...

福祉用具共通試験方法-駐車ブレーキ機能

by user

on
Category: Documents
18

views

Report

Comments

Transcript

福祉用具共通試験方法-駐車ブレーキ機能
X XXXX:0000
福祉用具共通試験方法-駐車ブレーキ機能
Common testing methods for assistive products-Parking Brake Function
序文
この規格は,福祉用具に付随する“機能”に着目した福祉用具の品目にとらわれない共通試験方法であ
る。これらの機能別の試験方法の組合せによって,様々な福祉用具について最低限のリスクを評価するこ
とが可能となる。
適用範囲
1
この試験方法は,駐車時に車輪やキャスターを固定する機能(駐車ブレーキ機能)を持ったものに適用す
る。
引用規格
2
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。
)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS T9201
手動車いす
JIS T9205
病院用ベッド
JIS Z 8703
試験場所の標準状態
ISO11199-1
Walking Frames
ISO 11199-2
Rollators
ISO11199-3
Waiking tables
用語及び定義
3
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
座るもの
座位姿勢を保った状態で使用するもの。
例
手動車いす,電動車いす,起立移動車,電動三・四輪車,シャワーチェアなど
3.2
寝て使うもの
臥位で使用するもの。
例
3.3
ベッド,ストレッチャーなど
2
X XXXX:0000
歩行・起立を補助するもの
歩行や起立動作を補助するもの。
例
試験方法
4
座るもの
4.1
4.1.1
a)
歩行車,シルバーカー
静止力試験
試験装置
1)
おもり(テストダミー)
JIS T9201「手動車いす」附属書 3 に規定する 100kg,75kg 用ダミー。
C-C
B-B
B
ピポット
B
50±3オープンセル
硬質フォーム
30±3クローズドセル
高密度フォーム
A
A
C
A-A
図1
2)
傾斜台
C
ダミー全体
15±3クローズドセル
高密度フォーム
3
X XXXX:0000
用具を載せることのできる平面を持つ傾斜台。平面は可能な限りガタツキや凹凸がなく平らであ
ること。また水平面に対して傾斜させることが可能であること。
b)
試験条件
試験は,JIS Z 8703 に規定する温度 23±5 ℃,相対湿度 (65±20) %で行う。
c)
試験方法
図 2 のように用具にテストダミーを載せ,駐車用ブレーキや自動ブレーキ1)などの駐車ブレーキ機
能を働かせた状態で用具を傾斜台に置き,1分間静止しているかどうかを調べる。傾斜台の傾斜角度
θについては当事者間の協定とするが,例を表 1 に示す。
この試験は,傾斜台に対して用具を上向き及び下向きに置いて行う。駐車用ブレーキが複数装着さ
れている場合は,各々試験を行う。また,高さ調節機能のあるものは,高さを最大値にして行う。ダ
ミーの質量は表 2 のとおりとする。
なお,試験に供する用具の車輪,キャスタは,トレーリングポジション2)とし,傾斜台上を滑るこ
とがないよう傾斜面との間に充分に摩擦があるものとする。
表1
傾斜角度の例
用具の種類
駐車用ブレーキで固定するもの
(手動車いす,簡易型の電動車いす,シャワーキャリー)
自動ブレーキで固定するもの
(簡易型を除く電動車いす)
傾斜角度(θ)
7度
10 度
注 1) 自動ブレーキとは,操作レバーやハンドルのアクセルレバーを初期状態にしたとき,自動的に
制動がかかるブレーキ。
2)
トレーリングポジションとは,車いすが前進状態にあるときのキャスター(又は車輪)の位
置のことをいい,前進時の進行方向と平行に向いた状態のこと。
表2
テストダミーの質量
使用者の体重
25kg 以下
25kg を超え 50kg 以下
50kg を超え 75kg 以下
75kg を超え 100kg 以下
ダミー質量
25kg
50kg
75kg
100kg
4
X XXXX:0000
a)静止力試験上向き
b)静止力試験下向き
図2
静止力試験
寝て使うもの
4.2
4.2.1
静止力試験
a) 試験装置
1)
おもり
表 3 に示す最大積載荷重と同等の質量のおもり。
2)
傾斜台(走行路)
用具を載せることのできる平面を持つ傾斜台。平面は可能な限りガタツキや凹凸がなく平らであ
ること。また水平面に対して 10 度の傾斜角度を持ったもの(又は 10 度に傾斜させて固定できるも
の)。
b)
試験条件
試験は,JIS Z 8703 に規定する温度 23±5 ℃,相対湿度 (65±20) %で行う。
c)
試験方法
図 3 のように用具に表 3 も示す最大積載荷重を載せ,駐車ブレーキ機能を働かせた状態で,10 度の
傾斜台に用具を運搬状態で1分間置く。このとき,用具が 10mm 以上移動しないかどうかを調べる。
試験は,傾斜台に対して用具を上向き及び下向きに置いて行う。
駐車用ブレーキが複数装着されている場合は,各々試験を行う。キャスタに旋回機能がある場合,
キャスタを最も望ましくない位置とし,傾斜台上を滑ることがないよう傾斜面との間に充分に摩擦が
あるものとする。また,高さ調節機能があるものは,高さを最大値にして行う。
なお,安全使用荷重は,用具自体の自重との和が 2600N以上となるように設定する。
注記
傾斜面上で試験を行っているが,これは用具を傾斜面上で駐車させた場合を想定しているので
はなく,水平面上で駐車中の用具に水平方向の力が加わった場合を想定している。傾斜面上で
行っているのは,力を加える箇所の違いによる影響を避け,用具全体に力を一様に加えるため
である。
5
X XXXX:0000
表3
区分記号
W25
W50
W60
W75
W80
W100
W120
WX
注記
最大積載荷重による区分
使用者の体重
25kg 以下
50kg 以下
60kg 以下
75kg 以下
80kg 以下
100kg 以下
120kg 以下
120kg を超える
最大積載荷重
600N
850N
950N
1100N
1150N
1350N
1550N
1700N を超える
最大積載荷重は,使用者の質量のほか,マットレス(200N)
,付属品(150N)を含めた荷重値
とした。区分記号 WX(120kg を超える)の最大積載荷重は,使用者体重を 1350N として計算
した。
安全使用荷重
θ
図 3 静止力試験
歩行・起立を補助するもの
4.3
4.3.1
a)
静止力試験
試験装置
1)
おもり
表 4 に示す最大積載荷重と同等の質量のおもり。
2)
傾斜台
用具を載せることのできる平面を持つ傾斜台。平面は可能な限りガタツキや凹凸がなく平らであ
ること。また水平面に対して傾斜させることが可能であること。
b)
試験環境
試験は,JIS Z 8703 に規定する温度 23±5 ℃,相対湿度 (65±20) %で行う。
c)
体重区分
試験は,表 3 の最大積載荷重によって区分する。
6
X XXXX:0000
表4
最大積載荷重による区分
使用者の体重
25kg 以下
25kg を超え 50kg 以下
50kg を超え 75kg 以下
75kg を超え 100kg 以下
c)
最大積載荷重
125N 以上
250N以上
375N以上
500N以上
試験方法
図 4 のように用具の駐車ブレーキ機能を働かせた状態で傾斜台上に置く。そして表 4 に示す最大
積載荷重を加えた状態で1分間放置し,10mm 以上移動しないかどうかを調べる。
傾斜台の傾斜角度θについては当事者間の協定とするが,例を表 5 に示す。
荷重Fは左右両側のハンドルの中央部を結ぶ線分の中点に掛けるものとする。試験は,傾斜台に
対して用具を上向き及び下向きに置いて行う。駐車用ブレーキが複数装着されている場合は,各々
試験を行う。また,高さ調節機能のあるものは,高さを最大値にして行う。荷重Fの値は表 4 のと
おりとする。
なお,試験に供する用具の車輪,キャスタはトレーリングポジションとし,傾斜面上を滑ること
がないよう傾斜面との間に充分に摩擦があるものとする。
表5
傾斜角度の例
用具の種類
歩行車
傾斜角度(θ)
6度
F
F
F
θ
θ
F
F
F
=
θ
θ
図4
静止力試験
=
Fly UP