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Ergonomics - ArjoHuntleigh
Ergonomics 人間工学 ヘルスケア部門の人による 徒手的介助 ISO Technical Report 12296編集の要約 (翻訳:森ノ宮医療大学 上田喜敏) この翻訳は、ArjoHuntleighから了解を得て 英国国立ウェールズ大学院の木村友彦氏の協力の もと翻訳したものです 本レポートはArjoHuntleighから拘束されない教育補助金支援により作成されました 人間工学│ヘルスケア部門の人による 徒手的介助 ISO(国際標準化機構) は、それぞれの国の標準化 機構の世界的な連盟です。 それは国際標準の世界最大 の開発や出版を行う163カ 国から構成される国の標準 学会のネットワークで す。ISOは、公的や個人的 なセクターからなる加盟学 会を有する非政府組織で す。標準化とは、製品・ サービスが望ましい特徴 (例えば品質、環境へのや さしさ、安全性、信頼性、 効率と互換性)を有するこ とを担保しています。 ISO Technical Report 12296編集の要約 テクニカル・レポート(TR)は、ISO技術委員会によって収集れた知識や情報によっ て作成されました。それらの得られた情報はTRとして発表されていますが、自然に 委員会全体で協議され、記載された内容は委員会の多数票に基づいています。そし て、このTRはISOの標準化とは異なり、本文中で含まれる情報がもはや有効であると 思われないか、役に立たないと結論付けるまで、再検討される必要はありません。 このTRは、ISO/TC159-人間工学技術委員会によって準備されました。 人間工学に関する本ISOテクニカル・レポートの完全版を取得する場合は manual handling of people in the healthcare sector ISO/TR12296を http://www.iso.org.にて検索してください。 Key キーポイント 教育 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 2 リサーチ 1. 議長から 2003-2007年に、ISOは一般的な製造部門における徒手的(マニュアルハンドリン グ)に関する特定の人間工学規格(ISO 11228シリーズ)を作成しました。しか し、生きている人間に対して運用するとき、これらの標準規格は、完全には適用 されませんでした。 国と国際的な統計から、ヘルスケア・ スタッフは筋骨格疾患になる非常に 高い危険性があるというエビデンスが 得られました。その主な原因の大部分 は不完全な徒手的(マニュアル)患者 介助からくるものでした。調査報告と 今までの経験や実践から、人間工学的 アプローチが患者の徒手的介助からの リスク(危険)を引き下げ、また同時 にケアの質を改善する上で一つの重要 な影響を及ぼすことは明白でした。 「ヘルスケアスタッフは、 高い筋骨格疾患リスクにさら されています。そして、大部 分は不完全な徒手的患者介助 の実践に由来します。」 結果として、ISOは、ヨーロッパノーマライゼーション機関(CEN)と一致し て、ISOはヘルスケア部門の問題背景をサポートするための一つのツールとして ISO11228シリーズを発展させて新たに一つの特定のテクニカル・リポート(TR)を 作成する事を決めました。ヨーロッパ患者介助人間工学委員会(EPPHE)は、 これらの思想を支持して、ISO TC 159をTRへ発展し、文献や特別な情報資源や人材 をこれらのプロセスにおいて提供していただきました。EPPHEは、国際人間工学連 合(IEA)からの筋骨格障害やヘルスケア人間工学専門家との共同研究機構です。 ISO TRの付加価値は包括的な戦略として、全ての潜在的決定要素(組織的で、 構造的で教育的な)をそれに伴うリスク削減の一つの根拠と考える分析的リスクア セスメントに基づく予防領域にあります。 付属書は、この戦略の全ての十分なアプリケーションに関連して詳細な情報を提供して います。 この編集されたテクニカルレポート(TR)の概要は、人的患者介助戦略の実施のため にArjoHuntleigh(アルジョハントレー)によってすべてのキーポイントを確認して もらいました。これは、TRの代わりになるものではありませんが、わかりやすい大切 なガイドです。最も重要なのは、TRとこの概要は、包括的参加型アプローチが必要不 可欠で、今までの職務環境の変化、トレーニングの必要性、テクニック/機器の購 入、業務・職務環境をデザインすることです。 Prof. Dr. Enrico Occhipinti, MD, PhD, Research Unit “Ergonomics of Posture and Movement” Foundation Policlinico Cà Granda, Foundation Don Gnocchi and University of Milan (Italy) Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 3 2. 序論 ISO TRは、なんですか? 徒手的な患者介助 (Manual patient handling)=補助的な装置 のあるなしにかかわら ず、人の体の一部や人を 押たり、引いたり、持ち 上げたり、おろしたり、 移乗したりまたは、ある 方法で動かしたり支えた りすること。 ISO TRは、徒手的な患者介助に関連する問題と危険を評価するため、エビデンスに 基づき、これらの危険を引き下げるために戦略と解決策の詳細を特定して、応用す る方法を詳述しています。言い換えるなら、単に健康障害に関連することだけを 特定することではなく、問題を特定して、解決する方法がわかるリスク(危険)の 所在をリスクアセスメントによって検証します。 徒手的な患者介助は、介助者の筋骨格システムに高い負荷を引き起こす可能性 があります、更に静的動作介助にて患者介助が行われているときはとても危険 です。 ISO TRの2つの主要な目的: • 生体力学(バイオメカニカル)的過負荷の低減、制限された業務関連 に対する病気や損傷による長期離職や経費を伴う介助者の労働環境の 改善; • 同様に対象者である患者たちが受けるケアの質、衛生環境やパーソナルケア を含む患者の安全が継続的に患者の要望と合致しながら、人間としての尊厳 やプライバシーを保証すること; 以下に基づく患者の介助に対して提言を推奨します: ・リスクアセスメントと評価; ・患者介助介入の組織構造; ・介助のための補助器具と機器; ・患者が介助を受ける建物と環境; ・介助者の教育とトレーニング; ・介入効果の評価。 ISO TRは、徒手的な患者介助へのアプローチの研究や、いくつかの異なった フィールドの国際的な専門家のコンセンサスに基づいています。この編集された 文書は、詳細なISOテクニカル・レポートに関する一つの要約であり、レポートに よってカバーされる主要な問題のガイドや参考として用意しました。より詳細な徒 手的な患者介助、関連する問題と危険を評価するための推薦アプローチについて は、ISOテクニカル・レポートISO/TR 12296(完全版)を読んでください。 誰が、ISO TRを読まなければなりませんか? ヘルスケア分野で徒手的介助に関わる関係者は皆、報告書または要約さ れた概要の主な問題について知っているべきです。すなわち: ・ヘルスケア・マネージャーと介助者(作業者) ・職業上の安全と衛生作業者 ・補助的な器具や機器のメーカーサポート ・教育とトレーニングのスーパーバイザー ・ヘルスケア施設の設計者(会社) Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 4 2. 序論 なぜ、ISO TRは重要ですか? 筋骨格障害:筋肉、関節、 腱または脊髄椎間板に影響 を及ぼす損傷。この種の損 傷は、おそらく背中、肩と 首と足に作用することに なっています。症状は 痛み、うずき、不快感、 しびれ、チクチクする 痛み、および腫脹を含む 場合があります。 バイオメカニクス(生体 力学):人体の機能活動 における特定の筋システ ムまつわるメカニズム ヘルスケア・スタッフは、他の職種と比較すると筋骨格障害が発生する危険性があ る職業の一つです。特に、患者の徒手的介助は、かなりの圧力が筋骨格システム (特に肩と脊柱、腰、その他の部位)にかかります。これらの損傷による人的、 経済的なコストは重要で、そして、関係者全てに以下の問題を引き起こすことが 考えられます: ・長期損傷(怪我) ・職員の欠勤 ・職員の離職、欠勤のためにシフト交代、その結果、あいまいな患者介助に至る ・職員提供者の経費の増加 ・職員提供者に対する訴訟と保険金(労災含む)請求 安全な患者介助環境をつくることに付随する全ての問題を理解することは、患者 ケアの質を落とさないだけでなく、危険を減少させて、労働作業関連による疾患と 損傷を制限します。したがって、患者介助に関係する人々にとって不可欠です。 筋骨格障害の危険性に影響を及ぼす要因を検証するとき、いくつかの問題を考慮さ れなければなりません。それらは; ・介助者の数、能力、経験と資格 ・介助する患者の病状とタイプ、数 ・不良姿勢と無理な力 ・適切な設備の未整備(または無い状態) 「介助作業と リスク状態をす べて含む作業 組織の分析は、 介助者にリスク を減少させるこ とができま す。」 ・患者の介助のための制限されたスペース ・介助者のために特殊な作業に関する教育とトレーニングの不足 広範囲多因子的な人間工学介入アプローチは、徒手的な介助による損傷リスク (特にリスクアセスメントを含むそれら、彼女、彼らの作業環境下での作業者の 観察、個々のニーズのためのトレーニングと設備と介助作業の再設計により)を 軽減する事に対して効果的です。 ISO TRは、以下の通りに構築されています: リスクアセスメントと危険識別(以下の詳細な報告は別冊にある)の推奨概要: ・危険評価と評価のための方法とガイドライン ・患者介助介入の組織的状況 ・援助と設備の選択と使用基準 ・危険評価と評価に関する建物(スペース)と環境 ・スタッフの教育とトレーニング ・介入効果の評価・検証。 患者ケアの質、安全、尊厳とプライバシーを改善すると同時に、危険を減少させ て、“労働関連の疾患と損傷を制限して、介助者の労働条件を改善するために 効果的戦略を作成することになっています。” Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 5 3. 危険見積もりと危険評価 下の図は、危険そのものや潜在的な決定要素全てに関する分析的評価に対し、危機 管理の重要な項目を危険防止戦略として示しています。 図1包括的な戦略 リスクアセスメントは、予防的な戦略の柱のうちの1つです。リスクアセスメント と管理に対する組織的戦略は、成功するために包括的でなければなりません。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 6 3. リスクアセスメントとリスク評価 問題識別と問題解決において、下記のリスクアセスメント・モデルは、危険識 別とリスクアセスメントがどのように健康被害やリスクと関係があるか示して います。 図2リスク・アセスメント・モデル リスクアセスメントは、 以下から構成されます: ・危険/問題識別 ・リスクアセスメント評価 (ISOTR12296適合) リスクアセスメントは、次の場合において推薦されます。 ・新しい設備や機器を導入する場合; ・組織の修正を行う場合(すなわち介助者の数、非協力的患者数の変化); ・空間や、環境的観点(部屋の広さやサービスなど)から再編成する場合; ・これらのリスクに影響を及ぼす可能性があると予見されるその他の変更を実施する場合; Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 7 3. リスクアセスメントとリスク評価 危険識別 「人間工学的 アプローチを使 うことは、徒手 的患者介助から 危険を減らすこ とに重要な影響 を及ぼしま す。」 患者の徒手的介助が一つの危険を提示した時は、患者数は評価しているヘルスケア エリアに従って、算出されなければなりません(即ち、ある1日の平均の上で)。 これは、介助頻度を評価する重要な出発点です。以下の他の要因は、さらに考慮さ れなければなりません: 介助のタイプ ・これは、使われる介助テクニックによってだけでなく実行される (例えば、ベッドに居る患者を移動することまたはベッド・パン配置)全ての作業によって 定められます; ・機能的な移動性;例えば協力的な患者を介助することは低い危険リスクと結論付けられる が、対象的に非協力的な患者を介助することは、非常により大きな危険を作り出すかも しれない; ・特に小さな介助補助器具を使いながら介助を実行するために、従前通りの方法や生体 力学的(バイオメカニクス)方法を利用して介助する場合 一定のヘルスケアエリアで実行される異なる介助方法は、介助の最適な方法を考慮 して選んだ介助補助器具を使って最適な介助方法を考え、その上で必要な介助者の 数を算出するために評価されるべきです。 職場組織 評価される重要な要因: ・一日にわたって患者の介助と彼ら・彼女らの組織(一人以上の介助者)が 実施している介助者の数; ・介助頻度; ・介助のタイプ; 介助者は、問題なく各々の作業を果たして、作業に割り当てられる危険な場所、作業、 設備状況と時間を確認するためにトレーニングしなければなりません。 姿勢と力の行使 脊柱は、患者を介助する間、高い力学的なストレスを起こしやすいはずです。患者 介助を通して引き起こされるストレスは、介助者の腰痛および脊髄問題で最も重要 な要因のうちの1つと考えられています。不良姿勢は、介助者の教育とトレーニング や患者を手で介助する数、設備の使用、利用できる空間といった多様な要因に起因 するはずです。しばしば導かれる不良姿勢は、損傷のリスクを増大させます。 患者介助時、介助者は彼女・彼らの環境(例えばベッド、椅子と患者)に彼女・彼ら の体重を上手く使い、腰や背中と肩の上の緊張を最小にする事が可能となります。 したがって、安定してバランスの良い姿勢を保つべきです。 補助的な器具 補助器具と機器の不足または不適当な使用は、患者介助中に危険リスクが存在します。 適切な補助器具と機器の使用は、腰部の疲労を極力減らします。そして介助者の危険を 制限します。さらに、安全な患者の介助を実行するための設備トレーニングは、重要で 強く推奨します。設備と施設は、安全な使用のためにきちんと保守・維持されなければ なりません。設備購入は、はっきりとした必要作業条件(介助(患者)のタイプ)と どこで使用するかなどの環境条件に基づくべきです。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 8 3. リスクアセスメントとリスク評価 環境 作業環境が不十分、もしくは不適当であるならば、患者の移乗が危険である可能性 があります。患者が介助されるすべてのスペースは、設備や機器の使用方法と正し い介助姿勢との互換性を評価するべきです。段階、障害物、そして滑りやすい床等 の特別な要因は、追加考慮しなければなりません。 介助者の個々の特徴 リスクアセスメントを実行するとき、介助者の個々のトレーニングの水準、年齢、 性別そして健康状態は考慮しなければなりません。介助者のスキルと経験は不必要 な損傷の危険性を減らすことが可能です。そして、適切なトレーニングはスキル 水準の向上と適切な作業能力を向上させるかもしれません。衣類と靴は、安定した 姿勢が容易になる様に機能的な物にするべきです。 患者の特性 患者の移動レベルは、以下の基準を使って評価する必要があります: 介助の間、完全に持ち上げられる必要がある全介助患者 ‘部分的に協力的(PC)’ 介助(持ち上げまたは移動)の間、部分的に援助を必要と している他の全ての患者 ‘完全に協力的’ 介助でいかなる援助も必要としない患者 患者の体重自体が、危険である場合があります。特に、肥満、大柄な患者は、彼ら のニーズに適切な設備とスペースが必要となります。患者の体の一部さえ徒手的 介助で行うことは、疲労や負担の危険性を作り出すかもしれません。精神的な疾患 や認知障害のある患者である彼または彼女を動かしたり、持ち上げたりするときに 妨害する行為があるならば、これは特定の危険を引き起こす場合があります。 リスクアセスメントと評価 正確な分析的リスクアセスメントは、いくつかの要因の存在とそれらの関連性を 考慮するべきです: ・患者のタイプ; ・引き起こされた『介助量』; ・作業可能な介助者スタッフ; ・作業が可能で十分な設備; ・建物、環境とスペース; ・看護・介護職員のトレーニングとスキル。 「それが不十分、もしくは 不適当である環境下での患 者のマニュアルでの移乗は 危険である場合があります。 リスクアセスメントの方法 使用されるリスクアセスメント方法は、介助の回数、方法や患者の特性データが 収集可能で、(それに伴うトレーニング・ニーズを含む)特定のトレーニングや 介助機器や器具の必要性と可能性を考慮して行うべきです。 リスクアセスメントと評価のための多くの方法が、科学文献から発表されています。 関連した国、または国際的なガイドラインを源流としてTRの付属書A.1は総合的な3つ の方法を紹介しています。TRの付属書A.3は4つ一般的に用いられる実践的な方法 (ドルトムント・アプローチ、TilThermometre、MAPOとPTAI)の例を挙げていますの で、意図されたユーザーは評価するために最適なものを選ぶことができます。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 9 3. リスクアセスメントとリスク評価 ドルトムント・アプローチ Jäger M, Jordan C, Theilmeier A, Luttmann A; the DOLLY Group. Lumbar-load quantification and overload-risk prevention for manual patient handling The Dortmund Approach. In: Mondelo P, Karwowski W, Saarela K, Hale, A. Occhipinti, E. (eds). Proc 8th Int Conf Occup Risk Prevention ORP2010, CD-Rom, Valencia 2010; Karhula K, Rönnholm T. Sjögren T. A method for evaluating the load of patient transfers. Occupational Safety and Health Administration, 2009; Knibbe J & Friele R. The use of logs to assess exposure to manual handling of patients, illustrated in an intervention study in care home nursing. International Journal of Industrial Ergonomics 1999;24:445–54; Knibbe JJ & Knibbe NE. Een hap uit de Oliphant. LOCOmotion, Netherlands, 2005. (Chapter 4 translated); Knibbe JJ & Knibbe NE. Monitoring the effects of ergonomic covenants for workers in Dutch healthcare, LOCOmotion, I.E.A. congress Maastricht NL, 2006. これは徒手的介助の際、脊柱にかかる負荷を調査・評価し、徒手的患者介助 (Jager他、2010)は特定の作業課題に応じて論じています。ドルトムント・アプ ローチは、患者介助(ドルトムント腰負荷研究3 ― DOLLY3)に対し、研究調査に 基づいています。 ・リスクアセスメント ・評価される課題に関する危険水準とコメント ・労働環境設計のための全体的な評価とヒント MAPO-インデックス この方法論は、ユニットの危険レベルが評価されることを表すパラメータインデッ クスの提供を目的としています。 したがって、ユニットの危険レベルの定義に 貢献するかもしれない決定要素の全てを分析します。 それは関連した組織的問題:介助者の数、作業シフト、非協力的な患者(介助のタ イプ)や人数、特定の危険性と介助に必要な設備(利用可能であるならば)と作業 者の教育の環境等、いくつかの問題点にフォーカスしています。 MAPOインデックスは、急性腰痛リスクと一致する危険分類として3つの色 (緑、黄、赤)で識別しています。MAPOインデックスを算出するために、データの 記録票は、2つのパートから構成されています。:パートⅠは、組織内とトレーニン グに関してインタビューをもとに全ての情報を収集し、記入します。;パートⅡは、 環境および設備に関する特徴の分析のため、現地調査をし、記入します。 PTAI(患者移乗評価手段) PTAI(Karhula、RonnholmとSjogren2009)は、ユニットで患者のトランスファーの 危険性を評価するために職業上の安全と職業上の健康専門員によって使われる場合 がある実用的なツールです。合計15の要因が評価され、そして、観察し、面談が 行われます。基準は、3-ゾーンモデル(緑、黄、赤)色で、危険分類を可能にしま す。最初の手順として介助者による患者の移乗を既存の労働・職場環境で観察する ことから始めます。評価は看護師との面談で行われ、最終的な危険要因は看護師の 回答から得られたものを評価します。 TilThermometer(またはCareThermometer) この目的は、介助者が身体にかかる潜在的な負担を評価することで、オランダで制 定されている実践ガイドラインと合致しているか、評価、確認するための手段とし て利用しています。(KnibbeとFriele 1999(KnibbeとKnibbe 2006))これは、 すべての看護・介護分野で利用可能です。 結果、病棟などの小さなレベル から施設などの大きなレベルまで簡単に計算式にて評価出来ます。 オランダでは、国家レベルでも利用されており、組合、雇用主そして保健安全庁か らも支持されています。オランダではTilThermometerは病棟、施設そして国家 レベルのモニタリングツールとして、しばしはBeleidsSpiegel(ポリシーミラー) (KnibbとKnibbe 2005)と併用して利用されています。これら両方のツールは国で 義務づけられています。ISO TRは、十分な予防政策を容易にする実践ツール (ポリシーミラー)として、この組み合わせによる確認を推奨しています。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 10 3. リスクアセスメントとリスク評価 ポリシーミラーは、一年ごとに記入される6ページのチェックリストです。それは 労働組合、雇い主と保健安全庁、国の基準による推奨されており、施設内で支持 されない方針や問題もチェックできる方法を伝えています。 更なるリスク評価方法の 確認は、ISO/TR12296人間 工学、ヘルスケア部門の 人の徒手的介助の付属A1 のISO]ガイドラインを参 照してください Knibbe JJ, Knibbe NE. Monitoring progress and improving quality of your preventive policy with the Care Thermometer; International validation in four countries and experiences with use. Poster SPHM conference Florida, 2011; Knibbe JJ, Knibbe NE. An international validation study of the Care Thermometer, a tool supporting the quality of ergonomic policies in health care. Submitted Professional Safety, 2011 それは、以下をモニターします: ・トレーニングと教育; ・空間および環境問題; ・患者の移動レベル; ・リスクアセスメント/評価後の実行; ・身体的な過負荷; 介助者/看護師; 他のスタッフ; 介助者と他のスタッフのために活動的もしくは静的動作中の 過負荷作業を減らす厳格な基準とガイドラインの存在; ・身体的な過負荷や既存の対策や政策・施策の導入に対して責任 がある特定個人の設定; ・病棟レベルでの機能的なグループ内公式ピア・リーダーの存在; ・定期的な会議の存在; ・攻撃的な患者、妊娠したスタッフ、50+スタッフ、若いスタッフ、 転倒防止装置、肥満患者の移乗、転倒後の処置方法、霊安室での 移乗それぞれに応じた方針や対策のマニュアル; ・十分な設備; ・設備メンテナンス TilThermometerはCareThermometer(身体的な介助負荷の危険性を示すように設計さ れていて、使いやすく、ウェブ・ベースの、多言語使用の自己評価ツール)として 更に発展しました。ケアサーモメーターは、同様に施策や方針がどの程度施設や 病院で運用されているか自分自身で評価するための道具としても利用できます。 危険の評価の為に用いられる方法は、12ページ上に記載されている様に3-色の分類 モデル(緑、黄、赤)で、危険分類をビジュアルで確認できます。 ;KnibbeとKnibbe2011; KnibbeとKnibbe2012;http://www.carethermometer.com/ Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 11 3. リスクアセスメントとリスク評価 リスクアセスメント/評価:最終的な評価基準 徒手的患者介助管理に関 す るいくつかの国家や国際的 なガイドラインが あります。 それら は、ISO:TR12296の付属書 A.2に 記載されています。 または www.patienthandlingguidelines. 参 照してください。 Hignett S. Intervention strategies to reduce musculoskeletal injuries associated with handling patients: a systematic review. Occupational and Environmental Medicine, 2003, 60(9):E6. 危険削減 一旦危険/問題が分析的リスクアセスメントによって確認されたなら、危険削減 のための広範囲な導入アプローチはリスクアセスメントの結果に基づいて採用 されるべきです。 危険削減は、介入の組合せによって成し遂げられることができます。これらは、 異なる潜在的危険因子(以下を含む)に、改善する形で導入が可能です: ・異なる種類の患者の世話をしている職員の数と質; ・患者介助のための適切な補助器具の選択と正しい使用; ・職員の情報、教育とトレーニング計画; これらは組織の危機管理システムの一部であるべきで、考慮される他の介入 タイプに相補的であるべきです(介助テクニックのトレーニングだけに基づく 介入は、業務遂行または労働災害率に不十分な影響を及ぼしたことが報告され ています;(Hignett et al. 2003) ・一般的な危機管理システムとはっきりした方針は組織によってきちんと定義し てください。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 12 4. 患者介助介入の組織的観点 方針の運用と手順は、組織が直接的にその人的資源やスタッフの態度を効果的に サポートします。より安全な介助方針を実行して、使うことにより組織は職員に 対し危険を下げる行動を自ら約束します 介入=関係 状況を変えるか遅らせる かまたは発展させるかの 参加行為 発表された患者介助介入の文献には患者の介助危険を下げることへの幅広い戦略を 見つけることができます。(Hignett他2003、Amick他2006)これらは、3つの アプローチ(組織、介助者の身体的、個人的の介入)によって分類されることが できます。 Amick B, Tullar J, Brewer S, et al. Interventions in health-care settings to protect musculoskeletal health: a systematic review. Toronto: Institute for Work and Health, 2006; Hignett S, Crumpton E, Ruszala S, Alexander P, Fray M, Fletcher B. Evidence based patient handling: tasks equipment and interventions. London, Routledge, 2003. 以下の介入戦略は、組織内で確認することができます: 多因子患者に対する複雑で効果的な介入は、組織的なリーダーシップと管理が必要 です。肯定的な安全に対する習慣の変化や発展も、重要な要因であります。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 13 4. 患者介助介入の組織的観点 効果的で安全な習慣を院内/施設で評価し、改善 し、発展させていく際、以下の点を相互的に利用 するべきです: Hignett S. Embedding ergonomics in hospital culture: top-down and bottom-up strategies. Applied Ergonomics 2001;32:61–9. ・積極的な組織的行動をつくる強力な管理構造、方針と 方法の作成; ・実例に沿って、積極的な行動による管理者の強い意志 と費用の確認; ・労働環境の変化を促進し、肯定的な文化を醸成する 高いスキルと動機付けられた職員; ・損傷から職場復帰が可能となるサポートがある職業上 サービスの提供。これは、再び前向きな患者介助習慣 を作ることができる職場のケアと言う精神的な支えを 構築します。 「患者介助 リスクを管 理する適切 な管理構造 の提供が、 キーで す。」 組織的システムのための特定ガイダンス 管理システム 明白な責任と説明責任の線は、変化のための前向きな環境を創造するためにきちん と確認されるべきです。これらの管理構造は、各地方自治体レベルの法令とヘルス ケア組織の属性を反映しなければなりません。 組織的で人間工学的なアプローチは、患者介助の安全管理戦略の効果的な介入に対 してトップダウンとボトムアップの2つの解決方法があります。(Hignett 2001) ある適切な管理構造は、患者介助の危険を管理するために提供されるべきです。こ の構造は、危険削減のための適切な管理尺度が行われるように、管理役割と責任を 定めなければなりません。 ポリシーと方法 安全な患者介助ポリシーの対策は、多くのヘルスケア組織で危機管理システムの導 入を加速するはずです。 ポリシーの内容は多くの異なる問題をカバーすることができますが、組織が患者の 移動や患者介助の危険から潜在的損害を減らすための戦略を明確にするべきです。 システムまたはプロセスの利用は、組織的行動の手助けになる事ができます。統合 された方針とプロセスの開発は、さらに患者移動の安全面を含んだ臨床実践の発展 が可能となります。マニュアルは、それぞれの現場での約束事などの取り決めや実 践も含むべきです。 財政的な責務 組織は実行するために介入の変化や機器の購入等の財政的な援助が可能であるこ とを証明する必要があります。ヘルスケアへの財政的な圧力は、これらの介入コ ストに対する利益が正当化される必要があることを示唆しています。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 14 4. 患者介助介入の組織的観点 適切な職員の提供 組織が患者介助の危険管理をするために、職員構造について決めるとき、プロセス をサポートできる様に新たに創設される多くの異なる部門があります。以下は、 考慮に入れられるべきです; 成功した患者介助の危険 に対する管理は、ヘルス ケア組織にとって不可欠 です。適切なリスクアセ スメント、分析と危険削 減方法の対策は、プロセ スの一部だけです。組織 内の全レベルの管理者が 十分な人間、時間、財政 や人的資源を供給して 構造への介入に対する 強い意思を表すことは重 要で、患者介助の業務か ら潜在的な損失を軽減 できます。 Knibbe JJ, Knibbe NE. Monitoring the effects of the ergonomics convenants for workers in Dutch health care. In Pikaar, RN, Konigsveld, EAP, Settels, PJM. (eds.) Proceedings of the XVth Triennial Congress of the International Ergonomics Association, Meeting Diversity in Ergonomics 11–14 July 2006, Maastricht, Netherlands; Nelson A, Matz M, Chen F, Siddharthan K, Lloyd J, Fragala G. Development and evaluation of a multifaceted ergonomics program to prevent injuries associated with patient handling tasks. Int. J. Nurs Studies. 2006;43: 717–33. 患者比率に対する職員数: 患者介助のための安全なシステムの発展は、いく らか一定のケアスペースで必要とされる職員数に 影響があり、同じく一定の作業スペースで スタッフの能力と資格取得レベルと相互作用 します。安全な患者介助作業のために必要と される職員数が職員比率の計算にて算出される ことをお勧めします。 リフトチーム: リフトチームの育成は、専門のリフターに関して 高いスキルと身体的に有能なグループを導入しま す;必要であるとき、適切な数の移乗機器が利用 可能でることは、重要です。 患者介助アドバイザー: ある組織に、特にUK(英国)では、特定の一職 員がサポート業務を中心とする役割を任せられ ました。そして、この役職は同時に患者介助 戦略を促進することを任されています。 ピア安全リーダー: 上記に代わるもので、ローカル・レベルでリスク アセスメントと管理専門知識を提供する部署ベー ス毎の人の設置です。彼らはピアグループの フィードバックと教育にて改善し、適宜患者介助 アドバイザーとともにサポートします; 以下は 例です:腰部認定看護師(Back Injury Resource Nurse (BIRN) (Nelson et al. 2006),エルゴ コーチ(人間工学コーチ)Ergo-coach Knibbe & Knibbe 2006)。 職業健康管理サービス: 組織全体として潜在的損傷に対する影響を減らす ために、組織が適切な職業健康管理を提供する ことは、重要です。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 15 5. 補助器具と設備 限られた移動性による患者介助と移動のための適切な補助器具と機器の使用は、 予防方針の基本的な部分です ̀ 使用される補助器具と機器の例は、 以下の通りです: ・医療用のベッドと電動駆動装置 ・リクライニングシート/ストレッチャー ・スライディング・シート/ボード ・エア式水平移乗装置 ・立位補助器具(スタンディングリフト) ・床走行式のアクティブまたはパッシブ・リフト ・早期離床補助機器 ・天井走行リフト/壁埋め込み式リフト ・スリング(吊り具) ・シャワー・チェアまたはトロリー ・高さ調節機能付き浴槽 ・浴槽リフトと車椅子 ・グリップと取っ手 ・ストッッキング(または間欠式空気ポンプ) 「限られた移動性 をもつ患者の介助と 移動のための適切な 補助器具や機器を 使用することは、 予防方針の基本的な 部分です。そして両 方は、徒手的な患者 介助から筋骨格損傷 の危険性を減らし、 ケアの質を高めま す。」 それぞれの国での規定や規則は異なりますが、さらに機器の予防的なメンテナンスは 重要です。 補助器具の選択方法は、以下の問題を考慮するべきです: ・組織的問題(すなわち24時間にわたる介助者の配置); ・介助を必要としている患者のタイプ; ・介助頻度のタイプ(すなわちベッド ― 車椅子など)に対してのアセスメント; ・機器が使われる環境; ・基本的な人間工学的な必要条件の定義 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 16 5. 補助器具と設備 補助器具選択の具体的な方法 より詳しく読むには: 「Knibbe JJ, Waaijer, EM. Mobility Gallery, ArjoHuntleigh, Sweden 2008; http://www. arjohuntleigh.com/ 5. Aids & Equipment Battevi N, Menoni O, Ricci MG, Cairoli S. MAPO index for risk assessment of patient manual handling in hospital wards: a validation study. Ergonomics. 2007;49: 671–87; Granger CV, Hamilton BB, Linacre JM, Heinemann AW, Wright BD. Performance profiles of the functional independence measure. Am J Phys Med Rehabil. 1993;72: 84–9; Hignett S, McAtamney L, Rapid Entire Body Assessment. Applied Ergonomics. 2000; 31:201–5; Knibbe JJ, Knibbe NE. Monitoring the effects of the ergonomics convenants for workers in Dutch health care. In Pikaar RN, Konigsveld EAP, Settels PJM. (eds.) Proceedings of the XVth Triennial Congress of the International Ergonomics Association, Meeting Diversity in Ergonomics 11-14 July 2006, Maastricht, Netherlands; Nelson A. Safe Patient Handling and Movement. 2009, Springer, USAを参 照してください 異なる機器は、世界中で利用されており、正しいテクニック、正しい介助者の数、 そして適正な機器を選ぶことができます。これらのすべては、ケアの質、主要な 原則と介助者の安全に基づきます。米国とカナダでは安全な患者介助アルゴリズム ((Nelson 2009)は、介助者の選択で最も一般に使用されるテキストです。 重要な評価基準は以下の通りです: ・援助を提供される患者の能力; ・体重を支える患者の能力; ・患者の腕による支持能力; ・協力しながら、指示に従える患者の能力; ・患者身長と体重; ・特殊な医師の指示または推奨理学療法 英国、USとオーストラリアでの介助者補助器具選択の評価の ためのツール ・REBA (Hignett & McAtamney 2000) ・FIM (Granger et al. 1993) ・Resident Assessment Instrument (RAI) ・Mobility Gallery (Knibbe & Knibbe 2006) イタリアでは広くMAPO法が使われている(Battevi et al. 2006)。そしてオラン ダでは、実践ガイドラインが使われています(Knibbe & Knibbe 2006)。 患者移動性を刺激し、維持することはケア部門の重要な目的ですが、同時に、 それは許容限度の範囲内で介助者が安全に身体的負担を維持する事も重要です。 補助器具/機器の数 多くの施設は最適設備数を提供していません。しかし、これは日々の必要作業条件 に従い変化する事が有り得ます。それは要因(例えば病棟タイプ、作業方法と衛生 規制)によって異なるかもしれません。ISO TRの付属書Dは、若干の例ですが、補助 器具/機器数を算出するための指標を提供しています。 患者介助作業 それぞれの患者のための関連した介助は、どのように実施され、どの様な補助 器具/機器が使用されて、どれだけの介助者で行われたか記録を取るべきです 職員教育とトレーニング 情報、教育と補助器具/機器の適正使用のトレーニングは、より安全な実務作業を 成し遂げる職員の間で、振る舞いや態度の変化を促進させ、患者介助時の身体的 少ない負担はケアの質自体を改善させる重要な要因です。しかしながら、トレーニ ングと教育だけでは、正しい職場環境デザインに代わることができません。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 17 6. 建物と環境 徒手による患者の介助環境は、それらの使用が適切でないならば、危険かもしれま せん。すべての徒手による患者介助空間は、機器の使用と正しい作業姿勢を考慮 するべきです。 更なる建物と環境におけ るリスクアセスメント方 法は、ISO TRの人間工学 のヘルスケア部門の人に よる徒手的介助ISO/TR 12296(付属書D)を 参照。 一般的に、徒手的な患者介助の環境は、建設される目的の場所、または適合された ヘルスケア・サービスの目的で建築された建物や既存建物をサービス目的に改良 された建物です。環境は、一般的に治療、ケア・介助と衛生作業を含みます。 実際には、介助者は作業空間の不足のため、提供される機器を使うことが できない場合があるか、制限されたか、限られた空間のために、悪い姿勢で 働かざるを得ないかもしれません。 労働環境におけるスロープ、傾斜や段階は機器を動かすために必要な身体的努力 を増やします。そして、それは筋骨格の負担を増やし、したがって損傷の危険性 が増します。機器を動かす必要がある床は、適切に維持されるべきです。濡れて いたり、感染された床は、作業者に特定の危険が及ぶ可能性があります。 リスクアセスメントは、患者が介助を受けるスペース全ての不足事項を確認すべ きで、そして介助を補助する機器の有無にかかわらず、作業する床で、どのよう な些細な問題でも確認するべきです。リスクアセスメント評価は、特定の環境に ふさわしい機器の選択についてのアドバイスを更に提供することが出来ます。 付属書Dでは、ISO TRは、いろいろな患者が介助を受ける異なるスペースで何が 不足しているか特定、分析して、ガイダンスを与えてくれます。以下の環境は、 TRで含まれて、定義されています: 付属書Dでは、ISO TRは、いろいろな患者が介助を受ける 異なるスペースで何が不足しているか特定、分析して、 ガイダンスを与えてくれます。以下の環境は、 TRで含まれて、定義されています: ・成人向きのベッド・スペース(一般病棟/外科病棟); ・衛生施設; -トイレ/シャワー; 「補助器具/機 器の適正使用の 十分な空間は、 重要です。」 ・集中治療室; -大人; -高い依存患者; -新生児; ・手術室; ・救急受入れユニット; ・高齢者介護施設; ・他; -肥満患者施設; -産科; -ER部門; ・診断部門; ・プライマリーケア; ・反転スペース、クリアランス(通路、アクセス/出口、曲り角); ・フローリング床、エレベーター、階段; ・ドア、持ち手、手すり。 TR、更には建物のデザイン関して、既存の標準化情報を提供しますが、在宅ケア 環境と車両(例えば、救急車)は除外します。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 18 7. 職員教育とトレーニング Amick B, Tullar J, Brewer S, et al. Interventions in health-care settings to protect musculoskeletal health: a systematic review. Toronto: Institute for Work and Health, 2006; Bos EH, Krol B, Van Der Star A, Groothoff JW. The effects of occupational interventions on reduction of musculoskeletal symptoms in the nursing profession. Ergonomics. 2006;49:706–23; Knibbe JJ, Knibbe NE. An international validation study of the Care Thermometer, a tool supporting the quality of ergonomic policies in health care, accepted for the IEA conference in Recife 2012. Martimo KP, Verbeek J, Karppinen J, et al. Effect of training and lifting equipment for preventing back pain in lifting and handling: systematic review. BMJ. 2008;336:429–31; Nelson A, Baptiste AS. Evidencebased practices for safe patient handling and movement. Online J Issues Nurs.;9:4. 患者介助のトレーニングは、組織の危機管理システム の一部であるべきです。職員教育とトレーニングは、 より安全な実践作業で(手で行う時よりも身体的負荷 が少なく)患者と患者ケアの質改善を成し遂げる良い 行動変化を促進するために欠かせないからです。介助 者は、正しいボディメカニクスだけを使うトレーニン グをすることは、研究によって、激しい負荷/負担を身 体から引き下げることは証明されませんでした。 (Nelson & Baptiste 2004; Amick et al. 2006; Bos et al. 2006, Martimo et al. 2008) 効果的なトレーニング計画は、管理部の関与と サポートを必要として、組織の安全管理システムの 一部であるべきです。プログラムは、組織(専門家の トレーニングだけでなく)で患者介助を実施する すべての人を含むべきです。 患者介助 トレーニング は、組織の危機 管理システムの 一部でなければ なりません 教育とトレーニングは時間軸に対し、その効果を評価する事を推奨します。 トレーニングを計画するとき、以下の点は考慮されるべきです: *適切なトレーニング: ・管理部(プログラムの法令順守、変化を促進して、標準化設定するために); ・患者介助作業を行うスタッフのすべてのレベル。 *トレーニングの前に利用可能でなければならない適切な設備の供給; *同僚の良い実践による介入; ・それぞれのユニットで、トレーニング中にきちんと実践ができる1~3名程度 が推奨されます。すなわちキー-ワーカー/エルゴ・コーチ/ピアー・リーダー; *トレーナー、キー・ワーカーとケアをする職員に対する能力の定義; *トレーニング計画は理論的で実践的ハンズオンが含まれること; *彼ら・彼女らの学習の必要性に基づく職員のスキル・トレーニングのための 十分な時間配分; ・新任でトレーニングを受けていない職員は、より包括的な教育を受けるべき です; ・職員がトレーニングに参加する十分な時間を配分する必要があります; *職員と患者ニーズへのトレーニング内容の適合化; ・リスクアセスメントの上で、職員に対する必要な中心的な能力; *すべての新しいスタッフには広範囲なトレーニング; ・少なくとも、同じ職場で、同じ作業のもとで仕事をしている職員の為に、3年 毎にトレーニングとチェックまたは再教育を実施しフォローアップを行う; *キー・ワーカーのより頻繁な再教育とサポート; *適切な記録の維持とトレーニングの管理。 患者介助作業から生じた事故と事件は報告義務があります。そして、事故/事件の 状況はきちんと調査されます。同様の事故を防止する為に適切な手順を踏む義務が あります。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 19 8. 介入効果の評価 徒手的患者介助の評価は、複雑なプロセスです。そして、研究の比較は難しい。 何故なら: それぞれの研究や既存の 標準が同じ方法で直接比 較されない限り現時点で は可能ではない。 • 結果は、異なるツール、定性と定量を使って、しばしば判断されます; • いろいろな介入水準(組織的な、身体的な、そして、人員)で得られる最高 の実践の一致は殆どありません。 徒手的患者介助の介入による比較困難さは、筋骨格障害の減少を説明しようとする よりも危険の減少を評価する方が現実的であるとも言えます。 以下は、したがって、評価される可能性があります: ・組織的介入 ・身体的なおよび工学的介入 ・個人レベルの介入 人において 正しいトレーニング、教育と行動は、個人で安全習慣と安全な能力を測る2つの 構成要素を使って評価されることができます: 更なる閲覧:Johnsson C et al. A direct observation instrument for assessment of nurses' patient transfer technique (DINO).Appl 2004;Ergon. 35:591-601; 能力 適切に機器を使用して、正しく環境を準備して、適切なボディメカニクスを使用 して、移動されている患者のニーズを理解するヘルスケア・ワーカーの能力を 評価します。 法令順守 個々の職員が組織の質問によってリスクアセスメントの規則と同意した手順に 従った範囲を評価します。 患者について 患者が動いたとか臨床結果(例えば、創傷ケア、リハビリテーションや移動 レベル)を含む患者の身体的もしくは主観的要素を含むフィードバックによる 患者の最終結果によって測定します。 すべての介入タイプで 介入戦略と世界的な標準の発達の比較対象の可能性の為に、介入変化の影響を 測定、評価するには様々な介入研究が依然として必要です。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 20 8. 介入効果の評価 更なる閲覧:The CareThermometer (Knibbe & Knibbe 2011; Knibbe & Knibbe 2012) can also be used in conjunction with the Policy Mirror* as an instrument for evaluating interventions. Fray, M. A comprehensive evaluation of outcomes from patient handling interventions. PhD Thesis. Loughborough Design School, Loughborough University, 2010.; テーマ(結果) 定義 Theme (Outcome) Definition 1 安全習慣 組織行動とその管理システムが患者介助の危険をどの様に コントロールするかの評価。これは、例えば、ポリシー、 リスクアセスメント、トレーニングその他の記録等の行動 よりもむしろ方法の監査です。そして、財政的、組織的に 予防プログラムに対するサポートに対する尺度を評価しな ければならない。 2 筋骨格の健康状態 の評価 作業職員の筋骨格障害レベルの測定値、損傷、慢性的な 状況、職務適合性、スタッフ離職率、作業能力など。 3 法令の順守、能力 徹底した患者の移乗、能力、スキル、安全な方法と機器 使用による法令順守へのスタッフ個々の行動規範の計測。 4 欠勤あるいは 職員の健康 失われた日/シフト、筋骨格障害の為に失われた時間、 職員の交代、作業能力の低下した職員など、生産性から 離れた時間を記録する測定。 5 ケアの質 尊厳、尊敬、安全、感情移入等、患者が移乗されたとき に患者の要求に応じていたか? 6 インシデントと アクシデント 職員は、一つの職務測定として中心的な場所で職員が負傷 する可能性があったか患者介助からのインシデント、 アクシデントまたはヒヤリハットの記録 7 精神的幸福 スタッフの精神衛生の状態の測定、精神的緊張の測定、 疲労感、職務満足度。 8 患者の症状変化 患者移乗の介助方法が、入院日数や治療進行や自立性に 影響があったか? 9 患者の知覚・ 認知力 移乗または移動中の恐怖心、快適性などの患者の主観的 な評価。 10 筋骨格障害 表示方法 力、姿勢、作業頻度、痛みに苦しんでいる職員の身体的 作業負担要因の測定。 11 患者損傷 移動、挫傷、裂傷、皮膚損傷などの介助中に、患者に 対する損傷やアクシデント、インシデントを記録する。 12 費用対効果 施設、病院での筋骨格障害に対する経済的効果、失った 職員の時間、費用計算した作業性、労災申請、予防 プログラムに対する直接的、または間接的コスト MS(筋骨格); MSD、筋骨格疾患[Dr M Fray博士から容認され構成しました] *www.arjohuntleigh.com Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 21 9. 結論 ISO TRで、そして、この編集要約で提示した推奨される結論 完全なISO TRでは、危険の検証と徒手的な患者介助リスクと関連して、リスク削減 に対しての解決方法と実践例の推奨方法を提示しました。 それが促進されたとしても、職員の損傷や危険に対する不完全な態度や理由はどう であれ、今まで行ってきた習慣を変えることは非常に難しいことです。 この習慣の変革はすべての利害関係者が一緒に取り組み、達成する為に必要な方法 を追及し認識するときのみ可能となります。TRとこの編集された概要では、我々 は以下のステップを利用してどの様に介入できるか確認しました。: ・徒手的介助を伴うヘルスケア・職員に本当の危険を理解すること によって; ・リスクアセスメントと評価に同意して、危険削減の観点から理解 することによって; ・患者介助介入の組織的観点を見つめることによって; ・補助器具と機器の使用を調査することによって; ・患者介助が行われる場所の環境と建物を調査することによって; ・職員・トレーニングがどの様に患者介助損傷の削減に作用する 可能性があるか見ることによって; ・上記全てを管理者に共通認識として取り込むことによって; ・患者介助結果の成功を評価することによって。 Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 22 Notes Ergonomics - Manual Handling of people in the healthcare sector 23 This can be prevented To learn more, visit: Caregiver injury at work is easily preventable when you have sufficient space, preventable aids and correct working techniques. manual The ISO/TR 12296 provides the highest level evidence of assessment handling of people. A fundamental element is in thorough the of patient/ resident mobility and ArjoHuntleigh developed experience Our tool. on-line validated Care Thermometer multi-lingual For more demonstrates that caregiver injury can almost be eliminated. visit information on how to reduce the risk of a preventable event, www.thepreventable.com Watch the preventable animation here: