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11月01日号

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11月01日号
アハバ-ル・カシオン
★★
11 月・12 月の予定
★★
● 活動報告
製造現場(ダマスカス市内)その1
【事務所休日】
11 月 2(水)・3 日(木)ラマダン明け休暇(予定)
11 月 23 日(水)勤労感謝の日
12 月 25 日(日)クリスマス
12 月 29 日(木)年末休暇
【事務所行事等】
11 月 10 日(木)セクター報告会、専門家報告会
11 月 11 日(金)LEBA-JICA 交流会
11 月 17 日(木)国際協力勉強会、ボランティア
活動報告会
11 月 18 日(金)日本人会運動会 於ファイハ
ー競技場
11 月 24 日(木)第 8 回日本語スピーチコンテ
スト 於ダマスカス大学
12 月 8 日(木)セクター報告会、専門家報告会
12 月 22 日(木)国際協力勉強会、ボランティア
活動報告会
【調査団等】
11 月 12 日∼12 月 3 日 ダマスカス新規水源
開発フェーズⅡ基本設計調査団
【専門家・ボランティアの動き】
【帰国】お疲れ様でした。
12 月 1 日 石崎 進専門家
12 月5日 林 芳哉 JOCV 吉田
愛 JOCV
【着任】よろしくお願いします。
11 月 30 日 JOCV6 名
大森裕也 菊池広祐 小橋啓司
横山圭介 小島瑞生 吉見智子
11 月 14 日(予定)
河原あゆみ(フィールド調整員 CBR)
【出張】
11 月 8∼9 日
TV 会議)
瀧本薫専門家(ヨルダン CBR
【健康管理旅行】
10 月 10 日∼11 月7日 瀧本薫専門家
10 月 21 日∼11 月 24 日 藤谷 韶久 SV
11 月 3 日∼12 月 16 日 富岡澄雄 SV
UNRWA
専門は「もの作り」
私の勤務する UNRWADTC(Damascus
Training Center)は国連がパレス
チナ難民の子弟ための技能訓練学
校として 1961 年に設立されました。
中学校卒業の学生が学ぶ Trade コ
ース、高校卒業学生が学ぶ Semi
-professional コースの 2 種類があ
り、およそ 900 人強の生徒が学ん
でいます。このコースや教育内容
は設立以来、若干の改変はありま
したが、時代にマッチした対応が
ほとんど行われていません。私の
専門は機械加工、広くは もの作
り で、シリアのもの作り技術の
現状がどの程度なのか知る必要が
あります。活動計画書の最初の活
動項目は、市場調査を据えました。
実はこの学校にはマーケットの技
術レベルに関するデータベースが
皆無で、もしあるとしても個人の
中にしまい込まれ、活用どころか
表にも出ません。本校は技能訓練
校ですので、生徒が就職できるた
めには、市場が要求する技能を生
徒が取得したかどうかに依存しま
す。したがって、市場要求技術に
対応できるように教育内容に改変
する必要があります。市場を川下
としたら学校は川上に相当します。
重要な川下に応じて川上を変える
行動は自動制御工学という学問の
中で フィードバック をかける
ことに相当します。
【休暇一時帰国】
10 月 7 日∼11 月 21 日
西川洋昭専門家
【専門家・ボランティアの動き】
【帰国】お疲れ様でした。
11 月 14 日
JICA シリア事務所
2005年11月 1 日
第91号
小原修三調整員
カウンターパートの Yateem 氏(中央)
カウンターパートの Yateem 氏(中央)
これをしないと、川上が教育の
目的からはずれ、存在意義が消失
-1-
天田 重庚(SV)
ダマスカストレーニングセンター
する恐れがあるからです。
そこで、カウンターパートの
Yateem 氏に働きかけ、関連のコー
スのインストラクターと一緒に企
業調査を開始しました。私として
は、シリアのもの作り技術を知る
ことのできる最初のチャンスなの
で、胸がわくわくでした。
ついに製造メーカー初訪問
6月中旬、最初に訪問したのが
Madar というアルミの窓枠製造
メーカです。フランスの TECHNAL
という会社の技術を導入し、資本
金は$5Million、従業員数は 1,500
人です。シリア全土の需要はカバ
ーし、さらに近隣諸国にも輸出し
ているそうです。アルミサッシは
押し出し加工と呼ばれる方法で製
造されますが、これはところてん
と同一です。金網に相当するのが
押し出し法でダイと呼び、押し出
す材料をビレット、アルミの場合、
ビレットは融点、700℃以下の 500
前後に加熱されます。このような
加工は金属の特殊な性質である
塑性 を利用した技術で、塑性
加工という広い部類に入ります。
プラスチックは塑性を持ちません
ので、残念ながら押し出し加工は
応用できません。使用していた押
し出し加工機械で、長さが 25mほ
どの押し出し材を製造していまし
た。残念ながら、訪問時には稼動
しておらず、担当者からの機械の
能力を聞きだすことはできません
でした。機械のレベルは押し出さ
れる製品の速度で評価され、日本
では 1 秒間に 10−20mくらいは到
達しています。
さて、製品の品質レベルはダイ
と呼ばれる金型が左右します。ア
ルミサッシの断面は結構複雑なの
で、この形状を性格に鋼鉄製の材
料にあける必要があります。先ず、
ダイの外形を鋼鉄素材から刃物で
削って作ります。このとき威力を
発揮するのが CNC マシンです。
CNC(Computer Numerical Control)
とは計算機によって旋盤や、フラ
イス盤等を駆動させるもので、正
直いってシリアでお目にかかれる
と思っていませんでした。CNC は日
本のファナック(FANUC)という会
社が開発したもので、世界のディ
ファクトスタンダードになってい
ます。
るので、銅線は一定速度で供給さ
れるようになっています。
完成したダイ
完成したダイにある中央部の黒
い部分が空けられた穴で、この形
でアルミが押し出されます。この
ような金型が作れることは、かな
りの技術を持っている証明になり
ます。中国でも最近、ようやく金
型が製作可能となりました。
です。この取得のためには、品質
マネジメントシステムの要求事項
の理解から始まり、品質方針、マ
ニュアル、マネジメントレビュー
までの実施が要求されます。確か
に、Raseed の金型製造現場では整
理整頓が行き届き、ゴミ一つ落ち
ていませんでした。シリアでもこ
のような環境を作ることが可能な
ことを実感しました。
興味を引いた卵ケースの金型
金型製造現場で私が最も興味を
引いたのは写真のとおり金型
(Mold)で、卵ケースの雄型(Core)
で回転楕円体と呼ばれる形状です。
CNC フライス盤
日本の機械が活躍
上の写真は Bridgeport というイ
ギリスメーカーの CNC フライス盤
で、左側に並んでいるものは、チ
ャックと呼ばれる刃物を掴んで機
械に装着するアタッチメントです。
外形ができたら次は穴あけです。
複雑形状の孔を高精度にあけるこ
との可能な機械は、ワイヤカット
放電加工機が活躍します。ここで
はソディックという日本の機械が
活躍していて、担当者は信頼性が
すばらしいとほめていました。
卵ケース金型
DTC 卒業生も活躍
また、うれしいことに本学校
(DTC)の 5 年前の卒業生で、1 人
前の技能者として活躍していまし
た。
驚いたのは保守工場のコーナー
でした。保守工場とはいえ、この
未整理、未整頓は日本では考えら
れません。近代工場への脱皮にま
だ時間がかかるようです。
ソティック(ワイヤカット放電加工機)
放電とは正、負の電極の間で放
電(蛍光灯がそれ)させると電極
の材料が少しずつ削られる現象を
利用したものです。銅線のワイヤ
を正極に、加工すべき材料を負極
にし、これを電解液の中で放電さ
せるものです。特徴として切削速
度は遅いが、マイクロメートル
(1/1000 mm)の精度でものが作れ
ることです。負極の材料が削られ
ると同時に、正極の銅線もやせ細
未整頓な保守工場の風景
ISO 取得会社が存在
次に訪問したのが Raseed という
プラスチック製品を作るための金
型を製作している会社です。この
会社は、入り口のドアに ISO9001
取得を掲げていました。これは国
際標準協会の審査によって、生産
される製品の品質を保証するもの
-2-
これに、少しおおきな凹みのある
同形の雌型(Cavity)を作り、重
ね合わせることで空洞部分ができ、
ここに樹脂を充填することで製品
が出来上がります。この時、上下
の型が少しでもずれると、製品の
肉厚がバラツキ、ひどい場合は穴
のある製品が生まれかねません。
したがって、金型製品の精度も重
要ですが、上下の型の重ね合わせ
の精度も製品の品質を左右します。
写真のコーナーにある突き出た 4
本のボルトは雄雌型を固定し、手
前の小さな 2 個のピン穴は重ね合
わせの精度を保つ重要な位置決め
の役目をします。左手前の真ちゅ
う製のパイプは冷却水を型に流し、
型の温度上昇を押さえると同時に、
製品の固化の速度を速めます。市
場では乳白色のケースがでまわっ
ています。金型の作り方は CNC フ
ライス盤を用いて突起の並んだ概
形を作り、それから型彫り放電加
工によって所要精度に仕上げます。
この時、電極はワイヤの代わりに
卵ケース金型形状の銅電極を用い
ます。ここの企業はイギリス企業
との提携で技術取得にこぎつけ、
開発室も見せてもらいました。丁
度、折りたたみ式の洗濯物干し台
の CAD 図面があり細部を検討中で
あることと、大型の屑かごの試作
品がおいてあり、これから試作金
型の修正に入るとのことでした。
部屋の片隅にドイツ製の 3 次元形
状測定器があり、試作金型の測定
データがミクロン単位で表されて
いました。卵ケースは金型として
は、曲面が多い上に厚さを一定に
保つことが必要なので、結構な技
術を要求されます。
訪問した 2 企業はダマスカスに
ある代表的な優秀企業です。CNC マ
シンと放電加工機を駆使しての
もの作り をしており、一応は
市場のニーズに答えられる製品を
送り出しています。しかし、本校
には 40 年以上前に導入された旋盤
やフライス盤のみで訓練が行われ
ています。基本作業は変わってい
ませんが、計算機によって機械を
動かすシステムの学習はできませ
ん。市場ニーズの対応という点で
は不十分です。
最後に DTC からの訪問者全員で
撮った写真を載せます。この人達
が私のこれからの良きパートナー
であり、かつ協力者ですので、た
のもしい限りです。
職場の仲間たち
● 近況報告
JOCV、SV ミニ同窓会 in 東京
(元 SV
ご無沙汰しています。
4月までそちらでお世話になりま
し元 SV の村田 洋一郎です。
皆さんお変わりなくご活躍のこと
と存じます。アハバールカシオン
は毎号楽しく読ませていただいて
います。
活動当時の村田元 SV(左端)と
ジャンダールメンバー
さて、先日ホムスとハマにいた
ことのある JOCV と SV とが拙宅に
集まり食事をしてシリアの生活を
楽しく語り合いました。
ホムス、ハマの OB、OG 会
初秋というのに気温が30度と
夏に逆戻りしたような10月2日
(日曜日)、ホムスとハマで暮らし
たことのある関東近辺の旧隊員、
SV が杉並区の私の自宅に集まりま
した。
関東付近に住んでいる人達はあ
まり多くはいませんが、それでも
5人集まりました。
村田 洋一郎
ジャンダール電力研修所コーディネーター)
以下出席者の近況をお知らせしま
す。
隊員近況報告
日本サッカー協会にお勤めの市
川優子さん(13-1)はこれまで
は忙しい毎日だったそうですが、
最近は一時の忙しさから少し解放
されほっとしているとのこと。
以前ハマにいて音楽を指導して
いた玉井操さん(14-1)はこの
春羽田にある都立づばさ総合高校
に転勤、あたらしい職場で音楽の
指導にあたっています。
ホムスの元気娘、上村久子さん
(14-2)は一家で大阪から埼玉
県に転居、現在彼女はあたらしい
活躍の場を探しています。
ジャンダール電力研修所で工作
機械の指導をしていた旧 SV の渡邊
國男さん(15-春)ははるばる宇
都宮から駆けつけてくれました。
現在ポリテク宇都宮という技術を
教えるところで生徒兼先生のアシ
スタントとして活躍中。
最後に私村田 洋一郎(15春)は日本語教師の資格を生かし
て毎日外人ビジネスマン達に日本
語を教えています。仕事が始まる
前にレッスンをするので朝が早い
ので大変です。
そのほかホムスで音楽を教えて
いた馬杉翠さん(JICA でアルバイ
-3-
ト中)と同じくホムスで柔道を教
えていた菊川さん(警視庁)がい
ますが、残念ながら今回は都合が
つかず参加されませんでした。
愛すべきシリア
懐かしいシリアの話に花が咲き、
また何度も行ってみたいというの
が全員の一致した意見でした。
同窓会メンバー
(前列左端から上村隊員、市川隊員、玉井
隊員 後列左端から村田 SV、渡邊 SV、村田
夫人)
シリアの同じ街でいっしょに暮
らしたご縁を今後も大切にしたい
ものです。
年末には全員参加で都内にある
レバノン料理レストランで忘年会
を計画しています。
● NEW COMER
ようこそシリアへ
氏名:山田
∼シニア海外ボランティア 5 名∼
楚野枝(やまだ
そのえ)
職種: グループ コーディネーター(DTC ダマスカス)
出身: 埼玉県(しかしかなりの雑種です。青森生まれ、長野、満州、北朝鮮、東京)
趣味: 海外旅行、読書、ラテン音楽
ひとこと: ダマスカスで、パレスチナ難民の支援? 大いに頑張りたいと思っています
が、なんだか妙な立場だなー、とずっと落ち着かない気分です。ほんのちょっぴりでもパ
レスチナとシリアのお役に立ちたいのですが…。
氏名:安元
栄二(やすもと
えいじ)
職種: 配管設備(DTC ダマスカス)
出身: 富山県
趣味: モーターパラグライディング(スカイスポーツ)
ひとこと: 夕日に染まるカシオン山を見てダマスカスに来たことを実感しましたが、34
年前の協力隊と同じ充実感を味わうことが出来るのか不安と期待の入り混じった思いで現在
語学研修を受けています。既にメモリーが満杯状態で、時々ヒシャーム先生に指されるとフ
リーズします。どなたかメモリーを増設できる方居ませんか。
氏名:尾崎
建二(おざき
けんじ)
職種: 紡績
出身: 岐阜県
趣味: 渓流釣り、読書
ひとこと: 絶えず話題の尽きない中近東、永い伝統があるだけに益々興味が湧いてきま
した。今回貴重な縁に恵まれ、シリアの新たな発見を楽しみにしています。又、周りの意
見を良く聞きながら良い仕事が出来ればと思います。宜しくお願いします。
氏名:上野
定男(うえの
さだお)
職種: 工業廃水(ACI アレッポ)
出身: 静岡県
趣味: 読書、 旅行
ひとこと: アラブ、イスラム文化圏において生活し活動することに興味と期待を持って
います。チュニジア滞在4年に加えて、このシリアでアラブ、イスラム文化の新たな側面
を体験し楽しみたいと思っています。
氏名:高木
洋(たかぎ
ひろし)
職種: 博物館運営(アレッポ博物館 アレッポ)
出身: 岐阜県
趣味: バイオリン
ひとこと: シリア北部の貴重な出土品が集まっていることで有名な博物館で展示改善計画に
携わります。一年という限られた時間の中でどれだけの仕事が出来るか判りませんが、魅力あ
る展示を目指してベストを尽くしたいと思います。
We
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the
WEB.
See
us
on
www.jica.go.jp,
www.jicasr.org
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編集後記
涼しくなり過ごしやすくなったシリアに5名のシニアボランティアが到着しました。みなさん体調も崩さず日々語
学訓練に励んでいます。これからの2年間、文化や習慣、食べ物に苦労するかと思いますが、健康に気をつけて過
ごしてください。よろしくお願いします!(M.A)
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