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赤城山山崩に関する研究

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赤城山山崩に関する研究
-11 ー
赤城山山崩に関する研究
Takeo KAW A.t;D UHI ,
Kiyoshi TAK
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Ryuji 羽T A'rAXAHE ,
Study o
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川渡瀧
農林技官
農林技官
主任
口武
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口主代
良林技 'K
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目次
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実態市M 奈" .
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ûJið奈区域及び:~J,~査方法・・... .ー
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(1) 崩壊地θ 長さ, 幅, I手さ, 1t([斜.... •
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(3) 崩壊地の面積,体積.. .
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(4)
地形と崩壊の関係
(5)
森林と崩壊の関係..
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(1) J:1i流と崩壊の関係... •
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(2) :J: イ{流の速j主・・・・・・・・・
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(3) J二千 ifrlUD 1;高i夜力......... .・
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(4) 土イ i流及び、共の通過同i の状況... .
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林業試験場研究報告第49号
12 ー
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災害防止方法及び復旧方法ーに対す る考察...... . 目 ・・・ ・ ・・ ・ 0 ・ ・・ ・・・・. . ・ ー ・ ー ・ ・ ・ 57
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. 崩壊防止・・ ・・・ ・・ ・・ ・ e ・ ・・・・・
・・ ・ ・ー・..... . .... . . .. .. . ー ・ー・ .
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. 崩壊土砂流出版止 ・・ ・・ ・・・・ ・・・ ・ ・ー・ ・ ・ ー ・ ・ ・ ・・・・・ 0 ・・ 0 ・ ・ 0 ・・ ・・ ・ ・
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. 渓床安定. .. ...... . ・ー ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・ー ー ー ・ ・ ・ ・ ・ ー ・ ・ ・ ・ ・・
4. 土石流防止
・ ・・・ ・ ・ ー ・ ー・・ー ・・ ・・ー・・ー・ ・ー・ • •.• • •••••• .• •• . •••••••••• .
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.
表土{是削!防止 ..... .. .. .
復旧方法.... . ... .. .. .. ... .・ e ・ e ・・・
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. 綜
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6
5
日・
一
I
緒
日
戦時中極端な土地の高度利用を図った為a 国土は 自然の相を無視した取扱を 受 け,
山 河は荒
廃し全く疲れきった状態で大雨があればたち まち 氾般の危険に l撰さ れてい る 処が少〈左い。昭
和辺 年 7, 8 月秋悶 s 山形地方を 襲った豪雨により犬水害を惹起 し, ヨたいで 9 月 14, 15 日 の
両日 関東を襲ったカス リ ン台 風 K より群馬県下に豪雨があり赤抜 山 に大規模の崩壊(写真 1 ) ,
土石流を生じ河川上流の 山間部 はもとより,
~I:I 流平坦部3 下流低地音1Hz::大惨容を被ったがP
23年のアイオン台風に より更に 相貌 K 変化をカu えた。
一度此の 様な災害 に会 うと 河川 改修,治山 司手当乞造林事業の 必要性が強制され るが, 山 崩の
実態ゑ機構及び地形,地質,林相,河相等を無視したありきたりの工事,復旧方法は徒らに 賞
金資材の出費に柊るだけで,治 山原理 そのものは一貫 しているが現地現地に応じて夫々異る ヂ
段が選ばれなければならぬ。か L る意味から崩壊地の 実態調査,オ;質試験θ 資料 は今迄の経験
に 一歩を進めた参考資料 として災害防止,復旧の基礎と友り叉次代の災害対策の万全を期 す一
助と 友るので,昭和 22 年 1 月 より 25 年 8 月 K 亙り赤抜 山 周辺に現地調査を行い,叉採取試料
の土質試験を研究室 Iて於いて行った。
経費,人員の不足及び実験器械の不足から研究成果を得 るのに予期以上長期間を要し,成果
発表の時期 はいさ L か機を失した感があるが, J与の字面渓床変化,災害跡地の進入植生を掴み
得九点も るるりで 1&敢えすコ結果を取纏め参考に供する火第である。 常赤城 山 の災害に関 しては
筆者等林業試験場員が多数参加した[カス リ ン台風の研究 」調査報告書1) が群馬 県よ り出版さ
れているので,本報告には出来るだけ之と の重複を世 けたので, 両者を併せ参考とされたい 。
本研究に 当り種 k 御援助を頂いた当時の前橋営林局 川 田 経営音I1長,石井計画課長,
小暮技
官,猪股技官,森田課員,前橋営林署金沢署長,伊藤土木課長,大間々 営林署百瀬署長,林経
営課長,群馬県林務部星部長 a 悶村治 山課長,長谷川技師, 青木技師共の他関係諸氏に深甚の
謝意を 表する ものである 。
又現地調査に参加援助された地質研究室宇佐美技官,理水研究室 中野弦宮,佐藤助手及び土
方、J成 ~ll l心筋に関ずる研究
() II 日 ・ 渡辺 ・ 滝口)
- 13 ー
質試験の ~I-I 透水度試験担 当む東大農学部 山口伊佐夫氏,流出限界試験担当のp藍沢助手y 耐b隠え
験位当の 山 11時助手の労に l享〈 謝する次第である 。
E
1
.
賓態調査
調査区域及び調査方出
制査区域は:jc'D如くでるる。(附図 1 参照)
群馬県勢多郡黒保根村梨木沢上流p 粕川村粕川
上流不動滝地域 , 宮城村荒砥川上流湯の沢地域, 敷島村沼尾 川上流前入沢,後入沢地域 ,利根
郡赤城 1良村砂川上流大洞,二本楢地域である 。
調査方法は崩壊の J;)1模,機織を知る上の要素として,崩壊地の長さ ,幅3 厚さは布各尺及び
考案 した Rß却:計(可測 100m,精度 1/30 ) を用いて実if!IJ し,方位,傾斜 はク リ ノメ ータペハ
ンドレベルで・実 iJ!lJ し, ヱ|工面形3 断面形は見取 K よりIlf各図を記した 。 但し実証UJ不能の場合は目iJUJ
叉は欠測とした。叉環境悶子とじてヰ材札地表状態,地質,土壊の状況を調査した。
カスリン台風前後の渓床の変化を調 べる為,梨木沢支択のしげり たち,へったま 3 かけどや
の 3 支沢をポケッ ト コユィ パスによる縦断iJtlJ量を行った 。
備調査区域 中 11 ヶ所-で、土質試験用の土壌試料を採集した 。
2
.
赤城 山 の地質,土壌,地表植物
赤城 山 の 地質に 関 して は宇佐美氏の報告2) があるので,詳細を之 K 譲り要点を簡略に 迷 べる
と,赤城 山 はコニ{デ型の二重式複火 山 で有史以前にその活動は休止しA 多年風雨む作FI'J で 山
休の脆張な部分は刺鹿され複雑が也71~ となっている d その 山休 を椛長している岩石は集塊岩p
熔約,凝 次岩J 火山 友, 新服等で主に複、輝石安 山 岩に属している。 地質分布は 附図 2 の如くで
るる 。 赤城 山 の基底を主主す岩石には古生麿, 第三紀j吾があり,古生j音は砂岩,頁岩より成 り花
見[京東北方,不動滝附近z 大洞水目沢附近,砂川・ 根利 川・ 片品 川合流附近に少部分露 出して
いる 。第三 紀 j音は主 K 凝次岩より成っている 。
赤城 山 の火 山 活動は第三紀唐の堆積後始められ,前記各種の岩石を逐次噴 出し,最初集塊岩
が主とえ主り次いで、:熔岩が1I貰 H1 し,外輪山 完成後第二の火 山 活動の時期に入札地蔵 山 の 中央火
口丘や 小沼寄 生火山を 生じている 。 火 山 岩屑2 崖錐等は洪積l否及び沖積唐を左しp 主に渓谷や
裾野に分ギri している 。
基岩の上)奇に士!t碕する噴火当時の火 山 Z九浮石土,砂牒は組めて厚く,表土は結合力 Iζ 乏し
く往年 より豪雨により崩壊を繰返 し, 大雨時,融零時 , ~芸風時 K 崩壊跡地や周辺の砂礁を多量
に崩落 し益々拡大の一途を辿っていた時f'L,今回の未曾有の大雨 K よ り山体一商の崩壊,土石
流を生じた もの である。援友質集塊岩,浮石土等は崩壊が多いが,古生腎の硬砂治の 急:1峻友岩
壁では 所 諮 rock fall を 起すものが多く崖下 に 小角離の度錐を形成するものが多い。
赤城 山 の tfli生に 関e しては坂口氏の報告3) があるので, 之も要点を簡略に述べると 3 天然的 l亡
.
- 14
、休業試験場研究報告
ー
針葉樹θ 分ずiî は極めて少< JTLl-J付近 i乙コメツガ,
る程度で3 人:1:,*本としてはスギ,
生位のものが多く,
ヒノキ,
壊
カラマツ等がある。ノミ然広葉樹林は 30'"1 ミ
アカマツ,
クリ,
プナ,
ナラ,
寸タシ守タフ、シ,
カエ
ササ等がある。収の状態は針 !iE樹では深さ1. 2m W. 皮のスギ
事が見られたが,広葉樹ではすべて
つ
ヒメコマツコ年がff(かに点点ず
ウラジロニE ミ,
11 1 1 こは 60 J,ド~E.1乙及ぶものもあり,
デ等で, J也)示 l とは J~tl:_のツツジ,
‘J.
第 49 号.
0.3~0 .4m 科度で側めて浅かった。
土也
崩壊地の分布図は fíf.J図 1θtur くである。調査区域外で、本図には記入してないが p 他に例えば
泊三[::見村の主fI <崩壊地が.-1'1 1 当術祭ミーしている地域も見受けられた。
崩壊地の精帝~/i(1杏を 1Îった品h W:は第 1 去の如くである。
地表状態
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亦減 111 山崩に関する研究
り 111-1・渡辺・滝川)
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1 0.4
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23 ー
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号
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1
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形状
| 備考
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1
1
1
1
1
(1) 崩壊地の長さ,幅,厚さ, 傾斜
崩壊地の長 さの分布 は失表の 如 くであ る。
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1
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9
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0.
4
長さは斜面長で 10 -300m I't:及び,千均 72. 8m で, 100m 以上のものは多く沢の源頭であ
り, 両岸山 腹 は 尾根迄長 く ても 150m 程度である から之以上の長 さの崩壊 は無い訳である。崩
壊 は地形,地質,土壌, 地表植物状態によ って左右されるも のである から P 年五柔ヰ面長, 等f頃斜
であっても 中腹から 崩れ又は渓岸のみ崩れる 事 もあるが, 之等 も 侵蝕が進むにつれ遂には尾根
迄達するもの で あ り ,始めから尾根より沢迄一度 K 崩壊するものもる 札調査 した各沢の 両岸
は尾根よりの斜面長 50- 100m が普通で dうるから,前表の数字は今聞の主rJ き大災害時は崩壊は
概ね尾根叉は尾根近 くの上腹部 よ り起っているのを物語つでいる。
幅は谷頭の ものは非常 K 広< 200m 以上に及 ぶもの も あり,渓岸の・崩壊は長 さに比べて幅が
大 で あるが, 山 腹凹所 を 漢谷状に崩壊したものは長さに比べ幅は極めて 小 さく概ね 1O ~ 20m
で ,幅 は 地形,地表植物状態 K 最 も 左右されるらしく長さ , J手さ , 1tJi奈| 主宰と関係が無い。
厚さの分布は 失表の如 くである。
1 .5~2.0 I示 3 .0-4 . 0 卜 … |
主貫度
%
1
I
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I
2
I
2
7 以上
l' I
2
厚さ は O.4m より 10m 近いもの迄 あるが , l
.Om以下のものが最 も多い 。 之 は 崩壊の多く
が表土剥落 と見 られるものが多く,崩壊縦断面が 山 腹に平行の ものが多い事を示 し て い る。厚
さの大きなもので は縦断面が所謂 円形地主二型。と類似の型となっているのもるった。 此の ~ll l'C
11:基岩の ヱl三滑な凹処に 溜っていた土砂が流された為に 椀状を主主しているものも 2 , 3 あったが
深い火 山 友居土で 円形叉は安蔵博士の地と聞5) を しているも の もあった 。
赤城山 山崩に関する研究
- 23 ~
(
)
J
Id ・ 渡辺 ・ 滝口)
表:i:制落型の崩壊で、は 山 11亙傾斜と千行しているので崩壊前後で傾斜は変 らない がJ
同 11予地と
型では崩壊前後を 比較して緩となったものも急:と友ったものもあるが,此の型は主 と して赤城
山 南側梨木沢附近に多〈見られ,北側二本楢,大洞,西側沼尾川 では殆ど見られなかった。
ノ〆/
L
傾斜が緩となづたもの
2
.
傾斜が念とな っ たもの
3
. 安識 的士 の 地と w
第
l 図
今崩壊前後で傾斜の変化したものが多かった梨木沢上流
附近の崩壊地のみについて,表土剥落型崩壊(写真 2 ) と
地と型崩壊く写真 5) との発生機構 を 推察して み る と, 第
2 表 i亡示す主n< 傾斜が前後で変らぬものは厚さ平均 O. 6m
で最大のも の でも 1.
3mfC 過 ぎや多くは
O . 5m 位であるの
K 対し,前後でイtI4剰の変ったものは厚さも大となって い
る。前者は 恐 らく最表面の樹根を含む薄い腐植土居とその下の転石を含んだ火 山 次j母との 間 K
百雪流を生じて之がと面 となって生じた表土掃流侵蝕,後者は崩壊部ー休が 円 形叉はカマボ コ 形
と市Hz::沿って 崩 れたものと思われ3 両者の発生機構を 別 にして考えるのが適当であろう。
2
~~
卒均厚さ
ラ4
傾斜が崩壊 前 より緩となったもの
表
ml 最大厚さ m l 最小厚さ m
2.1
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0.
5
53
傾斜が崩壊 前 より念となったもの
3
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.9
7.
1
0.
4
傾斜が崩壊 前 後で~らぬもの
47
0.
6
1
.3
0.3
崩壊前後 で傾斜が変らないもの L 中 でも安減博士のと面と見られるものもあれ地と型崩壊
は 53% 以上になる と忠 われる 。 崩壊前後で傾斜の変るもので厚さの最小が O .4m, O .5m と
友っているが, 此のものは長さ,幅共 K 小さく矢張り表面侵蝕ではなく 山 腹 K 凹商 をな した崩
壊と認められる。叉崩壊前の傾斜が欠狽1)の為崩壊後だけしか 判 らぬものの 中 で厚さ 8 . 7m I'L 達
する崩壊が b った。
と ~ I'L興味 ある事は , 崩壊前後で傾斜が変ったと忠われるのは黍bド沢附近で 53.9-;もあるの
に,赤城 山 北側の砂川上流で‘は僅かに 2~ 3 ケ所見られるのみで,西 側沼 尾 川上流前入沢 , 後
入沢では殆 ど 見ら れ なかった事である 。 之等はすべて表 土
掃流 と見 ら れ る訳で も 左く 地と型崩壊 ι思 われる も のもあ
ったが,安蔵 博士のと面型叉 Id:.カマボコ型である為 K 崩壊
ニ ユえ 尚 t主
前後で、傾斜の変化が 出 なかったものである。然しその数は
極めて少 〈 表土制落 と 見られるものが太多数で,然も之等
の多 くは 大面積で、第 2 図 K 示す女11 (, 制落された後も f句読
〈 雨の為に 雨裂を生 じ,
之が 子欠第 Iと深〈大き主主ものと友
り ,両側が二次的 K 渓岸侵蝕的崩壊を起しp 為I'L最大75R は
第
2
図
- 24-
林業試験場研究報告第 49 号
もとの地炎上り 7m 以上に及ぶものもあり,崩壊地内に附裂のある処では平均深さ 2-3m あ
るものが J片ー油で、あった。
崩壊地!字さを 1llil る時は第一次崩壊の時現われた地支阿を1.1. て厚さを定め,特 i乙雨裂の ~L: しい
ものを千而図 rjl に幅,深さを記入した。崩壊内部 IL 大雨裂があれば崩壊而は起伏激しし妹に
前入沢,後入沢の流域ではとうしたものが多かったが,梨本附 jE では liiJ 壊内部 IC 雨裂のあるも
のは始どなく崩壊聞は地中のた計が一部露出する為の起伏はあっても J-:f:l:î裂の為めの起伏はな
く概ね 1'-滑な夫耐をしていた。
(2)
崩壊形状,位世
崩壊 /1;状はi:f~3 図の如く,一般に谷到では掌状をなし伯{肢もんきな崩壊を生じ山腹凹処は
仮L/'I時JI丸山仰に起ったものは幅の方が長さ
より大きい同蹄形又は拙物線形であるが,
計器の門処に仰っていた砂牒が流されたも
のは形状は計の )1予に従っている。
地支耐に wlの少い処の崩壊は辺縁はなだ
らかな rlh 組又は出総であるが,袈の多い処
孝秋、奇士室内例(前 λ?収i刃
を針T.キ討
Q
_J包含樹
第
3
は辺縁が不tJHl!Jな'T!:i1/}歯状をなしている。
沢の両 j i::でf[ l !Jtr にそれ程聾の無は処で完IJ
図
介 l乙イ~mJlIJ な /F~ をしている火の例がある。即ち:夫 :f:能的によって山腹の小部分の去 :1:が判決し
た場合,之が比校的jillかに拡大し近接した 2 , 3 の同様な部分が遂に接してーっとなった為に,
もとの小判詳の位置によって形活られたもりと推察される。
崩壊は元来地去の不安定な部分がJ,lillJはとの釣合を失って崩落するものであり p 一度崩れてし
まえば之によってH\来た新しい地衣而及び、周辺 l乙対して佼蝕作川は働くが極〈僅かで、,暫くは
結介))によって安定し崩壊した時の /r~ を保つものであるが,後述の:I J J:の形成にも関係ある主11
〈浮 fÎ等の出入した火山次の /;11
<,粗露で、透ノK'問:大きくノ'.k l亡会えば也ちに結合力を失う様なこf:
壌は,崩壊に|探して 1:Øの為 IC 結合))を失い弐第に夫前i より流 11',しp 之がよ也被物によって割合妨
げられている処は侵蝕が少しでも防止されているが,土也被物の破れ目が各処にあると共処は速
かに制落し土也被物で僅かに妨げられている部分の剥落を促しa 豪雨中心短時間に小部分。剥落
が集って一つになると,忠われる。
崩壊の位置としては,尾根より生じたもの, rll 腹に生じたもの,渓岸に生じたもの等がある
が, 崩壊が rll !JRで格り後は土砂が通過した為に擦られた状態のものと,山腹凹処で尾根より僅
か下った傾郊の変換点より生じ j晃岸迄崩壊したもりが最も多い。凹処は流水が余計集り他より
強く作 IIJ するりは当然であるが,山腹凹部で周囲と植生等は変らないりに崩壊している処もあ
れ外見上からは特別崩れ易い点は見交けられなかった。山腹門部で、も崩れる例は昭和 13年の
-
(川 IJ ・渡辺・滝 IJ)
赤城山山崩に現する研究
25 ー
Jrif!1 戸裏山の山崩の際 11りにも見られ,赤城では今[口!長さ 60m ,幅 20m,厚さ 2.5m のものが見
られた。
(3) 崩壊地の而杭,休干j(
自・干支は実 ìJllJ した長さ,幅と形状の見取図から科而図を描きプラニメーターで斜而杭を求め fぱi
持度から水千両千六に己文明:した。休積は千而見取図,断!白{見取図から形に応じて近似的 IL 午.f!iH fl~
体,四分楕円休,三 1(1杵 s 午 P1柱等と見倣して間首ーし,表土制薄型のものは奈I 而積に!手さを乗
じて算出した。一次崩壊後に雨裂を生じて崩壊内に更に雨裂の両側崩壊を起しているものは,
崩壊の厚さを第一次の崩壊耐を推定して測ったので,之等WHI体積 tどは合まれていない。
両砧ーの分1'ri は -'7ckの Y /1 くである。
面
積
a
笛
所
数
ll 以ドト川 20川 3川 40以下\ 6ωD以下 i卜I∞似以下 1 15 川 l 印
1
3
1
1
1
I
I
6
1
1
6 ¥
1
1
3
6
1
ーケ所当りの j比大 TílぽI は 466. 92a ,平均 20.69a であるが,
1
5
I
4
I
3
10a前後のものが大多数を占め
ている。
凶一数
一日
休臆の分千ji は次去の主n く-である。
1000
1500
2500
3500
以下
以下
以ド
以下
45
22
1
7
1
2
出|出 112r l 官(官
B
体積の最大は 91 , 200m 3 で平均 2 , 299m 3 であるが,
(4)
2
500m 3 以下のものが多い。
地 /1ラと崩壊との関係
崩壊筒所教, Il'lilW等の大小が ftfi耕,方位に左右される程度を比較する為に地形解析を行い,
調査区域内を一辺 100m V 正方形網目で区切り p 此θ 網 n の r!t の直径 100m の円内の 20m 持
の等高棋の数 N を計え,
N の数をにJ、て lha の相川内の地区の傾斜附級とした。方位は東西
市北の 4 附級に分け,制 u の r!t の等高線の法繰り rí.) きから ftfi耕の平均方向を定めた。計算に川
いた図は地担制査丹1í" 5 7i分の 1 地形図から調査区域を 2 万 5 千分の 1 に拡大複写して則いた。
5
f
ヌ
V
3
2
1
35
3
1
490 I 2
r
172
60
224
0
1
266 I 2
148
400
3
8
1
3
3
453
1272
r
oI
1458
1
3
5
1
740
236
‘
D
28
ハυnU4inunu
270
5634
l
76
166
u
市“且
町
Dnu
戸u
、 'LRU
戸
ku 句,
a, 句Jqu
2
1
E|
支
1
E
3
百十
9
0
1
1346
845
1109
8
QOヲ
-
林業試験場研究報告第 49号
26 ー
網目の中の N の数, 方位の関係により調査区域の地JI3状態を示す と附図 3 及び第 3 表の如く
1 ,;1の 階級が O でも緩傾斜が含ま れて
である。と L でヱ|三担地は方位が無い のは当然でるるが, 1頃ゑ
いるので、 方位が現われ,傾斜の階級が O で左くて 方位が O であるの は等高棋が綾雑に 曲折した
り盆地状をした処である。
今地形と崩壊む関係を調べる為に崩壊地の商tt 休積, 箇所数を 傾斜別,方位別に東西南北
,
L ll , 11, ..ー ーー の階級 に分けて 表示すれば第 4 , 5 , 6 表の如く怠る 。 但aし傾斜角 α と
20
N の関係 は tanα = ;o~o >< N から,傾斜階級は ニえの如く定めた。
の時
17~26 0
,
N=3
の時
27~34 0
,
N=4
の時
35~41 0 ,
N=5
の時
42~47 0
N=6
の 日寺
48~52 0
, N=2
第
傾斜 I
¥
-ji 位
-----、
n
T
~,
1
Oa
nununU
WEN
S
。
言1・
I
-----
_
_
_
_
_
、 !
n
T
'-J ,
1
W EN
。
言「
傾斜 I
¥
1
4
3
.
3
6
3
7
5
.
0
2
874.
7
6
7
9
8.
0
3
1
0
2
.
7
2
2
J
2
3
.
4
3
2
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9 22
I
1
0,
5558
1
1
1
0
1
2
2
5
9
9
1
2
2
5
8
1
1
3.
7
2
0
9 . 7ヲ
。
i
3
.
5i
│
267.
7
2
1
1
41
.1
3
1
3
3
6.
3
6
1
5
8
5
.
6
7
4
3
38
8
V 以上
•
4
9
6
2
9
9
0
3
9
3
1
1
2
5
1
8
21140
1
438
4
6
3
3
4
1
表
m
Y 以上
rO
つゐ勺'勺J
1A1L
-
ベ
ν
8
5
つゐ
疋叫
句A
つ白 句 J
1
1
9
l
V
, n
1Aη h
つ4
1
1
v 以上
内
4A
つA
トE'
-
z
-n
N
。
6
1 A A- q u q u
LU
E
N
百
目
1
1
8
6
3
3
4
4
7
1
7
0
4
5
8
1
0
9
0
19
I
I
表
36122
5
2
4
0
1
4
0
6
4
4
96824
-A
s
w
5
1143
¥ ¥│
i
v
1
11
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1
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8
7
7
6
3
.
9
0
9
.
2
4
第
方位
│
5
0.
8
5
1
8.
9
4
23.69
91
8
3
5
2
1
1
1
0
4
S
表
自川
------ 傾斜 I
4
目
第
;]位
,
5
22
0
赤城山山崩に関する研究
7
づfE刈Fr2
方位\、 \f頃\手守 I
S
0 ,
1
Om2/
ha
-
() II 口・ 渡辺 ・ 滝 口 )
27 ー
表
E
m
N
3
1
4
83
1
62
4
3
5
言 1-
V 以上
W
。
E
。
B
3
5
1
4
6
1
6
3
N
。
6
20
0
5
9
1
言t-
。
3
1
544
1
2
7
1
1
2
7
6 、
322
61
7
。
1
1
797
。
1
8
6
3
1
7
(i) 先歩崩壊面積についてみると,第 3 表と第 4 表より各階級の占有商積当り崩壊而積
( m 2 fha) を求めたのが第 7 表で,第 7 表の値を分散分析を行った結果が失表で、ある。
傾斜 による差は 1% 水準で、 有意で 2 方位による 差
因子
は 59'; 水準でも有意で友い 。 即ち崩壊面積は方位に
0.
0
1
7.06
方位1. 6
6
和貢
ニ
:
+
I
よっ ては大差ない 。 ど の 傾斜階裁が他の階放に比し
0.
05
有意であるかを調べてみると,
して 5% 水準で、 D > 640 が有意であるから ,
第
0,
1
1
2 階殻聞の差を D と
N が他 に比し崩壊面積が多い事となるつ
8
表
N
目
V 以上
音 1-
1
9
7
2
6
5
513
i
1
076
I
2
0
5
1
(i) 崩壊面積が大でも厚さ必歩しも大きく友いので, J二炉ú r-c倣って 各階殺の占有面積に対
す る崩壊休積 (m 3 fha) を求 めたのが第 8 表で,第 8 表の値を分散分析 した結果が;j.く表である。
一傾方
子 一斜位
因
な る。
傾斜 による差は 5% 水準で、有意で,方位による差
α
ゴ日::
0
.0
5
0
.0
5
lU と lV では 825 の 差は岩手:い が,
は有意でない 。 傾斜階級の何れが他 K 比し有意であ
るかを検する と 5% 水草 で、 D > 825 が有意であるか
ら , Nが0 ,
百が最も多く 111 ,
1, ll,
n,
V K 比 し崩壊体積が多い事と
V と少〈友っているイ頃向は商積の
場合 と 同様で、ある。
(
i
i
i
) 崩壊箇所教についてみ ると ,各階放 に於 ける 1000ha 当りの箇数を算出すると第 9 表
の如くで, 第 9 表の値を分散分析した結果が尖表である。
傾斜因子は 1% 水準で有意であるが,方位因子は 5% 水準で・も有意で、ない。傾斜因子につい
ては 1% 水準で D > 195 が有意とえにるので, .111 , N と 0 ,
1,
n,
V の差が 1% 水準で、も有
林業式験場研究報告:第 49号
一一
- 28-
意となる。崩壊面積,体的の場介は W のみが倦に京社
J
!
Fo
ド、l
子
}
j
.n
_
1
f
t I 2n.・ 42
'く
F
一一一一一一一一!一一一一一:一一一一
傾斜 1 20.47! > 5.
41 1 0
.01
J
~
.n
3.49
I 0.05
しイf立白川l を示していたが,附所数では m , lVが
他 iと対しイ子立となるのは,今崩壊両前又は休前が崩
壌の多少を示し í/ij所教が崩壊の難易即ち崩壊J<Q棋の
大小に関せや崩れ易いか否かを示すと解すれば,
目と W はんまj無く,
lVは他 IL 比し崩壊が多いが, JJ)1れ易い},J.î.では
II 以下は絞傾斜の為崩れ対{,く,
Vj.'U: は末日本時 11\し安全な為 i乙 hHれ努1,いと
;与えられる。
(
i
v
) 次に崩壊 1 内所当りの千均而千六 (a! を崩壊を生じた場合の強弱即ち崩れた喝合大き
く刷れるか或は崩れてもんきな崩壊とはならないかを示すものと二}Jえて,各階級 K 於ける 1 j
;
u
:
,
I
n
u
J
j
f
i
l
:
_
E
1
0
1
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目
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V 以上
s
1
1
1
2
2
w
1
8
1
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42
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1
3
27
3
52
N
24
70
。
1
0
6
66
1
2
5
5
234
計
。
38
34
f川・当り主ji..均同fÙ を示すと与nO 夫む如くで,みíÇlO 夫の f!Í(を分散分析した結果が.::}(去で‘あるつ
子一斜位
川一一傾ガ
ftfi斜!人l 了-は 55ぢ水準で有意で、, }王位 l刈了-1 主有意で、
C区
4.91
0.05
1
.58
0.05
ない。傾斜ドl 了-は D>71 の差が有志;で、あるから W
は O ,I,
ll ,
VI亡対し有意で、あるが目との差は判
然としない。崩壊の難易を検定した第 9 去では E は
III亡上七ぺ崩壊が起り易い事を示していたが,崩壊の強弱を検定した第10去では I と E は有意の
差は無く,即ち I は E に比べ崩壊が起り難いが,若し崩壊が起る場合は土壌が特に脆弱である
とか,念に均街を失う様な原凶が生宇る等の為 IL ,
m,
lVに近い様な可成り大きな崩壊となる
事を示している。
、以_1二の諸検定を総括してみると傾耕は崩壊に対し τ 重要な因子芝、あるととは云う迄もなく,
赤城山山)討に関寸る研究
-
()I!仁l ・渡辺・滝口)
、,a''
1
{
(
3
)
(
2
)
Jd
第
4
図
力学的には傾斜が念K 左る程腕れ易くなるのは弐の如〈である。第 4 図の如<
(2) 円形む商~,
29 ー
(1)千耐と1I'1T
(3) 安蔵博士のと両りの一部を考え, c を凝集力, f を内部摩棒係数(f二
tant
p
)
. W'を土の単位京畳,
α を傾斜角とした場合
(1) 崩壊を起す力ニ whL s
i
nα
崩壊を官める力 =fwhL COsα+cL
fw
hLcosα+cL
f
=一一一十一一一一一
whLs
i
nαtan αwh s
i
nα
2 者-の割合 P 二
α 三 90 0 の時
α 大になれば tan α ,
s
i
nα
は大,
従って P は小となり崩れ易くなる。
(2) 崩壊を起す力士 4 ←三17tanα
3 s2+4h
崩壊間める力 =f+fLsecα
p=
f 十 2♀田ca
-,
4
~h
S
2
、,、
]
_
f~十 4h Z V f
-
」一一
4
'
¥- g
2.)
¥tanα
2
c
寸
¥
wh sinα/
.3 子士五子山 llU
α 三三 90 0 の時
α 大になれば tan αsin αi 土大,
従って P はノj 、となり崩れ易くなる。
(3)
崩壊を起す力 =whL cosαsin α
崩壊を留める力ニ whL cosαcosαf+cL
合力 T=whL cosαsin α-whL cosαcosαf -c cL
二互記;;c
p
2α ー伊豆 90 0 の時
f
・
2c c
osC
P1
t
s
i
n(2α ー cp) -sin 伊-, wh" j
α 大になれば sin (2α -cp) は大,
従って T は大きくなり崩れ易くなる。
併し赤抜山に於ける自然現象としては必十しもそうでなく,崩壊は W で最も大士山;ttÉLつえよ多
数のものが生じているが,
v となると崩壊は殆ど現れぬ。之は W の{頃耕が火山次や凝茨質集
:1')防1・0 風化地帯の 11三時存在し得る限度で,
v は風化し難い熔岩や古生辰の露 111地で崩壊しない
が,百では大雨,台風等王子時と異る状況に会うと平時に存在限界であった火山反"凝皮質集塊
17 は均衡を破られ大;崩壊を起すとつ与えられる。又今回の大雨では傾斜 I が崩壊の起った最伺U~
-
林業試験場研究報告
30 ー
~t49号
J'iよでそれ以下は大 した被害の起らぬ事を示しているが,実際に 傾斜 15。 以下。 処は崩壊を生じ
ていたい 。
(5) 萩林と崩壊の関係
(i) 森林と崩 壊につい て は ,従来から 森林の功罪が極々論ぜら! れているが,主根の杭木 と
しての作別 ,支根の networ三 としての 土嬢緊純作fIj 等が功と さ れ,森林の 重量,風による立
木の振動が土嬢の弛綬を促すととが罪と されている。
赤誠 山 K於ける森林の 主根の 杭木作用 は基岩の性質如何 によ り甚しく 異っている。
坂口氏3)
も崩壊と 森林の関係が地質 K よって遣う [$を示してい る 如く,赤城 山 では熔岩,古生居岩石で
はその割目 よ り根が地 中 深〈 付l び基岩と上部土居を悶 着 しとりを防ぐ tf,:が出来るが ,集塊岩,
凝友岩会与の如l く板状で棋の侵入し得 る割自の友い基岩ーでは杭根の効果無く崩壊 を防ぐ事が出来
ぬ。
支根の network については土壌緊縛力を 挙げ功を 説く とド町, Penckめの訓(,と り は林地
でも活発に行わ れ root mat によって抵抗するとと ろ少く,コ ロイ r 状叉 は極彼こと粒子は容易
に通り抜けられ,根の或るものは 1. 5~2m K 達する が , 最も 密右:部分は表層 10cm ID!m でる
ると云っている者もある。 併し崩壊部が敵れる時上部で は network は抗張力を 発揮し, 両側
辺縁部では network は抗勢力を 発揮し,過湿となって抵抗力 の少 くなった土が棋の緊縛力 で、
固めら れる作用 は 大きい 。 赤城では根の深さ 20~30cm の根自 休が板状をなす広葉樹が多く ,
杭根の作加は 為 さ 1ド 1良部 自 体が一つの 唐として地盤から離れ崩壊 した処が見られるが ,
network K 疎密
之は
:又は 中 断された部分があり疎の処, ~I-I 断音1\が悦れ司王簡を失う為に崩れを 促進
させたと 考えら れ, 若 じ network が一様に 中 断される事無く 働けばも っと崩壊を防ぎ得るの
ではないか と思われ る。叉土の 1)捌J金子が network の 聞 を通り抜ける司王は定性的には考えられ
るが,粒子が診動する事は崩壊よりも侵;蝕の 問題で ,根系の水平方 向 の土砂緊縛力は大で , 森
林が侵蝕防止に有効である事は或る程度定量的にも 云い得 るのである。 7)
8)
森林が其の重量 K よ り崩壊を起し 易くする と の批判 は果して安当であるかを検じ てみ よう。
今深さ 30cm の土居が崩れる場合者サネの重量は土の重さに比しどの程度であるかを計算してみ
ると弐表の 如くである 。
面積 | 深さ
土
1ha
Z長
1
/
針葉樹
広葉
樹
0_
3m
:
t
I
!
t
上t.
幹材積 | 幹材績 に 対す | 全守容積
ろ校条,根率
3000m3
1
.5
0
o . ヲ5
I
1
00
300
m3
40 号二
1
420'
399/
/
9
1001
/
501
/
1
501
/
1501
/
3
J
|
1
/
1
.0
0
即 ち針葉樹(勿論樹程lL樹齢 ,地位等 に よ り或程度の 差 は生じてくるが)で 10% 程度,広葉
樹で 3% 程度でγ 深さ 1m の土居の崩れの場合は針葉樹で、 35ち p 広葉樹で 1% と深い崩れの
場合はますます問題で左くな りて く る。 赤城に於 ける 30cm 程度の 浅い崩 れは広葉樹の 処が多
赤城山山崩に関する研究
() I 旧・ 渡辺 ・ 滝 口)
-
31 ー
か った ( 勿論赤妓全休 K 広葉樹が多 い故 であろうが〉ので,森林の重量は崩土の重量 K 比し 3 %
程度で問題にならや,重量の点を問題にするならば大雨による土壌の合水率の増加は土壌の崩
壊抵抗力減少の外に,合7J,率 10% の増加 は土居重量の 10% 増加でるり,重量の点では森林
の重量より合水率増加 の重量が問題 iて友ってくる 。叉安蔵陣士のと面め を 考え れば山麓附近θ
荷重は受働と面の形成を妨げ, 山麓のヰ和ドは 共の重量が問題i'Lr.主 らす=反って浅い受働と面を突
抜 け てとり を阻止 する効果が大で、あると考えられる。
風によ っ て林木が揺られ崩壊 を促す点に ついて怯 ,普通の風でヰ担震が揺ら れでも其の 影響が
根音I1迄伝わるとは考えられぬが, 台風等の強風の場合は根返り等の為に地肌 K 相当の影響を及
ぼすととは 必然であり, )Ilの点では森林は崩壊防止上好 しく友いが,森材持成の如何,孤立木
の除去等 K よって此の点はまだ改善の余地はあり,森林の平時の侵蝕防止機能,経済効果と併
せ考えた場合風む点のみを強調して森林の存在を否定するのは当ら 友いと思われる。
以上森林と崩壊の関係を分析的に述べたが,其の実態 は地形,地質 ,降雨,風等種々の森林
以外の因子と森林因子とが交絡 して崩壊を生十るので , 森林が他の因 子に 比しどの程度決定的
主主因 :了でるったか否かが 問題と主主り , 之等因子を量 的に解析す るととが必要である。
(i
i) 森林の崩壊に対する影響については, 他の因子の崩壊 に及ぼす影響と比較して論ぜら
れね ば左らぬが,今 回の赤城につい ては量的に詳細に検討するには費料が少し 赤妓以外の資
料を広く蒐集 す る暇もなかったので何れ稿を改めて論ヂるとと L ずる。
森林が他の因子より崩壊に大きく影響するや否やは,之等の因子 を組合せた各階級D 占有面
積当りの崩壊状態が調べられねばなら え主い。 併し今回の如き短時 日 ,少 入数による現地調査で
は,単に 傾斜別林相別占 有面積を調べるのも不可能であった。
林地と無林地の 出践, 或いは林地でも針葉樹, 広葉樹 ,幼齢,壮齢,老齢等の階級別の崩壊
商積,個数が判 っても , 夫 k の階級の占有面積が判 らなければ ,例え-!4泊告林θ崩壊商積が数字
そのも のが大きくても, 幼齢林の占有面積もそれに 比例して広ければ幼齢林が崩壊し易い主は
ヱミえない。
地形因子,地質因子等と組合はせたものは友いので,唯林相別 ヨヒについてみ ると ,群馬県林
務課調査のの占有面積に対 す る崩壊面積の百分率の次表がある o
l
針葉
樹
広葉
樹
I
伐跡地
1
5.
7%
1. 9
I
20 年以下
I
8.6
5.1
50年以下 | 畔以上密 | 畔以上疎
;
: i:
9
1;
9
此の 値を分散分析を行ってみると,針広両者の差も認めら れす,林齢による差も認められ友
い 。 即ち 之京の資料では針菓樹林が広葉樹より崩れ易いとか, 伐跡地,幼齢林に崩壊が多いと
は云えない事と友る。
- 32-
林業試験場研究報告第 49 号
又敷島村森林組合の資料ではじ材 J・ 14 で弐去の企11 くである。
干璽
樹
l
ス
総面積
キ-.
2061HJ
崩壊数
109
雑
'y
tz
ケ
1
2
5
942
15
14
140
14
前去から 100111T歩当りの崩壊数を 1下山すると Jくの如くである。
スギ!マザ 1
雑
事
'T
93
}‘!
I清夫θ 之F..均航は 43 で,タケの .93 1士三l王立j から 11主も ~j~そがんであるので Thompson の棄却検
定を行ってみると, to=2 .49 く t=4.30 (α=0.05) で棄却川来十樹間による有志:の差は認めら
れぬ。又スギ,タケの崩壊数が多くなっているが,スギは谷間の 1ft騎士に浩林される場合が多
く,タケは他の士吉林の困難な急科i也にある事が多く,イi'Jれも元来訪j れ易い場処にある事が往々
あるので,一概にスギ,タケがJjfj れ易いとはム・えぬ。
明治 40 年山梨県下に起った山崩について山崩と林ね!の関係を示した次夫lのがある。
上林
品
3l
以令一蹴抑
m老一
F林
4
一 2145
nu-'b'i
2
ι
4齢一部
ド←
林
l744
9
, a
つA
つん
乞
日m
l
勺d
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-林一
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白可一
--62287
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5
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l
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一 Q,つム
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49
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LJU 一円 uququ
一 4qu2
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無一
る
一積所所積総
-v
相一ケ細
,
41
ω
一面ヶ
i す創刊吋
ふ1A
占式
一有壌に壊-こ
ω 崩
-nunU
一内崩
林一。町町
! 50 年以上
ト疎
96
13
2
1
2.82
前去の 100 IiIn乙対する í~fii所数--,[,-J[J は 17 で, 50 年以上の老齢林 9 は平均から最も差が大で遣う
るので Thomps:ori :の棄却検定を行ってみると
to 二1. 回
5O く t 二 3.18 (α=0.0
白
5) で
ヌ対すして老老宇才!刊刊
Iバ刊イや"ザJれも有立立Aの差は J認ぷめられぬ。併し'i1J治以上は 1!!fi立木地,劫齢林 l乙比して崩壊が苦
しく少いので,
~~t 齢林以上を一団として平均 fJl'(を求めると 12 となり,此の平均値の員の他
III の範囲即ち信頼限界を求めてみると
17.5>m>6.5 となり,無立木地,幼齢林の 24 と云
う値は此の限界外となり,此の資料からは無立木地,幼齢林は中齢林以上に比ぺ崩れ易いと云
える。
)諸表。 100 n!J に対する崩壊両政1F-均は 2.44 Illfで, 50 年以上の老齢林1.28 町は平均から最
も差が大であるので Thompson の棄却検定を行ってみると,
to=14.55>t=5.84 (α=0.01)
で, 50 年以上の老論林は他に比し崩壊が著しく少いと云える。
併し此の資料では林相以外のよ也11 , fl頃親等の!l;J子は:与えられていないので以上の差は全く林
相の差によるものとは速断出来左い。
赤域 111111 崩に関する研究
4.
-
(川口・波辺・滝口)
33 ー
土石流
崩壊により山地は被宇?を被ったととは 77 う迄もないが,ノj主将 i とより赤域山麓の人家,お1':ÞU!.iJ{
被守を受けた!五1I人l は:l:石流で‘ある。赤城山より発する i{i J己川,天龍川,内/1 1 ,荒砥川,粕川,
奇~/f三川, 1ゆ)1 1 ,相手IJ Jl I{'!} はイ1 ,J.tL も士子 îirlt を発 ~I:_ しているつ
(1) :1二イ-1 流と崩壊の関係
二 L:子 îNE は思駒山麓等相当の高所 l乙も生じ,又赤域山の沢は大部分小土子 i流を起し,山腹凹地
にも崩壊とJ1子ぶより小ニ[:石流と称するのが過するものが多く発生している。之等 l主急 Nì斜の崩
壊がそのま~ :
l
:1éîNë となったもの, i晃iriU-_ に山 111):の崩壊土砂が倒木, H~'}_",仰とより堰かれ一時
的の堰となりょが欠壊して七千日記となったものが多く,崩壊が土 íîNë発生の原 1"1 なり訪l 立なり
になっている。
一方崩壊とは無関係に渓床土1H1t物そのものが土石流として流出するものもあり,『11流部では
此の zqjの土イJ流による人家,耕地の被守著しく , i百 f品川,白川等の河!ぷそのものが洗羽li され大
規出な土石流となっている。白川で、は上Në~~'陥の土石流通過の時刻は 16 時 ~16n 手 30 分であ
るのに,下流主rr地では 15 時 30 分,ノj 、沢で、は 16 時で,
1 切かに下流の士イ iitt は- [
~流の崩壊土石
流より早〈上流土石流に関係無く F流白身に起ったきlÇ を明示している。
即ち土石流には山腹崩壊が起凶である上流高地土石流と,崩壊には無関係に渓!ぷそのものが
流 111 する下流低地土石流の 2 極が巧えら AL る 3 併し上流山腹の崩壊よりの流出土砂が r[liAë以下
り渓!ぷを傷め土行流の発生し易い状態にする事と,下流低J 也土行流発生後も」ゴオt より D 流ド
ノk は崩壊土砂を相当に合んで土石流発生跡の新j晃床を更に {;Jt壊して深くし τ いくI)r は没却さ
れぬ。
ゴ:イ~i花は流下するに当って吋闘に相当の震動を起すので之により崩壊が相当誘発されている
りが見られた。
(2) 二 Uî流の辿度
土石流の辿!支としては従来の記録では , U{{ ,f;11 13 年の磐梯山土 iîNë は 5 J1 9n の 1m/sec ,
5
)
J1
5n の 30m/sec l1) ,関東震災の根府川土石流の 27m/sec 12 ) , 筑波山iJ lilti良の 2m/sec l3)等
カまある。
今回の赤域山土石流については,沼尾川の下流低地土石流は深山を 15 時 30 分頃, i'l';久田利
根川合流点を 16 時 30 分頃通過し,共の nn約 5000m を 1 時1m で流下し千.f[J
る。又目撃符の言でも人の歩く速さ (1 時間 6000m として 1~2m/sec) ,
1~2m/sec とな
或いは 200m を 5
分位で走ったと云われ,大体 1~2m/sec の遅いものであった。
今:1:石流が聾曲した流路を通る場合第 5 図の如<.土石流の表的fは重力 g と遠心力 F との
合力の方向 ~Lj直角即ち水平面と θ の角をなすべきで,脅曲の曲率午径を P ,
V とすれば
土石流の速度を
- 34-
林業試験場研究報告第 49号
-___Y二
F=
F
V2
g
pg
tanÐ = 一一 =一一一
p
V = Vpgτ五百一 11)
敷島利年丸では 150m 幅の処で外側と内側の高さの
差 2~3m を目撃したと云われ , p が不明であ るが
2
3
tanθ = 一一~ '
:
A= 0. 0l3~ 0 .020
1
50 1
50
第
5
図
叉笥曲部では第 5 図の如く
ρ = 50m として
V=2
.4~3 . 1m/sec
p = 30m として
V=1
.9~2 .4m/ sec
凸・ー~ß.
2h , a は合易
l'L illlJ見 しf尋 ,
ro =
- ~竺
h
p
-2a
2
で ρ が計算し得るの
で ,之による計算値は 次表の如 くであ る首
場
tan8
h m
処
6
.
0
2
.
0
2
.
0
前入沢深山上続
前入沢支沢下流
前入沢 支沢上減
1
0.
0
5
.0
7
.5
1
1
.0
7.
3
1
5
.
0
0.
1
4
2
/
1
0
2
/
1
2
l Vmf:舵
4
.
0
3
.
8
5
.0
前表の最初の ものは前記沼尾川土石流の上流時のもので,後 2 つは沼尾 川土石流左小型にし
たもので、あるが起因は上流 山 腹の崩壊に ある と見られるもので,何れも上流程急:傾斜の放に土
石流の速度は大で遣うる。
(3)
土石流の掃流力
土石流は上流に於ては各処の崩壊より流出した土砂が小渓に 集 札倒木, 大石等の為に一時
堰止められ次第に量を増し , 勢を得て再び流出し勾配の少い広い処へ 出る迄此の運動を続け,
;全中にあるものを 4帯流する。
土石は 比重甚だ大で Sti ny 14) は 失表の値を示している。
渓床勾配
1
50
4
00
図形物の重量比
│
J
:
t
重
最小 | 最大 l 最小
最大
1
.3
0
1
.3
8
1
.4
9
1
.5
3
45 ,%
6
5%
70%
赤城に於ても土石流の比重は 相 当大で,富士見村に於ける土石流に捲込まれた者の云では,
重くて容易に抜 け出せなかったと 云う し ,敷島村の土石流目撃者の云では ,土石流が人 2誌に衡
突した場合は家は破壊するよ り箱が押し つぶ される如く倒れ ,土石流は滝の如〈 奔流するので
主主く蛇の進む如き状態で家 K のしか L り 家 を倒して進ん だ と云うので,土石流は比重が甚だうた
であるととを示 し て居り,速力による衝撃力よりは比重b 大怠る事: による破壊力が大で,特 l乞
下流{民地土石流程此の傾向が著しいと 考えられる。
土石流は強大な運搬力を手!ò うもので, 山麓各地で渓床や田畑等に長さ G~7m ,幅 5m , 高さ
赤城 山山 崩に関する研究
-
(川口・ 波辺 ・ 滝 口 )
35 ー
3 -4m 程の安 山 殺の巨岩が各処に見られ,大き友も のは長さ 10m I'C及んでいた 。 Strele H ) は
E 岩が泥流の約 2 倍も り 比 重 を占め而も殆ど泥流の表面 K 浮び、上っているととは元来物理的 i 亡
は不可能で、あるが ,泥流中 を浮遊しつ L 流される現象を幾度となく展開すると云 っ てい るが,
渓床よ り掘取られたE岩が渓床勾配の急:友 処では ,土石流中に含まれた大木が土石流の進む方
向 i亡回転 しな がら流れる事よりしても,自転しながら進む事も考えられ ,遥か麓の 111告々 王子担地
の田畑I'C E岩の残っているのは,土石流の掃流力の強さを証明 してい る。
(4) 土石流及び、通過跡の状況
土石流通過 の状況は目撃者の云を綜合すると失の如くでるる。土石流の通過する以前より 省
叉 は飛行機の編駄の如き 昔が 聞え, 土石流は夕立雲の 如く煙を立て砂 ,泥, 石,木がノj 、山 の如
く流れ ,水 よ りは泥の流れで泡も立てす三重くいや主主臭がし,横断聞は カマボコ型,縦断面は先
端上部が盛り 上り,相 当の犬木が土石流の進む方 向 に回転 し ながら流れていた 。
土石流む高さは w
白 川 では上流箕輪で 3m , 中流の土石流では 4m 位,
沼尾川 では 3 - 5m
程度である。
土石流の通過跡 は , J二流侵蝕地で、Itì深い U 字型の溝に掘れ, 富士見村原之郷附近では幅 2 3m ,拐ささ 5m 位掘れ , 沼 尾川 深 山 では幅 8-10m , 拐ささ 6-8m 位掘れ(写真 11 , 12 ) ,此の
日
洗掘は深 山 の人の言では土石流自 体よりは土石流後の流水で、掘られ た
もりであると云う。上流 山 腹 K 生じた 小土石流についても 第 6 図に示
す如く, 山 腹で崩壊した土砂が流れ出し た辺り から深さ 1-5m ,
2- 3m の溝が掘ら れてい る箇処が 多いが ,
幅
之等は崩壊土砂の 押出と
之に続く流水の為で、ある。
土石流跡地は最初深い U 字型 K 掘られているが,共の後の調査では
次第に U 字型の 両側面部崩れ,上流 山 腹で は 2 ヶ年位の経過で V 字型
となっている。
第
6
図
土石流の状況については今 回の赤披の場合は目撃者の 言 を 主体とし
て述べたが,参考の為森林~!íJ官 Shrumberger 15 ) が 1876.8 . 13 f<:: 低 アルプスの Barcelonette
附近の Faucon 渓で観察した記録より興味ある箇処を再録すれば次の如 く でるる。
山 から崩壊じた土砂がノj 、渓を下って各処から無量の真黒いものが壁の如 〈 渓床を下ってく
る 。 それは渓床の勾配が強い時は急:速に流れるが,精 k 12/100 勾配の 処を下 ってきて 2m/sec
足らやと友る。そり泥流は流動性があるか無いか 位の状態で ,土ゃいろいろの物質の塊のアマ
ルガ ムの様友ものである 。
その先頭には非常に濃密な泥の 中 で半ば焼結 した様な時に は 5-6
m 3 も ある大塊が前衛とな って泥流の 中を押し進んでくる(第 7 図〉。
それ等の岩塊は数分の間
は先頭を進むが,障害物を見 出 し留るや否や,混沌たる ~ll l'C 苓 まれて し まい,その塊は他f[.代
りそ れ等が押されて進み問も無 く 11聞に苓み込 まれ る。そ の泥流の ー休は決して 一様の速度 をも
~ 36 ー
林業試験場研究報告第 49号
ったものではない。或る時は辿〈或る時は極めて返
し又ある瞬間には全く動かない様 lて思われる。極
めて小さな障害でも先頭の塊は阻まれ渓床の勾配が
綬〈且一様で、ない為に俄かに 静._,Jー する。若し先頭の
塊が充分大きいものであると後に続くもの はその堰
堤によってー腕静止する〔第 8 図 ) が,共の 問Tも後
方の流れは絶えすコ押進み1区提を乗越えるか又は塊を
第
7
支えている障害物の力を 恐ろしい圧力 で負かすふし
図
石 :!llIを先頭に進む土石流の縦断 面[
a , b 渓床
E
先頭の石弘
c , d 土石流
f
土石流中 の石
て突破する。その時新 しく加速度を得て運動 しはじ
め再び.阻止される迄折l進む。
一度大塊の ïÏlJ認すが通過すると泥流は可成り規則正しい辿度で下る。それは殆ど流動性の無い
黒色昨で表面はいろいろの物を合有しているに拘らや
極〈僅かの 7J\.の混った単なる土からなる如く思われ,
ほんの僅か突起を表町 に現わしている泥の大川の如き
c
-
ものである。プミ塊が泥流の 中 にその存在を注目せしめ
. るのはほんの一瞬 間で, 11rJも なく苓込まれる順番が来
第
た如く一瞬泥だらけの流れの _f-.に 立上り(第 9 図入障
ると一時持上る丈で,土石流が上昇する時はその横断
図
一時的に堰き 止 めら
害物でもあると之を乗越えるために泥流の上商を持上
げ る 。 土石流の縦断は概して渓j択に千行で、障害物に当
8
れた土石流の縦断面
a , b 渓床
c , d 土石流
e !J.... ムを形成する
前街 の右
f 土石流中の石
は常 lこ天主に 向って円で あり, 下降す る時は僅かに凹である(第 10 図)。かくして約 20 分詐り
b
<
1
.
.
.
第
10
図
土石流の横断面
第
9
図
土石流の上に持ち上った石流
a 渓床を昇る土 石流
b
下降する土石 流
泥流はが]4m の高さで続き , 之迄は大 した雑音は問えすτ時々岩石が岸又は 他の岩石と摩擦 し て
耳を つんざ く脅を出す丈である d
そのうちに土石流は益々流動性に偏し速度は哨していく。 1m も無 く 7)\.が大量に 押寄せ水は奔
流の女n( 土手7流の 上 を流れ , 土石流そのものは相変らす寸支かに進み,雑音は 此の 時から始まり
赤城 ILII[I 崩に認する研究
(川 fJ ・渡辺・滝口)
- 37-
恰も飛行機の削除の通過する様な首を立てる。たきな力で、押寄せた jk は凡そ 2m の高さの i書を
形成し流れに沿って進む。水は夫耐に!延々現われる riT成り大きな塊を誘い絶えす志向突し合い恐
ろしく n宍騒な背を発する(第 11 図) 0 fif: し II\J も無く水は先頭にある濃密た土石流と一緒になっ
土石流の上を遜過する流水
a,
b
c, d
1γ 去ぞJ.:.d/>"'
土石、i歳
E
水に淫ばれる行
流水
f 泥流に淫ばれる石
第
土石流の上を通過
する流水の横断簡
11
図
てそれに新な推進力を与える(第 12 図)。枯f,.Jすべてが掃蕩されると水は殆ど澄んでくる。水
はその時渓床に残っている泥流の k を流
れ,崩れる様 i乙"f î府の土H 積物の rf~ に通路を
穿つ如く進む。
山から誘われて流されてきて岸に附着し
て残る物質の痕跡は殆ど、認められや,単に
泥流の高さを示す丈で水は渓床をー捕して
石塊と共に土石流の上を通過する i;1,: 7)(
第
12
図
しまい,物質は非常に遠〈へ運ばれ,恰も
j完/~とそのものが流路に沿って動き去った様
で,後 i こ深い U 字型の溝が残されている詐りである。
以上の Shrumberger の観察したと H 様の現象が今問の赤城でも各処 lて起ったものと想像さ
れる。
(5) 土石流と森林の関係
以上の]1/1く土石流の掃討t 力は,l~ だたで,単 lこ森林のみを以てしてはその発生を喰 11: める事は
同期と考えられるが,土石流の発生を防止する事は困難で、も障害物の性質,構治如何で、は土石
流の進行方向を転換させ安全地,;作に導く事は可能と考えられる。此の ZJtは深山で土石流が流線
型。屋根 lこ当ってたやすく方向転換した例,富士見付原之郷で、カシの生垣に当って方向転換し
た例等よりも想像出来る。
森林は勿論此の方向転換刑の障害物として有効であるが,他に土石涜が或程度エネルギーを
減退された後であれば正面衝突をしても,森林は破壊され歩流水は通過しでも土石流中 <DI-[岩
は立木により留!とされ,森林背後の人家は為に破壊を菟れた例が赤城根村大洞,黒保根村梨木
舘等に見られた。そして森林は此壊されなければ数次に互る土石流の襲来に対して毎度E岩習
止の作用を繰返す訳である。
-38-
林業試験場研究報告第 49号
- 土石流の方向転換,E:岩留Jl::用の森林としては,根の弱い徒らに喬大 え主主亡葉樹の頬ー よりは棋
の 強い広葉樹類の方が有効で司ある例も各処に見られた。喬大友針葉樹は若し土石流により破壊
された場合は,倒木が土石流の一部と友 って 下流で暴威を振う危険を生す.'る 。
5
.
流出土砂量
崩壊,土石流によりどれ丈の土砂が生産 , 洗掘 ,流迭され , 叉下流でどれ丈の土砂が土佐積し
たか は,山地崩壊の 実態調査により崩壊地に留止する土砂量と流出土砂量の割合の精密調査 ,
淀流の縦断, 横断測量,下流哩漫田知i等の土佐積土砂測定,更に下流への流出土砂の測定等の結
果 K よらねば正確友る数字は得難いので あるが,か L る 測定資料は何時の災害に於いて も得る
事 は不可能の状態I'C~うるので,大 11I各の概数 を推定する 外無い現状で、あ る。
今回の赤城でも同様で、あるので.,沼尾川を例としてい ろいろの 概数予想値を前提とし て計算
して みると弐の如くである 。
.
:
".
,
z
沼尾 川 は現地の者の言及び現地調
‘晶
,.内''_
査の綬;某では第 13 図の如 く ,深山
J!
l
.~可"-
上流より上南雲迄は 河床が掘れ,上
南雲より下流利根川と の合流点迄は
河床が土佐積物で上昇している 。 河床
上昇の程度は 利根川合流点で2~3丈
( 6~9m)
同開。
,
年丸で 13~15 尺 (4~
φ。~
;'L.品品“ーゐL
4.5m〉,上南雲は変化無 く ,河床下
第
13
図
降は辻久保で 15 尺 ( 4 . 5m ) ,深 山
で 20 尺以上 (6-8m) と云われる。之等現地の者の 言及び現地調査の概数回測により沼 尾 川の
土石流による侵蝕,堆積状況を尖表の如く 定めた。 倫幅は利根川合流点近く は最大 20 間伎の
現況であるが,河幅の拡がった中には耕地の欠壊 ,主里没が多く後述の悶畑の計算 と 重複す るの
で,土石流 は下流に来る程拡がる傾向が あり共の隔は大休上流侵蝕地域の幅の 2 倍程度と見て
定 めた。
間
区
距離
幅
1m
き
利根川合流
| 矧ー上南雲 | 上腿ー深山
山上 流 | 向上流
点一年九
前入沢下流
。m
1
2
00
町1
20
m
6
2000
1
6
2.
5
1
0
4.5
2000
B
6
2500
B
4
主石流 による侵蝕土砂量は
3
20oo x 4 x 3 斗~ 2500 x8
x4+2000x8x6+2
0
0
0x1
0x4.
5= 290 , 000m
向後人沢は土石流の 侵蝕は甚しくないので計算より除外した。
土石流による堆積土砂量は
前入沢 支沢
2000(5
4
3
沢)
赤城山山崩に関する研究
- 39-
( 川口 ・ 渡辺 ・ 滝 口)
1
3
0
0x1
6x2.5+1
2
0
0x20x6=192 , 000m 3
田知i の流出 , 欠壊,担没は敷島村計 246 . 5
町であるが,此の数字 は過大 K 示さ れている沿そ
れがあり,叉 此の 中には 沼尾川沿岸以外も含 まれてい る し,埋没丈で主主〈欠壊,流出も一緒にし
ての数字であるので,沼尾川の埋没 田畑は約 50 町程度と推算され,此の間畑が乎約 30cm J享
さ土砂がヰt萌したと見れば
500 , 000 x0.
3=1
5
0,000m3
山地崩壊 は敷島村で 230 町 と在っているが,此の薮字も 過大と考えられ実際 115 1111程度で ,
之が,jÎj入沢流域I'L 5
5 IllJ , 後入沢流域に 60 町 位の割合 と推察 され,後入沢の峡谷よ り上流の
崩壊地 10 町程度の土砂は下流に流迭されたとは観察されぬので除外すると,計 105 町の崩壊
地が平均厚 さ 50cm (二,
3 , (l )で 崩壊の 厚さ は 1.0m 以下が大部分で l享さ 50cm 以下 と
50 ~ 1∞cm の割合は 3: 1 程度でるるので平均 0.5m と する)崩れたと 見て
1 , 050 , 000 x0.5 = 525 , 000m 3
崩壊土砂は全部下流 へ流迭さ れる訳で左く山腹 ~L~ る部分もるるので,流出の割合を
60%
と すれ ば
525 ,000 xO.
6=31
5,000m 3
結局次表の値が得られる 。
山地崩壊よりの涜出土砂
土石流侵蝕による流出土砂
315 , 000m 3
i 290, 000m3
小計
\
605 , 000m 3
下流流路堆積土砂
I
19.2 , 000m 3
埋没問畑堆積土砂
I
150 , 000m 3
小
言1 ・
利枝川への流送土砂
L豆42 , 0型空L
I
263 , 000m 3
崩壊よりの流出土砂と土石流侵蝕土砂と大体同一程度である事と,埋没閏畑土佐積土砂と土石
流の流路 1ft積土砂が同一程度で‘ある事は, 何れも前者が浅くても面であるのに対し後者が深く
とも紘である のに 起因す る O.
沼尾川 の流域 山地商t':tは約 10bが の程度で流 出土砂量は 605 , 000m3
の流出土砂平均厚さは
であるので,流域 山地
0.06m となる 。同様の計算 を従来の資料で行ってみたのが第 11 表で
ある。第 11 表をみると流出土砂千ßJ}享さは O . lm 程度が A乙 きい方で, 大体斯様主主災害 に よ る
4
2
3
流出土砂平均厚さは 10'mm の order , I!.iJち流出土砂量にして流域 1km 当り 10 m
のものが多かろう。
の
order
.,-
40 -
林業試験場研究報告第 49号
~'ç
場
戸斤
1洋 j馬県沼尾川
兵沖:県:pj.}支谷 liì)
:側面下腿尚南道 17)
石川県手取川 1';)
兵庫県新浅川 UJ}
グ
~j~i白川jI 9)
"
ノ1. f:fl}1119)
グ何1I't~}111!J)
か
::(î屋川 lU)
か
Y4 市I'} I
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か
高橋)11 ,天上川,佐古川 19)
杭馬県 1') }II 叩}
グ
荒{瓜川 20)
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災害年次
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流此砂最 l 流出土砂利厚き
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0.03
土中 l'
赤城山ノj 、j{j 附屯には 30~50cm のよ[ニキ 1:が林立しているが
2~3cm 花度のものは各処で見受
けられ,此の地方の土Hi.iの '1'1:'[1 を失11 る事が 111来るが,後入沢支沢の 12Z に高さ 6~7m ,
故大!日
囲 2m 利の土中 1: (写JJ1 10) が崩壊地内に IIW-一つ残っているのを発見した。
土佐の生やる場処の条件としては,市荒が少< frI(物の繁茂しない為降i山乙よる土壌の洗i僚が
容易に行めれる処,雨長が少くなくても ;{'Hi iJ ~ij吹弱で粗影な J:峻の為崩壊の:苦しいM;i目
bad
lanc1を J/九主する処である。二1)1'( としては結合 }J が乏しくf:l J 水に触れると出ちに土粒が分解す
る如く浮 11',して流されるが,乾いてし、るfI寺はモルタル状にドIi1紡しているのでイ i を戴く部分は傘
の作川で下部を設りこI沖J:が形成さかる。
赤城山で、此の様なこ[:キ[:のある処は,二[ :壊の結合 )J 乏しく,又過去・の降水主そが if!IJ介少〈千常[:日
に対する試械を'乏けていないア'}j:が判る。か L る処の二[:壊流川を防ぐには村〔生を増して友土を被
覆する事と, 11f(生による炎土の性z't改良,抗生成立時迄のデr:作物による防止が必要で、ある。
又崩壊地内に土柱が残 {Jえしていた事は,崩壊後の跡地の夫IlJÎの位蝕が甚だえで,上端を石に
より保護されている土杭は表面の侵蝕午、?に雨滴 fRMt に対する抵抗力が大で,結局土柱が従来よ
り高さを哨して(周囲が能的された為の関係的位置よりして〕残イfーした事を示し,土砂流出の
点では崩壊後の跡地の表面侵~û虫が崩壊と同様に重視されねばならぬ。
叉土柱を生1-'‘る地方は大雨の場合は非常 It 多長の土砂が Nal',ずる処で、あるから,かうした場
処の土砂流出を阻止する:m:は災害防止上主要で、ある。
7.
渓床変化
土石流及び、流水によって渓床は洗掘,運搬物の土佐積が行われ著しい変化を受けたが,梨木沢
赤城山山崩に関する研究
- 41
(川口・渡辺・滝口)
ー
支沢の実iJlll結果,沼尾川のカスリン台風後 2 ヶ年聞に亘る観察結果に J,ぃ、て考察してみる。
(i)
梨木沢支沢
縦断iJlll景は第 1 聞は前橋営林局計画課小暮技官,森川屈が昭和 22"F 1
2n 行ったもので、 'ZfE
2 回は三官 JfZ与が 24 年 3JJ に行った。台風前の状態は昭和113 年検定の旧帝宝林野局の 2 万分。
1 林業図から等高線と沢との交点を iJ!!l点として縦断圏を作製した D で,実測に比べIE僻さは劣
るが変化の比較に JJJ いるには充分であった。
しげりたち沢は第 14 図のお1< ,台風後j晃頭
附近は甚しい侵蝕を受け 10m 位洗掘されたが,
中流以下で、は E岩,大ノj 、の慨が土IfJl'tし高ぎり,梨
一一一ー-ー
ー
24 '.1手 3 司当暗" i主,~
22 竿 12 時当時匂)~屯
ーーー-
:
l
I
i
I長L 品
~,
,主 Jゑ
木沢への合流点附近では余り変化が無いが,沢
の入口附近では E岩の為多少高まった。共の後
l 年 3 ヶ n の聞に徐々に流/1\した土砂及びアイ
vuγ
オン台風等の降雨の為 , t実頭はf,\Jf乏蝕を'乏けて
削られ, r!~流附近は Ef? と倒木で出来た n 然。
ダムにより流出土砂で淀川之は高まり,此の影響
は下流 iこ及ぶが合流点迄は影響していな \"0 即
:第
1
4
図
しげりたち沢
ちしげりたち沢は渓頭や山腹は刻々と佐伯され
砂牒は渓!料と集って来るが,平常は I刊が少く専ら渓床が高まるのみで,たまたまたトI~ でポl'流さ
れて梨木沢に/1\て来ても,イト流点tXtの梨 4三沢が広い 111 幅で綾f頃斜であるので拡がってかrr択を
1j'iかに高めるのみである。
rュ
〆­
,ー:
嵐主 1孔的。?員五L
,
,
-
r
ノノ;
床が高まっている様である G 崩壊土砂が渓を下
,,,占句
ノ〆ー-
に比ぺi晃.1m は相当侵蝕され,中流以下は幾分渓
目
-n
J
加
O
15 図
判
。
寛吉
。
ι
"f三を経た 24 年 311 でも変化が無い。之はかけ
吉
いる 0'
"
ク
/一一
ft(i5Nで、流出土砂は速度が減じ拡がって堆積して
ιuιFH3
って梨木沢合流点へ来ると,梨木沢が幅広く綬
引
;J
ー一ー
Jュ
r
-o
一一ー一一一一 2 千年き司当 g幸勾 i'î i主
で,変化の詳細は知る事は fl',来ないが,台風前
/'一へ一
のむ[11量が行われや,第 2W1 の iTIlj量を行ったのみ
かけどや沢は第 16 図の如く,台風後及び 2
Aュ
へったま沢は第 15 図の如く,台風後第 1 同
へったま沢
どや沢の j晃床は安定した岩盤の露 IH した処多く,山腹の崩壊も前記 2 沢より少し叉渓!択勾配
が前記 2 沢より*l'ì 々なで山腹崩壊よりの砂蝶は全部梨木沢へ運ばれてしまう為である。
培;の沢を源とする梨木沢は,かけどや沢,へったま沢と合流する辺りは川隔も広く,支渓よ
3休業試験場研究報告第 49号
- 42 -
24'
f
.3
り運ばれた砂陳は拡がって河原に留まにし
月当時 O) n~/:t
22 年 1 .1司当吟 句 i~ i.主
一一一 一一地 l乱尚 司; ');"*-
9
0
9
げりたち沢との合流点上で、は幅 3-4m (第 17
図 xx 点)と極度 に狭くなり,とれより上流
の砂繰は殆ど 此の点迄に詰まに梨木沢上流
/ク
/
/
/
シ
第
16
図
町一Lji
かけどや沢
の流域山腹は相当崩壊して居てもその流出土
砂は此の点より下流には殆ど影響無いと思わ
れる。しげりたち沢との合流点より下は再び
川 幅も広くなるが ,しげり たち沢より下流で
梨木沢に合流する支渓よりの流出土砂は相当下流に運ばれ て いる様である。
( ii )
沼尾
川
N |
上
すた
沼尾川の土流後入沢は深山から上流 2000m
e、
、#...
の潜下で,堅固な岩壁で区切られ水路幅僅か
1m 足ら す= の|炭谷状となり,その上流は再び:JII
幅が広<PJ.っている。潜下より上流支渓の崩壊
砂牒は 此の 天然の塞で 阻止されてい る。此の点
梨木沢 しげりた ち合流点附近も似 ているが,梨
弓L
木
木沢では 両岸共堅回な 岩壁で無く右岸は渓床よ
、Jえ
り 2m 程高い平坦主主造林地で破壊される恐れが
ある。潜下では堅固な岩壁で両岸が構成され恰
も水門の扉を閉じた様えに形を示 し ,上流の崩壊
製
刊
5
"
00 3
0
0
1 (10 。
1000
吉.,
第
17
1
5
"00
丸
図
砂傑は 下流に影響しない 。
沼下から深山に到る 2000m の聞も河床の変化は大して起ったとは思えや,割に幅広い礁の
多い河原で,千常で も 大沼より発する水が可成り豊かに流れて潜下より下流 山 腹の侵蝕による
流出土砂を趨当に流して河床を変化させてい友い 。
深 山より下流利根川合流点に到る 迄の沼 尾川 は,第 13 図に示した如くカス リ ン台風時 ~L ,
上南雲 より上流は河床土佐積物自体が土石流と主主って流出し最大i~~ 8m も乱ム掘され,上南雲より
下流は土石流がよ仕積し利根川合流点では 6-9m ([)上昇を示した。その後 2 ヶ年間の経過では
一部護岸工事等も行われつ ι あり自然状態と 1tJ:云えぬ点 もあるが,大体に於て上南雲よ り」二流
は河床は高まに 上南雲よ り下流 は 1ft積物が大沼よりの不断の流 水で利根川 へ運ばれ,漸::}iく台
風前の相貌K帰りつ.. ~うる。
深山で沼尾川 κ 合流する前入沢は,流域内 K 7J'(の湧出する処殆ど無く,平常はîÌÍj入沢には流
水が無いので,降雨の際に 山腹崩壊跡地より 流出する多量の土砂が第 13 図に示 したカス リ ン
台風時の土石流侵蝕跡地を急:速に埋めつ L ある 。 此の変化白状況は深山の柏々上流のトチの大
赤城山山崩に関する研究
-
(川口・ i!主辺 ・ 掩仁1 )
43 ー
木の埋木の 1. 1:'1 現及び.JIí.び担没状況を示す写真で明 示さ れ る。写真 7 はカ ス リ ン台風後 8 ケ )j の
23 年 5 月 で埋木の [-1.1 現を 示 し, 写真 8 1r.l: 23 年 12 月,写民 9 は 24 年 3 月の埋木が再び樫没せ
んとする状況を示したも ので ,約 2 ヶ 年間に約 2m の jilf床上昇 を 証明するものでるる 。 上流崩
壊跡地から降雨匂d亡流 tfJ1 する土砂は,此の沢の流水の少い為に下流迄運ぼれす ,此の様友速さ
で I清入沢を台風前の姿 l乙民しつ k あり,平常; の降雨による流 水は 堆積土砂の下部を摂流し てい
る。
8
.
調査地別所見
以上実態調査を行った各地に於いて外見 ヒ気付 いた点及び、特徴 ある崩壊等について 簡単 に列
言己す る。
(i)
巣保根村 梨木地域
此の 地域の境攻質集塊岩は風化速く ,
しげりたち沢 , へっ たま沢は 比較的北商. 山 腹の崩壊が
多く, 16林班の渓頭は以前の崩壊跡が洞霜状をなしているのが見られ今回の台風で渓の上流部
は殆ど全面積崩壊(写真 1 , ~)している 。 j美床変化の項で述べた如く各支渓夫々特徴を有 し異
友っている。
後に詳述するが梨木放館前の梨木入沢 ( 湯の 入沢 〕 は上流の山腹工事によ り 崩
壊,土石流が見事に防止されて居る。
すも L 沢の 15 年生程度のヒノキ及び j佐木が多数生立
/E
す る地の崩壊 は (節 目 図) ,傾斜崩壊前 32 ,崩壊後
0
30 0 で,黄白衣砂土で石燥が多く腐植性を帯びた表土は
厚さ 30cm 伎でるるが,隣辺の落葉広葉樹喬木林は崩壊
せや ,崩壊上辺部に降水時7)\.の湧 [-1 11 した形跡のある穴が
キ
第
18
図
あり,地71予,地質,植生等の条件の外 lζ 此の様友 条件で崩れた りとったりする 事が往々ある。
(i)
.広城 村湯の沢地域
第 19 図 のおl く傾斜 27 0 , はl 腹凹処で深さ 50cm の表土制帯型崩壊が見 られたが , 資自火 山
一
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巧日本 f'é 侠
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吉岡 3
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第
19
一
友で腐植性 を 帯びた表土は厚さ 40cm 程度で ,託宣木の薪茨林伐跡地
で上犠は 20 年生のアカ マツ林でる る。 伐採作業 と 共後の取扱方が
当を得十崩壊したと,思わ れ る。
,:1
Q
.
図
(
i
i
i) 敷島村前入沢地域
上流 i乙凝友質集塊岩地が崩れ熔岩地は基岩が露出した円い 山 森で
崩壊を起していないのが明かに 対比して見られる 。
崩壊土砂が何れも土石流とな って流下 しているが ,針広混浴林地よりの土石流発生は上部落
葉広葉樹 ,下部 スギ 林地の土石流発生より遅かったのが上流に やはり対比 L て 見られる。
叉第 20 図の主n く ,説次質集塊岩を基岩とする安 山 岩転石の多い砂壊土地で ,約 40 年生の ナ
ラ , ク リ, 雑木の 中に約 20 年生むスギが固と友って点在す る 地に崩 壊が見られ, 発生部は表
- 44-
林業試験場研究幸11 均第 49号
土制法で、あるが続いて鴻を深〈削って共の1::ーさ 200m 以 (-.1乙及んで、い
る。発生時の制訴された(-.部の一七砂の通過及び、共の後の1:I~で、渓!示が土
石流となってがt された状況が*iJかる。
ィド地域を kff め HI 尾川流域一休を合む赤峨山内 I!!IJ 及び西-Itl!!~ には,夫
l1'r 又は夫!低下に得数 cm 限度のドl 色のi'J:ィ j )J千が広く分布し,椋名火山
よりのものと云われりさは 1m 杭!主であるが,イヰ地主主でも炎!吟が崩壊
土砂の油過又はノj 、:1:1"日夜今年で、破壊して浮イ ihÞf が現われると , j手石}任 l 土
存易に洗い流されるので,
u.ぷキ時にノj 、土イ[流の背.~-を榊し, iえ得時には
残つでもノj 、二l:石流lf!~iの滞のltI日 l'から崩れ落ち不断の l刊で徐々に下流に
}III流されi背を益々深くしている。
第
20
図
(
i
v
) 敷島付後入沢崎域
旧制l 料t..j,で、あった一之渓流域は山 jj包イ î h'i ,上!叫よ等の 1: 事が以前に施 L てあって,今 í r立の台風
時にその一部は破壊しているが,後入沢との介流点近くの投下流りよ[夏場2 は流下する 11岩の為堤
冠1'f[1 1ð::一部小jiJたされたが安全に残り,上流の崩壊は他の
支援と IlíJ 様 i亡 J~ しいが工事が施行されていた為崩壊:lJi'!ì
の流川は所ど防, 1 二され,後入沢へは他の己主渓と注って殆
どこ1:砂を流i乏していないりが見られた。
2í~ 21 図の !ill (傾斜長 250m , 11'日 100m , 1以さ 85m ,
ftM~l350 の夫土佐蝕型の崩壊で、 t:f:i裂の深さ 3m 1亡 lliーする
処もある。
20~30 年生のスギと 15~20 ~I三生の広葉樹
であるが,内に 2 団地広葉樹が残り,此の場処では広葉
~í";
樹地帯。みが倒壊している。
状攻ii:!ì:1:で, J 二小分が irU本雑草, "F!'ド分がスギで, ;fl![生状況
..当工~
,J".
4ι
k~
J
a
.
ずう
)
図
ス五日 22 図の責II( 長さ 126m ,帆 24m の崩壊で,モルタル
血ム
'•
Q (
21
t
.!
_
.
.
'
-¥.
から見れば崩壊に対し故も安定と,Iι われる場処で、あった。
C
v
)
敷島村 rll 山地域
上流D 熔岩地域で第 23 図の如 I( 熔岩の円い 2 つの主任問の
鞍部が熔岩地域では珍しい大崩壊を起しているのが児られ
7こ。
生
生
全
第、
22
図
又従来は沢と云う桂でなかった
処が,今回の土石流侵蝕で旧渓床
が現われていたが,現在の鴎植厨
の下 2m 程 1'1:更に往時の腐植!母が
ρ台
第
23
図
赤城山 1I1 崩に関する研究
- 45-
(川口・渡辺・滝口)
見られ, rjl 山も以前は現庄の様な沢で、あったのが流 H~, 土砂が次第に土HJ点して沢が無くなって居
た処へ,カスリン台風時の土石流で'fl&積:Uî'[;iJ~流附した事が判明する。
(
v
i
) 敷島村深山土也域
深山の後入沢,前入沢合流点(写毘 13) では,後入沢が fì-íj 入沢より 1~2m1-尽くなって店り,
前入沢よりの土石流が-ld:Y;I) I亡通過し,その後に後入沢よりの土石流が通過し,故後の rjt 山より
の土石流が後入沢 I二に扇状に土佐践し,
3{í.の時間的関係を明示していた。
日;形では第 24 図の如く上方竹林,下方斜耐の 1/4 を
, 'î めるスギ 50 年生地で,湧 lKの為告盤上をスギが 11:っ
たま L とった処がある。スギ林と竹林の境で潜っていた
;J(が湧 IH ずるのに油する条件となった為で、あろうが,
為ザ
第
24
ド
方迄竹林又は上方j主スギ林であれば呉.なった状態を示し
たかも知れす..棋に).(い地下茎を長る竹林の方がスギ lて
比べJ底抗力が強いと }J!, われるが, 17盤上をとるとなると
図
竹林でもそのま L とる哀がよくある。
(
v
ii
) 赤城根村大洞,二本楠地域
砂川本流二本柄下流約 1km ,
院の EL ,大i同沢大洞上流約 lkm 等にうた山~}肱が滝となって
イ了花し,之がfl叫2の作川を為して_f-jJ!t よりの itHI土砂を相当阻止している。 ;k 口沢,井戸入沢
の古生!出血域でも1<..'山計肱院はんきくないが高さ 2~3m の滝をなし上と I'D様の作 fJjをなして
いる。
大洞附‘近で、は古生!ほ岩盤上の fl夏堤が土石流に無傷で、あるのや,袖が岩盤 i 乙接していない堰堤
でも放ノk路日が破壊した柁度で残っているのが見られ,土石流の破壊力の程度如何で、は壊堤が
有効な;場合がある。
;
j
(r
J 沢では古生!ほと凝災tt集塊岩の境で崩壊が起り,明かに集塊岩吉1)のみ崩*1-,古生情部は
]iÌJ れないのが対比して見られる。
大洞より二本桝へ上る砂川本流沿岸で、は,傾斜 40~450 凝茨質集塊岩地に,尾根よりや L 下
った上限より渓岸迄比較的jξ 〈浅
、 l、雲井会山
く崩れたのが並行して起に尾根
近くは広葉樹,下方は主十葉樹の処
が多く共の境より崩れた如く見え
るが,之は尾根近くは岩盤露出し
て崩れ難い為で,針葉樹が広葉樹
よりÎff1 れ易いと云うのではなかろ
うと思 dコ*1..る。
第
25
図
-
46 ー
林業試験場研究報均第 49号
二本橋附近では第 25 図の如く崩壊,それに続く土石流の大 きなものが見られるが,此の土
石流は崩壊発生後 K 起ったと云われ,共の基をなす崩壊もノj、;耕曾 山 ]頁近くの熔岩地より起った
のでなく,下方の熔岩質集塊岩地,凝次質集塊岩地附近より起っている 。
(
v
i
i
i
)
南郷,根利地域
根利川 ,片品 川 流域では崩壊地は極めて少し古生唐硬砂岩の露出地に rock f
a
l
l(写真 6)
を起してい る程度で,洪水時 山 腹よりの土砂流出は見られないが,流路の j字が侵蝕される事は
甚しく共の欠壊は相当見られ,渓床も相当変遷 4うる ものと忠われる。
根利流域は林相,土質共に良<,土質はローム質の所謂赤土で粘着力強い安定した土で,林
相は 小崩壊地ならば崩壊地の両側より伸びる根や, 侵入 する雑木,雑草で自然回復して裸地を
被覆している処も数ケ所あれ崩壊に対しては安定しているが,害IJVC 法透度のノj、さい土質と念
f頃斜の為,相当量以上の降雨の場合は地被物のみで、は 続和 出 来 す九大降雨時の流出の早い点で
災害を起している。現在根利に既設堰堤一個,施工中のもの 一個,他に計画中のもりもあり,
南郷附近に一個施工中であるが,根本的には堰堤 J 護岸の 外に遊水i也を設け /11 7J'(を緩和する必
要があると思われる 。
E
二本植
土質試験
崩壊の機構を究明し共の防止方法を
考えるには,土の力学的性質を知らね
ば友らぬので,赤城山及び比較θ 為榛
名 山 に於いて地質の異なる各地より任
意抽出的に第 26 図の如く 20 箇所の
崩壊地を選び,各崩壊地より崩壊部分
の土と共の下唐の崩れなか τコた部分の
土を採取して比較した。但し崩壊部の
土は泥流と友って運ばれてしまってい
るのが多いので,其の場合は崩壊地の
側面より採取した土を以て之に代え
た。
蓮搬中の箱の破壊や実験1=1: 1 の試料泊、
耗の為 , 20 箇所 40 V 土を悉く試験す
る事は出来なかったが,崩壊に与る土
質因子の大要は知る事が出来た。 測定
結果を表示 し たむが第 12 表である。
第
26
図
土壌採集場所
表
一
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一
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林業試験場 nJf<誌報告第 49号
1.労断:試験
~.断試験は 4x4x6cm の三訓 1~'îの携帯川刀:Ifj~!~y断試験機【写!)1 21) を使川した。別IJ).ë*,I; 県
より内部摩擦角,凝集力の水分による変化状況はみí~ 12 夫の如〈示される。
地と型崩壊については,安政博士の新しい
Rankine :[二圧論íl'~ 考察法に W< 地と理論δ〉が崩
壊機構を説明するのには優れて出り,又現実 l乙介致すると Jι われるので,之に尽き !$y断試験結
果を二汚祭してみる。
安蹴 I'!].=I-:の地と王!日諭!土,地:ヒ発生に対する )J 学的立さヲ~ーとして 2n 27 図の如く土地の ftfi.斜 8 ,
斜IT'IÎの長さ 1 , :1: 肢の!訴さ t ,土
の単位重量[1,内部摩擦角伊,凝
集 }J
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えられ, i比例の 4 つは地と発生を
f){llt する liZぷとして{助き,後の 3
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(1)式はよ也とが発生するか汗かの限界保をノJ~ すが,又 5 要栄之
J_) 相
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t が一;定広
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によると此のんが地と発生を rrJ能ならしめる土+n'rÎ長の jlk 小限で, J:千 1M長がんよりノj 、ならば t
が to 以上でもとりを起さないし
J 也と防止策としては地と要素を発生不可能にする事と,と耐
の形成の lýj咋が~巧えられる。
以上が安政博士の地と理論の大要であるが,今ftJi却が 30 0 及び、 35 0 ,
1.5m ,
2.0m ,内部摩擦角 20 0 ,
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10 0 , 5 0 ,ニ1:の比芝1. 5 , 1. 8 の時,地とを起さない為
心凝集力の限界値を(1)式で求めてみると,第 13 去の如くである。
内部摩擦ffL 凝集ゴH主合水量の増大によリノj 、さな値となるが,内部摩控角は合水量の哨)J日と
共 i乙漸減するのが普通で,凝集力は合水量り哨)JII 1亡より漸減するのでなく或る合水量で、故大値
となり共θ後の合水量の増加で、急減するのが普通で,従って抵抗力としては両者ー組合わされた
抗努力として働くが,合水量む変化と内部摩擦角,凝集力の関係を試料 N について示したの
iJ~1rÇ 28 図である。
(川 11 ・波辺・ j竜 1:1 )
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第 12 去の i1!lJÆ自立と第 13 去の計算飢を比較
してみると,崩壊部の :1: (上!否)も下肢の土も
身内初母娘筒
。 3E主集力
・?え.t ~長平{孟
内部N~-ÞiWJが 50 .llll ち li.式料の合次長が流 IP,限界
I r:近い 111'[の時で、も, í疑lIUJ はとらない為の限界
値上り大きい。従って合ノk量の増大による.j/r:~'
力の低下によりとったとは考えられお。
叉崩壊部ど下!母で内部摩擦角,凝集力に:左が
あるとも認められぬ。
2
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透 l.K度試験
土が火山茨であるので現堆の状態のま L 形そ
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第
23
30
図
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保持して持帰る:;;jtが不可能で、あったので,探Jf:x.
箱 i亡詰めて持帰った上居(崩壊部〕とド肢の土
林業試験場研究報告第49号
一 50 ー
を比較の為両者同じ条件で・透水試験機(写真19) により試験 を行った 。
上jE と下居の境ははっきりしたものではない が ,上底が下居より透水度が 大 きいと上!雪を透
過した雨水は 下 唐とり境で溜り境に沿って潜流 し,之が原因で、上下両唐が分離して崩壊する事
が考えられる。
勿論此の場合上}菅を透過して来る雨水が下 居に惨透する暇 を与えすサく々と溜る程の雨量の場
合に始めて潜流となるので,今雨量を R ,透7J\.度が一定 K 達した時の 上!民下麿の透7J'(量を
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上
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もタ売予六 二 : ::~
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竺Jヲで ー 下
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ノき
Q' とし (第 30 図入斜面では雨の一部は地表流下
水とな るので共の割合 を α とすると, R ( l -α〉豆 Q' の
時は潜慌を生じ ないが ,
Q主主 R ( l - α) > Q'
下両 唐の境 に R( l - α) - Q' の jkが残り,始めは境面を
流れていた水は 弐第に増 し, 11持流の厚さが上居一帯に及
ぶ訳である。一方 Q く R( l - α 〉となれば
第
30
と なると 上
R- Q
丈地
表流下として流出し,雨滴の衝撃力と共に表面侵蝕を促
図
進する事となるが,下唐が主主主E最少いとl二居が 早〈飽氷状態に達 し , J二!音全休を水が流れる様
になると降雨の殆どが地表流下水となる訳である。
採取した赤城の土で、透水量が安定した時の透 ïJ'(係数 (cm/sec)
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主主水円筒内の土の詰め方 22)
透7](度試験た行う に 当 り透水円筒 内 の土の詰め方た定める 為衣の 予 備実験か行つ 1: 。
ビ ー カ ー の底部 に 径約 l cm の穴たわけ(第 29 図)
O.15mm
のfi'J、か次の諸方法で詰めて土嬢 中 の空気の除去 ら観察し 1: 。
(i) 上部 よ り水か静か に 主主 90
(i
i
) 下部 よ り水ら静か に 送ろ。
(
2) ビ ー カ ー 内の底穴た閉じ水浴半分位満 1: L 静かにか吾廻
第
しつ L 砂 ら入れろ。
年足え
亀市~
(1) 乾燥砂か息角 に 沿って落し後水た加 えろも
29
図
(3) 底部よ り 水た送 り つ L 砂た静かに落して行〈。
以上の実験たピ ー カ ー カゃラスた遇して観察しれ結果 ,
土の空気た除去 するには (2) ,
(3) た折衷しれ
方法がよい事た確かめれ。
透水円筒内の底部よ り1. 5 ~2. 0 cm 迄の小石ル敷き, 次 に極 〈 目の大きな ;fp で被ル、,底部 より 徐々 に 7}<
た主きりながら試料た上部より静か に 滋し,かき廻しながら 一定の高さ に到ら-t!:1.> 。
~2 . 0c m の 小 石で被い(其の時代飢 に 筒内 t :t満水してわる) ,上主主た閉じ ,
て上部 の管 よ り i徒i)tE きて1:,予め ?雨水 してわ、いた ゴム管 に連絡する 。
七 部も下部同様 に1. 5
暫 く 下部 より水谷送りつ》 げ
赤城山 Ill j討 に関する研究
-
( 川口 ・ 渡辺 ・ 滝 口)
51 ー
14 去である 。
第 14 表の 11bC より 上下両居の 透水係数の差 を 求める と 尖表の 如く で ある。
A -B
差
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5
.
10
ヱ
3
句
}。
"
"。
事イ主宰k
f
J
" ~
1
1
勿持量
f
1
第
31
住
一〆 一
…一を
%
1
0
0
2 31
(5
"
句
- 52-
林業式後場研究幸R 昔第 49号
j:jÎj去で S-T の 4 .45x 10-" の他丈は特にたきい ω で、 Thompson の東却検定を行ってみる
と,失友の如く
S-T は例外的に)(きいと 1認められる。残りの 7 つについて去の母千均値は O であるとひ府
無仮設を立て検定 F ると,ーた去の如く
F
Fu>F で仮設は東1:1J さ ~.L ,非常に大きい S-T の fJl'(を除外した残1)についても, _!-)1訴は下
椛より透水nJ2が大きい。
透水試験を行った:1:に・ついて粒度キIJ 成,均等係数
"
1
7
を求めてみると第 31 図の如 l くなる。均等係数と法
"
"
1
4
!ld生の関係を示すと消 32 図の虫fIく直線関係となる
1
.
1
"
から,本試験に汗j いた j設なみ〈砂土で、は粒度車l打J主によ
透ノ'k性は土の椛迭に k;{i される事がたであるので紋
度中11 成から透 7Id'l:の抗奈はIf "来ない。
Fヘ
"
り透7ld笠が或程度判定 IP,来るが,粘土買が多い処 l 土
3
7
2
1
6
l
_
1
'
S
I
。 M:?
。 003
在水 ik.幸之
3
. 流出限界試験
第
32
図
法透した f:H 7J\.ÍI~imrië となると(-_碕の崩壊を促すとと L なるが,勇断試験に於て虫断tLU)íじ 7J が
O となる合ノ'};:率が小さいと,降雨の法透によりj1í;J)'c)J を尖って崩壊流亡する TJfが平い訳であ
るo
引手、、\
1
{ 33
岡に示す如く ì%tt/i 力の最大 fj立は他の土壊に比べ
大きくても,合ノ'J\.Irc が増すに従って凝集力が,3:減し,可ょの
他をとる合水率は他に比べて小さい土壌もあり,最たi疑ワミ
ゴj は tcf'rl大きくな
くても合 ;J(貴が rÎT
成りえきくなる j主
第
33
図
凝集力をグとわない
O@
ものもあり,内部摩擦角についても llîJ 様のととが云え
るが , }ÿj断試験では時断箱より水カ司法 1 1',して抗労力が
零となる合 7JdIt迄は ijlij定出来ないので,之を有 11 い且つ
流/1',限界自立が崩壊に対して f-_下層で~z:~異を夫している
、こ〉
第
失二子
34
図
赤城 IU 山崩に認する研究
-
(川 IJ ・渡辺・滝口)
53 ー
かどうかを調べる為に本試験を行った。
流出限界の測定に当り試験器の性白カミら砂1'[ 土は宇/i質土D 如く試験掛のカムに YJJI味ます=とっ
て幾分小さい合 ;K比が得られるので,第 34 図の如 1< カムり底の試料を符れる部分を干にした
ものを用いてみたが(写毘 20) ,砂質:L:は平成がよいが,ロームに近い火山友や粘土分の梓j 々
多い火山次では従来のカムを別いた方がよく店、われたので,本試験では従来の一般に用いられ
ている流出限界測定料(写員 20) をnJいた。
測定した流出限界の仇(合水I ヒ)を一 l 二下両!好対比したりが第 15 去である。
~'~
上静記号
IA
流出限界
I
下屠記号
1
制限界 I
15
支
C
E
G
1
K
0
S
U
0
.
9
2
1
.
0
0
川
口 75
0.28
0.52
0
.
4
7
0
.
3
0
0
.
3
5
B
D
F
H
J
L
P
T
V
0
.
7
9
1
.
0
4
0
.
6
1
0.
45
0
.
2
5
0.28
0
.
6
9
0
.
3
2
0
.
3
3
S-T
U-V
第 15 夫の他より一!二 F両!廷の流出限界の 211; を求めると弐表の主n くである。
記号
去
IA
I
B
0
.
1
3
C-D
E-F
G-H
I-J
-0.04
ー 0.28
0
.
3
0
0.03
K-L
O-P
0 おー 0.22
-0.02
仏
前去の去のは:21~.l{-Jfíl'U土 O であるの帰 ~il\仮 il5tを立て検定すると,三た去の虫/1く
F
F
o
0.08
く
5.32
α
0
.
0
5
Fo く F でイb(.iít は:'(i~去Jlされ歩, _L:J吾とド Jd では流 11',限界の差は認められぬ。
一般に ùiU l',限界の航は関東ローム1. 0 ,
nt/iニ1. 2 り 0.5 (含水率にして関東ローム 50.9ó' ,白
粘土 35% 花度)純度であるので,第 15 夫の航と比較してみると,本, i式料の流/11 限界は特に
低いとは云えぬが,前入沢の河側壁から取った 0.23 と云う様な低い仙の土で、は潜流による地
中水の動きが容易に土砂を動かし得る事を示してか?り,流出限界値の特に低い処では潜流が強
ければ,崩壊土砂流とそれに続く流水が無くとも渓床自体が土石流となって流出する可能性を
示している。
4
. lniJ;k度試験
土山者三水中に入れると多くの場合l吸水につれて分解し全〈原形をも?めなくなるが,或極の土
では長時間よく水に耐え}Jj(jl三副j さないものもある。雨滴の衝撃力と地表流下水の作滑により
土壌の侵簡が起るが,耐 JJ\.'~tの少い土壌程流亡ー度が高い訳で、ある。赤城山の土壌は結合力が乏
しく,乾いた時はモルタル状で-~~安定している如く J巴われるが , JK に会えば忽ち分解して流
ー 54 ー
林業試験場研究報告第 49号
れる性質を有し,共の程度を他の土壊と比較する為次の実験を行った。
試料を担ねて怪 5cm ,高さ 3cm ([)円筒をつくり風乾後,水中心金網の上に置き分解して網
目から全部落ちる時閣を測定したが,此の方法では土によっては水中に漬けるや分解して水が
濁り網目上 K 残っているか否 か判ら1';;.くな るものがあったの
i で,試料を金網の上に乗せ第 35 図(写毘 22) の如き装置で
上より撒水器で人工降雨を降らぜ ,金網上 l亡残らなくなる迄
の時聞を測定した。金網は 30 番線,
積は径約 20cm の円形,
3mm 間隔で,降雨面
降水量は毎分 2 1 で天然の 降雨 l亡
比べると遥かに多い 1 時間 382mm 程度と なし現地の降雨
時の分解機構を再現する事は出来なか うたが,w..、抜山の土壌
が他の土壌に上七ぺ極めて耐水性に乏しい事は ~1'1jかった。比較
土壌としては林業試験場構内の赤土,畑土,静岡県由 比i也と
地の粘土を用いた 。測定結果は第 16 表に示す如くである。
第
35
図
第
16
表
上暦記号
A
E
G
I
K
耐水皮
23.4秒
29.2
39.6
25.
9
48.9
57.
9
下暦記号
B
H
J
L
P
耐水度
38.5秒
98.
4
28.4
457.
0
94.
5
F
57.6
。
V
176.2
K-L の -408.1 は特に大きいので Thompson の棄却検定で除いても,他の 5 つについ
て差の母平均値 は O であると の帰無仮設を立て検定すると弐表のおl く,やはり上底が下居よ . り
小で、あるが ,粘土が崩壊し去るのに約 2 時聞を要し,赤土では全く変化無いのに p 赤城火 山 友
では殆 ë' 1 分内外で崩れている 。崩壊地の上居,下}奇共に耐水度はノj 、 さいので,上J酎王潜流で
崩壊した後も下1居に深い雨裂を生じたゆ,雨の 当った処は直ぐ流れ去り石を戴いた部分が土柱
として残り易い訳である。
記号 I
A - B E-F
差|一 山 一28 .4
G-H
-58.8
1- J o-P
-2.5 -36.5
F
Fo
8.
24
>
7.71
α
0.
0
5
百災害の原因
1.
天 然素因
(f)
地質
小野寺氏24) は赤披山の沼尾 )1 1 , 荒砥川,粕川,梨木沢流域について尖表。如〈集塊岩が最も
崩壊地の多いのを示している。
赤:Wxl Li 山 崩に関する研究
質 .
主也
安 山岩
() II 口 ・ 波辺 ・ 滝 口)
主長塊岩
55 -
著書屠
分布面積 の
%
20
68
1
2
崩壊地数の
%
6
82
1
2
赤城 山 は 山 頂音1I は 安 山 岩質熔岩で比較的崩れ難いが,
~
それ以下の 中腹部は最も崩れ易い集塊
新 ( 熔岩貨のものより凝友質のもの L 方が崩れ易い) と集塊岩,火 山 次等の噴出物の耽積であ
る火 山 岩j百 2〉,
(2)
f磯麿叫で形成され ,赤城 山は地質的には崩れ易い山である 。
士 t!!.
月三
赤城 山 の地形については辻村博士の報告m があるが ,東北の脱壮今三~~n の斜面を除 いては開析
の進んでいない 幼年期 から壮年期の地形で,一つの谷の集水面積はかなり大きく谷壁の 傾斜も
大で, 地71主 的には崩れ易い時期 にある 。
地質的及び土質的には第 12 支の如く 似た近くの榛名 山 がやはり或程度崩壊 ,小土石、流は起
つてはいるが赤抜 山 に比し被害の少い事は,赤城 山 に比しカスリン台風時の雨量が少かった事
も勿j論関係しているが, 榛名 山 は 地形的 には赤城 山 l乙比し問析の進ん だ老今現n i'L近い様な 山 体
であ る事が大きな原因と 考えられる 。
(3)
土
f
f
こ1-:質試験の処で、述べた如く,赤抜 山 の土壌は 上]~は 下j安よ り透7K度が大きく上下両 I~の境よ
り J件流を生じて崩壊し易く,流出限界値も 0.2 程度の非常に低い値を示す処もあって流出し易
く, 叉耐水度は小 さく,集塊岩等を舟ー材とする赤抜 山 の土壌は土質力 学的に見ても崩れ易〈流
れ易い性質である。
2. 天然誘 l主l
過去に於いても赤城 山 は 50年2) f乙 1 間程度の災害 を起しているのが記録により知られるが ,
今 l叶の如き大災害を起した事については過去にどの程度の降雨の試練を受けていたか P luvial
index を考えてみる必要が ある 。 最大日雨量を比較してみると次表 26) の如くである。
m
m
止
btF
往
.,
処
場
カスリン台風時 mm
岡橋
沼前桐
生
場回倉
仁の
万 下 三
117.0
174.
4
201.8
204.5
1
2
1.
8
255.0
345.
2
237.8
246.7
198.
2
309.1
247.
1
l苅表の 如く赤城 山附近はカ ス 1) ン台風時が新記録であるが,同じ群馬県でも赤抜 山 を 離れた
地方は新記録でなく, -/洋馬 県内でも赤城 山 K特に災害のえましかった理由も降雨量の多かった事
IcJえめる得・る。
-
林3E-試験場研究朝it号第49号
56 ー
又赤城山附近でも前夫の山麓の地方の降雨量より赤キI}( I
I
IJl'U!iくの [%-;j.史民主降雨量がたであった
事は想像 i乙難くなく,現地の !í'V常でも非常に降[刊が強〈大で、あったTJ手を種々の??:症で、夫現し
ているが,赤城山頂附近には悶景観測所も無く実iJllJfn'[が f'J られないが,大iRViMJ水位の変化よ
り PI各~íLすると2Ï),
1MI~15 日の p{f:J:i:î茸は
450~500mm と泡l ~之される。
又水害 i乙直接関係するかI 川最高次位を過去と比較してみると "7)..:},く去の如くである。
主11
1~
既往
m
カスワン -;-11礼日手
利根川
7
]
(
1
/
)
1
1
日l
4.20
6.20
/
/
iiíj 橋 1111 愉
4.80
5.30
Jl'品川糸の瀬
6.66
9.00
蓮
3.70
4.40
t
l
J I
3.31
4.80
i'r'1
川補
苛Ëíil~ )
11 大
6.00
m.
8.00
.
i1U表の如く赤城山附近はやJれもカスリン台風時が新記録で、あり,単に J},丈でなく:1:イ[流によ
る流 H',土砂が加わって FNtの被害をより大きくしたものである。
3.
人工訪問
(1)萩材4
J!l\l によって林木が揺られ崩壊を促す点については,今 1 '' 1 のカスリン介胤がその降 j:l:j f,止に比し
ては余り強い風を件わなかったので,森林の此の点の欠陥は余り n 百題とならぬと •.})えられる。
赤城山の地ff ,土壌で、は森材司1l系が地中深〈侵入しf'J -t- ,又 I'Î] 1.治広誕樹林が多く !14 さ 30cm
州立の校状!母を形成し崩壊防!とにはずí'< り千羽Jで'-t;;. iJ 通ったと巧えられる。 fìí: しか L る林地が全部
崩壊した訳でも無く[, d様の条1'1:の JI/i. ~t地で崩壊している処もあり,崩壊の原|元|を全部森林保系
の板状居 i乙帰するのは当らや,地fT ,地形,土岐等の他の 1 !,I 了・と併せ)1えねばならぬ。
又若し森林が崩壊防止に無効或いは有害で、あったとしても,森林が不断の降下回による去:1:の
位触を防止して流出土砂を減少させて河床のI:'J r'ーを防いで、いる効果は:主要視されねばならね。
土石流の処で、述べた如 l く,
下流f民地土石流は j晃J:1とそのものが対UH するのであるが,判所の流 11',
土砂による渓ほの土井は此の土石流災害を起り易< JLつえきくするので,森林による不断の夫
土佐蝕防止は此の土石流防止には 'E裂な役割を布し,此の}.\~では森林の榊伐は不断の流川土砂
を増大させり 8)
崩壊に l玄関係無ーくても土石流を起し易くしたとム-える。
叉土イ iilrc油過時には森林は土石流を方向転換させ人家を諮る事,二L:イ iNtのい;流を官一止する ZJj:
の効洪もある。
(2) 土地利 J lJ状況
開拓は直接崩壊には関係しないと考えられるが,開拓による森林の伐採,初土也の拡大,道路
の新日立は夫土佐・[11\を増大して不断の耐による流/f l 土砂を増し , i完成を rHJ め,大ト!J時の土石流発
生を容易ならしめるー誘 1 1.:1 と考えられる。
A、Jþx 山 111 崩に i努するIi:If完
- 57-
(川 11 ・渡辺・滝口)
赤 inJと UI は UII:',j告111土木に不白 111 するので、 11: むを件ない点もあるが,
人家は!日渓jぷ地域に榊楽
さ ~13くi'JI 地も l'iJ 様に旧 j晃I1~J:也岐に拡たされ , i定路断i訂{をそ火消に狭縫にした処へ,今回の ÝII きた
ì:!:iがあれば -1: イ[流:,,~,による被害は )L: だんとなるので, 1j民主'H な土地利川状況が災待を助長した f~lJ
は赤城, 11 の処々にはられる。
(3) ìi'[Jl I の保設の J/1:_榔
戦 n ,ÿ q'L・1来 M Jl I の改修了舎の賄側げIÎ は句j論説防の維持, 'ì1'-f1ll等の f:K設の泊倒的 j ,も行みられや,
叫防は lilti虫したま L 放世さ AL ,河川ミは_r-.H-したま L でツ〈井川式が多く,ノj 、規11! な m ノkで、も危険
な状態にあった処へ記録舵りの大 1:IJがあったので‘益々災害を助長したと考えられる。
4.
ネ;jt
介
U_I 二を綜合してみると,赤城山は I也氏, J 也月三, :1:Z'î:等は iúJ れ易〈流 IH し易い処へ,記録椛り
の大i・I:iカ t あって i見年を発生し,戦時以来の森林のi??伐,カl~王'1[なーf)也利 )IJ ,河川保護の放-tt)j;が此の
災併を助長したもので,ソく然素 1 1,1 ,天然訪1',:1,人工誘 1 1 ,1がイIIHL も故!Jl~の状態でキ11 合わさってか L
る人‘定点を惹起したので、あり, )
J
;
(1 1.;1 を其のイl吋しか一つに帰すべきものではないと与えられる。
今後か L る).;, u.むヰをI'f発させぬ為には以上の災fr?の消防 (1 ',1 を lRl司ぞかねばならぬが, )J;Wlrjl 天
然ぷl 人1 , )(:1.(訪 I i-:I は人為によって変化する:,<]f-は現A 的んど不可能な状態にあるので,之等の実
'IW を l りj 昨に j e_:梶して予 5," ,予械の消極的災f汗防・JI: を図る事と,人工誘 1 1,1 は人為により変化可能
の},IJ,が多いので之を l削除く杭極的 U~~i存防止を閲るごjl:の 2 h'rj をfJí:せ考えねばならぬ。
V
1
.
災害防止方法及び復旧方法 L=- 対する考察
jj'Ij 壊防 11:
崩壊は行ジJ1 μ仙の JIラで起る :'1;:が少くなく,各沢の格りは掌状の大崩壊を生じ,梨+:の J二i在地
域では行jJJ1と谷5lHの接する峰通りは将に消えんとするか必肋Jの ÝTI き鞍をなし,壮年末期の地
税を主し J 也 11';学的には此の崩壊はイnn料、lJ見現象で、なくじ:他的処!の -;ìL Jli] に従ったものであり,
~oil ero~ion の立引からは normal erosion の範凶のものであるが,我々は一時に此の崩壊を
起させるととなく佐伯i陥処!を綬かにし,川来る丈崩壊,じ:(;1l を少くしこI:li少を合んだ流;)(をうた全
に出迄j!IU~'lî- を汚え,崩壊,位加を完全には防 II:IH 来なくとも白然の渋!成の矛尖を鈍らせる :~Jf
が必必である。
崩壊は一般に地夫7)( よりは一旦地中に法透した地 rl~7Jえにより惹起さ tL ,赤城山で、は土壌の上
下両校の透水度の}\~により品流を生歩、る為に起る支土初薄型崩壊も多かったが,之に対しては
ト[対立がよ也 rllj こ主主透するのを阻止し又後に述べる表土{説虫を起す流水の地支出の自由流去を妨
げる為山腹水路を泣ける必要がある。又 Iì'lJ齢広葉樹林の j5t~ さ 30cm 松度。一様な森村L根系の板
状!母が此の支土利落型崩壊を助長したと考えられる点もあるが,根系の network は崩壊部上九;;i
では抗張力,崩壊部周辺で・は抗努力を発布して抵抗するが
network が中断されていれば此
の抵抗力は弱く且つ中断部で平衡を失って崩壊を促進するとも考えられるので,峯から沢迄の
-
58 ー
林業試験場研先報告第49号
山 )J支l'L ~I-I 断されないー辿の 山 腹ー休を被覆す る根系の network を設けて世〈事が必要であ
り,又一様な森ヰ村長系の板状!奇形成を防 ぐ K は,現在の如き深さ 30cm 程度の根系の同齢広葉
結j林で無く , i架根性樹種を混生させ根を種 k の傑さに進入させ根系j母の縦断聞が波状71予と友る
様にして 摩擦抵抗を増し, 7;栄根の進入困難な土}母で、は爆4彼等を試みる事も考えられる。
地と型崩 壊は 不断湧 7Kりある 場処で基岩上を ー塊 と左 つてとった ものが多いが, か L る場処
では 地表水の 安全友排水のみ で、友< ,暗渠排水によって法蓮7Kの除一去 を考えねばな らね。 地と
の場合は樹根に よりと商の形成を妨害する司王も考えられるが,集塊岩の如き根の進入の困難な
基岩では爆破等による根の進入を考える必要があり,叉根は深くても 1. 5m 程度であるの で 深
い地と型崩 壊で根がと面以下の 傑さに注しない時は荷重 を ;婚す危険がある。又安減博士の云う
如くの斜面下部の林木は受1!f91と商の形成を妨げるが,斜面上部の根の深さがと商以下に達し友
い林木はとりを助長する。
崩壊は地質的には凝友質集塊岩に多く,地形的 tとは 山 腹凹処 ,山)J支傾斜の変換点,谷頭が多
く,傾斜は 270 ~41 0 程度が崩 れ易い ので,之等の条件を 具備したJ易処 は最も崩壊防ー止の手段
を講じ友ければ友らぬ場処でるる 。
山 腹崩壊の防止には出 来 る丈雨水を婆遜させヂに 安全 に地表 を流下させ援に集める事と友る
ので , 一方後に述べる如く流水による 山 )jJ;jJ > 渓J末の健制lから生すコる渓j苧崩壊を防ぐ為i渓床安定
の 方法を誹じなければ、ならぬ 。
2
.
崩壊土砂流出防止
崩壊防止の 方法を広い地域 K 渡って実施 するのは , 経費等む関係で・現実には困難な場合が多
い が ,その場合も第二の手段として例え崩壊が生じても 被害は崩壊地自休のみに留め,崩壊土
きヂタ1?~津、 イ利良村梨水へ;事崩壊地平面薗
Z干馬緑林 努 ..p ;在ム古車がl
十
'"
、旬同白句"・"ーー
~t
3(;
図
個降
赤城山山崩に関する研究
(J ll 仁l ・ 淡辺 ・ 滝 口)
- 59-
砂が下流に迄流出して下流の広 い地域迄に被害を及ぼ、す:rJf を防l二せねばならぬ 。
崩壊土砂の流出防一止に 大いに参考になるのは第 36 図に示 す如く,梨木沢支沢の梨木入沢(湯
の入沢 ) に曾て抗馬県林務課で行った 山 腹,
渓に 施工された砂防工事である。
カスリン鴎風
時吉正設の 山 腹石積,床回等は一部破壊し ,沢の上流で、は 両岸 山 腹よ り崩落した砂操が傑〈土佐杭
しているが,床間, 堰堤により下流 l亡流 出 するのが阻止され最下流の堰堤で流 出土砂は全 く阻
止され梨木沢本流へは殆ど土砂流出は無かった様で ,梨木沢に直角に合流し対岸に梨木雄館を
控える此の沢に本工事が無か っ たら非常な大被害を惹起した事と想像される 。
同様 の 例は肱 lて 述べた女11 < 沼尾川 後入沢支沢の旧 御料林内 の工事に も見られ, 叉災害:後後入
沢j倖下の崩壊地に i市橋営林署で、堰堤 , 張石水路, 山腹石積 , 筋工を施工 してい たが之等の例よ
り見ても 崩壊土砂の流出防止には大いに効果を挙げ得るものと 思 われる。
以上のお, <系統的 に工事が方面しであれば,工事の一部が破壊しでも残存工事によ り崩壊土砂
の流 出 は阻止し得 るので,下流のダムサイトとしては余り感心 !11来ね場処に 大堰堤 を 設け之が
破壊したりする危険に比して,系統的に山腹水路,山腹石積等の 山 腹工事か ら床国等の破壊しで
も危険の少い低壊堤を 数多く入れる渓流工事迄一貫して行うのが安全で、且有効と 考えられる 。
3.
渓床安定
j美床の侵'蝕により I菜作崩壊或 いは 山 腹崩壊 に迄及ぶものも多いので、渓 qミ安定法を論じなけれ
は、ならぬ。
赤城 山 では 不断 は流ノ)'(1 主主IJ合少いので,多数見られる水蝕渓的のものは 植物性材料 による工
作物によって淀保安 定を図る事が考えられる。
流水も比較的多 くなる本流的左沢では護岸工に よる i刻字の 保護,.床国等の低堰堤による渓床
の安定が必要であるが, :1:恒捉設置に当つては各沢の特徴, 1:え蝕地域と上It積地域の判定等充分な
予備調査の後にr. i支世す るのが望まし い 。
例えばしげりたち沢では ,現在 山 腹の侵蝕された土砂が少しづっ渓床に運ばれても合流点迄
の聞で平衡を保ってい るが,第 14 函の A 点で大岩及び倒木が自然の堰堤となり,カスリン脆
JID_~後徐々に運ばれた砂燥が 阻止 され鴎風直後より渓床が高まり ,!Ã\IJ風直後の傑の多かった援j未
が砂原と化し つ L あ る。 A 点より下流でも 両岸 よりの崩壊 と上流よりの流出土砂が,平常は極
めて流水が 少い 為に渓床によtt積している 。 併 しA 点の 自然の堰堤の骨子である倒本が慌朽した
り,大雨があって自然根堤が破壊すると , 堆積土砂は 4挙 l乙土石流となって流出するのは勿論
であるので,堰虎を設置するには A 点が、適当である 。若し A.'互に設け ゴド K B 点の辺 りに 設 けれ
ば,それより下流が!仰をむしわれて流出し,叉 A 点の自然堰堤が崩れれば一挙に B.',互の堰堤iこ簡
突する京民共となる 。 A 点と合流点附近の C 点 に設ければ此の沢 よりの流出土砂は相当阻止出来
る が ,渓!未の砂離の 土佐もえが甚しく 両岸も軟弱であるので相当難工事であ ろ う。
4
.
土石流防止
-60-
林業式験場研究幸Jl '.'f
第 49号
山腹崩壊を起l主!とするー l 二流出地土石流ーは,:j [jj_íßの崩壊防'.1 1: ,崩壊土砂流川防JL i晃!永安定の方
法によっても.!!J<:,f'rl[立は防, 1: 111 来1'.}. る訳である。
今 IriJ 山麓被拝白河川の 1 1,1 となった下流促地土石流は Jゴ布流域の不断の友J:伝~ÍJ~tが速く手MII,J を
なしているので, ~.悦凡+本こ的には i流夜I域》戎
kの去二土
I上;促侵.f蝕
f泣d虫辿l による i流可斑削
C叶/1'.:一土T石沙'今
i~砂
h を防 I止
1: する Z事!打[拍カが:必E
要
5で、ある。
rHj 入沢について/汚えると,カスリン附風時 8mf立 1mれたのが現{i:_I-j布上りの NWU:fi少でj晃Jr~
は数m _I :+l- して,大)、IJがあれば lflJk-UiP はI'fび:上 {îMc となる心配がある ω
後入沢は大市上 1)
の流水がイミ断あるので、j晃氏の J:fi如flJJ'fI土行わ ~l 歩流域よりの NU I',ニ1:7i'[;1 土徐々にドNê に Nê される
が,地位,地 I1王手会り後人沢と 711;の虫t[; い前入沢が刻々渓qょが高まるのは, ,すf入沢は不 1m!む'fdllr;
〈流l}Xーよりの流/1',二[:砂がJ: flJA して下流に流されない為である。
,1(j入沢もイミ断iJbJ'\.があればNUl U:7i少は徐々に下iriê I
Z
:Nê さ ~li完成は出まらぬので, üfj 入沢に ;J(
を Nê す事を工夫してみると,大 i(f より後入沢に Nê す木の下分を -'1な入沢を i必ず']i:が y:; えられ.区
川なうえ'L! ln ,熔~~lJ , tif~' ;
J
l
't長塊:!t':-である mー l一二から鈴ケ !Îi-VjffrHt泣の辺 ì) に約 1000m の隆道と
JJi iこ約 1000m のノk践を泣け大 ;fi の水の ~i\.'I) をIiíî 入択に流せば,前入沢の j晃qミは高まら弁土イ i
流の心配は Jnr;くなり沢は i淀いま L であるりで相当の 111 ノkの際も心配は免除くなる。 fjí: し此の場合
でも|流入沢の両日2 には誰J-~~工事が必要となり l控道工,水路五,諮:; ~!;工の総工究は 1 [i存Jíを必ずる
し, JL現{,二建設訂で千栄山にプd叫と(写民 14 , 15) を随行しつ,<0るのでiìíj 入沢にノ'J\.を流しでも
こf:1i少はJ:r~:;t'tで'Jl'í押され渓!示は高まる事となる。.
f,',JJJíj入沢の渓床の土砂を徐々に流せば勿 j,j命日夜で前入沢より流 !li して来る: 1
:1ゅの対策を講じ
なければならぬが, 流
i 7オft
削削
夜削
凶
tυ
I-!凡
iit一F :土
あるが,イミ附徐々に NW', してくる土砂は下流でコl二百流の恐れの Jnr;1,、処に Jrí'却したリ河川の j制限
を行ったり対iitは容易である。
iJíj入沢に水が Nê せぬので、第 2 段として前入沢支沢よりの NW \f:砂が '1íj 入沢に 1)ごろ !"jf 引坊がね
ばならぬ。 此の i叫必必-介も f各卒 3之主沢と(前
i沿な入沢のイ合干i祈流オ布九む
心.',以','
C.
I!也
江l:工L ぐ i堰区1抗;是止には土石
J止
1:二の処で、ï述主ぺた如如!パ〈山 1脱兄f
工a 及び、多数の何恨必捉
Lの系統「的
l内'~.J工:z}
事
1μL訪カがt必必‘!妥」必
Fでで、あり又 f後炎{迷主ずる i対t在
流t域の夫土
反f合!1
仇
的蝕
j丸L防J[
止
Iと二が必要で、ある。
土石流に対しては一般に貯砂用堰1延期と貯砂'J'[[2J)が考えられるが, -,ザJI'í-は強度の土石流が筒
突して破壊した時の被守は莫大で、あり,又土砂が全部充満すればJl'T砂U効力は無くなに後 J5・
は赤城山の立n き飲料水にも不白出する処では渓流沿いの平坦i也は部落となり危険な事ではある
が経済土止むを得ない点もあって設置に遁する場処は殆んど求められぬ。結局安全な場処に貯
砂反堤を設ける一方土砂生産の原因を防止する策を講じなければならね。
土石流は発生してしまえば共む留1f二は非常に困難であるので y 土石流のヱネルギーを少しで
も r&: ぐ綬平11策を議十べきで3 障害物による土石流の安全地帯への方向転換,人家の周闘に森林
方、城 111111 J討に関する研究
(川 1-1・渡辺・滝口)
-
61 ー
を設け J: イ iirié 1
',の I~~汁をも(11 1:ずる主の i~i倒的防止策が定分前m されねばならぬ。
又取:犯カ~:J:干 iirié で袖を抜かれたり, :
l:千{流が護岸の:去:を~った等工作物の般接の為反って被
持がたきくなった例も児られるので,工作物は充分の強度と干持活を持たせる積極耐と,同時に
工作物が lil主壊されても被詐が l[J(;J、で、済む様に設世する j内側耐の 2 耐を併せ考えて泣く必要が
ある。
5
.
炎土佐 M\ド:Jjl[二
以上の各杭の|沈11二法は JI三日一寺の:fJi'ý生産の[',]で、ある表土佐伯に対しては余り効!{~を期待IH 来
ね。赤城山の土壌は耐 71\度の小な 'Î~からも s 又崩壊跡地の 1:!J裂を見ても支:1:侵仙のんな 4}î.が判
り, J也被物の位M\p}j_IL効I_!~はk.で、あるので?に
地被物により雨滴の街唱力と地支流下ノKの土壌
分 IlfcJJ , 掠流力を減少させるZ!f-が必要である。地被物としては森林の生立する迄には時1m を要
するので紫紺 )J が強〈生長の迷い滑な草生をたす=仕立てる事が必要で,共の種知としては火。
復旧方法で述べる事とする。
J也被物tl{[1えには:1:砂の拶j!ìiJを防 11:せねばならねが,山胞子{筒等は効月~)(であるが日寺1111 と経費
を]必ずるので,赤城山の如く Jlî.J~~降T:T:î 荒の公 1) 多くない処は二級編柳工或いは第 37 図の如〈
もっと簡単に杭を適宜の 1 1I1IíM に打って彼を打付けた程度のもので
一時lJi少を併 1 1.:し, IH 来る丈早く草生を繁茂させるのも一法と忠
われる。此の杭と板の柵は山梨県市川大門附近の崩壊山肢に施行
してまだネIf(裁に迄及んで、いなかったが相当効果を挙げているのが
児られたが p 勿 iI(旨永久工法で・はなくても便法として利 JIJ され件る
」J-;ノ
\え---第
37
図
と Jすえる。
赤域山凶側及び l雪北側は!手さ 1m 程度の浮石校があり,此の浮
干 i 肢は路 I Prすると容易に流されるので不断のトn による表土佐ー蝕の点からは重大で、 P 浮 1iJ吟の露
11\ しない様にち子めねばならす三浮訂版の路/1 1 した場処は他の良好な土J~で被い辿かに地被物を
JnH文させねばならぬ。或いは山腹工事を行う時*_-<f-階段i百{に浮石を敷並ぺ.航栽本の J史上被害
防止に手IJ IJJ するのも,法と,1L!‘われる。
又地支;jIえの侵MUJ を殺ぐ為山腹水路を出来る丈多く設けて崩壊防止も粂ねさせ,山腹凹処は
q.f に地支;]'(が:集水されるので、 111 n互には安山岩礁が多いので之を活用した張石等堅田な水路を考
えねばならぬ。
6.
復旧方法
以上の災害防止法と同時に崩壊跡地を生産地化する復旧方法を考えねばならぬ。従来の砂防
植裁が夫敗したのは立地を考え十劃一的に行った事と植栽後θ 維持,管理,保護が忘却されて
いた事によるのが多いと考えられる。
赤城山の如く崩壊跡地が組惑で、乾燥した処は,とうした地に良く生育出来る草生を仕立て,
~ 62 ー
林業試験場研究報告第 49号
立地を援和させて後に経済樹種に替えるのが良いと思われ る。
調査中の月Jí"見や従来の研究川を参考として,崩 壊跡地の植物群落のうと駆を恋して生育するも
のを考察してみる。
(1) ス、キ(カヤ) Mi
s
c
a
n
t
h
u
ssinensis は日本国中至る処に自生し, tfiHc 共生する菌が
養分の供給をするので荒廃裸地にも好んで生育し,元来好日植物であるから日射の強 L 、
裸地によく生育する事が出来る。赤城山附近にも多数自生しているので裸地を被うに適
当であると思われる。
(2)
イタドリ
Polygonum Reynoutria は向陽向陰s 乾地湿地を問わや至る処に自 生し3
生活力が非常に旺盛で、あり, 根に共生す る菌が養分の供給をする為に養分に極めて 乏し
い処にも生育するので 3 裸地にも繁茂し易く,赤城の裸地 lこもタケニグサと共生 してい
る(写真 18) のが見受けられるので裸地被覆に活則 されてよい。
(3)
グケエグサ
Macleya cordata
全国各地の禿路地,路傍等に生育し他植物 θ繁茂し
ている処には殆んど生育しない 。土砂を緊縛する力は余り大きくないが裸地に先駆し3
大き左茎3 葉を持ち高さ 2m 余にも達し,過度の日射乾燥を緩和し他植物の進入生育を
促す働きが著しい 。 宏、抜 山 崩壊地にも多数先駆注入しているのを見れば(写員 17) ,先
駆種として考慮されてよい 。
(4)
グズ Pueraria
t
r
il
o
ba
山 林原野に多数生育し豆大友根は比較的地中深く仲びるの
で・ 3 浅根性の植物に比べ崩壊に対する抵抗力大で、 あると思われる。クズの茎は蔓性であ
る為に四方に広く拡がり侵蝕防止には非常に強力なものであり,且複葉は広い 3 枚より
なり密生して地面を悉く被い牧草とし て 利用出来,新緑の f民放牧地と して聞えた宏、抜山
にも之を繁茂させる事が出来れば p 崩 壊地の緑化と同時に共の利m も高いと 考えられ,
倉田博士切によれば根を植える事は病菌 K 負け易いので茎によって発根させた方が良好
友結果が得られると云う 。
(5)
ニセアカシヤ Robinia pseudoacacia . 砂防植栽樹種として中園地方共の他で用いら
れ相 当成功しているが,元来外来樹種で必十しも我国の環境に合わすコ砂防植栽として成
功した土地であっても常良い樹種が あるとする設もるるが, 他の樹種に比べ成功率が良
〈又赤城でも自然に進入したものが崩壊地む仁Il に雑草と共に生育しているのがあり(写
員 16) ,取上げられるべき樹種と思 われる。
(6)
リヨウプ Clethra barvinervís
温帯地方 山野 に自生し崩芽力が強いので砂防植栽と
して用いられてよいと思う。赤城にも多数自生している のが見受けられた。
(7)
ヒメムカシヨモギ Erígeron canadensis
砂機上や屋根の 如き 養分 ,
水分θ 少いと
とろに立派に生長し,生活力旺盛で、播種用として良い。
(8)
カハラケツメイ Cassia
mimosoid
e
sv
a
r
.nomame
萱利一年生草木で多年生草木
赤城山 111 崩に関する研究
(川口・ i度辺・滝 1-' )
-63 ー
に比してゴ:1也を緊縛する力は劣るけれども,土壌に硝酸塩を増加せしめて群落更新を促
すた駆聞として重んな例をもっ。養分の極めて少い礁地でも砂地でも良〈生育するとと
が 11'.来る。
(9)
ヤハズサウ Microlespedeza
s
t
r
i
a
t
e
カハラケツメイ同様萱利一年生平4>:で土砂緊
締)J は弱いが繁殖 jJ がIIE 慌で続生し易い。又土壌中 i乙石in酸塩を著しく増加せーしめて群落
更新を{足す働きをと有す。生育地は養分極めて乏しい蝶,砂地である。
(
1
0
)
コマツナギ Indigofera
p
s
e
u
d
o
t
i
n
c
t
o
r
i
a
が, ~1l1l に拡がる傾向がある。
萱科多年生草木で高さは 30cm 位になる
余り続生しないが根が地中に広〈拡がるので,
ヤハズサ
ウ,カハラケツメイよりも遥かに洪水等に対しても安定である。
(
11
) メドハギ Lespedeza
c
u
n
e
a
t
a
コマツナギ [íî)様萱科多年生草木であるが,
|岐の少い 1m にも及ぶ茎を一つの株から多数叢生する。
キ;種は分
根がよ也 r[1 にがっちりと拡がっ
てし、るのでソ制定に能く堪え,又養分。欠乏,強い口射にも能く堪えるのでコマツナギ,
ヒメムカシヨモギ,イタドリ,タケニグサ等と共にススキの杭栽に併せて播種すれば群
落更新を促す。
(
1
2
)
共の他草木ではヨモギ Artemisia
vulgaris ,
i荏木ではウツギの類に良〈禿耕地に先
!枢進入するものがあるので,今後之等についてー厨の研究が必要で、ある。
砂防布{(栽には組問, ;j共,茎,葉の特質,土質,水分,
pH,気温,地温,湿度,
R 射等の環
境要素との関係,fI!(栽方法等未解1)との点が多いので,之等の研究が必要である υ
向赤城山は場処により冬季土壌凍結が著しいので,中j{[栽物がì]JU::.で、減亡するか傷められる恐
れが多分にあるむで,組来被覆了.に前述の主主生を擦問する,或いは去二I二侵'蝕防一 11:の項で、述べた
i手引の利 IIJ 等:[二 !J~ì~t寺川こ対処する工法と速か 10也而を被覆する植生の組合せによって場U": を防
止する事が復旧には:J1::jド必要な事である。
又従来砂防布l[栽地の保護,子入を放捕していた為,砂防植栽が立派な成績を挙げ得なかった
lょを忠i しや,杭栽地の{応仁子入を充分にして前M!;V 崩壊防止に埴ずる様な経済樹開に順次替
えて H くのが良策と')すえる。、適当な経済樹極としては坂口氏の報告3) を参照されたい。
7.
総合
以上の災害防止方法と復旧方法を綜合してみれぽ,要は雨水を崩壊,侵蝕を起さぬ様に安全
Iて地去を流下させる事と,土石流は共の原因で・ある不断。流域流出土砂を共の源で、阻止する事
の為には p 山腹水路より始まる山腹工事と多数の低堰堤の渓流工事迄一貫した系統的な工事と
平生による迅速な地面被覆が必要で‘,草生の活用は将来θ森林造成にも欠くべからざる事であ
る。
赤城山の 51/1 < 将来にも災害を惹起する恐れのある地では P 森林根系の network を中断させ
ね様注意する一方,森林を仕立てるにも災害防止に埴する森林を造成する事と,経済目的に 0
林業試験場研究報告第 49号
- 64 ー
み追われて経済的に優位な樹種を治山よ望 ましく 無い場処迄何処にも造林する事を排除して治
山 第一主義で行く事が是非共必要で、ある。飽く迄災害の危険の消滅した後に経済目的を考慮し
て行く漸移的 危方法が取られるべきものと考える 。
H
要約
(1) 災害防止,復旧の基礎資料を得る為約 3 ヶ年にr:r
t
) ,赤城 山 災筈の実態調査及び土質
試験を行った。
(2)
崩壊には表土刺落型崩壊と地と型崩壊の 2 種があり,又崩壊は谷頭侵蝕の形で起る θ
が多い。
(3) 崩壊後の土也被物D 無くなった地面白表土侵蝕による流 出 土砂が甚だ大きし叉流 出土
砂により渓岸の崩壊,侵蝕,渓j末。侵蝕が促進される。
(4)
0
{I頃斜の急:主主程崩壊は起り易〈叉多く強い傾 向 にあるが,傾斜 42 以上は熔岩等の露 l叫
している 処多く崩壊は余り起っていない。方位は崩壊には余り関係しないと考えられる。
(5) 赤城 山 に於いては資料が不充分で、あるが p 有林地と知林地p 広葉樹と針葉樹,林齢の
相異による崩壊の多少については差が認められぬ。又赤城 山 では若し森林が崩壊防止には有効
で友かったとしても,森林の表土侵蝕防止の機能は重要で、没却出来ぬ。
(6) 土石流には崩壊に起因する上流高地土石流 ι 崩壊には無関係に渓床自体が流出する
下流低地土石流<D 2 種があり,前者の速度は 4~5m!sec,後者の速度は 1~2m/sec と見られ
る。土石流はそり大き友比重による破壊力が大で,又掃流力も大である 。 土石流と共の後の流
水で深い U 字型の溝が掘られる。
(7) 森林のみ により土石流の発生を防止するのは困難で、 あるが,森林による 土石流の方向
転換,土石流 中 の豆岩留止は或程度可能で、 ある 。
(8)
か L る災害による流出土砂量は流域 山 地面積 1km~ 当り
10 4 m 3 の程度である。
(9) 赤抜 山 には土柱が処々に見られ表土侵蝕の大きな事が判かる。
(
1
0) 沼尾川前入沢3
梨木沢しげりたち沢等で は,カスリン駒風後上流崩壊地よりの流出土
砂で急激に渓尿が上昇しp 渓pfミはカスリン即応fflit前の状態i'L 1ì1帯しつ L あり,大雨があれば再び
土石流の危険がある。
(
1
1) 赤城 山 の土壊は合水量の増大による抗努力の低下は余 iり問題とならすう上下両居の透
水度の差による辞流によって上li~rの崩壊が起り易い。叉流出限界値む非常に 小 さt;_土壌もあり
土石流発生の容易を示しp 耐水度もノj 、さく表土侵蝕を起し易い。
(
12
) 赤城 山 は地質p 地71丸土質等の天然素因が崩れ易〈流出し易い処へ,天然誘因と して
記録依りの大雨がるって大災害が発生しa 戦時以来の森林の;噌伐p 無理な土地利用,河川 保護
心放郷等の人工誘因が災害を助長したと考えられる。
赤城山山崩に関する研先
(
1
3)
-
(川口・波辺 ・ 滝口)
65 ー
崩壊防止には J 崩れ易い凝次質集塊岩,山腹凹処,山腹傾斜変換点,谷9fÎ, 傾斜 27 0
~41 0 の場処が先ーや問題と左り,
表土剥落型崩壊には 山 腹水路を設ける事,森林根系の net­
work を中断せぬ事,種々 の深さの根系を持づ森林を 仕立てる事が防止法となり s 地と型崩壊
には接透水の 排水, 浅 いとり で、は斜面下部P深根性樹種の植栽が 防止法と左る 。
(
1
4) 崩壊土砂流出防止には山腹7K路,山腹石積等の 山 腹工事と数多い低堰堤の渓流工事の
ー賞 した系統的工事が必要で 3 之は亦上流高地土石流の 防止法ともな る。
(
15) 渓の特徴をよく調査し渓床安定の為の堰堤は位置を充分考慮すべきである。
(
16
) 土石流に対しては安全友場処の貯砂堰堤の設置 と同時に土砂生産の 原因 である 上流流
域の流 出 土砂を防J[:. せねば友らぬ。 叉障害物による土石流の方 向 転換p 森林による土石流 *([)
E内有 止等の綾和岐 を活用ずべき である。
(
17) 赤城 山 は衣土侵蝕が大で、あるので,簡易及工作物で;lf~;訟に -11寺土砂の移動左防ぎ,生
長の速 い荒廃 池に j歯する草生で地面を被覆する 事と 山 )J友 7K.路の 必要がある 。
(
18
)
復旧 κ はì]JU::防止工法とス、キ 3
イタ J.' 1)
タケニグサ 2
クズ,メドハギ,ヤハズゾ
ウ :~r-を活用 し立地 を改善して後経済樹種 K 替えるのが良策で,柄栽j 也の f未設,子入を法;札ては
ならぬ。
(
19) 赤城 山 の如く将来も亦災害発生の恐れある地は,森林浩成は治 山 第一主韮で行われる
べきである。
VII
結局
本研究によって赤城 山 或いは他の地の災害の 実態が全く明かにされた訳で、も無く,尚将来 l 乙
幾多の問題 を 残 している 。叉災害地の現地剥査では多数の凶子む組合わさった結処のみが得ら
れて各因子について分析出来ぬ場合が多いりで ,各国子の分析的, 実験的研究が 一方に必要で
あり,か L る災害の現地調査の資料を数多く作て帰納する面と,分析的, 実験的研究より演縛
する 岡の両げijが災害防止 の研究 K 必要で、あると J雪えられ,本研究では後者の T討が種々の都合で
(
19
51
.1
1)
不充分な点が多かった事を痛感するものである 。
参考文
1
) カスリン政l孔 の研究
会報告群馬県 ,
献
刺綾川水系に於げる災害。の実相,
lJ 本学術振興会W(Ò馬県災害対策特別委員
1
9
5
0
.
2
) 字佐美術赤城山の地形及び地質
1) ,
172ji , 1
9
5
0
.
3
)
坂口勝美赤城 山 の崩壊と森林の取扱
4
)
山口界地とりの深さに 関する一考察土質調査委員会報告~3 韓,
1) , 220頁,
1
9
5
0.
1
9
3
4
.
5
) 安裁普之輔地4二百の形土木学会構 21 巻 1 号, 1
9
3
2
.
d
s
l
i
d
e
sandr
e
)a
t
e
dphenomena. . 26 , 1
9
3
8
.
6
) C.F
.S
. Sharp , Lnn
7
) ) 1 1 1=1 武雄
JJI JI!1土壌侵蝕の研究(第 l 報}従来の資料による統計的研究永発表(林業試験築報
-
林業式j験場研究幸IH守第 49号
66 ー
に発点の予定)
8
) 川口武雄, 1I1 本 1I芽 rti
土砂1T- 11:林の伐採と流出土砂について
休業試験集幸1157 号,
1
9
4
8
.
9
) 県下水符と林!J!f 彼宍及び復旧施設:fll ,%県林務古g
1
0
)
問中入門八
38J i, 1
9
3
4
.
森林の土砂好 l トー
l
i
i
I
I
I13"
1
'
-5J
I9LI 及び 1511 の悠悌山緒川 t 温泉|対辺に於げる山 l!tìR並びに沈下ぜる
1
1
) 飯 fH 汲事
火 111 氏賞土砂の 2 , 3 の物内 (I/~'/"I: lt
1
2
)
手口達清, C}ë
1
3
) 荻原市本L
地球と人,
筑波 1111[[ '1芋浪泌査報告
1
4
) G. S
t
r
e
l
e
.
地淀川光)iJj-"l!i淵 16 号 -3 ,
1
9
3
8
.
1l6 J{, 194
1
.
Grundris ョ der
地震研究所Z河日1116 号 -4 ,
1
9
3
8
.
Wildbachverbauüng , 1
9
3
4
.
1
5
) P
. Demontzey. T
r
a
i
t Pratique deReboisemenfe
t du Gazonnement des Montagnes.
aLavedescendue ,
NoteA. Note deM. Shlumberger , Gardeg駭駻aldesFor色ts , surl
l
e13Ao皦 1876 , dans1巴
Torrent
1
6
) 棚橋嘉 r/i ,太問)'/犬, fiz 谷1白衣
告
17)
?与と空 19 ;{f 4 号,
de Faucon ,
H行手1113 Jド 7
pr色s
J5LI
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林業式喚場研究報告第",9号
写異 7.
前入沢渓床に埋れたトチ
写真 10.
土干1:
の大木が二 1: 石流遁過後現
れた
写 ift
8
.
岡上,崩壊地よりの流出土
砂により fをか 6 ヶ月の間に
写填 1 1.
.1:イ i 流通過により深さ
がj6m 洗剤きれた ftlllV.t
再び.tJR没されか L っている
写昆 9.
hij 上,夏に 4 ヶ川合経て
9.h ど泣するにや:ら
写真 12.
I,'Í :
1
ふ城 111111.i弱に廃する研究
写 lfl. 1
3
. 深 IJI ,前入沢.
íを入沢
(川口・i'主辺・滝口)
写\J!-
16 ,
合流点
崩壊地に(1 !!'.する
ニセアカシヤ
事:討
写~
H.
I司 t 令流点下tjfi に施仁
写異 17.
された堰堤
写異 15.
1司 t
崩壊地にfI生する
タケニグーザ
写 l覧 13.
崩壊地に内生ーするタケニグ
サ(おさ 2m) .イタドリ等
林業試験場研光被告第 49 号
写:P_
1
9
.
定水位土 Jj)i ì芝水試験機
写Lfl.
2
1
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t~t ;~IIIJ~ 月J 土壌弱体Yi 試験機
写1Ä 2
0
. 流出陣U'l-tl\lJïl: r.:~
写!f1..
2
3
. I耐水!幻l[I出装置
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