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新型インフルエンザ対策マニュアル
平成 平成2 24年1月改訂 川口市水道局 目 次 1 はじめに 1 2 発生段階の分類について 2 3 組織 3 4 発生段階別の対応 4 4.1 カテゴリーA 5 4.1.1 未発生期の対応 6 4.1.2 海外発生期の対応 6 4.1.3 国内発生期の対応 8 4.1.4 県内市内発生期・市内感染拡大期の対応 8 4.1.5 小康期の対応 9 4.2 カテゴリーB 10 4.2.1 未発生期の対応 11 4.2.2 海外発生期の対応 11 4.2.3 国内発生期の対応 11 4.2.4 県内市内発生期 11 4.2.5 市内感染拡大期の対応 12 4.2.6 小康期の対応 12 5 事業継続計画 14 5.1 計画全般 14 5.2 優先業務等の選定 14 5.3 業務対応方針に基づく担当業務 17 5.4 業務継続のための縮小計画 18 5.5 要員の確保 18 5.6 委託企業等との連携体制の整備 19 5.7 必要な物資の確認、確保等 19 5.8 利用者への情報提供 19 別紙 ■資料1 新型インフルエンザ連絡網 ■新型インフルエンザ流行期における課別業務縮小表 (非常時体制への移行プロセス表) ■必要な物資等の確保リスト ■健康状態及び疾病リスクチェックリスト 1. はじめに 平成17年12月、関係省庁対策会議により、「新型インフルエンザ対策行動 計画」が「WHO世界インフルエンザ専門事前対策計画」に準じて策定された。 また、平成19年3月には、新型インフルエンザ専門家会議により「新型インフ ルエンザガイドライン」が策定され、その中で「事業者・職場における新型イン フルエンザ対策ガイドライン」を始めとする13のガイドラインが示された。 厚生労働省健康局水道課では、新型インフルエンザの流行時においても、水道 事業者が社会機能維持者として、安全確保を前提とし、水道水を安定的に供給し ていく必要があることから、平成19年10月に水道事業者がとるべき対応等に ついて、「水道事業者等における新型インフルエンザ対策ガイドライン」として とりまとめた。 これを踏まえ、川口市水道局でも、社会機能維持者として取るべき対応を可視 化し、業務手順書を整え、咳エチケットの励行、並びに、庁内のトイレ及び執務 室にアルコール消毒液等を設置し、予防保全に努めてきたところである。 また、平成21年2月には、「新型インフルエンザ対策行動計画」及び「新型 インフルエンザガイドライン」の改訂等が行われたこと等を踏まえ、また、「水 道事業者等における新型インフルエンザ対策ガイドライン」が改訂されたことも あり、直ちに業務手順書を見直し、種々の対策を立て、予防保全を強化した。そ して、平成19年度から取り組んできた川口市水道局の対策を検証し、社会機能 維持者としての責務をさらに高次元で達成できるよう平成21年5月にマニュ アルとして編成した。 その後、厚生労働省では、平成22年3月に設置された「新型インフルエンザ (A/H1N1)対策総括会議」による提言(平成22年6月10日付け報告書) を踏まえ、国の行動計画を見直すこととし、平成23年9月に改訂を行った。埼 玉県においても、国の行動計画との整合性を図りつつ、従前の行動計画における 高病原性の新型インフルエンザへの対応に加え、重症度に応じた柔軟な対策を実 施できるよう、平成23年2月「埼玉県新型インフルエンザ対策行動計画」を全 面的に見直した。また、平成23年11月に「川口市新型インフルエンザ対策行 動計画」においても、国及び県の行動計画に沿って見直しを図った。 以上のことを踏まえ、川口市水道局においても、本マニュアルの一部を改訂す ることとした。 1 2. 発生段階の分類について 改訂前は、平成21年2月厚生労働省「水道事業者等における新型インフル エンザ対策ガイドライン」及び改訂「新型インフルエンザ対策行動計画」におけ る発生段階の分類を踏まえ、川口市水道局でも「新型インフルエンザ対策マニュ アル」策定し、行動計画を示した。 しかし、平成23年9月に、国の「新型インフルエンザ対策行動計画」が改 訂されたことを受け、平成23年2月には県の行動計画、平成23年11月には 市の行動計画が改訂された。この改訂の中で、発生分類が一部細分化したため、 川口市水道局における行動計画も、下記の通り細分化を図った。 今後、この分類に準拠し行動計画を実施するものとする。 発生段階 未発生期 レベルⅠ (海外発生期) レベルⅡ (国内発生期) レベルⅢ (県内・市内発生期) レベルⅣ (市内感染拡大期) 小康期 状 況 新型インフルエンザが発生していない状態 海外において新型インフルエンザが発生した状態 国内において新型インフルエンザが発生した状態 県内・市内・近隣地域において新型インフルエンザが発生した状態 市内において新型インフルエンザが拡大している状態 患者の発生が減少し、低い水準でとどまっている状態 2 3. 組織 水道局は、社会機能維持者1であることから、新型インフルエンザ流行時にお いても安全確保を前提として水道水を安定的に供給する使命を達成するため、川 口市水道局新型インフルエンザ対策会議を設置し、適時適切な対策を実施する。 本庁の組織 ① 川口市新型インフルエンザ対策本部 市長を本部長として設置し、新型インフルエンザが発生した場合において、必要があると認めるときに 開設し、総合的な対策を実施する。 関係各部局の部(局)長を本部員とする。 ② 川口市新型インフルエンザ対策推進部会 副市長(健康増進部担当)を部会長として設置し、新型インフルエンザ感染が疑われる状態及び確認さ れた状態の場合に招集開催し、情報収集・提供等について実施する。 軽微な行動計画の改定について協議する。 関係各部局の課長を部会員とする。 ライフラインを維持する者。新型インフルエンザの1つの波の流行期間と考えられる 約2箇月の間機能停止するようなことがあれば、国民生活が破たんする恐れが生じる。 1 3 4. 発生段階別の対応 埼玉県の従来の行動計画は、鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザ を念頭に置いて策定したものであり、平成21年の新型インフルエンザ(A/H 1N1)とでは健康被害の程度が異なり、適合しない点が多かった。 そこで、県は、重症者の発生割合等に応じた柔軟な対応をするため、重症度区 分(カテゴリー)を設定した。 川口市行動計画も県の行動計画に則り、重症度区分(カテゴリー)別の対策を 講じており、本マニュアルもこの対策をもとに再編した。 【重症度区分】 重症度区分 重症者 (カテゴリー) の割合 過去の経験・参考例 スペインインフルエンザ(1918) A 高 鳥インフルエンザ(H5N1)由来の重篤な新型インフルエ ンザ B 低 新型インフルエンザ(H1N1)2009 香港インフルエンザ(1968) 4 4.1 カテゴリーA 項目 未発生期 新型インフルエンザ発生段階別の対応 レベルⅠ レベルⅡ (海外発生期) (国内発生期) レベルⅢ レベルⅣ (県内・市内 発生期) (市内感染 拡大期) 小康期 情報連絡体制等 対策会議設 対策会議 対策会議の 置に向けた の設置 設置 準備 情報連絡 情報連絡体 情報連絡体 体制の 整 制の整備に 制の構築 備 向けた準備 情報収集 情報収集 計画全般 計画策定 事業継続計画 優先業務 優先業務の の選定 検討 ・優先業務の絞り込 み ・水質監視体制の強 化 ・不要不急の外出等 の中止 ・窓口業務の縮小等 要員の 確 要員 リ ス ト 保 の作成 要員確保の開始 委託企業 委託企業と 等 と の 連 の連携体制 携 整備 ・ 浄水施設 における物 必要 な 物 資の確認、 資の確保 確保 ・マスク等 の備蓄 ・ 利用者へ 利用者へ の情報提供 の 情報提 の準備 供 ・ 想定問答 の作成 職員の感染予防措置等 職員に対す 感染予防 る 措置 教育、普及 啓発 職員が 罹 服務関係の 患した 場 整理 合の対応 対策の評 価 業務再開 に 向け た 検討 計画実行 委託企業等との連携 水道水の安全性に関 する情報提供、問合 わせ対応 ・職員への 情報提供 ・咳エチケッ トの徹底 ・海外渡航 中止 ・職員の相談窓口の 設置 ・マスク等の装着等の 義務付け等 職員への指導等 5 機能維持の ための 要員 確保 要員の 再検討 4.1 カテゴリーA 4.1.1 未発生期の対応 (1) 情報連絡体制の整備等 川口市水道局において、新型インフルエンザの発生後的確かつ迅速な対 応を図るための対策会議の設置に向けた準備及び情報連絡体制の整備を 行うものとする。 情報連絡体制には、川口市保健部局、産業医、委託業者及び厚生労働省、 県生活衛生課を含めた『資料1 新型インフルエンザ連絡網』を用いる。 なお、対策会議や情報連絡体制がより有効に機能するよう、災害対策訓 練等に併せて、必要に応じた情報伝達訓練等を実施する。 (2) 事業継続計画の策定 水道事業者における新型インフルエンザを対象とした事業継続計画は、 災害、水質事故、テロ等の危機管理マニュアルと共通する要素もあること から、各対策との相違点も踏まえた上で、供用できる計画を策定する。以 下、5 で事業継続計画を示し、浄配水場施設における物資の確保及びマス ク等の備蓄を行う。 (3) 職員の感染予防措置等 新型インフルエンザ対策に対する職員の意識を高め、発生時に的確な行 動をとることができるよう、新型インフルエンザの基礎知識、感染防止策 の研修等を実施し、職員に対する教育、啓発を図る。 4.1.2 レベルⅠの対応(海外発生期) (1) 川口市水道局新型インフルエンザ対策会議の設置 状況に応じて、川口市水道局新型インフルエンザ対策会議を設置し、川 口市新型インフルエンザ対策本部等において収集した新型インフルエン ザに関する情報の一元化、共有を図る。 6 (2) 情報連絡体制の整備等 川口市新型インフルエンザ対策本部等から入手した情報は、局内で迅速 に共有し、職員に周知するとともに、委託企業等に対しても情報提供を行 う。 (3) 事業継続計画の確認 5 で示す事業継続計画について再確認し、準備する。 (4) 職員の感染予防措置等 職員に対して、新型インフルエンザの感染予防対策に関する情報提 供を行い、うがい・手洗いを日常的に励行し、「咳エチケット」を心 掛け、健康状態の自己把握に努めるよう、意識啓発を図る。 参考 「咳エチケット」とは 風邪などで咳やくしゃみがでる時に他人にうつさないためのエチケットである。 感染者がウィルスを含んだ飛沫を排出して周囲の人に感染させないように、咳エチケットが徹底 することが重要である。 (目的) ・咳、くしゃみによる飛沫感染防止策 (効果) ・咳エチケットによって感染者の排泄する飛沫の拡散を防ぐことができる。 (方法) ・咳やくしゃみの際は、ティッシュなどで口と鼻を被い、他の人から顔をそむけ、できる限り1∼2m 以上離れる。ティッシュなどがない場合は、口を前腕部で押さえて、極力飛沫が拡散しないように する。前腕部で押さえるのは、他の場所に触れることが少ないため、接触感染の機会を低減する ことができるからである。呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュは、すぐにゴミ箱に 捨てる。 ・咳やくしゃみをする際に押さえた手や腕は、その後直ちに洗うべきであるが、接触感染の原因に ならないよう、手を洗う前に不必要に周囲に触れないよう注意する。手を洗う場所がないことに備 えて、携行できる速乾性擦式消毒用アルコール製剤を用意しておくことが推奨される。 ・咳をしている人にマスクの着用を積極的に促す。マスクを適切に着用することによって、飛沫の 拡散を防ぐことができる。 ※「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(平成21年2月策定)より 7 4.1.3 レベルⅡの対応(国内発生期) (1) 情報連絡体制の整備等 水道総務課(経営企画係)において収集した新型インフルエンザに関す る情報を、川口市水道局新型インフルエンザ対策会議において一元化、共 有を図る。 (2) 事業継続計画の実行 流行期に移行した場合において、ライフライン機能を維持する観点から、 国内発生早期の段階から 5 で示す事業継続計画に基づき、各種対策を実行 する。また、必要に応じて要員の確保等を開始する。 (3) 職員の感染予防措置等 ① 職員の感染予防強化 新型インフルエンザに関する職員からの問い合わせに対応する相談 窓口等を設置するとともに、職員への意識啓発を強化する。 ② 感染予防器具等の使用 うがい薬及び消毒液の使用を徹底するとともに、マスク等の物資を対 象となる職員に配布し、感染予防用具等の装着及び使用を義務づける。 ③ 職員の状況把握 「健康状態及び疾病リスクチェックリスト」により、毎週月曜日午前 10時までに、水道総務課あて、確認結果を報告する。 ④ 職員が罹患した場合の対応 職員またはその家族が新型インフルエンザの感染について疑われる 症状がある場合は、川口保健所(TEL048-262-6111)又は、県発熱相談 センター(TEL048-830-3572)に連絡し、その指示に従うよう指導する。 当該職員に対しては、別記様式による感染症状の報告を義務付けるこ ととし、必要に応じ川口市新型インフルエンザ対策本部と情報共有を行 うものとする。 4.1.4 レベルⅢ・Ⅳの対応(県内市内発生期・市内感染拡大期) (1) 情報連絡体制の整備等 川口市水道局新型インフルエンザ対策会議において、引き続き、情報の 一元化、共有化を図る。 8 (2) 事業継続計画の実行 引き続き、事業継続計画に基づいて、各種対策を実行する。 (3) 職員の感染予防措置 引き続き、職員の感染予防強化及び職員が罹患した場合の対応を進める。 4.1.5 小康期の対応 (1) 情報連絡体制の整備等 川口市水道局新型インフルエンザ対策会議において、引き続き、情報の 一元化、共有化を図る。 (2) 事業継続計画の実行 引き続き、事業継続計画に基づいて、各種対策を実行する。 (3) 職員の感染予防措置 引き続き、職員の感染予防強化及び職員が罹患した場合の対応を進める。 9 4.2 カテゴリーB 項目 未発生期 新型インフルエンザ発生段階別の対応 レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ (海外発生期) (国内発生期) (県内・市内発生期) レベルⅣ (市内感染拡 大期) 小康期 情報連絡体制等 対策会議設 対策会議 対策会議の 置に向けた の設置 設置 準備 情報連絡 情報連絡体 情 報連 絡 体 体制の 整 制の整備に 制の構築 備 向けた準備 情報収集 情報収集 計画全般 計画策定 優先業務 優先業務の の選定 検討 計画実行 ・水質監視体 制の強化 ・不要不急の 外 出等 注 意 喚起 ・窓口業務の 縮小等検討 事業継続計画 要員の 確 要員 リ ス ト 保 の作成 要員確保の開始 委 託企 業等 との連携 水道水の 安全性 に 関す る情報提 供、問合わせ対応 職員の感染予防措置 等 委託企業 委託企業と 等 と の 連 の連携体制 携 整備 ・ 浄水施設 における物 資やマスク 必要 な 物 等の備蓄の 資の確保 確認・確保 ・マスク等 の備蓄 ・ 利用者へ 利用者へ の情報提供 の 情報提 の準備 供 ・ 想定問答 の作成 ・優先業務の絞り 込み ・水質監視体制の 強化継続 ・不要不急の外出 等の中止 ・窓口業務の縮小 等実施 ・職員への 情報提供 職員に対す 感染予防 ・咳エチケット る教育、普 措置 の徹底 及啓発 ・海外渡航 注意喚起 職員が 罹 服務関係の 職員へ の 指 患した 場 整理 導等 合の対応 10 ・職員の相談窓口 の設置 ・マスク等の装着 等の義務付け等 ・海外渡航中止 対策の 評価 業務再 開に向 けた検 討 機能維持 要員の のための 再検討 要員確保 4.2 カテゴリーB 4.2.1 未発生期の対応 (1) 情報連絡体制の整備等 カテゴリーAの未発生期の対応と同様とする。 (2) 事業継続計画の策定 カテゴリーAの未発生期の対応と同様とする。 (3) 職員の感染予防措置等 カテゴリーAの未発生期の対応と同様とする。 4.2.2 レベルⅠの対応(海外発生期) (1) 川口市水道局新型インフルエンザ対策会議の設置 カテゴリーAのレベルⅠの対応と同様に、状況に応じて、川口市水道局 新型インフルエンザ対策会議を設置し、川口市新型インフルエンザ対策本 部等において収集した新型インフルエンザに関する情報の一元化、共有を 図る。 (2) 情報連絡体制の整備等 カテゴリーAのレベルⅠの対応と同様とする。 (3) 事業継続計画の確認 5 に示す事業継続計画について再確認し、準備する。 (4) 職員の感染予防措置等 カテゴリーAのレベルⅠの対応と同様に、職員への情報提供、咳エチケ ットの徹底を図る。また、海外渡航の注意喚起を促す。 4.2.3 レベルⅡの対応(国内発生期) (1) 情報連絡体制の整備等 レベルⅠの対応を継続する。 (2) 事業継続計画の実行 11 流行期に移行する場合に備えて、ライフライン機能を維持する観点から、 国内発生早期の段階から 5 で示す事業継続計画に基づき、各種対策を実行 する。また、不要不急の外出等注意喚起、窓口縮小等を検討する。 (3) 職員の感染予防措置等 レベルⅠの対応を継続する。 4.2.4 レベルⅢの対応(県内市内発生期) (1) 情報連絡体制の整備等 レベルⅠの対応を継続する。 (2) 事業継続計画の実行 5 に示す事業継続計画に基づいて、各種対策を実行する。また、優先業 務の絞り込み、不要不急の外出等の中止、窓口業務の縮小等実施、要員確 保を開始する。 (3) 職員の感染予防措置 カテゴリーAのレベルⅡの対応と同様とし、職員の感染予防強化及び職 員が罹患した場合の対応を進める。 4.2.5 レベルⅣの対応(市内感染拡大期) (1) 情報連絡体制の整備等 レベルⅠの対応を継続する。 (2) 事業継続計画の実行 引き続き、5 に示す事業継続計画に基づいて、各種対策を実行する。ま た、要員を確保する。 (3) 職員の感染予防措置 引き続き、職員の感染予防強化及び職員が罹患した場合の対応を進める。 4.10 小康期の対応 (1) 情報連絡体制の整備等 12 川口市水道局新型インフルエンザ対策会議において、引き続き、情報 の一元化、共有化を図る。 (2) 事業継続計画の実行 引き続き、事業継続計画に基づいて、各種対策を実行する。 (3) 職員の感染予防措置 引き続き、職員の感染予防強化及び職員が罹患した場合の対応を進め る。 13 5. 事業継続計画 5.1 計画全般 新型インフルエンザを対象とした事業継続計画は、災害、水質事故、テロ等 の危機管理マニュアルと共通する要素もあると考えられる。「事業者・職場に おける新型インフルエンザ対策ガイドライン」(平成21年2月策定)では、 事業継続計画における地震災害と新型インフルエンザの相違点として、次表の とおり示されていることから、各対策との相違点を踏まえた上で、検討、策定 を行う。 事業継続計画における地震災害と新型インフルエンザの相違 項目 事業継続方針 被害の対象 地理的な影響範囲 被害の期間 災害発生と被害予測 地震被害 新型インフルエンザ ・できる限り事業の継続、早期復旧 ・感染リスク、社会的責任、経営面 を図る を勘案し、事業継続レベルを決める ・主として、施設、設備等社会イン ・主として、人に対する被害が大き フラへの被害が大きい い ・被害が地域的、局所的(代替施設 ・被害が国内全域、全世界的となる での操業や取引業者間の補完が (代替施設での操業や取引業者間 可能) の補完が困難) ・過去事例等からある程度の影響 ・長期化すると考えられるが、不確 想定が可能 実性が高く影響予測が困難 ・主に兆候なく突発する ・海外で発生した場合、国内発生ま ・被害量は事後の制御不可能 での間、準備が可能 ・被害量は感染防止策により左右さ れる 事業への影響 ・事業を復旧すれば業績回復が期 ・集客施設等では長期間利用客等 待できる が減少し、業績悪化が懸念される (「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(平成21年2月策定)より) 5.2 優先業務等の選定 新型インフルエンザを対象とした事業継続計画は、新型インフルエンザ流行期 における業務対応方針に基づき策定する。 14 新型インフルエンザ流行期における業務対応方針 Ⅰ 基本方針 流行の状況に応じた適切な経営の継続 Ⅱ 基本項目(最優先課題) 1 安全な水質を安定的に給水し続ける 2 職員の健康と生活を確保する 3 関係企業等に迷惑をかけない 4 その他基本的公務の遂行 Ⅲ 最優先実施事項及び実施体制 0 流行状況に応じた経営意思決定 ① 意思決定会議実施 ② 職員罹患状況に応じた人員配置 ③ 市長・副市長、議会対応 ④ 市民への情報伝達 1 安全な水質を安定的に給水し続ける (1) 浄配水場の安定運転 ① 原水の確保 ② 施設・機器機能の維持管理 ③ 薬品の安定確保 ④ 水質検査 (2) 管路機能の確保 ① 配水本管・支管の維持管理 ② 大規模漏水の監視・修理 2 職員の健康と生活を確保する (1) 安全衛生の確保 ① 職員の健康状態の点検 ② 外部感染情報のモニタリング ③ 感染拡大の防止措置 (2) 生活原資の支給 ① 給与・賞与の計算 ② 給与・賞与の支払い 15 3 関係機関等に迷惑をかけない (1) 債務の履行 ① 請求への遅滞ない支払 ② 預かり金の納付(特別徴収分等) (2) 債権の回収 ① 水道料金の収納振替 (3) 法定検査の履行 ① 例月出納検査 4 その他基本的公務の遂行 (1) 各種申請書類の受付業務 (2) 庁舎管理 (3) 各課の庶務業務 (4) 各課の経理業務 Ⅳ 実施体制 1 集中管理可能な業務 → パンデミック対応チームを編成 内部管理グループ/庶務・業務グループ/経理グループ 2 専門管理が必要な業務 → 専門チームを編成 工務グループ/浄配水グループ 16 5.3 業務対応方針に基づく担当業務 新型インフルエンザ流行期における業務対応方針に基づく、各チーム及びグル ープの担当業務は下表のとおりとする。 区分 パンデミック 対応チーム 内部管理グループ (2 名) 担当業務 実施方針 事務分掌上の項目 1 局内連絡調整に関すること 緊急事項のみ対応 2 議会に関すること 緊急事項のみ対応 3 本庁舎事務連絡 緊急事項のみ対応 4 安全衛生委員会 緊急事項のみ対応 5 新型インフルエンザ対策会議 通常 事務分掌上の項目 1 部の人事・服務に関すること 緊急事項のみ対応 2 施設・公用車事故に関すること 緊急事項のみ対応 パンデミック 3 公印管理 通常 対応チーム 4 局内全課の庶務(文書処理、メール管理等) 緊急事項のみ対応 庶務・業務グループ (3 人) 5 6 給水装置工事に係る事前協議及び設計・申請・諸 手続き又は例規に関すること 工事に伴う仕様、掘削等の占用許可申請に関する こと 7 給水台帳の検印後、営業管理室へ送付 受付のみ対応 受付のみ対応 通常 事務分掌上の項目 パンデミック 対応チーム 経理グループ (4 人) 1 部職員の給与・税に関すること 仮払いのみ実施 2 工事及び委託業務の経理事務に関すること 支払いのみ対応 3 物品の購入事務に関すること 緊急事項のみ対応 4 物品の経理事務に関すること 支払いのみ対応 5 工事材料及び量水器の経理事務に関する事務 支払いのみ対応 6 局内全課の経理に関すること 支払いのみ対応 7 水道事業会計の予算編成、執行管理事務に関する こと 緊急事項のみ対応 8 例月出納検査に関すること 通常 9 日計表、収入伝票、支出伝票の確認に関すること 通常 17 専門チーム 10 振替伝票(収入・支出伝票)の審査に関すること 通常 11 金銭(小切手の振出等)の出納管理に関すること 通常 12 水道料金の収納振替に関すること 通常 13 水道事業の起債に関すること 緊急事項のみ対応 事務分掌上の項目 1 工務グループ (3 名) ※管工事協と連携 給配水施設の維持管理及び企画、調査修繕に関 すること 緊急修繕のみ実施 2 消火栓の維持管理に関すること 緊急修繕のみ実施 3 給配水装置の漏水修理 緊急修繕のみ実施 事務分掌上の項目 専門チーム 浄配水グループ 1 水質検査業務に関すること 通常 2 運転管理業務の遂行確認に関すること 通常 3 (3 名) ※㈱ウォーターエージュン シーと連携 4 浄配水場及び取水井の設備・機器の故障・不具合 の対処に関すること 浄配水場及び取水井の設備・機器の修繕に関する こと 緊急事項のみ対応 緊急事項のみ対応 5 浄配水場の県水受水に関すること 通常 6 薬品の貯蔵・取扱に関すること 通常 7 鍵の管理に関すること 緊急事項のみ対応 5.4 業務継続のための縮小計画 新型インフルエンザ流行期における業務継続のための計画は、別に定める課別 業務縮小表(非常時体制への移行プロセス表)によるものとする。 5.5 要員の確保 新型インフルエンザの感染拡大により、浄水場等の運転管理業務をはじめとし た要員の不足が生じる恐れが高まった場合は、災害時支援協力員への協力を、水 道総務課において要請する。 18 5.6 委託企業等との連携体制の整備 現に委託を行っている業務については、受託企業との連携により業務停止を 防ぐよう努めるとともに、適切な時期に懇談会等を開催し、危機管理体制のパー トナーシップを強固なものとする。 5.7 必要な物資の確認、確保等 新型インフルエンザが発生した場合、薬品等の物資の調達が困難になることが 予想されることから、別に定める様式により、必要な物資等を確保するとともに、 納入企業との連携体制を構築する。 5.8 利用者への情報提供 新型インフルエンザが発生した場合において、利用者に対して水道水に対する 不安を抱かせることがないよう、次のとおり情報提供を実施する。 また、利用者からの問い合わせに対して、的確に対応できるようにするため、 新型インフルエンザに関する想定問答を作成する。 (1) 提供方法 水道局ホームページにより、水道水の安全を広報する。 (2) 提供内容 「新型ウィルスは、水中内では不活化(感染力を失う)することや塩素 消毒効果が期待できることから、水道水での感染の危険性はなく“水道水は まず安全”です。 19 平成24年1月 川口市水道局