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「周南市の景観を考えてみよう」

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「周南市の景観を考えてみよう」
平成18年度CAA提言書
「周南市の景観を考えてみよう」
平成19年3月
目
次
1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.景観緑三法と景観行政団体・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3.他の自治体の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
4.周南市の景観の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
4.1
まち歩きで見つけた中心市街地の景色・・・・・・・・・・12
4.2
その他の地域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
4.2.1
徳山地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
4.2.2
新南陽地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
4.2.3
熊毛地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
4.2.4
鹿野地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
4.3
周南市における主な景観阻害要因・・・・・・・・・・・・23
5.周南市の景観に対する課題および守り育てるための方策・・・・・25
6.おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
参考資料
① 周南市の景観資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
景観資源一覧表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
景観資源写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
②CAA「周南市の景観を考えてみよう」審議経過、議事要旨・・
45
③CAA「周南市の景観を考えてみよう」委員名簿・・・・・・・
88
1.はじめに
戦後の日本では戦災からの復興や高度経済成長という過程の中で、公共事業や建設
物の計画に対して、合理性や経済性のみが重要視され、景観への配慮についてはほと
んど考慮されることがなかった。この一例として、日本橋上空に架けられた首都高速
道路が挙げられる(下図)。これについては、小泉前首相の指示で 2006 年2月に発足
した日本橋の上を走る首都高速道路の移設を検討する有識者会議「日本橋川に空を取
り戻す会(日本橋みち会議)」が、地下化案のほか、川沿いに別の高架路線を建設す
る案などを検討してきた。その結果、2006 年 8 月に日本橋川に沿って走る同区間の高
速道路を、地下数メートルの深さに掘ったトンネルに移転することで合意した。そし
て、日本橋川沿いに立ち並ぶ建物についても移転を促し、空いた土地を緑地や遊歩ス
ペースに改めて景観を改善する計画を最終報告としてまとめた。その事業費は総額
3000∼4000 億円とみられている。しかし、日本橋周辺の首都高速道路は、日本の技術
者が連携し、世界の道路技術者をうならせた奇跡の道路であることも間違いなく、優
れてダイナミックなテクノスケープであるという見方もある
1)、 2)
。いずれにしても景
観を議論する場合、正解や厳密解が存在しないので、その計画には一般市民の意見を
まとめる手法を取り入れるなどの多大な労力が必要となる。
国立市のマンション訴訟に代表される、高層マンションをめぐる紛争は一般市民の
景観への意識の変化を表すもっとも顕著な例として挙げられる(下図)。これらの論
争は個人的な考え方の推移というかたちで現れているが、一方で、京都、奈良、鎌倉
といった日本の文化史上特に重要と考えられる地域の景観を守るための活動も景観を
議論するうえでは重要な位置付けを担ってきた。これらの活動は古都における歴史的
風土特別保存地区(1966 年、特別措置法)の規定や、伝統的建造物群保存地区(1975
年、文化財保護法改正)の規定などの制定で対処が行われている。そして、一部の地
方自治体では地域住民の要望に応え、景観に関する条例を定めていた(景観法制定前
に約 470 団体)が、法律の委任に基づかない自主条例のため、建築確認の際に必ずし
も従う必要はなかった。
日本橋と首都高速道路
国立市のマンション
1
以上のことを背景に 2005 年 6 月 1 日景観法が全面施行され、景観行政団体である
地方自治体が定める景観条例(法委任条例)は、景観法を背景に、景観問題に対して
大きな役割を果たすことも可能になった。景観法自体が直接に都市景観を規制する訳
ではないが、地方自治体が景観に関する計画や条例を作る際に、それに実効性をもた
せようとするものである。景観法が制定されるまでの関連事項を表−1にまとめた。
表−1
1963
景観法が制定されるまでの背景
建築基準法改正で商業地などでは 31m、住宅地では 20m と定めら
れていた絶対高さ制限が撤廃された。
1966∼1974
丸の内美観論争
1966
特別措置法で古都における歴史的風土特別保存地区の規定が定め
られた。
1970
総合設計制度が創設され、都心部に空地を確保する効果もある反
面、周囲から突出した高層ビルも建築可能にした。
1975
文化財保護法改正により、伝統的建造物群保護地区の規定が定ら
れた。
1980∼
景観を保全するための条例(自主条例)を制定する自治体が多く
なる。
2000∼
国立マンション訴訟
∼2003
この年までに 27 都道府県、450 市町村が景観に関する自主条例を
制定してきた。
2003
国土交通省が「美しい国づくり政策体網」
2004
景観法制定
周南市は 2003 年 4 月 21 日に徳山市、新南陽市、熊毛町、鹿野町が合併して誕生し
た北に中国山地を、南に瀬戸内海を望む地理的にも機能的にも多くの特徴を持つ都市
である。しかし、伝統的な街並みや優れた景観が数少ないという見方があり、これま
で景観を考慮した街づくりはほとんど行われておらず、わずかに中心市街地の街路の
のグレードアップや電柱、電線の地中化、街路樹の植替え事業などの公共事業が実施
されてきたにすぎない。2004 年度からは、鹿野地区において日常身近に感じる景観に
ついて考え景観形成について検討する「地域景観ワークショップ in 周南」が継続して
開催されているものの、一般市民の景観に対する意識は高いとは言えず、これまで景
観が焦点となった論争や提言などは生じていない。しかし、今後は景観法の制定とい
う時代の大きな変化とともに、全国的にも、周南市においても意識が高まることは確
実で、景観整備を進めていく必要が生じる。この景観法の施行を契機として、今後は
2
景観行政に本格的に取り組んでゆく必要があると考えられる。今回、その第一歩とし
て景観による美しいまちづくりを推進するため「周南市の景観の特徴と課題」を市民
と協働して考えていくとともに、市民および市職員の景観への意識を高めるため「周
南市の景観を考えてみよう」というCAA事業(「周南市CAAの設置及び運営に関
する要綱」参照)が展開される運びとなった。事業の実施は委員会の発足を経て、計
6回の委員会の開催により提言書を作成するかたちで行った。
以下に委員会の活動内容を列挙する。
第1回
開 催 日:平成18年8月24日(木)
第6会議室
議
題:景観とは何か
概
要:CAAについて市民協働室から説明。自己紹介。会長、副会長の選出。
都市計画課による課題の諮問。景観アドバイザーによる「景観とは何か」
の講話。景観に関する意見交換。
第2回
開 催 日:平成18年9月23日(土)
第6会議室、徳山駅周辺
議
題:景観タウンウォッチング
概
要:3班に分かれて、徳山駅周辺の中心市街地のまち歩きを行い「心地よい
と感じる景観」「ここはどうかなと感じる景観」の写真を撮影。
第3回
開 催 日:平成18年10月12日(木)
第6会議室
議
題:中心市街地の景観特徴の把握
概
要:3班に分かれて、前回撮影した写真を用いて中心市街地の景観の特徴を
把握。壁新聞を作成。一押し景観を選定。
第4回
開 催 日:平成18年11月9日(木)
第6会議室
議
題:中心市街地の景観を守り育てる方策の検討
概
要:3班に分かれて、前回作成した壁新聞を活用して、この景観を守り育て
る方策を検討。壁新聞を作成。
3
第5回
開 催 日:平成18年12月14日(木)
第6会議室
議
題:周南市の景観を守り育てる方策の検討
概
要:周南市の心地よいと思う景観、ここはどうかなと感じる景観の写真をス
クリーンで見ながら意見交換。
第6回
開 催 日:平成19年2月8日(木)
第6会議室
議
題:提言書(素案)について意見交換
概
要:提言書(素案)の中の「周南市の景観の特徴」と「周南市の景観を守り
育てる方策」についての議論。
4
2.景観緑三法と景観行政団体
一定の強制力を行使できる法制度を整備することによって、都道府県・市町村が行
う景観づくりを支援するための新しい法律として、「景観法」が 2004 年 6 月に制定さ
れた。また、景観法の制定と併せて、「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関す
る法律」と「都市緑地保全法等の一部を改正する法律」が制定された。これら三つの
法律は「景観緑三法」(けいかんみどりさんぽう)と総称され、2004 年 12 月から一
部を除いて施行され、2005 年 6 月 1 日に全面施行された。
景観緑三法が制定された結果、法的拘束力のない自治体の景観条例にとどまること
なく、国の法律によって裏付けされた法的規制力にもとづく景観条例の制定や景観計
画が可能となり、市街化調整区域の農振農用地区域や都市計画区域外の田園地帯に対
しても景観規制の適用が可能となった。また都市緑地法の制定によって、都市の緑に
関する総合的な法制度がほぼ完成した。景観緑三法は、企業(法人市民)も含めた市
民活動に対して評価し、奨励・支援する立場を採っている。景観緑三法の制定により、
わが国の市街地と田園がより美しい景観と緑豊かなものへと徐々に変わっていく大き
な改革となることが期待されている。
景観法に基づく諸施策を実施する行政団体が景観行政団体と名づけられた。景観行
政団体には地方自治法上の指定都市、中核市の区域にあってはそれぞれ当該市が、そ
の他の区域にあっては都道府県がなるが、その他の市町村も都道府県との協議・同意
があれば都道府県に代わって景観行政団体になることができる。景観行政団体は、景
観計画の策定・変更と景観計画に基づく計画施工の規制の他、景観協議会を設立・運
営、景観形成に取組む NPO 法人や公益法人を景観整備機構として指定するなどの業務
を行う。2007 年 2 月 1 日現在、公示済及び公示予定のものを含め、253 の地方公共団
体が景観行政団体として位置づけられている。
5
3.他の自治体の取り組み
景観行政団体による景観計画は、2005 年度末で11計画が策定され、2007 年 2 月 6
日現在では26計画が策定されている。現在策定中の景観行政団体も多く、今後は景
観行政団体の増加に伴い、多くの景観計画が策定されていくと見込まれている。また、
法委任条例は、景観計画策定団体に横浜市を加えた27団体において、制定(既存の
自主条例の変更を含む)されている。景観行政に力を入れている特長のある景観行政
団体をいくつか挙げてみる。
小布施町は長野市に近く、千曲川を渡って志賀高原に向かうところにある人口1万
人ほどの小さな町である。「栗菓子と北斎の町」としてよく知られている。ここでは栗
菓子屋のひとつ小布施堂本店、長野信用金庫、近隣の二軒の民家、町営の鴻山記念館
という五つの主体がそれぞれ遣り繰りして、特別な法律や補助金、役人の指図を受け
ないで、統一的な和風の都市空間を作り上げた。その空間は、互いに前よりもよい状
態におさまり、広場まで生み出しており、知恵を働かせて経済的にも無理をかけてい
ない斬新的な景観形成といえる 3)。小布施町の策定書は 14 頁とシンプルであるが、長
年の景観形成に対する取り組みが反映された内容で、運用のイメージが湧きやすいも
のとなっている。町全体を対象として、区域を区分して「景観形成重点地区」(市街化
調整区域の一部)」を定め、詳細な和風建築の基準を設けている。また。良好な景観の
形成に関する方針の中に、「環境デザイン協力基準」を位置づけており、任意に協力を
求める内容になっている。景観計画の位置づけの下、新たに野外広告物条例を策定し、
野外広告物に関する規制・誘導に取り組む初の事例でもある 4)。
長崎市は江戸時代、わが国唯一の海外貿易港、西欧文化の窓口として栄えた。第二
次世界大戦末期に投下された原子爆弾によって未曾有の被害を受けた。しかし戦後は
造船業、水産業などによって復興した。長崎市都市景観基本計画では長崎らしい街の
景観と雰囲気を守り、育て、創りながら、新しいまちづくりを進めていくため基本的
な考え方として、次の四項目を挙げている。
① 長崎ならではの都市空間の創造
② 生活環境の質の向上
③ 歴史的環境を生かした都市景観の形成
④ 市民参加のまちづくり
長崎のまちづくりの目標は、景観形成の観点から「長崎ならではの都市魅力を育て
る」ことにある。都市の魅力とは、歴史や地形、イメージなど、長崎独特の雰囲気を守
りながら、街としての住みにくさを改善することで発揮される。すなわち、暮らしの
中から生まれる創意工夫が、街の雰囲気に調和し、人々の活き活きした生活を演出す
ることである。
6
<テ ー マ >
この目標を達成す
る た め に 「長 崎 で な
の」と「今、長崎に必
要 な も の 」と い う 二
長崎でなくては
できないもの
くてはできないも
つの側面から景観形
<個 別 計 画 >
・都市のシルエット
長崎 の大景 観
・パノラマと夜景
・ランドマーク
・長崎型傾斜居住の魅力づくり
・長崎型都市居住の魅力づくり
逆 手の 魅 力
成の方針を検討し、
・日本西端の魅力
四つのテーマを設定
・特色ある地区の景観形成
場所 性の景 観化
している。そして、
・まちすじの景観形成
・まちかどの景観形成
成の取り組みの目標
を示す個別計画を設
今,長崎に
必要なもの
テーマごとに景観形
・山と海/里と街の景観づくり
・骨格軸の景観形成
わかりやすさと美 しさ
・身近な環境の景観形成
定し、具体的なまち
・路上の快適化
づくりを進めている
・公共施設の景観形成
5)
(図−1)。
図−1
長崎市の都市景観形成方針
倉敷市といえば倉
敷川が「くの字」型に曲がった地点の「中橋」付近に代表される「美観地区」という言葉が
固有名詞となっている。倉敷市では、倉敷川沿いに 15 ヘクタールが伝建地区(国指定
の伝統的建造物群保存地区)に指定されているが、その周辺 6 ヘクタールを含め市の
条例で伝統美観地区としている。そのほかに背景地区を指定している。倉敷市は「背景
保全条例」という日本で非常にユニークな条例を持っている。これは、くの字型に曲が
った倉敷川の中橋から見たとき、高いマンションやホテルが建ったら美観を損なうた
め、それを守るため作られた条例であり、実に画期的なものである。倉敷市はアドバ
ルーンをあげることにより、大原美術館や浦辺鎮太郎氏が設計した倉敷国際ホテルの
背景に、風景にそぐわないような高い建物が建つことを防いだ。背景保全条例は、合
意形成をもって規制をかける任意条例であったため、ビル予定地にアドバルーンをあ
げ、景観が損なうと判断されれば、その土地を買い取ったりして景観を維持してきた
6)
。
マンションの建設で特筆されるのが、門司港レトロ地区に建設された高層マンショ
ンである。このマンションは景観に調和させるため、一般的な考え方とは逆に高さを
あげて建設された。地上 120 メートル、最上階の31階が展望台の高層マンションに
して、地区のシンボルタワーに変身した。上部のデザインもスマートで、見事な発想
転換として評価を受けている。
以上のようにそれぞれの景観行政の進んでいる景観行政団体には、ほかにはない特
徴をもち、それを育んでいる。あるいは、ほかの自治体にはないものを創造していっ
7
ている。したがって、周南市も周南市固有の特徴を景観に対して見出すこと、それを
維持し、育んでいくこと、さらには、周南市にとってもっとも似合う、ふさわしい景
観を創造していくことが重要である。
8
4.周南市の景観の特徴
周南市の一般的な景観の特徴としてはつぎのことが挙げられる。
(1) 高台から見る市街地の眺望
(2) 周南コンビナートの夜景
(3) 四季感あふれる街路樹の広いみち
(4) 里山の営みから生まれる農村風景
(5) 潮のかおる海辺の風景
(6) 地域特有の文化、伝統、歴史が感じられる生活の営みの風景
これらの景観は多くの市民の共通認識として挙げられるものであり、まだまだ多く
の心地よいと感じる景観、ここはどうかなと感じる景観が今回のCAAで見出されて
いった。
周南市全体の景観資源をCAA委員のアンケートを中心にまとめたものが表−2
である。
9
表−2
地区名
まとまりの景観
周南市の景観資源
視点場
景
観
資
源
徳 山 地 区
御幸通り
岐山通り
さくら通り
ぴーえっちどおり
糀街一ノ井手線
商店街
児玉町周辺
東川緑地公園
港湾地区
街路樹
街路樹
桜のトンネル
モニュメント
ハナミズキ
アーケード
タイワンマツ
桜
コンビナート(夜景)
石張舗装
花壇
石張舗装
街路樹
ツリー祭り
サイン
児玉神社
東川
徳山湾
昔からある商店
児玉公園
周南緑地(東)
周南緑地(中央)
周南緑地(西)
周南緑道
遠石八幡宮
旧山陽道(遠石)
下松新南陽線
秋月団地
動物園
興元寺
東山から見る蛇島
望海台
徳山高専の坂の上
とおの山
太華山
粭島地区
大島地区
大津島
桜の森
周南フレンドパーク
万葉の森と大賀ハス
カラー舗装
鳥居
旧家屋
中央分離帯の街路樹
地区計画家屋
桜
イチョウ
梅の里
緑の掛橋
池周辺とツツジ
樹木
石段(参道)
モニュメント
山頂広場
貴船祭り
海沿いの道
回天発射訓練場跡
漁港
刈尾∼本浦桜並木
桜
密集した家屋
潮干狩り
大津島公園
海沿いの道
須々万地区
菅野湖
中須地区
大向地区
長穂地区
大道理地区
栄谷イチョウ
桜
棚田
向道湖(桜と菜の花)
黒木川
赤瓦
大玉杉
湖面に映る山
四熊地区
湯野地区
昇仙峰
四郎谷地区
津木∼桑原
棚田
サンサンロード
川上ダム
山田屋本家
招魂社(紅葉)
棚田
海沿いの道
密集した集落
漁港
漁港
密集した集落
○
○
○
○
○
○
美術館
ブロック舗装
晴海ふ頭公園
花菖蒲
休憩施設
クスノキ
池
ホタル
ホタル
漁港
漁港
自然石護岸
刈尾海水浴場
龍文寺
○
10
地区名
まとまりの景観
永源山公園
新南陽地区
ゆめ風車どおり
土井2丁目旧街道
建咲院
勝栄寺
旧山陽道(福川)
若山城跡
新南陽大橋
長田海岸
高瀬地区
視点場
○
○
○
和田地区
熊毛地区
八代盆地
烏帽子岳
旧山陽道(呼坂)
久保川遊歩道
夢ヶ丘団地
徳修館公園
三丘温泉
松原神社
島田川流域
黒岩峡
○
漢陽寺
清流通り
鹿野地区
二所山田神社
龍雲寺
天神山公園
山代街道
せせらぎパーク
新平ヶ原公園
渋川小学校(休校)
長野山緑地公園
鹿野全域
○
○
景
観
資
源
ゆめ風車
園路沿いの樹木
ポケットパーク
中島屋酒造
チューリップ祭
市制記念広場
街路樹
旧家屋
土塁
福川本陣跡
山頂広場
旧家屋
陶の道
ツツジ祭
旧日下医院
水路
桜
海浜公園
高瀬峡
島地川
田園地帯
海水浴場
高瀬湖
紅葉
ナベヅル
ウッドパーク
呼坂本陣跡
親水護岸
地区計画家屋
徳修館
東善寺河川公園
イチョウ
田園地帯
河川公園
田園地帯
魚切の滝
旧家屋
曲水の庭
水路
紅葉
巨木群
石垣
山頂広場
町並み
路地
河川公園
ホタル
校舎
紅葉
赤瓦の町並み
潮音洞
石垣
水車
天神まつり
水路
しだれ桜
岩崎想左衛門像
桜
岩崎家
市恵比寿
渋川
ササユリ
看板「超世丸」
11
石積み防波堤
茶畑
紅葉
桜
巨木群
紅葉
雪景色
冬の花火
ホタル
雪かき
図−2 中心市街地の街歩き平面図
4.1
まち歩きで見つけた中心市街地の景色
中心市街地を図−2に示す3つの地域に分けて景観ウォッチングを行い、
「心地よい」と
感じる景観、「ここはどうかな」と感じる景観、「ありそうな(想像できる)優れた」景観
12
図−3 毛利町付近の桜並木(9月)
図−5 視界の開けた岐山通り
図−4 緑豊かな岐山通り
図−6 ボランティアによる花壇作り
に分類し、まとめていった。
その結果、文化会館南側に位置する「緑と文化ゾーン」では、ほとんどの幹線道路の歩
道は広く、街路樹が植えられており、良好な散歩コースになりうることがわかった。特に
図−3に示す毛利町付近の桜並木は季節外れの9月でも、誰をも魅了する絶景となってい
る。ただし、枯葉の除去などの管理等には多大な労力が必要なものと予測される。岐山通
りの南側はヒマラヤスギ等の大きな木の緑が豊かで(図−4)
、北側は比較的、植樹が遅く
行われているため山が見えるアウトラインを形成して(図−5)
、どちらも個性ある空間を
形作っている。特筆すべきところでは、市役所前の花壇はボランティアで熱心に手入れさ
れており(図−6)
、市役所を訪れる市民の心を豊かにしている。
「商業ゾーン」では、東川緑地公園の手入れが行き届いており、街中の市民の憩いの場
となっていた(図−7)
。中心市街地に河川公園があるのは珍しい例である。平和通りは電
線が地中化されており通りの幅が広いので空がきれいな空間を作り出している(図−8)
。
このゾーンの一押し景観は徳山駅ビルを視点場とした御幸通りであった
(図−9)
。しかし、
逆に御幸通りから駅ビルを見ると大きな屋外広告が目立ち、残念な気持ちにさせる要因と
なっている。
13
図−7 東川緑地公園
図−9 駅ビルより幸通りを望む
図−8 電線が地中化された平和通り
図−10 徳山港の美しい空と海
図−11 親水公園の空と
「港町ゾーン」では、海に面して設置
された公園やそこへのアクセスロードか
らは、海や空が、そして山の緑を眺める
ことができ、心地よい空間を形成してい
図−12 柳町付近の電線
14
た(図−10)。整備された親水公園では青い空
と芝生の緑が絶妙なコントラストを作り出し
ていた(図−11)。しかしゴミの放置等も目立
ち、市民がマナーを守って公園をきれいにし、
ベンチを適切に配置するなどの工夫を施せば
もっと周辺を訪れる人が増えて、にぎわいが
出てくると思われる。
その他の意見を表−3にまとめた。
ここで、
特に挙げておく点としては、山口県周南総合
庁舎の南側や柳町付近(図−12)など場所に
図−13 徳山駅そばのホテル
よっては、電柱や電線が乱立して、景観を著
しく阻害しているところが、いくつか見出された。また、文化会館や美術博物館周辺は国
道沿いの空間で、多くの屋外広告が乱立しており、違和感が持たれる。この周辺に関して
は、屋外広告や派手な建物は規制していく方向性を打ち出す必要があると考えられる。さ
らに、最近、増えて来たマンションやホテルの建設にも規制をかける必要があるものと考
えられる。特に、図−13 に示す徳山駅の新幹線のプラットフォームそばのホテルは南側に
見える徳山湾の景観を阻害しており、観光客や一般市民から多くの苦情も聞かれる。山口
県周南総合庁舎の7階レストランでも南側に建設されたマンションが遠景を遮断しており、
利用客から問題視する言葉も聞かれている。このように公共施設から見たとき、景観を損
なうことにいたる建設物には、ルールを作って対処する必要がある。
表−3 委員会での中心市街地に対する意見
(1)緑と文化ゾーン
※どの通りを歩いても緑がいっぱいで、必ず多くの街路樹が植えてあり、感激した
岐山通り
中央分離帯に大木がある
全体的に樹木がおいしげっている
図書館の前にはオブジェ
南側は高い樹が密集している
北側は樹が低くて少ない、景観も開けて山も見える
南側と北側がちがってまた良い
いちょう通り
電柱が目立つ
街路樹やビルの高さが一定でないので、違和感がある
15
文化会館
落ち着きがあって、重量感、存在感がある
美術館
北東からの眺めは良いが、北西・南側からは樹木で建物が見えないので残念。近代的
な建物が見えずにもったいない
さくら通り
この時期でも桜のトンネルが非常に美しい、春は桜が咲いてさらに美しいのでは
北側から見る方が南側から見るより美しい、同じ通りなのにそんな印象
散歩している人がとても多い
どこにも誇れるすばらしい景観
総合庁舎とその周辺
道路と併せて整備されており、公園のようだ
ベンチがあって、散歩の際のひと休みの空間となっている
総合庁舎を南側から見ると、電柱が支障となってよく見えない、残念
東西の通り
少し昔の面影の残る建物があった
徳山小学校
東側の塀は、昔の支柱が塀の中に埋め込まれていて、歴史を感じた
県道の反対側(南側)
電柱が乱立(電線地中化の起点のため)
色の目立つ建物や壁全体が公告となっている建物があり、気になる
児玉公園
派手な色の遊具と慰霊碑が全体の中でアンバランス
市役所東側の花壇
明石さんが手入れしている
季節によっては花が咲いて美しい
16
(2)商業ゾーン
※今も特に悪いところはないけれど、部分的には気になるところがある
緑のあるところは街がきれいに見える
電線・電柱が埋設されているところは、空が広くきれいに見える
通りと通りをつなげると、途中で良い景観が途切れているところがある
御幸通り
広田眼科敷地内のオブジェは、夜になったらライトアップされてきれいかな
鉄塔の赤と白の色が?、電線がやたらと多い
東西の通り
デザインの良い建物がある
神社が街中にある。周りに緑もあって、こういう景観は残していくべきではないか。
クラブ松本は夜の店のわりに、昼間見ても壁面緑化が美しい
昭和通り
信号機にふぐのオブジェがある、新発見
東川緑地公園
街中にあるのに良く整備されている
緑が多い
ここにいくまでの経路の景観を工夫すればもっと良くなる(はでな色の建物がある)
平和通り
電柱、電線が地中化してある
海に向かって平和大橋が登っているので、空がつながって見えてとても良い
商店街
スクランブル交差点からアーケードを見るといい感じ
国民文化祭の宣伝の連なるサインは統一感があって良い
駅ビル
駅ビルから御幸通りを見ると緑があって、良い景観
17
(3)港町ゾーン
※公園にベンチを増やすなど工夫して整備することで、人が集まってきて欲しい
整備をしても、人工的な整備や海と空が隠れるような方法は良くない
港公園
管理が悪く、ゴミが放置され、草がボウボウ。人がいない。
海や島が見えて眺めが良い。
高台にベンチを増やせば良い
親水公園(晴海第一ふ頭公園)
整備されている
芝生の緑と空と海のコントラストがきれい
整備がきちんとされすぎて、無機質な感じ
ホテルや鉄塔が山を少し隠して景観を阻害している
アクセスロード(歩道)
整備されている
ベンチの前(海側)にはコンクリートの壁
ベンチの位置やベンチの前面を工夫する必要がある
駅∼フェリーターミナル
殺風景(何もない)
利用度の高い道路なので、景観に工夫して欲しい
フェリーターミナル周辺
公園の整備がされていない
現状ではフェリーの利用客がきても気分が害されるのではないか
海岸通り
路上駐車が多く交通を妨げ、景観も悪い
18
4.2
4.2.1
その他の地域
徳山地区
図−14 西緑地から東緑地を望む
図−15 中央緑地公園内の園路
図−16 西緑地公園
図−17 周南緑道
緑地公園は、一般的には東緑地公園、中央緑地公園、西緑地公園と3つの公園に分かれ
て親しまれており、多くの自然が見られる(図−14∼16)。特に、西緑地公園にある樹木見
本園は京都大学の演習林であったこともあり、多くの植物が確認されているだけでなく、
絶滅危惧種や希少な植物も見つかっている。この公園では植物の盗掘の問題を抱えており、
多角的な管理体制が必要となっている。また、周南緑道は周陽2丁目から大内町を結ぶ約
1kmの遊歩道であるが、最近、また整備が進んでおり、住宅地域のなくてはならない憩
いの空間となっている(図−17)
。
大津島は、刈尾海水浴場、馬島漁港など風情のある景観を持っている。回天記念館と回
天発射訓練基地は平和教育を考える上でも重要な施設となっているが、海に浮かぶように
みえる回天の基地の写真は広く知られている。他の海浜地区においては、貴船祭りで有名
な粭島は遊歩道を兼ねて護岸が整備されており、漁港としても趣を呈している。
19
図−18 サンサンロード
図−19 山田家本屋
平原地区に登山口を持つとおの山は、地元の住民のボランティア活動で登山道と山頂周
辺がよく整備されている。ハイキングやトレッキングの人気コースにもなっており、山頂
から見下ろす景色は話題となっている。望海台も岐山通りや中心市街地が一望できる魅力
のスポットであるが、憩いの場を持つ空間がほとんどなく、そのあたりの整備が待たれる
ところである。太華山はドライブコースとしても、ハイキングコースとしてもよく知られ
ている。山頂の展望台からの眺めは素晴らしいものがあるが、途中の景色も堪能できる。
旧徳山市の西部に目を向けると、湯野地区は温泉で有名であるが、景観的にも整備され
ているところがたくさんある。図−18 は夜市川沿いに整備された河川公園のサンサンロー
ドの一部であるが、アヒルが泳いでいたり、鷺が舞い降りたり、6月には蛍も見られ、温
泉観光客の散策コースとなっている。ただし、整備に当ってはセメント系の結合材がふん
だんに使用されており、今後、環境面の配慮を考えると、コンクリートの使用等は十分吟
味する必要があろう。移築された山田家本屋は寛文・元禄(1661∼1704)のころの建物で、
県の文化財にも指定されており、無料公開されている(図−19)。また慶応2・3年の四境
の役及び明治維新の戦乱で戦死した14柱の霊が祀られている招魂社は紅葉の名所として
知られている。その他、昇仙峰から望む戸田地区の集落や瀬戸内海は美しい風景を見せて
いる。また桑原漁港と四郎谷漁港は情緒のある景観を生み出しており、
四郎谷については、
棚田との組合せで日本人の心を和ませる空間を作り出している。
旧徳山市の棚田を挙げると四熊と中須がよく知られている。
日本人が好む風景であるが、
休耕田が増えないような工夫も考えていく必要がある。
4.2.2
新南陽地区
長田海浜公園はきめの細かい、さらさらと美しくやわらかい砂浜の人工海水浴場を持つ
海岸環境が整備された公園である。園内には、花や魚などのレリーフをあしらったカラー
遊歩道やパーゴラ、東屋などが設けられ、海水浴、レクリエーション、散策など、四季を
通じて海とのふれあいが楽しめる公園となっている。駐車場には、約 140 台分のスペース
があり、遠方の住民も足を運ぶことができる。しかし、真正面の黒髪島の対岸は、石材採
取のため、岩肌を出しており、感じがよくない見方もできる。
20
図−20 周南大橋
図−21 中島屋酒造
高瀬峡は四季の自然の美しさを満喫できる渓谷である。特に紅葉は秀麗で、遊歩道を歩
くと奇岩や滝の水しぶきに魅了される。しかし、遊歩道は整備されてかなりの年月を経て
おり、子供たちが歩くには危険な箇所もあり、早急な対応が必要である。
史跡の県指定文化財である若山城跡をもつ若山は見晴らしのよい山頂から、周南市街地
や瀬戸内海が一望でき、素晴らしい景色を楽しむことができる。周南大橋は 2005 年に完成
したニールセンローゼアーチ橋で、周南コンビナート地帯によくあう銀色に輝くアーチを
有しており、美しく迫力がある(図−20)。橋からの海の眺めも極めて良好で、この辺りの
シンボル的な構造物になっている。
福川本陣跡などの歴史的なゆかりの門柱もあるが、土井地区には中島屋酒造等の旧家屋
が残っている(図−21)。これらの建物は傷みも感じられ、残す方向性を打ち出す必要があ
ろう。
4.2.3
熊毛地区
三丘温泉郷の河川公園はよく整備されているが、河川公園にはどこにでもあるような整
備の計画が施されており、個性的な整備の必要性が感じられる(図−22)。
徳修館や呼坂本陣跡等、歴史的に意味のある建造物もいくつか残されている。旧山陽道
には、改修の必要な古い建物も存在しており、それらの方向性も見出していかなければな
らない。
八代盆地はナベヅルの飛来で有名であるが、年々減少の傾向を辿っており、色々な方策
を打ち出しても歯止めが利かない状況である。動植物は人間の心を豊かにする効果を有し
ているので、何とか飛来数の維持、増加を実現してほしい。また、八代盆地の東に位置す
る烏帽子ヶ岳からの眺望は壮観である。
4.2.4
鹿野地区
鹿野地区ではすでに、地域住民を中心に市民参加のワークショップが数回開催されてお
り、非常に個性豊かな景観が存在する。漢陽寺は裏山の潮音洞より流れ出る水を活かし、
古庭園を模して築庭された閑雅な雰囲気の「曲水の庭」に代表される様々なタイプの庭園
(蓬莱山池庭、九山八海の庭、地蔵遊化の庭など)と、精進料理が好評を得て名を馳せ、
21
図−22 三丘温泉郷の河川公園
図−23 鹿野の赤瓦の民家
図−24 岩崎家
図−25 渋川小学校
今では訪れる人も多く、マスコミに紹介されることも再々ある有名な寺である。潮音洞は
1654 年に完成した灌漑用のトンネルである。
清流通りや河川公園はよく整備されている。清流通りは紅葉並木が美しく、河川公園は
夏には水と戯れる子供たちを見ることができる。また、点在する赤瓦の民家は山代地方の
特徴で赤瓦と夏の水田の緑の組合せは心を和ます風景である(図−23)。長野山の登山道も
うまく整備されており、途中の赤滝や遠景も目を見張るものがある。
歴史的な構造物も多く存在するが、岩崎家(図−24)の看板は巨大で圧倒されるものが
あり、その価値も計り知れない。この建物は傷みが激しく、保存の方策を急がなければな
らない。
図−25 は休校中の渋川小学校であるが、木造で団塊の世代には懐かしい光景である。今
後、できるだけ改築して利用することが、歴史の継承につながるものと考えられる。
22
4.3
図−26 久米周辺の河川のゴミ
図−27 櫛ヶ浜周辺の護岸の放置物
図−28 高専坂からの遠景
図−29 岐陽橋から北側を望む
周南市における主な景観阻害要因
一般的には景観を阻害する要因として次のようなものが挙げられる。
(1) 路上を占拠する(放置)自転車、広告物
(2) 放置された廃棄物
(3) 高層ビルによる眺望阻害
(4) 周囲の風情に似合わない色や形の建築物
(5) 過大屋外広告やその乱立
(6) 電線・電柱の乱立
(7) 開発行為などによる緑の減少
(8) 護岸や擁壁など周囲にマッチしていないコンクリート構造物
(9) 防音壁や法面など機能性重視の公共構造物
これらの景観阻害のほとんどが周南市でも確認された。図−26 は久米周辺の河川である
が、整備された直後にもかかわらず、ゴミの散乱が目立つ。図−27 は櫛ヶ浜周辺の護岸で
あるが、無秩序に放置物が置かれており、雑多で汚い景観になっている。これらのことは
人としてのモラルの問題であるが、それができないのが現状であるため、何らかの方策を
23
考える必要がある。
図−28 は徳山高専へ向かう坂の上からの景色であるが、電柱や電線が美しい景観を阻害
している。そのほかにも、徳山駅南の海岸通りには両側に空間がないほどびっしり、路上
駐車がされており、多くの交通を妨げるだけでなく、見た目もよくなかった。また、岐陽
橋の北側は秋には紅葉もあり東川の整備もあって、美しい景観を見せるが、橋のそばには
網のフェンスが張りめぐらされ、
ほとんどその景色は確認できない状態であった(図−29)。
これらのことは、普段、何も考えず生活していれば気にならないことかもしれないが、も
しその景観阻害がなかったら、心を落ち着かせる効果をもたらすかもしれない。
24
5.周南市の景観に対する課題および守り育てるための方策
第4回委員会で中心市街地の景観を守り育てる方策を検討した。ここで出た考え方は中
心市街地だけにとどまらず、他の地域の景観に対しても適用できるものと考えることがで
きる。
多かった意見は、
街路樹の美しさ等を先ず、市民に知ってもらおうという意見である。「こ
んなに美しいところがあるとは知らなかった。」という委員もあり、景観資源を詳しく知っ
てもらえば、景観に興味を持つことにつながり、さらに郷土愛が生まれることでモラルの
低下などを防ぐこともできる。そのためにはウォーキング大会等のイベントを企画するこ
とや散策マップを作成するなどの案が考えられる。
枯葉やゴミの除去にはボランティア活動を欠くことができないという意見も多かった。
特に中心市街地にはマンションの建設が進んでおり、これらの自治体の活動や NPO 法人
との連携が必要となる。
学校教育の中で街の美しさや歴史を学べる環境を整え、それを維持するためのシステム
を確立する必要がある。また、市民向けの勉強会などの企画も必要であろう。
さらに、これからはルールを作り規制を設けることも不可欠になる。景観を著しく阻害
する創造、創作はルールを持って行わせないという強い姿勢を打ち出すことが必要である。
以下、中心市街地の3つのゾーンに対して意見を表‐4にまとめた。概要をまとめて列
挙すると次のような項目が考えられる。
(1) 心地よい景観(資源)を市民に知ってもらう。
(2) 街の美しさや歴史を学べる工夫を行っていく。
(3) 景観を守る組織をつくり、ボランティア活動を展開する。
(4) まちづくりのルールをつくり、看板や建物の規制を施す。
(5) 地域の特性を生かした郷土愛を育むまちづくりをおこなう。
25
表−4 委員会での中心市街地の景観を守り育てるための意見
(1)緑と文化ゾーン
「知ってもらおう緑いっぱいの街」
街のきれいなところや街歩きで再発見したものをPRし、みんなに街の良さ知ってもら
うことが大切です。
PR
・ウォーキング大会を開催する
・散歩道のマップを作成する
・樹木に名前をつける
・案内版を設置する
きれいな景観をどのように創造、維持していくか
・桜並木の歩道にベンチを置く
・花壇に花を植える
・街路樹をもっと増やして、空地などが見えないようにする
ボランティア活動
・いつも市役所前の花壇を手入れしている明石さんを手伝う
・みんなでゴミ拾いをする
・組織を作ってグループで景観を守る
教育・歴史
・街の歴史を調べる
・この地区は街路樹がたくさんあるので、街路樹の勉強会を開催する
全て開放的だと秩序が保てないので規制が必要
・看板や建物の色を規制する
電線を地中化すればもっと良い景観になる
26
(2)商業ゾーン
「美しさには、努力とルールが必要」
コンセプトが必要で、選択と集中が大事です。
やっぱりルールは大切でしょう
・看板の乱立が目立つので、規制が必要になる
・建物の統一性を持たせた街づくりをしてはどうか
好きになろう
・通りに名前をつける
・美しい景観の名所を探すことで、街に愛着を持ってもらう
・学校での教育で、清掃活動を行う
・地域の一押し景観コンテストを開催する
・街なかにはアート作品がたくさんあるのに知られていないので、情報発信をする
・街なかにアート作品が展示できるスペースを設ける
自然をもっと
・緑をもっと増やす、街路樹を手入れする
・東川緑地公園を水に親しめるようにする
・海がけっこう近いので、海が感じられる街づくりをしてはどうか
・東川緑地公園で、俳句会やお茶会などの文化的な催しを行う
美しくきれいに
・大人と子供が一緒になって清掃活動を行う
・家庭ゴミを置く場所(ゴミステーション)をつくる
もっときれいに美しく
・放置自転車は、中心市街地で最大の景観阻害要因である
頻繁に撤去作業を行う
駐輪場を設置する
・電線の地中化を推進する
既に地中化している通りはとても美しく感じられる
27
(3)港町ゾーン
「みんなと歩こう港町」
まずこの港町地区を歩くことで、海や山、空の美しい景観を知ってもらうことが大切で
す。
ウォーキング
・港町公園から親水公園までをウォーキングコースにする
車で移動するより歩くことで景観を知ってもらう
参加する
・みんなが参加して公園をきれいにする
行政として何ができるか
・景観の知識を持った行政マンを育成する
・条例を作って建築物に規制をかける
つくる
・ベンチが置いてあるのに景観が楽しめないのでその位置を考える
・駅からフェリー乗り場さびしいので、ここをシンボルロードに位置づける
緑化
・公園の中のコンクリートブロック塀が目立つので、それを緑化する
知る
・まち歩きをし、市民からの意見を聞いて景観ガイドブックを作成する
マナー
・路上駐車がなくなるだけでも景観が良くなる
28
6.おわりに
最後に総合的な周南市の景観に対する意見を出し合ったが、特徴のある街路樹の計画的
な整備など、全国に例を見ない周南市だけの個性ある景観整備の方策を打ち出すことの必
要性はほとんどの委員の一致するところであった。
また、鹿野地区や熊毛地区は自然の景観資源に恵まれており、これを生かした癒しの空
間を守っていくことが重要である。さらに、周南市は広く様々な景観資源が点在している
ので、歴史的な建築物はできるだけ保存する方向で考える必要があり、それらを残して、
景観スポットや景観を守る地区に指定していくことが重要である。
全体的には街中にはさらに景観を育てていく意識が、田園地域などの郊外では景観を守
っている意識が重要となるが、「守っていく景観」と「育てていく景観」をはっきり区別して
整備していく必要がある。表−5に委員全員の意見をまとめた。
景観法が施行され、今後はそれにしたがったルール作りが全国的に展開されていく。そ
れに関する話題は、当たり前のようにメディアで扱われることになろう。これを受けて景
観に対する市民の意識は大きな変化を見せることは必至である。そのときに自治体がどの
程度まで景観に対する整備を進めているかは極めて重要な課題である。
心の豊かさが求められる現在社会において、市民の心を満たすもので重要なことは、時
間の余裕や物的な充当より、情報の供給の割合が最も多いとされる視覚的な満足度である
と考えられる。人間が感じる五感の情報で圧倒的な印象を残すものは視覚から得た情報と
いわれる。これらのことを考えると今後の人間の心の豊かさを与える重要なものは心地よ
い景観であるといえる。景観整備が市民の意識の変化に対応できるような景観行政を考え
ていっていただきたい。
その際は、周南市において、各部署の隔たりを取り去り、総合的な立場から企画立案を
進めていっていただきたい。
表−5 周南市の景観整備に対する委員の意見
A委員
・周南市は都会にはなりきれない。都会の真似をするのではなく、街路樹等の個性を
いかした整備をする必要がある。
B委員
・鹿野、熊毛や北部地区は自然の景観資源に恵まれている。これを生かした癒しの空
間を守っていくことが大切だと思う。
C委員
・周南市は市街地の道路景観がメインである。建物や街路樹などで統一性を持たせた
景観をつくっていくことが必要である。
29
・様々な景観資源が存在しているので、歴史的な建築物は移築などでできるだけ残し
て、観光スポットや景観を守る地区に指定すればよいのではないだろうか。
・ゴミの集積方法はどうにかならないだろうか。マンションならゴミステーションが
あるように、ゴミを置く施設を設けてはどうだろうか。
D委員
・時間をつぶせる心地良い空間が身近にもけっこう多いと感じる。こういうところは
景観も優れているので、市民の持っている情報をまとめて、もっとPRしていったら
良いのではないだろうか。
E委員
・中心市街地は、個々の基準で創っては壊すことを繰り返してきたため、このような
街になってしまった。これからは、ある程度のルールをつくって共通の概念を持つこ
とで、景観をキーワードにした街づくりを進めていくべきではないだろうか。
・公園や護岸などの整備は、壊してきれいにするのが良いとは思えない。自然を意識
した手法を考える必要がある。
F委員
・新幹線を降りた時の徳山駅周辺のイメージは、周南市の玄関口としてふさわしくな
いように感じる。都会でもないのに町名に東京の名称をつけているが、古くからある
町名への変更を考慮してはどうだろうか。
G委員
・周南市には景観に優れたところがいっぱいあるが、徳山駅周辺の商店街はさびれて
いて景観もよくないので、この対策を最優先したらどうどうだろうか。
・郊外については、この優れた景観に対して手法を考えて守っていくことが大切であ
る。
H委員
・周南市には景観の良いところがいっぱいあるので、情報を発信していくことが大切
で、そのことにより景観が保護できればいいと思う。
・周囲にマッチしない色の建築物が気になるので、ルールをつくって改善していけば
よいのではないだろうか。
I委員
・周南市の景観は海や山などバリエーションが多く地域によって特徴があるので、田
園地帯は守っていく景観で、街なかは育てていく景観だと思う。
30
・モデル的な景観をPRしていくことが大切で、知ってもらうことで次のステップに
進むことができる。市民が身近なことに関心をもって努力し、その積み重ねで街全体
がよくなっていくのではないだろうか。
J委員
・通常景観に関して意識することが少ないので、情報を提供して景観に関心を持って
もらうことが必要である。
・守っていく景観と育てていく景観にメリハリをつけることも考慮するべきではない
だろうか。
K委員
・景観については知られていない部分が多いので、多くの市民に知ってもらうことが
大事だと思う。
・赤がわら、棚田や旧い街並みなど特徴的な景観を今後どうやって残していくのかを、
十分議論していく必要がある。
・公園の整備が、コンクリートを使用した人工的ものになっているのが気になる。個
性的な公園整備と維持管理を考慮する必要があるのではないだろうか。
L委員
・街なかはある程度ルールを作って景観を育てていくべきではないだろうか。遠景を
生かした景観を育てていく必要がある。
・郊外は景観を守っていくことが必要で、棚田や田園地帯の景観はすばらしいが、休
耕田が増えないよう地域全体で考えていく必要がある。
参考文献
1) 五十嵐太郎、「景観は記号ではない」、10+1、No.46、pp.94∼103、2006.
2) 五十嵐太郎、「美しい都市・醜い都市」、中公新書ラクレ、pp.55∼86、2006.
3) 田村明、「まちづくりと景観」、岩波新書、pp.2∼14、2005.
4) 岸田里佳子、「景観法の制定と現在の施行状況」、Jurist、No.1314、pp.4∼14、2006..
5) 土岐寛、「景観行政とまちづくり」、時事通信社、pp.87∼112、2005.
6) ㈶東京市政調査会編、「景観法はまちの魅力を引き出せるか」、「都市問題」公開講座ブ
ックレット5、pp.32∼38、2005.
7) 5)の文献、p.158.
31
参
①
考
資
料
周 南 市 の 景 観 資 源 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 32
景 観 資 源 一 覧 表 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 32
景 観 資 源 写 真 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 34
②
C A A 「 周 南 市 の 景 観 を 考 え て み よ う 」 審 議 経 過 、 議 事 要 旨 ・ ・ 45
③
C A A 「 周 南 市 の 景 観 を 考 え て み よ う 」 委 員 名 簿 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 88
周南市景観資源一覧(1)
地区名
徳
山
地
区
まとまりの景観
景 観 資 源
視点場
御幸通り
街路樹
石張舗装
岐山通り
街路樹
花壇
さくら通り
桜のトンネル
石張舗装
美術館
ぴーえっちどおり
モニュメント
街路樹
ブロック舗装
糀街一ノ井手線
ハナミズキ
商店街
アーケード
サイン
昔からある商店
児玉町周辺
タイワンマツ
児玉神社
児玉公園
東川緑地公園
桜
東川
港湾地区
コンビナート(夜景) 徳山湾
晴海ふ頭公園
周南緑地(東緑地)
桜の森
梅の里
モニュメント
周南緑地(中央緑地)
周南フレンドパーク
緑の掛橋
園路と樹木
万葉の森と大賀ハス
池周辺とツツジ
花菖蒲
カラー舗装
樹木
休憩施設
遠石八幡宮
鳥居
石段(参道)
クスノキ
旧山陽道(遠石)
旧家屋
下松新南陽線
中央分離帯の街路樹
秋月団地
地区計画家屋
動物園
桜
興元寺
イチョウ
周南緑地(西緑地)
○
周南緑道
東山から見る蛇島
○
望海台
○
徳山高専の坂の上
○
とおの山
○
太華山
○
ツリー祭り
池
山頂広場
桜
粭島地区
貴船祭り
密集した家屋
漁港
大島地区
海沿いの道
潮干狩り
漁港
大津島
回天発射訓練場跡
大津島公園
自然石護岸(馬島)
漁港
海沿いの道
刈尾海水浴場
刈尾∼本浦桜並木
須々万地区
栄谷イチョウ
大玉杉
菅野湖
桜
湖面に映る山
中須地区
棚田
大向地区
向道湖(桜と菜の花)
長穂地区
黒木川
ホタル
大道理地区
赤瓦
ホタル
四熊地区
棚田
川上ダム
湯野地区
サンサンロード
山田家本家
招魂社(紅葉)
四郎谷地区
棚田
密集した集落
漁港
津木∼桑原
海沿いの道
漁港
密集した集落
昇仙峰
龍文寺
○
32
周南市景観資源一覧(2)
地区名
まとまりの景観
永源山公園
新
南
陽
地
区
○
ゆめ風車
チューリップ祭り
園路沿いの樹木
市制記念広場
ゆめ風車どおり
ポケットパーク
街路樹
旧日下医院
土井2丁目旧街道
中島屋酒造
旧家屋
水路
勝栄寺
土塁
旧山陽道(福川)
福川本陣跡
旧家屋
山頂広場
陶の道
桜
長田海岸
海浜公園
海水浴場
石積み防波堤
高瀬地区
高瀬峡
高瀬湖
茶畑
島地川
紅葉
若山城跡
○
新南陽大橋
○
田園地帯
八代盆地
ナベヅル
田園地帯
ウッドパーク
魚切の滝
旧山陽道(呼坂)
呼坂本陣跡
旧家屋
久保川遊歩道
親水護岸
夢ヶ丘団地
地区計画家屋
徳修館公園
徳修館
三丘温泉
東善寺河川公園
桜
松原神社
イチョウ
巨木群
島田川流域
田園地帯
黒岩峡
河川公園
紅葉
漢陽寺
曲水の庭
潮音洞
水路
清流通り
水路
石垣
しだれ桜
紅葉
水車
岩崎想左衛門の銅像
二所山田神社
巨木群
天神まつり
龍雲寺
石垣
烏帽子岳
鹿
野
地
区
ツツジ祭り
建咲院
和田地区
熊
毛
地
区
景 観 資 源
視点場
天神山公園
○
○
山代街道
せせらぎパーク
山頂広場
桜
ササユリ
町並み
岩崎家
看板「超世丸」
路地
市恵比寿
河川公園
渋川
新平ヶ原公園
ホタル
渋川小学校(休校)
旧校舎
長野山緑地公園
鹿野全域
○
紅葉
紅葉
雪景色
赤瓦の町並み
冬の花火
33
ホタル
雪かき
周南市の景観(徳山地区1)
徳山駅ビルから見る
御幸通り
周南市の冬の風物詩
ツリーまつり
緑豊かな街路樹の連なる
岐山通り
四季折々の花が美しい
中央分離帯の花壇
桜のトンネルが美しい
徳山港線(さくらどおり)
夏の緑も心地良い
徳山港線(さくらどおり)
アメニティ街路の
ぴーえっちどおり
ハナミズキの咲き誇る
糀町一の井手線
アーケードが連続した
商店街
児玉源太郎ゆかりの
タイワンマツ
市街地の癒しの空間
東川緑地公園
周南市の象徴
コンビナートの夜景
34
周南市の景観(徳山地区2)
青い海と空が美しい
徳山湾
緑の芝生と青い空がマッチした
親水公園
快適な歩道として整備された
公園へのアクセスロード
周南緑地公園のシンボル
総合スポーツセンターと
ツーザスカイ
春は桜の名所で賑わう
東緑地 桜の森
春の到来を告げる
東緑地 梅の里
落ち着いたデザインの
緑の掛け橋
元気な子供で賑わう
周南フレンドパーク
春にはツツジと桜が咲き誇る
西緑地 池周辺
すぐ近くでも鑑賞できる
西緑地 菖蒲園
縄文時代の種が開花
西緑地 大賀ハス
35
心地よい空間に生まれ変わった
周南緑道
周南市の景観(徳山地区3)
1300年の歴史を誇る
遠石八幡宮
昔は門前町として栄えた
旧山陽道遠石地区の町並み
見通しに配慮した
中央分離帯の街路樹
ルールに基づいて建築された
秋月団地
家族で楽しめる憩いの空間
動物園
杉氏、児玉家の菩提寺
興元寺
望海台から見る
中心市街地
太華山から見る
市街地とコンビナート群と
徳山湾
徳山高専の坂から見る
市街地と徳山湾
市街地が見渡せる
太華山山頂
36
とおの山から見る
市街地
東山の市道の正面に見える
蛇島
周南市の景観(徳山地区4)
豊漁と安全を祈願した
粭島地区の貴船祭り
海岸沿いに伸びる
大島地区のパイプライン
歴史的土木遺産
回天発射訓練基地跡
美しい海や山に囲まれた
大津島公園と自然石護岸
海からの風が心地良い
海沿いの道(大津島)
美しい砂浜が続く
刈尾海水浴場
紅葉が特徴的な
イチョウ(栄谷)
山口県内最大の巨樹
大玉杉
湖面に映る山も美しい
菅野湖
地域の共有財産となっている
中須の棚田
37
背後に集落が密集した
大島漁港
背後の山腹に集落が形成された
馬島漁港
周南市の景観(徳山地区5)
湖畔の桜や菜の花も美しい
向道湖
自然に溶込むよう改修された
黒木川
地域全体で保存したい
四熊の棚田
湯野地区のシンボル
サンサンロード
陶氏の菩提寺
龍文寺
江戸時代中期の建築を復元した
山田家本屋
紅葉が美しい
招魂社の参道
昇仙峰山頂から見る
徳山湾の島々
集落の背後に広がる
四郎谷の棚田
潮風が心地よい
海沿いの道(津木∼桑原)
漁港と集落が一体となっている
桑原集落
跨線橋から見る
桑原漁港と周防灘
38
周南市の景観(新南陽地区1)
オランダの風を感じる
ゆめ風車とチューリップ
休日は家族連れで賑わう
永源山公園
心休まる憩いの場
永源山公園モニュメント広場
周南市のランドマーク
ゆめ風車
地域の意向を反映して整備
ゆめ風車どおり
歩行者や地域住民の安らぎの場
ポケットパーク
(ゆめ風車どおり)
政所から鹿野への交通の要所
旧街道(土井地区)の町並み
創業100年の歴史をもつ
中島屋酒造
大正時代の建築物
日下医院
陶氏、毛利氏ゆかりの
建咲院
三本の矢の教えで知られる
勝栄寺と土塁
39
旧山陽道沿いの宿場町
福川本陣跡
周南市の景観(新南陽地区2)
若山山頂から見る
市街地と海と島々
銀色に輝くニールセンローゼ橋
周南大橋
陶氏の居城 若山城
山頂広場(三の丸跡)
砂浜と石積防波堤がマッチした
長田海浜公園
澄んだ空気と静かな水面の
高瀬湖
40
桜で埋め尽くされた
美しい日本のあるきたくな
る道(陶の道)
散策遊歩道沿いに美しい自然
高瀬峡
周南市の景観(熊毛地区1)
八代地区の宝物
特別天然記念物のナベヅル
雪の中にたたずむ
ナベヅル
夫婦仲良く食事
ナベヅル
緑がまぶしい田園地帯
八代盆地
烏帽子ヶ岳山頂から見る
八代盆地
紅葉に心が洗われる
烏帽子ヶ岳林道
静寂な山中に水音の響く
魚切の滝
旧山陽道沿いの宿場町
呼坂本陣跡
吉田松陰も通った
旧山陽道の町並み
せせらぎが心地よい
久保川沿いの遊歩道
ルールに基づいて建築された
夢ヶ丘団地
宍戸家創設の学校
徳修館
41
周南市の景観(熊毛地区2)
川と周囲の家屋や山々がマッチ
東善寺河川公園
桜の美しい親水公園
東善寺河川公園
自然に囲まれた癒しの空間
東善寺やすらぎの里
黄色いじゅうたんが一面
松原神社のイチョウ
島田川沿いに広がる
田園地帯と山並み
両岸の緑と雄大な水面
島田川
清流に心が癒される
黒岩峡
紅葉が水面に映える
黒岩峡
42
周南市の景観(鹿野地区1)
大内弘世創建の名刹
漢陽寺
心落ち着く枯山水の名園
漢陽寺 曲水の庭
鹿野の発展の源
潮音洞
静かに水を運んでいく
漢陽寺境内の水路
初夏の緑がまぶしい
清流通り
秋の紅葉があでやかな
清流通り
春の鹿野の一押し景観
清流通り しだれ桜
荘厳さを感じさせる
二所山田神社と巨木群
夏の鹿野の風物詩
二所山田神社 天神まつり
自然に囲まれた古刹
龍雲寺
鹿野の町の礎を築いた
岩崎想左衛門の銅像
芝生の緑が一面に広がる
天神山山頂広場
43
周南市の景観(鹿野地区2)
天神山から見る
春の鹿野市街地
想左衛門も暮らしたであろう
岩崎家
天神山から見る
夏の鹿野市街地
海外にまで進出した
薬「超世丸」の看板
萩∼岩国の交通の要所
旧山代街道の町並み
鹿野の冬の風物詩
冬の花火
この川にうつった空も好き
渋川とせせらぎパーク
連続した赤瓦が美しい
鹿野郊外の町並み
昔ながらの校舎が残る
渋川小学校(休校)
桜の名所
石船温泉
長野山山頂から見る
中国山脈
紅葉が美しい
長野山山頂付近
44
平成18年度
周南市CAA審議経過
「周南市の景観を考えてみよう」
第1回
開 催 日:平成18年8月24日(木)
第6会議室
議
題:景観とは何か
概
要:CAAについて市民協働室から説明。自己紹介。会長、副会長の選出。
都市計画課による課題の諮問。景観アドバイザーによる「景観とは何か」の講話。
景観に関する意見交換。
第2回
開 催 日:平成18年9月23日(土)
第6会議室、徳山駅周辺
議
題:景観タウンウォッチング
概
要:3班に分かれて、徳山駅周辺の中心市街地のまち歩きを行い「心地よいと感じる景
観」「ここはどうかなと感じる景観」の写真を撮影。
第3回
開 催 日:平成18年10月12日(木)
第6会議室
議
題:中心市街地の景観特徴の把握
概
要:3班に分かれて、前回撮影した写真を用いて中心市街地の景観の特徴を把握。
壁新聞を作成。一押し景観を選定。
第4回
開 催 日:平成18年11月9日(木)
第6会議室
議
題:中心市街地の景観を守り育てる方策の検討
概
要:3班に分かれて、前回作成した壁新聞を活用して、この景観を守り育てる方策を検
討。壁新聞を作成。
第5回
開 催 日:平成18年12月14日(木)
第6会議室
議
題:周南市の景観を守り育てる方策の検討
概
要:周南市の心地よいと感じる景観、ここはどうかなと感じる景観の写真をスクリーン
で見ながら意見交換。
第6回
開 催 日:平成19年2月8日(木)
第6会議室
議
題:提言書(素案)について意見交換
概
要:提言書(素案)の中の「周南市の景観の特徴」と「周南市の景観を守り育てる方策」
についての議論。
45
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第1回委員会議事要旨
【日
時】
平成18年8月24日(木)18:30∼20:30
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
吉岡
治
常久
京子
橋本
堅一
熊野
稔
村越
千幸子
安沢
秀行
村井
智子
周山
健太郎
山崎
一夫
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
(以上15名)
【事 務 局】
青木都市開発部長、平川都市計画課長、長廣主査、中村主査、原主任
【傍 聴 者】
0名
【議事内容】
1.開
会
2.助役あいさつ
3.「CAA」について
佐々木市民協働室長によるCAAの運営についての説明
4.自己紹介
各委員、自分の好きな周南市の景観を題材にして自己紹介を行った。
(委員の意見)
・景観について市民と行政が一体となって考えていくことが重要。
・景観はコツコツと地道に考えていく必要がある。
・行政にとって、市民の協力は必要不可欠。景観についても同様である。
・太華山や望海台などの高台から見る市街地の景観、特にコンビナートと港(海)が周南
市を象徴している。コンビナートの夜景が新幹線から見えると、周南市に帰ってきたと
実感できる。
・田園風景の中で、周辺の緑に映える赤瓦は全国的にも美しい景観。
・中心市街地の街路樹、グリーンベルトが良好な景観を創出している。特に、文化会館に
通じる桜並木が美しい。
・景観を考えた場合、道路の電柱や電線が大変気になる。
・鹿野の清流通りは水の流れが意識でき、鹿野らしさが感じられる。
・高台から周囲を見ると、山や島の緑が削り取られ地肌が見える箇所があり、好感が持て
ない。
5.会長、副会長選出
会長
橋本委員、副会長
村越委員に決定
46
6.課題の提案
事務局による課題についての説明
(要旨)
・周南市はこれまで景観行政に力を注いでこなかったが、郊外の自然と調和した景観や街
路樹の連なる道路景観など多くの良好な景観資源に恵まれている。平成16年に「景観
法」が制定されたことを契機として、行政と市民が一体となって積極的に景観行政に取
り組む予定であるが、具体的な取組方針を模索しているのが現状である。
・周南市には多くの良好な景観資源が存在するが、このCAA委員会では範囲を中心市街
地に限定して景観について考えていきたい。中心市街地を実際に歩いてみて景観の特徴
を把握し、課題を抽出した後に良好な景観形成の方策を考えて欲しい。
・CAAでの提言を、周南市の景観行政に反映させていきたい。
7.「景観とは何か」
景観アドバイザーの熊野委員による「景観とは何か」についての講話。
8.次回開催要領と日程
・次回は数グループに分かれて中心市街地のまち歩きを行い、自分の目で直接景観の特徴
を把握する。資料として写真撮影を行う。
・街歩きの範囲については、会長、副会長と事務局で調整する。
・次回開催は、9月23日(土)9:00からとする。
9.閉会
47
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第2回CAA委員会議事要旨
【日
時】
平成18年9月23日(土)9:00∼12:00
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
常久
京子
橋本
堅一
熊野
稔
村越
千幸子
安沢
秀行
周山
健太郎
山崎
一夫
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
(以上13名)
【事 務 局】
平川都市計画課長、長廣主査、中村主査、原主任
【傍 聴 者】
0名
【議事内容】
1.開
会
2.第1回議事録について
別途資料(第1回CAA委員会議事要旨)のとおりで、全委員了承
3.開催要領
会長より説明
①開催要領(別紙①)
②各班の課題(別紙②③④)
③まち歩き平面図(別紙⑤)
4.まち歩き、写真撮影(別紙資料⑥⑦⑧)
班ごとに、決められた地域のまち歩きを行った。
「心地よいと感じる景観」
「これはどうかなと思う景観」を探して、写真を撮影した。
その際写真を撮った位置を地図に記入し、理由や状況を記録した。
5.資料の整理
パソコンに写真のデータを取り込み、地図と一致させた。
6.次回開催要領と日程
・次回は、今回の資料を基に壁新聞を作成し、グループごとに発表する。
・平面図(模造紙)に「心地よいと感じる景観」
「ここはどうかなと感じる景観」の写真
を貼り付け、理由等を記入する。
・次回開催は、10月12日(木)18:30からとする。
7.閉
会
48
第2回CAA委員会
開催要領
別 紙 ①
1. 第2回よりグループごとの作業となります。班分けは次のとおりとします。
A
班
緑と文化ゾーン
委員名
事務局同行者
B
班
C
班
商 業 ゾ ー ン
港 町 ゾ ー ン
橋本
堅一
村越
千幸子
熊野
稔
渡辺
優
吉岡
治
常久
京子
深堀
潤一郎
安沢
秀行
中野
亮
村井
智子
濱野
亜紀
山
一夫
川本
伸幸
周山
健太郎
守田
正志
中村
一幸
平川
節雄
原
浩士
長廣
悦伸
2. まち歩きルート
別紙エリアの中とし、ルートは各グループで決めてください。
(ただし、別紙の課題に従ってください)
3.まち歩きを行うに当って
(1)「心地よいと感じる景観」と「ここはどうかなと感じる景観」を見つけましょう
・ダンボール額縁を使って写真を撮りましょう。
・良い景観を意識する中で、いろいろなところが見えてきます。
・歴史、自然、建物など、土地の個性を醸し出しているものを探しましょう。
・視覚的なものだけでなく、音、匂いなど五感を働かせましょう。
(2)役割分担を決めましょう
① 撮影者
② 額縁を持つ
③ 地図に位置やコメントを記入
④ 交通整理
(3)記録を取りましょう
・写真を撮った位置を図面に記入し、その理由や状況をメモしておきましょう。
4. まち歩きの後、写真を整理しましょう
① パソコンにデータを取り込む
② 不要な写真は削除するか別フォルダに移す
③ 写真と地図を一致させて番号(タイトル)を付ける
※写真の印刷は事務局で行います。
49
別 紙 ②
緑と文化ゾーン(A班)
【グループメンバー】
橋本 堅一
渡辺
優
深堀
潤一郎
村井
智子
川本
伸幸
【まち歩きルート】
別紙エリア(ルートは自由ですが、下記の課題はクリアしてください。)
【課
題】
額
縁
ダンボール額縁を使って写真を撮りましょう。グループでの意識が共
有できます。その景観だけがうきあがって見えてきます。
遠
景
近くにある風景だけでなく、遠景にも注意を向けましょう。
路
特色のある次の通りを歩きましょう。
岐山通り さくら通り いちょう通り
街
公共施設
公共施設は景観形成に貢献しているでしょうか。
児玉公園 美術博物館 山口県周南総合庁舎
50
別 紙 ③
商業ゾーン(B班)
【グループメンバー】
村越 千幸子
吉岡
治
安沢
秀行
濱野
亜紀
周山
健太郎
【まち歩きルート】
別紙エリア(ルートは自由ですが、下記の課題はクリアしてください。)
【課
題】
額
縁
ダンボール額縁を使って写真を撮りましょう。グループでの意識が共
有できます。その景観だけがうきあがって見えてきます。
遠
景
近くにある風景だけでなく、遠景にも注意を向けましょう。
徳山駅3階から見る景観、御幸通りから見る徳山駅の景観
街
路
特色のある次の通りを歩きましょう。
御幸通り PH通り 昭和通り きらら通り
公共施設
公共施設は景観形成に貢献しているでしょうか。
青空公園、東川緑地公園
51
別 紙 ④
港町ゾーン〈C班〉
【グループメンバー】
熊野 稔
常久 京子
中野
亮
山崎
一夫
守田
正志
【まち歩きルート】
別紙エリア(ルートは自由ですが、下記の課題はクリアしてください。)
【課
題】
額
縁
ダンボール額縁を使って写真を撮りましょう。グループでの意識が共
有できます。その景観だけがうきあがって見えてきます。
遠
景
近くにある風景だけでなく、遠景にも注意を向けましょう。
路
特色のある次の通りを歩きましょう。
海岸通り
街
公共施設
公共施設は景観形成に貢献しているでしょうか。
晴海第一ふ頭公園 港公園、晴海公園、フェリーターミナル
※車で移動します(現地の状況に応じて変更有り)
市役所 → 晴海第一ふ頭公園 → 港公園 →
まち歩き――フェリータミナル → 市役所
52
フェリーターミナル――
別 紙 ⑤
53
A班(緑と文化ゾーン)
別 紙 ⑥
まち歩きの状況
慎重に構図を決めています
よーし、これはいい景観
ま ち の 景 観
クスノキの大木
緑に映える赤レンガ
どこまでも続く桜のトンネル
徳山小学校の歴史を感じさせる塀
54
B班(商業ゾーン)
別 紙 ⑦
まち歩きの状況
景観ポイント発見
御幸通りをみながら、意見交換
ま ち の 景 観
アーケードが伸びる商店街
徳山駅ビルからみる御幸通り
美しく整備されたPH通り
こんな街中に天満宮が
55
別 紙 ⑧
C班(港町ゾーン)
まち歩きの状況
ここからの眺めはどうかな
こんな感じかな
ま ち の 景 観
ベンチからの眺めがこれ?
釣り人と徳山湾
港のシンボル、白い灯台
遠景も美しい親水公園
56
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第3回CAA委員会議事要旨
【日
時】
平成18年10月12日(木)18:30∼20:40
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
常久
京子
橋本
堅一
熊野
稔
村越
千幸子
安沢
秀行
村井
智子
山崎
一夫
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
(以上13名)
【事 務 局】
平川都市計画課長、長廣係長、中村主査、原主任
【傍 聴 者】
2名
【議事内容】
1.開
会
2.第2回議事録について
別途資料(第2回CAA委員会議事要旨)のとおりで、全委員了承
3.開催要領
会長より開催要領の説明(別紙①)
4.ワークショップ
・中心市街地の景観の特徴を把握するため、班ごとに壁新聞を作成し、発表した。
(別紙②③④⑤⑥⑦)
・まとめ
【会
長】中心市街地には、多くの心地よい景観が存在している。日頃なにげなくみてい
るので気付かない点も多いが、今回のまち歩きで素晴らしい景観資源を数多く発
見することができた。この心地よい景観資源を広く市民に周知していく必要があ
る。
【副会長】まち中には以外と緑が多い。建築物の周囲に樹木が植えてあれば、緑と調和し
てより美しく感じられる。徳山駅に降り立った際の緑豊かな御幸通の景観は素晴
らしく、未来に残していきたい。
5.次回開催要領と日程
・次回は、市街地の良好な景観形成の方策を検討する。
・グループごとに議論し、壁新聞にまとめて発表する。
・次回開催は、11月9日(木)18:30からとする。
6.閉
会
57
別 紙 ①
第3回CAA委員会「周南市の景観を考えてみよう」
1.目
開催要領
的
中心市街地の景観の特徴を把握する。
・会議は、ワークショップ形式で行う。
(班分けは下記の通り)
・班ごとに成果を壁新聞にまとめて、発表する。
2. 班分けは次のとおり(まち歩きと同じ)
A
班
緑と文化ゾーン
委員名
事務局
B
班
C
班
商 業 ゾ ー ン
港 町 ゾ ー ン
橋本
堅一
村越
千幸子
熊野
稔
渡辺
優
吉岡
治
常久
京子
深堀
潤一郎
安沢
秀行
中野
亮
村井
智子
濱野
亜紀
山
一夫
川本
伸幸
周山
健太郎
守田
正志
中村
一幸
平川
節雄
原
浩士
長廣
悦伸
3. ワークショップとは
「ワークショップ」は参加者全員が意見を出し合い、その結果合意形成を図ることができる話
し合いの手法である。
(互いの意見を尊重しあい、グループで合意形成を図る)
「ワークショップ」とは、立場や経験が異なる参加者が、共同作業を通じて、手や体全体を動
かしながら、一人一人の知恵や創意工夫を出し合って、その結果ある成果を創造できる活動や行
為である。
4. 壁新聞づくり
○前回各班で撮影した写真とコメント及び事務局が準備した写真を用いて、壁新聞を作成す
る。
※写真に直接写っている景観だけでなく、四季の移ろいや時間帯、人々の生活の営み、歴史
的背景などを想像してみましょう。
(例)春になったら満開の桜、夕日の沈む水平線、出港準備の漁師、祭りで賑わう商店街
①写真を次の項目に分類する。
(1)心地良いと感じる景観
(青シール)
(2)ここはどうかなと感じる景観
(赤シール)
(3)ありそうな優れた景観(想像してください)
(緑シール)
②平面図に、各写真の該当する位置に丸ポチシールを貼る。(上記色のシール)
③写真を適当な位置に仮止めし(はがせるノリ)、丸ポチシールと対応させる。
④ポストイットにコメント(理由や意見=これが発表の時に大変重要)を記入し、写真の下
(周辺)に貼る。ポストイットの色は、丸ポチシールと同じ色とする。
58
⑤最終的なレイアウトが定まったら、写真がはがれないようにテープ等で固定する。
⑥壁新聞にタイトルをつける。(キャッチフレーズ)
※その地域の景観の特徴を短い文書で表現する。
(鹿野のワークショップの例)
「水はどこへいった?」
「水と歴史の山代往還」等々
⑦一押し景観を選定する。(地域の中で最も心地よいと感じる景観)
⑧各班で代表者を決めて発表する。
(各班5分程度)
5. まとめ
会長、副会長がまとめを行う。
59
別 紙 ②
A班(緑と文化ゾーン)「緑いっぱいさんぽ道」
一押し景観:桜並木
桜並 木、
春が待ち遠しい
散歩が楽しそう
発
表
一押し景観の桜並木はこの季節でも非常に美しく、桜が満開になればさらに美しくなると思
います。市役所前の花壇は明石さんが熱心に手入れされていて、春になって花が咲き誇るのが
楽しみです。岐山通の南側は大きな木が緑豊かで、北側からは美しい山々が望めます。
どの通りを歩いても緑でいっぱいで、すてきな散歩道になっています。
60
明石 さん
ありがとう
山が 見え ます
壁新聞作成中
A 班 発 表 内 容
別 紙 ③
※どの通りを歩いても緑がいっぱいで、必ず多くの街路樹が植えてあり、感激した
岐山通り
中央分離帯に大木がある
全体的に樹木がおいしげっている
図書館の前にはオブジェ
南側は高い樹が密集している
北側は樹が低くて少ない、景観も開けて山も見える
南側と北側がちがってまた良い
いちょう通り
電柱が目立つ
街路樹やビルの高さが一定でないので、違和感がある
文化会館
落ち着きがあって、重量感、存在感がある
美術館
北東からの眺めは良いが、北西・南側からは樹木で建物が見えないので残念。近代的な建物が
見えずにもったいない
さくら通り
この時期でも桜のトンネルが非常に美しい、春は桜が咲いてさらに美しいのでは
北側から見る方が南側から見るより美しい、同じ通りなのにそんな印象
散歩している人がとても多い
どこにも誇れるすばらしい景観
総合庁舎とその周辺
道路と併せて整備されており、公園のようだ
ベンチがあって、散歩の際のひと休みの空間となっている
総合庁舎を南側から見ると、電柱が支障となってよく見えない、残念
東西の通り
少し昔の面影の残る建物があった
徳山小学校
東側の塀は、昔の支柱が塀の中に埋め込まれていて、歴史を感じた
県道の反対側(南側)
電柱が乱立(電線地中化の起点のため)
色の目立つ建物や壁全体が公告となっている建物があり、気になる
児玉公園
派手な色の遊具と慰霊碑が全体の中でアンバランス
市役所東側の花壇
明石さんが手入れしている
季節によっては花が咲いて美しい
61
別 紙 ④
B班(商業ゾーン)
「今もいいけど
もうチョット。
」
一押し景観:徳山駅ビルから見る御幸通り
緑豊かな御幸通り
徳山 駅ビル
周囲とミスマッチ?
表
一押し景観は徳山駅ビルから見る緑豊かな御幸通です。でも、御幸通りから駅ビルを見ると
少し残念な気がします。平和通りは電線が地中化され通りが幅広いので空がキレイに見えま
す。また、東川緑地公園は手入れが行き届いていて、街中の憩いの場となっています。
全体的にもうチョット工夫すれば、もっと心地良い市街地になると思います。
62
空がキレイ
電線ないもん
発
水辺がステキ
春の桜はすばらしい
壁新聞作成中
B 班 発 表 内 容
別 紙 ⑤
○今後の期待を込めて、きびしめに赤いシールを多くした
○緑のあるところは街がきれいに見える
○電線、電柱が埋設されているところは、空が広くきれいに見える
御幸通り
広田眼科敷地内のオブジェは、夜になったらライトアップされてきれいかな
鉄塔の赤と白の色が?、電線がやたらと多い
東西の通り
デザインの良い建物がある
神社が街中にある。周りに緑もあって、こういう景観は残していくべきではないか。
クラブ松本は夜の店のわりに、昼間見ても壁面緑化が美しい
昭和通り
信号機にふぐのオブジェがある、新発見
東川緑地公園
街中にあるのに良く整備されている
緑が多い
ここにいくまでの経路の景観を工夫すればもっと良くなる(はでな色の建物がある)
平和通り
電柱、電線が地中化してある
海に向かって平和大橋が登っているので、空がつながって見えてとても良い
商店街
スクランブル交差点からアーケードを見るといい感じ
国民文化祭の宣伝の連なるサインは統一感があって良い
駅ビル
駅ビルから御幸通りを見ると緑があって、良い景観
※今も特に悪いところはないけれど、部分的には気になるところがある。
通りと通りをつなげると、途中で良い景観が途切れているところがある。
緑の確保と電柱の地中化がされていない通りがある。
63
別 紙 ⑥
C班(港町ゾーン)「みなとみなとで」
一押し景観:海と空のつながり
美しい海と空
もっと
にぎわいがあれば
表
一押し景観は海と空のつながりの美しさです。海に面して設置された公園やそこへのアクセ
スロードからは、海や空そして山の緑を眺めることができ、心地良い空間を形成しています。
市民がマナーをまもって公園をきれいにしたり、ベンチを適切に配置するなど工夫をすれば
もっと港周辺を訪れる人が増えて、にぎわいがでてくると思います。
64
青い空と芝生の緑
コントラ ストがき れ い
発
公園へのアクセスが
心地 良い
壁新聞作成中
C 班 発 表 内 容
別 紙 ⑦
○人が集まる工夫をすれば良いのではないか
○主要施設があるわりには人通りが少ない
港公園
管理が悪く、ゴミが放置され、草がボウボウ。人がいない。
海や島が見えて眺めが良い。
高台にベンチを設置すれば良い
親水公園(晴海第一ふ頭公園)
整備されている
芝生の緑と空と海のコントラストがきれい
整備がきちんとされすぎて、無機質な感じ
ホテルや鉄塔が山を少し隠して景観を阻害している
アクセスロード(歩道)
整備されている
ベンチの前(海側)にはコンクリートの壁
ベンチの位置やベンチの前面を工夫する必要がある
駅∼フェリータミナル
殺風景(何もない)
利用度の高い道路なので、景観に工夫して欲しい
フェリーターミナル周辺
公園の整備がされていない
現状ではフェリーの利用客がきても気分が害されるのではないか
海岸通り
路上駐車が多く交通を妨げ、景観も悪い
※整備すると人は集まるかもしれないが、整備しすぎると人工的となって面白くない。
整備しても海と空を隠すような方法では良くない。
人が集まる工夫をして、にぎやかさが出ると良い
65
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第4回CAA委員会議事要旨
【日
時】
平成18年11月
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
9日(木)18:30∼20:50
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
吉岡
治
常久
京子
橋本
堅一
熊野
稔
村越
千幸子
周山
健太郎
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
【事 務 局】
(以上12名)
平川都市計画課長、長廣係長、中村主査、原主任
【議事内容】
1.開
会
2.第3回議事録について
別途資料(第3回CAA委員会議事要旨)のとおりで、全委員了承
3.開催要領
会長より開催要領の説明(別紙①)
4.ワークショップ
・班ごとに「中心市街地の景観を守り育てる」方策を検討し、壁新聞を作成した。
(別紙②③④⑤⑥⑦)
・各班発表
・まとめ
【会
長】中心市街地には多くの美しく心地良い景観が存在しているが、PRが足りてい
ないような気がする。市民による景観を守るボランチィアの組織づくりや規制、
ルール、マナーの遵守も必要である。また、子供たちに街の美しさやそれを守っ
ていくにはどうすればよいかの教育も大事である。
景観はまだ一般市民にはなじみがないので、できるだけ興味を持ってもらうこ
とが大切で、手始めに道路や交差点、街路樹などいろんなものに親しみやすい名
前をつけてみたらどうだろうか。
【副会長】市民全体が景観に対する意識を高めるとともに、周南市に存在する景観を守り
育てていく教育が大事だと思う。
このワークショップでは、A班の景観はある程度整ったものを守ってさらに良
くしていく景観、B班の景観はもうちょっと規制をかけたりして工夫していく景
観、そしてC班の景観はこれから育てていく景観で、地区によって違いがあると
感じられた。
5.次回開催要領と日程
・次回は、周南市の良好な景観形成の方策を検討する。
・あらかじめ準備した心地良い(ここはどうかなと感じる)景観の写真をプロジェクタ
ーでスクリーンに映し出し、全員で検討して意見を出し合う。
・次回開催は、12月14日(木)18:30からとする。
6.閉
会
66
別 紙 ①
第4回CAA委員会「周南市の景観を考えてみよう」
1.目
開催要領
的
中心市街地の景観を守り育てる方策を検討する。
・会議は、ワークショップ形式で行う。
(班分けは下記の通り)
・班ごとに成果を壁新聞にまとめて、発表する。
2. 班分け
前回と同じ
3.ワークショップ(壁新聞づくり)
90分
○前回作成した壁新聞(景観の特徴を把握したもの)を利用して、景観を守り育てるにはど
のようにしたらよいか、アイデアを出しあい、検討する。
①アイデアの記入(個人作業)
景観を守り育てるには、何をすればいいの?
いいのに!
どうすればいいの?
こんなことをしたら
といったことをポストイットカードに記入する。ひとり10案程度。
②アイデアの発表(個人作業+グループ作業)
ひとり1枚ずつ順番に、アイデアを記入したポストイットカードを説明し、模造紙に貼り
付ける。
そのアイデアと同じだと思うカードは、その都度その上に重ねて貼り付ける。
③アイデアの追加(個人作業)
ひと通り発表が終わると、こんなこともあるな!
ああすればいい!と思ったことを追加
します。
④仲間集め(グループ作業)
※④と⑤は同時作業となります。
これとこれは一緒だな!これとあれも近いな!という意見をまとめて、グループにする。
⑤見出しをつける(グループ作業)
まとめたグループ毎に見出しをつける。カードの中のキーワードやイメージを簡潔な単語
にする。
(例)知る、イベント、みどり、歴史
⑥考察+投票(グループ作業)
いいと思うカード(見出しを含む)に丸ポチシールを貼る。
各自5個ずつのシールを貼るが、一箇所にたくさん貼っても良い。
⑦壁新聞にタイトルをつける。(グループ作業)
(例)まち歩きで周南再発見、やさしさが創るふるさと周南
⑧各班で代表者を決めて発表する。
(各班5分程度)
4.まとめ
会長、副会長がまとめを行う。
67
別 紙 ②
A班(緑と文化ゾーン)
「知ってもらおう緑いっぱいの街」
街の特徴や美しさをPRし、みんなに知ってもらうことが大切です
PR
ウォーキング大会
文化イベント
散歩道マップを作成
通りや交差点に名前をつける
ウォーキング大会の開催
さくらの写真展を開く
創造
桜並木の歩道にベンチを置く
花壇に花を植える
組織
ボランティア
明石さんを手伝う
休みの日にゴミ拾い
景観を守る組織を作る
教育
歴史
小中学生への景観を守る教育
街路樹勉強会の開催
街の歴史を調べる
規制
看板の規制
建物の色彩の規制
電線地中化
電柱、電線が目立たない工夫
知ってもらおう
緑いっぱいの街
壁新聞作成中
壁新聞作成中
68
発
表
A班発表内容
別 紙 ③
「知ってもらおう緑いっぱいの街」
街のきれいなところや街歩きで再発見したものをPRし、みんなに街の良さ知ってもらうことが
大切です
PR
・ウォーキング大会を開催する
・散歩道のマップを作成する
・樹木に名前をつける
・案内版を設置する
きれいな景観をどのように創造、維持していくか
・桜並木の歩道にベンチを置く
・花壇に花を植える
・街路樹をもっと増やして、空地などが見えないようにする
ボランティア活動
・いつも市役所前の花壇を手入れしている明石さんを手伝う
・みんなでゴミ拾いをする
・組織を作ってグループで景観を守る
教育・歴史
・街の歴史を調べる
・この地区は街路樹がたくさんあるので、街路樹の勉強会を開催する
全て開放的だと秩序が保てないので規制が必要
・看板や建物の色を規制する
電線を地中化すればもっと良い景観になる
69
別 紙 ④
B班(商業ゾーン)
「美しさには努力とルールが必要」
街を美しくきれいにするには、みんなの努力と街づくりのルールが必要です
やっぱりルールは大切でしょ
広告看板の規制
シンボルデザインを決める
建物の色の統一
街灯の光の色をそろえる
好きになろう
通りに名前をつける
美しい景観の名所を探す
地域の一押し景観コンテスト
学校で美しい景観について教育
モニュメントの情報発信
自然をもっと
緑をもっと
東川緑地公園をもっと親水に
公園でいろいろな企画
美しくきれいに
清掃活動
ゴミは見えないように
もっと美しくきれいに
放置自転車はじゃま
駐輪場をつくる
電線地中化のすすめ
美しさには
努力とルールが必要
壁新聞作成中
壁新聞作成中
70
発
表
B班発表内容
「美しさには、努力とルールが必要」
コンセプトが必要で、選択と集中が大事です
やっぱりルールは大切でしょう
・看板の乱立が目立つので、規制が必要になる
・建物の統一性を持たせた街づくりをしてはどうか
好きになろう
・通りに名前をつける
・美しい景観の名所を探すことで、街に愛着を持ってもらう
・学校での教育で、清掃活動を行う
・地域の一押し景観コンテストを開催する
・街なかにはアート作品がたくさんあるのに知られていないので、情報発信をする
・街なかにアート作品が展示できるスペースを設ける
自然をもっと
・緑をもっと増やす、街路樹を手入れする
・東川緑地公園を水に親しめるようにする
・海がけっこう近いので、海が感じられる街づくりをしてはどうか
・東川緑地公園で、俳句会やお茶会などの文化的な催しを行う
美しくきれいに
・大人と子供が一緒になって清掃活動を行う
・家庭ゴミを置く場所(ゴミステーション)をつくる
もっときれいに美しく
・放置自転車は、中心市街地で最大の景観阻害要因である
頻繁に撤去作業を行う
駐輪場を設置する
・電線の地中化を推進する
既に地中化している通りはとても美しく感じられる
71
別 紙 ⑤
別 紙 ⑥
C班(港町ゾーン)
「みんなと歩こう 港町」
歩くことで、海や空や公園の美しい景観を知ってもらうことが大切です
ウォーキング
公園を結ぶウォーキングコー
ス
海や山をゆっくり眺める
参加する
みんなで公園をきれいに
歩きながらクリーン作戦
人材育成 意識啓発
行政の意識改革
景観法
小学生に景観学習の場を与え
る
景観貢献賞の創出
景観に関する条例の制定
つくる
駅からフェリー乗場までの道
路をシンボルロードに
ベンチを適切に配置
緑 化
公園の大木を育てる
空地を緑化
知 る
公園に愛称をつける
マナー
路上駐車をなくす
ポイ捨て防止
みんなと歩こう港町
壁新聞作成中
発
表
72
会長講評
C班発表内容
別 紙 ⑦
「みんなと歩こう港町」
まずこの港町地区を歩くことで、海や山、空の美しい景観を知ってもらうことが大切です
ウォーキング
・港町公園から親水公園までをウォーキングコースにする
車で移動するより歩くことで景観を知ってもらう
参加する
・みんなが参加して公園をきれいにする
行政として何ができるか
・景観の知識を持った行政マンを育成する
・条例を作って建築物に規制をかける
つくる
・ベンチが置いてあるのに景観が楽しめないのでその位置を考える
・駅からフェリー乗り場さびしいので、ここをシンボルロードに位置づける
緑化
・公園の中のコンクリートブロック塀が目立つので、それを緑化する
知る
・まち歩きをし、市民からの意見を聞いて景観ガイドブックを作成する
マナー
・路上駐車がなくなるだけでも景観が良くなる
73
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第5回CAA委員会議事要旨
【日
時】
平成18年12月14日(木)18:30∼20:50
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
吉岡
治
常久
京子
橋本
堅一
村越
千幸子
周山
健太郎
山崎
一夫
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
【事 務 局】
平川都市計画課長、長廣係長、中村主査、原主任
【傍 聴 者】
0名
(以上12名)
【議事内容】
1.開
会
2.第4回議事録について
別途資料(第4回CAA委員会議事要旨)のとおりで、全委員了承
3.開催要領
会長より開催要領の説明(別紙①)
4.意見交換
「周南市の景観を守り育てる方策」
周南市の心地良いと感じる景観、ここはどうかなと感じる景観の写真をスクリーンで見
ながら、意見交換を行った。(別紙②③④)
5.次回開催要領と日程
・次回は、提言書の素案について議論を行う。
・次回開催は、2月8日(木)18:30からとする。
6.閉
会
74
別 紙 ①
第5回CAA委員会「周南市の景観を考えてみよう」
1.目
開催要領
的
周南市の心地良い景観資源を抽出する。
周南市の景観を守り育てる方策を検討する。
2.議事進行
①事前準備
・CAA委員にアンケートを行い、
「心地良いと感じる景観」と「ここはどうかなと感じる景
観」を選出した。
・会長、副会長、事務局で、これに追加して「周南市の心地良い景観一覧表」を作成した。
・上記の写真を撮影し、第5回CAA委員会の資料とした。
②進行方法
・写真を1枚ずつスクリーンに映し出す。
・会長、副会長、提案者、事務局で説明する。
(場所や理由等)
・意見交換を行う。
・この景観に関する感想
・この景観を守り育てていく方策
③委員の意見
各委員、周南市の景観についての意見を述べる。
75
別 紙 ②
写真を見ながらの意見交換
徳山駅周辺
・徳山駅から御幸通を見た時、バス待合所の屋根が景観を阻害しているように感じる
・周南市の玄関としてふさわしくない
・駅を文化都市の中心として整備が必要
・機能を分散させて、景観を重視してはどうか
・機能的整備がされていないため、中途半端に感じる
・駅ビルの巨大広告物は景観を阻害している、どうにかならないか
(昔、広告物はなかった)
・駅(ビル)からの視点場を確保する意味での、駅北側広場と御幸通り及び駅南側広場の位置づ
けは重要で、今後の整備の課題である
・周南市の景観の軸は駅であり、その駅を中心とした軸線の確保すなわち北と南のつながりが重
要で、その中で景観も考慮すべきである
・駅ビルは視点場でもあり、景観阻害要因にもなっている
港周辺
・駅南側のホテルによって景観が阻害された、規制すべきと思うが現状ではその手立てがない
・駅南側全体で景観を活用したまちづくりを考えたらどうか(高い建物を規制するなど)
・港周辺の印象はゴミや路上駐車でよくない、これが街全体のイメージに影響している
きれいにするだけでも周南市のイメージアップにつながる
・ピンクの建物が気になる
・公園から海を見ると美しいと感じるが、海から公園を見ると美しいと感じない
・護岸がもっと低ければ海がよく見えるのに
・港の機能は優れているのに、海は汚れている
・空や海の見える場所は、視点場として優れている
商店街
・自転車を置くスペースを設ける必要がある
・ツリーを飾るのに自転車が支障になるが、逆にツリーやベンチがあると自転車が置きやすくな
る
岐山通り
・緑が豊かで、沿道の建築物も比較的その緑にマッチした色の建物が多い
・他の市に比べて道路が広い割に車の通行量が少なく、公共施設や学校があるため人通りは多い
・景観を考えた時、この公共施設や人の動きが景観のパーツとなっている
・歩道をもっと充実させてはどうか
・高校生が清掃活動をしている
・花壇の手入れに使う材料の散乱が気になるので、倉庫をつくったらどうか
・花壇の回りのブロックを景観に配慮したものにしたらどうか
76
PH通り
・花壇の手入れが必要
・花壇を造っても花を植えないのであれば、樹木にしたほうが良い
平和通り
・産業道路の延長としての機能と商店街としての機能が混在しているので、このような通りにな
った
・歩道(石張り舗装)と車道(コンクリート舗装)の色調が似ていることもあって、さびしく感
じる、全体が1色で表現できるような感じ
・街路樹が少なく、花壇には何も植えられていない(逆に街路樹の意義がよく理解できる)
・スクランブル交差点の白線は色は変えられないのか、色がいっぱいあれば楽しいのでは
・誘導ブロックの色は、目立つと景観を阻害するし、景観に配慮すると目的を果たしづらい、実
際に利用する人の意見を反映させるべきである
糀町一ノ井手線
・電線、電柱でハナミズキが見づらい
・電線の色を黒以外にするとどうなるだろうか
桜馬場のマンション
・下松方面からここを通過しようとすると、このマンションに向かって進む感じになる、
遠景が阻害されてアイストップになっている
児玉公園
・周囲に高い樹木が少なく見通しが良いせいか、遊ぶ子供が多い
タイワンマツ
・道路の一部を狭めてまで保存していることを、もっとPRするべきではないか
77
委 員 の 意 見
別 紙 ③
A委員
・周南市は都会にはなりきれない。都会の真似をするのではなく、街路樹等の個性をいかした整
備をする必要がある。
B委員
・鹿野、熊毛や北部地区は自然の景観資源に恵まれている。これを生かした癒しの空間を守って
いくことが大切だと思う。
C委員
・周南市は市街地の道路景観がメインである。建物や街路樹などで統一性を持たせた景観をつく
っていくことが必要である。
・様々な景観資源が存在しているので、歴史的な建築物は移築などでできるだけ残して、観光ス
ポットや景観を守る地区に指定すればよいのではないだろうか。
・ゴミの集積方法はどうにかならないだろうか。
マンションならゴミステーションがあるように、
ゴミを置く施設を設けてはどうだろうか。
D委員
・時間をつぶせる心地良い空間が身近にもけっこう多いと感じる。こういうところは景観も優れ
ているので、市民の持っている情報をまとめて、もっとPRしていったら良いのではないだろう
か。
E委員
・中心市街地は、個々の基準で創っては壊すことを繰り返してきたため、このような街になって
しまった。これからは、ある程度のルールをつくって共通の概念を持つことで、景観をキーワー
ドにした街づくりを進めていくべきではないだろうか。
・公園や護岸などの整備は、壊してきれいにするのが良いとは思えない。自然を意識した手法を
考える必要がある。
F委員
・新幹線を降りた時の徳山駅周辺のイメージは、周南市の玄関口としてふさわしくないように感
じる。都会でもないのに町名に東京の名称をつけているが、古くからある町名への変更を考慮し
てはどうだろうか。
G委員
・周南市には景観に優れたところがいっぱいあるが、徳山駅周辺の商店街はさびれていて景観も
よくないので、この対策を最優先したらどうどうだろうか。
・郊外については、この優れた景観に対して手法を考えて守っていくことが大切である。
78
H委員
・周南市には景観の良いところがいっぱいあるので、情報を発信していくことが大切で、そのこ
とにより景観が保護できればいいと思う。
・周囲にマッチしない色の建築物が気になるので、ルールをつくって改善していけばよいのでは
ないだろうか。
I委員
・周南市の景観は海や山などバリエーションが多く地域によって特徴があるので、田園地帯は守
っていく景観で、街なかは育てていく景観だと思う。
・モデル的な景観をPRしていくことが大切で、知ってもらうことで次のステップに進むことが
できる。市民が身近なことに関心をもって努力し、その積み重ねで街全体がよくなっていくので
はないだろうか。
J委員
・通常景観に関して意識することが少ないので、情報を提供して景観に関心を持ってもらうこと
が必要である。
・守っていく景観と育てていく景観にメリハリをつけることも考慮するべきではないだろうか。
K委員
・景観については知られていない部分が多いので、多くの市民に知ってもらうことが大事だと思
う。
・赤がわら、棚田や旧い街並みなど特徴的な景観を今後どうやって残していくのかを、十分議論
していく必要がある。
・公園の整備が、コンクリートを使用した人工的ものになっているのが気になる。個性的な公園
整備と維持管理を考慮する必要があるのではないだろうか。
L委員
・街なかはある程度ルールを作って景観を育てていくべきではないだろうか。遠景を生かした景
観を育てていく必要がある。
・郊外は景観を守っていくことが必要で、棚田や田園地帯の景観はすばらしいが、休耕田が増え
ないよう地域全体で考えていく必要がある。
79
会 議 状 況
別 紙 ④
景観サンプル
【桜のトンネル】
【馬島漁港と集落】
満開の桜が美しい
過疎化が深刻な問題
【四熊の棚田】
【周南大橋】
休耕田の増加が課題
銀色に輝く美しい橋
【呼坂本陣跡】
【しだれ桜(鹿野総合支所横)
】
歴史的建造物
樹齢350年
80
平成18年度CAA
「周南市の景観を考えてみよう」
第6回CAA委員会議事要旨
【日
時】
平成19年2月8日(木)18:30∼20:50
【場
所】
周南市役所
【出席委員】
本館3階
第6会議室
渡辺
優
深堀
潤一郎
中野
亮
吉岡
治
常久
京子
橋本
堅一
村越
千幸子
安沢
秀行
村井
智子
周山
健太郎
山崎
一夫
濱野
亜紀
川本
伸幸
守田
正志
(以上14名)
【事 務 局】
平川都市計画課長、長廣係長、中村主査、原主任
【傍 聴 者】
0名
【議事内容】
1.開
会
2.第5回議事録について
別途資料(第5回CAA委員会議事要旨)のとおりで、全委員了承
3.開催要領
会長より開催要領の説明(別紙①②③)
4.提言書(素案)についての意見交換(別紙④)
①第1章∼第3章
②第4章
③第5章
5.今後の日程
・開催要領のとおり
6.閉
会
81
別 紙 ①
第6回CAA委員会「周南市の景観を考えてみよう」開催要領
1. 目
的
提言書(素案)について意見交換をおこなう。
2. 進
行
① 第1章∼第3章
・全体で議論を行い、文章を修正するなど適宜対応する。
② 第4章「周南市の景観の特徴」
・別紙(案)を基に、班ごとに議論を行う。(班分けはこれまでと同じ)
・各班発表する。
・全体で議論する。
③ 第5章「周南市の景観を守り育てる方策」
・別紙にこれまでの委員会で出だされた意見を箇条書きにまとめた。
これに対して班ごとに内容の肉付けや新たな方策を見出す。
(強調したい具体的な方策や優先的に取組む必要がある方策など)
・各班発表する。
・全体で議論する。
④ 第6章「まとめ」
・第4章、5章の意見を基に修正を加える。
(会長が中心となって行う)
※時間に余裕が有れば、全体で議論を行う。
※参考資料
(1) 景観資源(一覧表、写真)-----
事務局で作成
(2) 審議経過、議事録
-----
事務局で作成
(3) 委員名簿
-----
事務局で作成
3.今後の予定
①提言書の修正(会長、副会長、事務局で行う)
・本日6回目の委員会の議論を反映させる。
②修正した提言書を委員全員に確認してもらう。(各委員に郵送)
③委員の意見を元に提言書を完成させる。(必要に応じて、再度委員の意見を聴く)
④提言書の提出
・3月中旬∼下旬
・会長、副会長で市長に手渡す。
(都合が合えば他の委員の参加も可能)
82
別 紙 ②
周南市の景観の特徴(案)
1. 高台から見る市街地景観
2. 新幹線から見るコンビナートの夜間景観
3. 大きな街路樹と広い道路景観(緑豊かな街路樹の連なる道路景観)
4. 緑豊かな中山間地域の里山景観(棚田や田園地帯などの農村景観)
5. 潮のにおいのする港、漁村景観(美しい海沿いに広がる海辺の景観)
6. 文化、伝統、歴史景観(生活の営みや祭りの景観)
83
別 紙 ③
周南市の景観を守り育てる方策
これまでの委員会で出された意見のまとめ
① 心地よい景観(資源)を市民に知ってもらう(行政が主体となって情報発信)
② 街の美しさや歴史を教える教育や勉強会をおこなう(市民への啓発活動)
③ 景観を守る組織をつくり、ボランティア活動をおこなう(市民主体の活動)
④ まちづくりのルールをつくり、看板や建物の規制をおこなう(主に民間の建物の規制)
⑤ 地域の特性を生かしたまちづくりをおこなう(行政のまちづくりの手法)
84
別 紙 ④
提言書(素案)についての意見交換
第1章∼第3章
・景観行政団体の数などのデータについては、提言書の提出時点の最新なものに修正する。
・県や市の景観への取り組み事例を追加したらどうだろうか。
・第1章の後半部分の「したがって」の前後の文章のつながりが悪いので、何らかの加筆、修正
が必要だと思う。
第4章
周南市の景観の特徴(案)
1. 高台から見る市街地景観
2. 新幹線から見るコンビナートの夜間景観
3. 大きな街路樹と広い道路景観(緑豊かな街路樹の連なる道路景観)
4. 緑豊かな中山間地域の里山景観(棚田や田園地帯などの農村景観)
5. 潮のにおいのする港、漁村景観(美しい海沿いに広がる海辺の景観)
6.文化、伝統、歴史景観(生活の営みや祭りの景観)
【A
班】
・周南緑地公園も特徴のひとつに加えてはどうだろうか。
・コンビナートの夜景については、最近少しさびしくなっているので、今後を考えて削除した
らどうだろうか。
・高台から見る景観は海もあり、市街地だけではないのでは。
・回天発射訓練場基地も加えたらどうだろうか。
・周南市の景観の特徴として、ひとつ大きな柱があれば良いのだが。
・周南市の景観は、国道2号線を境にして、南と北で違っているように感じる。
【B
班】
・次のように修正したらどうだろうか。
1.高台から見る市街地景観(修正なし)
2.周南コンビナートの夜景(新幹線からだけに限定されない)
3.四季彩あふれる街路樹のみち(落葉樹が多く季節感がある)
4.里山の営みから生れる農村風景(人々の生活の営みがあって存在する)
5.潮の香る漁港と島々(港では徳山湾をイメージしてしまう、匂うより香るという表現の
ほうが感じが良い)
6.このフレーズがぴんとこない。
【C
班】
・どの程度具体化するのかが難しい
1.山頂から見おろす町並み景観
2.新幹線から見るコンビナートの夜間景観(修正なし、新幹線はあったほうが良い)
3∼5.(
)書きのほうがやわらかい感じがして良い
6.もう少し考える必要がある
85
【全
体】
・コンビナートは、故郷に帰って来た時に目に付く景観なので、ぜひ特徴のひとつとして位
置づけて欲しい。
・コンビナートは新幹線から見るのが一番良いポイントだと思う。在来線からでは低すぎる
し、山から見たのでは高すぎる。移動する新幹線から見るのが良い。
・6の項目には、歴史的な建物が含まれていると思う。そのあたりがうまく表現できると良
いと思う。古い町並みは、各地域にけっこう残っている。
・全体的にもう少し具体的に表現したらどうだろうか。どの市にも当てはまるような表現で
あり、周南市らしさが出ていないように感じる。
・これが周南市にとっての指針のようなものなので、どの市にも当てはまるようなものでも
問題はないと思う。
・6だけが目標的なことが書かれているような気がする。これから工夫していけば、文化、
伝統、歴史の景観が形成される。それがパーツとして確定していれば、固有名詞を挙げて
も良いのでは。
・鹿野地区は、潮音洞ができたことにより渋川から市街地に水を引くことができて町が発展
してきた。そういう歴史的背景を明記する必要があると思う。
・他市に比べて歴史的なものが少ないと思われているので、ここで具体的な名称を挙げて市
民に周知するという手法もある。そういう点では、1∼5とは違うのではないだろうか。
・周南市には周南市の歴史があるのは間違いないところだと思う。
第5章
周南市の景観を守り育てる方策(これまでの委員会で出された意見のまとめ)
① 心地よい景観(資源)を市民に知ってもらう(行政が主体となって情報発信)
② 街の美しさや歴史を教える教育や勉強会をおこなう(市民への啓発活動)
③ 景観を守る組織をつくり、ボランティア活動をおこなう(市民主体の活動)
④ まちづくりのルールをつくり、看板や建物の規制をおこなう(主に民間の建物の規制)
⑤ 地域の特性を生かしたまちづくりをおこなう(行政のまちづくりの手法)
【A
班】
・景観行政が次に進んでいくヒントになる必要がある。
・景観行政への取り組みは、市のひとつの課だけで進めるのではなく、行政全体で取り組ん
でいくべきである。
【B
班】
・
「郷土愛」が育まれなければ、景観を守っていくことはできない。この「郷土愛」という表
現を明記して、これを景観に取り組む際の大前提として欲しい。
・2については、
「教える」という表現ではなく、
「学べる」ということを重視したらどうか。
・「景観をなぜ守らなければならないのか」を、前段に明記したほうが良いのでは。
・行政と市民の役割をうまく整理して記述したら良いのでは。
・表−3は、文章として記述したものを補足する資料とした方が良い。
(議事録と同じ資料と
なるので、ここに掲載する必要はない)
86
【C
班】
・基本的なスタンスとして、
「景観についてアピールする → 知る → 興味を持つ → できる
ことからはじめる」というように、段階的に進めていくのが良いのでは。
・他市の例として、ファンクラブを作って家の前に花を植える運動を推進したり、クリスマ
スの季節に家の周囲をデコレーションすることで周囲にまちづくりの意識を広めたりして
いる地域もある。
・行政と市民は重なりあっているところも多いので、役割分担は明確にできない部分もある。
(
)書きは削除したほうが良いのでは。
・「教える」のではなく、「学ぶ」ことが必要。
・
「組織を作る」というより、
「組織の受け皿をつくる」ことから始めていったら良いのでは。
・「規制」については、どこまでできるか分からないが、緩やかな規制があったほうが良い。
【全
体】
・景観行政団体となって、周南市独自のルールを作ることが必要なのではないだろうか。特
に電線や電柱が気になるので、どうにかしたい。ただし、規制をかけるとマンションの建
替えが現状のようにできないので苦慮しているという京都市の事例もあるので、そのあた
りは慎重に議論する必要がある。
全章について
・委員の意見を完全に一致させるのは困難であるが、大半の方が同意できるところでまとめ
る必要がある。この提言書(素案)にかなり肉付けしていく形になるのでは。
・句読点をきちんと整理するなど、文章の体裁を整える必要がある。
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平成18年度CAA委員名簿
「周南市の景観を考えてみよう」
会
氏
長
:
橋本
堅一
副会長
:
村越
千幸子
名
所
属
等
1
渡 辺
優
公募市民
2
深 堀
潤 一 郎
公募市民
3
中 野
亮
公募市民
4
吉 岡
治
公募市民
5
常 久
京 子
公募市民
6
橋 本
堅 一
徳山高専教授
7
熊 野
稔
徳山高専助教授、山口県景観アドバイザー
8
村 越
千 幸 子
建築士、山口県景観アドバイザー
9
安 沢
秀 行
建築士
10
村 井
智 子
建築士
11
周 山
健 太 郎
商工観光課
観光交流係
12
山 崎
一 夫
建築課
建築一係
13
濱 野
亜 紀
開発指導課
建築審査係
14
川 本
伸 幸
都市整備課
公園係
15
守 田
正 志
都市計画課
計画係
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