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中小企業における 事業承継の実態と求められる支援のあり方

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中小企業における 事業承継の実態と求められる支援のあり方
中小企業における
事業承継の実態と求められる支援のあり方
株式会社 国際後継者フォーラム
代表取締役 二条 彪
Copyright: takeshi nijou
●こんな経営者が危ない!!①
会社を破綻させ事業承継に失敗する経営者に共通していること
・自分の気持ちを素直に言えない
・相手によって接する態度を変えてしまう
・人の話を聞くより話すほうが好きだ
・他人からアドバイスをもらっても実行になかなか移せない
・奥さんとうまくいっていなく,家庭が崩壊している
・すぐ安請け合いしてしまい,騙されることが多い
・嘘も方便 自分のために嘘をよくつく
・自分のイメージどおりに事が進まないとすぐ怒る
・自分が一番偉いと思っている
・ここまでやってきたのは自分の実力だと思う
・社員をなかなか褒めることができない
・倒産しても自分を拾ってくれる会社はいくらでもあると思う
・何をアドバイスしても「それはもうやった」と拒否してしまう
・自分がいないと会社は潰れると思う
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Copyright: takeshi nijou
●こんな経営者が危ない!!②
会社を破綻させ事業承継に失敗する経営者に共通していること
・決算書が読めない 数字は苦手だ
・運転資金と設備資金の違いがわからない
・経営が上手くいかないのは、お金がないからだと思う
・ ITはさっぱりわからない
・事業計画など作ったことがない
・経理を奥さんに任せきりで自分は経理について何も知らない
3
Copyright: takeshi nijou
●後継者が失敗する原因
①継いだ後も,自分は特に何もしなくても会社は大丈夫だと思う。
②継いだ財産を有効活用して,ドンドン新規事業を立ち上げたい。
③何か新しいことをしていないと不安になる。
④まずは,親父を超えることが目標である。
⑤親父よりも自分のほうが経営者として「できる」と思う。
⑥地道にコツコツやることは,苦手だ。
⑦創業経営も後継経営も,要は同じだと思う。
⑧後継社長として,早く実績を上げないといけないと思う。
⑨後継者は,親父の作った会社を倍の大きさにして当たり前だ。
⑩親父とは意見が合わないから,口も利きたくない。
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Copyright: takeshi nijou
●後継者の悩みベスト5とは?
第1位 「先代がなかなか引退しない!!」
第2位 「先代と喧嘩ばかり。折り合いが悪い」
第3位 「会社にいる年上や古株の社員とうまくいかない」
第4位 「会社にいる親族(おじさんおばさん)をどうすればいいか?」
第5位 「継ぐべきかどうか,迷っている・・・」
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Copyright: takeshi nijou
●後継者が成功するか
失敗するかは,先代にかかっている
●先代の対応のまずさで失敗する例
・いつまでも引退しない
・任せるといって口を出さずにいられない
・金庫をいつまでも渡さない
・自分の番頭を後継者につかせてしまう
・兄弟,親族の争いの火種を消せない
・株主構成に無頓着
・自分と後継者を比較してしまう
などなど
後継者だけでやるには荷が重過ぎる
先代の露払い・舞台作りが必要である
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Copyright: takeshi nijou
●先代のうまい対応の一例
・自分のノウハウを5年以内で移植している
・アドバイザーに徹して,自分から出て行かない
・兄弟,親族の性格を把握して将来の不安を取り除く
・自分の財産を明らかにして無用な争いを未然に防ぐ
・名義株問題を片付ける
などなど
●事業承継に成功している先代に共通していること
・後継者を認める=褒める,けなさない
・「潰しても構わない」と伝えている
・社員に社長が交代したことをきちんと伝えている
7
Copyright: takeshi nijou
●伝えておきたい先代社長の帝王学①
・金の流れの教育(資金繰り教育)
・先代社長しかわからない勘定科目の整理
・自社株問題をクリアにしておく
・借金・貸付金・担保・連帯保証人についての話し合い
・経営者の視点からの従業員アセスメント・関係先アセスメント
・財産目録(隠し財産も明らかに・・)
・保険は大切です
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Copyright: takeshi nijou
●伝えておきたい先代社長の帝王学②
・未解決の問題リスト
・人との接し方(オンオフ含めて)
・お金の使い方(使う金・削る金の区別)
・物の仕入れ方
・宝の人脈リスト(自分に万が一あった時に相談にいくべき人達)
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Copyright: takeshi nijou
●バトンを渡す社長に求められること
●次の世代のために何ができるか?(私の人生は次の世代のためにある)
●信じる
●恥と思う心
●引退準備は最低10年かかる
●失敗談を伝える
●頼れる友を紹介しておく
●お金の使い方を教える
●社長の美学
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Copyright: takeshi nijou
●バトンを受け取る後継者に求められること
●勇気
●やるかやらないか,はっきりさせる(腹の括り方)
●私にできることはないか?
●葛藤を抱え,あなたの社長人生は終わる
●想像力
●基礎学習の徹底
向学心
精神論偏重の後継者成長ライン
+
素直さ
心構え
知識・スキル
高
理想の後継者成長ライン
裏付け補強
行動
気づき・自己解釈・意味付け
応用力
知識偏重の後継者成長ライン
低
低
後
継
者
の
成
長
フ
ロ
ー
高
修正能力
知識・スキル
心構え
財務
向学心
想い
理念
コミュニケーション + リスクマネジメント
マーケティング
素直さ
知識・スキル
-11-
仲間から
の刺激
仲間から
の刺激
経
営
者
と
し
て
の
勘
修
正
を
可
能
と
す
る
力
業
績
向
上
具
体
的
な
成
果
Copyright: takeshi nijou
●みんなで考える事業承継
●事業承継は,社長と後継者だけの問題ではない,株主の問題だけでもない
●バトンを渡す社長と受け取る後継者が揃って話し合う場を作る
●とにかく最後まで話を聞いてあげる
●感情的になったら,まずは言いたいことを言わせる。
少し落ち着いたら,それまでの話し合いを要約してみて,次を促す
・捨て台詞は禁止→絶対に怒ったまま席を立たせない
・時には,たしなめることも必要
・後継者の立場で考えてあげることが必要(これから背負うのは後継者)
●お互いに言えないことを代わりに言ってあげる→代弁・明確化・言い換え
●根気よく,双方に「あなたにできることはないですか?」と投げかけ考えさせる
●必ず話し合った内容は,文書(メモでもよい)で残す
●ファミリーミーティング=家族会議の勧め
・年1回 決算時期 家族や親戚全員(株主如何は問わず)
・司会役を必ず用意する
・会社と一族とのあり方について
一族各々の今後の予定,進路について,自由に意見を取り交わす
・議事録を作成する
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Copyright: takeshi nijou
イタリア事業承継(ローマ・フィレンツェ・ミラノ)レポート①
●ローマ:STUDIO BUCARELLI S.R.L(会計事務所)
父:アントニオ ブカレリさん 息子:アントレア ブカレリさん
1958年創業
・イタリア企業の90%はマイクロ企業(10名以下)
・会社と家族の関係は「オンベリカーレ」(へその緒という意味)と言われる
・イタリアは大変景気が悪く,勤めることがなかなかできない。だから家族経営で独立
する人が多い。
・アントレアさん=創業者のおかげである。これはすぐにはわからないもの。はっきり
わかることも簡単ではない。初めは思い上がって傲慢で自分の間違いを認めず重大
な間違いを犯したこともあった。
・人は歳をとってだんだん自分の能力の限界を理解し満足するものだ,そして自分に
満足して他人にも満足できるようになる。
・アントニオさん=息子は私の会社を継がないで一流会社に勤めた方が彼の人生は
よかったのではないかと今でも思う(別れる最後まで言っていた。息子のアントレアさ
んはこんな話は父から初めて聞いたと言っていた)
・事業承継は無理にさせてもしかたがない。好きになることが大切。楽しい,おもしろい,
そんな気持ちが大切だ。
・子供を海に行かせたりするときは,必ず会社によってから行くようにしている。いつも
会社が身近にあるようにしている。
・なかなか継がせない日本の父親たちに一言アドバイスを!
アントニオさん「その人がいつまで仕事ができるかは神のみぞ知ることだ,しかし,一
つわかっていることは,彼が仕事をすればするほど困るのは後継者であるということ
だ」
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Copyright: takeshi nijou
イタリア事業承継(ローマ・フィレンツェ・ミラノ)レポート②
●ローマ:MOCCI BUS(運送業)
・父 ブルーノさん
・価格競争が激しいので,
付加価値をつけることで差をつけている
・30年近く父の会社で働く 最初は行儀が悪く大変だった
・今はイタリア人以外を運転手に雇っている。フィリピン人 ルーマニア人など
・人を採用するときに気をつけていることは,人間関係をきちんと作れるひとかどうか。
・父には「自分の仕事をさせてくれ,そうでなければ辞める!」と言ったら,父は変わった。
父は一度も継げと言わなかった人だった。
・18歳の娘さん:後継者へ一言「私もまだ継ぐと決めたわけではない。継ぎたくなければ継
がなくていいと思う。大切なことはやりたいと思えること」
・父ブルーノさん:なかなか会社を譲らない日本の社長に一言「自分の大切なものを家族に
渡せないと言うこと自体,私には理解できない,言うことはない」
・後継者に一言「父にいまでも感謝している。仕事を続けていくことを大切にしてほしい」
●フィレンツェ:POLIGRAFICO FIORENTINO S.R.L(印刷業)
・社長 ドッドサルビさん 1941年創業
・優秀な番頭に出会うことができた アントニオさん
・社員の心をつかむためには,控えめにすること,謙遜的な姿勢,相手から学ぶという姿勢
が大切だ
・息子15歳,12歳,もし継ぐとしたら厳しい私の審査を受けることになるだろう。
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Copyright: takeshi nijou
イタリア事業承継(ローマ・フィレンツェ・ミラノ)レポート③
●ミラノ:OMB プラスティック製品製造業
・父:ビッフィさん 娘:カテリーナさん 義理の息子が実質社長として機能
・イタリアは血族の関係が強いので,義理の息子が継ぐことは極めて珍しい
・義理の息子と父との喧嘩はしょうちゅうある。たきつけるのも父,消すのも父。
・ビッフィさん:私はまだ社長だが口出しはしない。腕を後ろに組んで工場を見回るだけだ
・イタリアでは社長を渡すときは死ぬときが多い
・ビッフィさんがいままでで一番うれしかったことは?自社工場を建てたこと。逆につらいこ
となど何一つなかった
・社員数は80数名までになる。金型から製品まで一貫生産
・父の時は縦型の組織,それを横型の組織にすることに苦労した 人間関係をとても大切
にしている また思い切って責任を与えてくれた父は素晴らしいと思っている
・カテリーナさん:奥さんとしてきをつけていることは?
「自分は非常に難しい立場だ,今は会社で経理などを手伝っている。心掛けていることは,
主人の精神的な支えになること」
・ビッフィさん:なかなか会社を譲らない日本の社長たちに一言!
「もう,そろそろ,自分の水道の蛇口は締めたらどうだ!」
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Copyright: takeshi nijou
北欧事業承継(デンマーク・ノルウエー)レポート①
●北欧豆知識
なんと所得税は64%!消費税25%!お酒や車は100%の税金!
めちゃめちゃ高い!しかし,すごいことが!!
・出産費用は無料!出産お祝い金50万円支給!
・出産育児休暇は56週!もちろん給料も払われます!お父さんも8週の産休
・18歳になるまでは毎年20万円の児童手当が支給される!
・幼稚園から大学まで学費無料!・大学生には全員毎月おこづかい9万円がもらえる!
・医療費も無料!入院や手術費用も無料!歯の治療も無料!
・結婚式も無料!介護サービスも無料!葬式も無料!
・年金も掛け金なしでもらえる!!失業手当も所得の90%を補償!!
・病欠も給料の70%支給 子供の病気で20日間まで休める!
・ノルウエーの平均所得は平均600万円,共稼ぎが多いから世帯収入は1,200万円!
しかし,これが幸せなのかどうか?「百聞は一見にしかず」で行ってみると・・・・
働く人はよいが,経営者は大変。(北欧の中小企業の社長は休みなく働いている・・・)
●デンマーク:Mathiesen Plast APS(プラスティック部品製造業)
父:ソレン マチーセンさん(2代目)67歳 息子:ヤコブ マチーセンさん(3代目・入社11年)30歳
・発祥は鍛冶屋さん 2代目からプラスティック製造業に方向転換
・子供の頃から手伝いはしていた。おじいさんは安定した公務員の仕事を捨ててこの地で開業したので,
おばあさんはいつも商売がうまくいくかどうか心配をしていた。
・息子へ伝えたいこと「何をするにもオープンに言うことが大切だ。顧客に不安を与えないようにしなけれ
ばいけない」
・先代から受け継ぎたいこと「今は特別に考えたことはないが,お金に関してはまだ関与しないようにして
いる」
・お母さん一言!「世代交代の覚悟はしなければいけないと最近感じてきている」
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Copyright: takeshi nijou
北欧事業承継(デンマーク・ノルウエー)レポート②
●デンマーク コペンハーゲン:Ida Davidsen(名物オープンサンドイッチハウス)
・1888年創業 息子 オスカーデビットソンさん(5代目) 父母だけでなくお姉さんは妹も手伝っている
・200種類以上の具をパンの上に載せる。観光客だけでなく地元客も多数来店
・「家族で働いていて,喧嘩になることはありませんか?」
・「言い争いはいつものこと。意見が合うはずがない。しかし話し合うことがとても大切だと思う」
・日本の先代社長,後継者にメッセージを!「オープンな話し合いが必要だ。これしかないと思う。あとは
全員がついてこれるように努力することだ」
●ノルウエー・ベルゲン郊外・ソールストラン:Solstrand Hotel(リゾートホテル)
・母娘で経営をしている美しいリゾートホテル 娘さんは4代目のパニレ・スカウ・ラーセンさん
・母親が社長 客室143室 15名以上の団体客,パッケージツアーはお断り
・事業承継については,スイスで母親と2人で学んだ
・入社して5年目 母はビジネスパートナーであるが,それを受け入れることに時間がかかった
・母とは仕事の分担を決めて,従業員が迷わないようにしている。親子喧嘩も,従業員の見えないところで
やっている。
・いつも笑顔で前向きな気持ちを心掛けているが,それでも辛いときは山登りなどアウトドアで気分転換し
ている。
・何世代にもわたって働くことは,誇りである。
・社長も社員と同じ仕事をすることが大切。よいリーダーになるためには,自分の姿や態度で示していくこ
とが必要だ。
・最後に一言!「誰に対しても相手を尊重し,尊敬する心を持ち続けることだ。先代とは喧嘩になるかもし
れないが話しあっていくことが大切」
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Copyright: takeshi nijou
北欧事業承継(デンマーク・ノルウエー)レポート③
●ノルウエー・ベルゲン郊外・ウーレンスバン:Ullensvang Hotel(老舗リゾートホテル)
・ハンス ウットネさん(5代目)35歳
・社員100名 作曲家グリーグが愛したホテルとしても有名 最近では日本からの観光客が多い
・両親は経営を譲ってくれた。しかし,後ろの座席に移ってくれたがハンドルも持っていってしまった!!
・後継者に生まれたからと言って経営者に向いているとは限らない。自分がきちんと経営ができるというこ
とを証明することも大切。自分の場合,2つのホテルでディレクターとして働き実績を作った。
・9歳の時から,ホテルの仕事を手伝い始めた。仕事のすべてを知ることが大切だ。
・ファミリーで仕事をするメリットは,毎日,家族会議を開けて話し合うことができること。また経験豊富な
先代から学べることも利点だ。
・何か日本の社長,後継者にメッセージを!「誰に対しても正直でオープンであることが大切だ。そして前
の世代に敬意を払うことも必要だ。そして後継者は自分の力量を知るべきであろう。個人的には35歳~
45歳が一番力が出るときだと思っている」
●ノルウエー・オスロ市内・Gullsmed Heyerdahl(宝飾店)
・ダイヤモンドをちりばめたiPodで一躍有名に。
・父 ステインさん67歳(初代) 息子 トーマスさん41歳(二代目) トーマスさんは2年前に社長に就任
・父と一緒に15年仕事をしてきている。母や妹も手伝っている。家族の生活に店がある感じだ。
・なかなか譲らない社長たちにメッセージを!「世代交代は時間がかかる。急いでやることはムリだ。私た
ちの場合も5年かけて話し合いやっと世代交代できた。家族の賛成が必要で家族の話しあいに時間をか
けてきた。事業承継については父と一緒に学んできた。後継者は経営のすべてを把握することが大切だ」
・社長は大変な仕事だ。私も休みはないし,睡眠時間は4時間だ。
・経営者に必要なことはすべてに関わること,そして従業員が楽しく働ける環境を作ることだ。
・最後にメッセージを!「世代交代は急がず時間をかけて進めてほしい」
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Copyright: takeshi nijou
第1回後継者サミットin台北 レポート①
世界初!第1回後継者サミット
■開催日時 2010年7月1日~4日
■開催場所 台湾 台北市 グランドフォルモサリージェントタイペイ ホテル
■参加者 日本の後継社長・後継予定者・そのご子息ご令嬢 50名
運営事務局 6名
台湾の後継社長・後継予定者・そのご子息ご令嬢 42名
■開催協力 シンクタンク ソフィアバンク 副代表 藤沢久美
■現地協力 スタンダードチャータード銀行台湾
■通訳 同時通訳2名 逐次通訳11名
■日程
7月1日 成田から台北市入り 日本側の参加者のみで前夜祭・結団式
7月2日 第1回後継者サミット
●午前:日本より二条ゼミナール卒業生が2グループ(各8名)に分かれてプレゼンテーション
テーマ「先代の想いを社員と共に…私たちの後継者経営」
「二条ゼミで学んだこと」
台湾より1社プレゼンテーション
聯盈貿易股份有限公司Well Union Holding LTD.
(靴製造販売) 張澄照総経理(社長)
テーマ「企業が如何に社長二名体制を成功させるか」
●午後:グループディスカッション
日本と台湾の後継者が5人ずつ同じテーブルに入りディスカッション 全10テーブル
①経営理念・ビジョンについて(後継経営におけるその必要性や有効性)
②コミュニケーションについて(両親,親族,社員とのコミュニケーションの悩み)
③財務について(売上や利益,融資,税金に対する考え方,お金の使い方削り方)
④マーケティングについて(コアバリュー,顧客満足に対する考え方,新規事業の創出方法)
⑤経営者としての心構えについて(リーダーシップ,これだけは譲らない信念,重要な価値観)
●夜 :公式パーティ 余興:マンドリンミニコンサート 陳雅慧先生
7月3日 後継企業訪問 吉地喜股份有限公司General Distribution Corp.(物流・倉庫業)
温成隆総経理(社長)・洪秀苑副総経理(副社長)
7月4日 台北から成田へ 解団式
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Copyright: takeshi nijou
第1回後継者サミットin台北 レポート②
●株式会社国際後継者フォーラムの経営理念「すべての後継者に笑顔と夢と自信を!」の実現のため,
世界の後継者の絆を作り上げる後継者サミット開催を思いつく。きっかけは,2009年7月北欧への第5
期海外移動教室にご一緒いただいた藤沢久美さんとの話から。藤沢久美さんには,今回の実現のため全
面的なご協力をいただく。
●台湾後継者のご参加募集は,グローバルバンクのスタンダードチャータード銀行さんに依頼。現地コー
ディネイトにおいて多大なるご尽力をいただく。
(スタンダードチャータード銀行:ロンドンに拠点 世界70カ国にネットワーク 香港ドル発券銀行)
●語学ができなくても優秀で世界に通じる後継者はたくさんいる。後継者サミットのこだわりとして「母国語
で話し合おう」を掲げ,日本・台湾双方が母国語で話し合う,総勢120名を超える大国際会議が実現でき
た。午前のプレゼンテーションは同時通訳,午後は各テーブルに逐次通訳を入れ活発に議論しあった。母
国語で話すことにより,細かいニュアンスも伝えることができたと両国で好評であった。
●午前中の日本側の発表では,台湾後継者から活発に質問があった。日本側の発表はマインドセット(心
構え)に重きを置いたものであったが,台湾ではマインドセットを学ぶ場がほとんどないということで,大変
好評であった。
台湾後継者からの質問 「年配の社員への接し方はどうすればいいか?」
「どうやって,自分の考えや思いを社員に伝えていけばいいか?」
「社員とのコミュニケーションを円滑にするにはどうすればいいか?」
●台湾後継者からの質問の特徴は,方法論にとらわれているということであった。いかに?どうすれば?
という疑問が多く,その以前に求められる考え方や心構えにはあまり関心がないように感じた。これは,そ
のような切り口で学ぶ機会が少ないことが原因と考えられる。
●午後のグループディスカッションは,グループごとにテーマを選んでもらい2時間にわたって話し合って
もらい,その後各グループ代表が結果発表を行った。藤沢久美さんに全体の司会進行を務めていただき,
10グループとも活発かつ楽しい発表が続いた。
・後継経営者の心構えについて
→先代を尊敬しお互いにコミュニケーションをとることが大切
→社員・兄弟・家族・お客様に感謝をすることが必要
→自分のできることからはじめる 自分の信念を貫くことも大事だ
・年上社員とコミュニケーションについて
→年上社員を立てて話を聞くことで,お互いの思いも伝わるようになる
・事業承継について
→今から子供への教育も必要 本音で親子で話し合える関係が大切だ
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Copyright: takeshi nijou
第1回後継者サミットin台北 レポート②
●当日は,台湾の経済新聞「工商時報」の取材が入り,翌日記事として掲載された。
●公式パーティでは,台湾でプロマンドリニストとして活躍されている陳雅慧先生にマンドリンとギターによ
るミニコンサートを開催した。また日本側挨拶では,次世代を担う後継社長のご子息ご令嬢が代表して
行った。
●7月3日は,後継企業訪問として台北からバスで約90分移動し,吉地喜股份有限公司(物流・倉庫業)
を訪問した。洪秀苑副総経理(副社長)に約1時間お話をいただいた。土曜日で休日にも関わらず,たくさ
んの社員さんも出社され,歓迎の看板も用意していただき,大変に歓待していただいた。
●台湾の後継者も悩みや課題は日本の後継者と同じであることがよくわかった。なかなか先代社長がバ
トンを渡してくれない,ベテラン社員とコミュニケーションができない,社員が思うように動いてくれないなど,
共通することが多かった。
●台湾の後継者は,どちらかというと先代の想いを受け継ぎ長く商いを続けるという意識よりも、今どれだ
け儲けられるか?どうやって会社を価値高く売却できるか?に関心があるようだった。
●このような後継者だけが集まる国際会議は,日本・台湾とも初めての経験であり,大盛会で終了するこ
とができた。後継者の悩みは共通であるということを考えれば,国境を越えて様々な考えをお互いにやり
とりしながら解決していくこのような国際交流はおおいに社会的意義があると感じる。
21
Copyright: takeshi nijou
●私の失敗を繰り返すな!
-事業承継15の鉄則-
1.先代を意識しない!
2.周囲の評価に惑わされない
3.継いだものを減らさない
4.いかに長く続けるか?を考える
5.少しずつ自分色に染めていく!
6.継ぎたいと前向きに思えるか? 自分の会社や社員に誇りや愛情が持てるか?
7.先代がやり残したことを行う→これが後継者の真の役割
8.強い気持ちが業績を上げる
9.覚悟を決める→継ぐことは宿命である
10.経営の楽しさを伝える→辛いことばかり言えば継がなくなる
11.渡す勇気を持つ
12.経営権は一人だけに渡す→一子相伝
13.「決める」権利を渡す
14.子不孝をしない→「次世代のために,今の私に何ができるか?」
15.お互いに向き合い本音の話し合いをする心づもりがあるか?
いまこそ本音の話し合いを!
22
Copyright: takeshi nijou
にじょう
たけし
二条
彪
プロフィール
株式会社 国際後継者フォーラム 代表取締役
〒107-0062 東京都港区南青山 2-22-14 フォンテ青山 1401
電話 03-3403-8018 FAX 03-3403-8602
ホームページ http://www.koukeisha.jp
E メールアドレス [email protected]
◆略歴◆
1961年 東京都生まれ
1984年 中央大学卒業後レコード会社に入社
1985年 実父逝去に伴い、婦人服専門店チェーン会社を継ぐ
(資本金 5,400 万円 年商20億 店舗数23店舗
2000年
2001年
2003年
2004年
2005年
従業員数85名
うち女性社員80名)
会社を整理し、社長生活にピリオドを打つ。同時に資格取得のため再学習を開始
屋号アルファルファ・コンサルティングにて独立開業
起業家・経営者支援 NPO 法人「Jungle」設立 代表理事に就任 http://www.e-jungle.jp
㈱「日本トップマネジメント研究所」設立 代表取締役に就任
㈱「国際後継者フォーラム」設立 代表取締役に就任
http://www.koukeisha.jp
(【二代目社長の掟!-今日の教訓-】と題して毎日メールマガジンを発行しています。ぜひご登録ください!)
23歳で家業である婦人服専門店チェーン(当時9店舗)の二代目社長となり,16年間にわたる経営者経験、
およびアパレルメーカーの起業経験を持つ。2000年会社を整理し社長生活にピリオドを打ち、現在その
経験をベースに、コンサルティング・講演・セミナー・執筆等、幅広い活動を展開中。会社倒産・自己破産ま
で経験し,カネなし・コネなしでどん底からはい上がった実体験からくる迫力ある講演は多くの後継者や社長,
起業家の心を打っている。特に、二代目経験者だからこそ語れる後継者向け講演・セミナーや、事業承継の盲
点をズバリ指摘する創業社長向けセミナーに定評がある。また,体験談だけでなく心理学に基づく成功ポイン
トをわかりやすく解説することで知られる。経営者の心を知り尽くした実践的なアドバイスを得意とし、孤立
しがちな経営者をサポートするためのメンタルケアも高い評価を得ている。
「すべての後継者に笑顔と夢と自
信を!」をモットーに2005年に後継者支援のための「㈱国際後継者フォーラム」を立ち上げ,悩み多き後
継者の本格的なサポートを開始している。
◆職務経歴◆
●講演活動 全国各地商工会議所・商工会・青年会議所・法人会・中小企業団体中央会
日本商工会議所・東京商工会議所・武蔵野商工会議所「創業塾」
東京商工会議所ベンチャー支援センター 東京都北区「商店街カレッジ」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 三井住友銀行グループ SMBC コンサルティング
野村総合研究所 みずほ総合研究所 りそな総合研究所 浜銀総合研究所 武蔵野銀行
中小企業金融公庫 農林漁業金融公庫 株式会社常陽産業研究所 東和銀行 花巻信用金庫
多摩信用金庫 商工中金 東京都江戸川区・板橋区・大田区・中央区・中野区
スズキ自動車 広島県中古自動車販売協会 みとしん青年会 清話会 日本経営合理化協会
九州一倉会 中日新聞社青年部 JAIC(ジェイック) 商業会静岡同友会
福岡県中小企業同友会 千葉県菓子工業組合 大阪府洋菓子協同組合 愛知県印刷工業組合
ソニー生命 アクサ生命保険株式会社 アメリカンファミリー生命保険会社
東京国際ビジネスカレッジ 静岡県貨物運送協同組合青年部、静岡県中小企業団体中央会
花巻建設業協会青年部 日向経友会 ヤンマー東日本 ミサワホーム アイフルホーム
YKK・AP 財)栃木県産業振興センター オートバックス二世塾
名古屋而立会
日本ニューホランド株式会社 グローバルピッグファーム
その他多数 年間280日以上
●研修活動・中小企業大学校東京校 経営後継者養成コース(全10ヶ月)講師
・中小企業大学校東京校 三条校 関西校 直方校 旭川校 人吉校 講師
・平成16~23年度 東京都江戸川区「えどがわ起業家ゼミナール」全12回企画&講師受託
・平成17~23年度 台東区「若手経営者サポートセミナー」全10回企画&講師受託
・主に役員研修,管理職研修,従業員研修
NTT 西日本 NTT ドコモ NTT ファシリティーズ 小田急百貨店 日本アグファ 日本バイエル
東京ガス 日清医療食品 大川水産 フジテック 丸安毛糸 ヤマシナ商事 オーティエス
●執筆活動
「事業承継成功マニュアル」すばる舎
「二代目経営の掟 会社に漂う先代の影と戦うな!」ダイヤモンド社
「必ずうまくいく後継者の育て方」長崎出版「社長の教科書 経営者が陥る25の落とし穴」長崎出版
Copyright: takeshi nijou
「二代目社長の百訓」ジェイック
「起業・後継社長に伝える経営力 200訓」セルバ出版
「社長の勘違い 25の落とし穴」論創社 「倒産から学ぶ成功する経営」風塵社
●教材
・DVDソフト:「事業承継成功のポイント~後継者選びから財産分与、事業の譲り方まで~」PHP研究所
・CD&カセットテープ
「人を動かす対人スキル」
「社長のための人材採用術」「社長のための財務入門」「成功する二代目の育て方」
PHP研究所
・パソコンソフト:
「シミュレーションで学ぶ社長の財務」
「シミュレーションで学ぶ社長業」PHP研究所
●マスコミ掲載実績
・マネジメントスクエア(ちばぎん経営研究所)10年11月号「二代目社長 成功する人つぶす人」
・週刊東洋経済10年4月17号「後悔しない相続・事業承継」
・レディーバードクラブ会報誌10年1,3,10月号「後継者が失敗する10の原因と悩みトップ5」他
・Sizuginship(静岡銀行)09年10月号「親子で学ぶ事業承継の心構え」
・税理士新聞(エヌピー通信社)09年5,9月「先代社長の心得」「二代目社長の心得
・経営者の四季(TKC出版)08年10月号「後継者と本音をぶつけあおう」
・経営者の四季(TKC出版)08年9月号「社長業の楽しさを語れば後継者は現れる」
・アクセス埼玉(埼玉県中小企業振興公社・埼玉中小企業支援センター)08年6月号「円滑な事業承継の進め方」
・経営者会報(日本実業出版社)08年6月号「社長だからこその説得の秘法」
・ストアジャーナル(研修出版社)08年5月号「店のオーナーがやってしまいがちな5つの落とし穴」
・経営者会報(日本実業出版社)07年9月号「自分が継ぐという意思表示と行動だけが周囲を味方に変えていく」
・頭で儲ける時代(あいであらいふ)07年8月号「二代目経営者をトータルに支援する極意」
・ストアジャーナル(研修出版社)07年8月号「無理に広げず無理に増やさずコツコツと続ける意識が大切」
・商工にっぽん(日本商工振興会)07年6月号「若い後継者は無理せず演技する」
・MIT(三井住友ビジネスコンサルティング)07年5月号「ファミリー企業における社長の資質」
・先見経済(清話会)07年2月号「先代と後継者のための事業の継ぎ方継がせ方」
・経営者会報(日本実業出版社)06年11月号「企業改革を目指し組織改編を考える際の社長の視点」
・(社)全国信用金庫協会監修 中小企業経営者のための事業承継対策
・経営者会報(日本実業出版社)06年11月号「オーナー経営最大の課題は事業承継にあり」
・三菱UFJスケット(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)06年9月号「後継者育成べからず集」
・経営者の四季(TKC出版)06年9月号「事業承継のタイミングを間違えるな!」
・商工にっぽん(日本商工振興会)06年6月号「提言:求心力が生まれるとき」
・経営者会報(日本実業出版社) 06年5月号「妻の事業承継を円滑に進めるポイント」
・AERA(朝日新聞社) 06年4月24日号「幸せ40歳へのジャンプ術」
・ストアジャーナル(研修出版社)05年10月号「お客様の視点に立ち謙虚に学ぶ姿勢が繁盛店の失敗を防ぐ」
・月刊「シリエズ」
(アックス)05年8月号「二代目経営者を知識・マインドの両面から支援する」
・経営者の四季(TKC出版)05年7月号「円滑な事業継承は社長の仕事だ!」
・ベストパートナー(浜銀総研:横浜銀行会報誌)05年5月号「二代目社長の悩みはこう解決する」
・商工ジャーナル 05年4月号「後継者を伸ばす事業承継を成功させるために」
・時計工業新聞 「後継者を悩ませず事業継承を成功するために」
・商工にっぽん(日本商工振興会)04年12月号「戦国武将に学ぶ社長の条件」
・週刊「物流ウイークリー」毎週月曜日発行 「がんばれ,二代目!」連載執筆
・月刊「シリエズ」
(アックス)04年9月・10月・11月号「会計事務所のための二代目経営学」
・ストアジャーナル(研修出版社)04年7月号「倒産の予兆を見抜く」
・Issue of Management(UFJ 総合研究所:会報誌)04年6月号「事業継承は10年計画で進めよう」
・ベストパートナー(浜銀総研:横浜銀行会報誌)04年5月号「後継者にみる成功する人・失敗する人」
・先見経済(清話会)04年4月号「事業継承理論」
・チャネラー(株式会社チャネラー)04年3月号「解決指向型アプローチのすすめ」
・商工にっぽん(日本商工振興会)04年3月号「後継者育成塾」
・先見経済(清話会)03年11月号「誰も書かなかった後継者の育て方」
・りそなーれ(りそな総合研究所)03年9月号「世代交代による企業革新のすすめ」
・マネジメントスクエア(ちばぎん経営研究所)03年6月号「二代目の経営革新で成長軌道にのる」
・ストアジャーナル(研修出版社)03年3月号「失敗→内省→再試行のサイクルが店の将来を明るくする!」
・チャネラー(株式会社チャネラー)03年2月号「創業成功のポイント」
・ビジネスデータ(日本実業出版社)臨時増刊特大号「有名講師・講演料データベース」
・ストアジャーナル(研修出版社)02年11月号「二代目社長成功のための10の鉄則」
・経営者会報(日本実業出版社) 02年8月号「聴くことを知らない社長の3つの大罪」
・BIG tomorrow(青春出版社)
02年7月号「経営者が語る会社の数字の読み方」
日経産業新聞,日経ベンチャーなど新聞雑誌に書評・カセットテープ紹介多数
●雑誌連載記事
・スバルだより(富士重工) 07年10月号~08年3月号「次代を担う後継者育成講座」
・読々歳々(アクサ生命保険) 07年2月~11月「成功する事業承継5つの鉄則」
・JIRニュース(常陽産業研究所) 06年4月号~07年3月号「必ずうまくいく後継者の育て方」
◆資格◆
■経済産業大臣登録 中小企業診断士
2001年4月登録[登録番号 215273]
■厚生労働大臣認定 産業カウンセラー 2001年2月登録[S0900705]
■中央労働災害防止協会登録 心理相談員2001年3月登録[422518]
■キャリアデベロップメントアドバイザー [CDA130034]2001年3月登録
Copyright: takeshi nijou
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