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北空知から純白の愛を 「スノーボール」をより多く、より長く出荷
空知農業改良普及センター北空知支所 北空知から 北空知から純白 から純白の 純白の愛を 「スノーボール」 スノーボール」をより多 をより多く、より長 より長く出荷 【対象:北育ち元気村花き生産組合 スノーボール生産者12戸】 1 課題の背景 ビブルナム・スノーボールは白く小さなアジサイ様の花が咲く露地 花木で、ブライダル需要が多い。平成17年に北空知管内5戸で栽培が 始まり、水稲・スターチス類と収穫作業が競合しないことで作付が推 進され、栽培戸数は12戸と増加した。 一方で①経年株での着花数の減少②出荷時期の集中③害虫の発生等 の課題が出てきたことから、花・野菜技術センターに調査研究を要望 し、北空知広域連、元気村花き生産組合とともに解決に取り組んだ。 写真1 写真2 花芽のある株(左) 花芽のない株(右) (写真:花・野菜技術センター大宮研究主査) 2 写真3 ビブルナム・スノーボール スノーボールの害虫 ハダニ類被害(左) カイガラムシ類被害(右) 取り組んだ内容 課 題 着花の安定 出荷期間の延長 害虫への対応 活 動 内 容 仕立て法試験ほの設置 現地研修会 切り枝開花調節試験 試験販売 現地研修会・FAX情報発信 生物農薬試験ほの設置 対象・ 対象 ・ 関係機関 スノーボール生産者12戸 花・野菜技術センター 元気村花き広域連 (1) 着果の安定 ア H21年に「台付け」仕立てすることで、単年度結果ではある が着花数が増加した。 イ その後、花・野菜技術センターでH22~H24年「初夏どり枝 物花きの栽培体系の確立」が研究課題とされ、収量性の高い 仕立て法についての研究が行われた。 ウ 花・野菜技術センターの現地試験結果に基づいて、現地研 写真4 ハウス早出しの生産者ほ場での 修会で生産者に仕立て方法について講習を行った。 収穫・剪定講習会 (2) 出荷期間の延長 ア H23年から花・野菜技術センターで、雪室を利用した「切り花抑制による開花技術」の研 究が行われ、試験出荷では高単価がつき市場から期待する声が寄せられた。 イ H24年には花・野菜技術センターから「切り花抑制開花マニュアル(暫定版)」が出され、 6戸の生産者が雪室での貯蔵に挑戦した。「雪中スノーボ ール」として販売し、前年に続き高単価となった。 写真5 雪室(JA北いぶき利雪庫)(左)と貯蔵中のスノーボール(右) (3) 害虫への対応 ア 「台付け」により樹高が高くなり、 株全体を防除することが難しくハダニ の激発が問題となっている。そこで生 物農薬の「スパイカル」による防除 図1 切り花抑制開花マニュアル 写真6 スパイカルプラス設置 効果確認試験ほを設置した。 (H24年春の暫定版) イ カイガラムシ類が発生し、被害が拡大している。切り花栽培では見ることのない害虫であ り、発生に気がつかない生産者も多い。注意報及び生態に合わせた防除情報を提供した。 3 成果の具体的内容 (1) 着果の安定 台付けを行うことで着花数が減少することなく、 安定した収量を確保している(図1)。 スノーボールは台付けで決まり! (2) 出荷期間の延長 雪室貯蔵・出荷を行ったH23・24年の出荷期間は、 雪室貯蔵開始前3年間平均の2.4倍に延長された(図 2)。 販売額 (千円 千円) 千円 販売額(千円) 出荷数量 出荷数量 (箱 箱) 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 H19 H20 H21 H22 H23 H24 台付け 図1 スノーボールの出荷実績(花き広域連データ) 出荷期 間(日) 出荷期間延長は雪室貯蔵でばっちり! 40 (3)害虫への対応 ハダニはスパイカルプラスにより発生を許容範囲に抑制で きることが確認されたことから、今後技術の普及を図る。カ イガラムシについては、7月2回防除により被害が軽減され ることが確認された。 35 スノーボール出荷期間 スノーボール出荷期間 雪室貯蔵で 出荷期間2.4倍 30 25 20 38.0 15 10 5 15.7 0 害虫対策は生物農薬と適期防除で万全! 4 H20~H22平均 図2 H23・H24平均 スノーボール出荷期間(花き広域連データ) 今後の対応 スノーボール生産者は更に増える見込みである。国内最終産地として安定量を長期間出荷でき るよう、次の課題が残されている。 (1) 雪折れ対策 H24年は積雪が多く雪折れが激発した。雪折れに強い雪囲い方法の検討、普及が求められる。 (2) 雪中スノーボールの萎れ対策 H24年は雪室出庫後、開花までの管理中に萎れが発生し、貯蔵本数に対する出荷率が7割程 度となった。出荷率を上げるため、萎れの原因究明と対策の検討が必要である。 (3) 雪中スノーボールの品質向上 雪中スノーボールは、花房径が季咲きの約2/3程度と小さくなる。端境期出荷のため特に問 題とされてはいないが、出荷量を増やすに当たっては品質向上が求められる。