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「ハラスメント」について

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「ハラスメント」について
「ハラスメント」について
平成27年8月に成立した女性活躍推進法に基づき、県が平成28年3月に策定した
「大分県女性職員活躍推進行動計画」において、県教育委員会は、ワーク・ライフ・バ
ランスの更なる推進のため、「男女を問わず子育てと仕事の両立が可能な環境づくり」
と「働きやすい職場環境づくり」を掲げています。
このうち、「働きやすい職場環境づくり」に関しては、ハラスメントの防止に向けた
取組を実施することとしています。
ハラスメントは、相手に不快感を与える行為であり、人としての尊厳を傷つける人権
問題のひとつです。
職場においては、円滑で快適な人間関係の構築を困難にし勤務環境を悪化させ、その
結果、職員のモチベーション、能率の低下などをまねき、職場としての十分なパフォー
マンスを発揮できないこととなります。
ハラスメントは、女性だけでなく男性も含めた全職員が、被害者及び加害者になる可
能性があります。被害を未然に防ぐためには、他人の人権に十分配慮して行動できる一
人ひとりの人権意識が重要です。
以下に、代表的な3つのハラスメント(セクシュアル・ハラスメント、マタニティ・
ハラスメント、パワー・ハラスメント)を紹介します。
<セクシュアル・ハラスメント>
セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)とは、県教育委員会が定める防止要綱では、
「他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場
外における性的な言動」と規定しています。
性的な言動には個人による受け止め方が異なるため、セクハラかどうかの判断が難しい
という指摘もありますが、そもそも相手の気持ちを考えずに「この程度なら大丈夫」とい
う安易な考え方が問題です。
セクハラ問題はもともと「相手の嫌がること、嫌がりそうなことをしない」というシン
プルなマナーの問題です。興味本位にアウト、セーフというような「べからず集」をつく
るのは、問題の本質を見誤るおそれがあります。相手の心の中を思いやるセンスを磨くこ
とが、セクハラ対策の第一歩です。
【懲戒処分基準】
第五
その他
第四以外においても、法令、条例等に違反した信用失墜行為等は第四に準じた懲戒
処分等を行うものとする。
- 40 -
<参考>
・
「大分県教育委員会職員ハラスメント防止要綱」(H21.1.1 改訂)
・
「大分県立学校職員ハラスメント防止要綱」(H21.1.1 改訂)
上記2要綱中
第6
懲戒処分
ハラスメントの態様等によっては信用失墜行為又は全体の奉仕者としてふ
さわしくない行為等に該当するものとして懲戒処分に付されることがある。
【関係法規】
男女雇用機会均等法
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第11条
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働
者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言
動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談
に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を
講じなければならない。
【チェックしてみよう】
□ 親しさを込めた言動でも、相手を不快にすることがあると認識しているか。
□ 不快か否かなどを自分の尺度で考えていないか。
□ 相手が嫌がっているにもかかわらず、同じ言動を繰り返して行っていないか。
□ 日頃から相手の人格を尊重しようと努力しているか。
□ 相手を性的な関心の対象として見てはいないか。
□ セクハラであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと
を認識しているか。
□ セクハラを見聞きしたときに、注意を促したり、声をかけて相談に乗るなど必要な
行動をとることができるか。
□ 「男のくせに」「女らしく」など固定的な性差概念(ジェンダー)に基づいた差別意
識を持っていないか。
【性的な言動とは(代表例)】
(1)性的な内容の発言
・スリーサイズなど身体的特徴を話題にする。
・卑わいな冗談を交わす。
・個人的な体験談や性生活について質問する。
・執拗に食事やデートに誘う。
・性的な噂をたてたり、性的なからかいの対象とする。
・
「男の子、女の子」
、「僕、坊や、お嬢さん」や「おじさん、おばさん」などと
- 41 -
人格を認めないような呼称を用いる。
・
「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」などと性的な差別意
識等に基づく発言をする。
(2)性的な行動
・身体を執拗に眺め回したり、不必要に触わる。
・性的な内容の電話をかけたり、手紙やメールを送る。
・カラオケでのデュエットを強要する。
・酒席で、上司の側に座らせたり、お酌やダンス等を強要する。
【セクハラにあった場合には】
まずは、毅然とした態度をとり、自分が不快に感じていることを相手に対して明確
に意思表示することが望ましいですが、それが困難で解決しない場合には、一人で悩
まずに相談員(教育人事課)や信頼できる上司、同僚に相談しましょう。
【相談窓口】
教育庁教育人事課
相談員:人事管理監(内線5515)
<マタニティ・ハラスメント>
セクハラ以外にも、職場で起こり得るハラスメントとして、妊娠した女性に対する
マタニティ・ハラスメント(マタハラ)が近年問題とされています。
一般的にマタハラとは、働く女性が妊娠・出産を理由として解雇や雇い止めをされ
るなどの不利益な取扱いや、職場で受ける精神的・身体的なハラスメントのことを指
します。
このうち、職場で受ける精神的・身体的なハラスメントは、上司や同僚からの心無
い発言や配慮に欠けた行動などによるものです。これは、妊娠中の女性職員に不快感
を与え、人格や尊厳を傷つけるだけでなく、精神的なストレスや身体的な負担は、母
子の健康にも影響を与えかねないものです。
妊娠に伴う諸症状には個人差があります。妊娠中の女性職員が安心して勤務し出産
に臨むためには、周りの職員の正しい理解と温かいサポートが不可欠です。
<パワー・ハラスメント>
パワー・ハラスメント(パワハラ)とは、教育委員会が定める防止要綱には「職務上の
権限や地位等を背景にしたいじめ・嫌がらせ・強制等の継続的に他の職員の人格や尊厳を
傷つけるような言動」としています。
パワハラは、相手の人権を侵害し、人としての尊厳を損なうものです。長く続けば、被
害者の心身に異常が出ることにもなり事態を深刻なものにします。
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また、パワハラを放置すれば、職員を萎縮させ職場全体のモチベーションを低下させる
ことになり、創意工夫や建設的な意見の芽をつみとることにもつながります。
組織の上に立つものは、組織を統率するため、部下の指導を行い、時には叱責すること
もあるでしょう。その叱責も日頃の人間関係が良好で、信頼関係が築けていれば立派な助
言となるはずです。
パワハラになる・ならないは、お互いの置かれた状況や人間関係のあり方によって大き
く違ってきます。普段から上司も部下もお互いにコミュニケーションを大切にし、職場
全体で、職員一人ひとりがパワハラになり得る言動を認識し、パワハラが生じないよう、
皆で取り組むことが必要です。
【懲戒処分基準】
第五
その他
第四以外においても、法令、条例等に違反した信用失墜行為等は第四に準じた懲戒
処分等を行うものとする。
<参考>
・
「大分県教育委員会職員ハラスメント防止要綱」(H21.1.1 改訂)
・
「大分県立学校職員ハラスメント防止要綱」(H21.1.1 改訂)
上記2要綱中
第6
懲戒処分
ハラスメントの態様等によっては信用失墜行為又は全体の奉仕者としてふ
さわしくない行為等に該当するものとして懲戒処分に付されることがある。
【関係法規】
パワハラという言葉を使い、これを直接禁じた法律はありませんが、これまでのパワ
ハラに関連する裁判ではその内容により、民法、刑法及び労働基準法などを根拠として
侵害賠償や刑事責任が認められています。
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【チェックしてみよう】
●上司の立場から
□ 人前で部下をよく説教する
□ 人前で部下の趣味や性格について話す
□ 部下の発言を無視することがある
□ 部下から相談しにくい上司と思われていると感じる
□ 仕事に関係ない個人的なことを頼むことがある
□ 個人的な感情を業務に持ち込む
□ 部下に対する好き嫌いが激しい
●部下の立場から
□ 上司から無視されていることを感じる
□ 職場には自由に意見を言える雰囲気がない
□ 明らかに達成が困難な業績を求められている
□ 上司から屈辱的な言葉を浴びせられることがある
□ 重要な仕事をやらせてもらえない
□ 職場に行きたくないと思うことがある
□ 心理的にきついと思うことがしばしばある
【パワハラかどうかの判断基準は?】
セクハラは相手が不快に感じるかどうかが判断基準となりますが、パワハラは相手
が精神的苦痛を覚えればすべてパワハラかといえば、必ずしもそうとは言えません。
叱責を受ければ誰でも苦痛に感じることは当たり前ですし、ある言動がパワハラにな
るかならないかは、お互いの人間関係、信頼関係の状況、コミュニケーションのとり
方などで違ってきます。また、違法行為を強要すれば1回でもパワハラになりますが、
不適切な言動などは、その内容と頻度により判断が分かれます。つまり、言動の性質
や頻度、受け手の感じ方を総合的に勘案する必要があります。
判断のキーワードは「職権などのパワー」「本来業務の範囲を超えて」「継続的」の
3つです。
(1)職権などのパワー
パワハラの多くは上司から部下に対して行われます。上司は、職務命令、人事評価、
異動、昇任などに関与する職権の「パワー」を持っています。
※上記の他、集団が個人を攻撃する「パワー」(いわゆる集団いじめ)、情報や専
門スキルを持つ者が持たない者に対する「パワー」もあります。
(2)本来の業務の範囲を越えている
(例)・上司又は組織から、法を犯す行為を強要される。
・達成不可能な業績を求める。
・個人攻撃(ライフスタイル、学歴、体型、家族等)とも思える言動を繰り返す。
・注意という名を借りて、被害者の一挙手一投足まであげつらう。
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(3)継続的
・多くの場合、数週間から数ヵ月、時には数年にわたって行為が続けられる。
・仕事でミスをし、その場で怒鳴られるだけならパワハラとは言わない。しかし、
その後、毎日言われ続けられたらパワハラになる。
・一度きりの行為であっても、悪意を持って受け手側に致命的なダメージを与える
暴言(差別的な言葉等)や暴力を振るえば、パワハラとなる。
【パワハラとなり得る具体例】
例示すると、次のような言動はパワハラになり得るものです。
(1)身体的暴力
・肩をこづく・足で蹴る・胸ぐらを掴み上げる・殴る・棒でつつく
・頭を叩く・書類や物を投げる・土下座をさせる
など
(2)精神的暴力
・怒鳴る
・長時間叱責する
・「上司のやり方に歯向かう気か」等仕事の進め方を強要する
・「役立たず」、「死んでしまえ」等人格を否定する言葉を使う
・
「おまえの将来はないものと思え」と昇任を妨害する
・仕事を与えない
・家族を非難する
・学歴や性別等で差別する発言をする
・不正行為を強要する
など
(3)無視する
・挨拶及び日常会話をしない
・その人を見ながらヒソヒソ話をする
・書類を渡さない、仕事を与えない
・情報を与えない(メールを出さない、会議に呼ばないなど)
・周囲に無視するように仕向ける
など
【パワハラにあった場合には】
パワハラにあった場合、心穏やかではいられません。専門家は、そんな時、記録を
することを勧めています。自分自身の身に何が起きているか、冷静に客観的に把握す
るためにです。また、パワハラは大きなストレスになりますので、もし心身に変調が
起こったら早めに相談員に相談したり医療機関で受診するようにしてください。
まずは、一人で悩まずに相談員(教育人事課)や信頼できる上司、同僚に相談しまし
ょう。
【相談窓口】
教育庁教育人事課
相談員:人事管理監(内線5515)
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