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新生児科
新生児科 1.2013 年度目標(診療管理部門推進計画に沿う) ① 外来列数の増加 ②手術数の増加 ③地域医療への貢献 ④看護師への協力 また、前年度に引き続き下記計画達成に努力する。 ④ 後期研修カリキュラムの見直し ⑤ フォローアップ体制の整備 2.2012 年度評価 1)総合評価 多職種によるチーム医療が進んだ。ME に加え,病棟薬剤師が配置され,医療の質が向上した。母乳育 児支援も進んでおり病棟栄養士による NST も深化させていく予定である。TeamSTEPPS (Team Strategies and Tool to Enhance Performance and Patient Safety)の実践も継続している。 2)入院数、治療成績 (1)全入院数:237 名 (2)内訳:①超低出生体重児(~999g)6 名, ②人工呼吸管理 ③低体温療法 極低出生体重児(1000~1499g)16 名 (DPAP および SiPAP)27 名, (人工呼吸管理左記以外) 24 名 2名 ④新生児外科手術症例 1 名(腸回転異常(1)) ⑤新生児死亡数 1 名(死亡率 0.4%)(晩期循環不全疑い(1))カッコ内は人数 母体胎児管理が進んだ結果、超・極低出生体重児も単純に出生することはなくなり preterm PROM や FGR を伴い新生児管理が難渋する症例が増加している。後期研修に対応できる入院数は維持できている。小 児外科医の安定供給による新生児外科症例数増加が望まれる。 またフォローアップ外来が常に超過するようになり診療枠不足への対策が必要である。 3) 講習会 日本周産期新生児医学会新生児蘇生法普及事業(NCPR)講習会事務局を置いている。 2011 年度開催実績: A コース1回、B コース 2 回 3.新生児科の業務紹介 1)診療領域 ①NICU(新生児集中治療室)および GCU(回復期治療室)②出産後母児同室管理をしている新生児 ③NICU 退院後のフォローアップ外来 対応可能な特殊治療:①NO 吸入療法 ④産科ハイリスク外来および MFICU の prenatal visit ②低体温療法 対応不可能な特殊治療:①ECMO(人工肺) ③動脈管結紮術、網膜光凝固術、小児外科手術 ②CHDF(血液浄化療法) ③上記以外の外科手術 その他の特徴:①医療圏は房総半島の南半分。ヘリコプター搬送により圏外から受ける場合もある。 ②遠距離居住の患者様御家族には、Internet 経由で Web camera による面会を行って いる。 2)施設概要 (1)新生児特定集中治療室管理料施設基準(厚労省告示第 73 号)NICU(9 床)GCU(18 床) (2)総合周産期母子医療センター(千葉県) (3)日本周産期新生児医学会専門医制度 基幹研修施設(新生児専門医) (4)新生児蘇生法講習会事務局(亀田総合病院総合周産期母子医療センター) 3)スタッフ 奥起久子(顧問),佐藤弘之(部長、総合周産期母子医療センター副センター長),水谷佳世(医長) 非常勤スタッフ:加藤英二、西田俊彦、三浦文宏、佐々木寛、杉江学、野澤政代、山口直人 4)当直体制 当直・拘束 2 人体制による独立当直(常勤医師 3 名、既研修医師 12 名、非常勤医師 7 名) 4.教育 1)研修の特徴 総合病院の周産期センターであり、早産児や母体合併症妊娠出生児を産科と連携して診療できる。小 児外科疾患は院内、新生児心臓・脳外科疾患の研修は他施設と連携して行う。院内他科ラウンドは希望 により可。 後期研修医の新生児科研修は小児科計6ヶ月、産科3ヶ月、家庭医2週間。初期研修は希望で選択可。 本年度は小児科研修中に1週間の新生児科研修が義務づけれたが継続するか否かは検討中である。 後期研修の目標は新生児の初期診療と GCU 診療ができること。小児科研修医は学会要項に準ずる。 周産期・新生児医学会専門医研修の目標は NICU 診療ができること。研修年数・項目は学会要項に準ずる。 2)2012 年度研修実績 3 ヶ月研修:小児科(2 人)、産婦人科(2 人) 2 ヶ月研修:小児科(2 人) 1ヶ月研修:内科小児科プログラム(3 人),初期研修医(1人) 2 週間研修:家庭医診療科(3 人)、1 週間研修:初期研修医(14 人) 3)定期回診・カンファレンス ①NICU・GCU 回診(毎日 朝 AM8:05~8:30、夕 PM17:00~17:30) ②入院症例クリニカルカンファ(毎週 木曜 AM07:30~08:00) ③退院前症例カンファ・ミニレクチャー(毎週 月曜・木曜 PM16:00~17:00) ③外国人医師回診 :英語による症例呈示と討議の研修(毎週 木曜 AM11:00~12:00) ④周産期カンファ :産科・新生児科・小児外科による合同カンファ (毎週 金曜 AM7:30~8:00) ⑤柳澤回診(日本子ども家庭総合研究所):総合的な症例検討(月 1 回 金曜 PM16:00~17:30) ⑥板橋カンファ(昭和大学小児科) :栄養を中心とした症例検討(2-3 ヶ月に 1 回 月曜 AM10:00~12:00) ⑦CLAP カンファ:唇顎口蓋裂診療に関わる多職種の勉強会(2-3 ヶ月に 1 回) ⑧TeamSTEPPS カンファ:NICU 内の医療安全に関わる事例検討(2-3 ヶ月に1回) 4)Consensus2010 に基づいた新生児蘇生の講義および実習(研修医対象、2時間、1ヶ月間隔) また、新生児蘇生法普及事業(NCPR)講習会を開催し受講を推奨している(上記 2-3)参照)。 5.学術活動 1)著書 奥起久子、原裕子、河野達夫:画像による新生児症例カンファランス(978-4-8404-4074-5)メディカ出版 (2012,12) 2)総説 奥起久子:【正しい情報を得て,続けよう 要性および事故もふまえた注意点 奥起久子:小児・新生児の栄養 出生直後のカンガルーケア】 出生直後のカンガルーケア 必 助産雑誌(1347-8168)66 巻 5 号 Page390-397(2012.05) 母乳の栄養学的・免疫学的な知識[前編] こどもケア 7 巻 2 号 Page91-96(2012.06) 奥起久子:【こんな支援がほしかった!母乳育児支援の技・こころ・タイミング~NICU 卒業生の母親 117 名へのアンケートからヒントが見つかる~】 (Voice 18)授乳に時間がかかる子どもで、授乳後の搾乳も 含めると 1 回に 1 時間~1 時間半もかかってしまい、自分の食事の時間も十分に取れませんでした。退 院後、家事と授乳をどうやったら両立できるかなどの情報が事前にほしかったです。またそういった困 ったことをどこに相談していいか分かりませんでした Neonatal Care(1341-4577)25 巻 8 号 Page828-829(2012.08) 奥起久子:【こんな支援がほしかった!母乳育児支援の技・こころ・タイミング~NICU 卒業生の母親 117 名へのアンケートからヒントが見つかる~】 (Voice 19)退院後に母乳をあげることについて、祖父母か らなかなか協力が得られませんでした。「出ないおっぱいを吸わせて」とか「粉ミルクも飲みたいよね」 などといった言葉がつらかったです。私が言ってもなかなか受け入れてもらえなかったので、NICU のス タッフから母乳の必要性などを伝えてほしかったです Neonatal Care(1341-4577)25 巻 8 号 Page830(2012.08) 奥起久子:【こんな支援がほしかった!母乳育児支援の技・こころ・タイミング~NICU 卒業生の母親 117 名へのアンケートからヒントが見つかる~】 (Voice 22)生まれた子どもが先天性心疾患でした。心疾患 がある場合、母乳は体によいとも聞いたのですが、直接授乳は負担になる上、量も分からないので決ま った量のミルクを哺乳瓶で飲ませたほうがよいとも聞きました。本当はどうなのでしょうか Neonatal Care(1341-4577)25 巻 8 号 Page836-838(2012.08) 奥起久子:小児・新生児の栄養 母乳の栄養学的・免疫学的な知識[後編] こどもケア 7 巻 3 号 Page93-97(2012.08) 奥起久子:【Q&A で学ぶお母さんと赤ちゃんの栄養】 Q&A 小児科編 母乳 母乳を保存して飲ませる方法 は? 周産期医学(0386-9881)42 巻増刊 Page146-148(2012.11) 奥起久子:【Q&A で学ぶお母さんと赤ちゃんの栄養】 Q&A 小児科編 ですが、母乳の成分が変わらないでしょうか? 母乳 搾母乳を NICU に届けているの 周 産 期 医 学 (0386-9881)42 巻 増 刊 Page149-151(2012.11) 奥起久子:【Q&A で学ぶお母さんと赤ちゃんの栄養】 新生児 母乳栄養 母乳バンクの是非 周産期医学 (0386-9881)42 巻増刊 Page456-460(2012.11) 3)学会発表 水谷 佳世, 松浦 拓人, 西野 誠, 佐藤 弘之, 奥 起久子, 板橋 家頭夫, 柳沢 正義:当院における日本版 NCPR2010改訂後のパルスオキシメーター装着状況について 第15回日本小児科学会学術集会(2012.04 福岡) 水谷 佳世, 佐藤 弘之, 鈴木 真, 清水 幸子, 奥 起久子, 板橋 家頭夫, 柳澤 正義:NICUと産科施設での 予防接種による感染対策 周産期管理を必要としたVaccine Preventable Diseasesの2症例 周産期・新生児医学会学術集会(2012.07 第48回日本 大宮) 佐藤 茉弥, 水谷 佳世, 佐藤 弘之, 鈴木 真, 清水 幸子, 奥 起久子, 板橋 家頭夫, 柳澤 正義:新生児 搬送症例の入室時体温の検討 第48回日本周産期・新生児医学会学術集会(2012.07 大宮) 細川 みづき, 阿部 征子, 佐藤 弘之, 柳澤 正義:Webカメラを用いた面会 て 第59回日本小児保健協会学術集会(2012.09 愛着形成促進への効果につい 岡山) Kikuko Oku, Rina Sakuma, Chikako Morioka, Toshihiko Nishida:An investigation for growth development at three years pf age of extremely low birth weight infants who continued brestfeeding sfter discharge of NICU, 17th Annual International Meeting of Academy of Breastfeeding Medicine. 11-14,Oct,2013, Shicago, USA 佐藤 弘之, 水谷 佳世, 杉江 学, 河村 誠次, 鈴木 真, 奥 起久子, 板橋 家頭夫, 柳澤 正義:死亡時画 像診断(Autopsy imaging:Ai)開始による新生児剖検承諾数への影響 集会(2012.11 第57回日本未熟児新生児学会学術 熊本) 小川 優一, 水谷 佳世, 佐藤 弘之, 奥 起久子, 小池 能宣, 渡井 有, 板橋 家頭夫, 柳澤 正義:当施設 における経鼻的持続陽圧換気療法と胃食道逆流症例の検討 (2012.11 第57回日本未熟児新生児学会学術集会 熊本) 4)研究会発表 戸田壮一郎 水谷佳世 佐藤弘之 房産婦人科臨床研究会(2012.04 杉野充伸 小野博也 戸田壮一郎 し新生児搬送となった一例 奥起久子:呼吸障害を認める早産児の搬送に関しての一考 第11回安 鴨川) 水谷佳世 奥起久子 佐藤弘之:ファロー四徴症に肺動脈閉鎖を合併 第12回安房産婦人科臨床研究会(2012.10 鴨川) 鈴木陽介 前田淳子 市河茂樹 水谷佳世 佐藤弘之:心肺蘇生後の低酸素性虚血性脳症に対し、低体温療法 施行した男児の一例 第13回安房産婦人科臨床研究会(2013.02 鴨川) 5)講演 奥 起久子:早期接触をどう考えるか〜出生直後のカンガルーケアを見直すために〜、亀田総合病院 周産 期医療研究会主催母乳育児学習会(2012,06 鴨川) 奥 起久子:「早期接触」と新生児の適応、NPO法人JALC主催第8回医師のための母乳育児支援セミナーin 名古屋(2012,10 名古屋) 奥 起久子:低出生体重児の育児支援:カンガルーマザーケア、ディベロップメンタル・ケア、そしてファ ミリー・センタード・ケア、恩賜財団母子愛育会地域母子保健研修会(2012,10 東京) 奥 起久子:NICUから地域への母乳育児支援、恩賜財団母子愛育会地域母子保健研修会(2012,10 東京) 奥 起久子:NICUでの母乳育児支援 〜低出生体重児が”breastfeeding”で退院するために〜、第29回庄内 周産期懇話会(2012,10 鶴岡) 奥 起久子:NICU退院前後の母乳育児支援 〜低出生体重児が”breastfeeding”で退院するために〜、NPO 法人JALC関東エリア主催母乳育児支援を学ぶ北関東教室(2012,10 佐藤弘之:NICU退院児フォローアップのポイント 川口) 新生児妊産婦訪問指導従事者研修会(2012.10 奥 起久子:周産期におけるファミリー・センタード・ケア、第11回東京新生児研究会(2012,11 佐藤弘之:NICU退院児フォローアップのポイント 新生児妊産婦訪問指導従事者研修会(2012.11 鴨川) 東京) いすみ) 奥 起久子:母子に優しい支援〜早期接触と母乳育児支援〜、恩師財団母子愛育会平成24年度周産期医療研 修会(産科編) (2012,11 東京) 奥 起久子:災害時の乳児栄養〜母乳育児支援の重要性〜、恩師財団母子愛育会平成24年度周産期医療研修 会(産科編) (2012,11 東京) 奥 起久子:母乳分泌過多 会(2012,12 -母親と子どもの臨床症状と支援方法、平成24年度栃木県助産師会第4回研修 栃木) 奥 起久子:体重が増えない赤ちゃんへの母乳育児支援、平成24年度栃木県助産師会第4回研修会、 (2012,12 栃木) 6)座長 佐藤弘之:千葉県周産期・新生児・新生児看護 合同研究会 奥 起久子:第48回日本周産期・新生児医学会(2012,07 (2012.06 浦安) さいたま) 7)その他 奥 起久子:WHO/UNICEF母乳育児支援を学ぶ20時間基礎セミナー 1期(2012-07-09)2期(2012.12-2013.03) 文責:佐藤弘之