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個別施策解説・用語解説

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個別施策解説・用語解説
富山市情報化計画
−ICTを活用した満足度の高い市民サービスの提供と、効率的な電子市役所の実現−
個別施策解説・用語解説
富山市企画管理部情報統計課
目
次
個別施策解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(1)電子自治体の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
①ICT活用による行政への住民参画促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・電子会議室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・e町内会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
・市民の声Q&Aシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
・FAQシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
・コールセンター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
②申請・届出等手続きのオンライン化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
・電子申請(重点施策)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
・施設予約受付システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
・電子入札・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
・電子収納・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
・電子申告・納税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
③ICT活用による行政事務の効率化・高度化・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
・電子決裁・文書管理システム(重点施策)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
・全庁型地図情報システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
・職員向けパソコン研修(人材育成)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
・総合窓口システム(ワンストップサービス)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
・ペーパーレス化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
④その他情報化施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
・ホームページ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
・地域公共ネットワーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
・ICカード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
・情報化拠点施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
・キオスク端末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
・CATV・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
・住民向けパソコン講習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
・モバイル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
・テレビ電話・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
・ICタグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
・携帯電話不感地帯解消・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
(2)情報システムの最適化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
①CIO補佐官(重点施策)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
②EA(エンタープライズアーキテクチャー)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
③システム協議(庁内体制の強化)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
④新技術の導入(IPv6等)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
(3)情報セキュリティ対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
①情報セキュリティポリシー(重点施策)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
②情報セキュリティ研修(重点施策)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
③情報セキュリティ監査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
④ネットワークの再構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
⑤不正侵入防止装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
⑥遠隔地データパックアップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
⑦シンクライアント研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
⑧バイオメトリクス認証拡充・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
用語解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
個別施策解説
(1)電子自治体の推進
①ICT活用による行政への住民参画促進
電子会議室
【詳細】
電子会議室はインターネット上の意見交換の場であり、電子掲示板などのシステムを利用して、遠
隔地からでも会議に参加できるシステムであり、電子掲示板と同じ意味で使われる場合もある。
電子会議室の特徴は、いつでもどこからでも時間や場所にとらわれずに参加者同士で意見交換・情
報交換ができることであり、市民が日頃から行政について感じていることやアイデアをテーマとして、
市民自ら、もしくは職員が会議室を開設し、テーマを決めて意見や情報を交換し、その成果をまとめ
ることにより生活や地域に根ざした情報を蓄積して市政運営に生かす仕組みである。
全国で数多くの市民参加型の電子会議室が開設されているが、運営のルールや、意見を市政運営に
反映するための仕組みをきちんと用意しておかないと、単なる掲示板的機能で終わってしまうことが
多く、また誹謗・中傷や社会通念上不適切な書き込みなどが大量に行われ、本来の目的である市民の
積極的発言(書き込み)が少ないことから閉鎖に追い込まれる例が多い。
また、行政がインターネット上に意見交換の場を提供するから皆さんで自由に交流してください、
という姿勢では、市民の発言はあまり期待できない。
インターネット上の交流の場ということであれば、民間ポータルサイトが開設している圧倒的な登
録者数を有する掲示板があり、そこには参加意欲を促すような様々な「テーマ」が数多く散りばめら
れている。
しかし、行政が開設した場合の「テーマ」はどうしても固いテーマになってしまうため、参加意欲
が出にくいものとなってしまいがちである。
電子会議室を「行政への市民参加」の促進のためのツールとして活用するためには、インターネッ
トを通じて届けられる様々な市民の様々な意見に対し、「聞きっぱなし」にするのではなく、庁内に
おいて責任を持って吟味し、責任ある回答を市民に返すことが大切であり、それがないと有効に機能
しない。
もっとも重要なのは、行政と市民とのインタラクティブな仕組みやルール作り、そして運用方法で
あると思われ、この部分の研究に十分に時間をかけた上で実施するものとする。
なお、今後は電子会議室を含むコミュニティ型のサービスであるSNS(ソーシャルネットワーキ
ングサイト)など新しい形態のものも検討していく。
SNSは、
「既存の参加者からの招待がないと参加できない。」という運用形態であることから、参
加者間に連帯感が生まれ、無責任な発言が比較的少なくてうまく機能している例(八代市・ごろっと
やっちろサイト等)が見られ、ひとつの形として注目したい。
1
他都市事例
(藤沢市)
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/ denshi/
(八代市)
http://www.gorotto.com/
e町内会
【詳細】
e町内会(電子町内会システム)は、町内会長等役員と町内会員、更には町内会員同士のコミュニ
ケーション強化をパソコンや携帯電話のインターネットを介して行うシステムで、町内会活動におけ
る事務の効率化や町内会員同士の情報交換の緊密化を図るために使用するものである。
町内会が作成したホームページに、町内会員だけが利用できる電子回覧板、電子掲示板、電子会議
室といった機能を付加することにより、町内会内外に広くその活動をPRするとともに、地域コミュ
ニティの活性化や市民の情報化を推進しようとするものである。
通常の町内会との違い(メリット)は、以下の三点に集約される。
①時間や場所を気にせず町内会に参加できる、小さな子供がいる家や、日中仕事で忙しい家などでも
参加可能。
②町内会の行事連絡や回覧板の一斉配布が可能。
③あまり交流のなかった隣人等ともコミュニケーションが可能。
e町内会を使って、町内の問題を解決した事例とし、町内会のAさんが公園で大量に発生した害虫
についての書き込みをしたところ、その書き込みを読んだ町内会の衛生担当のBさんが、自宅の殺虫
剤で害虫を駆除し、その後の管理方法についても掲示板に書いたことにより町内各地で殺虫作業が自
主的に行われたというものがある。
これは一例だが、こうしたことをきっかけに住みよい街づくりの活動の輪が広がる。
その他にも、道路陥没情報、不審者情報など生活に役立つ情報を入手可能となる。
そうした優れた点が数多くあることから、本市としても利用しやすいサービス基盤の提供や管理者
の育成等を検討すべきであるが、第二章の情報化の現状で述べたように、インターネット利用率が1
6年度末で62%(内、パソコン利用は50%)であり、約4割の方が利用できない現状であること
を考慮する必要があり、通常の町内会との併用型で運用する。
他都市事例
(岡山市)
http://townweb.e-okayamacity.jp/d-chounai/
2
市民の声Q&Aシステム
【詳細】
市民から寄せられる意見や提言、要望などとそれに対する市の回答などをデータベース化して一元
的に管理し、市民の意見を市政に活かし、市民満足度の向上・市民対応品質の向上・市民対応事務の
効率化を支援するシステムとして、現在行っている「市へのご意見・ご要望」の機能を拡充する。
「市へのご意見・ご要望」を開設するまでは、市民の意見や提言、要望などの情報は窓口や電話、
手紙、FAXなどによって寄せられてきたが、Webまたは電子メールを利用し、市民が気軽に発信
できるようになった。
このように、さまざまな手段により収集される市民のニーズに、いかに迅速かつスムーズに集計・
分析し、より早く施策に反映させるかが自治体の課題となっている。
ただし、現段階では、市民からの意見に対する対応は、担当課の処理レベルにとどまっており、処
理後においてシステム的にそれらの意見の傾向を分析し、課題を抽出し、政策等に活用するできるレ
ベルとはなっていない。
また、市民からの意見や提言、要望は今後もますます増加すると予想され、一般的な問い合わせ等
の割合も大きくなると考えられる。
そのため、すぐに回答できるものについても時間を費やしてしまう可能性がある。
今後は、市民から寄せられる意見や提言、要望といった情報を一元管理し、回答文の作成支援等に
より即座に処理可能にするような機能、蓄積されたデータを効率的に分析し、施策立案のためのレポ
ートを定型的に自動作成する機能などを追加拡充していくこととする。
FAQシステム
【詳細】
FAQ とは、Frequently Asked Question の略であり、「頻繁に尋ねられる質問」のことである。
多くの人が同じような質問をすると予想されるとき、そのような質問に対する答えをあらかじめ用
意しておくことがあり、この Q&A 集のことを FAQ という。
市に寄せられた質問と回答をまとめた Q&A 集をホームページ等で公開するなどにより市民サービ
スの向上を図るものだが、方法としては、市民から頻繁に市に寄せられる質問に対する答えをホーム
ページに掲載しておき、問い合わせせずとも答えがわかるようにしておく方法もあるし、例えば、
「パ
ソコン教室を受講したいが。」とか、「小学生の子供がいるが、どのような市からの支援措置がある
のか。」といった質問文を入力することで回答が表示されるというシステムも市販されている。
便利なのは、後者と思われるが、そうしたシステムの導入費・運用費が高額であることから、前者
の方法との費用対効果を見極めながら導入について検討することとする。
なお、FAQはコールセンターと組み合わせて導入すれば、相乗効果があることから、コールセンタ
ーの導入についても併せて検討する。
3
コールセンター
【詳細】
コールセンターは、市の手続きや制度、施設の場所などに関する問い合わせ、交通機関の情報など、
公共性が高くかつ信頼できる情報が確保できるものに関する問合せ、観光関係の問い合わせ、イベン
ト、催事などの参加申込みの受付業務、大規模災害や感染症などの緊急事態発生時の問い合わせなど
について、オペレータが答える「お問い合わせサービス」である。
市役所以外のことも、どこに聞いたら良いのか分からないときは、市内のことならできる限り調べ
て答える事例が多い。
電子メールやFAXでの問合せにも答えることができ、横須賀市、札幌市、横浜市、京都市等で導
入され、年間数万件の問合せに対応しており、市民からは非常に満足度の高い事業と言える。
開設時間は様々だが、例えば横須賀市の場合は、朝7時から夜11時まで年中無休で行っているよ
うに、通常の市の営業時間を延長して行っている例が多く、特に緊急時などには24時間体制での対
応も行っている場合もある。
ただし、オペレータを採用する必要があり、やり方にもよるが、先進都市の事例を見る限り、年間
運用経費はかなりの高額になることが見込まれる。
オペレータは、よくある質問と答えをまとめたデータベースを使って即答するが、即答できないも
のは所管課に引き継ぐ。
またデータベースはホームページで公開し、市民が自宅等で検索・閲覧できるようになっている。
オペレータを採用せず、職員が対応することも考えられるが、今のところそうした事例は少ない。
自分の用事はどこの部署に行けばいいのかよくわからないとか、休日・夜間には用件を聞くことが
できない、たらいまわしといった問題点が解消され、市民満足度の高い事業であることから、ワンス
トップ・ノンストップ・マルチアクセスによる市民サービスの向上策としてコールセンターの設置に
ついて、オペレータの採用による方法と職員による対応の二通りの面からの検討を進めるものとする。
他都市事例
(札幌市)
http://www.city.sapporo.jp/callcenter/
(京都市)
http://www.city.kyoto.jp/koho/cc/
4
−コールセンターイメージ−(出典
京都市HP)
②申請・届出等手続きのオンライン化
電子申請(重点施策)
【詳細】
本市の場合、電子申請については、これまで県下自治体すべてが参加して行う共同処理方式で、総
務省仕様に準拠した電子申請等共同処理システムの開発・実証実験を行い、その結果については検証
済である。
しかしながら、本運用に向けてはまだ解決すべき多くの課題があることから、本運用開始には至っ
ていない。
本運用開始時期については、富山県電子自治体の整備に関する研究会の電子申請等共同アウトソー
シング推進委員会(県下自治体すべてと富山県、等で構成する研究会・・・詳細は、第五章 計画の
推進に向けて2.電子申請についての推進体制を参照)において下記のとおり取り扱うものと決定し、
平成17年11月開催の富山県市町村行政連絡会議において了承されている。
今後、電子申請については当該研究会において決定し、富山県市町村行政連絡会議において了承さ
5
れた方針に沿って進めていくこととする。
本運用する場合、電子申請利用促進対象手続を定め、電子申請利用率(申請・届出等の総件数に占
める電子申請の割合)を50%に近づけるよう努力する。
なお、電子申請の本人確認は、原則として公的個人認証により行うこととするが、場合によっては、
インターネットバンキングなどで利用されている既存の本人確認のための認証基盤を利用すること
も検討する。
(参考)平成17年11月開催の富山県市町村行政連絡会議における了承事項
(本運用開始時期について)
○総論
電子申請を導入すること自体については一定の必要性は認められ、異論はない。
ただし、総務省仕様に準拠した電子申請等共同処理システムを利用した先進団体の運用実態を見る
と利用実績が伸び悩んでおり、費用対効果の面から疑問があるため、当システムの導入については慎
重に対応すべきであると考える。
総務省仕様に準拠した電子申請等共同処理システムには、システム的には問題がなくとも、使う住
民側からすると使いにくい点がいくつかあり、それが原因で利用率が上がらないと考えられる。
なぜ利用率が上がらないのか、またどうすれば利用率が高くて使いやすいシステムになるのかとい
う点についてもう少し時間をかけて研究すべきと思われる。
(補足)
利用率が上がらない理由としては、今のところ以下の4点が考えられる。
■公的個人認証を用いた電子署名を求めるような手続きについては、申請者が電子鍵を取得した住基
カードと、ICカードリーダライターを用意する必要がある。
また、セットアップも必要となり電子申請を始めるまでのハードルが高い。
■窓口で取扱件数が多い住民票や印鑑証明の交付申請であっても、一般住民にとっては年間に何度も
申請するわけではない。
電子申請が利用できるような環境を整えても電子申請を行う人は現段階では少ないのではないか。
■申請を電子化しても紙の廃止ができるわけではないので、事務合理化にはつながらず、処理する担
当者の理解が得られにくい。
■現在のシステムでは、住民から市町村に申請者が送付されるのみであり、電子的に交付を行う機能
や、手数料納付機能は実装されていない。
また、対面交付が義務付けられている手続きも多い。
住民にとっては電子申請・届出を行っても、一度は役所に足を運ばなければならないため、電子申
請・届出をしたメリットが感じられないのではないか。
○手数料納付機能等について
現在のシステムの利用状況が上がらない原因のひとつである手数料納付機能が実装されていない
という点についての改善策として、マルチペイメントネットワークシステムとのシステム連携を行い、
6
手数料納付機能を実装したシステムにするということについては意見が一致している。
また、電子的に交付を行う機能に代わるものとして宅配(郵送)による交付方法の研究にも努める
こととする。
(補足)
・システム連携に当たって、共同処理システムや各自治体の既存の財務会計システム等の改修が必要
となることを十分認識すべき
・標準化が出来るかどうかの確認が必要
・共同処理方式にするのか単独処理方式にするのかの検討が必要
・民間企業が提供するサーバを使用料を払って使う外部ASP方式がよいのか、自前のサーバを構築
する方法がよいのかについての検討が必要
・自治体システムとの連携の前に、まず地元金融機関がマルチペイメントネットワークシステムとの
連携システムを開発する必要があり、それまでにまだ数年を要すると聞いているが、そうしたこと
も視野に入れながら進める必要がある。
○総務省仕様システム以外のシステム導入について
総務省仕様によるシステムにはいろいろと使いにくい点があるとともに多額の開発・運用費がかか
る。
このシステムにこだわった場合、前出の問題点があるため、本運用までには相当の時間がかかると
思われる。
したがって、このシステムでの運用については研究を継続するが、その一方であまり厳格なセキュ
リティ機能を付けなくても使える施設予約システムなど比較的安価で構築でき、かつ利用率の高いと
思われるシステムの導入についても別途検討する。
○運用方式について
電子申請システムの開発・運用には多額の費用がかかるが、共同処理方式で行うことにより、それ
ぞれの自治体が単独で行うより低廉な費用で導入できる。
しかしながら、共同処理方式には
①負担割合を決めて費用負担をする場合、自治体すべてが納得できる負担割合を決めるのが難しい。
②一旦スタートしてしまうと、財政状況の悪化や政策的判断等により、後から離脱しようと思っても
難しく、後年度にわたって一定の負担が義務付けられてしまう。
③システム導入の過程で様々なことについて皆で協議し、合意を重ねながら進める必要があり、煩雑
で時間がかかる。(時間をかけている間にシステムが古くなって、陳腐化してしまう。)
などいくつかの問題点があることから、それらをどう解決していくのかということについてもさらに
研究を進めていく。
7
施設予約受付システム
【詳細】
施設予約受付システムは、インターネット等を利用して、
「いつでも」
「だれでも」
「どこからでも」
公共施設の利用状況の確認や予約などのサービスを提供するもので、公共施設の利用を、より便利に
簡単に公平に利用できるシステムである。
施設予約受付システムは、合併前には5地域で稼動(大沢野、細入を除く。)していた。
予約対象施設としては、旧富山市はスポーツ施設のみ、旧町村はスポーツ施設のほか文化施設やコ
ミュニティ施設等も取り込んでいた。
合併協議の中で、スポーツ施設については旧富山市の「とやまスポーツネット」内に町村のスポー
ツ施設を取り込んで動かしていくことになり、現在取り込んだ形で稼動している。
その他の文化施設等の取り扱いについては合併後に協議することになったため、文化施設等の施設
予約は、現在旧町村地域の一部のみで稼動している。
しかしながら、市民の利便性や事務の効率化・高度化及び経費の削減を図るため、今後文化施設等
の取り込みも考えた上で、市の施設予約受付システムの一本化を目指す。
ただし実現には相当の費用が必要となる見込みであることから、費用対効果を十分に考えた上で検
討を進めるものとする。
他都市事例
(横浜市)
http://yoyaku.city.yokohama.jp/
文化・社会教育施設
文化・社会教育施設の
予約・閲覧や施設案内
−施設予約受付システムイメージ−
8
電子入札
【詳細】
公共工事及び物品調達等の透明性の向上、業務の効率化、受注機会の拡大の実現に向け、入札参加
資格の申請、入札書の受付・指名通知の入札関連手続や、入札予定案件、入札結果、登録業者名の公
開等、紙面のみにより処理していた業務のシステム化を行うと共に、現行の紙面による処理もサポー
トする電子入札システムを構築する。
また、既存システム間において業者情報、入札案件情報等、入札処理に関するデータの連携を行う
こととする。
電子入札システムにおける利用者、関連機関は、市職員、入札参加業者、住民、電子認証局・電子
公証局等とする。
市職員は、庁内LANを利用して電子入札システムを使用し、入札参加業者及び住民は、インター
ネットを利用して電子入札システムを利用する。
電子認証局及び電子公証局等は、富山市以外の第三者として、民間企業を利用する。
平成20年度末までに全面運用する。
詳細
http://www7.city.toyama.toyama.jp/pr/nyusatsu/04densi/Leaflet/leaflet.pdf
利用形態イメージ図
入札参加業者
入札参加業者
FD
電子入札システム
電子入札システム
市職員
市職員
庁内NW
FD
入札参加
業者情報申請
情報閲覧
インターネット
住民
住民
電子認証局
電子公証局
認証局 公証局
本人性証明
情報参照閲覧
SSLサーバ証明書
認証局
認証機関
SSL認証
Applet証明書
認証局
認証機関
Applet認証
9
原本保証
入札業務
業者管理業務
入札情報公開業務
入札参加資格審査
(業者登録)業務
電子収納
【詳細】
税金などの公共料金を、銀行の ATM(現金自動預け払い機)やインターネットなどで24時間納
付できる電子収納サービス(Pay-easy(ペイジー))が、既に平成16年1月から、国・県・他都
市などで稼働し始めている。
「電子政府構想」の決済インフラの役割を担うもので、税金や公共料金を ATM やインターネット、
電話機などから時間を問わず支払えるものである。
料金を収納する側の金融機関はほぼシステム構築を終えており、現在、収納を委託する地方公共団
体等のシステム構築需要が高まりつつある段階にきている。
支払情報は電子的に処理されるため、金融機関にとっては紙の受領証を収納の受託元に渡すといっ
た手間が無くなり、手続きコストを大幅に圧縮できるメリットがある。
利用者にとっては支払い手段が多様化し、24時間の納付も可能になることから、税金や、それ以
外の公共料金の収納率向上のための方策として、また、市民サービスの向上の観点からも有効と思わ
れるため電子収納の導入を図ることとする。
(参考)電子収納サービス(Pay-easy(ペイジー))について
「Pay-easy(ペイジー)」とは、「マルチペイメントネットワーク」を利用した電子収納サービ
スのサービス名称である。
「Pay-easy(ペイジー):税金・各種料金の払込み」を利用することにより、従来、窓口等でし
か払込みができなかった税金や各種料金を、パソコン等で払い込むことが可能になる。
また、この Pay-easy(ペイジー)に対応した税金・各種料金等の払込書(納付書等)には、サー
ビスマークである「Pay-easy(ペイジー)」マークが表示されている。
「Pay-easy(ペイジー)」マーク
10
電子申告・納税
【詳細】
「電子申告・納税」は個人や法人の納税者が納税窓口に足を運ばずに自宅や会社のパソコンで確定
申告をし、インターネットバンキングなどを通じて税金を納める仕組みである。
電子申告・納税システムについては、納税者の利便性向上、導入・運用コストの低減の観点から、
全国的な協議会における全国統一のシステム(いわゆる地方税ポータルシステム、略称エルタックス)
の構築に参加し、当面、法人市民税・事業税及び固定資産税(償却資産)に係る電子申告について国・
県等における稼動状況を見ながら導入時期について研究していくものとする。
ただし、先行して実施されている国税の「電子申告・納税」については、平成17年度の電子申告
の実績は約11万2000件で前年度に比べ倍増したものの、申告全体に占める割合は1%以下にと
どまっている。
電子納税を利用するには、住民基本台帳カードや公的個人認証の取得、ICカードリーダライター
の購入が必要であり、また、手続きの煩雑さでなかなか導入が進んでいないのが現状である。
政府は、消費税の免税点の引き下げなどで申告件数が増える中で、5万6000人の税務職員を脱
税の摘発などに配置するためにも、電子申告を普及させて納税者の利便を高めることが欠かせないと
判断し、「電子申告・納税」を普及させるため、電子申告の利用者に税制優遇策を導入する検討に入
っているが、所得税や法人税を電子納税する場合、税金から一定額を差し引く税額控除などが優遇策
として考えられている。
また、電子申告の利用者には税金の還付にかかる期間を短くしたり、受付時間を24時間化するな
ど使い勝手も改善して利用率を高め、徴税事務の効率化につなげることも考えられている。
今後地方税においても同様の流れが起きてくることが予想され、そうしたことも十分考慮し、費用
対効果が高いと判断した場合に、電子収納と足並みを合わせる形で導入を図るものとする。
地方税ポータルシステムの仕組み(出典
11
(社)地方税電子化協会HP)
地方税ポータルシステム今後のスケジュール(出典
(社)地方税電子化協会HP)
(参考)
地方税ポータル(eL−TAX)
http://www.eltax.jp/
③ICT活用による行政事務の効率化・高度化
電子決裁・文書管理システム(重点施策)
【詳細】
電子決裁・文書管理システムについては、今後電子申請の導入が進んだ場合のバックオフィスシス
テムとしても整備が不可欠となってくると思われる。
また、財務会計システムや人事情報管理システムとの連携により事務効率化に大きな効果をもたら
ことからも整備を進めるべきである。
導入時期については、電子申請の本運用開始に併せて整備を進めることとしたい。
ただし、すべての文書が電子化されているわけではない状況を考慮し、添付書類の取り扱いについ
ての検討を慎重に進めるとともに、出張や休暇申請等の比較的簡単に実施できるものについて実際に
システム化し、その状況を検証しつつ本格導入について検討するものとする。
また、導入に際しては、開発・運用・保守に相当の費用を要することから、費用対効果も十分に検
討した上での導入を図るものとする。
なお、電子決裁システムは現在のところ、人口30万人から70万人の自治体では、導入率50%
12
余りではあるが、紙文書での決裁との並行稼動させている事例が全体の37%あり、逆にコストアッ
プになっている。
電子しか認めないのは18%と少ない。
また、文書管理システムの導入に併せて、情報公開の取り組みを推進するため、市が所有する電子
化された公文書をホームページ上で検索できるサービス(公文書検索システム)についても検討する。
全庁型地図情報システム
【詳細】
各部署が個別にGISを導入することは費用対効果の面で問題がある(重複投資)ことから、各部
署が共有して使える「共通基図」を作成した上で、その基図に各部署が必要な属性データを重ね、地
図データを相互に利用できる全庁型GISを構築する。
基図は、航空写真図、地形図、地番図、住宅地図の4つとする。
基図は必要に応じて、経年修正若しくは更新する。
属性データの作成と更新は各部署が随時行う。
基図及び属性データのデータベース管理(様々な最新の地図データを常に検索、閲覧等が可能な状
態に保つための総合的なシステムの管理)は、データベースへのアクセス権限管理も含めて、情報統
計課が行う。
基図は庁内LANに接続したパソコンすべてから検索、閲覧等を可能とする。
全庁型GISとは別に、旧市町村時代から使用しているGISは、当分の間それぞれ使用するが、
将来的には個別GISが持つ機能のうち必要なものを残す形で、全庁型GISに吸収し、一元化する。
その時期は、各業務の一元化の時期に合わせる。
なお、各部署が業務内容に特化して構築している個別GISは、そのまま稼動させる。
(参考)基本的な考え方について
(共通基図)
1航空写真図
主な活用部署としては、資産税課、防災対策課、森林政策課、農林水産課、環境整備課などが考え
られる。
それ以外にも、地形図や地番図と重ね合わせて利用することで、実世界のイメージが把握でき、い
ろいろと活用が想定される部署はあると思われる。
地形図を作成等するために必要な航空写真撮影をした際のデータを利用して作成する。
2地形図
地図の基本となるものであり、不可欠。
主な活用部署としては、下水道課、水道課、道路課、道路維持課、都市計画課、建築指導課、公園
緑地課、防災対策課などが考えられる。
3地番図
13
資産税業務において不可欠。
公図を元に作成する。
活用部署としては、資産税課、道路維持課、用地課、農村整備課、埋蔵文化財センターなどが考え
られる。
4住宅地図
ほぼすべての部署で、幅広い用途にわたって活用されると思われる。
富山市全庁型WebGISの目指すイメージ (複数業務における共有空間データ利用)
福祉保健業務
防災業務
共有空間データベース
教育業務
レイヤX
主題図
レイヤ1
ハザードマップ
避難所・消火栓配置
全庁型WebGIS
閲覧・更新
路線図
管路図
公図
都市計画基本図
独居老人・障害者データ 学校区管理
病院・診療所配置
通学路、危険箇所
環境業務
庁内LAN
ごみ収集場所
基図
航空写真
住宅地図
地番図
農林水産業務
地形図
は、新た
な個別GISの構
築や各業務で
の活用について
表したものです。
農地台帳
森林マップ
市民生活業務
交通安全施設
事故多発・犯罪多発地帯
媒体で提供
更新
道路業務
更新
上下水道業務
道路GIS
路線図
地形図
更新
資産税業務
上下水道GIS
路線図
地形図
更新
都市計画業務
資産税GIS
公図
地番図
地形図
更新
消防業務
都市計画GIS
総合指令
都市計画基本図
住宅地図
地形図
地形図
(精度)
地形図の精度は、旧富山市全域1/1000、旧町村域の地形図は、市街地部分1/2500、山
間地域や山岳地帯は1/5000で新たに作成する。
なお、道路骨格など例えば1/500の精度が必要な部分は、各部署が保有しているデータを重ね
て活用する。
地番図は、平成21年度までには必要箇所すべてについて作成する予定とするが、資産税課と一部
総合行政センターで業務に必要な地番図の精度が異なるため、当面は必要に応じた精度で作成する。
ただし、なるべく早い段階で、同一システム・同一活用に切り替え、それに伴って地番図の精度も
一元化する。
住宅地図は、1/2500の精度とする。
(フォーマット)
14
共通基図フォーマットは、市場に幅広く流通しているDM、DGN、DXFフォーマットと、あま
り流通していないが国の推奨フォーマットであるG−XMLを採用し、特殊なDIMSIS−EXフ
ォーマットは採用しないこととする。
ただし、DIMSIS−EXは、時空間管理が必要と思われる業務に特化して、個別GIS用の地
図データフォーマットとしての導入を検討する。
(システム)
庁内LANに接続されたすべてのパソコンで基図を検索、閲覧できる「全庁ウェブ型システム」を
構築するものとし、新たなネットワークは構築しない。
地図データとして、航空写真図、地形図、地番図、住宅地図の4つの共通基図に、各部署で属性デ
ータとして作成した例えば公図、下水管路図、水道管路図、道路網図、都市計画用途地域図、公園箇
所図、災害時避難施設図などを重ねて見ることができるものとする。
一連の地図データの総合管理と、アクセス権限の管理を含めたシステムの保守・運用は情報統計課
が行うが、地図データの更新管理を行うためのシステムは、職員が簡単に行えるような構造のシステ
ムとし、スムーズな運用を図る。
ハードウェアは、入札により必要な機能を満たす機種のサーバを導入する。(旧富山市がリース導
入しているGISサーバは、OSがNTであるため使わない。)
クライアントは現在庁内LANに接続されたすべてのパソコンであり、新たに導入は行わない。
(住民情報データベースとの連携)
このシステム連携は旧6町村のうち婦中町だけが運用していた。
住民情報データベースとの連携は、住民情報の多元管理(文字、数字、位置データ)が可能となる
ことにより、非常に汎用性のある便利な基図として利用することが可能となることがメリットである。
(例えば災害・防災業務、福祉系業務、課税業務、各種使用料賦課業務、徴収業務などで、この基図
上に課税データ、障害者データ、1人暮らしの高齢者データ、各種料金賦課データなど、様々なデー
タを追加し、個別システムとして運用すれば大変便利であると思われる。)
ただし、その反面、連携するためには、莫大なイニシャルコストや、それに加えてデータ入力量(毎
月数万件)が莫大であるため専任SE1名にかかる費用等が必要という点、さらに住民情報の閲覧・
更新といった点から、総合情報システムの運用レベルの厳重なセキュリティ管理が必要となることが
デメリットとなるためシステム連携は行わない。
(注)地図データ整備は年次計画で行うが、中長期的なスケジュールは立てず、財政状況に応じて整
備時期を判断する。
職員向けパソコン研修(人材育成)
【詳細】
これまで各所属でのICT関連の調整役として、情報化推進リーダーを養成してきたが、今後は全
庁的なシステムの導入促進や、市民とのインターネットを介したコミュニケーション(電子申請等)
の増加に対応するため、従来の情報化推進リーダーの育成に併せて、情報リテラシーの十分でない職
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員の能力向上(情報リテラシーのボトムアップ)を図ることとする。
なお、研修の方法として、これまで一般的に行われてきた集合研修は、限られた人数しかできず、
費用がかかるし、時間の制約も大きい。
一方e−ラーニングは好きな時に受講でき、金額的にも集合研修よりも少ない金額で圧倒的多数の
職員を対象にできるというメリットがあるため、今後はe−ラーニングの導入についても検討する。
研修対象職員はパソコンを事務に使用している全職員とし、役職や年齢に関係なく全体的な情報リ
テラシーの向上を図ることとする。
なお、情報化推進リーダー研修の内容については、データベースソフトやプレゼンテーション用ソ
フトの使い方にまで及んでおり、個々のアプリケーションレベルでの能力向上については、現状でも
一定の効果をあげていると思われるが、さらに今後は、データの共有やネットワークの基礎、周辺機
器の接続・利用などの職場のOA環境全体の改善に役立つ研修も追加していくこととする。
また、個人情報保護が重要視されている現状から情報セキュリティについての研修を充実させる。
本庁などの所属では、個々の職員のICT活用能力が不足していても、それをカバーできる職員が
近くにいる場合が多く、職務に影響が出る場合はあまり多くない。
それに対し職員数の少ない出先機関では、その所属内に問題を解決することができる職員がいない
と、即、職務に影響が出てしまう。
またそのことが、IT機器に対するアレルギーを増幅していることもあるため、それらのフォロー
が必要となる。
出先機関でのトラブルや問い合わせは、情報統計課に相談があるが、相談内容について共通するも
のも多くある。
相談頻度が多く、解決の比較的簡単なものを調べ、その対処方法などのコンテンツを職員ポータル
内に充実させ、安心してIT機器に接することを可能とするような対応を図る。
総合窓口システム(ワンストップサービス)
【詳細】
市民課や保険年金課など市役所複数課の業務を一つにまとめ、一つの窓口で住民に対応するいわゆ
る「ワンストップサービス」は市民にとっての利便性はかなり高いと思われるが、導入のためには、
総合審査システムや証明補助システム、窓口案内システムなどの導入も必要となるほか、1階、2階
等の窓口、執務室の大規模改修も必要となり、相当の費用を要すると思われるため、先進都市の事例
(例・浜松市)や動向について十分に研究した上で導入の可否を検討する。
一例としては、本庁に市民窓口センターを設置し、以下のサービスを提供することが考えられる。
市民課、保険年金課、障害福祉課、斎場、こども福祉課、長寿福祉課、市民税課、資産税課、納税
課生活安全交通課、保健予防課、健康課、学校教育課、住宅課等で行う窓口業務
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ペーパーレス化
【詳細】
電子文書化を継続的に進めていくとともに、電子決裁・文書管理システムの早期導入によっても一
定の効果が期待されることから、そうしたシステムの導入、また日常の事務遂行時にも、極力電子文
書や資料をプリントアウトしないということを改めて徹底するとともに、通知等は電子掲示板やメー
リングリストの活用等による電子メールにより行うことを徹底していくこととする。
併せて、ペーパーレス化が可能と思われる紙文書(例
各課の事業概要などの冊子、出勤簿や人事
記録簿など)についてもできる限り電子文書化を進めるものとする。
現在では、会議資料等においても、そのほとんどが電子文書で作られており、そのデータをそのま
ま会議で使用することにより、紙ベースに落とす時間と経費及び紙の節減を図るため、平成17年1
2月の部局長会議から、庁議室での会膨大な会議資料をパソコン画面に配信し、紙資料の削減を目指
している。
今後は、これに加え、電子会議システムとの併用などにより、一般の会議レベルでもペーパーレス
化を図ることを検討する。
現在、市ではそのほかにも数多くの会議を行っており、その中には高度情報化推進委員会といった
各部局を横断する会議や、地区センター所長会議など遠隔地から参集して行っている会議などがある。
電子会議システムを導入する場合、対象とする会議はそれらを主な対象にすることとするが、一般
的な会議にも利用を拡大していくこととする。
会議メンバーの職員がサイトにアクセスすることで、会議の開催期間や議題の確認、職員の意見募
集、議事録の閲覧などができるがこのほか、議事に関して承認を行うことも検討する。
これにより、会議のため職員が移動する必要がなくなり、業務時間を有効に活用できるほか、配布
資料のペーパーレス化などで経費削減につながると思われる。
電子会議システムは、パソコンにマイクを装着することで、パソコン画面に会議出席者の顔を見な
がら、声も聞くことができ、臨場感に溢れた会議を行うことができる。
しかしながら、マイクを装着した場合、通常自席のパソコンから出席する場合は、周辺の雑音に妨
げられたり、自らが発生する声が周囲の業務の妨げになる場合もあることから、ある程度周囲と隔離
された環境を構築する必要があることや、電子会議室開催時にパソコン設定を行う必要があるなど事
前準備に時間がかかることなどの問題があり、実現には課題が多い。
ただ、災害時には現地と災害対策本部等を結んで使用するという使い方も想定され、有効であると
考えられることから十分に研究を進めた上で導入の可否を検討することとする。
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④その他情報化施策
ホームページ
【詳細】
自治体が市民に広く情報を提供するための手段として、ホームページの役割は年々重要性を増して
おり、本市でも使いやすいホームページの構築を目指してこれまでに段階的にリニューアルを行い、
アクセシビリティはかなり向上してきてはいるが、まだまだ改善の余地はたくさんあると思われる。
単にコンテンツを更新していくだけではサイトの質は上がっていかないため、常に問題意識を持ち、
定期的に改善を続けていく必要がある。
基本的には、アクセシビリティの確保について徹底し、使いやすいホームページの整備・充実に向
け、平成13年3月に国から示された、「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)」を
踏まえるとともに、「富山市ホームページサイトポリシー」の遵守により、更なる情報提供の充実を
図ることとする。
とくに、手続案内情報、組織・制度概要、パブリックコメント(意見募集及び結果公表)情報につ
いては、迅速に更新、提供するとともに、手続案内情報については、利用者にとって有益な関連情報
の提供を推進する。
また、ホームページの便利度のアップのために、例えば引越しの際に必要な手続きに関する情報に
ついて市に関係するものだけでなく、電気やガスといった民間企業等の情報も容易に入手できるよう
集約した官民ポータルサイト化についても検討する。
また、イメージイラスト等を使ってわかりやすく、すばやくたどり着けるような手立てを講ずると
ともにトップページデザインは定期的にリニューアルし、より利用者側から見て魅力的でアクセスし
たくなるようなサイト作りを心がけ、アクセス件数の向上に努める。
さらに、ユニバーサルデザインに配慮し、高齢者や障害者にも使いやすいホームページの構築・運
用を心がける。
また、ユーザ評価のフィードバック機能拡充や、サイト内検索の機能強化の実施についても今後早
い時期に検討する。
なお、サイト内での写真など、個人情報の保護については特に留意することとする。
ホームページバナー広告については新たな財源確保策として、実施を前向きに検討する。
営業活動などの積極策は取らないこととするが、「トップページの閲覧数は年間約50∼60万回
もある」ことから、「広告効果」について一定の評価が得られるものと思われる。
ただし、事業の開始時期は、全庁的に行う他の媒体による広告事業の開始時期に合わせる。
(参考)
行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/denshiteki_1.htm
富山市ホームページサイトポリシー
http://www7.city.toyama.toyama.jp/sitepolicy/index.html
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地域公共ネットワーク
【詳細】
これまで整備を進め、学校、図書館、公民館、市役所などを高速・超高速で接続する地域公共ネッ
トワークについては、今後、都道府県情報ハイウェイとの接続等による全国的な公共ブロードバン
ド・ネットワークとして、さらに有効活用していくものとする。
国・県・他都市と市を接続するシステムについては、原則として総合行政ネットワーク(LGWA
N)との統合を進め、標準型・共同型システムの利用を推進する。
具体的には、防災等の危機管理、教育、医療などの公共的なアプリケーションについて、公共ブロ
ードバンド・ネットワーク上で共同運用し、利活用に向けての検討を進める。
また、転居や転出の際の窓口における各種行政手続きの一括申請や、地方公共団体間の防災等の公
共サービスの共同展開を実現するため、情報システムの連携基盤が開発されている場合は、既存シス
テムの移行費など費用を考え合わせた上で、真に効果があると判断される場合は、これを利活用する。
ただし、その場合、外部ネットワークとの接続に必要な十分な情報セキュリティ対策を講ずるとと
もに、接続先における必要な情報セキュリティ対策の確認、ネットワークレベルの統一化や、相互通
信に必要となるインターフェイスの構築、データの標準化など様々な問題をクリアした上で実施する
ものとする。
なお、民間通信事業者の主導で、総務省が提唱する「超高速ブロードバンド」への対応を推進する。
施策のイメージ図(出典
ユビキタス社会を実現する地域情報化戦略・最終報告書)
19
ICカード
【詳細】
ICカード1枚で複数のサービスが利用できることは利用者にとって大変利便性が高いものと考
えられる。
とくに他都市での事例にあるように、官民連携、例えば行政手続と、バスや電車等の乗車のための
プリペイドカード化、あるいは地域通貨としての活用により利用度も向上し、市民にとって利便性の
高いものとなる可能性がある。
このため、これまで庁内組織の高度情報化推進委員会に設置した「ICカード検討部会」において、
他都市での活用事例を踏まえながら、本市の独自サービスの導入のあり方等について検討をしてきた。
しかしながら、富山市では従来から富山市民カード、図書利用カードや市民病院の診察券などのカ
ードを交付しており、これらのカードをICカードに統合するために要するシステム開発費や設置機
器経費に見合う効果等について、十分検討する必要があるものと思われる。
また、行政と民間における連携についても、プライバシー保護やセキュリティ対策など解決すべき
問題があるので、他都市の活用状況等を十分に見極めつつ導入に向けて検討を継続する。
とくに、住民基本台帳カードの有効利用について、公的個人認証以外の活用方法について検討を行
うこととするが、自動交付機のカードの住民基本台帳カードでの活用なども選択肢として考えていく
こととする。
情報化拠点施設
【詳細】
これまで、多様なマルチメディア環境により市民に情報提供してきた「とやま高度情報センター」
に加え、
「八尾ふらっと館」、及び「山田情報センター」の3拠点については、ハード面の整備が一定
のレベルまで進んでいるが、今後はこれらの拠点施設の中で「とやま高度情報センター」を核とし、
引き続き整備を継続しながら、地域の情報化拠点としてさらなる充実を図る。
なお、「とやま高度情報センター」については、指定管理者制度により運営を財団法人市民文化事
業団に委託したところであるが、運営方法については、引き続き市と事業団が協議しながら進めてい
くものとする。
20
なお、「とやま高度情報センター」にて好評を得ている市民向けパソコン教室については、より多く
の市民が受講できるよう、他の情報拠点施設でも実施する。
また実施回数や、新メニューの見直しなどにより講座内容の充実を図ることとする。
「山田情報センター」については、建設時から相当の年数が経過し、機器類や施設の老朽化が進ん
でいることから、今後施設の有効活用と利用率の向上に向けての検討を進めることとする。
とやま高度情報センター
(インターネットコーナー)
キオスク端末
【詳細】
キオスク端末は、自宅等にインターネットパソコンを持たない市民等に行政情報を提供するまちか
ど情報端末としてのものと、住民票や印鑑証明の自動交付機やスポーツ施設の予約端末など数種類の
ものを順次設置してきたところである。
今後、利用状況についての調査を継続し、必要度が高いと判断される場合は、さらに設置を進める
こととするが、とくに設置場所について、デパート、駅、病院など人の多く集まるところに設置でき
ないかを検討する。
また、証明書の自動交付機は今のところ、住民票、印鑑証明、戸籍だけだが、これに加えて税証明、
所得証明も発行できるように出来ないかについても検討する。
市庁舎1階キオスク端末
21
CATV
【詳細】
ケーブルテレビ網については、市全域での整備が完了しており、全国でも有数のケーブルテレビ先
進地となっているが、このインフラはまだ十分に活用されているとは言えないため、これまで以上に
有効に活用していくことが大切である。
とくに市民と市の窓口である市専用チャンネルの内容強化に努めることとするが、具体的には、市
民に身近で役立つ情報の24時間放送、市議会中継、副音声で常時提供する火災情報、動画と文字に
よる災害時の緊急情報など(アナログチャンネルとデジタルチャンネル)の実現を図る。
また、双方向性を活用した遠隔地医療や、各種相談業務などへの活用についても引き続き研究に努
めることとする。
さらに、現在、市域に㈱ケーブルテレビ富山、上婦負ケーブルテレビ㈱、富山市の3放送事業者が
存在しているが、それぞれが放送する広報番組など市民向けの自主放送番組についての統一化を図る。
なお、現在市が直営で運営しているケーブルテレビ八尾局とケーブルテレビ山田局については、経
営合理化に向けての検討を行うこととする。
ただし、放送事業と電気通信事業についての民営化は図るが、ケーブルテレビ網を活用して行って
いる独自の市民サービス事業(ケーブルテレビ八尾の音声告知放送等)については、必要性を十分に
考慮し、取捨選択を図り、真に利便性の高いものに絞って継続する。
総務省が提唱する「超高速ブロードバンド」については、民間ケーブルテレビ会社主導で推進して
いくものとする。
住民向けパソコン講習
【詳細】
ICTに関する基本的な知識と技術を習得することは、これからの情報化社会でその恩恵を受ける
ためにも不可欠の要素と言える。
現在、とやま高度情報センター等において、誰もが等しく情報化の恩恵を受けられるよう、生涯学
習の一環として、市民がITに触れられる機会として初心者向けのパソコン教室を設け、情報リテラ
シー向上を図っているが、今後は実施場所を増やすとともに、講座内容については、現行のパソコン
やインターネット、電子メールの基礎的講座メニューに加え、電子ペンを使った水彩画講座、簡単な
画像や動画の編集講座などのメニュー充実を図ることとする。
また、職業訓練や障害者、高齢者向けのパソコン教室など対象者を絞った講習についても必要に応
じて継続する。
なお、講習会の手法の一つとして、今後は、集合型の講習会に加えて、在宅のまま受講できるほか、
より多くの方が気軽に受講することができるe−ラーニングの導入についても研究を進めることと
する。
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モバイル
【詳細】
携帯電話用ウェブサイトを活用した市民サービスについては、現在携帯版ホームページを公開して
いるが、今後さらにコンテンツの充実を図るための検討を行い、逐次実施する。
以下に参考事例をあげるが、このほかにも様々なものが考えられる。
そうした中から費用対効果の高いものを選定して実施するものとする。
(事例1)
不審者情報の提供「防犯・防災情報システム」
(事例2)
−住民票の写しの交付予約サービス−
(サービスの概要)
市民が、窓口に来る前の段階で、携帯電話で住民票の写しの交付予約を行い、自分の都合の良い日
時に、希望する場所で受け取ることができるようにする。
これにより、窓口での申請書記入時間や交付までの待ち時間はほとんどかからなくなる。
申請者本人が窓口に来るため、その場で本人確認ができ、なりすましの心配はない。
(したがって、予約をするに当たっての事前登録はいらない。)
予約は24時間いつでも行える。(受け取りは営業時間内)
住民基本台帳に登録されている本人か、その同じ世帯の人が利用できる。
携帯電話で申し込まれた内容は、各取扱部署に届くので、申請内容を速やかに確認し、各取扱部署
は来訪までに住民票の写しを用意しておく。
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テレビ電話
【詳細】
テレビ電話については、利用率が低いことから、利用率向上のため、利活用方法を含めた方策を検
討・実施する。
なお、災害時等にも活用できると思われるため、テレビ電話が設置された所属の職員は、通常時より
通話テストを行うなどして、操作方法について精通しておく。
ICタグ
【詳細】
ICタグは、物体の識別に利用される微小な無線ICチップであり、その内部には自身の識別コー
ドなどの情報が記録されており、電波を使って管理システムと情報を送受信する能力を持っている。
バーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められてきたが、それに留まらず社会のI
CT化・自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。
無線ICタグは対環境性に優れた数 cm 程度の大きさで、電波や電磁波で読み取り器と交信する。
近年ではアンテナ側からの非接触電力伝送技術により、電池を持たない半永久的に利用可能なタグ
も登場している。
形状は、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型など様々であり、用途に応じて選択する。
通信距離は数 mm 程度のものから数 m のものがあり、用途に応じて使い分けられる。
将来的にはすべての商品に微小な無線ICタグが添付され、世界的な流通インフラとなる可能性が
あると思われる。
実用化の例としては、食品を買ってきて冷蔵庫に入れると自動的に識別し、保持している食品のリ
ストを作ったり消費期限を知らせたりするインテリジェント冷蔵庫などのICT家電も構想されて
いる。
ICタグは、先進技術であり、今後例えば、図書管理、展示物の案内、消防隊員の位置把握、在庫
管理のほか、福祉分野や観光振興などさまざまな分野での活用が想定されており、大きな効果が期待
されているため、本市においてもICタグを活用した事業についての研究を進めるものとする。
携帯電話不感地帯解消
【詳細】
携帯電話は、その利便性の高さから急速に普及し、災害・緊急時の通信手段としても非常に有効で
あり、市民生活に無くてはならないものとなっている。
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このため、市内の携帯電話不感地帯(携帯電話がまったくつながらない地区)16箇所における携
帯電話の早期使用を可能とし、安全で安心して暮らせるまちづくり、市民生活の利便性の向上、情報
通信格差(デジタルデバイド)の是正、また新市としての一体感の醸成を図る。
携帯電話事業者(㈱NTTドコモ北陸)が各不感地帯に、電波を受ける鉄塔を備えた基地局(約2
0局)を建設し、市が各基地局からNTT交換局までの光ケーブル通信回線(約190km)を敷設
する「分担整備方式」によって実施する。
通信回線の敷設は平成18年度中、基地局の建設は18年度に開始し、19年度上半期に完了させ
る予定であり、体制が整った地区から順次供用開始する。
(対象地域)
(大沢野地域)2地区・・・土地区、舟倉地区
(大山地域)
3地区・・・大山地区、亀谷地区、福沢地区、
(八尾地域) 7地区・・・卯花地区、桐谷地区、室牧地区、黒瀬谷地区、野積地区、仁歩地区、大
長谷地区
(婦中地域)
1地区・・・大瀬谷地区
(山田地域)
2地区・・・鍋谷地区、清水地区
(細入地域)
1地区・・・岩稲地区
なお、整備した通信回線の敷設ルートが、富山市本庁舎と各総合行政センター及び上下水道局を結
ぶ庁内LANとほぼ同じルートを通ることから、平成18年度まで幹線情報ネットワーク用としてN
TTから借り上げていたダークファイバー網の借り上げを止め、平成19年度からは、この通信回線
を庁内LAN用通信回線として利用することとする。
さらに将来的にはIP電話網としても活用することとし、これにより通信回線の借上料の縮減を図
ることとする。
事業イメージ
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(2)情報システムの最適化
①CIO補佐官(重点施策)
【詳細】
平成21年度には、情報システム経費の適正化のための庁内体制の見直しを図るとともに、最高情
報統括責任者(CIO)の下に外部組織からCIO補佐官を配置し、その支援・助言等を得て情報シ
ステムの企画、開発、運用、評価等について責任を持って統括する体制(プログラム・マネジメント・
オフィス(PMO))を整備し、戦略的な情報システム調達見直しなどを行う。
また、合わせて内部の人材育成も促進する。
最近国や県レベルでCIO補佐官を配置する事例がいくつか見られる。
市としても、こうした事例を参考に、導入を検討することとする。
総務省平成17年通信利用動向調査)
◎情報戦略統括役員(CIO)の設置状況(企業)(出典
「専任」のCIOを設置している企業は2.0%と非常に少なく、「兼任」を含めても16.0%
にとどまつており、設置予定もないところが大半(72.4%)
情報戦略統括役員(CIO)の設置状況の推移 (企業)
0%
10%
20%
12.1
9.3
12.1
8.7
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1.9
平成15年末
2.0
68.9
5.8
1.4
平成16年末
2.5
平成17年末
2.0
13.1
62.2
1.5
12.5
6.0
72.4
5.6
専任でいる
兼任(業務の大半)でいる
兼任(業務の一部)でいる
いない(設置予定あり )
いない(設置予定なし )
無回答
(事例)
◎IT調達改革推進のための「情報企画監」(特定任期付職員)の募集=富山県
県では、IT調達改革の推進(調達システムの品質向上とIT調達コストの削減対策)及びICT
(情報通信技術)導入に関する全庁的調整を進めるために、経営管理部に「情報企画監」1名を置くこと
とし、この情報企画監に民間人材を任期付きで採用することとした。
なお、高度の専門的な知識等を有する特定任期付職員の採用は、富山県で初めてとなる。
※特定任期付職員:高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者を一定の期間活用して
遂行することが、特に必要な業務に任用される職員。
県では、平成17年度に「富山県庁情報化推進本部」
(本部長:副知事、副本部長:経営管理部長)
の下に設置した「IT調達の改善に関する検討委員会」(委員長:経営管理部次長、委員:IT調達
関係課長)の検討を受け、平成18年3月28日開催の情報化推進本部会議において次の取り組みを
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決定している。「情報企画監」の採用は、その一環として行うもの。
情報企画監(民間人材の任期付採用)の役割等
(1)役割:情報システムの調達に関する調達品質の向上とコスト削減対策、及びICT(情報通信
技術)導入に関する全庁的調整の実務面の責任者
(2)身分:任期付職員(期間3年間。実績により5年まで延長)
(3)職位:次長級又は室長級を予定
(4)位置付け:CIO補佐
(5)経験:民間企業や研究機関等における情報システム開発分野に10年以上の実務経験を有する
者で、情報システム開発プロジェクトに管理職、管理者等として参画するなどマネジメント業務
の経験を有する者
(出典
富山県HP)
②EA(エンタープライズアーキテクチャー)
【詳細】
EA(enterprise architecture)とは組織の業務と情報システムを連携させて全体最適化を実現す
るための手法である。
組織の業務と情報システムの全体像を表す「設計図」と、それを使って業務や情報システムを改善
していくための「仕組み」のセットとも言える。
本市においても長い年月の間に膨大な数の情報システムが個別に導入される中で、類似業務に類似
システムが導入されている、また手間と費用をかけてシステム開発やカスタマイズを行っても十分利
用されていないといったことも生じている。
EA の導入によって、複数の業務システムが別個に運用されていたものを標準化し、導入・運用コ
ストの削減、重複した業務内容の統合を通じて組織の運営コストの削減を実現するものとする。
○最適化を図るために今後特に検討する項目
1.情報システム開発等基盤
情報システムの新たな構築・改修等にあたっては、レガシーシステムの見直しを含め、その費用対
効果を明確化することとし、信頼性・安全性の確保のために行うものなど真に必要性を有すると認め
られるものを除き、
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(1)情報システム関係経費や業務処理時間・定員の削減が見込まれるなど行財政改革に資する。
(2)利便性向上に寄与する。
という2つの基準を満たすものについてのみ実施するものとする。
また、対象となる事務事業の外部委託が適当なものは、費用対効果を考慮した上で外部委託を進め
るものとする。
2.当面検討する項目
(1)汎用機使用の見直し
合併に際して、ホストオンラインシステムを廃止し、ターミナルサーバシステムを導入したにもか
かわらず、バッチ処理には依然として汎用機を使用しており、多額の運用費がかかっている。
汎用機の導入についても、ターミナルサーバシステムとの連携という理由で行っているものだが、
レンタル料が高額であるため、汎用機の廃止を検討する。
(2)運用業務の見直し
運用業務を見直しするためのコンサルタント業務を委託することを検討する。
まずシステム開発業者が作成した運用マニュアルを、第3者が見ても内容が理解できるものにする。
(通常、システム開発業者が運用をそのまま請け負うため、そうなっていない。
)
システムのデータベース構造やプログラムのソースコードを解析したり、設計書や契約関係書類、
運用作業依頼書などを精査することで、システム運用マニュアルを用途別に分割するとともに、図
式化を含め、第3者が理解できるように改訂する。
これにより、基幹系システムの運用を競争入札にすることを検討する。(システム保守は別)
同時に、入札で新規ベンダーが受注した場合に、その運用手順ができた背景などを伝えるために、
システムの開発目的や構成、機能概要などを記載した概要書を作成する。
加えてシステム運用の業務フローも見直しすることとし、例えば運用業務は必ず文書で依頼するこ
ととし、電話での依頼は廃止する。
これは、ベンダーが実施する作業内容や工数を正確に把握できるようにするためである。
また、アプリケーションの保守作業は委託から外すこととする。稼動確認テストまでを委託し、修
正の必要があるときは別途契約する。(事例・会計検査院)
(3)契約書作成上の留意点
契約書作成の内容については極力取り決めできることは取り決めしておくことが大切であり、適宜
協議により決定するという条項や、損害賠償条項なども協議して決定するという表現は避け、きちん
と記載しておくこととする。
再委託禁止は現実的には不可避であり、委託者としては再委託を前提に、再委託先の選定基準や再
委託先の管理・監督の方法、再委託先から求める報告事項の内容等を事前に決めておくこととする。
とくに、ソフトのライセンス契約方法は、出来るだけ「同時使用ライセンス」で行う。このために
は、常にソフトウェア使用状況の把握を行う必要があるが、そのためにはキーサーバーを設置し、ソ
フトウェアにキーを設定した上で、そのキーの数でライセンス数を決定することになる。
現在は、パソコン台数イコールライセンス数としているが、仮に全体のパソコン数が3000台と
して、マックスでソフトウェアを使用する台数が1000台程度だとすると、ライセンスは2000
も無駄に購入している計算になり、大きな無駄を生じている可能性もあるため、調査・検討を行う。
(4)マルチベンダーへの移行検討
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ソースコードを公開可能にするシステムへの切り替えを目指す。
OSはUNIX、開発言語はJAVAというシステムへ少しづつ移行していく。
また、市も著作権を共同保有することとする。
ただし、現在、総合行政情報システムを導入したばかりなので、長期計画で実施する。(5ヶ年∼
10ヶ年)バッチについてもオープン化を図る。
(5)アウトソーシングの拡充
アウトソーシングについては、これまでも進めてきたところであり、現在住民情報システム等の業
務システムのオンライン業務、汎用機の運用を始め、情報システムの保守・運用の大部分をアウトソ
ーシングしている。
ただし、バッチ処理の一部については依然として職員(情報処理第2係)が行っている。
今後は、現在職員が行っているバッチ処理も順次アウトソーシングしていくものとする。
また、現在ネットワークの保守・運用及びネットワークに接続するパソコンの保守・運用業務は職
員(情報処理第1係)と保守委託業者が共同で行っているが、これについてもアウトソーシングに向
けて検討していくこととする。
最終的には、業務系、ネットワーク系のシステムの保守・運用業務の大部分をアウトソーシングす
ることとする。
なお、アウトソーシングする場合、現在は情報統計課内等に委託業者が社員を派遣し、市が保守・
運用業務に必要な機器、場所等を提供する形で行っているが、この形態についても例えば、アウトソ
ーシングする、つまり汎用機等のハウジングも含め、保守・運用の基盤を委託会社側に設置し、市に
派遣させるという形を見直すこととする。
この場合、保守・運用業務に必要な機器類の調達等もすべて業者側が行うこととなる外部委託とい
うことになる。
注意する点としては、情報セキュリティの確保をきちんと行うこと、市側が保守・運用の内容を把
握できなくなり、業者に主導権を握られてしまうことのないよう、一定の管理者を関わらせること(た
だし、全体をアウトソーシングする場合であっても、業務を統括し、管理する職員を配置することと
する。)の2点となる。
この部分さえ押さえておけば、アウトソーシングにより、情報システム、ネットワークの保守・運
用業務にかかる手間の軽減や、保守・運用経費の削減に結びつくものと思われることから、年次計画
で速やかに進めるべきと思われる。
情報統計課マシン室
同プログラミング室
29
③システム協議(庁内体制の強化)
【詳細】
現在、各業務主管課がシステム導入を検討する場合、まず企画段階で情報統計課のチェックを受け
るという、「システム協議」を実施しているが、このシステム協議の体制の見直しを行う。
チェック項目としては、以下のとおりとする。
①システム化の基本事項(システム化の必要性、範囲、対象業務の妥当性など)
②システム化の効果(事務の効率化、市民サービスの向上)
③システム化の整備条件(法規、セキュリティ対策、開発・運用体制など)
評価項目としては、開発または運用が適切∼開発または運用を中止すべきまでの5段階程度を設定
し、さらにこうした企画段階でのチェックだけではなく、予算要求時の事前チェック、契約前の仕様
書チェック、開発終了時の評価(この段階での改善指示を出すこともある。)も行う。
情報統計課長ヒアリングが評価の中心となるが、このとき民間企業から派遣されている職員(シス
テムについての相当の知識を有する専門家・SE)をオブザーバーとして加えることとする。
また、必要に応じて例えば財政担当課や、主な業務主管課(市民課、税、保険年金等)からの出席
も検討することとする。
CIO補佐官制度を導入した場合は、当然CIO補佐官も出席することとする。
④新技術の導入(IPv6等)
【詳細】
IPv6は、アドレス資源の枯渇が心配される現行のインターネットプロトコル(IPv4)をベ
ースに、管理できるアドレス空間の増大、セキュリティ機能の追加、優先度に応じたデータの送信な
どの改良を施した次世代インターネットプロトコルであり、IP アドレスが飛躍的に増えるとともに、
アドレスを端末に自動構成させることのできるメリットは大変大きい。
現在のコンピュータ中心のネットワーキングの延長線では、大きな変化は考えられないが、ゲーム
機や携帯電話のような非コンピュータ端末が次々と数百万、数千万の規模で IP インフラ上に載って
くると、現在のIPv4の世界では支え切れなくなってくる。
ネットワークが社会に浸透していくにつれ、在宅看護用情報センサーなど、さまざまな目的のため
にネットワークを介して自動的に情報をやりとりする機器が増えていく。
こうした機器はネットワーク接続を主な目的としたものではなく、自分の目的のために IP 通信を
利用するものであり、利用者にネットワークの知識を要求するものではない。
IPv6に組み込まれた IP アドレス自動構成機能は、その点で非常に重要である。
今後、情報通信機器の更新に合わせ、必要な時期までにIPv6対応を図ることとする。
また、IPv6ばかりではなく、日進月歩のICTの進歩に乗り遅れないよう高度で安全な電子行
政の推進に向け、新たな技術の動向について常に注意を払うこととする。
30
(3)情報セキュリティ対策
①情報セキュリティポリシー(重点施策)
【詳細】
市の各情報システムが取り扱う情報には、市民の個人情報のみならず行政運営上重要な情報など、
漏洩や改ざん等が発生した場合には極めて重大な結果を招く情報が多数含まれている。
したがって、情報資産、情報資産を取り扱うネットワーク及び情報システムを漏洩や改ざん等の
様々な脅威から防御することは、市民の財産、プライバシー等を守るためにも、また、事務の安定的
な運営のためにも必要不可欠であり、ひいては、このことが富山市に対する市民からの信頼の維持向
上に寄与するものである。
富山市が電子自治体を構築するためには、全てのネットワーク及び情報システムが高度な安全性を
有することが不可欠な前提条件である。
このため、富山市の情報セキュリティ対策を整備した、情報セキュリティポリシー(情報セキュリ
ティ基本方針、情報セキュリティ対策基準)を定める。
このうち、情報セキュリティ基本方針は、富山市の情報セキュリティ対策の基本的な方針を定める
ものである。
情報資産に対する脅威の発生度合や発生した場合の影響を考慮し、情報セキュリティポリシーを策
定するうえで、特に認識すべき脅威は次のとおりとする。
31
(1) 外的要因
○部外者の侵入による、機器(通信機器、電子計算機。以下同じ。)又は情報資産の破壊・盗難
○不正アクセス又は不正操作による、情報資産の破壊・盗聴・改ざん・消去
(2) 内的要因
○職員又は外部委託事業者の不正による、機器又は情報資産の持出
○認証情報又はパスワードの不適切管理による、情報資産の破壊・盗聴・改ざん・消去
○不正アクセス又は不正行為による、情報資産の破壊・盗聴・改ざん・消去
○搬送中の事故又は不適切管理による、機器又は情報資産の盗難
○規定外の端末接続による、データ漏洩
(3) その他
○コンピュータウィルスによる、サービス及び業務の停止
○地震、落雷、火災等の災害による、サービス及び業務の停止
○事故、故障による、サービス及び業務の停止
本市における情報セキュリティを確保するために、策定した情報セキュリティポリシーについては、
その適切な運用を通じて情報セキュリティの維持・向上に向けて継続的に取り組むことが必要である。
情報セキュリティポリシーを策定した後は、情報セキュリティポリシーの実施サイクルが推進され
るよう、情報セキュリティ対策の導入、運用及び評価・見直しを実施する。
なかでも、運用及び評価・見直しは、情報資産に対する脅威、環境及びセキュリティ技術が日々変
化するものであることから重要な作業となる。
運用及び評価・見直しの作業として、情報セキュリティ監査を適切に行い、監査結果を情報セキュ
リティポリシーや情報セキュリティ対策等に反映させることとする。
②情報セキュリティ研修(重点施策)
【詳細】
電子自治体の構築と平行して、万全の情報セキュリティ対策が必要であり、市職員においても情報
セキュリティ技術や個人情報の取扱いに関する専門知識とノウハウを有する人材を計画的に育成す
ることが急務となっている。
このため、今後は情報化推進リーダー研修の中に情報セキュリティ研修のカリキュラムを組み込む
とともに、情報化推進リーダー研修とは別に、職員一人ひとりの情報セキュリティ意識啓発のため、
情報セキュリティに特化した研修を継続して実施することとする。
また経費節減のため、(財)地方自治情報センターや富山県が実施する研修への積極的な参加に努
めるものとする。
32
③情報セキュリティ監査
【詳細】
情報セキュリティポリシーやこれに基づく実施手順が適切に実施されているかを点検・評価するた
めに情報セキュリティ監査を実施する。
監査においては、監査対象から独立した者が中立・公平な立場から点検・評価を行うことが大切な
条件になる。
監査人は、情報セキュリティ監査を有効かつ効率的に実施できるための高度な専門的知識・技能を
有するのみならず、高い分析力と判断能力を有する者でなければならない。
監査には、内部監査部門による監査である「内部監査」と、外部の監査人(企業・団体等)が行う「外
部監査」がある。
内部監査は内部統制の機能の一つであり、組織の長又はそれに準じる者が内部の管理体制が適切に
実施されているかを確かめるために内部監査部門に監査させるものである。
組織の内部機関が情報セキュリティ監査を実施する場合には、監査対象となる情報システム・ネッ
トワーク等に係る情報セキュリティ対策に関与しない者が監査を実施しなければならない。
外部監査は内部監査に比べて監査主体の独立性が高く、監査結果の客観性は内部監査に比べて高い。
したがって、監査結果を住民・企業等に公開するような場合は、監査結果の独立性がより強く求め
られることから、外部の監査人が監査する必要がある。
また、監査の結果は、情報セキュリティに関する管理及び対策が適切であるか否かということであ
り、情報セキュリティ上の問題点の指摘と改善の方向性の提言をまとめるということである。
監査業務は、あくまで改善の方向性を示すものであり、具体的な解決策を提示するコンサルティン
グ業務とは異なる。
また、監査業務の中には、改善を勧告した事項について後日、フォローアップする業務も含まれる。
なお、情報セキュリティ対策についてセルフチェック(自己点検)することは、情報セキュリティ監
査の結果と同様に、対策の評価・見直しに活用されるものであるが、中立・公平な立場での点検・評
価ではないことから、その作業単独では監査には該当しない。
今後、内部監査の体制を早期に確立し、内部監査については、平成18 年度から原則として、毎年
実施することとする。
なお、内部監査に加えて、外部監査も行うこととするが、実施には相当の費用もかかることから、
3年に一度実施する方向で検討を進める。
検討に当たっては、費用の軽減や、セキュリティ水準の均一な向上を目指した取り組みとして平成
17年度に、大分県と県下全市町村が参加して共同で行った情報セキュリティ外部監査があり、こう
した取り組みなども参考にするものとする。
33
④ネットワークの再構築
【詳細】
現在の庁内LANは、1ギガビット/sec 対応のネットワーク機器を中心とした高速・大容量のネ
ットワーク(平成13年度に再構築)であるが、これは、その当時、まだ接続されるパソコン台数が
少なかったこともあり、LAN全体を1セグメントとして構成した。
しかし、現在では職員1人1台パソコンの配備により接続されるパソコン台数が大幅に増加し、L
ANを利用して窓口オンラインシステムや財務会計システム等、重要な情報システムを運用しており、
1セグメント構成をこのまま継続した場合には、
・ネットワーク全体に常に不必要なパケットが流れ、ネットワークに負荷がかかる。
・ネットワーク障害が発生した場合に、容易に場所や原因の特定ができず、復旧に相当な時間を要す
る。
・部分的なネットワーク障害であっても影響が全体に及ぶ。
こととなり、行政業務に多大な影響を及ぼすこととなることから、ネットワーク負荷の軽減やネット
ワーク障害時の波及範囲をできるだけ局所化するために、早急にセグメントを複数に分割する等の対
策が必要である。
今後の方向としては、現在、レイヤ2スイッチとして構成されているギガビットイーサスイッチを
ルーティング機能を持つレイヤ3スイッチに変更し、ポート単位でセグメント分割する。
なお、これに伴いアドレス設定等パソコン側の設定変更も必要となる。
セグメント分割を実現することにより、
・セグメント内でのみ必要なパケットデータを他のセグメントに転送させないため、ネットワークの
負荷の軽減を図ることが可能である。
・セグメント内で発生したネットワーク障害を他のセグメントへ波及させないため、ネットワーク障
害の範囲を極力抑えることが可能である。
⑤不正侵入防止装置
【詳細】
庁内LANがインターネット接続されることに伴い、システムが外部ネットワークから不正にアク
セスされるというリスクに常にさらされるようになり、その対策として、不正アクセスを阻止するツ
ールである「ファイアウォール」、不正アクセスを検知するツールである「不正侵入検知装置」を導
入してきた。
しかし、最近では不正アクセス、攻撃が膨大な回数に上っており、不正侵入検知情報の解析と、そ
の対応に時間を要することもあり、現在ではすでに二つのツールを利用した不正アクセス対策では不
十分であり、更なる不正アクセス対策の強化が必要である。
このため、侵入を検知したら接続の遮断などの防御を自動でリアルタイムに行うことが可能となる
34
ツールとして「不正侵入防止装置」を導入する。
(参考)
○ファイアウォール
一般的にネットワークの入り口に設置し、外部ネットワークから許可しているサービス以外の不正
アクセスを防御する。
しかし、許可しているサービスに対して悪意のあるコードが埋め込まれていても、通常のアクセス
として許可してしまうという問題点がある。
パケットデータ中にセキュリティ上の脆弱性を利用したコードが含まれていると、攻撃者に不正侵
入を許す可能性がある。
また、送信されてくるパケットデータが不正に見えない攻撃(例:サービス拒否攻撃)も防御不可
能である。
○不正侵入検知装置
ファイアウォールが入り口で許可した通信サービスを再度チェックし、攻撃や侵入行為であるかを
判断し警告を発する。
ただし、検知後のアクションが非常に重要であり、膨大な警告内容を解析し対応を行うために相当
な時間と人手を要する上に、本当に対処しなければならない脅威を見逃してしまう可能性がある。
今後の方向としては、ワームやサービス拒否攻撃などの不正アクセスパケットデータが持つ特徴的
なパターンと比較し該当する接続であると検知する一方で、侵入を検知したら接続の遮断などの防御
を自動でリアルタイムに行うことが可能となるツールとして不正侵入防止装置を導入する。
不正侵入防止装置を導入することにより、警告内容の解析や対応に要する負担を軽減でき、ファイ
アウォールでは防ぐことができない不正アクセスに対して今まで以上により素早く対処することが
可能となる。
⑥遠隔地データバックアップ
【詳細】
地震・火災等の大規模災害時における情報セキュリティ対策の一つとして、従来から、住民情報等
重要な業務データ及び汎用機の業務ファイルをCT等の媒体に変換して、月に1回出先機関内部の倉
庫に分散保管している。
しかし遠隔地への退避は月1回のため、データ復旧した場合は、1ヶ月前の状態である。
また個人情報保護の観点、職員の退避CTの運搬の際のセキュリティ面から、退避の方法の見直し
が必要と考え、平成18年度から、総合行政センターの1箇所に遠隔地データ保存用のサーバを設置
し、毎日データを送信し、最新状態ファイルの保存を行うシステムを導入した。
しかし、本庁と総合行政センターの距離を考えた場合、大規模災害時に、同時にデータ消失等が起
こる可能性があることから、今後は同時に被害を受けることがないと思われる距離にある場所(例え
ば、北陸圏以外)へ、このバックアップシステムを拡大運用していくことも検討する。
35
⑦シンクライアント研究
【詳細】
情報通信技術の高度化に伴い、情報セキュリティに対する脅威も更に高度化、複雑化してきており、
継続して安定的な情報セキュリティを提供し続けるためには、常に新しい脅威への監視を行い、対応
策を検討する等、万全なセキュリティ対策を講ずる必要がある。
また、平成17年4月1日より個人情報保護法が全面施行となり、一般的に情報漏えいは内部から
起こる可能性が非常に高いと言われている状況下で、クライアント単位での情報漏えい対策をさらに
強化していく必要がある。
クライアントのアプリケーションとデータをサーバで一元的に管理し、ハードディスクを搭載しな
いパソコンを使用するシンクライアントには、クライアント単位での情報漏えい対策を強化するとい
うメリットがある一方で多くのデメリットもあり、現行のままでの移行は行えないものと判断する。
ただし、今後システムの改善が進むことも考えられるため、導入についての研究は継続的に進める
こととする。
【参考】シンクライアントのメリット・デメリット
(メリット)
・情報漏れが起こらない。
・ハードディスクなど駆動部分が少ないため故障が少ない。
・OSやウィルス対策ソフトの更新をサーバ側で一括して実施できる。
・クライアントの作業環境を統一できる。
・データを一元管理でき、バックアップの集中管理ができる。
・業務上不必要なアプリケーションの利用を防止できる。
・設置スペースが少ない。
・消費電力が少ない。
(デメリット)
・現在までに長い年月をかけて構築してきた既存のシステム形態を大きく変えることに伴い、新たに
多額のハード整備費が発生する。
・ハードディスクやCDドライブがない、プリンタ出力方法の違いなどの操作性の違いから、慣れる
まで時間がかかる。
・CAD、プログラミング等の専門的な作業に向かない。
・アプリケーションによっては動作が保証されていないものがある。
・起動に時間がかかる。
・ネットワーク障害時は全てのクライアントが利用できなくなる。
・構築、運用ノウハウが少ない。
36
⑧バイオメトリクス認証拡充
【詳細】
ブロードバンドが急速に普及する中、情報セキュリティには、より高い信頼性を持ち、かつ利便性
に優れた認証システムが必要とされるようになってきた。
最新技術を用いた高度な認証システムの 1 つとしてバイオメトリクス認証があり、金融機関をはじ
めとした民間企業や、国、地方公共団体での導入が増えてきている。
その分類としては、指紋、声紋、虹彩などの認証方法があり、個人の識別に紛失・盗難の心配がな
い高信頼性と利便性を実現している。
本市においては、従来からも多くの情報セキュリティ対策を取ってきたところであるが、バイオメ
トリクス認証については、ホストコンピュータ室やサーバ室の出入退管理に導入している。
今後さらに万全の情報セキュリティの確保のため、バイオメトリクス認証を必要と思われるクライ
アントに段階的に導入を図る。
また、ホストコンピュータ室やサーバ室の出入退管理を実施してはいるものの、市の重要なデータ
(個人情報等)が集積する情報統計課事務室そのものへの出入退管理は実施していない。
今後は、事務室の出入退管理にバイオメトリクス認証を導入し、とくに夜間・休日等における管理
体制セキュリティ体制の強化を図る。
▼従来型認証(ID・パスワード方式)との比較
(メリット)
従来型の情報セキュリティといえば、ID・パスワードというのが定番であったが、セキュリティ
レベルとしてはもっとも低い段階の手法であり、単純な文字配列では容易に見破られて侵入されてし
まうため、よりセキュアな運用を目的とし、ユーザーに対しパスワードを「複雑な文字列にすること」
「頻繁に変更すること」を奨励している。
ところが、これに伴いユーザー側は多くの複雑なID・パスワードを保持することになり、記憶し
きれず書き留めているケースがよくあり、また他人に教えたりすることで簡単にセキュリティが破ら
れてしまう。
一方管理者側では、「パスワードを忘れた。」という問い合わせなどに対応し、日々、多くの時間
を費やしている。
また、ICカードによる認証管理もあるが、コストが高いことや、紛失・盗難・偽造の恐れがある。
本状況の解決策として、バイオメトリクス認証は、個人の身体的特徴を用いて認証を行うため、従
来のIDパスワード方式、ICカード方式と比較し、下記の利点が挙げられる。
・高いセキュリティレベルの保持が可能
・忘れることがない
・容易に認証を行えるためユーザーへの負担が少ない
(デメリット)
バイオメトリクス認証の最大のデメリットは、利用者本人しか認証システムに認証情報を登録でき
ないということである。
37
例えば、全庁システムなどにバイオメトリクス認証を導入する場合、全職員が本庁に来て認証情報
を登録する必要があり、かつその煩雑な登録作業を毎年人事異動の度に、短期間に行わねばならない
という大きなデメリットがある。
この問題を解決する手段としては、「登録専用端末の分散設置」などが考えられるが、その分費用
もかかるのが問題となる。
また、バイオメトリクス認証において最もよく利用される指紋認証では、指紋情報が採取できない
人がいるため、ほかの認証方法との併用の検討も重要である。
なお、指紋認証の場合、プライバシーの侵害になったら困る、という利用者の心理的抵抗感がある
が、画像データとして持っているわけではなく、数値処理した情報を照合させ、原理的に画像への再
現性ができない技術(指紋画像から特徴情報を分析・抽出して登録する方法であり、このデータから
画像データに戻すことはできない。
)が一般化しているため、その心配はあまり必要ない。
●バイオメトリクス認証の比較表
手法
指紋
認証基準
指紋の特徴
センサー
接触型
認識
比較的
安全性
中
コスト
低
容易
静脈
掌の静脈パタ
非接触型
ーン
比較的
高
中
登録
備考
容易だが心
デスクトップ認証、
理的抵抗
入室管理等広く普及
容易
精度が高い。
容易
読み取り機器が少し
大きい。
虹彩
目の虹彩パタ
非接触型
ーン
慣れが
高
高
やや難
必要
高セキュリティが要
求される入室管理で
利用される。
署名
書体、書順、
専用ペン
筆圧
網膜
慣れが
中
低
容易
必要
網膜の血管パ
接触型(走査スキ
慣れが
ターン
ャナ)
必要
金融機関などで実用
段階
高
高
難
眼底への影響が大き
く、身体的負担が高
い。
掌形
手の大きさ、
接触型
長さ、厚さ
顔
顔の輪郭、目
話者の音声的
特徴
低
中
容易
が高い
非接触型
鼻の形、配置
声紋
誤認識率
誤認識率
センサーが大きい
低
中
容易
が高い
マイク
誤認識率
低セキュリティ
空港での入管管理で
利用。
低
が高い
中
容易
遠隔地ユーザ認証も
可能。本人拒否率が
高い。
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用語解説(アイウエオ順)
ICタグ
物体の識別に利用される微小な無線 IC チップ。自身の識別コードなどの情報が記録されており、
電波を使って管理システムと情報を送受信する能力をもつ。
産業界においてバーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められてきたが、それに留
まらず社会の IT 化・自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。
無線 IC タグは対環境性に優れた数 cm 程度の大きさで、電波や電磁波で読み取り器と交信する。
近年ではアンテナ側からの非接触電力伝送技術により、電池を持たない半永久的に利用可能なタグ
も登場している。
形状は、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型など様々であり、用途に応じて選択する。
通信距離は数 mm 程度のものから数 m のものがあり、これも用途に応じて使い分けられる。
将来的にはすべての商品に微小な無線 IC タグが添付され、世界的な流通インフラとなる可能性が
ある。食品を買ってきて冷蔵庫に入れると自動的に識別し、保持している食品のリストを作ったり消
費期限を知らせたりするインテリジェント冷蔵庫などの IT 家電が構想されている。
製品に ID 情報を振るための規格では、米マサチューセッツ工科大学(MIT)が中心となって進めて
いる「Auto-ID Center」の取り組みが先行している。
また、日本でも、東京大学の坂村健教授などが中心となって「ユビキタス ID センター」が設立さ
れ、大手電機メーカーなどが参加している。
(出典
IT用語辞典e−words)
ICT
Information and Communication Technology の略で、情報通信技術を表す言葉。
日本では IT(Information Technology)が同義で使われているが、IT に「Communication(コミ
ュニケーション)」を加えたICTの方が、国際的には定着している。
日本が目指しているユビキタスネット社会では、ネットワークを利用した多様なコミュニケーショ
ンが実現するとされており、情報通信におけるコミュニケーションの重要性が増大している。
そのことを踏まえ、これまで総務省より出されていた「IT 政策大綱」が、2004年度より「I
CT政策大綱」に名称変更されている。
(出典
電子行政用語集HITACHI)
IPv4
Internet Protocol version 4 の略
現在のインターネットで利用されているインターネットプロトコル(IP)。
アドレス資源を 32 ビットで管理しているため、識別できるコンピュータの最大数は 42 億 9496 万
7296 台である。
しかし、近年のインターネットの急速な普及により、アドレス資源の枯渇が予想以上に早く生じる
39
との危惧が関係者の間に高まり、128 ビットでアドレスを管理する IPv6 が開発された。
(出典
IT用語辞典e−words)
IPv6
Internet Protocol version 6 の略
アドレス資源の枯渇が心配される現行のインターネットプロトコル(IP)IPv4 をベースに、管理でき
るアドレス空間の増大、セキュリティ機能の追加、優先度に応じたデータの送信などの改良を施した
次世代インターネットプロトコル。
(出典
IT用語辞典e−words)
アクセシビリティ
情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度広汎な人に利用可能であるかをあらわす語。
特に、高齢者や障害者などハンディを持つ人にとって、どの程度利用しやすいかという意味で使わ
れることが多い。
accecibility とは「受け入れられやすさ」という意味の英単語である。
例えば、手や腕の障害のためにマウスを使えない場合、ソフトウェアはキーボードだけで利用可能
である必要がある。
弱視や老眼の人にとってはフォントサイズや配色は容易にカスタマイズ可能でなくては見にくい。
視覚障害の人は読み上げソフトを使うので、それに適したレイアウトや記述方法が求められる。
特に、Web ページについての「利用のしやすさ」を「Web アクセシビリティ」という。
これについては「WCAG」(Web Content Accessibility Guidelines)という指針が W3C によって提
唱されている。
画像や音声などには代替テキストによる注釈をつける、すべての要素をキーボードで指定できるよ
うにする、情報内容と構造、および表現を分離できるようにするなどの方針が定められている。
(出典
IT用語辞典e−words)
アプリケーション
文書の作成、数値計算など、ある特定の目的のために設計されたソフトウェア。「応用ソフト」と
も呼ばれ、どのソフトウェアにも共通する基本的な機能をまとめたOS(基本ソフト)に、ユーザが必
要とするものを組み込んで利用する。
代表的なアプリケーションソフトには、ワープロソフトや表計算ソフト、画像編集ソフト、データ
ベースソフト、プレゼンテーションソフト、ゲーム、Web ブラウザ、電子メールソフトなどがある。
企業で使われる財務会計ソフトや人事管理ソフト、在庫管理ソフトなどもアプリケーションソフトの
一種である。
アプリケーションソフトの中でも、ファイル圧縮やコンピュータウイルス駆除、メモリ管理など、
OS や他のアプリケーションソフトの持つ機能を補い、機能や性能、操作性を向上させるソフトを特
に「ユーティリティソフト」という。
OS にアプリケーションソフトを導入する操作を「インストール」という
(出典
40
IT用語辞典e−words)
e−ラーニング
パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して教育を行なうこと。
教室で学習を行なう場合と比べて、遠隔地にも教育を提供できる点や、コンピュータならではの教
材が利用できる点などが特徴。
一方で、機材の操作方法など、実物に触れる体験が重要となるような学習は e ラーニングには向か
ない。
e ラーニングは企業の社内研修で用いられているほか、英会話学校などがインターネットを通じて
教育サービスを提供している例などがある。
Web ブラウザなどのインターネット・WWW 技術を使うものを特に「WBT」(Web Based Training)とか
「Web ラーニング」などと呼ぶ。
(出典
IT用語辞典e−words)
インターネットプロトコル
インターネットプロトコルとは、ネットワークに接続している機器のアドレッシングや、ゲートウ
ェイとホストの間の通信経路を定義するプロトコルのことである。米国防総省のネットワークプロジ
ェクトで開発されたものである。
UNIX の標準プロトコルとなったことで急速に普及が進み、現在世界でもっとも普及している。ま
た、後に TCP と組み合わせられたことにより、インターネットで用いられるようになった。
OSI 基本参照モデルのネットワーク層である第 3 層に位置しており、ネットワークに参加してい
る機器の「アドレッシング」と呼ばれる住所付けや、相互に接続された複数のネットワーク内での通
信経路の「ルーティング」と呼ばれる選定を行うための方法を定義している。
なお、コネクションレス型のプロトコルの一種であることから、確実にデータが届くことを保証す
るためには、上位層の TCP を併用せねばならない。
(出典
IT用語辞典バイナリ)
インターフェイス
二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するもの。
また、その規格。
IT 関連では、
「ハードウェアインターフェース」
「ソフトウェアインターフェース」
「ユーザインタ
ーフェース」の三つに大別できる。
ハードウェアインターフェースとは、複数の装置を接続して通信する際の規約で、コネクタの形状
や電気信号の形式などを定めているもの。
コンピュータ内部のデータ伝送、コンピュータと周辺機器のデータ伝送、コンピュータ間の通信な
ど、用途に合わせて様々なインターフェースが存在する。
ソフトウェアインターフェースは、プログラム間でデータをやり取りする手順や形式を定めたもの。
特に、OS やコンポーネント(部品化されたソフトウェア)の機能を外部から呼び出して利用するた
めの規約をAPIという。
ファイル形式なども広い意味ではソフトウェアインターフェースに含まれるとも考えられるが、通
常は API のことを指す。
41
ユーザインターフェースは、コンピュータがユーザに対して情報を表示する方式や、逆に、ユーザ
が情報を入力するための方式を定めたもので、伝統的に文字ベースの方法が長く使われてきたが、コ
ンピュータの性能向上・大衆化を受けて、グラフィック表示やマウス操作などを多用したグラフィカ
ルユーザインターフェースが広く使われるようになっている。
(出典
IT用語辞典e−words)
EA
大企業や政府機関などといった巨大な組織(enterprise)の業務手順や情報システムの標準化、組織
の最適化を進め、効率よい組織の運営を図るための方法論。
あるいは、そのような組織構造を実現するための設計思想・基本理念(architecture)のこと。
(出典
IT用語辞典e−words)
OS
キーボード入力や画面出力といった入出力機能やディスクやメモリの管理など、多くのアプリケー
ションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理する
ソフトウェア。
「基本ソフトウェア」とも呼ばれる。
ソフトウェアの開発者は、OS の提供する機能を利用することによって、開発の手間を省くことが
でき、アプリケーションの操作性を統一することができる。
また、ハードウェアの仕様の違いは OS が吸収してくれるため、ある OS 向けに開発されたソフト
ウェアは、基本的にはその OS が動作するどんなコンピュータでも利用できる。
企業や家庭の一般ユーザが利用する OS として最もポピュラーなのは Microsoft 社の Windows シ
リーズであり、この市場で9割以上のシェアを占める。
(出典
IT用語辞典e−words)
開発言語
開発言語とは、ソフトウェアを開発するためのプログラミング言語の総称であり、一般にプログラ
ミング言語とほぼ同義語として用いられる。(例 C 言語や Java など)
(出典
IT用語辞典バイナリ)
霞ヶ関WAN
霞ヶ関 WAN とは、各省庁の LAN コンピューターネットワークを相互接続した WAN(広域ネッ
トワーク)のことである。
1994年に閣議決定されて1997年1月に運用を開始、28機関が接続されている。
霞ヶ関 WAN は、省庁間の情報共有やコミュニケーションの円滑化を図る目的で設置されたもので、
電子メールや電子文書を交換するシステム、法令や白書などのデータベース、省庁間をまたがった情
報検索システムなどが稼動している。
2002年からは、地方自治体間の相互接続ネットワークである LGWAN(行政総合ネットワー
ク)とも接続されている。
42
(出典
IT用語辞典バイナリ)
キオスク端末
もともとキオスク(KIOSK)とは、公園の売店のような簡易建造物のことを指しており、情報
キオスク端末とはパソコンを持たなくても、インターネットを通じて簡単な操作で手軽に扱える街頭
端末のこと。
その用途は様々で、行政サービスを受けることや、音楽ファイルの受信、チケットの予約などが行
える。
(出典
電子行政用語集HITACHI)
ギガビット
通信速度を 1Gbps に高めた高速な規格。
Gigabit Ethernet 規格では、光ファイバーを利用した 1000BASE-SX 規格と 1000BASE-LX 規格が IEEE
802.3z として標準化されている。
広く普及している 10BASE-T や 100BASE-TX と互換性のあるカテゴリー5 のより対線を用いた規格も
策定されている(1000BASE-T)。
(出典
IT用語辞典e−words)
公的個人認証
インターネット上での本人確認に必要な電子証明書を住民基本台帳に記載されている者(日本国内
に住所のある日本国民)に対して安価に提供するためのサービス。
2004 年 1 月 29 日に電子証明書の発行が開始され、政府機関への各種届出・申請、納税、旅券申
請、各地方公共団体への各種届出・申請など、利用可能な行政手続は現在も順次追加されている。
電子証明書を格納するための IC カードが必要であり、現在は住民基本台帳カードを利用する。
また、パソコン及びそれに接続する IC カードリーダライタも必要となる。
発行者は申請者の住所がある都道府県の知事。市区町村の窓口にて発行の申請が行える。
原則として代理申請は認められない。
申請に必要な費用は一般的に 500 円。有効期間は発行日より 3 年間。
ただし有効期間内でも電子証明書の記載事項に変更(住所や氏名の変更など)が生じた場合はその
時点で無効となる。
(住民基本台帳ネットワークシステムより情報が提供されるため、異動の事実が生じると共に公的
個人認証サービスの電子証明書も失効する。)
なお、住民基本台帳ネットワークシステムに不参加の地方公共団体内に住所のある者は公的個人認
証サービスを利用することはできない。
サービス開始当初は「安全性に疑問が残る」として長野県が参加していなかったが、その後 2004
年 7 月 12 日より長野県でもサービスが開始された。
総務省によると、2005 年 8 月 31 日までに公的個人認証サービスによって発行された電子証明書
の数は 9 万 4767 枚。
(出典
43
ウィキペディアフリー百科事典)
サービス拒否攻撃
ネットワークを通じた攻撃の一つ。相手のコンピュータやルータなどに不正なデータを送信して使
用不能に陥らせたり、トラフィックを増大させて相手のネットワークを麻痺させる攻撃。
(出典
IT用語辞典e−words)
CIO
Chief Information Officer の略
企業内の情報システムや情報の流通を統括する担当役員。
最高情報責任者や情報統括役員などと訳される、企業の情報戦略のトップである。
元は米国の企業で用いられていた呼び名だが、情報戦略に注目が集まるにつれて日本でも採用する
企業が増えつつある。
情報システムの構築や運営に関する技術的な能力だけでなく、そうして得られた情報を基に
CEO(最高経営責任者)ら経営陣に対して適切な報告・助言を行なうことも求められ、経営戦略に関す
る深い理解と能力も必要とされている。
(出典
IT用語辞典e−words)
GIS
Geographic Information System の略。位置に関する情報をもったデータ(空間データ)を総合
的に管理・加工し、視覚的に表示できる高度な分析や迅速な判断を可能にする技術。
JAVA
Sun Microsystems 社が開発したプログラミング言語。
JAVAはC言語に似た表記法を採用しているが、C 言語など、既存の言語の欠点を踏まえて一か
ら設計された言語であり、今までの言語にない完全なオブジェクト指向性を備えている。
また、強力なセキュリティ機構や豊富なネットワーク関連の機能が標準で搭載されており、ネット
ワーク環境で利用されることを強く意識した仕様になっている。
JAVAで開発されたソフトウェアは特定のOSやマイクロプロセッサに依存することなく、基本
的にはどのようなプラットフォームでも動作する。
JAVAの汎用性の高さはJAVA最大の特長であり、「Write Once, Run Anywhere(一度コード
を書けばどんな環境でも動作する)」というキャッチコピーで、その利便性が強く主張されている。
(出典
IT用語辞典e−words)
情報家電
情報家電とは、インターネットなどネットワークに接続できる通信機能を備えた家電製品(テレビ、
冷蔵庫、エアコンなど)のこと。それぞれをネットワークでリンクさせることで、ひとつのリモコン
や端末、またパソコンから制御できるようになる。
e-Japan 重点計画では、
「2003 年度までにインターネットの対象を、情報家電などパソコン以外の
多様な機器に拡大する技術を開発し、2005 年までにすべての国民が、場所を問わず、自分の望む情
44
報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行える IPv6 が実装されたインターネット環境を実現す
る」と掲げられた。
電子自治体の世界でも、使い慣れた家電を利用して誰もがネットワークを利用できるサービスを提
供するなど、デジタルデバイドの解消を実現する道具としても注目されている。
情報家電の利用イメージ
■テレビ/ビデオ
メール、インターネットは勿論、テレビ番組への参加ができる。外出先・携帯電話から録画予約がで
きる。
■電子レンジ
インターネットからレシピをダウンロードして、食品などを用意しておくだけで簡単に料理が作れる。
■電話
インターネットに接続できる電話機のサービス『Lモード』が情報家電として位置付けられる。パソ
コンがなくてもメールやホームページを見ることができる。
(出典
電子行政用語集HITACHI)
情報ハイウェイ
光ファイバーの通信ケーブルなどによって構築される超高速情報通信網のことを指す。
1993年に、クリントン政権下のゴア副大統領によって提唱された「情報スーパーハイウェイ」
は有名で米国全土に光ファイバー網の通信ケーブルを敷設して超高速の情報網を構築しようとする
計画である。
日本では、岡山県による「岡山情報ハイウェイ」が有名で県内の主要10ヶ所を高速大容量の光フ
ァイバー網で結んでいる。
(出典
電子行政用語集HITACHI)
情報リテラシー
情報を使いこなす能力のこと。
体験やメディアを通じて得られる大量の情報の中から必要なものを探し出し、課題に即して組み合
わせたり加工したりして、意思決定したり結果を表現したりするための基礎的な知識や技能の集合で
ある。
関連する領域として、メディアを使いこなす能力「メディアリテラシー」と、コンピュータをはじ
めとする IT 技術を使いこなす「コンピュータリテラシー」がある。
前者はメディアを利用した情報の取得・解釈と表現に重点が置かれており、後者は IT 技術の活用
を重視する。
情報リテラシーと密接に関連するものではあるが、まったく同一のものではない。
(出典
IT用語辞典e−words)
精度
デジタル化された地図情報はディスプレイ上でワンタッチで拡大縮小が可能となるため、これまで
45
紙地図にあった縮尺と言う概念が希薄になる。
実世界と地図空間との間の位置や形状の誤差、つまりそれが精度である。
セグメント
部分、断片、分割する、などの意味を持つ英単語。全体をいくつかに分割したうちの一つ。
大規模な通信ネットワークを構成する個々のネットワーク、コンピュータのメインメモリ上で一度
にアクセスできる連続した領域、マーケティングにおける消費者を属性で分類した同質集団、企業の
決算書における事業区分、などの意味で使われる。
(出典
IT用語辞典e−words)
総合行政ネットワーク(LGWAN)
地方自治体のコンピュータネットワークを相互接続した広域ネットワーク。
都道府県、市区町村の庁内ネットワークが接続されており、中央省庁の相互接続ネットワークであ
る霞ヶ関 WAN にも接続されている。
LGWAN は、地方自治体間のコミュニケーションの円滑化や情報共有、行政事務の効率化、アプ
リケーションの共同利用などによる重複投資の抑制などを目指し、2001 年に創設された。
住民からの申請・届出の受付や、公共施設の空き状況の確認・予約受付など、どの自治体でも必要
となるネットワークアプリケーションについては、自治体が共同で費用を負担して開発し、LGWAN
を通して ASP の形で共同利用することで、経費を節減することが構想されている。
(出典
IT用語辞典e−words)
SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)
SOCIAL NETWORKING SITE 参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げるこ
とを目的に開設されたコミュニティ型の WEB サイト。
誰でも自由に参加できるサービスと、「既存の参加者からの招待がないと参加できない」というシ
ステムになっているサービスがある。
自分のプロフィールや写真を公開する機能や、新しくできた「友人」を登録するアドレス帳、友人
に別の友人を紹介する機能、サイト内の友人のみ閲覧できる日記帳、友人間でのメッセージ交換に使
う掲示板やカレンダーなどの機能が提供される。
有料のサービスもあるが、多くは無料のサービスとなっており、サイト内に掲載される広告や、友
人に本や CD などの商品を推薦する機能を設け、そこから上がる売上の一部を紹介料として徴収する
という収益モデルになっている。
2003年頃相次いで誕生し、検索エンジン大手の Google 社が「Orkut」というソーシャルネッ
トワーキングサイトを開設したことで話題になった。
(出典
IT用語辞典e−words)
ソースコード
人間がプログラミング言語を用いて記述したソフトウェアの設計図。
そのままではコンピュータ上で実行することはできないため、コンパイラなどのソフトウェアを用
46
いてオブジェクトコード(ネイティブコード)と呼ばれるコンピュータの理解できる形式に変換され、
実行される。
(出典
IT用語辞典e−words)
ターミナルサーバシステム
1 台のサーバに複数の端末がネットワークを通じて同時に接続し、処理を行なうことができる。
全てのアプリケーションソフトはサーバ上で実行され、RDP というプロトコルを使ってクライア
ント側に画面が転送される。
ハードディスクを搭載しない安価な端末専用機(WBT)と組み合わせることで、アプリケーションソ
フトの集中管理、メンテナンスの軽減をはかることができる。
地域公共ネットワーク
地域公共ネットワークとは、地域における教育、行政、福祉、医療、防災等の高度化を実現し、電
子自治体等の推進に資するため、高速・超高速回線を活用して、学校、図書館、公民館、市役所等の
公共施設間を接続するネットワークシステムである。
地域公共ネットワークの積極活用と創意工夫により、地域社会にとって、様々な便益を享受するこ
とが可能となる。
デジタルオルソ画像形式
航空写真や衛星画像を、対応する地図に位置合わせする形で変換されたデジタル画像。
電子認証局・電子公証局
電子認証局:ネットワーク上の本人性の確認などに利用される公開鍵証明書(実社会の印鑑証明に
相当)を発行し、登録、管理する機関である。
電子公証局:ネットワーク上の商取引等において、誰が(誰と)、いつ、何を行ったかを証明する
機関−実社会の公証役場や郵便局(内容証明、配達証明)に相当するサービスを提供する。
(出典
NTT Innovative Technology Site)
バイオメトリクス認証
指紋や眼球の奥の虹彩、あるいは声などの身体的特徴によって本人確認を行なう認証方式のこと。
暗証番号やパスワードなどに比べ、原理的に極めて「なりすまし」しにくい認証方式であるため、関
心が高まっている。
顔を認識する技術や、ペンでサイン(署名)する際の筆圧や速度などの運動力学的特徴を利用する技
術など、ユニークなものもある。単純なパスワードなどによる認証に比べ、高速な処理装置や大量の
記憶装置が必要であり、その分高価であるため、国防施設や研究所など極めて高度なセキュリティを
必要とするごく一部の分野から導入が始まっている。
現在は指紋や虹彩を利用する認証を中心に研究が進んでおり、利用環境によってはほぼ確実に本人
であることを確認できる製品も登場している。
(出典
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IT用語辞典e−words)
パケットデータ
コンピュータ通信において、送信先のアドレスなどの制御情報を付加されたデータの小さなまとま
りのこと。
データをパケットに分割して送受信する通信方式をパケット通信と呼ぶ。
データを多数のパケットに分割して送受信することにより、ある 2 地点間の通信に途中の回線が占
有されることがなくなり、通信回線を効率良く利用することができる。
また、柔軟に経路選択が行なえるため、一部に障害が出ても他の回線で代替できるという利点もあ
る。
(出典
IT用語辞典e−words)
バックオフィスシステム
一般的には、マーケティング、営業、顧客サービスといった企業と外部とのインターフェース
部分における業務のことをフロントオフィス業務という。
一方、バックオフィス業務とは、生産管理、購買管理、在庫管理、人事給与といった企業内に
おけるいわゆる事務処理的な業務を指す。
電子自治体を取り巻く状況でこれらの用語が脚光を浴びたのは、2002 年 4 月 24 日経済財政
諮問会議における「フロントオフィス業務に加え、バックオフィス業務も、汎用性があるものは
共同化を伴うアウトソーシングを推進する」といった趣旨の片山総務大臣の発言。
電子自治体の中心となる「電子申請」を実現する上でも、フロントオフィス、バックオフィス
双方の BPR や電子化が必要となるが、この発言をきっかけに注目を集めた「共同利用(センタ
ー)
」についても併せて検討していく必要がある
(出典
電子行政用語集HITACHI)
バッチ処理
一定期間(もしくは一定量)データを集め、まとめて一括処理を行なう処理方式。
または、複数の手順からなる処理において、あらかじめ一連の手順を登録しておき、自動的に連続
処理を行なう処理方式。
企業における売上データや受注データの集計処理など、一定期間ごとに大量のデータを集めて処理
する場合に有効な処理方式である。
パソコンでは、起動時の環境構築や自動設定、アプリケーションの自動実行などにバッチ処理が用
いられる。
ディスプレイなどの表示、指示に従ってユーザがコンピュータを対話的に処理することをインタラ
クティブ処理、リアルタイム処理という。
(出典
IT用語辞典e−words)
バナー広告
インターネット広告の一種。
WEBサイトに広告の画像(多くの場合は横長)を貼り、広告主のWEBサイトにリンクする手法。
インターネット広告としては最も広く用いられる手法である。
48
画像の表示回数に対して課金する方法(インプレッション保証型)のほか、実際にユーザがクリック
した回数に応じて課金する方法(クリック保証型)や、広告主のWEBサイトで実際に成約に至った件
数に対して課金する方法(成果保証型)など、様々な課金方法がある。
(出典
IT用語辞典e−words)
フォーマット形式
フォーマットとは、「形式」一般を表すことばである。
主に、記憶媒体における記録形式(および、その初期化)を指すことが多いが表示形式や書式、プ
ログラミング言語における文法規則など、幅広い意味で用いられている。
広義には入出力を行うデータ形式のこと。
フロントオフィスシステム
一般的には、マーケティング、営業、顧客サービスといった企業と外部とのインターフェース
部分における業務のことをフロントオフィス業務という。
一方、バックオフィス業務とは、生産管理、購買管理、在庫管理、人事給与といった企業内に
おけるいわゆる事務処理的な業務を指す。
電子自治体を取り巻く状況でこれらの用語が脚光を浴びたのは、2002 年 4 月 24 日経済財政
諮問会議における「フロントオフィス業務に加え、バックオフィス業務も、汎用性があるものは
共同化を伴うアウトソーシングを推進する」といった趣旨の片山総務大臣の発言。
電子自治体の中心となる「電子申請」を実現する上でも、フロントオフィス、バックオフィス
双方の BPR や電子化が必要となるが、この発言をきっかけに注目を集めた「共同利用(センタ
ー)
」についても併せて検討していく必要がある
(出典
電子行政用語集HITACHI)
ポート単位
インターネット上の通信において、複数の相手と同時に接続を行なうために IP アドレスの下に設
けられたサブ(補助)アドレス。
TCP/IP で通信を行なうコンピュータはネットワーク内での住所にあたる IP アドレスを持ってい
るが、複数のコンピュータと同時に通信するために、補助アドレスとして複数のポートを持っている。
ポートの指定には 0 から 65535 までの数字が使われるため、「ポート番号」とも呼ばれる。IP アド
レスとポートを組み合わせたネットワークアドレスを「ソケット」と呼び、実際にはデータの送受信
はソケット単位で行われる。
実世界の住所でたとえれば、マンションの所在地(「○○市××町 4-2-1 コーポ△△」)が IP アドレス
にあたり、部屋番号(「305 号室」)がポート番号に対応する。
(出典
IT用語辞典e−words)
マルチペイメントネットワークシステム
マルチペイメントネットワークとは、行政・民間サービスを受ける利用者が、公共料金や税金、行
政手数料などの納付金や、商品を購入したときの代金を自宅のパソコンや携帯電話、金融機関の ATM
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のどこからでも支払可能な電子決済インフラ。
利用者にとっては、24時間いつでも支払いが可能、現金の持ち運びが不要、振込用紙がなくても
支払い可能といったメリットがある一方、収納機関には、多彩な決済を利用することによる回収率向
上、収納決済情報の早期入手、消し込み作業の自動化、迅速な資金化といったメリットがある。
収納機関がマルチペイメントネットワークを利用する際には、マルチペイメント専用の通信サーバを
構築する必要がある。
これには相応の初期投資と運用保守コストが発生するが、収納機関に対し、民間企業が構築した通
信サーバを提供し、24 時間無停止の運用保守を行なうものもある。
UNIX
1968年にアメリカ AT&T 社のベル研究所で開発された OS。
C 言語というハードウェアに依存しない移植性の高い言語で記述され、またソースコードが比較的
コンパクトであったことから、多くのプラットフォームに移植された。
また学術機関やコンピュータメーカーの手によって、独自の拡張が施された多くの派生 OS が開発
され、現在では UNIX 風のシステム体系を持った OS を総称的に UNIX と呼ぶことが多い。
代表的なものだけでも、
Sun Microsystems 社の Solaris と SunOS、Hewlett Packard 社の HP-UX、
IBM 社の AIX、SGI 社(旧 Silicon Graphics 社)の IRIX、Caldera Systems 社(旧 Santa Cruz
Operations 社)の UnixWare、カリフォルニア大学バークリー校(UCB)の BSD と FreeBSD などの派
生 OS、Linus Torvalds 氏の Linux などがある。
商標としての UNIX は業界団体 The Open Group が所有しており、SPEC1170 と呼ばれる技術仕
様を満たした OS のみが、正式に「UNIX」を名乗れることになっている。
また、各 UNIX クローン OS 間の互換性を確保するため、国際標準化機構(ISO)によって、最低限
備えるべき技術仕様 POSIX がまとめられている。
UNIX は一般に、完全なマルチタスク機能を搭載し、ネットワーク機能や安定性に優れ、セキュリ
ティー強度が高いことで知られる。
また、1 台のコンピュータを複数の人間で同時に使用することを前提に設計されたマルチユーザ
OS であり、ネットワークを通じて端末機から作業をすることができる。
UNIX は学術機関や企業の研究所などを中心に広く普及しており、データベースなどの大規模なア
プリケーションソフトが豊富なことから、企業の基幹業務用のサーバとしても多く採用されている。
(出典
IT用語辞典e−words)
ユニバーサルデザイン
ノースカロライナ州立大学のユニバーサルデザインセンター所長であったロナルド・メイス
(1941-1998)が 1985 年に正式にペーパーで提唱した、バリアフリー概念の発展形。
「できるだけ多くの人が利用可能であるようデザインすること」が基本コンセプトである。
デザイン対象を障害者に限定していない点が一般に言われる「バリアフリー」とは異なる。
どうしてもユニバーサルデザインにできない場合は多様な選択ができること、付加・調整できるこ
と、それでも無理な場合のみバリアフリーにすることも必要である。
あるいは、生活必需品やみんなで使う公共空間や交通機関がすべてユニバーサルデザインであるな
50
らば、そもそもバリアフリーにする必要はない。
よって、「もともとバリアのない世界を最初から構築すること」を目指すのがユニバーサルデザイ
ンの真の狙いであり、バリアフリーはその世界への移行期間中における、あくまで臨時措置であるこ
とを作り手は認識しておくことが重要である。
ユニバーサルデザインを具体的に展開するためには、国民各層の「参画・連携・継続の仕組み(プ
ロセスとしてのユニバーサルデザイン)」が重要である。
そこでは、ひとりでも多くのひとの利用を念頭に、みんなでニーズや問題を調べ尽くし、考え抜き、
解をつむぎ出すこと、さまざまな特性をもった使い手と作り手の各種の事業者・行政との豊かなコミ
ュニケーション(コラボレーション)、ユニバーサルデザイン化への強い意志と地道で継続的な努力、
改善が大切である。
ユニバーサルデザインは「みんなをつなぐデザイン」でもある。
(出典
ウィキペディアフリー百科事典)
ユビキタスネットワーク
生活や社会の至る所で、何ら制約を受けず、自由に、ストレスなく、安心して利用できる情報通信
ネットワークや通信サービスの環境のこと。
総務省「情報通信白書(平成 16 年版)」によれば、「『いつでも、どこでも、何でも、誰でもアク
セスが可能』なネットワーク環境」と定義しており、ユビキタスコンピューティングと同義で使われ
ることもある。
ユビキタスネットワークが実現することで、コンピュータだけでなく、テレビ、冷蔵庫、洋服や本
などさまざまなモノと人、またはモノ同士がつながりやすくなる。これにより、誰でも場所を問わず
手軽に情報を引き出せ、互いに通信し合うことで生活や経済が円滑に進む社会が想定されている。
ユビキタスネットワークを実現するには、通信環境と、人やモノが情報にアクセスすることを容易
にするユビキタスツールのそれぞれにおいて、その発展と普及が必要とされている。
通信環境としては、ADSL や光ファイバー(FTTH)などのブロードバンドネットワークや、携帯電
話などの無線によるモバイルネットワークが挙げられる。
また、ユビキタスツールとしては、IC タグや情報家電、および自動車・住宅・オフィス・工場な
どに備えるセンサーや通信機などの各種情報機器が挙げられる。
中でも IC タグは、公共図書館などの住民の利便性向上の用途だけでなく、庁舎内の備品設備など
の管理といった内部業務の改善に至るまで幅広い活用が期待されている。
総務省の「平成 17 年度
ICT 政策大綱」によると、真のユビキタスネット社会の実現に向けて、
利用者の不安など多く残されている課題に取り組むべく、u-Japan 構想および政策パッケージの策定
が予定されている。
(出典
電子行政用語集HITACHI)
ルーティング
TCP/IP ネットワークにおいて、目的のホストまでパケットを送信するとき、最適な経路を選択し
て送信すること。
ネットワークの境界で、外部からのパケットを自分のネットワークにあるホストへ転送したり、自
51
分のネットワークからのパケットを別のネットワークへ転送したりすることもルーティングと言う。
ルータと呼ばれる機器がこの役目を担っている場合が多い。
ルーティングは経路の情報をあらかじめネットワーク機器に設定しておくスタティックルーティ
ングと、経路情報を動的に更新するダイナミックルーティングとにわかれる。
(出典
IT用語辞典e−words)
レイヤ2スイッチ
ネットワークの中継機器の一つで、OSI 参照モデルのデータリンク層(第 2 層)のデータでパケット
の行き先を判断して転送を行なうもの。
データリンク層のプロトコルには Ethernet などで馴染み深い MAC(メディアアクセス制御)があ
り、MAC アドレスを見てデータ行き先を決定する Ethernet の中継装置をスイッチングハブという。
IP や TCP、HTTP などのプロトコルはネットワーク層(第 3 層)以上に位置するため、レイヤ 2 ス
イッチはこうしたプロトコルの違いを気にせず使用できる。
(出典
IT用語辞典e−words)
レイヤ3スイッチ
ネットワークの中継機器の一つで、OSI 参照モデルのネットワーク層(第 3 層)のデータでパケット
の行き先を判断して転送を行なうもの。
ネットワーク層のプロトコルとしては使われるのは IP がほとんどであるため、レイヤ 3 スイッチ
の多くも IP の情報や機能を利用して経路制御を行なう。
レイヤ 3 スイッチは、IP アドレスによる経路制御、ルーティング機能(RIP、OSPF、BGP など)
を使用して、パケットを目的の IP アドレスに対応する出力ポートに転送する。
同じくネットワーク層レベルで処理を行う個人・SOHO 向けのルータは IP のみをサポートするが、
レイヤ 3 スイッチでは多数のプロトコルをサポートしているものがある。
また、プロトコル別にルーティング制御を行なうことができる機器もあり、1 つのレイヤ 3 スイッ
チで複数のネットワークを形成することができる。
レイヤ 3 スイッチはハードウェアレベルでルーティング処理を行っているため、ルーティング速度
は接続している回線のスピードと同等となり、ルータと比べて桁違いに高いスループットが得られる。
レイヤ 3 スイッチという名称は OSI 参照モデルによる分類を根拠としているが、詳細な機能は製
品によって大きく異なる。
高機能なレイヤ 3 スイッチでは、ルータと同等のフィルタリング機能(トランスポート層以上の層
に関しても処理する)などを有するものもある。
また、カットスルールーティング(ネットワーク層レベルの中継処理を ATM・Ethernet のスイッ
チング動作に置き換えること)のみを行なう機器もある。
レイヤ 3 スイッチは主に企業の基幹ネットワークなど、複数のサブネットを連結する大規模なシス
テムのルーティングに使用されている。
(出典
52
IT用語辞典e−words)
レガシーシステム
企業などにおいて新規に開発・導入する情報システムに対して、それ以前から利用している既存の
システムのこと。
特にクライアント/サーバシステムやWEBシステムに対して、メインフレームやミニコン、オフ
コンなどによって構築されたシステムをいうことが多い。
一時は「レガシーシステム」といえば時代遅れとなった古いシステムであり、新しいアーキテクチ
ャのシステムに更新すべきという論調が強かったが、近年はレガシーシステムは重要な“情報資産”
であり、新規システムと連携・統合させ、いかにこれを有効活用すべきかといった形で論じられるこ
とが多くなっている。
(出典
@IT情報マネジメント)
ワーム
自己増殖を繰り返しながら破壊活動を行なうプログラム。
以前は CD-ROM やフロッピーディスクなどに潜伏して感染するものが主流だったが、近年ではイ
ンターネットの普及により、電子メールなどを介して爆発的な速度で自己増殖するものが出現し、問
題となっている。
「ワーム型ウイルス」としてコンピュータウイルスの一種とする場合もあるが、他のプログラムに
寄生するわけではなく単独で活動する点や、スクリプト言語やマクロなどの簡易的な技術で作成され
る点など、(狭義の)コンピュータウイルスとは異なる。
作成が容易であることから亜種の登場も早く、その種類は急増している。
代表的なワームとしては「LOVE LETTER」や「Happy99」がある。
(出典
53
IT用語辞典e−words)
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