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み ら い - 福岡市立病院機構
福岡市立こども病院・感染症センターWeb 広報 69 号(偶数月 15 日発行) 病院の理念 Fukuoka Children’s Hospital み ら い For the future of our children すべての子ども達とご家族の健康と明るい未来を 願い、時代にふさわしい病院を目指します。 〒810-0063 福岡市中央区唐人町 2-5-1 Tel 092-713-3111 Fax 092-713-3120 ホームページ http://www.fcho.jp/childhp 目 次 診療科・部門だより 新生児科 ………… 1 眼科 ………… 2 5F 病棟 ………… 2 医療安全管理室 ………… 3 トピックス …3 ボランティアコーナー …4 人事往来 …………4 あとがき …………4 診療科・部門だより 放射線科受付横の「野菜遊園地」 ↑ 新生児科の職場紹介 新生児科科長 高畑 靖 新生児科の職場を紹介します。新生児科のある 3 階 NICU(新生児集中治療室)は、生後間もな く病気を患った赤ちゃんが入院する病棟で、24 時間 365 日対応できるように準備しています。NICU には低体重の小さな赤ちゃんがたくさん入院しているイメージですが、当院は小児専門病院であ り、一般の産科で出生した赤ちゃんや他院 NICU から手術や呼吸管理のために入院(転院)して来 た赤ちゃんでいっぱいです。 生まれてきた赤ちゃんがお母さんと離ればなれになることは、ご家族(特にお母さん)にとって とても心配なことと思います。1 日も早く良くなって元気にお家に帰れるように毎日の診療を行 い、面会時間には詳しく病状を説明するように心がけています。どんなに重篤な疾患でも赤ちゃん は良くなろうと頑張ってくれます。そしてお母さんとともに退院する時が NICU スタッフにとって 一番うれしい瞬間です。 また、新生児科の外来では、NICU 退院後のあかちゃんの成長を、お母さんと一緒に診ていきま す。私たちはお家できちんと生活できるようにあかちゃん の支援者となって外来診療を行います。どんなに重い合併症 を抱えていても、お家に帰るとどんどん成長していきます。 先日、NICU を退院した男の子のお母さんから、運動会で がんばっている姿の動画がメールで届きました。家族の中で 元気に成長している姿を見る時が、新生児科医が癒やされる 瞬間です。 新病院構想では新生児医療の拡充・整備が予定されており ます。新生児科はあかちゃんとそのご家族にとって信頼され る医療を提供できるようにがんばっていきます。 3D 映像について 眼科科長 後藤 美和子 立体的で臨場感ある映像を楽しめる 3 次元(3D)のテレビ、ゲーム、映画が普及してきています。 このブームは、技術の進歩で映像が精細になったこと、デジタル化で映像加工がしやすくなった こと、従来のように飛び出しを強調するばかりでなく奥行き方向にも展開する映像が増えたことで 目が疲れにくくなったことなどが理由と考えられます。 そもそもなぜ、物が立体的に見えるのでしょうか。左右の目で見る像は、角度の違いでわずかに 異なるのですが、これを脳で統合し、1 つの立体的な像として認識しています。3D 映像も、左右の 目に角度の異なる映像を分離して入れることで擬似的な立体感が出ます。しかし私たちの脳はこの ような 2 つの像の統合だけでなく、対象物の位置関係、明暗(陰影)、動きなども判断の材料にして いるといわれます。斜視のお子さんで、両眼視検査の結果がよくない場合でも、立体感や遠近感が とれており日常生活に困ることがないのはこのためです。 ところで、3D 映像は小児に悪影響はないのでしょうか?アメリカで、3D ゲーム機に 6 歳までの小 児は注意して使用するようにとの注意書きをつけたところ、眼科医が疑問を投げかけ話題になった そうです。日本では現在、日本弱視斜視学会が中心となって、3D 映像に関するアンケートで情報を 収集しているところです。 調節(ピント合わせ)と輻湊(目を真ん中に寄せる)は密接な関係にあります(ごく近くを見つ めると、寄り目になりますね)。3D 映像を見る場合、調節はスクリーン 上に保たれていますが、輻湊は飛び出しの程度によりさまざまに変わ ります。このため、眼精疲労が起きやすいようです。最近の 3D 映像 は業界のガイドラインにより視差(飛び出しの程度)が制限されて いますので目が疲れにくくなっていますが、小児は調節と輻湊の関係が まだ不安定ですから、特に調節性内斜視と診断されている 6 歳以下の お子さんは 3D 映像を長時間にわたって見ることには注意したほうが いいかもしれません。また、斜視のないお子さんや成人でも、輻湊が苦手 な人は長時間の鑑賞で眼精疲労を起こしやすいかもしれません。無理なく楽 しんでいきたいですね。 日々嬉しく思うこと 5F 病棟 前田知恵美 5 階病棟は、整形外科・外科・眼科の3つの科が一緒になっている外科系の混合病棟です。 入院児は新生児期~青年期と年齢層が幅広く、2~3 泊の短期入院のお子さんから、3 か月~1 年 に及ぶ長期入院のお子さんまで様々です。 私は看護師として働き始めて 3 年目を迎えていますが、時々外来に行くとお子さんたちが元気に 成長している姿をよく見かけます。看護師 1 年目だった頃はまだ小さかったのに今ではよくおしゃ べりするようになっていたり、疾患により歩けなかったお子さんが入院・手術・退院後に外来通院 しながら一生懸命リハビリを頑張って歩けるようになっていたりすると大変嬉しく思います。 入院中、看護を通してお子さんたちの成長発達や回復過程をともにすることで小児看護の喜びを 毎日ひしひしと感じています。また「前田さん、私、頑張ってるよ!」と 名前を覚えてくれ、嬉しそうに話しかけてくれるお子さんたちに元気を もらっています。 まだまだ未熟者ではありますが、子どもたちの成長発達に合わせた関わ り方や患児に応じたケアを、そして、少しでもよりよい看護を提供できる よう今後も努めていきたいと思います。 入院中の転倒・転落防止について 医療安全管理室 常盤 恵子 入院中の転倒・転落防止策は各病院で様々な対策がなされていますが、残念ながらゼロにならない のが実情で、更なる対策に苦慮しています。とくに多いのは、サークルベッドからの転落です。年 齢は3歳未満児が多く、寝返りが始まる生後6か月くらいからみられます。その中で最も多いのは、 ご家族がおむつを取ろうと子どもに背を向けたり、おむつ交換中にお尻拭きを取ろうとして、また は、ナースコールを押そうとして目を離した一瞬の間に、後追いや寝返りをして転落するといった 事例です。また、柵を上げていなかったり、上げていても中段までという例が多く、その他、柵を 乗り越えようとして転倒や転落した事例もみられます。このように、多くはご家族の目の前で起こ っています。これは、サークルベッドでの入院生活が、家庭環境と全く違うためと思われます。そ のため、ベッド柵の上げ下げなど、家庭では注意していないことに注意をしな ければいけないこと、子どもはご家族の後を追うものであるという こと、一瞬でも目を離すと転落しうるということを今一度、ご家族に ご理解していただく必要があり、私たちスタッフは分かりやすい説明 や指導を心がけています。子どもは昨日までできなかったことが、 今日できるようになることもあります。また、自分で身を守ること ができないので、ご家族や看護師だけでなく医師やコメディカル等、 周囲の大人が皆で注意しましょう。 ~ 災害派遣報告会 ~ 東日本大震災の被災地支援として、平成 23 年 7 月1日~31 日までの1か月間、岩手県からの 要請を受け、当院の高橋医師が岩手県立髙田病院へ派遣さ れ、診療支援に従事しました。 岩手県立高田病院は、もともと50床の陸前高田市におけ る中核病院でした。震災にて職員が数名死亡し、建物は水 没全壊し、施設は津波が引いた後に再度使用できる状態で はありませんでした。また、次の津波も起こり得るため、 4階建ての旧病院は放棄し、別の場所で臨時の診療所を開設 してており、当院の医師もそこで診療にあたりました。 10月4日、今回の派遣についての院内報告会が開催さ れ、当院の職員に現地の状況についての説明が行われまし た。 被災された病院長や病院職員、患者さんの地震や津波の状況、その後の避難生活等についてのお 話も紹介され、決して他人事ではなく、明日、私達の街が地震にあい、また津波に襲われた時、 こども病院の職員としてどのように行動し、患者さん や自分たちの身をどのように守ることができるのか、 大変、身につまされる内容でした。 現病院でももちろんのことですが、今後は新病院へ の移転も控えています。 地震や津波に限った話ではありませんが、防災訓練 を始めとして、日々のリスク管理に努めていこうと、 職員全員が気持ちを新たにした報告会でした。 ボランティアコーナー ◆作品「野菜遊園地」をいただきました デザイン勉強されている筒井翠さん・岩瀬由紀子さんから、共同作品「野菜遊園地」をいただき ました。(写真は 1 ページ目) 写真では素晴らしさが伝わりにくいのですが、四季をテーマとした立体感あふれる作品です。 放射線受付のすぐ横に展示しています。 ◆押し花作品が「太陽と花」に変わりました 葛屋直美さん作の押し花の絵です。場所は1階のステージ横です。使って いる花は、バラ・ユーフォルビア・カスミソウその他。本物の花で作られ ているため、自然な色合いが出ています。 ◆キーボード、おもちゃをいただきました 当院利用者の方から、キーボードやおもちゃをいただ きました。入院しているこどもたちの元気のもとになっ てくれることでしょう。 ◆ロビーコンサート ピアニストの本田哲也さんによるロビーコ ンサートが行われました。久石譲さんの曲を 中心に演奏してくださいました。ジブリアニ メの音楽などはこどもたちにとっても馴染み があり、楽しめたのではないでしょうか。ま た聴きたいですね。 ボランティアのみなさま、本当にありがとうございました。 人事往来(敬称略) <臨床研修医> 6 月 1 日~8 月 31 日 上尾 裕紀(小児外科) 6 月 1 日~9 月 30 日 岩崎 達也(整形外科) 6 月 1 日~9 月 30 日 三田村知佳(放射線科) 9 月 1 日~9 月 30 日 日高 10 月 1 日~6 月 30 日 松葉 智之(心臓血管外科) 10 月 1 日~6 月 30 日 木下 知美(放射線科) 元(小児外科) あとがき 朝晩が急に冷え込むようになり、街中に秋の気配が感じられるようになってきました。 そろそろ暖房でもと考えますが、これからもっと厳しい季節を向かえる被災地の人々のことを思うと、 もう少し我慢です。 先日、新病院の骨格が明らかになりました。各部門の基本構想を仕上げるワーキングループも組織 され、いよいよスタートです。一致協力して、最高の医療、理想の職場を目指しましょう。 角 69 号 平成 23 年 10 月 15 日発行 秀秋 福岡市立こども病院・感染症センター広報委員会