...

WEEKLY REPORT - 福岡城西ロータリークラブ

by user

on
Category: Documents
48

views

Report

Comments

Transcript

WEEKLY REPORT - 福岡城西ロータリークラブ
vol.48
19
平成22. 11. 16
No.
FUKUOKA JOSEI ROTARY CLUB
W E E K LY R E P O R T
福岡城西ロータリークラブ ウィークリーレポート
ひ
と
「他人を思いやる心を!」
2010∼2011年度福岡城西ロータリークラブテーマ
2010 2011国際ロータリーのテーマ
「地域を育み、大陸をつなぐ」
R.I. 会長 レイ・クリンギンスミス
本日例会プログラム ― 第2290回 ―
卓 話『慰謝料の値段表』
会員 三ツ角直正君
三ツ角法律事務所 所長
ロータリー財団月間
R.I.第2700地区のテーマ
「 われもひとも」
ガバナー 原田 光久
次回予告(H 22. 11. 30)
卓 話『中国とどう向きあうか』
傍示文昭氏
西日本新聞社 アジア室長
11月23日(火・祝)は
クラブ休会です。
4つのテスト
言行はこれらに照らしてから
❶真実かどうか
❷みんなに公平か
❸好意と友情を深めるか
❹みんなのためになるかどうか
会 長:中里公哉 幹 事:田島正陽 例会場:ホテルオークラ福岡 例会日:毎週火曜日
(12時30分)
事務所:福岡市博多区下川端町3-2 ホテルオークラ4F TEL:092-263-0620 FAX:092-263-0630
E-mail:[email protected]
http://fukuoka-josei-rc.rid27.jp/ 福岡城西ロータリークラブテーマ
ひ
会長報告(中里公哉会長)
と
『 他人を思いやる心を!』
10月30日をもって退会された平田信男さんが挨拶にお
出でいただいております。
会長挨拶(中里公哉会長)
平田信男さん挨拶
皆さんこんにちは。
10月末に移動を命ぜられまして横
浜に転勤になりました。この福岡城
西RCには、この11月でちょうど3年
になります。短い間ではございまし
たが沢山の出会いをさせて頂いて本
当に有難うございました。それと私どもの本業の仕事で
も大変良いお話も頂きまして感謝しております。
私は、墓が油山にありまして必ずや何年かしたら帰っ
てくるつもりでございますので、その時はすれ違ったら
冷たくしないで頂きたいと…そう思いますので宜しくお
願いします。後任は東京営業本部で私と同期の者が参り
ますので、私以上に宜しくお願いします。どうも、長い
間ありがとうございました。
(中里会長より友愛の盾を贈呈)
皆さんこんにちは。天気予報通り
寒くなりましたので、皆さん風邪を
ひかれないように注意してください。
今日はボジョレー・ヌヴォーの卓
話がありますが、それに関連した思
い出が私もありますので一つご紹介します。
1986年、日本で初めてボジョレー・ヌヴォーを輸入し
ようと大きな動きがあり商社がフランスから200t程の
ボジョレーを購入したのです。その輸送を我々が担当す
ることになったのですが、実は当時のジャンボ(ボーイ
ング747)の貨物機は満タンにすると航続距離があまり
ないので、どうしたら成田まで運べるか…と色々と検討
いたしました。その結果、北極経由、要するにアラスカ
を通って日本に持って来る方法と、モスクワを通過する
方法と南回りを通過する方法とあったのですが、北回り
が一番良かろうと言うことになりました。しかし、途中
で燃料が足りなくなるので途中アイスランドのレイキャ
ヴィークと言う所に着陸して、そこで給油をすることに
なりました。アイスランドに私がその為に行ったのです
が、北緯66度、10月の終わりに交渉に行ったのですが、
そこは北極圏で正にアイスランド!それから溶岩があり
まして、火山の国なのでそこら中に温泉が湧いていまし
た。
もう一つは、空港は民間の航空会社が入っていると同
時に米軍の戦略空軍の基地でもありました。その為に、
滑走路は年中凍らないように下に温泉のパイプを引いて
いて温めてある。こういう風に非常に特殊な所でありま
した。それから電気は大半が地熱発電ということも私は
知った訳です。丁度、私が行った10月にレーガン大統領
とソ連のゴルバチョフ大統領がこのレイキャヴィークで
会談を行いまして、中距離核戦力全廃条約が結ばれ、そ
れによって冷戦が解かれて、レイキャヴィークにいた米
軍の空軍は全部撤退することになりました。平和な島に
なったんです。
私がそこで経験したことは、米軍のキャンプで散髪に
行った床屋で5ドル(500円くらい)でGIカットをして
もらった事、周りの人に「日本を知っているか?」と聞
いたら、
「日本はアイスランドでは、シシャモを輸出し
ている国」と言うことでした。
以上が私の経験談でございます。
幹事報告(田島正陽幹事)
*11月の定例理事会の決議報告、
⒜ 新会員の伊藤清隆君が親睦委
員会への配属が決まりました。
⒝ 奄美大島豪雨災害にあたりニ
コニコ基金より10万円を義援金
拠出する事が決定いたしました。
*来週11月16日は第一回理事選挙の開票日でございます。
今日、お持ちでない方は郵送なさるか、来週必ずお持
ち頂くようお願いします。
*例会終了後、小山田サポートスタッフ会議を開催致し
ます。
様をお誘いの上、多数のご参加を親睦委員会一同心よ
りお待ちいたします。
中野会員 お誕生日祝い、ありがとうございました。
粥川会員 早退いたします。
R情報委員会(古賀修二マスター)
本日の朝食会の報告をさせて頂き
ます。本日は新会員の川原君、山本
君、 伊 藤 君、 現 会 員 の7名、 計10名
の朝食会でございました。川原君は
4回、山本君は8回終わりまして無事、
卒業されました。伊藤君は2回目の
出席で、あと6回残っておりますので今後も頑張って出
席して頂きたいと思います。
親睦委員会(西 秀博委員長)
*唐津東RCとの懇親ゴルフ会ですが、
組合せはFaxしておりますのでよ
ろしくお願いいたします。
*12月21日火曜日に今年度の忘年家
族懇親会を開催いたします。来週
ご案内を配付いたします。ご家族
展示会・学会・式典パーティ・コンサート等の
㈱九州舞台
(岩本滋昌 副 S.A.A.)
平田信男さん 横浜へ転勤いたします。大変有難うござ
いました。
中里会長、田島会員
タカクラホテル福岡様、本日はお世話に
なります。
野田会員 おかげさまで曾孫が誕生致しました。男
の子でした。
小柳会員 ……という事になりました。どうぞよろ
しくお願いします。
□篠栗営業所/〒811-2405 福岡県粕屋郡篠栗町篠栗4002
TEL
(092)947-0218㈹ FAX(092)
947-3709
*関連会社 TEL 092‐806‐9421 FAX 092‐806‐9424
九州道路㈱ 高城舗道㈱ 岩本砕石販売㈱
―
2―
118,910円
本日卓話をお願いしましたシュー
ドル・ニコラさんをご紹介いたしま
す。
ニコラさんは20年程前に福岡の岩
田屋に入られまして、ワインの仕事
をなさっていました。その後、独立
を致しまして酒類の販売免許を取得されまして、フラン
スワインの販売をずっと行っております。その傍ら岩田
屋の地下2階でワインコーナーのお店、大名、ベイサイ
ドプレイスで本格的なフランス料理のお店もなさってお
ります。
そして2007年にフランス政府より農事功労勲章シュバ
リエ章を受章なさっております。これはフランスのワイ
ンを日本に沢山輸入したという功績で、お話では1年間
に100万本、10年間で約1,000万本ものワインを日本に輸
入なさいました。
福岡ロータリーの会員でもありまして、私どもの福岡
城西RCのメイクアップにもお見えになった事があるそ
うでございます。お見かけ通り立派な体格ですが、フラ
ンスの頃からやっておられます柔道は5段だそうです。
今月はボジョレー・ヌヴォー解禁の月ですし、加えま
して福岡城西RCでは、誕生日のお祝いにワインをプレ
ゼントしております。そういう事もございまして今日は
ワインのお話をお願い致しました。ご清聴宜しくお願い
致します。
先日の日曜日に三越ライオン広場
で児童虐待防止キャンペーンを松本
先生、弁護士会の仲間と一緒にして
きました。今月は 「虐待児童撲滅月
間」 が全国的にありましてそれに参
加することになりました。私どもは、
かねてから閉塞感のある雰囲気とハーレーダビットソン
が我がもの顔で走るのを、何とかしないといけないなと
思っている所に松本先生から虐待児童の応援をしてもら
えないかと話がありました。あぁオヤジもたまには良い
ことしないといけないなぁと言う気になりまして我社で
所有しているハーレーのサイドカーを3台用意して、そ
の横に 「今年は子供ば、守らんといかんばい」 と書いて、
1年間活動していくことにしました。
〒819‐0166 福 岡 市 西 区 横 浜 2‐7‐4
5,670円
プログラム委員会(沖本成包委員)
□本 社/〒819-0015 福岡市西区愛宕二丁目19番37号
TEL
(092)881-0010㈹ FAX(092)
881-1353
代表取締役 井上 剛啓
226,000円
累 計
創業1917年 総合土木工事業(一般土木、舗装工事他)
照明・音響・映像演出 他 タレント・MC 斡旋等
累 計
計
ニコニコ箱
委員会報告
12,000円
にっこり笑って基金
児童虐待防止キャンペーンに協力
西本光春会員報告
S.A.A.
計
―
3―
ボジョレー・ヌヴォーとワインの話
こんにちは。ニコラと申します。
今日は誠にありがとうございま
す。ボジョレー・ヌヴォーの話
を30分に渡ってしたいと思いま
す。
ボジョレー・ヌヴォーは毎年
11月第3木曜日、今年は11月の18
シュードル・ニコラ 君 日に解禁されます。先ほどの会
(福岡RC)
長のお話で1986年の時に200tを
ラ・カーブ・ド・ニコラ・
初めて輸入されたと言う事を私
ボルドー 代表
も初めて聞きました。実際、ボ
ジョレー・ヌヴォーはフランスから見てどういうワイン
かという事を今日は説明したいと思います。
今年は非常に出来が良くて2009年と同じ様な出来に
成ってまして取り合いになっているみたいです。中国の
方やロシアの方で沢山、日本みたいにブームを起こそう
という動きが有って、とても生産量が間に合ってない状
態になっています。
まずボジョレー・ヌヴォーは 「ボジョレー」 という言
葉と 「ヌヴォー」 という言葉はなんだ?とよく聞かれま
す。「ボジョレー」 というのは一つの地区の名前に成っ
ているんですね。ブルゴーニュ地方という中の一つの地
区になっています。ブルゴーニュ地方は北の方にある
シャプリという所から、ずっと下の方にあるリヨンまで
350㎞に渡ってブルゴーニュ地方がございます。有名な
のはブルゴーニュフーズ、ブルゴーニュシャプリとか沢
山日本でも売られているのですが、よく知られていない
ところがあります。ブルゴーニュではピノ・ノワールと
いう品種かシャルドネという品種しか売られていないと
勘違いされているのですが、ブルゴーニュ地方の中でボ
ジョレー地区の生産量は59.2%を占めています。だから
ブルゴーニュ全体の59.2%がこのボジョレーで生産され
ています。品種はシャルドネやピノ・ノワールではなく
てボジョレー・ヌヴォーを作るためのガメイという品種
がメインになっています。
よくボジョレーの時期になると、「解禁になった!ボ
ジョレーって一体なんですか?」 とか、ソムリエに聞く
と 「これはワインではない」 とか色んな事を聞くんです
ね。そして何といっても、「わざわざ飛行機で来た高い
ものをどうして今日飲まないとならないのか」 というこ
とをよく聞きます。実際に2ヶ月前から百貨店や酒屋に
行ったら予約しませんか?予約しませんか??と聞かれ
て、一体このワインは何でこんなに煩くされるかなとい
う様な感じがしていると思います。
ボジョレー・ヌヴォーというのは、特別なワインです。
歴史上、ブルゴーニュではワイン用の品種の戦いがあり
ました。17世紀までブルゴーニュ地方ではガメイという
赤ワイン専用の品種とアリゴテという品種しかありませ
んでした。これはどうしてかというと、普通の今使われ
ているピノ・ノワールという赤ワイン用の品種とシャル
ドネ用の品種よりも3倍の量が採れるんですね。手間暇
がかからないし病気にも強い、非常に生産者には便利な
品種だったんです。でも17世紀の時に品質を高めようと
いうことで、この地方の多くの方が植え替えを依頼した
―
のです。ブルゴーニュではガメイとアリゴテという元々
あった品種は禁止にしました。植え替えでアリゴテは
シャルドネになって、ガメイ種がピノ・ノワールになっ
たというのが17世紀のストーリーです。
当時の政府はボーヌとディジョンという所です。ここ
にはロマネコンティ等の有名なワインが全部存在してい
ます。当時17世紀では地方の王様が住んでいて軍がここ
に存在していました。植え替えの依頼があった時にブル
ゴーニュ管轄の北にある地域では元々、シャルドネとい
う品種しかなかったので北は寒過ぎてアリゴテという品
種は無かったのです。だからここは、植え替えをしなく
ても法律違反ではなかったのです。ボーヌとかディジョ
ンから150㎞くらい離れているので、軍がくる度に見せ
かけの植え替えをしていたのです。植え替えはお金もか
かるし、生産も落ちるということで少しずつ少しずつ
やっていて、ゆっくりしていました。
今、この地域ではこの4つの品種が存在しています。
実際にアリゴテもシャルドネも、ピノ・ノワール、ガメ
イも存在していて特別でした。ブルゴーニュ パストゥ
グランというワインです。パストゥという意味は全て通
す、グランというのはブドウです。どのブドウでも通す
ワインというブルゴーニュが特別な物としてあって、特
例で植え替えが長引いたので全部良いですよということ
になったのです。ボジョレー地区では山が12個あります。
実際に見に行ったら日本の風景に似ていてとても山が多
いです。だけれど、道路は少なくて実際に道路から見え
る畑を全て破壊したのです。ただし山間の隠れた畑を残
したので、そこで隠れてワインを作りだしたのです。ボ
ジョレーの方では、山奥からブドウを全部手で採って鞄
に入れて運んでワインを隠れて作っていたという歴史が
あります。
何が生まれたかというと、手詰めという作業がワイン
をつくる一つのやり方になったのです。近くによるとワ
インは発酵の匂いがすごいのです。この匂いを広げない
為にタンクの上に蓋をしていたのです。タンクの中に発
酵中の二酸化炭素が逃げられなくなって熱がこもるんで
す。高温発酵で二酸化炭素発酵の技術が段々と高まって、
高温発酵によってバクテリアが非常に活発にブドウの糖
を分解してアルコールをつくっていたんです。それと二
酸化炭素の中で発酵していることによって、酸素と触れ
ていないので酸化もしない。それによって非常に早くワ
インができたと考えられました。このやり方によって今、
1960年から大学で研究されてマセラシオンカルボニック
法という二酸化炭素発酵という技術が、この隠れたこと
によって実際に生れた事実なのです。
17世紀の時には出来あがったワインは早く売らないと
駄目だと、自分で飲んでもお金にならないということで
結局、軍が来る前に早くワインをつくって早く換金しな
ければならない。そういう事で祭りになったのです。大
きな祭りを毎年、毎年行い軍が来る前にワインができて
お金になったと言う意味でボジョレー・ヌヴォーの解禁
になります。
こういう流れでボジョレー・ヌヴォーの作り方が若干、
普通のワインに比べたら醸造の技術が違います。それと
4―
ヌヴォーが守られているのです。ボジョレー・ヌヴォー
はラベルにヌヴォーと書いてありますが全て二酸化炭素
発酵で出来たものでないとヌヴォーと書けないのです。
だから特別なタンクと一番硬いブドウの特別な収穫、先
に収穫されたワインだけがヌヴォーと書けるのです。
そうでなければ、プリムールと書くのです。プリムー
ルは同じ時期にヌヴォーの横で売られているから、私も
8月に量を決めているので9月10月になって追加を受けて
もメーカーがもう終わって出せませんということになる
のです。そうすると今作られているワインを先に出しま
しょうかという事になってプリムールというワインが生
まれました。プリムールもある意味、新種なのですがプ
リムールは二酸化炭素発酵のワインではないので法律上
はヌヴォーではなく、プリムールとなる訳です。両方と
も新種ですから新しいワインとして販売して良いのです
が、ヌヴォーとプリムールの違いはそこにあります。ヌ
ヴォーは二酸化炭素発酵のワインでプリムールは一般の
ワインと同じ物になります。何が違うかというと、価格
はあまり変わりません。だけれども味が大分変わります。
味がどうして変わるかと言うと、やはり二酸化炭素発酵
の技術でつくられたヌヴォーの方は軽やかでフルーティ
で中に二酸化炭素が籠っています。だから冷やしても香
りや味がそのまま出るのです。なので、冷やして飲むワ
インになっています。ボジョレー・ヌヴォーというのは
冷蔵庫に入れて冷やして飲むという白ワインと同じ飲み
方をしなければなりません。それと全く酸素と触れてい
ないのでイチゴ系でとても渋みが少なく飲みやすいです。
白の香りの高さ、ロゼの甘さ、赤の良さも持っているワ
インになります。だからソムリエやワインに携わる方々
は 「これはワインではない」 というのは普通のワインで
はないという意味で言われます。
しかしプリムール、先出しされたワインは一般のワイ
ンより先に荷詰めしただけのワインですから基本的に、
白、ロゼ、赤の部分は入っていない全くの赤になります。
潰したブドウから出来ているので、とても渋みも高いの
です。それを先に出したという事でフルーティさは残っ
ていて甘さも若干残っているということです。ヌヴォー
と香りは大違いです。それからフランスの法律ではボ
ジョレー・ヌヴォーは翌年の3月までしか販売できません。
そこからは処分になります。けれどプリムールというワ
インはラベルの貼り替えが許されています。ボジョレー
プリムールで買った物を3月を過ぎたら、ボジョレーと
して販売してよいということになっています。要するに
熟成するワインになっていきます。ボジョレー・ヌヴォー
は熟成しない、11月から3月までしかもたないのがヌ
ヴォーの特徴です。
そしてもう一つ、私は毎年ボジョレー・ヌヴォーを九
州では5万本輸入しています。5万本をまとめて色んな空
港を経由して輸入します。輸出する工場は一か所で普通
の工場とは全く違います。まず工場のタンクの高さが決
まっていて、タンクはコンクリートで出来ています。そ
れからボジョレー・ヌヴォー用の硬いブドウは非常に輝
きが強いので別名ブラックパールと言われています。こ
のブドウを全て平らにタンクの中に入れますがタンクの
中には小さな段があります。これはブドウを入れた時に
大きな鉄板を落とす段になって、そこで二酸化炭素発酵
が始まって二酸化炭素が逃げないようにしていく特殊な
タンクです。他のワインでは使えないタンクですね。こ
の作業を続けていくのですが普通のワインとは違う工程
販売する期間が早いということになります。第3木曜日
というのは、やはり収穫がギリギリ出来る、出来ないか
の状況になっているということです。
このマセラシオンカルボニックと一般の発酵のやり方
のプロセスを紹介します。
ロゼ、赤、白を作るプロセスにおいて、ヌヴォーの場
合は非常に簡単に出来るのです。少ない醸造工程ですぐ
にワインができるのがボジョレー・ヌヴォー。工程のグ
ラフを見ると難しいので写真でご紹介します。
まず……どうしてお店で予約しないといけないかとい
うと、ボジョレー・ヌヴォーは一般の収穫より2週間前
に収穫を行える。ブドウが硬い状態で採らないと二酸化
炭素の発酵にならないんですね。
だから私がボジョレー・
ヌヴォーに注目するのは大体8月です。8月にメーカーに
何本造って下さいと依頼します。そこでブドウが出来た
ら特別なヌヴォー用の収穫のチームを集めて全部手で一
個一個硬いブドウを採っていく。だから、房ごとではな
くて一個一個を剪定していくことになります。それを浅
いバケツの中に入れます。ブドウは硬い、そして傷がな
い、運ぶ時に傷が入るともったいないのでとても浅い箱
に入れて工場に運びます。他のワインと違ってこのブド
ウを硬いままタンクの中に詰めていきます。普通、ワイ
ンを造る時はブドウを房ごとに収穫して潰していきます。
潰したブドウの果汁をタンクに入れて発酵させるのです
が、ヌヴォーの場合は昔の伝統を考えると森の奥まで収
穫して隠れてタンクに入れていたので潰す暇がありませ
んでした。なので、その工程が残っていてブドウを硬い
まま綺麗に詰めていくことになります。それでどういう
プロセスが起きるかというと、ボジョレー・ヌヴォーの
場合は歩いて届くくらいの高さのタンクの中に硬いブド
ウを入れます。これでどういう現象が起きるかと言うと、
上のブドウの重さで下のブドウが全部潰れます。そして
真ん中のブドウが潰れたジュースの中に浮く、上のブド
ウは二酸化炭素発酵の中で残ったままの状態になります。
この熱と発酵によってアルコールが出来あがります。真
ん中のブドウはジュースの中に浮いていて、ジュースの
中のバクテリアによって皮から溶けていきます。そうす
るとタンクの下に赤ワインが出来あがります。それから
真ん中の方はロゼみたいなワインしか出来あがりません。
それで一番上の二酸化炭素発酵の中に浮いていたブドウ
は、
皮は守られたままなので中から発酵しています。
ポッ
プコーンみたいにポツンポツンと音が破裂して白い
ジュースが上から流れていく。だからボジョレー・ヌ
ヴォーというのは、白とロゼと赤が同時に出来あがる一
つの技術になっています。タンクの中は温度が高いので
早く発酵が進むし、酸素と触れていないのでジュース自
体が酸化しないという、とても果実味が残るワインにな
ります。これがボジョレー・ヌヴォーの作り方です。
一般に解禁日にボジョレー・ヌヴォーを買う時に、
「ボ
ジョレー・ヌヴォーを飲まれませんか?」 と言われたら、
ボジョレー・ヌヴォーの下にプリムールと書かれてあり
ます。ボジョレー・ヌヴォーというのはボジョレーが地
区の名前、ヌヴォーと言うのがフランス語で新しいとい
う意味で、ボジョレー・プリムールはラテン語で地域ナ
ンバー1のボジョレーと言うことになります。どこで違
いがあるのかなという感じがします。
どうしてボジョレー・ヌヴォーの横にボジョレー・プ
リムールが売られているかということですが実際ボジョ
レー・ヌヴォーは長い伝統によって法律でボジョレー・
―
5―
になっています。私が取り扱っているワイン製造工場は14 、5年の付き合い
になります。私が最初に行った時は家もなくて、自分で家を造っていた段階
でした。毎年そこに行ってそこでボジョレー・ヌヴォーの作り方を教えてい
ます。そして私専用のボジョレー・ヌヴォーを作ってもらっています。工場
の赤いタンクは私専用のタンクになっていてフランスでしか売っていない物
です。基本的にヌヴォーを作る時は各タンクの味が違ってきます。だからワ
インが出来上がったらブレンドをしなければなりません。タンク1 、タンク
2 、タンク3とどの割合でつくっていくかという最も大事な作業です。色合
いも変わる、味も変わる、アルコール度数も変わるのでそのデータを全部一
旦おとして、ワインを作っていくのです。おかげさまで毎年数字が伸びてい
ます。
そして畑ですが、特徴的な他にない畑でしてガメイ種の畑です。普通は土
が茶色っぽい色になっています。ボジョレー・ヌヴォーは100年以上の畑か
らしかブドウを採っていないのですが良い畑は葉っぱの色で解ります。葉っ
ぱの外側は黄色く中側は少し枯れるくらいになったら良い畑です。これは土
の中の濃度を測ってブドウを剪定します。ロマネコンティと同じ現象で赤土
がボジョレー・ヌヴォーの一番良い土地になっています。実際に私の畑があ
る場所は真っ赤な土になっています。それから火山の後の小石のおかげで独
特な風味が生まれて非常に美味しいブドウが採れます。葉っぱは紫色でこれ
が最高級の畑です。100年以上の畑で葉っぱの先が全て紫色、中は緑色、ブ
ドウはブラックパールという状況です。この畑からボジョレー・ヌヴォーを
作っていくと、とても味と香りが素晴らしいです。だから、ボジョレー・ヌ
ヴォーは美味しくないとか、ボジョレー・ヌヴォーは、今年よくなかったと
か、そういう話をよく聞くのですが、私は去年初めてボジョレー・ヌヴォー
の大量生産を見に行きました。そこは間に合わせる為に手詰めではなくて機
械でブドウを採る様に政府が特例を出した所です。そうするとトラックが畑
の真ん中に来て、畑の枝を揺らすのです。当然ブドウが落ちる、そのブドウ
でヌヴォーを作る、だから硬いブドウと柔らかいブドウの剪定がないのです。
去年はトカゲが大発生してブドウの中にも入っている、タンクの中にも浮い
ているんですね。それを見てヌヴォーは出来ないんじゃないかという感じが
しました。
この大量生産でボジョレー・ヌヴォーは作れないと言う事が、私がずっと
思っていることで、やはり手詰めが基本であり、ブドウの硬さがあってタン
クの中の割合が守られるし、二酸化炭素を発酵させて味が生まれる。手作り
ワインであることが人気の生まれた要因と考えています。大量生産のボジョ
レー・ヌヴォーは非常に味が変わります。割合も守られていないし、ワイン
を沢山飲む方はプリムールの方が美味しかったとも言われます。ヌヴォーは
一般のワインと違うのですから、ワインをあまり飲まない方や一般のワイン
を飲まれる方は 「これジュース?」 とすぐに判断するのですが、そうではな
いのです。ワインの中に白、ロゼ、赤のスパークリングさもあり、もう一つ
のカテゴリとしてヌヴォーがあるのです。
日本は世界の中でもいち早く飲めるという国です。時差の関係で8時間早
いので非常に運が良いです。この時期、ボジョレーに行かれる機会があれば
解禁日の時に村の真ん中の教会に行ってみてください。12時前に12個の樽を
並べておいて、鐘が鳴る度に樽を一個ずつコルクを飛ばしてワインを流すの
です。信者さん達はワインを飲んでミサに行きます。というのはミサの中で
赤ワインを飲む、新しく出来たワインを飲むということは運が良くなるとい
うことがあって祭のイベントになっています。
今年はボジョレー・ヌヴォーは来週の18日にしか出せないので来年また呼
んで頂けましたら18日以降で、赤いタンクの物を他のワインと飲み比べてこ
の会でもやりたいなと思っています。
今日はありがとうございました。
第2289回 例会記録
季
ゲ
来
R
出
H22
.1
1.9
節 の 歌 ……紅葉
ス ト ……シュードル・ニコラ君
(福岡RC)
訪 会 員 ……77名 A C ……安井将史君、
席 会 員 ……79名 計158名
◆出席報告
11月9日
会 員
109名
16名
免 除
免除者出席
7名
当日出席者
79名
出 席 率 79.00%
10月26日
会 員
110名
16名
免 除
免除者出席
11名
当日出席者
78名
Make up
24名
欠 席
3名
修正出席率 97.14%
お 知 ら せ
2010∼2011年度
プログラム委員会卓話予定
12/7
新会員 三吉俊弘君
三吉歯科医院 副院長
12/14 『福岡インターナショナルスクール
について』
中牟田健一君(福岡RC)
学校法人 福岡国際学園
理事長
12/21 夜間例会;忘年家族懇親会
12/28 クラブ休会
1/4
クラブ休会
1/11
年始例会
会長年頭のあいさつ
中里公哉君
1/18 『磨こう、強くて優しいリーダー
の言葉力』
宮原 哲氏
西南大学 文学部 教授
例会変更
福 岡:11/17(水) 12:30∼
ソラリア西鉄ホテル
福 岡 西:11/29(月) 12:30∼
グランドハイアット福岡
クラブ休会
福岡西・福岡中央・福岡平成
11/22
(月)
※なお、クラブ休会は、make upが出来ま
せんのでご注意ください。
編集委員 松竹 清孝
クラブ会報委員会
委 員 長:村上 積
副委員長:福山幸男
委 員:長野吉弘・長崎孝博・松竹清孝・田代哲也・三吉俊弘
Fly UP