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家畜衛生週報 - 農林水産省

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家畜衛生週報 - 農林水産省
平成28年 9 月12日印刷発行(毎週月曜日発行)
No. 3419 (Vol. LXVIII No. 36)
(1)
家畜衛生週報
ANIMAL HYGIENE WEEKLY
No.3419 農林水産省消費・安全局 畜水産安全管理課、動物衛生課 2016. 9. 12
・訪日外国人旅行者の急増等に対応するためのCIQ(税関・出入国管理・検疫・動植物検疫)の
緊急増員について………………………………………………………………………………………… 281
・第89回日本豚病研究会・2016年度日本豚病臨床研究会・平成28年度日本養豚開業獣医師協会
第 7 回合同集会のお知らせ……………………………………………………………………………… 282
・口蹄疫等の侵入防止に係る水際防疫との連携(北海道より)…………………………………………… 285
・飼料安全法に基づく収去飼料等の試験結果の公表について(平成28年 6 月)………………………… 287
☆訪日外国人旅行者の急増等に対応するための
動植物検疫所の緊急増員(新規定員 6 名)
CIQ(税関・出入国管理・検疫・動植物検疫)
九州北部のうち特に博多港及び長崎港で、27年実
の緊急増員について
績を大幅に上回る数のクルーズ船が28年に寄港する
(平成28年 9 月 2 日付プレスリリース)
見込みであることに加え、九州南部(鹿児島港)及
び沖縄(那覇港、石垣港及び平良港)への寄港も増
農林水産省は、訪日外国人旅行者の急増に対応す
加していることから、これら各地域での検査対応を
るため、植物防疫所及び動物検疫所の要員を緊急に
適切に行うため、植物防疫所及び動物検疫所で 6 名
増員します。
(各 3 名ずつ)の定員を緊急的に増員。
増員先
概 要
植物防疫所:門司植物防疫所福岡支所、同鹿児島支
観光立国の実現に向け、各種取組が行われる中、
所、那覇植物防疫事務所に各 1 名
平 成27年 の 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 は 過 去 最 高 の 約
動物検疫所:門司支所博多出張所、同鹿児島空港出
1,974万人を記録しましたが、今年に入っても増加
張所、沖縄支所に各 1 名
が続いており、上半期( 1 - 6 月)で前年比約 3 割
(注) 9 月 7 日に行政機関職員定員令の一部を改正
増となっています。
する政令が公布・施行される予定。
これらの状況を受け、CIQ(※)の緊急的な体制
整備を行うこととなり、農林水産省においては、以
下のとおり植物防疫所及び動物検疫所の要員を緊急
に増員することとします。
(※)C IQ:Customs(税関)、Immigration(入国
管理)
、Quarantine(検疫)
- 281 -
(2)
Animal Hygiene Weekly(家畜衛生週報)
No. 3419 2016. 9. 12
【参考資料】動植物検疫の緊急増員(新規増員 6 名)
☆第89回日本豚病研究会・2016年度日本豚病臨
〒104-0031 東京都中央区京橋 2 丁目 4 号
床研究会・平成28年度日本養豚開業獣医師協
会第 7 回合同集会のお知らせ
16番
Tel:03-3273-3436
事務局:日本豚病臨床研究会事務局
日 程
(Meiji Seikaファルマ株式会社内)
Tel:03-3273-3436
開 会 (10:00~10:10)
Fax:03-3271-1460
E-mail:[email protected]
統一テーマ「感染症の撲滅と制御」
(10:10~15:30)
日本豚病研究会、日本豚病臨床研究会、日本養豚
開業獣医師協会は、第 7 回合同集会を開催すること
1 .基調講演
となりました。下記の通り、ご案内申し上げます。
座長:小渕裕子(群馬県東部家畜保健衛生所)
伝染病との付き合い方-国内の豚ウイルス病対策- 記
(10:10~11:10)
農研機構 動物衛生研究所 前所長 日時:平成28年10月14日(金) 10:00~17:00
津田知幸[豚病研]
(受付 9 :15~)
場所:明 治ホールディングス株式会社 本社ビル 地下 1 階講堂
- 282 -
家 畜 衛 生 週 報
2 .感染症の撲滅・制御に向けた取組事例等
平成28年 9 月12日 No. 3419
(3)
③ 養豚場でのサーモグラフィーの活用方法を考え
座長:渡辺一夫((株)ピグレッツ)
る
(16:25~16:45)
呉 克昌((株)バリューファーム・
(有)あかばね動物クリニック コンサルティング)
水上佳大[豚臨研]
① 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスの
最新の情報
(11:10~11:30)
閉 会 (16:45~17:00)
農研機構 動物衛生研究部門 高木道浩[豚病研]
講演要旨
② 畜舎空気中微生物の低減化に対する取り組み
(11:30~11:50)
農研機構 動物衛生研究部門 勝田 賢[豚病研]
統一テーマ「感染症の撲滅と制御」
③ 投薬・早期離乳による豚胸膜肺炎の清浄化事例 (11:50~12:10)
(有)サミットベテリナリーサービス 1 .基調講演
伝染病との付き合い方-国内の豚ウイルス病対策-
石川弘道[JASV]
[昼休み(豚病研究会 幹事会)12:10~14:00]
農研機構 動物衛生研究所 前所長 津田知幸
家畜の感染症には口蹄疫のように国内の産業や社
会活動に壊滅的な打撃を与えるものから、PRRSの
④ Actinobacillus pleuropneumoniae(APP)清浄
化に向けた検査プロトコルの検討
ように農場生産性を低下させるようなものまで様々
である。国際貿易に影響するような伝染病に対して
(14:00~14:20)
エス・エム・シー(株) 小池郁子[JASV]
⑤ PED清浄化対策により同時改善したPRDC事例 (14:20~14:40)
グローバルピッグファーム(株) 井上貴幸[豚臨研]
⑥ P EDの再発を繰返す二つの養豚団地での獣医
療チームの取り組み
は、国としての清浄性を維持するための防疫措置が
法律によって定められている。一方で、地域や農場
の衛生水準を高く維持するためには、個々の単位で
防疫や対策が実施される。感染症対策は畜産業の発
展や安全な畜産物の安定供給に不可欠で、感染症の
特性や現場の状況に応じた戦略が必要である。特に
ウイルス感染症はウイルスの宿主域や感染部位、感
染様式、伝播経路などが多様で対策も一様ではな
(14:40~15:00)
(有)あかばね動物クリニック 伊藤 貢[豚臨研]
い。ここでは、近年問題となっている豚ウイルス病
について、防疫戦略と衛生対策の要点について考察
する。
3 .総合討論 (15:00~15:30)
2 .感染症の撲滅・制御に向けた取組事例等
[休憩 15:30~15:45]
① 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスの
一般口演
最新の情報
座長:矢原芳博(日清丸紅飼料(株))
① と畜現場から見た豚丹毒の発生要因と予防対策 農研機構 動物衛生研究部門 高木道浩
PRRSは世界の養豚産業において大きな経済損害
(15:45~16:05)
を与える疾病の一つとして知られている。我が国に
富山県食肉検査所 小松美絵[豚病研]
おいて、PRRSウイルスが初めて分離されてから20
② B ioAsseT(バイオアセット)による農場バイ
オセキュリティ査定の取り組み
年以上が経ち、国内の流行ウイルスにおいては遺伝
的多様性が認められ、農場内での常在化する要因と
(16:05~16:25)
(株)スワイン・エクステンション&
コンサルティング 大竹 聡[JASV]
なっている。本講演では、我が国でのPRRSウイル
スの遺伝学的多様性、最近、異常産を主徴とした事
例、あるいはPRRSの関与による事故率の高い事例
- 283 -
(4)
No. 3419 2016. 9. 12
Animal Hygiene Weekly(家畜衛生週報)
より分離したウイルスについて解析した結果、ま
④ Actinobacillus pleuropneumoniae (APP)清浄
化に向けた検査プロトコルの検討
た、高病原性PRRSウイルスの現在の状況などを紹
介したい。
エス・エム・シー(株) 小池郁子
APPは、PRRSウイルスやPCV 2 が日本に侵入す
② 畜舎空気中微生物の低減化に対する取り組み
る以前から、呼吸器感染症の主要な病原体であり、
農研機構 動物衛生研究部門 勝田 賢
すでに一世代を越え、農場に根付いてしまってい
家畜の感染症は感染動物や汚染媒介物を介して農
る。そして今なお、肺炎・呼吸器系斃死豚の一番の
場に侵入するほか、エアロゾルを介して空気伝播す
原因菌であり続けている。近年、PRRSやPCV 2 の
る可能性もあると考えられている。このため病原体
減少と共にAPPの検出率は減少傾向にあるが、出
を含む可能性がある畜舎空気環境の制御が農場のバ
荷 豚 で のAPP様 病 変、 血 清 抗 体 検 査 結 果 な ど か
イオセキュリティ上重要な要因の一つとなる。養豚
ら、農場単位でみると、重篤な発症は減っているが
では生産コスト削減による国際競争力向上が求めら
農場から完全に排除出来たケースは非常に少ないと
れており、畜舎空気中微生物量低減による病原体の
考えられる。PRRS、MPS等については検査を組み
侵入・蔓延防止を通じた疾病対策は今後不可欠にな
合わせ、科学的な根拠に基づいた方法で、清浄化に
ると考えられる。
取組み、すでに成功している事例も出ている。そこ
現在、動物衛生研究部門では、畜舎空気中微生物
で、弊社でのAPP検出状況の変化を整理しAPP清
低減技術の開発を目指し、農研機構・畜産研究部
浄化に向けたサンプリングプロトコールについて検
門、宇都宮大学、そして釜石電機製作所と共同研究
討を行ったので、その経過を報告する。
を実施している。今回、それらの共同研究において
見えてきた畜舎空気中微生物低減技術の現状と課題
⑤ PED清浄化対策により同時改善したPRDC事
例
について紹介する。
グローバルピッグファーム(株) 井上貴幸
③ 投薬・早期離乳による豚胸膜肺炎の清浄化事例
過去数年に渡り、PRRS・PCV 2 の被害を受けて
(有)サミットベテリナリーサービス 石川弘道
いた母豚約250頭一貫経営農場では、離乳期から両
投薬・早期離乳(Medicated Early Weaning:
ウイルスの発症があり、肥育期には急性肺炎による
MEW)は授乳中の母豚に投薬すると同時に哺乳中
死亡が多発していた。加えて2014年春にはPEDが
の子豚を早期離乳し、隔離した場所で飼育すること
侵入。その後 1 年間に渡って継続的な被害が続いて
で母豚から子豚への病原体の母子感染を防ぎ、特定
いたが、抜本的な対策を見直すことでそれら疾病の
の疾病を清浄化する手法である。MEWはその後、
改善に導くことが出来た。具体的には衛生プログラ
母豚に投薬せず離乳日齢を早めることで母子感染を
ム の 見 直 し、 ピ ッ グ フ ロ ー の 整 理、AI/AOの 計
分 断 す る 分 離 早 期 離 乳(Segregated Early
画、石灰消毒の方法などの対策が功を奏した。現在
Weaning:SEW)へと改良された。一方リン酸チ
は哺乳~出荷までの事故率は9.21%と前年度の半分
ルミコシンを用いたActinobacillus pleuronumoniae
以下に抑えこめている。PRRSVは肥育後半に限
(App)清浄化についてはSmithらが報告しており、
局、PCV 2 は陰性化、PEDも清浄化(場内にウイ
またDuらはリン酸チルミコシンが培養肺胞マクロ
ルスが存在しない状態)が達成継続されている。ま
ファージ内のPRRSウイルスの増殖を抑制すること
た今回の対策は薬品衛生費を前年と比較して50.9%
を報告している。今回チルミコシンを授乳期の母豚
削減するものとなった。
と肥育豚に投薬し、MEWを実践することにより
AppおよびPRRSの清浄化に成功した農場の症例を
⑥ PEDの再発を繰返す二つの養豚団地での獣医
療チームの取り組み
報告する。
(有)あかばね動物クリニック 伊藤 貢
2014年 4 月 に 二 つ の 養 豚 団 地 に 侵 入 し たPED
は、沈静後も再発生を繰り返している。周りの農場
では沈静化しているため、新たな感染源となりうる
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家 畜 衛 生 週 報
危険性を秘めており、再発を抑えるため、獣医師と
平成28年 9 月12日 No. 3419
(5)
を活用した取り組みを紹介する。
生産者の二つの側面からPED再発抑止のアプロー
チをしている。生産者を取り巻く組織を一つにする
3 .養豚場でのサーモグラフィーの活用方法を考え
る
ため、獣医師側は県、家畜保健衛生所、畜産協会、
経済連、農協、開業獣医師の意識と情報の共有を図
(有)あかばね動物クリニック 水上佳大
るため獣医療チームを結成、定期的な集まりをもう
サーモグラフィーは物体から放たれる赤外線を放射
けながら、対応の方向性を検討。生産者側は、現状
量で画像に色分けする装置のことである。機器で映
の正確な把握、情報知識の平準化、両団地の意識統
した画像全体、つまり面の温度を知ることができ
一の二つの面から、 4 回目の冬季シーズンに発生さ
る。広範囲を効率的に測定できるため、異常温度を
せないための対策を進めている。
とらえやすい。以前は極めて高価な機器だったが低
価格化とコンパクト化が進んでいる。しかしなが
一般口演
ら、養豚現場での使用実績は少なく、使用方法は十
分確立されていない。環境のモニタリングに視覚的
1 .と畜場搬入肉豚から検出された豚丹毒菌に関す
る一考察
な説得力があり、有用なツールとして今後養豚農場
での活用が高まると考える。
富山県食肉衛生検査所 小松美絵
平成26年度、管内と畜場で検出された豚丹毒菌42
☆口蹄疫等の侵入防止に係る水際防疫との連携
(北海道より)
株(A~K農場)を用いて、血清型別診断、ワクチ
ン株特異的PCR法、豚丹毒ワクチン接種状況調査を
実施し、これらの農場における豚丹毒の発生要因と
北海道では、アジア地域を中心とした定期航路の
予防対策について考察した。血清型 2 型菌のみが分
増加により、豊かな自然環境や安全で安心な食材を
離されたA農場での発生は、ワクチンの未接種が原
求めて多数の外国人観光客が訪れます。また、道民
因と考えられたため、その対策により発生は終息し
もこういった路線を利用し、これまで以上に海外に
た。生ワクチンを使用した農場において接種肉豚か
行く機会が増えています。さらに、畜産農家では労
らワクチン株が検出されたが、その発生割合はワク
働者不足から外国人技能研修生の受け入れも増加傾
チン未接種A農場の約40分の 1 であり、また不活化
向にあり、人や物の動きがグローバル化している状
ワクチンのみの接種農場では発生がなかった。豚丹
況にあります。
毒発生農場は、と畜検査で「著変なし」の肉豚割合
しかしながら、その一方で我が国を取り巻く周辺
が平均より低く、衛生状態の向上で豚丹毒の発生を
諸国においては、口蹄疫や高病原性鳥インフルエン
抑制できると推測された。
ザが継続的に発生している状況であり、海外からの
人や物の動きが盛んになることにより、これらの家
2 .BioAsseT(バイオアセット)による農場バイ
オセキュリティ査定の取り組み
畜伝染病が道内に侵入するリスクも高まっていま
す。
(株)スワイン・エクステンション&
そこで道では、農林水産省動物検疫所北海道出張
コンサルティング 大竹 聡
所や道内農業関係団体と連携した水際対策の強化を
バイオセキュリティは、養豚生産農場における重
図っていますので、その概要をご紹介します。
要な衛生疾病対策の一つである。科学的根拠に基づ
き客観的な視点でバイオセキュリティを評価するこ
1 空港における啓発活動
とが、各農場およびその地域全体の衛生レベルを改
国際線では、農林水産省動物検疫所北海道出張所
善するためには必須である。P-JET(PRRS撲滅推
(以下、動検)が出国時に畜産物等の我が国への持
進チームJAPAN)は、各農場におけるバイオセ
ち込みに関する啓発や入国時の手荷物等の検査を実
キュリティのレベルを詳細に数値化・分析し客観的
施しています。平成27年度からは、観光等で出入国
に査定できるシステムとしてBioAsseT(バイオア
者が増加する春節期、ゴールデンウィーク、夏休み
セット)を開発した。本発表では、そのBioAsseT
などに、新千歳空港国際線ターミナルにおいて、出
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(6)
No. 3419 2016. 9. 12
Animal Hygiene Weekly(家畜衛生週報)
入国者を対象に動検職員と道の家畜保健衛生所職員
からは実際に持ち込まれた事例等の紹介を行い(写
等が合同で啓発活動を実施しています(写真 1 )。
真 3 )、道からは、農場に入る際の飼養衛生管理基
また、国内線では、到着口(手荷物カウンター
準の遵守(写真 4 )など受入側が事前にルール作り
等)での消毒マットの設置や啓発用のポスターを掲
をし、研修生に周知するよう促しています。平成26
示するとともに(写真 2 )、平成22年度以降は、新
年度は、道内 3 か所(札幌市、帯広市、北見市)、
千歳空港のみならず、全道12すべての空港において
平成27年度は、 1 か所(札幌市)で開催しました。
農業団体や自衛防疫組織が空港管理事務所に委託し
て消毒マットの設置等を実施しています。
写真3 外国人技能研修生受け入れ監理団体向け研修
会資料(動検)
写真1 新千歳空港国際線ターミナルにおける啓発活
動(平成 28 年 7 月 28 日)
写真2 帯広空港国内線到着口の消毒マット
2 外国人技能研修生受入監理団体への啓発
北海道では、年間に約1,800人の農業技能研修生
を受け入れていますが、その多くが中国やベトナム
などの口蹄疫等の発生国の出身者であり、空港での
手荷物検査でも研修生による畜産物の持ち込み事例
が見られています。このようなことから、農業団体
写真4 飼養衛生管理基準遵守に関する多言語リーフ
レットの一例
が設置する「北海道外国人農業技能実習受入組織協
議会(事務局:北海道農業協同組合中央会)
」と道
3 留学生を受け入れている大学等への啓発
の共催で外国人の受け入れ監理団体(農業協同組
北海道では、大学や専門学校等に年間約3,000人
合、事業協同組合)を対象に研修会を開催し、動検
近い留学生を受け入れています。これら留学生に対
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家 畜 衛 生 週 報
平成28年 9 月12日 No. 3419
(7)
しても啓発する必要があることから、道と動検職員
制を確立するため、道では常設の組織の設置を農業
が北海道大学、帯広畜産大学、酪農学園大学の担当
団体に働きかけてきました。その結果、平成28年 7
者との意見交換を行うとともに「北海道留学生交流
月に、北海道農業協同組合中央会、ホクレン農業協
推進協議会(事務局:北海道大学、加入者:41機
同組合連合会、北海道チクレン農業協同組合連合
関・団体)
」が毎年実施する研修会に出席し、家畜
会、北海道酪農畜産協会、北海道獣医師会、北海道
防疫上の注意点の説明や協議会加入者に対し、口蹄
家畜畜産物衛生指導協会、北海道農業共済組合連合
疫等防疫対策強化に係る通知文を発出しています。
会の 7 団体で構成される「北海道海外悪性伝染病防
大学の取組の一例ですが、帯広畜産大学では、海
疫対策連絡協議会」が設立されました。なお、道及
外から病原体を持ち帰らないようにするため、大学
び北海道動物器薬協会はオブザーバーとして参加し
職員や学生が守るべき行動指針等を定めており、入
ています。協議会では、海外悪性伝染病に関する啓
学者へのオリエンテーションやホームページ
発や悪性伝染病発生時に備えた防疫作業従事者の登
(http://www.obihiro.ac.jp/~fcasa/boeki_kiroku.
録などを行うこととしています。
html)を通じて啓発しています。
北海道は我が国の一大畜産地域であり、海外から
4 北海道海外悪性伝染病防疫対策連絡協議会の設
悪性伝染病の侵入防止を徹底するためには、国が実
立
施する水際防疫と、道、農業団体が生産農場に対し
これまで口蹄疫等が発生した有事の際には、農業
て行う侵入防止対策が連携し、それぞれの立場の人
団体においては対策本部や連絡会議を設置していま
間が同じ目線に立って取り組んでいくことが重要で
したが、近隣諸国での口蹄疫等の発生が継続してお
あり、今後も連携強化を図っていく考えです。
り、本道への侵入のリスクが高まっていることか
ら、平時から侵入防止と万が一発生した際の協力体
☆飼料安全法に基づく収去飼料等の試験結果の公表について(平成28年 6 月)
1 .実施期間 平成28年 6 月
2 .立入検査件数
立入検査場所
立入検査箇所数
違反が
認められた箇所数
指導基準を
超過した箇所数
管理基準を
超過した箇所数
配合飼料工場
18
0
0
0
単数飼料工場
31
0
0
0
飼料添加物工場
3
0
0
0
港湾サイロ
4
0
0
0
倉庫
2
0
0
0
その他
5
0
0
0
3 .飼料等の試験結果
飼料等の区分
試験点数
違反が
認められた点数
指導基準を
超過した点数
管理基準を
超過した点数
配混合飼料
44
0
0
0
単体飼料
32
0
0
0
乾牧草
4
0
0
0
飼料添加物
1
0
0
0
- 287 -
(8)
Animal Hygiene Weekly(家畜衛生週報)
No. 3419 2016. 9. 12
4 .成分規格等省令等違反の概要(指導基準(※ 1 )超過を含む)
違反の種類
製造業者等の名称
飼料の種類
違反内容
備 考
該当なし
-
-
-
-
(※ 1 )当該基準を超えた飼料については、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号。
以下「法」という。第23条第 1 号に掲げる飼料に該当。
5 .管理基準(※ 2 )超過の概要
基準値を超過した成分
(飼料の種類)
基準値を超過した点数
備考
該当なし
0
-
(※ 2 )管理基準は、工程管理の目安として示された基準であり、基準を超過した場合であっても、直ちに家畜や畜
産物を介した人に対する健康被害などの安全上の問題が生じることを示すものではありません。超過の程度
により有害畜産物が生産される等のおそれがある場合は、その旨備考欄に記載します。
皆さんは中小企業等経営強化法をご
策が展開されていますが、これらは、獣医事、動物
存じですか。今年の 7 月より施行と
薬事等の関連産業の発展と車の両輪のような関係に
なった法律で、中小企業・小規模事業者等を対象と
あると考えられます。今回ご紹介した経営力向上計
して、事業分野ごとの担当省庁より経営力向上計画
画の認定についても、良質なサービスを提供する事
の認定を受けることができれば、固定資産税の軽減
業者の方が増加し、結果として生産者や消費者の
等の支援を受けられるというものです。一見、消
方々がその恩恵を受けられるよう、申請窓口である
費・安全行政に縁遠いように思われますが、例え
地方農政局等と連携し、業務を進めていきたいと考
ば、飼育動物の診療施設や動物用医療機械器具製造
えています。
通 信
業等からの申請については、申請窓口である地方農
政局等から必要に応じ当課に技術的な照会がなされ
ます。既に各地より申請が上がってきており、内容
について詳しく言及はできませんが、いずれも創意
工夫により経営の効率を高めていこうという強い意
毎週月曜日発行
家 畜 衛 生 週 報
編集・発行:農林水産省消費・安全局
畜水産安全管理課、動物衛生課
☎ 03(3502)8111 内線 4581
気込みが伝わってきます。
現在、我が国畜産の競争力強化に向け、様々な施
- 288 -
〒 100 − 8950 東京都千代田区霞が関 1 − 2 − 1
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