測器で,土壌や堆肥などの水分測定に用いられている(古井ら1999)。服部ら(農林水産省農林
水産技術会議事務局 2007)は飼料イネWCS(イネWCS)の乾物率とTDR方式で測定した誘電率0.5とは
高い相関が認められ,実用レベルの精度で乾物率を測定できるが,密度によって回帰式が異なることを
報告した。一方で,市販のTDR水分計はすでに回帰式が組み込まれているものがほとんどであることか
ら,市販機ではサイレージ用の測定ができない。また,サイレージは土壌より粒度が大きいため,通常
のセンサーロッドでは挿入が困難である。そこで,サイレージ用の検量線の作成,およびセンサーロッ
ド等の改良に広島県立総合技術研究所畜産技術センター,株式会社藤原製作所と共同で取り組み,高水
分飼料用水分計の開発を進めている。
2.開発状況
1)測定器の仕様検討
開発機による水分の測定は,密度を測定し,センサーロッド挿入用の下穴を開け,水分測定用センサ
ーロッドを挿入して測定の3手順が必要である。そのため,測定器の基本的な仕様は,これまでの知見か
ら,①測定対象と密度ごとに検量線を選択できること。②プローブの挿入が容易であること。③測定作
業が簡易であること。④汎用性が高いこと。⑤実用に耐える測定精度を有すること,これら5つの条件を
満たすことが必要である。そこで,①については簡易に密度が測定できる機器を開発する。②について
はプローブ挿入用の下穴を開ける機器を開発する。③については誰が測定しても誤差が出ない測定方法
を確立する。④については組込み検量線の対象を流通が想定されているトウモロコシサイレージ,イネ
WCS,イタリアンライグラスサイレージとし,生草,他草種については検量線作成手順を示すことでユ
ーザーが個別に検量線を作成し測定できるようにする。⑤については水分%の誤差として±3.5ポイント
の精度を確保する。以上のことを開発目標として設定し,密度測定,プローブ挿入用の下穴開け,水分
-89-
測定の各操作における測定誤差要因を明らかにし,その誤差低減方法について検討した。
2)密度測定機器の開発
開発しようとする機器の目的は,検量線選択のための密度測定であることから,大まかな密度の分
類ができれば十分である。そこで,現場で簡易に密度を測定する方法として,穿刺を突き刺す際の抵抗
力によって試料の密度を測定する方法を検討した。機械的圧迫に対する抵抗力によって硬度を測定する
果実硬度計(藤原製作所 MT型)の先端を鋭利にして突き刺さるように改造し,ロールベールの突き
刺し抵抗値の測定を試みた。その結果,バネの強度不足により,目盛りが振り切れる。材料草の切断長
が長いロールでは測定棒が試料に突き刺
さらず,全体を押し込んでいる状態で正
確に測定できない。ラップの抵抗力が強
く,切り裂かないと試料の測定が困難で
あるといった問題が抽出された。そこ
で,耐久性,突き刺し易さを考慮し先端
形状をナイフ状に改良し,測定部もバネ
式からゲージ式((株)イマダ製メカニ
カルフォースゲージFB)に変更した(図
図1.密度(突き刺し抵抗値)測定器試作機
1)。5種類のロールベールサイレージで,
それぞれ5か所の測定を実施したところ,突き刺し抵抗値は改良前と比較して,総じて低い値となっ
た。また,同一ロール内の測定値のバラツキを標準偏差で評価すると,いずれのロールベールでも大幅
に低い値となった。
トウモロコシサイレージ(水分含量76.4%)を105℃に設定した乾燥機で乾燥し,1時間を目安に経時
的に取り出して,φ10cm×40cmの塩ビパイプに密度を変えて詰め込み,改良した密度測定器とTDR水分
計で密度と水分を測定した。試料の水分含量は76.4-26.3%の範囲であった。その結果,抵抗値110Nを境
として分類したところ,110N以上,110N未満ともに全体を1グループとした場合と比較して,水分含量
とTDR測定値の間には高い相関が認められた。したがって,試作した密度測定器の測定値は検量線選択
の指標になり得ると考えられた。
測定者間の誤差を明らかにするため,トウモロコシを用いてロールサイズが異なるロールベールサ
イレージを調製し,3人の測定者で突き刺す速度を「ゆっくり」,「通常」,「早く」の3段階で測定し,
その測定値について比較した。なお,供試ロールベールサイズはIHIスター製SVW3500LCで調製した
φ105×85cmおよびTSB0920を用いて調製したφ80×85cmである。φ105cmのロールベールでは,測定者
間では測定者Bの平均値が357Nと測定者Aの277N,測定者Cの289Nと比較して有意に高かった。突き
刺し速度間では「早く」の平均値が411Nと「通常」の276N,「ゆっくり」の236Nと比較して有意に高
かった。また,突き刺し速度別の繰り返し測定における標準偏差をみると,「通常」が測定者A,B,Cの順
に16,60,24,「早く」が同様に110,73,38,「ゆっくり」が同様に17,51,23といずれも「早く」のバラツ
キが他より高い傾向であった。一方,φ85cmのロールベールでは測定者間ではφ105cmと同様に測定者B
の平均値が303Nと測定者Aの150N,測定者Cの194Nと比較して有意に高かった。突き刺し速度間では
「早く」の平均値が165Nと「通常」の193Nと有意な差は無く,「ゆっくり」は288Nと有意に高かった。
-90-
また,突き刺し速度別の繰り返し測定における標準偏差をみると,「通常」が測定者A,B,Cの順に
19,42,34,「早く」が同様に12,47,8,「ゆっくり」が同様に42,95,34と「ゆっくり」のバラツキが他よ
り高い傾向であった。以上のことから,「通常」の速度で突き刺すことが,値のバラツキや摩擦係数等
の影響を低減し,安定した測定値が得られると考えられた。
測定者間の誤差について,「通常」内においても,有意な差が認められた。本試験において,開発し
た密度測定器による測定値は,高密度のφ105cmロールでは253N-303Nの範囲,低密度のφ85cmロール
では133N-260Nの範囲であった。測定者間の誤差は50-100N程度と推察された。この測定誤差が水分測
定精度に影響するかは,検量線が適応する密度の範囲を何段階に区分するかによって決まる。今後,測
定者を増やして測定者間の誤差範囲を確定させるとともに,この誤差範囲を考慮した検量線数を決定す
る必要がある。
3)プローブ挿入用の下穴を開ける機器の開発
水分測定に用いるTDR測定器は,土壌水分計(藤原製作所:TDR341F)をベース器とした。有機酸等
の影響を軽減するため,樹脂コーティングを施したプローブの形状はφ4.5mm×300mmが2本であり,ロ
ールベールに直接突き刺すと変形が懸念される。プローブ挿入用の下穴を開けることでスムーズな挿入
が可能となることから,下穴開け器を試作した(図2)。
試作器の利用により,プローブのスムーズな挿入が可能
となった。しかし,TDR方式ではプローブ全体に接触す
る物質の誘電率から水分を測定するため,試料とプロー
ブの間に空気が侵入する隙間が生じると,測定誤差が大
きくなる。下穴の径がプローブの径と同じでは,プロー
ブをスムーズに挿入できない。そこで,最適な下穴あけ
器の径について検討した。トウモロコシサイレージを
105℃に設定した乾燥機で乾燥し,
経時的に取り出して,
φ10cm×40cmの塩ビパイプに密度を変えて詰め込んだ
材料に,φ6mmとφ7mmの下穴あけ器で下穴を開けた
図2.下穴開け器試作器
後,TDR測定器で誘電率を測定した。試料の水分含量は
69.0-13.9%の範囲であった。突き刺し抵抗値により材料
の密度を3または2段階に分類した。分類ごとにTDR測
定値と水分含量の決定係数をみると,いずれの抵抗値の
範囲においてもφ6mmの方がφ7mmの決定係数より高
かった(p<0.05;対応のある2つの母平均の差の検定)。
したがって,プローブのスムーズな挿入が可能な範囲で
下穴の径を小さくして,隙間を限りなく少なくすること
が測定誤差の軽減に有効と考えられた。下穴あけ器の径
がφ5mmでもプローブのスムーズな挿入が可能である
ことを確認し,下穴あけ器の径をφ5mmに決定した。
図3.水分計測定部試作機
-91-
4)簡易な測定操作
TDR測定機での作業における問題点として,測定中,TDR値の表示がきわめて緩やかに低下し続け,
測定者によって値を読み取るまでの時間が異なることが,測定誤差につながることが挙げられた。そこ
で,プローブの挿入完了から一定の時間で測定値の表示を固定し,確定値とする方式を採用した。測定
機のプローブの根元部分にタッチスイッチを装備し,ロールベールが接触してスイッチが入った時点を
プローブの挿入完了と判定,これを測定開始のタイミングとした。挿入完了直後の数秒間は測定値が安
定しないため,タッチスイッチが入って4秒経過後から1秒間を数ミリ秒間隔で測定し,その平均値を確
定値として表示するようTDR測定器を改良した(図3)。トウモロコシサイレージの密度を数段階に変え
て塩ビパイプに詰め込んだものを材料とし,改良前と改良後のTDR測定器について,同一サンプル5回
測定時の標準偏差を比較した。改良前のTDR測定器では,高水分域で詰め込み密度が低い場合の標準偏
差が比較的大きかった。一方,改良後では高水分,低密度条件下でも標準偏差が比較的小さかった。こ
の試験は一連の機器の改良と検量線作成方法の検討を並行して進めていたため,供試した材料の体積や
密度の測定方法,下穴の径の条件が改良前と改良後で異なる。そのため,TDR測定器の改良効果を単独
で評価することはできないが,測定時間の一定化も測定者による誤差の軽減に貢献していると考えられ
た。
5)検量線作成方法の検討
前述のようにTDR水分計の精度維持に重要な検量線は,草種によって異なる。また,ロールベールで
はなく,バンカーなどの固定サイロや,圃場で生育中の原料の水分を測定するには,細切した材料をバ
ケツ等の容器に一定量詰め込んで測定する必要がある。容器への詰め込み密度は測定者によって異なる
ことが想定されるため,統一した検量線の作成は困難である。しかし,汎用性を高めるためには,これ
らの使用目的にも対応できることが重要である。そのためには,ユーザーが必要とする対象試料用に検
量線を独自に作成できるよう,検量線の作成方法を示す必要がある。検量線の作成は①対象材料を細切
する。②容器に詰め込み,重量を測定するとともにTDR値を測定する。③容器から取り出し,ビニール
ハウス等で広げて乾燥させる。④一定時間乾燥後,再び容器に詰め込んで,重量測定とTDR値を測定す
る。これを繰り返して,水分含量が異なるデータを取得し,統計ソフトなどで回帰式を求める,という
手順で作成する。TDR値はプローブ周辺の試料量によっても異なることから,最低限の容積,容器の形
状について検討した。φ10cmとφ20cmの塩ビパイプを容器として水分を測定した結果を比較したとこ
ろ,φ20cmの方が実測値に近い値となったことから,容器の最小径をφ20cmとした。トウモロコシサイ
レージ(水分71.8%)を用い,φ20cmで長さが40cmおよび80cmの塩ビパイプ,φ35cm×40cmのプラン
タに,人力で最大限の密度で詰め込んで,上記の要領で検量線を作成した。開始時の詰め込み量(3反復
の平均)はφ20cm長さ40cmで10.58kg,φ20cm長さ80cmで20.5kgおよびφ35cm長さ40cmで24.65kgで
あった。突き刺し抵抗値の平均値はそれぞれ,123N,135Nおよび109Nでφ35cm長さ40cmがやや低か
った。水分含量とTDR測定値はいずれの容器においても高い決定係数であった。φ20cmでは容器が長く
なってもほぼ同様の回帰曲線であった。したがって,検量線作成に用いる容器の長さはプローブを覆う
ことができれば十分であると考えられた。一方,φ35cmとφ20cmではTDR値が異なり,φ30cmの方が高
い値で推移した。このことから,試料量がほぼ同じでも直径が異なるとTDR値が異なることが考えられ
た。TDR値は水分が低いほど高い値を示す。先に密度によって回帰式が異なることを示した,この原因
-92-
の一つとして,密度が低いと混在する空気の割合が高まることが挙げられる。φ35cmのTDR値が高く推
移していること,φ20cmより突き刺し抵抗値が低かったことから,回帰曲線の違いは密度が低かったこ
とが影響したと考えられた。
つぎに,水分測定の対象範囲を拡大するために加水し,供試材料より高水分域のTDR値を取得した。
材料より高水分域のTDR値の追加が測定精度に及ぼす影響について検討した。φ30cm長さ40cmの容器
にトウモロコシサイレージを約25kg詰め込んだ後,3Lの水を加え,5分ほどなじませてTDR値を測定し
た。この操作を水があふれるまで繰り返し,TDR値を取得した。高水分域のTDR値の追加により,回帰
式の決定係数が0.9652から0.9791に高まった。また,熟期が異なるトウモロコシを用いて細断型ロール
ベーラで調製したサイレージ9点のTDR値を,加水あり,無しで得られた回帰式に当てはめ,水分含量を
推定した。その結果,実測値と推定値の相関における決定係数は同程度であったが,実測値と推定値の
差の絶対平均値は加水ありが2.7ポイントと加水無しの5.2ポイントより小さかった。したがって,加水
による水分範囲の拡大は,検量線の推定精度を向上させると考えられた。これらより,検量線作成手順
が明らかになったが,今後は検量線の精度を維持できる最低データ点数について検討する必要がある。
6)推定精度
以上の結果を踏まえて作成した試作機を用い,トウモロコシサイレージ,イネWCSおよびイタリア
ンライグラスサイレージを供試して検量線を作成した。さらにそれぞれ9点,11点および18点のロール
ベールサイレージを用いてTDR値の測定を実施した。TDR値の測定はロールベールを縦置きにして上,
中,下3か所を各2回測定し,上中下平均値をTDR値とした。水分含量実測値の測定はフィードサンプラ
ー(藤原製作所製)を用いて,ロールベールの上中下3か所からサイレージをサンプリングして良く混合
し,70℃48時間乾燥して求めた。
トウモロコシ細断型ロールベールサイレージでは実測値との誤差の絶対平均値が2.4ポイントであっ
た。イネWCSでは実測値との誤差の絶対平均値が2.2ポイントであった。イタリアンライグラスロール
ベールサイレージでは実測値との誤差の絶対平均値が3.3ポイントであった。これらの結果から,本試作
機による水分含量の測定値は開発目標である誤差3.5ポイントより低く,実用基準と考えられる精度での
測定が可能と考えられた。
3.残された問題点
本機を実用化するにあたり,残された課題としては以下が挙げられる。第1に密度ごとに検量線を選
択する方式としているが,現場で調製されているロールベールサイレージではベール間の密度分布が明
らかでない。トウモロコシサイレージはダイレクト収穫するので,原料水分を反映した密度分布と想定
できるが,イネWCSやイタリアンライグラスサイレージは予乾体系が含まれることや,ロールベールの
サイズも様々であることから,密度は広範に分布していると考えられる。これらを調査して分布を明ら
かにし,その分布に基づいて検量線の作成・段階数を確定させる必要がある。
次に操作性についても,たとえば腕力に自信が無い人でも簡単に測定できることが測定精度の維持
には欠かせない。これらの操作性についても幅広く検証する必要がある。
また,組み込み検量線の精度についても実用性に問題はないか,様々な利用場面を想定した実証試験
を重ねる必要がある。さらに,主要3草種以外の利用場面において,検量線作成方法を含む精度や操作性
-93-
を検証する必要がある。今後,サイレージ水分計の製品化に向け,これらの試験に取り組む。
<参考文献>
古井正司・榊原正典・須田晃・加藤祐司・森田正勝(1999)TDR土壌水分計による鉢内培養土水分の非破
壊、継続的計測. 愛知県農総試研報.31:211-217
農林水産省農林水産技術会議事務局(2007)新鮮でおいしい「ブランド・ニッポン」農産物提供のため
の総合研究. 3系畜産.11-2飼料イネの非破壊品質評価および栄養価推定法の開発-揮発性成分-.プロ
ジェクト研究成果シリーズ 451:62-64
※本成果は2014年度日本草地学会宮崎大会で発表済み。成果の詳細は日本草地学会誌第60巻4号特集記
事に掲載予定(印刷中)。本研究の一部は農研機構生物系特定産業技術研究支援センター「攻めの農林
水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」
による。
-94-
飼料用米を最大限活用した乳牛飼養技術
-魚沼市自給飼料生産組合-
新潟県農業総合研究所畜産研究センター
関
誠
【はじめに】
本稿では、2012 年の秋から飼料用米の通年利用を開始し、2 年以上が経過した魚沼市自
給飼料生産組合の事例を紹介する。魚沼市自給飼料生産組合(以下組合と表記)は、自給
飼料生産による組合員共同の利益向上を目的に 2009 年 1 月に設立された。組合は山間部
の耕作放棄地を活用した飼料用トウモロコシ生産および地域の生産調整水田を利用したイ
ネ WCS の収穫を念頭におき、汎用型飼料収穫機を 2009 年に導入し、その生産物であるサ
イレージを活用する事で、組合設立後に急速に飼料自給率を高めてきている。
【飼料用米活用に向けて】
組合では、2011 年頃より飼料用米の活用に着目するようになり、2011 年 7 月に飼料用
米利用に関する 1 回目の研修会を行った。2012 年の早春には JA 北魚沼との連携により、
地域の生産調整水田約 36ha から生産される飼料用米を確保できることも決まり、本格的
に飼料用米利用に関する準備を進めることとなった。当研究センターでは、飼料用米利用
に関する研究成果をいち早く現地で活用しもらうため、組合への積極的な支援を開始し、
2012 年 3 月に飼料用米利用に関する 2 回目の研修会を行い、飼料用米を活用するには、
破砕等の処理が必須であることを理解していただき、組合内で検討した結果、V 溝型ツイ
ンローラの飼料米破砕機の導入を決定した。
その後も、2012 年 7 月に研修会を行い、各酪農家別に 1 年間で見込まれるコスト低減
額を提示ししつつ、給与設計の支援を 2 回以上行い、給与開始に備えた。
【飼料用米の給与開始】
2012 年 11 月に飼料米破砕機の試運転を兼ねて、当センターでこれまで泌乳牛への飼料
用米利用に関する研究をした時の破砕粒度に近い状態で、酪農家へ飼料用米を供給するこ
とを決め、確保できた飼料用玄米約 184t の給与をスタートした。確保できた飼料用米を
通年給与することを念頭に、TMR ミキサーを所有する酪農家では 1 日 1 頭あたり約 3.5kg、
分離給与を行う酪農家では 1 日 1 頭あたり 2~3kg の給与量を設定し、1 ヶ月間の慣らし
給与期間を経て、配合飼料と代替し飼料用米の給与を開始した。慣らし給与期間中に、普
及センターと連携し、各酪農家の巡回を 2 回行い、農場主と牛舎内で乳牛や飼料の状況を
確認しながら、スムーズな飼料用米の増給を進めた。研修会や戸別の巡回時に、飼料用米
の給与を開始したら牛達はどう反応するかを説明し、その通りの反応があったので、酪農
家は安心して給与を進めることができ、分離給与の酪農家では飼料用米を摂取させるため
の工夫も進んだ。TMR 給与農家では、乳量に大きな変化はなく、MUN が適正範囲内で低
-95-
下し、摂取蛋白の利用効率が向上していることが確認できた。分離給与農家では、配合飼
料との粒径の違い等により、給与開始当初には想定通り飼槽に飼料用米が残った。分離給
与を行う A 農場では、ペレット&フレークタイプの配合飼料をマッシュタイプの飼料に変
更し、給餌カートの中で飼料用米と配合飼料を飼料スコップで混合後に給与し、配合飼料
価格の低減と併せて、飼槽に飼料用米が残る状況を改善した。分離給与を行う B 農家では、
嗜好性の良いコーンサイレージにトップドレスする方法で,給与した飼料用米を全量摂取
させていた。
【飼料用米の供給体制】
組合は、JA 北魚沼と協議し、飼料用米の破砕作業、飼料用米の配送を JA 北魚沼に担っ
てもらい、飼料用米利用にかかる各酪農家の作業負担が増えることなく利用出来る体制を
整えており、このことが飼料用米を継続して利用する上で大きな意味を持っていると筆者
は考えている。また、飼料用米の品質保持の観点から、酪農家には 1 ヶ月に 2 回配送する
ことにし、雨や雪により破砕済みの飼料用米が濡れないように細心の注意を払い供給を行
った。また、夏季には、破砕済みの飼料用米の脂質酸化が進むことも想定されたので、飼
料用米の状況を確認しながら配送を 1 ヶ月に 3 回にすることも検討していたが、その必要
はなかった。
飼料用米の給与開始以後も、定期的に各酪農家を巡回し、飼料分析結果、生乳の成分組
成、牛群検定成績等を含めて状況を確認し、安定した状態で給与を継続できた。2013 年の
秋には、飼料用米の確保量も増加し、分離給与を行っていた酪農家 2 戸も TMR ミキサー
を導入し、飼料用米をフル活用する給与となった。具体的には、TMR 中に飼料用米を 20
~30%混合して給与を行っている。配合飼料もトウモロコシや大麦の混合割合を少なくし
CP 含量の高い飼料用米専用のものに変更している農場もある。
【おわりに】
各酪農家は、飼料用米以外にも自給粗飼料や地域で発生する飼料資源も活用しており、
大きく飼料コストを低減している事例であり、新潟県にとどまらず各地に波及することを
期待している。
-96-
飼料用米を混合した配合飼料製造と飼料用イネ利用の取り組み
-大内山酪農農業協同組合(三重県度会郡大紀町)-
三重県畜産研究所
山本泰也
本情報交換会では、輸入飼料主体の酪農経営から自給飼料を主体とする資源循環型酪農
経営に転化させ、生乳生産基盤の継続的確保を図ることを目的として、牛乳製造プラント
を有する酪農協が主導して始めた飼料用イネ(飼料用米およびイネホールクロップサイレ
ージ(イネ WCS))を基軸とした資源循環の取り組みについて紹介する。
1.三重県における飼料用イネ生産の概要
三重県の飼料用米および WCS 用イネの栽培面積を図 1 に示した。栽培面積はともに年々
増加しており、平成 26 年(経営所得安定対策における水田活用の直接支払交付金の計画面
積)では、飼料用米は約 700ha、WCS 用イネは約 210ha となる見込みである。
平成 26 年の飼料用米の流通形態は、全農全国流通スキームによる流通と地域流通の面
積比はほぼ半分ずつとなっている(図 2)。また、平成 25 年における WCS 用イネの品種構
成は図 3 に示すとおりで、専用品種の利用が約 9 割を占めている。
800
(ha)
553
飼料用米
434
413
500
400
300
100
全農流通
地域流通
600
500
400
(ha)
700
WCS用イネ
600
200
800
698
700
131
163
300
211
181
172
200
82
100
0
H22年
H23年
H24年
H25年
0
H26年
H23年
26年は経営所得安定対策における水田活用の直接支払交付金の計画面積
(H26.7.31現在)
図1 三重県の WCS 用イネおよび飼料用米
の栽培面積
なつあおば
1.4%
夢あおば
4.5%
H24年
H25年
H26年
三重県農林水産部畜産課調べ(H26.8.28現在)
図2 三重県の飼料用米の流通形態別面積
食用品種
12.2%
タチアオバ
29.1%
リーフスター
7.2%
たちすずか
8.4%
ホシアオバ
15.3%
モミロマン
21.8%
注)食用米は、コシヒカリ、みえのゆめ、みえのえみが作付
三重県中央農業改良普及センター調べ
図3 三重県における WCS 用イネの品種構成(H25)
-97-
2.大内山酪農農業協同組合の概要および取り組みの経緯
16市町 32戸
大内山酪農農業協同組合(以下、大内山酪農協)
は、三重県南部の度会郡大紀町に本所を置き、牛乳・
いなべ市
2戸
乳製品製造プラントを有し組合事業と乳業事業を展
菰野町
1戸
いなべ市
東員町 桑名市
菰野町
開する酪農専門農協である。H26.10.1 現在の正組合
四日市市
亀山市
員数は 32 名で三重県下全域に渡り(図 4)、乳牛飼
量は 33,270t(H25 年度)となっている。組合事業と
して、生乳受委託販売事業、指導事業、購買事業等、
また、乳業事業として、処理・加工事業、販売事業
等を行っている。大内山酪農協は昭和 23 年に設立し、
名張市
多気町
多気町
1戸
牛乳・乳製品の売上高は 4,434 百万円となっている。
伊勢市
鳥羽市
志摩市
大台町
大紀町
3戸
大紀町
南伊勢町
鳥羽市
1戸
志摩市
2戸
紀北町
大内山酪農協
尾鷲市
熊野市
は 102tで平成 25 年度総事業高 8,962 百万円のうち
玉城町
伊勢市
1戸
度会町
共同育成センターの開設、工場の改築・拡充、交流
経て現在に至っている。現在の牛乳処理能力(日量)
明和町
1戸 玉城町
1戸
明和町
松阪市
松阪市
4戸
四日市市
1戸
鈴鹿市
6戸
津市
6戸
津市
生産・処理・販売の一貫体制を確立した。その後、
施設の開設等々、その時代の情勢に対応した変遷を
鈴鹿市
伊賀市
養頭数は 4,174 頭(H26.5.1 現在)で、年間生乳生産
木曽崎町
朝日町
川越町
御浜町
熊野市
1戸
御浜町
1戸
紀宝町
図4 大内山酪農協の組合員地区
(H26.10.1 現在)
種類別の売り上げでは牛乳が 71%を占め、次いで乳飲料 12%、低脂肪乳 10%、発酵乳・冷
菓他 7%となっている。大内山酪農協の牛乳・乳製品は、関西、東海圏の生協との取引が
43%を占め、次いで販売店 22%、量販 20%、学乳 15%となっている。なお、生協との産直
事業の取り組みは昭和 50 年から始まっている。製造している牛乳ブランドは販売店、量販、
学乳向けの牛乳は「大内山牛乳」、生協向けの牛乳は「生協牛乳」で、平成 19 年に「大内
山牛乳」を地域団体商標(地域名と商品名を組み合わせた商標)登録している。
平成 23 年に、生協から資源循環型牛乳として生協牛乳のリニューアルが提案され、大内
山酪農協として取り組むように要望があった。このようなリクエストに加え、出荷乳量の
伸び悩みや輸入飼料価格高騰の中、飲用牛乳の消費減退に歯止めがかからず生産コスト分
を販売価格に転嫁できない情勢を鑑みて、飼料用イネ(飼料用米、イネ WCS)の利用に取
り組むこととなった。大内山酪農協では個別にイネ WCS を利用していた酪農家はあるが、
全組合員を対象に飼料用イネの利用を推進するという組合一体となった取り組みという点
で意味のあるものである。
3.取り組みの概要
大内山酪農協では取り組みにあたって、全組合員が飼料用イネを利用することを前提に
した飼料用米およびイネ WCS の流通の仕組みを策定した。図 5 にその供給フローの概略
を示した。組合員 32 戸のうち、生乳が大内山酪農協のプラントを通る組合員 27 戸につい
て、「飼料用米を使用する組合員」、「イネ WCS を使用する組合員」を整理して、飼料用米
とイネ WCS の供給体制を整えている。
-98-
(1)全農全国流通スキームを活用した飼料用米の利用
ギカファーム(1戸)
WCS供給
堆肥供給
大内山酪農イネWCS利用組合(4戸)
(うち2戸は飼料用米混合配合飼料も利用)
堆肥供給
WCS供給
鈴鹿市
桑名市
伊賀市
イネWCS自家生産
給与農家(1戸)
大内山酪農協組合員(21戸)
大内山酪農農業協同組合
購買課
伊勢市
配合飼料工場(碧南市:全国酪農飼料㈱東海工場)
※飼料用玄米を破砕処理後配合飼料へ混合
※配合飼料中の配合率:10%(平成25年12月~)
飼料用玄米
三重県畜産研究所
指導
三重県中央農業改良
普及センター
全農物流㈱低温倉庫
物流
JA伊勢
他 3JA
約204t
指導
全酪連名古屋支所
商流
JA全農西日本米穀販売事業所
JA全農みえ
米穀部米穀課
大内山酪農農業協同組合 酪農部
図5 大内山酪農協の飼料用イネ供給フロー 大内山酪農協では、従来から酪農協銘柄の指定配合飼料を、配合飼料工場(全国酪農飼
料(株)東海工場)に製造委託していたため、飼料用玄米をトウモロコシの一部代替とし
て利用することで、多くの組合員が飼料用米給与に取り組みやすい環境を整えた。現在は
23 戸が、飼料用米を混合した指定配合飼料を利用しており、平成 26 年産(計画段階)で
は、全農全国流通スキームを利用し、地元の JA 伊勢を含めた県内 4JA から約 204t の玄米
を確保し配合飼料工場へ供給している。
飼料用米を混合した指定配合飼料は 4 種類(ペレット&フレークタイプ 3 種類、マッシ
ュ&フレークタイプ 1 種類)で、いずれの種類も配合飼料中の飼料用米配合率は 10%とな
っている(写真 1)。全農スキームを利用しているため、飼料用米の品種は複数に及び主食
用米品種が主流となっている。今後は、この配合率を高めるための玄米の確保とペレット
中の配合比率を高める製造技術が課題となっている。
ペレット&フレークタイプ
マッシュ&フレークタイプ
写真1 飼料用玄米を混合した配合飼料(大内山酪農協指定配合飼料) -99-
(2)地元農業生産法人によるイネ WCS の調製と利用
イネ WCS は、平成 26 年産については 6 戸(TMR 給与 4 戸、分離給与 2 戸)が取り組む
予定をしている。利用酪農家のうち 1 戸はギガファームで、先行して平成 19 年からイネ
WCS を利用している。平成 25 年産については県内 3 ヶ所の土地利用型農業生産法人等の
約 40ha で栽培されたイネ WCS が約 4,000 ロール供給されており今年度も同量程度の供給
が予定されている。また自家での生産利用を行っている酪農家が 1 戸あり、その他の 4 戸
については、平成 26 年産は約 14ha(約 1,400 ロール)について大内山酪農協と地元の土地
利用型農業生産法人(以下、農業法人)とイネ WCS 生産利用に関する契約を締結して利
用する予定である。この農業法人は食用稲・小麦を大規模に栽培しているが、平成 25 年度
に専用収穫機等を導入してイネ WCS の生産を始め、今年度(26 年度)、生産するイネ WCS
は、全量大内山酪農協と契約締結している。今年度栽培している品種は「たちすずか」と
「タチアオバ」であり、サイレージ調製には添加剤を利用して品質確保に努力している。
表 1 には平成 25 年にこの添加剤を利用した三重県下のイネ WCS の成分値および発酵品質
を示した。同生産法人で収穫調製したイネ WCS は、生産法人が所有する現地のストック
ヤードに保管(H26、写真 2)し、大内山酪農協が定期的に酪農家へ配送を行う。
表1 三重県におけるイネ WCS の化学成分値および発酵品質
化学成分値およびTDN(乾物中%)
水分
(%)
CP
63.1
7.6
NDFom デンプン
55.8
13.1
NFC
CA
TDN
24.3
12.2
54.5
pH
4.7
有機酸含量(新鮮物中%)
乳酸
酢酸
酪酸
2.7
1.1
0.1
アンモニア態N
プロピオン酸 (全N中%)
0.0
5.4
V‐スコア
94
CP:粗タンパク質、NDFom:中性デタージェント繊維、NFC:非繊維性炭水化物、CA:粗灰分、TDN:可消化養分総量
平成24~25年に収穫調製したイネWCSのうちイオウ化合物・酵素添加剤を添加したロール48点について三重県中央農業改良普及センターが調査した平均値
品種および収穫機械は同一でない
写真2 農業生産法人のイネ WCS ストックヤード
4.酪農家の取り組み例
飼料用米混合配合飼料とイネ WCS を給与している酪農家(H 牧場)の一例を示す。H
牧場は搾乳牛 75 頭をフリーストールでの TMR 一群給与により飼養している。配合飼料は
平成 23 年 11 月から使用を始め、マッシュ&フレークタイプとペレット&フレークタイプ
を併用している。1 頭当たりの配合飼料給与量は約 10~11kg/日である。イネ WCS は H23
年 12 月から給与を始め 3 年になり、毎年 12 月から翌年の 8 月頃までの給与期間となる。1
日に 1 ロール使用するようにしており、1 頭当たりのイネ WCS 給与量は約 4kg/日である。
-100-
図 6 に H 牧場の乳量および乳成分の推移をまとめた。これらの飼料用イネを給与すること
による産乳成績への影響は認められない。酪農家はイネ科乾草の代替としてイネ WCS を
利用しているが、イネ WCS に対して「採食性が良く安定した乳生産が期待できる」とい
35
イネWCS給与
イネWCS給与
イネWCS給与
日乳量(kg/日・頭)
30
25
20
15
飼料用米混合配合飼料給与
10
0
写真3 飼料用イネ活用 TMR 給与(H 牧場)
H23.10
11
12
H24.1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
H25.1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
H26.1
2
3
4
5
6
7
8
9
5
図6 H 牧場の 1 頭当り日乳量の推移
う総じて良
好な感触を得ている。
5.今後の課題等
大内山酪農協の取り組みは 3 年目を迎え一定の成果とともに、新たな課題も浮き彫りに
なってきた。大内山酪農協が考える今後の課題等について以下のとおりまとめる。この取
り組みは現時点ではその規模も大きくはない。しかし、酪農生産基盤の小さい県や地域で
資源循環型酪農に取り組む場合の一事例としてご理解いただければ幸いである。
(1)飼料用米
現在の全農スキームを活用した飼料用米の配合飼料利用は、多くの酪農家で飼料用米を
利用するという意味では効果はあるものの、配合飼料価格の低減効果が低いことが課題で
ある。可能な限り地元で飼料用米を確保し、コストを抑えて配合飼料工場に搬入する方策
も検討している。さらに、取り組み当初ということで酪農協が主導してこのような流通形
態を試みたが、今後は地域性も考慮し、耕種農家と連携し相対取引により個人や共同で利
用しコスト低減を図るモデル的な取り組みも想定される。配合飼料に一定の飼料用米を混
合していく場合、年により施策内容に栽培面積が左右されないことが重要であるが、原料
(玄米)の確保が将来に渡って不透明な部分も多く、助成措置や面積確保について行政へ
要望を働きかけるとともに、配合率を上げる場合の配合飼料の製造技術が課題となってい
る。
(2)イネ WCS
大内山酪農協にイネ WCS を供給する農業法人は今年度から本格的にイネ WCS の生産に
取り組んだ。今後は農業法人の経営強化も含めて面積拡大も視野に入れた諸課題(栽培方
法、品種、作期分散、品質確保等)について、農業改良普及センターを中心に支援を行う
必要がある。また、新しい WCS 用イネ品種の導入や面積増加により、既に給与している
-101-
酪農家ではさらなる増給について検討するとともに、新たな利用酪農家の推進を図り、大
内山酪農協として利用の裾野の拡大を図る必要がある。利用拡大においては、飼養規模の
小さい分離給与農家でのハンドリングを含めた有効な活用方法を提示することが重要であ
る。
(3)取り組みの消費者に向けた PR
「資源循環の取り組みにより生産された牛乳」を大内山酪農協の乳製品で PR できるよ
う検討を行っており、そのためには、大内山酪農協としてこのような資源循環型酪農の取
り組みを実践していることを様々な機会を通じて発信するとともにその取り組み内容を充
実、拡大する必要がある。
(4)資源循環
「資源循環型牛乳」の取り組みの推進にあたっては堆肥の水田還元が大きな柱となる。
イネ WCS においては、給与酪農家の堆肥が WCS 用イネ栽培水田に還元されるため問題は
ないが、JA が飼料用米を集荷する全農スキームでは、全ての飼料用米栽培水田に堆肥を還
元することが困難な場面が多い。そのため堆肥の還元については JA を窓口に行う調整を
しているが、今後、JA として堆肥を受け入れる仕組みづくりとともに必要なハード整備等
も求められる。
(5)研究に対する要望
相対取引を想定した粉砕玄米の保管技術および乳牛への給与においてトウモロコシや
麦の代替として給与限界の解明。そして、実際に現場レベルでの問題のない技術の提示が
研究側に要望されている。
-102-
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115.8
13.1
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-118-
平成26年度
飼料用イネ・TMRセンターに関する情報交換会
資料
編集・発行
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
企画管理部 那須企画管理室 連絡調整チーム
Tel.0287-37-7005 Fax.0287-36-6629
〒329-2793 栃木県那須塩原市千本松 768 番地
発
印
平成 26 年 12 月 1 日
株式会社 近代工房
行
刷
日
所
Tel.0287-29-2223
本冊子より転載・複製する場合は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の許可
を得て下さい。
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